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特開2024-153648多重化された充電放電バッテリ管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153648
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】多重化された充電放電バッテリ管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20241022BHJP
【FI】
H02J7/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024107646
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2021505253の分割
【原出願日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】62/712,761
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500287732
【氏名又は名称】シオン・パワー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ユーリー・ブイ・ミハイリク
(72)【発明者】
【氏名】グレン・エイ・ハンブリン
(72)【発明者】
【氏名】チャリクリー・スコーディリス-ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・シー・コペラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バッテリ管理方法またはバッテリパックの制御方法を提供する。
【解決手段】バッテリ管理システム100は、2またはそれ以上のセルセット(例えば121~124)を備え、それぞれのセルセットが、1またはそれ以上のセル(例えば121A~121C)を備える少なくとも1つのバッテリ(例えば120~150)と、それぞれのセルセットに接続された多重化スイッチ装置112と、多重化スイッチ装置を用いて少なくとも1つの基準に基づいてセルのセットを選択的に放電する少なくとも1つのコントローラ114と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリと、
それぞれの前記セルのセットに接続された多重化スイッチ装置と、
前記多重化スイッチ装置を用いて少なくとも1つの基準に基づいて前記セルのセットを選択的に放電するように構成された少なくとも1つのコントローラと、を備えるバッテリ管理システム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記コントローラは、前記多重化スイッチ装置を用いて前記セルのセットを充電する第2の速度の少なくとも2倍である第1の速度で前記セルのセットを選択的に放電するように構成される、請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項3】
前記第1の速度は、前記第2の速度の4倍である、請求項2に記載のバッテリ管理システム。
【請求項4】
それぞれの前記セルのセットは、単一のセルを備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記コントローラは、前記セルのセットの放電を一時的に重ねるように構成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項6】
少なくとも1つの前記コントローラは、異なるセットの間を切り替える間、前記セルのセットから電力を供給し続けるように構成される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項7】
少なくとも1つの前記基準は、前記セルのセットを放電する順序を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記基準は、
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間と、
前記接続において供給された放電容量と、
1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つを備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項9】
1またはそれ以上の前記パラメータは、
前記負荷と前記セルのセットの間の複数の接続に渡って蓄積された容量と、
前記接続において供給された放電容量と、
前記セルのセットの電流と、
前記セルのセット及び/または少なくとも1つの他の前記セルのセットの電圧と、
前記セルのセットのカットオフ放電電圧と、
前記セルのセットの電力と、
前記セルのセットのエネルギと、
前記セルのセットの充電または放電サイクルの数と、
前記セルのセットのインピーダンスと、
前記接続の間の前記セルのセットの電圧フェージングの速度と、
前記セルのセットの温度と、
前記セルのセットの圧力と、の少なくとも1つを含む、請求項8に記載のバッテリ管理システム。
【請求項10】
さらに少なくとも1つの前記基準及び/または1またはそれ以上の前記パラメータを測定するために少なくとも1つのセンサを備える、請求項8または9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項11】
少なくとも1つの前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項12】
少なくとも1つの前記バッテリは、少なくとも1つのリチウム金属バッテリを備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項13】
少なくとも1つの前記コントローラは、前記多重化スイッチ装置を用いて負荷によって用いられるトポロジで前記負荷と前記セルのセットを接続するように構成される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項14】
それぞれのセルは、同じ電気化学を利用する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記基準は、前記セルのセットの前の放電サイクルの数を含まない、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項16】
負荷と前記負荷と流れるように接続される前記セルのセットの間の前記接続期間は、少なくとも0.01秒である、請求項1乃至12、14、15のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記コントローラは、前記多重化スイッチ装置を用いて、他のセルのセットが放電しない間、放電するために単一のセルのセットを分離するように構成される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項18】
少なくとも1つの前記コントローラは、並列接続で前記セルのセットを充電するために前記多重化スイッチ装置を用いるように構成される、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項19】
少なくとも1つの前記コントローラは、前記多重化スイッチ装置を用いて、他のセルが放電されない間、放電するための単一のセルを分離するように構成される、請求項1乃至16、18のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項20】
所定のサイクルにおいて、それぞれのセルは、全てのセルが2度放電される前に1度放電される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のバッテリ管理システム。
【請求項21】
2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備えるバッテリと、
それぞれの前記セルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムと、を備え、
前記統合スイッチ制御システムは、順次前記セルのセットを放電するために少なくとも1つの前記スイッチを制御するように構成される、バッテリパック。
【請求項22】
2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備えるバッテリと、
それぞれの前記セルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムと、を備え、
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して、
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間と、
前記接続において供給された放電容量と、
1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つに基づいて前記セルのセットを選択的に放電するように構成される、バッテリパック。
【請求項23】
少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットに接続される多重化スイッチ装置を用いて、少なくとも1つの基準に基づいてそれぞれの前記セルのセットを選択的に放電するステップを備え、
それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリ管理方法。
【請求項24】
さらに前記多重化スイッチ装置を用いて前記セルのセットを充電する第2の速度の少なくとも2倍である第1の速度で前記セルのセットを選択的に放電するステップを備える、請求項23に記載のバッテリ管理方法。
【請求項25】
前記第1の速度は、第2の速度の4倍である請求項24に記載のバッテリ管理システム。
【請求項26】
それぞれの前記セルのセットは、単一のセルを備える、請求項23乃至25のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項27】
さらにセルのセットの放電を一時的に重ねるステップを備える、請求項23乃至26のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項28】
さらに、異なるセットの間を切り替える間、前記セルのセットから電力を供給し続けるステップを備える、請求項23乃至27のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項29】
少なくとも1つの前記基準は、前記セルのセットを放電する順序を備える、請求項23乃至28のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項30】
少なくとも1つの前記基準は、
負荷及び前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間と、
前記接続において供給された放電容量と、
1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つを備える、請求項23乃至29のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項31】
1またはそれ以上の前記パラメータは、
前記負荷と前記セルのセットの間の複数の接続に渡って蓄積された容量と、
前記接続において供給された放電容量と、
前記セルのセットの電流と、
前記セルのセット及び/または少なくとも1つの他の前記セルのセットの電圧と、
前記セルのセットのカットオフ放電電圧と、
前記セルのセットの電力と、
前記セルのセットのエネルギと、
前記セルのセットの充電または放電サイクルの数と、
前記セルのセットのインピーダンスと、
前記接続の間の前記セルのセットの電圧フェージングの速度と、
前記セルのセットの温度と、
前記セルのセットの圧力と、の少なくとも1つを含む、請求項30に記載のバッテリ管理方法。
【請求項32】
さらに少なくとも1つのセンサを用いて少なくとも1つの前記基準及び/または1またはそれ以上の前記パラメータを測定するステップを備える、請求項30または31に記載のバッテリ管理方法。
【請求項33】
少なくとも1つの前記バッテリは、少なくとも1つのリチウム金属バッテリを備える、請求項23乃至32のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項34】
さらに前記多重化スイッチ装置を用いて負荷によって用いられるトポロジで前記負荷と前記セルのセットを接続するステップを備える、請求項23乃至33のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項35】
それぞれの前記セルは、同じ電気化学を利用する、請求項23乃至34のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項36】
少なくとも1つの前記基準は、前記セルのセットの前の放電サイクルの数を含まない、請求項23乃至35のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項37】
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間は、少なくとも0.01秒である、請求項23乃至36のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項38】
さらに、前記多重化スイッチ装置を用いて他のセルのセットが放電しない間、放電するために単一のセルのセットを分離するステップを備える、請求項23乃至37のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項39】
さらに、前記多重化スイッチ装置を用いて、並列接続で前記セルのセットを充電するステップを備える、請求項23乃至38のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項40】
所定のサイクルにおいて、それぞれの前記セルは、全てのセルが2度放電される前に、1度放電される、請求項23乃至39のいずれか1項に記載のバッテリ管理方法。
【請求項41】
少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットのそれぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムを用いて、少なくとも1つの前記スイッチを制御して順次前記セルのセットを放電するステップを備え、
それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリバッのク制御方法。
【請求項42】
少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットのそれぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムを用いて、少なくとも1つの前記スイッチを制御して、
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間と、
前記接続において供給された放電容量と、
1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つに基づいて前記セルのセットを選択的に放電するステップを備え、
それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリパックの制御方法。
【請求項43】
統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して前記セルのセットを充電する第2の速度より少なくとも2倍速い第1の速度で前記セルのセットを選択的に放電するように構成される、請求項21または22に記載のバッテリパック。
【請求項44】
前記第1の速度は、前記第2の速度の4倍である、請求項43に記載のバッテリパック。
【請求項45】
