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▶ ウニベルシタット チューリッヒの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153726
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】左心耳閉鎖デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20241022BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20241022BHJP
【FI】
A61B17/12
A61M25/10
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117806
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2022519406の分割
【原出願日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/906,393
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522119101
【氏名又は名称】ウニベルシタット チューリッヒ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ,ボアズ
(72)【発明者】
【氏名】グイドッティ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】マイサーノ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】トッチ,モニカ
(72)【発明者】
【氏名】ステフォプロス,ジョルジオス
(72)【発明者】
【氏名】ゴッツォリ,ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】ビンセンティーニ,ルカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】左心耳を閉鎖するための閉鎖デバイスを提供する。
【解決手段】左心耳を閉鎖するための閉鎖デバイス(210)であって、液密バルーンチャンバー(232)を規定するコンプライアントなバルーン(230)と、バルーン(230)の遠位端部分および近位端部分(236)の間の距離を設定するために少なくとも部分的にバルーンチャンバー(232)内に配置された作動シャフト(234)と、を含む、閉鎖デバイス(210)が提供される。近位LAA-オリフィスカバー(70)は、フレーム(72)およびフレーム(72)に固定されたカバー(74)を含む。オリフィス支持ステント(290)は、近位LAA-オリフィスカバー(70)に固定され、近位LAA-オリフィスカバー(70)から遠位に延び、半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である。他の実施形態も記載されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、前記閉鎖デバイスは送達システムとともに使用するためのものであり、前記閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)前記バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)前記バルーンの遠位端部分に接続され、(c)前記バルーンの前記遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、前記バルーンの前記近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成され、前記ロック状態にあるとき、前記バルーンの前記遠位端部分と前記バルーンの前記近位端部分との間に、前記作動シャフトを使用して設定された距離を維持するように構成される、ロック機構と、
弁と、を含み、
前記閉鎖デバイスは、前記作動シャフトの部分に沿った流体流路を規定するように形作られており、
前記弁は、前記弁がそれぞれ開状態および閉状態にあるときに、前記流体流路と前記バルーンチャンバーとの間の流体の流れを選択的に許可または遮断するように構成されており、
前記閉鎖デバイスは、前記作動シャフトの近位方向の長手方向の動きによって、
(a)前記バルーンの前記遠位端部分と前記近位端部分との間の第1の所定の距離への前記距離の減少が、前記弁を自動的に前記開状態から前記閉状態に移行させ、
(b)前記バルーンの前記遠位端部分と前記近位端部分との間の第2の所定の距離への前記距離の減少が、前記ロック機構を前記ロック解除状態から前記ロック状態に自動的に移行させるように、構成されている、閉鎖デバイス。
【請求項2】
前記第1の所定の距離が前記第2の所定の距離と等しくない、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項3】
前記第1の所定の距離が前記第2の所定の距離よりも短い、請求項2に記載の閉鎖デバイス。
【請求項4】
前記第1の所定の距離が前記第2の所定の距離に等しい、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項5】
前記閉鎖デバイスは、前記送達システムに解放可能に接続されるように構成されており、前記閉鎖デバイスは、前記閉鎖デバイスが前記送達システムに解放可能に接続されるとき前記流体流路が前記送達システムと流体連通して結合されるように、構成されている、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項6】
前記閉鎖デバイスは、前記バルーンの前記遠位端部分に配置された遠位先端をさらに含み、前記作動シャフトは前記遠位先端に接続されている、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項7】
前記作動シャフトが、前記バルーンの前記遠位端部分に配置された遠位先端を少なくとも部分的に規定するように形作られている、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項8】
前記閉鎖デバイスは、前記バルーンの前記近位端部分に配置された近位基部をさらに含み、前記作動シャフトは、前記近位基部に対して移動可能である、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項9】
前記作動シャフトは、ガイドワイヤをその中にスライド可能に受け入れるためのガイドワイヤ管腔を規定するように形作られている、ガイドワイヤとともに使用するための、請求項1に記載の閉鎖デバイス。
【請求項10】
前記閉鎖デバイスが、前記作動シャフトの前記部分に沿った前記流体流路を規定するように形作られている、請求項1~9のいずれか一項に記載の閉鎖デバイス。
【請求項11】
前記弁が前記作動シャフトに沿って配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の閉鎖デバイス。
【請求項12】
前記閉鎖デバイスは、前記バルーンの前記近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含み、前記作動シャフトが、前記近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の閉鎖デバイス。
【請求項13】
前記閉鎖デバイスは、半径方向で前記作動シャフトの外面と前記近位チューブの内面との間に前記作動シャフトの前記部分に沿って前記流体流路を規定するように形作られている、請求項12に記載の閉鎖デバイス。
【請求項14】
前記弁が前記作動シャフトに沿って配置されている、請求項13に記載の閉鎖デバイス。
【請求項15】
