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特開2024-153665P2X3調節剤としての置換イミダゾピリジン化合物の結晶形態およびそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153665
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】P2X3調節剤としての置換イミダゾピリジン化合物の結晶形態およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20241022BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241022BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20241022BHJP
   A61P 13/02 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
C07D471/04 107Z
C07D471/04 CSP
A61K31/5377
A61P29/00
A61P13/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024109053
(22)【出願日】2024-07-05
(62)【分割の表示】P 2021525726の分割
【原出願日】2019-11-12
(31)【優先権主張番号】62/760,307
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524010217
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、(ナンバー3)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline Intellectual Property (No.3) Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ガルソー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エム・ウェンスロー
(72)【発明者】
【氏名】ケマル・ペイザ
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー・ショーレ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】P2X3調節剤である化合物の結晶形を提供する。
【解決手段】メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、またはその溶媒和物が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、またはその溶媒和物。
【請求項2】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含み、以下の特性:
(a)図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
【請求項4】
約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
【請求項5】
図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)を有する、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
【請求項6】
図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
【請求項7】
約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラムを有する、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
【請求項8】
特性(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を有することを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項9】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0、タイプA、およびタイプA1からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項10】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-
4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0である、請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項11】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプAである、請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項12】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA1である、請求項1~9のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項13】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA2である、請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項14】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA3である、請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項15】
アセトニトリル、アセトン、tert-ブチルメチルエーテル、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ジエチレングリコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジメトキシエタン、トルエン、アニソール、またはそれらの組合せから得られる、請求項1~14のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項16】
水和物である、請求項1~15のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項17】
チャネル水和物である、請求項1~15のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項18】
医療における使用のための、請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む、医薬組成物。
【請求項20】
静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、経鼻投与、局所投与、または点眼投与による哺乳動物への投与用に製剤化される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
錠剤、丸薬、カプセル、液体、懸濁液、ゲル、分散液、溶液、エマルション、軟膏、またはローションの形態である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
P2X3活性に関連する障害、疼痛、または尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、P2X3活性に関連する障害を処置するための、疼痛を処置するための、または尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする該哺乳動物に、治療有効量の、請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
哺乳動物における疼痛を処置するための、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物における尿路障害を処置するための、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
尿路障害は、過活動膀胱を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
尿路障害は、神経因性過活動膀胱、非神経因性過活動膀胱、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺痛、および前立腺肥大症を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする該哺乳動物に、治療有効量の、請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
尿失禁は、切迫性失禁、咳嗽による失禁、腹圧性失禁、溢流性失禁、機能性失禁、神経因性失禁、前立腺切除後失禁、尿意切迫感、夜間頻尿、および遺尿に関連している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
咳嗽は急性咳嗽または慢性咳嗽である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
咳嗽は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、気道炎症、肺気腫、肺炎、肺がん、肺新生物、喉の痛み、風邪、インフルエンザ、気道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、上気道のウイルスまたは細菌感染症、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法、喫煙者の咳嗽、慢性乾性咳嗽、新生物性の咳嗽、胃食道逆流症による咳嗽、および刺激物、煙、スモッグ、ほこり、または大気汚染の吸入から選択される疾患、障害、または状態に関連している、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、請求項1~17のいずれか1項に記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
掻痒症は、炎症性皮膚疾患、感染性皮膚疾患、自己免疫性皮膚疾患、または妊娠関連皮膚疾患に関連している、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
掻痒症は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性、刺激性接触皮膚炎、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎および汗疱状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、多形性日光疹、乾癬、グローバー病、ムチン沈着症、肥満細胞症、ならびに蕁麻疹からなる群から選択される炎症性皮膚疾患に関連している、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
掻痒症は、真菌症、細菌およびウイルス感染症、疥癬、しらみ寄生症、虫刺され、ならびに毛嚢炎からなる群から選択される感染性皮膚疾患に関連している、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
掻痒症は、疱疹状皮膚炎(デューリング病)、水疱性類天疱瘡;遺伝子皮膚症、ダリエ病、およびヘイリー-ヘイリー病からなる群から選択される自己免疫性皮膚疾患に関連し
ている、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
掻痒症は、多形妊娠疹(PEP)、アトピー性妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、新生物形成、および皮膚T細胞性リンパ腫からなる群から選択される妊娠関連皮膚疾患に関連している、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
掻痒症は、結節性痒疹に関連している、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
掻痒症は、腎臓病または腎臓病を処置するための治療手順に関連している、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
掻痒症は、慢性腎臓病に関連している、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
掻痒症は、腎臓病を処置するための治療手順に関連しており、該腎臓病を処置するための該治療手順は、血液透析および腹膜透析からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
掻痒症は、医療手順または処置に関連している、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
掻痒症は、オピオイド、抗マラリア薬、抗がん療法、および上皮増殖因子受容体阻害剤からなる群から選択される薬物による医療処置に関連している、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、請求項1~37のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項45】
子宮内膜症の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症を処置するための、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
子宮内膜症関連疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連疼痛を処置するための、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
子宮内膜症関連症状は、月経困難症、性交疼痛症、排尿障害、および排便障害から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
哺乳動物はヒトである、請求項22~48のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年11月13日出願の米国仮出願第62/760,307号の利益を主張し、この出願は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
P2Xプリン受容体は、細胞外アデノシン三リン酸(ATP)によって活性化されるイオンチャネルのファミリーである。プリン受容体は、多種多様な生体機能、特に疼痛感受性に関するものに関連付けられてきた。P2X3受容体サブユニットは、このファミリーのメンバーである。
【0003】
P2X3は、侵害受容性の小径感覚ニューロン(すなわち、疼痛または損傷によって刺激されるニューロン)上で選択的に発現し、これは疼痛感受性における役割と一致する。P2X3受容体をブロックすることは、慢性的な炎症性および神経因性疼痛の動物モデルにおいて鎮痛性であることが報告されている。非特許文献1。したがって、P2X3レベルまたは活性を低下させることは、P2X3活性に関連する疼痛および他の障害に罹患している対象における疼痛感覚を調節するのに有用であると考えられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Jarvisら、PNAS、99、17179~17184頁(2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に記載されているのは、P2X3調節剤、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートであって、薬学的に許容される溶媒和物(水和物を含む)、多形、および非晶相を含むもの、ならびにそれらの使用方法である。いくつかの実施形態では、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートは、P2X3活性に関連する疾患または状態の処置のための医薬の製造に使用される。
【0006】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を製造するための方法も本明細書に記載されている。メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を含む医薬組成物および疾患または状態の処置における化合物の使用方法がさらに記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本明細書に記載されているのは、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、または
その溶媒和物である。
【0008】
いくつかの実施形態では、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含み、以下の特性:
(a)図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0010】
いくつかの実施形態では、約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5°
2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0011】
いくつかの実施形態では、図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)を有する、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0012】
いくつかの実施形態では、図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0013】
いくつかの実施形態では、約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラムを有する、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0014】