それぞれの前記セルのセットは単一のセルを備える、請求項21、22、43、44のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項46】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して前記セルのセットの放電を一時的に重ねるように構成される、請求項21、22、43乃至45のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項47】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して異なるセットの間を切り替える間、前記セルのセットから電力を供給し続けるように構成される、請求項21、22、43乃至46のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項48】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える、請求項21、22、43乃至47のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項49】
少なくとも1つの前記バッテリは、少なくとも1つのリチウム金属バッテリを備える、請求項21、22、43乃至48のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項50】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して負荷によって用いられるトポロジで前記負荷と前記セルのセットを接続するように構成される、請求項21、22、43乃至49のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項51】
それぞれの前記セルは、同じ電気化学を利用する、請求項21、22、43乃至50のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項52】
少なくとも1つの前記基準は、前記セルのセットの前の放電サイクルの数を含まない、請求項21、22、43乃至51のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項53】
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの接続期間は、少なくとも0.01秒である、請求項21、22、43乃至49、51、52のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項54】
統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して他のセルのセットが放電していない間、放電するための単一のセルのセットを分離するように構成される、請求項21、22及び43乃至53のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項55】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して並列接続で前記セルのセットを充電するように構成される、請求項21、22、43乃至54のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項56】
前記統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つの前記スイッチを制御して他のセルが放電していない間、放電するための単一のセルを分離するように構成される、請求項21、22、43乃至53、55のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項57】
所定のサイクルにおいて、それぞれの前記セルは、全てのセルが2度放電される前に1度放電される、請求項21、22、43乃至56のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項58】
さらに、前記統合スイッチ制御システムを用いて少なくとも1つの前記スイッチを制御して前記セルのセットを充電する第2の速度より少なくとも2倍速い第1の速度で前記セルのセットを選択的に放電するステップを備える、請求項41または42に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項59】
前記第1の速度は、前記第2の速度の4倍である、請求項58に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項60】
それぞれの前記セルのセットは、単一のセルを備える、請求項41、42、58、59のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項61】
さらに前記セルのセットの放電を一時的に重ねるステップを備える、請求項41、42、58乃至60のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項62】
さらに、異なるセットの間を切り替える間、前記セルのセットから電力を供給し続けるステップを備える、請求項41、42、58乃至61のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項63】
さらに、少なくとも1つのセンサを用いて少なくとも1つの前記基準及び/または1またはそれ以上のパラメータを測定するステップを備える、請求項41、42、58乃至62のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項64】
少なくとも1つの前記バッテリは、少なくとも1つのリチウム金属バッテリを備える、請求項41、42、58乃至63のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項65】
さらに、前記多重化スイッチ装置を用いて少なくとも1つの前記スイッチを制御して負荷によって用いられるトポロジで前記負荷と前記セルのセットを接続するステップを備える、請求項41、42、58乃至64のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項66】
それぞれの前記セルは、同じ電気化学を利用する、請求項41、42、58乃至65のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項67】
負荷と前記負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間は、少なくとも0.01秒である、請求項41、42、58乃至66のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項68】
さらに、前記統合スイッチ制御システムを用いて少なくとも1つの前記スイッチを制御して他のセルのセットが放電していない間、放電するための単一のセルのセットを分離するステップを備える、請求項41、42、58乃至67のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項69】
さらに、前記統合スイッチ制御システムを用いて少なくとも1つの前記スイッチを制御して並列接続で前記セルのセットを充電するステップを備える、請求項41、42、58乃至68のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【請求項70】
所定のサイクルにおいて、それぞれの前記セルは、全てのセルが2度放電される前に1度放電される、請求項41、42、58乃至69のいずれか1項に記載のバッテリパックの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年7月31日に出願され、「多重化された充電放電バッテリ管理システム」と名付けられた米国仮特許出願第62/712,761号の米国特許法第119条(e)の優先権を主張し、全ての目的においてその全てを本明細書に援用する。
【0002】
電気化学セルの充電/放電管理及び関連システムが概略記載される。
【背景技術】
【0003】
従来、バッテリは、例えば車両などの様々な工業の、例えば燃焼システムなどの確立された動力源とうまく競争することに失敗してきた。この失敗の1つの理由は、バッテリ使用者が、バッテリが従来提供する寿命と性能に満足しなかったことである。
【発明の概要】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリと、それぞれのセルのセットに接続された多重化スイッチ装置と、多重化スイッチ装置を用いて少なくとも1つの基準に基づいてセルのセットを選択的に放電するように構成された少なくとも1つのコントローラと、を備えるバッテリ管理システムに関する。
【0005】
いくつかの他の実施形態は、2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備えるバッテリと、それぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムと、を備え、統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つのスイッチを制御して順次セルのセットを放電するにように構成される、バッテリパックに関する。
【0006】
また、他の実施形態は、2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備えるバッテリと、それぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムと、を備え、統合スイッチ制御システムは、少なくとも1つのスイッチを制御して負荷と負荷に現在接続されるセルのセットの間の接続期間と、接続において供給された放電容量と、1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つに基づいてセルのセットを選択的に放電するように構成される、バッテリパックに関する。
【0007】
さらなる実施形態は、バッテリ管理方法に関する。本発明の方法は、少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットに接続される多重化スイッチ装置を用いて、少なくとも1つの基準に基づいてそれぞれのセルのセットを選択的に放電するステップを備える。いくつかの実施形態において、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。
【0008】
さらなる実施形態は、バッテリパックの制御方法に関する。本発明の方法は、少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットのそれぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムを用いて、少なくとも1つのスイッチを制御して順次セルのセットを放電するステップを備える。いくつかの実施形態において、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。
【0009】
いくつかの他の実施形態は、少なくとも1つのバッテリの2またはそれ以上のセルのセットのそれぞれのセルのセットに接続された少なくとも1つのスイッチを備える統合スイッチ制御システムを用いて、少なくとも1つのスイッチを制御して、負荷と負荷に現在接続されるセルのセットの間の接続期間と、接続において供給された放電容量と、1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値と、の少なくとも1つに基づいてセルのセットを選択的に放電するステップを備え、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備えるバッテリパックの制御方法に関する。
【0010】
本発明の他の利点及び新規な特徴は、添付された図面と関連して考慮されたとき、本発明の様々な非限定の実施形態の次の詳細な記載から明白になるであろう。本明細書及び参照によって組み込まれる文献は対立する及び/または矛盾する開示を含む場合において、本明細書は、支配するであろう。
【0011】
本発明の非限定の実施形態は、概略で、正確な比率でないことを意図する添付された図面を参照して例として記載されるであろう。図において、それぞれ同一またはほとんど同じに描かれる構成要素は、典型的に同じ符号によって表される。明確性の目的のために、全ての構成要素は全ての図で符号を付けられるものではなく、当業者が本発明を理解できるために描写が必要ない場合、本発明のそれぞれの実施形態のすべての構成要素が示されるものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】いくつかの実施形態による、代表的なバッテリ管理システムを描くブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、代表的なバッテリパックを描くブロック図である。
図3A】いくつかの実施形態による、代表的なバッテリ管理システムを描くブロック図である。
図3B】いくつかの実施形態による、代表的なセルセットと対応する構成要素を描くブロック図である。
図3C】いくつかの実施形態による、1またはそれ以上の電気化学セルへの異方性力の適用を描く断面概略図である。
図3D】いくつかの実施形態による、電気化学セルの断面概略図である。
図4A】いくつかの実施形態による、バッテリのセルのセットを放電する代表的なプロセスを示すフローチャートである。
図4B】いくつかの実施形態による、バッテリのセルのセットを放電するさらなる代表的なプロセスを示すフローチャートである。
図5】いくつかの実施形態による、バッテリパックを制御する代表的なプロセスを示すフローチャートである。
図6】いくつかの実施形態による、バッテリパックを制御するさらなる代表的なプロセスを示すフローチャートである。
図7A】いくつかの実施形態による、例示的な放電プロファイルを示すチャートである。
図7B】いくつかの実施形態による、例示的な全放電プロファイルを示すチャートである。
図7C】いくつかの実施形態による、例示的なバッテリサイクル寿命を示すチャートである。
図8】いくつかの態様を実行するために用いられる代表的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者は、バッテリ管理のための従来技術がバッテリの前の乏しい寿命と性能をもたらすと認識し、理解した。例えば、バッテリは、特に充電及び放電速度が同様である、または充電速度が放電速度より速い短いサイクル寿命(例えば容量が本来の容量の80%未満に落ちる前の完全充電及び放電サイクルの数が少ない)に苦しんできた。例えば、多くのバッテリの使用者は、ほとんど同じ充電及び放電速度を有することをバッテリに望み(例えば充電するために4時間、放電するために4時間)、バッテリ製造者は、そのようなほとんど同じ速度を提供するバッテリ及びバッテリ管理システムを提供してきた。多くの使用者は、例えばバッテリを使用するために充電を待つ不便を解消するためになど、またそれらが放電するよりも速い速度で充電する(例えば、充電するために30分、放電するために4時間)ことをバッテリに望んできた。
【0014】
本発明者は、バッテリのサイクル寿命、したがってバッテリの寿命と性能は、充電速度に対する放電速度の比率を高く用いることによって大きく改善されることを認識し、理解した。さらに、本発明者は、これらの比率は、そのような比率を提供するためにバッテリ内のセルを制御するバッテリ管理システムを提供することによって用いられることを認識し、理解した。例えば、いくつかの実施形態は、セルが一斉に全てまたは一度に複数で充電され、個々にまたは小さなセットで放電されるように、セルを多重化するバッテリ管理システムに関する。これは、特に負荷及び利用物において望まれまたは要求される出力速度を提供する一方で、それらのサイクル寿命を改善するセルのために放電速度と充電速度の実際の比率をもたらす。さらに、本発明者はまた均一な電流分配を備える一度にセルの全てではないがいくつかを放電することがそれらのサイクル寿命を改善することを認識し、理解した。
【0015】
例えば、4セルを有するバッテリを備えて、1セルは、それぞれ0.5アンペアで3時間一度に放電され、その後4セルは、0.5アンペアで12時間充電される-そのような形態は、4:1の放電速度対充電速度の実際の比率を提供する一方、使用者からの視点の比率は、セルがそれぞれ3時間個々に放電する(合計で12時間の放電時間となる)ので1:1である。発明者は、そのようなバッテリ管理システムは、実際はバッテリのサイクル寿命を改善する一方で、さらに使用者がバッテリに望み、要求することを使用者に提供することを認識し、理解した。いくつかの実施形態において、利益のこの二重奏を提供する機能は、使用者から隠され、セルのブロック及び/またはバッテリ自身に一体化される。