前記弁が、前記作動シャフトの前記外面の少なくとも部分の周りにシールを含み、前記弁は、前記シールが前記近位チューブに対して1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき開状態を占め、前記シールが前記近位チューブに対して1つ以上の第2の軸方向位置に配置されるとき閉状態を占めるように構成され、前記1つ以上の第2の軸方向位置は前記1つ以上の第1の軸方向位置の近位にある、請求項14に記載の閉鎖デバイス。
【請求項16】
前記シール、前記作動シャフト、および前記近位チューブが、少なくとも前記シールが前記近位チューブに対して前記1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき前記近位チューブの遠位端からの流体流を遮断するように配列されている、請求項15に記載の閉鎖デバイス。
【請求項17】
前記近位チューブの壁が、前記壁を通る1つ以上のタブを規定するように形作られ、前記1つ以上のタブが半径方向内側に屈曲するようにバイアスされ、前記弁が前記開状態にあるとき、前記流体流路は、前記1つ以上のタブのそれぞれの近位端と、前記1つ以上のタブに軸方向に隣接する前記壁のタブのない部分との間で前記壁を通過する、請求項13に記載の閉鎖デバイス。
【請求項18】
前記壁の前記タブのない部分が、前記1つ以上のタブの近位に配置されている、請求項17に記載の閉鎖デバイス。
【請求項19】
前記作動シャフトの前記外面が、前記作動シャフトの少なくとも部分の周りに1つ以上の突起を規定するように形作られ、前記1つ以上のタブの前記近位端は、前記1つ以上の突起が前記1つ以上のタブの前記近位端の近位に配置されたときに前記1つ以上の突起の遠位移動を防ぎ、それによって前記ロック機構が前記ロック状態を占めるように形作られている、請求項16に記載の閉鎖デバイス。
【請求項20】
前記閉鎖デバイスは、前記閉鎖デバイスを前記送達システムの対応して構成された遠位コネクタに解放可能に接続するように構成されている近位コネクタをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の閉鎖デバイス。
【請求項21】
請求項1~9のいずれか一項に記載の閉鎖デバイスを含む閉鎖システムであって、前記閉鎖システムは、ガイドワイヤとともに使用するためのものであり、前記ガイドワイヤと協働する前記送達システムをさらに含み、前記送達システムは、操作ハンドルに接続されたインプラントカテーテルを含み、前記インプラントカテーテルは、前記ガイドワイヤのための長手方向通路と、前記インプラントカテーテルを前記閉鎖デバイスの対応して構成された近位コネクタに解放可能に接続するための遠位コネクタと、前記閉鎖デバイスの前記流体流路に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルとを含む、閉鎖システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、2019年9月26日に出願された米国仮出願62/906,393号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、左心耳を閉鎖するための閉鎖デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
左心耳(LAA)は、心臓の左心房に存在する空洞である。心房細動の患者では、この空洞内の血液の通過と安定が血栓形成を引き起こす可能性があり、これは脳卒中のリスクを高める。経皮的LAA閉鎖は、心房細動の患者の脳卒中を予防するための治療法である。LAA閉鎖は、経口抗凝固療法の代替として、または経口抗凝固療法と組み合わせて使用される。LAA閉鎖は良好な臨床転帰をもたらすが、市販のデバイスは通常、自己拡張可能であり、LAAの解剖学的構造に適応するように設計されていないため、合併症や次善の転帰をもたらすことがある。これらの環境では、現在利用可能な閉鎖デバイスのいくつかは、欠陥に対するデバイスの適応性の低さ(適合性の欠如)および(高流量環境による)デバイス内のシーリングの欠如によって制限される。
【0004】
Maisano他への国際公開第2019/057950号は、心臓血管異常または医療デバイスと隣接する体組織との間のギャップを閉鎖するための閉鎖栓デバイスであって、液密なバルーンチャンバーを規定し、かつバルーンの近位側から遠位側への長手方向通路を形成するバルーンチャネルが設けられたコンプライアントなバルーンと、バルーンの遠位側に配置された先端要素と、バルーンの近位側に配置された基部要素と、先端要素および基部要素に取り付けられた少なくとも1つの接続ストラットを含む接続手段と、を含み、先端要素および基部要素はそれぞれ、デバイス用のガイドワイヤをその中にスライド可能に受け入れるための、バルーンチャネルに対して実質的に同軸のガイド開口を有し、細長い作動手段であって、バルーンチャネルに長手方向にスライド可能に配置され、先端要素に解放可能に接続可能でありかつ基部要素に対して長手方向にスライド可能な、細長い作動手段と、先端要素と基部要素との間の所定の距離を維持するためのロッキング手段と、カテーテルデバイスの対応して構成された遠位コネクタ手段に閉鎖栓デバイスを解放可能に接続するための近位コネクタ手段と、を含む、閉鎖栓デバイスを記載している。バルーンは、バルーンチャンバーに流体を充填し、かつバルーンチャンバーから流体を抜き取るための流体ポートを含む。閉鎖栓システムは、閉鎖栓デバイスおよびそれと協働するカテーテルデバイスを含む。
【0005】
VanTasselらの米国特許第6,652,556号は、患者の左心耳の口を横切って恒久的に配置するための装置を記載しており、これは、左心耳の口を横切って延びるように構成された濾過膜を含む。濾過膜は、血液が流れることを可能にするが、血栓がそこを通過するのを実質的に阻害する透過性構造を有する。この装置はまた、左心耳の内壁に恒久的に係合するために、長手方向軸に対して半径方向外向きに拡張可能な複数のフィンガを含む支持構造を含む。濾過膜は、左心耳の口を横切って延びる支持構造に取り付けられている。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、左心耳(LAA)を機械的に閉鎖するための閉鎖デバイスを提供する。閉鎖デバイスは、液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーン、および(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトを含む。閉鎖デバイスはまた、バルーンチャンバーの膨張後に閉じることができる弁を含む。
【0007】
任意選択でそのストラットの塑性変形を含む、閉鎖デバイスの形状およびコンプライアント性は、閉鎖デバイスの固定およびLAAのシーリングを可能にすると同時に、LAAの幾何学的属性への適合および適応を可能にし、それによって、LAAの特定の形態タイプに関係なくLAAの空間を少なくともある程度充填する。
【0008】
さらに、LAAへのオーバー・ザ・ワイヤ係合、展開中の閉鎖デバイスの長さと向きの調整、および生理食塩水または別の充填液によるバルーンチャンバーの膨張を可能にするデリバリーシステムが提供される。
【0009】
本明細書に記載の閉鎖デバイスは、長手方向に伸ばされ、全体的または部分的に圧縮された状態でLAAに送達されるように設計されている。送達後、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーを膨張させ、バルーンの近位端部分と遠位端部分との間に配列されたストラットの長手方向の寸法を短くすることによって、定着ゾーンの解剖学的構造に適応させられる。膨張による内圧の影響下で、バルーンチャンバーは特定の体積を占め、これにより、特定の長手方向のバルーン寸法に対して、特定の横方向または半径方向の寸法が得られ、バルーンとLAAの隣接する解剖学的構造との間に良好なシールが提供される。バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の異なる距離を選択することによって、バルーンの長手方向の寸法を変更すると、バルーンの半径方向または横方向の延びの対応する変化が生じる。言い換えれば、バルーンの遠位端部分と近位端部分の間の距離を短くすると、他の点では一定の条件下で、半径方向または横方向の延びが対応して増加し、LAAの隣接組織とのシールが改善され、望ましくない血液の通過が抑制される。バルーンが必ずしも対称であるとは限らないため、および/またはバルーンが横方向に拡張される解剖学的構造が非対称のバルーン拡張を引き起こし得るため、バルーンの横方向の延びは必ずしも対称ではない。半径方向または横方向の拡張は、それらの範囲内に、バルーンの長手方向軸に対して概して垂直な1つ以上の方向を一緒に含む。