いくつかの実施形態では、特性:(a)図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;(b)約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターン;(c)図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TG
A);(d)図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;および(e)約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラムを有することを特徴とする、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0015】
いくつかの実施形態では、アセトニトリル、アセトン、tert-ブチルメチルエーテル、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ジエチレングリコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジメトキシエタン、トルエン、アニソール、またはそれらの組合せから得られる、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0016】
いくつかの実施形態では、タイプA0、タイプA、およびタイプA1からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0017】
いくつかの実施形態では、タイプA0の結晶形態である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0018】
いくつかの実施形態では、タイプAの結晶形態である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0019】
いくつかの実施形態では、タイプA1の結晶形態である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0020】
いくつかの実施形態では、タイプA2の結晶形態である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0021】
いくつかの実施形態では、タイプA3の結晶形態である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0022】
いくつかの実施形態では、医療における使用のための、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態
である。
【0023】
いくつかの実施形態では、水和物である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。いくつかの実施形態では、チャネル水和物である、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態である。
【0024】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、経鼻投与、局所投与、または点眼投与による哺乳動物への投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート医薬組成物は、錠剤、丸薬、カプセル、液体、懸濁液、ゲル、分散液、溶液、エマルション、軟膏、またはローションの形態である。
【0025】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、P2X3活性に関連する障害、疼痛、または尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、P2X3活性に関連する障害を処置するための、疼痛を処置するための、または尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、疼痛を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、尿路障害は、過活動膀胱を含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、尿路障害は、神経因性過活動膀胱、非神経因性過活動膀胱、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺痛
、および前立腺肥大症を含む、方法である。
【0026】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、尿失禁は、切迫性失禁、咳嗽による失禁、腹圧性失禁、溢流性失禁、機能性失禁、神経因性失禁、前立腺切除後失禁、尿意切迫感、夜間頻尿、および遺尿に関連している、方法である。
【0027】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、咳嗽は慢性咳嗽である、方法である。いくつかの実施形態では、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、咳嗽は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、気道炎症、肺気腫、肺炎、肺がん、肺新生物、喉の痛み、風邪、インフルエンザ、気道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、上気道のウイルスまたは細菌感染症、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法、喫煙者の咳嗽、慢性乾性咳嗽、新生物性の咳嗽、胃食道逆流症による咳嗽、および刺激物、煙、スモッグ、ほこり、または大気汚染の吸入から選択される疾患、障害、または状態に関連している、方法である。
【0028】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、炎症性皮膚疾患、感染性皮膚疾患、自己免疫性皮膚疾患、または妊娠関連皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を
処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性、刺激性接触皮膚炎、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎および汗疱状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、多形性日光疹、乾癬、グローバー病、ムチン沈着症、肥満細胞症、ならびに蕁麻疹からなる群から選択される炎症性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、真菌症、細菌およびウイルス感染症、疥癬、しらみ寄生症、虫刺され、ならびに毛嚢炎からなる群から選択される感染性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、疱疹状皮膚炎(デューリング病)、水疱性類天疱瘡;遺伝子皮膚症、ダリエ病、およびヘイリー-ヘイリー病からなる群から選択される自己免疫性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、多形妊娠疹(PEP)、アトピー性妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、新生物形成、および皮膚T細胞性リンパ腫からなる群から選択される妊娠関連皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、結節性痒疹に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、腎臓病または腎臓病を処置するための治療手順に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、慢性腎臓病に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、腎臓病を処置するための治療手順に関連しており、腎臓病を処置するための治療手順は、血液透析および腹膜透析からなる群から選択される、方法である。いくつかの
実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、医療手順または処置に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、オピオイド、抗マラリア薬、抗がん療法、および上皮増殖因子受容体阻害剤からなる群から選択される薬物による医療処置に関連している、方法である。
【0029】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連疼痛を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載のメチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を投与することを含み、子宮内膜症関連症状は、月経困難症、性交疼痛症、排尿障害、および排便障害から選択される、方法である。
【0030】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0031】
本明細書に記載の方法および組成物の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本明細書の開示の精神および範囲内の種々の変更および修正は、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、詳細な説明および特定の例は、特定の実施形態を示すが、例示のみとして与えられることが理解されるべきである。本明細書で使用されているセクションの見出しは、組織的な目的のためのみであり、説明されている主題を限定するものと解釈するべきではない。
【0032】
参照による組み入れ
本明細書において言及されたすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が、参照により組み入れられると具体的かつ個別に示されている場合に適用されかつ関連する限度で、およびその場合と同様に、参照によって本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリー(タイプA、タイプA0、タイプA1、タイプA02、およびタイプA3)のXRPDスペクトルを示す。
図2】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの結晶形態(タイプA0)のTGAおよびDSCサーモグラムを示す。
図3】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの変換関係を示す。
図4】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、25℃(周囲RH~95%RH~0%RH~30%RH)での動的蒸気収着(DVS)プロットを示す。
図5】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、25℃でのDVS分析(周囲RH~95%RH~0%RH~30%RH)前後のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す(上のパターン=DVS前、下のパターン=DVS後)。
図6】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、25℃(周囲RH~95%RH~0%RH~95%RH)での動的蒸気収着(DVS)プロットを示す。
図7】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、25℃でのDVS分析(周囲RH~95%RH~0%RH~95%RH)前後のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す(上のパターン=DVS前、下のパターン=DVS後)。
図8】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、40℃(周囲RH~95%RH~0%RH~95%RH)での動的蒸気収着(DVS)プロットを示す。
図9】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、40℃でのDVS分析(周囲RH~95%RH~0%RH~95%RH)前後のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す(上のパターン=DVS前、下のパターン=DVS後)。
図10】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、単結晶構造の非対称単位を示す。
図11】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプA*ファミリーの、単結晶構造の単位胞を示す。
図12】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプKのXRPDスペクトルを示す。
図13】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプKのTGAおよびDSCサーモグラムを示す。
図14】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプNのXRPDスペクトルを示す。
図15】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプNのTGAおよびDSCサーモグラムを示す。
図16】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプOのXRPDスペクトルを示す。
図17】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプOのTGAおよびDSCサーモグラムを示す。
図18】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプBのXRPDスペクトルを示す。
図19】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプBのTGAサーモグラムを示す。
図20】結晶性メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1)、タイプBのDSCサーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書に記載されているのは、P2X3調節剤 メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態であ
る。メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態を含む医薬組成物および疾患または状態の処置における化合物の使用方法もまた本明細書に記載されている。
【0035】
化合物1
本明細書に記載されているように、化合物1は、メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートである。「化合物1」または「メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレート」は、以下の構造:
【化1】
を有する化合物を指す。
【0036】
いくつかの実施形態では、化合物1は、溶媒付加形態(溶媒和物)を含む。溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的量の溶媒を含み、薬学的に許容される溶媒、例として、水、エタノール、メタノール、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ニトロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、ヘプタン、トルエン、アニソール、アセトニトリルなどを用いた生成物の形成または単離のプロセス中に形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、これに限定されるものではないが、クラス3溶媒を使用して形成される。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、これに限定されるものではないが、クラス2溶媒を使用して形成される。溶媒のカテゴリーは、例えば、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)、「Impurities: Guidelines for Residual Solvents Q3C(R6)」(2016年10月)で定義されている。溶媒が水である場合に水和物が形成され、または溶媒がアルコールである場合にアルコレートが形成される。
【0037】
他の実施形態では、化合物1は、非晶相、結晶形態、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含むがこれらに限定されない種々の形態で製造される。
【0038】
特定の理論に拘束されることを意図するものではないが、ある特定の固体形態は、医薬および治療用剤形に適切な物理的特性、例えば、安定性、溶解性、および溶解速度を特徴とする。さらに、特定の理論に拘束されることを望まないが、ある特定の固体形態は、ある特定の固体形態を固体剤形の製造に好適なものにする特定のプロセス(例えば、収率、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、混合、錠剤化、流動性、溶解、製剤化、および凍結乾燥)に影響を及ぼす物理的特性(例えば、密度、圧縮性、硬度、形態、劈開、粘着性、溶解性、吸
水率、電気的特性、熱的挙動、固相反応性、物理的安定性、および化学的安定性)を特徴とする。そのような特性は、本明細書に記載されるように、固相分析技術(例えば、X線回折、顕微鏡学、分光法および熱分析)を含む特定の分析化学技術を使用して決定することができる。
【0039】
結晶形態
固体形態の変化が様々な物理的および化学的特性に影響を及ぼす場合があり、とりわけ薬学的特性の中でも、それが処理、製剤化、安定性、生物学的利用能、保管、および取り扱い(例えば、出荷)において利点または欠点を与え得ることを考えると、医薬化合物の固体形態の同定ならびに選択は複雑である。有用な医薬固体には、製品およびその投与様式に応じて、結晶性固体および非晶質固体が含まれる。非晶質固体は長距離構造秩序の欠如を特徴とするが、結晶性固体は構造周期性を特徴とする。所望のクラスの医薬固体は、特定の用途によって異なる;非晶質固体は、例えば、増強された溶解プロファイルに基づいて選択されることがあるが、結晶性固体は、例えば、物理的または化学的安定性などの特性のために望ましい場合がある。