【0016】
発明者は、バッテリのサイクル寿命は、セルのサイクル及び様々な特性(例えば、負荷と負荷に現在接続されるセルまたは複数のセルの間の接続期間、または複数のパラメータを考慮するさらに複雑な関数)を監視すること及び「ラウンドロビン」のような多くの単純な選択プロセスに依存するまたは前の放電プロセスの数を考慮する、特に従来技術と比較して、この監視に基づいて放電するセルを選択することによってさらに改善されることを認識し、理解した。
【0017】
図1は、代表的なバッテリ管理システム100を示す。いくつかの実施形態において、代表的なシステム100は、多重化スイッチ装置(例えば112)コントローラ(例えば114)、1またはそれ以上のセンサ(例えば116)及び1またはそれ以上のバッテリ(例えば120、130、140、150など)を含む。単一の多重化スイッチ装置112、コントローラ114、センサ116のみ及び4つのバッテリ120-150のみが図1に示されるが、任意の適切な数のこれらの構成要素が用いられることが理解されるべきである。実施の多数の異なるモードのいずれかが用いられる。さらに、単一の標識付けが多重化スイッチ装置に言及するために本明細書で用いられるが、本明細書に記載される多重化する及び切り替えるために用いられる構成要素は、任意の適切な数の装置(例えばスイッチ)に分散されることが理解されるべきである。
【0018】
いくつかの実施形態によると、バッテリまたは複数のバッテリは、少なくとも1つのリチウム金属バッテリを含む。さらに、バッテリまたは複数のバッテリ(例えば120-150)は、それぞれセルのセットとも言われる、1またはそれ以上のセルのセット(例えば121-124、131-132、141-142、151-152など)を含む。いくつかの実施形態において、2またはそれ以上のセルのセットは、例えば121-122などそれぞれのバッテリに含まれる。さらに、それぞれのセルのセット(例えばセルセット121)は、1またはそれ以上のセル(例えば121A-121C)を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのセルのセットは、単一のセルを有する。代わりに、それぞれのセルのセットは、複数のセルのセットを含み、セル「ブロック」を形成するまたは複数のセルのセットは、一緒にセルブロックを形成する。さらにそれぞれのセル(バッテリの、バッテリパックの全てのバッテリ、またはセルのセットの)またはセルのセットは、同じ電気化学を利用する。つまり、いくつかの実施形態において、それぞれのセルは、同じアノード活物質及び同じカソード活物質を利用する。
【0019】
いくつかの実施形態において、多重化スイッチ装置(例えば112)は、例えば、以下図3A及び3Bに関してさらに記載されるそれらなど、スイッチのアレイを含む。さらに、多重化スイッチ装置は、個々にそれぞれのセルのセット及び/またはそれぞれのセルに接続される。いくつかの実施形態において、例えば114などのコントローラは、多重化スイッチ装置を用いて、少なくとも1つの基準に基づいてセルまたはセルのセットを選択的に放電する。
【0020】
例えば、基準は、例えばセルのセットと関連する所定の数または順番(最初のセットで始まり、それぞれのセットを経て最後のセットに切り替わり、その後最初のセットをはじめからやり直す)及び/または次に高い電圧または次に強いことを示すいくつかの他の測定を備えるセルまたはセルのセットに基づく順番など、セルのセットを放電する順序を含む。発明者は、順序、特に所定の番号付けを用いることは、システム(例えばマイクロプロセッサでないコントローラ)によって実行される操作の複雑さを減らし、システムの幅広いアレイによって使用できることを認識し、理解した。
【0021】
代わりにまたはさらに、基準は、例えば次の負荷及び負荷に現在接続されるセルのセットの間の接続期間(いくつかの実施形態において少なくとも0.01秒である)、接続において供給された放電容量、及び1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値のいずれか1またはそれ以上を考慮することによってなど状況依存である。ある実施形態において、基準は、セルのセットの前の放電サイクルの数を含まない。
【0022】
いくつかの実施形態において、関数は、例えば次の負荷とセルのセットの間の複数の接続に渡って蓄積された容量と、接続において供給された放電容量と、セルのセットの電流と、セルのセット及び/または少なくとも1つの他のセルのセットの電圧と、セルのセットのカットオフ放電電圧と、セルのセットの電力と、セルのセットのエネルギと、セルのセットの充電または放電サイクルの数と、セルのセットのインピーダンスと、接続の間のセルのセットの電圧フェージングの速度と、セルのセットの温度と、セルのセットの圧力(例えば、セル容量を示し、さらに以下に議論されるそれらの物理的筐体からセルへの圧力)のいずれか1またはそれ以上などのパラメータを有する。いくつかの実施形態によると、単一の接続において供給された放電容量は、公称容量の0.01%から設定された公称容量の100%の範囲(例えば95%)である。
【0023】
いくつかの実施形態において、センサ(例えば116)は、基準及び/または関数のパラメータのいずれかを測定する。例えば、センサは、所定のセルのセットの電流のアンペアを測定する電流センサを含む。基準は、複数または単数であり、現在放電するセルのセットに関連する及び/または次のセルのセットを決定する。
【0024】
いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば114)は、1またはそれ以上のプロセッサを含み、利用物に適切な複雑さである。例えば、いくつかの実施形態において、基準の関数を評価することは、コントローラの一部または全てを形成するマイクロプロセッサに依存する。
【0025】
いくつかの実施形態において、コントローラは、多重化スイッチ装置を用いて、異なるプログラム可能な速度で、セルまたはセルのセットを選択的に放電及び充電する。例えば、コントローラは、多重化スイッチ装置を用いてセルのセットを充電する第2の速度の少なくとも2倍である第1の速度でセルまたはセルのセットを選択的に放電する(すなわち、充電の2倍速く放電する)。代わりにまたはさらに、放電の第1の速度は、セルのセットの充電する第2の速度の少なくとも4倍である(すなわち、充電より4倍速く放電する)。発明者は、放電速度対充電速度のそのような比率は、セルの性能及びサイクル寿命を改善することを認識し、理解した。
【0026】
いくつかの実施形態によると、コントローラは、セルのセットの放電を一時的に重ねる。例えば、所定のセルまたはセルのセットが放電をやめる前に、別のセルまたはセルのセットが放電し始める。いくつかの実施形態において、コントローラは、異なるセットの間を切り替える間、セルのセットから電力を供給し続ける。発明者は、放電のこの一時的な重なりと電力の継続は、セルのセットの異なるセルの間の遷移の間でさえ、負荷の電力要求を維持し、さらに従来技術と比較してセルのサイクル寿命を改善することを認識し、理解した。したがって、複数のセルは、そのような重なりの間、同時に放電する。さらに、そのような重なりは、従来技術で可能であったよりも電圧のなめらかな遷移を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態において、負荷は、車両の少なくとも1つの構成要素である。車両は、陸地、海、及び/または大気を移動するように構成された任意の適切な車両である。例えば、車両は、自動車、トラック、オートバイ、ボート、ヘリコプタ、飛行機及び/または任意の適切なタイプの車両である。
【0028】
代わりにまたはさらに、コントローラは、多重化スイッチ装置(例えば112)を用いて、負荷によって用いられるまたは要求されるトポロジで、負荷とセルのセットを接続する。
【0029】
いくつかの実施形態において、コントローラは、多重化スイッチ装置(例えば112)を用いて、他のセルのセットが放電していない間、放電するための単一のセルのセットを分離する。代わりにまたはさらに、単一のセルは、一度に分離される。例えば、コントローラは、多重化スイッチ装置を用いて、他のセルまたはセルのセットが放電していない間、放電するための単一のセルのセットまたは単一のセルを分離する。いくつかの実施形態によると、所定のサイクルにおいて、それぞれのセルは、全てのセルが2度放電する前に、1度放電する(例えば、順次的な放電が用いられるが、そのような実施形態に限定しない)。
【0030】
充電に関しては、いくつかの実施形態において、コントローラが多重化スイッチ装置を用いて、並列接続でセルのセット及び/またはセット内のセルを充電する。例えば、セルのブロック、バッテリ、または複数のバッテリの全てのセルは、放電の速度の4分の1の速度で、並列接続で充電される。
【0031】
図2は、代表的なバッテリパック210を示す。いくつかの実施形態において、代表的なバッテリパック210は、スイッチ制御システム(例えば218)及び1またはそれ以上のバッテリ(例えば、120、130、140、150など)を含む。単一のスイッチ制御システム218のみ及び4つのバッテリ120-150のみが図2に示されるが、任意の適切な数のこれらの構成要素が用いられることが理解されるべきである。実施の多くの異なるモードのいずれかが用いられる。さらに、単一の標識付けがスイッチ制御システムに言及するために本明細書で用いられるが、本明細書に記載される制御及び切り替えのために用いられる構成要素は、任意の適切な数の装置に分散される(例えばスイッチ、コントローラなど)ことが理解されるべきである。
【0032】
いくつかの実施形態において、スイッチ制御システム(例えば218)は、例えば以下図3A及び3Bに関連してさらに記載されるスイッチのアレイなど、スイッチのアレイを含み、スイッチ制御システムはコントローラを含む。さらに、スイッチ制御システムは、上記図1に関して議論されるように、個々にそれぞれのセルのセット及び/またはバッテリのそれぞれのセルに接続される。いくつかの実施形態において、スイッチ制御システムは、バッテリパックに一体化される。さらに、スイッチ制御システムは、(例えばスイッチアレイで)スイッチを制御して、例えばセルまたはセルのセットと関連付けられる所定の順序で、順次的にセルまたはセルのセットを放電する。代わりにまたはさらに、スイッチ制御システムは、スイッチを制御して、次の負荷及び負荷に流れるように接続されるセルのセットの間の接続期間(いくつかの実施形態において少なくとも0.01秒である)、接続において供給された放電容量。及び関数の値のいずれか1またはそれ以上に基づいてセルまたはセルのセットを放電する。ある実施形態において、制御ための基礎は、セルのセットの前の放電サイクルの数を含まなくてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態によると、スイッチ制御システムは、例えば上記図1に関連して記載されるコントローラの機能など、任意の数の機能を実行する。
【0034】
代表的なシステム100または代表的なバッテリパック210の構成要素のいずれかは、ハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素の任意の適切な組み合わせを用いて実行されることが理解されるべきである。そのため、様々な構成要素は、ハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素の任意の適切な集合を用いて、記載された機能を実行するコントローラが考えられる。
【0035】
図3Aは、代表的なバッテリ管理システム300を示す。いくつかの実施形態において、代表的なシステム300は、任意の適切な数のマルチセルブロック(例えば321-325)、バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造(例えば326)、バッテリ管理マイクロコントローラ(例えば327)、バッテリシステムインターフェース(例えば328)、バッテリ電源端子(例えば329)及びセンサ(例えば360)を含む。マルチセルブロックは、バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造に接続される。マルチセルブロックは、またバッテリ管理マイクロコントローラに接続される。
【0036】
いくつかの実施形態において、バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造は、直列接続、並列接続、直列接続/並列接続、または所定の利用物または負荷の電圧及び電流要求に合うために必要とされるその他の適切なトポロジで、セルブロック(例えば321-325)を接続する、多重化するスイッチを含む。
【0037】
いくつかの実施形態によると、バッテリ管理マイクロコントローラは、バッテリ管理システムの充電及び放電を監視し、制御してシステム及びその構成要素の安全な動作を保証する。さらに、バッテリ管理マイクロコントローラは、使用者(システムを用いて負荷に電力を供給する消費者)及び任意の適切な内部生産、校正、及びテスト機器と連絡する。例えば、バッテリ管理マイクロコントローラは、使用者及び内部生産、校正、及びテスト機器、その他の適切なものと連絡するためにバッテリ管理マイクロコントローラにおいて必要とされるインターフェースを提供する、バッテリシステムインターフェース(例えば328)と接続される。
【0038】
いくつかの実施形態において、センサは、バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造、バッテリ管理マイクロコントローラ、及び/またはバッテリ電源端子と接続され、センサは、マルチセルブロック及び/またはシステムのその他の構成要素の特性を測定する。例えば、センサは、基準及び/または上記された関数のパラメータのいずれかを形成するマルチセルブロックの特性を測定する。例えば、センサは、所定のセルのセットの電流のアンペアを測定する電流センサを含む。
【0039】
バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造326、バッテリ管理マイクロコントローラ327、バッテリシステムインターフェース328、及びセンサ360は、単数形で表示され、5つのマルチセルブロック321-325のみが図3Aに示されるが、任意の適切な数のこれらの構成要素が用いられ、それらは、複数の構成要素を表す。実施の多くの異なるモードのいずれかが用いられる。実際に、単数の標識付けが、バッテリセルブロック配置及びバランススイッチ構造に言及するために本明細書で用いられるが、本明細書で記載される配置及びバランススイッチのために用いられる構成要素は、任意の適切な数の装置(例えばスイッチ)に分散することを理解するべきである。
【0040】
図3Bは、代表的なセルセット及び対応する構成要素を示す。いくつかの実施形態において、代表的なセルセットは、任意の適切な数のセル(例えば321A-C)を含み、例えば上記されるマルチブロックセルを構成する。さらに、代表的なセルセットは、セル多重化スイッチ(例えば326A1)、セルバランススイッチ及びレジスタ(例えば326A2)、セルブロックマイクロコントローラ(例えば327A、バッテリ管理マイクロコントローラインターフェース(例えば328A)、センサ(例えば360A)及びセルセットのための入力/出力バス(例えば321IO)を含む。いくつかの実施形態において、セルは、セル多重化スイッチと接続される、セルバランススイッチ及びレジスタと接続される。
【0041】
いくつかの実施形態において、それぞれのセル(例えば、321A-Cのそれぞれ)は、入力/出力バス(例えば321IO)から所定のセルを接続または分離する、及びバランスバスを他のセルと共有するバランスレジスタ(例えば326A2のレジスタの1つ)と所定のセルを接続または切断する、セル多重化スイッチのアレイと接続される。さらに、放電モードにおいて、1つのセル(例えば321A)は、入力/出力バスと接続され、バランスレジスタと切断される。残りのセル(例えば321B-C)は、入力/出力バスから切断され、対応するバランスレジスタと接続される。さらに、いくつかの実施形態のための充電モードにおいて、全てのセル(例えば321A-C)は、入力/出力バスと接続され、バランスレジスタ326A2から切断される。
【0042】
いくつかの実施形態によると、セルブロックマイクロコントローラ(例えば327A)は、スイッチング波形を発生して、切替の重なりと不感帯の要求が利用物または負荷に適切であることを保証する。さらにセルブロックマイクロコントローラは、セルブロックの電圧と電流を監視することによって及びセルブロックマイクロコントローラがバッテリ管理マイクロコントローラインターフェースを通して接続される、バッテリ管理マイクロコントローラ(例えば図3Aの327)から連絡を受信することによって、利用物または負荷によって要求される状態を決定する。
