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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153607
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ヘッドバンド及びイヤホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H04R1/10 103
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066801
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】202320855761.X
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521476193
【氏名又は名称】安克▲創▼新科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ 文超
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲運▼基
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BD04
5D005BD12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヘッドバンドを収納する時に占める収納空間を縮小することができ、携帯しやすくなるとともに、ヘッドバンドの安定性及び信頼性を向上させることができるヘッドバンド及びイヤホンを提供する。
【解決手段】ヘッドバンドは、全体として弧状を呈するハンガー体10を含み、ハンガー体10は、ハンガー体10の延在方向に沿って配列される複数の関節構造と、複数の回転軸と、を含む。隣接する2つの関節構造は、少なくとも1つの回転軸により回転可能に接続され、回転軸の軸方向は、ハンガー体10の軸方向と平行であり、隣接する2つの関節構造は、ハンガー体10が折り畳み状態と展開状態との間で切り替えられるように、回転軸の軸方向を中心として相対的に回転可能である。複数の関節構造は、第1関節構造11を含み、第1関節構造11は、プラスチック部材111及び弾性片を含み、プラスチック部材111と弾性片とは、一体的に射出成形される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体として弧状を呈するハンガー体を含み、
前記ハンガー体は、
前記ハンガー体の延在方向に沿って配列される複数の関節構造と、
複数の回転軸であって、隣接する2つの前記関節構造は、少なくとも1つの前記回転軸により回転可能に接続され、前記回転軸の軸方向は、前記ハンガー体の軸方向と平行であり、隣接する2つの前記関節構造は、前記ハンガー体が折り畳み状態と展開状態との間で切り替えられるように、前記回転軸の軸方向を中心として相対的に回転可能である複数の回転軸と、
を含み、
複数の前記関節構造は、第1関節構造を含み、前記第1関節構造は、プラスチック部材及び弾性片を含み、前記プラスチック部材と弾性片とは一体的に射出成形される、
ことを特徴とするヘッドバンド。
【請求項2】
前記弾性片の構造強度は、前記プラスチック部材の構造強度よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】
前記プラスチック部材は、中空キャビティを有し、前記弾性片は、前記中空キャビティ内に位置し、又は、
前記弾性片は、前記プラスチック部材の外面又は内面に重ねられる、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項4】
前記プラスチック部材には、第1位置決め構造が設けられ、前記弾性片の一部は、前記第1位置決め構造内に位置し、及び/又は、
前記弾性片には、第2位置決め構造が設けられ、前記プラスチック部材の一部は、前記第2位置決め構造内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項5】
前記弾性片の端部には、折り曲げ構造が設けられ、前記折り曲げ構造と前記弾性片とは、一体的に射出成形される、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項6】
前記折り曲げ構造に、開口部が設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載のヘッドバンド。
【請求項7】
