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特開2024-153675生体の心機能を決定するデバイスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153675
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】生体の心機能を決定するデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20241022BHJP
   A61B 5/029 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61B5/0215 B
A61B5/029
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024110706
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2022118369の分割
【原出願日】2018-01-19
(31)【優先権主張番号】17152103.2
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519263741
【氏名又は名称】ハイディム ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】516355461
【氏名又は名称】ウニヴェルズィテートスピタル バーゼル
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モロゾフ, オレクシー
(72)【発明者】
【氏名】ハンジーカー, パトリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】心ポンプ機能を決定するためのシステム、方法、アルゴリズム、及び補助部分に関する。
【解決手段】医療カテーテル、シース、及びシャフトは、体内に存在する部分の中に統合デジタルセンサシステムオンチップ(SoC)の装置を保持するものが開示される。体内に存在するデバイスの部分で、信号転換、信号アナログ/デジタル変換、デジタル信号伝送の完全なチェーンを組み合わせ、単一のセットアップ内で単一および複数の物理的放出体を取得することを可能にする。無線データ移送機能性を組み込み、特定の例ではバッテリのない機能性のために無線環境発電を組み込む。心臓性能のロバストな評価をもたらすためにカテーテル/シース/シャフトによって取得されたデータの受信、処理、および解析に適している補助的なモニタシステムを説明する。心臓補助デバイス有りおよび無しでそのようなシステムを患者に適用可能にさせる革新に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管、体腔、および身体組織のうちの1つに挿入されるように構成された本体部を有する医療用侵襲性デバイスであって、電子回路を装備するとともに、センサ装置およびデジタルデータ伝送装置を前記本体部に組み込む、医療用侵襲性デバイス。
【請求項2】
アナログ/デジタル変換装置を本体部に有する、請求項1に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項3】
体外に配置されるように構成された外側部分を有する、請求項1または2に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項4】
前記電子回路が、温度センサ、圧力センサ、振動センサ、超音波センサ、光センサ、電圧センサ、またはそれらの任意の組み合わせを有するセンサ装置を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項5】
前記センサ装置が、異なる物理的信号を測定するための少なくとも2つのセンサを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項6】
前記センサ装置が、異なる物理的信号を測定するための少なくとも3つのセンサを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項7】
前記本体部を保持するとともに皮膚の高さを横切るように構成された細長い物体であるシャフトを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項8】
本体に入るとともにいくつかの流体カラムを備えるように構成された細長い物体であるカテーテルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項9】
カテーテル、治療デバイスのシャフト、および心ポンプのシャフトのうちの1つを案内するように構成された細長い物体であるシースである、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項10】
前記本体部が、60平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項11】
前記本体部が、20平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項12】
前記本体部が、5平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項13】
前記電子回路が、無線データ伝送ユニットを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項14】
前記外側部分が、無線データ伝送ユニットを備える、請求項3から13のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項15】
前記無線データ伝送ユニットが、前記外側部分の基部から取り外し可能である、請求項14に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項16】
バッテリおよびキャパシタの一方によって電力供給される、請求項1から15のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項17】
バッテリまたはキャパシタが、前記外側部分から取り外し可能である、請求項3から16のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項18】
前記電子回路が、電線によって前記医療用侵襲性デバイスに接続されていないエネルギー源からエネルギーを獲得するように構成された発電ユニットを備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項19】
前記外側部分が、発電ユニットを保持する、請求項3から18のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項20】
前記発電ユニットが、電磁エネルギーを獲得するためのコイルを備える、請求項19に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項21】
前記発電ユニットが、太陽電池を備える、請求項19または20に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項22】
前記発電ユニットが、振動による発電機を備える、請求項18から21のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項23】
前記発電ユニットが、熱電発電機を備える、請求項18から22のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項24】
典型的には近接して生成される電磁場が前記本体部にある前記電子回路および任意選択で前記医療用侵襲性デバイスの任意の他の電子回路を駆動するのに十分であるコイルへのエネルギー移送を誘い出すようにある周波数に調節されている受信用コイル回路を有する発電ユニットを備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項25】
電磁場から環境発電するように構成された受信用コイル回路を有する発電ユニットを備え、前記場は、いくつかの放出コイル回路によって生成され、放出コイル回路は、前記受信コイル回路の共振周波数の10%以内、好ましくは前記受信コイル回路の前記共振周波数の1%以内、および特に好ましくは前記受信コイル回路の前記共振周波数の0.1%以内に共振周波数を有する、請求項1から24のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項26】
5.725から5.875GHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から25のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項27】
2.4から2.5GHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項28】
902から928MHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から27のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項29】
13.553から13.567MHzの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から28のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項30】
