(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153644
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】遺伝子発現のためのナノ粒子及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7088 20060101AFI20241022BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241022BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20241022BHJP
A61K 9/51 20060101ALI20241022BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20241022BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20241022BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20241022BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20241022BHJP
C07K 14/725 20060101ALN20241022BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20241022BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20241022BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20241022BHJP
C12N 15/88 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
A61K31/7088
A61P35/00 ZNA
A61K47/69
A61K9/51
A61K47/34
A61K38/17
A61P35/00
A61K31/7088 ZNA
C07K19/00
C07K16/28
C07K14/725
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/88 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107238
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2020561067の分割
【原出願日】2019-05-01
(31)【優先権主張番号】62/665,280
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522256406
【氏名又は名称】フレッド ハッチンソン キャンサー センター
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン,マティーアス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】がんを処置する方法の提供。
【解決手段】方法は、対象への投与後にT細胞によって選択的に、抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRの一過性発現をもたらすナノ粒子を選択し、投与する。抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRの発現について対象をモニターし、発現レベルが閾値より低下したら、第2の治療有効量の選択されたナノ粒子を投与することを含み、選択されたナノ粒子は、(i)ポリ(β-アミノエステル)(PBAE)コア内にカプセル化された抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRをコードするインビトロ転写(IVT)mRNA;(ii)PBAEコアの外表面上のポリグルタミン酸(PGA)コーティング;並びに(iii)PGAに共有結合され、コーティングの表面から伸びるCD4及び/又はCD8結合ドメインを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんの処置を必要とする対象においてがんを処置する方法であって、
対象への投与後に、T細胞によって選択的に、抗ROR1キメラ抗原受容体(CAR)、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的T細胞受容体(TCR)の一過性発現をもたらすナノ粒子を選択すること;
治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与すること;
抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRの発現について対象をモニターすること;及び
抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRの発現レベルが閾値より下に低下したら、第2の治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与すること
を含み、
選択されたナノ粒子が、
(i)ポリ(β-アミノエステル)(PBAE)コア内にカプセル化された抗ROR1 CAR、抗CD19 CAR又はB型肝炎抗原特異的TCRをコードするインビトロ転写(IVT)mRNA;
(ii)PBAEコアの外表面上のポリグルタミン酸(PGA)コーティング;並びに
(iii)PGAに共有結合され、コーティングの表面から伸びるCD4及び/又はCD8結合ドメイン
を含み、
それによってがんの処置を必要とする対象においてがんが処置される、方法。
【請求項2】
一過性発現が、2週間を超えずに持続する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象内のがん部位でT細胞誘引物質及び/又は単球/マクロファージ誘引物質を用いて対象を局所的に事前調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
T細胞誘引物質が、CCL21又はIP10を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
単球/マクロファージ誘引物質が、CCL2、CCL3、CCL5、CCL7、CCL8、CCL13、CCL17又はCCL22を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
対象への投与後に、マクロファージによって選択的にマクロファージ活性化因子の発現をもたらす第2のナノ粒子を選択すること;
治療有効量の第2の選択されたナノ粒子を対象に投与すること;
マクロファージ活性化因子の発現について対象をモニターすること;及び
マクロファージ活性化因子の発現レベルが閾値より下に低下したら、第2の治療有効量の第2の選択されたナノ粒子を対象に投与すること
をさらに含み、
選択された第2のナノ粒子が、
(i)PBAEコア内にカプセル化されたマクロファージ活性化因子をコードするIVT mRNA;
(ii)PBAEコアの外表面上のPGAコーティング;及び
(iii)コーティングの表面から伸びるジマンノース
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
マクロファージ活性化因子が、キナーゼIKKβと組み合わせた転写因子インターフェロン制御因子(IRF)5を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
処置を必要とする対象を処置するための方法であって、
対象への投与後に、選択された細胞型によって治療タンパク質の発現をもたらすナノ粒子を選択すること、
第1の治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与すること
を含み、それによって処置を必要とする対象が処置され、治療タンパク質の発現は、投与の10日以内に検出可能限界より下に低下する、方法。
【請求項9】
治療タンパク質の発現が、投与の7日以内に検出可能限界より下に低下する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
治療タンパク質の発現が検出可能限界より下に低下した後に、第2の治療有効量の投与が行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
治療タンパク質の発現が検出可能限界より下に低下する前に、第2の治療有効量の投与が行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第1の治療有効量と第2の治療有効量が、5日離して、6日離して、7日離して、8日離して、9日離して又は10日離して投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
投与が、全身的又は局所的投与を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
投与が、腫瘍部位での局所的投与を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
投与が、(a)腫瘍中への若しくはその近位への(腫瘍内への)、(b)静脈中への(静脈内への)、又は(c)腹膜中への(腹腔内への)カテーテルを介した注射又は注入を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
治療タンパク質が、細胞表面受容体を含む疾患特異的受容体を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
疾患特異的受容体が、CAR、TCR又はこれらのハイブリッドを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
治療タンパク質が、1928z若しくは4-1BBz細胞内ドメインを有する白血病特異的抗CD19 CAR、1928z若しくは4-1BBz細胞内ドメインを有する前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CAR、又はB型肝炎ウイルス(HBV)コア抗原特異的HBcore18-27 TCRを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項20】
治療タンパク質が、マクロファージ刺激タンパク質を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項21】
マクロファージ刺激タンパク質が、転写因子IRF5をキナーゼIKKβと組み合わせて含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
マクロファージ刺激タンパク質が、IRF5、IRF1、IRF3、IRF7、IRF8及び/又はIRF7とIRF3の融合物から選択される1種以上のIRFを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
IRF7/IRF3融合タンパク質が、配列番号39を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1つ以上のIRFが、機能的自己抑制ドメインを欠く、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
1つ以上のIRFが、機能的核外移行シグナル(NES)を欠く、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
1つ以上のIRFが、配列番号25~41に対し>90%、>95%又は>98%の同一性を有する配列から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
1つ以上のIRFが、配列番号25~31から選択されるIRF5である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
IRF5が、S156D、S158D及びT160Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号25又は配列番号27を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
IRF5が、T10D、S158D、S309D、S317D、S451D及びS462Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号26を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
IRF5が、S425D、S427D、S430D及びS436Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号28を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
1つ以上のIRFが、配列番号32及び36から選択されるIRF1である、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
1つ以上のIRFが、配列番号35、40及び41から選択されるIRF8である、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
IRF8が、K310R突然変異を有する配列番号35を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
コードされたIKKβが、配列番号42~46に対し>90%、>95%又は>98%の同一性を有する配列から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
コードされたIKKβが、配列番号42~46から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
治療タンパク質が、グルココルチコイド誘導性ロイシンジッパー(GILZ)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項37】
選択され投与されるナノ粒子が、<130nmである、請求項8に記載の方法。
【請求項38】
選択され投与されるナノ粒子が、
(i)治療タンパク質をコードする、正電荷キャリアーマトリックス内にカプセル化された合成mRNA;
(ii)キャリアーマトリックスの外表面上の中性又は負電荷コーティング;及び
(iii)選択された細胞型上のマーカーに特異的に結合する、コーティングの表面から伸びる少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンド
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項39】
合成mRNAが、IVT mRNAを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
正電荷キャリアーマトリックスが、正電荷脂質又はポリマーを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
正電荷脂質又はポリマーが、PBAE、ポリ(L-リジン)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(アミドアミン)デンドリマー(PAMAM)、ポリ(アミン-コ-エステル)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)(PDMAEMA)、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸](PAGA)、又はポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)(PHP)を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
正電荷ポリマーが、PBAEを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
中性又は負電荷コーティングが、PGA、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
中性又は負電荷コーティングが、PGAを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
中性又は負電荷コーティングが、双性イオンポリマーを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
中性又は負電荷コーティングが、リポソームを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
リポソームが、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA);3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、コレステロール、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)又は1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、リンパ球に選択的に結合し受容体誘導エンドサイトーシスを開始させる、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーが、PBAEを含み;コーティングが、PGAを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項53】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングが、CD206、CD163又はCD23に結合する、請求項38に記載の方法。
【請求項54】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンドが、ジマンノースを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングが、CD38、Gタンパク質共役型受容体18(Gpr18)、ホルミルペプチド受容体2(Fpr2)、CD64又はCD68に結合する、請求項38に記載の方法。
【請求項56】
治療有効量の細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項57】
細胞誘引物質が、T細胞誘引物質を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
T細胞誘引物質が、CCL21又はIP10を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
T細胞誘引物質が、CCL1、CCL2、CCL17、CCL22、CXCL9、CXCL10又はCXCL11を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
細胞誘引物質が、単球/マクロファージ誘引物質を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
単球/マクロファージ誘引物質が、CCL2、CCL3、CCL5、CCL7、CCL8、CCL13、CCL17又はCCL22を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
細胞誘引物質が、マスト細胞誘引物質を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
マスト細胞誘引物質が、CCL2又はCCL5を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
細胞誘引物質が、好酸球誘引物質を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
好酸球誘引物質が、CCL3、CCL5、CCL7、CCL11、CCL13、CCL24又はCCL26を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
細胞誘引物質が、好中球誘引物質を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項67】
好中球誘引物質が、IL-8又はNAP1を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
細胞誘引物質が、第1の治療有効量のナノ粒子が投与される前に対象に投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項69】
細胞誘引物質が、第1の治療有効量の選択されたナノ粒子が投与される前の1時間以内に、3時間以内に、6時間以内に、12時間以内に、又は24時間以内に投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項70】
細胞誘引物質が、第1の治療有効量の選択されたナノ粒子が投与される少なくとも1時間前に、少なくとも3時間前に、少なくとも6時間前に、少なくとも12時間前に、又は少なくとも24時間前に投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項71】
細胞誘引物質が、(a)第1の治療有効量の選択されたナノ粒子の最初の用量が投与された後にのみ投与される、請求項56に記載の方法。
【請求項72】
対象が、がん又は感染性疾患に対する処置を必要とする、請求項8に記載の方法。
【請求項73】
がんが、白血病、前立腺がん、B型肝炎誘導肝細胞癌、卵巣がん、神経膠芽腫又は肺がんである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
処置を必要とする対象を処置する方法であって、
(i)治療タンパク質、ポリヌクレオチド又はこれらの組合せをコードする、正電荷キャリアーマトリックス内にカプセル化された合成mRNA;
(ii)中性又は負電荷コーティング;並びに
(iii)選択された細胞に特異的な、コーティングの表面から伸びる少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンド;
を含む治療有効量のナノ粒子
を対象に投与すること
を含み、ナノ粒子は、選択された細胞が合成mRNAから治療タンパク質、ポリヌクレオチド又はこれらの組合せを発現するように、対象内の選択された細胞中に選択的に取り込まれ、それによって処置を必要とする対象が処置される、方法。
【請求項75】
有効量の細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
細胞誘引物質が、T細胞誘引物質である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
T細胞誘引物質が、CCL21又はIP10である、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
合成mRNAが、治療タンパク質をコードし、治療タンパク質が、細胞表面受容体を含む少なくとも1つの疾患特異的受容体を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
少なくとも1つの疾患特異的受容体が、CAR又はTCRを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
治療タンパク質が、1928z若しくは4-1BBz細胞内ドメインを有する白血病特異的抗CD19 CAR、1928z若しくは4-1BBz細胞内ドメインを有する前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CAR、又はHBVコア抗原特異的HBcore18-27 TCRを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンドが、リンパ球に選択的に結合し受容体誘導エンドサイトーシスを開始させる、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
治療タンパク質の発現が、14日を超えない、12日を超えない、10日を超えない、9日を超えない、8日を超えない、7日を超えない、6日を超えない、又は5日を超えない、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
治療有効量のナノ粒子を対象に投与することが、2つ以上の用量のナノ粒子を投与することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
2つ以上の用量が、5~10日ごとに、又は6~8日ごとに、又は7日ごとに投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
対象が、がん又は感染性疾患に対する処置を必要とする、請求項74に記載の方法。
【請求項86】
治療有効量のナノ粒子を投与することが、(a)腫瘍中への若しくはその近位への(腫瘍内への)、(b)静脈中への(静脈内への)、又は(c)腹膜中への(腹腔内への)カテーテルを介した注射又は注入を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項87】
T細胞誘引物質を投与することが、腫瘍中への若しくはその近位への(腫瘍内への)カテーテルを介した注射若しくは注入、静脈内注射若しくは注入、又は腹腔内へのカテーテルを介した注射若しくは注入を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項88】
細胞誘引物質が、治療有効量のナノ粒子が投与される前に対象に投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項89】
細胞誘引物質が、治療有効量のナノ粒子が投与される前の1時間以内に、3時間以内に、6時間以内に、12時間以内に、又は24時間以内に投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
細胞誘引物質が、(a)治療有効量のナノ粒子の最初の用量の後にのみ;(b)治療有効量のナノ粒子の少なくとも2回の用量のぞれぞれの後に;又は(c)治療有効量のナノ粒子のそれぞれの用量の後で投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項91】
対象にマクロファージ刺激組成物を投与することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項92】
マクロファージ刺激組成物が、マクロファージ細胞に標的化され、キナーゼIKKβと組み合わせた転写因子インターフェロン制御因子5(IRF5)の発現を指示することができるナノ粒子を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
キャリアーマトリックスが、正電荷脂質又はポリマーを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項94】
正電荷ポリマーが、PBAE、ポリ(L-リジン)、PEI、PAMAM、ポリ(アミノ-コ-エステル)、PDMAEMA、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、PAGA、又はPHPを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
コーティングが、中性又は負電荷脂質又はポリマーを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項96】
中性又は負電荷コーティングが、PGA、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項97】
中性又は負電荷コーティングが、双性イオンポリマーを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項98】
中性又は負電荷コーティングが、リポソームを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項99】
リポソームが、DOTAP、DOTMA、DC-Chol、DOGS、コレステロール、DOPE又はDOPCを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、請求項74に記載の方法。
【請求項101】
少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項102】
少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項103】
キャリアーマトリックスが、PBAEを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項104】
コーティングが、PGAを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項105】
少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーマトリックスがPBAEを含み;コーティングがPGAを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項106】
(i)治療タンパク質をコードし正電荷キャリアー内にカプセル化されている合成mRNA;
(ii)中性又は負電荷コーティング;及び
(iii)コーティングの表面から伸びている選択された細胞ターゲティングリガンド
を含み、
治療タンパク質が、1928z又は4-1BBz細胞内ドメインを有する白血病特異的抗CD19 CAR、1928z又は4-1BBz細胞内ドメインを有する前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CAR又はHBVコア抗原特異的HBcore18-27 TCRである、合成ナノ粒子。
【請求項107】
キャリアーが、正電荷脂質又はポリマーを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項108】
正電荷脂質又はポリマーが、PBAE、ポリ(L-リジン)、PEI、PAMAM、ポリ(アミン-コ-エステル)、PDMAEMA、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、PAGA又はPHPを含む、請求項107に記載の合成ナノ粒子。
【請求項109】
コーティングが、中性又は負電荷脂質又はポリマーを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項110】
中性又は負電荷コーティングが、PGA、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項111】
中性又は負電荷コーティングが、双性イオンポリマーを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項112】
中性又は負電荷コーティングが、リポソームを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項113】
リポソームが、DOTAP、DOTMA、DC-Chol、DOGS、コレステロール、DOPE又はDOPCを含む、請求項112に記載の合成ナノ粒子。
【請求項114】
選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項115】
選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項116】
選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項117】
キャリアーが、PBAEを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項118】
コーティングが、PGAを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項119】
選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーが、PBAEを含み;コーティングが、PGAを含む、請求項106に記載の合成ナノ粒子。
【請求項120】
請求項106に記載の合成ナノ粒子を含む組成物。
【請求項121】
処置を必要とする対象を処置する方法であって、治療有効量の請求項106に記載のナノ粒子又は請求項120に記載の組成物を投与し、それによって処置を必要とする対象を処置することを含む、方法。
【請求項122】
治療有効量のナノ粒子又は組成物を投与する前にT細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
対象が、感染性疾患に対する処置を必要とする、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
感染性疾患が、アデノウイルス、アレナウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、フラビウイルス、ハンタウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、パラミクソウイルス、パルボウイルス、ピコルナウイルス、ポックスウイルス、オルソミクソウイルス、レトロウイルス、レオウイルス、ラブドウイルス、ロタウイルス、海綿状ウイルス又はトガウイルス感染性疾患である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
感染性疾患が、サイトメガロウイルス(CMV)、かぜウイルス、エプスタインバーウイルス、流感ウイルス、肝炎ウイルス、単純ヘルペス、HIV、インフルエンザ、日本脳炎、麻疹、ポリオ、狂犬病、呼吸器合胞体ウイルス、風疹、天然痘、水痘帯状疱疹又は西ナイルウイルス感染性疾患である、請求項123に記載の方法。
【請求項126】
対象が、がんに対する処置を必要とする、請求項121に記載の方法。
【請求項127】
がんが、白血病である、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
がんが、リンパ腫である、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
がんが、幹細胞がん又はメラノーマである、請求項126に記載の方法。
【請求項130】
がんが、実質臓器腫瘍である、請求項126に記載の方法。
【請求項131】
実質臓器腫瘍が、前立腺がんである、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
実質臓器腫瘍が、乳がん、卵巣がん、中皮腫、腎細胞癌、膵臓がん、肺がん又はHBV誘導肝細胞癌である、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
投与後に、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%のインビボT細胞が、治療タンパク質を発現することを達成する、請求項121に記載の方法。
【請求項134】
対象の少なくとも20%において、少なくとも30%において、少なくとも40%において、少なくとも50%において、少なくとも60%において、又は少なくとも70%においてがんの根絶をもたらす、請求項126に記載の方法。
【請求項135】
対象が、再発対象であり、方法が、再発対象の生存の、平均で少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、又は少なくとも37日の改善をもたらす、請求項126に記載の方法。
【請求項136】
エクスビボでナノ粒子に接触させたT細胞の移植と少なくともおよそ同じ効能を生じる、請求項121に記載の方法。
【請求項137】
エクスビボで形質導入されたCAR+T細胞の移植と少なくともおよそ同じ効能を生じる、請求項121に記載の方法。
【請求項138】
請求項106に記載の合成ナノ粒子及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項139】
請求項106に記載の合成ナノ粒子を凍結乾燥された形態で含む医薬組成物。
【請求項140】
対象を処置する方法であって、請求項139に記載の組成物を薬学的に許容されるキャリアー中に再構成して溶液を形成し、溶液を対象中に注射することを含む方法。
【請求項141】
請求項106に記載の合成ナノ粒子及び疾患又は障害を処置するのに使用するための使用説明書を含むキット。
【請求項142】
合成ナノ粒子が、凍結乾燥されている、請求項141に記載のキット。
【請求項143】
合成ナノ粒子が、溶液の形態である、請求項141に記載のキット。
【請求項144】
薬学的に許容されるキャリアーをさらに含む、請求項141に記載のキット。
【請求項145】
注射デバイスをさらに含む、請求項141に記載のキット。
【請求項146】
細胞誘引物質をさらに含む、請求項141に記載のキット。
【請求項147】
正電荷キャリアーマトリックス、中性又は負電荷コーティング、少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンド及び合成mRNAを含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2018年5月1日に提出された米国特許仮出願第62/665,280号の優先権を主張するものであり、前記特許文献の全内容は参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、インビボで遺伝子改変された選択された細胞型による治療タンパク質の発現に基づく処置プロトコールを提供する。処置プロトコールは、選択された細胞型を処置部位に引き付ける細胞誘引物質を、及び/又は処置部位におけるマクロファージ活性化プロトコールを、さらに利用することができる。
【背景技術】
【0003】
多くの新しい医学療法は、患者の免疫系の細胞を遺伝子改変して疾患又は感染と闘うことを含む。例えば、養子T細胞療法は、T細胞が患者から収穫されがん細胞を標的にして殺傷するように遺伝子改変される、強力ながん療法である。しかし、薬物を標準化された形で大量に調製するよりはむしろ、患者ごとに遺伝子操作されたT細胞製品を製造するために関する複雑さ及び高コストのせいで、小分子薬物又はモノクローナル抗体などの現在の最前線療法の選択肢を打ち負かすのは困難になっている。例えば、養子T細胞療法のためにT細胞を遺伝子改変するには一般的に:
(i)患者からT細胞を抽出する白血球アフェレーシス(すなわち、患者は2本の静脈チューブによりアフェレーシス装置に数時間繋がれる;これは患者には快適ではなく、かなりの費用を招き、最終的には自家性T療法の大規模採用がアフェレーシス能力の有効性により制限される速度になる可能性がある);
(ii)T細胞の活性化及び遺伝子改変;
(iii)サイトカイン補充組織培養培地での2週間にわたる遺伝子改変されたT細胞の増殖;
(iv)投与に先立ってT細胞を洗浄し濃縮する(中央施設で作成され遠隔処置センターまで輸送されるT細胞製品には、凍結保存);及び
(v)遺伝子改変されたT細胞製品の配合バッチごとの品質管理(QC)リリースアッセイ
を必要とする。遺伝子改変されたT細胞製品を製造する費用及び複雑さにさらに上乗せして、これらの手順はすべて、維持し実行するのが高価である環境制御された優良医薬品製造基準(GMP)条件下で行わなければならない。さらに、遺伝子改変されたT細胞製品は処置されることになっている患者由来の出発物質(T細胞)から作成されるので、実質的なスケールメリットはない。
【0004】
多くの遺伝子改変細胞型に関連するもう1つの欠点は、細胞が投与後に患者の中にいつまでも残り、望ましくない及び/又は長引く副作用をもたらすこともあることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、効果的でスケーラブルであるが、それほど永続的ではない療法を達成する機構が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(開示の要旨)
本開示は、インビボで遺伝子改変された選択された細胞型による核酸及び/又は治療タンパク質などのタンパク質の発現に基づく処置プロトコールを提供する。一部の実施形態において、治療タンパク質の発現は一過性であり、長引く副作用の可能性に関する懸念が克服される。さらに、処置プロトコールは、養子T細胞療法(及び類似する処置プロトコール)が必要とするすべての高価な細胞処理ステップを必要とせずに、インビボで選択された細胞型の遺伝子改変を達成できるナノ粒子を利用する。
【0007】
特定の実施形態において、選択された細胞型を遺伝子改変して治療タンパク質を発現させるナノ粒子が投与される対象は、治療タンパク質発現のレベルについてモニターされる。発現が閾値より下に低下したら、処置担当医師は、ナノ粒子のそれに続く用量を投与して対象内での治療タンパク質発現を延長するべきかどうかを決めることができる。この手順は治療目的が達成され、医師が、対象内で治療タンパク質を連続して発現させても何ら有益な臨床目的を果たさないと判定するまで繰り返すことができる。
【0008】
特定の実施形態において、本開示は、選択された細胞型をインビボで遺伝子改変して、核酸又は治療タンパク質などのタンパク質を5~10日間発現させるナノ粒子の投与を提供する。特定の実施形態において、ナノ粒子プログラムされた細胞は、記載されたナノ粒子へのインビボ曝露に続いて平均で7日間この表面で治療タンパク質を一過性に発現する。
【0009】
特定の実施形態において、本開示は、選択された細胞型を身体内の処置部位に引き付ける細胞誘引物質を利用することを提供する。選択された細胞型を処置部位に引き付けることに続いて、引き付けられた細胞型を遺伝子改変して治療タンパク質を一過性に発現させるナノ粒子は処置部位に局所的に投与することができる。特定の実施形態において、細胞誘引物質は、ナノ粒子送達24時間前に処置部位に投与される。
【0010】
特定の実施形態において、細胞誘引物質は、対象内の所望の部位へ細胞を動員するために、ナノ粒子の臨床的に適切な時間窓内に対象に投与される。例えば、腫瘍部位へのT細胞の動員は、T細胞誘引物質を腫瘍中に又は近傍に投与することにより成し遂げられる。次に、T細胞誘引物質の臨床的に適切な時間窓内で施されるナノ粒子処置は、例えば、腫瘍に向けられる治療タンパク質の発現のために引き付けられたT細胞を有利に標的にすることができる。
【0011】
特定の実施形態は、選択された細胞型の活性化状態を再プログラムするナノ粒子をさらに利用する。例えば、特定の実施形態は、処置部位でマクロファージを活性化するナノ粒子を利用する。
【0012】
本開示は、処置プロトコールが、例えば、リンパ腫、前立腺がん、B型肝炎ウイルス(HBV)誘発肝細胞癌、卵巣がん、神経膠芽腫及び肺がんに対する治療的に効果的な処置を提供する。
【0013】
本明細書に記載される処置プロトコールは、悪性腫瘍又は感染症を抱えた患者の処置のために、長引く副作用に関する懸念が克服されている入手可能な既製の試薬を使用する結果をもたらす。そのような製品は、診断の日に、及び医学的に必要なだけ何回でも、利用可能となり得る。
【0014】
これに添えて提出される図の少なくとも1つはカラーでのほうがよく理解される。出願者は図(複数可)のカラーバージョンを最初の提出物の一部と見なしており、図のカラー画像を後の手続きで提出する権利を留保する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】代表的な実施形態の図解。ナノ粒子100は、ポリマー(複数可)120と共にパッセンジャーmRNA核酸(複数可)110を含むコアを取り囲むコーティング105を含む。コーティング105の外側に包埋している及び/又は会合しているのは、1つ以上の細胞ターゲティングリガンド140である。ナノ粒子100は、標的細胞160の表面上で細胞ターゲティングリガンド(複数可)140と分子(複数可)150の間の相互作用を通じて標的細胞160(例えば、T細胞)を特異的に標的にする。ナノ粒子の内容物が標的細胞160の細胞質中に放出されると(例えば、受容体誘導エンドサイトーシスを通じて)、パッセンジャーmRNA核酸(細胞140内部の110’として示されている)は翻訳されて、例えば、標的細胞160の表面上でタンパク質170を発現する。
【
図2】ポリマーナノ粒子が担持するインビトロ転写(IVT)mRNAを使用して、疾患特異的キメラ抗原受容体(CAR)又はT細胞受容体(TCR)を発現するようにT細胞をインサイツで再プログラムするための組成物及び方法の実施形態を図解する全体像。これらのナノ粒子は、ナノ粒子を標的としての細胞傷害性T細胞に向けるリガンドで被覆されているので、ナノ粒子は、患者の循環中に注入された後は、ナノ粒子が担持している核酸(複数可)をリンパ球中に移行させ、リンパ球をこの表面上で治療タンパク質(例えば、疾患特異的CAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッド)を発現するように一過性にプログラムする。
【
図3A】追加の実施形態及び送達様式の図解。標的化されたmRNAナノ粒子を使用して、腹腔内腫瘍関連マクロファージ(TAM)を殺腫瘍性マクロファージに遺伝子学的に再プログラムする模式図。
図3Aは、カテーテルを経た送達(カテーテルを経た注入)を図解している。ここに図解されるなどの、方向付けられ局所的に注入される送達を通じて、患者は、処置に誘導される炎症が処置部位に局所化されたままであるため、全身毒性を免れることができる。局所的に注入される粒子は、腫瘍環境中の細胞を標的にし、(2)マクロファージ極性化を制御するシグナル伝達経路を(図解される通りに)選択的に再プログラムするヌクレオチドを送達し、(3)局所的に生理的経路により分解可能である。
図3Aに描かれている投与経路を使用すれば、CAR、TCR又はハイブリッドCAR/TCRなどの治療タンパク質を発現させる核酸を含むナノ粒子の送達も可能になる。