【0010】
本開示の文脈において、「遠位」および「近位」という用語は、経皮的心臓血管デバイスの分野におけるそれらの標準的な意味に従って使用される。「近位」という用語は、経皮送達中に送達カテーテルを追跡するときに、ユーザーによる操作のために構成されているカテーテルの端部(例えば、医師によって操作されるカテーテルハンドル)に近い、デバイスアセンブリの構成要素を指す。「遠位」という用語は、ユーザーによる操作のために構成されたカテーテルの端部からより離れている、かつ/または患者の体内により遠くに挿入されるデバイスアセンブリの構成要素を指すために使用される。
【0011】
バルーンまたは構造部品に関連して本明細書で使用される「コンプライアント」という用語は、加えられた力に実質的に従う変形可能性を意味する。したがって、「コンプライアントなバルーン」とは、特定の破裂圧力を超えない限り、半径方向の圧力を増加させる効果の下で漸進的に膨張するバルーンを意味する。
【0012】
本明細書で使用される場合、「ストラット」という用語は、形成することができる細長い構造要素、例えば、細いワイヤ、ロッド、または厚肉の管を意味し、これらはすべて、必ずしも円形の断面を有するとは限らない。
【0013】
したがって、本発明の発明概念1に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、閉鎖デバイスは、送達システムとともに使用するためのものであり、閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
(a)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成され、(b)フレームおよびフレームに固定されたカバーを含み、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき、概して作動シャフトに直交し、10~50mmの、作動シャフトに垂直に測定された最大寸法を有する、近位LAA-オリフィスカバーと、
(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成され、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントと、を含む、閉鎖デバイスが提供される。
【0014】
発明概念2.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、作動シャフトに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0015】
発明概念3.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端をさらに含み、作動シャフトは遠位先端に接続されている、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0016】
発明概念4.作動シャフトが、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端を少なくとも部分的に規定するように形作られている、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0017】
発明概念5.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に配置された近位基部をさらに含み、作動シャフトは、近位基部に対して移動可能である、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0018】
発明概念6.作動シャフトは、ガイドワイヤをその中にスライド可能に受け入れるためのガイドワイヤ管腔を規定するように形作られている、ガイドワイヤとともに使用するための、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0019】
発明概念7.コンプライアントなバルーンは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、およびポリジオキサノン(PDOまたはPDS)、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリアミド、およびポリエーテルブロックアミド(PEBA)からなる群から選択されるコンプライアントな材料を含む、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0020】
発明概念8.オリフィス支持ステントは、バルーンの形状がオリフィス支持ステントの形状とは独立して変化することができるように、バルーンに固定されていない、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0021】
発明概念9.バルーンチャンバーの膨張がオリフィス支持ステントをその半径方向に圧縮された状態からその半径方向に拡張した状態に移行させるように、閉鎖デバイスが構成されている、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0022】
発明概念10.
閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含み、
近位LAA-オリフィスカバーは、近位チューブを半径方向で取り囲むように、近位チューブに固定され、近位チューブを介してバルーンに間接的に接続され、バルーンに直接接続されていない、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0023】
発明概念11.作動シャフトが近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、発明概念10に記載の閉鎖デバイス。
【0024】
発明概念12.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットをさらに含む、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0025】
発明概念13.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念12に記載の閉鎖デバイス。
【0026】
発明概念14.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念12に記載の閉鎖デバイス。
【0027】
発明概念15.バルーンが100~5000ミクロンの平均壁厚を有する、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0028】
発明概念16.バルーンは、バルーンの壁の最も薄い部分において、20~500ミクロンの間の最も薄い壁厚を有する、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0029】
発明概念17.発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイスを含む閉鎖システムであって、閉鎖システムは、さらにインプラントカテーテルを含み、閉鎖デバイスは、半径方向に圧縮された状態で解放可能にインプラントカテーテル内に配置され、バルーンの近位端部分とバルーンの遠位端部分との間の最大距離が、8~80mmである、閉鎖システム。
【0030】
発明概念18.さらに弁を含む、発明概念1~7のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0031】
発明概念19.