6.765から6.795MHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から29のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項31】
235から275kHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から30のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項32】
110から205kHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、請求項1から31のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイス。
【請求項33】
請求項9から32のいずれか一項に記載のシースである外側要素と、コイル回路を備えるシャフトまたはカテーテルである内側要素とを備え、前記外側要素が前記内側要素の少なくとも一セグメントを覆うキット。
【請求項34】
前記内側要素が、前記外側要素に対して同軸向きにあるように構成されている、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
内側コイルが、前記外側要素へエネルギーを送信するように構成される、請求項33または34に記載のキット。
【請求項36】
前記内側コイルが、無線伝送によって前記外側要素からデータを受信するように構成されている、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
外側コイルが、無線伝送によって前記内側要素からデータを受信するように構成されている、請求項33から36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
前記内側要素が、経皮的心ポンプの前記シャフトである、請求項33から37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
生体の心拍出量(CO)を算出する方法であって、入力データベクトルと目標CO値を結び付ける数理モデルが構築される方法。
【請求項40】
前記数理モデルが非線形である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記入力データベクトルが、請求項1から32のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイスによって取得される少なくとも1つのセンサ測定値を備える、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記入力データベクトルが、前記生体からの生理学的入力ソースデータを含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記入力データベクトルが、反復温度測定の曲線の下方の面積を含む、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記入力データベクトルが、静脈循環の中に流体のボーラスが注入された後に反復温度測定の曲線の下方の面積を含み、前記注入されたボーラスが、血液温度とは異なる温度を有する、請求項39から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記入力データベクトルが、動脈脈圧解析から得られる数値を含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記入力データベクトルが、動脈脈圧解析から得られる数値を含み、前記数値が、心拍間隔、心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、時間差ごとのピーク収縮期圧力差、脈曲線の下方の面積、および脈圧波の収縮期部分の下方の面積のうちの1つである、請求項39から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記入力データベクトルが、前記生体の収縮期圧、前記生体の拡張期圧、および前記生体の脈圧のうちの少なくとも1つを含む、請求項39から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記入力データベクトルが、前記生体の年齢、前記生体の性別、前記生体の高さ、前記生体の重量、および前記生体の温度のうちのなくとも1つを含む、請求項39から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記入力データベクトルが、心臓ポンプのタイプ、心臓ポンプの性能セッティング、心臓ポンプのサイズ、心臓ポンプの血流量、心臓ポンプ回転速度、心臓ポンプ消費電力、心臓ポンプ消費電流、心臓ポンプ圧力センサ示度のうちの少なくとも1つを含む、請求項39から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記目標CO値が、複数の時点で反復して測定された温度の曲線の下方の面積を決定するステップを含むアルゴリズムによって決定される、請求項39から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記目標CO値が、請求項1から32のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイスにより測定された生理学的信号の解析によって決定される、請求項39から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記数理モデルを生成するステップが、最小二乗の最適なやり方で前記入力データベクトルを前記目標CO値にフィットするステップを含む、請求項39から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記数理モデルを生成するステップが、人工ニューラルネットワーク(ANN)の学習を含む、請求項39から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記数理モデルを生成するステップが、ディープニューラルネットワーク(DNN)の教師なし学習を含む、請求項39から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記数理モデルを生成するステップが、ディープニューラルネットワーク(DNN)の教師あり学習を含む、請求項39から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記数理モデルを生成するステップが、ディープビリーブネットワーク(DBN)の学習を含む、請求項39から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
入力データベクトルを得るステップと、少なくとも前記数理モデルを用いて前記入力データベクトルを変形するステップと、生理的単位でCO値として前記変形の結果を表現するステップとを含む、請求項39から56のいずれか一項に記載の前記数理モデルによって生体の心拍出量(CO)を算出する方法。
【請求項58】
複数の前記目標CO値を得るステップと、前記目標CO値に少なくとも一部基づいて前記数理モデルを発生させるステップと、入力データベクトルを得るステップと、少なくとも前記数理モデルを用いて前記入力データベクトルを変形するステップと、生理的単位でCO値として前記変形の結果を表現するステップとを含む、請求項39から57のいずれか一項に記載の生体の心拍出量(CO)を算出する方法。
【請求項59】
請求項1から32のいずれか一項に記載の医療用侵襲性デバイスによって送信されたデータを受信する装置を備える機器。
【請求項60】
データが、前記医療用侵襲性デバイスによって無線送信される、請求項59に記載の機器。
【請求項61】
第2の機器から送信され入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、請求項59または60に記載の機器。
【請求項62】
前記第2の機器が、患者と同じ部屋に配置されるように構成されたデバイスとして定義される医療モニタであり、前記患者のバイタルサインを表示するように構成されたディスプレイを備える、請求項61に記載の機器。
【請求項63】
前記第2の機器が、心ポンプの制御デバイスである、請求項61または62に記載の機器。
【請求項64】
前記第2の機器から無線で送信され前記入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、請求項61から63のいずれか一項に記載の機器。
【請求項65】
無線データ伝送が、WiFi規格、Bluetooth規格、Ant規格のうちの1つに従う、請求項60から64のいずれか一項に記載の機器。
【請求項66】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項39から58のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたコード構造を備えるコンピュータプログラム。
【請求項67】
請求項66に記載のコンピュータプログラムを含む、請求項59から65のいずれか一項に記載の機器。
【請求項68】
少なくともCOを表示するように構成されたディスプレイを備える、請求項59から65および67のいずれか一項に記載の機器。
【請求項69】