【
図3B】追加の実施形態及び送達様式の図解。標的化されたmRNAナノ粒子を使用して、頭蓋内腫瘍関連マクロファージ(TAM)を殺腫瘍性マクロファージに遺伝子学的に再プログラムする模式図。
図3Bは、直接腫瘍注射を経た送達(腫瘍内送達)を図解している。ここに図解されるなどの、方向付けられ局所的に注入される送達を通じて、患者は、処置に誘発される炎症が処置部位に局所化されたままであるため、全身毒性を免れることができる。局所的に注入される粒子は、腫瘍環境中の細胞を標的にし、(2)マクロファージ極性化を制御するシグナル伝達経路を(図解される通りに)選択的に再プログラムするヌクレオチドを送達し、(3)局所的に生理的経路により分解可能である。
図3Bに描かれている投与経路を使用すれば、CAR、TCR又はハイブリッドCAR/TCRなどの治療タンパク質の発現をもたらす核酸を含むナノ粒子の送達も可能になる。
【
図4A】リンパ球プログラミングナノ粒子の設計及び製造。
図4Aは、代表的なT細胞標的化IVT mRNAナノ粒子の模式図。接触させるだけで初代Tリンパ球(非ウイルストランスフェクション法で処理しにくいことで知られている)を遺伝子改変することができる試薬を創造するため、4種の機能的構成成分: (i)ナノ粒子をT細胞に選択的に結合させて、迅速な受容体誘導エンドサイトーシスを開始させてナノ粒子を内部移行させる表面固定ターゲティングリガンド。代表的な実験では、抗CD8結合ドメインを使用した; (ii)ナノ粒子の表面電荷を減少させることによりオフターゲット結合を最小限に抑えるためにナノ粒子を遮蔽する負電荷コーティング。代表的な実験では、ポリグルタミン酸(PGA)を使用してこれを達成した; (iii)核酸を濃縮しこれがエンドソーム中にある間は酵素的分解から保護するが、粒子が細胞質中に輸送された後は核酸を放出して、それによってコードされたタンパク質の転写を可能にするキャリアーマトリックス。この表示では、水溶液条件では1~7時間の半減期を有する生分解性ポリ(βアミノエステル)(PBAE)ポリマー製剤を使用した;及び (iv)キャリアー内にカプセル化されており、例えば、疾患特異的CAR又はTCRの発現を生じる核酸(例えば、IVT mRNA)を含むポリマーナノ粒子が生物工学的に操作された。
【
図4B】リンパ球プログラミングナノ粒子の設計及び製造。
図4Bは、ナノ粒子の製作方法を描く。凍結乾燥及び水和ステップは任意選択的である。
【
図5A】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、白血病特異的1928zCARをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。T細胞が1928z CARナノ粒子に曝露された後の経時的な相対的1928z CAR mRNA発現のqPCR測定。
【
図5B】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、白血病特異的1928zCARをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。1928z CARコードmRNAを担持するナノ粒子と一緒のインキュベーション後の指示された時点でのT細胞のフローサイトメトリー。
【
図5C】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、白血病特異的1928zCARをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。インビトロカプセル化核酸移行効率の概要プロット。
【
図5D】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、白血病特異的1928zCARをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。Rajiリンパ腫細胞に対するナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞対レトロウイルスでトランスフェクトされたT細胞の細胞傷害性を比較するインビトロアッセイ。IncuCyte生細胞分析システムを使用して、1928z CARでトランスフェクトされたT細胞によるRaji NucLight Red細胞の免疫細胞殺傷を経時的に定量化した。データは2つの独立した実験を表している。それぞれのポイントは3通り行われた2つの独立した実験からプールされた平均±s.e.m.を表している。
【
図5E】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、白血病特異的1928zCARをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。トランスフェクトされた細胞によるIL-2(24時間目)並びにTNF-α及びIFN-γ(48時間目)分泌のELISA測定。
【
図5F】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、HBcore18-27TCRをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。T細胞をHBcore18-27TCRナノ粒子に曝露した後の相対的HBcore18-27TCR mRNA発現の経時的なqPCR測定。
【
図5G】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、HBcore18-27TCRをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。カプセル化された核酸移行効率。
【
図5H】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、HBcore18-27TCRをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。カプセル化された核酸移行効率。
【
図5I】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、HBcore18-27TCRをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。HBcore18-27TCRでトランスフェクトされたT細胞による経時的なHepG2-core NucLight Red細胞の細胞殺傷。
【
図5J】IVT mRNAナノ粒子は、CAR-又はTCRコード核酸をヒトT細胞に効率的にトランスフェクトする。単離されたヒトCD8+T細胞は、TCR/CD3及び同時刺激CD28受容体に対する抗体で被覆されたビーズを用いて刺激された。24時間後、ビーズを取り除き、HBcore18-27TCRをコードするmRNAを含有するCD8標的化NPを、濃度3μgのmRNA/10
6細胞の細胞懸濁液に混ぜ合わせた。トランスフェクトされた細胞によるサイトカイン分泌のELISA測定。
【
図6A】ナノ粒子プログラムされたCARリンパ球は、養子T細胞療法に類似する効率で白血病後退を引き起こす。タイムライン及びナノ粒子投与計画。
【
図6B】ナノ粒子プログラムされたCARリンパ球は、養子T細胞療法に類似する効率で白血病後退を引き起こす。NSGマウスに全身的に注射されたホタルルシフェラーゼ発現Rajiリンパ腫細胞の逐次的バイオイメージング。それぞれのコホート(n=10)由来の5匹の代表的マウスが示されている。
【
図6C】ナノ粒子プログラムされたCARリンパ球は、養子T細胞療法に類似する効率で白血病後退を引き起こす。カプラン・マイヤー曲線として描かれた、治療に続く動物の生存。3つの独立した実験からプールされた処置群あたり10匹のマウスが示されている。ms、生存期間中央値。処置された実験群と非処置の対照群の間の統計分析は、ログランク検定を使用して実施され;P<0.05は有意であると見なされた。
【
図6D】ナノ粒子プログラムされたCARリンパ球は、養子T細胞療法に類似する効率で白血病後退を引き起こす。1928z CARをコードするナノ粒子送達IVT mRNAの注射の前と後の末梢T細胞のフローサイトメトリー。ここに示される時点ごとの3つのプロファイルは、群あたり10匹のマウスからなる2つの独立した実験を表している。
【
図6E】ナノ粒子プログラムされたCARリンパ球は、養子T細胞療法に類似する効率で白血病後退を引き起こす。1928z CARナノ粒子の繰り返し注入に続くCARでトランスフェクトされたCD8+T細胞のパーセンテージを表示する概要グラフ。すべてのラインは1匹の動物を表す。2つの独立した実験からプールされた10匹の動物が示されている。
【
図7A】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。抗原発現の多様性を示す140の前立腺がん転移のパネルにまたがるPSCA、PSMA及びROR1抗原発現のヒートマップ。
【
図7B】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。LNCap C42前立腺癌細胞によるPSCA、PSMA及びROR1発現の変異性を示すフローサイトメトリーデータのヒートマップ表示。色は、350の無作為に選択された細胞での発現レベルを示している。
【
図7C】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。移植3週間後、LNCap C42前立腺腫瘍は、インビボ生物発光イメージングにより可視化される。前立腺の背葉における確立した腫瘍(白色矢)の代表的な写真は右側に示されている。
【
図7D】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。NGSマウスの前立腺に同所性に移植されたホタルルシフェラーゼ発現LNCap C42前立腺癌細胞の逐次的バイオイメージング。それぞれのコホート(n=8)由来の4匹の代表的マウスが示されている。
【
図7E】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。タイムライン及びナノ粒子投与計画。
【
図7F】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。カプラン・マイヤー曲線として描かれた、治療に続く動物の生存。3つの独立した実験からプールされた処置群あたり8匹のマウスが示されている。ms、生存期間中央値。処置された実験群と非処置の対照群の間の統計分析は、ログランク検定を使用して実施され;P<0.05は有意であると見なされた。N.s、非有意。
【
図7G】前立腺腫瘍特異的CARをコードするIVT-mRNAナノ粒子は、確立した疾患を持つマウスの生存を改善する。CAR-T細胞療法又はROR1 4-1BBz CAR NP療法に続くLNCap C42前立腺腫瘍細胞上でのROR1抗原発現のフローサイトメトリー定量化。5つの腫瘍からプールされた350の無作為に選択された細胞が示されている。
【
図8】実施例2に記載されるミエロイド及びリンパ球免疫表現型検査パネルにおいて使用される抗体の一覧表。
【
図9A】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9A)マクロファージ極性化の重要な制御因子をコードするmRNAを用いて組み立てられたマクロファージ標的化ポリマーNPの設計。粒子は、PGA-ジマンノースの層で被覆されたPbAE-mRNAポリプレックスコアからなり、PGA-ジマンノースは粒子をM2様マクロファージにより発現される標的マンノース受容体(CD206)に向ける。NPにカプセル化された合成mRNAも描かれており、この合成mRNAは再プログラミング転写因子をコードするように操作されている。
【
図9B】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9B)NPの集団(スケールバー200nm)及び単一NP(挿入図、スケールバー50nm)の透過型電子顕微鏡。
【
図9C】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9C)NPのサイズ分布、NanoSight NS300装置を使用して測定。
【
図9D】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9D)NPは、1時間曝露後骨髄由来マクロファージ(BMDM)の高トランスフェクション(46%)を示した。
【
図9E】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9E)ノ粒子トランスフェクションの24時間後フローサイトメトリーにより測定された骨髄由来マクロファージ(BMDM)中への遺伝子移入効率。
【
図9F】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9F)NPトランスフェクトされた及び非トラスフェクトマクロファージの相対的生存率(Annexin V及びPIを用いて染色することにより評価した)。N.s.;有意でない。
【
図9G】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9G)qRT-PCRにより測定したコドン最適化IRF5 mRNA(青色、左Y軸)及び内在性IRF5 mRNA(黒色、右Y軸)の発現動態。時点ごとにn=3。
【
図9H】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9H)NPトランスフェクションプロトコール及び
図9I~9Kで使用されるBMDMの培養条件を描くタイムライン。
【
図9I】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9I)Toll様受容体6アゴニストMPLAで刺激されたシグネチャーM1細胞と比べたIRF5/IKKβ NP-トランスフェクトされたマクロファージの遺伝子発現プロファイル。結果は、遺伝子発現における倍率変化の分布を示す火山プロットとして描かれている。M1シグネチャー遺伝子が示されている。IRF5/IKKβ NP-トランスフェクトされたマクロファージとM1シグネチャー遺伝子セットの間の重複のP値はGSEAにより決定した。
【
図9J】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9J)IL-4において培養されたマクロファージ対IL-4において培養されIRF5/IKKβ NPをトランスフェクトされた細胞でのM1シグネチャー遺伝子発現のヒートマップ。
【
図9K】IRF5及びIKKβをコードするmRNAを担持するナノ粒子は、炎症性M1様表現型を刷り込むことができる。(
図9K)指示された遺伝子についての平均カウント及びS.E.Mを示す箱ひげ図。
【
図10A】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10A)タイムライン及び投与計画。矢印は、I.P.注射の時間を示している。
【
図10B】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10B)対照及び処置マウスにおける腫瘍成長の連続生物発光イメージング。
【
図10C】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10C)処置対対照マウスについてのカプラン・マイヤー生存曲線。統計解析は対数順位検定を使用して実施した。
【
図10D】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10D)対照としてGFP mRNAを担持するD-マンノース被覆NPの単回i.p.投与の48時間後、異なる免疫細胞亜集団におけるインビボトランスフェクション率のフローサイトメトリー定量化:マクロファージ(CD45+、CD11b+、MHCII+、CD11c、Ly6C-/low、Ly6G-)、単球(CD45+、CD11b+、MHCII+、CD11c-、Ly6C+、Ly6G-)、好中球(CD45+、CD11b+、MHCII+、CD11c-、Ly6G+)、CD4+T細胞(CD45+、TCR-β鎖+、CD4+、CD8)、CD8+T細胞(CD45+、TCR-β鎖+、CD4-、CD8+)、及びナチュラルキラー(NK)細胞(CD45+、TCR-β鎖、CD49b+)を測定した。
【
図10E】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10E)播種性ID8卵巣がんを抱えたマウスの腹膜におけるマクロファージ表現型のフローサイトメトリー分析。動物は、IRF5/IKKβ NPの4回投与又はPBSで処置した。
【
図10F】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10F)Ly6C-、F4/80+、及びCD206+(M2様)マクロファージの相対的パーセント(左パネル)及び絶対数(右パネル)をまとめる箱ひげ図。
【
図10G】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10G)Ly6C-、F4/80+、及びCD206-(M1様)マクロファージについての対応する数。
【
図10H】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10H)PBS対照(上パネル)又はIRF5/IKKβ NP処置動物(下パネル;スケールバー100μm)から単離した卵巣腫瘍浸潤腸間膜の代表的ヘマトキシリン及びエオシン染色切片。代表的悪性病変の10倍拡大図が右側に示されている(スケールバー50μm)。
【
図10I】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10I)それぞれの処置群から単離した腹膜マクロファージにより産生されたサイトカインを測定するLuminexアッセイ。CD11b+、F4/80+腹膜マクロファージは蛍光活性化細胞選別により単離し、エクスビボで培養した。24時間後、細胞培養上澄みを収集した。パラレル実験において、FACS選別CD11b+、F4/80+腹膜マクロファージはpRT-PCRにより直接分析して、マクロファージ表現型の4つの主要制御因子(セルピンB2、Retnla、Ccl11、及びCcl5)の発現レベルを決定した。
【
図10J】IRF5及びIKKβ遺伝子をマクロファージ中に送達するmRNAナノ担体を繰り返し腹腔内に注入すると、播種性卵巣がんを抱えたマウスの平均生存期間が2倍を超える。(
図10I)それぞれの処置群から単離した腹膜マクロファージにより産生されたサイトカインを測定するLuminexアッセイ。CD11b+、F4/80+腹膜マクロファージは蛍光活性化細胞選別により単離し、エクスビボで培養した。24時間後、細胞培養上澄みを収集した。パラレル実験において、FACS選別CD11b+、F4/80+腹膜マクロファージはpRT-PCRにより直接分析して、マクロファージ表現型の4つの主要制御因子(セルピンB2、Retnla、Ccl11、及びCcl5)の発現レベルを決定した。その結果を、
図10Jに箱ひげ図としてまとめている。
【
図11A】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11A)i.p.投与に続くマクロファージ標的化IRF5/IKKβ NPのインビボ生体内分布。NP-送達された(コドン最適化)mRNAは、50μgのmRNAを含有する粒子の単回注射の24時間後qPCRにより検出した。
【
図11B】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11B)実験タイムラインの模式図。最後の投与の
*24時間後、マウスはCO
2吸入により安楽死させた。血液は、血清化学及び全血球計算のために後眼窩出血を通じてヘパリン被覆チューブ中に収集した。死体解剖は、肝臓、脾臓、膵臓、腸間膜及び網、胃、並びに膀胱の組織学的分析のために実施した。
【
図11C】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11C)対照又はNP処置動物から単離された種々の臓器の代表的なヘマトキシリン及びエオシン染色切片。スケールバー、100μm。NP処置動物において見出された病変は比較病理医による分析に基づいて示されここに記載されている。番号が付いた画像ごとに関連する所見は、[1]少数の顆粒球と混ざり合った単核細胞で大部分構成された細胞浸潤物の別々の病巣;軽い骨髄外造血発生。[2]少数の局所的広い領域において、肝細胞は軽度から中等度に腫大している。[3]赤色髄内の中等度の骨髄性(優勢な)、赤血球及び巨大核細胞過形成。[4]白色髄の軽い低細胞性。[5]腸間膜内において、マクロファージ、リンパ球、血漿細胞及び顆粒球の中等度の多巣性浸潤物が存在する。[6]リンパ球、血漿細胞及び顆粒球と混ざり合ったマクロファージの軽度から中等度浸潤物;腺房の軽度の解離及び腺房消失;腺房細胞からのチモーゲン顆粒の軽度のびまん性消失。[7]脂肪組織周辺のマクロファージと混ざり合ったリンパ球の濃い凝集体。[8]胃粘膜内の主及び壁細胞の軽度の多巣性空胞変性。
【
図11D】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11D)血清化学及び血球数。
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図11E】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11E)IRF5/IKKβ NPの単回i.p.注射の4又は8日後の血清IL-6サイトカインのLuminexアッセイ測定。
【
図11F】マクロファージプログラミングmRNAナノ担体は高度に生体適合性であり繰り返し投与が安全である。(
図11F)IRF5/IKKβ NPの単回i.p.注射の4又は8日後の血清TNF-αサイトカインのLuminexアッセイ測定。
【
図12A】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。(
図12A)i.v.投与に続くマクロファージ標的化IRF5/IKKβ NPのインビボ生体内分布。コドン最適化mRNAは、50μgのmRNAを含有する粒子の単回i.v.注射の24時間後にqPCRにより測定した。
【
図12B】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12B)タイムライン及び投与計画。
【
図12C】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12C)健康な肺(左パネル)及びB16F10腫瘍浸潤肺(右パネル)の共焦点顕微鏡。浸潤性マクロファージ集団は緑色の蛍光を発する。
【
図12D】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12D)連続生物発光腫瘍イメージング。
【
図12E】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12E)処置群ごとのカプラン・マイヤー生存曲線。msは生存期間中央値を示す。統計解析は対数順位検定を使用して実施し、P<0.05は有意と見なした。
【
図12F】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12F)2週間の処置に続くそれぞれの群を表すB16F10メラノーマ転移を含有する肺の代表的写真(上の列)及び顕微鏡写真。
【
図12G】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12G)肺腫瘍病巣の数。
【
図12H】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。C57BL/6アルビノマウスに尾部静脈を経て1×10
6のB16F10ホタルルシフェラーゼ発現メラノーマ細胞を注射して、肺転移を確立した。7日後、動物は、IRF5/IKKβ NP処置群、対照GFP NP群、又はPBS対照に無作為に割り当てた。(
図12H)それぞれの処置群由来の気管支肺胞洗浄中の単球/マクロファージ集団の表現型特徴付け。
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図12I】静脈内注入されたIRF5/IKKβナノ粒子は、肺において腫瘍転移を制御することができる。(
図12I)抑制性及び活性化されたマクロファージの相対的パーセンテージのまとめ。
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図13A】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13A)誘導後21日目のRCAS-PDGF-B/Nestin-Tv-a;Ink4a/Arf-/-;Pten-/-トランスジェニックマウスにおけるPDGFβ駆動神経膠腫の開始に続くT2 MRIスキャン、及び組織学的染色。
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図13B】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13B)神経膠腫縁を浸潤するCD68+TAMの共焦点顕微鏡。スケールバー、300μm。
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図13C】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13C)健康な脳組織対神経膠腫におけるマクロファージ(F4/80+、CD11b+)集団のフローサイトメトリー分析。
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図13D】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13D)単独療法としてIRF5/IKKβ処置を受けた、確立した神経膠腫を抱えたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線。タイムライン及び投与計画は上に示されている。ms、生存期間中央値。統計解析は対数順位検定を使用して実施し、P<0.05は統計的に有意と見なした。
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図13E】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13E)脳腫瘍放射線療法と組み合わせたIRF5/IKKβ処置を受けた、確立した神経膠腫を抱えたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線。タイムライン及び投与計画は上に示されている。ms、生存期間中央値。統計解析は対数順位検定を使用して実施し、P<0.05は統計的に有意と見なした。
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図13F】マクロファージ再プログラミングは神経膠腫において放射線療法の結果を改善する。(
図13F)腫瘍進行の連続生物発光イメージング。
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図14A】ヒトIRF5/IKKβをコードするIVT mRNA担持ナノ粒子はヒトマクロファージを効率的に再プログラムする。(
図14A)ヒトTHP-1単核球細胞株を抑制性M2様マクロファージに分化させるタイムライン及び培養条件。
【
図14B】ヒトIRF5/IKKβをコードするIVT mRNA担持ナノ粒子はヒトマクロファージを効率的に再プログラムする。(
図14B)24ウェルにおいて培養され、ヒトIRF5/IKKβ mRNA対対照GFP mRNAを担持するNPの指示された濃度をトランスフェクトされたM2-分化THP1-Lucia細胞の生物発光イメージング。IRF誘導Luciaルシフェラーゼのレベルは、Quanti-Lucを使用してトランスフェクション24時間後に決定した。
【
図14C】ヒトIRF5/IKKβをコードするIVT mRNA担持ナノ粒子はヒトマクロファージを効率的に再プログラムする。(
図14C)生物発光数のまとめ。
【
図14D】ヒトIRF5/IKKβをコードするIVT mRNA担持ナノ粒子はヒトマクロファージを効率的に再プログラムする。(
図14D)IL-1βサイトカイン分泌におけるM1-マクロファージマーカーCD80の差。
【
図14E】ヒトIRF5/IKKβをコードするIVT mRNA担持ナノ粒子はヒトマクロファージを効率的に再プログラムする。(
図14E)表面発現におけるM1-マクロファージマーカーCD80の差。
【
図15-1】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-2】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-3】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-4】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-5】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-6】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-7】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-8】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-9】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-10】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-11】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-12】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-13】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-14】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-15】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-16】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-17】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-18】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-19】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-20】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-21】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-22】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【
図15-23】例示的支持配列:配列番号1:抗ヒト1928z CAR;配列番号2:抗ヒトROR1 CAR;配列番号3:HBV特異的TCR;配列番号4:抗ヒト1928z CAR;配列番号5:抗ヒトROR1(4-1BBz)CAR;配列番号6:抗HBV特異的TCR(HBcore18-27);配列番号7:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号8:抗CD19 scFv(VH-VL)FMC63;配列番号9:CD28エフェクタードメイン;配列番号10:P28z CAR;配列番号11:IgG4-Fc;配列番号12:ヒンジ-CH2-CH3;配列番号13:ヒンジ-CH3;配列番号14:ヒンジのみ;配列番号15:CD28膜貫通ドメイン;配列番号16:CD28細胞質ドメイン(LL~GG);配列番号17:4-1BB細胞質ドメイン;配列番号18:CD3-ζ細胞質ドメイン;配列番号19:T2A;配列番号20:tEGFR;配列番号21:StrepタグII;配列番号22:Mycタグ;配列番号23:V5タグ;配列番号24:FLAGタグ;配列番号25:ヒトIRF5アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1);配列番号26:ヒトIRF5アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2);配列番号27:ヒトIRF5アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3);配列番号28:ヒトIRF5アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4);配列番号29:ヒトIRF5アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5);配列番号30:ヒトIRF5アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6);配列番号31:マウスIRF5タンパク質(pI=5.19、Mw=56005、UniProt目録P56477);配列番号32:ヒトIRF1(UniProt目録P10914);配列番号33:ヒトIRF3アイソフォーム1(UniProt目録Q14653-1);配列番号34:ヒトIRF7アイソフォームA(UniProt目録Q92985-1);配列番号35:ヒトIRF8(UniProt目録Q02556);配列番号36:マウスIRF1(UniProt目録P15314);配列番号37:マウスIRF3(UniProt目録P70671);配列番号38:マウスIRF7 (UniProt目録P70434);配列番号39:マウスIRF7/IRF3 5(D)タンパク質(pI=4.72、MW=58456);配列番号40:マウスIRF8(UniProt目録P23611);配列番号41:マウスIRF8(K310R)タンパク質(pI=6.38、MW=48265);配列番号42:ヒトIKKβアイソフォーム1(UniProt目録O14920-1);配列番号43:ヒトIKKβアイソフォーム2(UniProt目録O14920-2);配列番号44:ヒトIKKβアイソフォーム3(UniProt目録O14920-3);配列番号45:ヒトIKKβアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4);配列番号46:マウスIKKβタンパク質(pI=6.20、MW=84387.61、ジェンバンク受託番号NP_034676.1);配列番号47:ヒトIRF5アイソフォーム1 cds;配列番号48:ヒトIRF5アイソフォーム2 cds;配列番号49:ヒトIRF5アイソフォーム3 cds(ジェンバンク受託番号U51127);配列番号50:ヒトIRF5アイソフォーム4 cds(ジェンバンク受託番号AY504946又はAY504947);配列番号51:ヒトIRF5アイソフォーム5 cds;配列番号52:ヒトIRF5アイソフォーム6 cds;配列番号53:マウスIF5 cds(1494nt);配列番号54:ヒトIRF1 cds;配列番号55:ヒトIRF3アイソフォーム1 cds(NM_001571.5);配列番号56:ヒトIRF7アイソフォームA cds(NM_001572.3);配列番号57:ヒトIRF8 cds;配列番号58:マウスIRF1 cds(NM_001159396.1);配列番号59:マウスIRF3 cds(NM_016849.4);配列番号60:マウスIRF7 cds(NM_016850.3);配列番号61:マウスIRF-7/IRF-3 5(D) cds(1578nt);配列番号62:マウスIRF8 cds;配列番号63:マウスIRF8 K310R cds(1275nt);配列番号64:ヒトIKKβアイソフォーム1 cds;配列番号65:ヒトIKKβアイソフォーム2 cds;配列番号66:ヒトIKKβアイソフォーム3 cds;配列番号67:ヒトIKKβアイソフォーム4 cds;配列番号68:マウスIKKβ cds(2217nt)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
遺伝子治療が成功するかどうかは、目的の選択された細胞中への遺伝子送達機構がうまくいくかどうか次第である。
【0017】
本開示は、平均で7日間持続する1つ以上の核酸の発現を提供することにより、治療目的を達成するように細胞を迅速で選択的に改変する組成物及び方法を提供する。一部の場合、核酸又はタンパク質の一過性発現が生じる。一過性発現は任意選択的に、組成物の1つ以上の繰り返し適用を通じて延ばされ、したがって、重複することもありしないこともある、繰り返される(連続)発現期間を提供できる。所望の治療効果(複数可)を達成するには一過性発現のみが必要になるので、進行中の副作用及び/又は経時的な治療タンパク質発現の減少に関する懸念は克服される。
【0018】
一部の実施形態において、本明細書に開示される組成物及び方法は、養子細胞療法により投与されるエクスビボで形質導入された細胞と同じくらいの、又はこれよりも大きなインビボ治療効果を示す。好都合なことに、本開示の組成物及び方法は、対象へのナノ粒子の投与後に、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、若しくは少なくとも90%のインビボT細胞が、治療タンパク質を発現することを達成する;対象の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、若しくは少なくとも70%においてがんを根絶させ;再発対象の生存の、平均で少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、若しくは少なくとも37日の改善を生じ;エクスビボでナノキャリアーと接触させたT細胞の移植と少なくともおよそ同じ効能を生じ;及び/又はエクスビボで形質導入されたCAR+ T細胞の移植と少なくともおよそ同じ効能を生じる。
【0019】
患者へのナノ粒子組成物の繰り返し送達を含む実施形態が本明細書では特に想定されており、ナノ粒子は患者内で選択された細胞を標的にし、この選択された細胞による治療タンパク質の一過性発現を生じる。特定の実施形態において、繰り返し送達は5~10日ごとに(例えば、7日ごとに)行われる。
【0020】
定義
本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」と「ナノキャリアー」は互換的に使用され、一般には、タンパク質、ポリヌクレオチド又は薬物などの「カーゴ」と呼ばれる別の物質を輸送するためのモジュールのことである。一般に使用されるナノキャリアーは、ミセル、ポリマー、炭素系材料、リポソーム及び他の物質を含む。本開示のナノキャリアーは一般には、少なくとも正電荷キャリアーマトリックス及び中性の又は負電荷コーティングを含む。コーティングは、任意選択的に、挿入された中間層ありの又はなしのキャリアーマトリックスの外表面上にある。カーゴは一般に、治療タンパク質(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)、CAR/TCRハイブリッド、細胞受容体、転写因子、マクロファージ活性化因子若しくはシグナル伝達分子)をコードする、又は治療ポリヌクレオチド(例えば、mRNA、shRNA、gRNA又はsgRNA)をコードするポリヌクレオチドである。
【0021】
本明細書で使用される場合、ナノキャリアーの「コーティング」とは、ナノキャリアーの最外層のことであるが、細胞ターゲティングリガンドはコーティングの部分を遮蔽することがある。コーティングは、負電荷ポリグルタミン酸(PGA)、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸若しくはコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、又は中性電荷両性イオンポリマーなどの中性の又は負電荷コーティングを含みうる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「キャリアーマトリックス」とは、コーティング及びいかなる中間層も除いて、ナノキャリアー中へのカーゴの組込みを媒介するナノキャリアーの成分のことである。一般に、カーゴがポリヌクレオチドである場合、キャリアーマトリックスは正電荷キャリアーマトリックスであり、これはポリヌクレオチドが負電荷なのでキャリアー中にポリヌクレオチドを組み込むのに適している。脂質又はポリマーは、正電荷ポリ(βアミノエステル)、ポリ(L-リジン)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(アミドアミン)デンドリマー(PAMAM)、ポリ(アミン-コ-エステル)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)(PDMAEMA)、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸](PAGA)、又はポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)(PHP);前述のものの組合せ;又は等価物でもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「コーティングの表面から伸びる」とは、リガンドがコーティングに直接的に又は間接的に結合されて、コーティングからリガンドとこの標的を相互作用させるのに十分な距離伸びていることを意味する。結合は、化学的結合により、脂質結合成分のリガンド中への組込み(例えば、タンパク質の膜貫通ドメインへのリガンドの遺伝子融合)により、電荷-電荷相互作用により、又は他の手段により達成しうる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「選択された細胞」とは、ナノキャリアーの製作者又は使用者によりナノキャリアー組成物の標的として選択される細胞又は細胞型のことである。例えば、選択された細胞は、T細胞、B細胞又はNK細胞などの免疫細胞でよい。選択された細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞又は制御性T細胞などの、前述の免疫細胞のサブセットでもよい。選択された細胞は、一部の実施形態において、複数の細胞マーカーにより区別される細胞へのターゲティングを達成するために複数のターゲティングリガンドが用いられるので、前述の免疫細胞のさらなるサブセットでもよい。
【0025】
本明細書で使用される場合、「疾患特異的受容体」とは、疾患についての原因物質に関係する又は疾患を示す生体分子に特異的に結合するタンパク質のことである。例えば、がんについての疾患特異的受容体は、がん細胞上での過剰発現によりなどの、がん細胞を特徴付け、がん細胞を非がん細胞と区別するタンパク質を含むと考えられる。感染症についての疾患特異的受容体は、例えば、感染病原体に直接、特異的に結合する受容体又は感染した細胞の表面に表示される生体分子に特異的に結合する受容体(例えば、ペプチドが感染病原体特異的ペプチドであるペプチド-MHC複合体)を含みうる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「選択的に組み込まれた」とは、ナノキャリアーが、他の細胞中に組み込まれるよりも高い割合で又はこれよりも大きな最大組込み量まで選択された細胞中に組み込まれることを意味する。「選択的に組み込まれた」とは、選択された細胞以外の細胞中への2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、100倍、1000倍又はこれよりも迅速に又は効果的に選択された細胞中に組み込まれることを意味してよい。
【0027】
本明細書で使用される場合、「選択的に結合する」とは、参照分子へよりも少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、100倍、1000倍又はこれよりも高い親和性で標的に結合することを意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「治療タンパク質を発現する」とは、選択された細胞をナノキャリアーに接触させる又はナノキャリアーが対象に投与され、選択された細胞が、ゲル電気泳動、質量分析、蛍光顕微鏡、フローサイトメトリー及び/又はウェスタンブロッティングなどの従来法により検出可能な量で治療タンパク質を発現することを意味する。治療タンパク質が選択された細胞により内因的に発現される場合、「治療タンパク質を発現する」とは、接触又は投与ステップにより、選択された細胞での治療タンパク質の発現が少なくとも5%、10%、15%、20%又はこれよりも多く増加することを意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「HBV誘導肝細胞癌」とは、HBVにより引き起こされたことが分かっている肝細胞癌、又は医療従事者ならば妥当な判断力を使用してHBVにより引き起こされたと理解する肝細胞癌のことである。
【0030】
本明細書で使用される場合、がんの「根絶」とは、完全寛解(CR)のことである。
【0031】
本明細書で使用される場合、「対象」又は「患者」は互換的に使用される。「対象」は任意の哺乳動物を含む。哺乳動物は、例えば、ヒト又は霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ若しくはブタなどの適切な非ヒト哺乳動物が可能である。対象はトリ又は家禽も可能である。好ましくは、対象はヒトである。対象は、雄又は雌が可能である。これを必要とする対象とは、状態、例えば、自己免疫疾患、感染症、がん又は前がん状態を有すると以前診断された又は確認されたことがないヒトが可能である。これを必要とする対象とは、がん又は前がん状態を有すると以前診断された又は確認されたことがあるヒトが可能である。これを必要とする対象とは、状態、例えば、自己免疫疾患、感染症、がん又は前がん状態を有している(罹っている)ヒトも可能である。あるいは、これを必要とする対象とは、人口全般と比べてそのような障害を発症するリスクがあるヒト(すなわち、人口全般と比べてそのような障害を発症しやすい対象)が可能である。
