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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153712
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】人工呼吸デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20241022BHJP
   A61B 5/087 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61M16/00 390A
A61M16/00 311
A61B5/087
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024116679
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2021532185の分割
【原出願日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】62/776,657
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】513182776
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ガットマーク,エフライム
(72)【発明者】
【氏名】マクマラン,ジェイソン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】換気のため患者に取り付けるための患者インターフェースデバイスと、患者の呼吸を測定および分析するための、測定および分析デバイスとを含む換気システムを提供する。
【解決手段】コネクターハウジングの第1の部分は、患者インターフェースデバイスに接続されている。測定および分析デバイスは、コネクターハウジングを通る空気流量およびコネクターハウジングの中の圧力をそれぞれ測定するためにコネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーおよび圧力センサーをさらに含む。また、本デバイスは、空気流量および圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーを含み、それによって、換気システムは、データ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である。また、心肺蘇生を施すための方法が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の換気のための換気システムであって、
前記患者に取り付けるための患者インターフェースデバイスと、
前記患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスと
を含み、前記測定および分析デバイスは、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、前記患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと、
前記データ出力を出力するように構成されている出力デバイスと
を含み、
それによって、前記換気システムは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、換気システム。
【請求項2】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、前記患者に呼吸を供給するための手動呼吸供給デバイスをさらに含み、前記手動呼吸供給デバイスは、前記コネクターハウジングの第2の部分に接続されている、換気システム。
【請求項3】
請求項2に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、フェイスマスクであり、前記手動呼吸供給デバイスは、自己膨張式バッグである、換気システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の換気システムにおいて、前記出力デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイである、換気システム。
【請求項5】
請求項4に記載の換気システムにおいて、前記ディスプレイは、既存のモニターの中へ一体化されている、換気システム。
【請求項6】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、自発的に呼吸する患者に接続されている、換気システム。
【請求項7】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記プロセッサーは、イベント後分析のためにイベントにタイムスタンプするように構成されている、換気システム。
【請求項8】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、吸引、投薬、または呼気終末COのためのインラインポートをさらに含む、換気システム。
【請求項9】
請求項3に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、心肺蘇生(CPR)において使用され、前記心肺蘇生(CPR)は、血液に酸素を送り込むための人工呼吸と、前記血液を循環させるための胸部圧迫とを供給することを含み、前記測定および分析デバイスは、信号フィルタリング技法を使用して、前記胸部圧迫から前記人工呼吸を差別化するように動作可能であり、前記人工呼吸に起因するエアフローに関係する前記空気流量および前記圧力における変化の周波数および振幅を、前記胸部圧迫によって引き起こされる
不注意なエアフローから分離する、換気システム。
【請求項10】
請求項9に記載の換気システムにおいて、前記信号フィルタリング技法は、バンドパスフィルタリング、高速フーリエ変換、位相平均化、およびウェーブレット分析からなる群から選択される、換気システム。
【請求項11】
請求項9に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、心停止蘇生の間に使用される、換気システム。
【請求項12】
請求項9に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記空気流量および前記圧力における変化の前記周波数および前記振幅に基づいて、前記人工呼吸のタイミング、深さ、および持続期間を調節することによって、前記人工呼吸と胸部圧迫との間の同期を可能にするように動作可能であり、前記人工呼吸が、前記胸部圧迫と協調的な様式で供給されるようになっている、換気システム。
【請求項13】
請求項3に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するように動作可能であり、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、換気システム。
【請求項14】
請求項13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、気道閉塞および人工呼吸の他の異常を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項15】
請求項13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、前記患者インターフェースデバイスのシール品質を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項16】
請求項13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合に基づいて、胸部圧迫の品質を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項17】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、人工呼吸を供給するために使用されるフェイスマスク、声門上気道、気管内チューブ、気管切開チューブ、または、他のデバイスのためのマウスピースである、換気システム。
【請求項18】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、プラグアンドプレイ構成を含む、換気システム。
【請求項19】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、使い捨てのものである、換気システム。
【請求項20】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、前記エアフローセンサーおよび前記圧力センサーの上の呼吸器分泌物を濾過するためのフィルターまたはトラップをさらに含む、換気システム。
【請求項21】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記プロセッサーは、前記測定および分析デバイスの中へ組み込まれている、換気システム。
【請求項22】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記エアフローセンサーおよび圧力センサーは、ワイヤレス接続を介して前記プロセッサーと通信する、換気システム。
【請求項23】
前記患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスであって、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと
を含み、
それによって、前記換気システムは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、測定および分析デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の測定および分析デバイスであって、前記測定および分析デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイをさらに含む、測定および分析デバイス。