コンピュータ可読媒体に記憶される、請求項66に記載のコンピュータプログラム。
【請求項70】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項39から58のいずれか一項に記載の方法を実施するプログラムコード手段を備える機械可読キャリア上に記憶されたコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心臓のポンプ作用は、身体の基本的なバイタル機能であり、その正確な決定は、多くの病状、スポーツ、および他の応用分野において重要である。心拍出量の決定は、ある時間間隔にわたる左心室からの血液の積算順方向流量として定義され、様々な測定可能な生物学的パラメータととても非線形な形で相関関係にある。この相関関係は、循環器系の様々な位置における人工デバイス、例えば、心補助ポンプの存在および活動によってさらに影響を受ける。心臓カテーテル法、熱希釈法、および脈波形解析などの心ポンプ機能に関するいくつかの臨床的測定技法が存在するが、全ての方法は、不正確、効果の無さ、侵襲性、および臨床応用における実際的な困難などの特有の制限を有する。
【0002】
新しいカテーテルの必要性
心臓の性能、特に心拍出量の決定およびモニタリングは、しばしば、(アクセスできない)関心の心拍出量パラメータに代わるものとして得られる単一の重要な生理学上のパラメータの評価に頼る。
【0003】
典型的には、心拍出量(CO)を算出するためのパラメータの測定は、侵襲性カテーテルに頼る。そのようなカテーテルは、しばしば、体内の圧力を体外のセンサまで伝搬する流体ラインを含むか、光信号を体内の測定位置から体外のセンサまで伝搬する光ラインからなるか、または体内から(例えば、サーミスタから)のアナログ信号を体外のアナログ/デジタル変換器まで伝搬する電気ラインを含むかのいずれかである。体内から体外のトランスデューサまでの物理的信号またはアナログ信号の伝送は、機械的ノイズまたは電気的ノイズを受けやすく、そのようなカテーテルは、しばしば、製造するのが困難および費用がかかり、臨床プラクティスにおけるカテーテルの取り扱いは労力を要し、機能性のために必要とされる複数の接続(アナログ電線、流体)と外部電源と信号移送ラインは、患者管理をより複雑にさせる。
【0004】
したがって、心拍出量決定のための今後のシステムは、これらの制限を克服するためにカテーテル設計を革新するべきである。
【0005】
熱希釈法または脈外形解析を用いて典型的になされるように心拍出量の決定のために単一パラメータを使用することは、以下のいくつかの欠点がある。
1)代わりのパラメータは、必要であるがアクセスできない心機能パラメータを正確に表すことができない。
2)代わりの値は、他の生理学的パラメータおよび技術的パラメータによって混乱され得る。
3)単一のセンサに頼ることは、この方法をノイズ、ドリフト、センサの不正確さ、センサの変位などのセンサの誤差に敏感にさせる。
4)心臓補助システムは、埋め込まれ、外部にあり、または経皮的カテーテルに基づくものであり、典型的には、心拍出量(CO)を算出するための現在使用されているアルゴリズムの主要な交絡因子である。
【0006】
複数のパラメータおよびこれらのパラメータの統合的解析の必要性
対照的に、複数の生物学的信号の組み合わせに基づく心機能決定法は、よりロバストな一次信号を送り届けることによっておよび交絡法の因子の制御を可能にすることによってある程度述べた弱点を克服する可能性がある。複数のバイタルパラメータをモニタリングするときの現在の臨床プラクティスの重要な実際的な制限の1つは、これにより患者管理の複雑さの増加がもたらされることであり、これは、典型的には、電源およびセンサの信号出力のために各追加のセンサがセンサ自体のケーブルを付随し、それによって複雑さおよび費用が増大する。
【0007】
したがって、好ましくは、心拍出量決定のための今後のシステムは、a)最小量の装備で同期したやり方で複数の信号モダリティを取得し、b)複数の信号パラメータを組み合わせて解析し、c)機械的な循環の支援を受ける患者に適用可能かつ信頼できる能力を有するべきである。
【0008】
これは、本発明におけるカテーテル/シース/シャフトと共に使用される心臓モニタデバイスおよびアルゴリズムの革新の必要性を示唆する。
【0009】
先行技術
最も現在最新式のモニタリングカテーテルは、体内の単一の物理的モダリティを探ることができ、これは典型的なシナリオでは体外へ案内され、そこで外部トランスデューサが物理的信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号がさらなる段階においてデジタル信号に変換され、典型的な例は、現在の侵襲的圧力モニタカテーテルである。
【0010】
加えて、単一の信号を測定するために体内に配置できる医療用圧力ワイヤが存在しており、この医療用圧力ワイヤは、体内で圧力をアナログ信号に変換することによってワイヤ先端における圧力を転換し、このアナログ信号を体外のカテーテル部分へ案内するものであり、このデバイスは、アナログ/デジタル信号変換およびデータ伝送のために体外で第2のデバイス(インタフェースボックス)に接続される必要がある(Radi特許、1997年、patents.justia.com/patents/6112598)、(Volcano特許、2002年、http://patents.justia.com patent/6976965を参照)。同様のカテーテルを介して低周波圧力だけでなく高周波圧力発振を読み出すことによって身体から単一の超音波ドップラー信号を抽出することを可能にする医療用ドップラーワイヤが存在し、またこの場合には、アナログ信号が、カテーテル先端から体外の位置まで案内され、そこではさらなる装備がアナログ/デジタル変換のために必要とされる(Volcano特許、2002年、http://patents.justia.com/patent/6976965参照)。加えて、限られた数の内科用マルチモードセンシングカテーテルが存在し、これは、典型的には、アナログセンシング素子、および体外で電気信号に転換される身体からの物理的信号(圧力、光)を案内するいくつかのチャンネルのファイバを有する。一例は、Edwards Life ScienceからのCCOmbo/SvO2肺動脈カテーテルである。CCOmbo/SvO2肺動脈カテーテルは、体内のカテーテルの先端にあるアナログ温度センシングサーミスタを組み合わせ、体外で圧力決定を可能にする流体で満たされた内腔、追加の外部圧力トランスデューサ、および光学スペクトルを体外に案内する光ファイバを収容し、それによって物理的信号をデジタル情報のストリームに転換する実際の光学センサは体外に位置する。
【0011】
心拍出量を算出するモニタの先行技術,現在用いられている主な方法は、肺動脈カテーテルであり、PiCCOシステムおよび肺の形態では、先行技術の主な本体である。
【0012】
a)肺動脈カテーテルの詳細:肺動脈カテーテルは、様々な状況において正確でないことがよく知られているが、臨床プラクティスにおける心拍出量モニタリングの主力と長く考えられていた。最も単純な肺動脈カテーテルは、右心房の中に低温流体を注入した後に肺動脈内の温度曲線を測定する。肺動脈カテーテルは、しばしば、配置するのが難しく、特に、最も重い病人におけるように三尖(心臓)弁の閉鎖不全が存在するとき、感染および肺動脈損傷のリスクがあり、大きな測定値のばらつきがある。心拍出量決定のための代替のフィック(Fick)法は、肺動脈カテーテルによっておよび動脈循環内で抜き取られる肺動脈から抜き取られた血中の酸素含有量に頼る。この方法は(典型的には病人において変わる)全身酸素消費量の知識に頼るので、この方法は信頼できない。さらに別の方法は、光ファイバを装備したカテーテルによる中心静脈の酸素飽和度の継続的なモニタリングである。このパラメータは心拍出量に関係がない多くの交絡因子に依存するので、パラメータは、心拍出量の良好な代わりのものとしてみなされない。全てのこれらの述べた肺動脈カテーテルベースの方法は古く、複数の満了した特許がそれらをカバーしている。
【0013】
b)PiCCOシステムの詳細:PiCCOシステムは、中心静脈に注入された低温流体ボーラスの注入後に中心動脈におけるボーラス熱希釈法測定に頼り、したがって別個の中心血管カテーテルを必要とする。技術的には、PiCCOシステムは、カテーテルの先端上のサーミスタからなり外部信号デジタイザ、および別個の外部モジュールのモジュールにおけるデータ伝送を伴う。加えて、PiCCOは、流体で満たされた内腔を通じて中心動脈から外に案内される血圧の外形を使用することができ、それによって外部圧力トランスデューサ、その後の外部アナログ/デジタル変換器およびデータ伝送を用いてモニタリングされる。
【0014】
c)HighDim先行技術(米国特許出願第13/827,063号)は、心拍出量を算出するために多次元非線形最適化を用いて解析されるマルチパラメータの生理学的データに基づいて心拍出量を算出する機器および方法を説明する。この方法の制限は、循環補助デバイス、例えば、埋込み式心臓ポンプが個人の心拍出量に寄与する場合を考慮していないことである。そのような場合には、真の心拍出量は、機械の寄与が考慮されていないので過小評価される、さらに、埋込み式心臓ポンプは、循環器系の変化を誘導し、これは、(米国特許出願第13/827,063号)に記載されたアルゴリズム学習プロセスにおいて考慮されていない。
【0015】
医療用モニタリング技術の改善は、革新が患者管理の改善をもたらし得るので望ましい。
【0016】
体内の位置で複数の物理的信号を測定することは、以下に説明するように、信号の補足的、冗長、および相互依存的な情報内容を活用できるアルゴリズムおよびシステムに入力として適している情報をもたらす可能性がある。
