(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153635
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】撮像装置、システム、及びこのシステムを装備したフォークリフト
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20241022BHJP
G03B 17/08 20210101ALI20241022BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241022BHJP
H02G 3/34 20060101ALI20241022BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B17/08
H05K5/02 L
H02G3/34
H02G3/04 062
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106653
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2022037701の分割
【原出願日】2016-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】目黒 和人
(72)【発明者】
【氏名】細川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 要
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮影カメラ用の係着部材が、撮影カメラの撮影画像内に入り込むのを有効に回避し且つ全体的に小型化を可能とした撮像装置、システム、及びフォークリフトを提供すること。
【解決手段】半球状レンズ2Aを備えた広域撮影カメラ2と、この広域撮影カメラ2の背面側に配設され当該広域撮影カメラ2を他の構造物に係着させる係着部材4とを備え、この係着部材4に、当該広域撮影カメラ2を連結保持すると共に当該広域撮影カメラ2を起伏回動自在に且つ任意の起伏回動位置にて固定し一体化する起伏回動設定機構5を装備したことを特徴とする撮像装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの構成に応じて色々な外部機器を接続するための様々なコネクタを備え、これらに様々な種類及び本数のケーブルを接続可能な装置であって、
水がかかる可能性のある箇所に取付可能で防水機構を有する筐体と筐体から引き出され、筐体に対して防水されたチューブを備え、
前記コネクタは前記筐体内に備え、筐体内から筐体外への前記映像信号線及び前記他の信号線の引き出しを前記チューブの中を通して引き出す構成であり、
前記様々なコネクタを個別に防水するのではなく、システムの構成にかかわらずに、接続される様々な種類のケーブルを前記チューブに一括して通してこのチューブを結束することで水が入りにくい構成としたこと
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記複数のコネクタとして、
撮像装置からの映像信号線を接続するための映像信号コネクタと、他の信号線を接続するためのコネクタとを備え、前記映像信号コネクタまたは前記コネクタの少なくともいずれか一方は複数備え、接続されている前記映像信号コネクタ及び接続されている前記コネクタからの信号とに基づく処理を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チューブの数は1つとしたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記チューブは結束部材で、その周囲を結束し、すぼめた際に変形し、チューブの開口部と映像信号線及び他の信号線とチューブの内径との間の空間を狭める構成としたこと
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記チューブは変形する素材とするとよく、前記筐体は変形しない素材で構成したこと
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、撮像装置、撮像システム、及びこのシステムを装備したフォークリフトなどに係り、例えばフォークリフト等の荷役運搬機械等に装備されて人若しくは物体
の位置及び移動等を記録するのに好適な撮像装置、システム、及びそのシステムを装備したフォークリフト等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カメラの取付け手段を工夫してカメラの撮影方向を種々変更可能に構成した撮像装置が知られている。この場合、撮影方向の変更は、時には周囲に位置するカメラ取付け機構板等の一部が映像に入り込むという不都合が生じる。
【0003】
一方、これらについては、例えば筒状のカメラ保持体内にカメラを装着し、この筒状カメラ保持体を往復回転させることにより、カメラを定位置で起伏回動させるという手法が知られている(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された手法では、カメラ全体を筒状のカメラ保持体内に格納する関係上、撮像装置全体が大型化し易く、且つ可搬性及び保守性が悪いという不都合がある。
【0006】
更に、上記筒状カメラ保持体の外周の一部には、外周面から突出して前記取付け部材が装着された構造となっていることから、取付け部材の固定位置によっては、カメラのレンズ面内に取付け部材の一部が入り込む可能性が生じるという不都合がある。
【0007】
本発明は、例えば上記のような従来例の有する不都合などを改善し、例えば、撮影カメラ用の係着部材が、撮影カメラの撮影画像内に入り込むのを有効に回避し且つ全体的に小型化を可能とした撮像装置、この撮像装置を利用したシステム、及びこれを装備したフォークリフトなど、従来よりも使い勝手のよい物を提供することなどを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1).撮像装置は、
広域撮影カメラと、この広域撮影カメラの背面側に配設され当該広域撮影カメラを他の構造物に係着させる係着部材とを備え、
【0009】
この係着部材に、当該広域撮影カメラを連結保持すると共に当該広域撮影カメラを起伏回動自在に且つ任意の起伏回動位置にて固定し一体化する起伏回動設定機構を装備する、という構成を採るとよい。
【0010】
このようにすれば、広域撮影カメラの背面側に係着部材を配設したので、例えば広域撮影カメラがその撮影範囲内に存在する情報を広範囲に捕捉しても、係着部材等のカメラに付随する構造物が撮像した画像内に映し出される可能性を小さくすることができ、1つのカメラでカメラに関する構造物以外の広範囲の部分を最大限に撮像することが可能となる。
【0011】
このようにすれば、例えばフォークリフト等、特に、人の乗り降りが頻繁な車両や、人の移動のための動作(例えば車両の前進・後退)以外の動作(例えば荷物の積み下ろし動作など)を有する車両等において、係着部材等のカメラに付随する構造物が邪魔をして、例えば人の乗り降りや、人の移動のための動作以外の動作の一部などが撮影できなくなる
可能性を低減できるとともに、取付けの作業などの際にこのような問題を意識すること必要性を低減でき、取り付けも容易、迅速に行うことができる。
【0012】
広域撮影カメラは、特に180°を超える画角を有するカメラとするとよい。例えば、対角方向に180°を超える画角を有するカメラとするとよく、特に全方向に180°を超える画角を有するカメラとするとよい。
【0013】
広域撮影カメラは、魚眼レンズを備えるカメラとするとよい。広域撮影カメラは、対角線魚眼レンズを備えたカメラとしてもよいが、特に全周魚眼レンズを備えたカメラとするとよい。
【0014】
広域撮影カメラは、半球状の領域を撮影可能なカメラとするとよく、半球状の領域を撮像素子等の撮像手段に結像させるレンズ(本明細書及び特許請求の範囲において、半球状レンズと称する(半球形状のレンズを指す用語ではない))を備えるカメラとするとよい。
【0015】
半球状レンズは、全天(例えば全視野約180度)を撮像手段に対して所定の大きさの像円(イメージサークル)内に写し込むことができるレンズとするとよい。視野円の直径が画面の対角に当てはまる構成とし、撮像手段の撮像領域対角方向で全視野を写し込む対角線魚眼レンズとしてもよいが、この全視野円が撮像手段の撮像領域の短辺に収まる全周魚眼レンズとすると特に優れた効果を発揮する。視野円の全周がすべて撮像されている状態とすると特によい。
【0016】
こうしたカメラやレンズによって撮像される画像は、例えば画面中心部などを強く圧縮し、周辺部の圧縮を緩めるなど、例えば同一の大きさの被写体について撮像される画像部分の全体画像に占める面積がその画像内の位置によって異なるように射影されることが多い。このような画像においては特に画像の周辺部に係着部材等のカメラに付随する構造物が写し込まれると、撮像された画像の周辺部にその構造物が広く射影されてしまうが、本発明によれば係着部材等のカメラに付随する構造物が撮像した画像内に広く映し出される可能性を小さくすることができ、1つのカメラでカメラに関する構造物以外の広範囲の部分を最大限に撮像することが可能となる。
【0017】
特に、被写体の形と像の形を相似形に保つ中心射影方式ではない射影を行うレンズを有するカメラで優れた効果を発揮する。例えば、立体射影方式または等立体角射影方式のレンズによって撮像手段に結像させるカメラとすると、優れた効果を発揮する。 半球状レンズは、180°を超える画角を有するレンズとするとよく、例えば、210°前後の画角を有するレンズとするとよい。
レンズは、複数のレンズから構成するとよい。
任意の起伏回動の範囲は、例えば、0°から所定の角度までの回動範囲とするとよい。特にこの所定の角度は例えば90°とするとよい。
【0018】
回動範囲の全域にわたって、広域撮像カメラの撮像範囲に、広域撮影カメラを他の構造物に係着させる係着部材が入らないように広域撮像カメラの画角及び位置と、係着部材の位置及び形状との関係を設定するとよい。回動範囲内の任意の位置において、広域撮像カメラの画角内に係着部材の一部が映り込まないように、回動範囲と、広域撮像カメラの画角と、係着部材の採りうる位置範囲との関係を設定するとよい。
【0019】
