(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153630
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】睡眠中の睡眠者の体の熱調節を改善するための特徴を有するベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 27/08 20060101AFI20241022BHJP
A47C 27/10 20060101ALI20241022BHJP
A47C 21/04 20060101ALI20241022BHJP
A47C 31/12 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A47C27/08 C
A47C27/10 A
A47C21/04 C
A47C21/04 G
A47C31/12
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024105924
(22)【出願日】2024-07-01
(62)【分割の表示】P 2020569846の分割
【原出願日】2019-12-13
(31)【優先権主張番号】62/838,577
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】515257368
【氏名又は名称】スリープ ナンバー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】サヤディ オミード
(72)【発明者】
【氏名】シヤフジャニ ファルザード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】優れた睡眠の質を支援するシステムを提供する。
【解決手段】感知ユニットが、睡眠環境内の現象から圧力読取値を生成し、感知される温度から温度読取値を生成する、ように構成されている。処理ユニットが、1つの熱調節調整を選択し、当該選択熱調節調整に基づいて睡眠環境の熱特性を変更する、ように構成されている。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠環境を有するベッドと、
前記睡眠環境のパラメータを感知するように構成されたセンサと、
前記睡眠環境の熱特性を変更するように構成された制御可能装置と、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
睡眠環境のパラメータを感知する工程と、
前記睡眠環境の熱特性を変更する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項3】
睡眠環境の熱調節のためのシステムであって、
前記睡眠環境内の感知される圧力現象から圧力読取値を生成し、前記睡眠環境内の感知される温度現象から温度読取値を生成する、ように構成された感知ユニットと、
前記圧力読取値及び前記温度読取値を受信し、当該圧力読取値及び当該温度読取値に基づいて複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択し、前記選択熱調節調整に基づいて前記睡眠環境の熱特性を変更する、ように構成された処理ユニットと、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記処理ユニットは、更に、前記睡眠環境内で眠っているユーザの現在状態の指標を含む睡眠段階情報を受信するように構成されており、
前記状態は、睡眠段階及び概日温度周期からなる群の少なくとも1つを含んでおり、
複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択することは、更に、前記睡眠段階情報に基づく
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理ユニットは、更に、前記睡眠環境内にいるユーザの現在位置の指標を含む位置情報を受信するように構成されており、
複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択することは、更に、前記位置情報に基づく
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理ユニットは、更に、前記睡眠環境内にいるユーザの現在の生理学的状態の指標を含む生体特徴情報を受信するように構成されており、
複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択することは、更に、前記生体特徴情報に基づく
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理ユニットは、更に、現在時刻を表す現在時刻情報を受信するように構成されており、
複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択することは、更に、前記現在時刻情報に基づく
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記選択熱調節調整は、前記睡眠環境内のユーザを目覚めさせるように設計された前記睡眠環境のホームオートメーション調整を記述するアラームルーチンの一部である
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記選択熱調節調整は、前記睡眠環境内のユーザの眠りを強化するように設計された前記睡眠環境のホームオートメーション調整を記述する睡眠ルーチンの一部である
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理ユニットは、更に、履歴温度読取値に基づいて前記ユーザのための温度プロファイルを生成するように構成されており、
前記温度プロファイルは、前記選択熱調節調整の選択の際に使用される
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理ユニットは、更に、前記ユーザの生体学的状態を判定するように構成されており、
前記ユーザの判定された前記生体学的状態は、前記選択熱調節調整の選択の際に使用される
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年4月25日出願の米国特許仮出願第62/838,577の優先権を主張するものである。当該米国特許仮出願は、その全体の内容が、当該参照によって本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
本開示は、ベッドのような消費者装置の自動化に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、ベッドとは、寝たりリラックスしたりする場所として使用される家具である。多くのモダンなベッドが、ベッドフレーム上の柔らかいマットレスを含んでいる。マットレスは、1人または複数人の占有者の体重を支持するべく、バネ、発泡材及び/またはエアチャンバ、を含み得る。
【発明の概要】
【0004】
幾つかの実装形態において、システムは、睡眠環境を有するベッドと、前記睡眠環境のパラメータを感知するように構成されたセンサと、前記睡眠環境の熱特性を変更するように構成された制御可能装置と、を備え得る。方法が、睡眠環境のパラメータを感知する工程と、前記睡眠環境の熱特性を変更する工程と、を備え得る。
実装は、以下の特徴のいずれか又は全てを含み得るが、全く含まなくてもよい。
【0005】
実装は、以下の利点のいずれか又は全てを含み得るが、全く含まなくてもよい。ベッドの技術が、前進され得る。ここで説明される技術は、睡眠中の体温調節を改善するために使用され得る。ユーザの状態をシームレスに感知し、優れた睡眠の質を支援する態様で環境を自動的に変更する、ベッドを含むホームオートメーション装置の使用により、ユーザの睡眠体験が改善され得る。この技術は、圧力感知と温度感知の両方を使用し得て、圧力感知のみまたは温度感知のみを使用する場合と比較して、優れたオートメーション結果を提供し得る。例えば、センサは、ユーザが就寝すること以外に何もせずに、ユーザの睡眠環境を感知するように構成され得る。すなわち、システムは、この技術から恩恵を受けるために、ユーザがスイッチを切り替えたり、ウェアラブル装置を装着したり、機械的なサービスを開始したりする必要がない、というように構成され得る。更に、オートメーション(自動化)は、明示的なユーザ入力なしで実行され得る。これは、意識的な入力を提供できない、眠っているユーザの環境を強化する場合に、特に有益である。
【0006】
ここでの技術は、高度に断熱しないで、体温の意図しない熱の蓄積による睡眠周期の途中での睡眠者の過熱の問題を回避する形態で、実装され得る。温度と睡眠状態とが、連続的にモニタリング(監視)され得て、当該技術が睡眠を損なう可能性がある過熱状態(over-heat)または熱不足状態(under-heat)を回避することを許容し得る。 当該技術は、睡眠中に自然に発生するユーザの概日温度周期に基づいて温度を変化させ得る。当該技術は、動的に変化する温度を使用し得て、睡眠段階と睡眠中の体温調節生理学とに基づいて体温を積極的かつ連続的に調節し得る。
【0007】
他の特徴、態様、潜在的な利点が、添付の説明及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、例示的なエアベッドシステムを示している。
【0009】
【
図2】
図2は、エアベッドシステムの様々な構成要素の一例のブロック図である。
【0010】
【
図3】
図3は、家庭内及び家庭周囲にある複数のデバイスと通信するベッドを含む例示的な環境を示している。
【0011】
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、ベッドに関連付けられ得る例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、ベッドに関連付けられ得る例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【0012】
【
図5】
図5及び
図6は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、マザーボードの例のブロック図である。
【
図6】
図5及び
図6は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、マザーボードの例のブロック図である。
【0013】
【
図7】
図7は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボードの一例のブロック図である。
【0014】
【
図8】
図8は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボード無しのマザーボードの一例のブロック図である。
【0015】
【
図9】
図9は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、センサレイの一例のブロック図である。
【0016】
【
図10】
図10は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コントローラアレイの一例のブロック図である。
【0017】
【
図11】
図11は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コンピューティングデバイスの一例のブロック図である。
【0018】
【
図12】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図13】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図14】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図15】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図16】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【0019】
【
図17】
図17は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムを使用してベッドの周りの周辺機器を自動化する一例のブロック図である。
【0020】
【
図18】
図18は、コンピューティングデバイス及びモバイルコンピューティングデバイスの一例を示す概略図である。
【0021】
【
図19】
図19は、センサレイを有するベッドの概略図である。
【0022】
【
図20】
図20は、センサレイによって集められた圧力及び温度データを処理するデータパイプライン(論理回路連鎖)の概略図である。
【0023】
【
図21】
図21は、1または複数の温度制御装置によって環境の温度を調整するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【0024】
【
図22】
図22は、1または複数の制御可能装置によって環境への調整を選択及び実行するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【0025】
【
図23】
図23は、1または複数の制御可能装置によって環境を制御するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な図面内で、同様の参照記号は同様の要素を示している。
【0027】
本明細書は、ユーザの睡眠体験を改善するための技術を開示し、当該技術は、例えばベッドに設置されるタッチレスセンサを使用してユーザの睡眠をモニタリング(監視)することを含む。当該技術は、睡眠中のユーザの体温をモニタリング(監視)及び調整するために使用され得る。
【0028】
当該技術は、ユーザが複数の睡眠状態の1つにあることに基づいて、様々な体温調節の目標を達成するために使用され得る。例えば、急速眼球運動中(レム睡眠中)、脳は、他の状態におけるように体温を調節せず、視床下部の休息期間を許容する。非急速眼球運動中(ノンレム睡眠中)、脳と体の両方の温度が低下し得る。ノンレム睡眠のエピソードが長ければ長いほど、当該温度はますます低下し得る。対照的に、レム睡眠中には、脳の温度は上昇し得る。体温と脳温の制御は、睡眠調節と密接に関連していることが示され得る。従って、本明細書の技術は、ユーザの睡眠状態に基づいて睡眠環境の温度を調整することによって睡眠を改善するために使用され得る。
【0029】
ベッド上のユーザの圧力が、ユーザに直接触れないタッチレスセンサで感知され得る(例えば、センサは、ベッド内の空気袋であり得て、または、寝具下のベッド上に載置され得て、または、マットレス下に載置される圧電センサであり得る)。ベッド上のユーザの温度が、ユーザに直接触れないタッチレスセンサで感知され得る(例えば、センサは、空気袋内に内蔵され得て、または、圧力センサと一緒にマット内に一体化され得る)。次に、コンピュータシステムが、このデータを解釈し得て、ユーザの存在(例えば、ベッド内にいるか否か)と睡眠状態(目覚めているか眠っているか、眠っている場合にはレム睡眠中かノンレム睡眠中か)とを特定(識別)し得る。判定された状態と場合によっては他の要因(例えば、時刻)とに基づいて、制御可能装置が、ユーザの睡眠環境の温度を変更するために作動(関与)され得る。
【0030】
感知ユニットと処理ユニットとを含む体温調節制御システムが構築され得る。感知ユニットは、睡眠中の温度変化を測定し得る。温度は、深部(中核)温度(例えば、重要な臓器を含む腹部と胸部と頭蓋腔)、体表温度(皮膚と皮下組織と筋肉の温度)、上半身温度、下半身温度、または、これらの任意の組み合わせ、を含み得る。感知ユニットは、ベッドまたはマットレス内に一体化されたセンサなどの温度センサから、直接的に温度変化を感知し得る。例えば、センサは、マットレスの最上層内に一体化され得て、あるいは、寝具下のマットレス上に載置され得る。温度変化が、エアチャンバ(例えば、エアベッドのチャンバ、取り外し可能な感知ストリップ内の空気袋、枕のエアチャンバ)内の圧力振動から間接的に感知され得る。
【0031】
処理ユニットは、感知ユニットから出力信号を受信し、当該出力信号から圧力及び/または温度に関する情報を生成し、生成された当該情報を処理してベッドのユーザの睡眠パラメータ及び/または温度パラメータを特定(識別)するために、感知ユニットに接続されている。
【0032】
睡眠パラメータは、ベッド状態のパラメータを含み得るが、これに限定されない。ベッド状態パラメータは、ユーザがベッド内にいる場合のための真(true)の値と、ユーザがベッド内にいない場合のための偽(false)の値と、を含み得る。睡眠パラメータは、ユーザの生体特徴(バイオメトリクス)のパラメータを含み得るが、これに限定されない。ユーザの生体特徴は、動き、心拍数、呼吸数、心拍変動HRV、等の値を含み得る。睡眠パラメータは、睡眠段階のパラメータを含み得るが、これに限定されない。睡眠段階パラメータは、ユーザが目覚めている、眠っている、レム睡眠中である、様々なノンレム睡眠中である、等の値を有し得る。睡眠パラメータは、睡眠者の位置のパラメータを含み得るが、これに限定されない。睡眠者の位置の変数は、向き(例えば、仰向け、横向き)及び体姿勢(例えば、腰、膝及び肩の屈曲または伸長)の値を有し得る。睡眠パラメータは、睡眠中に発生する概日温度周期のパラメータを含み得るが、これに限定されない。概日温度パラメータは、ユーザがその位相にいる概日周期の位相の値を含み得る。
【0033】
温度情報を抽出するための圧力処理は、以下のプロセスのいずれか、以下のプロセスの全て、または、以下のプロセスの任意の組み合わせ、を含み得る。1つの可能性あるプロセスは、デジタルフィルタリングである。例えば、ある帯域の外または内の値を除去するために、デジタルバンドパスフィルタが適用され得る。1つの可能性あるプロセスは、時系列分析である。例えば、時間の経過(例えば、数秒または数分)に伴う傾向が特定(識別)され、分類される。1つの可能性あるプロセスは、モデルベースのプロセスである。例えば、タグ付けされたデータで訓練されたモデルから構築される分類器に、データストリームが提供され得る。1つの可能性あるプロセスは、ソース分離プロセスである。 例えば、独立成分分析(ICA)が使用され得る。 1つの可能性あるプロセスは、ウェーブレット変換である。 例えば、データストリームがウェーブレット変換に曝され得て、分析が適用される変換されたデータストリームを作成できる。 1つの可能性あるプロセスは、スペクトルプロセスである。 例えば、データストリームが、1または複数の所定のまたは計算された固有値を使用して処理され得る。 1つの可能性あるプロセスは、トレンド除去プロセスである。例えば、データストリーム内の傾向(トレンド)が特定されて除去され得て、歪みの少ない信号を提供できる。 1つの可能性あるプロセスは、パターンマッチングプロセスである。例えば、データストリームからのサンプルが幾つかのパターンと比較され得て、類似性テストを行うと仮定して、最も類似したパターンに一致するものとして分類され得る。1つの可能性あるプロセスは、閾値ベースのプロセスである。例えば、データストリームが何らかの大きさにおいて少なくとも閾値レベルの値を含むまで、システムは休止状態を維持し得る。1つの可能性あるプロセスは、補間プロセスである。例えば、データストリームの線形または非線形の補間が実行され得て、代理インデックスを計算することができ、次に、それが分析される。
【0034】
温度情報を抽出するための温度処理は、以下のプロセスのいずれか、以下のプロセスの全て、または、以下のプロセスの任意の組み合わせ、を含み得る。1つの可能性あるプロセスは、デジタルフィルタリングである。例えば、ある帯域の外または内の値を除去するために、デジタルバンドパスフィルタが適用され得る。1つの可能性あるプロセスは、時系列分析である。例えば、時間の経過(例えば、数秒または数分)に伴う傾向が特定(識別)され、分類される。1つの可能性あるプロセスは、モデルベースのプロセスである。例えば、タグ付けされたデータで訓練されたモデルから構築される分類器に、データストリームが提供され得る。1つの可能性あるプロセスは、ソース分離プロセスである。 例えば、独立成分分析(ICA)が使用され得る。 1つの可能性あるプロセスは、ウェーブレット変換である。 例えば、データストリームがウェーブレット変換に曝され得て、分析が適用される変換されたデータストリームを作成できる。 1つの可能性あるプロセスは、スペクトルプロセスである。 例えば、データストリームが、1または複数の所定のまたは計算された固有値を使用して処理され得る。 1つの可能性あるプロセスは、トレンド除去プロセスである。例えば、データストリーム内の傾向(トレンド)が特定されて除去され得て、歪みの少ない信号を提供できる。 1つの可能性あるプロセスは、パターンマッチングプロセスである。例えば、データストリームからのサンプルが幾つかのパターンと比較され得て、類似性テストを行うと仮定して、最も類似したパターンに一致するものとして分類され得る。1つの可能性あるプロセスは、閾値ベースのプロセスである。例えば、データストリームが何らかの大きさにおいて少なくとも閾値レベルの値を含むまで、システムは休止状態を維持し得る。1つの可能性あるプロセスは、補間プロセスである。例えば、データストリームの線形または非線形の補間が実行され得て、代理インデックスを計算することができ、次に、それが分析される。
【0035】
体温調節制御システムは、発熱による高体温などの潜在的な生理学的問題を検出して、睡眠者に警告するように構成され得る。これは、例えば、緊急度の低い問題のためユーザが目覚めることについてのユーザへのレポート、緊急度の高い問題のためユーザを目覚めさせるアラーム、生命を脅かす問題のため緊急サービスへの呼び出し、等の形態を取り得る。
【0036】
体温調節制御システムは、圧力及び/または温度を受け取り、圧力及び/または温度を処理し、ユーザにローカルな睡眠及び/または温度を記憶し、圧力及び/または温度情報をリモートサーバ(クラウドなど)に送信する、ための制御ユニットを含み得る。
【0037】
体温調節制御システムは、制御ユニットから圧力及び/または温度情報を受信し、生成された情報を処理して睡眠者の圧力傾向及び/または温度傾向を特定(識別)し、当該傾向情報をデータベースまたは制御装置に送信する、ためのクラウド分析ユニットを含み得る。
【0038】
体温調節制御システムは、他の情報の中でもとりわけ、圧力及び/または温度情報を記憶するためのデータ記憶部を含み得る。体温調節制御システムは、ユーザの1または複数の睡眠セッションの睡眠情報及び/または温度情報を示す表示装置を含み得る。
【0039】
体温調節制御システムは、温度情報に応答する制御装置を含み得る。制御装置は、ベッドの特徴(機能)を調整し得る。例えば、制御システムは、硬さ、温度、頭部及び/または脚部の高さ、等のベッドの特徴を変更し得る。例えば、制御システムは、光、温度、音、等の寝室の特徴を調整し得る。制御装置は、ユーザの体温を調整し得る。例えば、制御システムは、ユーザの生体特徴データ、睡眠段階、位置、概日リズム、または、構成可能な設定(例えば、時間遅延、目覚ましアラーム、睡眠ルーチン)、に基づいて体温を調整し得る。制御装置は、ユーザがベッドから出ている、ベッドにいて起きている、及び/または、ベッドにいて眠っている、ことに基づいて体温調節を行い得る。制御装置は、ユーザが入る前のベッドを制御し得る。例えば、制御装置は、ベッドの温度を上げたり下げたりし得て、ユーザが他の場合よりも速く入眠するように促し得る。ベッドで目覚めている際の体温調節は、ユーザが他の場合よりも速く入眠するのを助けるために使用され得る。ベッドで眠っている際の体温調節は、睡眠者が体温を維持し、睡眠段階に応じて睡眠者が過冷却または過熱するのを防ぎ、深いレム睡眠を最大化するのを助け得る。ベッドで眠っている際の体温調節は、目覚ましアラームまたは目覚ましルーチンと組み合わせて使用され得て、予め規定された覚醒期間内で温度を変更して、睡眠者の睡眠の軽い段階への移行を容易にし得て、睡眠者がリフレッシュした気分で目覚めるのを助け得る。
【0040】
[例示的なエアベッドハードウェア]
【0041】
図1は、ベッド112を含む例示的なエアベッドシステム100を示している。
ベッド112は、弾性境界116によって取り囲まれ、ベッド用丈夫綿生地118によってカプセル化された、少なくとも1つのエアチャンバ114を含む。弾性境界116は、発泡体などの、任意の適切な材料を含み得る。
【0042】