【0017】
用語の定義
表現「体内(inside the body)」は、この表現により、医療用侵襲性デバイスが全体でまたはまさにその本体部に限定的にして、血管、体腔、および身体組織のうちの1つに挿入される任意の設定が包含されるものとする。
【0018】
カテーテルとは、直径が1センチメートル未満かつ100マイクロメートルを超える中空チューブであって、体外へ案内されるウォーターカラムを通じた治療液の注入、血液の回収、および静水圧の測定のうちの1つの目標を達成するために、身体区画(典型的には血管内区画)を身体の外側に接続する主要機能を有するものを意味する。
【0019】
シースとは、直径が1センチメートル未満かつ100マイクロメートルを超える中空チューブであって、細長い内側物体を中空チューブの主要内腔内に収容するように働き、細長い内側物体を体外から体内へ案内するものを意味する。そのようなシースは、物体を運ぶ主要内腔に加えて、他の目的のためにゼロまたはそれ以上のさらなる中空内腔を収容してもよい。
【0020】
シャフトとは、直径が1センチメートル未満かつ100マイクロメートルを超える細長い物体であって、ポンプおよびセンサアレイのうちの少なくとも1つを含むいくつかの機能的サブシステムを同シャフトのうちの体内にある部分で保持する主要機能を有するものを意味する。ここで、C/S/Sは、「カテーテル、シース、シャフト」に使用される。
【0021】
本明細書で説明されるような小型化されたデジタルセンサのシステムオンチップ(SoC)は、体内の目標位置で利用可能な空間よりも大きくない(診断目的のためにのみ配置されるカテーテルおよびシャフトの場合、典型的には5平方ミリメートルより小さく、心ポンプと共に使用されるシースの場合、典型的には20平方ミリメートルよりも小さい)デバイス軸に直交して測定された直径を有する統合パッケージにおいて、少なくとも信号/アナログ転換、アナログ/デジタル変換、およびデジタル伝送を含む物理的モダリティの定量的な測定値のデジタル符号化をもたらすのに必要な回路を組み合わせる。そのような小型化されたデジタルセンサの使用は、a)ノイズおよびバイアスの発生しがちなアナログ信号の伝送がなくされ、b)統合された転換およびデジタル化センサ素子のためにノイズ源の個数が減少し、c)複数のセンサの出力のデジタル多重化が信号ラインの本数を最小にすることを可能にし、d)カテーテル、シース、シャフトの製造は、必要とされる電気接続がより少ないので簡単にされ、e)とても低い電力要件を有するデジタルセンサが存在するという利点を有する。これらのセンサのサイズ限界は、臨床的に許容できる血管へのアクセスサイズが制限され、純粋な診断利用のためには典型的には0.5から3ミリメートルまでのデバイス直径の範囲であり、循環補助デバイスのシャフトについては5mmまでであり、体外循環に使用されるカテーテルについては8mmまでであるので重要である。センサの電力要件は、臨床応用については重要であり、好ましくは電源を簡単にし、臨床的に望ましくないセンサの過熱を避けるために低い。
【0022】
コンピュータ
本発明に関しては、用語「コンピュータ」は、任意の適切なコンピューティングシステムに関連することができる。特に、コンピュータは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または同様のデバイス、ならびにマイクロコントローラまたは任意の他のシングルもしくはマルチプロセッサ埋設式システムなどの埋設式コンピューティングシステムであり得る。
【0023】
環境発電
環境発電は、デバイスが、エネルギー源への有線接続を有さずにデバイスの周囲における物理的エネルギー源から電気エネルギーを抽出するプロセスを示すために使用される。環境発電技術は、当分野における開業医によく知られている。本特許の文脈では、用語「コイル」は、電気コイルを示す。
【0024】
心ポンプ
心ポンプは、血液循環のある区画から血液循環の別の区画まで血液をポンプで押し出す医療用デバイスとして定義されている。典型的なポンプには、a)体外に機械的ポンプ部品を有する体外ポンプ、b)体内に機械的ポンプ部品を有するとともに皮膚を横切るシャフトの先端に取り付けられるカテーテルベースのポンプ、およびc)体内に機械的ポンプ部品を有するとともに皮膚を横切る電源ケーブルを除いて部品がない完全埋込み式ポンプが挙げられる。
【0025】
ディープニューラルネットワーク
機械学習分野では、ディープニューラルネットワーク(DNN)は、入力層と出力層の間に複数のユニットからなる複数の隠れ層を有する人工ニューラルネットワーク(ANN)である。
【0026】
ディープビリーブネットワーク
機械学習分野では、ディープビリーブネットワークは、ディープニューラルネットワークの典型であり、層間に接続を有するが各層内のユニット間に接続を有しない潜在変数の複数の層を含む。
【発明の概要】
【0027】
本発明によれば、患者の心性能を反映するとともに心拍出量をより良く表す心拍出量パラメータの抽出を可能にする信号のより精確な測定の必要性が、医療用侵襲性デバイスによって解決され、そのよう心拍出量を算出する方法および機器は、各独立請求項の特徴によって定められる。好適な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0028】
特に、本発明は、例えば、信号転換、アナログ/デジタル信号変換、およびデジタル信号伝送が、小型化されたデジタルセンサSoCを用いることで血管腔内部に位置するように構成されたカテーテルの一部の中に移される医療用侵襲性デバイスのための革新的な設定を取り扱う。
【0029】
したがって、医療用デジタルセンサSoCアレイが、体内の位置でカテーテル、シース、およびシャフトに取り付けられている。
【0030】
そのような革新的な設定から得る利点は、1)体外の信号トランスデューサモジュールの必要性を減少させまたはなくし、したがって工業的生産、分配、および臨床使用を簡単にすること、および2)敏感なアナログ信号を搬送する電線、および信号伝送のための光ラインの圧力伝搬のためのハイドロスタティックカラムをなくすことを含む。提案されるセットアップは、先端に小型化されたデジタルセンサを備えるカテーテル、シース、シャフトの形状内のデバイスからなり、体内に配置された位置で物理的信号センシング、信号転換、アナログ/デジタル信号変換、およびデジタル信号伝送の各段階を実行する。
【0031】
また、様々な補助的な物理的信号を測定する多数のセンサSoCは、本発明による体内に配置されるように構成された医療用カテーテル、シース、シャフトの部分の中に配置できる。
【0032】
以下、本発明に関連して使用されるセンサをより詳細に説明する。上記革新的な設定のラインでは、センサが体内に位置する医療用侵襲性デバイスの部分に取り付けられている医療用デジタルセンサSoCおよびSoCアレイの装置が提供され、したがって、バイタル生体信号モニタリングのための統合マルチモードセンサアレイは、以下の1つに統合され得る。
・a)循環補助デバイスのシャフト
・b)独立して立っているシャフト
・c)血管にわたってのシース
・d)血管内カテーテル
【0033】
いくつかの役立つセンサの組み合わせが可能であり、非限定の例として以下に示す。
【0034】
統合は、患者へのアクセスケーブルの個数をセンサアレイあたり1つに減少させ、臨床のシナリオにおける実際性の改善をもたらす利点を有する。
【0035】
それに加えて、以下において、デバイスは、体外に位置するように構成された部分にデジタルインタフェースを組み込む、体内に配置されるように構成された位置にデジタル伝送を有するデジタルセンサSoCの装置を備える医療用カテーテル、シース、シャフトの形状において説明され、それによって電源およびデジタルデータ移送のためにコネクタケーブルの接続を可能にする。
【0036】
本発明の上記態様により考えられる実施形態は、医療モニタリングをすでに簡単にするとともに改善しているが、有線の電源および通信を諦めることもなお望ましい。これらの理由のために、さらなる改善が望ましい。
【0037】
本発明の別の態様によれば、無線送信式カテーテルおよび/またはシースおよび/またはシャフトは、統合医療センサSoCおよびSoCアレイを用いて設計することができる。したがって、統合型マルチモード生物医学的センサアレイは、統合型バッテリによって駆動され、無線データ伝送によって読み出すことができる。
【0038】
したがって、本発明のさらなる一態様は、医療用カテーテル、シース、シャフトからなり、単一の実施形態において、体内に位置するように構成された部分にある小型化されたデジタルセンサSoCの装置が、体外に位置するように構成された部分に位置する無線通信チップおよび小型化されたバッテリと組み合わされている。これにより、電源および通信のためのケーブルの必要性をなくすことを可能にし、臨床の実際性を大きく改善することができる。また、患者との金属製接続が必要とされないので、それは、電気的な安全性を改善する。
【0039】
本発明のさらな可能な実施形態によれば、医療用カテーテル、シース、シャフトは、体内に位置するように構成された小型化されたデジタルセンサの装置、および無線信号伝送のための小型バッテリおよびエレクトロニクスを備えるプラグ接続可能なモジュールと組み合わせたコネクタと共に設計できる。
【0040】
これは、充電された交換モジュールをプラグに差し込むことによって空のバッテリを交換することができるという利点を有する。
【0041】
本発明によるセンサアレイのための要素として使用することができる潜在的なセンサモダリティの大きいスペクトルから、以下のものが好適である。