隣接する2つの前記関節構造は、互いに対向する第1接続面及び第2接続面を有し、隣接する2つの前記関節構造のうち、前記第1接続面を有する関節構造に、収容溝が設けられ、前記第2接続面を有する関節構造に、回転部材が設けられ、前記収容溝は、前記第1接続面に位置するノッチを有し、前記回転部材は、前記第2接続面に位置し、かつ前記ノッチを通して前記収容溝に挿入され、前記回転部材に、取付孔が設けられ、前記取付孔は、前記回転軸の軸方向に沿って延在し、かつ前記回転部材を貫通し、前記回転軸は、前記取付孔内に穿設され、隣接する2つの前記関節構造は、前記回転部材及び前記回転軸により回転可能に接続され、前記収容溝は、前記ハンガー体の内側に向かって延在して、前記回転部材が回転するための逃がし切欠きを形成し、
前記ハンガー体が展開状態にある場合、前記収容溝の前記ハンガー体の内側と反対の側に位置する、前記第1接続面の部分は、前記第2接続面に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項8】
前記ハンガー体は、
第1クランプ機構と、
前記第1クランプ機構に対向して設けられる第2クランプ機構と、
前記第1クランプ機構と前記第2クランプ機構との間に位置し、一端が1つの前記回転軸により前記第1クランプ機構に回転可能に接続され、他端が他の前記回転軸により前記第2クランプ機構に回転可能に接続される接続機構と、
を含み、
前記接続機構は、複数の前記第1関節構造が順に接続されて形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項9】
複数の前記関節構造は、第2関節構造をさらに含み、前記第1クランプ機構は、複数の前記第2関節構造が順に接続されて形成され、前記第2クランプ機構は、複数の前記第2関節構造が順に接続されて形成され、前記第2関節構造と前記第1関節構造とは構造が異なる、ことを特徴とする請求項8に記載のヘッドバンド。
【請求項10】
第1イヤホンユニットと、第2イヤホンユニットと、請求項1~9のいずれか一項に記載のヘッドバンドと、を含み、前記第1イヤホンユニットは、前記ハンガー体の一端に接続され、前記第2イヤホンユニットは、前記ハンガー体の他端に接続される、ことを特徴とするイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、イヤホンの技術分野に関し、特にヘッドバンド及びイヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドホンのようなヘッドマウント機器は、装着しやすいため、使用者に好まれているが、ヘッドマウント機器のヘッドバンドの体積が一般的に大きく、ヘッドバンドの大きさは、通常、わずかにしか調整できないため、ヘッドバンドを収納する時に多くの収納空間を占め、携帯しにくい。
【発明の概要】
【0003】
本願は、ヘッドバンド及びイヤホンを提供し、ヘッドバンドを収納する時に占める収納空間を縮小することができ、携帯しやすくなるとともに、ヘッドバンドの安定性及び信頼性を向上させる。
【0004】
本願の第1態様に係るヘッドバンドは、全体として弧状を呈するハンガー体を含み、前記ハンガー体は、前記ハンガー体の延在方向に沿って配列される複数の関節構造と、複数の回転軸であって、隣接する2つの前記関節構造は、少なくとも1つの前記回転軸により回転可能に接続され、前記回転軸の軸方向は、前記ハンガー体の軸方向と平行であり、隣接する2つの前記関節構造は、前記ハンガー体が折り畳み状態と展開状態との間で切り替えられるように、前記回転軸の軸方向を中心として相対的に回転可能である複数の回転軸と、を含み、複数の前記関節構造は、第1関節構造を含み、前記第1関節構造は、プラスチック部材及び弾性片を含み、前記プラスチック部材と弾性片とは、一体的に射出成形される。
【0005】
本願の第2態様に係るイヤホンは、第1イヤホンユニットと、第2イヤホンユニットと、ヘッドバンドと、を含み、前記第1イヤホンユニットは、前記ハンガー体の一端に接続され、前記第2イヤホンユニットは、前記ハンガー体の他端に接続される。
【0006】