図1に示すように、ベッド112は、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114B等の、第1及び第2流体チャンバを有する2チャンバ設計であり得る。代替の実施形態では、ベッド112は、用途に適した空気以外の流体と共に使用するためのチャンバを含み得る。シングルベッドまたはキッズベッドなどの幾つかの実施形態では、ベッド112は、単一のエアチャンバ114Aまたは114B、あるいは、複数のエアチャンバ114A及び114B、を含み得る。第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bは、ポンプ120と流体連通し得る。ポンプ120は、制御ボックス124を介して、リモートコントロール(リモコン)122と電気的に通信し得る。制御ボックス124は、リモートコントロール122を含む1または複数のデバイスと通信するための有線または無線通信インタフェースを含み得る。制御ボックス124は、ユーザがリモートコントロール122を使用することで入力されるコマンドに基づいて第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bの流体圧力を増減させるように、ポンプ120を作動させるように構成され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、ポンプ120のハウジングに一体化(統合)されている。
【0043】
リモートコントロール122は、ディスプレイ126、出力選択機構128、圧力増加ボタン129、及び圧力減少ボタン130、を含み得る。出力選択機構128は、ユーザがポンプ120によって生成される空気流を第1及び第2エアチャンバ114A、114B間で切り替えることを許容し得て、これにより、単一のリモートコントロール122及び単一のポンプ120で複数のエアチャンバの制御を可能にする。例えば、出力選択機構128は、物理的制御部(例えば、スイッチまたはボタン)あるいはディスプレイ126上に表示される入力制御部により可能である。あるいは、別々のリモートコントロールユニットが、各エアチャンバに提供され得て、各々が複数のエアチャンバを制御する能力を含み得る。圧力増加ボタン129及び圧力減少ボタン130は、ユーザが、出力選択機構128で選択されたエアチャンバ内の圧力を、それぞれ、増加または減少させることを許容し得る。選択されたエアチャンバ内の圧力を調整すると、それぞれのエアチャンバの硬度(硬さ)に対する対応する調整がもたらされ得る。幾つかの実施形態では、リモートコントロール122は、用途に応じて適切に、省略され得るし、または、修正され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ベッド112は、当該ベッド112と有線または無線通信するコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または他のデバイス、によって制御され得る。
【0044】
図2は、エアベッドシステムの様々な構成要素(コンポーネント)の一例のブロック図である。例えば、これらの構成要素は、例示的なエアベッドシステム100において使用され得る。
図2に示すように、制御ボックス124は、電源部134、プロセッサ136、メモリ137、スイッチング機構138、及び、アナログデジタル(A/D)変換器140を含み得る。スイッチング機構138は、例えば、リレーまたはソリッドステートスイッチであり得る。幾つかの実装形態では、スイッチング機構138は、制御ボックス124内ではなくポンプ120内に配置され得る。
【0045】
ポンプ120及びリモートコントロール122は、制御ボックス124と双方向通信し得る。ポンプ120は、モータ142、ポンプマニホルド143、リリーフバルブ144、第1制御バルブ145A、第2制御バルブ145B、及び、圧力トランスデューサ146を含む。ポンプ120は、第1管148A及び第2管148Bを介して、それぞれ、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114Bと流体接続されている。第1及び第2制御バルブ145A、145Bが、スイッチング機構138によって制御され得て、ポンプ120と第1及び第2エアチャンバ114A、114Bとの間の流体の流れをそれぞれ調整するように動作可能である。
【0046】
幾つかの実装形態では、ポンプ120及び制御ボックス124は、単一のユニットとして提供され及びパッケージ化され得る。幾つかの代替の実装では、ポンプ120及び制御ボックス124は、物理的に離れたユニットとして提供され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、ベッド112を支持するベッドフレームまたはベッド支持構造の内部に一体化されるか、あるいは、その内部に含まれる。幾つかの実施態様では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、(
図1の例に示されているように)ベッドフレームまたはベッド支持構造の外側に配置される。
【0047】
図2に示される例示的なエアベッドシステム100は、2つのエアチャンバ114A、114Bと単一のポンプ120とを含む。もっとも、他の実施は、2以上のエアチャンバと、当該エアチャンバを制御するためにエアベッドシステム内に組み込まれた1または複数のポンプと、を有するエアベッドシステムを含み得る。例えば、別個のポンプが、エアベッドシステムの各エアチャンバに付随(関連付け)され得て、あるいは、1つのポンプが、エアベッドシステムの複数のチャンバに付随(関連付け)され得る。別個のポンプは、各エアチャンバが独立且つ同時に膨張または収縮され得ることを許容し得る。更に、追加の圧力トランスデューサも、例えば別個の圧力トランスデューサが各エアチャンバに付随(関連付け)され得るとように、エアベッドシステム内に組み込まれ得る。
【0048】
使用時、プロセッサ136は、例えば、エアチャンバ114A、114Bの1つに減圧コマンドを送信し得て、スイッチング機構138が、プロセッサ136によって送られた低電圧のコマンド信号を、ポンプ120のリリーフバルブ(安全弁)144を作動させて制御バルブ145A、145Bを開放するのに十分なより高い動作電圧に変換するために、利用され得る。リリーフバルブ144を開放することが、空気がそれぞれの空気管148Aまたは148Bを通ってエアチャンバ114Aまたは114Bから逃げることを許容し得る。収縮中、圧力トランスデューサ146が、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。A/Dコンバータ140は、圧力トランスデューサ146からアナログ情報を受信し得て、当該アナログ情報をプロセッサ136によって使用可能なデジタル情報に変換し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
【0049】
別の例として、プロセッサ136は、圧力増加コマンドを送信し得る。ポンプモータ142が、当該圧力増加コマンドに応答して通電され得て、対応するバルブ145A、145Bを電子的に作動させることにより、空気管148A、148Bを介して、エアチャンバ114A、114Bの指定された一方に空気を送給し得る。チャンバの硬さ(堅さ)を増加させるために指定されたエアチャンバ114Aまたは114Bに空気が送られている間、圧力トランスデューサ146がポンプマニホルド143内の圧力を感知し得る。この場合も、圧力トランスデューサ146は、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。プロセッサ136は、A/Dコンバータ140から受け取った情報を使用して、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力と所望の圧力との間の差を判定し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
【0050】
一般的に言えば、膨張または収縮のプロセス中、ポンプマニホルド143内で感知される圧力が、ポンプマニホルド143と流体連通しているそれぞれのエアチャンバ内の圧力の近似を提供し得る。エアチャンバ内の実際の圧力と実質的に等しいポンプマニホルド圧力の読取値を取得する例示的な方法は、ポンプ120をオフにする工程と、エアチャンバ114Aまたは114B及びポンプマニホルド143内の圧力が等しくなることを許容する工程と、次いで、圧力トランスデューサ146を用いてポンプマニホルド143内の圧力を感知する工程と、を備える。これにより、ポンプマニホルド143及びチャンバ114Aまたは114B内の圧力が等しくなることを許容するのに十分な時間を提供することは、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力の正確な近似である圧力読取値をもたらし得る。幾つかの実装形態では、エアチャンバ114A及び/または114Bの圧力は、複数の圧力センサ(図示せず)を用いて、連続的にモニタリング(監視)され得る。
【0051】
幾つかの実装形態では、圧力トランスデューサ146によって収集される情報は、ベッド112に横たわっている人の様々な状態を判定するために分析され得る。例えば、プロセッサ136は、圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して、ベッド112に横たわっている人の心拍数または呼吸数を判定し得る。例えば、ユーザは、チャンバ114Aを含むベッド112の一側に横たわっていてもよい。圧力トランスデューサ146は、チャンバ114Aの圧力の変動をモニタリング(監視)し得て、この情報が、ユーザの心拍数及び/または呼吸数を判定するために使用され得る。別の例として、収集されるデータを使用して人の睡眠状態(例えば、覚醒、浅い睡眠、深い睡眠)を判定するために、付加的な処理が実施され得る。例えば、プロセッサ136は、人が眠りに落ちる時、眠っている間であること、人の様々な睡眠状態、を判定し得る。
【0052】
圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して判定され得るエアベッドシステム100のユーザに関連する付加的な情報は、ユーザの動き、ベッド112の表面上のユーザの存在、ユーザの体重、ユーザの心臓不整脈、一時的無呼吸、を含む。ユーザの存在の検知を例にとると、圧力トランスデューサ146が使用され得て、例えば、総圧力の変化の判定を介して、並びに/または、呼吸数信号、心拍数信号及び/若しくは他の生体特徴信号の1または複数を介して、ベッド112上のユーザの存在を検知し得る。例えば、単純な圧力検知プロセスが、圧力の増加を、ユーザがベッド112上に存在することを示すものとして、識別し得る。別の例として、プロセッサ136は、検知された圧力が特定の閾値(特定の体重を超える人ないし他の物体がベッド112上に配置されていることを示すための閾値)を超えて増加した場合、ユーザがベッド112上に存在する、と判定し得る。更に別の例として、プロセッサ136は、ユーザがベッド112上に存在することに対応するものとして、圧力の検知された僅かなリズミカルな変動との組合せで、圧力の増加を識別し得る。リズミカルな変動の存在は、ユーザの呼吸または心臓(心拍)のリズム(またはそれらの両方)に起因するものとして、識別され得る。呼吸または心拍の検知により、ベッド上に存在するユーザとベッド上に置かれている他の物体(スーツケースなど)とが、区別され得る。
【0053】
幾つかの実装形態では、圧力の変動が、ポンプ120で測定され得る。例えば、ポンプ120内の圧力の変動を検知するために、1または複数の圧力センサが、ポンプ120の1または複数の内部空洞内に配置され得る。ポンプ120で検知される圧力の変動は、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示し得る。ポンプ120に配置された1または複数のセンサは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方と流体連通することができ、当該センサは、チャンバ114A及び114B内の圧力を判定するように動作し得る。制御ボックス124は、チャンバ114Aまたはチャンバ114B内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサイン(例えば、心拍数、呼吸数)を決定するように構成され得る。
【0054】
幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、1または複数の圧力センサによって検知される圧力信号を分析し得て、チャンバ114Aまたはチャンバ114B上に横たわっているまたは座っているユーザの心拍数、呼吸数、及び/または他のバイタルサイン、を判定し得る。より具体的には、ユーザがチャンバ114Aの上方に配置されたベッド112上に横になる時、当該ユーザの心拍、呼吸、及び他の動きの各々が、チャンバ114Aに伝達されるベッド112上の力を生じさせ得る。ユーザの動きに起因するチャンバ114Aへの力の入力の結果として、波が、チャンバ114Aを通って、ポンプ120内へと伝播し得る。ポンプ120に配置された圧力センサが、当該波を検知し得て、これにより、センサによって出力される圧力信号は、心拍数、呼吸数、またはユーザに関する他の情報、を示し得る。
【0055】
睡眠状態に関して、エアベッドシステム100は、心拍数、呼吸、及び/またはユーザの動きなどの、様々な生体特徴信号を使用することにより、ユーザの睡眠状態を判定し得る。ユーザが眠っている間に、プロセッサ136は、ユーザの生体特徴信号(例えば、心拍数、呼吸、及び動き)の1または複数を受信し得て、当該受信した生体特徴信号に基づいてユーザの現在の睡眠状態を判定し得る。幾つかの実装形態では、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示す信号が増幅及び/またはフィルタリングされ得て、心拍数及び呼吸数のより正確な検知を許容し得る。
【0056】
制御ボックス124は、増幅及びフィルタリングされた圧力信号に基づいて、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算法を実行し得て、ユーザの心拍数及び呼吸数を判定し得る。例えば、当該アルゴリズムまたは計算法は、信号の心拍数部分が0.5~4.0Hzの範囲の周波数を有し、信号の呼吸数部分が1Hz未満の範囲の周波数を有する、という仮定に基づき得る。制御ボックス124は、また、受信された圧力信号に基づいて、血圧、揺れ及び回転運動、ローリング運動、四肢の運動、体重、ユーザの存在ないし不在、及び/またはユーザのアイデンティティ(個性)、などのユーザの他の特性を判定するように構成され得る。心拍数情報、呼吸数情報、及び他のユーザ情報、を使用してユーザの睡眠をモニタリング(監視)するための技術は、「バイタルサインをモニタリング(監視)するための装置」という名称のスティーブン・J・ヤング等による米国特許出願公開公報第2010/0170043号に開示されている。当該公開公報の全内容が、当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0057】
例えば、ベッド112のチャンバ114A及び114B内の空気圧をモニタリング(監視)するために、圧力トランスデューサ146が使用され得る。ベッド112上のユーザが動いていない場合、エアチャンバ114Aまたは114B内の空気圧の変化は、比較的最小であり得て、呼吸及び/または心拍に起因し得る。しかしながら、ベッド112上のユーザが動いている時、マットレス内の空気圧は、はるかに大きな量で変動し得る。従って、圧力トランスデューサ146によって生成され、プロセッサ136によって受信される圧力信号は、動き、心拍、または呼吸に対応するものとして、フィルタリングされて示され得る。
【0058】
幾つかの実装形態では、プロセッサ136で制御ボックス124内でデータ分析を実行するのではなく、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータを分析するためにデジタル信号プロセッサ(DSP)が提供され得る。あるいは、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータは、遠隔分析のためにクラウドベースのコンピューティングシステムに送信され得る。
【0059】
幾つかの実装態様では、例示的なエアベッドシステム100は、例えば、ユーザの快適さのために、ベッドの温度を上昇、下降、または維持するように構成された温度コントローラを更に備える。例えば、パッドが、ベッド112の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る、あるいは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る。当該パッドを通して空気が押し出され得て、ベッドのユーザを冷やすために通気され得る。逆に、当該パッドは、ユーザを暖かく保つために使用され得る加熱要素を含み得る。幾つかの実装形態では、温度コントローラは、パッドから温度読取値を受信し得る。幾つかの実装形態では、ベッドの異なる側に異なる温度制御を提供するために、(例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応する)ベッド112の異なる側に、別個のパッドが使用される。
【0060】
幾つかの実装形態では、エアベッドシステム100のユーザは、ベッド112の表面(またはベッド112の表面の一部)の所望の温度を入力するために、リモートコントロール122などの入力デバイスを使用し得る。所望の温度は、当該所望の温度を含み温度コントローラを所望の制御対象のコンポーネント(構成要素)として識別するコマンドデータ構造にカプセル化され得る。次に、当該コマンドデータ構造は、ブルートゥース(登録商標)または他の適切な通信プロトコルを介してプロセッサ136に送信され得る。様々な例において、コマンドデータ構造は、送信される前に暗号化され得る。次に、温度コントローラは、ユーザによってリモートコントロール122に入力された温度に応じてパッドの温度を増減するように、その要素を構成(制御)し得る。
【0061】
幾つかの実装形態では、データは、あるコンポーネントからプロセッサ136に送り返され得るし、あるいは、ディスプレイ126などの1または複数のディスプレイデバイスに送信され得る。例えば、温度コントローラのセンサ要素によって判定される現在の温度、ベッドの圧力、土台(基礎部)の現在の位置、または他の情報が、制御ボックス124に送信され得る。次に、制御ボックス124は、受信した情報をリモートコントロール122に送信し得る。それは、そこで、(例えば、ディスプレイ126上で)ユーザに表示され得る。
【0062】
幾つかの実装形態では、例示的なエアベッドシステム100は、調整可能な土台と、ベッドを支持する当該調整可能な土台を調整することによってベッド(例えばベッド112)の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を更に備える。例えば、関節運動コントローラは、ベッド112を、平坦な位置から、ベッドのマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで(例えば、ユーザがベッドに座る及び/またはテレビを見ることを容易にするために)、調整し得る。幾つかの実装形態では、ベッド112は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド112の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド112の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド112上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように構成され得る。
【0063】
[寝室環境におけるベッドの例]
【0064】
図3は、家庭内及び家庭周囲にある複数のデバイスと通信するベッド302を含む例示的な環境300を示している。図示の例では、ベッド302は、2つのエアチャンバ306a及び306b内の空気圧を制御するためのポンプ304を含む(エアチャンバ114A~114Bに関して前述されたように)。ポンプ304は更に、当該ポンプ304によって実施される膨張機能及び収縮機能を制御するための回路を含む。当該回路は、更に、エアチャンバ306a~bの空気圧の変動を検知するようにプログラムされており、当該検知された空気圧の変動を利用して、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザ308の睡眠状態、ユーザ308の動き、及び、心拍数や呼吸数などのユーザ308の生体特徴信号、を識別する。図示の例では、ポンプ304は、ベッド302の支持構造内に配置され、ポンプ304を制御するための制御回路334は、ポンプ304と一体化されている。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ポンプ304から物理的に離れており、ポンプ304と無線または有線で通信する。幾つかの実装形態では、ポンプ304及び/または制御回路334は、ベッド302の外側に配置される。幾つかの実装形態では、様々な物理的位置にあるシステムによって、様々な制御機能が実施され得る。例えば、ポンプ304の動作を制御するための回路が、ポンプ304のポンプケーシング内に配置され得て、ベッド302に関連する他の機能を実施するための制御回路334が、ベッド302の別の部分内、またはベッド302の外部、に配置され得る。別の例として、ポンプ304内に配置された制御回路334は、LANまたはWAN(例えばインターネット)を介して、遠隔地にある制御回路334と通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、
図1及び
図2の制御ボックス124に含められ得る。
【0065】
幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在、睡眠状態、動き、及び生体特徴信号を識別するために、ポンプ304及び制御回路334以外の、またはそれらに加えての、1または複数の装置が使用され得る。例えば、ベッド302は、ポンプ304に加えて第2のポンプを含み得て、2つのポンプの各々は、エアチャンバ306a~bのそれぞれ1つに接続され得る。例えば、ポンプ304は、エアチャンバ306bと流体連通し得て、エアチャンバ306bの膨張及び収縮を制御し得て、ベッドでの存在、睡眠状態、動き、生体特徴信号などの、エアチャンバ306b上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。一方で、第2のポンプが、エアチャンバ306aと流体連通し得て、エアチャンバ306aの膨張及び収縮を制御し得るとともに、エアチャンバ306a上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。
【0066】
別の例として、ベッド302は、ユーザの存在、ユーザの動き、呼吸、及び心拍数を含む、動きを検知するように動作可能な1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分を含み得る。例えば、第1感圧パッドが、第1ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の左側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得て、第2感圧パッドが、第2ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の右側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得る。当該1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分によって検知される動きは、ユーザの睡眠状態、ベッドでの存在、または生体特徴信号、を識別するために、制御回路334によって使用され得る。
【0067】
幾つかの実装形態では、ベッドによって検知される情報(例えば運動情報)は、制御回路334(例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334)によって処理され、ユーザデバイス310などの1または複数のユーザデバイスに提供されて、ユーザ308または他のユーザへ提示される。
