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  • 特開-閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル 図1
  • 特開-閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル 図2
  • 特開-閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153604
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/18 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A61M25/18
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066646
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0049856
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523424949
【氏名又は名称】エスティーエス バイオ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェ ヨン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】選択的に開閉されるコネクタが末端のハブに設けられることで、薬物送達に際して発生する漏れや感染などの危険なく、安全性を確保することができる閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルを提供する。
【解決手段】閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル10に関し、血管に挿入可能なカテーテルチューブ100と、前記カテーテルチューブの末端に設けられるハブ200と、前記ハブに装着される第1のコネクタ本体310と、前記第1のコネクタ本体と着脱可能で、且つ、薬物送達器具20に装着固定される第2のコネクタ本体320を備えるコネクタとを含み、前記第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体は、相互分離した状態では、内部の流路がそれぞれ閉じられ、相互結合して連結されるときは、内部の流路が開かれて連通されることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管に挿入可能なカテーテルチューブ(100)と、
前記カテーテルチューブ(100)の末端に設けられるハブ(200)と、
前記ハブ(200)に装着される第1のコネクタ本体(310)と、前記第1のコネクタ本体(310)と着脱可能で、且つ、薬物送達器具(20)に装着固定される第2のコネクタ本体(320)を備えるコネクタ(300)とを含むことを特徴とする、閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル。
【請求項2】
前記第1のコネクタ本体(310)と前記第2のコネクタ本体(320)は、相互分離した状態では、内部の流路がそれぞれ閉じられ、相互結合して連結されるときは、内部の流路が開かれて連通されることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管の造影や塞栓療法などに用いられるマイクロカテーテルに関し、特に、選択的に開閉されるコネクタが末端のハブに設けられることで、薬物送達に際して発生する漏れや感染などの危険なく、安全性を確保することができる閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカテーテルは、人体内の血管に挿入されて、血管を介して、造影剤と抗癌剤のような薬物、塞栓物質などを、ターゲット部位に送達する場合に用いられる。
【0003】
マイクロカテーテルは、図1に示しているように、一般に、カテーテルチューブ1とハブ2からなり、また、該カテーテルチューブ1は、血管に挿入されるチューブであって、チップの端部に放射線不透過性性質を呈するマーカーが装着されており、血管を柔軟に通過するように、チップから一定の区間まで親水性コート処理がなされており、前記ハブ2は、カテーテルチューブ1の末端に設けられ、且つ、注入のための薬物送達器具が連結される。
【0004】
しかし、このような従来のマイクロカテーテルは、末端が開放状態を維持するハブ2だけで構成されているため、薬物注入のために薬物注入器具をハブ2に連結する場合、抗癌剤のような薬物が外部に漏出する危険性があり、このような薬物注入過程が繰り返される場合、閉じられていない状態が長時間維持されて、持続的に薬物の漏れ状況が発生するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録特許第10-2287468号公報: マイクロカテーテル
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、閉鎖状態を維持し、且つ、薬物送達器具が結合される場合にのみ選択的に開かれるコネクタがハブに設けられることで、薬物送達に際して発生する漏れや感染などの危険なく、安全性を確保することができる閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するための本発明の閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルは、血管に挿入可能なカテーテルチューブと、前記カテーテルチューブの末端に設けられるハブと、前記ハブに装着される第1のコネクタ本体と、前記第1のコネクタ本体と着脱可能で、且つ、薬物送達器具に装着固定される第2のコネクタ本体を備えるコネクタとを含み、前記第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体は、相互分離した状態では、内部の流路がそれぞれ閉じられ、相互結合して連結されるときは、内部の流路が開かれて連通される。
【発明の効果】
【0008】
本発明による閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルによると、閉鎖状態を維持し、且つ、薬物送達器具が結合される場合にのみ選択的に開かれるコネクタがハブに更に設けられているので、薬物送達に際して発生する薬物の漏れや感染などの危険なく、衛生的で且つ安全に薬物送達を行うことができる。
【0009】