本願の有益な効果は、以下のとおりである。ヘッドバンドを使用する必要がない時、それぞれ回転軸の軸方向を中心として各関節構造を回転させてハンガー体を折り畳み、ハンガー体を折り畳み状態にすることにより、ヘッドバンドを折り畳み状態にすることができる。ハンガー体が折り畳み状態にある時の空間体積を大幅に縮小することができ、それによりヘッドバンドの空間体積を縮小することができ、ヘッドバンドがより携帯しやすくなる。また、弾性片は、一定の弾性力を有し、ヘッドバンドを頭部に装着している場合、弾性片の弾性力を利用することで、ヘッドバンドが展開状態にある時に良好なクランプ力を保持することができ、それによりヘッドバンドと頭部との接続が強固になり、ヘッドバンドが頭部から落下したり滑り落ちたりすることが回避される。さらに、プラスチック部材は、軽量であり、加工プロセスが簡単であり、加工精度が高いなどの利点を有し、プラスチック部材と弾性片とを一体的に射出成形して第1関節構造を形成することにより、第1関節構造の全体の重量及び加工難度を低減し、第1関節構造の加工精度を向上させ、それにより各第1関節構造の間の組み立てをより精密にするとともに、弾性片とプラスチック部材とが分離しにくくし、第1関節構造の全体の性能をより安定して分散しにくくし、ヘッドバンドの安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0007】
本願の実施例又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施例におけるヘッドバンドの概略構成図である。
図2】本願の一実施例における第1関節構造の概略構成図である。
図3】本願の一実施例における第1関節構造の構成部材の概略図である。
図4】本願の一実施例におけるヘッドバンドの概略構成図である。
図5】本願の一実施例におけるヘッドバンドの部分概略構成図である。
図6】本願の一実施例における隣接する2つの関節構造の概略構成図である。
図7図1のA箇所の拡大概略図である。
図8】本願の一実施例におけるイヤホンの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載された具体的な実施例は、あくまでも本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものではない。
【0010】
本願は、ヘッドバンドの空間体積が一般的に大きく、ヘッドバンドの大きさは、通常、わずかにしか調整できないため、ヘッドバンドを収納する時に多くの収納空間を占め、携帯しにくいという課題を解決するために、ヘッドバンド及びイヤホンを提供する。
【0011】
図1に示すように、本願の第1態様に係るヘッドバンドは、全体として弧状を呈するハンガー体10を含み、ハンガー体10は、複数の関節構造及び複数の回転軸12(図6に示す)を含み、複数の関節構造は、ハンガー体10の延在方向(すなわち、長さ方向)に沿って配列され、隣接する2つの関節構造は、1つ又は2つの回転軸12を介して回転可能に接続され、回転軸12の軸方向(すなわち、長さ方向)は、ハンガー体10の軸方向(図1におけるOO方向)と平行であり、隣接する2つの関節構造は、ハンガー体10が折り畳み状態と展開状態との間で切り替えられるように、1つの又は対向して設けられる2つの回転軸12の軸方向を中心として相対的に回転可能である。
【0012】
なお、ヘッドバンドがヘッドホンに応用される場合を例とすれば、ヘッドバンドは、イヤホンユニットに接続され、イヤホンユニットをユーザの頭部に固定することができ、ヘッドバンドが使用状態にあり、例えば、ヘッドバンドが頭部に装着された時に、ハンガー体10が展開状態にあり、すなわち、ヘッドバンドが展開状態にあり、この時、ヘッドバンドが占める空間体積が大きく、本願において、ハンガー体10は、ヘッドバンドの本体構造であり、さらに、他の部材の取付及び支持に役割を果たす。ハンガー体10は、相対的に回転可能な複数の関節構造により形成され、従って、ヘッドバンドを使用する必要がない時、それぞれ回転軸12の軸方向を中心として各関節構造を回転させてハンガー体10を折り畳み、ハンガー体10を折り畳み状態にすることにより、ヘッドバンドを折り畳み状態にすることができる。また、いずれかの隣接する2つの関節構造がいずれも少なくとも1つの回転軸12の軸方向を中心として相対的に回転することができるため、ハンガー体10の複数の領域をいずれも折り畳むことができ、それによりハンガー体10が折り畳み状態にある時の空間体積を大幅に縮小し、ヘッドバンドの空間体積を縮小することができ、ヘッドバンドがより携帯しやすくなる。
【0013】
なお、複数の関節構造の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、本願は、具体的に限定しない。図2及び図3に示すように、複数の関節構造は、第1関節構造11を含み、第1関節構造11は、プラスチック部材111及び弾性片112を含み、プラスチック部材111と弾性片112とは、一体的に射出成形される。
【0014】