図3に示す例では、ユーザデバイス310はタブレットデバイスである。しかしながら、幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、スマートテレビ(例えば、テレビ312)、または、制御回路334との有線または無線通信が可能な他のユーザデバイス、であり得る。ユーザデバイス310は、ネットワークを介して、または直接のポイントトゥーポイント通信を介して、ベッド302の制御回路334と通信し得る。例えば、制御回路334は、(例えば、Wi-Fiルータを介して)LANに接続され得て、当該LANを介してユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334及びユーザデバイス310は、両方ともインターネットに接続し得て、当該インターネットを介して通信し得る。例えば、制御回路334は、WiFiルータを介してインターネットに接続し得て、ユーザデバイス310は、セルラー通信システムとの通信を介してインターネットに接続し得る。別の例として、制御回路334は、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と直接通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、ZigBee、Z-Wave、赤外線、または用途に適した他の無線通信プロトコル、などの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334は、例えば、USBコネクタ、シリアル/RS232、または用途に適した他の有線接続、などの有線接続を介して、ユーザデバイス310と通信し得る。
【0068】
ユーザデバイス310は、睡眠またはユーザ308のベッド302に対する相互作用に関連する様々な情報及び統計を表示し得る。例えば、ユーザデバイス310によって表示されるユーザインタフェースが、ある期間(例えば、一晩、一週間、一ヶ月など)のユーザ308の睡眠の量、深い睡眠の量、深い睡眠の落ち着かない睡眠に対する比、ベッドに入るユーザ308と眠りに落ちるユーザ308との間の時間経過、所定の期間においてベッド302で費やされた合計時間、ある期間のユーザ308の心拍数、ある期間のユーザ308の呼吸数、あるいは、ユーザ308またはベッド302の1または複数の他のユーザによるベッド302に対するユーザ相互作用に関連する他の情報、を含む情報を提示し得る。幾つかの実装形態では、複数のユーザの情報がユーザデバイス310に提示され得て、例えば、エアチャンバ306a上に位置する第1ユーザの情報が、エアチャンバ306b上に位置する第2ユーザの情報とともに、提示され得る。幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢に応じて変化し得る。例えば、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢と共に進化し得て、ユーザ308が子供としてまたは大人として加齢するにつれて異なる情報がユーザデバイス310上に提示され得る。
【0069】
ユーザデバイス310はまた、ユーザ302が情報を入力することを許容するために、ベッド302の制御回路334のためのインタフェースとして使用され得る。ユーザに、または、ベッド302または他の装置の機能を制御するための様々な制御信号に、より良い情報を提供するために、ユーザ308によって入力される情報は、制御回路334によって使用され得る。例えば、ユーザ308は、体重、身長、年齢などの情報を入力し得て、制御回路334はこの情報を使用し得て、当該ユーザの追跡された睡眠情報と、当該ユーザと同様の体重、身長及び/または年齢を有する他の人々の睡眠情報と、の比較を当該ユーザに提供し得る。別の例として、ユーザ308は、ユーザデバイス310を、エアチャンバ306a及び306bの空気圧を制御するため、ベッド302の様々なリクライニングまたは傾斜位置を制御するため、ベッド302の1または複数の表面温度制御装置の温度を制御するため、または、制御回路334が他の装置のための制御信号を生成することを許容するため(以下でより詳細に説明されるように)、のインタフェースとして使用し得る。
【0070】
幾つかの実装形態では、ベッド302の制御回路334(例えば、ポンプ304内に一体化された制御回路334)は、ユーザデバイス310に加えて、またはその代わりに、他の第1、第2または第3者の装置またはシステムと通信し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312、照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、あるいは、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326及び常夜灯328のような他の家庭用機器、と通信し得る。制御回路334が通信し得る装置及び/またはシステムの他の例は、ブラインド330を制御するためのシステム、1または複数のドア332の状態を検知または制御する(例えばドアが開いているか否かを検知する、ドアがロックされているか否かを検知する、または、ドアを自動的にロックする)ための1または複数の装置、及び、ガレージドア320を制御するためのシステム(例えば、ガレージドア320の開閉状態を識別し、ガレージドアオープナーにガレージドア320を開閉させるため、ガレージドアオープナーと一体化された制御回路334)、を含む。ベッド302の制御回路334と他の装置との間の通信は、ネットワーク(例えば、LANまたはインターネット)を介して、または、ポイントトゥーポイント通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)、無線通信、または有線接続)として、生じ得る。幾つかの実装形態では、異なるベッド302の制御回路334が、異なるセットの装置と通信し得る。例えば、キッズベッド(子供用ベッド)は、大人用ベッドと同じ装置と通信しない及び/または制御しない場合がある。幾つかの実施形態では、ベッド302は、当該ベッド302の制御回路334がユーザの年齢の関数として異なる装置と通信するように、ユーザの年齢とともに進化し得る。
【0071】
制御回路334は、他の装置/システムから情報及び入力を受信し得て、ベッド302または他の装置の動作を制御するために、当該受信した情報及び入力を使用し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302が配置されている家または部屋の現在の環境温度を示すサーモスタット316からの情報を受信し得る。制御回路334は、ベッド302の表面の全部または一部の温度を上げるべきか下げるべきかを決定(判定)するために、当該受信した情報を(他の情報とともに)使用し得る。次に、制御回路334は、ベッド302の加熱機構または冷却機構に、ベッド302の表面の温度を上昇または下降させ得る。例えば、ユーザ308は、華氏74度の所望の睡眠温度を示し得て、一方、ベッド302の第2のユーザは、華氏72度の所望の睡眠温度を示し得る。サーモスタット316は、寝室の現在の温度が華氏72度であることを、制御回路334に示し得る。制御回路334は、ユーザ308が華氏74度の所望の睡眠温度を示したことを識別し得て、ベッド302の表面の一部の温度を上げるために、制御信号をベッドのユーザ308の側にある加熱パッドに送信し得る。それは、当該ユーザ308の睡眠面の温度を所望の温度に上げるために配置されている。
【0072】
制御回路334は、また、他の装置を制御する制御信号を生成し得て、当該制御信号を当該他の装置に伝搬し得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308及び/または1人以上の他のユーザによるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を含む、制御回路334によって収集された情報に基づいて、生成される。幾つかの実装形態では、ベッド302以外の1または複数の他の装置から収集される情報が、制御信号を生成する時に使用される。例えば、ベッド302の制御回路334と通信する様々な装置の制御信号を生成する時に、環境発生に関する情報(例えば、環境温度、環境ノイズレベル、環境光レベルなど)、時刻、年、曜日、または他の情報が、使用され得る。例えば、時刻に関する情報が、照明システム314のための制御信号を生成するために、ユーザ308の動き及びベッドでの存在に関する情報と組み合わされ得る。幾つかの実装形態では、1または複数の他の装置に制御信号を提供するのではなく、またはそれに加えて、制御回路334は、収集された情報(例えば、ユーザの動き、ベッドでの存在、睡眠状態またはユーザ308の生体特徴信号、に関連する情報)を1または複数の他の装置に送信し得て、当該1または複数の他の装置が制御信号を生成する時に当該収集された情報を利用することを許容し得る。例えば、ベッド302の制御回路334は、中央コントローラ(図示せず)に、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を提供し得る。当該中央コントローラは、ベッド302を含む様々な装置の制御信号を生成するために、当該提供された情報を利用し得る。
【0073】
引き続き
図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザの睡眠状態308、及び他の要因を含む、制御回路334によって収集される情報に応答して、他の装置の動作を制御するための制御信号を生成し得て、当該他の装置に当該制御信号を送信し得る。例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334は、エアチャンバ306b内の圧力の増加などの、ベッド302のマットレスの特徴を検知し得て、この検知された空気圧の増加を、ユーザ308がベッド302上にいることを判定するために利用する。幾つかの実装形態では、制御回路334は、圧力の増加が、無生物(スーツケースなど)がベッド上に置かれているのではなく、人がベッド302上に座っている、横たわっている、または休んでいるためである、ことを識別するために、ユーザ308の心拍数または呼吸数を識別し得る。幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在を示す情報は、他の情報と組み合わされて、ユーザ308の現在または将来の可能性ある状態を識別する。例えば、午前11時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザがベッド上に座っていて(例えば、靴紐を結ぶため、または、本を読むため)、寝ようとはしていない、ことを示し得る。一方、午後10時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザ308がベッドに入っていて、まもなく寝るつもりである、ことを示し得る。別の例として、制御回路334が、午前6時30分にユーザ308がベッド302を去ったことを検知し(例えば、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す)、その後、午前7時30分にユーザ308のベッドでの存在を検知した場合、制御回路334は、ユーザ308が延長された期間ベッド上に留まるつもりである、ということの表示ではなく、新しく検知されたユーザのベッドでの存在は、一時的である可能性が高い(例えば、ユーザ308が仕事に向かう前に靴紐を結んでいる間である)、というように、この情報を使用(理解)し得る。
【0074】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、収集された情報(ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関連する情報、環境情報、時間情報、及び、ユーザから受け取った入力、を含む)を使用して、ユーザ308の使用パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、ある期間にわたって収集されたユーザ308のベッドでの存在及び睡眠状態を示す情報を使用して、当該ユーザの睡眠パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、1週間にわたって収集されたユーザの存在を示す情報とユーザ308の生体特徴信号とに基づいて、ユーザ308が概して午後9時30分と午後10時00分との間にベッドに行き、概して午後10時00分と午後11時00分との間に入眠し、概して午前6時30分と午前6時45分との間に目覚める、ということを識別し得る。制御回路334は、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用をより良好に処理して識別するために、当該ユーザの識別パターンを使用し得る。
【0075】
例えば、前記の例のユーザ308のベッドでの存在、睡眠、及び目覚めのパターンが与えられた場合において、ユーザ308が午後3時00分にベッド上にいると検知される場合、制御回路334は、ベッド上のユーザの存在が単に一時的である、と判定し得て、当該判定を使用して、ユーザ308が夕方にベッドにいると制御回路334が判定した場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334が、ユーザ308が午前3時00分にベッドから出たことを検知した場合、制御回路334は、当該ユーザ308の識別パターンを使用して、当該ユーザが一時的に起きただけであって(例えば、トイレを使用するため、または、コップ一杯の水を得るため)、その日の起床をしたわけではない、と判定し得る。対照的に、制御回路334が、ユーザ308が午前6時40分にベッド302から出たことを識別する場合、制御回路334は、ユーザがその日の起床をしたと判定し得て、(ユーザ308が午前3時00分にベッド302を出る場合のように)ユーザ308が一時的にベッドを出ただけであると判定された場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号のセットを生成し得る。他のユーザ308については、午前3時00分にベッド302から出ることは、通常の目覚めの時間であり得るので、制御回路334は、これに応じて、学習及び応答し得る。
【0076】
前述のように、ベッド302の制御回路334は、様々な他の装置の制御機能のための制御信号を生成し得る。制御信号は、少なくとも部分的に、ユーザ308によるベッド302との検知された相互作用と、時間、日付、温度などを含む他の情報と、に基づいて生成され得る。例えば、制御回路334は、テレビ312と通信し得て、テレビ312から情報を受信し得て、テレビ312の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312が現在オンであるというテレビ312からの標示を、受信し得る。テレビ312がベッド302とは異なる部屋に配置されている場合、制御回路334は、ユーザ308が夜に就寝したと判定する時、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。例えば、ベッド302上のユーザ308の存在が特定の時間範囲(例えば午後8時00分と午前7時00分との間)に検知され、閾値時間(例えば10分)より長く続く場合、制御回路334は、この情報を使用して、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。テレビ312がオンである場合(テレビ312からベッド302の制御回路334によって受信される通信によって示される)、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。次に、制御信号が、テレビに送信され得る(例えば、テレビ312と制御回路334との間の有向通信リンクを介して、または、ネットワークを介して)。別の例として、ユーザのベッドでの存在の検知に応答してテレビ312をオフにするのではなく、制御回路334は、テレビ312の音量を予め指定された量だけ下げるようにする制御信号を生成し得る。
【0077】
別の例として、指定された時間範囲(例えば、午前6時00分から午前8時00分の間)にユーザ308がベッド302を離れたことを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオンにし、予め指定されたチャンネルに同調させるための制御信号を生成し得る(例えば、ユーザ308は、朝にベッドから出る時に朝のニュースを見るという好みを示す)。制御回路334は、制御信号を生成し、当該信号をテレビ312に送信して、テレビ312をオンにし得て、所望の局(制御回路334、テレビ312、または別の場所、に保存され得る)に同調させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したことを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオンにし得て、テレビ312と通信しているデジタルビデオレコーダー(DVR)から以前に録画された番組の再生を開始し得る。
【0078】
別の例として、テレビ312がベッド302と同じ部屋にある場合、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答しては、テレビ312をオフにしない。むしろ、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオフにし得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の生体特徴信号(例えば、動き、心拍数、呼吸数)をモニタリング(監視)して、ユーザ308が眠りに落ちたことを判定し得る。ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成して送信する。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠りに落ちた後の閾値時間の経過後(例えば、ユーザが眠りに落ちた後10分後)に、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っていると判定した後、テレビ312の音量を下げる制御信号を生成する。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの決定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビの音量をある期間にわたって徐々に下げ、その後にテレビをオフにする。
【0079】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、ステレオシステムなど、の他のメディアデバイスと、同様に相互作用し得る。
例えば、ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成してユーザデバイス310に送信し、ユーザデバイス310をオフにし得る、または、ユーザデバイス310で再生されているビデオまたはオーディオファイルの音量を下げ得る。
【0080】
制御回路334は更に、照明システム314と通信し得て、当該照明システム314から情報を受信し得て、当該照明システム314の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、特定の時間枠(例えば午後8時00分から午前7時00分の間)で閾値時間(例えば10分)より長く続くベッド302上のユーザの存在を検知する時、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋以外の1または複数の部屋の照明を消灯する制御信号を生成し得る。次に、制御信号が照明システム314に送信され得て、当該照明システム314によって実行され得て、示された部屋の照明を消灯させ得る。例えば、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、他の寝室ではなく、全ての一般的な部屋の照明を消灯し得る。別の例として、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334によって生成される制御信号は、ベッド302が配置されている部屋以外の全ての部屋の照明が消灯されるべきであり、ベッド302を含む家屋の外側に配置された1または複数の照明も消灯されるべきである、ことを示し得る。更に、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在またはユーザ308が眠っていることの判定に応答して、常夜灯328を点灯させる制御信号を生成及び送信し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答して第1セットの照明(例えば、一般の部屋の照明)を消灯するための第1制御信号と、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して第2セットの照明(例えば、ベッド302が配置されている部屋の照明)を消灯するための第2制御信号と、を生成し得る。
【0081】
幾つかの実装形態では、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、ベッド302の制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋で日没照明様式を照明システム314に実施させる制御信号を生成し得る。日没照明様式は、例えば、寝室の照明に琥珀色の色調を追加するなど寝室環境の照明の色を変更することとの組み合わせで、照明を(時間をかけて徐々に、または一気に)落とすこと、を含み得る。日没照明様式は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると制御回路334が判定した時、ユーザ308を入眠させることを助け得る。
【0082】
制御回路334は、また、ユーザ308が朝に目覚める時に、日出照明様式を実施するように構成され得る。制御回路334は、例えば、指定された時間枠(例えば午前6時00分と午前8時00分との間)の間にユーザ308がベッド302から出た(すなわち、もはやベッド302上に存在しない)ことを検知することによって、ユーザ308がその日に起床したことを判定し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がベッドから出ていなくてもユーザ308が目覚めていることを判定するために、ユーザ308の動き、心拍数、呼吸数、または他の生体特徴信号を、モニタリング(監視)し得る。制御回路334が、指定された時間枠の間にユーザが目覚めていることを検知した場合、制御回路334は、ユーザ308がその日に起床したと判定し得る。指定された時間枠は、例えば、一定期間(例えば2週間)にわたって収集された以前に記録されたユーザのベッドでの存在情報に基づき得る。それは、ユーザ308が通常午前6時30分と午前7時30分との間に目覚めることを示し得る。ユーザ308が目覚めていると制御回路334が判定することに応答して、当該制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に、ベッド302が配置されている寝室で日出照明様式を実施させ得る。日出照明様式は、例えば、照明(例えば、ランプ326、または寝室の他の照明)を点灯させることを含み得る。日出照明様式は、ベッド302が配置されている部屋(または1または複数の他の部屋)の照明のレベルを徐々に上げることを更に含み得る。日出照明様式は、指定された色の照明のみを点灯させることも含み得る。例えば、日出照明様式は、ユーザ308が目覚めて活動的になるのを穏やかに支援するため、寝室を青色光で照明することを含み得る。