閉鎖デバイスは、流体流路を規定するように形作られており、
弁は、弁がそれぞれ開状態および閉状態にあるときに、流体流路とバルーンチャンバーとの間の流体の流れを選択的に許可または遮断するように構成されている、発明概念18に記載の閉鎖デバイス。
【0032】
発明概念20.
閉鎖デバイスは、作動シャフトの部分に沿って流体流路を規定するように形作られており、
閉鎖デバイスは、ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成されており、ロック状態にあるとき、バルーンの遠位端部分とバルーンの近位端部分との間に、作動シャフトを使用して設定された距離を維持するように構成されている、ロック機構をさらに含み、
閉鎖デバイスは、作動シャフトの近位方向の長手方向の動きによって、
(a)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第1の所定の距離への距離の減少が、弁を自動的に開状態から閉状態に移行させ、
(b)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第2の所定の距離への距離の減少が、ロック機構をロック解除状態からロック状態に自動的に移行させるように、構成されている、発明概念19に記載の閉鎖デバイス。
【0033】
発明概念21.閉鎖デバイスは、送達システムに解放可能に接続されるように構成されており、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスが送達システムに解放可能に接続されるとき流体流路が送達システムと流体連通して結合されるように、構成されている、発明概念20に記載の閉鎖デバイス。
【0034】
発明概念22.閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスを送達システムの対応して構成された遠位コネクタに解放可能に接続するように構成されている近位コネクタをさらに含む、発明概念1に記載の閉鎖デバイス。
【0035】
発明概念23.近位コネクタが、ねじ山を規定するように形作られている、発明概念22に記載の閉鎖デバイス。
【0036】
発明概念24.発明概念22~23のいずれか1つに記載の閉鎖デバイスを含む閉鎖システムであって、閉鎖システムは、ガイドワイヤとともに使用するためのものであり、ガイドワイヤと協働する送達システムをさらに含み、送達システムは、操作ハンドルに接続されたインプラントカテーテルを含み、インプラントカテーテルは、ガイドワイヤのための長手方向通路と、インプラントカテーテルを閉鎖デバイスの対応して構成された近位コネクタに解放可能に接続するための遠位コネクタと、閉鎖デバイスの流体流路に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルとを含む、閉鎖システム。
【0037】
さらに、本発明の発明概念25に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、閉鎖デバイスは送達システムとともに使用するためのものであり、閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成されており、ロック状態にあるとき、バルーンの遠位端部分とバルーンの近位端部分との間に、作動シャフトを使用して設定された距離を維持するように構成されている、ロック機構と、
弁と、を含み、
閉鎖デバイスは、作動シャフトの部分に沿った流体流路を規定するように形作られており、
弁は、弁がそれぞれ開状態および閉状態にあるときに、流体流路とバルーンチャンバーとの間の流体の流れを選択的に許可または遮断するように構成されており、
閉鎖デバイスは、作動シャフトの近位方向の長手方向の動きによって、
(a)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第1の所定の距離への距離の減少が、弁を自動的に開状態から閉状態に移行させ、
(b)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第2の所定の距離への距離の減少が、ロック機構をロック解除状態からロック状態に自動的に移行させるように、構成されている、閉鎖デバイスがさらに提供される。
【0038】
発明概念26.第1の所定の距離が第2の所定の距離と等しくない、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0039】
発明概念27.第1の所定の距離が第2の所定の距離よりも短い、発明概念26に記載の閉鎖デバイス。
【0040】
発明概念28.第1の所定の距離が第2の所定の距離に等しい、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0041】
発明概念29.閉鎖デバイスは、送達システムに解放可能に接続されるように構成されており、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスが送達システムに解放可能に接続されるとき流体流路が送達システムと流体連通して結合されるように、構成されている、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0042】
発明概念30.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端をさらに含み、作動シャフトは遠位先端に接続されている、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0043】
発明概念31.作動シャフトが、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端を少なくとも部分的に規定するように形作られている、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0044】
発明概念32.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に配置された近位基部をさらに含み、作動シャフトは、近位基部に対して移動可能である、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0045】
発明概念33.作動シャフトは、ガイドワイヤをその中にスライド可能に受け入れるためのガイドワイヤ管腔を規定するように形作られている、ガイドワイヤとともに使用するための、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0046】
発明概念34.コンプライアントなバルーンは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、およびポリジオキサノン(PDOまたはPDS)、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリアミド、およびポリエーテルブロックアミド(PEBA)からなる群から選択されるコンプライアントな材料を含む、発明概念25に記載の閉鎖デバイス。
【0047】
発明概念35.閉鎖デバイスが、作動シャフトの部分に沿った流体流路を規定するように形作られている、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0048】
発明概念36.弁が作動シャフトに沿って配置されている、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0049】
発明概念37.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含み、作動シャフトが、近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0050】
発明概念38.閉鎖デバイスは、半径方向で作動シャフトの外面と近位チューブの内面との間に作動シャフトの部分に沿って流体流路を規定するように形作られている、発明概念37に記載の閉鎖デバイス。
【0051】
発明概念39.弁が作動シャフトに沿って配置されている、発明概念38に記載の閉鎖デバイス。
【0052】
発明概念40.弁が、作動シャフトの外面の少なくとも部分の周りにシールを含み、弁は、シールが近位チューブに対して1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき開状態を占め、シールが近位チューブに対して1つ以上の第2の軸方向位置に配置されるとき閉状態を占めるように構成されており、1つ以上の第2の軸方向位置は1つ以上の第1の軸方向位置の近位にある、発明概念39に記載の閉鎖デバイス。
【0053】