【請求項25】
心肺蘇生(CPR)を施すための方法であって、前記方法は、
手動呼吸供給デバイス、患者インターフェースデバイス、および測定および分析デバイスを有する手動換気デバイスを提供するステップであって、前記測定および分析デバイスは、
可撓性の自己膨張式空気チャンバーとマウスピースとの間を接続するためのコネクターハウジングであって、通路を画定している、コネクターハウジング、
前記可撓性の自己膨張式空気チャンバーを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローメーター、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサー、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、呼吸パラメーターのデータ収集、データストレージ、および計算を行うためのプロセッサー、ならびに、
リアルタイムフィードバックを提供するためにコンピューターに取り付けられている出力部
を含む、ステップと、
前記エアフローメーターおよび圧力センサーを使用して前記空気流量および前記圧力を測定するステップと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するステップであって、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、ステップと、
前記出力部に出力信号として前記呼吸パラメーターを出力するステップと
を含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記出力信号は、視覚的、聴覚的、または触覚的である、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、前記方法は、信号フィルタリング技法を使用して、胸部圧迫から人工呼吸を差別化し、前記空気流量および圧力における変化の周波数および振幅を検出するステップをさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法において、前記方法は、前記人工呼吸の前記タイミング、深さ、および持続期間を最適化することによって、前記人工呼吸および前記胸部圧迫を同期させ、中断される胸部圧迫技法が使用されるかまたは連続的な胸部圧迫技法が使用されるかにかかわらず、心臓および肺の機能を最大化する前記胸部圧迫との協調的な様式で前記人工呼吸が供給されることを保証するステップをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法において、前記方法は、初期の換気器設定をガイドするために前記呼吸パラメーターを使用することをさらに含む、方法。
【請求項30】
請求項25に記載の方法において、出力する前記ステップは、呼吸波形の表示を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月7日に出願された米国仮出願第62/776,657号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、測定をするための、ならびに、補助呼吸または自発呼吸を必要とする人に提供される換気に関するフィードバックおよび分析を提供するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
心停止は、心臓および肺の機能の突然の停止から結果として生じる全身の臓器損傷の重大な病気である。心停止は、主要な公衆衛生上の危機であり、米国において病院外で毎年400,000人の成人および子供に影響を与えている。毎年、さらに200,000人の患者が、院内心停止を起こしている。介入がなければ、永久的な臓器損傷および死が、数分以内に起こる。心停止を患う患者の10%だけが生き残ることとなる。
【0004】
心肺蘇生(CPR)は、1950年代に初めて説明されて以来、心停止の治療の基礎となっている。CPRは、血液を循環させるために胸壁を圧迫すること、および、肺を換気するために酸素の呼吸を供給することを必要とする。CPRは、重大な臓器損傷を回復に向かわせ、心臓および肺を再開させるのを助け、心停止からの生存を改善することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不適正な換気は、脳および心筋自体への血液フローを低下させ、肺に損傷を与え、血液の重大な酸塩基バランスを悪化させる可能性がある。しかし、患者にとって最適に呼吸をする方法を測定するためのデバイスは存在していない。
【0006】
胸腔の物理的な圧迫によって引き起こされる不注意なエアフローから、人工呼吸に起因するエアフローを差別化することができる技術は、現在存在していない。胸部圧迫と人工呼吸との間の同期を査定することができる技術は、現在存在していない。
【0007】
米国心臓協会の心停止ガイドラインは、それぞれの呼吸が1秒にわたって供給される状態で、および、最小の胸部上昇を作り出す一回換気量によって、毎分8回から10回の速度で人工呼吸が供給されることを推奨している。これらの推奨は、専門家の意見のみに基づいており、心肺蘇生が1970年代に最初に説明されて以来、変化していない。これらの換気パラメーターのいずれかを信頼性高く測定して報告することができる技術は、現在存在していない。
【0008】
バッグバルブマスク(BVMと略される)は、呼吸不全または呼吸停止の状況において患者に呼吸補助を提供するために一般に使用されるデバイスである。標準的なBVMのコンポーネントは、マスクと、逆流を防止するための一方向バルブと、可撓性のエアバッグとを含む。バッグを押し潰すことによって、空気が、マスクを通って患者の気道の中へ流れ込む。しかし、不十分な技法が一般的であり、不適正な速度/深さ/圧力に起因する非効果的な人工呼吸、マスクの周りの空気漏出、および、胃への送気(空気が肺の代わりに胃の中へ入る)を結果として生じさせる。不十分なマスクシールおよび肺換気を識別するための身体検査技法は、臨床ケアの間に実施するのが難しく、リアルタイムフィードバックを提供するための技術は、現在存在していない。
【0009】
心停止、心不全、または呼吸不全を伴う患者のための呼吸を測定および制御するための緊急の臨床的ニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、患者のための呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスの実施形態が、本明細書で提供される。
【0011】
一実施形態において、測定および分析デバイスは、通路を画定するコネクターハウジングと、両方の方向にコネクターハウジングを通る空気流量を測定するためにコネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーと、両方の方向にコネクターハウジングの中の圧力を測定するためにコネクターハウジングの中に配設されている圧力センサーとを含む。
【0012】
測定および分析デバイスは、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のためのコンピュータープロセッサーと、データ出力を表示するために、および、リアルタイムフィードバックを提供するために、コンピュータープロセッサーに取り付けられているデジタルディスプレイとをさらに含むことが可能である。また、光、音、および/または触覚フィードバックなどのような、他のタイプのデータ出力も使用され得る。
【0013】
測定および分析デバイスは、患者の換気のための換気システムの中へ一体化され得る。測定および分析デバイスは、患者インターフェースデバイスと換気デバイスとの間にフィットする換気システムへのプラグアンドプレイ接続であることが可能であり、それは、迅速に取り付けられるかまたは取り外され得る。換気システムは、フェイスマスクまたは気管内チューブまたは声門上気道などのような、患者に取り付けるための患者インターフェースデバイスを含むことが可能である。測定および分析デバイスのコネクターハウジングの第1の部分は、患者インターフェースデバイスに接続されている。換気システムは、換気を患者に供給するための換気デバイスをさらに含む補助換気システムであることが可能である。コネクターハウジングの第2の部分は、換気デバイスに接続されている。測定および分析デバイスは、空気流量および圧力に基づいて、リアルタイムフィードバックによって、制御された様式で換気システムが動作可能になることを可能にする。
【0014】
また、測定および分析デバイスは、自発的に呼吸する患者において使用され得、その場合に、測定および分析デバイスは、患者インターフェースデバイスに接続されており、患者の呼吸を測定するように構成されており、それによって、出力として呼吸パラメーターを提供する。
【0015】
また、測定および分析デバイスは、マウス-ツー-マスクシステム(mouth-to-mask system)において使用され得る。人工呼吸および患者の呼吸が、両方とも測定され得る。
【0016】
1つの実施形態では、それは、センサー、プロセッサー、およびディスプレイ/出力コンポーネントを含む、測定および分析デバイスは、清潔/無菌であり、使い捨てのものである。そのような使い捨ての実施形態は、単一の患者の使用に適切である。実施形態において、測定および分析デバイスは、事前に組み立てられており、直ちに使用する準備ができていることが可能であり、それは、軍事および他の荒野/田舎の用途に関して理想的である(そこでは、重量が、重要な考慮事項であり、損傷を受けたユニットを容易に交換する能力が高く評価される)。実施形態において、デバイスは、また、透析センター、外来外科手術センター、外来診療所、および歯科医院などのような、重症患者を滅多に見ない医療施設の中のクラッシュ/コードカートにとって有用であることとなる。いくつかの実
施形態において、デバイスは、家庭でまたは公共の場所において(たとえば、除細動器などの中で)使用され得る簡単な自律システムであることが可能である。
【0017】