【0083】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用が検出された時刻に応じて、照明システム314などの1または複数の構成要素の動作を制御するための異なる制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308とベッド302との間の相互作用についての履歴ユーザ相互作用情報を使用して、ユーザ308が通常午後10時00分と午後11時00分との間で入眠し、通常午前6時30分と午前7時30分との間で目覚める、ということを判定し得る。制御回路334は、この情報を使用して、午前3時00分にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第1セットを生成し得て、午前6時30分より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第2セットを生成し得る。例えば、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のトイレへの経路を案内する照明を点灯させ得る。別の例として、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のキッチンへの経路を案内する照明を点灯させ得る(それは、例えば、常夜灯328を点灯すること、ベッド下の照明を点灯すること、または、ランプ326を点灯すること、を含み得る)。
【0084】
別の例として、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出る場合、制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に日出照明様式を開始させ得る、あるいは、寝室または他の部屋の1または複数の照明を点灯させ得る。幾つかの実装形態では、当該ユーザ308について指定された朝の起床時間より前にユーザ308がベッドから出たと検知される場合、制御回路334は、照明システム314に、当該指定された朝の起床時間より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に照明システム314によって点灯される光よりも弱い(暗い)光を、点灯させる。ユーザ308が夜間に(すなわち、当該ユーザ308の通常の起床時間より前に)ベッドから出る時に弱い(薄暗い)照明のみを点灯させることは、その家の他の居住者が照明によって目覚めてしまうことを防げる一方で、ユーザ308が家内でトイレ、キッチン、または別の目的地に到達するために見ることを許容し得る(視界を提供し得る)。
【0085】
ユーザ308とベッド302との間の相互作用に関する履歴ユーザ相互作用情報は、ユーザの睡眠時間枠及び覚醒時間枠を識別するために使用され得る。例えば、ユーザのベッドでの存在時間及び睡眠時間が、設定された期間(例えば、2週間、1ヶ月など)について判定され得る。次に、制御回路334は、ユーザ308が就寝する典型的な時間範囲すなわち時間枠、ユーザ308が入眠する典型的な時間枠、及び、ユーザ308が目覚める典型的な時間枠、を識別し得る(場合によっては、ユーザ308が目覚める時間枠とユーザ308が実際にベッドから出る時間枠とは異なる)。幾つかの実装形態では、これらの時間枠に、バッファ時間が追加され得る。例えば、ユーザが、典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝すると識別される場合、各方向に30分のバッファが当該時間枠に追加され得て、午後9時30分と午後11時00分との間にユーザがベッドに着くことの検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。別の例として、ユーザ308が就寝する最も早い典型的な時間の30分前から始まって当該ユーザの典型的な目覚めの時間(例えば午前6時30分)まで延長される時間帯内での、ユーザ308のベッドでの存在の検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。例えば、ユーザが典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝する場合、ユーザのベッドでの存在がある夜の午前12時30分(0時30分)に検知されると、それは、ユーザの就寝の典型的な時間枠を超えてはいるが、ユーザの通常の目覚め時間の前に生じているため、当該ユーザ308が夜に就寝したと解釈され得る。幾つかの実装形態では、1年の異なる時期(例えば、夏よりも冬には就寝時間が早まる)または1週間の異なる曜日(例えば、ユーザは週末より平日により早く目覚める)について、異なる時間枠が識別される。
【0086】
制御回路334は、ユーザ308の存在の持続時間を感知することによって、短時間ベッド302上に存在すること(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ308の睡眠の持続時間を感知することによって、短時間の就寝(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。例えば、制御回路334は、時間閾値を設定し得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で当該閾値より長く感知される場合、ユーザ308が夜に就寝したと見なされる。幾つかの例では、当該閾値は約2時間であり得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で2時間を超えて感知される場合、制御回路334は、それを長時間睡眠事象として登録する。他の例では、当該閾値は、2時間より長かったり短かったりし得る。
【0087】
制御回路334は、ユーザ308が就寝時間範囲を入力する必要なく、ユーザ308の典型的な就寝時間範囲を自動的に判定するべく、繰り返される長時間睡眠事象を検知し得る。これにより、制御回路334は、ユーザ308が伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのか非伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのかとは無関係に、ユーザ308が長時間睡眠事象のために就寝する可能性が高い時刻を、正確に推定できる。次に、制御回路334は、ユーザ308の就寝時間範囲の知識を使用して、就寝時間範囲中または就寝時間範囲外にベッドで存在することの感知に基づいて、1または複数の構成要素(ベッド302及び/または非ベッドの周辺機器を含む)を、異なって制御し得る。
【0088】
幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力を必要とすることなく、ユーザ308の就寝時間範囲を自動的に判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、自動的に、且つ、ユーザ入力との組み合わせで、ユーザ308の就寝時間範囲を判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力に従って、就寝時間範囲を直接的に設定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、異なる就寝時刻を異なる曜日に関連付け得る。これらの例の各々において、制御回路334は、検知されたベッドでの存在及び就寝時間範囲の関数として、1または複数の構成要素(照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326、及び常夜灯328など)を制御し得る。
【0089】
制御回路334は、更に、サーモスタット316と通信し得て、当該サーモスタット316からの情報を受信し得て、当該サーモスタット316の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308は、ユーザ308の睡眠状態またはベッドでの存在に応じて、異なる時間の異なる温度のユーザの好みを示し得る。例えば、ユーザ308は、ベッドから出るとき華氏72度、ベッドにいるが目覚めているとき華氏70度、及び、眠っているとき華氏68度、の環境温度を好み得る。ベッド302の制御回路334は、夜のユーザ308のベッドでの存在を検知し得て、ユーザ308が就寝中であると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、サーモスタットをして温度を華氏70度に変化させる制御信号を生成し得る。次に、制御回路334は、当該制御信号をサーモスタット316に送信し得る。ユーザ308が就寝時間範囲中に就寝している、または眠っている、ことを検知すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏68度に変化させ得る。翌朝、ユーザがその日の起床をした(例えば、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出た)、ことを判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏72度に変化させ得る。
【0090】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、同様に制御信号を生成し得て、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、あるいは様々な予めプログラムされた時間に、ベッド302の表面上の1または複数の加熱要素または冷却要素をして、様々な時点で温度を変化させ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が入眠したことが検知されると、加熱要素を作動させ得て、ベッド302の表面の片側の温度を華氏73度にまで上昇させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、加熱要素または冷却要素を電源オフにし得る。更に別の例として、ユーザ308は、ベッドの表面の温度が上昇または下降されるべき様々な時間を、予めプログラムし得る。例えば、ユーザは、午後10時00分に表面温度を華氏76度に上げ、午後11時30分に表面温度を華氏68度に下げるように、ベッド302をプログラムし得る。
【0091】
幾つかの実装形態では、ユーザ308のベッドでの存在の検知及び/またはユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御回路334は、サーモスタット316をして、異なる部屋の温度を異なる値に変化させ得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして家の1または複数の寝室の温度を華氏72度に設定し得て、且つ、他の部屋の温度を華氏67度に設定し得る。
【0092】
制御回路334は、また、サーモスタット316から温度情報を受信し得て、この温度情報を使用して、ベッド302または他の装置の機能を制御し得る。例えば、前述のように、制御回路334は、サーモスタット316から受信した温度情報に応答して、ベッド302に含まれる加熱要素の温度を調整し得る。
【0093】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、他の温度制御システムを制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、制御回路334は、床暖房要素を作動させるための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、主寝室の床暖房システムをオンにすることができる。
【0094】
制御回路334は、更に、セキュリティシステム318と通信し得て、当該セキュリティシステム318から情報を受信し得て、当該セキュリティシステム318の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308が夜に就寝したとの検知に応答して、制御回路334は、セキュリティシステムをしてセキュリティ機能を作動または作動解除させる制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号をセキュリティシステム318に送信し得て、当該セキュリティシステム318を作動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めた(例えば、ユーザ308が午前6時00分より後にベッド302上にもはや存在しない)との判定に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318を不能にさせ得る。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、セキュリティシステム318に第1セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第1セットを生成及び送信し得て、ユーザ308が入眠したことの検知に応答して、セキュリティシステム318に第2セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第2セットを生成及び送信し得る。
【0095】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、セキュリティシステム318(及び/または、セキュリティシステム318に関連付けられたクラウドサービス)からアラート(警告)を受信し得て、当該アラートをユーザ308に示し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知し得て、それに応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318をして作動または作動解除させ得る。その後、セキュリティシステムは、セキュリティ違反(例えば、誰かがセキュリティコードを入力せずにドア332を開けた、または、セキュリティシステム318が作動している時に誰かが窓を開けた)を検知し得る。セキュリティシステム318は、セキュリティ違反を、ベッド302の制御回路334に通信し得る。セキュリティシステム318からの通信の受信に応答して、制御回路334は、セキュリティ違反についてユーザ308に警告するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308を目覚めさせて、セキュリティ違反についてユーザに警告するために、ベッド302の一部を関節運動させ得る(例えば、ヘッドセクションを上昇または下降させ得る)。別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308にセキュリティ違反を警告するために、ランプ326を規則的な間隔で点滅させ得る。別の例として、制御回路334は、子供用の寝室の開いた窓など、別のベッドの寝室のセキュリティ違反について、あるベッド302のユーザ308に警告し得る。別の例として、制御回路334は、(例えば、ドアを閉じてロックするために)ガレージドアコントローラに警告を送信し得る。別の例として、制御回路334は、セキュリティが作動解除されるように警告を送信し得る。
【0096】
制御回路334は、更に、ガレージドア320を制御するための制御信号を生成及び送信し得て、ガレージドア320の状態(すなわち、開いているかまたは閉じているか)を示す情報を受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、ガレージドアオープナーまたはガレージドア320が開いているか否かを感知可能な他の装置に、要求(リクエスト)を生成及び送信し得る。制御回路334は、ガレージドア320の現在の状態に関する情報を要求し得る。制御回路334が、ガレージドア320が開いていることを示す応答を(例えば、ガレージドアオープナーから)受信した場合、制御回路334は、ガレージドアが開いていることをユーザ308に通知し得るか、または、制御信号を生成して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。例えば、制御回路334は、ガレージドアが開いていることを示すメッセージを、ユーザデバイス310に送信し得る。別の例として、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。更に別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点滅させ得て、警告についてユーザデバイス310をチェックするようにユーザ308に警告し得る(この例では、ガレージドア320が開いていることに関する警告)。代替的に、あるいは付加的に、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308が夜にベッドにいること、及び、ガレージドア320が開いていることの識別に応答して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308の年齢に応じて異なり得る。
【0097】
制御回路334は、同様に、ドア332またはオーブン322に関連する状態情報を制御または受信するための通信を送信及び受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、ドア332の状態を検知するための装置またはシステムに、要求を生成して送信し得る。当該要求に応答して返される情報は、ドア332の様々な状態、例えば、開いている、閉じているがロックされていない、または、閉じていてロックされている、を示し得る。ドア332が開いているか、または、閉じているがロックされていない場合、制御回路334は、例えばガレージドア320について前述された態様のように、ドアの状態についてユーザ308に警告し得る。ユーザ308への警告に対して代替的に、または付加的に、制御回路334は、ドア332をしてロックするか、または閉じてロックするように、制御信号を生成及び送信し得る。ドア332が閉じていてロックされている場合、制御回路334は、更なる動作は必要ないと判定し得る。
【0098】
同様に、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、オーブン322の状態(例えば、オンまたはオフ)を要求するためのオーブン322への要求を生成及び送信し得る。オーブン322がオンである場合、制御回路334は、ユーザ308に警告し得て、及び/または、制御信号を生成及び送信し得て、オーブン322をオフにし得る。オーブンが既にオフである場合、制御回路334は、更なる動作が必要ではないと判定し得る。幾つかの実装形態では、様々な事象(イベント)に対して、様々な警告(アラート)が生成され得る。例えば、制御回路334は、セキュリティシステム318が違反を検知した場合、ランプ326(または照明システム314を介して1または複数の他の照明)を第1パターンで点滅させ得て、ガレージドア320が開いている場合、第2パターンで点滅させ得て、ドア332が開いている場合、第3パターンで点滅させ得て、オーブン322がオンの場合、第4パターンで点滅させ得て、別のベッドが当該ベッドのユーザが起きたことを検知する場合(例えば、ユーザ308の子供が夜中にベッドから出たことが子供のベッド302内のセンサによって感知される時)、第5パターンで点滅させ得る。ベッド302の制御回路334によって処理されてユーザに通信され得る警告の他の例は、煙を検知する(及び当該煙の検知を制御回路334に通信する)煙検知器、一酸化炭素を検知する一酸化炭素テスタ、ヒータ誤動作、または、制御回路334と通信可能でユーザ308の注意を喚起すべき事象発生の検知が可能な任意の他の装置からの警告、を含む。
【0099】
制御回路334はまた、ブラインド330の状態を制御するためのシステムまたは装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を閉じさせ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床した(例えば、ユーザが午前6時30分より後にベッドから出た)との判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を開かせ得る。対照的に、ユーザ308が当該ユーザ308の通常の起床時間より前にベッドから出た場合、制御回路334は、ユーザ308がその日まだ起床していないと判定し得て、ブラインド330を開かせるための制御信号を生成しない。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、第1セットのブラインドを閉じさせ、ユーザが眠っていることの検知に応答して、第2セットのブラインドを閉じさせる、という制御信号を生成及び送信し得る。
【0100】
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用の検知に応答して、他の家庭用装置の機能を制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に起床したとの判定に応答して、制御回路334は、コーヒーメーカー324に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、オーブン322に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該オーブンをして(朝に焼きたてパンが好きなユーザのために)予熱を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す情報を、1年のうちの時期が現在冬であること、及び/または、外気温が閾値を下回っていること、を示す情報と共に使用し得て、制御信号を生成及び送信し得て、車のエンジンブロックヒーターをオンにし得る。
【0101】
別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、または、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数の装置をスリープモードに入らせ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の携帯電話をスリープモードへと切り替えさせるための制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号を携帯電話に送信し得る。更にその後、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、携帯電話をスリープモードから(通常モードに)切り替えさせる制御信号を生成及び送信し得る。
【0102】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、1または複数のノイズ制御装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数のノイズキャンセレーション装置を作動させ得る。ノイズキャンセレーション装置は、例えば、ベッド302の一部として含まれ得るか、あるいは、ベッド302のある寝室内に配置され得る。別の例として、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、ステレオシステムラジオ、コンピュータ、タブレットなど、1または複数の音響生成装置について、ボリュームをオンにしたり、オフにしたり、アップしたり、ダウンしたりするための制御信号を生成及び送信し得る。
【0103】
更に、ベッド302の機能が、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、制御回路334によって制御される。例えば、ベッド302は、調節可能な土台と、ベッドを支持する当該調節可能な土台を調整することによってベッド302の1または複数の部分の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を含み得る。例えば、関節運動コントローラは、ベッド302を、平坦な位置から、ベッド302のマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで、調整し得る(例えば、ユーザがベッドに座ったり、及び/または、テレビを見たりするのを容易にするため)。幾つかの実装形態では、ベッド302は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、エアチャンバ306a及び306bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド302の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド302の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド302上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように、または、前述のようにユーザ308に警告を伝えるためにベッドを振動させるように、構成され得る。