- 小型化されたデジタル圧力センサSoCが、所与の位置での血圧(心臓機能の重要なパラメータ)を測定することを可能にするが、従来のセンサとは対照的に、流体で満たされた加圧アクセスチャンネルも、典型的には従来の圧力モニタリングカテーテルに使用される体外のトランスデューサも要求せず、デバイスに沿ったアナログ信号伝送に頼らないので、有益である。小型化されたデジタル温度センサの好ましい一例は、デジタル温度センサが体温のモニタリングを可能にするので、および冷たい流体のボーラスを注入した後に生じる温度の変動を測定することを可能にもするので、有益であり、そうした熱的ボーラス注入後のそのような温度の変動の特徴およびタイミングは、心臓性能に関連している。
- 小型化されたデジタル発光素子および複数の波長のための受信機は、血液のスペクトル成分を決定することを可能にし、したがって標準的な方式を用いて血液酸素化を得、血液酸素化および血液酸素化の時間経過が心肺機能についての関連情報を含むことがよく知られている。
- 小型化されたデジタル振動センサは、血流の動的な乱流の態様をセンシングすることを可能にするとともに、それによって情報を心臓機能に寄与させることができる。
- 超音波ドップラーセンサが、血流速度を測定することを可能にし、それによって情報を心臓機能に寄与させる。
- 直接超音波流量センサが、複数点間の波の速度決定し、それによって血流速度を直接測定し、心臓機能についての情報に寄与することを可能にする。
- 電圧センサが、電気的な心作用のタイミングおよび周波数の直接検出を可能にし、局所的な身体インピーダンスの測定を可能にする。
【0042】
先行技術を上回る上記改良は、患者管理を改善するが、上記改良は、製造を簡単にし、貯蔵寿命を改善し、費用を減少させ、バッテリ漏れのリスクを減少させる可能性があるので、バッテリの必要性をなくすことがさらに望ましい。したがって、さらなる革新が望ましい。
【0043】
本発明のさらなる一態様では、体内に位置するように構成された部分にデジタルセンサSoCの装置を備え、体外に位置するように構成された部分およびプラグ接続可能なモジュールのうちの一方に無線伝送エレクトロニクスを有する医療用カテーテル、シース、シャフトの形状のデバイスは、バッテリまたはケーブルを介しての電源の必要をなくすことを可能にするエネルギー移送および発電機構をさらに装備する。バッテリのない環境発電医療センサアレイが、カテーテル、シース、および保持シャフトと組み合わせて説明される。バッテリの独立性は、よりコンパクトな設計をもたらすことができるとともに、バッテリの排出がもはや問題でないので、改善された実際性をもたらすことができる。
【0044】
無線技術の最近の進歩は、バッテリ駆動できる無線センサの製造を可能にさせ、したがってケーブルの必要性を減少させる。
【0045】
環境発電の最近の進歩は、電磁場、日光、振動、熱などのような環境源からエネルギーを獲得することを可能にさせた。
【0046】
以下の環境発電機構、すなわち、a)電磁場を通じた誘導エネルギー伝送、b)容量性エネルギー伝送、c)太陽電池ベースのエネルギー伝送、d)振動による環境発電、d)熱電気エネルギー転換が使用されてもよい。好適なバージョンは、典型的には他のセットアップと比較してより大きいエネルギーを移送することができるが、エネルギー移動装置側の高電圧が要求されないので、誘導エネルギー伝送である。
【0047】
さらに、本発明は、バイタル信号と技術的制御信号およびモータパラメータを組み合わせるアルゴリズムを取り扱っており、本発明は、最新で知られているようなマルチパラメータの生体信号モニタリングがカテーテル式または埋込み式循環ポンプから生じる技術的制御信号および性能信号と組み合わせ、したがって最新式を超えている新規な組み合わせを開示する。これは、生体信号解析をカテーテル式または埋設式循環補助デバイスを有する患者に適用可能にさせる実際的な利点を有する。
【0048】
本発明は、心補助デバイスを用いるおよび用いていない患者に適しているマルチパラメータ信号とともに使用される方法も取り扱う。
【0049】
ある方法は、いくつかの生理学的データソースと心補助デバイスから得られるいくつかのパラメータを組み合わせ、これらのデータを目標とした心拍出量値に相関させる非線形の数理モデルを構築する。生理学的データベクトルは、収縮期および拡張期圧、脈圧、心拍間隔、平均動脈圧力、収縮中の圧力上昇の最大傾斜、脈圧波の収縮期部の下方の面積、性別(男性または女性)、年齢、高さ、重量、および診断クラスなどの1つまたは複数の測定可能なまた得ることができるパラメータを含む。心補助デバイスから得られるパラメータは、デバイスの血流、デバイスのタイプ、デバイスの性能セッティング、モータ電流、回転周波数、デバイス内部圧力、デバイス間圧力のうちの1つまたは複数を含む。目標心拍出量値は、複数の個人間で様々な方法を用いて取得される。
【0050】
次いで、多次元非線形最適化が、ソースデータを目標COデータに変形する数理モデルを見つけるために使用される。次いで、モデルは、個人についての生理学的データを取得し、モデルを収集データに適用することによって個人に適用される。
【0051】
ステップは、モデルを構築するために、生理学的パラメータに加えて、心補助デバイスパラメータを加えることからなる。先行技術において行われていたものとは対照的に、本発明は、生物学と補助デバイスのジョイント情報を使用して、よりロバストな結果を実現する。先行技術に説明されたセットアップを用いて、補助デバイスが交絡因子として作用したが、本発明では、機械パラメータは、現在、役立つ情報の源である。実際的に、これは、そのようなモニタリングが適用され得る患者スペクトルを拡張させる。
【0052】
別の実施形態では、同じ生物学的パラメータ(好ましくは、血圧およびその時間経過)の測定が、循環の同じ区画内の2つの異なる位置で実行される。この手法の利点は、非常に非線形な生物学的プロセスである脈波の伝搬が、追加の情報として数理モデルに入り、それによって数理モデルをよりロバストにさせる可能性がある。対照的に、通常の臨床プラクティスでなされているように脈波の伝搬を無視すると、心拍出量解析について脈波の波の伝搬を交絡法の因子にさせた。
【0053】
本発明は、医療信号とモータ制御/性能信号の組み合わせに基づいて上述した心臓性能の決定を可能にするように設計されたモニタをさらに開示するとともに、
- 医療センサSoCを装備したカテーテル、シース、シャフト、任意選択の無線データ伝送、任意選択の無線環境発電、およびマルチモード信号に適しているモニタの組み合わせに基づいてバイタルサインをモニタリングするシステム
- 患者モニタリングのために生体信号とモータパラメータを組み合わせるシステムの使用
- 患者モニタリングのための無線センサアレイデータ伝送の使用
- 患者モニタリングのための環境発電カテーテル、シース、およびシャフトの使用
- 患者モニタリングのための無線医療センサアレイを組み合わせるシステムの使用
も開示する。
【0054】
本発明による医療用侵襲性デバイスは、本発明による生体の心拍出量を算出する方法と共に用いられ、例示的な実施形態によって、添付図面を参照して、以下本明細書中により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明による医療用侵襲性デバイスの一実施形態の断面図である。
図2】本発明による医療用侵襲性デバイスの一実施形態の側面図である。
図3】統合されたフレキシブルエレクトロニクス基板と受信コイル回路を有するシースの一実施形態と、本発明による統合された放出体コイル回路を有するシャフトの一実施形態とを表す図である。
図4】本発明による同軸向きのシャフト(内側要素)のセグメントを覆うシース(外側要素)の一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
センサカテーテル:本発明によるカテーテル、シース、シャフトの一実施形態では、単独モニタリングカテーテルが、(ガイドワイヤについて意図される)0.018”の内部腔および現在の肺動脈カテーテルのシースよりも小さい2.8mmの外径を有するポリマー成形品によって構築される。ポリマー成形物に収容されているのは、体内のデバイスの部分と体外の部分を接続する直径2.4mmおよび長さ15mmを有するポリマーからのフレキシブルエレクトロニクス基板である。その体内の部分には、フレキシブル基板が、1つの小型化されたパッケージ内に2つのデジタルセンサ、すなわち、デジタル圧力センサおよびデジタル温度センサを保持し、2×2×0.76ミリメートル(STMicroelectronics,part Nr.LPS22HB)の単一のプラスチック本体に統合されたアナログ/デジタル変換およびデジタル信号伝送がパックされ、体外の部分には、フレキシブルエレクトロニクス基板が、有線読み出しのためにコネクタを保持する。
【0057】
無線センサカテーテル:本発明によるカテーテル、シース、シャフトの一実施形態では、単独モニタリングカテーテルが、(ガイドワイヤについて意図される)0.018”の内部腔および現在の肺動脈カテーテルのシースよりも小さい2.8mmの外径を有するポリマー成形品によって構築される。ポリマー成形物に収容されているのは、体内のデバイスの部分と体外の部分を接続する直径2.4mmおよび長さ15mmを有するポリマーからのフレキシブルエレクトロニクス基板である。その体内の部分には、フレキシブル基板が、1つの小型化されたパッケージ内に2つのデジタルセンサ、すなわち、デジタル圧力センサおよびデジタル温度センサを保持し、2×2×0.76ミリメートル(STMicroelectronics,part Nr.LPS22HB)の単一のプラスチック本体に統合されたアナログ/デジタル変換およびデジタル信号伝送がパックされ、体外の部分には、フレキシブルエレクトロニクス基板が、デジタル通信および無線伝送(TI)および小型バッテリ(タイプ)を備えた小型チップを保持する。