発明概念41.シール、作動シャフト、および近位チューブが、少なくともシールが近位チューブに対して1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき近位チューブの遠位端からの流体流を遮断するように配列されている、発明概念40に記載の閉鎖デバイス。
【0054】
発明概念42.近位チューブの壁が、壁を通る1つ以上のタブを規定するように形作られており、1つ以上のタブが半径方向内側に屈曲するようにバイアスされ、弁が開状態にあるとき、流体流路は、1つ以上のタブのそれぞれの近位端と、1つ以上のタブに軸方向に隣接する壁のタブのない部分との間で壁を通過する、発明概念38に記載の閉鎖デバイス。
【0055】
発明概念43.壁のタブのない部分が、1つ以上のタブの近位に配置されている、発明概念42に記載の閉鎖デバイス。
【0056】
発明概念44.作動シャフトの外面が、作動シャフトの少なくとも部分の周りに1つ以上の突起を規定するように形作られており、1つ以上のタブの近位端は、1つ以上の突起が1つ以上のタブの近位端の近位に配置されたときに1つ以上の突起の遠位移動を防ぎ、それによってロック機構がロック状態を占めるように形作られている、発明概念42に記載の閉鎖デバイス。
【0057】
発明概念45.閉鎖デバイスが、近位LAA-オリフィスカバーをさらに含み、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)近位チューブを半径方向で取り囲んで近位チューブに固定され、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)フレームと、フレームに固定されたカバーとを含み、(d)半径方向に拡張した状態において、概して近位チューブに直交し、10~50mmの、近位チューブに垂直に測定された最大寸法を有し、(e)近位チューブを介してバルーンに間接的に接続されており、バルーンに直接接続されていない、発明概念37に記載の閉鎖デバイス。
【0058】
発明概念46.閉鎖デバイスが、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントをさらに含む、発明概念45に記載の閉鎖デバイス。
【0059】
発明概念47.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、作動シャフトに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念46に記載の閉鎖デバイス。
【0060】
発明概念48.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットをさらに含む、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0061】
発明概念49.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念48に記載の閉鎖デバイス。
【0062】
発明概念50.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念48に記載の閉鎖デバイス。
【0063】
発明概念51.バルーンが100~5000ミクロンの平均壁厚を有する、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0064】
発明概念52.バルーンは、バルーンの壁の最も薄い部分において、20~500ミクロンの間の最も薄い壁厚を有する、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0065】
発明概念53.発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイスを含む閉鎖システムであって、閉鎖システムは、さらにインプラントカテーテルを含み、閉鎖デバイスは、半径方向に圧縮された状態で解放可能にインプラントカテーテル内に配置され、バルーンの近位端部分とバルーンの遠位端部分との間の最大距離が、8~80mmである、閉鎖システム。
【0066】
発明概念54.閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスを送達システムの対応して構成された遠位コネクタに解放可能に接続するように構成されている近位コネクタをさらに含む、発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0067】
発明概念55.近位コネクタが、ねじ山を規定するように形作られている、発明概念54に記載の閉鎖デバイス。
【0068】
発明概念56.発明概念25~34のいずれか1つに記載の閉鎖デバイスを含む閉鎖システムであって、閉鎖システムは、ガイドワイヤとともに使用するためのものであり、ガイドワイヤと協働する送達システムをさらに含み、送達システムは、操作ハンドルに接続されたインプラントカテーテルを含み、インプラントカテーテルは、ガイドワイヤのための長手方向通路と、インプラントカテーテルを閉鎖デバイスの対応して構成された近位コネクタに解放可能に接続するための遠位コネクタと、閉鎖デバイスの流体流路に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルとを含む、閉鎖システム。
【0069】
さらに、本発明の発明概念57に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、閉鎖デバイスは送達システムとともに使用するためのものであり、閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットであって、接続ストラットは、
バルーンの側面に沿って配列された第1の側面部分、
バルーンの遠位面に配列された第2の遠位端部分、
バルーンの近位面に配列された第3の近位端部分、および
ストラットの第2の遠位端部分をそれぞれバルーンの遠位端部分に結合し、曲がりくねった形状を有する遠位端部分であって、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に遠位端部分が湾曲されるように構成される、遠位端部分を含む、接続ストラットと、を含む、閉鎖デバイスがさらに提供される。
【0070】
発明概念58.接続ストラットが、ストラットの第3の近位端部分をそれぞれバルーンの近位端部分に結合し、曲がりくねった形状を有する近位端部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に近位端部分が湾曲されるように構成されている、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0071】
発明概念59.接続ストラットが、それぞれ第1の側方部分および第2の遠位端部分を結合し、曲がりくねった形状を有する遠位インターフェース部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に遠位インターフェース部分が湾曲されるように構成されている、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0072】
発明概念60.接続ストラットが、それぞれ第1の側方部分および第3の近位端部分を結合し、曲がりくねった形状を有する近位インターフェース部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に近位インターフェース部分が湾曲されるように構成されている、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0073】
発明概念61.ストラットの第1の側方部分が概して真っ直ぐである、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0074】
発明概念62.第2の遠位端部分および第3の近位端部分が概して真っ直ぐである、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0075】
発明概念63.ストラットの第1の側方部分は概して真っ直ぐであり、第2の遠位端部分および第3の近位端部分は概して真っ直ぐである、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0076】
発明概念64.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0077】
発明概念65.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念57に記載の閉鎖デバイス。
【0078】
発明概念66.