別の実施形態では、センサー、プロセッサー、およびディスプレイ/出力コンポーネントを含む、測定および分析デバイスは、再使用可能であり、繰り返し使用するためにクリーニング/滅菌され得る。再使用可能な測定および分析デバイスを含む実施形態は、トレーニングシナリオに関して有用であることとなり、そこでは、マネキンが使用され、人工呼吸を重症患者に提供するための本デバイスの使用および自己膨張式バッグの使用について臨床スタッフをトレーニングする。
【0018】
別の実施形態では、測定および分析デバイスの特定のコンポーネントは、清潔/無菌であり、使い捨てのものであり、別個にパッケージングされており、単一の患者の使用に適切であり、一方では、他のコンポーネントは再使用可能である。たとえば、センサーコンポーネントは、使い捨てのものであることが可能であり、一方では、プロセッサーおよびディスプレイ/出力コンポーネントは、再使用可能である。プロセッサーおよびディスプレイ/出力コンポーネントは、心臓モニターなどのような別のモニター/デバイスの中へ一体化され得る。そのような実施形態は、都市のEMS機関などのような、本デバイスのヘビーユーザーにとって理想的であることとなり、そこでは、ヘビーユーザーは、再使用可能なコンポーネントを有することによって、本デバイスを使用するコストを低減させることを望むが、患者との遭遇と遭遇との間にデバイス全体をクリーニング/滅菌するための資源を有していない。
【0019】
1つの例において、患者に換気を供給するためのデバイスは、心肺蘇生(CPR)を実施するためのバッグバルブマスクである。バッグバルブマスクは、可撓性の自己膨張式バッグ、一方向バルブ、およびマスクを含む。測定および分析デバイスは、コンパクトであり、バッグとマスクとの間にフィットし、バッグバルブマスクの全体的なサイズに対してほとんど変化を伴わない。
【0020】
エアフローセンサーおよび圧力センサーは、双方向性であることが可能である。エアフローセンサーおよび圧力センサーは、インラインデバイスの中へ組み込まれ得る。エアフローセンサーは、熱的な、流体的な、音響的な、または光学的なフローセンサーであることが可能である。
【0021】
圧力センサーの応答時間は、少なくとも1ms以下であることが可能であり、500Hz以上のサンプリング周波数を可能にする。
【0022】
換気システムは、デバイスの患者側に、インラインの個々の/組み合わされた薬剤投与および吸引ポートをさらに含むことが可能であり、デバイスのバッグ側に、呼気終末COのためのモニタリングポートをさらに含むことが可能である。
【0023】
換気システムは、エアフローセンサーおよび圧力センサーの上の呼吸器分泌物(たとえば、血液、唾液、または嘔吐物など)を濾過するためのフィルター(たとえば、ふるい/スクリーン/発泡体など)またはトラップをさらに含むことが可能である。
【0024】
1つの実施形態では、本発明の測定および分析デバイスは、自己完結型である。センサー、プロセッサー、およびディスプレイ/出力コンポーネントは、単一の医療用デバイスとして提供される。単一の医療用デバイスは、事前に組み立てられており、直ちに使用する準備ができている。そのような実施形態は、軍事および他の荒野/田舎の用途に関して理想的であることとなる(そこでは、心臓モニターおよび他の大型の医療用デバイスは、実用性が低い)。また、そのような実施形態は、重症患者を滅多に見ず、単一ピースの機
器を追加することを望む医療施設にとって有用であることとなる。
【0025】
別の実施形態では、本デバイスは、2つの別個のピースの中へ構成されており、プロセッサーおよびディスプレイ/出力コンポーネントが心臓モニターなどのような別のモニター/デバイスの中へ一体化されており、一方では、センサーコンポーネントがバッグバルブマスクに独立して取り付けられる。ワイヤレス通信またはワイヤード通信は、センサーがプロセッサーに情報をリレーすることを可能にする。そのような実施形態は、都市のEMS機関または病院システムなどのような、本デバイスのヘビーユーザーにとって理想的であることとなる(ヘビーユーザーは、複数の患者バイタルサインを同時に収集および表示する大型の患者モニタリングデバイスを定期的に購入する)。
【0026】
空気流量および圧力に基づいて、複数の呼吸パラメーターが、決定および評価され得る。呼吸パラメーターは、それに限定されないが、ベースライン圧力、供給される圧力および吐き出される圧力、一回換気量(1呼吸当たりのミリリットル)および吐き出し体積(1呼吸当たりのミリリットル)、呼吸数(1分当たりの呼吸)、分時換気量(1分当たりのリットル)、胸部圧迫速度(1分当たりの圧迫)、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合(胸部圧迫を実施する時間を合計時間で割ったもの)を含む。
【0027】
1つの実施形態では、本デバイスは、高度な臨床医のために、人工呼吸、胸部圧迫、および/またはマスクシールの完全な分析および表示を提供するように構成され得る。分析および表示される例示的な変数は、それに限定されないが、なかでも、呼吸数、一回換気量、分時換気量、吐き出される体積、マスクシールのパーセンテージ(吐き出される体積を一回換気量で割ったもの)、ピーク圧力(呼吸の間の最も高い圧力)、呼気終末陽圧(呼吸間の圧力)、圧力体積ループを含む経時的な圧力および体積のグラフ、胸部圧迫速度、CPR割合、ならびに、胸部圧迫と人工呼吸との同期を含む。そのような実施形態は、肺の病態生理学および心停止に関して高度にトレーニングされた救急医または集中治療医にとって、とりわけ有用であることとなる。
【0028】
別の実施形態では、本デバイスは、情報の集中的な分析および表示を提供するように構成されており、その情報は、重症患者の初期の蘇生の間に最も必要とされ、さまざまな臨床治療提供者によって解釈され得る。分析および表示される変数は、呼吸数、一回換気量、マスクシールのパーセンテージ、および圧迫速度を含むこととなる。また、出力は、臨床ガイドラインに対する報告された変数の順守に基づいて、光、音、および触覚フィードバックを含むことが可能である。たとえば、呼吸数および一回換気量が、二次心臓救命処置に関する米国心臓協会ガイドラインを満たす場合には、緑色の光が、測定および分析デバイスの上に見えることとなる。そのような実施形態は、二次心臓救命処置において認定されていなければならない臨床治療提供者(たとえば、救急医療隊員または看護師など)、および、混沌とした環境において医療ケアを提供する必要のある任意の臨床治療提供者にとって、とりわけ有用であることとなる。
【0029】
別の実施形態において、本デバイスは、最も重要な患者変数(たとえば、分時換気量など)のみについて最小の分析および出力を提供するように構成され得る。たとえば、光、音、および触覚フィードバックの出力は、それらの人工呼吸を加速するかまたは減速する必要性が存在するかどうかを臨床治療提供者に知らせる。そのような実施形態は、二次心臓救命処置において認定されていない臨床治療提供者(たとえば、救急救命士など)、または、重症患者を滅多に治療しない任意の臨床治療提供者(たとえば、透析センター、外来外科手術センター、外来診療所、および歯科医院において働く者など)にとって、理想的であることとなる。
【0030】
さらに別の実施形態において、生のデータのみが提供される。本デバイスは、すべての
臨床データの完全な分析を提供するが、任意の情報を臨床治療提供者に表示しないように構成され得る。その代わりに、この情報は、本デバイスのセンサーコンポーネントからの生の電気的なデータとともに、コンピューターへのワイヤレスまたはワイヤード送信/ダウンロードのためのデバイスの中に記憶される。そのような実施形態は、研究目的およびトレーニング目的のために理想的であることとなり、そこでは、臨床治療提供者の盲検化が望まれ、探索的な分析が後日に完了される可能性がある。
【0031】
コンピュータープロセッサーは、データ収集、データ分析、および出力処理のためのサブルーチンを含むアルゴリズムを記憶するためのストレージ媒体を含むように構成され得る。コンピューターは、スカラー波形(経時的な圧力、体積、および/またはフロー)および圧力体積ループ(任意の所与の吸気および/または呼気周期に関して、圧力対体積)などのような、呼吸波形を報告するように、および/または、これらの波形に基づいて換気をどのように最適化するかについてのリアルタイムフィードバックを提供するように適合され得る。また、コンピュータープロセッサーは、最適な制御された空気の提供のためにオペレーターが従うことができる所定の所望のフロー-時間または圧力-時間関数を提供するように適合され得る。そのようなリアルタイムフィードバックは、たとえば、音響的インジケーター(たとえば、ピッチ、口頭のインストラクション)および/または光インジケーターを含むことが可能である。
【0032】
完全なまたは集中的な分析を提供する実施形態において、コンピュータープロセッサーは、データ収集、データ分析、出力処理およびグラフプロッティングのためのサブルーチンを含む、トリプルスレッディッドアルゴリズム(triple-threaded algorithm)またはより複雑なアルゴリズムを記憶するためのストレージ媒体を含むように構成され得る。
【0033】
コンピュータープロセッサーは、イベント後分析のためにイベントを記憶およびタイムスタンプするように適合され得る。
【0034】
測定および分析デバイスは、他のデバイスとのワイヤレス通信のためのワイヤレス通信デバイス(たとえば、Bluetoothなど)をさらに含むことが可能である。
【0035】
1つの実施形態では、測定および分析デバイスは、胸部圧迫から人工呼吸を差別化するように動作可能である。呼吸周期および心臓周期は、著しく異なる周波数にあるので、それらは、バンドパスフィルタリング、高速フーリエ変換、位相平均化、およびウェーブレット分析などのような、フィルタリング技法によって分離され、人工呼吸に関係する周波数および振幅と胸部圧迫に関係する周波数および振幅との間で分離し、それらの間の位相を決定することが可能である。例示的な周波数は、それに限定されないが、人工呼吸に関して、約10の平均、および、約0~60の範囲にある平均を含み、胸部圧迫に関して、約100の平均、および、約60~160の範囲にある平均を含む。
【0036】