【0032】
任意選択的に、これを必要とする対象は、状態のために少なくとも1つの治療介入をすでに受けたことがある、受けている最中である又は受けることになっている。
【0033】
これを必要とする対象は、ごく最近の治療に難治性状態、例えば、難治性がんを有していてよい。「難治性がん」とは、前もって施された処置に応答しないがんを意味する。がんは、処置の開始時に抵抗性でもよく、又は処置中に抵抗性になってもよい。難治性がんは耐性がんとも呼ばれる。一部の実施形態において、これを必要とする対象は、ごく最近の治療での緩解に続くがん再発がある。一部の実施形態において、これを必要とする対象は、がん処置のためのあらゆる既知の効果的治療を受けてうまくいかなかった。一部の実施形態において、これを必要とする対象は、少なくとも1つの以前の治療を受けた。
【0034】
本明細書で使用される場合、「再発性対象」とは、以前の処置後、CR、部分応答(PR)、緩解又は長期の緩解を示したことがあり、続いてがんが再発した対象のことである。
【0035】
本明細書で使用される場合、「エクスビボ」とは、対象又はドナーの身体の外側で細胞に向けられる方法のことである。
【0036】
本明細書で使用される場合、「インビボ」とは、対象の身体において細胞に向けられる方法のことである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「インビトロ」とは、一次細胞にではなく培養により成長させる細胞に向けられる方法のことである。
【0038】
本明細書で使用される場合、「細胞ターゲティングリガンド」又は「選択された細胞ターゲティングリガンド」は互換的に使用され、選択された細胞に(例えば、選択された細胞の表面上のマーカータンパク質を通じて)選択的に結合する生体分子(例えば、タンパク質又はポリヌクレオチド)のことである。一般的に、細胞ターゲティングリガンドは、インビボでナノキャリアーを標的の選択された細胞に選択的に向ける。例示的細胞ターゲティングリガンドは、一本鎖可変断片(scFv)などの抗体断片、合理的に操作された結合剤などの操作されたリガンド、小分子リガンド又はアプタマーを含む。
【0039】
実施形態
特定の実施形態において、一過性発現は、12時間~15日間;18時間~12日間;20時間~14日間;24時間~10日間、24時間~8日間、又は30時間~7日間の発現である。種々の実施形態での一過性発現は14日間以下であることが特に想定されている。例えば、特定の実施形態において、一過性発現は、12日間以下、10日間以下、9日間以下、8日間以下、又は7日間以下持続する検出可能な発現である。より長い発現が望まれる実施形態において、治療タンパク質の一過性発現を提供するナノ粒子は、繰り返し投与、例えば、5~10日間ごとに(例えば、7日ごとに)行われる送達で対象に送達することができる。
【0040】
特定の実施形態において、対象は治療タンパク質の発現についてモニターすることができ、発現が閾値より下に低下したら、処置している医師は、ナノ粒子を追加すれば治療タンパク質が追加で発現されることが保証されるかどうかを決定することができる。
【0041】
特定の実施形態において、ナノ粒子の送達は、静脈内に、又は選択された解剖学的部位(例えば、腫瘍部位)で、その部位に向かって、若しくはその近くでなされ得る。
【0042】
特定の実施形態において、ナノ粒子の送達は、処置部位での細胞誘引物質の使用と協調させることができる。例えば、対象に、解剖学的部位に細胞型を引き付ける作用薬を投与することができる。特定の実施形態において、引き付けられた細胞型は、核酸又は治療タンパク質などのタンパク質を発現するために遺伝子改変用に標的にされる細胞型と同じ細胞型が可能である。例えば、解剖学的部位が腫瘍部位である場合、T細胞を腫瘍部位に引き付けて、次に引き付けられたT細胞を改変して、核酸又は治療タンパク質、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)若しくはCAR/TCRハイブリッドなどのタンパク質を発現させれば有益になることができる。特定の実施形態において、引き付けられた細胞型は、核酸又は治療タンパク質などのタンパク質を発現するために遺伝子改変用に標的にされる細胞型と異なる細胞型が可能である。例えば、解剖学的部位が腫瘍部位である場合、治療タンパク質を一過性発現するよう改変された選択された細胞の活性を支持する細胞を腫瘍部位に引き付ければ有益になることができる。T細胞の活性を支持する細胞は、T細胞のサブセット(例えば、ヘルパーT細胞)、ナチュラルキラー(NK)細胞及びマクロファージを含むことができる。特定の実施形態において、1種よりも多い細胞型を解剖学的部位に引き付ければ有益になることができる。特定の実施形態において、細胞を、ナノ粒子の送達前に解剖学的部位に引き付けることができる(例えば、「事前調整(preconditioning)」)。
【0043】
特定の実施形態において、本明細書に記載される処置プロトコールは処置部位でマクロファージを活性化することも含むことができる。処置部位でマクロファージを活性化すれば、例えば、処置を受けている対象のマクロファージ(複数可)の腫瘍抑制を克服できる。
【0044】
特定の実施形態において、選択された細胞型をインビボで遺伝子改変して核酸又は治療タンパク質などのタンパク質を発現させるために利用されるナノ粒子は、(1)選択された細胞ターゲティングリガンド;(2)正電荷キャリアー;(3)正電荷キャリアー内の核酸;及び(4)中性又は負電荷コーティングを含む。
【0045】
開示されたナノ粒子を細胞の不均一混合物(例えば、インビボ環境)に添加すると、操作されたナノ粒子は選択された細胞集団に結合し受容体媒介エンドサイトーシスを刺激する;この過程はナノ粒子が担持している核酸(例えば、合成mRNA)を進入させ、その結果選択された細胞はコードされた分子を発現し始める(
図1~3B)。DNAではなくmRNAが使用される場合はトランス遺伝子の核内輸送及び転写は必要ないので、この過程は、一部の場合、迅速で効率的である。必要ならば、所望の結果が達成されるまでナノ粒子の追加の適用を実施することができる。特定の実施形態において、ナノ粒子は生分解性及び生体適合性である。
【0046】
特定の実施形態において、迅速とは、コードされた核酸の発現が、本明細書に開示されるナノ粒子への細胞の不均一試料の曝露から24時間以内又は12時間以内に選択された細胞型内で始まることを意味する。このタイムラインは、標的化細胞の細胞質中への放出とほぼ同時に(例えば、数分以内に)転写され始めるmRNAなどの核酸を利用して可能になる。
【0047】
特定の実施形態において、効率的なとは、標的化細胞(例えば、一次ヒトT細胞)中へのカプセル化核酸移入が>80%であり、表現型改変がこれらの細胞の少なくとも80%、これらの細胞の少なくとも90%、又はこれらの細胞の100%で起こることを意味する。特定の実施形態において、効率的なとは、標的化細胞中へのカプセル化核酸移入が>80%であり、表現型改変がこれらの細胞の少なくとも25%、これらの細胞の少なくとも33%、又はこれらの細胞の少なくとも50%で起こることを意味する。特定の実施形態において、表現型改変は、送達される核酸がヌクレアーゼをコードするナノ粒子を取り込む選択された細胞の1/3で起こることができる。
【0048】
特定の実施形態において、核酸は、CAR、TCR、CAR/TCRハイブリッド又はマクロファージ活性化因子などの治療タンパク質を発現する合成mRNAを含む。特定の実施形態は、インビトロ転写(IVT)mRNA(例えば、Grudzien-Nogalskaら、Methods Mol.Biol.969:55~72頁、2013年参照)、自己増殖型RNA(sa-RNA;Britoら、Adv Genet.89:179~233頁、2015年);又は閉端型DNA(ceDNA;Liら、PLoS One.2013年 Aug 1(doi.org/10.1371/journal.pone.0069879))を利用して、例えば、白血病特異的1928z CAR、B型肝炎ウイルス(HBV)コア抗原特異的HBcore18-27 TCR、前立腺腫瘍特異的抗ROR1 4-1BBz CAR又はマクロファージ活性化因子を一過性に発現する。
【0049】
本開示の追加の選択肢及び実施形態は今や以下の通りにより詳細に説明される:(i)(a)CAR、TCR及びCAR/TCRハイブリッド並びに(b)マクロファージ活性化因子を含む治療タンパク質の発現;(ii)細胞誘引物質;(iii)ナノ粒子;(iv)組成物;(v)使用方法;(vi)キット;(vii)例示的実施形態;及び(viii)実験例。
【0050】
(i)(a)CAR、TCR及びCAR/TCRハイブリッド並びに(b)マクロファージ活性化因子を含む治療タンパク質の発現。特定の実施形態において、発現は送達されるナノ粒子内の核酸としてのmRNAの使用に基づいている。
【0051】
特定の実施形態において、核酸は合成mRNAを含む。特定の実施形態において、合成mRNAは、5’-キャッピングを使用して細胞内安定性を増やすように操作される。複数の異なる5’-キャップ構造を使用すれば、合成mRNA分子の5’-キャップを作成することができる。例えば、アンチリバースキャップアナログ(ARCA)キャップは5’-5’-三リン酸グアニン-グアニン結合を含有し、そこでは1つのグアニンがN7メチル基並びに3’-O-メチル基を含有する。合成mRNA分子は、5’-キャップ構造を作成する原因となる酵素を使用して転写後にキャップしてもよい。例えば、組換えワクシニアウイルスキャッピング酵素及び組換え2’-O-メチルトランスフェラーゼ酵素は、mRNAの最も5’側の末端ヌクレオチドとグアニンヌクレオチドの間に標準的な5’-5’-三リン酸結合を生み出すことができ、そこにおいてグアニンはN7メチル化を含有し最後の5’-ヌクレオチドはCap1構造を生み出す2’-O-メチルを含有する。これにより、さらに高い翻訳能力及び細胞安定性を有するキャップが生じ、並びに細胞炎症性サイトカインの活性化が低下する。
【0052】
合成mRNA又は他の核酸は環状にしてもよい。合成mRNAは環状化される、又はコンカテマー化されて、翻訳能力のある分子を作成しポリA結合タンパク質と5’末端結合タンパク質の間の相互作用を支援しうる。環状化又はコンカテマー化の機構は、少なくとも3つの異なる経路:1)化学的、2)酵素的、及び3)リボザイム触媒された、を通じて起こりうる。新たに形成された5’-/3’-結合は、分子内でも分子間でもよい。
【0053】
第1の経路において、核酸の5’-末端及び3’-末端は、互いに接近すると分子の5’-末端と3’-末端の間に新たな共有結合を形成する化学反応性基を含有してよい。有機溶媒中で、合成mRNA分子の3’末端の3’アミノ末端ヌクレオチドが5’-NHS-エステル部分に求核攻撃を受けて新しい5’-/3’-アミド結合を形成するように、5’末端はNHS-エステル反応基を含有してよく、3’末端は3’アミノ末端ヌクレオチドを含有してよい。
【0054】
第2の経路では、T4 RNAリガーゼを使用して、5’-リン酸化核酸分子を核酸の3’-ヒドロキシル基に酵素的に連結させて新しいリン酸ジエステル結合を形成してよい。実施例の反応では、1μgの核酸分子を、1~10ユニットのT4 RNAリガーゼ(New England Biolabs、Ipswich、Mass.)と一緒に製造業者のプロトコールに従って37℃で1時間インキュベートすることができる。ライゲーション反応は、並置した5’-と3’-領域の両方と塩基対合して酵素的ライゲーション反応を支援することができるスプリットオリゴヌクレオチドの存在下で起こりうる。
【0055】
第3の経路において、cDNA鋳型の5’-又は3’-末端は、インビトロ転写中に、得られる核酸分子が、核酸分子の5’-末端を核酸分子の3’-末端にライゲートすることができる活性なリボザイム配列を含有できるように、リガーゼリボザイム配列をコードする。リガーゼリボザイムは、グループIイントロン、グループIイントロン、D型肝炎ウイルス、ヘアピンリボザイム由来でもよく又はSELEX(指数関数的濃縮によるリガンドの体系的進化)により選択してもよい。リボザイムリガーゼ反応は、0~37℃の間の温度で1~24時間かかってよい。
【0056】
これらの核酸配列は、特定の実施形態において、タンパク質に翻訳されるRNA配列を含む。核酸配列は完全長核酸配列並びに完全長タンパク質に由来する非完全長配列の両方を含む。配列は、天然の配列の縮重コドン又は特定の選択された細胞型においてコドン選択を提供するように導入してよい配列の縮重コドンも含むことができる。治療タンパク質をコードする遺伝子配列は、一般に公開されているデータベース及び出版物において入手可能である。本明細書で使用される場合、用語「コードする」とは、治療タンパク質の合成のための鋳型としての役目を果たす、プラスミド、遺伝子、cDNA、mRNAなどの核酸の配列の特性のことである。
【0057】
示されているように、核酸を使用して遺伝子改変された細胞による治療タンパク質の発現を推進し、特定の実施形態において、治療タンパク質はCAR、TCR、CAR/TCRハイブリッド又はマクロファージ活性化因子を含む。
【0058】
(a)CAR、TCR及びCAR/TCRハイブリッド。CARとは、少なくとも結合ドメイン及びエフェクタードメイン、並びに任意選択的に、スペーサードメイン及び/又は膜貫通ドメインを含む合成的に設計された受容体のことである。特定の実施形態において、CARとは、scFvの形態での細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び下に定義される刺激性分子由来の機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞質シグナル伝達ドメイン(本明細書では「細胞内シグナル伝達ドメイン」とも呼ばれる)を含む組換えポリペプチドのことである。特定の実施形態において、CARの中心的細胞内シグナル伝達ドメインは、通常はTCR複合体と会合しているのが見出されるCD3ゼータ鎖由来である。下により完全に記載されているように、CD3ゼータシグナル伝達ドメインは、4-1BB(すなわち、CD137)、CD27及び/又はCD28などの少なくとも1つの同時刺激性分子に由来する1つ以上の機能的シグナル伝達ドメインと融合させることができる。本開示の方法及び組成物において有用である例示的CAR及びCAR構造物は、WO2012138475A1、US9624306B2、US9266960B2、US2017017477、EP2694549B1、US20170283504、US20170281766、US20170283500、US20180086846、US20100105136、US20100105136、WO2012079000、WO2008045437、WO2016139487A1及びWO2014039523により提供されるCAR及びCAR構造物であり、前記特許文献のそれぞれはその全体を本明細書に組み込む。
【0059】
TCRとは、天然に存在するT細胞受容体のことである。CAR/TCRハイブリッドとは、TCRのエレメントとCARのエレメントを有するタンパク質のことである。例えば、CAR/TCRハイブリッドは、天然に存在するTCR結合ドメインを、TCR結合ドメインが天然には会合していないエフェクタードメインと一緒に有することができると考えられる。CAR/TCRハイブリッドは、突然変異したTCR結合ドメイン及びITAMシグナル伝達ドメインを有することができると考えられる。CAR/TCRハイブリッドは、天然に存在するTCRを、挿入された天然には存在しないスペーサー領域又は膜貫通ドメインと一緒に有することができると考えられる。
【0060】
特定のCAR/TCRハイブリッドは、TRuC(登録商標)(T細胞受容体融合構築物)ハイブリッド;TCR2 Therapeutics、Cambridge、MA]を含む。例として、TCR融合タンパク質の生産は、国際特許公開WO2018/026953及びWO2018/067993に、並びに米国特許出願公開第2017/0166622号に記載されており、前記特許文献のそれぞれは参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0061】
特定の実施形態において、CAR/TCRハイブリッドは、「T細胞受容体(TCR)融合タンパク質」又は「TFP」を含む。TFPは、i)標的細胞上で表面抗原に結合する、及びii)典型的にはT細胞に又はT細胞表面上に同時に位置する場合、無傷のTCR複合体の他のポリペプチド成分と相互作用することが一般的にできるTCRを含めて、種々のポリペプチド由来の組換えポリペプチドを含む。
【0062】
特定の実施形態において、TFPは、がん抗原(例えば、CD19、ROR1)に結合する抗体断片を含み、抗体断片の配列は、TCRサブユニット又はこの部分をコードする核酸配列に近接しておりこの核酸配列と同じリーディングフレームにある。TFPは、機能的TCR複合体を形成するために、1つ以上の内在性(又は、代わりに、1つ以上の外因性、若しくは内因性と外因性の組合せ)TCRサブユニットと会合することができる。
【0063】
結合ドメインは、標的化細胞上のマーカーに特異的に結合するいかなるペプチドでも特に含むことができる。結合ドメインの供給源は、種々の種由来の抗体可変領域(抗体、sFv、scFv、Fab、scFvベースのグラバボディー、又は可溶性VHドメイン若しくはドメイン抗体の形態が可能である)を含む。これらの抗体は、重鎖可変領域だけを使用して抗原結合領域を形成することができ、すなわち、これらの機能的抗体は、重鎖のみのホモダイマーである(「重鎖抗体」と呼ばれる)(Jespersら、Nat.Biotechnol.22:1161頁、2004年;Cortez-Retamozoら、Cancer Res.64:2853頁、2004年;Baralら、Nature Med.12:580頁、2006年;及びBarthelemyら、J.Biol.Chem.283:3639頁、2008年)。
【0064】
結合ドメインの別の供給源は、ランダムペプチドライブラリーをコードする配列又はscTCR(Lakeら、Int.Immunol.11:745頁、1999年;Maynardら、J.Immunol.Methods 306:51頁、2005年;米国特許第8,361,794号)、フィブリノーゲンドメイン(Weiselら、Science 230:1388頁、1985年)、クニッツドメイン(米国特許第6,423,498号)、デザインドアンキリン反復タンパク質(DARPin)(Binzら、J.Mol.Biol.332:489頁、2003年及びBinzら、Nat.Biotechnol.22:575頁、2004年)、フィブロネクチン結合ドメイン(アドネクチン又はモノボディ)(Richardsら、J.Mol.Biol.326:1475頁、2003年;Parkerら、Protein Eng.Des.Selec.18:435頁、2005年及びHackelら、(2008)J.Mol.Biol.381:1238~1252頁)、システインノットミニタンパク質(Vitaら、(1995)Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)92:6404~6408頁;Martinら、(2002)Nat.Biotechnol.21:71頁、2002年及びHuangら、(2005)Structure 13:755頁、2005年)、テトラトリコペプチド反復ドメイン(Mainら、Structure 11:497頁、2003年及びCortajarenaら、ACS Chem.Biol.3:161頁、2008年)、ロイシンリッチ反復ドメイン(Stumppら、J.Mol.Biol.332:471頁、2003年)、リポカリンドメイン(WO2006/095164、Besteら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)96:1898頁、1999年及びSchonfeldら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)106:8198頁、2009年)、V様ドメイン(米国特許出願公開第2007/0065431号)、C型レクチンドメイン(Zelensky及びGready、FEBS J.272:6179頁、2005年;Beavilら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)89:753頁、1992年及びSatoら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)100:7779頁、2003年)、mAb2又はFcab(Fc抗原結合)(PCT特許出願公開WO2007/098934;WO2006/072620;Wozniak-Knoppら、Prot.Eng.Des.Select.23:4、289~297頁、2010年)、アルマジロ反復ドメイン(Madhurantakamら、Protein Sci.21:1015頁、2012年;PCT特許出願公開WO2009/040338)、アフィリン(Ebersbachら、J.Mol.Biol.372:172頁、2007年)、アフィボディ、アビマー、ノッチン(knottin)、フィノマー(fynomer)、アトリマー(atrimer)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(Weidleら、Cancer Gen.Proteo.10:155頁、2013年)、又は同類の物(Nordら、Protein Eng.8:601頁、1995年;Nordら、Nat.Biotechnol.15:772頁、1997年;Nordら、Euro.J.Biochem.268:4269頁、2001年;Binzら、Nat.Biotechnol.23:1257頁、2005年;Boersma and Pluckthun、Curr.Opin.Biotechnol.22:849頁、2011年)などの別の非抗体スキャフォールドのループ領域におけるアミノ酸の操作された多様性をコードする配列を含む。
【0065】
特定の実施形態において、結合ドメインは、目的の標的(例えば、ペプチド-MHC複合体)に特異的なVα/β及びCα/β鎖(例えば、Vα-Cα、Vβ-Cβ、Vα-Vβ)を含む又はVα-Cα、Vβ-Cβ、Vα-Vβ対を含む一本鎖TCR(scTCR)である。
【0066】
特定の実施形態において、操作されたCAR、TCR及びハイブリッドCAR/TCRは、既知の又は同定されたTCR Vα、Vβ、Cα又はCβのアミノ酸配列に少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、又は100%同一である配列を含み、それぞれのCDRは、目的の標的に特異的に結合するTCR又はこの断片若しくは誘導体からゼロ変化、又は1つ、2つ若しくは3つ以下の変化を含む。
【0067】
特定の実施形態において、ナノ粒子から一過性に発現させることができる操作されたCAR、TCR及びハイブリッドCAR/TCRは、既知の又は同定されたTCR(例えば、高親和性TCR)のVα、Vβ、Cα又はCβに由来する又はこれらに基づくVα、Vβ、Cα又はCβ領域を含み、既知の又は同定されたTCRのVα、Vβ、Cα又はCβと比べた場合、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の挿入、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の欠失、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換又は非保存的アミノ酸置換)、又は上記変化の組合せを含む。挿入、欠失又は置換は、それぞれのCDRがゼロ変化、又は1つ、2つ若しくは3つ以下の変化を含むという条件で、並びに改変Vα、Vβ、Cα又はCβ領域を含有する標的結合ドメインが、それでも野生型に類似する親和性及び作用でこの標的に特異的に結合することができるという条件で、これらの領域のアミノ-若しくはカルボキシ終端又は両方の末端でを含めて、Vα、Vβ、Cα又はCβ領域のいずれの場所にあってもよい。
【0068】
特定の実施形態において、本開示の結合ドメインVH領域は、既知のモノクローナル抗体のVHに由来する又はこれに基づくことができ、既知のモノクローナル抗体のVHと比べた場合、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の挿入、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の欠失、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換又は非保存的アミノ酸置換)、又は上記変化の組合せを含有することができる。挿入、欠失又は置換は、それぞれのCDRがゼロ変化、又は1つ、2つ若しくは3つ以下の変化を含むという条件で、並びに改変VH領域を含有する結合ドメインが、それでも野生型結合ドメインに類似する親和性でこの標的に特異的に結合することができるという条件で、この領域のアミノ-若しくはカルボキシ終端又は両方の末端を含めて、VH領域のいずれの場所にあってもよい。
【0069】
特定の実施形態において、本開示の結合ドメインでのVL領域は、既知のモノクローナル抗体のVLに由来する又はこれに基づいており、既知のモノクローナル抗体のVLと比べた場合、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の挿入、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の欠失、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)、又は上記変化の組合せを含有する。挿入、欠失又は置換は、それぞれのCDRがゼロ変化、又は1つ、2つ若しくは3つ以下の変化を含むという条件で、並びに改変VL領域を含有する結合ドメインが、それでも野生型結合ドメインに類似する親和性でこの標的に特異的に結合することができるという条件で、この領域のアミノ-若しくはカルボキシ終端又は両方の末端を含めて、VL領域のいずれの場所にあってもよい。
【0070】
特定の実施形態において、CAR、TCR又はハイブリッドCAR/TCRの結合ドメインは、軽鎖可変領域(VL)の又は重鎖可変領域(VH)の、又は両方のアミノ酸配列に少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、又は100%同一である配列を含む又はこの配列であり、それぞれのCDRは、目的の標的に特異的に結合するモノクローナル抗体又はこの断片若しくは誘導体から、ゼロ変化、又は1つ、2つ若しくは3つ以下の変化を含む。
【0071】
特定の実施形態において、結合ドメインはPSMAに結合することができる。PSMAに特異的であるいくつかの抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合及び親和性について容易に特徴付けることができる。特定の実施形態において、結合ドメインは、抗メソセリンリガンド(卵巣がん、膵臓がん及び中皮腫を処置することに関連している);抗WT-1(白血病及び卵巣がんを処置することに関連している);抗HIV-gag(HIV感染を処置することに関連している);又は抗サイトメガロウイルス(ヘルペスウイルスなどのCMV疾患を処置することに関連している)を含むことができる。
【0072】
特定の実施形態において、結合ドメインはCD19に結合することができる。特定の実施形態において、結合ドメインは、CD19に特異的なVH及びVL領域を含む一本鎖Fv断片(scFv)である。特定の実施形態において、VH及びVL領域はヒトである。例示的VH及びVL領域は、抗CD19特異的モノクローナル抗体FMC63のセグメントを含む。特定の実施形態において、scFvは、RASQDISKYLNのCDRL1配列、SRLHSGVのCDRL2配列及びGNTLPYTFGのCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化scFvである。特定の実施形態において、scFvは、DYGVSのCDRH1配列、VTWGSETTYYNSALKSのCDRH2配列及びYAMDYWGのCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化scFvである。SJ25C1及びHD37などの他のCD19ターゲティング抗体が知られている(SJ25C1:Bejcekら、Cancer Res 2005年、PMID 7538901;HD37:Pezuttoら、JI 1987年、PMID 2437199)。
【0073】
特定の実施形態において、ヒトCD19に結合するscFv配列は、
【0074】
【0075】
特定の実施形態において、結合ドメインはROR1に結合することができる。特定の実施形態において、scFvは、ASGFDFSAYYMのCDRL1配列(配列番号104)、TIYPSSGのCDRL2配列(配列番号105)及びADRATYFCAのCDRL3配列(配列番号106)を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化scFvである。特定の実施形態において、scFvは、DTIDWYのCDRH1配列(配列番号107)、VQSDGSYTKRPGVPDRのCDRH2配列(配列番号108)及びYIGGYVFGのCDRH3配列(配列番号109)を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化scFvである。ROR1に特異的であるいくつかの抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合及び親和性について容易に特徴付けることができる。
【0076】
特定の実施形態において、ヒトROR1に結合するscFv配列は、
【0077】
【0078】
ナノ粒子の生産に関する追加の記述はPCT/US2018/012507に見出すことができ、前記特許文献は参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0079】
特定の以下のがんは、CAR、TCR及びハイブリッドCAR/TCRの細胞外成分内に、関連細胞マーカー(複数可)(例えば、以下のマーカーのいずれか1つに特異的であるscFvを含むCAR)に結合する結合ドメインを含むことにより標的にすることができる:
【0080】
【0081】
特定の実施形態において、合成mRNA(例えば、IVT mRNA)は、細胞マーカー又はこの断片に特異的に結合するCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドをコードする。
【0082】
前述のものに限定せずに、細胞マーカーは、A33;BAGE;Bcl-2;βカテニン;BCMA;B7H4;BTLA;CA125;CA19-9;CD3、CD5;CD19;CD20;CD21;CD22;CD25;CD28;CD30;CD33;CD37;CD38;CD40;CD52;CD44v6;CD45;CD56;CD79b;CD80;CD81;CD86;CD123;CD134;CD137;CD151;CD171;CD276;CEA;CEACAM6;c-Met;CS-1;CTLA-4;サイクリンB1;DAGE;EBNA;EGFR;EGFRvIII、エフリンB2;ErbB2;ErbB3;ErbB4;EphA2;エストロゲン受容体;FAP;フェリチン;α-フェトプロテイン(AFP);FLT1;FLT4;葉酸結合タンパク質;Frizzled;GAGE;G250;GD-2;GHRHR;GHR;GITR;GM2;GPRC5D;gp75;gp100(Pmel 17);gp130;HLA;HER-2/neu;HPV E6;HPV E7;hTERT;HVEM;IGF1R;IL6R;KDR;Ki-67;ルイスA;ルイスY;LIFRβ;LRP;LRP5;LTβR;MAGE;MART;メソセリン;MUC;MUC1;MUM-1-B;myc;NYESO-1;O-アセチルGD-2;O-アセチルGD3;OSMRβ;p53;PD1;PD-L1;PD-L2;PRAME;プロゲステロン受容体;PSA;PSMA;PTCH1;RANK;ras;Robo1;RORl;サバイビン;TCRα;TCRβ;テネイシン;TGFBR1;TGFBR2;TLR7;TLR9;TNFR1;TNFR2;TNFRSF4;TWEAK-R;TSTAチロシナーゼ;VEGF;及びWT1も含む。
【0083】
特定のがん細胞の細胞マーカーは、
【0084】
【0085】
本開示は、がんの症状又は前がん状態を処置する、予防する又は軽減するための方法を提供する。方法は、本開示の治療有効量のナノキャリアー、又はこの医薬組成物を、これを必要とする対象に投与することを含む。処置しうる例示的がんは、前立腺がん、乳がん、幹細胞がん、卵巣がん、中皮腫、腎細胞癌、メラノーマ、膵臓がん、肺がん、HBV誘導肝細胞癌及び多発性骨髄腫を含む。処置しうるさらなる例示的がんは、髄芽腫、乏突起神経膠腫、卵巣明細胞癌、卵巣類内膜癌(ovarian endomethrioid adenocarcinoma)、卵巣漿液性腺癌、膵管腺癌、膵内分泌腫瘍、悪性横紋筋様腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、上衣腫、神経膠芽腫、髄膜腫、神経膠腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起神経膠腫、松果体芽腫、癌肉腫、脊索腫、性腺外胚細胞腫瘍、腎外性横紋筋様腫瘍(extrarenal rhabdoid tumor)、シュワン腫、皮膚扁平上皮癌、軟骨肉腫、軟組織の明細胞肉腫、ユーイング肉腫、消化管間質肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、類上皮肉腫、腎髄質癌(renal medullo carcinoma)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫及び別段指定されていない(NOS)肉腫を含む。
【0086】
本開示は、がん若しくは前がんの処置における、又はそのようながん若しくは前がんの処置に有用である薬品の調製のための本開示のナノ粒子又はこの医薬組成物の使用をさらに提供する。処置しうる例示的がんは、前立腺がん、乳がん、幹細胞がん、卵巣がん、中皮腫、腎細胞癌、メラノーマ、膵臓がん、肺がん、HBV誘導肝細胞癌及び多発性骨髄腫を含む。処置しうるさらなる例示的がんは、髄芽腫、乏突起神経膠腫、卵巣明細胞癌、卵巣類内膜癌、卵巣漿液性腺癌、膵管腺癌、膵内分泌腫瘍、悪性横紋筋様腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、上衣腫、神経膠芽腫、髄膜腫、神経膠腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起神経膠腫、松果体芽腫、癌肉腫、脊索腫、性腺外胚細胞腫瘍、腎外性横紋筋様腫瘍、シュワン腫、皮膚扁平上皮癌、軟骨肉腫、軟組織の明細胞肉腫、ユーイング肉腫、消化管間質肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、類上皮肉腫、腎髄質癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫及びNOS肉腫を含む。
【0087】
本明細書で開示されるいかなる方法でも、がんは、脳及び中枢神経系(CNS)がん、頭頚部がん、腎臓がん、卵巣がん、膵臓がん、白血病、肺がん、リンパ腫、多発性骨髄腫、肉腫、乳がん並びに前立腺がんからなる群から選択される。一部の実施形態において、がんは、髄芽腫、乏突起神経膠腫、卵巣明細胞癌、卵巣類内膜癌、卵巣漿液性腺癌、膵管腺癌、膵内分泌腫瘍、悪性横紋筋様腫瘍、星状細胞腫、非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、上衣腫、神経膠芽腫、髄膜腫、神経膠腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起神経膠腫、松果体芽腫、癌肉腫、脊索腫、性腺外胚細胞腫瘍、腎外性横紋筋様腫瘍、シュワン腫、皮膚扁平上皮癌、軟骨肉腫、軟組織の明細胞肉腫、ユーイング肉腫、消化管間質肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、類上皮肉腫、腎髄質癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫及びNOS肉腫からなる群から選択される。
【0088】
例えば、感染病原体抗原に結合することにより、感染症病原体に特異的な結合ドメインも想定されている。例えば、これらの抗原は、例えば、ウイルス感染細胞により発現されるウイルス抗原又は他のウイルスマーカーを含む。例示的ウイルスは、アデノウイルス、アレナウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、フラビウイルス、ハンタウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、パラミクソウイルス、パルボウイルス、ピコルナウイルス、ポックスウイルス、オルソミクソウイルス、レトロウイルス、レオウイルス、ラブドウイルス、ロタウイルス、海綿状ウイルス(spongiform viruses)又はトガウイルスを含む。追加の実施形態において、ウイルス抗原マーカーは、CMV、かぜウイルス、エプスタインバーウイルス、流感ウイルス(flu virus)、A型、B型及びC型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、HIV、インフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、風疹ウイルス、天然痘ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス又は西ナイルウイルスにより発現されるペプチドを含む。
【0089】
さらなる特定の例として、サイトメガロウイルス抗原は、外被糖タンパク質B及びCMV pp65を含み;エプスタインバー抗原は、EBV EBNAI、EBV P18及びEBV P23を含み;肝炎抗原は、HBVのS、M及びLタンパク質、HBVのプレS抗原、HBCAG DELTA、HBV HBE、C型肝炎ウイルスRNA、HCV NS3及びHCV NS4を含み;単純ヘルペスウイルス抗原は、最初期タンパク質及び糖タンパク質Dを含み;HIV抗原は、HIV gp32、HIV gp41、HIV gp120、HIV gp160、HIV P17/24、HIV P24、HIV P55 GAG、HIV P66 POL、HIV TAT、HIV GP36などのgag、pol及びenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質並びに逆転写酵素を含み;インフルエンザ抗原は、赤血球凝集素及びノイラミニダーゼを含み;日本脳炎ウイルス抗原は、タンパク質E、M-E、M-E-NS1、NS1、NS1-NS2A及び80%Eを含み;麻疹抗原は、麻疹ウイルス融合タンパク質を含み;狂犬病抗原は、狂犬病糖タンパク質及び狂犬病核タンパク質を含み;呼吸器合胞体ウイルス抗原は、RSV融合タンパク質及びM2タンパク質を含み;ロタウイルス抗原はVP7scを含み;風疹抗原はタンパク質E1及びE2を含み;並びに水痘帯状疱疹ウイルス抗原はgpI及びgpIIを含む。
【0090】
追加の特定の例示的ウイルス抗原配列は、
【0091】
【表3】
を含む。ウイルス抗原の追加の例についてはFundamental Virology、第2版、Fields、B.N.及びKnipe、D.M.編(Raven Press、New York、1991年)を参照されたい。
【0092】
本明細書で開示される特定の実施形態において、改変された免疫系細胞はウイルス感染細胞を認識し破壊する。代わりに、又はさらに、改変単球/マクロファージは、ウイルス粒子による細胞感染の前に末梢組織又は血流(細胞外)からウイルスを除去することができる。B細胞を改変すれば広域中和抗体(broadly neutralizing antibody)を一過性に発現することができる。一例では、B細胞を改変すれば、広域中和抗HIV抗体を一過性に発現することができる。
【0093】
特定の実施形態において、ターゲティング剤は、HIV gagタンパク質、gp120又はB型肝炎外被タンパク質(Sドメイン)を標的にする。
【0094】
特定の実施形態において、マーカーは細菌感染に関連する細胞により発現される。例示的細菌は、アンスラックス(anthrax);グラム陰性バチルス(gram-negative bacilli)、クラミジア(chlamydia)、ジフテリア(diphtheria)、ヘモフィリス・インフルエンザ(haemophilus influenza)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、マラリア(malaria)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、ペルツシス・トキシン(pertussis toxin)、ニューモコッカス(pneumococcus)、リケッチア(rickettsiae)、スタフィロコッカス(staphylococcus)、ストレプトコッカス(streptococcus)及びテタナス(tetanus)を含む。
【0095】
細菌抗原マーカーの特定の例として、アンスラックス抗原は、アンスラックス防御抗原を含み;グラム陰性バチルス抗原はリポ多糖を含み;ヘモフィリス・インフルエンザ抗原は莢膜多糖を含み;ジフテリア抗原はジフテリア毒素を含み;マイコバクテリウム・ツベルクローシス抗原は、ミコール酸、熱ショックタンパク質65(HSP65)、30kDa主要分泌タンパク質及び抗原85Aを含み;ペルツシス・トキシン抗原は、赤血球凝集素、パータクチン、FIM2、FIM3及びアデニル酸シクラーゼを含み;ニューモコッカス抗原は、ニューモリシン及び肺炎球菌莢膜多糖を含み;リケッチア抗原はrompAを含み;ストレプトコッカス抗原はMタンパク質を含み;並びにテタナス抗原はテタナス毒素を含む。
【0096】
単球/マクロファージは、治療目的が細菌感染の処置である場合は、改変するのが特に有用である。1つの特定の実施形態において、単球/マクロファージは、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphyloccus aureus)の表面成分リポテイコ酸又はスタフィロコッカス・アウレウスクランピング因子A(ClfA)を認識するリガンドで改変することができる。
【0097】
特定の実施形態において、免疫細胞は、多剤耐性「スーパバグ」を標的にするように改変される。スーパバグの例は、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)及びエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)(例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター属種(Enterobacter spp.))を含む。
【0098】
特定の実施形態において、マーカーは真菌感染と関連のある細胞により発現される。例示的真菌は、カンジダ菌(candida)、コクシジオイデス(coccidiodes)、クリプトコッカス(cryptococcus)、ヒストプラズマ(histoplasma)、リーシュマニア(leishmania)、プラスモジウム(plasmodium)、プロトゾア(protozoa)、パラサイト(parasites)、シストソーマ(schistosomae)、チネア(tinea)、トキソプラズマ(toxoplasma)及びトリパノソーマ・クルージ(trypanosoma cruzi)を含む。
【0099】
真菌抗原のさらなる特定の例として、コクシジオイデス抗原は小球抗原を含み;クリプトコッカス抗原は莢膜多糖を含み;ヒストプラズマ抗原は熱ショックタンパク質60(HSP60)を含み;リーシュマニア抗原は、gp63及びリポホスホグリカンを含み;プラスモジウム・ファルシパルム(plasmodium falciparum)抗原は、メロゾイト(merozoite)表面抗原、スポロゾイト(sporozoite)表面抗原、スポロゾイト周囲抗原、生殖母細胞/配偶子表面抗原、プロトゾア抗原及びブラッドステージ抗原(blood-stage antigen)pf155/RESAを含む他のパラサイト抗原を含み;シストソーマ抗原はグルタチオン-S-トランスフェラーゼ及びパラミオシンを含み;チネア真菌抗原はトリコフィチンを含み;トキソプラズマ抗原はSAG-1及びp30を含み;並びにトリパノソーマ・クルージ抗原は75~77kDa抗原及び56kDa抗原を含む。
【0100】
単球/マクロファージは、治療目的が真菌感染の処置である場合は、改変するのが特に有用である。
【0101】
特定の実施形態において、マーカーは自己免疫又はアレルギー状態に関連する細胞により発現される。例示的自己免疫状態は、急性壊死性出血性脳疾患、アレルギー性喘息、円形脱毛症、貧血症、アフタ性潰瘍、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎を含む)、喘息、自己免疫性甲状腺炎、結膜炎、クローン病、皮膚エリテマトーデス、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹性皮膚炎を含む)、糖尿病、真性糖尿病、らい性結節性紅斑、角結膜炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、シェーグレン症候群に続発する乾性角結膜炎を含むシェーグレン症候群、スティーブンスジョンソン症候群、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、膣炎及びウェゲナー肉芽腫症を含む。
【0102】