遠位インターフェース部分は、それらの間にそれぞれの狭い細長いギャップを規定する、平行な曲がりくねったストラットのそれぞれの対を規定するように形作られており、
ストラットは、複数のスパイクを規定するように形作られており、複数のスパイクは、
それぞれ、第2の遠位端部分の外端から延び、
バルーンが膨張していない細長い構成にある場合、概して軸方向に配向された、それぞれの狭い細長いギャップに配置され、
バルーンチャンバーの膨張時にさらに半径方向に延びて、組織に係合する棘として機能するように構成されている、発明概念57~65のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0079】
発明概念67.接続ストラットは、第1の側方部分の隣接する対を接続する閉じたステントセルをさらに含む、発明概念57~65のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0080】
発明概念68.直列に配列された2つ以上の閉じたステントセルが第1の側方部分の隣接する対を接続する、発明概念67に記載の閉鎖デバイス。
【0081】
発明概念69.閉じたステントセルがそれぞれのひし形として形作られている、発明概念67に記載の閉鎖デバイス。
【0082】
発明概念70.第1の側方部分が閉鎖デバイスの中心長手方向軸に平行に配向されている、発明概念67に記載の閉鎖デバイス。
【0083】
発明概念71.第1の側方部分のストラットの平均幅が、閉じたステントセルのストラットの平均幅の少なくとも200%に等しい、発明概念67に記載の閉鎖デバイス。
【0084】
さらに、本発明の発明概念72に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、閉鎖デバイスは送達システムとともに使用するためのものであり、閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットであって、接続ストラットは、
バルーンの側面に沿って配列された第1の側面部分、
バルーンの遠位面に配列された第2の遠位端部分、
バルーンの近位面に配列された第3の近位端部分、および
それぞれ第1の側方部分および第2の遠位端部分を結合し、曲がりくねった形状を有する遠位インターフェース部分であって、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に遠位インターフェース部分が湾曲するように構成されている、遠位インターフェース部分を含む、接続ストラットと、を含む閉鎖デバイスが提供される。
【0085】
発明概念73.接続ストラットが、それぞれ第1の側方部分および第3の近位端部分を結合し、曲がりくねった形状を有する近位インターフェース部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に近位インターフェース部分が湾曲されるように構成されている、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0086】
発明概念74.ストラットの第1の側方部分が概して真っ直ぐである、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0087】
発明概念75.第2の遠位端部分および第3の近位端部分が概して真っ直ぐである、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0088】
発明概念76.ストラットの第1の側方部分は概して真っ直ぐであり、第2の遠位端部分および第3の近位端部分は概して真っ直ぐである、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0089】
発明概念77.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成される、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0090】
発明概念78.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0091】
発明概念79.接続ストラットが、ストラットの第2の遠位端部分をそれぞれバルーンの遠位端部分に結合し、曲がりくねった形状を有する遠位端部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に遠位端部分が湾曲されるように構成されている、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0092】
発明概念80.接続ストラットが、ストラットの第3の近位端部分をそれぞれバルーンの近位端部分に結合し、曲がりくねった形状を有する近位端部分を含み、閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張時に近位端部分が湾曲されるように構成されている、発明概念72に記載の閉鎖デバイス。
【0093】
発明概念81.
遠位インターフェース部分は、それらの間にそれぞれの狭い細長いギャップを規定する、平行な曲がりくねったストラットのそれぞれの対を規定するように形作られており、
ストラットは、複数のスパイクを規定するように形作られており、複数のスパイクは、
それぞれ、第2の遠位端部分の外端から延び、
バルーンが膨張していない細長い構成にある場合、概して軸方向に配向された、それぞれの狭い細長いギャップに配置され、
バルーンチャンバーの膨張時にさらに半径方向に延びて、組織に係合する棘として機能するように構成されている、発明概念72~80のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0094】
発明概念82.接続ストラットは、第1の側方部分の隣接する対を接続する閉じたステントセルをさらに含む、発明概念72~80のいずれか1つに記載の閉鎖デバイス。
【0095】
発明概念83.直列に配列された2つ以上の閉じたステントセルが第1の側方部分の隣接する対を接続する、発明概念82に記載の閉鎖デバイス。
【0096】
発明概念84.閉じたステントセルがそれぞれのひし形として形作られている、発明概念82に記載の閉鎖デバイス。
【0097】
発明概念85.第1の側方部分が閉鎖デバイスの中心長手方向軸に平行に配向されている、発明概念82に記載の閉鎖デバイス。
【0098】
発明概念86.第1の側方部分のストラットの平均幅が、閉じたステントセルのストラットの平均幅の少なくとも200%に等しい、発明概念82に記載の閉鎖デバイス。
【0099】
さらに、本発明の発明概念87に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスであって、閉鎖デバイスは送達システムとともに使用するためのものであり、閉鎖デバイスは、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットであって、接続ストラットは、
バルーンの側面に沿って配列された第1の側面部分、および
第1の側面部分の隣接する対を接続する閉じたステントセルを含む、接続ストラットと、を含む閉鎖デバイスが提供される。
【0100】
発明概念88.直列に配列された2つ以上の閉じたステントセルが第1の側方部分の隣接する対を接続する、発明概念87に記載の閉鎖デバイス。
【0101】
発明概念89.閉じたステントセルがそれぞれのひし形として形作られている、発明概念87に記載の閉鎖デバイス。
【0102】
発明概念90.第1の側方部分が閉鎖デバイスの中心長手方向軸に平行に配向されている、発明概念87に記載の閉鎖デバイス。
【0103】