係着部材には回動に伴って移動する部分あるいは他の部材(以下同時回動部材という)を備えるとよい。こうした部分あるいは部材として特に広域撮像カメラに接続されるケーブルをとめるためのケーブル留め部を設けるとよい。同時回動部材も回動範囲の全域にわ
たって、広域撮像カメラの撮像範囲に入らないようにその位置及び形状と、広域撮像カメラの画角及び位置との関係を設定するとよい。同時回動部材としては後述するケーブル保持部を備えるとよい。
【0020】
広域撮影カメラ自体は、例えば円筒形ケース等の内部に格納することなくその一部を直接保持する構成とするとよい。このようにすればさらに撮影装置全体の小型化が可能となる。例えば180°を超える画角を有するレンズは、上述したような従来の円筒形ケース等の内部に格納するタイプのカメラとして構成すると、円筒形ケースの一部や円筒形ケースの中心から軸方向に延びる接続ケーブルが画像に映り込んでしまうという問題があったが、このような構成によればこれを解消することも容易に可能となる。
【0021】
例えば、広域撮像カメラは背面に平坦面部分を備え、係着部材の他の構造物に係着させる面部分を備え、起伏回動設定機構は、両者の面のなす角が、0°から所定の角度の範囲になるようにするとよい。所定の角度は90°とするとよい。
【0022】
回動は、無段階に行える構成としてもよいが、例えばラッチ等を設け、所定角度毎に半固定される構造とするとよい。ネジ止め機構など、半固定状態から固定状態にする機構を設けるとなおよい。特に所定角度ごとに噛み合うセレーションを設けるとよい。例えば5°~10°の範囲のいずれかの角度の刻みで起伏回動位置が設定されるように構成するとよい。
【0023】
(2)前記起伏回動設定機構を、前記広域撮影カメラの上端部に当該広域撮影カメラに沿って配置され前記係着部材に一体成形された筒状体と、この筒状体の内径部分に回転自在に組み込まれ且つ前記広域撮影カメラの上端部に予め設置されたカメラ側係止部に係合して当該カメラ側係止部を前記筒状体に固定し一体化する連結機構とを備えた構成とするとよい。
【0024】
このようにすれば、例えば、この広域撮影カメラを上端部を上にして設置した場合は、広域撮影カメラは安定した状態で係着部材に垂下保持される。このため、実際上、係着部材はその大きさや形状を自由に設定できる。例えばフォークリフトに装備する場合などには、当該フォークリフトの構造にあわせて係着部材を自在に形成加工することができ、常に最適な状態で装備位置およびレンズの向きを設定することができ、かかる点において汎用性をたかめることができるという利点がある。
【0025】
ここで、係着部材に一体成形された筒状体、及び広域撮影カメラの上端部に予め設置されたカメラ側係止部は、広域撮影カメラの上端部に一体成形された筒状体、及び係着部材に予め設置された係着部材側係止部としてもよい。
【0026】
(3).前記広域撮影カメラで撮影された画像情報を外部出力するための接続ケーブルを取り外し可能に装備し、前記係着部材を板状に形成すると共に当該係着部材の上端部に、接続ケーブル用のケーブル保持部を設けたことを特徴とする。
【0027】
このようにすれば、設置時にケーブルの引き回しがしやすくなり、又、実際の使用中に例えばフォークリフトに装備した場合に、当該フォークリフトの急速な移動や回転動作に際しても、係着部材がこれを保持するため、接続ケーブルが振り回されることがなくなり、ケーブルが外れにくく、断線の心配がないという利点がある。
【0028】
又、係着部材がケーブルを保持するため、フォークリフトの過激な移動動作に際しても最初に設定した広域撮影カメラの撮影方向を有効に維持することができるという利点もある。
【0029】
更に、ケーブルが取り外し可能とされているため、配線の際に配線が楽であると共に断線するリスクが少なく、仮に破断したとしてもケーブルだけを交換するだけで運用ができるという利点もある。
【0030】
ここで、接続ケーブルは、カメラケーブルと呼んでもよい。又、接続ケーブルは、画像情報を出力するだけでなく、撮像装置側に電力を供給できるタイプのケーブルとするとよい。
(4)前記ケーブル保持部を、前記接続ケーブルを前記係着部材の取付け面に沿って保持するように配設したことを特徴とする。
【0031】
このようにすれば、係着部材を例えばフォークリフトの構造物に設置した際に、接続ケーブルがこの構造物の面に沿って引き回すことが可能となり、接続ケーブルが構造物から離れてひっかかりやくなるのを防ぐことができるという利点がある。
【0032】
(5)撮像装置がフォークリフトに取り付け可能な撮像装置であり、前記撮像装置と、この撮像装置により撮影される撮影画像を記録する記録装置とを有するシステムとするとよい。
【0033】
このようにすれば、フォークリフトの構造物にこの撮像装置を装備した場合、フォークリフトの運転により発生する可能性がある衝突事故や荷崩れ等の検証等に必要な前方領域、後方領域、左右領域、上方領域、運転席領域の内いくつかを含む広範な領域の記録を1つの撮像装置で撮像してその撮影画像を記録することができる。
しかも、撮像装置はその視界に撮像装置の構造体等が入らないようになっているので、最大限に広い範囲を撮影し記録することができる。
【0034】
(6). 前記記録装置は、前記撮影画像と当該撮影画像に関連する環境情報とを関連させて、これを画像情報として記録することを特徴とするシステムとするとよい。
このようにすれば、表示装置の画面上に表記されることで、撮影収集した画像情報を目的に合わせてより有効に活用することができるという利点がある。
【0035】
ここで、撮影画像に関連する環境情報は、例えば広域撮影カメラを装備したフォークリフト等の種類,車速,加速度,角速度,カメラの装備箇所,撮影条件.時刻,音声,撮影の向き等々とするとよい。
【0036】
(7) 前記記録装置が、前記撮影画像を、前記フォークリフトの前方領域とこれに連続したそれ以外の領域を共に含む撮影画像として記録することを特徴とする。
【0037】
このようにすれば、フォークリフトの衝突事故や荷物崩れ等が多く発生するフォークリフト前方領域を記録するだけでなく、それ以外の領域、すなわち、フォークリフトの荷物昇降装置の上方領域、当該荷物昇降装置を駆動してフォーク上の荷物を持ち上げた場合にはフォークの下方領域、フォークリフトの左右方向領域、運転席領域、場合によっては後方領域を前方領域に連続した画像として記録することができるという利点がある。
【0038】
尚、フォークリフトは、会社の従業員が運転するのではなく、例えば荷物を運送してきたトラックの運転手が自らフォークリフトを借りて運転し荷物を降ろしていく場合も多い。このようなトラックの運転手にはいろいろな人がいて、中には乱暴な運転(操縦)をする人もいて、爪先で荷物(例えば、ダンボール)に穴を開けてしまうこともある。又、運転が速いベテランで運転手でも、時間に追われたり、油断している場合に、荷物に穴を開けてしまったり、荷物と荷物の間をふらっと出るときにぶつかってしまうことがある。更
に、荷物に爪先で穴を開けてしまう以外にも、昇降装置を持ちあげたときにその一部や荷物を天井にぶつけてしまうこともある。
【0039】
また、衝突だけでなく、運転席で操縦する運転手の表情や視線の向き,ハンドル等の位置,指先確認の有無,ヘルメットに書かれている運転者の氏名などの情報を画像として同時に記録しておくことも事故原因究明や今後の対策を考える際に役立つ資料となる。ひいては、事故の状況全体を把握することで危険予知の想定ができ、重大な事故にならないための教育に利用することもできる。
【0040】
例えば、上記(5)に開示したシステムを用いて、こうした広範な範囲で生じる事故を撮影記録できるシステムをフォークリフトに搭載しておくことが大きな利点である。
(8).前記システムをフォークリフトに装備すると共に、
【0041】
前記撮像装置を、当該撮像装置が備えている前記係着部材を介して、前記フォークリフトの前面側上部領域に前方向に向けて設置したことを特徴とするフォークリフトとするとよい。
【0042】
例えば、フォークリフトの移動方向の前方に関して約180度~210°の範囲も含む広範な領域全体の画像情報を収集する構成とするとよい。特に、フォークリフトの前方領域だけでなく、当該フォークリフトの上方領域および左右方向の領域、特に前方の高いところの領域の画像を含む画像情報を1つの撮像装置で収集することができるという利点がある。また、この収取した画像情報を利用することで、作業後におけるフォークリフトの前方側の作業結果を確実且つ有効に把握管理することができるという利点がある。
(9) 前記撮像装置を、当該撮像装置が備えている前記係着部材を介して、前記フォークリフトの上部中央領域に下方に向けて設置するとよい。
【0043】
フォークリフトの移動方向の周囲360度の領域全体を画像情報として収集し、特に、フォークリフトの前方領域だけでなく、当該フォークリフトの運転席領域、後方領域、および後方領域、すなわち、フォークリフトの周囲全体を1つの撮像装置で収集することができるという利点がある。また、この収取した画像情報を利用することで、作業後におけるフォークリフトの周囲全体の作業結果を確実且つ有効に把握管理することができるという利点がある。
【0044】
ここで、「下方に向けて」は、必ずしも真下向きでなくてもよく、例えば、背面側に多少傾いていても車体前方のフォーク上の荷物及び/又は運転席のハンドル付近が視界に含まれる範囲であれば、これも「下方に向けて」としてよい。
(1)から(9)の構成は任意に組み合わせて構成するとよい。また(1)から(9)の構成要素も任意に組み合わせて構成するとよい。
【0045】
また、(1)から(9)とは別に、あるいは、(1)から(9)のいずれかまたはこれらの組み合わせ、あるいは、構成要素のいずれかとともに、以下のように構成してもよい。
【0046】
(A)車両において所定の撮像範囲の映像を撮影する撮像装置であって、異なる方向にある複数の監視対象が前記所定の撮像範囲に含まれる1つの映像を撮影する画角を有する撮像手段と、前記撮像手段が、前記車両への取り付け可能位置において、前記所定の撮像範囲に前記異なる方向にある複数の監視対象が含まれるように取り付け可能な取付手段とを備えるとよい。
【0047】
このようにすれば、車両への取り付け可能位置において、異なる方向にある複数の監視
対象を、1つの映像中に含まれるように撮影させることが容易にできる。したがって、従来よりも使い勝手のよいものを実現できる。従来は異なる方向にある複数の監視対象を撮影するために、複数の撮像装置を設けて、それら複数の撮像装置からの各々の映像を得て、それら各々の映像を1つの映像に合成するようにしていたが、従来のように複数の撮像装置を設けたり、各撮像装置からの映像を1つの映像に合成する装置を設けたりしなくてもよくなる。したがって、車両への設置作業時間が短縮できるとともに、従来よりも低コストで、異なる方向にある複数の監視対象を、1つの映像中に含まれるように撮影させることができる。