自己免疫抗原の例は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD65)、天然DNA、ミエリン塩基性タンパク質、ミエリンプロテオリビドタンパク質、アセチルコリン受容体成分、サイログロブリン及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体を含む。アレルギー抗原の例は、スギ花粉抗原、ブタクサ花粉抗原、ドクムギ花粉抗原などの花粉抗原、動物由来抗原(例えば、イエダニ抗原及びネコ抗原(feline antigen))、組織適合性抗原並びにペニシリン及び他の治療薬を含む。
【0103】
エフェクタードメイン エフェクタードメインは機能的シグナルを細胞に送ることができる。特定の実施形態において、エフェクタードメインは、細胞応答を直接的に促進する又は細胞応答を直接促進する1つ以上の他のタンパク質と会合することにより間接的に促進する。エフェクタードメインは、標的化細胞上で発現されるマーカーに結合するとCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドを発現する形質導入されたリンパ球の少なくとも1つの機能の活性化を与えることができる。リンパ球の活性化は、増殖、分化、活性化又は他のエフェクター機能のうちの1つ以上を含むことができる。特定の実施形態において、送達されるポリヌクレオチドはエフェクタードメインをコードする。
【0104】
エフェクタードメインは、1つ、2つ、3つ以上の受容体シグナル伝達ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメイン、同時刺激ドメイン又はこれらの組合せを含んでよい。種々のシグナル伝達分子(例えば、シグナル伝達受容体)のいずれか由来のいかなる細胞内エフェクタードメイン、同時刺激ドメイン又は両方でも、本開示のCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドにおいて使用しうる。
【0105】
例示的エフェクタードメインは、4-1BB、CD3ε、CD3δ、CD3ζ、CD27、CD28、CD79A、CD79B、CARD11、DAP10、FcRα、FcRβ、FcRγ、Fyn、HVEM、ICOS、Lck、LAG3、LAT、LRP、NOTCH1、Wnt、NKG2D、OX40、ROR2、Ryk、SLAMF1、Slp76、pTα、TCRα、TCRβ、TRIM、Zap70、PTCH2又はこれらの任意の組合せ由来のドメインを含む。
【0106】
T細胞活性化は、2つのはっきり異なるクラスの細胞質シグナル伝達配列:抗原依存性一次活性化を開始してTCR様シグナルを与えるクラス(一次細胞質シグナル伝達配列)及び抗原非依存的様式で作用して二次又は同時刺激シグナルを与えるクラス(二次細胞質シグナル伝達配列)により媒介されると言える。刺激性様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、受容体チロシンベースの活性化モチーフ又はiTAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含有してよい。一次細胞質シグナル伝達配列を含有するiTAMの例は、CD3ゼータ、FeRガンマ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3エプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b及びCD66d由来の配列を含む。
【0107】
特定の実施形態において、エフェクタードメインは、細胞質シグナル伝達タンパク質と会合する細胞質部分を含み、細胞質シグナル伝達タンパク質は、リンパ球受容体若しくはこのシグナル伝達ドメイン、複数のITAMを含むタンパク質、同時刺激因子又はこれらの任意の組合せである。
【0108】
細胞内シグナル伝達ドメインの例は、CD3ゼータ鎖及び/又は協調して作用しCAR結合に続いてシグナル伝達を開始する共受容体の細胞質配列、並びにこれらの配列の任意の誘導体又は変異体及び同じ機能的能力を有する任意の合成配列を含む。特定の実施形態において、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、任意の他の所望の細胞質ドメイン(複数可)と組み合わされた細胞内シグナル伝達ドメインを含むように設計することができる。例えば、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、細胞内シグナル伝達ドメイン及び同時刺激シグナル伝達領域を含むことができる。同時刺激シグナル伝達領域とは、CARのうちの同時刺激分子の細胞内ドメインを含む部分のことである。同時刺激分子は、マーカーに対するリンパ球の応答に必要である発現されたマーカーリガンド以外の細胞表面分子である。そのような分子の例は、CD27、CD28、4-1BB(CD 137)、OX40、CD30、CD40、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3及びCD83に特異的に結合するリガンドを含む。
【0109】
スペーサー領域 標的認識を最適化するために、標的上の個々のマーカーについてスペーサー領域をカスタマイズすることができる。特定の実施形態において、スペーサー長は、マーカーエピトープの位置、エピトープに対する抗体の親和性並びに/又はマーカー認識に応答して、CAR、TCR若しくはCAR/TCRハイブリッドを発現するリンパ球がインビトロ及び/若しくはインビボで増殖する能力に基づいて選択することができる。
【0110】
典型的には、スペーサー領域は、CAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドの結合ドメインと膜貫通ドメインの間で見出される。スペーサー領域は、結合ドメインの柔軟性を与えることができ、改変細胞において高発現レベルを可能にする。特定の実施形態において、スペーサー領域は、少なくとも10~250アミノ酸、少なくとも10~200アミノ酸、少なくとも10~150アミノ酸、少なくとも10~100アミノ酸、少なくとも10~50アミノ酸又は少なくとも10~25アミノ酸を持つことができ、収載された範囲のいずれかの終点間のいかなる整数も含む。特定の実施形態において、スペーサー領域は250アミノ酸以下;200アミノ酸以下;150アミノ酸以下;100アミノ酸以下;50アミノ酸以下;40アミノ酸以下;30アミノ酸以下;20アミノ酸以下;又は10アミノ酸以下を有する。
【0111】
特定の実施形態において、スペーサー領域は、免疫グロブリン様分子のヒンジ領域、例えば、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3又はヒトIgG4由来のヒンジ領域のすべて又は一部に由来することができる。ヒンジ領域は、二量体化などの望ましくない構造上の相互作用を避けるように改変することができる。特定の実施形態において、ヒンジ領域のすべて又は一部は、免疫グロブリンの定常領域の1つ以上のドメインと組み合わせることができる。例えば、ヒンジ領域の一部は、CH2又はCH3ドメイン又はこれらの変異体のすべて又は一部と組み合わせることができる。
【0112】
膜貫通ドメイン 本明細書に開示されるCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドは膜貫通ドメインも含むことができる。特定の実施形態において、ナノ粒子内において投与されるCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドポリヌクレオチドは、膜貫通ドメインをコードする。膜貫通ドメインは、リンパ球膜でのCAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドの固定を提供する。膜貫通ドメインは、天然の又は合成の供給源に由来してもよい。供給源が天然である場合、ドメインはいかなる膜結合又は膜貫通タンパク質に由来してもよい。膜貫通領域は、T細胞受容体、CD28、CD3、CD45、CD4、CDS、CD9、CDI6、CD22;CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CDI34、CDI37及びCD154のアルファ、ベータ又はゼータ鎖の少なくとも膜貫通領域(複数可)を含む。特定の実施形態において、合成又は変異膜貫通ドメインは、ロイシン及ぶバリンなどの主に疎水性の残基を含む。
【0113】
異なるリガンド結合ドメイン、異なるスペーサー領域長、異なる細胞内結合ドメイン及び/又は異なる膜貫通ドメインをコードする異なる潜在的なCAR、TCR又はCAR/TCR核酸は、インビボで(動物モデルにおいて)及び/又はインビトロで試験すれば、他のCAR、TCR又はハイブリッドCAR/TCRよりも改善された機能を持つCAR、TCR又はハイブリッドCAR/TCRを同定することができる。
【0114】
例示的CAR 特定の実施形態において、CARはCD28及びCD3ζ細胞質シグナル伝達ドメインと組み合わされたPSMA(J591)の細胞外ドメインに特異的な一本鎖抗体(scFv)で構成されたP28z融合受容体を含む。特定の実施形態において、CARはP28z CARを含む。本明細書に記載されるP28z CARの特定の例は、マウス成分を含む。アミノ酸1~797位は抗PSMA scFv(J592)を含み、797~1477位は、マウスCD8膜貫通ドメイン、マウスCD28シグナル伝達ドメイン及びマウスCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。いかなるP28zドメインも最適化されたドメインで個々に置き換えることができる。特定の実施形態において、本明細書に記載されるP28z CARの797~1477位内の膜貫通ドメイン及びシグナル伝達ドメインは、特にヒト又は他の動物での使用のために最適化されたドメインで置き換えることができる。特定の実施形態において、結合ドメインのいかなる全体又は部分も、エフェクタードメインのいかなる全体又は部分も、スペーサードメインのいかなる全体又は部分も及び/又は膜貫通ドメインのいかなる全体又は部分も、ヒト又は他の動物での使用のために最適化することができる。特定の実施形態において、P28z CARはヒトでの使用のために最適化される。ヒト用に最適化される場合、P28z CARは、ヒトでは免疫原性が低下し、非ヒト抗体と比べて非免疫原性エピトープの数が少なくなることができる。
【0115】
特定の実施形態において、ROR1特異的及びCD19特異的CARは、2A2、R12及びR11 mAb(ROR1)並びにFMC63 mAb(CD19)のVL及びVH鎖セグメントを使用して構築することができる。R11及びR12についての可変領域配列は、Yangら、Plos One 6(6):e21018、2011年6月15日に提供されている。それぞれのscFvは、‘ヒンジ-CH2-CH3’(229 AA)、‘ヒンジ-CH3’(119 AA)又は‘ヒンジ’のみ(12 AA)配列のいずれかを含むIgG4-Fc(UniProtデータベース:P01861)由来のスペーサードメインに(Gly4Ser)3タンパク質により連結することができる。すべてのスペーサーは、天然のIgG4-Fcタンパク質の108位に位置する「ヒンジ」ドメイン内にS→P置換を含有することができ、ヒトCD28の27AA膜貫通ドメイン(例示的完全長CD28については、UniProt:P10747を参照されたい)に並びに、(i)天然CD28タンパク質の186~187位に位置するLL→GG置換のあるヒトCD28の41AA細胞質ドメイン又は(ii)ヒト4-1BBの42AA細胞質ドメイン(UniProt:Q07011)のどちらかを含むエフェクタードメインシグナル伝達モジュールに連結することができ、これらのドメインのそれぞれはヒトCD3ζのアイソフォーム3の112AA細胞質ドメイン(UniProt:P20963)に連結することができる。構築物は、キメラ受容体の下流にT2Aリボソームスキップエレメント及びtEGFR配列をコードする。tEGFRは、STREP TAG(登録商標)II(IBA Gmbh Ltd.、Goettingen、DE)、Mycタグ、V5タグ、FLAG(登録商標)タグ(Sigma-Aldrich Corp.、St.Louis、MO)、Hisタグ、又は本明細書で開示される他のペプチド若しくは分子などの配列に結合するタグカセットで置き換える又は補充することができる。それぞれのトランス遺伝子をコードするコドン最適化遺伝子配列を合成して(Life Technologies)、Nhel及びNot1制限部位を使用してepHIV7レンチウイルスベクター中にクローニングすることができる。epHIV7レンチウイルスベクターは、pHIV7のサイトメガロウイルスプロモーターをEF-1プロモーターで置き換えることによりpHIV7ベクターに由来することができる。抗ROR1キメラ受容体、抗CD19キメラ受容体、tEGFR又はタグカセットコードレンチウイルスは、パッケージングベクターpCHGP-2、pCMV-Rev2及びpCMV-G、並びにCALPHOS(商標)トランスフェクション試薬(Takara Clontech)を使用して293T細胞において産生することができる。
【0116】
HER2特異的キメラ受容体は、HER2上の膜近位エピトープを認識するHER2特異的mAbのVL及びVH鎖セグメントを使用して構築することができ、scFvは、IgG4ヒンジ/CH2/CH3、IgG4ヒンジ/CH3及びIgG4ヒンジのみ細胞外スペーサードメインに並びにCD28膜貫通ドメイン、4-1BB及びCD3ζシグナル伝達ドメインに連結させることができる。
【0117】
抗CD19キメラ受容体は、CD19特異的mAb FMC63の配列(scFv:VL-VH)に対応する一本鎖可変断片(scFv)、「ヒンジ-CH2-CH3」ドメイン(229AA、長スペーサー)又は「ヒンジ」ドメインのみ(12AA、短スペーサー)のどちらかを含むIgG4-Fcに由来するスペーサー及び膜近位CD28又は4-1BB同時刺激ドメインのあるCD3ζのシグナル伝達モジュールを、単独で又は縦一列で含むことができる。
【0118】
(b)マクロファージ活性化因子。「マクロファージ活性化(macrophage activation)」とは、マクロファージの表現型又は機能を(i)不活性化状態(inactivated state)から活性化状態(activated state)へ;(ii)非活性化状態から活性化状態へ;(iii)活性化状態からさらに活性化された状態へ;又は(iv)不活性化状態から非活性化状態へ変更するプロセスのことである。不活性化状態とは、腫瘍成長及び転移を促進する免疫抑制された表現型を意味する。非活性化状態とは、マクロファージが腫瘍成長又は転移を促進せず、腫瘍細胞の殺滅を促進もしないことを意味する。活性化状態は、マクロファージが殺腫瘍活性を示すことを意味する。特定の実施形態において、活性化状態により、下でより完全に説明されるM1表現型が生じる。特定の実施形態において、不活性化状態によりM2表現型が生じる。「マクロファージ活性化」とは、マクロファージの表現型又は機能を(i)活性化状態から活性化が低い状態へ;(ii)活性化状態から非活性化状態へ;(iii)活性化状態から不活性化状態へ;又は(iv)非活性化状態から不活性化状態へ変更する過程のことである。特定の実施形態において、不活性化状態はM2である。特定の実施形態において、活性化状態はM1である。
【0119】
マクロファージ刺激ナノ粒子組成物を投与すれば、腫瘍での免疫抑制状態を変更することができ、これにより腫瘍は、本明細書に記載されるナノ粒子とそれによりコードされる治療タンパク質(複数可)とのコンパニオン処置に対してより感受性になる。
【0120】
活性化又は不活性化表現型に向かうマクロファージの極性化は、マクロファージといくつかの異なる分子又は環境との相互作用から生じる。例えば、M1マクロファージ極性化は、トール様受容体(TLR)リガンド(例えば、リポ多糖(LPS)、ムラミルジペプチド、リポテイコ酸、イミキモド、CpG)、IFNγ、TNFα、及びマクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を含む刺激によりトリガーされる。M2極性化マクロファージは、極性化を惹起する刺激に応じて、サブセットに分割することができ:M2aサブセットはIL-4、IL-13又は真菌及び蠕虫感染により誘発され;M2bはIL-1受容体リガンド、免疫複合体及びLPSにより誘発され;M2cはIL-10、TGF-β及びグルココルチコイドにより誘発され;M2dはIL-6及びアデノシンにより誘発される。M2マクロファージ極性化は、IL-21、GM-CSF、補体成分、及びアポトーシス細胞によりトリガーされる場合もある。マクロファージ極性化は、低酸素などの局所的微小環境状態によっても調節される。
【0121】
前述の分子及び環境は、転写因子を含む異なる細胞内シグナル伝達経路をトリガーさせることによりマクロファージ極性化に影響を及ぼす。M1とM2極性化の両方に関与している転写因子は、IRF、シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)、SOCS3タンパク質、及び活性化B細胞の核内因子カッパ軽鎖エンハンサー(NFκB)を含む。マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)も、マクロファージ機能をM1又はM2表現型の方に向けるのに役割を果たしている。
【0122】
IRF/STAT経路は、上で考察したIFN及びTLRシグナル伝達などの刺激により活性化されるが、マクロファージを、STAT1を経てM1活性状態に極性化する。一方、IL-4及びIL-13などの刺激は、マクロファージを、STAT6を経てM2活性状態の方にそらす(Sica A&Bronte V(2007)J Clin Invest 117:1155~1166頁)。したがって、これらのシグナル伝達イベントは、M1マクロファージ極性化の場合、炎症性免疫応答及び殺腫瘍活性を促進する、又はM2マクロファージ極性化の場合、免疫抑制性腫瘍促進応答を促進する。
【0123】
M1表現型の誘導に関係するいくつかの細胞内分子は、Gタンパク質共役型受容体、P2Y(2)R、これはNOS2を経てNOを誘導するのに役割を果たし(Eun SYら、(2014)Int Immunopharmacol 18:270~276頁);SOCS3、これはNFκB/PI-3キナーゼ経路を活性化してNOを生成し(Arnold CEら、(2014)Immunology 141:96~110頁);並びに成長及び分化因子アクチビンA、これはM1マーカーを促進しIL-10を下方調節する(Sierra-Filardi Eら、(2011)Blood 117:5092~5101頁)、を含む。
【0124】
M1表現型の誘導に関与する他の細胞内分子はIRFを含む。IRFは、IFNのウイルス媒介活性化、並びに細胞成長、分化、アポトーシス、及び免疫系活性の調節を含む、多様な役割を有する転写因子のグループである。IRFファミリーのメンバーは、トリプトファン(W)リピートを含有する保存されたN末端DNA結合ドメインを特徴とする。
【0125】
IRF5は、ヘリックスターンヘリックスDNA結合モチーフを有しウイルス-及びIFN誘導シグナル伝達経路を媒介する転写因子である。IRF5は、マクロファージが炎症を促進する又は阻害するかを制御する分子スイッチとして作用する。IRF5は、I型IFN遺伝子、TNF、IL-6、IL-12及びIL-2を含む炎症性サイトカイン、及び腫瘍抑制因子、並びにTh1及びTh17応答を活性化する。IRF5は、染色体7q32に位置するヒトIRF5遺伝子(OMIM ID 607218)によりコードされている。IRF5のいくつかのアイソフォーム/転写変異体が存在することが認識されている。特定の実施形態において、ヒトIRF5のアイソフォームは、アイソフォーム1(UniProt目録Q13568-1、配列番号25)、アイソフォーム2(UniProt目録Q13568-2、配列番号26)、アイソフォーム3(UniProt目録Q13568-3、配列番号27)、アイソフォーム4(UniProt目録Q13568-4、配列番号28)、アイソフォーム5(UniProt目録Q13568-5、配列番号29)、アイソフォーム6(UniProt目録Q13568-6、配列番号30)を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF5のアイソフォームは、配列番号47に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム1、配列番号48に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム2、配列番号49に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム3、配列番号50に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム4、配列番号51に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム5及び配列番号52に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム6を含む。特定の実施形態において、マウスIRF5は配列番号31に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIRF5は、配列番号53に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。M1マクロファージはIRF5を上方調節することが明らかにされている。
【0126】
IRF1及びIRF8も、IFNγなどの炎症誘発性シグナルによるマクロファージの活性化を含む、骨髄系細胞の発生及び機能に極めて重要な役割を果たす、Dror Nら、(2007)Mol Immunol.44(4):338~346頁。特定の実施形態において、ヒトIRF1は、配列番号32に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF1は、配列番号54に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、マウスIRF1は、配列番号36に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIRF1は、配列番号58に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、ヒトIRF8は、配列番号35に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF8は、配列番号57に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、マウスIRF8は、配列番号40に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIRF8は、配列番号62に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。
【0127】
IRF3はIRF1及びIRF2の相同体である。IRF3は、NES、DBD、C末端IRF会合ドメイン及びいくつかの調節リン酸化部位を含む、いくつかの機能的ドメインを含有する。IRF3は、セリン/スレオニンリン酸化すると、転写共役因子であるCREB結合タンパク質と複合体を形成する不活性細胞質形態で見出される。この複合体は核に移動し、IFN-α及び-β、並びに他のインターフェロン誘導遺伝子の転写を活性化する。特定の実施形態において、ヒトIRF3のアイソフォームは、アイソフォーム1(UniProt受託Q14653-1)、アイソフォーム2(UniProt受託Q14653-2)、アイソフォーム3(UniProt受託Q14653-3)、アイソフォーム4(UniProt受託Q14653-4)、及びアイソフォーム5(UniProt受託Q14653-5)を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF3アイソフォーム1は、配列番号33に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF3アイソフォーム1は、配列番号55に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、マウスIRF3は、配列番号37に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIRF3は、配列番号59に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。
【0128】
IRF7は、I型IFN遺伝子の転写活性化において役割を果たすことが明らかにされている。特定の実施形態において、ヒトIRF7のアイソフォーム1は、アイソフォームA(UniProt受託Q92985-1)、アイソフォームB(UniProt受託Q92985-2)、アイソフォームC(UniProt受託Q92985-3)、及びアイソフォームD(UniProt受託Q92985-4)を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF7アイソフォームAは、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、ヒトIRF7アイソフォームAは、配列番号56に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、マウスIRF7は、配列番号38に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIRF7は、配列番号60に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。
【0129】
IRF活性化に寄与する1つ以上のIRF変異体も使用してよい。例えば、アミノ酸残基S425、S427、S430、S436を、アスパラギン酸残基などのリン酸化を模倣する残基で置換するIRF5(アイソフォーム4、配列番号28)のヒト変異体3/変異体4のリン酸化模倣突然変異体(Chen Wら、(2008)Nat Struct Mol Biol.15(11):1213~1220頁);アミノ酸残基T10、S158、S309、S317、S451及び/又はS462を、アスパラギン酸残基などのリン酸化を模倣する残基で置換するIRF5(アイソフォーム2、配列番号26)のヒト変異体5のリン酸化模倣突然変異体(Chang Foreman H-Cら、下記に);IRF5の構成的核蓄積のための、ヒトIRF5アイソフォームa(変異体1、アイソフォーム3、配列番号27)及びアイソフォームb(変異体2、アイソフォーム1、配列番号25)残基S156、S158及びT160からアスパラギン酸残基などのリン酸化を模倣する残基への突然変異(Lin Rら、(2005)J Biol Chem 280(4):3088~3095頁);並びにIRF3のアミノ酸残基S396をアスパラギン酸などのリン酸化を模倣する残基で置換するIRF3リン酸化模倣突然変異体(Chen Wら、下記に)。特定の実施形態において、マウスIRF7/IRF3の融合タンパク質は、IRF3アソシエーションドメイン(配列番号39)の4つのセリン及び1つのスレオニン残基にAsp(D)突然変異を含み、融合タンパク質の構成的活性化及び転位を与える(Lin Rら、(1998)上記;Linら、(2000)Molecular and Cellular Biology 20:6342~6353頁)。特定の実施形態において、IRF3アソシエーションドメインの4つのセリン及び1つのスレオニン残基にD突然変異を含むマウスIRF7/IRF3の融合タンパク質は、配列番号61に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。特定の実施形態において、マウスIRF8突然変異体は、アミノ酸残基310のリジン(K)のアルギニン(R)による置換を含む(配列番号41)。特定の実施形態において、アミノ酸残基310のKのRによる置換を含むマウスIRF8突然変異体は、配列番号63に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。主にK310でIRF8に結合している低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)は、IRF8応答性遺伝子の活性化を阻害する。セントリン特異的プロテアーゼ1(SENP1)はSUMO2/3を標的にする。SENP1の活性は、IRF8(及び他のタンパク質)を「脱SUMO化し」、IRF8にM1マクロファージ分化の抑制因子から活性化因子に(直接的に及びトランスアクチベーション活性を通じて)進ませる。K310残基の突然変異によりSUMOがIRF8に結合するのを妨げると、IRF8特異的遺伝子転写が2~5倍増加する(Chang T-Hら、(2012)上記参照)。
【0130】
本開示の特定の実施形態は、操作されたIRF転写因子を含む。特定の実施形態において、操作されたIRF転写因子は、機能する自己抑制的ドメインを欠き、したがって、フィードバック不活性化に非感受性であるIRFを含む(Thompsonら、(2018)Front Immunol 9:2622頁)。例えば、活性の増加が2~3倍であるヒトIRF5は、ヒトIRF5タンパク質のアミノ酸489~539を欠失させることにより得ることができる(Barnesら、(2002)Mol Cell Biol 22:5721~5740頁)。特定の実施形態において、M2表現型を促進する転写因子である、IRF4の自己抑制的ドメインを欠失させる又は突然変異させると、自己免疫疾患を処置するという文脈においてさらに活性なIRF4を作成することができる。特定の実施形態において、IRFの自己抑制的ドメインは、IRFタンパク質のカルボキシ末端で見出せる。特定の実施形態において、操作されたIRF転写因子は、核においてIRFを捕捉し、したがって、転写を増強する1つ以上の機能する核外移行シグナル(NES)を欠くIRFを含む。例えば、ヒトIRF5の核集積は、2つのロイシン残基をアラニンで置き換える(L157A/L159A)ことによってヒトIRF5のNESを突然変異することにより達成可能である(Linら、(2000)Molecular and Cellular Biology 20:6342~6353頁)。特定の実施形態において、操作されたIRF転写因子は、1つ以上のIRFの融合体、1つ以上のIRFの断片の融合体、及び突然変異したIRFの融合体を含む。
【0131】
NFκBも、マクロファージM1活性化に関係する重要な転写因子である。NFκBは、TNFα、IL1B、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)、IL-6、及びIL12p40を含む多数の炎症性遺伝子の発現を調節する。NFκB活性は、カッパBキナーゼ(IKK)三量体複合体(2つのキナーゼ、IKKα、IKKβ、及び調節タンパク質、IKKγ)の阻害因子の活性化を経て調節される。上流シグナルがIKK複合体で収束すると、これらのシグナルは先ずリン酸化を経てIKKβキナーゼを活性化し、活性化されたIKKβはカッパBの阻害因子(I-κB)である、阻害性分子をさらにリン酸化する。これにより、I-κBがプロテアソーム分解され、NFκB/I-κB複合体からNFκB p65/p50ヘテロ二量体が放出される。次に、NFκB p65/p50ヘテロ二量体は核に移動されて、炎症性遺伝子のプロモーターに結合する。
【0132】
IKKβは、NFκB並びにIRF5などの他の転写因子についての活性化キナーゼである。IKKβは、FOXO3、NCOA3、BCL10、IRS1、NEMO/IKBKG、NFκBサブユニットRELA及びNFKB1、並びにIKK関連キナーゼTBK1及びIKBKEを含む他のいくつかのシグナル伝達経路成分を同様にリン酸化する。特定の実施形態において、ヒトIKKβのアイソフォームは、アイソフォーム1(UniProt目録O14920-1、配列番号42)、アイソフォーム2(UniProt目録O14920-2、配列番号43)、アイソフォーム3(UniProt目録O14920-3、配列番号44)及びアイソフォーム4(UniProt目録O14920-4、配列番号45)を含む。特定の実施形態において、ヒトIKKβのアイソフォームは、配列番号64に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム1、配列番号65に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム2、配列番号66に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム3及び配列番号67に示されるヌクレオチド配列によりコードされるアイソフォーム4を含む。特定の実施形態において、マウスIKKβは、配列番号46に示されるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、マウスIKKβは、配列番号68に示されるヌクレオチド配列によりコードされる。
【0133】
本開示は、IRFを活性化して、腫瘍殺滅のための活性化状態へのTAM再プログラミングをもたらすことができる1種以上の分子と一緒のIRF転写因子の共発現を提供する。特定の実施形態において、共発現戦略は、IRF5とIKKβの共発現;IRF5とTANK結合キナーゼ1(TBK-1)、TNF受容体会合因子6(TRAF6)アダプター、受容体相互作用タンパク質2(RIP2)キナーゼ、及び/又はNFκBキナーゼε(IKKε)の共発現(Chang Foreman H-Cら、(2012)PLoS One 7(3):e33098);IRF5とタンパク質キナーゼDNA-PKの共発現(Ryzhakov Gら、(2015)J of Interferon&Cytokine Res 35(2):71~78頁);IRF5とタンパク質キナーゼチロシンキナーゼBCR-ABLの共発現(Massimo Mら、(2014)Carcinogenesis 35(5):1132~1143頁);並びにIRF5又はIRF8とCOP9シグナロソームの1つ以上の成分の共発現(Korczeniewska Jら、(2013)Mol Cell Biol 33(6):1124~1138頁;Cohen Hら、(2000)J Biol Chem 275(50):39081~39089頁)を含む。
【0134】
示されるように、低酸素も、低酸素誘導性因子HIF-1α及びHIF-2αを通じてマクロファージ極性化に影響を及ぼす。HIF-1αは、NOS2発現を調節しM1表現型の出現を支援し、HIF-2αはArg1発現を調節してM2表現型の出現を支援する(Takeda Nら、(2010)Genes Dev 24:491~501頁)。
【0135】
【0136】
特定の実施形態において、IRFをコードするヌクレオチドは、他のIRFをコードする1つ以上の追加のヌクレオチドと組み合わせて使用される。特定の実施形態において、IRFをコードするヌクレオチドは、他のIRFをコードする1つ以上の追加のヌクレオチドと及びIKKβをコードするヌクレオチドと組み合わせて使用される。特定の実施形態において、IRFをコードするヌクレオチドは、IKKβをコードするヌクレオチドと、0.5対1、1対1、2対1、3対1、4対1、5対1の比で組み合わせて使用される。特定の実施形態において、IRFをコードするヌクレオチドは、IKKβをコードするヌクレオチドと、3対1の比で組み合わせて使用される。
【0137】
表2は、使用すればM1表現型とM2表現型(M2a、M2b、M2c及びM2dと呼ばれるサブ表現型を含む)を区別することができる基準の特定の組合せを提供する。
【0138】
【0139】
マクロファージ表現型を評価するためのアッセイは、M1又はM2表現型に特有の異なる分子シグネチャーを利用することができる。M1マクロファージについて一般的に認められたマーカープロファイルはCD80+であり、M2-マクロファージはCD163+と見なすことができる。したがって、フローサイトメトリーを実施すれば、これらのマーカーについて評価することができる。マクロファージをM1タイプの方に近づけM2タイプから遠ざけることは、IL-12/IL-10比又はCD163-/CD163+マクロファージ比の増加を測定することにより、評価することもできる。特定の実施形態において、M1対M2形態は、光学顕微鏡により評価することができる。特定の実施形態において、食作用アッセイは、マクロファージがM1タイプなのかM2表現型なのかを評価する他のアッセイと併せて使用してもよい。異なるマクロファージ集団の食作用アッセイは、貪食される実体をマクロファージと一緒に細胞あたりの正規化された全表面積と一致する濃度でインキュベートすることにより実施してもよい。貪食される実体をマクロファージ培養物に添加してもよい。貪食される実体は、例えば、蛍光ラベルで標識してもよい。食作用インデックスは、マクロファージあたり測定された全蛍光強度中央値により決定してもよい。食作用の定量化は、例えば、フローサイトメトリーによって行ってもよい。腫瘍細胞殺滅アッセイを利用してもよい。特定の実施形態において、M1表現型は、セルピンB2(ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子の阻害剤)、CCL2(C-Cモチーフケモカインリガンド2)、CCL11(C-Cモチーフケモカインリガンド11)、及びRetnla(レジスチン様アルファ;Fizz1)を含むシグネチャーM2マクロファージ遺伝子の発現の減少を含む。特定の実施形態において、M1表現型は、CCL5(C-Cモチーフケモカインリガンド5)を含むM1分化遺伝子の発現の増加を含む。
【0140】
遺伝子発現(例えば、CD80、CD86及び/又は上記の他の遺伝子のM1発現)は当業者には周知であるアッセイによって測定することができる。遺伝子発現を測定する方法は、NanoString nCounter(登録商標)発現アッセイ(NanoString Technologies、Inc.、Seattle、WA)、ノーザンブロット、ドットブロット、マイクロアレイ、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、RNA-seq、及び定量的RT-PCRを含む。遺伝子発現産物、例えば、タンパク質レベルを測定する方法は、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、ウェスタンブロット、FACS、放射性免疫アッセイ(RIA)、サンドイッチアッセイ、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、免疫組織染色、免疫電気泳動、免疫沈澱、及び抗体又はタンパク質結合剤などの検出試薬を使用する免疫蛍光を含む。
【0141】
(ii)細胞誘引物質 特定の実施形態において、細胞誘引物質を使用して細胞を解剖学的部位(例えば、腫瘍部位)に引き付ける。特定の実施形態において、細胞誘引物質は選択された解剖学的部位で、ここに又はこの近くに投与することができる。特定の実施形態において、細胞誘引物質は、これを選択された解剖学的部位に向ける化合物と一緒に投与することができる。
【0142】
特定の実施形態において、選択された解剖学的部位は腫瘍部位であり、T細胞は腫瘍部位に引き付けられる。特定の実施形態において、引き付けられたT細胞は、治療タンパク質を一過性に発現するように改変されている又は改変されることになる選択されたT細胞を含む。特定の実施形態において、引き付けられた細胞は、治療タンパク質を一過性に発現するように改変されている選択された細胞型の活性を支援する細胞を含む。例えば、T細胞が治療タンパク質を一過性に発現するように改変されている場合、NK細胞又はインバリアントNK(iNKT)細胞を動員して腫瘍特異的T細胞を支援させることができると考えられる。特定の実施形態において、1種よりも多い細胞型を選択された解剖学的部位に引き付けることができる。
【0143】
特定の実施形態において、選択された細胞は、事前調整を使用して解剖学的部位に引き付けることができる。事前調整とは、投与されたナノ粒子により再プログラムされることになる細胞を解剖学的部位に動員することである。特定の実施形態において、事前調整は、T細胞を腫瘍部位に動員し、動員されたT細胞を本明細書に記載されるナノ粒子を用いて再プログラムして腫瘍特異的受容体を一過性に発現させることを含む。
【0144】
したがって、任意選択的に、選択された細胞型による治療タンパク質の発現をもたらすナノ粒子を用いた処置は、処置される腫瘍へのT細胞の動員を刺激するT細胞誘引物質などの細胞誘引物質と協調することができる。適切なT細胞誘引物質はCCL21及びIP10を含む。追加の免疫細胞誘引物質は当技術分野では公知である。例として、以下の細胞/誘引物質対が認識されている。
【0145】
【0146】
当業者であれば、細胞型が異なれば、異なる誘引物質処置により引き付ける/動員することができることを認識する。
【0147】
(iii)ナノ粒子 以前示したように、本開示内で利用されるナノ粒子は、(a)選択された細胞ターゲティングリガンド;(b)正電荷キャリアー;(c)正電荷キャリアー内の核酸;及び(d)中性又は負電荷コーティングを含むことができる。
【0148】
(a)選択された細胞ターゲティングリガンド 特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドは、ナノ粒子表面固定ターゲティングリガンドを含み、このリガンドが、ナノ粒子を選択された細胞に選択的に結合させて迅速な受容体誘導エンドサイトーシスを開始させ、ナノ粒子を内部移行する。特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドは、中性又は負電荷コーティングを構成するポリマーに共有結合している。
【0149】
特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドは、抗体結合ドメイン、scFvタンパク質、DART分子、ペプチド及び/又はアプタマーを含むことができる。特定の実施形態は、抗CD8、抗CD3及び/又は抗CD45抗体結合ドメインを利用してヒトT細胞をトランスフェクトする、並びにCD34、CD133又はCD46を認識する抗体結合ドメインを利用して造血幹細胞(HSC)を標的にする。マクロファージを含む他の細胞型についての結合ドメインの例も提供される。
【0150】
特定の実施形態において、ナノ粒子の選択された細胞ターゲティングリガンドは、不均一細胞集団内で目的の選択された細胞(例えば、免疫細胞又は感染性疾患細胞又は、例えば、ウイルス若しくは他の感染病原体に感染した細胞)に選択的に結合する。本明細書で開示される組成物及び方法に従ったターゲティングでは、選択された細胞は、現在分かっている又は後に発見されるマーカーと関連している。
【0151】
特定の実施形態において、マーカーは抗原である。抗原とは、免疫グロブリン分子の抗原結合領域に結合する、又は免疫応答、例えば、主要組織適合抗原(MHC)細胞タンパク質上での抗原の提示によるT細胞媒介免疫応答を誘発することができる物質のことである。「抗原」は、抗原決定基、ハプテン及び免疫原を含み、これはペプチド、小分子、炭水化物、脂質、核酸又はこれらの組合せでもよい。T細胞への提示のために処理される抗原に言及する場合、用語「抗原」とは、抗原のうち、MHCによりTCRに提示されるT細胞エピトープである部分(例えば、ペプチド断片)のことである。「抗原」に特異的である抗体の形態でB細胞媒介免疫応答の文脈において使用される場合、抗原のうち、抗体の可変ドメイン(軽及び重)の相補性決定領域に結合する部分のことである。結合している部分は直線状又は三次元エピトープでもよい。
【0152】
特定の実施形態において、目的の選択された免疫細胞はリンパ球である。リンパ球は、T細胞、B細胞、NK細胞、単球/マクロファージ及びHSCを含む。
【0153】
T細胞のいくつかの異なるサブセットが発見されており、それぞれが他の全く別な機能を有する。特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドは、受容体媒介エンドサイトーシスを通じて特定のリンパ球集団への選択的方向付けを達成する。例えば、大多数のT細胞は、いくつかのタンパク質の複合体として存在するT細胞受容体(TCR)を有する。天然のT細胞受容体は、2つの分離したペプチド鎖で構成されており、このペプチド鎖は独立したT細胞受容体アルファ及びベータ(TCRα及びTCRβ)遺伝子から産生され、αTCR鎖及びβTCR鎖と呼ばれる。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、αTCR鎖及び/又はβTCR鎖に結合すれば、これらのT細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0154】
γδT細胞は、この表面上に他の全く別なT細胞受容体(TCR)を有するT細胞の小サブセットを表す。γδT細胞では、TCRは1つのγ鎖と1つのδ鎖で構成されている。T細胞のこのグループはαβ T細胞よりははるかに一般的ではない(全T細胞の2%)。にもかかわらず、本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、γTCR鎖及び/又はδTCR鎖に結合すれば、これらのT細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0155】
CD3はすべての成熟T細胞上で発現される。したがって、本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD3に結合すれば、すべての成熟T細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。活性化T細胞は、4-1BB(CD137)、CD69及びCD25を発現する。したがって、本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、4-1BB、CD69又はCD25に結合すれば、活性化T細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。CD5及びトランスフェリン受容体もT細胞上で発現され、これらを使用すればT細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0156】