また、上記に列挙されているフィルタリング技法は、呼吸と胸部圧迫との間の位相関係、それらの周波数、および振幅を識別する。測定および分析デバイスは、人工呼吸のタイミング、深さ、および/または持続期間を最適化することによって、人工呼吸と胸部圧迫との間の同期を可能にするように動作可能であり、中断される胸部圧迫技法が使用されるかまたは連続的な胸部圧迫技法が使用されるかにかかわらず、協調的な様式で人工呼吸が供給されることを保証することが可能である。最適化は、周波数および振幅を制御すること、ならびに、2つの間の位相関係を制御することを介して2つを同期させる能力に依存する。
【0037】
測定および分析デバイスは、ベースライン圧力、供給される圧力および吐き出される圧
力、供給体積、ならびに吐き出し体積に基づいて、マウスピースのシール品質を決定し、換気に対する抵抗を結果として生じさせる気道閉塞を決定し、人工呼吸の他の異常を決定するように動作可能であり得る。人工呼吸の他の異常は、気胸または胃への送気である可能性がある。
【0038】
実施形態において、測定および分析デバイスは、胸部圧迫速度、深さ、振幅、呼吸に対するタイミング、割合、ベースライン圧力、供給される圧力および吐き出される圧力、供給体積、吐き出し体積、呼吸数、ならびに分時換気量から選択される1つまたは複数のパラメーターに基づいて、胸部圧迫の品質および人工呼吸の品質を決定するように動作可能である。
【0039】
心停止の間に本デバイスによって収集される生理学的データ(なかでも、呼吸数(1分当たりの呼吸)、一回換気量(1呼吸当たりのミリリットル)、分時換気量(1分当たりのリットル)、吐き出される体積(1呼吸当たりのミリリットル)、ピーク圧力(呼吸の間の最も高い圧力)、呼気終末陽圧(呼吸間の圧力)、ならびに、圧力体積ループを含む経時的な圧力および体積のグラフを含む)は、たとえば、機械的換気器に関する初期設定を通知するなど、心停止後の期間において進行中の換気を通知および最適化するために使用され得る。適用されるパラメーターは、特定の患者の年齢、性別、健康条件に適合され得る。
【0040】
また、制御された人工呼吸によって心肺蘇生(CPR)を施す方法が、本明細書で提供される。実施形態において、方法は、本明細書で開示されているような測定および分析デバイスを含むバッグバルブマスクを提供するステップと、空気流量および圧力を測定するステップと、空気流量および圧力に基づいて1つまたは複数の呼吸パラメーターを評価するステップとを含み、呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合を含む群から選択される。
【0041】
実施形態において、本方法は、信号フィルタリング技法を使用して、胸部圧迫から人工呼吸を差別化し、空気流量および圧力における変化の周波数および振幅を検出するステップと、人工呼吸のタイミング、深さ、および持続期間を最適化することによって、人工呼吸および胸部圧迫を同期させ、中断される胸部圧迫技法が使用されるかまたは連続的な胸部圧迫技法が使用されるかにかかわらず、心臓および肺の機能を最大化する様式で人工呼吸が供給されることを保証するステップとをさらに含み、それによって、人工呼吸が、リアルタイムフィードバックに基づいて供給され、胸部圧迫から供給される空気が、CPRの実施の間に、人工呼吸からの空気から区別され、人工呼吸からの空気と同期させられている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の実施形態による測定および分析システムの概略図である。
図2】バッグバルブマスクに取り付けられている、本発明の実施形態による測定および分析システムの概略図である。
図3】本発明の実施形態による測定および分析システムのコネクターハウジングの例を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態による測定および分析システムを含む換気システムの例を示すブロック図である。
図5】Arduino microおよびディスプレイスクリーンを示す写真である。
図6】Arduino Unoおよびより大型のディスプレイスクリーンを示す写真である。
図7】本発明の実施形態によるアルゴリズムフローを示すフロー図である。
図8】本発明の実施形態によるトリプルスレッディッドアルゴリズムフローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスの実施形態が、本明細書で提供される。本発明の測定および分析デバイスの実施形態は、異なるエンドユーザーの特定の要件を満たす異なる構成を有している。本デバイスは、患者が重病である状況において使用され、したがって、これらの構成は、病院前(prehospital)/EMS環境など
のような資源の限られている状況を含む、急速な時間枠において最適な医療ケアを提供する臨床スタッフの能力に対して重要な意味を有している。本デバイスは、換気が救助者によって支援される任意の臨床シナリオに関して使用され得る。また、本デバイスは、自発的に呼吸する患者の中の呼吸を測定およびモニタリングするために使用され得る。
【0044】
測定および分析デバイス
1つの実施形態では、図1に示されているように、測定および分析デバイス10は、3つのコンポーネント、すなわち、センサー12、プロセッサー14、およびディスプレイ/出力部16を有している。センサーは、センサーハウジングの中に収容され得る。1つの例において、センサー12は、吸気および呼気空気流量の両方を測定するためのエアフローセンサーと、センサーハウジングの圧力を測定するための圧力センサーとを含む。エアフローセンサーおよび圧力センサーは、双方向性であることが可能である。
【0045】
図2は、人工呼吸デバイス20を示しており、人工呼吸デバイス20は、バッグバルブマスクとともに使用される測定および分析デバイス22を含む。図2の人工呼吸デバイス20は、自己膨張式バッグ30、フェイスマスク32を含む。いくつかのバージョンにおいて、人工呼吸デバイスは、マスクならびに測定および分析デバイスのみを含むことが可能である。自己膨張式バッグおよびフェイスマスクは、別個になっていることが可能であり、または、内蔵型になっていることが可能である。フェイスマスクは、測定および分析デバイスがどのように患者に接続するかの単なる1つの例に過ぎない。また、フェイスマスクは、声門上気道、気管内チューブ、または気管切開などのような、代替的な患者インターフェースデバイスであることも可能である。
【0046】
例では、測定および分析デバイスは、センサーデバイス22を含んでおり、センサーデバイス22は、センサーハウジングの中に収容されたフローメーターおよび圧力メーターを含む。フローメーターおよび圧力メーターは、図2において見ることができず、以降で詳細に説明されている。フローメーターおよび圧力メーターは、双方向性であることが可能である。センサーデバイス22は、一方の端部において、フェイスマスク32に接続されており、他方の端部において、ユニバーサルコネクターを介して自己膨張式バッグ30に接続されている。
【0047】
測定および分析デバイス22は、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のためのプロセッサー24をさらに含む。たとえば、プロセッサー24は、フローメーターおよび圧力メーターからデータを受信するように構成され得る。プロセッサー24は、ディスプレイスクリーン26に接続することが可能であり、ディスプレイまたは出力部にデータをエクスポートするように構成され得る。出力は、光、音、または触覚フィードバックを含むことが可能である。プロセッサーは、スタンドアロンであってもよく、または、既存のモニターの中へ一体化され得る。ディスプレイ26は、プロセッサー24に物理的に取り付けられ得、または、プロセッサー24と一体化され得る。図2のプロセッサーおよびディスプレイは、正確な縮尺ではなく、拡大図である。
【0048】
プロセッサー24は、センサーデバイス22に配線され得るか、または、ワイヤレス接続28を介してセンサーデバイス22に通信することが可能である。
【0049】
センサーデバイス22は、呼気終末COモニタリング34のための、ならびに、投薬および吸引36のためのポートを含むことが可能である。センサーデバイス22は、フィルター38をさらに含むことが可能であり、フィルター38は、呼吸器分泌物のフローを遮断する。
【0050】
エアフローメーターは、コンパクトなフローメーターであることが可能である。1つの例において、フローメーターは、図3に示されているように、高圧タップと低圧タップとの間で測定される圧力の差を使用し、流量、体積、および圧力を計算する。別の圧力センサーが、ネック領域の他方の側に追加され、フローの方向をセンシングすることが可能である。
【0051】
別の例では、機械的な呼吸用途の一体化された解決策のために設計されているツーインワンの双方向性エアフローメーターおよび圧力センサー(たとえば、Siargo Ltd.によるモデルFS6122など)が選ばれる。マスフローセンサーは、サーマルフローセンサーであり、サーマルフローセンサーは、小さいヒーターを横切る温度勾配を使用し、いずれかの方向へのマスフローの変化を測定する。サーマルマスフローセンサーは、手動換気を実施するときに存在する非常に低い流量において、非定常の双方向フローを正確に測定することができる。実施形態において、FS6122の中へ組み込まれている圧力センサーは、デバイスの中央からゲージ圧力を測定する微小電気機械的な(MEMS)差圧センサーである。圧力センサーは、さまざまなフロー温度を取り扱うために温度補償される。両方のセンサーの出力は、アナログ電圧である。
【0052】
測定および分析デバイスは、コンパクトであり、システムサイズに対して全体的な変化をほとんど伴わず、バッグとマスクとの間にフィットする。デバイスの中のセンサー性質に起因して、測定は、患者に対して任意の配向でデバイスによって行われ得、それは、臨床的応用を考慮するときに重要である。実施形態において、完全な測定ユニットの応答時間は、5ミリ秒以下、たとえば、2ミリ秒である。両方のセンサーの出力は、アナログ電圧であり、それは、コンパクトなデータ収集、処理、および表示デバイスに送られる。コンパクトなデータ収集デバイスによって受信される電圧信号は、較正されたマップを使用してスケーリングされ、ゲージ圧力およびマスフロー信号を作り出す。上昇トリガーおよび下降トリガーが、吸気および呼気の呼吸へ信号をセグメント化するために使用される。個々の呼吸は、それらの持続期間にわたって積分され、体積ベースの性能数値を作り出す。また、信号は、高速フーリエ変換を使用して分析され、それらのそれぞれの周波数を決定し、人工呼吸から胸部圧迫を分離又は区別することができる。データ収集システムは、重要な変数をリアルタイムで表示し、また、ユーザーを適当な人工呼吸にガイドするために、リアルタイムデータ分析を作り出す。