【0058】
環境発電がうまくいくために、時間経過と共に獲得されたエネルギーが、所望の測定間隔(典型的には10ミリ秒から4時間の間の範囲)でセンサを駆動するとともに、所望の伝送間隔(典型的には100ミリ秒から4時間の間の範囲)で無線伝送を駆動するのに十分でなければならない。
【0059】
デバイスの誘導無線電力供給のために、外部電磁場が、作られる必要がある。この電磁場についての要求は、安全性、十分なエネルギー移送のための能力、および既存のレギュレーションとの適合性を含む。我々は、いくつかの設計の変形例を以下のように特定した。
【0060】
1)カテーテル、シース、シャフト上のカスタム設計されたエネルギー受信用コイルと、同様の共振周波数を有する整合された放出体コイルとが、受信したエネルギーがカテーテル、シース、シャフトに統合されたエレクトロニクスを駆動するのに十分であるように、構築され最適化されている。そのようなセットアップの一例は、例に示されている。好適なセットアップでは、そのような組み合わせは、法的に医療用途を許可する高周波帯域内で働き、エネルギー放出体からエネルギー受信機まである距離(例えば、カテーテル挿入箇所から30~50cm)で働き、そのような組み合わせは、ベッドサイドの用途を助ける。
【0061】
2)放出場が、放出体によって患者のベッドの近くに生成される。そのようなエネルギー伝送は、当業界でよく知られており、例えば、ISO規格15693に詳細に説明されており、エネルギー伝送およびデータ伝送を1~1.5メートルまでで行う。この解決策の利点は、患者から臨床的に望ましい距離が維持され、患者のケアを簡単にすることであり、この解決策の欠点は、送信されるエネルギーが低く、典型的には受信用デバイス上のエレクトロニクスの非常に限られた機能性だけを可能にすることである。
【0062】
3)放出場は、皮膚内のデバイスの出口箇所の近く(10cmまで)に置かれた送信機によって生成される。エネルギーおよびデータの伝送は、当業界でよく知られており、ISO規則14443に詳細に説明されている。短い距離の利点は、受信機側におけるエネルギーの発生が改善され、それによってデバイス側でより多くの機能性が可能になり、欠点は、患者からこの距離にある放出体コイルが、患者の看護を妨げる可能性があり、また、このセットアップが、放出体コイルが時間がたっても十分近くにあり続けることを要求することである。
【0063】
4)放出場は、無線充電の規格、例えば、Qi規格に従って送信機によって生成される。Qi規格は、携帯電話のようなデバイスを放出コイルに近接(数センチメートル)させて高電流充電するために元々企画されているが、我々は、より大きい距離(1mまで)でより小さい量のエネルギーを移送することを可能にする改善されたセットアップを使用できることを見つけた。移送されるエネルギーの量はずっと小さいが(距離の3乗に近似して減衰する)、これは、我々のセットアップで使用されるとてもっと低い電力のエレクトロニクスにとってはなお十分である。
【0064】
5)放出場は、センサを装備したシースを横切ってカテーテルによって生成される。このシナリオは、センサを装備したシースを使用して循環補助デバイスのシャフトを身体の中に案内するときに好適であり、このようにして放出コイルとセンサを装備したデバイスの近接を保証し、エネルギー移送を最適化する。このセットアップの運転例を以下に示す。
【0065】
エネルギーおよび情報の伝送に関する無線相互作用の次にくる他の規格、例えば、EPC規格は、周波数帯域、データ伝送プロトコル、および他の詳細が異なるが、特定の要件がそれを可能にするどんなところでも使用することができる。
【0066】
全て任意選択で、典型的には、より高い周波数により、所望の共振周波数がより低インダクタンスのコイルおよびより小さいキャパシタで実現できるので、放出体および受信コイルの設計を容易にする。
【0067】
無線エネルギー移送/ハーベスティング:いくつかの実験において、我々のカテーテル、シース、シャフトに組み込まれたコイルによる環境発電が試験された。この目的を達成するために、銅線受信コイル(200マイクロメートルの銅線、25回巻き、コイル直径4mm、コイル長さ85mm、共振チューニングによって評価されたインダクタンス0.384マイクロヘンリー)が、シース(ポリジメチルシロキサンの成形物)に組み込まれた。共振回路が、受信コイルに並列に1ナノファラッドのキャパシタを接続することによって生成された。受信回路内の共振は、8.12MHzの周波数で観察された。
【0068】
加えて、エネルギー送信コイルは、200マイクロメートルの銅線、30回巻き、コイル直径2mm、およびコイル長さ150mmから構築され、測定されたインダクタンスが0.377マイクロヘンリーを有した。送信コイルは、カテーテルによる心臓補助デバイスのシャフトの中に配置された。共振回路は、放出体コイルに並列に1ナノファラッドのキャパシタを接続することによって生成された。放出体回路の共振は、受信回路と同じ共振周波数(8.2MHz)で実際に観察された。シャフトは、放出体コイルが受信コイルに対して同軸に配置されるようにシースに挿入された。100オームの限流抵抗に直列に接続された放出体回路は、正弦波信号によって、波形発生器(ヒューレットパッカード33120A)が発生した周波数8.12MHzおよび振幅10Vで駆動された。受信回路は、整流のために使用されたダイオードTS4148に直列で接続された。整流された信号は、テキサスインスツルメンツからのLM3671のステップダウンDC-DC変換器に基づいて構築された電圧レギュレータに供給された。
【0069】
放出体回路から受信機回路へのうまくいったエネルギー移送は、以下の通りに記録された。
電圧レギュレータの出力に接続された1キロオームの抵抗負荷両端間の電圧は、電流3mAおよび電力9mWに対応する3Vであった。圧力および温度センサLPS22HBの仕様、ならびにNordic SemiconductorからのBluetooth低エネルギー(LE)IC nrf52832の仕様に従って、この電力は、圧力信号および温度信号の取得、ならびに遠隔のBluetooth LEデバイスへの取得したデータの伝送にとって十分である。
【0070】
これらの結果は、環境発電(センサを保持するカテーテル)へ十分なエネルギーを移送できることを立証した。
【0071】
無線エネルギー移送/ハーベスティング
本発明によるカテーテル、シース、シャフトの一実施形態では、銅線受信機コイル(200マイクロメートルの銅線、20回巻き、コイル直径5mm、コイル長さ4mm、共振チューニング1.57マイクロヘンリーによって評価されたインダクタンス)が、シース(ポリジメチルシロキサンの成形物)に組み込まれた。共振回路が、受信コイルに並列に100ピコファラッドのキャパシタを接続することによって生成された。受信回路内の共振は、12.76MHzの周波数で観察された。放出体コイルは、カテーテルから分離され、200マイクロメートルの銅線、2回巻き、88mmコイル直径、およびコイル長さ4mmで実施され、インダクタンス1.56マイクロヘンリーが測定された。共振回路は、放出体コイルに並列に100ピコファラッドのキャパシタを接続することによって生成された。放出体回路内の共振は、12.75MHzで観察された。1キロオームの限流抵抗に直列に接続された放出体回路は、正弦波信号によって、波形発生器(ヒューレットパッカード33120A)が発生した周波数12.76MHzおよび振幅10Vで駆動された。SMD1206の赤色LEDは受信回路に並列に接続された。放出体回路から受信機回路へのうまくいったエネルギー移送は、以下の通りに記録された:
放出体コイルが受信コイルの近くに(1~3mmの距離で)配置されたときに、LEDは輝き始め、LEDの仕様に従って少なくとも数百マイクロワットの獲得された電力の利用度を示した。
【0072】
無線環境発電センサカテーテル:本発明によるカテーテル、シース、シャフトの一実施形態では、カテーテルによる心臓補助デバイスのためのアクセスシースは、ポリマー成形品によって構築され、心臓補助デバイスのアクセスシースのためのサイズ要件に対応する内側開放内腔2.8mmおよび外径4mmを有する。ポリマー成形物に収容されているのは、体内のデバイスの部分と体外の部分を接続する直径3mmおよび長さ15mmを有するポリマーからのフレキシブルエレクトロニクス基板である。その体内の部分には、フレキシブル基板が、1つの小型化されたパッケージ内に2つのデジタルセンサ、すなわち、デジタル圧力センサおよびデジタル温度センサを保持し、2×2×0.76ミリメートル(STMicroelectronics,part Nr.LPS22HB)の単一のプラスチック本体に統合されたアナログ/デジタル変換およびデジタル信号伝送がパックされ、体外の部分には、フレキシブルエレクトロニクス基板が、デジタル通信、無線伝送、および環境発電(TI)を含む小型化されたチップを保持する。
【0073】
本開示は、以下のさらなる実施形態も含む。
【0074】
実施形態1は、血管、体腔、および身体組織のうちの1つに挿入されるように構成された本体部を有する医療用侵襲性デバイスであって、電子回路を装備するとともに、センサ装置およびデジタルデータ伝送装置を前記本体部に組み込む、医療用侵襲性デバイスである。
【0075】
実施形態2は、アナログ/デジタル変換装置を本体部に有する、実施形態1に記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0076】