T細胞は、ヘルパー細胞(CD4+T細胞)と細胞傷害性T細胞(CTL、CD8+T細胞)にさらに分類することができ、細胞傷害性T細胞は細胞溶解性T細胞を含む。Tヘルパー細胞は、数ある機能の中でも、プラズマ細胞へのB細胞の成熟並びに細胞傷害性T細胞及びマクロファージの活性化を含む、免疫過程において他の白血球を支援する。これらの細胞は、これらの表面にCD4タンパク質を発現するので、CD4+T細胞としても知られる。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞(APC)の表面に発現されるMHCクラスII分子によりペプチド抗原を提示されると活性化する。活性化した後は、ヘルパーT細胞は急速に分裂して、能動免疫応答を調節する又は支援するサイトカインと呼ばれる小タンパク質を分泌する。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD4に結合すればTヘルパー細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0157】
細胞傷害性T細胞はウイルス感染した細胞及び腫瘍細胞を破壊し、移植片拒絶にも関係づけられる。これらの細胞は、これらの表面上にCD8糖タンパク質を発現するのでCD8+T細胞としても知られる。これらの細胞は、MHCクラスIに会合している抗原に結合することによりこの標的を認識し、このMHCクラスIは身体のほぼすべての細胞の表面に存在する。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD8に結合すればCTLへの核酸の選択的送達を達成することができる。
【0158】
本明細書で使用される「セントラルメモリー」T細胞(又は「TCM」)とは、この表面でCD62L又はCCR7及びCD45ROを発現し、ナイーブ細胞と比べてCD45RAを発現しない又は発現が減少した、抗原感作を受けたCTLのことである。特定の実施形態において、セントラルメモリー細胞は、CD62L、CCR7、CD25、CD127、CD45RO及びCD95の発現については陽性であり、ナイーブ細胞と比べてCD45RAは発現しても減少している。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD62L、CCR7、CD25、CD127、CD45RO及び/又はCD95に結合すればTCMへの核酸の選択的送達を達成することができる。
【0159】
本明細書で使用される「エフェクターメモリー」T細胞(又は「TEM」)とは、セントラルメモリー細胞と比べてこの表面でCD62Lを発現しない又は発現が減少した、ナイーブ細胞と比べてCD45RAは発現しない又は発現が減少した、抗原感作を受けたT細胞のことである。特定の実施形態において、エフェクターメモリー細胞は、ナイーブ細胞又はセントラルメモリー細胞と比べてCD62L及びCCR7の発現について陰性であり、CD28及びCD45RAを発現するが変化しやすい。エフェクターT細胞は、メモリー又は天然T細胞と比べて、グランザイムB及びパーフォリンについて陽性である。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、グランザイムB及び/又はパーフォリンに結合すればTEMへの核酸の選択的送達を達成することができる。
【0160】
制御性T細胞(「TREG」)はT細胞の亜集団であり、免疫系を調節し、自己抗原に対する耐性を維持し、自己免疫疾患を抑制する。TREGは、CD25、CTLA-4、GITR、GARP及びLAPを発現する。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD25、CTLA-4、GITR、GARP及び/又はLAPに結合すればナイーブTREGへの核酸の選択的送達を達成することができる。
【0161】
本明細書で使用される「ナイーブ」T細胞は、セントラル又はエフェクターメモリー細胞と比べて、CD62L及びCD45RAを発現し、CD45ROは発現しない抗原経験がないT細胞のことである。特定の実施形態において、ナイーブCD8+Tリンパ球は、CD62L、CCR7、CD28、CD127及びCD45RAを含むナイーブT細胞の表現型マーカーの発現を特徴とする。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD62L、CCR7、CD28、CD127及び/又はCD45RAに結合すればナイーブT細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0162】
NK細胞(K細胞及びキラー細胞としても知られている)は、インターフェロン又はマクロファージ由来サイトカインに応答して活性化される。NK細胞は、感染を取り除くことができる抗原特異的細胞傷害性T細胞を適応免疫応答が生み出している間、ウイルス感染を封じ込める働きをする。NK細胞は、CD8、CD16及びCD56を発現するが、CD3は発現しない。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD8、CD16及び/又はCD56に結合すればNK細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0163】
マクロファージ(及びこの前駆体、単球)は身体のすべての組織に属しており(ある特定の例では、ミクログリア、クッパー細胞及び破骨細胞として)、そこでアポトーシス細胞、病原体及び他の非自己成分を貪食する。単球/マクロファージは非自己成分を貪食するので、これらの細胞による選択的取込みのため本明細書に記載されるナノ粒子上に特定のマクロファージ指向剤又は単球指向剤は必要ではない。代わりに、本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD11b、F4/80;CD68;CD11c;IL-4Rα;及び/又はCD163に結合すれば単球/マクロファージへの核酸の選択的送達を達成することができる。マクロファージはTCRを発現せず、したがって、マクロファージは、TCRタンパク質又はCAR/TCRハイブリッドタンパク質をコードするmRNAを含む本明細書に記載されるナノ粒子の粒子についての所望の標的ではないことが認識されている。
【0164】
未成熟な樹状細胞(すなわち、予備活性化)は末端において抗原及び他の非自己成分を貪食し、それに続いて、活性化形態で、リンパ組織のT細胞領域に遊走し、そこで樹状細胞はT細胞に抗原提示する。したがって、マクロファージ同様に、樹状細胞のターゲティングは選択された細胞ターゲティングリガンドに頼る必要がない。選択された細胞ターゲティングリガンドを使用して樹状細胞を選択的に標的にする場合、選択された細胞ターゲティングリガンドは以下のCD抗原:CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD21、CD35、CD39、CD40、CD86、CD101、CD148、CD209及びDEC-205に結合することができる。
【0165】
B細胞は、B細胞受容体(BCR)の存在により他のリンパ球と区別することができる。B細胞の主要な機能は抗体を作成することである。B細胞は、CD5、CD19、CD20、CD21、CD22、CD35、CD40、CD52及びCD80を発現する。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD5、CD19、CD20、CD21、CD22、CD35、CD40、CD52及び/又はCD80に結合すればB細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。B細胞受容体アイソタイプ定常領域を標的にする抗体(IgM、IgG、IgA、IgE)を使用すればB細胞サブタイプを標的にすることができる。
【0166】
リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)は、T細胞、B細胞及び単球/マクロファージすべてにより発現される。したがって、本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、LFA-1に結合すればT細胞、B細胞及び単球/マクロファージへの核酸の選択的送達を達成することができる。
【0167】
本明細書で開示されるナノ粒子の選択的送達のためにHSCも標的にすることができる。HSCは、CD34、CD46、CD133、Sca-1及びCD117を発現する。本明細書で開示される選択された細胞ターゲティングリガンドは、CD34、CD46、CD133、Sca-1及び/又はCD117に結合すれば造血幹細胞への核酸の選択的送達を達成することができる。
【0168】
「選択的送達」とは、核酸が1つ以上の選択されたリンパ球集団により送達され発現されることを意味する。特定の実施形態において、選択的送達は選択されたリンパ球集団だけに限定される。特定の実施形態において、投与された核酸の少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%は選択されたリンパ球集団により送達される及び/又は発現される。特定の実施形態において、選択的送達は、非リンパ球細胞が送達された核酸を発現しないことを保証する。例えば、ターゲティング剤がT細胞受容体(TCR)遺伝子である場合、T細胞だけがTCR発現に必要なゼータ鎖を有するので選択性が保証される。選択的送達は、選択されていない細胞中への核酸取込みがないことにも基づくことができる。
【0169】
選択された細胞ターゲティングリガンドは、リンパ球上に見出されるモチーフに対する結合ドメインを含むことができる。選択された細胞ターゲティングリガンドは、リンパ球中への選択的取り込みを可能にするいかなる選択的結合機構でも含むことができる。特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドは、T細胞受容体モチーフ;T細胞α鎖;T細胞β鎖;T細胞γ鎖;T細胞δ鎖;CCR7;CD1a;CD1b;CD1c;CD1d;CD3;CD4;CD5;CD7;CD8;CD11b;CD11c;CD16;CD19;CD20;CD21;CD22;CD25;CD28;CD34;CD35;CD39;CD40;CD45RA;CD45RO;CD46,CD52;CD56;CD62L;CD68;CD80;CD86;CD95;CD101;CD117;CD127;CD133;CD137(4-1BB);CD148;CD163;F4/80;IL-4Rα;Sca-1;CTLA-4;GITR;GARP;LAP;グランザイムB;LFA-1;トランスフェリン受容体;及びこれらの組合せに対する結合ドメインを含む。
【0170】
特定の実施形態において、結合ドメインは、細胞マーカーリガンド、受容体リガンド、抗体結合ドメイン、ペプチド、ペプチドアプタマー、核酸、核酸アプタマー、スピーゲルマー(spiegelmer)又はこれらの組合せを含む。選択された細胞ターゲティングリガンドの文脈内では、結合ドメインは、別の物質に結合してエンドサイトーシスを媒介することができる複合体を形成するいかなる物質でも含む。
【0171】
抗体結合ドメインは、抗体の結合断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2及び一本鎖Fv断片(scFv)又はリンパ球により発現されるモチーフに特異的に結合する免疫グロブリンの任意の生物学的に効果的な断片を含む。抗体又は抗原結合断片は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ミニ抗体、及び線形抗体のすべて又は一部を含む。
【0172】
ヒト起源由来の抗体又はヒト化抗体はヒトでの免疫原性が低くなっている又はなく、非ヒト抗体と比べて非免疫原性エピトープの数が少ない。抗体及びこれらの断片は一般に、ヒト対象において抗原性のレベルが低下する又はないように選択される。
【0173】
リンパ球により発現されるモチーフに特異的に結合する抗体は、モノクローナル抗体を得る方法、ファージディスプレイの方法、ヒト若しくはヒト化抗体を作成する方法、又は当業者には公知である抗体を産生するように操作されたトランスジェニック動物若しくは植物を使用する方法(例えば、米国特許第6,291,161号及び米国特許第6,291,158号参照)を使用して調製することができる。部分的に又は完全に合成抗体のファージディスプレイライブラリーは入手可能であり、リンパ球モチーフに結合することができる抗体又はこの断片を求めてスクリーニングすることができる。例えば、結合ドメインは、目的の標的に特異的に結合するFab断片を求めてFabファージライブラリーをスクリーニングすることにより同定しうる(Hoetら、Nat.Biotechnol.23:344頁、2005年参照)。ヒト抗体のファージディスプレイライブラリーも利用可能である。さらに、便利な系での免疫原として目的の標的を使用するハイブリドーマ開発のための伝統的戦略(例えば、マウス、HuMAbマウス(登録商標)(GenPharm Int’l、Inc.、Mountain View、CA)、TCマウス(商標)(Kyowa Hakko Kirin Co.、Tokyo、JP;例えば、Takauchiら、J.Periodontol.2005年5月 76(5):680~5頁参照)、KMマウス(登録商標)(Medarex、Inc.、Princeton、NJ)、ラマ、ニワトリ、ラット、ハムスター、ウサギ、等)を使用すれば、結合ドメインを開発することができる。特定の実施形態において、抗体は、選択されたリンパ球により発現されるモチーフに特異的に結合し、非特異的成分とも無関係な標的とも交差反応しない。同定された後は、抗体をコードするアミノ酸配列又は核酸配列を単離する及び/又は決定することができる。
【0174】
特定の実施形態において、選択された細胞ターゲティングリガンドの結合ドメインは、T細胞受容体モチーフ抗体;T細胞α鎖抗体;T細胞β鎖抗体;T細胞γ鎖抗体;T細胞δ鎖抗体;CCR7抗体;CD1a抗体;CD1b抗体;CD1c抗体;CD1d抗体;CD3抗体;CD4抗体;CD5抗体;CD7抗体;CD8抗体;CD11b抗体;CD11c抗体;CD16抗体;CD19抗体;CD20抗体;CD21抗体;CD22抗体;CD25抗体;CD28抗体;CD34抗体;CD35抗体;CD39抗体;CD40抗体;CD45RA抗体;CD45RO抗体;CD46抗体,CD52抗体;CD56抗体;CD62L抗体;CD68抗体;CD80抗体;CD86抗体;CD95抗体;CD101抗体;CD117抗体;CD127抗体;CD133抗体;CD137(4-1BB)抗体;CD148抗体;CD163抗体;F4/80抗体;IL-4Rα抗体;Sca-1抗体;CTLA-4抗体;GITR抗体;GARP抗体;LAP抗体;グランザイムB抗体;LFA-1抗体;又はトランスフェリン受容体抗体を含む。これらの結合ドメインは、前述の抗体のscFv断片からなることもできる。
【0175】
本開示の方法及び組成物において有用である例示的抗体(例えば、scFv)は、WO2014164553A1、US20170283504、US7083785B2、US10189906B2、US10174095B2、WO2005102387A2、US20110206701A1、WO2014179759A1、US20180037651A1、US20180118822A1、WO2008047242A2、WO1996016990A1、WO2005103083A2及びWO1999062526A2に提供される抗体を含み、前記特許文献のそれぞれは参照により本明細書に組み込む。
【0176】
ペプチドアプタマーは、両末端でタンパク質スキャフォールドに結合しているペプチドループ(標的タンパク質に特異的である)を含む。この二重の構造上の制約は、ペプチドアプタマーの結合親和性を抗体に匹敵するレベルにまで大いに増やす。可変性のループ長は典型的には、8~20アミノ酸(例えば、8~12アミノ酸)であり、スキャフォールドは、安定で、可溶性で、小型で、非毒性のいかなるタンパク質(例えば、チオレドキシン-A、ステフィンA三重変異体、緑色蛍光タンパク質、エグリンC、及び細胞転写因子Spl)でもよい。ペプチドアプタマー選択は、酵母ツーハイブリッド法(例えば、Gal4酵母ツーハイブリッド法)又はLexAインターラクショントラップシステムなどの異なるシステムを使用して行うことができる。
【0177】
核酸アプタマーは、Osborneら、Curr.Opin.Chem.Biol.1:5~9頁、1997年;及びCerchiaら、FEBS Letters 528:12~16頁、2002年により記載されるように、標的タンパク質又は他の分子への高親和性で及び特異性での結合を指示する特定の球状構造に折り畳まることにより機能する一本鎖核酸(DNA又はRNA)である。特定の実施形態において、アプタマーは小さい(15kD;又は15~80ヌクレオチド若しくは20~50ヌクレオチド)。アプタマーは一般には、SELEX(指数関数的濃縮によるリガンドの体系的進化;例えば、Tuerkら、Science、249:505~510頁、1990年;Greenら、Methods Enzymology.75~86頁、1991年;及びGoldら、Annu.Rev.Biochem.、64:763~797頁、1995年参照)と呼ばれる手順により1014~1015ランダムオリゴヌクレオチド配列を含むライブラリーから単離される。アプタマーを作成するさらなる方法は、例えば、米国特許第6,344,318号、米国特許第6,331,398号、米国特許第6,110,900号、米国特許第5,817,785号、米国特許第5,756,291号、米国特許第5,696,249号、米国特許第5,670,637号、米国特許第5,637,461号、米国特許第5,595,877号、米国特許第5,527,894号、米国特許第5,496,938号、米国特許第5,475,096号、及び米国特許第5,270,16号に記載されている。スピーゲルマーは、少なくとも1つのβ-リボースユニットがβ-D-デオキシリボース、又は、例えば、β-D-リボース、α-D-リボース、β-L-リボースから選択される改変糖ユニットにより置き換えられていることを除いて、核酸アプタマーに類似している。
【0178】
特定の実施形態において、Egr2はM2マクロファージ上で標的にされる。Egr2についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Abcam、Cambridge、MA;Millipore Sigma、Burlington、MA;Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、Germany;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;and Novus Biologicals、Littleton、COから入手可能である。抗Egr2抗体の産生は、例えば、Murakami Kら、(1993)Oncogene 8(6):1559~1566頁で考察されている。抗Egr2抗体は:ウサギモノクローナル抗Egr2抗体クローンEPR4004;マウスモノクローナル抗Egr2抗体クローン1G5;マウスモノクローナル抗Egr2抗体クローンOTI1B12;ヒトEgr2のAA残基200~300を認識するウサギポリクローナル抗Egr2抗体;ヒトEgr2のAA残基340~420を認識するウサギポリクローナル抗Egr2抗体;及びヒトEgr2のAA残基370~420を認識するウサギポリクローナル抗Egr2抗体を含む。結合ドメインはこれらの抗体及び本明細書に開示される他の抗体由来が可能である。
【0179】
CD206に特異的ないくつかの追加の抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、国際特許第2014/140376号パンフレット、国際特許第2013/174537号パンフレット、米国特許第7,560,534号を参照されたい。CD206についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Proteintech、Rosemont、IL;BioLegend、San Diego、CA;R&D Systems、Minneapolis、MN;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;Novus Biologicals、Littleton、CO;及びBio-Rad、Hercules、CAから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD206抗体は、ラットモノクローナル抗マウスCD206モノクローナル抗体クローンC068C2(カタログ#141732、Biolegend、San Diego、CA)を含む。
【0180】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、ASQSVSHDV(配列番号69)を含むCDRL1配列、YTSを含むCDRL2配列、及びQDYSSPRT(配列番号70)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GYSITSDY(配列番号71)を含むCDRH1配列、YSGを含むCDRH2配列、及びCVSGTYYFDYWG(配列番号72)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD163に結合するMac2-48抗体のCDR配列を反映している。
【0181】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、ASQSVSSDV(配列番号73)を含むCDRL1配列、YASを含むCDRL2配列、及びQDYTSPRT(配列番号74)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GYSITSDY(配列番号75)を含むCDRH1配列、YSGを含むCDRH2配列、及びCVSGTYYFDYWG(配列番号76)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD163に結合するMac2-158抗体のCDR配列を反映している。
【0182】
CD163に特異的ないくつかの追加の抗体又は結合ドメインは当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、国際特許第2011/039510号パンフレット、国際特許第2002/032941号パンフレット、国際特許第2002/076501号パンフレット、及び米国特許出願公開第2005/0214871号参照を参照されたい。CD163についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Enzo Life Sciences、Inc.、Farmingdale、NY;BioLegend、San Diego、CA;R&D Systems、Minneapolis、MN;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;及びRDI Research Diagnostics、Flanders、NJから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD163抗体は、マウスモノクローナル抗CD163抗体クローン3D4;マウスモノクローナル抗CD163抗体クローンBer-Mac3;マウスモノクローナル抗CD163抗体クローンEDHu-1;及びマウスモノクローナル抗CD163抗体クローンGHI/61を含むことができる。
【0183】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、RSSKSLLYKDGKTYLN(配列番号77)を含むCDRL1配列、LMSTRAS(配列番号78)を含むCDRL2配列、及びQQLVEYPFT(配列番号79)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GYWMS(配列番号80)を含むCDRH1配列、EIRLKSDNYATHYAESVKG(配列番号81)を含むCDRH2配列、及びFIDを含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD23に結合するCDR配列を反映している。
【0184】
CD23に特異的ないくつかの追加の抗体又は結合ドメインは当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、米国特許第7,008,623号、米国特許第6,011,138号(5E8、6G5、2C8、B3B1及び3G12を含む抗体)、及び米国特許出願公開第2009/0252725号、Rectorら、(1985)J.Immunol.55:481~488頁;Flores-Rumeoら、(1993)Science 241:1038~1046頁;Sherrら、(1989)J.Immunol.142:481~489頁;及びPeneら、(1988)PNAS 85:6820~6824頁を参照されたい。CD23についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Abcam、Cambridge、MA;Bioss Antibodies、Inc.、Woburn、MA;Bio-Rad、Hercules、CA;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;及びBoster Biological Technology、Pleasanton、CAから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD23抗体は、マウスモノクローナル抗CD23抗体クローンTu1;ウサギモノクローナル抗CD23抗体クローンSP23;ウサギモノクローナル抗CD23抗体クローンEPR3617;マウスモノクローナル抗CD23抗体クローン5B5;マウスモノクローナル抗CD23抗体クローン1B12;マウスモノクローナル抗CD23抗体クローンM-L23.4;及びマウスモノクローナル抗CD23抗体クローン3A2を含むことができる。
【0185】
M1結合ドメイン 特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、SSNIGDNY(配列番号82)を含むCDRL1配列、RDSを含むCDRL2配列、及びQSYDSSLSGS(配列番号83)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GFTFDDYG(配列番号84)を含むCDRH1配列、ISWNGGKT(配列番号85)を含むCDRH2配列、及びARGSLFHDSSGFYFGH(配列番号86)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD38に結合するAb79抗体のCDR配列を反映している。
【0186】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、NSNIGSNT(配列番号87)を含むCDRL1配列、SDSを含むCDRL2配列、及びQSYDSSLSGSR(配列番号88)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GFTFNNYG(配列番号89)を含むCDRH1配列、ISYDGSDK(配列番号90)を含むCDRH2配列、及びARVYYYGFSGPSMDV(配列番号91)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD38に結合するAb19抗体のCDR配列を反映している。
【0187】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、RASQSVSSYLA(配列番号92)を含むCDRL1配列、DASNRAT(配列番号93)を含むCDRL2配列、及びQQRSNWPPTF(配列番号94)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、SFAMS(配列番号95)を含むCDRH1配列、AISGSGGGTYYADSVKG(配列番号96)を含むCDRH2配列、及びDKILWFGEPVFDY(配列番号97)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、米国特許第7,829,693号に記載されるCD38に結合するダラツムマブ抗体のCDR配列を反映している。
【0188】
CD38に特異的ないくつかの抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、国際公開第2005/103083号パンフレット、国際公開第2006/125640号パンフレット、国際公開第2007/042309号パンフレット、国際公開第2008/047242号パンフレット、国際公開第2012/092612号パンフレット、国際公開第2006/099875号パンフレット、国際公開第2011/154453号パンフレット、国際公開第2015/130728号パンフレット、米国特許第7,829,693号、及び米国特許出願公開第2016/0200828号を参照されたい。CD38についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Abcam、Cambridge、MA;及びMillipore Sigma、Burlington、MAから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD23抗体は、ウサギモノクローナル抗CD38抗体クローンGAD-3;マウスモノクローナル抗CD38抗体クローンHIT2;マウスモノクローナル抗CD38抗体クローンAT1;マウスモノクローナル抗CD38抗体クローンAT13/5;ラットモノクローナル抗CD38抗体クローンNIMR-5;及びラットモノクローナルIgG2a、κ抗CD38抗体クローン90/CD38(カタログ#BD Biosciences、San Jose、CA)を含むことができる。
【0189】
特定の実施形態において、Gタンパク質共役受容体18(Gpr18)はM1マクロファージ上で標的にされる。Gpr18についての市販の抗体は、Assay Biotechnology Company Inc.、Sunnyvale、CA;Thermo Fisher、Waltham、MA;Abcam、Cambridge、MA;GeneTex、Inc.、Irvine、CA;及びNovus Biologicals、Littleton、COから入手可能である。特定の実施形態において、抗Gpr18抗体は、ヒトGpr18のアミノ酸1~50の一部を認識するウサギポリクローナル抗Gpr18抗体;ヒトGpr18のアミノ酸160~240を含む領域を認識するウサギポリクローナル抗Gpr18抗体;ヒトGpr18のアミノ酸100~180を含む領域を認識するウサギポリクローナル抗Gpr18抗体;ウサギモノクローナル抗Gpr18抗体クローンEPR12359;及びヒトGpr18のアミノ酸140~190を含む領域を認識するウサギポリクローナル抗Gpr18抗体を含む。
【0190】
特定の実施形態において、ホルミルペプチド受容体2(Fpr2)はM1マクロファージ上で標的にされる。Fpr2についての市販の抗体は、Atlas Antibodies、Bromma、Sweden;Biorbyt、LLC、San Francisco、CA;Cloud-Clone Corp.、Katy、TX;US Biological Life Sciences、Salem、MA;及びNovus Biologicals、Littleton、COから入手可能である。特定の実施形態において、抗fpr2抗体は、マウスモノクローナル抗fpr2抗体クローンGM1D6;マウスモノクローナル抗fpr2抗体クローン304405;組換え抗fpr2抗体クローンREA663;及びfpr2のアミノ酸300~350を含む領域を認識するウサギポリクローナル抗fpr2抗体を含む。
【0191】
特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、RASQSVSSYLA(配列番号98)を含むCDRL1配列、DASSRAT(配列番号99)を含むCDRL2配列、及びQLRSNWPPYT(配列番号92)を含むCDRL3配列を含む可変軽鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。特定の実施形態において、ターゲティングリガンドは、GYGMH(配列番号100)を含むCDRH1配列、VIWYDGSNKYYADSVKG(配列番号101)を含むCDRH2配列、及びDTGDRFFDY(配列番号102)を含むCDRH3配列を含む可変重鎖を含むヒト又はヒト化結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。これらは、CD64に結合するCDR配列を反映している。
【0192】
CD64に特異的ないくつかの抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、米国特許第7,378,504号、国際公開第2006/131953号パンフレット、及び国際公開第2008/074867号パンフレットを参照されたい。CD64についての市販の抗体は、Ancell、Bayport、MN;Thermo Fisher、Waltham、MA;Abcam、Cambridge、MA;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;及びNovus Biologicals、Littleton、COから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD64抗体は、マウスモノクローナル抗CD64抗体クローン32-2;マウスモノクローナル抗CD64抗体クローンUMAB74;ラットモノクローナル抗CD64抗体クローン290322;マウスモノクローナル抗CD64抗体クローン10.1;及びマウスモノクローナル抗CD64抗体クローン1D3を含む。
【0193】
特定の実施形態において、CD86はM1マクロファージ上で標的にされる。CD86に特異的ないくつかの抗体は当業者には公知であり、配列、エピトープ結合、及び親和性について容易に特徴付けることができる。例えば、国際公開第2004/076488号パンフレット、米国特許第8,378,082号(mAb 2D4)、及び米国特許第6,346,248号(IG10H6D10)を参照されたい。CD86についての市販の抗体は、Thermo Fisher、Waltham、MA;Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、Germany;LifeSpan Biosciences、Inc.、Seattle、WA;Bio-Rad、Hercules、CA;及びNovus Biologicals、Littleton、COから入手可能である。特定の実施形態において、抗CD86抗体は、マウスモノクローナル抗CD86抗体クローンBU63;ヒトCD86のAla23~His244を含む領域を認識するポリクローナルヤギ抗CD86抗体;マウスモノクローナル抗CD86抗体クローンIT2.2;ウサギモノクローナル抗CD86抗体クローンBFF-3;及びマウスモノクローナル抗CD86抗体クローンC86/1146を含む。
【0194】
ポリ(エチレンイミン)/DNA(PEI/DNA)複合体などの、リンパ球及び/又はリンパ球のトランスフェクションによる内部移行を促進することができる他の薬剤も使用することができる。
【0195】
(b)正電荷キャリアー 特定の実施形態において、キャリアーは、濃縮し酵素的分解から核酸を防御するキャリアー分子を含む。本明細書の別の場所でさらに詳細に開示されているように、キャリアーは正電荷脂質及び/又はポリマーを含むことができる。特定の実施形態は、ポリ(βアミノエステル)(PBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップ付きの)を利用する。一部の実施形態において、PBAEの分子量は、4kDa~6kDa、5kDa~7kDa、6kDa~8kDa、7kDa~9kDa、8kDa~10kDa、又は9kDa~11kDaである。一部の実施形態において、PBAEの分子量は、4kDa、5kDa、6kDa、7kDa、8kDa、9kDa又は11kDaである。一部の実施形態において、PBAEの分子量は、4kDa未満又は11kDaよりも大きい。一部の実施形態において、PBAEはPBAE447である。一部の実施形態において、PBAE447の分子量は、4kDa~6kDa、5kDa~7kDa、6kDa~8kDa、7kDa~9kDa、8kDa~10kDa、又は9kDa~11kDaである。一部の実施形態において、PBAE447の分子量は、4kDa、5kDa、6kDa、7kDa、8kDa、9kDa又は11kDaである。一部の実施形態において、PBAE447の分子量は、4kDa未満又は11kDaよりも大きい。
【0196】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により評価する場合、ポリマー(例えば、PBAE)は、例えば、3,000~6,000若しくは4,000~5,000のMn範囲;10,000~20,000若しくは14,500~21,000のMw範囲;及び/又は55,000~77,000若しくは60,000~72,000のMz範囲を含む、マトリックス内に一定範囲のポリマー長を含むことができる。特定の実施形態において、キャリアーマトリックス内のPBAEは、Mn=4,000~5,000;Mw=14,500~21,000;及びMz=60,000~72,000のGPCによる分子量分布を有する。
【0197】
一部の実施形態において、PBAEは1つ以上の分子にコンジュゲートされている。一部の実施形態において、PBAEはポリエチレングリコールにコンジュゲートされて(PEG-PBAEを形成する)。末端基は、トランスフェクション効率にも大きな役割を果たすことができ、三級アミンを含有する末端キャップが好まれる。
【0198】
正電荷脂質の追加の例は、ジパルミトイルホスファチジン酸又はジステアロイルホスファチジン酸とヒドロキシエチレンジアミンのエステルなどのホスファチジン酸とアミノアルコールのエステルを含む。正電荷脂質のさらに具体的な例は、3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエチル)カルバモイル]コレステロール(DC-chol);N,N’-ジメチル-N,N’-ジオクタシル臭化アンモニウム(DDAB);N,N’-ジメチル-N,N’-ジオクタシル塩化アンモニウム(DDAC);1,2-ジオレオイルオキシプロピル-3-ジメチル-ヒドロキシエチル塩化アンモニウム(DORI);1,2-ジオレオイルオキシ-3-[トリメチルアンモニオ]プロパン(DOTAP);N-(1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA);ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);1,2-ジオクタデシルオキシ-3-[トリメチルアンモニオ]-プロパン(DSTAP);及び、例えば、Martinら、Curr.Pharma.Design、11:375~394、2005年に記載されているカチオン性脂質を含む。
【0199】
本開示内でキャリアーとして使用することができる正電荷ポリマーの例は、ポリアミン;ポリオーガニックアミン(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンイミンセルロース);ポリ(アミドアミン)(PAMAM);ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン(PLL)、ポリアルギニン);多糖(例えば、セルロース、デキストラン、DEAEデキストラン、デンプン);スペルミン、スペルミジン、ポリ(ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム)、ポリ(4-ビニル-N-アルキル-ピリジニウム)、ポリ(アクリロイル-トリアルキルアンモニウム)及びTatタンパク質を含む。
【0200】
脂質とポリマーの混合物も、いかなる濃度でも及びいかなる比でも使用可能である。種々の等級を使用して異なるポリマータイプを異なる比で混合すると、寄与ポリマーのそれぞれから借りてくる特徴をもたらすことができる。種々の末端基化学も採用することができる。
【0201】
前述のことを制限せずに、本明細書で開示される特定の実施形態は、多孔質ネットワークを形成することができるいかなる材料からでも構築される多孔質ナノ粒子も利用することができる。例示的材料は、金属、遷移金属及びメタロイドを含む。例示的金属、遷移金属及びメタロイドは、リチウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム及びシリカを含む。特定の実施形態において、多孔質ナノ粒子はシリカを含む。メソ多孔性シリカの並外れて大きな表面積(1,000m2/gを超える)のために、リポソームなどの従来のDNAキャリアーを超えるレベルでの核酸負荷が可能になる。
【0202】
キャリアーマトリックスは、楕円体、立方状、ピラミッド形、長方形、円柱形、ドーナツ形及び同類の物を含む種々の異なる形状で形成することができる。核酸は、種々のやり方でキャリアーの気孔中に含めることができる。例えば、核酸は多孔質ナノ粒子にカプセル化することができる。他の態様では、核酸は、多孔質ナノ粒子の表面又は表面のすぐ下付近に会合している(例えば、共有結合的に及び/又は非共有結合的に)ことができる。特定の実施形態において、核酸は、多孔質ナノ粒子に組み込まれる、例えば、多孔質ナノ粒子の材料に組み込まれることができる。例えば、核酸は、ポリマーナノ粒子のポリマーマトリックス中に組み込まれることができる。
【0203】
(c)正電荷キャリアー内の核酸 治療タンパク質を発現させる核酸は、CAR、TCR、CAR/TCRハイブリッド及びマクロファージ活性化因子との関係で上に記載されている。
【0204】
(d)中性又は負電荷コーティング 特定の実施形態において、本明細書に開示されるナノ粒子は、カプセル化された核酸を遮蔽しオフターゲット結合を減らす又は防止するコーティングを含む。オフターゲット結合は、ナノ粒子の表面電荷を中性又は負に還元することにより減らされる又は防止される。本明細書の別の場所でさらに詳細に開示されるように、コーティングは、中性若しくは負のポリマー及び/又はリポソームベースのコーティングを含むことができる。特定の実施形態は、ナノ粒子コーティングとしてポリグルタミン酸(PGA)を利用する。使用された場合、コーティングは必ずしも全ナノ粒子を被覆する必要はない。有利なことに、コーティングは、ナノ粒子によるオフターゲット結合を減らすのに十分である。抗体断片(例えば、Fab又はscFv)は、PGAコーティングに直接的に又は間接的に結合させることができる。例えば、抗体断片(例えば、Fab又はscFv)は、例えば、Fab又はscFv配列に付加されたシステインと反応するPGA-マレイミドを使用してPGAに化学的に結合させることができる。一部の実施形態において、抗体はリンカー(例えば、タンパク質リンカー若しくはポリペプチドリンカー、又は化学的リンカー)を通じて結合される。
【0205】
特定の実施形態において、コーティングは、カプセル化された核酸が選択された細胞中への放出前に環境に曝露されるのを防ぐのに十分な親水性及び/又は中性電荷親水性ポリマーの密な表面コーティングである。特定の実施形態において、コーティングはナノ粒子の表面の少なくとも80%又は少なくとも90%を覆う。特定の実施形態において、コーティングはPGAを含む。
【0206】
本開示の実施形態内でコーティングとして使用することができる中性電荷ポリマーの例は、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ(プロピレングリコール);及びポリアルキレンオキシドコポリマー(PLURONIC(登録商標)、BASF Corp.、Mount Olive、NJ)を含む。
【0207】
中性電荷ポリマーは双性イオンポリマーも含む。双性イオンとは、正電荷と負電荷の両方を有しつつ全体的な電荷的中性という特性のことである。双性イオンポリマーは、細胞及びタンパク質接着に抵抗する細胞膜の領域のような振る舞いができる。
【0208】
双性イオンポリマーは、ペンダント基(すなわち、ポリマー骨格から垂れ下がった基)を双性イオン基と一緒に含む双性イオン構成単位を含む。例示的な双性イオンペンダント基は、カルボキシベタイン基(例えば、-Ra-N+(Rb)(Rc)-Rd-CO2-、Raはポリマー骨格をカルボキシベタイン基のカチオン窒素中心に共有結合的に連結させるリンカー基であり、Rb及びRcは窒素置換基であり、Rdはカチオン窒素中心をカルボキシベタイン基のカルボキシ基に共有結合的に連結させるリンカー基である)。
【0209】
負電荷ポリマーの例は、アルギン酸;カルボン酸多糖;カルボキシメチルセルロース;カルボキシメチルセルロース-システイン;カラゲナン(例えば、Gelcarin(登録商標)(FMC Corp.、Wilmington、DE)209、Gelcarin(登録商標)379);コンドロイチン硫酸;グルコサミノグリカン;ムコ多糖;負電荷多糖(例えば、デキストラン硫酸);ポリ(アクリル酸);ポリ(D-アスパラギン酸);ポリ(L-アスパラギン酸);ポリ(L-アスパラギン酸)ナトリウム塩;ポリ(D-グルタミン酸);ポリ(L-グルタミン酸);ポリ(L-グルタミン酸)ナトリウム塩;ポリ(メタクリル酸);アルギン酸ナトリウム(例えば、PROTANAL(登録商標)(FMC BIOPOLYMER、OSLO、NORWAY)LF 120M、PROTANAL(登録商標)LF 200M、PROTANAL(登録商標)LF 200D);カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC);硫酸化多糖(ヘパリン、アガロペクチン);ペクチン、ゼラチン及びヒアルロン酸を含む。
【0210】
特定の実施形態において、本明細書で開示されるポリマーは、「星形ポリマー」を含むことができ、これは2つ以上のポリマー分岐がコアから伸びている分岐ポリマーのことである。コアは、2つ以上の官能基を有する原子団であり、そこから分岐鎖を重合により伸ばすことができる。