【0043】
図3Cは、実施形態の1つのセットによる、異方性力が電気化学セル(例えば321A)に加えられる電気化学システムの例示的な断面概略描写である。用語「電気化学セル」は、一般にアノード、カソード及び電力を作り出すために電気化学反応に参加するように構成される電解質を指すために本明細書で用いられる。電気化学セルは、再充電可能であるまたは再充電可能でない。
【0044】
図3Cにおいて、システムは、電気化学セル321Aと、いくつかの実施形態において、電気化学セル321Aと関連付けられる流体を含む、圧力分配器334を含む。圧力分配器334は、異方性力が圧力分配器334を通って電気化学セル321Aの構成要素に加えられるように構成される。例えば、図3Cに描かれる実施形態のセットにおいて、圧力伝達器336は、圧力分配器334に異方性力を加えるように構成され、次に異方性力を電気化学セル321Aの少なくとも1つの構成要素(例えば電極)に加えることを引き起こす。システムは、また電気化学セルが配置される基板332を含む。基板332は、例えばテーブルの天板、電気化学セル321Aが収納される容器の表面、またはその他の適切な表面を含む。
【0045】
圧力分配器334は、本明細書に記載される本発明のシステム及び方法を作り出すために様々な適切な形態の電気化学セル321Aと関連付けられる。本明細書で用いられるように、圧力分配器は、圧力分配器に及び/または圧力分配器を通って加えられる力の少なくとも一部が電気化学セルの構成要素に伝達されるとき電気化学セルと関連付けられる。例えば、ある実施形態において、圧力分配器は、圧力分配器が電気化学セルまたはその構成要素と直接接触であるとき、電気化学セルと関連付けられる。一般に、第1の物品と第2の物品が直接触れるとき、第1の物品と第2の物品は、直接接触である。例えば、図3Cにおいて、圧力分配器334と電気化学セル321Aは直接接触である。
【0046】
ある実施形態において、圧力分配器は、圧力分配器が電気化学セルの少なくとも1つの構成要素と間接接触するとき、電気化学セルと関連付けられる。一般に、経路が固体及び/または液体構成要素のみと交差する第1の物品と第2の物品の間をたどることができるとき第1の物品と第2の物品は間接接触である。そのような経路は、ある実施形態において、実質的に直線の形態であることができる。ある実施形態において、1またはそれ以上の固体及び/または液体材料がその間に配置されるが、力がまだ圧力分配器を通って電気化学セルに加えられるとき、圧力分配器は、電気化学セルと間接接触である。
【0047】
ある実施形態において、圧力分配器は、電気化学セルの構成要素を少なくとも部分的に(例えば完全に)囲う容器の境界内に配置されるとき、電気化学セルと関連付けられる。例えば、ある実施形態において、圧力分配器334は、電極と電気化学セルを少なくとも部分的に囲う容器の間に配置される。ある実施形態において、圧力分配器334は、集電体と電気化学セルを少なくとも部分的に囲う容器の間に配置される。いくつかの実施形態において、圧力分配器334は、例えば電気化学セルの電極の隣並びに電気セルの電極及び電解質を少なくとも部分的に含む容器内に配置される集電体として用いられる。これは、例えば電気化学セルの電極へ及び/または電極から電子を輸送するのに十分な導電性がある材料(例えば金属ホイルなどの金属、導電性ポリマなど)から圧力分配器334を製造することによって達成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、圧力分配器は、電気化学セルの構成要素を少なくとも部分的に(例えば完全に)囲う容器の境界の外側に配置されるとき、電気化学セルと関連付けられる。例えば、ある実施形態において、圧力分配器334は、電気化学セルの電極及び電解質を少なくとも部分的に囲う容器の外面と直接にまたは間接に接触して配置される。
【0049】
ある実施形態において、圧力分配器は、電気化学セルの少なくとも1つの電極から比較的短い距離に配置される。例えば、ある実施形態において、圧力分配器と電気化学セルの電極の間の最も短い距離は、電極の最大断面寸法の少なくとも約10倍未満、約5倍未満、約2倍未満、約1倍未満、約0.5倍未満、または約0.25倍未満である。
【0050】
いくつかの実施形態において、圧力分配器は、電気化学セルの特定の電極(例えばアノード)と関連付けられる。例えば、圧力分配器は、電気化学セルの電極(例えばリチウムを含むアノードなどのアノード)と直接にまたは間接に接触する。ある実施形態において、圧力分配器は、電極を少なくとも部分的に含む容器の外側に配置されるが、例えば液体及び/または固体構成要素のみが圧力分配器から電極を分離するときなど、まだ電極と関連付けられる。例えば、圧力分配器が電極及び液体電解質を少なくとも部分的に囲う容器と直接にまたは間接に接触して配置されるある実施形態において、圧力分配器は、電極と関連付けられるであろう。
【0051】
ある実施形態において、力は、圧力分配器334を通って電気化学セル321Aまたは電気化学セル321Aの構成要素(例えば、電気化学セルの電極)に加えられることができる。本明細書で用いられるように、力は、第2の構成要素が力の源から第1の構成要素に力を少なくとも部分的に伝達するとき、第2の構成要素(例えば圧力分配器)を通って、第1の構成要素(例えば電気化学セル)に加えられる。
【0052】
力は、様々な方法で圧力分配器を通って電気化学セルまたはその構成要素に加えられることができる。ある実施形態において、力を圧力分配器に加えることは、力を圧力分配器の外面に加えることを含む。これは、例えば圧力伝達器336によって達成される。例えば、図3Cにおいて、圧力伝達器336は、力を圧力分配器334の表面340に加えることによって、異方性力を、圧力分配器334を通って電気化学セル321Aに加えるように配置される。本明細書で用いられるように、第1の構成要素は、第1の構成要素に及び/または第1の構成要素を通って力の少なくとも一部が第2の構成要素に伝達されることができるように、第1及び第2の構成要素が配置されるとき、異方性力を第2の構成要素に加えるように配置される。ある実施形態において、圧力伝達器及び圧力分配器は直接接触する。いくつかの実施形態において、1またはそれ以上の材料(例えば1またはそれ以上の固体及び/または液体材料)は、圧力伝達器と圧力分配器の間に配置されるが、力は、まだ圧力伝達器によって圧力分配器に加えられることができる。ある実施形態において、圧力伝達器及び圧力分配器は、連続経路が固体及び/または液体材料を通って、圧力分配器から電気化学セルにたどるように、間接接触することができる。そのような経路は、ある実施形態において、実質的に(例えば完全に)まっすぐである。
【0053】
図3Cに描かれる実施形態のセットにおいて、圧力伝達器336及び電気化学セル321Aは、圧力分配器334の対向面に配置される。したがって、異方性力(例えば矢印150の方向の異方性力)が圧力伝達器336に及び/または圧力伝達器336によって表面340に加えられたとき、力は圧力分配器334を通って電気化学セル321Aの表面342上に、及び電気化学セル321Aの構成要素に伝達する。
【0054】
いくつかの実施形態において、力を圧力分配器に加えることは、力を圧力分配器の内面に加えることを含む。例えば、ある実施形態において、力は圧力分配器内の流体の圧力を維持する及び/または増すことによって、圧力分配器を通って電気化学セルに加えられることができる。図3Cに描かれる実施形態のセットにおいて、力は圧力分配器334の注入口(図示せず)を通って追加の流体を運ぶことによって(例えば圧力分配器334を膨張することによって)圧力分配器334を通って電気化学セル321Aに加えられる。いくつかのそのような実施形態において、圧力分配器内の圧力が維持される及び/または増すとき、圧力伝達器の動作は、力が電気化学セルの外面及び/または電気化学セルの構成要素(例えば電気化学セル内の電極の活性面)に作り出されるように制限される。例えば、図3Cにおいて、追加の流体が圧力分配器334に加えられるので、圧力伝達器336は、力が電気化学セル321Aの表面342に加えられるように、圧力分配器334の境界の動作を制限するように構成される。
【0055】
ある実施形態において、流体は、電気化学セル321Aと圧力伝達器336の間に配置される前に圧力分配器334に加えられる。流体が加えられた後、圧力分配器334は、電気化学セル321Aと圧力伝達器336の間に圧縮され、配置される、その後、圧力分配器334内の流体の圧縮は、電気化学セル321Aの表面342に(そして、したがって例えば電極の活性面など、電気化学セルの1またはそれ以上の構成要素の表面に)加えられる力を作り出す。本開示を与えられた当業者は、力が圧力分配器を通って電気化学セルに加えられる追加のシステム及び方法を設計することができるであろう。
【0056】
圧力分配器334内の流体は、圧力分配器334を通って伝達される圧力を、電気化学セル321Aの表面342に比較的均一に(そして、したがって例えば電極の活性面など、電気化学セルの1またはそれ以上の構成要素の表面に比較的均一に)加えることができる。特定の理論に縛られることを望まずに、圧力分配器334内の流体の存在は、比較的高い圧力領域内の流体が比較的低い圧力の領域に運ばれるので、表面342の比較的高い圧力の点を減らす及び/または排除すると思われる。
【0057】
いくつかの実施形態において、圧力分配器が電気化学セルに加えられる力を均一に分配する度合いは、圧力伝達器の外面が電気化学セルまたはその容器の外面と適切に揃えられるならば強化される。例えば、図3Cに描かれる実施形態のセットにおいて、圧力伝達器336の外面340は、電気化学セル321Aの外面342に面する。ある実施形態において、圧力伝達器の外面は、力が加えられる電気化学セルの外面と実質的に平行である。例えば、図3Cに描かれる実施形態のセットにおいて、圧力伝達器336の外面340は、電気化学セル321Aの外面342と実質的に平行である。本明細書で用いられるように、2つの表面は、2つの表面が約10°以下角度を形成するとき互いに実質的に平行である。ある実施形態において、2つの実質的に平行な表面は、約5°以下、約3°以下、約1°以下、または約0.1°以下の角度を形成する。
【0058】
圧力分配器は、様々な適切な形態を有する。ある実施形態において、圧力分配器は、バッグまたは流体が含まれる他の適切な容器を備える。いくつかの実施形態において、圧力分配器は、力が圧力分配器に加えられる方向に沿って変形するように構成されたベローズを備える。
【0059】
圧力分配器容器は、様々な材料で作られる。ある実施形態において、圧力分配器容器は、柔軟な材料を含む。例えば、ある実施形態において、圧力分配器容器は、例えばポリエチレン(例えば線状低密度及び/または超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルジクロライド、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ナイロン、シリコーンゴム(例えばポリジメチルシロキサン)及び/または他の天然または合成ゴムまたはプラスチックなど、ポリマを含む。ある実施形態において、(例えばガスが圧力分配器内の流体として用いられる実施形態において)圧力分配器容器は、流体(例えばガス)が圧力分配器内に保持される度合いを強化する金属層(例えばアルミニウム金属層)を含むことができる。柔軟な材料の使用は、ある実施形態において、それらが比較的容易に圧力分配器の内容物の再分配ができ、力が均一に加えられる度合いを強化するので、都合がよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、圧力分配器は、弾性材料を含む。ある実施形態において、圧力分配器が製造される材料の弾性は、圧力分配器が隣接する構成要素に圧力分配器に加えられる所望の大きさの力を伝達するように選択される。説明するために、ある場合において、圧力分配器が非常に柔軟な材料で作られるならば、圧力分配器に加えられる比較的高い割合の力が、隣接する電気化学セルに伝達されるよりむしろ圧力分配器材料を弾性的に変形するために用いられる。ある実施形態において、圧力分配器は、約1GPa未満のヤング率を有する材料で形成されることができる。当業者は、例えば引張試験(tensile test)(またときどき引張試験(tension test)とも言う)を実行することによって所定の材料のヤング率を測定することができるであろう。用いられる例示的な弾性ポリマ(すなわちエラストマ)は、シリコーンポリマ、エポキシポリマ及びアクリレートポリマの一般分類を含む。
【0061】
ある実施形態において、圧力分配器は、流体を含む囲われた容器を備える。圧力分配器は、ある実施形態において流体を含む開いた容器を備える。例えばいくつかの実施形態において、圧力分配器は、以下にさらに詳細に記載されるように、圧力分配器を通って流体を運ぶように構成され、配置された装置と流体接続する容器を備える。
【0062】
様々な流体は、圧力分配器と関連して用いられる。本明細書で用いられるように、「流体」は、一般に流れてその容器の輪郭に適合する傾向がある物質を指す。流体の例は、液体、ガス、ゲル、粘弾性流体、溶液、懸濁液、流動化粒子などを含む。通常、流体は、静的せん断応力に耐えるように用いられることができる材料であり、せん断応力が加えられたとき、流体は、継続的かつ永続的なゆがみを経験する。流体は、流れと与えられた力の再分配を許容する任意の適切な粘性を有する。
【0063】
ある実施形態において、圧力分配器内の流体は、ガス(例えば空気、窒素、希ガス(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、冷媒のガス、またはこれらの組み合わせ)を含む。ある実施形態において、圧力分配器内のガスは、ガスが圧力分配器の壁を通って浸透する度合いを制限することができる比較的高分子量(例えば少なくとも約100g/mol)を備える。いくつかの実施形態において、圧力分配器内の流体は、これに限定されるものではないが、水、電解質(例えば電気化学セルに用いられるものと同様のまたは同じ液体電解質など)グリース(例えば、ワセリン、テフロン(登録商標)グリース、シリコーングリースなど)、油(例えば鉱物油など)などを含む液体を含む。ある実施形態において、圧力分配器内の流体はゲルを含む。圧力分配器内の使用のための適切なゲルは、これに限定されるものではないが、ヒドロゲル(例えばシリコーンゲルなど)、オルガノゲル、またはキセロゲルを含む。ある実施形態において、流体は、固体粒子の流動床(例えば砂、粉体など)を含む。流動化は、例えば粒子にガス及び/または液体を通すことによって、及び/または粒子が互いに対して動くように粒子を配置する基板を振動することによって達成される。
【0064】
圧力分配器と関連して用いられる流体は、任意の適切な粘性を有する。ある実施形態において、ニュートン流体は、本発明でそのように限定しないが圧力分配器内で用いられ、非ニュートン流体(例えばずり流動化流体、せん断増粘液など)は、また用いられることができる。ある実施形態において、圧力分配器は、室温で約1×10センチポアズ(cP)未満、約1×10cP未満、約1×10cP未満、約1000cP未満、約100cP未満、約10cP未満、または約1cP未満(及びいくつかの実施形態において、約0.001cPより大きく、約0.01cPより大きく、または約0.1cPより大きく)定常状態のせん断粘度を備えるニュートン流体を含むことができる。
【0065】
ある実施形態において、圧力分配器内の流体は、圧力分配器に入って及び/または圧力分配器から出て運ばれるのに適切であるように選択される。例えば、ある実施形態において、流体は、圧力分配器に運ばれて(例えば、電気化学セルと圧力伝達器の間に配置されたとき、圧力分配器内に流体を圧縮することによって)異方性力を電気化学セルに加える。別の実施例として、流体は、圧力分配器に入って及び/または圧力分配器から出て運ばれて、熱をシステムの構成要素に及び/またはシステムの構成要素から移す。
【0066】