【0040】
結晶性であっても非晶質であっても、医薬化合物の固体形態は、単一成分および複数成分の固体を含む。単一成分の固体は、他の化合物が存在しない場合の医薬化合物または活性成分から本質的になる。単一成分の結晶性材料間の多様性は、特定の医薬化合物に対して複数の三次元配置が存在する多形の現象から生じる場合がある。
【0041】
特に、ある化合物の結晶形態さえも存在するかどうかを事前に予測することは不可能であり、それらの製造を成功させる方法を予測することは言うまでもなく不可能である(例えば、Braga and Grepioni、 2005年、「Making crystals from crystals: a green route to crystal engineering and polymorphism」、Chem. Commun.:3635~3645頁(結晶工学に関して、指示があまり正確でない場合、および/または他の外部要因がプロセスに影響を与える場合、結果は予測できない可能性がある);Jones et al.、2006年、「Pharmaceutical Cocrystals: An Emerging Approach to Physical Property Enhancement」、MRS Bulletin 31:875~879頁(現在、最も単純な分子でさえ、観察可能な多形の数を計算で予測することは一般的に可能ではない);Price、2004年、「The computational prediction of pharmaceutical crystal structures and polymorphism」、 Advanced Drug Delivery Reviews 56:301~319頁(「Price」);およびBernstein、2004年、「Crystal Structure Prediction and Polymorphism」、ACA Transactions 39:14~23頁(結晶構造、まして多形形態を予測する能力をある程度の信頼性を伴って述べることが可能になるには、まだ多くのことを学び、実行する必要がある))。
【0042】
可能な固体形態の多様性によって、所与の医薬化合物の物理的および化学的特性に潜在的な多様性が生じる。固体形態の発見および選択は、効果的で安定な、かつ市場性のある医薬製品の開発において非常に重要である。
【0043】
結晶性化合物1、タイプA*ファミリー(タイプA、タイプA0、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3)
同様の回折パターンを示す一連の化合物1の結晶形態(タイプA、タイプA0、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3)が見出された(図1)。これらの結晶形態は、様々
な湿度条件下で相互に変換される(表1および図3)。
【0044】
【表1】
【0045】
したがって、5つの結晶形態(タイプA、タイプA0、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3)は、同じ結晶ファミリー(タイプA*ファミリー)に起因する。タイプA*ファミリーの結晶形態間の相互変換は、結晶格子に存在する水の量が異なるために発生し、XRPDパターンにわずかなピークシフトが生じる。
【0046】
いくつかの実施形態では、化合物1は、結晶性である。いくつかの実施形態では、化合物1は結晶性であり、水和物である。いくつかの実施形態では、化合物1は結晶性であり、チャネル水和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含み、以下の特性:
(a)図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0047】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、(a)~(e)の特性を有することを特徴とする。
【0048】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプA*ファミリーは、約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラムを有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1は、タイプA0、タイプA、およびタイプA1からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、タイプA0である。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、タイプAである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、タイプA1である。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、タイプA2である。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、タイプA3である。
【0050】
結晶性化合物1、タイプK
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプKである。化合物1の結晶性タイプKは、以下の特性:
(a)図12に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約11.4° 2シータ、11.8° 2シータ、12.3° 2シータ、20.0° 2シータ、および20.7° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図13に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図13に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約131℃、152℃、168℃、および172℃での複数の吸熱を伴うDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0051】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、(a)~(e)の特性を有することを特徴とする。
【0052】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、図12に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、約11.4° 2シータ、11.8° 2シータ、12.3° 2シータ、20.0° 2シータ、および20.7° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、図13に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、図13に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合
物1、タイプKは、約131℃、152℃、168℃、および172℃での複数の吸熱を伴うDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、水和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、酢酸イソプロピルと溶媒和する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、溶媒和していない。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプKは、無水である。
【0053】
結晶性化合物1、タイプN
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプNである。化合物1の結晶性タイプNは、以下の特性:
(a)図14に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.4° 2シータ、19.0° 2シータ、および19.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図15に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図15に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約144℃および170℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0054】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、(a)~(e)の特性を有することを特徴とする。
【0055】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、図14に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、約6.4° 2シータ、19.0° 2シータ、および19.6°
2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、図15に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、図15に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、約144℃および170℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、水和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、酢酸ブチルと溶媒和する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、溶媒和していない。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプNは、無水である。
【0056】
結晶性化合物1、タイプO
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプOである。化合物1の結晶性タイプOは、以下の特性:
(a)図16に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.6° 2シータ、12.9° 2シータ、19.3° 2シータ、21.4° 2シータ、および23.5° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図17に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図17に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約141℃および163℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする。
【0057】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、(a)~(e)の特性を有することを特徴とする。
【0058】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、図16に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、約6.6° 2シータ、12.9° 2シータ、19.3° 2シータ、21.4° 2シータ、および23.5° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、図17に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、図17に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、約141℃および163℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、水和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、溶媒和物である。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、ジメチルスルホキシドと溶媒和する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、溶媒和していない。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプOは、無水である。
【0059】
結晶性化合物1、タイプB
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプBである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶性タイプBは、以下の特性:
(a)図18に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.4° 2シータ、12.7° 2シータ、18.1° 2シータ、19.1° 2シータ、21.2° 2シータ、および23.7° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図19に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図20に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約142℃および170℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする酢酸エチル溶媒和物である。
【0060】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも2つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも3つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、(a)~(e)から選択される特性のうちの少なくとも4つを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、(a)~(e)の特性を有することを特徴とする。
【0061】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、図18に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化
合物1、タイプBは、約6.6° 2シータ、12.9° 2シータ、19.3° 2シータ、21.4° 2シータ、および23.5° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、図19に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、図20に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物1、タイプBは、約142℃および170℃での2つの吸熱を伴うDSCサーモグラムを有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプBである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプCである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプDである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプEである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプFである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプGである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプIである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプJである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプLである。いくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態は、結晶性タイプMである。
【0063】
好適な溶媒
ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療剤は、規制ガイドラインに従うことによって製造されなければならない。このような政府規制ガイドラインは、適正製造基準(GMP)と呼ばれる。GMPガイドラインは、例えば、最終製品における残留溶媒の量など、活性治療剤の許容される汚染レベルの概要を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される溶媒は、GMP施設における使用に好適であり、産業安全上の懸念と整合的である。溶媒のカテゴリーは、例えば、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)、「Impurities: Guidelines for Residual Solvents
Q3C(R6)」(2016年10月)で定義されている。
【0064】
溶媒は3つのクラスに分類される。クラス1溶媒は有毒性であり、避ける必要がある。クラス2溶媒は、治療剤の製造中に使用が制限される溶媒である。クラス3溶媒は、毒性の潜在性が低く、ヒトの健康へのリスクがより低い溶媒である。クラス3溶媒のデータは、急性または短期の研究では毒性が低く、遺伝子毒性の研究では陰性であることを示している。
【0065】
避けるべきクラス1溶媒としては、ベンゼン;四塩化炭素;1,2-ジクロロエタン;1,1-ジクロロエテン;および1,1,1-トリクロロエタンが挙げられる。
【0066】
クラス2溶媒の例は:アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、クメン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、N-メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、およびキシレン、である。
【0067】
毒性が低いクラス3溶媒としては:酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、
酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびトリエチルアミン、が挙げられる。
【0068】
活性医薬成分(API)中の残留溶媒は、APIの製造に由来する。場合によっては、実際の製造技術では溶媒が完全には除去されない。APIを合成するための溶媒を適切に選択すると、収率が向上するか、または結晶形態、純度、溶解性などの特性が決定されたりする場合がある。したがって、溶媒は合成プロセスにおける重要なパラメータである。
【0069】
いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、残留量の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、残留量のクラス3溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、クラス3溶媒である。いくつかの実施形態では、クラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびトリエチルアミンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス3溶媒は、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールからなる群から選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、残留量のクラス2溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、クラス2溶媒である。いくつかの実施形態では、クラス2溶媒は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、クメン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、N-メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、およびキシレンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス2溶媒はアセトニトリル、テトラヒドロフラン、およびトルエンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クラス2溶媒はアセトニトリルである。
【0071】
いくつかの実施形態では、化合物1を含む組成物は、適切な毒物学的データが見出されなかった残留量の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、適切な毒物学的データが見出されなかった溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、2-ブタノンおよび2-メチルテトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0072】
ある特定の用語
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、請求される主題を限定するものではないことを理解すべきである。本出願において、特に他に記載がない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本出願において、「または」の使用は、他に記載がない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(
include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」などの他の形式の使用は限定的ではない。「含む(comprising)」という用語(および「含む(comprise)」もしくは「含む(comprises)」もしくは「有する(having)」もしくは「含む(including)」などの関連用語)は、他のある特定の実施形態において、例えば、本明細書に記載の任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態において、それが、記載された特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist
essentially of)」ことがあり得ることを排除することを意図するものではない。「約」という用語は、それが、数値または数値範囲に言及する場合、言及される数値または数値範囲が実験の変動内(もしくは実験の統計的誤差内)の近似値であり、したがって、数値または数値範囲は、記載されている数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得ることを意味する。
【0073】
本明細書で使用されているセクションの見出しは、組織的な目的のためのみであり、説明されている主題を限定するものと解釈するべきではない。特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル、および論文を含むがこれらに限定されない、本出願において引用されたすべての文書または文書の一部は、参照によってそれらの全体が明示的に本明細書に組み入れられる。
【0074】
本明細書で使用される製剤、組成物または成分に関して、「許容される」または「薬学的に許容される」という用語は、処置される対象の健康全般に持続的な有害な影響を及ぼさないか、または生物活性もしくは化合物の特性を無効にしないことを意味し、比較的無毒であることを意味する。
【0075】
本明細書で使用される場合、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の疾患、障害、または状態の症状の「改善」は、永続的であるか一時的であるかどうか、持続的であるか一過性であるかどうかにかかわらず、化合物または組成物の投与に起因または関連する可能性がある、重症度の軽減、発症の遅延、進行の緩徐、または期間の短縮を指す。
【0076】
「生物学的利用能」は、研究されている動物またはヒトの全身循環に送達される、投与された化合物1のパーセンテージを指す。静脈内投与された場合の薬物の総曝露量(AUC(0-∞))は、通常、100%生物学的に利用可能である(F%)として定義される。「経口生物学的利用能」とは、静脈内注射と比較して、医薬組成物を経口摂取したときに化合物1が全身循環に吸収される程度を指す。
【0077】
「血漿濃度」は、対象の血液の血漿成分中の化合物1の濃度を指す。化合物1の血漿濃度は、代謝に関する変動性および/または他の治療剤との可能な相互作用のために、対象間で著しく異なる場合があると理解されている。本明細書に開示される一実施形態によれば、化合物1の血漿濃度は、対象ごとに異なる場合がある。同様に、最大血漿濃度(Cmax)または最大血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)、または血漿濃度時間曲線下総面積(AUC(0-∞))などの値は、対象ごとに異なる場合がある。この変動性のために、化合物1の「治療有効量」を構成するために必要な量は、対象間で異なる場合がある。
【0078】
本明細書で使用される「同時投与」などの用語は、単一の患者への選択された治療剤の投与を包含することを意味し、薬剤を同じかもしくは異なる投与経路によって、または同時にもしくは異なる時間に投与する処置レジメンを含むことを意図している。
【0079】
本明細書で使用される「有効量」または「治療有効量」という用語は、処置される疾患または状態の1つもしくはそれ以上の症状をある程度緩和する、投与されている十分な量
の薬剤または化合物を指す。結果は、疾患の兆候、症状、もしくは原因の低減および/もしくは緩和、または生物学的システムの他の望ましい変化であり得る。例えば、治療用途の「有効量」は、過度の有害な副作用なしに疾患症状の臨床的に有意な低減を提供するために必要とされる、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。個々の症例における適切な「有効量」は、用量漸増試験などの技術を使用して決定することができる。「治療有効量」という用語には、例えば、予防有効量が含まれる。本明細書に開示される化合物の「有効量」は、過度の有害な副作用なしに、所望の薬理学的効果または治療的改善を達成するのに有効な量である。「有効量」または「治療有効量」は、化合物1の代謝の変動、対象の年齢、体重、全身状態、処置されている状態、処置されている状態の重症度、および処方する医師の判断により、対象間で異なる可能性があると理解されている。ほんの一例として、治療有効量は、用量漸増臨床試験によって決定される場合がある。
【0080】
「増強する」または「増強すること」という用語は、効力または持続時間のいずれかにおいて、所望の効果を増加または延長することを意味する。例として、治療剤の効果を「増強する」とは、疾患、障害、または状態の治療中の治療剤の効果を、効力または持続時間のいずれかにおいて増加または延長する能力を指す。本明細書で使用される「増強有効量」とは、疾患、障害、または状態の処置における治療剤の効果を増強するのに適切な量を指す。患者に使用する場合、この使用に有効な量は、疾患、障害、または状態の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物への反応、ならびに処置を行う医師の判断によって異なる。
【0081】
本明細書で使用される「予防有効量」という用語は、処置されている疾患、状態または障害の1つまたはそれ以上の症状をある程度緩和する、患者に適用される組成物の量を指す。そのような予防的用途では、そのような量は、患者の健康状態、体重などに依存し得る。一例として、用量漸増臨床試験によってそのような予防有効量を決定することができる。
【0082】
本明細書で使用される「対象」という用語は、処置、観察または実験の目的である動物を指す。ほんの一例として、対象は、ヒトを含むがこれに限定されない哺乳動物であり得るが、これに限定されない。
【0083】
本明細書で使用される場合、「標的活性」という用語は、選択的調節剤によって調節することができる生物活性を指す。ある特定の例示的な標的活性としては、結合親和性、シグナル伝達、酵素活性、腫瘍増殖、炎症または炎症関連プロセス、および疾患または状態に関連する1つもしくはそれ以上の症状の改善が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
本明細書で使用される「処置する」、「処置すること」または「処置」という用語は、疾患もしくは状態症状を緩和すること、軽減すること、または改善すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因を改善することもしくは予防すること、疾患もしくは状態を阻害すること、例えば、疾患もしくは状態の発症を阻止すること、疾患もしくは状態を緩和すること、疾患もしくは状態の退縮を引き起こすこと、疾患もしくは状態によって引き起こされる状態を緩和すること、または疾患もしくは状態の症状を止めることを含む。「処置する」、「処置すること」または「処置」という用語は、予防的および/または治療的処置を含むが、これらに限定されない。
【0085】
本明細書で使用される場合、EC50は、特定の試験化合物によって誘導、誘発、または増強される特定の応答の最大発現の50%での用量依存性応答を誘発する特定の試験化合物の用量、濃度または量を指す。
【0086】
医薬組成物/製剤
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA0、タイプA、およびタイプA1からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3である、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA0である、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプAである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA1である、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA2である、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプA3である、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプKである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプNである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプOである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプBである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプCである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプDである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプEである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態
、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプFである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプGである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプIである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプJである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプLである、医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、化合物1の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む医薬組成物であって、化合物1の結晶形態は、タイプMである、医薬組成物である。
【0087】
医薬組成物は、活性化合物を処理して薬学的に使用することができる製剤にするのを容易にする賦形剤および助剤を含む1つまたはそれ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択された投与経路によって異なる。本明細書に記載の医薬組成物の要約は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Nineteenth Ed(Easton, Pa.: Mack Publishing Company、1995年);Hoover, John E.、Remington’s
Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing
Co.、Easton, Pennsylvania 1975年;Liberman, H.A.およびLachman、L., Eds.、Pharmaceutical
Dosage Forms、Marcel Decker、New York, N.Y.、1980年;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999年)、に見出すことができ、参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
【0088】
本明細書で使用される医薬組成物は、化合物1と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物によって、哺乳動物への化合物の投与が容易になる。本明細書で提供される処置または使用の方法を実施する際に、治療有効量の化合物1を、処置されるべき疾患、障害、または状態を有する哺乳動物に医薬組成物で投与する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効力、ならびに他の要因に応じて大きく異なり得る。これらの化合物は、単独で、または1つもしくはそれ以上の治療剤と組み合わせて、混合物の成分として使用することができる。
【0089】
本明細書で使用される「組合せ医薬」という用語は、複数の活性成分の混合または組合せから生じる製品を意味し、活性成分の固定された組合せおよび固定されていない組合せの両方を含む。「固定された組合せ」という用語は、活性成分、例えば化合物1、および助剤を両方とも、単一の実体または投与量の形態で同時に患者に投与することを意味する。「固定されていない組合せ」という用語は、活性成分、例えば化合物1、および助剤を、特定の介在する時間制限なしに、同時に、併せて、または連続して、別々の実体として患者に投与し、そのような投与は、患者の体内に有効レベルの2つの化合物を提供するこ
とを意味する。後者はカクテル療法、例えば、3つまたはそれ以上の活性成分の投与にも適用される。
【0090】
いくつかの実施形態では、結晶性化合物1を医薬組成物に組み入れて、経口固体剤形を提供する。他の実施形態では、結晶性化合物1を使用して、経口固形剤形以外の医薬組成物を製造する。本明細書に記載の医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、経鼻、口腔、局所、直腸、または経皮投与経路を含むがこれらに限定されない複数の投与経路によって対象に投与することができる。本明細書に記載の医薬製剤としては、水性液体分散液、自己乳化分散液、固体溶液、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶性製剤、錠剤、カプセル、丸薬、遅延放出製剤、徐放性製剤、拍動性放出製剤、多粒子製剤、および混合即時制御放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物は、従来の方式で、例としてのみ、従来の混合、例えば、溶解、造粒、糖衣錠製造、湿式篩、乳化、カプセル化、封入、または圧縮プロセスなどによって製造してもよい。
【0092】
剤形
本明細書に記載の医薬組成物を製剤化して、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内)、口腔、経鼻、局所、直腸、または経皮投与経路を含むがこれらに限定されない任意の従来の手段を介して哺乳動物に投与することができる。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物、好ましくは、ヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。患者および対象という用語は、互換的に使用され得る。