なお、弾性片112は、一定の弾性力を有し、ヘッドバンドを頭部に装着している場合、弾性片112の弾性力を利用することで、ヘッドバンドが展開状態にある時に良好なクランプ力を保持することができ、それによりヘッドバンドと頭部との接続が強固になり、ヘッドバンドが頭部から落下したり滑り落ちたりすることが回避され、また、プラスチック部材111は、軽量であり、加工プロセスが簡単であり、加工精度が高いなどの利点を有し、プラスチック部材111と弾性片112とを一体的に射出成形して第1関節構造11を形成することにより、第1関節構造11の全体の重量及び加工難度を低減し、第1関節構造11の加工精度を向上させ、それにより各第1関節構造11の間の組み立てをより精密にするとともに、弾性片112とプラスチック部材111とが分離しにくくし、第1関節構造11の全体の性能をより安定させ、分散しにくくする。
【0015】
本願の一実施例において、弾性片112の構造強度は、プラスチック部材111の構造強度よりも大きく、構造強度とは、物体の断裂に対する耐性を指し、第1関節構造11全体の構造強度を向上させることができ、それにより第1関節構造11全体の性能がより安定し、ヘッドバンドを折り曲げる時に断裂が発生しにくい。
【0016】
好ましくは、弾性片112の製造材料は、弾性鋼又は弾性銅などの弾性を有する金属であってもよく、第1関節構造11の構造強度を増加させた上で、第1関節構造11の弾性力を向上させ、それによりヘッドバンドを頭部に装着している場合に、ヘッドバンドと頭部との接続がより強固になり、もちろん、実際の需要により、弾性片112の製造材料は、弾性プラスチックなどの材料であってもよい。
【0017】
本願の一実施例において、プラスチック部材111は、中空キャビティを有し、弾性片112は、中空キャビティ内に位置する。なお、第1関節構造11を形成する時、金型内に予め準備された弾性片112を入れてから、金型内に溶融状態のプラスチックを注入し、プラスチックで弾性片112を包み、弾性片112をプラスチックで包む時、プラスチック部材111内に中空キャビティを形成することができる。このように設計すると、弾性片112とプラスチック部材111との接続強度をさらに向上させ、ヘッドバンドの折り曲げ過程において弾性片112とプラスチック部材111との分離を防止することができる。
【0018】
本願の他の実施例において、弾性片112は、プラスチック部材111の外面又は内面に重ねられてもよい。なお、プラスチック部材111の外面とは、ヘッドバンドを頭部に装着している場合、プラスチック部材111の頭部から離れた面を指し、プラスチック部材111の内面とは、ヘッドバンドを頭部に装着している場合、プラスチック部材111の頭部に向かう側を指す。第1関節構造11を形成する時、金型内に予め準備された弾性片112を入れてから、金型内にプラスチックを注入し、弾性片112の表面にプラスチックを成形することにより、弾性片112をプラスチック部材111の外面又は内面に重ねることができる。このように設計すると、ユーザが弾性片112の状況を観察しやすくなり、弾性片112が損傷した場合、弾性片112を適時にメンテナンスしたり、新しい第1関節構造11を交換したりすることができる。
【0019】
本願の一実施例において、プラスチック部材111には、第1位置決め構造111aが設けられ、弾性片112の一部は、第1位置決め構造111a内に位置し、及び/又は、弾性片112には、第2位置決め構造112aが設けられ、プラスチック部材111の一部は、第2位置決め構造112a内に位置する。なお、第1位置決め構造111a及び第2位置決め構造112aを利用して弾性片112を位置決めすることにより、弾性片112を設計された位置に正確に取り付けることができ、また、第1位置決め構造111a及び第2位置決め構造112aは、弾性片112とプラスチック部材111との接続強度を向上させ、弾性片112とプラスチック部材111との相対移動を防止することができる。
【0020】
第1位置決め構造111aがプラスチック部材111に位置する位置決め孔及び/又は位置決め溝などの構造を含み、弾性片112に、例えば、位置決め柱などの構造のような凸状構造が設けられ、弾性片112とプラスチック部材111とを一体的に射出成形する時、溶融状態のプラスチックが凸状構造を包んで位置決め孔及び/又は位置決め溝を形成してもよく、第2位置決め構造112aが弾性片112に位置する位置決め孔及び/又は位置決め溝などの構造を含み、弾性片112とプラスチック部材111とを一体的に射出成形する時、溶融状態のプラスチックが位置決め孔及び/又は位置決め溝に注入されて固化してもよい。
【0021】