発明概念91.第1の側方部分のストラットの平均幅が、閉じたステントセルのストラットの平均幅の少なくとも200%に等しい、発明概念87に記載の閉鎖デバイス。
【0104】
本発明の発明概念92に従って、患者の左心耳(LAA)を閉鎖するための方法であって、方法は、
送達システムを使用して、
閉鎖デバイスのコンプライアントなバルーンをその長手方向に延びた形態でLAAに位置決めすることと、
閉鎖デバイスの作動シャフトをLAAに位置決めすることであって、作動シャフトは、(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、位置決めすることと、
近位LAA-オリフィスカバーをLAAの外側で左心室に、LAAのオリフィスを取り囲む心房壁に対して位置決めすることであって、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(b)フレームおよびフレームに固定されたカバーを含み、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき、概して作動シャフトに直交し、10~50mmの、作動シャフトに垂直に測定された最大寸法を有する、位置決めすることと、
オリフィス支持ステントを少なくとも部分的にLAAに位置決めすることであって、オリフィス支持ステントは、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、位置決めすることと、
作動シャフトの部分に沿った流体流路を介してバルーンチャンバーに流体を充填することにより、コンプライアントなバルーンを膨張させることと、
バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を所望の距離に短縮することにより、バルーンを半径方向または横方向に拡張させることと、
閉鎖デバイスを送達システムから解放することと、を含む、方法もまた提供される。
【0105】
発明概念93.オリフィス支持ステントは、バルーンの形状が、オリフィス支持ステントの形状とは独立して変化することができるように、バルーンに固定されていない、発明概念92に記載の方法。
【0106】
発明概念94.コンプライアントなバルーンを膨張させることにより、オリフィス支持ステントをその半径方向に圧縮された状態からその半径方向に拡張した状態に移行させる、発明概念92に記載の方法。
【0107】
本発明の発明概念95に従って、患者の左心耳(LAA)を閉鎖するための方法であって、方法は、
送達システムを使用して、閉鎖デバイスのコンプライアントなバルーンをその長手方向に延びた形態でLAAに位置決めすることと、
閉鎖デバイスの弁が、弁が流体流路とバルーンチャンバーとの間の流体の流れを許可する開状態にあるときに、閉鎖デバイスの作動シャフトの部分に沿った流体流路を介して、バルーンによって規定された液密バルーンチャンバー内に流体を充填することによって、コンプライアントなバルーンを膨張させることであって、作動シャフトは、(a)少なくとも部分的にバルーンチャンバー内に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するようにバルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、膨張させることと、
作動シャフトを近位方向に長手方向に、
(a)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第1の所定の距離であって、弁を自動的に開状態から、弁が流体流路とバルーンチャンバーとの間の流体流を遮断する閉状態へ移行させる、第1の所定の距離に、かつ
(b)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の第2の所定の距離であって、ロッキング機構をロック解除状態から、ロッキング機構がバルーンの遠位端部分とバルーンの近位端部分との間で作動シャフトを使用して設定された距離を維持するロックされた状態に自動的に移行させる、第2の所定の距離に動かすことによって、バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を所望の距離に短縮することによってバルーンを半径方向または横方向に拡張させることと、
閉鎖デバイスを送達システムから解放することと、を含む、方法がさらに提供される。
【0108】
発明概念96.バルーンをLAAに位置決めすることは、
送達システムを使用してガイドワイヤを患者の体内に前進させることと、
ガイドワイヤ上で閉鎖デバイスを前進させることと、を含む、発明概念95に記載の方法。
【0109】
発明概念97.第1の所定の距離が、第2の所定の距離と等しくない、発明概念95に記載の方法。
【0110】
発明概念98.第1の所定の距離が、第2の所定の距離よりも短い、発明概念97に記載の方法。
【0111】
発明概念99.第1の所定の距離が、第2の所定の距離に等しい、発明概念95に記載の方法。
【0112】
発明概念100.閉鎖デバイスが、作動シャフトの部分に沿った流体流路を規定するように形作られている、発明概念95に記載の方法。
【0113】
発明概念101.弁が、作動シャフトに沿って配置されている、発明概念95に記載の方法。
【0114】
発明概念102.閉鎖デバイスが、バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含み、作動シャフトが、近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、発明概念95に記載の方法。
【0115】
発明概念103.閉鎖デバイスは、半径方向で作動シャフトの外面と近位チューブの内面との間に作動シャフトの部分に沿って流体流路を規定するように形作られている、発明概念102に記載の方法。
【0116】
発明概念104.弁が、作動シャフトに沿って配置されている、発明概念103に記載の方法。
【0117】
発明概念105.弁が、作動シャフトの外面の少なくとも部分の周りにシールを含み、弁は、シールが近位チューブに対して1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき開状態を占め、シールが近位チューブに対して1つ以上の第2の軸方向位置に配置されるとき閉状態を占めるように構成され、1つ以上の第2の軸方向位置は1つ以上の第1の軸方向位置の近位にある、発明概念104に記載の方法。
【0118】
発明概念106.シール、作動シャフト、および近位チューブが、少なくともシールが近位チューブに対して1つ以上の第1の軸方向位置に配置されるとき近位チューブの遠位端からの流体流を遮断するように配列されている、発明概念105に記載の方法。
【0119】
発明概念107.近位チューブの壁が、壁を通る1つ以上のタブを規定するように形作られており、1つ以上のタブが半径方向内側に屈曲するようにバイアスされ、弁が開状態にあるとき、流体流路は、1つ以上のタブのそれぞれの近位端と、1つ以上のタブに軸方向に隣接する壁のタブのない部分との間で壁を通過する、発明概念103に記載の方法。
【0120】
発明概念108.壁のタブのない部分が、1つ以上のタブの近位に配置されている、発明概念107に記載の方法。
【0121】
発明概念109.作動シャフトの外面が、作動シャフトの少なくとも部分の周りに1つ以上の突起を規定するように形作られており、1つ以上のタブの近位端は、1つ以上の突起が1つ以上のタブの近位端の近位に配置されたときに1つ以上の突起の遠位移動を防ぎ、それによってロック機構がロック状態を占めるように形作られている、発明概念107に記載の方法。
【0122】