【0093】
さらに、化合物1を含む本明細書に記載の医薬組成物は、固体経口剤形、制御放出製剤、速溶性製剤、発泡性製剤、錠剤、粉末、丸薬、カプセル、遅延放出製剤、徐放性製剤、拍動性放出製剤、多粒子製剤、および混合即時放出および制御放出製剤を含むがこれらに限定されない任意の好適な剤形に製剤化することができる。
【0094】
経口使用のための医薬調製物は、1つまたはそれ以上の固体賦形剤を本明細書に記載の1つまたはそれ以上の化合物と混合し、場合により得られた混合物を粉砕し、必要に応じて好適な助剤を加えた後、顆粒の混合物を処理して錠剤または糖衣錠コアを得ることによって、得ることができる。好適な賦形剤としては、例えば、充填剤、例としてラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど;またはその他:例としてポリビニルピロリドン(PVPもしくはポビドン)もしくはリン酸カルシウムが挙げられる。必要に応じて、崩壊剤、例として、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩を加えてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される固体剤形は、錠剤(懸濁液錠剤、速溶性錠剤、咀嚼崩壊(bite-disintegration)錠剤、急速崩壊錠剤、発泡性錠剤、もしくはカプレットを含む)、丸薬、粉末(滅菌包装粉末を含む、調剤可能粉末、もしくは発泡性粉末)、カプセル(軟質カプセルもしくは硬質カプセルの両方、例えば、動物由来のゼラチンもしくは植物由来のHPMCから製造されたカプセル、または「スプリンクルカプセル」を含む)、固体分散体、固溶体、生体侵食性剤形、制御放出製剤、拍動性放出剤形、多粒子剤形、ペレット、顆粒、またはエアロゾルの形態であり得る。他の実施形態では、医薬製剤は粉末の形態である。さらに他の実施形態では、医薬製剤は
、速溶性錠剤を含むがこれに限定されない錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載の医薬製剤を、単一カプセルとして、または多数のカプセル剤形で投与してもよい。いくつかの実施形態では、医薬製剤を、2つ、もしくは3つ、もしくは4つのカプセルまたは錠剤で投与する。
【0096】
本明細書に記載の医薬固体剤形は、化合物1、および1つまたはそれ以上の薬学的に許容される添加剤、例として、適合性担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、給湿剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化剤、防腐剤、またはそれらの1つもしくはそれ以上の組合せを含むことができる。さらに他の態様では、Remington’s Pharmaceutical Sciences、20th Edition (2000)に記載されているような標準的コーティング手順を使用して、化合物1の製剤の周りにフィルムコーティングを施す。一実施形態では、化合物1の粒子のうちの若干またはすべてをコーティングしている。別の実施形態では、化合物1の粒子のうちの若干またはすべてをマイクロカプセル化している。さらに別の実施形態では、化合物1の粒子は、マイクロカプセル化されておらず、コーティングされていない。
【0097】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な担体としては、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼインナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなど、が挙げられるが、これに限定されない。
【0098】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な充填剤としては、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
化合物1を固体剤形マトリックスから可能な限り効率的に放出するために、特に剤形が結合剤により圧縮される場合、製剤に崩壊剤を、多くの場合使用する。崩壊剤は、水分が剤形に吸収されたときに膨潤または毛細管現象によって剤形マトリックスを破裂させるのを助ける。本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な崩壊剤としては、トウモロコシデンプンもしくはジャガイモデンプンなどの天然デンプン、National1551もしくはAmijel(登録商標)などのアルファ化デンプン、またはPromogel(登録商標)もしくはExplotab(登録商標)などのデンプングリコール酸ナトリウム、木製品などのセルロース、メチル結晶セルロース、例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、およびSolka-Floc(登録商標)、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース、例として、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、もしくは架橋クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドンなどの架橋ポ
リマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギネート、例としてアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの粘土、ガム、例として寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガカント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、樹脂、例としてカチオン交換樹脂、シトラスパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤は、天然デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムデンプン、メチル結晶性セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスポビドンなどの架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、粘土、またはガムからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0100】
結合剤は、経口固体剤形製剤に凝集性を付与し:粉末充填カプセル製剤の場合、結合剤は、軟質または硬質シェルカプセルに充填することができ、プラグ成形に役立ち、錠剤製剤の場合、結合剤は、圧縮後に錠剤が無傷のままであることを保証し、圧縮または充填工程の前にブレンドの均一性を保証するのに役立つ。本明細書に記載の固体剤形における結合剤としての使用に好適な材料としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロースUSP Pharmacoat-603、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(Aqoate HS-LFおよびHS))、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、ならびに微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微結晶デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、酸性多糖、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、アルファ化デンプン、トラガカント、デキストリン、糖、例としてスクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトース、天然または合成ガム、例として、アカシア、トラガカント、ガティガム、イサポール(isapol)外皮の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10、およびPovidone(登録商標)K-12)、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなど、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
一般に、20~70%の結合剤レベルが、粉末充填ゼラチンカプセル製剤において使用される。錠剤製剤における結合剤の使用レベルは、直接圧縮、湿式造粒、ローラー圧縮、またはそれ自体が中程度の結合剤として機能することができる充填剤などの他の賦形剤の使用のいずれであるかによって異なる。技術分野における通常の知識を有する調剤者は、製剤の結合剤レベルを決定することができるが、錠剤製剤中における最大70%の結合剤使用レベルが一般的である。
【0102】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な潤滑剤または流動促進剤としては、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例としてカルシウム、マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜
鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコールもしくはメトキシポリエチレングリコール、例として、Carbowax(商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウムまたはラウリル硫酸ナトリウムなど、が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、およびワックスからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0103】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な希釈剤としては、糖(ラクトース、スクロース、およびデキストロースを含む)、多糖(デキストレートおよびマルトデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、およびソルビトールを含む)、シクロデキストリンなど、が挙げられるが、これに限定されない。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は、ラクトース、スクロース、デキストロース、デキストレート、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、シクロデキストリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース、およびタルクからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロースである。
【0104】
「非水溶性希釈剤」という用語は、医薬品の製剤に典型的に使用される化合物を、例として、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、加工デンプン、微結晶セルロース、マイクロセルロース(例えば、約0.45g/cmの密度を有する、例えば、Avicel、粉末セルロース)、およびタルクを表す。
【0105】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な湿潤剤としては、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、第四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ドクサートナトリウム、トリアセチン、ビタミンE TPGSなど、が挙げられる。
【0106】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)など、が挙げられる。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーからなる群から選択される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0107】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な懸濁化剤としては、ポリビニルピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30、ポリエチレングリコール、例えば、約300~約6000、または約3350~約4000、または約5400~約70
00の分子量を有することができるポリエチレングリコール、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム、例として、トラガカントガムおよびアカシアガム、グアーガム、キサンタンガムを含む、キサンタンなど、糖、セルロース系誘導体、例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドンなど、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
本明細書に記載の固体剤形で使用するのに好適な抗酸化剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、およびトコフェロールが挙げられる。
【0109】
本明細書に記載の固体剤形で使用される添加剤間にはかなりの重複があることが理解されるべきである。したがって、上記の列挙された添加剤は、本明細書に記載の固体剤形に含めることができる添加剤のタイプの単なる例示であり、限定ではないと解釈されるべきである。そのような添加剤の量は、所望の特定の特性に従って、当業者が容易に決定することができる。
【0110】
他の実施形態では、医薬製剤の1つまたはそれ以上の層が可塑化される。実例として、可塑剤は、一般に高沸点の固体または液体である。好適な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%から約50重量%(w/w)まで加えることができる。可塑剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセリン、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロイル、ステアレート、およびヒマシ油が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
カプセルは、例えば、化合物1の製剤のバルクブレンドをカプセル内に配置することによって製造することができる。いくつかの実施形態では、製剤(非水性懸濁液および溶液)を、軟質ゼラチンカプセル内に配置する。いくつかの実施形態では、製剤(非水性懸濁液および溶液)を、硬質シェルゼラチンカプセル内に配置する。他の実施形態では、製剤を、標準的ゼラチンカプセルまたはHPMCを含むカプセルなどの非ゼラチンカプセル内に配置する。他の実施形態では、製剤を、スプリンクルカプセル内に配置し、カプセルは、カプセル全体を飲み込んでもよく、またはカプセルを開けて、食べる前に内容物を食物に振りかけてもよい。いくつかの実施形態では、治療用量を、複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)カプセルに分割する。いくつかの実施形態では、製剤の全用量を、カプセル形態で送達する。
【0112】
種々の実施形態では、化合物1および1つまたはそれ以上の賦形剤の粒子を、ドライブレンドし、圧縮して、経口投与後、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、または約60分未満以内に実質的に崩壊してそれにより製剤を胃腸液に放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する錠剤などの塊にする。
【0113】
さらに他の実施形態では、可塑剤、例としてポリエチレングリコール、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、およびPEG800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、ならびにトリアセチンを、マイクロカプセル化材料に組み入れる。他の実施形態では、医薬組成物の放出を遅らせる
のに有用なマイクロカプセル化材料は、USPまたは国民医薬品集(NF)からのものである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料はKlucelである。さらに他の実施形態では、マイクロカプセル化材料はMethocelである。
【0114】
他の実施形態では、化合物1を含む製剤を含む粉末は、1つまたはそれ以上の医薬賦形剤および香味を含むように製剤化することができる。そのような粉末は、例えば、製剤と任意選択の医薬賦形剤とを混合してバルクブレンド組成物を形成することによって製造することができる。追加の実施形態はまた、懸濁化剤および/または湿潤剤を含む。このバルクブレンドを、均一に細分して、単位投与パッケージまたは複数回投与パッケージにする。
【0115】
さらに他の実施形態では、発泡性粉末もまた、本開示に従って製造する。発泡性塩は、経口投与のために薬を水中に分散させるために使用されてきた。発泡性塩は、乾燥混合物中に薬剤を含有する顆粒または粗い粉末であり、通常、重炭酸ナトリウム、クエン酸、および/または酒石酸で構成されている。本明細書に記載の組成物の塩を水に加えると、酸と塩基が反応して二酸化炭素ガスを遊離し、それによって「発泡」を引き起こす。発泡性塩の例としては、例えば、以下の成分:重炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合物、クエン酸および/または酒石酸が挙げられる。成分が医薬使用に好適であり、pHが約6.0以上である限り、重炭酸ナトリウムとクエン酸および酒石酸の組合せの代わりに、二酸化炭素の遊離をもたらす任意の酸-塩基の組合せを使用することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の固体剤形は、腸溶コーティング遅延放出経口剤形として、すなわち、腸溶コーティングを利用して、胃腸管の小腸内での放出に影響を与える本明細書に記載の医薬組成物の経口剤形として製剤化することができる。腸溶コーティング剤形は、それ自体がコーティングされているかもしくはコーティングされていない活性成分および/または他の組成物成分の顆粒、粉末、ペレット、ビーズもしくは粒子を含む圧縮または成形または押出錠剤/型(コーティングもしくは非コーティング)であり得る。腸溶コーティング経口剤形はまた、それ自体がコーティングされているかもしくはコーティングされていない、固体担体もしくは組成物のペレット、ビーズまたは顆粒を含有するカプセル(コーティングもしくは非コーティング)であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、対象への経口投与用の、化合物1の粒子および少なくとも1つの分散剤または懸濁化剤を含む医薬製剤が提供される。製剤は、懸濁液用の粉末および/または顆粒であり得、水と混合すると、実質的に均一な懸濁液が得られる。