本願の一実施例において、弾性片112の端部には、折り曲げ構造113が設けられ、折り曲げ構造113と弾性片112とは、一体的に射出成形される。なお、弾性片112とプラスチック部材111とを一体的に射出成形する時、溶融状態のプラスチックは、折り曲げ構造113を包み、弾性片112とプラスチック部材111との接触面積を増加させ、それにより弾性片112とプラスチック部材111との接続強度をさらに向上させ、ヘッドバンドの折り曲げ過程において弾性片112とプラスチック部材111との分離を防止することができ、また、プラスチック部材111は、弾性片112とプラスチック部材111との相対移動を防止するように、折り曲げ構造113により弾性片112を各方位で位置制限することができる。
【0022】
折り曲げ構造113は、プラスチック部材111の内側に向かって折り曲げられてもよく、プラスチック部材111の外側に向かって折り曲げられてもよく、好ましくは、折り曲げ構造113は、弾性片112と折り曲げ構造113との接続強度を向上させるように、弾性片112と一体的に成形されてもよく、この場合、折り曲げ構造113は、弾性片112の端部部分を折り曲げて形成されてもよい。好ましくは、弾性片112とプラスチック部材111との接続強度をさらに向上させるように、弾性片112の両端のいずれにも折り曲げ構造113が設けられてもよい。
【0023】
本願の一実施例において、折り曲げ構造113には、開口部113aが設けられる。なお、弾性片112とプラスチック部材111とを一体的に射出成形する時、溶融状態のプラスチックは、開口部113aに充填され、それにより折り曲げ構造113をより強く包むことができ、弾性片112とプラスチック部材111との接続強度をさらに向上させ、プラスチック部材111による弾性片112に対する各方位での位置制限を強化することができる。
【0024】
本願の一実施例において、プラスチック部材111には、第1透かし彫り構造111bが設けられ、第1透かし彫り構造111bは、プラスチック部材111の外面及び内面を貫通し、弾性片112には、第1透かし彫り構造111bに対応する第2透かし彫り構造112bが設けられる。なお、第1透かし彫り構造111b及び第2透かし彫り構造112bは、第1関節構造11と頭頂との接触面積及び重量を減少させることにより、人の頭頂への圧迫を減少させることができ、また、第2透かし彫り構造112bの設計により弾性片112の弾性を調整することができる。もちろん、弾性片112の厚さなどの方面の設計により弾性片112の弾性を調整してもよく、第1透かし彫り構造111b及び第2透かし彫り構造112bの体積は、実際の需要に応じて選択することができ、本願は、具体的に限定しない。
【0025】
図4に示すように、ハンガー体10は、第1クランプ機構13と、第2クランプ機構14と、接続機構15と、を含み、第2クランプ機構14と第1クランプ機構13とは、対向して設けられ、接続機構15は、第1クランプ機構13と第2クランプ機構14との間に位置し、一端が1つの回転軸12により第1クランプ機構13に回転可能に接続され、他端が他の回転軸12を介して第2クランプ機構14に回転可能に接続される。
【0026】
接続機構15は、複数の第1関節構造11が順に接続されて形成される。なお、ヘッドバンドを頭部に装着している場合、接続機構15は、頭部の頭頂部分に位置し、第1クランプ機構13と第2クランプ機構14とは、それぞれ頭部の両側に位置し、第1クランプ機構13と第2クランプ機構14との合わせたクランプ力を利用してヘッドバンドを頭部に固定し、接続機構15は、複数の第1関節構造11が順に接続されて形成され、第1関節構造11の弾性力を利用して第1クランプ機構13及び第2クランプ機構14により大きいクランプ力を提供し、それによりヘッドバンドと頭部との接続がより強固になり、ヘッドバンドが頭部から落下することが回避される。
【0027】
さらに、複数の関節構造は、第2関節構造16をさらに含み、第1クランプ機構13は、複数の第2関節構造16が順に接続されて形成され、第2クランプ機構14は、他の複数の第2関節構造16が順に接続されて形成される。第2関節構造16と第1関節構造11とは、構造が異なる。具体的には、第2関節構造16は、1つの関節部材161を含んでもよく、関節部材161は、プラスチックで形成された部材であってもよい。なお、第1関節構造11と比べて、第2関節構造16の構造がより簡単であり、第2関節構造16は、弾性片112などの部材を含まず、プラスチックで形成された部材のみを含んでもよい。それにより、第2関節構造16の重量を低減し、ヘッドバンド全体の重量を低減し、ヘッドバンドの装着快適さを向上させることができる。
【0028】