【0104】
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、位置(例えば、ユーザ308及び/またはベッド302の追加ユーザのための傾斜及び下降位置)を調整し得る。例えば、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ユーザ308のベッドでの存在の感知に応答して、ベッド302をユーザ308の第1リクライニング位置に調整させ得る。制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、関節運動コントローラをして、ベッド302を第2リクライニング位置(例えば、リクライニングの程度が小さいか、平坦な位置)に調整させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がテレビ312をオフにしたことを示すテレビ312からの通信を受信し得て、それに応答して、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ベッド302の位置を好ましいユーザ睡眠位置に調整し得る(例えば、ユーザ308がベッドにいる間にユーザがテレビ312をオフにしたことにより、ユーザ308が入眠を望んでいることが示される)。
【0105】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302の別のユーザを目覚めさせることなく、ベッド302の1人のユーザを目覚めさせるように、関節運動コントローラを制御し得る。例えば、ユーザ308及びベッド302の第2ユーザは、各々、異なる目覚め時間を設定し得る(例えば、それぞれ、午前6時30分及び午前7時15分)。ユーザ308の目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをしてユーザ308が配置されているベッドの一側のみ振動させるか、または、その位置を変更させて、第2ユーザを妨げることなく、ユーザ308を目覚めさせ得る。第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをして、第2ユーザが配置されているベッドの側のみを振動させるか、またはその位置を変化させ得る。あるいは、第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、他の方法(例えば、オーディオアラームや照明の点灯など)を利用して、第2ユーザを目覚めさせ得る。
なぜなら、制御回路334が第2ユーザを目覚めさせることを試みる時、ユーザ308は既に目覚めていて、妨げられないからである。
【0106】
引き続き
図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、複数のユーザによるベッド302との相互作用についての情報を利用して、様々な他の装置の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308と第2ユーザとの両方がベッド302上に存在していると検知されるまで、例えばセキュリティシステム318を作動させたり、あるいは、照明システム314に様々な部屋の照明を消灯するよう命令したりするための制御信号を生成することを、待つことができる。別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在を検知すると、照明システム314をして第1セットの照明を消灯させるための第1セットの制御信号を生成し得て、第2ユーザのベッドでの存在の検知に応答して、第2セットの照明を消灯させるための第2セットの制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ブラインド330を開けるための制御信号を生成することを、ユーザ308と第2ユーザとの両方がその日に目覚めたと判定されるまで、待つことができる。更に別の例として、ユーザ308はその日ベッドを出て目覚めているが、第2ユーザは未だ眠っているという判定に応答して、制御回路334は、第1セットの制御信号を生成及び送信し得て、コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得て、セキュリティシステム318をして非アクティブにさせ得て、ランプ326を点灯し得て、常夜灯328を消灯し得て、サーモスタット316をして1または複数の部屋の温度を華氏72度に上昇させ得て、ベッド302が配置されている寝室以外の部屋のブラインド(例えば、ブラインド330)を開け得る。その後、第2ユーザがベッド上にもはや存在しない(または第2ユーザが目覚めている)ことの検知に応答して、制御回路334は、第2セットの制御信号を生成及び送信し得て、例えば照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点灯させ得て、寝室のブラインドを開けさせ得て、テレビ312を予め指定されたチャンネルでオンにし得る。
【0107】
[ベッドに関連付けられたデータ処理システムの例]
【0108】
ここで、例えばベッドに関連付けられているデータ処理タスクのために使用され得るシステム及び構成要素の例が説明される。幾つかの場合、特定の1つの構成要素または構成要素群の複数の例が提示される。これらの例の幾つかは、冗長性がある、及び/または、相互に排他的な代替物である。構成要素間の接続は、構成要素間の通信を許容するための可能性あるネットワーク形態を例示する例として示される。技術的に必要とされるまたは所望される通りに、様々な様式の接続が使用され得る。当該接続は、一般的に、任意の技術的に実現可能な様式で作成され得る論理接続を示す。例えば、マザーボード上のネットワークは、プリント回路基板、ワイヤレスデータ接続、及び/または、他のタイプのネットワーク接続、で創成され得る。幾つかの論理接続は、明瞭化のため、図示されない。例えば、特定の構成要素の多くのまたは全てのエレメントが電源及び/またはコンピュータ可読メモリに接続される必要があり得るが、明瞭化のため、電源及び/またはコンピュータ可読メモリとの接続は、図示されない場合がある。
【0109】
図4Aは、ベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システム400の一例のブロック図である。それは、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含んでいる。当該システム400は、ポンプマザーボード402及びポンプドーターボード404を含んでいる。当該システム400は、センサレイ406を含み、それは、環境及び/またはベッドの物理的現象を感知し、そのような感知を、例えば分析のために、ポンプマザーボード402に報告する、ように構成された1または複数のセンサを含み得る。当該システム400は、また、コントローラアレイ408も含み、それは、ベッド及び/または環境の論理制御デバイスを制御するように構成された、1または複数のコントローラを含み得る。ポンプマザーボード400は、ローカルネットワークを介して、インターネット412を介して、または技術的に適切な他の態様を介して、1または複数のコンピューティングデバイス414及び1または複数のクラウドサービス410と通信状態であり得る。これらの構成要素の各々が、以下において、複数の例示的形態と共に、より詳細に説明される。
【0110】
この例では、ポンプマザーボード402とポンプドーターボード404とが通信可能に結合されている。それらは、概念的にシステム400の中心ないしハブとして説明され得て、他の構成要素は、概念的にシステム400のスポークとして説明され得る。幾つかの形態では、これは、スポーク構成要素の各々が、主としてまたは排他的にポンプマザーボード402と通信することを意味し得る。例えば、センサレイのセンサは、対応するコントローラと直接的に通信するように構成されていないか、または通信できない場合がある。代わりに、各スポーク構成要素は、マザーボード402と通信し得る。センサレイ406のセンサは、センサ読取値をマザーボード402に報告し得て、マザーボード402は、それに応答して、コントローラアレイ408のコントローラが論理制御デバイスの幾つかのパラメータを調整すべきであるか、あるいは、1または複数の周辺装置の状態を修正すべきであるか、を判定し得る。ある場合に、ベッドの温度が高すぎると判定されるならば、ポンプマザーボード402は、温度コントローラがベッドを冷却すべきである、と判定し得る。
【0111】
ハブ-スポークのネットワーク形態(星形ネットワークと呼ばれることもある)の1つの利点は、例えば動的ルーティングを使用するメッシュネットワークと比較して、ネットワークトラフィックが減少することである。特定のセンサが、大きな連続的なストリームのトラフィックを生成する場合でも、当該トラフィックは、ネットワークの1つのスポークを介してマザーボード402に送信されるのみであり得る。マザーボード402は、例えば、当該データをマーシャリングし、それをより小さなデータフォーマットに凝縮して、クラウドサービス410に格納するために再送信し得る。追加的または代替的に、マザーボード402は、大きなストリームに応答して、ネットワークの異なるスポークを介して送信される単一の小さなコマンドメッセージを生成し得る。例えば、大量のデータストリームが、センサレイ406から1秒あたり数回送信される圧力読取値である場合、マザーボード402は、コントローラアレイに単一のコマンドメッセージで応答して、エアチャンバ内の圧力を増加させ得る。この場合、単一のコマンドメッセージは、圧力読取値のストリームよりも、桁違いに小さい場合があり得る。
【0112】
別の利点として、ハブ-スポークのネットワーク形態は、構成要素の追加、削除、障害などに対応できる拡張可能なネットワークを許容し得る。これは、例えば、センサレイ406内のより多い、より少ない、または異なるセンサ、コントローラアレイ408内のより多い、より少ない、または異なるコントローラ、より多い、より少ない、または異なるコンピューティングデバイス414、及び/または、より多い、より少ない、または異なるクラウドサービス410、を許容し得る。例えば、特定のセンサが故障するか、または、当該センサのより新しいバージョンによって廃止される場合、システム400は、マザーボード402のみが交換用センサについて更新される必要がある、というように構成され得る。これは、例えば、同一のマザーボード402が、より少ないセンサ及びコントローラを備えたエントリーレベルの製品、より多いセンサ及びコントローラを備えたより価値の高い製品、及び、顧客が独自に選択した構成要素をシステム400に追加し得る顧客パーソナライゼーション、を支援できる、という製品差別化を許容し得る。
【0113】
更に、一連のエアベッド製品が、様々な構成要素を備えたシステム400を使用し得る。製品ライン内の全てのエアベッドが中央論理ユニットとポンプとの両方を含む応用では、マザーボード402(及び任意選択的にドーターボード404)は、単一のユニバーサルハウジング内に収まるように設計され得る。その後、製品ライン内での製品のアップグレード毎に、付加的なセンサ、コントローラ、クラウドサービスなどが、追加され得る。各製品が特注の論理制御システムを備えている製品ラインと比較して、このようなベースから製品ラインの全ての製品を設計することにより、設計、製造、及び試験の時間が短縮され得る。
【0114】
前述の構成要素の各々は、様々な技術及び形態で実現され得る。以下、各構成要素の幾つかの例が、更に説明される。幾つかの代替案では、システム400の2以上の構成要素が、単一の代替構成要素で実現され得て、幾つかの構成要素は、複数の個別の構成要素で実現され得て、及び/または、幾つかの機能は、異なる構成要素によって提供され得る。
【0115】
図4Bは、データ処理システム400の幾つかの通信経路を示すブロック図である。前述のように、マザーボード402及びポンプドーターボード404は、システム400の周辺装置及びクラウドサービスのためのハブとして機能し得る。ポンプドーターボード404がクラウドサービスまたは他の構成要素と通信する場合、ポンプドーターボード404からの通信は、ポンプマザーボード402を介してルーティングされ得る。これは、例えば、ベッドがインターネット412との単一の接続のみを有することを許容し得る。コンピューティングデバイス414は、また、場合によってベッドによって使用される同一のゲートウェイを介して、及び/または、場合によって異なるゲートウェイ(例えば、セルサービスプロバイダ)を介して、インターネット412への接続を有し得る。
【0116】
以前から、幾つかのクラウドサービス410が説明されていた。
図4Bに示すように、クラウドサービス4l0d及び4l0eなど、幾つかのクラウドサービスは、ポンプマザーボード402が当該クラウドサービスと直接的に通信できるように、構成され得る。-すなわち、マザーボード402は、仲介者として別のクラウドサービス410を使用する必要なしで、クラウドサービス410と通信し得る。追加的または代替的に、幾つかのクラウドサービス410、例えばクラウドサービス410fは、仲介クラウドサービス、例えばクラウドサービス410e、を介してのみ、ポンプマザーボード402によって到達可能であり得る。ここでは図示されていないが、幾つかのクラウドサービス410は、ポンプマザーボード402によって直接的または間接的に到達可能であり得る。
【0117】
更に、クラウドサービス410の一部または全ては、他のクラウドサービスと通信するように構成され得る。この通信は、任意の技術的に適切な様式に従って、データ及び/またはリモートファンクションコールの転送を含み得る。例えば、1つのクラウドサービス410が、例えばバックアップ、協調、移行の目的で、あるいは、計算やデータマイニングの実施のため、別のクラウドサービスの410データの複写を要求し得る。別の例では、多くのクラウドサービス410が、ユーザカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aによって追跡される特定のユーザに従って索引付けされるデータを含み得る。これらのクラウドサービス410は、特定のユーザまたはベッドに固有のデータにアクセスする時、当該ユーザカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aと通信し得る。
【0118】
図5は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。この例では、以下で説明される他の例と比較して、マザーボード402が比較的少ない部品で構成され、比較的限定された特徴セットを提供するように制限され得る。
【0119】
マザーボードは、電源部500、プロセッサ502、及び、コンピュータメモリ512を含む。一般に、電源部は、外部電源から電力を受け取って、それをマザーボード402の構成要素に供給するために使用されるハードウェアを含む。電源部は、例えば、バッテリーパック及び/または壁コンセントアダプタ(プラグ)、AC-DCコンバータ、DC-ACコンバータ、電力調整器、コンデンサーバンク、及び/または、マザーボード402の他の構成要素によって必要とされる電流タイプ、電圧などで電力を提供するための1または複数のインタフェース、を含み得る。
【0120】
プロセッサ502は、一般に、入力を受け取り、論理決定を実行し、出力を提供するための装置である。プロセッサ502は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、汎用論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、これらの組み合わせ、及び/または、必要な機能を実行するための他のハードウェア、であり得る。
【0121】
メモリ512は、一般に、データを格納するための1または複数の装置である。メモリ512は、長期安定データ記憶(例えば、ハードディスク上)、短期不安定データ記憶(例えば、ランダムアクセスメモリ上)、または、任意の他の技術的に適切な構成、を含み得る。
【0122】
マザーボード402は、ポンプコントローラ504及びポンプモータ506を含む。ポンプコントローラ504は、プロセッサ502からコマンドを受信し得て、それに応答して、ポンプモータ506の機能を制御し得る。例えば、ポンプコントローラ504は、プロセッサ502から、エアチャンバの圧力を1平方インチあたり0.3ポンド(PSI)だけ増加させるコマンドを受信し得る。ポンプコントローラ504は、それに応答して、ポンプモータ506が選択されたエアチャンバ内に空気を送り込むような構成とされるように、弁を作動させ、0.3PSIに対応する時間、または、圧力が0.3PSIだけ増加されたことをセンサが示すまで、ポンプモータ506を作動させ得る。代替的形態では、メッセージが、チャンバが目標PSIまで膨張されるべきであるということを指定し得て、ポンプコントローラ504は、当該目標PSIが到達されるまでポンプモータ506を作動させ得る。
【0123】
バルブソレノイド508は、どのエアチャンバにポンプが接続されるかを制御し得る。場合によっては、ソレノイド508は、プロセッサ502によって直接的に制御され得る。場合によっては、ソレノイド508は、ポンプコントローラ504によって制御され得る。
【0124】
マザーボード402のリモートインタフェース510は、マザーボード402がデータ処理システムの他の構成要素と通信することを許容し得る。例えば、マザーボード402は、リモートインタフェース510を介して、1または複数のドーターボード、周辺センサ、及び/または、周辺コントローラと通信することが可能であり得る。リモートインタフェース510は、WiFi、ブルートゥース(登録商標)及び銅有線ネットワークなどの、複数の通信インタフェースを含むがこれらに限定されない、任意の技術的に適切な通信インタフェースを提供し得る。
【0125】
図6は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。
図5を参照して説明されたマザーボード402と比較すると、
図6のマザーボードは、より多くの構成要素を含み得て、幾つかの用途においてより多くの機能を提供し得る。
【0126】
電源部500、プロセッサ502、ポンプコントローラ504、ポンプモータ506及びバルブソレノイド508に加えて、当該マザーボード402は、バルブコントローラ600、圧力センサ602、ユニバーサルシリアルバス(USB)スタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、ブルートゥース(登録商標)無線器612、及び、コンピュータメモリ512、と共に示されている。
【0127】
ポンプコントローラ504がプロセッサ502からのコマンドをポンプモータ506のための制御信号に変換する方法と同様に、バルブコントローラ600は、プロセッサ502からのコマンドをバルブソレノイド508のための制御信号に変換し得る。一例では、プロセッサ502は、エアベッド内の一群のエアチャンバのうちの1つの特定のエアチャンバにポンプを接続するようにバルブコントローラ600にコマンドを発行し得る。バルブコントローラ600は、ポンプが指示されたエアチャンバに接続されるように、バルブソレノイド508の位置を制御し得る。
【0128】
圧力センサ602は、エアベッドの1または複数のエアチャンバからの圧力読取値を読み取ることができる。圧力センサ602はまた、デジタルセンサ調整を行うこともできる。
【0129】
マザーボード402は、ここで図示されるものを含むがそれに限定されない、一組のネットワークインタフェースを含み得る。これらのネットワークインタフェースは、マザーボードが、有線または無線ネットワークを介して、周辺センサ、周辺コントローラ、コンピューティングデバイス、及び、インターネット412に接続された装置及びサービス、を含むがこれらに限定されない、任意の数の装置と通信することを、許容し得る。
【0130】
図7は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るドーターボード404の一例のブロック図である。幾つかの形態では、1または複数のドーターボード404がマザーボード402に接続され得る。幾つかのドーターボード404は、特定のタスク及び/または区画化されたタスクをマザーボード402から解放(オフロード)するように設計され得る。これは、例えば、特定のタスクが、計算集約型であるか、独占的(proprietary)であるか、または将来の改訂の対象である、という場合に有利であり得る。例えば、特定の睡眠データメトリックを計算するために、ドーターボード404が使用され得る。このメトリックは、計算集約的であり得て、ドーターボード404で当該睡眠メトリックを計算すれば、当該メトリックが計算されている間、マザーボード402のリソースが解放され得る。追加的及び/または代替的に、当該睡眠メトリックは、将来の改訂の対象となり得る。システム400を新しい睡眠メトリックで更新するために、当該メトリックを計算するドーターボード404のみが交換される必要がある、ということが可能である。この場合、同一のマザーボード402及び他の構成要素が使用され得るため、ドーターボード404だけでなく追加の構成要素のユニット試験を実行する、という必要がない。
【0131】
ドーターボード404は、電源部700、プロセッサ702、コンピュータ可読メモリ704、圧力センサ706、及び、WiFi無線器708、と共に図示されている。プロセッサは、圧力センサ706を使用して、エアベッドの1または複数のエアチャンバの圧力に関する情報を収集し得る。このデータから、プロセッサ702は、睡眠メトリックを計算するためのアルゴリズムを実行し得る。幾つかの例では、睡眠メトリックは、エアチャンバの圧力のみから計算され得る。他の例では、睡眠メトリックは、1または複数の他のセンサから計算され得る。様々なデータが必要とされる例では、プロセッサ702は、適切な1または複数のセンサから当該データを受信し得る。これらのセンサは、ドーターボード404の内部にあり得る、WiFi無線器708を介してアクセス可能であり得る、あるいは、プロセッサ702と通信中であり得る。睡眠メトリックが計算されると、プロセッサ702は、当該睡眠メトリックを例えばマザーボード402に報告し得る。
【0132】
図8は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボード無しのマザーボード800の一例のブロック図である。この例では、マザーボード800は、
図6のマザーボード402及び
図7のドーターボード404を参照して説明された機能の、ほとんど、全て、またはより多く、を実行し得る。
【0133】
図9は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、センサレイ406の一例のブロック図である。一般に、センサレイ406は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺センサの一部または全ての概念的なグループである。
【0134】
センサレイ406の周辺センサは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース(登録商標)無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介して読取値を出力するセンサは、USBスタック604を介して通信し得る。
【0135】
センサレイ406の周辺センサ900の幾つかは、ベッドに取り付けられ得る。これらのセンサは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺センサ902、904は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたセンサ900及び/または周辺センサ902、904の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するセンサの全てをマザーボード402と接続する、各センサからのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、圧力、温度、光、音、及び/または、マットレスの1または複数の他の特徴などの、マットレスの1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、幾つか、または全てが、マットレスの1または複数の特徴、及び/または、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である一方で、圧力センサ902が、マットレスの圧力を感知可能である。