【0118】
所与の添加剤は、その分野の様々な医師によって多くの場合様々に分類されるか、またはいくつかの異なる機能のいずれかに一般的に使用されるので、本明細書に記載の医薬製剤において使用される上記の列挙された添加物間には重複があることを理解すべきである。したがって、上記の列挙された添加剤は、本明細書に記載の製剤に含めることができる添加剤のタイプの単なる例示であり、限定ではないと解釈されるべきである。そのような添加剤の量は、所望の特定の特性に従って、当業者が容易に決定することができる。
【0119】
方法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているのは、P2X3活性に関連する障害の処置を必要とする哺乳動物における、P2X3活性に関連する障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているのは、疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、疼痛を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の
結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているのは、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、尿路障害は、過活動膀胱を含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、尿路障害は、神経因性過活動膀胱、非神経因性過活動膀胱、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺痛、および前立腺肥大症を含む、方法である。
【0120】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、尿失禁は、切迫性失禁、咳嗽による失禁、腹圧性失禁、溢流性失禁、機能性失禁、神経因性失禁、前立腺切除後失禁、尿意切迫感、夜間頻尿、および遺尿に関連している、方法である。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているのは、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む。いくつかの実施形態では、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、咳嗽は慢性咳嗽である、方法である。いくつかの実施形態では、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、咳嗽は急性咳嗽である、方法である。いくつかの実施形態では、咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、咳嗽は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、気道炎症、肺気腫、肺炎、肺がん、肺新生物、喉の痛み、風邪、インフルエンザ、気道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、上気道のウイルスまたは細菌感染症、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法、喫煙者の咳嗽、慢性乾性咳嗽、新生物性の咳嗽、胃食道逆流症による咳、および刺激物、煙、スモッグ、ほこり、または大気汚染の吸入から選択される疾患、障害、または状態に関連している、方法である。
【0122】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、炎症性皮膚疾患、感染性皮膚疾患、自己免疫性皮膚疾患、または妊娠関連皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施
形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、炎症性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性、刺激性接触皮膚炎、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎および汗疱状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、多形性日光疹、乾癬、グローバー病、ムチン沈着症、肥満細胞症、ならびに蕁麻疹からなる群から選択される炎症性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、感染性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、真菌症、細菌およびウイルス感染症、疥癬、しらみ寄生症、虫刺され、ならびに毛嚢炎からなる群から選択される感染性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、自己免疫性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、疱疹状皮膚炎(デューリング病)、水疱性類天疱瘡;遺伝子皮膚症、ダリエ病、およびヘイリー-ヘイリー病からなる群から選択される自己免疫性皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、妊娠関連皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、多形妊娠疹(PEP)、アトピー性妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、新生物形成、および皮膚T細胞性リンパ腫からなる群から選択される妊娠関連皮膚疾患に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、結節性痒疹に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、腎臓病または腎臓病を処置するための治療手順に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、慢性腎臓病に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、腎臓病を処置するための治療手順に関連しており、腎臓病を処置するための治療手順は、血液透析および腹膜透析からなる群から選択される、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、医療手順または処置に関連している、方法である。いくつかの実施形態では、掻痒症の処置を必
要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、掻痒症は、オピオイド、抗マラリア薬、抗がん療法、および上皮増殖因子受容体阻害剤からなる群から選択される薬物による医療処置に関連している、方法である。
【0123】
別の態様では、本明細書に記載されているのは、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連疼痛を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の、本明細書に記載の化合物1の結晶形態を投与することを含み、子宮内膜症関連症状は、月経困難症、性交疼痛症、排尿障害、および排便障害から選択される、方法である。
【0124】
投薬方法および処置レジメン
本明細書に記載の組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与することができる。治療的用途において、組成物を、疾患または状態の症状を治癒させるか、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、すでに疾患または状態に罹患している患者に投与する。この使用に有効な量は、疾患または状態の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物への反応、ならびに処置を行う医師の判断によって異なる。
【0125】
予防的用途において、本明細書に記載の化合物を含有する組成物を、特定の疾患、障害、または状態に感受性があるか、そうでなければそのリスクがある患者に投与する。そのような量は、「予防有効量または用量」と定義される。この使用において、正確な量はまた、患者の健康状態、体重などによって異なる。患者に使用する場合、この使用に有効な量は、疾患、障害、または状態の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物への反応、ならびに処置を行う医師の判断によって異なる。
【0126】
患者の状態が改善しない場合、患者の疾患または状態の症状を改善またはそうでなければ制御もしくは制限するために、医師の裁量により、化合物の投与を長期にわたって、すなわち、患者の生涯を通じてを含む長期間にわたって投与することができる。
【0127】
患者の状態の改善が生じたら、必要に応じて、維持用量を投与する。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方を、症状の関数として、疾患、障害、または状態の改善が保持されるレベルまで減らすことができる。しかし、患者は、症状が再発した場合、長期的に断続的な処置を必要とする可能性がある。
【0128】
そのような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患または状態およびその重症度、処置を必要とする対象または宿主のアイデンティティ(例えば、体重)などの要因に応じて変化するが、しかし、それにもかかわらず、例えば、投与される特定の薬剤、
投与経路、処置される状態、および処置される対象または宿主を含む、症例を取り巻く特定の状況に従って、当分野で認識される方法で決定することができる。しかし、一般に、成人のヒトの処置に使用される用量は、典型的には、1日当たり約0.02~約5000mg、いくつかの実施形態では、1日当たり約1~約1500mgの範囲である。所望の用量は、好都合には、単回用量で、または同時に(もしくは短期間にわたって)または適切な間隔で、例えば1日当たり2、3、4またはそれ以上の部分用量として投与される分割用量として提示され得る。
【0129】
本明細書に記載の医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であり得る。単位剤形では、製剤は、適切な量の1つまたはそれ以上の化合物を含有する単位用量に分割される。単位投与量は、個別の量の製剤を含有するパッケージの形態であり得る。非限定的な例は、パッケージ化された錠剤またはカプセル、およびバイアルもしくはアンプル中の粉末である。水性懸濁液組成物は、単回投与の再密封不可能な容器にパッケージ化することができる。あるいは、複数回投与の再密封可能な容器を使用することができ、その場合、組成物に防腐剤を含めるのが典型的である。ほんの一例として、非経口注射用の製剤は、アンプルを含むがこれらに限定されない単位剤形で、または防腐剤が添加された複数回投与容器で提示され得る。
【0130】
本明細書に記載の化合物に適切な1日投与量は、約0.01mg/kg~約20mg/kgである。一実施形態では、1日投与量は、約0.1mg/kg~約10mg/kgである。ヒトを含むがこれに限定されない大型哺乳動物において指示された1日投与量は、約0.5mg~約1000mgの範囲であり、単回投与、または1日4回までを含むがこれに限定されない分割用量で、または徐放形態で、好都合に投与される。経口投与に好適な単位剤形は、約1~約500mgの活性成分を含む。一実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。個々の処置レジメンに関する変数の数が大きく、これらの推奨値からのかなりの逸脱が珍しくないため、前述の範囲は単に示唆的なものである。そのような投与量を、使用される化合物の活性、処置される疾患または状態、投与様式、個々の対象の要件、処置されている疾患または状態の重症度、および医師の判断に限定されない、複数の変数に応じて変更してもよい。
【0131】
このような治療レジメンの毒性および治療効能は、LD50(母集団の50%に対する致死用量)およびED50(母集団の50%における治療有効用量)の測定を含むが、これらに限定されない、細胞培養または実験動物における標準的薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比は治療指数であり、LD50とED50の間の比として表すことができる。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための一連の投与量を配合する際に使用することができる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性が最小のED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
【0132】
併用処置
本明細書に記載の化合物1の結晶形態、およびその組成物はまた、処置される状態に対するそれらの治療的価値のために選択される他の治療剤と組み合わせて使用してもよい。一般に、本明細書に記載の組成物、および併用療法が使用される実施形態では、他の薬剤を同じ医薬組成物で投与する必要はなく、異なる物理的および化学的特性のために、異なる経路で投与しなければならない場合がある。可能であれば、同じ医薬組成物での投与様式および投与の妥当性の決定は、十分に臨床医の知識の範囲内である。初期投与は、当分野で認められている確立されたプロトコルに従って行うことができ、その後、観察された効果に基づいて、投与量、投与様式、および投与時間を、臨床医が変更することができる
【0133】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の追加の医薬品は、ヒスタミンH1受容体において作用を阻害する抗ヒスタミン薬(例えば、アクリバスチン、アンタゾリン、アゼラスチン、ビラスチン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、ブロモジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、セチリジン、クロルプロマジン、シクリジン、クロルフェニラミン、クロロジフェンヒドラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デスロラタジン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、ドキシラミン、エバスチン、エンブラミン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、レボセチリジン、ロラタジン、メクロジン、メピラミン、ミルタザピン、オロパタジン、オルフェナドリン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、クエチアピン、ルパタジン、トリペレナミンおよびトリプロリジン)、ならびにヒスタミンH4受容体において作用を阻害する抗ヒスタミン薬(例えば、チオペラミド、JNJ 7777120およびVUF-6002)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含む抗ヒスタミン薬;5-HTアンタゴニスト(例えば、クロザピン、シプロヘプタジン、ケタンセリン、ピゾチフェンおよびクエチアピン)ならびに5-HTアンタゴニスト(例えば、アロセトロン、シランセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロンおよびトロピセトロン)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、セロトニン受容体アンタゴニスト;セルロピタント、アプレピタント、カソピタント(GW679769)、ダピタント、エズロピタント、ホスアプレピタント、ラネピタント(LY-303870)、マロピタント、ネツピタント、ノルピタント(nolpitant)、オルベピタント、ロラピタント、ベスチピタント、ボホピタント、AV-818、BIIF 1149CL、CP122,721、DNK-333、GSK-424887、L-733060、L-759274、LY-686017、M516102ならびにTA-5538、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、ニューロキニン-1(NK-1)受容体アンタゴニスト;ブトルファノール、シプロジム、レバロルファン(ロルファンもしくはナロキシファン(naloxiphan))、ナルブフィン、ナロルフィン(レチドロンもしくはナリン)、ナロキソン、ナロキソール、ナルメフェン、ナルトレキソン(例えば、ナルトレキソン1%クリーム)およびナルトレキソール、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、オピオイド受容体アンタゴニスト;選択的カッパオピオイド受容体アゴニスト(例えば、アシマドリン、ブレマゾシン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルフラフィン、サルビノリンA、2-メトキシメチルサルビノリンB、2-エトキシメチルサルビノリンB、2-フルオロエトキシメチルサルビノリンB、スピラドリン、チフルアドム、BRL-52537、FE 200665、GR-89696、HZ-2、ICI-199,441、ICI-204,448、LPK-26、U-50488およびU-69,593)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、オピオイド受容体アゴニスト;JAK1阻害剤(例えば、GLPG0634およびGSK2586184)、JAK2阻害剤(例えば、レスタウルチニブ、パクリチニブ、CYT387およびTG101348)、JAK1/JAK2阻害剤(例えば、バリシチニブおよびルキソリチニブ)、ならびにJAK3阻害剤(例えば、トファシチニブ)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤;サリドマイド、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートなどの葉酸代謝拮抗剤)、ならびにカルシニューリン阻害剤(例えば、シクロスポリン[サイクロスポリン]、ピメクロリムスおよびタクロリムス)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、免疫調節剤および免疫抑制剤;三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、アモキサピン、ドスレピン[ドチエピン]、ドキセピンおよびメリトラセン)、四環系抗うつ薬(例えば、アモキサピン、マプロチリン、マジンドール、ミアンセリン、ミルタザピンおよびセチプチリン)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI、例えば、シ