【0048】
車両は、例えば乗用車、トラック、バス等のように、前方または後方に進行する車両としてもよいが、特に、フォークリフト等のように、前方または後方だけでなく、旋回方向にも動く車両とするとよい。異なる方向は、例えば前方・後方・旋回方向の少なくともいずれか2つの方向を有するとするとよい。
【0049】
複数の監視対象は各々その少なくとも一部が前記所定の撮像範囲に含まれるようにしてもよいが、特にできるだけ各々その全体が前記所定の撮像範囲に含まれるようにするとよく、特にすべての全体が前記所定の撮像範囲に含まれるようにするとよい。
【0050】
異なる方向にある複数の監視対象範囲は、例えば、車両が進行した際に発生する事故の様子を撮影するための範囲と、当該車両が進行した際に発生する事故の様子とは異なる監視対象の様子を撮影する範囲等とするとよい。例えば、車両において所定の撮像範囲の映像を撮影する撮像装置であって、当該車両が進む方向とともに当該車両が進む方向とは異なる方向の映像が前記所定の撮像範囲に入る画角を有する撮像手段と、当該車両が進む方向とともに当該車両が進む方向とは異なる方向の映像が前記画角内で撮影可能なように当該カメラを前記車両に設置するための設置手段を備える構成とするとよい。
【0051】
(B)前記異なる方向にある複数の監視対象は、例えば、車両の進行に伴う事故の監視、運転者の運転操作の監視、車両に付帯する可動部材の移動に伴う事故の監視のいずれか2つとするとよい。
(C)異なる方向は、例えば、複数の監視対象範囲のそれぞれの中心方向がなす角のうち、最も大きいものが90度を超える方向とするとよい。
【0052】
異なる方向にある複数の監視対象範囲のうち、監視対象範囲の外延同士が最も離れた位置をとる2つの監視対象範囲の外延位置同士のなす角をX度とした場合に、画角は例えばこのX度を超えるものとするとよい。このようにすれば異なる方向にある複数の監視対象を撮影でき、複数の監視対象を撮影できる可能性を高めることができる。
【0053】
(D)画角や、その画角を得るためのレンズは、(1)に記載した構成とすると特によい。このようにすれば例えば(C)のような複数の監視対象範囲のすべてが撮像される可能性を従来よりも高めることができる。
撮像手段は広域撮影カメラとするとよい。取付手段は係着部材と起伏回動機構を備えるとよい。
【0054】
取付手段は、撮像手段を有する筐体の撮像方向とは反対側に設けるとよく、例えば前面に撮像手段を有する筐体の背面に設けた平坦部分と当該平坦部分を直接車両に貼り付ける貼付部材を備える構成としてもよいが、(E)のようにするとよい。
【0055】
(E)前記取付手段は、前記車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向可能な平坦部分を備える取付部材と、前記取付部材を前記車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向させ前記車両に取り付けた状態で前記撮像手段の撮像方向を調整可能な撮像
方向調整手段を備え、前記取付部材及び前記撮像方向調整手段は前記撮像方向調整手段の調整可能な撮像方向の全域にわたって前記撮像手段の画角内に入り込まないよう前記画角と調整可能な撮像方向の範囲の関係を設定するとよい。
【0056】
このようにすれば、いずれの調整位置においても撮像範囲の映像に取付手段の一部などが映り込むことがなくなり、車両への取付及び調整を従来に比べ容易に行うことができる。
【0057】
取付部材は例えば取付板とし、その取付板の一方の面側に撮像方向調整手段を設け、他方の面を車両への取り付け可能位置における平坦面と対向させ、対向させた面同士を例えば両面テープのような接着部材で接着させるとよい。平坦面同士で強固に接着させることができる。
【0058】
撮像方向調整手段は、例えば取付部材から伸びたアームと撮像手段を有する筐体から伸びたアームとの間でボールジョイントとして構成してもよいが、特に(F)から(J)のようにするとよい。
【0059】
(F)撮像方向調整手段は、前記取付部材と前記撮像手段を有する筐体との間に設けたヒンジ機構であって当該ヒンジの軸を中心に両者間が所定の最小角度から所定の最大角度まで開閉可能であるとともにユーザの所望の角度で固定可能な角度固定手段を備える構成とするとよい。
【0060】
(G)前記ヒンジ機構は車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向可能な平坦部分を備える面とは反対側の面から張り出した位置と、撮像手段を有する筐体の撮像方向と直交する方向に筐体から張り出した位置との間に設けるとよい。
【0061】
ヒンジ機構は例えば撮像手段を有する筐体の背面中心部と、車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向可能な平坦部分を備える面とは反対側の面との間に設けてもよいが、このようにするとヒンジを開けば開くほど筐体が車両等にあたってしまう可能性が高くなる。(G)のようにすればこのような可能性は極めて低くなる。例えば実施形態の
図3(C)に示すようにカメラを有するケースから上部に張り出した位置と、係着部材4の取付け面4Aの取付け面4Aとは反対側の面から張り出した位置との間でヒンジ機構を設けるとよい。特に、(G)の構成をとり、車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向可能な平坦部分を備える面は前記ヒンジ機構のヒンジの軸をまたいで設けるとよい。このようにすれば車両への取り付け可能位置における平坦部分と対向可能な平坦部分を車両に例えば貼り付けた後に、ヒンジの角度を変更する際に貼り付けた箇所が剥がれてしまう可能性を低減できる。例えば実施形態の
図3(C)に示すように係着部材4の取付け面4Aはその背面側に位置するヒンジの軸をまたいで上側と下側に取り付け面を形成するとよい。
【0062】
(H)前記撮像手段の撮像方向は当該ヒンジ機構が閉じた状態で前記取付部材の車両への取付面の法線方向と反対方向となる方向と略平行な方向となるように構成するとよい。
【0063】
このようにすれば、単にヒンジを閉じた状態で車両に取り付けるだけで、撮像方向を前記車両への取り付け可能位置における平坦面の略法線方向とすることができる。ユーザは例えば撮像手段の有するレンズの中心の向く方向を意識せずに車両に取り付けたとしても、ヒンジを閉じた状態としておけば、レンズの中心の向く方向を、車両の取付け面と略直交する方向とすることができる。また、車両への取り付け可能位置における平坦面を基準とした範囲を前記所定の撮像範囲とすることが容易にできる。例えば、特に撮像手段を円周魚眼カメラとして構成した場合、撮像され円形の映像の中心の方向を車両の取付け面と
略直交する方向とすることが容易にできる。
【0064】
(I)前記撮像手段の撮像方向は当該ヒンジ機構が最大に開いた状態で前記取付部材の車両への取付面の法線方向と直交する方向と略平行な方向となるように構成するとよい。
【0065】
ユーザは例えば撮像手段の有するレンズの中心の向く方向を意識せずに車両に取り付けたとしても、ヒンジを最大に開いた状態としておくだけで、レンズの中心の向く方向を、車両の取付け面と略平行な方向とすることができる。例えば、特に撮像手段を円周魚眼カメラとして構成した場合、撮像され円形の映像の中心の方向を車両の取付け面と略平行な方向とすることが容易にできる。
(J)取付部材には、前述したような同時回動部材を備えるとよい。例えばケーブル保持部を備えるとよい。
【0066】
(K)撮像装置からの映像信号線を接続するための映像信号コネクタと、他の信号線を接続するためのコネクタとを備え、前記映像信号コネクタまたは前記コネクタの少なくともいずれか一方は複数備え、接続されている前記映像信号コネクタ及び接続されている前記コネクタからの信号とに基づく処理を行う装置であって、車両において水がかかる可能性のある箇所に取付可能で防水機構を有する筐体と筐体から引き出され、筐体に対して防水されたチューブを備え、前記コネクタは前記筐体内に備え、筐体内から筐体外への前記映像信号線及び前記他の信号線の引き出しを前記チューブの中を通して引き出し可能に構成するとよい。
【0067】
このようにすれば、複数のコネクタを防水構造とする必要がなく、水の侵入による故障を従来よりも確実・容易に減らすことができる。特に、この装置に接続する撮像装置の数や、他の機器の数が、さまざまに採りうる場合(例えば様々な全体システム構成を採りうる場合)であっても、単にすべての信号線をこのチューブを通して行うだけで、装置全体の防水を容易に図ることができる。チューブの数は複数としてもよいが特に1つとするとよい。またチューブの長さは車両に対する降水及び洗車による水の侵入を防止可能な長さとするとよい。例えば筐体の水を受ける面(例えば実施形態における
図6(A)の示す側の面)のチューブの延出方向の長さ(
図6(A)における短辺)よりチューブの長さを長くするとよい。チューブは結束部材で、その周囲を結束し、すぼめた際に変形し、チューブの開口部と映像信号線及び他の信号線とチューブの内径との間の空間を狭める構成とするとよい。チューブは変形する素材とするとよく、筐体は変形しない素材とするとよい。このようにすれば、筐体をより確実に車両に固定できるとともに、ケーブルを車両に這わせて配置することが容易にできる。
この装置の筐体には撮像装置からの映像を記録する記録媒体の着脱部を備え、当該着脱部は記録媒体を装着した際に防水となる構造を有するとよい。
【0068】
(L)前記撮像装置によって撮像された映像を表示する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、撮影された映像をそのまま表示する表示モードを備えるとともに、撮影された映像の座標を変換して表示する表示モードを複数備え、いずれの表示モードでの表示を行うか選択を行うための選択部を表示する機能を備え、前記選択部には各々の表示モードでの表示方法を表象した画像を備え、前記選択部は、表示された映像の全体を視認可能な状態で前記各々の表示モードでの表示方法を表象した画像を表示した第一選択部と、各々の表示モードについて、そのタイトルと当該表示モードの説明文と当該表示モードでの表示方法を表象した前記画像とを表示した第二選択部とを備え、第二選択部は表示された映像の全体を視認可能な状態で視認できる表示ボタンが押下された場合に表示するとよい。