【0136】
図10は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コントローラアレイ408の一例のブロック図である。一般に、コントローラアレイ408は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺コントローラの一部または全ての概念的なグループである。
【0137】
コントローラアレイ408の周辺コントローラは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース(登録商標)無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介してコマンドを受信するコントローラは、USBスタック604を介して通信し得る。
【0138】
コントローラアレイ408のコントローラの幾つか1000は、ベッドに取り付けられ得て、温度コントローラ1006、照明コントローラ1008及び/またはスピーカコントローラ1010を含むが、これらに限定されない。これらのコントローラは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺コントローラ1002、1004は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたコントローラ1000及び/または周辺コントローラ1002、1004の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するコントローラの全てをマザーボード402と接続する、各コントローラのためのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。
【0139】
図11は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コンピューティングデバイス414の一例のブロック図である。コンピューティングデバイス414は、例えば、ベッドのユーザによって使用されるコンピューティングデバイスを含み得る。例示的なコンピューティングデバイス414は、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ)及びデスクトップコンピュータを含むが、これらに限定されない。
【0140】
コンピューティングデバイス414は、電源部1100、プロセッサ1102及びコンピュータ可読メモリ1104を含む。ユーザ入力及び出力が、例えば、スピーカ1106、タッチスクリーン1108、または、ポインティングデバイス若しくはキーボードなどの他の不図示の構成要素、によって送信され得る。コンピューティングデバイス414は、1または複数のアプリケーション1110を実行し得る。これらのアプリケーションは、例えば、ユーザがシステム400と相互作用することを許容するアプリケーションを含み得る。これらのアプリケーションは、ユーザが、ベッドに関する情報(センサの読取値、睡眠メトリックなど)を視認したり、システム400の動作を構成したり(例えば、ベッドに所望の堅さを設定したり、周辺装置に所望の動作を設定したり)することを許容し得る。場合によっては、コンピューティングデバイス414は、前述のリモートコントロール122に加えて、またはそれに置換するために、使用され得る。
【0141】
図12は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ベッドデータクラウドサービス410aの一例のブロック図である。この例では、ベッドデータクラウドサービス410aは、特定のベッドからセンサデータ及び睡眠データを収集し、当該センサデータ及び睡眠データが生成された時にベッドを使用している1または複数のユーザと当該センサデータ及び睡眠データとを照合する、ように構成されている。
【0142】
ベッドデータクラウドサービス410aは、ネットワークインタフェース1200、通信マネージャ1202、サーバハードウェア1204、及び、サーバシステムソフトウェア1206、と共に示されている。更に、ベッドデータクラウドサービス410aは、ユーザ識別モジュール1208、デバイス管理モジュール1210、センサデータモジュール1212、及び、高度睡眠データモジュール1214、と共に示されている。
【0143】
ネットワークインタフェース1200は、一般に、1または複数のハードウェア装置がネットワークを介して通信することを許容するために使用される、ハードウェア及び低レベルソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインタフェース1200は、ベッドデータクラウドサービス410aの構成要素が例えばインターネット412を介して互いに及び他の宛先と通信する、ことを許容するために必要とされる、ネットワークカード、ルータ、モデム、及び、他のハードウェア、を含み得る。通信マネージャ1202は、一般に、ネットワークインタフェース1200上で動作する、ハードウェア及びソフトウェアを含む。これは、ベッドデータクラウドサービス4l0aによって使用されるネットワーク通信を開始、維持、及び破棄するためのソフトウェアを含む。これは、例えば、TCP/IP、SSLまたはTLS、トレント(Torrent)、及び、ローカルまたはワイドエリアネットワークを介した他の通信セッション、を含む。通信マネージャ1202は、また、ベッドデータクラウドサービス410aの他の要素に、ロードバランシング及び他のサービスを提供し得る。
【0144】
サーバハードウェア1204は、一般に、ベッドデータクラウドサービス410aをインスタンス化して維持するために使用される物理処理装置を含む。このハードウェアは、プロセッサ(例えば、中央処理装置、ASIC、グラフィックプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、安定したハードディスク、テープバックアップ)を含むが、これらに限定されない。1または複数のサーバが、地理的に離れ得る乃至接続され得る、クラスター、マルチコンピュータ、または、データセンター、に構成され得る。
【0145】
サーバシステムソフトウェア1206は、一般に、アプリケーション及びサービスに動作環境を提供するためにサーバハードウェア1204上で実行されるソフトウェアを含む。サーバシステムソフトウェア1206は、実サーバで実行されるオペレーティングシステム、実サーバでインスタンス化されて多くの仮想サーバを生成する仮想マシン、データ移行や冗長性やバックアップなどのサーバレベルの動作、を含み得る。
【0146】
ユーザ識別モジュール1208は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ベッドデータクラウドサービス410aまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、連絡先情報、請求書情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
【0147】
デバイス管理モジュール1210は、データ処理システムに関連付けられたベッドまたは他の製品に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ベッドは、ベッドデータクラウドサービス410aに関連付けられたシステムで販売または登録された製品(製品情報)を含み得る。各ベッドは、例えば、固有の識別子、モデル及び/またはシリアル番号、販売情報、地理的情報、配送情報、関連付けられたセンサ及び周辺制御装置のリスト、などを有し得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶される1または複数の索引(インデックス)が、ベッドに関連付けられているユーザを識別し得る。例えば、この索引(インデックス)は、ベッド等で眠る1または複数のユーザに対してのベッドの売上を記録し得る。
【0148】
センサデータモジュール1212は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドによって記録される生の(未加工の)センサデータまたは圧縮された(処理された)センサデータを記録し得る。例えば、ベッドのデータ処理システムは、温度センサ、圧力センサ及び光センサを有し得る。これらのセンサからの読取値が、センサの生の形態でまたは生のデータから生成された様式(例えば、睡眠メトリック)で、ベッドのデータ処理システムによってベッドデータクラウドサービス410aに通信され得て、センサデータモジュール1212に保存され得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶された1または複数の索引(インデックス)が、センサデータモジュール1212に関連付けられたユーザ及び/またはベッドを識別し得る。
【0149】
ベッドデータクラウドサービス410aは、その利用可能なデータのいずれかを使用して、高度睡眠データ1214を生成し得る。一般に、高度睡眠データ1214は、センサ読取値から生成される睡眠メトリック及び他のデータを含む。これらの計算の幾つかは、例えば、計算が複雑であるか、ベッドのデータ処理システムでは利用できない大量のメモリ領域またはプロセッサ能力を必要とする場合、ベッドのデータ処理システムにおいてローカルに実行される代わりに、ベッドデータクラウドサービス410aで実行され得る。これは、ベッドシステムが、比較的簡単なコントローラで動作することを許容する一方、依然として比較的複雑なタスク及び計算を実行するシステムの一部である、ということに役立ち得る。
【0150】
図13は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、睡眠データクラウドサービス410bの一例のブロック図である。この例では、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザの睡眠体験に関連するデータを記録するように構成されている。
【0151】
睡眠データクラウドサービス410bは、ネットワークインタフェース1300、通信マネージャ1302、サーバハードウェア1304、及び、サーバシステムソフトウェア1306、と共に示されている。更に、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザ識別モジュール1308、圧力センサ管理モジュール1310、圧力ベースの睡眠データモジュール1312、生の圧力センサデータモジュール1314、及び、非圧力の睡眠データモジュール1316、と共に示されている。
【0152】
圧力センサ管理モジュール1310は、ベッド内の圧力センサの構成及び動作に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、このデータは、特定のベッドのセンサの種類の識別子、それらの設定及び較正のデータ、などを含み得る。
【0153】
圧力ベースの睡眠データ1312は、生の圧力センサデータ1314を使用して、特に圧力センサデータに関連付けられた睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザの存在、動き、体重変化、心拍数、及び、呼吸数は、全て、生の圧力センサデータ1314から判定(決定)され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、圧力センサ、生の圧力センサデータ、及び/または、圧力ベースの睡眠データ、に関連するユーザを識別し得る。
【0154】
非圧力の睡眠データ1316は、他のデータソースを使用して、睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザが入力した好み、光センサの読取値、及び、音響センサの読取値が、全て、睡眠データの追跡に利用され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、他のセンサ及び/または非圧力の睡眠データ1316、に関連するユーザを識別し得る。
【0155】
図14は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ユーザカウントクラウドサービス410cの一例のブロック図である。この例では、ユーザカウントクラウドサービス4l0cは、ユーザのリストを記録し、それらのユーザに関連する他のデータを識別するように構成されている。
【0156】
ユーザカウントクラウドサービス410cは、ネットワークインタフェース1400、通信マネージャ1402、サーバハードウェア1404、及び、サーバシステムソフトウェア1406、と共に示されている。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cは、ユーザ識別モジュール1408、購入履歴モジュール1410、関与(エンゲージメント)モジュール1412、及び、アプリケーション使用履歴モジュール1414、と共に示されている。
【0157】
ユーザ識別モジュール1408は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ユーザカウントクラウドサービス410cまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
【0158】
購入履歴モジュール1410は、ユーザによる購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、購入データは、販売の連絡先情報、請求書情報、及び、営業担当者情報を含み得る。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、購入に関連付けられたユーザを識別し得る。
【0159】
関与(エンゲージメント)モジュール1412は、ベッド及び/またはクラウドサービスの製造者、ベンダー、及び/または、管理者、に対するユーザの相互作用(遣り取り)を追跡し得る。この関与データは、通信(例えば、eメール、サービスコールなど)、販売データ(例えば、領収書、コンフィグレーションログ)、及び、ソーシャルネットワークの相互作用(遣り取り)、を含み得る。
【0160】
使用履歴モジュール1414は、ベッドの1または複数のアプリケーション及び/またはリモートコントロールとのユーザ相互作用(遣り取り)に関するデータを含み得る。例えば、モニタリング及びコンフィグレーションアプリケーションが、例えば複数のコンピューティングデバイス412上で実行するように分散され得る。このアプリケーションは、アプリケーション使用履歴モジュール1414に記憶するために、ユーザ相互作用をログに記録して報告し得る。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、各ログエントリに関連付けられたユーザを識別し得る。
【0161】
図15は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、販売時点管理(POS)クラウドサービス1500の一例のブロック図である。この例では、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザの購入に関連するデータを記録するように構成されている。
【0162】
販売時点管理クラウドサービス1500は、ネットワークインタフェース1502、通信マネージャ1504、サーバハードウェア1506、及び、サーバシステムソフトウェア1508、と共に示されている。更に、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザ識別モジュール1510、購入履歴モジュール1512、及び、セットアップモジュール1514、と共に示されている。
【0163】
購入履歴モジュール1512は、ユーザ識別モジュール1510で識別されるユーザによって行われた購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。購入情報は、例えば、販売、価格、販売場所、配送先住所、及び、販売時にユーザによって選択されたコンフィグレーション(設定)オプション、のデータを含み得る。これらのコンフィグレーションオプションは、新しく購入したベッドがどのようにセットアップされることを希望するかについてユーザが行った選択を含み得て、且つ、例えば、予想される睡眠スケジュール、ユーザが有するまたは設置するであろう周辺センサ及びコントローラのリスト、等を含み得る。
【0164】
ベッドセットアップモジュール1514は、ユーザが購入したベッドの設置に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。ベッセットアップデータは、例えば、ベッドが配送される日付と住所、配送を受け取る人、配送時にベッドに適用されているコンフィグレーション(設定)、当該ベッド上で眠るであろう1または複数の人の名前、各々の人がベッドのどちら側を使用するか、等を含み得る。
【0165】
販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータは、後日、ユーザのベッドシステムによって参照され得て、当該販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータに従って、ベッドシステムの機能を制御したり、及び/または、周辺構成要素に制御信号を送信したりできる。これは、販売員が販売時点でユーザから情報を収集することを許容し得て、それは、後でベッドシステムの自動化を容易にする。幾つかの例では、ベッドシステムの幾つかまたは全ての特徴が自動化され得て、販売時点の後、ユーザ入力データはほとんど乃至全く要求されない。他の例では、販売時点管理クラウドサービス1500に記録されるデータが、ユーザ入力のデータから収集される様々な追加データに関連して、使用され得る。
【0166】
図16は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、環境クラウドサービス1600の一例のブロック図である。この例では、環境クラウドサービス1600は、ユーザの家内環境に関連するデータを記録するように構成されている。
【0167】
環境クラウドサービス1600は、ネットワークインタフェース1602、通信マネージャ1604、サーバハードウェア1606、及び、サーバシステムソフトウェア1608、と共に示されている。更に、環境クラウドサービス1600は、ユーザ識別モジュール1610、環境センサモジュール1612、及び、環境要因モジュール1614、と共に示されている。
【0168】
環境センサモジュール1612は、ユーザ識別モジュール1610のユーザがベッド内に設置したセンサのリストを含み得る。これらのセンサは、光センサ、ノイズセンサ、振動センサ、サーモスタットなど、環境変数を検出可能な任意のセンサを含む。更に、環境センサモジュール1612は、それらのセンサからの過去の読取値または報告(レポート)を記憶し得る。
【0169】
環境要因モジュール1614は、環境センサモジュール1612のデータに基づいて生成された報告を含み得る。例えば、環境センサモジュール1612のデータについて光センサを有するユーザの場合、環境要因モジュール1614は、ユーザが眠っているときに増加した照明のインスタンスの頻度及び持続時間を示す報告を保持し得る。
【0170】
ここで説明される例では、各クラウドサービス410が、同一の構成要素の幾つかと共に示されている。様々な形態で、これらの同一の構成要素は、部分的にまたは完全に、サービス間で共有されてもよいし、あるいは、それらは別々であってもよい。幾つかの形態では、各サービスは、幾つかの点で同じまたは異なる構成要素の一部または全ての別個のコピーを有し得る。更に、これらの構成要素は、説明のための例としてのみ提供されている。他の例では、各クラウドサービスは、技術的に可能な、構成要素の異なる数、タイプ、及びスタイルを有し得る。
【0171】
図17は、ベッド(本明細書に記載されたベッドシステムのベッドなど)に関連付けられ得るデータ処理システムを使用して、ベッドの周りの周辺機器を自動化する一例のブロック図である。ここに示されているのは、ポンプマザーボード402上で実行される行動分析モジュール1700である。例えば、行動分析モジュール1700は、コンピュータメモリ512に記憶され、プロセッサ502によって実行される1または複数のソフトウェアコンポーネントであり得る。一般に、行動分析モジュール1700は、多種多様なソース(例えば、センサ、非センサローカルソース、クラウドデータサービス)からデータを収集し得て、行動アルゴリズム1702を使用し得て、取られるべき1または複数の動作(例えば、周辺コントローラに送信するコマンド、クラウドサービスに送信するデータ)を生成し得る。これは、例えば、ユーザの行動を追跡したり、ユーザのベッドと通信する装置を自動化したりするのに、有用であり得る。
【0172】
行動分析モジュール1700は、例えば、ベッドの特徴、ベッドの環境、及び/または、ベッドのユーザ、に関するデータを収集するために、任意の技術的に適切なソースからデータを収集し得る。幾つかのそのようなソースは、センサレイ406のセンサのいずれかを含む。例えば、このデータは、行動分析モジュール1700に、ベッドの周囲の環境の現在の状態に関する情報を提供し得る。例えば、行動分析モジュール1700は、圧力センサ902からの読取値にアクセスし得て、ベッド内のエアチャンバの圧力を判定し得る。この読取値と、場合によっては他のデータとから、ベッドでのユーザの存在が判定され得る。別の例では、行動分析モジュール1700は、光センサ908にアクセスし得て、ベッドの環境における光の量を検出し得る。
【0173】
同様に、行動分析モジュール1700は、クラウドサービスからのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ベッドクラウドサービス410aにアクセスし得て、履歴センサデータ1212及び/または高度睡眠データ1214にアクセスし得る。以前に記載されていないものを含む他のクラウドサービス410が、行動分析モジュール1700によってアクセスされ得る。例えば、行動分析モジュール1700は、気象レポーティングサービス、第三者データプロバイダー(例えば、交通及びニュースデータ、緊急放送データ、ユーザ旅行データ)、及び/または、時計及びカレンダサービス、にアクセスし得る。
【0174】
同様に、行動分析モジュール1700は、非センサソース1704からのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ローカルな時計及びカレンダサービス(例えば、マザーボード402またはプロセッサ502の構成要素)にアクセスし得る。
【0175】
行動分析モジュール1700は、1または複数の行動アルゴリズム1702による使用のためにこのデータを集約及び準備し得る。ユーザの行動を学習したり、並びに/または、アクセスしたデータの状態及び/若しくは予測されるユーザの行動に基づいて幾つかの動作を実行したりするために、行動アルゴリズム1702が使用され得る。例えば、行動アルゴリズム1702は、利用可能なデータ(例えば、圧力センサ、非センサデータ、時計及びカレンダーデータ)を使用して、ユーザが毎晩就寝する時のモデルを作成し得る。その後、同一または異なる動作アルゴリズム1702が使用され得て、エアチャンバ圧力の増加がユーザの就寝を示している可能性が高いか否かを判定し得て、そうであれば、幾つかのデータを第三者クラウドサービス410に送信し得て、及び/または、例を挙げればポンプコントローラ504、土台アクチュエータ1706、温度コントローラ1008、ベッド下照明1010、周辺コントローラ1002または周辺コントローラ1004等の、装置を作動させ得る。
【0176】
図示の例では、行動分析モジュール1700及び行動アルゴリズム1702は、マザーボード402の構成要素として示されている。もっとも、他の構成も可能である。例えば、同一または同様の行動分析モジュール及び/または行動アルゴリズムが、1または複数のクラウドサービスで実行され得て、結果の出力が、マザーボード402、コントローラアレイ408のコントローラ、または、任意の他の技術的に適切な受容者、に送信され得る。
【0177】