また、さらに、第1クランプ機構13と第2クランプ機構14とは、接続機構15の両端に対称的に配置されてもよい。
【0029】
なお、接続機構15における全ての第1関節構造11の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、第1クランプ機構13における全ての第2関節構造16の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、第2クランプ機構14における全ての第2関節構造16の構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0030】
図5及び図6に示すように、本願のいくつかの実施例において、隣接する2つの関節構造は、互いに対向する第1接続面181及び第2接続面182を有し、隣接する2つの関節構造のうち、第1接続面181を有する関節構造に、収容溝184が設けられ、第2接続面182を有する関節構造に、回転部材183が設けられ、収容溝184は、第1接続面181に位置するノッチを有し、回転部材183は、第2接続面182に位置し、かつノッチを通して収容溝184に挿入され、回転部材183には、取付孔183aが設けられ、取付孔183aは、回転軸12の軸方向に沿って延在し、かつ回転部材183を貫通し、回転軸12は、取付孔183a内に穿設され、隣接する2つの関節構造は、回転部材183及び回転軸12により回転可能に接続され、収容溝184は、ハンガー体10の内側に向かって延在して、回転部材183が回転するための逃がし切欠きを形成する。
【0031】
ハンガー体10が展開状態にある場合、収容溝184のハンガー体10の内側と反対の側に位置する、第1接続面181の部分は、第2接続面182に当接する。なお、回転部材183が収容溝184に挿入されることにより、隣接する2つの関節構造の接続を実現することは、隣接する2つの関節構造の間の隙間を減少させ、ヘッドバンド全体の空間体積を減少させることができる。また、逃がし切欠きは、回転部材183の回転のために回転空間を提供することができ、それによりハンガー体10が展開状態にある時、回転部材183は、ハンガー体10が折り畳み状態に入るように、回転軸12の軸方向を中心としてハンガー体10の内側に近づく方向に回転することができる。また、ハンガー体10が展開状態にある時、第1接続面181と第2接続面182との当接により、関節構造は、ハンガー体10が折り畳み状態になるように、ハンガー体10の内側に近づく方向(図5におけるX方向)にのみ回転することができ、ハンガー体10の内側から離れる方向に回転することができないため、逆方向の折り畳みを防止する目的を達成することができる。
【0032】
なお、隣接する2つの関節構造のうち、回転軸12が1つの関節構造に固定接続され、回転部材183が他の関節構造に固定接続され、回転部材183と回転軸12とが回転軸12の軸方向を中心として回転可能に接続されることにより、隣接する2つの関節構造の回転可能な接続を実現してもよい。回転軸12が1つの関節構造と回転軸12の軸方向を中心として回転可能に接続され、回転部材183が他の関節構造に固定接続され、回転部材183と回転軸12とが固定接続されることにより、隣接する2つの関節構造の回転可能な接続を実現してもよい。
【0033】
図7に示すように、本願のいくつかの実施例において、ハンガー体10が展開状態にある時、隣接する2つの関節構造の間は、回転用逃がし隙間17を有し、回転用逃がし隙間17のハンガー体10の内側に向かう一端は、開口部113aである。なお、回転用逃がし隙間17は、関節構造がハンガー体10の内側に近づく方向に回転することによりハンガー体10が折り畳み状態に入るために、回転空間を提供することができる。
【0034】
さらに、ハンガー体10の内側に近づく方向に沿って、回転用逃がし隙間17の間隔が徐々に大きくなる。なお、回転用逃がし隙間17の各箇所の隙間幅が同じ、例えば、回転用逃がし隙間17全体が矩形であるように設計することに比べて、本願の実施例において、回転用逃がし隙間17を全体として略逆V字形にして、ハンガー体10の内側に近づく方向に沿って、回転用逃がし隙間17の間隔が徐々に大きくなるように設計することにより、関節構造の回転に影響しないとともに、隣接する2つの関節構造の間の回転用逃がし隙間17の空間体積をより小さくし、ハンガー体10が展開状態にある時の全体の空間体積をより小さくすることができる。また、各関節構造がハンガー体10の内側に向かって回転して折り畳み状態に入った後、回転用逃がし隙間17が略解消され、ヘッドバンドが折り畳み状態にある時の空間体積をさらに小さくすることができる。