【0069】
このようにすれば、表示された映像の全体を視認可能な状態で視認できる表示ボタンが
押下して表示される第二選択部には、それぞれの表示モードの表示方法の説明とそのイメージが一目で分かるので初めてでも直感的に見たい表示モードを選択できるとともに、第二選択部の表示をみて表示モードの表示方法と表示方法を表象した画像との関係が分かるようになった状態では第二選択部を表示させる表示ボタンを押さずに、第一選択部で選択するだけでよくなる。
(M) (A)から(L)の構成は任意に組み合わせて構成するとよい。また(A)から(L)の構成要素も任意に組み合わせて構成するとよい。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば従来よりも使い勝手のよい物を提供することができる。例えば、従来例の有する不都合を改善することが可能となる。例えば撮像装置における撮像カメラの取付け角度をいかように可変設定しても、撮影カメラ用の係着部材が、撮影カメラの撮影画像内に入り込むのを従来より確実に回避する構成とすることもでき、且つ複数の狭域カメラを用いる場合などに比べ全体的に小型化を可能とすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】本発明の第1実施形態における撮像装置を示す図で、
図1(A)は正面図、
図1(B)は左側面図、
図1(C)は右側面図、
図1(D)は平面図、
図1(E)は底面図、
図1(F)は背面図、
図1(G)は斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の撮像装置を示す断面図で、
図2(A)は
図1(A)のA-A線に沿った断面図、
図2(B)は
図1(A)のB-B線に沿った断面図、
図2(C)は
図1(A)の前面部分を取り除いて内部の撮像素子用基板を主に示す説明図、
図2(D)は
図2(C)と同様に前面部分を取り除くと共に撮像素子用基板も取り除いて内部のコネクタ及びコネクタ用基板を主に示す説明図である。
【
図3】
図1に示す第1実施形態の撮像装置を示す詳細外形図で、
図3(A)は正面図、
図3(B)は左側面図、
図3(C)は右側面図、
図3(D)は平面図、図(E)は底面図である。
【
図4】
図1に示す第1実施形態の撮像装置を示す斜視図で、
図4(A)は正面側から見た斜視図、
図4(B)は背面側から見た斜視図である。
【
図5】
図1に示す第1実施形態の撮像装置に接続されて使用されるセンサユニットを示す図で、
図5(A)は正面図、
図5(B)は前面図、
図5(C)は左側面図、
図5(D)は右側面図、
図5(E)は背面図である。
【
図6】
図1に示す第1実施形態の撮像装置に接続されて使用される記録装置を示す図で、
図6(A)は正面図、
図6(B)は左側面図、
図6(C)は右側面図、
図6(D)は平面図、
図6(E)は底面図、
図6(F)は斜視図である。
【
図7】
図6に示す記録装置で防塵/防水対応とした場合のメインユニット(記録装置)を示す外観斜視図で、
図7(A)は保護カバーを非透明部材で形成した場合を示し、
図7(B)は保護カバーを透明部材で形成した場合を示す。
【
図8】
図7に示す記録装置におけるSDカードの着脱方法を示す外観斜視図で、
図8(A)はカバーを開いた状態を示す図、
図8(A)はSDカードを着脱する場合の状態を示す図である。
【
図9】
図1の撮像装置及び
図6のメインユニット(記録装置)をシステムとしてフォークリフトに装備した場合の例を示す説明図である。
【
図10】
図1の撮像装置をフォークリフトに装備した場合の例を示す説明図で、
図10(A)は従来例を示す平面図、
図10(B)は同正面図である。又、
図10(C)は
図1の撮像装置をフォークリフトの運転席の天井部分に装備した場合の例を示す平面図、
図10(D)は
図1(C)の正面図、
図10(E)は
図1の撮像装置をフォークリフトの運転席の前面上部に装備した場合の例を示す正面図である。
【
図11】
図1の撮像装置をフォークリフトに装備した場合の他の例を示す説明図で、
図11(A)は従来例のカメラを運転席の上部と運転席の背面の外側上部とに装備した場合の撮影範囲を示す説明図、
図11(B)は
図1の撮像装置をフォークリフトの運転席の上部に下方に向けて装備した場合の撮影範囲を示す説明図、
図11(C)は
図1の撮像装置をフォークリフトの運転席の前面側上部に装備すると共に従来例のカメラを運転席の背面の外側上部に装備した場合の各撮影範囲を示す説明図、
図11(D)は
図1の撮像装置をフォークリフトの運転席の前面側上部に装備すると共に同一の撮像装置を運転席の上部に下方に向け且つやや後方に傾けて装備した場合の各撮影範囲を示す説明図である。
【
図12】
図1の撮像装置をフォークリフトに装備した場合の更に他の例を示す説明図で、
図12(A)(B)は
図1の撮像装置の1個を運転席の前面の外側上部に且つ前面に向けて、且つ従来型の撮像カメラを運転席の背面の外側上部にやや下方に向けてそれぞれ装備した場合の撮影範囲の例を示す説明図、
図12(C)(D)は
図1の撮像装置の2個を
図12(A)(B)の場合と同一の位置にそれぞれ装備した場合の撮影範囲の例を示す説明図、である。
【
図13】
図1の撮像装置をフォークリフトに装備した場合の具体的な撮影画像の例を示す図で、
図13(A)は
図11(B)の場合と同一の条件で撮影した場合に得られる撮影画像を示す図、
図13(B)は
図13(A)と同一の条件で撮影箇所を事務所内に設定した場合に得られる撮影画像の一例を示す図、
図13(C)は
図13(B)の平面化処理して表示した例を示す図である。
【
図14】
図1の撮像装置をフォークリフトに装備して得られる撮影画像の表示画面の例を示す図で、
図14(A)は複数の表示方法の一覧表を示す図、
図14(A)は選択された特定の表示方法の例を示す図である。
【
図15】
図14(A)の要部に表示された表示方法の一覧表を拡大して成る拡大一覧表を示す説明図である。
【
図16】
図15に表示される一覧表で、通常表示を指定した場合に表示画面に表示される撮影画像の例を示す図で、
図16(A)は案内表示画面を示す図、
図16(B)は表示される通常表示の撮影画像の例を示す図である。
【
図17】
図15に表示される一覧表で、パノラマ表示を指定した場合に表示画面に表示される撮影画像の例を示す図で、
図17(A)は案内表示画面を示す図、
図17(B)は表示されるパノラマ表示の撮影画像の例を示す図、
図17(C)は
図17(B)で指定した場合に得られる部分拡大表示画面を示す図である。
【
図18】
図15に表示される一覧表で、リング型表示を指定した場合に表示画面に表示される撮影画像の例を示す図で、
図18(A)は案内表示画面を示す図、
図18(B)は表示されるリング型表示の撮影画像の例を示す図である。
【
図19】
図15に表示される一覧表で、ドーム型表示を指定した場合に表示画面に表示される撮影画像の例を示す図で、
図19(A)は案内表示画面を示す図、
図19(B)は表示されるドーム型表示の撮影画像の例を示す図である。
【
図20】
図15に表示される一覧表で、フラット表示を指定した場合に表示画面に表示される撮影画像の例を示す図で、
図20(A)は案内表示画面を示す図、
図20(B)は表示されるフラット表示の撮影画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、本発明にかかる撮像装置、システム、及び撮影カメラ付フォークリフトの一実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
(撮像装置)
まず、本実施形態における撮像装置1の構成について説明する。
【0073】
図1乃至
図4において、撮像装置1は、半球状レンズ2Aを備えた広域撮影カメラ2と、この広域撮影カメラ2を格納し保持する装置本体3とを備えている。ここで、この装置本体3内には、後述する記録装置6へ送り込む信号変換部として例えばCMOSイメージセンサ13を備えている。
(広域撮影カメラおよび装置本体)
【0074】
上記広域撮影カメラ2は、半球状レンズ2Aを備えた半球カメラ2として構成されている。この半球状レンズ2Aは、アルミダイキャスト製の鏡筒内にレンズが収納された構成を有する。
【0075】
ここで、半球状レンズ2Aは、本実施形態では、画角が180°を超えるレンズであり、詳細には、上記半球カメラ2として、その画角(VIEW AREA,視野,視界)が、210°前後に設定されている。
図1(C)の一点鎖線は、この撮像装置1(したがって、半球カメラ2)の画角(視野)を示しており、一点鎖線よりも左側の範囲がその視野内となる。同様に、
図1(C)の一点鎖線の下側は、前記撮像装置1の視野内を示している。
【0076】
また、半球状レンズ2Aは、その鏡筒が、上記装置本体3のレンズ突出用穴の縁部3Aと、装置本体3の内部に配設されたレンズ保持部3Bとにより支持されている。ここで、レンズ保持部3Bによる支持は、上記鏡筒の背面側付近に形成されたねじ山2Bが、レンズ保持部3Bのねじ山3B’ねじ込まれることで成されている。
【0077】
このようにして、この半球状レンズ2Aは、上記レンズ保持部3Bにより装置本体3の前面から幾分突出した状態で保持されている。又、縁部3Aの周辺は、半球状レンズ2Aからレンズの半径方向に離れるに従って背面側に丸みを帯びつつ傾斜した外形となっている。
【0078】
このため、半球状レンズ2Aを備えた半球カメラ2は、その画角が210°前後であっても、半球状レンズ2Aの周辺が視野に映り込みが防がれるものとなっている。
【0079】
このようにして、本実施形態の上記半球カメラ2は、その視野範囲にカメラ前面側方向の領域(前面側180°の領域)のみならず、背面側方向の領域も一部網羅した広範囲を捕捉し得る機能を備えたものとなっている(
図1(D)参照)。
【0080】
装置本体3には、半球状レンズ2Aの背面側且つ半球状レンズ2Aによって像が形成される位置に上記信号変換部としてCMOSイメージセンサ13が位置するように、これを搭載したCMOSイメージセンサ用基板14が装置本体3の内側面に配設されている。
【0081】
さらに、装置本体3には、このCMOSイメージセンサ用基板14の背面側にCMOSイメージセンサ用基板14とほぼ同じ大きさでこれに電気的に接続されたコネクタ用基板15も上記内側面に配設されている。
【0082】