圧力伝達器336は、また様々な形態を選ぶことができる。ある実施形態において、圧力伝達器336は、電気化学セル321Aに対して移動可能である。いくつかのそのような実施形態において、力は、電気化学セル321Aに近い圧力伝達器336を動かすことによって及び/または電気化学セル321Aと圧力伝達器336の間の分離を維持することによって圧力分配器334を通って電気化学セル321Aに加えられる。1つの特定の実施例として、いくつかの実施形態において圧力伝達器336は、圧縮ばね、第1のアプリケータ構造及び第2のアプリケータ構造を含む。第1のアプリケータ構造は、例えば硬い材料の平坦な板、またはその他の適切な構造に対応する。第2のアプリケータ構造は、例えば硬い材料の第2の板、電気化学セルが収納される容器の壁の一部、またはその他の適切な構造に対応する。いくつかの実施形態において、力は、圧縮ばねがアプリケータ構造とアプリケータ構造の間に圧縮されるとき、電気化学セル321Aの表面342に加えられる。ある実施形態において、皿ばね座金、小ねじ、空気圧装置、おもり、エアシリンダ、及び/または油圧シリンダが圧縮ばねの代わりにまたは圧縮ばねに追加して用いられる。いくつかの実施形態において、力は、電気化学セルの1またはそれ以上の外面の周りに配置された収縮要素(例えば、ゴムバンド、引き締めねじバンドなど)を用いて電気化学セルに加えられる。力を電気化学セルに加える様々な適切な方法が、例えば「電気化学セルの力の適用」という名称の2009年8月4日に出願されたScordilis-Kelleyらの米国特許公開公報第2010/0035128号に記載され、全ての目的のためのその全てを本明細書に援用する。
【0067】
ある実施形態において、圧力伝達器336は、電気化学セル321Aに対して実質的に移動可能でなく、力は、例えば圧力分配器334を加圧することによって、電気化学セルに加えられる。いくつかのそのような実施形態において、圧力分配器を加圧することは、実質的に動くことができない圧力伝達器336が、圧力分配器334の境界の1またはそれ以上の移動を制限し、それにより異方性力を電気化学セル321Aに加えるので、電気化学セルに力の適用をもたらす。
【0068】
ある実施形態において、圧力伝達器は、実質的に硬い構造(例えば電気化学セルを囲うパッケージ)の全てまたは一部を含み、圧力伝達器の移動は、実質的に硬い構造の非柔軟性の度合いによって制限される。ある実施形態において、圧力伝達器は、その移動を制限することができるシステムの他の構成要素の少なくとも一部と一体化する構造を備える。例えば、ある実施形態において、圧力伝達器は、電気化学セル321Aと圧力分配器334が配置されるパッケージの1またはそれ以上の壁の少なくとも一部を備える。1つの特定の実施例として、圧力伝達器336は、電気化学セル321Aを含むパッケージの第1の壁を形成してもよい一方で、基板332は、パッケージの(例えば第1の壁と対向する)第2の壁を形成する。ある実施形態において、圧力伝達器336の移動は、その移動が制限されるように圧力伝達器内及び/または圧力伝達器に力を加えることによって制限される。これらの場合のいずれかにおいて、力は、ある実施形態において、圧力分配器334に流体を加える及び/または圧力分配器334内の流体の量を維持することによって、電気化学セルに加えられる。
【0069】
図3Cは、単一の圧力伝達器及び単一の圧力分配器が力を電気化学セルに加えるために用いられる実施形態のセットを描く。ある実施形態において、しかしながら、2以上の圧力分配器及び/または2以上の圧力伝達器が用いられることができる。例えば、いくつかの実施形態において、システムは、電気化学セル321Aの下に配置された第2の圧力分配器及び第2の圧力分配器の下に配置された第2の圧力伝達器を含む。ある実施形態において、実質的に均一に分配された力が、例えば力を第2の圧力伝達器に及び第2の圧力伝達器を通って及び第2の圧力分配器の表面上に加えることによって、第2の圧力分配器を通って電気化学セル321Aの外面に加えられる。
【0070】
いくつかの実施形態において、流体は、圧力分配器の中に及び/または圧力分配器から出て運ばれて、電気化学セル321Aに及び/または電気化学セル321Aから熱を運ぶ。例えば、圧力分配器334は、圧力分配器334を通って流体を運ぶように構成された注入口及び排出口を含む。流体は、圧力分配器334を通って運ばれるので、電気化学セル321Aから熱を吸収し、排出口を通ってシステムから熱を運ぶ。任意の適切な装置は、例えばポンプ、真空、またはその他の適切な装置など、圧力分配器を通って流体を運ぶために用いられる。
【0071】
ある実施形態において、圧力分配器に関連して用いられる流体は、所望の度合いにシステムを冷却または加熱するように選択される。例えば、ある実施形態において、圧力分配器内の流体は、例えば水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール(PAGs)、油(例えば鉱物油、ひまし油、シリコーンオイル、フルオロカーボンオイル、及び/または冷媒(例えばフロン、クロロフルオロカーボン、パーフルオロカーボンなど)などの、クーラントを含む。
【0072】
本明細書に記載される実施形態は、様々な電気化学セルで用いられる。一次(使い捨て)電気化学セル及び二次(再充電可能)電気化学セルは本明細書に記載される実施形態と関連して用いられるが、いくつかの実施形態は、例えば、(再)充電プロセスの間、均一な力の適用によって提供される利点によって、二次電気化学セルをメリットがあるように利用する。ある実施形態において、電気化学セルは、例えばリチウム硫黄電気化学セル(及び例えばそのバッテリなど複数のセルのアセンブリ)などリチウムベースの電気化学セルを含む。
【0073】
本発明は、多様な電気化学装置で使用を見つけられるが、1つのそのような装置の例は、説明の目的のみために図3Dに提供される。図3Dにおいて、電気化学セル321Aの一般の実施形態は、カソード310、アノード312、並びにカソード及びアノードと電気化学連通する電解質314を含む。
【0074】
いくつかの場合において、電気化学セル321Aは、閉じ込め構造316によって少なくとも部分的に任意に含まれる。閉じ込め構造316は、これに限定されるものではないが、円筒、角柱(例えば三角柱、四角柱など)、立方体、またはその他の形状を含む、様々な形状を備える。ある実施形態において、圧力分配器は、表面318A及び/または表面318Bと直接または間接に接触して閉じ込め構造316の外側に圧力分配器を配置することによって、電気化学セル321Aと関連付けられる。このように配置されるとき、圧力分配器は、上記されたように、閉じ込め構造316の表面318A及び/または318Bに直接または間接に力を加えるように構成される。ある実施形態において、圧力分配器は、カソード310と閉じ込め構造316の間、またはアノード312と閉じ込め構造316の間に配置される。いくつかのそのような実施形態において、閉じ込め構造は、圧力伝達器として作用する及び/または分離した圧力伝達器が閉じ込め構造を通って圧力分配器に力を加えるように構成される。
【0075】
典型的な電気化学セルシステムは、またもちろん集電体、外部回路などを含むであろう。当業者は、図に示される及び本明細書に記載される一般的な概略配置で利用される多くの配置をよく知っている。
【0076】
電気化学セル321Aの構成要素は、いくつかの場合において、電解質が平面構成でカソードとアノードの間に配置されるように組み立てられる。例えば、図3Dに描かれる実施形態において、電気化学セル321Aのカソード310は、実質的に平面である。実質的に平面なカソードは、例えば金属ホイルまたは電気化学セル321Aのアセンブリに含まれる(図3Dに描かれないが)もしくは電気化学セルの組み立て前にカソード310から取り外される他の適切な基板など、平面基板にカソードスラリを被覆することによって形成されることができる。さらに、図3Dにおいて、アノード312は、実質的に平面であるとして描かれる。実質的に平面なアノードは、例えば金属リチウムのシートを形成することによって、平面基板にアノードスラリを形成することによって、またはその他の適切な方法によって形成されることができる。電解質314は、また図3Dで実質的に平面であるとして描かれる。
【0077】
ある実施形態において、電気化学セル321Aは、例えば元素金属及び/または金属合金など、金属を含む電極を備える。1つの特定の例として、ある実施形態において、電気化学セル321Aは、元素リチウム(例えば元素リチウム金属及び/またはリチウム合金)を含むアノードを備える。ある実施形態において、電気化学セルに加えられる異方性力は、力の適用が、以下にさらに詳細に記載されるように、電気化学セルの電極内の金属の表面形態に影響を与えるように十分に大きい。
【0078】
図3Dは、平面構成に配置された電気化学セルを描くが、任意の電気化学セル配置が任意の形態で、本発明の原理を用いて、構成されることが理解されるべきである。図3Dに描かれる形状に加えて、本明細書に記載される電気化学セルは、これに限定されるものではないが、円筒、折り畳まれた複数の層構造、角柱(例えば、三角柱、四角柱など)、「スイスロール」、非平面複数の層構造などを含むその他の形状であってもよい。さらなる形態は、Affinitoらの「再充電可能なリチウムバッテリを含む水性及び非水性電気化学セルの両方の電極保護」と名付けられ、2006年4月6日に出願された米国特許出願第11/400,025に記載され、その全てを本明細書に援用する。
【0079】
いくつかの実施形態において、カソード及び/またはアノードは、少なくとも1つの活性面を備える。本明細書で用いられるように、用語「活性面」は、電解質と物理接触し、電気化学反応が起こる電極の表面を記載するために用いられる。例えば、図3Dに描かれる実施形態のセットにおいて、カソード310は、カソード活性面320を含み、アノード312は、アノード活性面322を含む。
【0080】
ある実施形態において、圧力伝達器336に及び/または圧力分配器334(及び最終的にいくつかの場合において電気化学セル321Aの表面342)を通って加えられる異方性力は、電気化学セル内の電極(例えばリチウム金属を含むアノードなどのアノード)の活性面の法線の成分を含む。したがって、圧力分配器334を通って電気化学セルに異方性力を加えることは、電気化学セル内の電極(例えばアノード)の活性面に加えられる異方性力をもたらす。平面の電極表面の場合において、加えられる力は、力が加えられる点における電極活性面の法線の成分を備える異方性力を含む。例えば、図3C及び図3Dに描かれる実施形態のセットを参照すると、矢印370の方向の異方性力は、圧力分配器334を通って電気化学セル321Aに加えられる。矢印370の方向に加えられた異方性力は、アノード活性面322の法線とカソード活性面320の法線である成分372を含むであろう。さらに矢印370の方向に加えられる異方性力は、アノード活性面322とカソード活性面320の法線でない(及び実際に平行である)成分374をふくむであろう。
【0081】
曲面(例えば凹面または凸面)の場合において、電気化学セルに加えられる力は、力が加えられる点において曲面と接する平面の法線の成分を備える異方性力を含む。
【0082】
実施形態の1つのセットにおいて、本発明のシステム及び方法は、セルの充電及び/または放電の間の少なくとも1つの期間の間、電極(例えばアノード)の活性面の法線の成分を有する異方性力が電気化学セルに加えられるように構成される。いくつかの実施形態において、力は、継続的に、1つの期間にわたって、または期間及び/または周波数が変わる複数の期間にわたって、加えられる。
【0083】
加えられる力の規模は、いくつかの実施形態において、電気化学セルの性能を強化できるほど十分に大きい。ある実施形態において、電極活性面(例えばアノード活性面)と異方性力は、異方性力が電極活性面の表面形態に影響を与えて、充電放電によって電極活性面領域の増加を抑制するように一緒に選択され、異方性力が欠如するが、しかしそれ以外は本質的に同じ条件の下で、電極活性面領域は、充電放電サイクルによって大幅に増加する。この文脈で「本質的に同じ条件」は、利用物及び/または力の規模以外同様または同じである条件を意味する。例えば、それ以外同じ条件は、同一であるセルを意味するが、異方性力を対象の電気化学セルに加えるために(例えば、ブラケットまたは他の接続によって)構成されない。
【0084】
電極活性面と異方性力は、当業者によって容易に、本明細書に記載される結果を達成するために一緒に選択される。例えば、電極活性面が比較的柔らかいとき、電極活性面の法線の力の成分は、小さく選択される。電極活性面が硬いとき、電極活性面の法線の力の成分は、大きいであろう。本開示を与えられた当業者は、本明細書に記載されたものを達成するために、容易に既知のまたは予測可能な特性でアノード材料、合金、混合物などを選択でき、またはすぐにそのような表面の硬さまたは柔らかさを試験でき、及びすぐに適切な異方性力を提供するためにセル構成技術及び配置を選択できる。簡単な試験は、例えば(セルサイクルの間、選択された組み合わせの予測のための)セルサイクルなしにまたは選択に関連する結果の観察を備えるセルサイクルとともに表面に力の形態学的効果を決定するために、活性面の法線に加えられる一連の力(または法線の成分)のそれぞれと一連の活物質を配置することによって、なされる。
【0085】
上記されたように、いくつかの実施形態において、(例えばアノードの)電極活性面の法線の成分を有する異方性力は、異方性力のない表面領域の増加に対する電極活性面の表面領域の増加を抑制するのに効果的な範囲に、セルの充電及び/または放電の間の少なくとも1つの期間の間、加えられる。電気活性面の法線の異方性力の成分は、少なくとも約20N/cm、少なくとも約25N/cm、少なくとも約35N/cm、少なくとも約40N/cm、少なくとも約50N/cm、少なくとも約75N/cm、少なくとも約90N/cm、少なくとも約100N/cm、少なくとも約125N/cm、少なくとも約150N/cm、少なくとも約200N/cm、少なくとも約300N/cm、少なくとも約400N/cm、少なくとも約500N/cmの圧力を定義する。ある実施形態において、アノード活性面の法線の異方性力の成分は、例えば約500N/cm未満、約400N/cm未満、約300N/cm未満、約200N/cm未満、約190N/cm未満、約175N/cm未満、約150N/cm未満、約125N/cm未満、約115N/cm未満、約110N/cm未満の圧力を定義する。力と圧力は、それぞれN(ニュートン)及びN/単位領域の単位で本明細書に記載されるが、力及び圧力は、またそれぞれkgf(キログラム重)及びkgf/単位領域の単位で表現される。当業者はkgfベースのユニットに親和性があり、1kgfは約9.8Nと等価であると理解する。
【0086】
ある実施形態において、電気化学セル内の電極の活性面の法線の異方性力の成分は、(例えば電気化学セルの充電及び/または放電の間)電極の降伏応力の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約120%である圧力を定義する。ある実施形態において、電気化学セル内の電極の活性面の法線の異方性力の成分は、(例えば電気化学セルの充電及び/または放電の間)電極の降伏応力の約250%未満または約200%未満である圧力を定義する。例えば、いくつかの実施形態において、電気化学セルは、アノード(例えばリチウム金属及び/またはリチウム合金を含むアノードなど)を備え、アノード活性面の法線である加えられる異方性力の成分は、アノードの降伏応力の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、または少なくとも約120%(及び/またはアノードの降伏応力の少なくとも約250%未満または約200%未満)である圧力を定義する。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、カソードを備え、カソード活性面の法線の異方性力の成分は、カソードの降伏応力の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、または少なくとも約120%(及び/またはカソードの降伏応力の約250%未満または約200%未満)である圧力を定義する。
【0087】
いくつかの場合において、異方性力は、電気化学セルの1またはそれ以上の外面にわたって、及び/または電気化学セル内の電極の1またはそれ以上の外面にわたって、比較的均一である圧力を定義する。いくつかの実施形態において、電気化学セルの1またはそれ以上の外面の領域及び/または電極(例えばアノード)の1またはそれ以上の活性面の領域の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%は、異方性力によって定義される圧力の実質的に均一な分配を含む均一な領域を定義する。この文脈において、「電気化学セルの表面」及び「電極の表面」は、電気化学セル及び電極の幾何的表面を指し、当業者によって例えば顕微鏡測定ツール(例えば定規)によって測定され、内面領域(例えば発泡体などの多孔質材料の孔内の領域、またはメッシュ内に含まれ、外側の境界を定義しないメッシュのそれらの繊維の表面領域など)を含まない領域など、電気化学セル及び電極の外側の境界を定義する表面を指す。