タロプラム、ダポキセチン、エシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン)、およびセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI、例えば、ビシファジン、デュロキセチン、ミルナシプラン、レボミルナシプラン、シブトラミン、ベンラファキシン、デスベンラファキシンおよびSEP-227162)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、抗うつ薬;カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、ならびにバルプロ酸およびその塩(例えば、バルプロ酸ナトリウム)、ならびにそれらのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、抗けいれん薬;ヒドロコルチゾン型(例えば、コルチゾンおよびその誘導体[例えば、酢酸コルチゾン]、ヒドロコルチゾンおよびその誘導体[例えば、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン-17-アセポネート、ヒドロコルチゾン-17-ブテプレート、ヒドロコルチゾン-17-ブチレートおよびヒドロコルチゾン-17-バレレート]、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンおよびその誘導体[例えば、アセポン酸メチルプレドニゾロン]、プレドニゾン、ならびにチキソコルトールおよびその誘導体[例えば、チクソコルトールピバル酸エステル])、ベタメタゾン型(例えば、ベタメタゾンおよびその誘導体[例えば、ジプロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウムおよび吉草酸ベタメタゾン]、デキサメサゾンおよびその誘導体[例えば、リン酸デキサメサゾンナトリウム]、ならびにフルオコルトロンおよびその誘導体[例えば、カプロン酸フルオコルトロンおよびピバリン酸フルオコルトロン])、ハロゲン化ステロイド(例えば、アルクロメタゾンおよびその誘導体[例えば、ジプロピオン酸アルクロメタゾン]、ベクロメタゾンおよびその誘導体[例えば、ジプロピオン酸ベクロメタゾン]、クロベタゾールおよびその誘導体[例えば、クロベタゾール-17-プロピオネート]、クロベタゾンおよびその誘導体[例えば、クロベタゾン-17-ブチレート]、デスオキシメタゾンおよびその誘導体[例えば、酢酸デスオキシメタゾン]、ジフロラゾンおよびその誘導体[例えば、二酢酸ジフロラゾン]、ジフルコルトロンおよびその誘導体[例えば、吉草酸ジフルコルトロン]、フルプレドニデンおよびその誘導体[例えば、酢酸フルプレドニデン]、フルチカゾンおよびその誘導体[例えば、プロピオン酸フルチカゾン]、ハロベタソール[ウロベタゾール]およびその誘導体[例えば、プロピオン酸ハロベタソール]、ハロメタゾンおよびその誘導体[例えば、酢酸ハロメタゾン]、ならびにモメタゾンおよびその誘導体[例えば、フロ酸モメタゾン])、アセトニドおよび関連物質(例えば、アムシノニド、ブデソニド、シクレソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノリド[フルランドレノロンまたはフルドロキシコルチド]、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニドおよびトリアムシノロンアルコール)、ならびにカーボネート(例えば、プレドニカルベート)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、コルチコステロイド;アミド(例えば、アルチカイン、ブピバカイン、シンコカイン[ジブカイン]、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン[例えば、リドカイン2.5~5%クリーム]、プリロカイン[例えば、プリロカイン2.5%クリーム]、EMLA[リドカイン2.5%/プリロカイン2.5%クリーム]、メピバカイン、ロピバカインおよびトリメカイン)、エステル(例えば、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン[ラロカイン]、ピペロカイン、プロカイン[ノボカイン]、プロパラカイン、プロポキシカイン、ストバインおよびテトラカイン[アメソカイン])、エーテル(例えば、ポリドカノール[例えば、ポリドカノール3%フォーム]およびプラモカイン[プラモキシン][例えば、プラモキシン1%クリーム])、ならびに天然由来局所麻酔薬(例えば、コカイン、オイゲノール、メントール、サキシトキシン、ネオサキシトキシンおよびテトロドトキシン)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むが、これらに限定されない、局所麻酔薬;カプサイシン、カンファー、ハッカ油、メントール(例えば、メントール1~3%クリーム)、およびフェノール(例えば、カラミンローション中の)、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むが、これらに限定されない、反対刺劇薬および冷却剤;水性加湿剤、酸(例えば、乳酸)を含有する低pH加湿剤、ならびに水を引きつけ、保持する保水剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、乳酸、尿素、およびヒアルロン酸ならびにその塩)、蒸発
を防ぐ閉塞剤{例えば、油(例えば、鉱油およびシリコーン油[例えば、ジメチコン])およびワセリン(ペトロラタム)}、および/または部分的水和および閉塞を提供する皮膚軟化剤(例えば、油、ワックス[例えば、ラノリンおよびパラフィン]、脂質[例えば、リン脂質、セラミド、トリグリセリド、ステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリセリル、脂肪酸およびスクアレン]、ならびにステロール[例えば、コレステロールおよび植物ステロール])を含む加湿剤、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、加湿剤;ならびにS-アデノシルメチオニン、ボツリヌス毒素(例えば、ボツリヌス毒素A型およびB型)、ビタミンDならびにそのアナログおよび誘導体(例えば、カルシトリオールおよびカルシポトリオール[カルシポトリエン])、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えば、アスピリン)、カンナビノイド受容体アゴニスト(例えば、パルミトイルエタノールアミドなどのCBアゴニスト)、サイトカインの阻害剤(例えば、IL-31などのインターロイキンに対する抗体)、プロスタグランジンD受容体(DP)および/またはTH細胞に発現する化学誘引物質受容体相同分子(CRTH2)のアンタゴニスト(例えば、TS-022)、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えば、アプレミラストなどのPDE4阻害剤)、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR2)アンタゴニスト(例えば、GB83)、一過性受容体電位バニロイド(TRPV)アンタゴニスト(例えば、カプサゼピンおよびSB-705498などのTRPV1アンタゴニスト)、神経栄養チロシンキナーゼ受容体の阻害剤(例えば、CT327などのTrkA阻害剤)、抗菌剤(クロタミトンおよびリファンピン[リファンピシン]などの、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤および抗寄生虫剤を含む)、胆汁酸吸収低減または胆汁酸封鎖剤(例えば、ウルソデオキシコール酸[ウルソジオール])、紫外線照射(例えば、紫外線AおよびB)、ならびに掻痒症関連状態の根元的原因を処置する治療剤、ならびにそのアナログおよび誘導体を含むがこれらに限定されない、他の種類の鎮痒剤からなる群から選択される。
【0134】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上の追加の医薬品は、NK-1アンタゴニストであり、NK-1アンタゴニストは、これらに限定されないが、セルロピタント、アプレピタント、カソピタント、ダピタント、エズロピタント、ホスアプレピタント、ラネピタント、マロピタント、ネツピタント、ノルピタント(nolpitant)、オルベピタント、ロラピタント、ベスチピタント、ボホピタント、AV-818、BIIF 1149CL、CP122,721、DNK-333、GSK-424887、L-733060、L-759274、LY-686017、M516102およびTA-5538、ならびにそのアナログおよび誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、セルロピタント、オルベピタント、ロラピタント、アプレピタント、およびホスアプレピタント、またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、セルロピタント、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、オルベピタント、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、ロラピタント、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、アプレピタント、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、NK-1アンタゴニストは、ホスアプレピタント、またはその薬学的に許容される塩である。
【0135】
併用療法はまた、他の生物活性成分および非薬物療法とさらに組み合わせて、上記のような治療剤の投与を包含する。併用療法が非薬物処置をさらに含む場合、非薬物処置を、治療剤と非薬物処置との組合せの共作用からの有益な効果が達成される限り、任意の好適な時間に実行する。例えば、適切な場合において、非薬物処置が治療剤の投与から一時的に、おそらく数日あるいは数週間だけ除去された場合でも、有益な効果が達成される。
【0136】
組合せの成分を、同時にまたは連続して患者に投与する。成分は、同じ薬学的に許容さ
れる担体中に存在し、したがって、同時に投与されることが理解されよう。あるいは、活性成分は、従来の経口剤形などの別々の医薬担体に存在して、同時にまたは連続して投与される。
【実施例0137】
略語のリスト
本発明の説明全体で使用される場合、以下の略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
ACNまたはMeCN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOCまたはBoc tert-ブチルカルバメート
t-Bu tert-ブチル
Cy シクロヘキシル
DCE ジクロロエタン(ClCHCHCl)
DCM ジクロロメタン(CHCl
DIPEAまたはDIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
eqまたはequiv 当量
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
GC ガスクロマトグラフィー
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロピルアルコール
IPA 酢酸イソプロピル
KF カールフィッシャー
Me メチル
MeOH メタノール
MS 質量分析
MEK メチルエチルケトン
MIBK メチルイソブチルケトン
MTBE メチルt-ブチルエーテル
min 分
MsOH メタンスルホン酸
NMR 核磁気共鳴
RP-HPLC 逆相-高速液体クロマトグラフィー
RT 室温
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【実施例0138】
化合物1の製造
化合物1の製造は、米国特許第9,598,409号に開示されており、その内容は、参照によってその全体が組み入れられる。
【実施例0139】
化合物1の多形スクリーニング
出発物質(化合物1、形態A0)のおよその溶解度を、室温(25±3℃)にて28種類の溶媒中において決定した。出発物質約2mgを、各3mLガラスバイアルに加えた。固体が視覚的に溶解するか、または総量が1mLに達するまで、溶媒をバイアルに段階的に(ステップ当たり50/50/200/700μL)加えた。表2に要約した溶解度の結果を、スクリーニング設計における溶媒の選択を導くために使用した。
【0140】
【表2】
【0141】
多形スクリーニング実験を、異なる結晶化または固体転移法を使用して行った。
【0142】
実施例2A:多形スクリーニング- 室温でのスラリー
24のスラリー変換実験を、異なる溶媒系において室温で実行した。化合物1出発物質約15mgを、HPLCバイアル内の0.3mLの対応する溶媒中に懸濁させた。懸濁液を室温で5日間磁気撹拌した後、XRPD分析のために残留固体を単離した。結果を表3に示し、タイプA*ファミリー、タイプB~G、I、J、M、N、および非晶質サンプルが得られたことを示している。
【0143】
【表3】
【0144】
実施例2B:多形スクリーニング- 50℃でのスラリー
15のスラリー変換実験を、異なる溶媒系において50℃で実行した。化合物1出発物質約20mgを、HPLCバイアル内の0.2mLの対応する溶媒中に懸濁させた。懸濁液を50℃で約5日間磁気撹拌した後、XRPD分析のために残留固体を単離した。結果を表4に示し、タイプA*ファミリー、タイプB~F、I、J、K、およびMが得られた
ことを示している。
【0145】
【表4】
【0146】
実施例2C:多形スクリーニング- 固体蒸気拡散
固体蒸気拡散実験を、13の異なる溶媒の雰囲気中で実行した。化合物1出発物質約10mgを、各3mLガラスバイアル内に量り取り、次に2mLの対応する溶媒を含む20mLガラスバイアル内に入れた。20mLのガラスバイアルをキャップで密閉し、室温に維持して、溶媒蒸気が固体と相互作用するのに十分な時間を与えた。残留固体を、XRPDによって試験した。結果を表5に示し、タイプA*ファミリー、タイプB、J、L、M、および非晶質サンプルが生成されたことを示している。
【0147】
【表5】
【0148】
実施例2D:多形スクリーニング- 液体蒸気拡散
11の液体蒸気拡散実験を実行した。化合物1出発物質約15mgを適切な溶媒中に溶解して、各3mLガラスバイアル内に透明な溶液を得た。次に、3mLガラスバイアルを、3mLの対応する溶媒を含む20mLガラスバイアル内に入れた。20mLのガラスバイアルをキャップで密閉し、室温に維持して、溶媒蒸気が溶液と相互作用するのに十分な時間を与えた。XRPD分析のために沈殿物を単離した。結果を表6に示し、タイプA*ファミリー、タイプB、D、F、I、J、M、および非晶質サンプルが生成されたことを示している。
【0149】
【表6】
【0150】
実施例2E:多形スクリーニング- 緩徐蒸発
緩徐蒸発実験を、8つの条件下で行った。化合物1出発物質15mgを、各3mLガラスバイアル内の0.2~1.0mLの対応する溶媒中に溶解させた。完全に溶解しなかっ
た場合は、PTFEメンブレン(0.45μmの孔径)を使用して懸濁液を濾過し、濾液を次の工程に使用した。視覚的に透明な溶液を、6つのピンホールを備えたParafilm(登録商標)で覆い、室温で蒸発させた。XRPD分析のために沈殿物を単離した。結果を表7に示し、タイプA*ファミリー、タイプB、M、および非晶質サンプルが得られたことを示している。
【0151】
【表7】
【0152】
実施例2F:多形スクリーニング- ポリマー誘起結晶化
ポリマー誘起結晶化実験を、6つの条件下で行った。化合物1出発物質15mgを、各3mLガラスバイアル内の0.8~3.5mLの対応する溶媒中に溶解した。完全に溶解しなかった場合は、PTFEメンブレン(0.45μmの孔径)を使用して懸濁液を濾過し、濾液を次の工程に使用した。約2mgのポリマー混合物A(ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ヒプロメロース(HPMC)、メチルセルロース(MC);1:1:1:1:1:1の質量比)、またはポリマー混合物B(ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)アルギン酸ナトリウム(SA)、およびヒドロキシエチルセルロース(HEC);1:1:1:1:1の質量比)を、透明溶液に加えた。次に、溶液を、6つのピンホールを備えたParafilm(登録商標)で覆い、室温で蒸発させた。XRPD分析のために沈殿物を単離した。結果を表8に示し、タイプA*ファミリー、タイプB、M、および非晶質サンプルが得られたことを示している。
【0153】
【表8】
【0154】
実施例2G:多形スクリーニング- 徐冷
徐冷実験を、8種類の溶媒系で実行した。化合物1出発物質約20mgを、室温で各3
mLガラスバイアル内の1.0mLの対応する溶媒中に懸濁させた。次に、懸濁液を50℃に加熱し、約2時間平衡化させた後、PTFEメンブレン(0.45μmの孔径)を使用して濾過した。濾液を、0.1℃/分の速度で5℃までゆっくりと冷却した。冷却中に固体が得られなかった場合は、次に溶液を5℃/-20℃に移すか、さらに室温で蒸発させた。XRPD分析のために固体を単離した。結果を表9に示し、タイプB、I、J、および非晶質サンプルが得られたことを示している。
【0155】
【表9】
【0156】
実施例2H:多形スクリーニング- 貧溶媒添加法