【0211】
特定の実施形態において、分岐鎖は双性イオン又は負電荷ポリマー分岐鎖である。星型ポリマーは、分岐鎖前駆体を、加水分解、紫外線照射、又は熱により双性イオン又は負電荷ポリマーに変換することができる。ポリマーも、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、光重合、開環重合(ROP)、濃縮、マイケル付加、分岐生成/成長反応、又は他の反応を含む、不飽和単量体の重合に効果的ないかなる重合法によって得てもよい。
【0212】
リポソームは、少なくとも1つの同心脂質二重層を含む微細小嚢である。小嚢形成脂質は、最終複合体の流動性又は強剛性の指定度を達成するように選択される。特定の実施形態において、リポソームは、多孔質ナノ粒子を取り囲む外層である脂質組成物を提供する。
【0213】
リポソームは中性(コレステロール)又は双極性であることが可能であり、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)及びスフィンゴミエリン(SM)並びにジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含む他のタイプの双極性脂質を含み、炭化水素鎖長は14~22の範囲にあり、飽和している又は1つ以上の二重C=C結合がある。単独で又は他の脂質成分と組み合わせて安定なリポソームを作成することができる脂質の例は、水素付加されたダイズホスファチジルコリン(HSPC)、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミド-メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)などのリン脂質である。リポソーム中に組み込むことができる追加のリンを含有しない脂質は、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ミリスチン酸イソプロピル、トリエタノールアミンラウリル硫酸、アルキルアリール硫酸、アセチルパルミテート、グリセロールリシノレート、ヘキサデシルステアレート、両性アクリルポリマー、ポリエチルオキシル化脂肪酸アミド、DDAB、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(DODAC)、1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、DOTAP、DOTMA、DC-Chol、ホスファチジン酸(PA)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、DOPG、及びリン酸ジセチルを含む。特定の実施形態において、本明細書に開示されるリポソームを作り出すのに使用される脂質は、コレステロール、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)及び誘導体化小嚢形成脂質PEG-DSPEを含む。
【0214】
リポソームを形成する方法は、例えば、米国特許第4,229,360号、米国特許第4,224,179号、米国特許第4,241,046号、米国特許第4,737,323号、米国特許第4,078,052号、米国特許第4,235,871号、米国特許第4,501,728号、及び米国特許第4,837,028号に、並びにSzokaら、Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467頁(1980)及びHopeら、Chem.Phys.Lip.40:89頁(1986)に記載されている。
【0215】
ナノ粒子を作成するさらなる例示的方法は、US2018/0030153、US2017/0296676及びWO2018/129270に開示されており、前記特許文献の開示はその全体をあらゆる目的のために本明細書に組み込む。
【0216】
特定の実施形態において、コーティングが、5~100kDaのポリマーサイズを有するポリマーベースとする。特定の実施形態において、コーティングが、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100kDaのポリマーサイズを有するポリマーベースとする。
【0217】
特定の実施形態において、PbAEポリマーは、20対1、30対1、40対1、50対1、60対1、70対1、80対1、90対1、100対1又はそれよりも多い比でヌクレオチド(例えば、IVT mRNA)と混ぜ合わされてPbAE-ヌクレオチドポリプレックスを生み出す。特定の実施形態において、PbAEポリマーは、60対1の比でヌクレオチド(例えば、IVT mRNA)と混ぜ合わされてPbAE-ヌクレオチドポリプレックスを生み出す。特定の実施形態において、PbAE-ヌクレオチドポリプレックスは、PGA/Di-マンノースと組み合わせてナノ粒子を形成することができる。
【0218】
本明細書で開示されるナノ粒子のサイズは、広範囲にわたり変動することができ、異なるやり方で、例えば、動的光散乱及び/又は電子顕微鏡により測定可能である。例えば、本開示のナノ粒子は、100nmの最小寸法を有することができる。本開示のナノ粒子は、500nmに等しい若しくはこれ未満、150nm未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、20nm未満又は10nm未満の最小寸法を有することもできる。特定の実施形態において、ナノ粒子は、5nm~500nm、10nm~100nm、20nm~90nm、30nm~80nm、40nm~70nm及び40nm~60nmの範囲にわたる最小寸法を有することができる。特定の実施形態において、寸法はナノ粒子又は被覆ナノ粒子の直径である。特定の実施形態において、本開示のナノ粒子の集団は、500nmに等しい若しくはこれ未満、100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、20nm未満又は10nm未満の平均最小寸法を有することができる。特定の実施形態において、本開示の組成物中のナノ粒子の集団は、5nm~500nm、10nm~100nm、20nm~90nm、30nm~80nm、40nm~70nm及び40nm~60nmの範囲にわたる平均径を有することができる。
【0219】
(iv)組成物 本明細書で開示されるナノ粒子は、対象への直接投与のために組成物中に処方することができ、そこでは選択的ターゲティングがインビボで行われる。任意選択的に、1種よりも多いナノ粒子、すなわち、異なる治療タンパク質をコードする異なるパッセンジャー核酸を含有するナノ粒子は、順次にであれ同時にであれ、同じ対象に協調して投与することができる。
【0220】
特定の実施形態において、ナノ粒子は、少なくとも0.1%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも1%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも10%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも20%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも30%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも40%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも50%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも60%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも70%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも80%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも90%w/v若しくはw/wのナノ粒子;少なくとも95%w/v若しくはw/wのナノ粒子;又は少なくとも99%w/v若しくはw/wのナノ粒子を含むことができる組成物の一部として提供される。
【0221】
本明細書で開示される組成物は、注射、吸入、注入、灌流、洗浄又は摂取による投与用に処方することができる。本明細書で開示される組成物は、カテーテル、静脈内、筋肉内、腫瘍内、皮内、動脈内、結節内(intranodal)、リンパ内(intralymphatic)、腹腔内、病巣内、前立腺内、膣内、直腸内、局所的、くも膜下腔内、小胞内、経口及び/又は皮下投与を経て、さらに詳しくは、静脈内、皮内、動脈内、結節内、リンパ内、腹腔内、病巣内、膣内、直腸内、局所的、くも膜下腔内、腫瘍内、筋肉内、小胞内、経口及び/又は皮下注射による注入用にさらに処方することができる。
【0222】
注射及び注入では、組成物は、ハンクス液、リンゲル液又は生理食塩水を含むバッファー中などの水溶液として処方することができる。水溶液は、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの調合剤を含有することができる。あるいは、製剤は、使用前に、適切な溶媒、例えば、減菌発熱性物質除去水で構成するための凍結乾燥及び/又は粉末形態が可能である。
【0223】
経口投与では、組成物は、錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ジェル、シロップ、スラリー、懸濁液及び同類の物として処方することができる。例えば、粉末、カプセル及び錠剤などの経口固体製剤では、適切な賦形剤は、結合剤(トラガントガム、アカシアゴム、コーンスターチ、ゼラチン)、糖、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール及びソルビトールなどの充填剤;リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調合剤;造粒剤;並びに結合剤を含む。必要に応じて、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのこの塩などの崩壊剤を添加することができる。必要に応じて、固形剤形は、標準技法を使用して糖衣をかける又は腸溶性が可能である。ペパーミント、冬緑油、チェリー調味料、オレンジ調味料、などの香味料も使用することができる。
【0224】
吸入による投与では、組成物は、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体を使用して、加圧パック又はネブライザーからエアゾールスプレイとして処方することができる。加圧エアゾールの場合には、投薬単位は、計った量を送達するバルブを与えることにより決定してもよい。吸入器又は注入器で使用するためのゼラチンのカプセル及びカートリッジは、治療薬とラクトース又はデンプンなどの適切な粉末ベースの粉末混合物を含有して処方してよい。
【0225】
本明細書に開示されるいかなる組成物製剤も、研究のためであれ、予防的処置であれ、及び/又は治療的処置であれ、投与の効果を凌ぐ著しく有害な、アレルギー性の又は他の都合の悪い反応を生じない担体を含む他のいかなる薬学的に許容される担体でも有利に含むことができる。例示的な薬学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18th Ed.Mack Printing Company、1990年に開示されている。さらに、製剤は、米国食品医薬品局生物製剤基準局(United States FDA Office of Biological Standards)及び/又は他の関連する外国規制当局により要求される無菌性、発熱性、一般的安全性及び純度基準を満たすように調製することができる。
【0226】
例示的な一般に使用される薬学的に許容される担体は、ありとあらゆる充填剤若しくはフィラー、溶媒若しくは共溶媒、分散媒、被覆剤、界面活性剤、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)、保存剤、等張化剤、吸収遅延剤、塩、安定化剤、緩衝剤、キレート剤(例えば、EDTA)、ゲル、結合剤、崩壊剤、及び/又は潤滑剤を含む。
【0227】
例示的緩衝剤は、クエン酸塩緩衝剤、コハク酸塩緩衝剤、酒石酸塩緩衝剤、フマル酸塩緩衝剤、グルコン酸塩緩衝剤、シュウ酸塩緩衝剤、乳酸塩緩衝剤、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤及び/又はトリメチルアミン塩を含む。
【0228】
例示的保存剤は、フェノール、ベンジルアルコール、メタクレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムハロゲン化物、塩化ヘキサメトニウム、メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、クロロヘキサノール及び3-ペンタノールを含む。
【0229】
例示的等張剤は、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールなどの三水素化合物又は高級糖アルコールを含む多価糖アルコールを含む。
【0230】
例示的安定化剤は、有機糖、多価糖アルコール、ポリエチレングリコール;硫黄含有還元剤、アミノ酸、低分子量ポリペプチド、タンパク質、免疫グロブリン、親水性ポリマー又は多糖を含む。
【0231】
組成物は、デポ製剤として処方することもできる。デポ製剤は、適切なポリマー若しくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳剤として)又はイオン交換樹脂を用いて、又はやや難溶の誘導体として、例えば、やや難溶性塩として処方することができる。
【0232】
さらに、組成物は、少なくとも1つの活性成分を含有する固体ポリマーの半透性マトリックスを利用する徐放性系として処方することができる。種々の徐放性材料が確立されており、当業者には周知である。徐放性系は、その化学的性質に応じて、2週間~1ヶ月間の投与後に活性成分を放出してよい。特定の実施形態において、例えば、ヒト患者が毎週の投与を取り損ねた場合には、徐放性系を利用することができる。本明細書に記載されるナノ粒子の特定の実施形態の半減期は4時間である。放出を維持するため、ナノ粒子は、時間をかけてゆっくりナノ粒子を放出するハイドロゲル又は生分解性ポリマー内にカプセル化することができる。mRNAそれ自体は、例えば、PBAEポリマー内に濃縮された場合は、安定である。
【0233】
(v)使用方法 本明細書で開示される方法は、本明細書で開示される組成物を用いて対象(ヒト、獣医動物、家畜及び研究動物を含む)を処置することを含む。示されているように、組成物は、がんから感染性疾患の範囲に及ぶ種々の異なる状態を処置することができる。
【0234】
治療的に有効な処置 対象を処置することは、治療有効量の1種以上の組成物(複数可)を送達することを含む。治療有効量は、有効量、予防的処置及び/又は治療的処置を提供することができる。
【0235】
「有効量」は、対象において所望の生理的変化を生じるのに必要な化合物の量である。有効量は、研究目的で投与されることも多い。例えば、本明細書で開示される有効量は、対象への投与後に、選択された細胞型によって治療タンパク質などの核酸又はタンパク質の発現(例えば、一過性発現)をもたらす。さらなる例として、有効量の細胞誘引物質は、対象に投与された場合、特定の細胞型(例えば、T細胞)を投与部位に動員するという結果をもたらす。
【0236】
「予防的処置」は、疾患又は状態をさらに発症するリスクを縮小する、予防する、又は減少する目的で処置が施されるように、疾患若しくは状態の徴候若しくは症状を示さない又は疾患若しくは状態の初期徴候若しくは症状のみを示す対象に施される処置を含む。したがって、予防的処置は、疾患又は障害に対する予防処置として機能する。ワクチンは予防処置の一例である。
【0237】
特定の実施形態において、予防処置は、HIVなどのウイルス感染を処置するために施される。例えば、組成物は、ウイルス感染を発症するリスクのある、又はウイルスに曝露されたことがある対象において予防的に投与すれば、ウイルス感染又は疾患の発症を予防する、低減する又は遅らせることができる。例えば、組成物は、ウイルス(例えば、HIV)に曝露された可能性がある対象に又はウイルスに曝露される高いリスクのある対象に投与することができる。
【0238】
「治療処置」は、疾患又は状態の症状又は徴候を示す対象に施される処置を含み、疾患又は状態のこれらの徴候又は症状を減らす又は取り除く目的で対象に施される。「治療処置」は、対象において所望の治療効果をもたらす。
【0239】
予防及び治療処置は、疾患又は状態を完全に予防する又は治癒する必要はなく、部分的効果も提供できる。
【0240】
がんの文脈では、治療有効量は、腫瘍細胞の数を減らす、転移の数を減らす、腫瘍量を減らす、平均寿命を上昇する、がん細胞のアポトーシスを誘導する、がん細胞死を誘導する、がん細胞における化学又は放射線感受性を誘導する、がん細胞近くの血管新生を阻害する、がん細胞増殖を阻害する、腫瘍成長を阻害する、転移を予防する、対象の寿命を延ばす、がん関連疼痛を低減する、転移の数を低減する及び/又は処置に続くがんのぶり返し若しくは再発を低減することができる。
【0241】
ウイルスの文脈では、治療有効量は、ウイルス感染細胞の数を減らし、発熱、悪寒、嘔吐、関節痛、などのウイルス感染に伴う1種以上の症状を低減することができる。
【0242】
HIVの文脈では、治療有効量は、HIV感染細胞の数を減らし、対象のT細胞の数を増やし、感染症の発生、頻度若しくは重症度を低減し、平均寿命を上昇し、対象の寿命を延ばし、及び/又はHIV関連疼痛若しくは認知障害を低減することができる。
【0243】
投与に関して、治療有効量(本明細書において用量とも呼ばれる)は、インビトロアッセイ及び/又は動物モデル研究からの結果に基づいて最初に評価することができる。そのような情報を使用すれば、目的の対象における有用な用量をより的確に決定することができる。
【0244】
特定の対象に投与される実際の服用量は、医師、獣医師又は研究者により、標的、体重、状態の重症度、疾患の種類、以前の又は同時の治療介入、対象の特発性及び投与経路を含む身体的及び生理的要因などのパラメータを考慮に入れて決定することができる。
【0245】
組成物の有用な用量は、0.1~5μg/kg又は0.5~1μg/kg又は1~1000mg/kg又はそれよりも多くを含むことができる。
【0246】
治療有効量は、治療目標又は効果を得るが、処置レジメンの過程で単回又は複数回用量を投与することにより達成することができる。そのような用量は、例えば、毎日、1日おき、4日ごとに、2~8日ごとに、3~10日ごとに、5~10日ごとに、6~9日ごとに、毎週、又は2週間ごとに投与してよい。任意選択的に、投与間の時間は変動してよい。一部の実施形態において、単回用量で所望の治療効果を与え;他の実施形態において、複数回用量が必要になる。特定の実施形態において、処置レジメンの有効性、及び追加の用量(複数可)の必要性は、一過性に発現される治療タンパク質又は核酸により媒介される表現型効果を判定する、追跡する、又は測定することによりモニターすることができる。
【0247】
特定の実施形態において、タンパク質又は核酸(例えば、治療タンパク質)の発現レベルが閾値より下に低下したら、処置医師は、ナノ粒子を用いた追加の処置が保証されるのかどうか、又は治療目的が達成されたかどうか、及びナノ粒子を用いた追加の処置がその時点で保証されないことを判定することができる。特定の実施形態において、閾値の下は、定量的PCR又はフローサイトメトリーにより測定される場合、ピーク発現レベルの50%、45%、40%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれよりも下が可能である。特定の実施形態において、閾値の下は、定量的PCRにより測定される場合、ピーク発現レベルの15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれよりも下が可能である。特定の実施形態において、閾値は、フローサイトメトリーにより測定した場合、タンパク質又は核酸を発現するナノ粒子トランスフェクトT細胞の35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれよりも下が可能である。特定の実施形態において、閾値は、治療タンパク質を発現する末梢血中のCD8+T細胞の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれよりも下が可能である。特定の実施形態において、閾値は、抗原陽性標的細胞を選択的に溶解するIVT mRNAトランスフェクトT細胞の能力を測定するインビトロ生細胞アッセイにおいて得られる腫瘍細胞数が可能である。
【0248】
特定の実施形態において、タンパク質又は核酸(例えば、治療タンパク質)の発現レベルが検出可能限界より下に低下した後、処置医師は、ナノ粒子を用いた追加の処置が保証されるのかどうか、又は治療目的が達成されたかどうか、及びナノ粒子を用いた追加の処置がその時点で保証されないことを判定することができる。
【0249】
特定の実施形態において、タンパク質又は核酸(例えば、治療タンパク質)の発現は、この発現が定量的PCRにより検出されない場合は、検出可能限界よりも下に下がる。特定の実施形態において、検出可能限界は、フローサイトメトリーにより測定される場合、タンパク質又は核酸を発現する対象のT細胞の1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.005%、0.001%又はそれよりも下が可能である。特定の実施形態において、検出可能限界は、治療タンパク質を発現する末梢血中のCD8+T細胞のパーセンテージが可能である。特定の実施形態において、検出可能限界は、タンパク質又は核酸を発現する対象の末梢血中のCD8+T細胞の2%、1.5%、1%、0.5%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.005%、0.001%又はそれよりも下が可能である。
【0250】
特定の実施形態において、本開示の方法は、エクスビボでナノキャリアーと接触させたT細胞の移植と少なくともおおよそ同じ有効性をもたらす。特定の実施形態において、少なくともおおよそ同じ有効性は、ナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞(すなわち、IVT mRNAでトランスフェクトされたT細胞、そこではIVT mRNAは治療タンパク質をコードする)の機能を同じ対応する治療タンパク質を用いてエクスビボで操作したT細胞の機能と比較することを含む。特定の実施形態において、エクスビボで操作されたT細胞はウイルス方法により形質導入させる。特定の実施形態において、比較する機能は、インビトロアッセイにおける細胞殺傷である。特定の実施形態において、少なくともおおよそ同じ有効性は、同じ対応する治療タンパク質を用いてエクスビボで操作したT細胞と比べた場合、ナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞による抗原陽性標的細胞の殺傷に統計的有意差がないことを含む。特定の実施形態において、比較する機能は、インビトロアッセイにおけるサイトカイン産生である。特定の実施形態において、少なくともおおよそ同じ有効性は、同じ対応する治療タンパク質を用いてエクスビボで操作したT細胞と比べた場合、ナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞によるIL-2、TNF-α及びIFN-γを含むサイトカイン産生のレベルに統計的有意差がないことを含む。特定の実施形態において、比較は、インビボでの腫瘍サイズ又は成長を含むことができる。特定の実施形態において、少なくともおおよそ同じ有効性は、同じ対応する治療タンパク質を形質導入させたT細胞を含む養子T細胞療法を受ける対象と比べた場合、治療タンパク質をコードするIVT mRNAを注入した対象において腫瘍サイズ又は成長に統計的有意差がないことを含む。特定の実施形態において、比較は対象の生存を含むことができる。特定の実施形態において、少なくともおおよそ同じ有効性は、同じ対応する治療タンパク質を形質導入させたT細胞を含む養子T細胞療法を受ける対象と比べた場合、治療タンパク質をコードするIVT mRNAを注入した対象の生存に統計的有意差がないことを含む。
【0251】
所見における統計的有意性は、当業者に公知である統計的方法により決定することができる。特定の実施形態において、統計的有意差がないとは、>0.05又は>0.01のp値のことである。
【0252】
選択された細胞誘引物質と協調した治療的に有効な処置 特定の実施形態において、核酸を送達して選択された細胞型による治療タンパク質の発現を与えるナノ粒子は、細胞誘引物質と協調し投与することができる。「協調して」とは、ナノ粒子と細胞誘引物質が臨床的に適切な時間窓内に投与されることを意味する。「臨床的に適切な時間窓」とは、ナノ粒子又は細胞誘引物質単独での投与に基づいてみられる治療効果よりも、ナノ粒子と細胞誘引物質の投与に基づいてみられる治療効果のほうが増加している期間を意味する。通常、細胞誘引物質はナノ粒子の前に投与されるが、このタイミングは、臨床的に適切な時間窓がナノ粒子の後の細胞誘引物質の投与を許す場合は必要ではない。
【0253】
特定の実施形態において、細胞誘引物質は、発現ナノ粒子が投与される少なくとも1時間~最大2週間前に対象に投与される(局所的に又は全身的に)。例えば、細胞誘引物質は、ナノ粒子組成物の投与の少なくとも1時間、少なくとも3時間、少なくとも6時間、少なくとも9時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、又は24時間よりも多い前に投与される。ある特定の実施形態において、事前調整は、ナノ粒子の投与前の1~24時間、又は1~7日前に行われる。特定の実施形態において、細胞誘引物質はT細胞プログラミングナノ粒子と同時送達することができる。
【0254】
マクロファージ刺激組成物と協調して投与される治療的に有効な処置 特定の実施形態において、一過性に発現されるmRNAを含有するナノ粒子の送達は、異なる治療タンパク質を発現する(DNA又はmRNAから)第2の標的化ナノ粒子を用いた処置などの、別の処置戦略と協調して行われてもよい。例として、マクロファージ刺激(マクロファージ活性化)ナノ粒子組成物(複数可)は、例示される第2の治療組成物として使用される。標的化ナノ粒子の追加のタイプ並びに追加の非ナノ粒子治療薬の同時投与も想定されていることは認識される。
【0255】
例えば、本明細書に記載されるナノ粒子(疾患特異的受容体などの治療タンパク質をコードするIVT mRNAを含む)は、処置を受けている対象のマクロファージを刺激する又はマクロファージ(複数可)の腫瘍抑制を克服するナノ粒子組成物と一緒に対象に投与することができる(同時に又は順番に)。そのようなマクロファージ活性化組成物はこれ自体、マクロファージの免疫抑制を逆転させる又は低減する治療タンパク質、例えば、転写因子をコードする核酸を含むナノ粒子であってよい。そのようなマクロファージ活性化ナノ粒子の例は、本明細書に記載されるナノ粒子に類似して構造化される(例えば、マクロファージ活性化ナノ粒子は正電荷コア及び中性又は負電荷表面を有し、標的化細胞における発現のためにヌクレオチド(複数可)を送達する)。特定の実施形態は、転写因子(例えば、Interferon Regulatory Factors(IRF))及び/又はマクロファージ極性化を調節するキナーゼ(例えば、IKKβ)などの活性化制御因子をコードする遺伝子をコードするヌクレオチドを細胞に提供する粒子を利用する。マクロファージ極性化は高度に動的な過程であり、それを通じてマクロファージの生理活性は変化する。大半の腫瘍では、TAMは、「M2」表現型であることが可能である免疫抑制された表現型を示す。これとは対照的に、活性化されたマクロファージは、腫瘍細胞の殺滅をもたらす「M1」表現型を示すことができる。本明細書で開示される特定の実施形態は、腫瘍促進TAMの極性化を、腫瘍を殺滅するマクロファージへと逆転する。この効果は、炎症性サイトカインを誘導し、他の免疫細胞を活性化し、腫瘍細胞を貪食することにより腫瘍内の免疫抑制性環境を寛解する。
【0256】
例として、マクロファージ刺激ナノ粒子中のパッセンジャー核酸(複数可)は一部の実施形態において、転写因子インターフェロン制御因子5(IRF5)をキナーゼIKKβと組み合わせてコードする(DNA又はIVT mRNAとして)。そのような粒子は、腫瘍関連マクロファージ(TAM)による粒子のより選択的な取込みを指示するTAMターゲティングリガンドを含む。一例として、TAMは、粒子の表面上にマンノースを含むことにより標的にすることができる細胞表面受容体であるCD206を発現する。標的にすることができる他のTAM細胞表面受容体は、初期成長応答タンパク質2(Egr2)、CD163、CD23、インターロイキン(IL)27RA、CLEC4A、CD1a、CD1b、CD93、CD226、IL13-Ra1、IL-4r、IL-1RタイプII、デコイIL-1RタイプII、IL-10r、マクロファージスキャベンジング受容体A及びB、Ym-1、Ym-2、低密度受容体関連タンパク質1(LRP1)、IL-6r、CXCR1/2並びにPD-L1を含む。
【0257】
特定の実施形態は、患者内の選択された細胞を標的にし、選択された細胞による治療タンパク質又は核酸の発現をもたらすナノ粒子組成物の患者への繰り返し送達を含む。この文脈では、一過性発現とは、細胞(複数可)中への核酸移入に続く短期間の治療タンパク質の発現のことである。そのような発現は、細胞の表現型の検出及び/又は定量化によりを含む種々の当技術分野で承認されたやり方でモニターすることができ、この表現型は発現された治療タンパク質又は核酸により生み出される又は影響される。細胞の表現型とは、細胞の物理的特徴及び/又は身体内でのこの位置のことである。特定の実施形態において、研究者又は臨床医は、ナノ粒子が提供する一過性発現プロファイルに基づいて送達のためのナノ粒子を選択する。
【0258】
以前示されたように、特定の実施形態において、一過性発現プロファイルは、12時間~15日間;18時間~12日間;20時間~14日間;24時間~10日間;24時間~8日間;又は30時間~7日間持続する。種々の実施形態における一過性発現は14日間を超えないことが特に想定されている。例えば、特定の実施形態において、一過性発現は、12日間を越えずに、10日間を越えずに、9日間を越えずに、8日間を越えずに又は7日間を超えずに持続する検出可能な発現である。もっと長い発現が望まれる実施形態において、治療タンパク質の一過性発現を提供するナノ粒子は、繰り返し投与、例えば、5~10日ごとに(例えば、7日ごとに)行われる送達で対象に送達することができる。
【0259】
(vi)キット 活性成分の組合せもキットとして提供することができる。キットは、任意選択的に、組合せ療法において使用するための1種以上の作用薬と一緒に、本明細書に記載される1つ以上の発現ナノ粒子を含む容器を含むことができる。例えば、一部のキットは、一定量の少なくとも1つのマクロファージ刺激組成物(これ自体、例えば、一定量の少なくとも1つのマクロファージ刺激タンパク質をコードするmRNA又はDNA分子を含有するナノ粒子でもよい)と一緒に、少なくとも1つの発現ナノ粒子を含む。他のキットは、T細胞誘引物質などの一定量の少なくとも1つの細胞誘引物質と一緒に一定量の少なくとも1つの発現ナノ粒子を含む。キット中のいかなる活性成分も予め測定した投与量で提供してもよいが、これは必要というわけではなく、ある特定のキットは、例えば、キットが、所望の発現ナノ粒子の1つよりも多い用量の投与を必要とする方法のために使用される場合を含む、1つよりも多い用量を含むことが予想されている。
【0260】
一般には、2つ以上の活性成分を含むキットは、本明細書に記載される方法のうちの1つと併せて使用することが意図されている成分を含む。例えば、マクロファージ活性化化合物であれば、活性化されたマクロファージの存在から利益を得ると考えられる腫瘍又は別の部位において発現を提供するように設計されているナノ粒子を含有するキットで提供される。同様に、キットが細胞誘引物質と一緒に提供される場合、キットに含まれる少なくとも1つのナノ粒子は一部の場合、この細胞誘引物質により引き付けられる細胞型を標的にする。
【0261】
キットは、医薬品又は生物学的製剤の製造、使用又は販売を規制する政府機関が定めた形式の通知も含むことができ、この通知は機関によるヒト投与のための製造、使用又は販売の承認を反映している。この通知は、提供される活性成分を対象に投与できることを明言する場合がある。キットは、キットを使用するための使用説明書、例えば、投与のためのポリヌクレオチド(PN)又はナノ粒子(NP)の調製;関連廃棄物の適正処理;及び同類の物に関する使用説明書をさらに含むことができる。使用説明書は、キット内に提供される印刷された使用説明書の形態が可能であり、又は使用説明書はキット自体の一部に印刷されることが可能である。使用説明書は、用紙、パンフレット、小冊子、CD-ROM若しくはコンピュータ可読媒体の形態でもよく、又はウェブサイトなどの遠隔位置にある使用説明書への指図書きを提供することができる。特定の実施形態において、キットは、注射器、アンプル、チューブ、フェイスマスク、注射キャップ、スポンジ、無菌付着ストリップ、消毒薬(Chloraprep)、手袋、及び同類の物などの、キットを効果的に使用するのに必要とされる、なくてはならない医療材料の一部又は全ても含むことができる。本明細書に記載されるキットのいずれかの内容物を変えることは可能である。キットの使用説明書は、本明細書に記載される新たな臨床使用を実施するための活性成分の使用を指示する。
【0262】
(vii)例示的実施形態
1.処置を必要とする対象を処置する方法であって、
(i)ポリヌクレオチドはタンパク質及び/又は核酸をコードする、正電荷キャリアーマトリックス内にカプセル化されたポリヌクレオチド(例えば、インビトロ転写(IVT)mRNAなどの合成mRNA);
(ii)中性又は負電荷コーティング;並びに
(iii)選択された細胞に特異的な、コーティングの表面から伸びる少なくとも1つの細胞ターゲティングリガンド
を含む治療有効量のナノ粒子を対象に投与すること
を含み、
ナノ粒子は、選択された細胞がポリヌクレオチドからタンパク質を一過性に発現するように、対象内の選択された細胞中に選択的に取り込まれ、それによって処置を必要とする対象が処置される、方法。
2.治療有効量の細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、実施形態1の方法。
3.細胞誘引物質がT細胞誘引物質である、実施形態2の方法。
4.T細胞誘引物質がCCL21又はIP10である、実施形態3の方法。
5.タンパク質が細胞表面受容体を含む疾患特異的受容体を含む、実施形態1~4のいずれかの方法。
6.疾患特異的受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)又はこれらの組合せを含む、実施形態5の方法。
7.治療タンパク質が、白血病特異的CAR、B型肝炎ウイルス(HBV)コア抗原特異的HBcore18-27 TCR、又は前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CARを含む、実施形態5又は6の方法。
8.細胞ターゲティングリガンドが、リンパ球に選択的に結合し受容体誘導エンドサイトーシスを開始させる、実施形態1~7のいずれかの方法。
9.タンパク質の発現が14日間を超えない、12日間を超えない、10日間を超えない、9日間を超えない、8日間を超えない、7日間を超えない、6日間を超えない、又は5日間を超えない発現である、実施形態1~8のいずれかの方法。
10.治療有効量のナノ粒子を対象に投与することが、2つ以上の用量のナノ粒子を投与することを含む、実施形態1~9のいずれかの方法。
11.2つ以上の用量が、5~10日ごとに、又は6~8日ごとに、又は7日ごとに投与される、実施形態10の方法。
12.対象が、がん又は感染性疾患に対する処置を必要とする、実施形態1~11のいずれかの方法。
13.ナノ粒子を投与することが、(a)腫瘍中への若しくはその近位への(腫瘍内への)、(b)静脈中への(静脈内への)、又は(c)腹膜中への(腹腔内への)カテーテルを介した注射又は注入を含む、実施形態1~12のいずれかの方法。
14.T細胞誘引物質を投与することが、腫瘍中への若しくはその近位への(腫瘍内への)カテーテルを介した注射若しくは注入、静脈内注射若しくは注入、又は腹腔内へのカテーテルを介した注射若しくは注入を含む、実施形態3~13のいずれかの方法。
15.細胞誘引物質が、ナノ粒子が投与される前に対象に投与される、実施形態2~14のいずれかの方法。
16.細胞誘引物質が、ナノ粒子が投与される前の1時間以内に、3時間以内に、6時間以内に、12時間以内に、又は24時間以内に投与される、実施形態2~14のいずれかの方法。
17.細胞誘引物質が、(a)ナノ粒子の最初の用量の後にのみ;(b)ナノ粒子の少なくとも2回の用量のぞれぞれの後に;又は(c)ナノ粒子のそれぞれの用量の後で投与される、実施形態16の方法。
18.対象にマクロファージ刺激組成物を投与することをさらに含む、実施形態1~17のいずれかの方法。
19.マクロファージ刺激組成物が、マクロファージ細胞に標的化され、キナーゼIKKβと組み合わせた転写因子インターフェロン制御因子5(IRF5)の発現を指示することができるナノ粒子を含む、実施形態18の方法。
20.キャリアーが正電荷脂質又はポリマーを含む、実施形態1~19のいずれかの方法。
21.正電荷ポリマーが、ポリ(β-アミノエステル)(PBAE)、ポリ(L-リジン)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(アミドアミン)デンドリマー(PAMAM)、ポリ(アミノ-コ-エステル)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)(PDMAEMA)、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸](PAGA)、又はポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)(PHP)を含む、実施形態20の方法。
22.コーティングが中性又は負電荷脂質又はポリマーを含む、実施形態1~21のいずれかの方法。
23.中性又は負電荷コーティングが、ポリグルタミン酸(PGA)、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、実施形態22の方法。
24.中性又は負電荷コーティングが双性イオンポリマーを含む、実施形態22の方法。
25.中性又は負電荷コーティングがリポソームを含む、実施形態22~24のいずれかの方法。
26.リポソームが、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA);3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、コレステロール、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)又は1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を含む、実施形態25の方法。
27.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、実施形態1~26のいずれかの方法。
28.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、実施形態1~27のいずれかの方法。
29.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、実施形態1~28のいずれかの方法。
30.キャリアーが、PBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含む、実施形態1~29のいずれかの方法。
31.コーティングがPGAを含む、実施形態1~30のいずれかの方法。
32.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーがPBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含み;コーティングがPGAを含む、実施形態1~31のいずれかの方法。
33.(i)タンパク質又は核酸をコードし正電荷キャリアー内にカプセル化されているポリヌクレオチド(例えば、IVT mRNAなどの合成mRNA);
(ii)キャリアーの外表面上の中性又は負電荷コーティング;及び
(iii)コーティングの表面から伸びている選択された細胞ターゲティングリガンド
を含む合成ナノ粒子であって、
タンパク質が、HBV特異的TCR、白血病特異的抗CD19 CAR又は前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CARから選択することができ、CARの細胞内ドメインが1928z又は4-1BBzが可能である、合成ナノ粒子。
34.キャリアーが正電荷脂質又はポリマーを含む、実施形態33の合成ナノ粒子。
35.正電荷脂質又はポリマーが、PBAE、ポリ(L-リジン)、PEI、PAMAM、ポリ(アミン-コ-エステル)、PDMAEMA、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、PAGA、又はPHPを含む、実施形態34の合成ナノ粒子。
36.コーティングが中性又は負電荷脂質又はポリマーを含む、実施形態33又は34の合成ナノ粒子。
37.中性又は負電荷コーティングが、PGA、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、実施形態36の合成ナノ粒子。
38.中性又は負電荷コーティングが双性イオンポリマーを含む、実施形態36の合成ナノ粒子。
39.中性又は負電荷コーティングがリポソームを含む、実施形態36~38のいずれかの合成ナノ粒子。
40.リポソームが、DOTAP、DOTMA、DC-Chol、DOGS、コレステロール、DOPE又はDOPCを含む、実施形態39の合成ナノ粒子。
41.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、実施形態33~40のいずれかの合成ナノ粒子。
42.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、実施形態33~41のいずれかの合成ナノ粒子。
43.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、実施形態33~42のいずれかの合成ナノ粒子。
44.キャリアーが、PBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含む、実施形態33~43のいずれかの合成ナノ粒子。
45.コーティングがPGAを含む、実施形態33~44のいずれかの合成ナノ粒子。
46.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーがPBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含み;コーティングがPGAを含む、実施形態33~45のいずれかの合成ナノ粒子。
47.実施形態33~46のいずれかの合成ナノ粒子を含む組成物。
48.処置を必要とする対象を処置する方法であって、実施形態47の治療有効量の組成物を投与し、それによって処置を必要とする対象を処置することを含む、方法。
49.ナノ粒子又は組成物を投与する前にT細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、実施形態48の方法。
50.処置を必要とする対象を処置する方法であって、対象への投与後に、選択された細胞型によってタンパク質又は核酸の発現をもたらすナノ粒子を選択すること、及び
治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与すること、それによって処置を必要とする対象を処置すること
を含み、タンパク質又は核酸の発現は、投与の10日以内に検出可能限界より下に低下する、方法。
51.タンパク質又は核酸の発現が投与の7日以内に検出可能限界より下に低下する、実施形態50の方法。
52.第2の治療有効量の選択されたナノ粒子を対象に投与することをさらに含む、実施形態50又は51の方法。
53.タンパク質又は核酸の発現が検出可能限界より下に低下した後に、第2の治療有効量の投与が行われる、実施形態52の方法。
54.タンパク質又は核酸の発現が検出可能限界より下に低下する前に、第2の治療有効量の投与が行われる、実施形態52の方法。
55.第1の治療有効量と第2の治療有効量が、5日離して、6日離して、7日離して、8日離して、9日離して又は10日離して投与される、実施形態52の方法。
56.投与が全身的投与又は局所的投与を含む、実施形態50~55のいずれかの方法。
57.投与が腫瘍部位での局所的投与を含む、実施形態56の方法。
58.投与が、(a)腫瘍中への若しくはその近位への、(b)静脈中への、又は(c)腹膜中へのカテーテルを介した注射又は注入を含む、実施形態50~57のいずれかの方法。
59.タンパク質が、細胞表面受容体を含む疾患特異的受容体を含む、実施形態50~58のいずれかの方法。
60.疾患特異的受容体が、CAR、TCR又はこれらのハイブリッドを含む、実施形態59の方法。
61.治療タンパク質が、HBV特異的TCR、白血病特異的抗CD19 CAR、又は前立腺腫瘍特異的抗ROR1 CARを含み、CARの細胞内ドメインが1928z又は4-1BBzが可能である、実施形態50~60のいずれかの方法。
62.タンパク質が、マクロファージ刺激タンパク質を含む、実施形態50~61のいずれかの方法。
63.マクロファージ刺激タンパク質が、転写因子IRF5をキナーゼIKKβと組み合わせて含む、実施形態62の方法。
64.マクロファージ刺激タンパク質が、IRF5、IRF1、IRF3、IRF7、IRF8及び/又はIRF7とIRF3の融合物から選択される1種以上のIRFを含む、実施形態62の方法。