実施形態3は、前記医療用侵襲性デバイスが、体外に配置されるように構成された外側部分を有する、実施形態1または実施形態2に記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0077】
実施形態4は、前記電子回路が、温度センサ、圧力センサ、振動センサ、超音波センサ、光センサ、電圧センサ、またはそれらの任意の組み合わせを有するセンサ装置を備える、実施形態1から3のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0078】
実施形態5は、前記センサ装置が、異なる物理的信号を測定するための少なくとも2つのセンサを備える、実施形態1から4のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0079】
実施形態6は、前記センサ装置が、異なる物理的信号を測定するための少なくとも3つのセンサを備える、実施形態1から5のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0080】
実施形態7は、前記医療用侵襲性デバイスが、前記本体部を保持するとともに皮膚の高さを横切るように構成された細長い物体であるシャフトを有する、実施形態1から6のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0081】
実施形態8は、前記医療用侵襲性デバイスが、本体に入るとともにいくつかの流体カラムを備えるように構成された細長い物体であるカテーテルである、実施形態1から7のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0082】
実施形態9は、前記医療用侵襲性デバイスが、カテーテル、治療デバイスのシャフト、および心ポンプのシャフトのうちの1つを案内するように構成された細長い物体であるシースである、実施形態1から8のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0083】
実施形態10は、前記本体部が、60平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0084】
実施形態11は、前記本体部が、20平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0085】
実施形態12は、前記本体部が、5平方ミリメートル未満の横断面面積を有する、実施形態1から11のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0086】
実施形態13は、前記電子回路が、無線データ伝送ユニットを備える、実施形態1から12のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0087】
実施形態14は、外側部分が、無線データ伝送ユニットを備える、実施形態3から13のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0088】
実施形態15は、前記無線データ伝送ユニットが、前記外側部分の基部から取り外し可能である、実施形態14に記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0089】
実施形態16は、バッテリおよびキャパシタの一方によって電力供給される、実施形態1から15のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0090】
実施形態17は、バッテリまたはキャパシタが、前記外側部分から取り外し可能である、実施形態3から16のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0091】
実施形態18は、前記電子回路が、電線によって前記医療用侵襲性デバイスに接続されていないエネルギー源からエネルギーを獲得するように構成された発電ユニットを備える、実施形態1から17のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0092】
実施形態19は、前記外側部分が、発電ユニットを保持する、実施形態3から18のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0093】
実施形態20は、前記発電ユニットが、電磁エネルギーを獲得するためのコイルを備える、実施形態19に記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0094】
実施形態21は、前記発電ユニットが、太陽電池を備える、実施形態19または20に記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0095】
実施形態22は、前記発電ユニットが、振動による発電機を備える、実施形態18から21のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0096】
実施形態23は、前記発電ユニットが、熱電発電機を備える、実施形態18から22のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0097】
実施形態24は、典型的には近接して生成される電磁場が前記本体部にある前記電子回路および任意選択で前記医療用侵襲性デバイスの任意の他の電子回路を駆動するのに十分であるコイルへのエネルギー移送を誘い出すようにある周波数に調節されている受信用コイル回路を有する発電ユニットを備える、実施形態1から23のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0098】
実施形態25は、電磁場から環境発電するように構成された受信用コイル回路を有する発電ユニットを備え、前記場は、いくつかの放出コイル回路によって生成され、放出コイル回路は、前記受信コイル回路の共振周波数の10%以内、好ましくは前記受信コイル回路の前記共振周波数の1%以内、特に好ましくは前記受信コイル回路の前記共振周波数の0.1%以内に共振周波数を有する、実施形態1から24のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0099】
実施形態26は、5.725から5.875GHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から25のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0100】
実施形態27は、2.4から2.5GHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から26のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0101】
実施形態28は、902から928MHzまでの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から27のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0102】
実施形態29は、13.553から13.567MHzの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から28のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0103】
実施形態30は、6.765から6.795MHzの範囲である周波数帯域の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から29のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0104】
実施形態31は、235から275kHzまでの範囲である周波数帯域(パワーマターズアライアンス(PMA)が定めた帯域)の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から30のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0105】
実施形態32は、110から205kHzまでの範囲である周波数帯域(ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)が定めた帯域)の電磁場から環境発電するように構成されたいくつかのコイル回路を備える、実施形態1から31のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスである。
【0106】
実施形態33は、実施形態9から32のいずれか1つに記載のシースである外側要素とコイル回路を備えるシャフトまたはカテーテルである内側要素とを備え、前記外側要素が前記内側要素の少なくとも一セグメントを覆うキットである。
【0107】
実施形態34は、前記内側要素が、前記外側要素に対して同軸向きにあるように構成されている、実施形態33に記載のキットである。
【0108】
実施形態35は、内側コイルが、前記外側要素へエネルギーを送信するように構成される、実施形態33または34に記載のキットである。
【0109】
実施形態36は、前記内側コイルが、無線伝送によって前記外側要素からデータを受信するように構成されている、実施形態35に記載のキットである。
【0110】
実施形態37は、外側コイルが、無線伝送によって前記内側要素からデータを受信するように構成されている、実施形態33から36のいずれか1つに記載のキットである。
【0111】