このように、CMOSイメージセンサ用基板14と、それと略同じ大きさのコネクタ用基板15とを分離し、これらの基板を半球カメラ2の背面側で前後二層に配設したことにより、これらの構造を収容するケースが半球状レンズ2Aの視界に入らないように装置本体3を小型化することが可能となっている。
(係着部材、起伏回動設定機構)
【0083】
又、前記装置本体3の背面側には、当該半球カメラ2を他の構造物(例えば、後述するように、フォークリフトの本体およびヘッドガート)に係着させる係着部材4が装備されている。ここで、本実施形態では、上記係着部材4は、略長方形の板状に形成されている。更に、
図4(B)に示すように、この係着部材4は、ねじ穴4Cを備えている。
【0084】
このため、本実施形態にあっては、半球カメラ2は、この係着部材4を介して他の様々な構造物に対して容易に係着が可能な構造となっている(例えば、この係着は、係着部材4の取付け面4Aに両面テープを貼り付けてこれを上記他の構造物に更に貼り付けること
で行われる)。
【0085】
したがって、上記した撮像装置1によると、半球カメラ2の背面側に係着部材3を配設したので、当該撮像装置1を保持する多くの構造物が半球カメラ2の視野内に配置されることが無くなり、従って、本実施形態に係る半球カメラ2が画角180°を超える広範囲にわたって撮像を行っても、係着部材4等の構造物が画像内に映し出されることが全く無くなる。
【0086】
又、半球カメラ2を従来の円筒状ケースの内部に格納することなくその一部を直接保持する構成としたので、撮影装置1全体の小型化が可能となり、例えばフォークリフト等への取付けが容易となるという利点がある。
【0087】
更に、この係着部材4の前述した半球カメラ側には、当該半球カメラ2を連結保持すると共に、当該半球カメラ2を起伏回動自在に且つ任意の起伏回動位置にて固定し一体化する、起伏回動設定機構5が装備されている。
【0088】
この起伏回動設定機構5は、具体的には、例えば
図1(B)及び
図3(B)に示されるように、前述した半球カメラ2の上端部に当該半球カメラ2に沿って配置された前記係着部材4から前方(
図1(B)中の右方向)に突出した形態で一体成形された筒状体5Aと、この筒状体5Aの内径部分に回転自在に組み込まれ且つ前記半球カメラ2の上端部に予め設置されたカメラ側係止部5a,5bに係合して当該カメラ側係止部5a,5bを前記筒状体5Aに固定し一体化する連結機構5Bとを備えて構成されている。
【0089】
ここで、本実施形態では、連結機構5Bは、本実施形態においてはボルトとナットからなる連結ねじ機構で構成されている。このため、このボルトとナットで筒状体5A及びカメラ側係止部5a,5bを締め付けることで所望の起伏回動位置に設定することができる。
【0090】
本実施形態においては、この所望の起伏回動位置は、
図1(B)に示すように、装置本体1の背面に対しての係着部材の開き角度範囲を用いて表す場合、0°~90°の範囲内で10°刻みで設定される。
【0091】
ここで、連結機構5のボルトの根本における係着部材4の位置から係着部材4の上端(及び後述するケーブル保持部4B)の位置までの距離は、係着部材4が連結機構5のボルト軸を中心にして回転し、これに伴って係着部材4の上端(及び後述するケーブル保持部4B)が前方(
図1(B)中の右向き)に移動したときでも、係着部材4の上端付近の構造が広域撮影カメラ(半球カメラ)2の視界に入らないような長さに設定されている。このため、係着部材4が0~90°の間のいずれの回動位置(開き角度)をとっても係着部材4が広域撮影カメラ(半球カメラ)2の視界(
図1(C)の一点鎖線よりも前面側の範囲)を遮らないようにすることができる。
【0092】
又、上記撮像装置1にあっては、起伏回動設定機構5を半球カメラ2の上端部に装備したことから、この半球カメラ2を、上端部を上にして設置した場合は、半球カメラ2は安定した状態で係着部材4に垂下保持されることとなる。このため、実際上、係着部材4はその大きさや形状を自由に設定できるので、例えばフォークリフトに装備する場合には、当該フォークリフトの構造にあわせて係着部材4を自在に形成加工することができ、常に最適な状態で装備位置およびレンズの向きを設定することができ、かかる点において汎用性を高めることができる。
(ケーブル接続機構)
【0093】
次に、更に、本実施形態における撮像装置1が備えているケーブル接続機構3Cについて説明する。ここで、接続ケーブル7は、半球カメラ2で撮影された画像情報を後述する予め別に取り外し可能に装備された記録装置6に外部出力するためのケーブルであり、一端には撮像装置1の装置本体3に装備された後述する撮影装置側コネクタ32に接続するためのケーブル側コネクタ7Aが備えられている。前記ケーブル接続機構3Cは、この接続ケーブル7を装置本体3に取り外し可能に受け入れる。
【0094】
ここで、このケーブル接続機構3Cの構造を詳述すると、本実施形態では、ケーブル接続機構3Cは、装置本体3の右側面で装置本体3の突き出した部分であり、且つその右側面が開口している筒状のコネクタ受容部31と、このコネクタ受容部31の開口から挿入されたケーブル側コネクタ7Aの端子を受け入れる撮像装置側コネクタ32とを備えて構成されている。ここで、撮影装置側コネクタ32は、前記コネクタ用基板15の右側端部付近に前記コネクタ用基板15と電気的に接続された状態で固定されている。
【0095】
ここで、ケーブル側コネクタ7Aには、
図3(B)に示すように、その前面及び後面から別々に突き出した突起部7C及び7Dが同軸上に形成されている。この突起部7C及び7Dは、先端部が丸みを帯びた外形を成しており、且つ弾力性のあるゴム部材で形成されている。一方、コネクタ受容部31には、
図3(A)に示すように、装置本体3の前面の一部を成すコネクタ受容部31の前面側部分の
図3(A)中の左端付近中央領域に、前記突起部7Cを受け入れる貫通穴3Dが設けられている。又、同様に、
図3(B)に示されるように、コネクタ受容部31の背面側部分にも、ケーブル側コネクタ7Aの突起部7Dを受け入れる貫通穴(図示せず)が前記貫通穴3Dと同じ程度の深さで形成されている。
【0096】
前記前後に位置している貫通穴3Dに突起部7C,7Dが嵌められることで、
図3(A)において上方向及び左方向にケーブル側コネクタ7Aが抜けるのを防止することができる。
【0097】
又、
図3(A)~(D)等に示されるように、接続ケーブル7は、ケーブル側コネクタ7Aの(
図3(A)中の)左端部付近の上端から上向きに延びた後、斜めに背面方向に向かって水平方向に向きを変え、後述するケーブル保持部4Bによって保持されるように延びている。
【0098】
更に、前記ケーブル側コネクタ7Aは、後述される撮影装置側コネクタ32に差し込まれる入出力端子と、この入出力端子を
図2(B)においてその右側の中央領域に有するモールド部とで構成されている。このうち、前記モールド部は、その右下部分が切り取られてモールド部側段部が形成されている(
図2(B)参照)。したがって、後で述べるように、このモールド部側段部は、このケーブル側コネクタ7Aを受け入れるコネクタ受容部31の対応したコネクタ受容部側段部に当接し、前記ケーブル側コネクタ7Aが完全に差し込まれたときに、ケーブル側コネクタ7Aの外側面が装置本体1からはみ出してもはみ出したことが気にならない程度のはみ出し量になる位置、好ましくははみ出さない位置に決めることができる(
図3(A)等を参照)。
次に、ケーブル接続機構3Cが備える防水機構について説明する。
【0099】
ケーブル側コネクタ7Aは、その外周全体に防水用リング部材7Bが備えられている。一方、上記コネクタ受容部31の内面には、前記リング部材7Bの形状に対応している溝33が上記開口からある特定された距離で上記内面を一周するように形成されている。
【0100】
そして、上記コネクタ受容部31内に上記ケーブル側コネクタ7Aが差し込まれた際には、このケーブル側コネクタ7A上の防水用リング部材7Bが弾性変形することで前記コネクタ受容部31の溝に嵌り、この状態で防水機能を発揮することができる。又、これら
がきちんと嵌ることによって、ケーブル側コネクタ7Aが
図2(B)中の左方向に抜けるのを防止している。
【0101】
したがって、前記装置本体3にコネクタ受容部31を備え、このコネクタ受容部31にケーブル側コネクタ7Aの防水用リング部材7Bが嵌る溝33を形成されている構成としたので、上記接続ケーブル7は前記装置本体3に着脱自在であり、撮像装置1を任意の構造体に設置し接続ケーブル7を撮像装置1に接続するに際して、容易且つ簡単に引き回しが可能である。
【0102】
又、接続ケーブル7の上記ケーブル側コネクタ7Aが上記コネクタ受容部31内で接続されている間はこの接続領域で防水状態となり、水を用いた清掃の場合や雨の状態でも撮像装置1に水が侵入する心配がない。
(ケーブル保持部)
次に、係着部材4の上端部に設けられている接続ケーブル保持用のケーブル保持部4Bについて説明する。
前記係着部材4は、上述したように板状に形成されており、当該係着部材4の上端部に、接続ケーブル用のケーブル保持部4Bを備えている。
【0103】
したがって、撮影された画像情報を接続ケーブル7を介して外部出力する構成とし同時に係着部材4のケーブル保持部4Bを設けたので、設置時に接続ケーブル7の引き回しがしやすくなり、又、実際の使用中に例えばフォークリフトに装備した場合に、当該フォークリフトの急速な移動や回転動作に際しても、係着部材4がこれを保持するため、接続ケーブル7が振り回されることがなくなり、接続ケーブル7が外れにくく、断線の心配がないという利点がある。
【0104】
又、係着部材4が接続ケーブル7を保持するため、フォークリフトの過激な移動動作に際しても最初に設定した広域撮影カメラ2の撮影方向を有効に維持することができるという利点がある。
【0105】
又、使用時のトラブルで接続ケーブル7が断線した場合でもカメラ装置本体3と接続ケーブル7が取り外し可能なので接続ケーブル7のみ交換するだけで運用ができるので、急なトラブルにも安心である。更に、運用時のトラブルで接続ケーブル7が断線した場合で装置本体3と接続ケーブル7が取り外し可能なので接続ケーブル7のみ交換するだけで運用ができるので、急なトラブルにも安心である。
【0106】
更に、前記ケーブル保持部4Bは、前記接続ケーブル7を前記係着部材4の取付け面4Aに沿って保持するように接続ケーブル7を保持する向きが設定されている。
【0107】