【0088】
いくつかの実施形態において、(前の段落で記載される)均一な領域の約10%、約5%、約2%、約1%を覆う任意の連続な領域が、均一な領域の全体にわたる平均の圧力に対して、約25%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、または約1%未満で変わる平均圧力を含むとき、圧力は、表面にわたって実質的に均一に分配される。
【0089】
別の言い方をすると、いくつかの実施形態において、電気化学セルの表面の領域及び/または電極の活性領域の少なくとも約50%(または少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%)は、本質的に均一に加えられた圧力の第1の連続領域を定義し、第1の領域は、第1に平均して加えられた圧力を有する。いくつかの場合において、電気化学セル及び/または電極の表面の第1の連続領域の約10%(または約5%、約2%、または約1%)を覆う任意の連続領域は、第1の連続領域にわたる第1に平均して加えられた圧力に対して約25%未満(または約10%未満、約5%未満、約2%未満、または約1%未満)で変わる第2に平均して加えられる圧力を含む。
【0090】
当業者は、例えば、表面部分内の代表的な数の点において加えられる力レベルを決定し、表面部分の位置の関数として加えられる圧力の3次元プロットを積分し、表面部分の表面領域で積分を割ることによって表面の部分内に平均して加えられる圧力を決定することができる。当業者は、例えば圧力場を測定するTekscan I-スキャンを用いることによって、表面部分にわたる加えられた圧力のプロットを作り出すことができる。
【0091】
本明細書に記載された電気化学セルのアノードは、様々なアノード活物質を含む。本明細書で用いられるように、用語「アノード活物質」は、アノードと関連する任意の電気化学的活性種を指す。例えば、アノードは、リチウム含有材料を含み、リチウムは、アノード活物質である。本明細書に記載される電気化学セルのアノードのアノード活物質として使用のための適切な電気活性材料は、これに限定されるものではないが、リチウムホイル及び導電基板上に堆積されたリチウムなどのリチウム金属、及びリチウム合金(例えばリチウム-アルミニウム合金及びリチウム-スズ合金など)を含む。基板上に負極材料(例えばリチウムなどのアルカリ金属アノード)を堆積する方法は、例えば熱蒸発、スパッタリング、ジェット蒸着、及びレーザアブレーションなどの方法を含む。代わりに、アノードがリチウムホイル、またはリチウムホイル及び基板を含むとき、これらはアノードを形成するために当該分野で既知のように積層工程によって一緒に積層される。
【0092】
1つの実施形態において、アノード活性層の電気活性リチウム含有材料は、50重量%より多いリチウムを含む。別の実施形態において、アノード活性層の電気活性リチウム含有材料は、75重量%より多いリチウムを含む。さらなる別の実施形態において、アノード活性層の電気活性リチウム含有材料は、90重量%より多いリチウムを含む。アノードでの使用に適切な追加の材料及び配置は、例えば「電気化学セルの力の適用」と名付けられた2009年8月4日に出願されたScordilis-Kelleyらの米国特許公開公報第2010/0035128号に記載され、全ての目的においてその全てを本明細書に援用する。
【0093】
本明細書に記載される電気化学セルのカソードは、様々なカソード活物質を含む。本明細書に用いられるように、用語「カソード活物質」は、カソードと関連する任意の電気化学的活性種を指す。本発明の電気化学セルのカソードのカソード活物質として使用するのに適切な電気活性材料は、これに限定されるものではないが、1またはそれ以上の金属酸化物、1またはそれ以上の挿入材料、電気活性遷移金属カルコゲナイド、電気活性導電性ポリマ、硫黄、炭素及び/またはそれらの組み合わせを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、カソード活物質は、1またはそれ以上の金属酸化物を含む。いくつかの実施形態において、挿入カソード(例えばリチウム挿入カソード)が用いられる。電気活性材料(例えばアルカリ金属イオン)のイオンを挿入する適切な材料の非限定の例は、金属酸化物、硫化チタン、硫化鉄を含む。いくつかの実施形態において、カソードは、リチウム遷移金属酸化物またはリチウム遷移金属リン酸塩を含む挿入カソードである。追加の例は、LiCoO(例えばLi1.1CoO)、LiNiO、LiMnO、LiMn(例えばLi1.05Mn)、LiCoPO、LiMnPO、LiCoNi(1-x)、及びLiCoNiMn(1-x-y)(例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNi3/5Mn1/5Co1/5、LiNi4/5Mn1/10Co1/10、LiNi1/2Mn3/10Co1/5)を含む。xは、0以上2以下である。xは、通常電気化学セルが完全に放電されたとき1以上2以下であり、電気化学セルが完全に充電されたとき1未満である。いくつかの実施形態において、完全に充電された電気化学セルは、1以上1.05以下、1以上1.1以下、または1以上1.2以下であるxの値を有する。さらなる例は、LiNiPO、ここで(0<x≦1)、LiMnNi、ここで(x+y=2)(例えばLiMn1.5Ni0.5)、LiNiCoAl、ここで(x+y+z=1)、LiFePO、及びその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、カソード内の電気活性材料は、ある実施形態において、ホウ酸塩及び/またはケイ酸塩で置換できる、リチウム遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO)を含む。
【0095】
上記のように、いくつかの実施形態において、カソード活物質は、1またはそれ以上のカルコゲナイドを含む。本明細書で用いられるように、用語「カルコゲナイド」は、酸素、硫黄及びセレンの元素の1またはそれ以上を含む化合物に関係する。適切な遷移金属カルコゲナイドの例は、これに限定されるものではないが、Mn、V、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、及びIrからなる群から選択された遷移金属の電気活性酸化物、硫化物及びセレン化物を含む。1つの実施形態において、遷移金属カルコゲナイドは、ニッケル、マンガン、コバルト及びバナジウムの電気活性酸化物及び鉄の電気活性硫化物からなる群から選択される。1つの実施形態において、カソードは、次の材料、二酸化マンガン、ヨウ素、クロム酸銀、酸化銀及び五酸化バナジウム、酸化銅、オキシリン酸銅、硫化鉛、硫化銅、硫化鉄、ビスマス酸鉛、三酸化ビスマス、二酸化コバルト、塩化銅、二酸化マンガン、及び炭素の1またはそれ以上を含む。別の実施形態において、カソード活性層は、電気活性導電性ポリマを含む。適切な電気活性導電性ポリマの例は、これに限定されるものではないが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、及びポリアセチレンからなる群から選択された電気活性及び電気的導電性ポリマを含む。導電性ポリマの例は、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリアセチレンを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される電気化学セルのカソード活物質として使用するための電気活性材料は、電気活性硫黄含有材料を含む。「電気活性硫黄含有材料」は、本明細書に用いられるように、任意の形態の元素硫黄を含む、カソード活物質に関連し、電気化学活性は、硫黄原子または部分の酸化または還元を含む。本発明の実施に有用な電気活性硫黄含有材料の性質は、当該分野で知られているように幅広く変わる。例えば、1つの実施形態において、電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄を含む。別の実施形態において、電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄と硫黄含有ポリマの混合物を含む。それゆえ、適切な電気活性硫黄含有材料は、これに限定されるものではないが、元素硫黄とポリマであるまたはポリマでない、硫黄原子と炭素原子を含む有機材料を含む。適切な有機材料は、さらにヘテロ原子、導電性ポリマセグメント、合成物及び導電性ポリマを含むそれらを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、カソード活性層の電気活性硫黄含有材料は、50重量%より多い硫黄を含む。別の実施形態において、カソード活性層の電気活性硫黄含有材料は、75重量%より多い硫黄を含む。さらなる別の実施形態において、カソード活性層の電気活性硫黄含有材料は、90重量%より多い硫黄を含む。
【0098】
本発明のカソード活性層は、(例えば、溶媒の適切な量がカソード活性層から取り除かれた後及び/または層が適切に硬化された後測定される)約20から100重量%の電気活性カソード材料を含む。1つの実施形態において、カソード活性層の電気活性硫黄含有材料の量は、カソード活性層の5-30重量%の範囲である。別の実施形態において、カソード活性層の電気活性硫黄含有材料の量は、カソード活性層の20重量%から90重量%の範囲である。
【0099】
カソードで使用するのに適切なさらなる材料及びカソードを作る適切な方法は、例えば、「新規な複合カソード、新規な複合カソードを備える電気化学セル及びその製造プロセス」と名付けられ、1997年5月21日に出願された米国特許第5,919,587号及び「電気化学セルの力の適用」と名付けられ、2009年8月4日に出願されたScordilis-Kelleyらの米国特許公開公報第2010/0035128号に記載され、全ての目的のためにその全てを本明細書に援用する。
【0100】
様々な電解質が本明細書に記載される電気化学セルに関連して用いられる。いくつかの実施形態において、電解質は、多孔質セパレータが組み込まれるまたは組み込まれない非固体電解質を含む。本明細書に用いられるように、用語「非固体」は、静せん断応力に耐えることができない材料を指すために用いられ、せん断応力が加えられたとき、非固体は、継続的及び永続的なゆがみを経験する。非固体の例は、例えば液体、変形可能なゲルなどを含む。
【0101】
本明細書に記載される電気化学セルで用いられる電解質は、イオンを貯蔵及び輸送する媒体として機能し、固体電解質及びゲル電解質の特別な場合において、これらの材料は、さらにアノードとカソードの間のセパレータとして機能する。イオンを貯蔵及び輸送できる任意の液体、固体、またはゲル材料は、材料がアノードとカソードの間のイオン(例えばリチウムイオンなど)の輸送を促進する限り、用いられる。電解質に使用するための例示的な材料は、例えば「電気化学セルの力の適用」と名付けられ、2009年8月4日に出願されたScordilis-Kelleyらの米国特許公開公報第2010/0035128号に記載され、全ての目的のためにその全てを本明細書に援用する。
【0102】
「多重化充電放電バッテリ管理システム」と名付けられ、2018年7月31日に出願された米国特許仮出願第62/712,761号は、全ての目的のためのその全てを本明細書に援用する。
【0103】
次の文献は、全ての目的のためにその全てを本明細書に援用する:「電気化学セルのためのリチウムアノード」と名付けられ、2001年5月23日に出願された米国特許第7,247,408号、「リチウムポリマバッテリのための適切なアノード」と名付けられ、1996年3月19日に出願された米国特許第5,648,187号、「リチウムポリマバッテリのため安定化されたアノード」と名付けられ、1997年7月7日に出願された米国特許第5,961,672号、「新規な複合カソード、新規な複合カソードを備える電気化学セル、及びその製造プロセス」と名付けられ、1997年5月21日に出願された米国特許第5,919,587号、「再充電可能なリチウム/水、リチウム/空気バッテリ」と名付けられ、米国特許公開公報第2007-0221265号として公開された2006年4月6日に出願された米国特許出願第11/400,781号、「リチウムバッテリの膨張抑制」と名付けられ、国際公開第WO/2009017726号として公開された2008年7月29日に出願された国際特許出願第PCT/US2008/009158号、「電解質の分離」と名付けられ、米国特許公開公報第2010-0129699号として公開された、2009年5月26日に出願された米国特許出願第12/312,764号、「バッテリ電極のための入門書」と名付けられ、国際公開第第WO/2009054987号として公開された2008年10月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2008/012042号、「エネルギ貯蔵装置のための保護回路」と名付けられ、米国特許公開公報第2009-0200986号として公開された2008年2月8日に出願された米国特許出願第12/069,335号、「再充電可能なリチウムバッテリを含む、水性及び非水性の電気化学セルの両方の電極保護」と名付けられ、米国特許公開公報第2007-0224502号で公開された2006年4月6日に出願された米国特許出願第11/400,025号、「リチウム合金/硫黄バッテリ」と名付けられ、米国特許公開第2008/0318128号として公開された2007年6月22日に出願された米国特許出願第11/821,576号、「リチウム硫黄再充電可能バッテリ燃料ゲージシステム及び方法」と名付けられ、米国特許公開公報第2006-0238203号として公開された2005年4月20日に出願された米国特許出願第11/111,262号、「ポリマ化可能なモノマ及びポリマ化可能でないキャリアの溶媒/塩混合物/溶液の共フラッシュ蒸発」と名付けられ、米国特許公開公報第2008-0187663号として公開された2007年3月23日に出願された米国特許出願第11/728,197号、「リチウムバッテリのための電解質添加物及び関連する方法」と名付けられ、国際公開第WO/2009042071号として公開された2008年9月19日に出願された国際特許出願第PCT/US2008/010894号、「多孔質電極及び関連する方法」と名付けられ、国際公開第WO/2009/089018号として公開された2009年1月8日に出願された国際特許出願第PCT/US2009/000090号、「電気化学セルの力の適用」と名付けられ、米国特許公開公報第2010/0035128号として公開された2009年8月4日に出願された米国特許出願第12/535,328号、「リチウムバッテリのためのカソード」と名付けられ、2010年3月19日に出願された米国特許出願第12/727,862号、「制御大気環境下の微量分析を実行するための気密サンプルホルダ及び方法」と名付けられ、2009年5月22日に出願された米国特許出願第12/471,095号、(「電気化学セルのための解放システム」と名付けられた2009年8月24日に出願された仮特許出願第61/236,322号の優先権を主張する)「電気化学セルのための解放システム」と名付けられ、2010年8月24日に出願された米国特許出願第12/862,513号、「電気化学セルのための電気的に非導電性材料」と名付けられ、2010年8月24日に出願された米国仮特許出願第61/376,554号、「電気化学セル」と名付けられ、2010年8月24日に出願された米国仮特許出願第12/862,528号、「硫黄を含む多孔質構造を備える電気化学セル」[S1583.70029US00]と名付けられ、米国特許公開公報第2011/0070494号として公開された2010年8月24日に出願された米国特許出願第12/862,563号、「硫黄を含む多孔質構造を備える電気化学セル」[S1583.70030US00]と名付けられ、米国特許公開公報第2011/0070491号として公開された2010年8月24日に出願された米国特許出願第12/862,551号、「硫黄を含む多孔質構造を備える電気化学セル」[S1583.70031US00]と名付けられ、米国特許公開公報第2011/0059361号として公開された2010年8月24日に出願された米国特許出願第12/862,576号、「硫黄を含む多孔質構造を備える電気化学セル」[S1583.70024US01]と名付けられ、米国特許公開公報第2011/0076560号として公開された2010年8月24日に出願された米国特許出願第12/862,581号、「低電解質電気化学セル」[S1583.70033US00]と名付けられ、2010年9月22日に出願された米国特許出願第61/385,343号及び「エネルギ貯蔵装置のための多孔質構造」[S1583.70034US00]と名付けられ、2011年2月23日に出願された米国特許出願第13/033,419号。本明細書に開示される全ての他の特許及び特許出願は、また全ての目的のためにその全てを援用する。