【0053】
モデルFS6122センサーは、約5ms以下、または、より具体的には、約2msの応答時間を有しており、最大で約500Hzまでのサンプリング周波数を可能にし、それは、関心の呼吸挙動を十分に獲得するためのナイキスト基準を超えている。1msの応答時間は、1000Hzの周波数を可能にすることとなる。この例では、マスフローセンサーおよび圧力センサーは、両方とも、1つのコンパクトなインラインデバイスの中へ組み込まれている。特定の例では、一体化されたセンサーは、約67mm×47mm×31mmを測定する。コンパクトな構成は、バッグバルブマスクアッセンブリの中へこのデバイスを追加することを、より嵩張る測定システムよりもはるかに邪魔にならずに取り扱いやすいものにする。そのうえ、モデルFS6122センサーは、低い電力消費を有する。これは、病院前/EMS環境などのような、資源が限られている状況において重要である。
【0054】
図1に示されているように、プロセッサー14は、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために、センサー12に接続されている。1つの実施形態では、マイクロコンピューター、(たとえば、Raspberry Piなど)が、フローメーターから電圧データを収集するために、および、この電圧データから所望のメトリクスを計算するために選択される。Raspberry Piは、本質的に、デスクトップおよびアプリケーション(コードはそれを通して実行することが可能である)を備えたパーソナルコンピューターのミニバージョンとして作用する。そのような実施形態は、よりロバストなオペレーティングシステムを必要とし、プログラムとのユーザーの相互作用を必要とする特定のアプリケーションに適切である。
【0055】
1つの例において、SDカード(たとえば、32GB以上のSDカード)が、メインストレージデバイスとして使用される。Raspbian(Raspberry Pi財団のオペレーティングシステム)は、Raspberry Piのために選ばれたオペレーティングシステムである。Raspberry Piは、アナログ入力ポートを有していないので、マスフローメーターから来るアナログ電圧信号の使用を可能にするために、アナログ-デジタルコンバーターセットアップが必要とされる。これを達成するために、DAQC2プレートが、Raspberry Piの上にインストールされている。DAQC2は、8つのアナログ入力を取り込み、それらをデジタル信号に変換することができる16ビットのデータ収集および制御ボードである。DAQC2によって提供される1つの機能は、Raspberry Piおよびスモールフォームファクターとのプラグアンドプレイの能力である。実施形態において、データを出力するために選択されるスクリーンは、また、Raspberry Pi対応型のアクセサリーであり、Raspberry
【0056】
Pi対応型のアクセサリーは、単にインストールすることだけを必要とし、正しいドライバーが機能することとなる。実施形態において、スクリーンは、LCFタッチスクリーン、たとえば、Waveshareによる12.7cm(5”)LCDタッチスクリーンなどである。測定および分析デバイスは可動性であるべきであるので、それは、それ自体の電源を運搬しなければならない。再充電可能なバッテリーセルは、全システムに給電する際の使用に適切である。バッテリーセルは、そのコンパクトなサイズに基づいて随意的に選択される。適切な再充電可能なバッテリーセルは、たとえば、Anker A1263を含む。Anker A1263製造業者は、36Whの容量を示しており、それは、バッテリーが再充電されることを必要とする前に、おおよそ5.7時間にわたって稼働することを可能にする。
【0057】
別の実施形態では、プロセッサーは、Arduinoプロセッサーである。3つの異なるArduinoボード(Micro、Uno、およびMega)が選択される。より大きいスクリーンは、MegaまたはUnoのいずれかの上で作動するように選択され、より小さいスクリーンは、microの上で作動するように選択される。また、現在説明されている目的に適切な他のタイプのプロセッサーまたはディスプレイが使用され得る。
【0058】
図5は、より小さいボードを有するArduino Micro、および、2.54cm(1インチ)スクリーンを示している。2.54cm(1インチ)スクリーンは、所望のすべての種類のパラメーターを表示することができない可能性がある。図6は、Arduino Unoボードを示しており、Arduino Unoボードは、Microよりも大きく、それは、より大きい7.112cm(2.8インチ)スクリーンを装着している。定規が、スケールのために並んでいる。
【0059】
Arduinoは、ボードにアップロードするコードを調節する以外に、ユーザーがボードと相互作用するための方式を本来的に有していないという点において、Raspbe
rry Piとは異なって作用する。また、プログラムがアップロードされるときに、それは、Arduinoボードが給電されると、自動的に実行し始めることとなる。したがって、Arduinoマイクロプロセッサーを含む実施形態は、スイッチを入れることだけを必要とする実施形態に関して有用である。デバイスを使用するために、ユーザーは、デバイスの電源をオンにし、デバイスは、即座にデータを収集し始め、出力を提供することとなる。ディスプレイスクリーンは、所望の出力を出力するために使用され得る。ディスプレイスクリーンは、タッチスクリーンであることが可能である。
【0060】
人工呼吸の間の患者の呼吸を分析するために、測定されることとなる基本的な臨床変数が、ピーク圧力、呼吸数、それぞれの呼吸において提供される体積(一回換気量)、および吐き出される体積として識別される。これらの量は、2つの測定可能な変数(空気流量(吸気および呼気の両方)ならびに圧力)から抽出され得る。本デバイスの実施形態を使用して、図4に示されているように、センサー12は、患者インターフェースデバイス18と換気デバイス20との間に接続されている。たとえば、センサーは、双方向性エアフローメーターおよび圧力センサーである。センサーによって測定される空気流量および圧力は、データ収集システム(すなわち、プロセッサー14)によって処理され、処理された関心の変数は、ディスプレイスクリーン16の上に表示される。図2は、スクリーンの上に表示された呼吸パラメーターの例を与え、それは、空気流量および圧力に基づいてプロセッサーによって推定される、ピーク圧力、呼吸数、吐き出される体積、一回換気量、分時換気量、圧迫速度、およびCPR割合を含む。
【0061】
データ分析
1. バッグバルブマスクシールおよび人工呼吸供給を測定する
フェイスマスクを備えた自己膨張式蘇生バッグ(バッグバルブマスク)が、一般に、心停止している患者に人工呼吸を提供するために使用される。マスクの周りの空気漏出および胃への送気(空気が肺の代わりに胃の中へ入る)は、非効果的な人工呼吸を引き起こす可能性があることとなる。
【0062】
本発明の一実施形態において、測定および分析デバイスは、バッグバルブマスクのシール品質を測定するように構成されている。センサー22は、2つの方向への(すなわち、蘇生バッグから患者へ、および、その逆もまた同様)エアフローおよび圧力を測定する。エアフローおよび圧力の測定に基づいて、測定および分析デバイスは、マスクシールの品質、および、肺の中への空気のフローを決定する。たとえば、良好なマスクシールは、大気圧力よりも大きいベースライン圧力をシステムの中に作り出し、肺に供給される空気の体積が、デバイスに戻る空気の体積に等しくなっている。不十分なマスクシールは、一貫性のないベースライン圧力を作り出し、肺に供給されると思われる空気の体積は、戻される空気の体積に等しくならないこととなる。胃への送気または医原性気胸(肺から胸腔へ逃げる空気)は、供給される空気の体積がセンサーに戻される体積よりも大きくなった状態で、一定のベースライン圧力を作り出す。
【0063】
2. 連続的な胸部圧迫から人工呼吸を差別化する
心肺蘇生(CPR)は、血液に酸素を送り込むために人工呼吸を供給すること、および、血液を循環させるための胸部圧迫を必要とする。現在開示されているデバイスは、胸腔の物理的な圧迫によって引き起こされる不注意なエアフローから(それは、心停止蘇生の間に連続的に起こる)、人工呼吸に起因するエアフローを差別化するために使用され得る。
【0064】
本発明の一実施形態において、測定および分析デバイスは、エアフローおよび圧力の変化の周波数および振幅を使用して、胸部圧迫から人工呼吸を差別化するように構成されている。これは、一回換気量(1呼吸当たりのミリリットル)および呼吸数(1分当たりの
呼吸数)などのような、換気パラメーターの正確な測定を可能にする。
【0065】
人工呼吸と胸部圧迫との間の差別化は、それらが非常に異なる周波数で起こるので可能になる。これらの周波数を識別するために、高速フーリエ変換(または、FFT)が実装され得る。FFTは、フローメーターからの生の電圧信号を分析し、異なる周波数にある2つの規則的に起こる変動の存在を識別する。人工呼吸からのフローは、より低い周波数にあり(1ヘルツ未満の分数)、胸部圧迫からのフローは、より高い周波数にある(1~2ヘルツ)。FFTからの出力は、これらの2つの周波数のそれぞれにおける変動の振幅であり、これらの周波数のそれぞれにおいて生の信号をバンドパスフィルター処理するためにその後に使用され、適用される呼吸および胸部圧迫の2つの別個の時間トレースを取得する。出力に基づいて、いくつかの重要なパラメーターは、決定および表示され得、それは、患者に施される呼吸および胸部圧迫の速度、これらのコンポーネントのそれぞれにおける流量、それらの間の相対位相、それらのデユーティーサイクル、および信号形状を含む。