そのため、接続ケーブル7を板状の前記係着部材4に平行に保持するように前記ケーブル保持部4Bを設けたので、係着部材4を例えばフォークリフトの構造物に設置した際に、接続ケーブル7がこの構造物の面に沿って引き回すことが可能となり、接続ケーブル7が構造物から離れてひっかかりやくなるのを防ぐことができるという利点がある。
【0108】
したがって、本実施形態における撮像装置1は、接続ケーブ7ルが外れにくい設計であると共に、接続ケーブル7の引き回しまで考慮されており、しかも断線等があっても簡単に取り外して交換可能であるという利点がある。
(センサユニット)
次に、後述するメインユニットへセンサケーブル9を介して接続されて使用されるセンサユニット8の構成について説明する。
【0109】
図5において、センサユニット8は、略扁平直方体状(例えば、寸法は幅35mm、奥行き26mm、高さ10.7mm)に構成されている。このセンサユニット8は、例えば、撮像装置の設置対象である車両(本実施形態では、フォークリフト)の加速度を測定する加速度センサ(図示せず)と、当該設置対象である前記フォークリフトの角速度を測定するジャイロスコープ(図示せず)とが内蔵されている。
ここで、センサユニット8は、加速度(x(左右),y(前後),z(上下))とジャイロ(ω(水平方向の回転軸))の4つの項目を同時に検知する(コード長は3mである)。又、センサユニット8は、IP55準拠(防塵/防水対応)である。コード長は4mである。
【0110】
又、
図5(A)に示されるように、センサユニット8の外面には、前記フォークリフトの前方(進行方向)を規定するための三角印8Aが描かれている。すなわち、三角印8Aは、使用者がこのセンサユニット8を実際にフォークリフトに取り付ける際に、上記センサユニット8を貼付すべき方向を表している。更に、センサユニット8の同じ外面には、前記フォークリフトの水平方向(側面方向)を規定するための水平線8Bも描かれている。
【0111】
これにより、例えば、フォークリフトに対してその進行方向に三角印8Aを合わせると共に水平方向に水平線8Bを合わせて上記センサユニット8を設置した場合、加速度センサがフォークリフトの加速度を加速度情報として検出することができると共に、フォークリフトの後輪を操舵してフォークリフトが回転動作をしている際にも、上記ジャイロスコープがフォークリフト回転動作に関連した角速度を角速度情報として検出することができる。
【0112】
センサユニット8の背面側には、上記加速度センサ及びジャイロスコープで検出した加速度情報及び角速度情報を出力するためのセンサケーブル9が備えられている。このセンサケーブル9は、後述するメインユニット11のセンサケーブル用端子に接続される。
(メインユニット)
次に、前記撮像装置1から入力される画像情報を記録する記録装置6を内蔵したメインユニット11の構成について説明する。
ここで、メインユニット11は、各種ユニット(撮像装置1,センサユニット8)が接続されるユニットであり、記録媒体としてのSDカードもここ(より具体的には、記録装置6)に挿入される。本システムの心臓部となるユニットである。メインユニット11は、IP55準拠(防塵/防水対応)である。またここで、SDカードは書き込みを繰り返し行うドライブレコーダーに耐えることができる専用SDカードである。SDカードは、例えば、容量が8GB,16GB,32GBである。
【0113】
図6乃至
図8に示されるように、メインユニット11は、基部11aと、この基部11a上に配設された記録装置6及びこれに電気的に接続されている各種コネクタ12などが覆われている(収容されている)メインユニット本体(内側カバー)11Aと、前記基部11aに対してパッキン(図示せず)を介してこのメインユニット本体11Aを防水/防塵可能に覆う保護カバー11Bと、この保護カバー11Bの(
図5(A)における)左側面の一部領域から左方向に向けて延びるチューブ11Cとで構成されている。
【0114】
この内、記録装置6は、取り出し可能な記録媒体に上記撮像装置1からの撮影画像を記録するためのメモリカードリードライタ(本実施形態では、SDカードリードライタ)で構成されている。後でより詳しく説明するように、前記メインユニット本体11Aの一側面には、前記メモリカードリードライタの構成要素の一部であるカードスロット11Dが装備されている(
図8(A)及び(B)参照)。
【0115】
又、記録装置6は、各種コネクタ12として、上述したような、撮像装置1から送られる画像情報(画像信号)を伝送するための接続ケーブル7を接続するためのカメラケーブル用コネクタ12Aと、前記センサユニット8から送られるセンサ信号を伝送するためのセンサケーブル8を接続するためのセンサケーブル用コネクタ12Bと、電源ケーブル用の電源ケーブルコネクタ12Cとを備える。
ここで、電源ケーブルは、従来製品と同部材であり、フォークリフトのバッテリーに接続され、メインユニットに電源を供給する。この電源ケーブルは、コード長3mである。
【0116】
ここで、フォークリフトのシガーソケットに接続されている電源ケーブル16が電源ケーブルコネクタ12Cに接続された状態で、フォークリフトのエンジンが起動すると、上記メインユニット11に電力が供給され、前記記録装置6,センサユニット8,及び撮像装置1に電力を供給されるように成されている。後述するように、エンジン起動により電力が供給されると、記録装置6は、撮像装置1が撮影した撮影画像の記録を開始し、エンジンが切られるまでのこの記録を続ける。
更に、記録装置6は、メインユニット本体11A内に装備されている集音マイク(図示せず)を用いて撮影時の音声を撮影画像と共に記録することもできる。
更に、保護カバー11Bは、扁平した略直方体状(本実施形態における製品の寸法は、例えば、154mm×94mm×26mm)に形成されている。
【0117】
次に、上記チューブ11Cは、シリコーンなどの樹脂で形成され、当該チューブ11Cの長手方向に延びる中空通路を有する。保護カバー11Bの(
図5(A)における)左側面の一部領域には、このチューブ11Cの外形寸法と同じかわずかに小さい開口が形成され、この開口にチューブ11Cの一端が接着されている。
【0118】
このため、チューブ11Cは、上記撮像装置1用接続ケーブル7,センサケーブル9,電源ケーブル16などの各種ケーブルを挿通して上記メインユニット本体11の各種コネクタ12に接続することができる。更に、このように各種ケーブルを挿通した状態で、柔軟なシリコーンチューブを挿通されている各種ケーブルごと紐、ゴム、タイラップ等で縛ることによって水が入りにくくすることができる。尚、縛る位置については、1箇所で縛る場合は、開口端側(水が入ってくるのに近い側)の1箇所で縛るのがよい。また1箇所ではなく2箇所で結束するのがよく、2箇所で縛る場合は、開口端側の1箇所とメインユニット本体側の1箇所で縛るのがよい。
【0119】
このとき、本システム(後で詳しく説明する)は、システムの構成に応じて色々な外部機器を接続するためのコネクタがあり、これらに様々な種類及び本数のケーブルを接続することができる(例えば、カメラを1個,2個,3個,4個等で構成することで、それぞれ別々に対応してカメラ接続ケーブル7が1本,2本,3本,4本等になったり、センサユニット8を接続するかしないかによりセンサケーブル9が1本になったり無かったり、GPSに接続するケーブルを配線するのかしないのかによりそのケーブルが1本になったり無かったりする)。そのため、このメインユニット11には、様々な本数の様々なケーブルが配線され、この配線に使用されるコネクタもその都度異なるものになる。したがって、上記様々なコネクタを個別に防水するのでは大変手間がかかる。したがって、コネクタ毎に防水するのではなく、システムの構成にかかわらずに、接続される様々な種類のケーブルをチューブ11Cに一括して通してこのチューブを結束することで水が入りにくいものとすることできる。
【0120】
更に、保護カバー11Bを基部11aに対して設置した際に、メインユニット本体11Aのカードスロットのカード着脱用開口部11Dに対向することになる保護カバー11Bの領域に、SDカード着脱用の扉11Eが形成されている。さらに、この扉11Eが扉閉位置にあるときに、当該扉11がメインユニット本体11Aのカード着脱用開口部11D
の周囲構造に対してパッキンを介して密閉される構成となっている。
【0121】
このため、当該保護カバー11Bが覆い被された状態でもSDカードの着脱が可能であり、扉11Eが閉じられた状態にあるときは防水・防塵の機能が実現される。
メインユニットが防水・防塵対応になり、日常業務のSDカードの出し入れについては工具を必要とせずに簡単に行える。
【0122】
したがって、このチューブ11Cの自由端側(すなわち、開口端側)を下向きにして、例えば、フォークリフトの運転車の足元付近の車体構造物に設置した場合、雨や洗車などで水に濡れるような状況となっても、その水がそのチューブ11Cを経由してメインユニット11内部に侵入することを防ぐことができる。又、保護カバー11Bはパッキンを用いて基部11a」に対して密閉され、また扉11Eもその周囲構造に対してパッキンを介して密閉されるため、IP55(防塵/防水対応)に準拠したメインユニット11の防水・防塵が達成されている。
【0123】
そのため、従来の撮像装置用のメインユニット及びフォークリフト監視カメラに比べて、防水・防塵機能が高く、それに伴う設置位置(設置箇所選択)の自由度が向上している(フォークリフトの清掃時など座席下でも水が掛かる場合があったが、本実施形態では本体の故障の心配をする必要がなくなった)。
(フォークリフトへの設置位置の例)
次に、前記撮像装置1をフォークリフト20に設置した例、及び撮像装置1を装備したフォークリフトついて説明する。
図9乃至
図12には、本実施形態における撮像記録システム(ドライブレコーダ)の設置イメージが示されている。
【0124】
ここで、撮像記録システムは、フォークリフト20に取り付け可能な撮像装置1と、フォークリフト20の加速度及び/又は角速度を測定するセンサを装備したセンサユニットと、この撮像装置1により撮影される撮影画像を記録する記録装置6とで構成されている。
ここで、この撮像記録システムは、増設撮像装置(増設サブカメラ)(これは上記撮像装置1と同じ)、増設サブカメラ(従来のドライブレコーダーに(DR-800)に付属されている撮像装置と同等のユニットであり、コード長は3mである)を接続することができる。