図18は、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る、コンピューティングデバイス1800の一例及びモバイルコンピューティングデバイスの一例を示す。コンピューティングデバイス1800とは、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、個人情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び、他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。モバイルコンピューティングデバイスとは、個人情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び、他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すことが意図されている。ここに示されている構成要素、それらの接続と関係、及び、それらの機能は、例示のみを意図しており、本願書類において説明及び/または請求される本発明の実装を制限することは意図されていない。
【0178】
コンピューティングデバイス1800は、プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置(ストレージデバイス)1806、メモリ1804及び複数の高速拡張ポート1810に接続する高速インタフェース1808、及び、低速拡張ポート1814及び記憶装置1806に接続する低速インタフェース1812、を含む。プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置1806、高速インタフェース1808、高速拡張ポート1810、及び、低速インタフェース1812、の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、一般的なマザーボード上に、または必要に応じた他の態様で、搭載され得る。プロセッサ1802は、メモリ1804内または記憶装置1806上に記憶(格納)された命令を含む、コンピューティングデバイス1800内で実行するための命令を処理して得て、高速インタフェース1808に結合されたディスプレイ1816のような外部入出力装置上に、GUIのためのグラフィック情報を表示し得る。他の実装形態では、複数のプロセッサ及び/または複数のバスが、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて、使用され得る。また、各コンピューティングデバイスが必要な動作の一部を提供するように、複数のコンピューティングデバイスが接続され得る(例えば、サーババンクとして、ブレードサーバの一群として、または、マルチプロセッサシステムとして)。
【0179】
メモリ1804は、コンピューティングデバイス1800内の情報を記憶する。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の揮発性メモリユニットである。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ1804は、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、コンピュータ可読媒体の別の形態であってもよい。
【0180】
記憶装置1806は、コンピューティングデバイス1800に大容量ストレージを提供可能である。幾つかの実装形態では、記憶装置1806は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、フラッシュメモリ、若しくは、他の同様のソリッドステートメモリ装置、などのコンピュータ可読媒体、または、ストレージエリアネットワークまたは他の形態の複数の装置を含む複数の装置の配列、であり得るか、それらを含み得る。コンピュータプログラム製品は、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化され得る。コンピュータプログラム製品はまた、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含み得る。コンピュータプログラム製品はまた、メモリ1804、記憶装置1806、またはプロセッサ1802上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体内または機械可読媒体内に有体的に具体化され得る。
【0181】
高速インタフェース1808は、コンピューティングデバイス1800のための帯域幅消費型(bandwidth-intensive)動作を管理し、低速インタフェース1812は、より低い帯域幅消費型動作を管理する。このような機能の割り当ては、単なる例示である。幾つかの実装形態では、高速インタフェース1808は、メモリ1804、ディスプレイ1816(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータを介して)、及び、様々な拡張カード(不図示)を受け入れ可能な高速拡張ポート1810、に結合される。当該実装では、低速インタフェース1812は、記憶装置1806及び低速拡張ポート1814に結合される。低速拡張ポート1814は、様々な通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット、ワイヤレスイーサネット)を含み得て、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、または、例えばネットワークアダプタを介してのスイッチやルータなどのネットワーク装置、などの1または複数の入出力装置に結合され得る。
【0182】
コンピューティングデバイス1800は、図に示されているように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、標準的なサーバ1820として、または、そのようなサーバの一群(グループ)において複数回、実装され得る。更に、それは、ラップトップコンピュータ1822などのパーソナルコンピュータで実装され得る。また、それは、ラックサーバシステム1824の一部として実装され得る。あるいは、コンピューティングデバイス1800からの構成要素は、モバイルコンピューティングデバイス1850などのモバイルデバイス(図示せず)の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス1800及びモバイルコンピューティングデバイス1850のうちの1または複数を含み得て、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイスで構成され得る。
【0183】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、とりわけ、プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854などの入出力装置、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868を含む。モバイルコンピューティングデバイス1850は、また、追加のストレージ(記録装置)を提供するために、マイクロドライブまたは他の装置などの記憶装置が設けられ得る。プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、当該構成要素の幾つかは、共通のマザーボード上に、または、必要に応じた他の態様で、搭載され得る。
【0184】
プロセッサ1852は、メモリ1864内に記憶された命令を含む、モバイルコンピューティングデバイス1850内の命令を実行し得る。プロセッサ1852は、別個の複数のアナログ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ1852は、例えば、ユーザインタフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス1850によって実行されるアプリケーション、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850による無線通信など、モバイルコンピューティングデバイス1850の他の構成要素の調整(coordination)を提供し得る。
【0185】
プロセッサ1852は、ディスプレイ1854に結合された制御インタフェース1858及びディスプレイインタフェース1856を介して、ユーザと通信し得る。ディスプレイ1854は、例えば、TFTディスプレイ(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または、他の適切なディスプレイ技術、であり得る。ディスプレイインタフェース1856は、ディスプレイ1854を駆動してグラフィック情報及び他の情報をユーザに提示するための適切な回路を有し得る。制御インタフェース1858は、ユーザからコマンドを受け取り、それらをプロセッサ1852に提示するために変換し得る。更に、外部インタフェース1862が、プロセッサ1852との通信を提供し得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の他のデバイスとの近距離通信を可能にし得る。外部インタフェース1862は、例えば、幾つかの実装における有線通信、または、他の実装における無線通信、を提供し得て、複数のインタフェースが使用されてもよい。
【0186】
メモリ1864は、モバイルコンピューティングデバイス1850内の情報を記憶する。メモリ1864は、1または複数のコンピュータ可読媒体、1または複数の揮発性メモリユニット、または、1または複数の不揮発性メモリユニット、として実装され得る。拡張メモリ1874も、提供され得て、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインタフェースを含み得る拡張インタフェース1872を介して、モバイルコンピューティングデバイス1850に接続され得る。拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のための追加の記憶空間を提供し得る、または、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのアプリケーションまたは他の情報を記憶し得る。具体的には、拡張メモリ1874は、前述のプロセスを実行または補足するための命令を含み得て、また、安全情報をも含み得る。従って、例えば、拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのセキュリティモジュールとして提供され得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の安全な使用を許容する命令でプログラムされ得る。更に、ハッキングできない態様でSIMMカード上に識別情報を配置するなど、追加情報と共に、SIMMカードを介して安全なアプリケーションが提供され得る。
【0187】
メモリは、以下に説明されるように、例えば、フラッシュメモリ及び/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品が、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含む。コンピュータプログラム製品は、メモリ1864、拡張メモリ1874、またはプロセッサ1852上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体または機械可読媒体であり得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品は、例えばトランシーバ1868または外部インタフェース1862を介して、伝播信号で受信され得る。
【0188】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、通信インタフェース1866を介して、無線通信し得る。通信インタフェース1866は、必要に応じて、デジタル信号処理回路を含み得る、通信インタフェース1866は、とりわけ、GSM音声通話(モバイル通信用グローバルシステム)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、MMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(コード分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域コード分割多重アクセス)、CDMA2000、または、GPRS(汎用パケット無線サービス)、等の様々なモードまたはプロトコルの下で通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、無線周波数を使用してトランシーバ1868を介して発生し得る。更に、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、または、他のそのようなトランシーバ(不図示)を使用するなどして、短距離通信が発生し得る。更に、GPS(全地球測位システム)受信モジュール1870が、モバイルコンピューティングデバイス1850に、追加のナビゲーション及び位置関連無線データを提供し得る。それは、モバイルコンピューティングデバイス1850上で実行されるアプリケーションによって適切に使用され得る。
【0189】
モバイルコンピューティングデバイス1850はまた、オーディオコーデック1860を使用して可聴的に通信し得る。オーディオコーデック1860は、ユーザからの話された情報を受信し得て、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。同様に、オーディオコーデック1860は、例えばモバイルコンピューティングデバイス1850のハンドセット内のスピーカを介するなどして、ユーザにとっての可聴音を生成し得る。そのような音は、音声通話からの音を含み得て、録音された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含み得て、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850上で動作するアプリケーションによって生成される音をも含み得る。
【0190】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、図に示されるように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、携帯電話1880として実装され得る。また、それは、スマートフォン1882、個人情報端末、または、他の同様のモバイルデバイス、の一部として実装され得る。
【0191】
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/または、それらの組み合わせ、で実現され得る。これらの様々な実装は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/または解釈可能な1または複数のコンピュータプログラムでの実装を含み得る。それは、特別の目的または一般的な目的で、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び、少なくとも1つの出力デバイス、からのデータ及び命令を受信し、且つ、それらへデータ及び命令を送信する、ように結合され得る。
【0192】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサのための機械語命令を含み、高レベルのプロシージャ型及び/またはオブジェクト指向型のプログラミング言語で、及び/または、アセンブリ/機械語で、実装され得る。本明細書で使用される場合、機械可読媒体及びコンピュータ可読媒体という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。これは、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む。機械可読信号という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0193】
ユーザとの相互作用を提供するために、ここで説明されるシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)と、ユーザが当該コンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボール)と、を備えたコンピュータで実装され得る。他の種類のデバイスもまた、ユーザとの相互作用を提供するために使用され得る。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または、触覚フィードバック)であり得る。ユーザからの入力は、音響、音声、または、触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0194】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)を含む、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザがそれを介してここで説明されるシステム及び技術の実装と相互作用できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを備えたクライアントコンピュータ)を含む、またはそのようなバックエンド、ミドルウェアないしフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステム内に実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)で相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、を含む。
【0195】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアントとサーバは、一般的には互いから離れていて、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、生じる。
【0196】
図19は、センサアレイを有するベッド1900の概略図である。ベッド1900は、例えば、ベッド上で眠っている1または複数のユーザの睡眠環境の熱特性を感知するために使用され得る。この例では、ベッド1900は、2人の睡眠者を収容するのに十分な大きさのマットレス1902を含んでいる(例えば、クイーンサイズまたはキングサイズのベッド)。この例では、センサアレイの圧力センサは、ベッドの左側と右側の圧力可変の空気袋に接続されたポンプ内の圧力トランスデューサを含む。もっとも、他の圧力センサも可能であり、ベッド上に置かれたセンサマット、枕内の圧力センサ(明確化のため不図示)、等を含むが、これらに限定されない、
【0197】
圧力センサ(または複数の圧力センサ)は、エアチャンバ(例えば、マットレス1902及び/または枕内のエアチャンバ)内からの、体の動き、ベッドへの出入り、生体特徴読取値、及び、温度変化、に起因する圧力変動を収集し得る。
【0198】
温度センサが、ベッド1900内で使用され得て、睡眠者の体または身近な環境(例えば、寝具、枕)から温度情報を収集し得る。ここでは、2つの可能な温度センサが示されるが、他の形態も可能であり、ベッドの両側の同一種類の温度センサ、ベッドの幅に亘る単一のセンサまたはセンサ装置、等を含む。
【0199】
睡眠者の温度を感知するための1つの例示的なセンサアレイは、温度センサ1904である。温度センサ1904は、各々が特定の場所で温度を感知する1または複数の要素で作られ得る。一例では、温度センサ1904は、互いに垂直に配置され(例えば、面ファスナで互いに固定され)、寝具下のマットレス1902の上または下に配置された2つのストリップで作られ得る。一例では、温度センサ1904は、図示されるように、十字形を有する単一部品で作られ得る。
【0200】
睡眠者の温度を感知するための1つの例示的なセンサアレイは、温度センサ1906である。温度センサ1906は、表面全体の温度を感知可能な、全体として長方形のセンサである。幾つかの形態では、当該センサは、「X」方向および「Y」方向に索引付けされたグリッド状の場所内に編成され得て、各場所は[X、Y]アドレスでアドレス可能である。
【0201】
あるいは、1または複数の温度センサは、マットレス1902内に統合され得る。例えば、マットレス1902の上層は、連続気泡フォーム、布地層、綿生地、等の快適層を含み得る。1または複数の温度センサは、これらの層の2つの間に、ベッド上で眠っているユーザに気付かれないほどに十分深く配置され得るが、ユーザがベッドで眠っているときにユーザによって発生される熱を感知できるほどに十分に表面近くに配置され得る。センサの特定の位置および深さは、マットレス1900内の層状材料の数、タイプ、及び、順序、に依存して変化し得る。
【0202】
図20は、センサアレイによって収集された圧力及び温度データを処理するためのデータパイプライン2000の概略図である。データパイプライン2000は、センサデータを処理して、ユーザの睡眠環境の温度調節制御を行うために使用され得る圧力及び温度の値とするべく、本明細書に記載されている1または複数の装置によって使用され得る。例えば、ユーザのベッドの圧力及び温度が感知され得て、当該ベッドのヒータを調整する制御ユニットで利用可能とされ得る。
【0203】
データパイプライン2000は、睡眠中の体温調節を制御するために、圧力読取値及び/または温度読取値を収集及び処理するために使用され得る。幾つかの場合、単一のセンサのみ(例えば、圧力センサのみまたは温度センサのみ)が使用され得て、対応するタイプのデジタルデータのみ(例えば、圧力データのみまたは温度データのみ)が処理され得る。幾つかの形態では、圧力センサと温度センサの両方がジョイントセンシングで使用され得て、ユーザの圧力情報と温度情報との両方を生成し得る。
【0204】
圧力センサ2002及び温度センサ2004は、ユーザの睡眠環境における圧力現象及び温度現象に応答してアナログデータストリームを生成するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含み得る。センサ2002、2004は、例えば、ユーザのベッドの内部または周囲に載置される、圧力トランスデューサ、圧電センサ、熱電対、負の温度係数(NTC)サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、半導体センサ、等を含み得る。幾つかの場合、センサ2002、2004は、様々なソースからの様々なタイプのセンサを含み得る。例えば、あるタイプの温度センサは、ユーザのベッド内に一体化され得るし、温度計またはサーモスタットは、室内を循環する空気の温度をサンプリングし得る。
【0205】
センサ2002、2004は、それぞれ、アナログストリーム2006、2008を生成し得る。幾つかのセンサは、当該センサ2002/2004の周囲の圧力または温度に比例するアナログ電気信号であるアナログ信号を生成する。例えば、空気袋内の圧力波が特定の波形を有する場合、センサ2002は、同一または類似の波形の電波を有するアナログストリーム2006を生成し得る。
【0206】
デジタイザ2010、2012が、それぞれ、アナログストリーム2006、2008を受信し得て、対応するデータのデジタルストリームを生成し得る。例えば、デジタイザ2010、2012は、特定の波形を有するアナログストリーム2006、2008を受信し得て、予め決定された変換アルゴリズムに従って当該波を記述するデジタル値のストリームを生成し得る。これらのデジタルストリームは、幾つかの実装形態では、特定のサンプルレートでの入力波の値に比例する2の補数の2進数である。幾つかの実装形態では、幾つかのセンサ2002及び/または2004は、アナログストリーム2006/2008を生成せず、代わりにデジタルストリームを生成する。
【0207】
幾つかの実装形態では、デジタイザ2010、2012は、アナログストリーム2006、2008に対して、1または複数の即時処理を実行し得る。例えば、デジタイザ2010、2012は、アナログストリーム2006、2008に、任意の他の動作が実行される前に、それらが受信される時、各々に変換(例えば、対数変換)を適用し得る。これは、例えば、標準的な既製品のファイルリーダーでは当該ストリームを判読不能にする方法として、有益であり得る。
【0208】