【0066】
3. 人工呼吸および胸部圧迫を同期させる
米国心臓協会の心停止ガイドラインは、毎分8回から10回の速度で人工呼吸を実施すること、および、毎分100回から120回の速度で胸部圧迫を実施することを推奨している。バッグバルブマスクを使用しているときに、人工呼吸を施すために胸部圧迫が一時的に中断されるべきであるかどうかについての重大な議論が存在している。ガイドラインは、中断される心肺蘇生を実施するときには、30回の圧迫の後に2回の呼吸が続くことを推奨している。患者の喉の中に高度の気道が確保された後に(気管内チューブまたは声門上気道デバイス)、ガイドラインは、連続的な胸部圧迫および人工呼吸を実施することを推奨している。
【0067】
本発明の一実施形態において、本発明の測定および分析デバイスは、胸部圧迫と人工呼吸との間の同期を査定するように構成されている。本発明の測定および分析デバイスは、胸部圧迫および人工呼吸の両方を検出することができ、それは、心肺蘇生の2つの半分部分の同期を可能にする。人工呼吸のタイミング、深さ、および持続期間を最適化することによって、本デバイスは、中断される技法に従うかまたは連続的な技法に従うかにかかわらず、心臓および肺の機能を最大化する協調的で有効な様式で人工呼吸が供給されることを保証することが可能である。これは、心肺蘇生の包括的な秒単位の分析を可能にする。
【0068】
4. 胸部圧迫品質を測定する
上記に説明されている速度目標に加えて、ガイドラインは、胸部圧迫が、5.08cm(2インチ)から6.35cm(2.5インチ)の深さにおいて、60~80%の圧迫割合(胸部圧迫を実施する時間を合計時間で割ったもの)によって最小限に中断され、圧迫と圧迫との間で100%解放され、完全に胸郭が跳ね返って戻ることを可能にすることを推奨している。
【0069】
本デバイスは、エアフローおよび圧力を使用して、胸部圧迫速度および胸部圧迫割合を測定することができる。加えて、治療を行う臨床医による2分間の高強度の作業の後に、品質が悪化することが多い。本デバイスは、たとえば、胸部圧迫波形の振幅の変化を測定することによって、胸部圧迫の相対的な深さを査定するように構成され得る。本デバイスは、人工呼吸および胸部圧迫の両方を測定するように構成されている。これは、米国心臓協会によって設定される蘇生ターゲットに関してリアルタイムフィードバックを依然として提供しながら、複雑な蘇生のロジスティクスを簡単化する。
【0070】
5. 機械的な換気に関する初期設定をガイドする
心停止患者に関する臨床ケアの初期の目標は、自発循環の回復(本来の心臓機能の回復
)を実現することである。心停止後の患者は、昏睡状態にあり、自力で呼吸していないことが多い。そうであるので、これらの患者は、病院に入ると、機械的換気器を装着される。機械的換気器は、胸部圧迫によって引き起こされる高いピーク気道圧力に起因して、心停止の間に使用されることができず、機械的換気器の大きさ、重量、複雑さ、およびコストは、病院前環境では禁止的なものである(prohibitive)。
【0071】
心停止後の機械的な換気のための初期設定は、ヒューリスティック(heuristics)のみに基づいており、それは、再心停止を結果として生じさせる可能性があり、入院数時間後に集中治療室によって保持されることが多い。動脈血液ガス分析は、結果が出るまで1時間以上かかる可能性があり、換気器設定を直接的に通知しない。
【0072】
1つの実施形態では、本デバイスは、機械的換気器を設定するために必要とされる換気パラメーターを測定するように構成されている。心停止の間に本デバイスによって収集される生理学的データ(呼吸数(1分当たりの呼吸)、一回換気量(1呼吸当たりのミリリットル)、分時換気量(1分当たりのリットル)、吐き出される体積(1呼吸当たりのミリリットル)、ピーク圧力(呼吸の間の最も高い圧力)、呼気終末陽圧(呼吸間の圧力)を含む)、ならびに、経時的な圧力および体積のグラフ(なかでも、圧力体積ループを含む)は、心停止後の期間において進行中の換気を通知および最適化するために使用され得る。
【0073】
6. 現在および新規の米国心臓協会ガイドライン
米国心臓協会の心停止ガイドラインは、それぞれの呼吸が1秒にわたって供給される状態で、および、最小の胸部上昇を作り出す一回換気量によって、毎分8回から10回の速度で人工呼吸が供給されることを推奨している。
【0074】
本発明の一実施形態において、測定および分析デバイスは、人工呼吸の供給速度、人工呼吸の持続期間、一回換気量を含むメトリクスを決定するように構成されており、それによって、臨床診療およびトレーニングシミュレーションの両方において、臨床医がガイドラインをどれくらい忠実に守っているかについてのリアルタイムフィードバックを臨床医に提供する。また、これらのメトリクスは、「高品質の人工呼吸」の全体的な測定値を作り出すように組み合わせられ得、「高品質の人工呼吸」は、光、音、および/または触覚フィードバックを介して、どのように改善するかについての特定のフィードバックとともに臨床医に報告される。加えて、任意の所望の換気パラメーターの測定に基づいて、生存に関連付けられる新規の呼吸メトリクスが発見され得、新しい心停止ガイドラインの生成が促進される可能性がある。たとえば、理想体重の1kg当たり6mLの低い一回換気量戦略は、急性呼吸窮迫症候群を患う患者の生存率を改善することが示されており、心停止に関する合理的なターゲットである可能性がある。
【0075】
コアアーキテクチャー
本デバイスのプロセッサーは、以下のステップを実行するように構成されている:
・ マスフローメーターからアナログ電圧信号を取り込む
・ ランダムノイズを除去し(平滑化する)、信号/ノイズ比を改善する
・ マス流量(L/min)に対して電圧をスケーリングする
・ 空気供給スタートおよびストップを識別する
・ 吐き出しスタートおよびストップを識別する
・ 供給体積を計算する
・ 吐き出し体積を計算する
・ 移動平均呼吸周波数を計算する
・ 供給される体積の複数の呼吸平均を計算する(すなわち、分時換気量)
・ 圧力センサーからアナログ電圧信号を取り込む
・ 圧力(cmH20)に対して電圧をスケーリングする
【0076】
これらのステップのフロー図の例が、図7に示されている。マス流量および圧力に基づいて、ピーク圧力、呼吸数、吐き出される体積、および一回換気量などのような、臨床変数が決定され得る。また、分時換気量、圧迫速度、およびCPR割合などのような、追加的な臨床変数が計算され得る。
【0077】
1つの実施形態では、プロセッサーは、リアルタイムプロットを提供するように構成されている。このアルゴリズムの構造は、2つの並列サブルーチンへとスプリットされるデータ収集および処理タスクと並んで、メインループの中にリアルタイムプロッティングルーチンを追加する。3つのルーチンが、この特定のコードのバージョンに関して並列に実行される。このアーキテクチャーに関するフロー図の例が、図8に示されている。基本的な積分アルゴリズムが、供給および吐き出される体積をコンピューター計算するために使用される。この積分は、長方形ルールに基づいている。積分精度を向上させるために、さらなる強化が行われ得る。次の関数は、平滑化関数であり、平滑化関数に関して、移動平均方法が、信号ノイズを低減させるために選択された。リアルタイム高速フーリエ変換を使用して、コードは、リアルタイムおよびユーザー設定移動平均の両方において、呼吸数を検出することもできる。呼吸数に加えて、このFFTは、バンドパスフィルタリングとして知られる信号フィルタリング技法を使用して、胸部圧迫と呼吸数との間の差別化を可能にする。メインスクリプトの中で呼ばれる最後のメイン関数は、測定および分析デバイスを通して空気の最後の供給または最後の吐き出しを検出するためのトリガー関数である。測定および分析デバイスを通して空気の最後の供給または最後の吐き出しを検出するために、関数は、リアルタイムでデータをスキャンする。それがユーザー設定閾値を上回る値を検出すると、それは、そのタイムスタンプを新しいリストに追加し、値が閾値を下回ることが見出されるまで、リアルタイムでスキャンする。これらの2つの時点の間のデータポイントは、次いで、供給または吐き出される体積を取得するために積分される。閾値は、ユーザー入力として定義され得、供給および吐き出しの検出を保証するようになっている。また、閾値は、以前のテスト結果に基づいて、コードによって設定され得る。また、データ収集からのデータは、使用後にエクスポートおよびさらなる分析のために、メモリーの中のテキストファイルに書き込まれる。
【0078】
図7および図8に説明されているアルゴリズムは、限定的であることを意味しておらず、本デバイスの機能を説明するために使用される単なる例であるということに留意されたい。説明されているものは、異なるアルゴリズムによっても実現され得る。
【0079】
当業者に明確になることとなるように、本明細書で図示および議論されている本発明の実施形態は、本発明の範囲または教示から逸脱することなく、さまざまな方式で変更され得る。また、1つの実施形態のエレメントおよび態様は、別の実施形態のエレメントおよび態様と組み合わせられ得る。本発明の範囲を定義するものは、すべての均等物を含む、以下の特許請求の範囲である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の換気のための換気システムであって、
前記患者に取り付けるための患者インターフェースデバイスと、
前記患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスであって、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、前記患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性のエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性の圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと、
前記データ出力を出力するように構成されている出力デバイスと、を含む測定および分析デバイスと、