ここで、増設サブカメラは、記録解像度200万画素であり、視野角はレンズ画角が対角154.8°(水平121.3°,垂直62°),増設サブカメラはレンズ画角は隊角154.8°(水平121.3°,垂直62°)、最大記録画は対角154.8°(水平121.3°,垂直62°)であり、最低被写体照度は1Lux(ルクス)、寸法は51mm(W)×直径33mm(直径)、重量40g(ブラケット含む)である。
【0125】
又、フォークリフト20は、車体本体と、この車体本体の上部に設置され落下物等から乗員の頭部を保護するためのヘッドガード21と、前記車両本体20の前方に装備された昇降装置を介して取り付けられているフォークとを備えている。
【0126】
ここで、
図9乃至
図12においてフォークリフト20に装備された撮像装置1を中心として、扇形,半円,及び円形に描かれている範囲は、この撮像装置1の視界のイメージを示している。ただし、これらの扇形の円弧部分,半円及び円形の周の部分は、これを超えて視界が広がっていないことを意味するものではない。
【0127】
撮像記録システムの設置例として、以下の(1)~(4)が示されている。なお、これらの設置例に共通の事項として、本実施形態における記録装置6を有するメインユニット
11は、座席の下に設置され、当該記録装置6は、各撮像装置1(半球カメラ)と接続ケーブル7で接続されている。
【0128】
(1)設置例1は、フォークリフト20のヘッドガード21の天井部分の中央領域に下向きに本実施形態における撮像装置1(半球カメラ)がたった1つ設置されている例である(
図9の左上の図、
図10(C)及び(D),
図11(B)を参照)。
このため、従来(現状)の2カメラ撮影(
図11(A)参照)に比べて、1つのカメラで幅広く確認ができる。
ここで、半球(180°)撮影を可能にすると、撮影の幅が広がる。一方、全球
360°)撮影のものにしてしまうと、フォークリフトの柱や人、荷物など障害物があり撮影が困難になりやすい。そのため、半球(180°)カメラであれば、撮りたい場所に設置することが可能になる。
【0129】
ここで、「下向き」は、必ずしも真下向きでなくてもよく、例えば、背面側に多少傾いていても車体前方のフォーク上の荷物及び/又は運転席のハンドル付近が視界に含まれる範囲であれば(例えば、
図11(D)後方カメラの例を参照)、これも「下向き」としてよい。
【0130】
また、ヘッドガード21の天井部分の中央領域は、フォークリフト20の運転席の略頭上の領域を意味する。この中央領域に撮像装置1(半球カメラ)を設置すると、フォークリフト20の操縦者の頭の真上付近で撮像が行われることになるため、操縦者の視線により近く画像を収録することができる。
ただし、実際の設置に際しては、運転席の真上の領域でなくとも、天井から下方に向けて設置されていれば、周囲360°の撮像を行うことができる。
【0131】
(2)フォークリフト20のヘッドガード21の前面側上部領域で前方向に向けて本実施形態における撮像装置1(半球カメラ)が設置されている例である(
図10(E)参照)。
【0132】
ここで、ヘッドガード21の前面側上部領域は、当該ヘッドガード21の内、前側で左右方向に延びる枠部材の前面側付近のいずれかであり、好ましくは、前側で左右方向に延びる枠部材の前面側中央付近である。
【0133】
この位置に撮像装置1(半球カメラ)を設置すれば、より広い前方視界を確保することができ、高さのある荷物がフォーク上に乗せられている場合も、この荷物に視界を遮られることなくフォークリフト20の前方を有効に撮像し記録することができる。また、操縦者の視界を撮像装置1(半球カメラ)が遮ることもない。
また、このカメラ1つで、前後左右撮影できるので運転者が見ている方向に対して状況がひとめでわかる。更に、全体を把握することで危険予知の想定ができ、重大な事故にならないための教育に使用することも可能になる。
更に、上記カメラ1つで、縦方向の状況が分かるので、フォークの先の状況と、フォークの先の状況とフォークの下の状況を確認することで、どのような危険が潜んでいるのか検証することもできる、
【0134】
(3)設置例(2)の撮像装置1(半球カメラ)に加えて、フォークリフト20のヘッドガード21の背面側上部領域でやや下向きに従来のカメラが設置されている例である(
図11(C),
図12(A)及び(B)参照)。
この場合、高いところの荷物も撮影できる。更に、後方の撮影が可能であるが、運転者はあえて撮影しない。
【0135】
(4)設置例(2)の撮像装置1(半球カメラ)に加えて、フォークリフト20のヘッドガード21の背面側上部領域で下向きからわずかに背面側に起こした設置角度で本実施形態における追加の撮像装置1’(半球カメラ)が設置されている例である(
図11(C),
図12(C)及び(D)参照)。
この場合、高いところの荷物も撮影できる。更に、後方及び運転者の撮影が可能である。
【0136】
下向きからわずかに背面側に起こした設置角度とは、基本的には設置例(1)と同様に、車体前方のフォーク上の荷物及び/又は運転席のハンドル付近が視界に含まれるような設置角度とする。
【0137】
また、比較のために、別々の2つの従来のカメラがフォークリフト20のヘッドガード21の背面側上部領域で前方下向き(運転席向き)及びやや下向きに設置されている例も示されている(
図10(A)及び(B),
図11(A)参照)。
(撮影画像と再生ソフトウェア)
次に、
図13乃至
図20を参照して、記録装置6が記録する撮影画像及び環境情報とこれを再生するためのソフトウェアについて説明する。
ここで、このソフトウェアは、専用ソフトウェア(SDカード内)であり、撮影した映像をWindows7/8(Windowsは登録商標)のパソコンで表示・印刷等が行える。レポート出力も可能なので、すべての映像を確認せずに状況の把握が可能である。
【0138】
図13(A)には、本実施形態(1)の撮像装置1(半球カメラ)を前述の設置例(1)に示される位置に設置した場合に得られる撮影画像の一例である。この撮影画像には、中央領域にフォークリフト20の運転席で操縦を行う操縦者とこの操縦者の前方には当該操縦者が操作中のハンドル等とが映っている。また、運転席から四方に4本のヘッドガード21の支柱が放射状に映っている。
【0139】
更に、このヘッドガード21の前方2つの支柱の間にフォークリフト20のフォークに載っている荷物と、前記フォークによりこの荷物を上げ降ろしするための昇降装置の一部(例えば、マスト)も映っている。加えて、この荷物等の含む前方領域に連続して左右方向領域と後方領域様子も映っている。これらを全て1つ画像で確認することができる。
【0140】
図13(B)は、本実施形態(1)の撮像装置1(半球カメラ)を、天井に下向きに設置した場合の撮影画像を、パソコン上で実行されている専用の撮影画像閲覧用ソフトウェア(以下、「PCビューワ」とする)を起動して表示した図である。
【0141】
まず、このPCビューワは、ユーザがダウンロードしてユーザ自身のパソコン上で使用するものである。ダウンロードしたPCビューワのプログラムをユーザが実行することで、このプログラムがパソコンの処理装置内に読み込まれ、以下の諸機能を実現することができる。
【0142】
PCビューワの表示画面は、
図13(B)及び(C)中の左上に位置するPCビューワに読み込まれた撮影画像ファイルの内容を表示する撮影画像表示領域と、同図中の右上に記録媒体に記録されている各撮影画像ファイルの撮影された日時,記録開始時間、記録時間等を表示するファイルデータ表示領域とを備えている。又、上記撮影画像表示領域の下には、映像のライムラインとカーソルが表示されており、画面上でマウス等を用いてこのカーソルを移動させると、ことにより所望の時刻から映像再生を行うことができる。
【0143】
ここで、
図13(A)の撮影画像は、上記メインユニット11から取り出され且つパソコンに接続されているSDカードリーダのスロットに挿入されたSDカードからPCビュ
ーワに動画ファイルとして読み込むことで、撮影画像表示領域等に表示されることになる。
【0144】
又、上記表示画面は、同図中の中央下寄りに、音声ボリューム調整領域と、早戻し,前コマ,逆再生,停止,再生,次コマ,及び早送りの各操作ボタン領域と、4つのカメラの中で1つのカメラをワンクリックで選択して切り換えられる切換ボタン領域と、1画面ボタン領域及び16分割ボタン領域とを備えている。
【0145】
更に、各操作ボタン領域の下側及び左下側には、加速度センサが記録したX,Y,Z軸方向の加速度及びジャイロスコープが記録した角速度ωを表示する加速度・角速度グラフ表示領域及び加速度・角速度数値表示領域(角速度表示については、
図14(A)及び(B)等も参照)と、フォークリフト20の速度表示領域とが備えられている。
【0146】
また、
図14(A)及び(B)には、フォークリフト20の進行方向、加速度,及び角速度の軸の方向を示すイラストが表示されており、使用者が上記加速度・角速度グラフ表示領域及び上記加速度・角速度数値表示領域を理解するのを助けている。
【0147】
又、
図14(A)によく示されるように、同図の表示画面上側には、各種の機能を象徴するイラストが描かれたアイコンが表示されており、これをクリックすることでファイル操作等の各種機能を実行することができる。
【0148】
この中でも
図14(A)において左から2番目の四角形とドーム形が描かれたアイコン部分が押下された場合、以下の説明する5つの表示画面を一覧の中から選択するサブ画面を表示する機能を備えている。
【0149】
この表示画面選択用のサブ画面は、
図15に拡大して示されている。本実施形態では、PCビューワは、(1)半球カメラ(180°カメラ)で撮影(録画)した画像をそのまま(魚眼状態)表示する通常表示機能(通常表示モード)と(
図16)、(2)水平360°方向を横長の一枚の画像で表示するパノラマ表示機能(パノラマ表示モード)と(尚、拡大操作で一部を大きく表示することも可能であり、下のスクロールバーを移動させることで任意の場所に移動させることができる)(
図17)、(3)パノラマ画像をリング状態の画像で表示するリング型表示機能(リング型表示モード)と(
図18)、(4)ドーム状の画像で表示するドーム型表示機能(ドーム型表示モード)と(
図19)、(5)ドーム型画像の一部分を拡大して平面状に表示するフラット表示機能(フラット表示モード)と(
図20)を有する。
【0150】
ここで、上記表示画面選択用のサブ画面は、左から順に、各表示モードのタイトルと、そのタイトルの表示モードの表示方法を言葉で説明する説明文と、そのタイトルの表示モードの表示方法をその表示される状態を示す画像(本実施形態では各表示機能を象徴したイラストを描画している)を表示した選択ボタンを、各表示モードごとに上下方向に並べて選択可能としている。そのため、表示機能の説明と機能を象徴したイラストとが同時に使用者の視界に入ることで、所望する表示機能を使用者が感覚的に見つけやすく選択しやすいものとなっている。