実施形態38は、前記内側要素が、経皮的心ポンプの前記シャフトである、実施形態33から37のいずれか1つに記載のキットである。
【0112】
実施形態39は、生体の心拍出量(CO)を算出する方法であって、入力データベクトルと目標CO値を結び付ける数理モデルが構築される方法である。
【0113】
実施形態40は、前記数理モデルが非線形である、実施形態39に記載の方法である。
【0114】
実施形態41は、前記入力データベクトルが、実施形態1から32のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスによって取得される少なくとも1つのセンサ測定値を備える、実施形態39または40に記載の方法である。
【0115】
実施形態42は、前記入力データベクトルが、前記生体からの生理学的入力ソースデータを含む、実施形態39から41のいずれか1つに記載の方法である。
【0116】
実施形態43は、前記入力データベクトルが、反復温度測定の曲線の下方の面積を含む、実施形態39から42のいずれか1つに記載の方法である。
【0117】
実施形態44は、前記入力データベクトルが、静脈循環の中に流体のボーラスが注入された後に反復温度測定の曲線の下方の面積を含み、前記注入されたボーラスが、血液温度とは異なる温度を有する、実施形態39から43のいずれか1つに記載の方法である。
【0118】
実施形態45は、前記入力データベクトルが、動脈脈圧解析から得られる数値を含む、実施形態39から44のいずれか1つに記載の方法である。
【0119】
実施形態46は、前記入力データベクトルが、動脈脈圧解析から得られる数値を含み、前記数値が、心拍間隔、心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、時間差ごとのピーク収縮期圧力差、脈曲線の下方の面積、および脈圧波の収縮期部分の下方の面積のうちの1つである、実施形態39から45のいずれか1つに記載の方法である。
【0120】
実施形態47は、前記入力データベクトルが、前記生体の収縮期圧、前記生体の拡張期圧、および前記生体の脈圧のうちの少なくとも1つを含む、実施形態39から46のいずれか1つに記載の方法である。
【0121】
実施形態48は、前記入力データベクトルが、前記生体の年齢、前記生体の性別、前記生体の高さ、前記生体の重量、および前記生体の温度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態39から47のいずれか1つに記載の方法である。
【0122】
実施形態49は、前記入力データベクトルが、心臓ポンプのタイプ、心臓ポンプの性能セッティング、心臓ポンプのサイズ、心臓ポンプの血流量、心臓ポンプ回転速度、心臓ポンプ消費電力、心臓ポンプ消費電流、心臓ポンプ圧力センサ示度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態39から48のいずれか1つに記載の方法である。
【0123】
実施形態50は、前記目標CO値が、複数の時点で反復して測定された温度の曲線の下方の面積を決定するステップを含むアルゴリズムによって決定される、実施形態39から49のいずれか1つに記載の方法である。
【0124】
実施形態51は、前記目標CO値が、実施形態1から32のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスにより測定された生理学的信号の解析によって決定される、実施形態39から50のいずれか1つに記載の方法である。
【0125】
実施形態52は、前記数理モデルを生成するステップが、最小二乗の最適なやり方で前記入力データベクトルを前記目標CO値にフィットするステップを含む、実施形態39から51のいずれか1つに記載の方法である。
【0126】
実施形態53は、前記数理モデルを生成するステップが、人工ニューラルネットワーク(ANN)の学習を含む、実施形態39から52のいずれか1つに記載の方法である。
【0127】
実施形態54は、前記数理モデルを生成するステップが、ディープニューラルネットワーク(DNN)の教師なし学習を含む、実施形態39から53のいずれか1つに記載の方法である。
【0128】
実施形態55は、前記数理モデルを生成するステップが、ディープニューラルネットワーク(DNN)の教師あり学習を含む、実施形態39から53のいずれか1つに記載の方法である。
【0129】
実施形態56は、前記数理モデルを生成するステップが、ディープビリーブネットワーク(DBN)の学習を含む、実施形態39から55のいずれか1つに記載の方法である。
【0130】
実施形態57は、入力データベクトルを得るステップと、少なくとも前記数理モデルを用いて前記入力データベクトルを変形するステップと、生理的単位でCO値として前記変形の結果を表現するステップとを含む、実施形態39から56のいずれか1つに記載の方法である。
【0131】
実施形態58は、複数の前記目標CO値を得るステップと、前記目標CO値に少なくとも一部基づいて前記数理モデルを発生させるステップと、入力データベクトルを得るステップと、少なくとも前記数理モデルを用いて前記入力データベクトルを変形するステップと、生理的単位でCO値として前記変形の結果を表現するステップとを含む、実施形態39から57のいずれか1つに記載の方法である。
【0132】
実施形態59は、実施形態1から32のいずれか1つに記載の医療用侵襲性デバイスによって送信されたデータを受信する装置を備える機器である。
【0133】
実施形態60は、データが、前記医療用侵襲性デバイスによって無線送信される、実施形態59に記載の機器である。
【0134】
実施形態61は、第2の機器から送信され入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、実施形態59または60に記載の機器である。
【0135】
実施形態62は、前記第2の機器が、患者と同じ部屋に配置されるように構成されたデバイスとして定義される医療モニタであり、前記患者のバイタルサインを表示するように構成されたディスプレイを備える、実施形態61に記載の機器である。
【0136】
実施形態63は、前記第2の機器が、心ポンプの前記制御デバイスである、実施形態61または62に記載の機器である。
【0137】
実施形態64は、前記第2の機器から無線で送信され前記入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、実施形態61から63のいずれか1つに記載の機器である。
【0138】
実施形態65は、無線データ伝送が、WiFi規格、Bluetooth規格、Ant規格のうちの1つに従う、実施形態60から64のいずれか1つに記載の機器である。
【0139】
実施形態66は、コンピュータ上で実行されるときに、実施形態39から58のいずれか1つに記載の方法を実施するように構成されたコード構造を備えるコンピュータプログラムである。
【0140】
実施形態67は、実施形態66に記載のコンピュータプログラムを含む、実施形態59から65のいずれか1つに記載の機器である。
【0141】
実施形態68は、少なくとも心臓出力(CO)を表示するように構成されたディスプレイを備える、実施形態59から65および実施形態67のいずれか1つに記載の機器である。
【0142】
実施形態69は、コンピュータ可読媒体に記憶される、実施形態66に記載のコンピュータプログラムである。
【0143】
実施形態70は、コンピュータ上で実行されるときに、実施形態39から58のいずれか1つに記載の方法を実施するプログラムコード手段を備える機械可読キャリア上に記憶されたコンピュータプログラム製品である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管、体腔、および身体組織のうちの1つに挿入されるように構成された本体部を有する医療用侵襲性デバイスであって、電子回路を装備するとともに、センサ装置およびデジタルデータ伝送装置を前記本体部に組み込む、医療用侵襲性デバイスによって送信されたデータを受信する装置を備える機器。
【請求項2】
データが、前記医療用侵襲性デバイスによって無線送信される、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
第2の機器から送信され入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記第2の機器が、患者と同じ部屋に配置されるように構成されたデバイスとして定義される医療モニタであり、前記患者のバイタルサインを表示するように構成されたディスプレイを備える、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記第2の機器が、心ポンプの制御デバイスである、請求項またはに記載の機器。
【請求項6】
前記第2の機器から無線で送信され前記入力データベクトルの導出に使用されるデータを受信する装置を備える、請求項からのいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
無線データ伝送が、WiFi規格、Bluetooth規格、Ant規格のうちの1つに従う、請求項からのいずれか一項に記載の機器。
【請求項8】
コンピュータ上で実行されるときに、生体の心拍出量(CO)を算出する方法であって、入力データベクトルと目標CO値を結び付ける数理モデルが構築される方法を実行するように構成されたコード構造を備えるコンピュータプログラムを含む、請求項からのいずれか一項に記載の機器。
【請求項9】
少なくとも心拍出量(COを表示するように構成されたディスプレイを備える、請求項からのいずれか一項に記載の機器。
【外国語明細書】