【0104】
図4Aは、バッテリのセルのセットを放電するための代表的な高レベルプロセス400Aを示す。代表的なプロセス400Aを備える行為は、続く段落に詳細に記載される。
【0105】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Aは、行為430を含み、バッテリのセルのセットは、多重化スイッチ装置(例えば上記された多重化スイッチ装置112など)を用いて少なくとも1つの基準に基づいて選択的に放電される。さらに、多重化スイッチ装置は、少なくとも1つのバッテリ(例えば120-150)のセル(例えば121A-C)の2またはそれ以上のセット(例えば121、122、123及び/または124)と接続される。それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。
【0106】
いくつかの実施形態において、プロセス400Aは、その後終わるまたは必要に応じて繰り返す。
【0107】
図4Bは、バッテリのセルのセットを放電する代表的な高レベルプロセス400Bを示す。代表的なプロセス400Bを備える行為は、続く段落に詳細に記載される。
【0108】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Bは、任意に行為410において始まり、多重化スイッチ装置は、負荷によって用いられるトポロジで、セルのセットを負荷に接続するために用いられる。バッテリ(例えば120-150)は、セル(例えば121A-C)のセット(例えば121、122、123、及び/または124)を含み、それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。例えば、多重化スイッチ装置は、直列接続で、並列接続で、直列/並列接続で、または負荷の電圧及び電流要求または所定の利用物もしくは使用者の要望に合うために必要とされるその他の適切なトポロジで負荷とセルを接続する。
【0109】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Bは、その後任意に行為420に進み、少なくとも1つの基準及び/または基準のいくつかのパラメータは、基準が合うかどうか決定するために少なくとも1つのセルまたはセルのセットを既に放電しているまたは放電した、バッテリまたは複数のバッテリのセルに関して測定されるまたはさもなければ監視される。
【0110】
例えば、センサ(例えば図1の116など)は、負荷と負荷に現在接続されたセルのセットの間の接続において供給された放電容量を測定する、またはセルのセットの電流を測定する。代わりにまたはさらに、センサは、次の:接続期間(いくつかの実施形態において、少なくとも0.01秒である)、負荷とセルのセットの間の複数の接続にわたって蓄積された容量、セルのセット及び/または少なくとも1つの他のセルのセットの電圧、セルのセットのカットオフ放電電圧、セルのセットの電力と、セルのセットのエネルギ、セルのセットの充電または放電サイクルの数、セルのセットのインピーダンス、接続の間のセルのセットの電圧フェージングの速度、セルのセットの温度、セルのセットの圧力とのいずれかを測定する。
【0111】
いくつかの実施形態において、基準は、セルまたはセルのセットを放電する順序を含む。代わりにまたはさらに基準は、パラメータとして上記のいずれかを有する関数の値である。いくつかの実施形態よると、基準は、セルのセットの前の放電サイクルの数を含まない。
【0112】
いくつかの実施形態において、基準が合ったならば、代表的なプロセス400Bは、その後行為430に進み、バッテリの次のセルのセットは、多重化スイッチ装置(例えば上記多重化スイッチ装置112など)を用いて基準に基づいて選択的に放電される。例えば、電流放電するセルのセットが基準または複数の基準が要求に合ったならば、そのセルのセットは切断され、次のセルのセットが、本明細書に記載されるように接続される(次のセットは、上で議論された基準と同じまたは異なる基準または複数の基準によって決定されてもよい)。代わりに、基準が合わなければ、監視され続ける。いくつかの実施形態よると、単一のセルと負荷の間の接続は、少なくとも0.01秒の期間である。発明者は、0.01秒より短い期間の接続は、0.01秒におけるより驚くほど多くのノイズを作り出し、セルの電気化学は、無視できないことを達成することができないことを認識し、理解した。
【0113】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Bは、その後任意に行為431に進み、多重化スイッチ装置は、他のセルのセットが放電していない間放電するための単一のセルのセットを分離するために用いられる。例えば、コントローラ(例えば図1の114)は、セル121Bが放電されることを決定したとき、多重化スイッチ装置にセル121A及び121Cが放電していない間、放電するためのセル121Bを分離させる。
【0114】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Bは、その後任意に行為432、434、436及び/または438のいずれかに進む。例えば、プロセス400Bが行為431から行為432に進むならば、多重化スイッチ装置は、セルのセットを充電する第2の速度より少なくとも2倍速い第1の速度でセルのセットを選択的に放電するために用いられる。
【0115】
代わりにまたはさらに、プロセス400Bは、行為431から行為434に進み、多重化スイッチ装置は、セルのセットを充電する第2の速度より少なくとも4倍速い第1の速度でセルのセット選択的に放電するために用いられる。
【0116】
代わりにまたはさらに、プロセス400Bは、行為431から行為436に進み、セルのセットの放電は、例えば上記議論のように多重化スイッチ装置を用いることによって、一時的に重なっている。
【0117】
代わりにまたはさらに、プロセス400Bは、行為431から行為438に進み、電力は、異なるセットの間を切り替える間、セルのセットから供給され続ける。
【0118】
行為431、432、434、436及び/または438のいずれかは、それらが図4Bに分離した行為として表されるが、実際に行為430に不可欠である。
【0119】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス400Bは、その後任意に行為440に進み、多重化スイッチ装置は、例えば上記されるように、並列接続でセルのセットを充電するために用いられる。
【0120】
いくつかの実施形態よると、バッテリ、バッテリパックまたはシステムの全てのセルのセットを含む任意の数のセルのセットは、同時に放電される。例えば、4つのセルを有するバッテリで、4つ全てのセル(または2または3のみ)は、同時に放電されることができ、負荷または利用物において望まれる及びセルにおいて可能な放電電流が作り出される。さらにいくつかの実施形態において、放電または充電されるセルまたはセットの数は、例えば放電する放電電流など、少なくとも1つの基準に基づいて選択される。ある実施形態において、セルまたはセルのセットの数が放電または充電される順序は、例えば放電するための放電電流など、少なくとも1つの基準に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、放電または充電されるセルまたはセットの数及びそれを行う順序は、例えば放電するための放電電流など、少なくとも1つの基準に基づいて選択される。
【0121】
いくつかの実施形態において、プロセス400Bは、その後終わるまたは必要に応じて繰り返す。例えば、プロセス400Bは、任意の適切な数のサイクルによって繰り返す。いくつかの実施形態よると、それぞれのサイクルまたはいくつかのサイクルにおいて、それぞれのセルは、全てのセルが2度放電される前に1度放電される。
【0122】
図5は、バッテリパックを制御する代表的な高レベルプロセス500を示す。代表的なプロセス500を備える行為は、続く段落に詳細に記載される。
【0123】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス500は、行為530を含み、スイッチは、一体化されたスイッチ制御システムを順次的に用いて、バッテリパック(例えば210)のセル(例えば121A-C)のセット(例えば121、122、123及び/または124)を放電するように制御される(例えば上記された114などのコントローラによって)。さらに、多重化スイッチ装置は、バッテリまたは複数のバッテリの2またはそれ以上のセルのセットと接続される。それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。
【0124】
いくつかの実施形態において、プロセス500は、その後終わるまたは必要に応じて繰り返す。
【0125】
図6は、バッテリパックを制御する代表的な高レベルプロセス600を示す。代表的なプロセス600を備える行為は、続く段落に詳細に記載される。
【0126】
いくつかの実施形態において、代表的なプロセス600は、行為630を含み、スイッチは、一体化されたスイッチ制御システムを用いて、基準に基づいてバッテリパック(例えば210)のセル(例えば121A-C)のセット(例えば121、122、123及び/または124)を放電するように制御される(例えば上記された114などのコントローラによって)。さらに、多重化スイッチ装置は、バッテリまたは複数のバッテリの2またはそれ以上のセルのセットと接続される。それぞれのセルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える。いくつかの実施形態において、基準は、次の:負荷及び負荷に現在接続されるセルのセットの間の接続期間、接続において供給された放電容量、及び1またはそれ以上のパラメータを有する関数の値のいずれかを含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、プロセス600は、その後終わるまたは必要に応じて繰り返す。
【0128】
発明者は、上記されるいくつかの実施形態は、実施されたとき従来技術を超えて様々な改善を示す結果を生み出すことを認識し、理解した。例えば、1つの実施において、セルは、活性電極領域が99.41cmの50μmLiホイルと1重量%のLiBOBを含むF9電解質(BASF)で満たされた25μmCelgard2325セパレータを備えるNCMA622カソード(BASF)で作られた。セルは、それぞれ4つのセルを含む13個のバッテリに組み立てられた。バッテリは、以下の表1及び表2にまとめられる条件でいくつかの実施形態を用いて実行された13電気充電放電サイクル試験を受けた。バッテリのセルは、サイクル試験中12kg/cmの圧力で、18℃の温度で保持された。
【0129】
表1.均一な電流分配で同時に放電された4つのセルのバッテリ試験データ
【0130】
表2.様々な放電パルス期間において順次的に放電された4つのセルのバッテリ試験データ
【0131】
表1(試験#1-#3)は、(従来技術によって実行されるように)比較例を表し、バッテリが並列接続されたセルで、4つのセルの間で均一に分配された充電及び放電電流で、一定電流で充電され放電されたときの試験結果をまとめる。充電カットオフ電圧は4.35Vであり、放電カットオフ電圧は、3.2Vであった。充電-放電サイクルは、バッテリ容量が800mAhに到達したとき止められた。
【0132】
表2(試験#4-#13)は、バッテリが並列接続されたセルで、4つのセルの間で均一に分配された充電放電電流で、一定電流で4.35Vに充電され放電されたときの試験結果をまとめる。これらのバッテリの放電は、全体としてバッテリが定常放電電流を経験する方法で実行された。しかしながら、個々のセルは、順次的に負荷に接続され、負荷から切断されて同時に4つのセルの1つにおいてのみ放電電流パルス供給した。このパルスの終わりにおいて、次のセルは、接続され前のセルは切断された。セルは、一定のパルス時間または放電電圧が3.2Vに到達するまで順番に(例えばセル#1、2、3、4、1、2、3、4など)放電パルスを経験した。テスト#4、#8及び#12は、単一パルスでフルセル放電を提供した。他の試験は、0.1、1及び10秒の期間で、単一パルスで部分的セル放電を提供した。充電-放電サイクルは、バッテリ容量が800mAhに到達したとき停止した。
【0133】
試験#13に対応する図7Aは、第1の240秒において10秒のパルス放電の開始におけるバッテリ電圧プロファイルを示し、図7Bは、電圧3.2Vへのフル放電プロファイルを示す。図7Aにおいて、繰り返される順序において10秒300mAパルスによって影響されるセルの数は、第1の80秒において示される。
【0134】
表1及び表2を戻って参照すると、発明者は、全バッテリ放電電流を順番にバッテリセルの一部に加えることは(表2)、従来技術でなされたように、全てのバッテリセルの間の均一な電流分配(表1)と比較して、驚くほど及び劇的にサイクル寿命の改善につながったことを認識し、理解した。このサイクル寿命の改善は、最大6倍になり、発明者は、放電パルス期間及び充電放電速度の関数であると認識した。2つの充電放電速度におけるパルス期間の関数としてバッテリサイクル寿命を描く(試験#4-#11に対応する)図7Cは、サイクル寿命が特に0.1秒より長いパルス時間及び約10秒のパルス期間で改善されることを示す。発明者は、本明細書に記載されるバッテリサイクル寿命への改善は、図7Cが示し、従来技術の経験に基づいて予期できなかったので、部分的な放電におけるいくつかの実施形態を用いてさえ利用可能であることを認識し、理解した。さらに、全てのセルの全容量は、均一から遠いときでさえ、いくつかの実施形態で利用される。
【0135】
いくつかの実施形態において、図4A-6を参照して上記された本発明の方法は、多くの方法のいずれかで変わることが理解されるべきである。例えばいくつかの実施形態において、上記された本発明の方法のステップは、記載されたものと異なる順序で実行され、方法は、上記されてない追加のステップを含み、及び/または方法は、上記されたステップの全てを含まない。
【0136】
さらにいくつかの態様は、コンピュータ装置を用いて実行されることが前の記載から理解されるべきである。図8は、例えば上記されたコントローラのいずれかなど(例えば114)、ある態様を実施するために用いられる、コンピュータ810の形態でシステム800の一般の目的のコンピュータ装置を示す。
【0137】
コンピュータ810において、構成要素は、これに限定されるものではないが、処理装置820、システムメモリ830、及びシステムメモリを含む様々なシステム構成要素を処理装置820と結合するシステムバス821を含む。システムバス821は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス及び様々なバスアーキテクチャのいずれかを用いるローカルバスを含む複数のタイプのバス構造のいずれかである。例として、限定でなく、そのようなアーキテクチャは、Industry Standard Architecture(ISA)バス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、Enhanced ISA(EISA)バス、Video Electronics Standards Association(VESA)ローカルバス、及びMezzanineバスとも呼ばれるPeripheral Component Interconnect(PCI)バスを含む。
【0138】