65.IRF7/IRF3融合タンパク質が配列番号39を含む、実施形態64の方法。
66.1つ以上のIRFが機能的自己抑制ドメインを欠く、実施形態63~65のいずれかの方法。
67.1つ以上のIRFが機能的核外移行シグナル(NES)を欠く、実施形態63~66のいずれかの方法。
68.1つ以上のIRFが、配列番号25~41に対し>90%、>95%又は98%よりも大きな同一性を有する配列から選択される、実施形態64の方法。
69.1つ以上のIRFが、配列番号25~31から選択されるIRF5である、実施形態64の方法。
70.IRF5が、S156D、S158D及びT160Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号25又は配列番号27を含む、実施形態69の方法。
71.IRF5が、T10D、S158D、S309D、S317D、S451D及びS462Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号26を含む、実施形態69の方法。
72.IRF5が、S425D、S427D、S430D及びS436Dから選択される1つ以上の突然変異を有する配列番号28を含む、実施形態69の方法。
73.1つ以上のIRFが、配列番号32及び36から選択されるIRF1である、実施形態64の方法。
74.1つ以上のIRFが、配列番号35、40及び41から選択されるIRF8である、実施形態64の方法。
75.IRF8がK310R突然変異を有する配列番号35を含む、実施形態74の方法。
76.コードされたIKKβが、配列番号42~46に対し>90%、>95%又は98%よりも大きな同一性を有する配列から選択される、実施形態63~75のいずれかの方法。
77.コードされたIKKβが、配列番号42~46から選択される、実施形態63~75のいずれかの方法。
78.治療タンパク質が、グルココルチコイド誘導性ロイシンジッパー(GILZ)を含む、実施形態50~77のいずれかの方法。
79.選択され投与されるナノ粒子が<130nmである、実施形態50~78のいずれかの方法。
80.選択され投与されるナノ粒子が、
(i)治療タンパク質をコードする、正電荷キャリアーマトリックス内にカプセル化された合成mRNA;
(ii)中性又は負電荷コーティング;及び
(iii)選択された細胞型上のマーカーに特異的に結合する、コーティングの表面から伸びる少なくとも1つの選択された細胞ターゲティングリガンド
を含む、実施形態50~79のいずれかの方法。
81.合成mRNAがIVT mRNAを含む、実施形態80の方法。
82.正電荷キャリアーマトリックスが正電荷脂質又はポリマーを含む、実施形態80又は81の方法。
83.正電荷脂質又はポリマーが、PBAE、ポリ(L-リジン)、PEI、PAMAM、ポリ(アミン-コ-エステル)、PDMAEMA、キトサン、ポリ(L-ラクチド-コ-L-リジン)、PAGA、又はPHPを含む、実施形態82の方法。
84.正電荷ポリマーが、PBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含む、実施形態80~83のいずれかの方法。
85.中性又は負電荷コーティングが、PGA、ポリ(アクリル酸)、アルギン酸又はコレステリルヘミスクシナート/1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンを含む、実施形態80~84のいずれかの方法。
86.中性又は負電荷コーティングがPGAを含む、実施形態80~85のいずれかの方法。
87.中性又は負電荷コーティングが双性イオンポリマーを含む、実施形態80~85のいずれかの方法。
88.中性又は負電荷コーティングがリポソームを含む、実施形態80~85のいずれかの方法。
89.リポソームが、DOTAP、DOTMA、DC-Chol、DOGS、コレステロール、DOPE又はDOPCを含む、実施形態88の方法。
90.選択された細胞ターゲティングリガンドが、リンパ球に選択的に結合し受容体誘導エンドサイトーシスを開始させる、実施形態80~89のいずれかの方法。
91.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4及び/又はCD8に選択的に結合する、実施形態80~90のいずれかの方法。
92.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含む、実施形態80~91のいずれかの方法。
93.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体のscFv断片から選択される結合ドメインを含む、実施形態80~92のいずれかの方法。
94.選択された細胞ターゲティングリガンドが、CD4抗体及び/又はCD8抗体から選択される結合ドメインを含み;キャリアーがPBAE(例えば、PBAE447及び/又は1-(3-アミノプロピル)ピロリジン末端キャップを有する)を含み;コーティングがPGAを含む、実施形態80~93のいずれかの方法。
95.選択された細胞ターゲティングが、CD206、CD163又はCD23に結合する、実施形態80~89のいずれかの方法。
96.選択された細胞ターゲティングリガンドがジマンノースを含む、実施形態80~89のいずれかの方法。
97.選択された細胞ターゲティングが、CD38、Gタンパク質共役型受容体18(Gpr18)、ホルミルペプチド受容体2(Fpr2)、CD64又はCD68に結合する、実施形態80~89のいずれかの方法。
98.治療有効量の細胞誘引物質を対象に投与することをさらに含む、実施形態50~97のいずれかの方法。
99.細胞誘引物質がT細胞誘引物質を含む、実施形態98の方法。
100.T細胞誘引物質がCCL21又はIP10を含む、実施形態99の方法。
101.T細胞誘引物質が、CCL1、CCL2、CCL17、CCL22、CXCL9、CXCL10又はCXCL11を含む、実施形態99又は100の方法。
102.細胞誘引物質が単球/マクロファージ誘引物質を含む、実施形態98~101のいずれかの方法。
103.単球/マクロファージ誘引物質が、CCL2、CCL3、CCL5、CCL7、CCL8、CCL13、CCL17又はCCL22を含む、実施形態102の方法。
104.細胞誘引物質がマスト細胞誘引物質を含む、実施形態98~103のいずれかの方法。
105.マスト細胞誘引物質がCCL2又はCCL5を含む、実施形態104の方法。
106.細胞誘引物質が好酸球誘引物質を含む、実施形態98~105のいずれかの方法。
107.好酸球誘引物質が、CCL3、CCL5、CCL7、CCL11、CCL13、CCL24又はCCL26を含む、実施形態106の方法。
108.細胞誘引物質が好中球誘引物質を含む、実施形態98~107のいずれかの方法。
109.好中球誘引物質がIL-8又はNAP1を含む、実施形態108の方法。
110.細胞誘引物質が、第1の治療有効量のナノ粒子が投与される前に対象に投与される、実施形態98~109のいずれかの方法。
111.細胞誘引物質が、第1の治療有効量のナノ粒子が投与される前の1時間以内に、3時間以内に、6時間以内に、12時間以内に、又は24時間以内に投与される、実施形態98~109のいずれかの方法。
112.細胞誘引物質が、第1の治療有効量のナノ粒子が投与される少なくとも1時間前に、少なくとも3時間前に、少なくとも6時間前に、少なくとも12時間前に、又は少なくとも24時間前に投与される、実施形態98~109のいずれかの方法。
113.細胞誘引物質が、(a)第1の治療有効量のナノ粒子の最初の用量が投与された後にのみ投与される、実施形態98~112のいずれかの方法。
114.対象が、がん又は感染性疾患に対する処置を必要とする、実施形態50~113のいずれかの方法。
115.がんが、白血病、前立腺がん又はB型肝炎誘導肝細胞癌、卵巣がん、神経膠芽腫又は肺がんである、実施形態114の方法。
116.研究者又は臨床医が、選択されたナノ粒子の一過性発現特性が原因で、対象への投与のための先行する実施形態のいずれかに記載されているナノ粒子を選択する、実施形態1~116のいずれかの方法。
117.研究者又は臨床医が、対象に選択されたナノ粒子を投与する、実施形態116の方法。
118.一過性発現特性が、14日間を超えない、12日間を超えない、10日間を超えない、9日間を超えない、8日間を超えない、7日間を超えない、6日間を超えない、又は5日間を超えない間タンパク質又は核酸の発現をもたらす、実施形態116又は117の方法。
【実施例0263】
(viii)実験例
[実施例1]
序論
遺伝子治療のために、キメラ抗原受容体(CAR)、TCR又はCAR/TCRハイブリッドにより疾患特異的T細胞を操作することが可能になる。しかし、操作されたT細胞をエクスビボで製造するのに現在必要な手の込んだ高価なプロトコールでは、健康管理システムの要求事項に取り組むのに十分大きな規模でこれらのトランス遺伝子を導入するには明らかに実用的ではない。ここでは、循環T細胞を一過性に再プログラムして疾患関連抗原を認識させることができるインビトロ転写(IVT)mRNAを送達する注射可能なナノ粒子が開示される。これらのポリマーナノ粒子の繰り返し注入により、エクスビボで操作されたリンパ球のボーラス注入と類似するレベルで、白血病、前立腺がん及びB型肝炎誘導性幹細胞癌の疾患後退を誘導するのに十分な量の宿主T細胞中に腫瘍特異的CAR又はウイルス特異的TCRトランス遺伝子が送達される。製造、流通及び投与の容易さを考慮すると、この新しいナノテクノロジーは広範囲の疾患に対する影響力の大きい治療薬につながる。
【0264】
患者又はドナーから収集されるT細胞が標的としてのがん又は感染病原体に遺伝子学的に向けられる強力な様式である、養子T細胞療法の有効性は、現在では、異議の余地がなく、強い印象を与える臨床効果を示す数多くの臨床試験により支持されている。しかし、薬物を標準化された形態で大量に調製するのではなく、患者ごとにT細胞産物を製造することに関与する複雑さ及び高コストのせいで、小分子薬物又はモノクローナル抗体などの現在の最前線療法選択肢を打ち負かすのは困難である。大半のCAR-T及びTCR操作T細胞は、現在、(i)2本の静脈チューブによりアファレーシス装置に数時間接続された患者からT細胞を抽出する白血球アファレーシスを必要とする扱いにくいオーダーメイドの工程により作成されている。これは患者には快適ではなく、かなりの費用を招き、最終的には自家性T療法の大規模採用がアフェレーシス能力の有効性により制限される速度になる可能性がある;(ii)T細胞の活性化及び形質導入;(iii)サイトカイン補充組織培養培地での2週間にわたる形質導入されたT細胞の増殖;及び(iv)投与に先立ってT細胞を洗浄し濃縮する。中央施設で作成され遠隔処置センターまで輸送されるT製品では、細胞は凍結保存しなければならない;及び(v)CAR-T製品のバッチごとに品質管理(QC)リリースアッセイが行われる。全工程は、維持し実行するのが高価である環境制御されたGMP準拠条件下で行わなければならない。それぞれのCAR-T製品は処置されることになっている患者由来の出発物質(T細胞)から作成されるので、実質的なスケールメリットはない。
【0265】
IVT mRNAは、遺伝子情報を送達する潜在的に新しい薬物クラスとして最近スポットが当てられるようになっている。そのような合成mRNA医薬品を操作すれば、天然のmRNAに構造的に似ていることによりタンパク質を一過性に発現することができる。このような合成mRNAは開発が容易であり、生産に費用が掛からず、製造目的には効率的にスケーラブルである。特にIVT mRNAの翻訳効力及び免疫原性を制御することに関係しているこの薬物クラスの本来備わっている難問への取組みが前進すれば、広い範囲の潜在的応用のための基盤を提供する。
【0266】
ここで、循環T細胞を遺伝子学的にプログラムして疾患特異性受容体を一過性に発現させ、それによって患者由来のリンパ球を抽出して培養する必要性を迂回するための注射可能な薬物としてのIVT mRNAの使用(
図1、2、3A、3B)を調べた。IVT mRNAペイロードを濃縮して保護するため及びIVT mRNAを標的のT細胞に正確に向けるため、生分解性ポリマーナノ粒子を処方した。単一ナノ粒子の適用が、培養されたT細胞の>70%に、CD19特異的1928z CAR(Yescarta(商標)、再発性又は難治性大細胞型B細胞リンパ腫を抱えた成人患者の処置についてFDAから承認されている)を、又はB型肝炎ウイルス(HBV)コア抗原(現在、HBV関連肝細胞癌を抱えた患者を処置するため第I相試験中である)に特異的なHBcore18-27 TCRをルーチン的にトランスフェクトできることが最初にエクスビボで実証された。ナノ粒子トランスフェクトT細胞は、平均7日間でこれらの表面においてこれらのCARトランス遺伝子又はTCRトランス遺伝子を一過性に発現する。
【0267】
手の込んだ費用の掛かる手順である個別化されたT細胞療法と比べると、ナノ粒子薬物は費用が掛からず大量製造が簡単である(さらに、cGMP条件下でのナノ粒子のスケールアップ製造のために設計された連続フローマイクロ流体装置が現在入手可能である)。ナノキャリアーのマイクロ流体組立のための例示的方法は、例えば、Wilsonら、(2017)J.Biomed.Mat.Res.A.6(105):183~1825頁に提供されている。一部の実施形態において、ナノ粒子はマイクロミキサーチップを使用して製造される。本開示の方法と適合する例示的マイクロミキサーチップは、Dolomite(登録商標)micromixer chip(Dolomite Microfluidics、Royston、UK(Dolomite TELOS(商標)))である。結果は、処置の機会を、悪性腫瘍又は慢性感染症を抱えた患者の処置のために、エクスビボで操作されたT細胞製品から手ごろな値段の市販の試薬に変え、この試薬は診断の日に及び医学的に必要なだけ何度でも入手可能である。
【0268】
目的
この実施例の目的は、循環T細胞を遺伝子学的にプログラムして疾患特異性受容体を一過性に発現させ、それによって患者由来のリンパ球を抽出して培養する必要性を迂回するための注射可能な薬物としてのIVT mRNAの使用を調べることであった。定期的に投与された場合、CAR又はTCRコードmRNA粒子が、CARコードウイルスベクターをエクスビボで形質導入されたT細胞の従来の注入に類似する有効性で腫瘍後退を引き起こすのに十分な量でT細胞をプログラムすることができることを立証する実験を実施した。
【0269】
結果
IVT mRNAナノ粒子はヒトT細胞にCAR又はTCRトランス遺伝子を効率的にトランスフェクトする。IVT mRNAコード疾患特異的受容体遺伝子をヒトリンパ球中に送達するため、生分解性ポリ(βアミノエステル)(PBAE)ポリマー製剤をキャリアーマトリックスとして使用した(
図4A)。カチオン性PBAEは、静電相互作用を介してアニオン性核酸とのナノ複合体に自己組織化する(
図4B)。粒子は、Fab配列に付加されたシステインと反応するPGA-マレイミドを使用して、抗CD8結合ドメインをポリグルタミン酸(PGA)に結合させ、粒子に静電気的に吸着されるコンジュゲートを形成することにより、標的にした。得られたmRNAナノ粒子は長期保存のために凍結乾燥することができる。使用に先立って、粒子は無菌水の添加に続く数秒以内に水和してこのはじめの濃度を取り戻す。CARトランス遺伝子対それよりもわずかに大きなTCRトランス遺伝子を負荷されたナノ粒子の物理的特性には有意差は観察されず、TCRトランス遺伝子は2Aリンカー配列により連結されるTCRアルファ及びベータ鎖をコードする。例示的なタンパク質配列は
図8に提供されている。
【0270】
標的化IVT mRNAナノ粒子をヒトリンパ球の確立した培養物に添加するとこの中で頑強なトランスフェクションを演出することができるかどうかを先ず試験した。臨床的に関連する応用においてこのアプローチを試験するため、白血病特異的19-28z CARをコードするIVT mRNAをナノ粒子中に組み込んだ(
図5A~5E)。CD19標的化受容体は今日もっとも調査されているCAR-T細胞産物であり、30件近くの臨床試験が国際的に進行中であり、2つががん療法としてFDAにより既に承認されている(Sadelain、J Clin Invest 125:3392~3400頁、2015年)。
【0271】
第2の実施例として、高親和性HBV特異的TCRをコードするIVT mRNA(
図5F~5J)が送達された。慢性B型肝炎のT細胞療法は、抗ウイルス免疫を回復し感染症を治癒する新規のアプローチである。HBVコア抗原に特異的なHBcore18-27 TCRは、HBV感染症が回復したHLA-A02.01ドナーから単離された(Kahら、J Clin Invest.2017年8月1日;127(8):3177~3188頁)。
【0272】
両方の構築物1928z CARとHBcore18-27 TCRでは、リアルタイム定量的PCR及びフローサイトメトリーを使用して、単一ナノ粒子トランスフェクションに続いてヒトT細胞においてこの発現レベルを測定した。トランス遺伝子発現はナノ粒子曝露の24時間後にピークを迎え、続いてこれらの増殖T細胞の発現は徐々に減少していった(
図5A、5F)。これは高レベルのCAR又はTCR表面発現に変わり、2日目に最大となった(T細胞の75%±11%が1928z CARを発現し;
図5B、5C;T細胞の平均で89%±4%がHBcore18-27 TCRを発現した;
図5G、5H)。予想通り、受容体発現は一過性であり、培養の8日後にはCARでは28%±6%、TCRでは26%±9%まで下がった。
【0273】
ナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞の機能(殺傷及びサイトカイン産生)は次に、ウイルス法を使用してこれらの受容体で操作されたT細胞の機能と比較された。リアルタイムIncuCyte(登録商標)(Essen Instruments、Inc.、Ann Arbor、MI)生細胞アッセイを使用した場合、抗原陽性標的細胞(1928z CARではRajiリンパ腫細胞及びHBcore18-27 TCRではHBcAgを安定的に形質導入されたHepG2肝臓がん細胞)を選択的に溶解するIVT mRNAトランスフェクトT細胞の能力に有意差は測定されなかった(
図5D、5I)。その上、ナノ粒子でトランスフェクトされたT細胞対ウイルスにより形質導入されたT細胞においては、T細胞分泌エフェクターサイトカインの類似するレベルが測定された(
図5E、5J)。
【0274】
A.キャリアー送達されるmRNAの注入は白血病を認識するように宿主T細胞を再プログラムする
次に、リンパ球標的化IVT mRNAナノ粒子が、従来の方法に類似する有効性で腫瘍後退を引き起こすのに十分な量で循環T細胞を再プログラムすることができるかどうかを調べた。白血病における有効性のインビボ実証として、免疫不全NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウスに、ホタルルシフェラーゼを発現する1×10
6のCD19+Raji細胞を接種した。5日後、マウスは10×10
6のCD3+ヒトT細胞で再構成され、次に、1928z CARをコードするmRNAを負荷したナノ粒子(白血病特異性を生み出すため)又はGFPをコードするmRNAを負荷した対照粒子の6週間注入を受けた(
図6A)。対照は処置を受けなかった。毎週ナノ粒子投与プロトコールは、IVT mRNAナノ粒子を用いてエクスビボで測定したCAR表面発現の動態に基づいて選ばれ、このナノ粒子は8日間まで適切な受容体発現を示した(
図5B、5C)。
【0275】
ナノ粒子注入と従来の養子T細胞療法の治療有効性を比較するため、マウスの追加の群を、1928z CARをコードするレンチウイルスベクターをエクスビボで形質導入した5×10
6のT細胞の単一用量でも処置した。この量は現在の臨床試験において使用されているもっと高用量のCAR T細胞と等価であり、現在の臨床試験において患者は体重1キログラム当たり最大1.2×10
7のCAR T細胞で処置されてきている(Gruppら、N Engl J Med 368:1509~1518頁、2013年)。生物発光イメージングを使用して、腫瘍成長を連続的に数量化した。全生存もモニターした。生存は、未処置の対照と比べて、エクスビボで操作され養子性に移入された1928z CAR-T細胞で処置されたマウスで大いに改善された。腫瘍は10匹のマウスのうち6匹で根絶され、その他は、生存の平均32日の改善と共にかなりの腫瘍後退を示した(
図6C)。従来の養子T細胞療法を用いて達成されたこの治療効果は、同じCARをリンパ球中にインビボでプログラムするIVT mRNAナノ粒子を用いた処置に類似しており、IVT mRNAナノ粒子を用いた処置では10匹のマウス中7匹での腫瘍根絶及び再発動物の生存における平均37日の改善を達成した(
図6C)。
【0276】
最初の用量の2日後の末梢血のフローサイトメトリーにより、1928z担持ナノ粒子が、白血病細胞を認識するように末梢T細胞を急速に効率的にプログラムすることが明らかにされた(CD8
+の中で平均10%CAR
+±4.3%、
図6D、6E)。これらのCARは1週間まで一過性に発現された(7日目に0.8%±0.4%CAR+CD8
+T細胞)。ナノ粒子の繰り返し投与は最初の注射と同じ程度に効果的であり、宿主T細胞中への平均10.7%±3.6%カプセル化mRNA移行を達成した(
図6E)。これにより、この頻繁な一過性の性質にもかかわらず、IVT mRNAが、宿主リンパ球における持続的インサイツCAR発現を達成するためのプラットホームとしての役割を果たせることが示唆される。
【0277】
B.ナノ粒子を介したT細胞中への腫瘍特異的CAR遺伝子の導入により前立腺腫瘍は後退する
固形腫瘍における有効性を立証するため、前立腺腫瘍特異的CAR遺伝子を循環宿主T細胞中に導入するように設計されたナノ粒子がマウスにおいて前立腺腫瘍の後退を誘導する能力を立証した。高レベルのCD19標的抗原を普遍的に発現し循環T細胞に容易に近づける白血病細胞と違って、固形がんは不均一であり保護されている(Meacham&Morrison、Nature 501:328~337頁、2013年)。これは、腫瘍細胞の一部はターゲティングCARにより認識されず、T細胞を機能不全にすることができる免疫抑制防御に取り囲まれていることを意味する。事実、全ゲノム/転写プロファイリングが140の前立腺がん転移において使用されて、前立腺腫瘍病変が患者間で3つのキーとなる細胞表面タンパク質(前立腺特異的膜抗原(PSMA)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)及び受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1))の不均一発現を示すことを確証した(
図7A)。
【0278】
ヒト疾患を再現するため、LNCaP C42前立腺癌細胞(キーとなる細胞表面タンパク質の不均一発現を示す、
図7B)をNSGマウスの前立腺の背葉中に同所的に移植した(
図7C)。生物発光イメージングにより腫瘍負荷を連続的にモニターするため、腫瘍細胞にホタルルシフェラーゼ(FLuc)を遺伝子学的にタグ付けした。同所的移植に続いて、すべてのマウスは3週間以内に病変を再現性よく発症し(
図7C、右パネル)、実験のために種々の処置群又は対照群に無作為に割り当てた(
図7C)。
【0279】
腫瘍抗原ROR1に特異的な10
6のエクスビボで形質導入されたCAR
+T細胞を担腫瘍マウスに全身的に注射する治療有効性を測定した。抗ROR1 CAR-T細胞は腫瘍クリアランスを達成しなかったとはいえ、処置されたマウスは2倍を超える生存率を示した(69日対非処置対照群の32日;
図7D、7F)。
【0280】
マウスは抗ROR1 CARトランス遺伝子負荷ナノ粒子を毎週全身的に注射された(
図7E)。ナノ粒子で誘導されたCARプログラミングは、非処置対照と比べて生存を平均で40日延ばし、この数字は従来の養子T細胞療法を用いて達成された延命効果に類似している(△平均生存=3d、N.s.、P=0.23、
図7D、7F)。これにより、ナノキャリアーのインビボ投与が、対象への投与前にナノキャリアーをエクスビボで形質導入したT細胞の投与と少なくとも同じ程度に治療効果を達成することが立証されている。
【0281】
フローサイトメトリーにより、再発性前立腺腫瘍の抗原プロファイルの表現型を決定した。がんにおいて見られる最も一般的な逃避戦略の1つは、CARが作り出す選択圧のせいで標的抗原発現を減少させることである。この現象は、単一の抗原のみに特異的な養子性移入T細胞を使用して不均一な腫瘍(例えば、転移性前立腺がん)を処置した場合の前臨床試験と臨床試験の両方の失敗の原因として報告されてきた。ROR1腫瘍抗原を種々のレベルで発現する非処置LNCaP C42前立腺腫瘍との直接比較では、両方の処置群(養子性移入T細胞又はナノ粒子プログラムされたT細胞)のCAR標的化腫瘍は最終的に、ROR1低/ネガティブ免疫逃避変異体を発生するようになった(
図7G)。
【0282】
材料及び方法
PBAE447合成
このポリマーはMangravitiら、(ACS Nano 9、1236~1249頁、2015年)により記載された方法に類似する方法を使用して合成した。1,4-ブタンジオールジアクリレートを4-アミノ-1-ブタノールと、ジアクリレートがアミンモノマーに対して1.1対1のモル比で組み合わせた。混合物は、24時間攪拌しながら90℃まで加熱してアクリレート終端ポリ(4-アミノ-1-ブタノール-コ-1,4-ブタンジオールジアクリレート)を生成した。2.3gのこのポリマーを2mlのテトラハイドロフラン(THF)中に溶解させた。ピペラジンキャップ447ポリマーを形成するため、13mlのTHF中に溶解させた786mgの1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジンをポリマー/THF溶液に添加した。得られた混合物は室温で2時間攪拌し、次に、キャップポリマーを5容積のジエチルエーテルで沈殿させた。溶媒をデカントした後、ポリマーを2容積の新鮮なエーテルで洗浄し、次に、残留物は使用前に2日間真空下で乾燥させ、DMSO中100mg/mlのストックを形成し、これを-20℃で保存した。
【0283】
PGA-抗体コンジュゲーション
15kDのポリグルタミン酸(Alamanda Polymersから)を水に溶解して20mg/mlを形成し、10分間超音波処理した。水中4mg/mlの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(Thermo Fisher)の等容積を添加し、溶液は室温で5分間混ぜ合わせた。次に、得られた活性化PAGをリン酸緩衝食塩水(PBS)中に抗体と4対1のモル比で組合せ、室温で6時間混ぜ合わせた。非連結PGAを取り除くため、溶液はPBSに対して50,000NMWCO膜(Millipore)を通して3回取り替えた。抗体濃度は、NanoDrop2000分光光度計(Thermo Scientific)を使用して決定した。T細胞実験には抗CD8(クローンOKT8)抗体を使用した。クローンC1.18.4を対照抗体として使用した。
【0284】
mRNA合成
抗ヒト1928z CAR、抗ROR1(4-1BBz)CAR及びHBV特異的TCR(HBcore18-27 TCR)をコードするコドン最適化mRNAを使用した。コドン最適化DNA配列は
図8に提供されている。すべての構築物は、以下の修飾内容;シュードU及び5-メチル-Cを完全置換した、修飾されたmRNA転写物;ARCAキャップする(Cap0);ポリアデニル化する(120A);デオキシリボヌクレアーゼ及びホスファターゼ処理;シリカ膜精製;並びに1mMのクエン酸ナトリウム、pH6.4中の溶液としてパッケージを付けて、Trilink Biotechnologies社に注文した
【0285】
ナノ粒子調製
mRNAストックは、無菌無ヌクレアーゼ25mMの酢酸ナトリウムバッファー、pH5.2(NaOAc)中100μg/mlまで希釈した。DMSO中のPBAE-447ポリマーはNaOAc中6mg/mlまで希釈し、60対1(w:w)比でmRNAに添加した。得られた混合物は、中程度の速度で15秒間ボルテックスした後、ナノ粒子が形成されるように室温で5分間インキュベートした。ナノ粒子にターゲティングエレメントを付加するため、PGA連結結合ドメインをNaOAc中250μg/mlまで希釈し、2.5対1(w:w)比でmRNAに添加した。得られた混合物は、中程度の速度で15秒間ボルテックスし、次に室温で5分間インキュベートし、PGA結合ドメインをナノ粒子に結合させた。
【0286】
ナノ粒子は、凍結保護物質として60mg/mlのD-スクロースと混合することにより凍結乾燥させ、それをFreeZone2.5L Freeze Dry System(Labconco)で加工する前に、液体窒素中で急速冷凍した。凍結乾燥ナノ粒子は、使用するまで-80℃で保存した。適用では、凍結乾燥ナノ粒子は一定容積の無菌水に再懸濁し、その最初の濃度を回復した。
【0287】
細胞選別及びフローサイトメトリー
データは、FACSDIVAソフトウェアを実行するBD LSRFortessa又はFacsCantoIIセルアナライザーを使用して入手し、BD FACS ARIA-IIで選別して、FlowJo v10.1.で分析した。
【0288】
CAR T細胞殺傷アッセイ
CAR標的細胞の特異的細胞溶解はフローサイトメトリーによりアッセイされた。標的K562-CD19細胞は低い(0.4μM)、及び対照K562は高い(4.0μM)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)を37℃で15分間標識された。両方の試料は血清を含有する完全培地で洗浄され、1対1の比で混合され、次に指示されたエフェクター対標的比で19-41BBζと共培養された。特異的な細胞溶解を評価するため、それぞれの条件を抗CD8mAb(BioLegend)で染色してT細胞を同定し、7AADで染色して死細胞を排除し、フローサイトメトリーで分析した。特異的細胞殺傷は、対照CD19-K562細胞(高CFSE)に対する生存CD19+標的細胞(低CFSE)の比を測定することにより評価した。
【0289】
顕微鏡検査
400μlのXFSFM中106のT細胞を、表面結合のために、3μgのcy5-標識eGFP mRNAを含有する抗CD3標的化ナノ粒子を用いて4℃で1時間処置し、続いて内部移行のために37℃で2時間インキュベートした。これらの処置に続いて、細胞は冷PBSで3回洗浄し、4℃で30分間ポリ-l-リジン(Sigma)被覆スライド上に充填した。試料は2%パラホルムアルデヒドに固定し、ProLong Gold Antifade試薬(Invitrogen)に乗せ、Zeiss LSM 780 NLOレーザースキャニング共焦点顕微鏡で撮像した。
【0290】
統計解析
別段述べられなければ、グラフは平均±平均の標準偏差を示す。統計解析はPrismソフトウェア(Graphpad)を用いて行った。
【0291】
[実施例2]
材料及び方法
PbAE合成。
【0292】
ポリマーを合成するのに使用する方法はすでに記載されていた(Mangraviti Aら、(2015)ACS Nano 9:1236~1249頁)。1,4-ブタンジオールジアクリレートは、ジアクリレート対アミン単量体の1対1モル比で4-アミノ-1-ブタノールと組み合わせた。アクリレート端末ポリ(4-アミノ-1-ブタノール-1,4-ブタンジオールジアクリレート共重合体)は、混合物を24時間攪拌しながら90℃まで加熱することにより形成した。このポリマーの2.3gを2mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。ピペラジンキャップド447ポリマーを形成するため、13mLのTHF中786gの1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジンをポリマー/THF溶液に添加し、室温(RT)で2時間攪拌した。キャップドポリマーは5容積のジエチルエーテルで沈澱させ、2容積の新しいエーテルで洗浄し、1日真空下で乾燥させた。純ポリマーはジメチルスルホキシド(DMSO)に100mg/mLの濃度まで溶解し、-20℃で保存した。
【0293】
ジマンノースへのPGAコンジュゲーション.α-D-マンノピラノシル-(1→2)-α-D-マンノピラノース(Di-mannose、Omicron Biochemicals Inc.)をPGAにコンジュゲートする前にグルコシルアミンに改変した。先ず、ジマンノース(157mg)を10.5mLの飽和水性炭酸アンモニウムに溶解し、室温で24時間攪拌した。2日目、さらに多くの固体炭酸アンモニウムを、ジマンノースが反応液から沈澱するまで添加した。混合物はTLCにより測定した場合、完了するまで攪拌し、続いて凍結乾燥して過剰な炭酸アンモニウムを取り除いた。揮発性塩の完全な除去は、固体をメタノールに再溶解することにより達成した。これらの手順により、今後のPGAとのコンジュゲーションのためにアノマー炭素上にアミンが作り出された。
【0294】
アミノ化ジマンノースをPGAにコンジュゲートするため、基質を30mg/mLまで水に溶解し、次に10分間超音波処理した。水中エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・HCL(4mg/mL、30当量)を、室温で4分間混合しながら添加した。水中N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(30mg/mL、35当量)を、PGA/EDC液と一緒に1分間インキュベートした。リン酸緩衝食塩水(PBS)中アミノ化ジマンノースは、得られた活性化PGAと44対1のモル比で組み合わせ、室温で6時間混合した。過剰な試薬は、24時間水に対して透析することにより取り除いた。
【0295】
mRNA合成。
【0296】
eGFP、IRF5、及びIKK(TriLink Biotechnologies)についてのコドン最適化mRNAは、アンチリバースキャップアナログ3’-O-Me-m7G(5’)ppp(5’)G(ARCA)でキャップし、修飾リボヌクレオチドプソイドウリジン(ψ)及び5-メチルシチジン(m5C)で完全に置換した。
【0297】
ナノ粒子調製。
【0298】
IRF5及びIKKβ mRNAは3対1(w対w)比で組み合わせ、25mMの酢酸ナトリウム(NaOAc)バッファー(pH=5.2)中100μg/mLまで希釈した。DMSO(上記の通り調製)中ポリ(β-アミノアステル)-447(PbAE-447)ポリマーを、やはりNaOAcバッファー中100μg/μLから6μg/μLまで希釈した。ナノ粒子を形成するため、PbAE-447ポリマーを60対1(w対w)の比でmRNAに添加し、直ちに中速度で15秒間ボルテックスし、次に混合物は室温で5分間インキュベートして、PbAE-mRNAポリプレックスを形成させた。次のステップにおいて、NaOAcバッファー中100μg/mLのPGA/ジマンノースをポリプレックス溶液に添加し、中速度で15秒間ボルテックスし、室温で5分間インキュベートした。この工程において、PGA/ジマンノースがPbAE-mRNAポリプレックスの表面を被覆して最終NPを形成した。長期貯蔵のため、D-スクロース(60mg/mL)を凍結保護物質としてNP溶液に添加した。ナノ粒子はドライアイスで瞬間凍結し、次に凍結乾燥した。乾燥NPは使用するまで-20℃又は-80℃で貯蔵した。インビボ実験において、凍結乾燥したNPは1対20(w対v)比で水に再懸濁した。
【0299】
ナノ粒子サイズ分布及びζ電位の特徴付け。
【0300】
NPの物理化学的特性(流体力学半径、多分散、ζ電位及び安定性を含む)は、25℃でZetapals器具(Brookhaven Instrument Corporation)を使用して特徴付けた。動的光散乱に基づいて流体力学半径及び多分散を測定するため、NPを25mMのNaOAc(pH=5.2)中に5倍希釈した。ζ電位を測定するため、NPを10mMのPBS(pH=7.0)に10倍希釈した。NPの安定性を評価するため、新たに調製した粒子を10mMのPBSバッファー(pH=7.4)に希釈した。NPの流体力学半径及び多分散は10分ごとに5時間測定し、そのサイズ及び粒子濃度は、Nanosite 300 instrument(Malvern)を使用して粒子トラッキング解析から導き出した。透過型電子顕微鏡を使用してNPを特徴付けるため、以前記載されたプロトコールに従った(Smith TTら、(2017)Nat Nanotechnol 12:813~820頁)。新たに作成したNP(0.83μgのmRNAを含有する25μL)を、グロー放電処理200メッシュ炭素/Formvar被覆銅グリッド上に沈着させた。30秒後、グリッドは、50%のKarnovsky定着液、0.1Mのカコジル酸バッファー、dH2O、次に1%(w/v)酢酸ウラニルで順次処理した。試料は、120kVで作動するJEOL JEM-1400透過型電子顕微鏡(JEOL USA)で撮像した。
【0301】
骨髄由来マクロファージ(BMDM)及び他の細胞株。BMDMを調製するため、確立したプロトコール(Zhang Xら、(2008)Curr Protoc Immunol Chapter 14:Unit 14 11)に従って骨髄前駆細胞をマウス大腿骨から収集した。これらの細胞は完全培地[4.5g/LのD-グルコース、L-グルタミン、10%の熱失活ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mLのペニシリンを補充したDMEM、及び20ng/mLのM-CSF(Peprotech、カタログ#315-02)を補充した、100μg/mL、Glutamax50mL/500mL]において播種密度0.5~1.0 e6/mlで培養した。細胞は、エクスビボで7日間、5%CO2下、37℃でBMDM中に分化させておいた。次に、細胞は、マクロファージ条件付け培地[20ng/mLのMPLA(Sigma、カタログ#L6895)又は20ng/mLのIL4(eBiosience、カタログ#34-8041)を補充したマクロファージ完全培地]で条件付けした。BMDMはエクスビボで7~21日間使用した。マウス卵巣がん細胞株ID8は、Dr.Katherine Roby(University of Kansas Medical Center、Kansas City、KS)からの寄贈であるが、10% FBS、100U/mLのペニシリン、5μg/mLのインスリン、5μg/mLのトランスフェリン、及び5ng/mLの亜セレン酸ナトリウム(すべてSigma-Aldrich)を補充したDMEMにおいて培養した。より侵襲性の血管内皮増殖因子(VEGF)発現ID8株を作成するため、ID8腫瘍細胞に、マウスVEGFをブラストサイジン耐性遺伝子と一緒にコードするpUNO1プラスミド(Invivogen)をトランスフェクトした。安定なトランスフェクタントを得るため、腫瘍細胞は、10μg/mLのブラストサイジン(Invivogen)を含有する完全培地において3週間培養した。B16F10黒色腫細胞株(アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関)を、10%のFBS、100U/mLのペニシリン、2mM/L-グルタミン、1.5g/L炭酸水素ナトリウム、4.5g/Lグルコース、10mMのHEPES、1.0mMのピルビン酸ナトリウム、及び0.05mMの2-メルカプトエタノールを有する完全RPMI 1640培地において培養した。インビボ生物発光イメージングにおいて、ID8-VEGFとB16F10細胞株の両方にホタルルシフェラーゼをレトロウイルス性に形質導入した。RACS-PDGFβ又はRCAS-creレトロウイルスを担持するDF-1細胞株は、10%のFBS及び100U/mLのペニシリンを補充した完全培地において5%のCO2下、39℃で培養した。
【0302】
BMDMのmRNAトランスフェクション。
【0303】
トランスフェクションに1日先立って、BMDMは、マクロファージ完全培地において24ウェルプレート上に250,000/ウェルの濃度で再播種した。トランスフェクション前、完全培地は300μLの非補充DMEMで置き換えた。これらの細胞にトランスフェクトするため、2μgのmRNAを含有するNPを基本培地中に添加し、37℃でBMDMと共培養した。1時間後、NPを含有する培地は取り除き、細胞は、トランスフェクション効率及び細胞生存率を評価する前にさらに24時間培養した。
【0304】
マクロファージシグネチャー遺伝子分析のためのBMDMのトランスフェクション。BMDMはトランスフェクション24時間前に条件付け培地で24ウェルプレート上に再播種し、細胞をその表現型に形質転換させておいた。次に、上記のトランスフェクションプロトコールに従って、M2様マクロファージを、レポーターとして25%のeGFP mRNAを担持するIRF5/IKKβ NP又は2μgのmRNAを担持するeGFP NP(対照)に曝露した。24時間後、高度にトランスフェクトしたBMDMの上から10%(eGFP発現により測定した)をトランスフェクション後24時間で選別し、RNA単離前さらに48時間、低用量(10ng/mL)IL4培地において再チャレンジした。これらの細胞から抽出されたRNAは、IRF5-NP処置に関連するシグネチャー遺伝子を同定できるように、標準M1又はM2様マクロファージ由来のRNAと比較した。
【0305】
RNA単離及び調製。RNAを収集するため、BMDMはTrizol試薬(Ambion)に溶解し、全RNAを抽出して、RNeasy(登録商標)Plus Universal Mini-Kits(QIAGEN)を製造業者の使用説明書に従って使用して精製した。試料RNAは、NanoDrop Microvolume分光光度計(Thermo Fisher)を使用して定量化し、次にAgilent 4200 TapeStation分析器(Agilent)でFHCRCゲノム共用資源により実施される品質管理を受けさせた。
【0306】
ナノストリング技術によるマクロファージシグネチャー遺伝子分析。
【0307】
刺激を受けたBMDM培養物からの遺伝子発現値は、nCounter(登録商標)骨髄自然免疫パネル(NanoString Technologies、Seattle、WA)を使用して測定し、この装置は19の異なる経路に存在する770の遺伝子を分析し、7つの異なる骨髄細胞型にわたり遺伝子を処理する。試料は、nCounter分析システム(NanoString Technologies、Seattle、WA)を使用して試験した。生データは、R/Bioconductor NanoStringQCProソフトウェアパッケージ(Nickles D、Sandmann T、Ziman R and Bourgon R(2018)NanoStringQCPro:Quality metrics and data processing methods for NanoString mRNA gene expression data.R package version 1.10.0.)を使用して処理し、品質について点検した。発現値は、ハウスキーピング遺伝子の幾何平均に正規化され、nSolver 4.0ソフトウェア(NanoString Technologies、Seattle、WA)を使用してlog2変換した。比例データについての偽陽性率は、Benjamini-Yekutieli法を使用するt-検定により戻されたp値から計算した。
【0308】
フローサイトメトリー及び細胞選別。
【0309】
脾臓、血液、腹膜灌流、及び気管支肺胞洗浄から得た細胞は、
図8に収載されている抗マウス抗体プローブを使用して骨髄及びリンパ系免疫表現型検査パネルでフローサイトメトリーにより分析した。データは、FACSDIVAソフトウェア(Beckton Dickinson)を実行するBD LSRFortessa分析器を使用して収集した。CD11b+及びF4/80+腹腔マクロファージは、BD FACS ARIA IIを使用して選別した。収集したデータはすべてFlowJo 10.0ソフトウェアを使用して解析した。
【0310】
サイトカイン分析。
【0311】
サイトカインレベルは、FHCRC免疫モニタリング共用資源センターでLuminex 200システム(Luminex)を使用して評価した。エクスビボ研究において、細胞培養上澄みを、IL-6、IL-12p70、INFγ、及びTNFα濃度の測定のために収集した。インビボ研究において、GM-CSF、INFγ、IL-12p70、IL-2、IL-6、及びTNFαの血漿濃度を測定した。
【0312】
qRT-PCR分析。
【0313】
遺伝子発現レベルはqRT-PCRにより決定した。選択されたマクロファージシグネチャー遺伝子(セルピンB2、Retnla、Ccl5、Ccl11、コドン最適化IRF5、内在性IRF5、及びハウスキーピングGAPD遺伝子)を測定するため、全RNAはRNeasy mini-columns(Qiagen)を製造業者の使用説明書に従って用いて単離した。cDNAは、qScript cDNA合成キット(Quanta)を使用して合成した。試料ごとに、RocheのUniversal Probe Library(UPL)由来の遺伝子特異的プローブ及びProbeFinder(Roche)により最適化されたPCRプライマーを使用するPerfeCTa qPCR SuperMix Low ROX(Quanta)を経て3通りに実施した:セルピンB2、UPL-049、F-ACTGGGGCAGTTATGACAGG(配列番号103)、R-GATGATCGGCCACAAACTG(配列番号104);Retnla、UPL-078、F-TTGTTCCCTTCTCATCTGCAT(配列番号105)、R-CCTTGACCTTATTCTCCACGA(配列番号106);Ccl5、UPL-105、F-CCTACTCCCACTCGGTCCT(配列番号107)、R-CTGATTTCTTGGGTTTGCTGT(配列番号108);Ccl11、UPL-018、F-AGAGCTCCACAGCGCTTC(配列番号109)、R-CAGCACCTGGGAGGTGAA(配列番号110);コドン最適化IRF5、UPL-022、F-TCTTAAAGACCACATGGTAGAACAGT(配列番号111)、R-AGCTGCTGTTGGGATTGC(配列番号112);内在性IRF5、UPL-011、F-GCTGTGCCCTTAACAAAAGC(配列番号113)、R-GGCTGAGGTGGCATGTCT(配列番号114)。シグネチャー遺伝子mRNAレベルは、GAPD、UPL-060、F-AGCCACATCGCTCAGACAC(配列番号115)及びR-GCCCAATACGACCAAATCC(配列番号116)の増幅に基づいて正規化した。qRT-PCR反応はすべて、QuantStudio6ソフトウェア(Applied Biosystems)を実行するQuant Studio5 RT-PCR装置を使用して実施した。増幅プロットが閾値を通過せずCt値が得られない(「未決定の」)場合、アッセイでの最高のサイクル数(40サイクル)に等しいCt値を相対的発現の比較のために使用した。