【0151】
上記表示機能を象徴したイラストは、
図14(B)中の中央下寄りの箇所に示されるように、各表示機能をクリックするだけで迅速に実行する機能を付与したショートカット用ボタンにも描かれている。
【0152】
このボタンを使用することで、上記表示画面選択用のサブ画面を中継しなくても、次々に各表画面を切り替えることができ、確認作業を迅速化することができる。
以上の通り、上記ソフトウェアは、180°撮影に対応した新機能を搭載しており、より直感的に映像を確認することができる。例えば、ソフトウェアの表示画面上部の各種の機能を象徴するイラストが描かれたアイコンをクリックするとダイアグが表示され、どのような映像処理で閲覧したいか確認できる。また、慣れてくればソフトウェアの画面中央にショートカットボタンを配置しているので確認したい画面をワンクリックで切り替えることも可能である。
以上説明した、本実施形態における画面は、一例であり、ここに挙げた表示領域や機能に含まれない表示領域や機能も上記PCビューワは備えている。
〔使用方法〕
(撮像装置等の設置について)
【0153】
まず、使用者(例えば、フォークリフト20の管理者)は、実際の使用に先立って、
図10乃至
図12に例示されるように、1つ以上の撮像装置11をフォークリフト20の任意の構造物に設置する。この設置は、例えば、係着部材4の取付け面4aに両面テープを貼り付け、これをフォークリフト20の任意の構造物に貼り付けることで行われる。又、このときに、撮像装置1の向きを決定するために、起伏回動設定機構5を用いて係着部材4に対しての装置本体3の開き角度を設定する。尚、この開き角度は0度から90度の範囲で設定される。
【0154】
又、センサユニット8については、三角印8Aをフォークリフト20の進行方向に合わせて、フォークリフト20の任意の位置、好ましくは座席の下など雨等による水に濡れにくい位置に配置する。
【0155】
更に、メインユニット11については、上記撮像装置1に接続されるケーブル7,センサユニット8からのセンサケーブル9,及び電源ケーブルのそれぞれの一端にある各コネクタを、チューブ11Cに通した上でメインユニット本体11Aの各種コネクタ12に接続する。一方、上記の接続ケーブル7,センサケーブル9,及び電源ケーブルの他端にある各コネクタも、撮像装置1,センサユニット8,及びシガーソケット(図示せず)のそれぞれのコネクタに接続する。
【0156】
ここで、撮像装置1に接続ケーブル7を接続する際は、まず、ケーブル側コネクタ7Aの端子を撮影装置側コネクタ32に向けて、ケーブル側コネクタ7Aのモールド部のモールド部側段部がコネクタ受容部31の対応したコネクタ受容部側段部に当接する位置まで差し込む。この当接位置にあるとき、ケーブル側コネクタ7Aの装置本体3の外部に露出した側部(
図2(B)中のケーブル側コネクタ7Aの左側面部分)が、装置本体3の側面からほとんど気にならない程度にはみ出した状態、好ましくは装置本体3の側面から内側に収まった状態で設置されることになる。このように構成されているので、ケーブル側コネクタ7Aは装置本体3の背面側に隠れ、撮像装置1の視界に入ることを防ぐことができる。
【0157】
又、上記の当接位置に至るとき、ケーブル側コネクタ7A上の防水用リング部材7Bがコネクタ受容部31の溝に嵌り、これによって防水機能と共にケーブル側コネクタ7Aが装置本体3の側面側に抜けるのを防止する。更に、ケーブル側コネクタ7Aの突起部7C,7Dがそれぞれに別に対応して前後に設けられた各貫通穴に嵌り(
図3(A)等には、一方の貫通穴3Dのみが示されている)、これによってケーブル側コネクタ7Aが装置本体3の側面方向及び上方向に抜けるのを防止することができる。
(撮影画像等の記録)
【0158】
フォークリフト20のエンジンを始動させると、シガーソケットからメインユニット11に電力が供給され、ここから撮像装置1,記録装置6,及びセンサユニット8に電源が
供給される。
このようにして電源が供給されると、上記撮像装置1,記録装置6,及びセンサユニット8は協働して動作を開始する。
【0159】
具体的には、撮像装置1が撮像した撮影画像を記録装置6に送り、この記録装置6は送信されてきた当該撮影画像を毎秒1コマ送られてくる画像を記録開始する(衝突等のイベントがあった場合は、その前後の期間に毎秒30コマで記録する)。このとき、記録装置6は、センサユニット8が送信する各センサ情報も、前記撮影画像に関連する環境情報として前記撮影画像と関連させて、これを画像情報としてSDカードに記録する。
この記録は、フォークリフト20のエンジンを停止させることに伴って終了する。
(PCビューワを用いた記録画像の閲覧)
【0160】
使用者は、予め上記PCビューアがインストールされたパソコンの予め別に接続されているSDカードリーダに、上記メインユニット11から取り出したSDカードを差し込む。更にPCビューアを操作して、所望の画像情報ファイルをパソコンに読み込み、PCビューアの表示画面に撮影画像及び環境情報を表示させる。
【0161】
この際、使用者は、1つの撮像装置から得られた撮像画像について通常表示モード、パノラマ表示モード等の各モードをお好みで切り換え閲覧したり、複数の撮像装置から得られたそれぞれ別々に得られた撮像画像を表示画面に並べて閲覧したりすることができる。
(本実施形態の効果)
【0162】
本実施形態を以上のように構成したので、それにより、撮像装置における撮像カメラの取付け角度をいかように可変設定しても、撮影カメラ用の係着部材が、撮影カメラの撮影画像内に入り込むのを確実に回避することができ、且つ全体的に小型化を可能とした撮像装置、システム、及びこれらを用いたフォークリフトを提供することができる。
【0163】
又、前記撮影装置を備えたシステムをフォークリフトに取り付け可能な構成としたので、それにより、例えば、フォークリフトの構造物にこの撮像装置を装備した場合、フォークリフトの運転により発生する可能性がある衝突事故や荷崩れ等の検証等に必要な前方領域、後方領域、左右領域、上方領域、運転席領域の内いくつかを含む広範な領域の記録を1つの撮像装置で撮像してその撮影画像を記録することができる。しかも、撮像装置はその視界に撮像装置の構造体等が入らないようになっているので、最大限に広い範囲を撮影し記録することができる
【0164】
更に、上記システムを装備したフォークリフトについては、フォークリフトの衝突事故や荷物崩れ等が多く発生するフォークリフト前方領域を記録するだけでなく、それ以外の領域、すなわち、フォークリフトの荷物昇降装置の上方領域、当該荷物昇降装置を駆動してフォーク上の荷物を持ち上げた場合にはフォークの下方領域、フォークリフトの左右方向領域、運転席領域、場合によっては後方領域を前方領域に連続した画像として記録することができ、また、この収取した画像情報を利用することで、作業後におけるフォークリフトの前方側の作業結果を確実且つ有効に把握管理することができる。
(他の実施形態)
起伏回動設定機構5の連結機構5Bは、連結ねじ機構に代えて、クイックレバー機構、など他のもので構成されてもよい。
又、起伏回動設定機構5は、10°刻みで起伏回動位置が設定される構成に代えて、5°単位や無段階で設定されるように構成されてもよい。
【0165】
係着部材4に一体成形された筒状体5A、及び半球カメラ(広域撮影カメラ)2の上端部に予め設置されたカメラ側係止部5a,5bは、半球カメラ(広域撮影カメラ)の上端
部に一体成形された筒状体5A、及び係着部材4に予め設置された係着部材側係止部5a,5bとしてもよい。
【0166】
又、半球カメラ2は、係着部材4の取付け面4Aに両面テープを用いて上記他の構造物に貼付することに代えて、任意の粘着剤で張り付けてもよい。又、係着部材4に形成されたねじ穴にねじを通して構造体(例えば、フォークリフト)にねじ止めされるようにしてもよい。又、半球カメラ2は、結束バンド挿通穴を備えるように構成されてもよい。この場合、前記結束バンド挿通穴に結束バンドを通して任意の構造体に締結される1。
【0167】
撮像装置1は、係着部材4を介してフォークリフト20のフォーク先端(爪先)に装備されてもよい。また、撮像装置1は、フォークリフト20の昇降装置のマスト等に前方に向けて装着されてもよい。
更に、撮像装置1は、フォークリフトの側面に、すなわち、フォークリフト本体の側面,ヘッドガード21の側面等に装着されてもよい。
例えば、フォークリフトで運搬する荷物の内容によっては、この設置位置からカメラが撮像する範囲が重要なことがあり、その場合に大きなメリットとなる。
又、メインユニット11には、電源ケーブル16に代えて、接続すると電源の他に汎用入力情報を記録することができる外部トリガ/汎用入力ケーブルが接続されてもよい(これを使用する場合は、電源ケーブル16は使用しない)
【0168】
PCビューアの画面表示に2分割機能を加え、前方に向けたカメラと後方に向けたカメラのそれぞれの撮影画像を並べて表示してもよい。この場合、2つの撮影画像の表示サイズは同じも、一方を大きくしたサイズとしてもよい。これにより、事故内容の検証がより容易になり得る。
変形例や各実施形態の内容の構成要素、課題を解決するための手段に記載の要素や思想を適用した要素は、任意に組み合わせて実施形態とするとよい。
【符号の説明】
【0169】
1 撮像装置
2 広域撮影カメラ(半球カメラ)
2A 半球状レンズ
2B ねじ山
3 装置本体
3A 縁部
3B レンズ保持部
3B’ ねじ山
3C ケーブル接続機構
3D 貫通穴
4 係着部材
4A 取付け面
4B ケーブル保持部
4C ねじ穴
5 起伏回動設定機構
5a,5b カメラ側係止部
5A 筒状体
5B 連結機構
6 記録装置
7 接続ケーブル
7A ケーブル側コネクタ
7B 防水用リング部材
7C 突起部
7D 突起部
8 センサユニット
9 センサケーブル
11 メインユニット
11 a 基部
11A メインユニット本体(内側カバー)
11B 保護カバー
11C チューブ
11D カードスロット
11E 扉
12 コネクタ
12A カメラケーブル用コネクタ
12B センサケーブル用コネクタ
12C 電源ケーブルコネクタ
13 CMOSイメージセンサ
14 CMOSイメージセンサ用基板
15 コネクタ用基板
16 電源ケーブル
20 フォークリフト
21 ヘッドガード
31 コネクタ受容部
32 撮影装置側コネクタ
33 溝