【0035】
具体的には、ハンガー体10が展開状態にある時、第1接続面181と第2接続面182との間に、回転用逃がし隙間17が形成される。なお、ハンガー体10が展開状態にある時、第1接続面181と第2接続面182とは、V字形の回転用逃がし隙間17を形成するように、少なくとも一部が接触していない。
【0036】
ハンガー体10が展開状態にある時、第1接続面181と第2接続面182とにより形成された夾角は、αであり、αは、5度~10度であってもよく、好ましくは、8度であり、それにより関節構造が十分な回転空間を有すると同時に、隣接する2つの関節構造の間の間隔が大きすぎることでヘッドバンドの体積が大きすぎることを回避することができる。
【0037】
図7に示すように、本願の一実施例において、ハンガー体10の側方には、形状記憶金属ストリップ191が設置され、形状記憶金属ストリップ191は、ハンガー体10の延在方向に沿って延在してハンガー体10に接続され、ハンガー体10は、形状記憶金属ストリップ191の作用下で展開状態を維持する。形状記憶金属ストリップ191の製造材料は、ニッケルチタン合金であってもよい。形状記憶金属は、元の形状を記憶することができ、形状が変化した後、ある条件下で元の形状に戻ることができる性能を有する。本願の実施例において、ハンガー体10の側方に形状記憶金属ストリップ191を設け、形状記憶金属ストリップ191の元の形状を、ハンガー体10が展開状態にある時の形状と同じ又は近いように設計することにより、形状記憶金属ストリップ191は、ヘッドバンドを展開状態に戻す時に一定の回復力を提供することができる。もちろん、形状記憶金属ストリップ191の元の形状を、ハンガー体10が折り畳み状態にある時の形状と同じになるように設計してもよい。このようにして、形状記憶金属ストリップ191は、ヘッドバンドが展開状態になった後、ヘッドバンドに折り畳み状態に回復する回復力を提供することができ、それによりヘッドバンドが頭部に装着された場合により大きいクランプ力を有する。形状記憶金属の具体的な動作原理は、関連技術において公知であり、本願は、詳述しない。
【0038】
さらに、ハンガー体10の、回転軸12の軸方向での片側のみに形状記憶金属ストリップ191が設けられてもよく、ハンガー体10の、回転軸12の軸方向での両側にいずれも形状記憶金属ストリップ191が設けられてもよい。
【0039】
具体的には、本願の一実施例において、ハンガー体10には、複数の取付部材192が設置され、複数の取付部材192は、ハンガー体10の延在方向に沿って間隔をあけて配列され、取付部材192には、位置制限孔192aが設置され、形状記憶金属ストリップ191は、位置制限孔192aに穿設される。位置制限孔192aを利用して形状記憶金属ストリップ191を位置制限し、形状記憶金属ストリップ191とハンガー体10との分離を防止する。
【0040】
上記ヘッドバンドに基づいて、本願は、イヤホンをさらに提供する。図8に示すように、イヤホンは、第1イヤホンユニット21と、第2イヤホンユニット22と、上記いずれかの実施例のヘッドバンドと、を含み、第1イヤホンユニット21は、ヘッドバンドのハンガー体10の一端に接続され、第2イヤホンユニット22は、ヘッドバンドのハンガー体10の他端に接続される。
【0041】
イヤホンは、ヘッドホンであり、有線イヤホンあっても無線イヤホンであってもよく、第1イヤホンユニット21及び第2イヤホンユニット22のうちの一方が左耳イヤホンユニットであり、他方が右耳イヤホンユニットであってもよい。
【0042】
以上は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神及び原則内に行われるいかなる変更、同等置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0043】
10 ハンガー体
11 第1関節構造
111 プラスチック部材
111a 第1位置決め構造
111b 第1透かし彫り構造
112 弾性片
112a 第2位置決め構造
112b 第2透かし彫り構造
113 折り曲げ構造
113a 開口部
12 回転軸
13 第1クランプ機構
14 第2クランプ機構
15 接続機構
16 第2関節構造
161 関節部材
17 回転用逃がし隙間
181 第1接続面
182 第2接続面
183 回転部材
183a 取付孔
184 収容溝
191 形状記憶金属ストリップ
192 取付部材
192a 位置制限孔
21 第1イヤホンユニット
22 第2イヤホンユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8