フレーマー2014、2016が、当該フレーマー2014、2016に3受信されたデジタルストリームからデジタルフレーム2018、2020を生成する。例えば、2進数のデジタルストリームの場合、フレーマー2014、2016は、固定時間ウィンドウ内の対応するストリームの全ての2進数を含むデジタルフレーム2018、2020を生成し得る。
【0209】
幾つかの実装形態では、デジタルフレーム2018、2020は重複し得る。例えば、各フレームは、100ミリ秒の長さであり得て、以前のデジタルフレームと50ミリ秒だけ重複し得て、次のデジタルフレームと50ミリ秒だけ重複し得る。別の例では、各フレームは、200ミリ秒の長さであり得て、2つの隣接するデジタルフレームとそれぞれ10ミリ秒だけ重複し得る。別の例では、各フレームは、20秒の長さであり得て、2つの隣接するデジタルフレームとそれぞれ1秒だけ重複し得る。別の例では、各フレームは、1秒の長さであり得る。
【0210】
圧力値と温度値とは、デジタルフレーム2018、2020から判定され得る(2022)。例えば、各デジタルフレーム2018、2020は、複数の値を含み得る。これらの値は、フレームのウィンドウ内の時点で圧力と温度とを直接測定するわかりやすい形式であり得る。そのような場合、集約値及び/またはサンプル値(例えば、平均、最小、最大、合計)が計算され得て、ウィンドウ内の全体的な圧力または温度を表し得る。また、単位変換が、適用され得る。例えば、温度は、デジタルフレーム2020内において1つのスケール(例えば、ケルビン)で表され得て、別のスケール(例えば、摂氏)に変換され得る。幾つかの場合、当該値は、圧力及び/または温度に直接マッピングしない形式であり得て、プロセス2022が、圧力値及び温度値を生成するために、デジタルフレーム2018、2020内のデータに関数を適用し得る。これらの関数の特定の形式及び順序は、デジタルフレーム2018内のデータの特定の形式に基づき得る。
【0211】
幾つかの場合、圧力値と温度値とが独立に生成され得る。例えば、圧力データが、デジタルフレーム2020ではなく、デジタルフレーム2018を使用して処理され得る(2024)。温度データが、デジタルフレーム2018ではなく、デジタルフレーム2020を使用して処理され得る(2026)。この構成は、例えば、デジタルフレーム2018、2020内のデータが、単位変換または集約のみを必要とする直接的な圧力値または温度値である場合に、有益であり得る。
【0212】
幾つかの場合、圧力値と温度値とは一緒に生成され得る。例えば、デジタルフレーム2018、2020は、当該デジタルフレーム2018、2020の両方に基づいて中間値を生成するセンサ融合プロセス2028への入力として、使用され得る。次に、当該中間値が処理されて(2030)、圧力値及び温度値が生成される(2030)。この構成は、例えば、圧力値と温度値の精度を高めるために考慮されることができる圧力と温度との間の相互作用の影響がある状況で、有益であり得る。
【0213】
理解されるように、独立処理2024/2026及び融合処理2030は、同一のシステムによって使用され得る。例えば、両方の処理タイプを使用して、下流の様々な目的に有用な、独立した値と融合された値との両方が生成され得る。
【0214】
圧力値が報告され(2032)、温度値が報告される(2034)。幾つかの実装形態では、報告された圧力値及び報告された温度値の両方が、同一の宛先(例えば、データ記憶部またはパブリッシュ/サブスクライブ(pub-sub)データソースの発行者)に報告される。幾つかの実装形態では、圧力値と温度値とが、異なるデータソースに報告される(2032、2034)。
【0215】
図21は、1または複数の温度制御装置によって環境の温度を調整するための例示的なプロセス2100のフローチャートである。当該プロセス2100では、1または複数の制御可能装置が、ユーザの睡眠環境の温度(例えば、ユーザのベッド、部屋の周囲温度)を調整するために使用される。この温度制御により、時々体温調節と呼ばれるユーザの温度の調節(維持、上昇、下降)に起因する睡眠の質を高めることができる。
【0216】
圧力値が受信され(2102)、温度値が受信される(2104)。例えば、工程2032で報告された圧力値が受信され得て、工程2034で報告された温度値が受信され得る。受信された圧力値及び温度値は、例えば、ユーザがベッドにいる時に当該ベッドに横たわっている当該ユーザによって適用されたり、ユーザがベッドに横たわっていない時に環境によって適用されたり、といったマットレスに適用される圧力値を含み得る。温度値は、ユーザの睡眠環境の温度読取値を含み得る。これらの値は、変化する睡眠環境の圧力状態と温度状態とを反映するデータストリームの連続的な更新という形態を取り得る。
【0217】
圧力値は、環境の影響に加えて、ベッドでのユーザの活動を反映する。ベッドに入る、ベッドを出る、位置を変える、姿勢(ポーズ)を変える、呼吸する、心臓の活動、消化活動、等は全て、ベッド上での動きをもたらし、それは、圧力信号をもたらし、当該圧力信号が、ユーザが(ベッドに)入る、出る、姿勢を変える、呼吸する、心臓の活動がある、消化する、等によって引き起こされるものとして特定(識別)され得る。同様に、ユーザと周囲環境(及び、ペットや電化製品などの他の可能性ある熱源)との両方が、感知され得る睡眠環境の連続的な温度変化を引き起こし得る。環境への影響は、マットレスの温度、ひいては圧力、を増減させる寝室温度の変化、ユーザからの体熱に起因する温度ドリフト、気圧のドリフト、等を含み得る。
【0218】
ユーザがベッドにいない場合(2106)、ベッド外の温度調整が行われ得る(2108)。例えば、睡眠環境は、当該睡眠環境を使用するユーザを見越して冷却され得て、これは、幾人かのユーザにとって、より速い睡眠開始を誘発し得て、または、より快適に感じ得る。別の例では、睡眠環境は、当該睡眠環境を使用するユーザを見越して暖められ得て、これは、幾人かのユーザにとって、より速い睡眠開始を誘発し得て、または、より快適に感じ得る。
【0219】
幾つかの場合、プロセス2200の当該部分及び他の部分において、ベッドの異なる領域(ゾーン)が、様々な方法で、同時に、または異なる順序で1つずつ、制御され得る。例えば、ベッドの脚部が温められ得て、より速い睡眠開始を誘発し得る一方、ベッドの胴部及び/または枕部が冷却され得て、当該睡眠環境の同一の平均温度を維持し得る。これにより、体の深部(芯)の温度、体表(殻)の温度、手足の温度、及び/または、頭部の温度、等のユーザの体の様々な部分の体温調節が許容され得る。
【0220】
ユーザがベッド内にいて(2106)、まだ眠っていない場合(2110)、ベッド内で目覚めている際の温度調整が実行され得る。例えば、ユーザが睡眠の開始を待ってベッドに横たわっていると、体温が寝具の温度を上昇させ得て、そのことが、不快になったり、睡眠の開始をより困難にしたり、あるいはそれらの両方であったりし得る。このような場合、ベッドは、当該ベッドを目標温度に維持するために、制御可能装置で能動的に冷却され得る。別の例では、ユーザが長期間目が覚めたまま横になっている場合、ユーザの睡眠を促進するものが見出だされるまで、様々な加熱及び冷却ルーチンが作用され得て、ユーザに様々な熱環境が提供され得る。
【0221】
ユーザがベッド内にいて(2106)、眠っている場合(2110)、ベッド内の温度調整(2112)が実行され得て、任意選択的には、ユーザによって設定されてもされなくてもよい時間遅延(2114)の後に実行され得る。例えば、受信された(2102)圧力及び受信された(2104)温度から、睡眠段階情報が判定され得て(2116)、ユーザ位置情報が判定され得て(2118)、及び/または、生体特徴情報が判定され得る(2120)。受信された(2102/2104)及び判定された(2116~2120)情報により、ベッド内で眠っている際の温度調整が実行され得る。これらの温度調整は、デフォルト設定(例えば、製造者によって設定される)を使用し得て、更にユーザによって設定され得て、ユーザによって変更され得て、時間の経過と共に学習され得て改善されたユーザ固有の構成を特定(識別)し得る。ベッド内で眠っている際の幾つかの例が、
図22を参照して説明される。
【0222】
図22は、1または複数の制御可能装置によって環境への調整を選択して実行するための例示的なプロセス2200のフローチャートである。プロセス2200において、ベッドの温度は、マットレス内に一体化されたヒータ、寝具内に一体化されたヒータ、高温及び/若しくは低温の流体(例えば、水、空気)を循環させるマットレス内の温度制御層、並びに/または、暖房、換気、及び空調(HVAC)システム、等の1または複数の制御対象装置によって調整され得る。
【0223】
プロセス2200では、1または複数の体温調節ルールが、当該ルールを実行すべき時及び条件を規定する条件規則と共に、コンピュータメモリに記憶されている。当該ルールは、例えば、ジャバスクリプトオブジェクト表記(JSON)オブジェクトや、拡張可能マークアップ言語(XML)ドキュメントなどの、構造化データフォーマットで記憶され得る。
【0224】
幾つかの場合、条件の陳述は、睡眠環境に関連する条件を含み得る。例えば、ある条件は、他の条件の中でも、睡眠環境が特定の閾値温度を下回っているか、または、上回っている場合に、ルールを適用すべきであると指定し得る。幾つかの場合、条件の陳述は、時間に関連する条件を含み得る。例えば、ある条件は、他の条件の中でも、現在時刻が特定の時間枠内にあるか、または、特定のイベントから遅延タイマーが経過した場合に、ルールを適用すべきであると指定し得る。幾つかの場合、条件の陳述は、睡眠状態に関連する条件を含み得る。例えば、ある条件は、他の条件の中でも、ユーザが目覚めている、眠っている、浅い睡眠状態である、深い睡眠状態である、レム睡眠中である、ノンレム睡眠中である、等の場合に、ルールを適用すべきであると指定し得る。幾つかの場合、条件の陳述は、ユーザ設定に関連する条件を含み得る。例えば、ある条件は、他の条件の中でも、ユーザがアラームを設定しているか、または、睡眠ルーチンを設定している場合に、ルールを適用すべきであると指定し得る。幾つかの場合、条件の陳述は、母集団ベースの設定に関連する条件を含み得る。例えば、ある条件は、他の条件の中でも、特定の睡眠目標(例えば、深い睡眠に到達する、リフレッシュして目覚める、等)に母集団を支援することが示されている条件が満たされている場合に、ルールを適用すべきであると指定し得る。理解されるように、ユーザが明示的に設定をセッティングすることなく、プロセス2200に対して母集団ベースの設定がセッティングされることが可能であろう。これにより、例えば、開発者またはヘルスケア研究者が母集団の睡眠生理学について更に多くを学習する時、改善されたセッティングをユーザに適用することを許容できる。
【0225】
体温調節ルールは、ユーザの熱的な睡眠環境に影響を与える1または複数の制御可能装置によって実行される動作を規定する。例えば、作動時にベッド全体を暖める加熱コイルのみをベッドが有している場合、当該ルールは、当該コイルを作動させてベッド全体のみを加熱するように構成される。ベッドの加熱及びゾーン冷却層が、一体化されているかマットレスの頂部上にあって、当該ベッドが制御可能なHVACを有する部屋内にある場合、当該ルールは、マットレスの各ゾーンと周囲温度とに目標温度を規定し得る。
【0226】
ベッド状態が、受信される(2202)。例えば、ベッドの状態は、ユーザがベッド内にいることを表すために、真(true)に設定され、ユーザがベッド内にいないことを表すために、偽(false)に設定される、ブーリアン変数であり得る。ベッド状態が偽である場合(2204)、ルーチンパラメータがチェックされる(2206)。ルーチンパラメータは、ユーザがベッド内にいない間の温度調節を要求する睡眠ルーチンが設定されているか否か、を規定する。そのようなルーチンが設定されていない場合(2206)、当該プロセスは、ベッド状態が真になるまで、工程2204に戻る。
【0227】
そのようなルーチンが設定されている場合(2206)、時間ウィンドウパラメータがチェックされる(2208)。現在時刻がベッド外ルーチンによって規定された時間ウィンドウ外にある場合、そのようなウィンドウが指定されていると仮定すると、プロセス2200は、当該時間ウィンドウが到着するか、または、ユーザがベッドに入るまで、待機する。現在時刻が当該時間ウィンドウ内にある場合、体温調節調整が選択されて実行される(2210)。
【0228】
体温調節調整の選択及び実行(2210)は、プロセス2200に利用可能なパラメータをメモリ内に記憶された条件規則と比較することを含み得る。「真」に評価される条件の陳述を有する1または複数のルールが見出だされ、これらの見出だされたルールのうち、少なくとも1つが実行される。理解されるように、競合解決(コンフリクト・レゾリューション)技術が採用され得て、相互に排他的なルールが同時に選択されないことを保証し得る。例えば、各ルールに固有の優先番号が与えられ得て、優先番号が最も高いルールまたは最も低いルールが選択され得る。更に、「現時点では体温調節制御なし」等のデフォルトのルールが使用され得て、選択(2210)においてルールが常に選択されることを保証し得る。理解されるように、ここで説明される様々な選択及び実行(2210)は、プロセス2200で使用されるパラメータの状態に基づいて、異なる選択及び異なる実行に帰結し得る。
【0229】
ユーザのベッド内状態が「真」である場合、ユーザの睡眠状態パラメータが検査される(2212)。当該睡眠状態パラメータがユーザが目覚めていることを示す場合(2212)、体温調節調整が選択されて実行される(2210)。前記睡眠状態パラメータがユーザが眠っていることを示す場合(2212)、ユーザの睡眠状態が判定される。
【0230】
例えば、あるパラメータが、ユーザが浅い睡眠中であるか(2214)、深い睡眠中であるか(2216)、レム睡眠中であるか(2218)、または、異なる睡眠状態(例えば、ノンレム状態の1つ)であるか、を示し得る。当該睡眠状態パラメータに応じて、調整が選択されて実行され得る(2210)。
【0231】
目覚ましアラーム仕様が、受信され得る(2220)。目覚ましアラーム仕様は、ユーザが目覚めるための期間を指定するデータファイルまたはオブジェクトを含み得る。そのようなアラームが設定されていて(2222)、且つ、現在時刻が指定された期間内にある場合(2224)、目覚める前の浅い睡眠への移行を容易化するべく、ある調整が選択されて実行され得る(2210)。
【0232】
睡眠ルーチンが、受信され得る(2226)。睡眠ルーチンは、睡眠環境を1または複数の目標温度に調整することによって体温調節が行われるべき1または複数の期間を指定するデータファイルまたはオブジェクトを含み得る。そのようなルーチンが設定されていて(2228)、且つ、現在時刻が指定された期間内にある場合(2230)、ある調整が選択されて実行され得る(2210)。
【0233】
図23は、1または複数の制御可能装置で環境を制御するための例示的なプロセス2300のスイムレーン図である。明確化のため、プロセス2300は、センサアレイ2302、制御可能装置2304、及び、クラウドサーバ2306、に関して説明されているが、他の装置及び/またはシステムも使用され得る。
【0234】
この例では、ベッドシステムが、圧力/温度センサの読取値を使用して、温度変化がベッドの圧力にどのような影響を与えるかを判定し、且つ、ユーザがベッド上にいる時に生成する温度変化を判定する。ベッドシステムは、これらの読取値を、ユーザの睡眠情報と温度情報とを特定(識別)する処理エンジンのための信号として、使用することができる。当該情報は、装置(クライアント)にローカルに記憶され得るし、クラウドに送信されて記憶され得る。装置またはクラウドに記憶される圧力及び温度の傾向は、個人または母集団の温度プロファイルを判定するために使用され得て、また、それを使用して、個人または母集団の目標体温調節制御プロトコルを決定し得る。
【0235】
当該システムは、睡眠パターン、睡眠中の温度パターン、及び、温度変化に対する睡眠者の反応、を学習し得る。当該システムは、睡眠者の睡眠温度と、その様々な睡眠状態及び生理学的状態との相関関係と、に関するパーソナライズされた履歴の情報及び洞察を提供する。当該システムは、更に、発熱による高温等の潜在的な温度問題を検知することができ、当該検知に基づいて動作することができる。
【0236】
センサアレイ2302は、制御可能装置2304による受信(2312)のために、圧力読取値を感知し(2308)、温度読取値を感知する(2310)。例えば、ベッドのマットレス内の空気袋に接続された圧力トランスデューサが、当該空気袋内の圧力値を感知し得て、RTDセンサのアレイが、ベッドの温度を感知し得る。センサアレイ2302は、ベッドを制御するポンプ装置へ、これらの読取値を有線接続によって送信し得る。
【0237】
クラウドサーバ2306は、圧力及び温度の傾向を分析し(2314)、制御可能装置2304による受信(2318)のためにそれらの傾向を送信し得る(2316)。例えば、定期的に、またはイベント(例えば、新しいベッドのセットアップイベント)に応答して、クラウドサーバは、インターネットまたは他のデータネットワークを介してデータをマーシャリングしてベッドに送信し得る。
【0238】
制御可能装置2304は、傾向情報を使用して、圧力及び温度の読取値を処理し得る(2320)。例えば、制御可能装置は、履歴情報を使用して、ベッド内のユーザのために、ベッド状態、睡眠状態、生体特徴値、等を判定し得る。
【0239】
制御可能装置2304は、制御され得る(2322)。例えば、加熱及び/または冷却装置が作動され得て、ベッドを加熱または冷却し得る。また、他の制御可能装置が制御され得て、他の方法で睡眠環境に影響を与え得る。例えば、ホワイトノイズマシンが作動され得て、頭部または脚部の高さが変更され得て、音楽が再生され得て、アロマセラピー装置が起動され得て、コーヒーマシンが起動され得る、等々。
【0240】
制御可能装置2304は、温度、圧力、及び、活動、に関連する値をローカルに記憶し得て(2324)、クラウドに送信し得る(2326)。幾つかの場合、これらの値は、同様に記憶及び送信され得る。幾つかの場合、送信されるのとは異なるデータが記憶され得る(例えば、幾つかのデータは、匿名化され得て、要約され得て、及び/または、圧縮され得る)。
【0241】
クラウドサーバ2306は、圧力、温度、及び/または、活動、の情報を受信して更新し得る(2328、2330)。例えば、この情報は、1または複数のデータ記憶部に記憶され得て、将来の分析に使用され得る(2314)。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠環境の熱調節のためのシステムであって、
感知ユニットと、
処理ユニットと、
を備え、
前記感知ユニットは、
前記睡眠環境内の感知される圧力現象から圧力読取値を生成し、
前記睡眠環境内の感知される温度現象から温度読取値を生成する
ように構成されており、
前記処理ユニットは、
前記圧力読取値及び前記温度読取値を受信し、
前記睡眠環境内で眠っているユーザの概日温度周期の指標を含む概日情報を受信し、
前記ユーザのレム(急速眼球運動)状態またはノンレム(非急速眼球運動)状態の指標を含む睡眠段階情報を受信し、
第1時点で、前記圧力読取値及び前記温度読取値から、前記ユーザを目覚めている覚醒状態であると識別する前記ユーザの第1覚醒状態を判定し、
前記第1時点の後の第2時点で、前記ユーザを眠っている覚醒状態であると識別する前記ユーザの第2覚醒状態を判定し、
前記第1覚醒状態の後の前記第2覚醒の判定に応答して、i)前記概日温度周期と、ii)前記圧力読取値及び前記温度読取値と、iii)前記睡眠段階情報と、に基づいて、複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択し、
前記選択熱調節調整に基づいて前記睡眠環境の熱特性を変更する
ように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記処理ユニットは、更に、前記睡眠環境内にいる前記ユーザの位置の指標を含む位置情報を受信するように構成されており、
前記複数の可能性ある熱調節調整から前記選択熱調節調整を選択することは、更に、前記位置情報に基づく
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理ユニットは、更に、前記睡眠環境内にいる前記ユーザの生理学的状態の指標を含む生体特徴情報を受信するように構成されており、
前記複数の可能性ある熱調節調整から前記選択熱調節調整を選択することは、更に、前記生体特徴情報に基づく
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理ユニットは、更に、時刻を表す現在時刻情報を受信するように構成されており、
前記複数の可能性ある熱調節調整から前記選択熱調節調整を選択することは、更に、前記現在時刻情報に基づく
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記選択熱調節調整は、前記睡眠環境内のユーザを目覚めさせるように設計された前記睡眠環境のホームオートメーション調整を含むアラームルーチンの一部である
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理ユニットは、更に、履歴温度読取値に基づいて前記ユーザのための温度プロファイルを生成するように構成されており、
前記温度プロファイルは、前記選択熱調節調整の選択の際に使用される
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理ユニットは、更に、前記ユーザの生体学的状態を判定するように構成されており、
前記ユーザの判定された前記生体学的状態は、前記選択熱調節調整の選択の際に使用される
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記概日温度周期を受信することは、前記ユーザがいる前記概日温度周期の位相の値を含む概日温度パラメータを感知することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
当該システムは、更にベッドを備え、
前記ベッドは、複数の層を有するマットレスを含み、
前記複数の層は、ゾーン化された温度制御層を含み、
前記処理ユニットは、前記マットレスの各ゾーンについて目標温度を規定するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
当該システムは、更にベッドを備え、
前記ベッドは、複数の層を有するマットレスを含み、
前記複数の層は、温度制御層と、エアチャンバ層と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理ユニットは、前記ユーザが体温を維持し、レム状態またはノンレム状態の指標を含む前記睡眠段階情報に応じて前記ユーザが過冷却または過熱するのを防ぎ、深いレム睡眠を最大化する、のを助けるように設計された前記選択熱調節調整に基づいて、前記睡眠環境の熱特性を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記感知ユニットは、前記ユーザによって装着されるハードウェアの使用無しで、前記圧力読取値を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ベッドと、
処理ユニットと、
を備え、
前記ベッドは、マットレスと、ベッドフレームと、当該ベッドの他の要素内に物理的に一体化された感知ユニットと、を有しており、
前記感知ユニットは、
睡眠ベッド内の感知される圧力現象から圧力読取値を生成し、
睡眠環境内の感知される温度現象から温度読取値を生成する
ように構成されており、
前記処理ユニットは、
前記圧力読取値及び前記温度読取値を受信し、
前記睡眠環境内で眠っているユーザの概日温度周期の指標を含む概日情報を受信し、
前記ユーザのレム(急速眼球運動)状態またはノンレム(非急速眼球運動)状態の指標を含む睡眠段階情報を受信し、
第1時点で、前記圧力読取値及び前記温度読取値から、前記ユーザを目覚めている覚醒状態であると識別する前記ユーザの第1覚醒状態を判定し、
前記第1時点の後の第2時点で、前記ユーザを眠っている覚醒状態であると識別する前記ユーザの第2覚醒状態を判定し、
前記第1覚醒状態の後の前記第2覚醒の判定に応答して、i)前記概日温度周期と、ii)前記圧力読取値及び前記温度読取値と、iii)前記睡眠段階情報と、に基づいて、複数の可能性ある熱調節調整から1つの選択熱調節調整を選択し、
前記選択熱調節調整に基づいて前記睡眠環境の熱特性を変更する
ように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【外国語明細書】