【0314】
マウス及びインビボ腫瘍モデル。
【0315】
脳腫瘍モデル関連の実験を除いて、これらの実験で使用するマウスはJackson Laboratoryから入手し、その他のマウスはFHCRC動物施設で繁殖させ収容した。マウスはすべて、センターの動物実験委員会が承認したプロトコールに照らして使用した。卵巣腫瘍をモデル化するため、5×106の血管内皮細胞成長因子(VEGFP)発現ID8細胞を、生後4~6週間のメスのアルビノB6(C57BL/6J-Tyr<c-2J>)マウスの腹腔内(i.p.)に注射し、2週間確立させておいた。生存研究に関して、動物は、50μgのmRNAを担持するIRF5 NP/eGFP NPでi.p.処置した(9週間の間、週当たり2用量で、又は健康な状態が安楽死要件に達するまで)。機序研究に関して、1、2、又は3週間の処置を使用し、続いて、最後の用量に続く48時間で安楽死させた。腹膜灌流を実施して腹腔細胞を収集した。IRF5/IKKβ NPと現状のマクロファージターゲティング療法の効率を比べるため、マウスの1つの群は、週当たり2用量で3週間の間、50μgのmRNAを担持するIRF5/IKKβ NPでの処置を受け、第2の群は、3週間毎日、溶媒(ポリエチレングリコール400中5%の1-メチル-2-ピロリジノン)で処方した15mg/kgのPI3Kγ阻害剤IPI-594(MedKoo Biosciences Inc)の経口投与を受け;第3の群は、3週間毎日、同じ溶媒で処方した30mg/kgのCSF1R阻害剤ペキシダルチニブ(PLX3397、MedKoo Biosciences Inc)のi.p.注射を受けた。
【0316】
転移性肺がんをモデル化するため、F-lucを形質導入し200μLのRPMI培養液に懸濁された2.5×104の16F10細胞を、生後4~6週間のメスのアルビノB6(C57BL/6J-Tyr<c-2J>)マウス(Jackson Laboratories)に注射し、1週間確立させておいた。生存研究に関して、マウスは、PBS中に懸濁された30μgのmRNAを担持するIRF5/IKKβ又はeGFP NPで(又はなしで)後眼窩に処置した。マウスは、3週間の間、週当たり3用量で、又は健康な状態が安楽死要件に達するまで処置した。機序研究に関して、マウスは2週間、同じ処置を受けた。気管支肺胞洗浄を実施して分析のために肺胞細胞を収集した。
【0317】
神経膠腫を抱えたマウスを、公表されているプロトコール(Uhrbom Lら、(2004)Nat Med 10:1257~1260頁)に従って作成した。RCAS-PDGFβ及びRCAS-creレトロウイルスを産出しているトリDF-1細胞を、生後4~6週間でNestin-tv-a/Ink4a-arf-/-;Pten-/-マウス(C57BL/6)の両方の脳半球(座標:前頂から1mm尾側、2mm側部、硬膜表面から2mmの深さ)の頭蓋内に注射した。腫瘍は2週間確立させておいた。15日目、マウスは1つの半球に10Gyの放射線を受け、その間未照射半球は鉛で遮蔽した。次の日、マウスは、30μgのmRNAを担持するIRF5/IKKβ NPの後眼窩注射を受ける(3週間の間、週当たり3用量)、又はPBS対照群に割り当てられた。
【0318】
インビボ生物発光イメージング。
【0319】
PBS中D-ルシフェリン(Xenogen)(15mg/mL)を、ホタルルシフェラーゼイメージングのための基質として使用した。生物発光画像は、Xenogen IVIS Spectrumイメージングシステム(Xenogen)で収集した。マウスは、イメージング前及び最中に2%のイソフルラン(Forane、Baxter Healthcare)で麻酔にかけた。ID8-VEGF卵巣腫瘍に関して、それぞれのマウスは、300μgのD-ルシフェリンをi.p.注射し、画像は10分後に収集した。B16F10肺転移性腫瘍に関して、マウスは、3mgのD-ルシフェリンをi.p.注射し、画像は15分後に収集した。脳腫瘍モデルに関して、マウスは、75mg/体重kgのD-ルシフェリンの後眼窩注射を受け、画像は4分後に収集した。捕捉時間は10秒~5分の範囲に及んだ。
【0320】
体内分布分析。
【0321】
ID8-VEGF卵巣腫瘍モデルにおけるIRF5 NPの体内分布を決定するため、7~8群のマウスが、50μgのmRNAを担持するNPのi.p.又は後眼窩用量を受けた。注射24時間後、全血を収集し、マウスはCO2で安楽死させ、臓器(肝臓、脾臓、肺、腎臓、心臓、腸、膵臓、及び横隔膜)を回収した。すべての組織はRNAlaterで安定化し、次に、ドライアイス上で凍結した。それぞれの臓器におけるコドン最適化IRF5 mRNAレベルはRT-qPCRを使用して測定した。
【0322】
毒性分析。
【0323】
マクロファージターゲティングNPを繰り返し注入することの潜在的なインビボ毒性を測定するため、マウス(5/群)に50μgのmRNAを担持するIRF5/IKKβ又はeGFP NPの6連続用量を3週間の間に静脈内注射した。対照は処置を受けなかった。最終注入の24時間後、マウスに麻酔をかけ、血液を後眼窩出血により収集し、全血球数を決定した。血液は、血清化学及びサイトカインプロファイル分析のためにも収集した(Phoenix Central Laboratories、Mukilteo、WAにより実施した)。次に、動物はCO2で安楽死させ、臓器を回収し、4%のパラホルムアルデヒドに固定する前に脱イオン水で洗浄した。組織はルーチン処理し、切片はヘマトキシリン-エオジンで染色した。検体は、委員会認定の局員病理学者により、盲検様式で解釈された。
【0324】
サイトカインアッセイ。
【0325】
サイトカインレベルは、FHCRC Immune Monitoring Shared Resourcesにおいてルミネックス200システム(Luminex)を使用して評価した。エクスビボ研究に関して、細胞培養上澄みを、IL-6、IL12p70、INFγ、及びTNFαの濃度の測定のために収集した。インビトロ研究では、GM-CSF、INFγ、IL-12p70、IL-2、IL-6及びTNFαの血漿濃度を測定した。
【0326】
統計解析。
【0327】
観察された相違の統計的有意は、独立両側一元配置分散分析検定を使用して分析した。測定ごとのP値は、図又は図説明文に収載されている。生存データは、対数順位検定を使用して特徴付けた。統計解析はすべて、GraphPad Prismソフトウェアバージョン6.0又はRソフトウェアを使用して実施した。
【0328】
結果。
【0329】
TAMのIVT mRNAトランスフェクションを構成するためにNPを設計する。陽イオンPBAEポリマーと陰イオンmRNAの間の静電相互作用を利用することにより、標的化細胞における頑強な遺伝子発現を導入することができる標的化mRNA送達システムを開発した(
図9A)。得られたナノ担体にカプセル化されたmRNAの安定性及び翻訳を改善するため、改変リボヌクレオチドプソイドウリジン(ψ)(Kariko Kら、(2008)Mol Ther 16:1833~1840頁)及び5-メチルシチジン(m5C)を組み込み、ARCA(アンチリバースキャップアナログ)(Quabius ESら、(2015)N Biotechnol 32:229~235頁)でキャップされたメッセージの合成バージョンを使用した。mRNAは、PbAE骨格においてエステル結合の加水切断により細胞内でmRNA-PbAE複合体から放出される。効率的なインビボT細胞トランスフェクションは、このシステムを使用して以前実証されていた(Smith TTら、(2017)Nat Nanotechnol)。ナノ粒子を標的のTAMに向け並びにナノ粒子が含有するmRNA-PbAE複合体をさらに安定化するため、ジマンノース部分は、リンカーとしてPGAを使用してその表面上に操作した(
図9A)。NPは、単純な2ステップ電荷駆動自己組織化工程を利用して製造した。第1に、合成mRNAは正電荷PbAEポリマーと複合体化し、これによりmRNAはナノサイズ複合体中に凝縮される。このステップに続いて、ジマンノース官能基を持たされたPGAを添加し、これは正電荷のPbAE-mRNA粒子を遮蔽して、マクロファージ-ターゲティングを与える。得られたmRNAナノ担体は、99.8±24.5nmのサイズ、0.183の多分散性、及び中性表面電荷(3.40±2.15mVのζ電位、
図9B、9C)有していた。トランスフェクション効率は、先ず、緑色蛍光タンパク質コードmRNAで処方されたNP(GFP-NP)を使用してマウス骨髄由来マクロファージ(BMDM)において試験した。手短に言えば、50,000のBMDMを1μgのmRNAを含有するNPに1時間曝露し、続いて次の日、GFP発現のフローサイトメトリー測定を行った。単一NP適用に続いて、これらの一次マクロファージの31.9%(±8.5%)は、その生存率を低下させずにルーチン的にトランスフェクトされた(
図9E、9F)。ジマンノースを用いた粒子の表面修飾は適切であった。なぜならば、非標的化(しかし、PGA被覆された)ナノ担体でのトランスフェクション率はこの固有の食作用性細胞型において平均で25%(±2.1%)まで低下したからであった。NPは、CD11b+、F4/80+マクロファージ集団を選択的に標的にし、マクロファージの46%がトランスフェクトされ高レベルのeGFPを発現した(
図9D)。この高度なトランスフェクション効率は、TAMへのmRNAの標的化送達において開示されたシステム及び方法の効力を実証している。マクロファージ極性化を誘導する転写因子候補を求めてのインビトロスクリーニングの結果に基づいて、NPに包含するための2つのmRNAを選択し:第1のmRNAは、M1表現型に向かうマクロファージの極性化に有利に働くIRFファミリーのキーとなるメンバーである、IRF5をコードし、第2のmRNAはIRF5をリン酸化し活性化するキナーゼである、IKKβをコードする。
【0330】
免疫抑制性マクロファージを炎症促進性表現型にプログラムする。
【0331】
マクロファージ極性化を誘導するため、NPに包含するための2つのmRNAを選択し:第1のmRNAは、M1表現型に向かうマクロファージの極性化に有利に働くインターフェロン制御因子ファミリーのキーとなるメンバーである、IRF5をコードし(Krausgruber Tら、(2011)Nat Immunol 12:231~238頁);第2のmRNAは、IRF5をリン酸化し活性化するキナーゼである、IKKβをコードする(Ren Jら、(2014)Proc Natl Acad Sci USA 111:17438~17443頁)。3 IRF5 mRNA対1 IKKβ mRNAの比を使用した。NP送達(及びコドン最適化)IRF5 mRNAに特異的なリアルタイム定量的PCRを使用して、マクロファージにおけるmRNA発現は1日目が最大であり、内在性因子レベルと比べてIRF5の1500倍の増加がもたらされることが見出された(
図9A)。予想通り、遺伝子発現は一過性であるが、IRF5レベルは、ベースラインに戻る前、3日目(581倍の増加)から5日目(87倍の増加)を通じて強く上方調節されたままであった。
【0332】
IRF5/IKKβコードNPがM2マクロファージを治療的に望ましい抗がんM1表現型に再プログラムできるかどうかを判定するため、ナノストリング遺伝子発現分析を使用した。BMDMは、先ず、インターロイキン-4(IL-4)の存在下で培養して、抑制性M2表現型を誘導した(
図9H)。対照GFP-mRNAナノ粒子又はIRF5/IKKβ mRNA含有NPでのトランスフェクションに続いて、遺伝子発現プロファイルを分析し炎症性マクロファージと比較した。この炎症性マクロファージは、BMDMをTLR4アゴニストモノホスホリスリピドAに曝露することにより別々に作成した。抑制性IL-4含有培地で培養されたが、IRF5/IKKβ mRNA NPをトランスフェクトされたマクロファージは、炎症性マクロファージに類似する遺伝子発現プロファイルを示す(
図9I)。セルピンb2及びCcl2などのシグネチャーM2マクロファージ遺伝子(Jablonski Kら、(2015)Plos One 10:e0145342;Varga Tら、(2016)J Immunol 196:4771~4782頁)は、強く下方調節されており、Ccl5などのキーとなるM1分化遺伝子(Sica Aら、(2012)J Clin Invest 122:787~795頁)は上方調節されていた(
図9J、9K)。これらのデータにより、IRF5及びそのキナーゼのNP媒介発現は抑制性マクロファージを炎症促進性表現型の方に歪めることが立証される。
【0333】
[実施例3]
播種性卵巣がんに対するNP送達pro-M1遺伝子の治療効果。
【0334】
臨床関連インビボ試験システムにおいてこの処置アプローチを評価するため、C57BL/6マウスにおいて後期切除不能卵巣腫瘍を再現するモデルを使用し;これらの動物には、腫瘍成長の連続生物発光イメージングを可能にするようにルシフェラーゼでタグ付けされたID8卵巣がん細胞を注射する(Liao JBら、(2015)J Immunother Cancer 3:16頁;Stephan SBら、(2015)Nat Biotechnol 33:97~101頁)。腫瘍は2週間確立させておいた。この段階まで、マウスは腹膜壁全体に及び腸の腸間膜に小結節を発症していた。動物は、9週間の間100μgのmRNA/マウス/週のi.p.用量での、PBS(対照)、GFPNP(ニセ)、又はIRF5/IKKβ NP処置を受ける3つの群に分けた(
図10A)。IRF5/IKKβ NP処置群において、疾患が退行しており、最後には動物の40%で除去されていることが観察された(全体で142日生存期間中央値対60日対照;
図10B、10C)。IRF5/IKKβ NP媒介抗腫瘍効果の下にある機序を理解するため、マンノース受容体ターゲティングがNP相互作用をどのようにして排他的に食細胞に限定するのかを先ず調べた。ジマンノースで標的化されたNPの最初の投与の24時間後に収集された腹膜灌流液のフローサイトメトリーにより、マクロファージ及び単球中への優先的遺伝子移入(それぞれ、平均37.1%及び15.3%、
図10D)が明らかにされ、オフターゲット細胞中へのトランスフェクションは低い又は検出されなかった。3週間にわたる(毎週2回注射)IRF5/IKKβナノ粒子又はPBSを用いた処置に続く確立した卵巣がんを抱えたマウスの腹膜におけるマクロファージ/単球集団の詳細な表現型及び機能分析を次に行った。フローサイトメトリー分析によれば、IRF5/IKKβ NPは免疫抑制性マクロファージの集団(Ly6C-、F4/80+、CD206+)を平均2.6%±2.1%対対照においては43%±15.6%まで減少させることが明らかになった(
図10E、10F)。反対に、M1様マクロファージの割合は0.5%±0.2%から10.2%±4.1%まで増えた(
図10E、10G)。IRF5遺伝子療法は他の免疫細胞の集団にも影響を及ぼした。特に、炎症性単球(CD11b+、Ly6C+、Ly6G-)がより豊富であった(非処置マウスでの4.5%±1.9%と比べて73.4%±3.6%)。すべてのIRF5 NP処置マウスにおける1つの興味深い所見は、新生物内又は周辺に存在するリンパ球の多巣性密集クラスターであり(
図10H)、免疫刺激性マクロファージの遺伝的プログラミングが固体腫瘍中へのリンパ球遊走及び浸潤を復活させる可能性があることを示している。
【0335】
腹膜マクロファージは蛍光活性化細胞選別により単離して、それらのサイトカイン分泌を分析し、炎症促進性(抗腫瘍)サイトカインIL-12(3.4倍高い)、IFN-g(8.4倍高い)、及びTNF-α(1.5倍高い)の放出の頑強な増加を検出し、一方、選択的に活性化される(M2様)マクロファージへの分化に関連する制御サイトカインであるIL-6のレベルは97倍減少した;
図10I)。ゲノム発現プロファイリングにより、IRF5/IKKβナノ粒子処置マウスにおいてM1様マクロファージ表現型の方に向かう分化が確認された。MPLA又はIL-4においてエクスビボで培養されたマクロファージの遺伝子発現レベルは、それぞれ古典的M1様又はM2様マクロファージについての参照値を提供するために含まれた(
図10J)。
【0336】
生体分布及び安全性。
【0337】
ナノ粒子送達(コドン最適化)IRF5のみを検出するように設計されたRT-qPCRアッセイを使用して腹腔内注射の24時間後に種々の臓器におけるナノ粒子の分布を次に定量化した。IVT mRNAの最高濃度は、肝臓、脾臓、腸、膵臓、及び横隔膜を含む、腹膜に位置する臓器において見出された(
図11A)。腹膜の外側に位置する臓器(心臓、肺、腎臓)における粒子送達mRNAは少量が検出され、i.p.注射されたナノ担体の一部が全身循環に入ったことが示唆される。分配データに導かれて、これらのナノ試薬が生体適合性であり繰り返し投与について安全であるかどうかを次に評価した。マウスに、全部で8用量のIRF5/IKKβ NPを注射した(4週間の間、2回の50μgのmRNA用量/週、
図11B)。マウスは最終用量の24時間後に安楽死させ、体重を記録し、血清化学のために血液を後眼窩出血により収集し、完全肉眼部検を実施した。群間には体重差はなかった。以下の組織:肝臓、脾臓、腸間膜、膵臓、胃、腎臓、心臓、及び肺は、委員会認定の局員病理学者により評価された。病理組織学的評価により、すべての症例で、腫瘍病変内又は周辺に存在するリンパ球の多巣性密集クラスターが明らかにされたが、炎症又は明らかな壊死の証拠は、新生物細胞が存在しない組織において観察されなかった(
図11C)。その上、IRF5/IKKβ NP処置マウスの血清化学は、PBS対照の血清化学と匹敵しており、全身的な毒性は起きていないことを示していた(
図11D)。生体分布研究において少量のIRF5-mRNAが全身的に検出されたので、末梢血中の炎症性サイトカインを定量化するための並列実験を設計した。IRF5/IKKβ NPの単回i.p.注射に続いて、インターロイキン-6(IL-6)の平均26.8pg/mLまでの(
図11E)及び腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の平均94.7pg/mLまでの(
図11F)血清レベルの中程度で一過性の増加が測定された。以前の報告に基づいて、これらのレベルは、病理学的所見に関連するレベルの500分の1であり、したがって安全と見なすことができる(Tarrant J.M.(2010)Toxicol Sci 117:4~16頁;Copeland Sら、(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12:60~67頁)。
【0338】
IRF5/IKKβナノ粒子の静脈内注入で全身性腫瘍転移を制御する。
【0339】
腹膜全体に広がった腫瘍病変を処置するために腹膜腔中に直接投与されたIRF5/IKKβ NPにより達成された治療応答に基づいて、問われた次の問題は、静脈内注入mRNAナノ担体が伝播した疾患を制御するようにマクロファージを全身的にプログラムすることができるかどうかであった。RT-qPCR生体分布研究によれば、i.v.注入ナノ担体はそれらのmRNAカーゴを高レベルの常在性マクロファージ/食細胞のある臓器、大部分が脾臓、肝臓、及び肺に優先的に送達することが明らかにされた(
図12A)。臨床関連インビボ試験システムにおいて抗腫瘍応答を測定するため、IRF5/IKKβ mRNAを含有する粒子を、播種性肺黒色腫転移のあるマウス中に投与した(
図12B)。最近の研究は、この疾患により引き起こされる転移を確立する際の単球及びマクロファージの基本的役割を記載しており(Butler KLら、(2017)Sci Rep 7:45593頁;Nielsen SRら、(2017)Mediators Inflamm 2017年:9624760頁)、腫瘍移植は肺における食細胞蓄積と同調していることが共焦点顕微鏡により確かめられた(
図12C)。腫瘍量は生物発光イメージングにより決定し、検出可能な腫瘍のあるマウスは適合するレベルを有する群に選別された。次に、群は無作為に、治療を受けない(PBS)、又はGFP-若しくはIRF5/IKKβカプセル化ナノ粒子の静脈内注射を受ける処置条件を割り当てられた。IRF5/IKKβナノ粒子療法のみが肺において腫瘍量を実質的に減らし;実際、IRF5/IKKβナノ粒子療法は全生存を平均で1.3倍改善した(
図12D、12E)。並列実験において、マウスは腫瘍接種22日後に屠殺されて、肺転移のカウントで生物発光腫瘍シグナルを確認し、フローサイトメトリーによりマクロファージ極性化を評価した。IRF5/IKKβ NP処置動物の肺における全転移数は、PBS対照(平均419±139転移;
図12F、12G)と比べて8.7倍減少した(平均40±16転移)。気管支肺胞洗浄液細胞のフローサイトメトリーにより、免疫抑制性(CD206+、MHCII-、CD11c+、CD11blow)マクロファージから活性化(CD206-、MHCII+、CD11c-、CD11b+)食細胞への強い移行が明らかにされた(
図12H、12I)。
【0340】
神経膠腫を処置するために腫瘍抑制食細胞をプログラムする。
【0341】
第3のインビボ試験システムに関して、神経膠腫を調べたが、これは、M2様マクロファージが非新生物細胞の大多数を表し腫瘍成長及び侵襲を促進する管理するのが困難ながんタイプである(Hambardzumyan Dら、(2016)Nat Neurosci 19:20~27頁)。現在、この疾患の標準治療は放射線療法であり、この療法は不運なことに、症状の一時的な安定化及び減少のみを提供し、生存期間中央値を3カ月延ばす(Mann Jら、(2017)Front Neurol 8:748頁)。この疾患の遺伝的事象及びそれに続く分子進化を再現するため、PDGFβ駆動神経膠腫のRCAS-PDGF-B/Nestin-Tv-a;Ink4a/Arf-/-;Pten-/-トランスジェニックマウスモデル(PDGマウス(Hambardzumyan Dら、(2009)Transl Oncol 2:89~95頁;Quail DFら、(2016)Science 352:aad3018))を使用した。脳組織は、RCAS-PDGFβ又はRCAS-creレトロウイルスをトランスフェクトしたDF-1細胞の混合物(1対1混合物、2μL)を定位的に注射した。神経膠腫前駆細胞におけるPDGFβがん遺伝子の過剰発現及び腫瘍抑制遺伝子Ink4a-arf及びPtenの非存在のせいで、21日以内にほぼ完全な浸透率を有する4~5mm直径の腫瘍が形成された(
図13A)(以前確立された通りに(Hambardzumyan Dら、(2009)Transl Oncol 2:89~95)。免疫蛍光を使用して、腫瘍浸潤(CD68+)マクロファージの存在(
図13B、左から3番目のパネルに示されている)が確立した神経膠腫(左から2番目のパネルに示されている)において確かめられた。フローサイトメトリーにより、F4/80+、CD11b+マクロファージ集団が腫瘍中の全細胞の32.8%を占めており、この数字は同年齢の健康な対照マウス(3.7%)に見られる9倍高いことが明らかにされている(
図13C)。実験におけるPDGマウスは、キーとなるがん遺伝子プロモーターに連結されたホタルルシフェラーゼを発現する。このレポーター由来の生物発光は、腫瘍悪性度と正の相関関係があることが実証されており(Uhrbom Lら、(2004)Nat Med 10:1257~1260頁)、したがって、この生物発光を使用して、処置開始後4日ごとに腫瘍成長をモニターした。単独療法としてのIRF5/IKKβ NPを先ず試験し:PDGマウスは、IRF5/IKKβ mRNAを積載したNP、又は対照群においてPBSの9用量の静脈内注入を受けた(3週間の間、3用量/週)。IRF5/IKKβ NP処置は腫瘍進行をわずかに抑制した(非処置の対照と比べて平均で5日の生存優位性を生じただけであった;
図13D)。しかし、標準治療としての放射線療法とIRF5/IKKβ NP注射を組み合わせると、PBS対照群と比べて処置マウスの腫瘍成長を実質的に減らし生存期間を2倍以上にした(それぞれ、52日対25日、
図13E、13F)。
【0342】
結論として、3つの前臨床固体腫瘍モデルからのインビボ結果によれば、ナノ粒子は、局所的に又は全身的に投与されるが、マクロファージ極性化のマスター制御因子をコードする遺伝子を送達して免疫抑制性マクロファージを腫瘍除去表現型に再プログラムすることができることが実証されている。
【0343】
マウスからヒトマクロファージへの置き換え。
【0344】
マウスで得られたデータがヒト疾患を処置することに適用可能性があることを確かめるため、ヒトIRF5及びIKKβをコードするIVT mRNAを送達するNP(huIRF5 NP)を製作した。ヒト単球細胞株THP-1を確立したM1及びM2マクロファージ極性化モデルとして使用して、これらのナノ担体を試験した(Li Cら、(2016)Sci Rep 6:21044頁;Surdziel Eら、(2017)Plos One 12:e0183679)。M2タイプのマクロファージは、THP-1細胞をPMAで処置し、IL-4及びIL-13で極性化することにより作成した(
図14A)。huIRE5 NPが機能的でありIRF経路を活性化することを確かめるため、THP1-Lucia(商標)ISG細胞に、huIRF5/IKKβ又はGFP対照mRNAを積載したナノ粒子をトランスフェクトした。THP1-Lucia(商標)ISG細胞は、IRF誘導性プロモーターの制御下で蛍光Luciaレポーターを分泌する。この複合プロモーターは、ISG54ミニマルプロモーターに融合された5つのIFN刺激応答エレメント(ISRE)を含み、このミニマルプロモーターはNF-κB又はAP-1経路の活性化因子に無応答性である。その結果、THP1-Lucia(商標)ISG細胞は、Luciaルシフェラーゼの活性を決定することによりIRF経路のモニタリングを可能にする。huIRF5 NPは、M2極性化THP-1細胞においてルシフェラーゼ発現を強く上方調節することが見出され、mRNA構築物がヒト細胞において機能的であることが示される(
図14B、14C)。IRF5経路活性化がM2極性化THP-1細胞をM1様表現型の方に再プログラムできるかどうかを判定するため、NPトランスフェクションに続く炎症促進性サイトカインIL-1βの分泌を測定した。IL-1βの産生は、huIRF5 NPをトランスフェクトしたTHP-1細胞対非トランスフェクト対照において有意に増加しており(平均21倍;P<0.0001、
図14D)、M1マクロファージ細胞表面マーカーCD80の頑強な上方調節(10.9倍に増加したMFI、P<0.0001)と相関していた(
図14E)。
【0345】
予言的実施例1:T細胞誘引物質を用いた事前調整
組換えCCL21(ケモカイン(c-cモチーフ)リガンド21)を確立した腫瘍に皮下注射し、1日後、腫瘍には、腫瘍特異的CAR、TCR又はCAR/TCRハイブリッドを有する動員されたT細胞を再プログラムするナノ粒子を注射する。CCL21は急速なT細胞侵入を誘導することが知られている(例えば、Riedlら、Molecular Cancer 2003年)。
【0346】
予言的実施例2:播種性卵巣がん
播種性卵巣がんは、免疫適格性マウスにおいて確立される。動物は、CCL21を腹腔内(i.p.)に注射され、続いて1日後メソセリン(MSLN)特異的TCRをコードするmRNAを送達するナノ粒子をi.p.注射された。卵巣がん細胞は高レベルのMSLNを発現する。再プログラム効率(CCL21での事前調整あり又はなしで)は測定され、腫瘍進行は生物発光イメージングを使用して連続してモニターされる。
【0347】
予言的実施例3:HBV誘導肝細胞癌のマウス異種移植片モデル
HBcore18-27抗原を安定的にトランスフェクトされるHepG2腫瘍細胞をNSGマウスの肝臓に外科的に移植する。HepG2腫瘍細胞は、腫瘍進行を非侵襲的にモニターできるようにホタルルシフェラーゼをタグ付けする。次に、マウスは、ヒトT細胞で再構成し、抗HBV特異的TCR(HBcore18-27)又は対照GFPをコードするmRNAを送達するT細胞標的化ナノ粒子を注射する。腫瘍進行は、TCRナノ粒子処置対GFPナノ粒子対照で比較される。末梢血中でのTCR再プログラミングもフローサイトメトリーにより直接測定される。
【0348】
別段示されなければ、本開示の実行は、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学及び組換えDNAの従来の技法を用いることができる。これらの方法は以下の出版物に記載されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989);F.M.Ausubelら、編、Current Protocols in Molecular Biology(1987);the series Methods IN Enzymology(Academic Press、Inc.);M.MacPhersonら、PCR:A Practical Approach、IRL Press at Oxford University Press(1991);MacPhersonら、編、PCR 2:Practical Approach (1995);Harlow and Lane、編.Antibodies、A Laboratory Manual(1988);及びR.I.Freshney、編.Animal Cell Culture(1987)を参照されたい。
【0349】
公開されているデータベースにより提供される配列情報を使用すれば、標的にする遺伝子配列及び本明細書に開示される表現型変更タンパク質をコードする核酸配列を確認することができる。例示的配列は
図15に提供されている。
【0350】
本明細書で開示され参照される配列の変異体も含まれている。タンパク質の変異体は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する変異体を含むことができる。本明細書で使用される場合、「保存的置換」は、以下の保存的置換群:群1:アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr);群2:アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu);群3:アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln);群4:アルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ヒスチジン(His);群5:イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、バリン(Val);及び群6:フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)の1つに見出される置換を含む。
【0351】
さらに、アミノ酸は、類似する機能又は化学構造若しくは組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、硫黄含有)により保存的置換グループに分類することができる。例えば、脂肪族分類は、置換目的で、Gly、Ala、Val、Leu、及びIleを含みうる。互いに保存的置換と見なされるアミノ酸を含有する他のグループは、硫黄含有:Met及びシステイン(Cys);酸性:Asp、Glu、Asn、及びGln;小さな脂肪族、非極性又はわずかに極性残基:Ala、Ser、Thr、Pro、及びGly;極性、負電荷残基及びそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、及びGln;極性、正電荷残基:His、Arg、及びLys;大きな脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、及びCys;並びに大きな芳香族残基:Phe、Tyr、及びTrpを含む。追加の情報は、Creighton(1984) Proteins、W.H.Freeman and Companyに見られる。
【0352】
他の場所に示されているように、遺伝子配列の変異体は、コドン最適化変異体、配列多型、スプライス変異体及び/又は統計的に有意な程度にコード産物の機能に影響を与えない突然変異を含むことができる。
【0353】
本明細書に開示されるタンパク質、核酸及び遺伝子配列の変異体は、本明細書に開示されるタンパク質、核酸又は遺伝子配列に少なくとも70%配列同一性、80%配列同一性、85%配列同一性、90%配列同一性、95%配列同一性、96%配列同一性、97%配列同一性、98%配列同一性、又は99%配列同一性を有する配列も含む。
【0354】
「%配列同一性」とは、配列を比較することにより決定される場合、2つ以上の配列間の関係のことである。当技術分野では、「同一性」とは、そのような配列のストリング間の適合により決定されるタンパク質、核酸又は遺伝子配列の間の配列関連性の程度も意味する。「同一性」(「類似性」と呼ばれることも多い)は、Computational Molecular Biology(Lesk、A.M.編)Oxford University Press、NY(1988);Biocomputing:Informatics and Genome Projects (Smith、D.W.編)Academic Press、NY(1994);Computer Analysis of equence Data、Part I(Griffin、A.M.、及びGriffin、H.G.編)Humana Press、NJ(1994);Sequence Analysis in Molecular Biology(Von Heijne、G.編)Academic Press (1987);及びSequence Analysis Primer(Gribskov、M.及びDevereux、J.編)Oxford University Press、NY(1992)に記載される方法を含む、公知の方法により容易に計算することができる。同一性を決定する好ましい方法は、試験されている配列間に最善の適合を与えるように設計される。同一性及び類似性を決定する方法は、一般公開されているコンピュータプログラムに成文化されている。配列アライメント及びパーセント同一性計算は、LASERGENE生命情報科学コンピューティングスイーツ(DNASTAR、Inc.、Madison、Wisconsin)のMegalignプログラムを使用して実行しうる。配列のマルチプルアライメントも、Clustalアライメント法(Higgins and Sharp CABIOS、5、151~153頁(1989))を、デフォルトパラメータ(ギャップペナルティ=10、ギャップ長ペナルティ=10)を用いて実施できる。関連プログラムは、プログラムのGCGスイーツ(Wisconsin Package Version 9.0、Genetics Computer Group (GCG)、Madison、Wisconsin);BLASTP、BLASTN、BLASTX(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403~410頁(1990);DNASTAR(DNASTAR、Inc.、Madison、Wisconsin);及びthe FASTA program incorporating the Smith-Waterman algorithm(Pearson、Comput.Methods Genome Res.、[Proc.Int.Symp.](1994)、Meeting Date 1992年、111~20頁.編者:Suhai、Sandor.出版社:Plenum、New York、NYも含む。本開示の文脈内では、配列分析ソフトウェアが分析のために使用される場合、分析の結果は参照されるプログラムの「デフォルト値」に基づいていることは理解される。本明細書で使用される場合、「デフォルト値」は、値又はパラメータの任意のセットを意味し、これらは元々最初に初期化されるときにソフトウェアにロードされる。
【0355】
当業者であれば理解するように、本明細書で開示されるそれぞれの実施形態は、この特定の明記される要素、ステップ、構成要素又は成分を含む、本質的にからなる又はからなることができる。本明細書で使用される場合、転換語「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」は、特に明示されていない要素、ステップ、構成要素又は成分を含むがこれらに限定されず、これらの包含を多量でさえも許す。移行句「からなる」は、明記されていないいかなる要素、ステップ、成分、又は構成要素も排除する。移行句「本質的にからなる」は、実施形態の範囲を明記された要素、ステップ、成分、又は構成要素に、及び実施形態に物理的に影響を及ぼさない要素、ステップ、成分、又は構成要素に限定する。本明細書で使用される場合、物質的効果は、対象への開示されたナノ粒子の投与後に7日以内に治療タンパク質の発現の統計的に有意な減少を引き起こすと考えられる。
【0356】
特定の実施形態において、CDR配列への参照はKabat番号付けに従っている。
【0357】
別段指示されなければ、明細書及び特許請求の範囲において使用される分子量、反応条件、等などの構成要素の量、特性を表すすべての数字は、あらゆる場合に用語「約(about)」により修飾されていると理解するべきである。したがって、逆の指示がなければ、明細書及び添付の特許請求の範囲において明記される数値パラメータは、本発明が獲得しようとする所望の特性に応じて変化することがある近似値である。最低でも、及び特許請求の範囲の等価物の学説の適用を限定しようとする試みとしてではなく、それぞれの数のパラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、及び普通の四捨五入法を適用することにより解釈するべきである。さらなる明快さが求められる場合、用語「約」は、記述されている数値又は範囲と併せて使用される場合に当業者がその用語が持つと合理的に考える意味を有し、すなわち、記述されている値又は範囲よりもいくぶん多い又はいくぶん少ない、記述されている値の±20%;記述されている値の±19%;記述されている値の±18%;記述されている値の±17%;記述されている値の±16%;記述されている値の±15%;記述されている値の±14%;記述されている値の±13%;記述されている値の±12%;記述されている値の±11%;記述されている値の±10%;記述されている値の±%9;記述されている値の±8%;記述されている値の±7%;記述されている値の±6%;記述されている値の±5%;記述されている値の±4%;記述されている値の±3%;記述されている値の±2%;又は記述されている値の±1%の範囲内までを表す。
【0358】
本発明の広い範囲を示している数の範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例で示されている数値はできる限り正確に報告されている。しかし、いかなる数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本質的に含有する。
【0359】
本発明を記載する文脈で(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)使用される用語「1つ(a)」、「1つ(an)」、「これ(the)」及び類似の指示対象は、本明細書で別段指示されなければ又は文脈が明らかに矛盾しているのでなければ、単数と複数の両方に及ぶと解釈するべきである。本明細書での値の範囲の列挙は、その範囲内に収まるそれぞれ別々の値に個別に言及するという簡単な方法としての働きをすることだけを意図されている。本明細書において別段指示されなければ、それぞれ個々の値は、あたかもそれが本明細書において個別に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書で別段指示されなければ又は別段文脈とはっきり矛盾しなければ、任意の適切な順番で実施することができる。ありとあらゆる実施例の使用、又は本明細書で提供される例示的言語(例えば、「などの」)は、本発明をよりよく明らかにすることだけを意図されており、別の方法で請求される本発明の範囲を限定しない。明細書のいかなる言語も、本発明の実行に不可欠な任意の請求されていない要素も指示していると解釈されるべきである。
【0360】
本明細書に開示される本発明の別の要素又は実施形態のグループ分けは限定と解釈されるべきではない。それぞれのグループのメンバーは、個別に又はそのグループの他のメンバー若しくは本明細書に見出される他の要素との任意の組合せで言及され請求されてもよい。グループの1つ以上のメンバーは、都合上及び/又は特許性という理由でグループに含まれる又はグループから削除される場合があることは予想されている。いかなるそのような包含又は削除が起きた場合でも、明細書は、修正され、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの書面による記述を満たすグループを含有すると見なされる。
【0361】
本発明を実行するために発明者らに知られている最良の態様を含む、本発明のある特定の実施形態は本明細書に記載されている。当然のことながら、これらの記載されている実施形態の変形は、前の記述を読めば当業者には明らかになる。本発明者は、当業者がそのような変形を必要に応じて用いると予想しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載される以外の方法で実行されることを意図している。したがって、本発明は、準拠法によって許されるように、ここに添付される特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正物及び等価物を含む。さらに、この考えられるあらゆる変形における上記要素のいかなる組合せも、本明細書で別段指示されなければ又は別段文脈とはっきり矛盾しなければ、本発明に包含される。
【0362】
さらに、本明細書全体を通じて、雑誌論文、出版物、特許及び特許出願(特許出願公開を含む)(まとめて「引用」)を数多く参照してきた。上記の引用のそれぞれが個別に、参照によりその特定の引用された目的及び/又は教唆のために本明細書に組み込む。
【0363】
本明細書で開示される実施形態は本発明の原理を例証していることは理解されるべきである。用いることができる他の修正物は本発明の範囲内である。したがって、例として、しかし限定ではなく、本発明の別の構成を本明細書の教えに従って利用してもよい。したがって、本発明は示され記載されている通りの発明に限定されない。
【0364】
本明細書に示される特色は、例としてであり、本発明の好ましい実施形態を実証的に考察することのみを目的とするものであり、本発明の種々の実施形態の原理及び概念面の最も有用ですぐに理解される記述であると考えられるものを提供するために示されている。これに関して、本発明の構造的詳細を本発明の基本的理解に必要である以上に詳細に示そうとは試みておらず、説明は、本発明のいくつかの形態を実際にどのようにして用いればよいのかを当業者が明らかにする図面及び/又は実施例と一緒に行われている。
【0365】
以下の実施例において明白に明確に修正されていなければ将来のいかなる解釈においても、又は意味の適用がいかなる解釈も無意味にする若しくは本質的に無意味にする場合、本開示において使用される定義及び説明が支配的であることが意味され意図されている。用語の解釈がその用語を無意味にする若しくは本質的に無意味にすると考えられる場合、定義は、ウェブスター辞典第3版又は生化学及び分子生物学のオックスフォード辞典(Ed.Anthony Smith、Oxford University Press、Oxford、2004年)などの当業者には公知である辞書から採用するべきである。
【0366】
本開示全体を通じて、引用されるすべての参考文献及び特許文書は参照によりこれらの全体を本明細書に組み込む。
遺伝子発現レベルはqRT-PCRにより決定した。選択されたマクロファージシグネチャー遺伝子(セルピンB2、Retnla、Ccl5、Ccl11、コドン最適化IRF5、内在性IRF5、及びハウスキーピングGAPD遺伝子)を測定するため、全RNAはRNeasy mini-columns(Qiagen)を製造業者の使用説明書に従って用いて単離した。cDNAは、qScript cDNA合成キット(Quanta)を使用して合成した。試料ごとに、RocheのUniversal Probe Library(UPL)由来の遺伝子特異的プローブ及びProbeFinder(Roche)により最適化されたPCRプライマーを使用するPerfeCTa qPCR SuperMix Low ROX(Quanta)を経て3通りに実施した:セルピンB2、UPL-049、F-ACTGGGGCAGTTATGACAGG(配列番号128)、R-GATGATCGGCCACAAACTG(配列番号129);Retnla、UPL-078、F-TTGTTCCCTTCTCATCTGCAT(配列番号130)、R-CCTTGACCTTATTCTCCACGA(配列番号131);Ccl5、UPL-105、F-CCTACTCCCACTCGGTCCT(配列番号132)、R-CTGATTTCTTGGGTTTGCTGT(配列番号133);Ccl11、UPL-018、F-AGAGCTCCACAGCGCTTC(配列番号134)、R-CAGCACCTGGGAGGTGAA(配列番号135);コドン最適化IRF5、UPL-022、F-TCTTAAAGACCACATGGTAGAACAGT(配列番号136)、R-AGCTGCTGTTGGGATTGC(配列番号137);内在性IRF5、UPL-011、F-GCTGTGCCCTTAACAAAAGC(配列番号138)、R-GGCTGAGGTGGCATGTCT(配列番号139)。シグネチャー遺伝子mRNAレベルは、GAPD、UPL-060、F-AGCCACATCGCTCAGACAC(配列番号140)及びR-GCCCAATACGACCAAATCC(配列番号141)の増幅に基づいて正規化した。qRT-PCR反応はすべて、QuantStudio6ソフトウェア(Applied Biosystems)を実行するQuant Studio5 RT-PCR装置を使用して実施した。増幅プロットが閾値を通過せずCt値が得られない(「未決定の」)場合、アッセイでの最高のサイクル数(40サイクル)に等しいCt値を相対的発現の比較のために使用した。