合計18の貧溶媒添加実験を行った。化合物1出発物質約15mgを、0.05~0.8mLの対応する溶媒中に溶解して、透明溶液を得た。沈殿物が現れるか、または貧溶媒の総量が15.0mLに達するまで、ステップごとに対応する貧溶媒0.2mLを加えながら、溶液を磁気撹拌した。XRPD分析のために沈殿物を単離した。結果を表10に示し、タイプA*ファミリー、タイプB、D、I、J、M、ゲルサンプル、および非晶質サンプルが得られたことを示している。
【0157】
【表10】
【実施例0158】
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折研究を、PANalyticalおよびBruker X線粉末回折計を使用して、以下の機器パラメータを用いて反射モードで行った:
【0159】
【表11】
【0160】
化合物1、タイプAのXRPD分析(図1)は、タイプAが、約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含む結晶性であることを示した。化合物1の結晶形態タイプAは、XRPDパターンにわずかなピークシフトが生じており、周囲湿度に応じて結晶格子内に異なる量の水を収容できるチャネル水和物であることがわかった。4つのタイプA関連形態(タイプA0、タイプA1、タイプA02、およびタイプA3)が見出され、結晶性であることも示された(図1)。表11~15に、タイプA*ファミリー(タイプA、タイプA0、タイプA1、タイプA02、およびタイプA3)のXRPDピーク情報を示す。
【0161】
【表12】
【0162】
【表13】
【0163】
【表14】
【0164】
【表15】
【0165】
【表16】
【実施例0166】
熱重量分析(TGA)
TGAデータを、TA Instruments製Q500/5000およびDiscovery 5500 TGAを使用して、以下の機器パラメータを用いて収集した。
【0167】
【表17】
【0168】
化合物1、タイプA0(図2)のTGAは、150℃まで1%の重量喪失を示した。
【実施例0169】
示差走査熱量測定(DSC)
TA Instruments製Q200/2000およびDiscovery 2500 DSCを使用して、以下の機器パラメータを用いてDSCを行った:
【0170】
【表18】
【0171】
結晶性化合物1、タイプA0のDSC結果(図2)では、約167℃で開始する単一の鋭い吸熱ピークを示した。
【実施例0172】
動的蒸気収着(DVS)
DVS試験を、SMS(表面測定システム)DVS Intrinsic機器を使用して行った。相対湿度を、LiCl、Mg(NOおよびKClの潮解点に対して校正した。以下の機器パラメータを、25℃および40℃で使用した。
【0173】
【表19】
【0174】
タイプA*ファミリーのDVS試験を行い、相対湿度の関数として形状安定性を調べた。DVS試験はまず,25℃で異なる終了点(30%と95%RH)で2,3のサイクルを行った。サンプルは各RHポイントでwt%変化が0.002%より低くなるまで、あるいは合計時間が3時間に達するまで平衡化された。
【0175】
図4および図6に示されるように、25℃でのタイプA*ファミリーの吸水は、履歴の印象がなくほぼ直線的増加/減少を示し、これは、構造的空隙(例えば、水チャネル)を有する水和物と同様に挙動した。DVS試験後の結晶形態を、XRPDによって検出した。サイクル(周囲RH-95%RH-0%RH-30%RH)の場合、DVS試験後の結晶形態は、XRPD分析を実施したときの周囲湿度(61.5%RH)に対応して、タイプA(図5)であると決定された。一方、サイクル(周囲RH-95%RH-0%RH-95%RH)の場合、DVS試験後に、XRPD分析を実施したときの周囲湿度(66.3%RH)に対応して、タイプA1が観察された(図7)。これらの結果に基づいて、DVS試験後に検出された結晶形態は、XRPD試験を行ったときの周囲湿度に依存しており、これは、異なる湿度下でのタイプA*ファミリー間の高速相互変換によってもたらされる場合がある。
【0176】
DVS試験はまた、40℃でのサイクル(周囲RH-95%RH-0%RH-95%RH)でも実施した。40℃でのタイプA*ファミリーの吸水は、対応する条件下での吸水と放水が緩徐であったために生じたと思われる80%RH点を除いて、履歴の印象がなくほぼ直線的な増加/減少を示した(図8)。DVS試験後に検出された結晶形態はまた、XRPD試験を行ったときの周囲湿度に依存しており、この場合はタイプA1が観察された(69.5%RH)(図9)。
【実施例0177】
単結晶X線回折
化合物1タイプA*ファミリー(形態タイプA0)の単結晶構造を、ACN/HO(1:3、体積/体積)中で成長した結晶を使用して収集した。Bruker D8 VENTURE回折計(Mo/Kα λ=0.71073Å)を使用し、以下の機器パラメータを用いて123Kで、データを収集した:
【0178】
【表20】
【0179】
データ収集のためのセルパラメータおよび配向マトリックスを、SAINT(Bruker、V8.37A、2015)ソフトウェアによって、2.458°<θ<23.390°の範囲の9952反射の設定角度を使用して取得および精密化(最小二乗法精密化)した。データを、296.15で27.587°の最大回折角(θ)まで収集した。データセットは、θで67.587°に対し99%完全であり、平均I/σは11.0、Dmin(Mo)は0.77Åであった。
【0180】
化合物1タイプA*ファミリー(形態タイプA0)結晶系は三斜晶系であり、空間群はP1である。結晶データを以下に要約する:
【0181】
【表21】
【0182】
タイプA*ファミリーの単結晶構造の非対称単位は、4つのAPI分子(結晶学的に独立した配座異性体)および理論的には4つの水分子からなり、これは単結晶が水和物であることを示している(図10)。単結晶の単位胞を図11に示す。
【0183】
単結晶構造から、単位胞内に4つの可能な水和部位がある。水和部位のそれぞれが1つの水分子によって占有されている場合、一水和物が予想され、これは、タイプA*ファミリー結晶の結晶格子における理論上の最大水取り込みに対応するはずである。一水和物の場合、格子水のみを考慮すると、理論上の最大吸水量は3.9%であり、これは、DVSの実験結果(25℃にて100%RHで約4.1~4.2%)に非常に近い値である。加えて、無秩序のために各水和部位に存在する水分子は1未満である場合があり、実際のタイプA*ファミリーの結晶では、水:APIの化学量論比が1未満:1であることが予想され、これは、DVS試験における湿度の関数としての水分含有量のほぼ直線的な増加/減少に適合している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、またはその溶媒和物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0183
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0183】
単結晶構造から、単位胞内に4つの可能な水和部位がある。水和部位のそれぞれが1つの水分子によって占有されている場合、一水和物が予想され、これは、タイプA*ファミリー結晶の結晶格子における理論上の最大水取り込みに対応するはずである。一水和物の場合、格子水のみを考慮すると、理論上の最大吸水量は3.9%であり、これは、DVSの実験結果(25℃にて100%RHで約4.1~4.2%)に非常に近い値である。加えて、無秩序のために各水和部位に存在する水分子は1未満である場合があり、実際のタイプA*ファミリーの結晶では、水:APIの化学量論比が1未満:1であることが予想され、これは、DVS試験における湿度の関数としての水分含有量のほぼ直線的な増加/減少に適合している。
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態、またはその溶媒和物。
[2] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0、タイプA、タイプA1、タイプA2、およびタイプA3からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含み、以下の特性:
(a)図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA);
(d)図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラム;
(e)約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラム;または
(f)それらの組合せ
のうちの少なくとも1つを有する、実施形態1に記載の結晶形態。
[3] 図1に示したものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、実施形態1または実施形態2に記載の結晶形態。
[4] 約6.9° 2シータ、11.3° 2シータ、11.5° 2シータ、12.8° 2シータ、17.8° 2シータ、20.7° 2シータ、21.6° 2シータ、および22.6° 2シータに特徴的なピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、実施形態1または実施形態2に記載の結晶形態。
[5] 図2に記載したものと実質的に同様の熱重量分析(TGA)を有する、実施形態1または実施形態2に記載の結晶形態。
[6] 図2に記載したものと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する、実施形態1または実施形態2に記載の結晶形態。
[7] 約167℃で吸熱が開始するDSCサーモグラムを有する、実施形態1または実施形態2に記載の結晶形態。
[8] 特性(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を有することを特徴とする、実施形態2に記載の結晶形態。
[9] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0、タイプA、およびタイプA1からなる群から選択されるタイプA*ファミリーの結晶形態を含む、実施形態1~8のいずれかに記載の結晶形態。
[10] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-
4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA0である、実施形態1~9のいずれかに記載の結晶形態。
[11] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプAである、実施形態1~9のいずれかに記載の結晶形態。
[12] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA1である、実施形態1~9のいずれかに記載の結晶形態。
[13] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA2である、実施形態1~8のいずれかに記載の結晶形態。
[14] メチル(S)-2-((2-(2,6-ジフルオロ-4-(メチルカルバモイル)フェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチル)モルホリン-4-カルボキシレートの結晶形態は、タイプA3である、実施形態1~8のいずれかに記載の結晶形態。
[15] アセトニトリル、アセトン、tert-ブチルメチルエーテル、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ジエチレングリコール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジメトキシエタン、トルエン、アニソール、またはそれらの組合せから得られる、実施形態1~14のいずれかに記載の結晶形態。
[16] 水和物である、実施形態1~15のいずれかに記載の結晶形態。
[17] チャネル水和物である、実施形態1~15のいずれかに記載の結晶形態。
[18] 医療における使用のための、実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態。
[19] 実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤、および賦形剤から選択される少なくとも1つの不活性成分を含む、医薬組成物。
[20] 静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、経鼻投与、局所投与、または点眼投与による哺乳動物への投与用に製剤化される、実施形態19に記載の医薬組成物。
[21] 錠剤、丸薬、カプセル、液体、懸濁液、ゲル、分散液、溶液、エマルション、軟膏、またはローションの形態である、実施形態19に記載の医薬組成物。
[22] P2X3活性に関連する障害、疼痛、または尿路障害の処置を必要とする哺乳動物における、P2X3活性に関連する障害を処置するための、疼痛を処置するための、または尿路障害を処置するための方法であって、それを必要とする該哺乳動物に、治療有効量の、実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
[23] 哺乳動物における疼痛を処置するための、実施形態22に記載の方法。
[24] 哺乳動物における尿路障害を処置するための、実施形態22に記載の方法。
[25] 尿路障害は、過活動膀胱を含む、実施形態24に記載の方法。
[26] 尿路障害は、神経因性過活動膀胱、非神経因性過活動膀胱、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺痛、および前立腺肥大症を含む、実施形態24に記載の方法。
[27] 尿失禁の低減または予防を必要とする哺乳動物における、尿失禁を低減または予防するための方法であって、それを必要とする該哺乳動物に、治療有効量の、実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
[28] 尿失禁は、切迫性失禁、咳嗽による失禁、腹圧性失禁、溢流性失禁、機能性失禁、神経因性失禁、前立腺切除後失禁、尿意切迫感、夜間頻尿、および遺尿に関連している、実施形態27に記載の方法。
[29] 咳嗽の処置を必要とする哺乳動物における、咳嗽を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
[30] 咳嗽は急性咳嗽または慢性咳嗽である、実施形態29に記載の方法。
[31] 咳嗽は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、気道炎症、肺気腫、肺炎、肺がん、肺新生物、喉の痛み、風邪、インフルエンザ、気道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、上気道のウイルスまたは細菌感染症、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法、喫煙者の咳嗽、慢性乾性咳嗽、新生物性の咳嗽、胃食道逆流症による咳嗽、および刺激物、煙、スモッグ、ほこり、または大気汚染の吸入から選択される疾患、障害、または状態に関連している、実施形態29または30に記載の方法。
[32] 掻痒症の処置を必要とする哺乳動物における、掻痒症を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、実施形態1~17のいずれかに記載の結晶形態を投与することを含む、前記方法。
[33] 掻痒症は、炎症性皮膚疾患、感染性皮膚疾患、自己免疫性皮膚疾患、または妊娠関連皮膚疾患に関連している、実施形態32に記載の方法。
[34] 掻痒症は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性、刺激性接触皮膚炎、乾燥性皮膚炎、貨幣状皮膚炎および汗疱状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、多形性日光疹、乾癬、グローバー病、ムチン沈着症、肥満細胞症、ならびに蕁麻疹からなる群から選択される炎症性皮膚疾患に関連している、実施形態33に記載の方法。
[35] 掻痒症は、真菌症、細菌およびウイルス感染症、疥癬、しらみ寄生症、虫刺され、ならびに毛嚢炎からなる群から選択される感染性皮膚疾患に関連している、実施形態33に記載の方法。
[36] 掻痒症は、疱疹状皮膚炎(デューリング病)、水疱性類天疱瘡;遺伝子皮膚症、ダリエ病、およびヘイリー-ヘイリー病からなる群から選択される自己免疫性皮膚疾患に関連し
ている、実施形態33に記載の方法。
[37] 掻痒症は、多形妊娠疹(PEP)、アトピー性妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、新生物形成、および皮膚T細胞性リンパ腫からなる群から選択される妊娠関連皮膚疾患に関連している、実施形態33に記載の方法。
[38] 掻痒症は、結節性痒疹に関連している、実施形態32に記載の方法。
[39] 掻痒症は、腎臓病または腎臓病を処置するための治療手順に関連している、実施形態32に記載の方法。
[40] 掻痒症は、慢性腎臓病に関連している、実施形態39に記載の方法。
[41] 掻痒症は、腎臓病を処置するための治療手順に関連しており、該腎臓病を処置するための該治療手順は、血液透析および腹膜透析からなる群から選択される、実施形態39に記載の方法。
[42] 掻痒症は、医療手順または処置に関連している、実施形態32に記載の方法。
[43] 掻痒症は、オピオイド、抗マラリア薬、抗がん療法、および上皮増殖因子受容体阻害剤からなる群から選択される薬物による医療処置に関連している、実施形態42に記載の方法。
[44] 子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症、子宮内膜症関連疼痛、および子宮内膜症関連症状を処置するための方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の、実施形態1~37のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
[45] 子宮内膜症の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症を処置するための、実施形態44に記載の方法。
[46] 子宮内膜症関連疼痛の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連疼痛を処置するための、実施形態44に記載の方法。
[47] 子宮内膜症関連症状の処置を必要とする哺乳動物における、子宮内膜症関連症状を処置するための、実施形態44に記載の方法。
[48] 子宮内膜症関連症状は、月経困難症、性交疼痛症、排尿障害、および排便障害から選択される、実施形態47に記載の方法。
[49] 哺乳動物はヒトである、実施形態22~48のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】