前記患者に人工呼吸を供給するための手動呼吸供給デバイスであって、前記コネクターハウジングの第2の部分に接続されている手動呼吸供給デバイスと、
を含み、
前記プロセッサーは、前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を解析して、(1)前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を高速フーリエ変換(FFT)して、前記人工呼吸に対応する第1周波数、及び胸部圧迫に対応する第2周波数を特定し、(2)前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を前記第1周波数及び前記第2周波数の各々でバンドパスフィルタリングし、前記人工呼吸及び前記胸部圧迫の各々の別個の時間トレースを取得することにより、前記患者に投与される胸部圧迫から前記患者に投与される人工呼吸を差別化し、
記換気システムは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、換気システム。
【請求項2】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、フェイスマスクであり、前記手動呼吸供給デバイスは、自己膨張式バッグである、換気システム。
【請求項3】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記出力デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイである、換気システム。
【請求項4】
請求項に記載の換気システムにおいて、前記ディスプレイは、モニターである、換気システム。
【請求項5】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記プロセッサーは、イベント後分析のためにイベントにタイムスタンプするように構成されている、換気システム。
【請求項6】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、吸引すること、投薬すること、または呼気終末COをモニタリングすることのための1又は複数のインラインポートをさらに含む、換気システム。
【請求項7】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、心停止蘇生の間に使用される、換気システム。
【請求項8】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記人工呼吸が、前記胸部圧迫と協調的な様式で供給されるように、前記時間トレースに基づいて、前記人工呼吸のタイミング、深さ、および持続期間を調節することによって、前記人工呼吸と胸部圧迫との間の位相関係の制御を可能にするように動作可能である、換気システム。
【請求項9】
請求項に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するように動作可能であり、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、換気システム。
【請求項10】
請求項に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、気道閉塞および人工呼吸の他の異常を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項11】
請求項に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、前記患者インターフェースデバイスのシール品質を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項12】
請求項に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合に基づいて、胸部圧迫の品質を決定するように動作可能である、換気システム。
【請求項13】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、人工呼吸を供給するために使用されるフェイスマスク、声門上気道、気管内チューブ、気管切開チューブ、または、他のデバイスのためのマウスピースである、換気システム。
【請求項14】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、プラグアンドプレイ構成を含む、換気システム。
【請求項15】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、使い捨てのものである、換気システム。
【請求項16】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、前記エアフローセンサーおよび前記圧力センサーの上の呼吸器分泌物を濾過するためのフィルターまたはトラップをさらに含む、換気システム。
【請求項17】
請求項1に記載の換気システムにおいて、前記エアフローセンサーおよび前記圧力センサーは、ワイヤレス接続を介して前記プロセッサーと通信する、換気システム。
【請求項18】
者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスであって、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性のエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性の圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと
を含み、
前記プロセッサーは、前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を解析して、(1)前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を高速フーリエ変換(FFT)して、前記人工呼吸に対応する第1周波数、及び胸部圧迫に対応する第2周波数を特定し、(2)前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を前記第1周波数及び前記第2周波数の各々でバンドパスフィルタリングし、前記人工呼吸及び前記胸部圧迫の各々の別個の時間トレースを取得することにより、前記患者に投与される胸部圧迫から前記患者に投与される人工呼吸を差別化し、
前記測定および分析デバイスは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、測定および分析デバイス。
【請求項19】
請求項18に記載の測定および分析デバイスであって、前記測定および分析デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイをさらに含む、測定および分析デバイス。
【請求項20】
患者の呼吸パラメーターを決定する方法であって、前記方法は、
手動呼吸供給デバイス、患者インターフェースデバイス、および測定および分析デバイスを有する手動換気デバイスを提供するステップであって、前記測定および分析デバイスは、
可撓性の自己膨張式空気チャンバーとマウスピースとの間を接続するためのコネクターハウジングであって、通路を画定している、コネクターハウジング、
前記可撓性の自己膨張式空気チャンバーを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性のエアフローセンサー、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている双方向性の圧力センサー、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、呼吸パラメーターのデータ収集、データストレージ、および計算を行うためのプロセッサー、ならびに、
リアルタイムフィードバックを提供するためにコンピューターに取り付けられている出力部
を含む、ステップと、
前記エアフローセンサーおよび前記圧力センサーを使用して前記空気流量および前記圧力を測定するステップと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するステップであって、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、ステップと、
前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を高速フーリエ変換(FFT)して、前記人工呼吸に対応する第1周波数、及び胸部圧迫に対応する第2周波数を特定する、ステップと、
前記エアフローセンサー及び/又は前記圧力センサーからの信号を前記第1周波数及び前記第2周波数の各々でバンドパスフィルタリングし、前記人工呼吸及び前記胸部圧迫の各々の別個の時間トレースを取得することにより、胸部圧迫から人工呼吸を差別化する、ステップと、
前記出力部に出力信号として前記呼吸パラメーターを出力するステップと
を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記出力信号は、視覚的、聴覚的、または触覚的である、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、出力する前記ステップは、呼吸波形の表示を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
当業者に明確になることとなるように、本明細書で図示および議論されている本発明の実施形態は、本発明の範囲または教示から逸脱することなく、さまざまな方式で変更され得る。また、1つの実施形態のエレメントおよび態様は、別の実施形態のエレメントおよび態様と組み合わせられ得る。本発明の範囲を定義するものは、すべての均等物を含む、
以下の特許請求の範囲である。
<付記>
[形態1]
患者の換気のための換気システムであって、
前記患者に取り付けるための患者インターフェースデバイスと、
前記患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスと
を含み、前記測定および分析デバイスは、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、前記患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと、
前記データ出力を出力するように構成されている出力デバイスと
を含み、
それによって、前記換気システムは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、換気システム。
[形態2]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、前記患者に呼吸を供給するための手動呼吸供給デバイスをさらに含み、前記手動呼吸供給デバイスは、前記コネクターハウジングの第2の部分に接続されている、換気システム。
[形態3]
形態2に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、フェイスマスクであり、前記手動呼吸供給デバイスは、自己膨張式バッグである、換気システム。
[形態4]
形態1から3のいずれか一項に記載の換気システムにおいて、前記出力デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイである、換気システム。
[形態5]
形態4に記載の換気システムにおいて、前記ディスプレイは、既存のモニターの中へ一体化されている、換気システム。
[形態6]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、自発的に呼吸する患者に接続されている、換気システム。
[形態7]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記プロセッサーは、イベント後分析のためにイベントにタイムスタンプするように構成されている、換気システム。
[形態8]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、吸引、投薬、または呼気終末CO のためのインラインポートをさらに含む、換気システム。
[形態9]
形態3に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、心肺蘇生(CPR)において使用され、前記心肺蘇生(CPR)は、血液に酸素を送り込むための人工呼吸と、前記血液を循環させるための胸部圧迫とを供給することを含み、前記測定および分析デバイスは、信号フィルタリング技法を使用して、前記胸部圧迫から前記人工呼吸を差別化するように動作可能であり、前記人工呼吸に起因するエアフローに関係する前記空気流量および前記圧力における変化の周波数および振幅を、前記胸部圧迫によって引き起こされる不注意なエアフローから分離する、換気システム。
[形態10]
形態9に記載の換気システムにおいて、前記信号フィルタリング技法は、バンドパスフィルタリング、高速フーリエ変換、位相平均化、およびウェーブレット分析からなる群から選択される、換気システム。
[形態11]
形態9に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、心停止蘇生の間に使用される、換気システム。
[形態12]
形態9に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記空気流量および前記圧力における変化の前記周波数および前記振幅に基づいて、前記人工呼吸のタイミング、深さ、および持続期間を調節することによって、前記人工呼吸と胸部圧迫との間の同期を可能にするように動作可能であり、前記人工呼吸が、前記胸部圧迫と協調的な様式で供給されるようになっている、換気システム。
[形態13]
形態3に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するように動作可能であり、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、換気システム。
[形態14]
形態13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、気道閉塞および人工呼吸の他の異常を決定するように動作可能である、換気システム。
[形態15]
形態13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記ベースライン圧力、一回換気量、および吐き出し体積に基づいて、前記患者インターフェースデバイスのシール品質を決定するように動作可能である、換気システム。
[形態16]
形態13に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、前記胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合に基づいて、胸部圧迫の品質を決定するように動作可能である、換気システム。
[形態17]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記患者インターフェースデバイスは、人工呼吸を供給するために使用されるフェイスマスク、声門上気道、気管内チューブ、気管切開チューブ、または、他のデバイスのためのマウスピースである、換気システム。
[形態18]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、プラグアンドプレイ構成を含む、換気システム。
[形態19]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記測定および分析デバイスは、使い捨てのものである、換気システム。
[形態20]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記換気システムは、前記エアフローセンサーおよび前記圧力センサーの上の呼吸器分泌物を濾過するためのフィルターまたはトラップをさらに含む、換気システム。
[形態21]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記プロセッサーは、前記測定および分析デバイスの中へ組み込まれている、換気システム。
[形態22]
形態1に記載の換気システムにおいて、前記エアフローセンサーおよび圧力センサーは、ワイヤレス接続を介して前記プロセッサーと通信する、換気システム。
[形態23]
前記患者の呼吸を測定および分析するための測定および分析デバイスであって、
通路を画定するコネクターハウジングであって、前記コネクターハウジングの第1の部分は、患者インターフェースデバイスに接続されている、コネクターハウジングと、
前記コネクターハウジングを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローセンサーと、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサーと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、データ収集、データストレージ、データ処理、およびデータ出力のために構成されているプロセッサーと
を含み、
それによって、前記換気システムは、前記プロセッサーからのデータ出力に基づいてリアルタイムフィードバックによって動作可能である、測定および分析デバイス。
[形態24]
形態23に記載の測定および分析デバイスであって、前記測定および分析デバイスは、前記データ出力を表示するために前記プロセッサーに取り付けられているディスプレイをさらに含む、測定および分析デバイス。
[形態25]
心肺蘇生(CPR)を施すための方法であって、前記方法は、
手動呼吸供給デバイス、患者インターフェースデバイス、および測定および分析デバイスを有する手動換気デバイスを提供するステップであって、前記測定および分析デバイスは、
可撓性の自己膨張式空気チャンバーとマウスピースとの間を接続するためのコネクターハウジングであって、通路を画定している、コネクターハウジング、
前記可撓性の自己膨張式空気チャンバーを通る空気流量を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されているエアフローメーター、
前記コネクターハウジングの中の圧力を測定するために前記コネクターハウジングの中に配設されている圧力センサー、
前記空気流量および前記圧力に基づいて、呼吸パラメーターのデータ収集、データストレージ、および計算を行うためのプロセッサー、ならびに、
リアルタイムフィードバックを提供するためにコンピューターに取り付けられている出力部
を含む、ステップと、
前記エアフローメーターおよび圧力センサーを使用して前記空気流量および前記圧力を測定するステップと、
前記空気流量および前記圧力に基づいて呼吸パラメーターを評価するステップであって、前記呼吸パラメーターは、ベースライン圧力、ピーク圧力、一回換気量、および吐き出し体積、呼吸数、分時換気量、胸部圧迫速度、胸部圧迫深さ、および胸部圧迫割合からなる群から選択される、ステップと、
前記出力部に出力信号として前記呼吸パラメーターを出力するステップと
を含む、方法。
[形態26]
形態25に記載の方法において、前記出力信号は、視覚的、聴覚的、または触覚的である、方法。
[形態27]
形態25に記載の方法において、前記方法は、信号フィルタリング技法を使用して、胸部圧迫から人工呼吸を差別化し、前記空気流量および圧力における変化の周波数および振幅を検出するステップをさらに含む、方法。
[形態28]
形態25に記載の方法において、前記方法は、前記人工呼吸の前記タイミング、深さ、および持続期間を最適化することによって、前記人工呼吸および前記胸部圧迫を同期させ、中断される胸部圧迫技法が使用されるかまたは連続的な胸部圧迫技法が使用されるかにかかわらず、心臓および肺の機能を最大化する前記胸部圧迫との協調的な様式で前記人工呼吸が供給されることを保証するステップをさらに含む、方法。
[形態29]
形態25に記載の方法において、前記方法は、初期の換気器設定をガイドするために前記呼吸パラメーターを使用することをさらに含む、方法。
[形態30]
形態25に記載の方法において、出力する前記ステップは、呼吸波形の表示を含む、方法。
【外国語明細書】