また、前記の効果の他に、本発明の特徴的な構成から容易に導出され、期待される特有な効果も、本発明の効果に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、従来のマイクロカテーテルの主要部を示す図である。
図2図2は、第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体が分離された状態で、本発明の一実施形態による閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルを示す図である。
図3図3は、第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体が連結された状態で、本発明の一実施形態による閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明による閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルに関する好適な実施形態を詳細に説明する。
【0012】
本実施形態は、当業界において平均知識を有する者に、本発明をより明確に説明するために提供されるものであって、添付の図面における要素の形状、サイズ、数、要素間の間隔などは、より明確な説明を強調するために、縮小又は誇張して表現されることができ、特に制限しない限り、図面に示した事項に限定されるものではない。
【0013】
また、実施形態を説明することに当たり、ある構成要素が他の構成要素に「備えられ」、「形成され」、「設けられ」、「結合され」、「固定され」、「連結され」と記載したときは、その他の構成要素に直接、備え、形成、設け、結合、固定、連結されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきである。
【0014】
また、前、後、左、右、上、下などのような方向を現わす用語は、図面に図示・観測される方向を説明するために使われただけで、図示・観測される方向が変わると、このような用語も変わることができることを理解されるべきである。
【0015】
合わせて、実施形態を説明することにおいて、原則的に関連した公知の機能や公知の構成のように、既に当該技術分野における通常の技術者に自明な事項であって、本発明の技術的特徴を不要に濁していると判断される場合は、その詳細な説明を省略することにする。
【0016】
図2図3には、本発明の一実施形態に係る閉鎖薬物送達型マイクロカテーテルの主要構成が示されている。
【0017】
前記図1及び図2に示しているように、本発明の一実施形態に係る閉鎖薬物送達型マイクロカテーテル10は、カテーテルチューブ100と、ハブ200と、コネクタ300とを含む。
【0018】
前記カテーテルチューブ100は、血管内に挿入される部分であって、一般のマイクロカテーテルのカテーテルチューブと同様に、長く延びるチューブからなる。
【0019】
前記ハブ200は、カテーテルチューブ100の末端に設けられ、ハブ200も、一般のマイクロカテーテルのハブと同一の構成及び構造を有する。
【0020】
すなわち、カテーテルチューブ100とハブ200は、特定の構成に限定されるものではなく、当該技術分野において公知された様々な構成のいずれか1つからなる。
【0021】
前記コネクタ300は、ハブ200に設けられ、薬物送達器具20とマイクロカテーテル10を連結させる機能を果たす。
【0022】
このようなコネクタ300は、相互間に分離された第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320から構成される。
【0023】
前記第1のコネクタ本体310は、ハブ200に装着して固定され、前記第2のコネクタ本体320は、薬物送達器具20に装着して固定される。
【0024】
前記第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320が相互結合して連結されると、薬物が第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320を通過して流動するように、内部の流路が開かれ、相互結合が解除して分離されると、それぞれの内部流路が閉じられる構成を有する。
【0025】
すなわち、第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320が相互分離された状態であると、それぞれ、内部の流路が閉鎖状態を維持し、相互結合して互いに連結される場合にのみ、内部の流路が開かれて、連通される構成を有することである。
【0026】
これにより、図2に示しているように、マイクロカテーテル10が、薬物送達器具20と分離された状態であると、マイクロカテーテル10のハブ200に装着した第1のコネクタ本体310と、薬物送達器具20に装着した第2のコネクタ本体320のそれぞれの内部流路はそれぞれ閉じられることで、マイクロカテーテル10と薬物送達器具20がいずれも、閉鎖状態を維持することになる。
【0027】
このような閉鎖状態で薬物送達のための作業を行うことになると、すなわち、図3に示しているように、薬物送達器具20をマイクロカテーテル10に連結すると、第2のコネクタ本体320が第1のコネクタ本体310に結合され、ここで、第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320内の流路が開かれることで、漏れの問題なく、薬物送達器具20からマイクロカテーテル10への薬物の注入が安全に行われることになる。
【0028】
また、薬物の再注入のために、薬物送達器具20をマイクロカテーテル10から分離すると、すなわち、第2のコネクタ本体320が第1のコネクタ本体310から離脱分離されると、ここで、第1のコネクタ本体310と第2のコネクタ本体320内の流路がそれぞれ閉じられることで、マイクロカテーテル10と薬物送達器具20が再度閉鎖状態に切り換わるので、このような薬物の注入過程が繰返して行われても、すなわち、反復的な注入過程においても、薬物の漏れ問題が全く発生しなくなる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態及び図面に記載された内容に限定されるものではなく、当該技術分野における通常の知識を有する者により修正又は変更した等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しないと言える。
【符号の説明】
【0030】
10: マイクロカテーテル
20: 薬物送達器具
100: カテーテルチューブ
200: ハブ
300: コネクタ
310: 第1のコネクタ本体
320: 第2のコネクタ本体
図1
図2
図3