コンピュータ810は、通常様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ810によってアクセス可能であり、揮発性及び不揮発性媒体、取り外し可能及び取り外し不可能媒体の両方を含む、任意の利用可能な媒体である。例として、限定でなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体及び通信媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、例えばコンピュータ可読指示、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなど情報を格納するための任意の方法または技術で実行される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能媒体の両方を含む。コンピュータストレージ媒体は、これに限定されるものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ディスクストレージ装置、または所望の情報を格納するために用いられ、コンピュータ810によってアクセスされるその他の1またはそれ以上の媒体を含む。通信媒体は、通常コンピュータ可読指示、データ構造、プログラムモジュールまたは例えば搬送波または他の輸送機構などの変調されたデータ信号の他のデータを具体化し、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調されたデータ信号」は、その特性セットの1またはそれ以上を有し、信号の情報をエンコードするような方法で変換された信号を意味する。例として、限定でなく、連絡媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体及び例えば、音響、RF、赤外線などの無線媒体及び他の無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせは、またコンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0139】
システムメモリ830は、例えば読み取り専用メモリ(ROM)831及びランダムアクセスメモリ(RAM)832などの揮発性及び/または不揮発性メモリの形態でコンピュータストレージ媒体を含む。例えば起動中のコンピュータ810内の要素の間の情報を転送する手助けをする基本的なルーチンを含む基本入力/出力システム833(BIOS)は、通常ROM831に格納される。RAM832は、通常データ及び/または処理装置820に即座にアクセス可能である及び/または処理装置820によって現在動作中であるプログラムモジュールを含む。例として、限定でなく、図8は、オペレーティングシステム834、アプリケーションプログラム835、他のプログラムモジュール839及びプログラムデータ837を描く。
【0140】
コンピュータ810は、また他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体を含む。例としてのみ、図8は、取り外し不可能、不揮発性磁気媒体から読みまたは媒体に書き込むハードディスクドライブ841、取り外し可能、不揮発性磁気ディスク852から読みまたは磁気ディスク852に書き込む磁気ディスクドライブ851及び例えばCDROMまたは他の光学媒体などの取り外し可能、不揮発性光学ディスク859から読み、光学ディスク859に書き込む光学ディスクドライブ855を描く。例示的なコンピュータシステムに用いられる他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体は、これに限定されるものではないが、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタル多用途ディスク、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどを含む。ハードディスクドライブ841は、通常例えばインターフェース840などの取り外し不可能メモリインターフェースを通ってシステムバス821に接続され、磁気ディスクドライブ851及び光学ディスクドライブ855は、通常例えばインターフェース850など取り外し可能メモリインターフェースによってシステムバス821に接続される。
【0141】
上で議論され、図8に描かれたドライブ及びそれらの関連するコンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読指示、データ構造、プログラムモジュール及びコンピュータ810のための他のデータの格納を提供する。図8において、例えば、ハードディスクドライブ841は、オペレーティングシステム844、アプリケーションプログラム845、他のプログラムモジュール849、及びプログラムデータ847を格納するように描かれる。これらの構成要素は、オペレーティングシステム834、アプリケーションプログラム835、他のプログラムモジュール539、及びプログラムデータ837と同じまたは異なることができることに留意する。オペレーティングシステム844、アプリケーションプログラム845、他のプログラムモジュール849、及びプログラムデータ847は、少なくともそれらが異なる複製であることを描くために本明細書で異なる符号を与えられる。使用者は、例えばキーボード892及び共通にマウス、トラックボールまたはタッチパッドと呼ばれるポインティングデバイス891などの入力装置を通してコンピュータ810にコマンド及び情報を入力する。他の入力装置(図示せず)は、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナなどを含む。これらの及び他の入力装置は、しばしばシステムバスと結合される使用者入力インターフェース590を通って処理装置820に接続されるが、他のインターフェース及び例えばパラレルポート、ゲームポートまたはユニバーサルシリアルバス(USB)などのバス構造によって接続されてもよい。モニタ891または他のタイプのディスプレイ装置は、また例えばビデオインターフェース890などインターフェースによってシステムバス821に接続されてもよい。モニタに加えて、コンピュータは、また例えば出力周辺インターフェース895によって接続された、スピーカ897及びプリンタ899などの他の周辺出力装置を含む。
【0142】
コンピュータ810は、例えばリモートコンピュータ880などの1またはそれ以上のリモートコンピュータと論理接続を用いるネットワーク環境で動作する。リモートコンピュータ880は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイスまたは他の共通のネットワークノードであり、典型的にメモリストレージ装置881のみが図8に描かれるが、コンピュータ810に関連して上記された要素の多くまたは全てを含む。図8に示される論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)871及びワイドエリアネットワーク(WAN)873を含むが、他のネットワークも含む。そのようなネットワーク環境は、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット及びインターネットではありふれている。
【0143】
LANネットワーク環境で用いられるとき、コンピュータ810は、ネットワークインターフェースまたはアダプタ870を通ってLAN871に接続される。WANネットワーク環境で用いられるとき、コンピュータ810は、通常例えばインターネットなどモデム872またはWAN873経由で通信を確立する他の手段を含む。内部または外部であるモデム872は、使用者入力インターフェース890または他の適切な機構によってシステムバス821と接続される。ネットワーク環境において、コンピュータ810またはその一部に関連して示されるプログラムモジュールは、リモートメモリストレージ装置に格納される。例として、限定でなく、図8は、メモリ装置881にあるようにリモートアプリケーションプログラム885を描く。示されるネットワーク接続は、例示的であり、コンピュータの間の通信リンクを確立する他の手段が用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0144】
実施形態は、1またはそれ以上のコンピュータまたは他のプロセッサで実行されるとき、上で議論された様々な実施形態を実施する方法を実行する1またはそれ以上のプログラムでエンコードされるコンピュータ可読ストレージ媒体(または複数のコンピュータ可読媒体)(例えばコンピュータメモリ、1またはそれ以上のフロッピディスク、コンパクトディスク(CD)、光学ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイの回路構成または他の半導体装置、または他の有形のコンピュータストレージ媒体)として具体化される。前の例から明白であるように、コンピュータ可読ストレージ媒体は、十分な時間において情報を保持して、非一時的な形式でコンピュータ実行可能指示を提供する。そのようなコンピュータ可読ストレージ媒体または複数の媒体は、そこに格納されるプログラムまたは複数のプログラムが1またはそれ以上の異なるコンピュータまたは他のプロセッサに積み込まれ、上で議論されたように本発明の様々な態様を実施するように、輸送可能である。本明細書で用いられるように、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、コンピュータが情報を読む有形のマシン、機構または装置のみ含む。代わりにまたはさらに、いくつかの実施形態は、コンピュータ可読ストレージ媒体以外のコンピュータ可読媒体として具体化される。コンピュータ可読ストレージ媒体でないコンピュータ可読媒体の例は、伝播信号など一時的な媒体を含む。
【0145】
本発明の複数の実施形態が本明細書に記載され描かれたが、当業者は、容易に本明細書に記載された機能を実行するために及び/または結果及び/または利点の1またはそれ以上を得るために様々な他の手段及び/または構造を想像し、そのようなバリエーション及び/また変更のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。さらに一般的に、当業者は、容易に本明細書に記載される全てのパラメーラ、寸法、材料及び構成が、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/または構成が本発明の教示が用いられる特定の利用物または複数の利用物に依存することを理解される。当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対して、日常的な実験を使用して多くの等価物を認識し、解明できるであろう。したがって、前の実施形態は、例としてのみ表され、添付された特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、本発明は、特に記載され及び請求された以外で実行される。本発明は、本明細書に記載されたそれぞれ個々の特徴、システム、品物、材料及び/または方法を含む。さらに、2またはそれ以上のそのような特徴、システム、品物、材料及び/または方法の任意の組み合わせが、そのような特徴、システム、品物、材料及び/または方法が相互に矛盾しないならば、本発明の範囲内に含まれる。
【0146】
明細書及び特許請求の範囲で本明細書に用いられるように、不定冠詞「1つの」(a)及び「1つの」(an)は、明確に反対を示されなければ、「少なくとも1つの」を意味すると理解すべきである。
【0147】
明細書及び特許請求の範囲で本明細書に用いられるように、語句「及び/または」は、そのように結合された要素、いくつかの場合において結合的に存在し、他の場合において断続的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解すべきである。他の要素は、明確に反対を示さなければ、特に識別されたそれらの要素に関連するかどうかに関わらず、「及び/または」句によって特に識別される要素以外に任意に存在する。
そのため、非限定の例として、「A及び/またはB」への参照は、例えば「備える」などのオープンエンドの用語と関連して用いられるとき、1つの実施形態において、BのないAを指し(任意にB以外の要素を含む)、別の実施形態において、AのないBを指し(任意にA以外の要素を含む)、またさらに別の実施形態において、「A及びB」の両方をさす(任意に他の要素を含む)。
【0148】
明細書及び特許請求の範囲で本明細書に用いられるように、「または」は、上で定義されたように「及び/または」と同じ意味を有することを理解すべきである。例えば、リストの品物を分離するとき、「または」または「及び/または」は、包括的である、すなわち少なくとも1つの含有であるが、また複数の要素または要素のリストの2以上及び任意に追加のリストに載っていない品物を含むとして解釈される。「の1つのみ」または「のまさに1つ」または特許請求の範囲で用いられるとき、「からなる」など明確に反対を示す用語のみが複数の要素のまたは要素のリストのまさに1つの要素の包含を指す。一般に本明細書に用いられるように用語「または」は、例えば「どちらか一方」、「の1つ」、「の1つのみ」、または「のまさに1つ」などの排他性の用語によって先行されるとき、排他的な代替(すなわち「1つまたは他であるが両方でない)を示すとして解釈されるのみである。「から本質的になる」は、特許請求の範囲で用いられるとき、特許法の分野で用いられるようにその通常の意味を有する。
【0149】
明細書及び特許請求の範囲で本明細書に用いられるように、語句「少なくとも1つ」は、1またはそれ以上の要素のリストを参照して、要素のリストの要素のいずれか1またはそれ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内の具体的に記載されたそれぞれの及びすべての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリストの要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素が、具体的に識別される要素にそれらの関連するかどうかにかかわらず、任意に存在できることを可能にする。そのため、非限定の例として、「A及びBの少なくとも1つ」(または等価に「AまたはBの少なくとも1つ」、または等価に「A及び/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態においてBが存在しない2以上のAを任意に含む(及び任意にB以外の要素を含む)少なくとも1つを指し、別の実施形態において、Aが存在しない2以上のBを任意に含む(及びA以外の要素を任意に含む)少なくとも1つを指し、さらに別の実施形態において、2以上のAを任意に含み、2以上のBを任意に含む(及び任意に他の要素を含む)少なくとも1つを指す。
【0150】
いくつかの実施形態は、様々な例が記載された方法として具体化される。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順番を付けられる。したがって、実施形態は、行為が描かれたのと異なる順番で実行され、記載されたものと異なる(より多くまたは少なく)行為を含んで構成される及び/または行為が具体的に上記された実施形態で順番通りに実行されるように示されているが、いくつかの行為を同時に実行することを含む。
【0151】
請求項の要素を修飾するための特許請求の範囲の例えば「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語の使用は、それ自身によって優先(priority)、優先(precedence)、または方法の行為が実行される別のまたは一時的な順番を超えて1つの請求項の要素の順番を含意しないが、請求項の要素を区別するためにある名前を有する1つの請求項の要素を同じ名前を有する別の要素と区別するために(しかし序数の用語の使用のために)、標識として単に使用される。
【0152】
特許請求の範囲において、上記明細書と同様に、例えば「含む」(comprising)、「含む」(including)、「持っている」(carrying)、「有する」(having)、「含む」(containing)、「含む」(involving)、「保持する」(holding)などの全ての過渡的な語句は、オープンエンドである、すなわちこれに限定されないことを含むことを意味すると理解されるべきである。「からなる」及び「から本質的になる」の過渡的な語句のみが、米国特許庁特許審査手続マニュアル、セクション2111.03に記載されているように、それぞれクローズまたは準クローズ過渡的語句である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2またはそれ以上のセルのセットを備える少なくとも1つのバッテリであって、それぞれの前記セルのセットは、1またはそれ以上のセルを備える、バッテリと、
それぞれの前記セルのセットに接続された多重化スイッチ装置と、
前記多重化スイッチ装置を用いて少なくとも1つの基準に基づいて前記セルのセットを選択的に放電するように構成された少なくとも1つのコントローラと、を備えるバッテリ管理システム。
【外国語明細書】