発明概念110.閉鎖デバイスが、近位LAA-オリフィスカバーをさらに含み、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)近位チューブを半径方向で取り囲んで近位チューブに固定され、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)フレームと、フレームに固定されたカバーとを含み、(d)半径方向に拡張した状態において、概して近位チューブに直交し、10~50mmの、近位チューブに垂直に測定された最大寸法を有し、(e)近位チューブを介してバルーンに間接的に接続されており、バルーンに直接接続されていない、発明概念102に記載の方法。
【0123】
発明概念111.閉鎖デバイスが、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントをさらに含む、発明概念110に記載の方法。
【0124】
発明概念112.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、作動シャフトに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念111に記載の方法。
【0125】
発明概念113.閉鎖デバイスが、バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定されたストラットを接続することをさらに含む、発明概念95に記載の方法。
【0126】
発明概念114.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念113に記載の方法。
【0127】
発明概念115.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念113に記載の方法。
【0128】
本発明の発明概念116に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための装置であって、
(i)閉鎖デバイスであって、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
作動シャフトの部分を取り囲むエラストマースリーブを含む弁と、を含み、
閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーへの1つ以上の流体流路開口部を有する流体流路を規定するように形作られており、
エラストマースリーブは、弁が閉状態になるように、スリーブが1つ以上の流体流路開口部を覆い、かつ密封する静止状態を有するように構成される、閉鎖デバイスと、
(ii)閉鎖デバイスに解放可能に接続されるように構成され、弁開放支柱を含む送達システムであって、弁開放支柱は、
(a)支え位置にあるとき、エラストマースリーブが1つ以上の流体流路開口部を密封せず、かつ弁が開状態になるように、エラストマースリーブを支え開いて変形させ、
(b)非支え位置にあるとき、エラストマースリーブが静止状態を占め、かつ弁が閉状態になるように、エラストマースリーブを支え開かないように構成されている、送達システムと、を含む装置がさらに提供される。
【0129】
発明概念117.弁開放支柱は、エラストマースリーブを支え開くように、エラストマースリーブの軸から半径方向外向きに延びる1つ以上のタブを含む、発明概念116に記載の装置。
【0130】
発明概念118.エラストマースリーブに対するその軸方向のスライドが弁開放支柱を支え位置から非支え位置に移行させるように弁開放支柱が構成されている、発明概念116に記載の装置。
【0131】
発明概念119.閉鎖デバイスは、ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成されており、ロック状態にあるとき、バルーンの遠位端部分とバルーンの近位端部分との間に、作動シャフトを使用して設定された距離を維持するように構成されている、ロック機構をさらに含む、発明概念116に記載の装置。
【0132】
発明概念120.閉鎖デバイスは、送達システムに解放可能に接続されるように構成され、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスが送達システムに解放可能に接続されるとき流体流路が送達システムと流体連通して結合されるように、構成されている、発明概念116に記載の装置。
【0133】
発明概念121.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端をさらに含み、作動シャフトは遠位先端に接続されている、発明概念116に記載の装置。
【0134】
発明概念122.作動シャフトが、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端を少なくとも部分的に規定するように形作られている、発明概念116に記載の装置。
【0135】
発明概念123.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に配置された近位基部をさらに含み、作動シャフトは、近位基部に対して長手方向に移動可能である、発明概念116に記載の装置。
【0136】
発明概念124.作動シャフトは、ガイドワイヤをその中にスライド可能に受け入れるためのガイドワイヤ管腔を規定するように形作られている、ガイドワイヤとともに使用するための、発明概念116に記載の装置。
【0137】
発明概念125.コンプライアントなバルーンは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、およびポリジオキサノン(PDOまたはPDS)、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリアミド、およびポリエーテルブロックアミド(PEBA)からなる群から選択されるコンプライアントな材料を含む、発明概念116に記載の装置。
【0138】
発明概念126.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含む、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0139】
発明概念127.作動シャフトが近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、発明概念126に記載の装置。
【0140】
発明概念128.弁開放支柱が、近位チューブ内に少なくとも部分的に配置された管状部分を含む、発明概念118に記載の装置。
【0141】
発明概念129.弁開放支柱は、エラストマースリーブを支え開くように、(a)管状部分から軸方向に離れて、および(b)近位チューブから半径方向外向きに延びる1つ以上のタブを含む、発明概念128に記載の装置。
【0142】
発明概念130.弁開放支柱が支え位置にあるときに、1つ以上のタブが1つ以上の流体流路開口部の少なくとも部分を通過する、発明概念129に記載の装置。
【0143】
発明概念131.近位チューブは、近位チューブの壁を通る1つ以上のアクセス開口を規定するように形作られ、少なくとも弁開放支柱が支え位置にあるとき、1つ以上のタブが1つ以上のアクセス開口を通過する、発明概念129に記載の装置。
【0144】
発明概念132.閉鎖デバイスが、近位LAA-オリフィスカバーをさらに含み、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)近位チューブを半径方向で取り囲んで近位チューブに固定され、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)フレームと、フレームに固定されたカバーとを含み、(d)半径方向に拡張した状態において、概して近位チューブに直交し、10~50mmの、近位チューブに垂直に測定された最大寸法を有し、(e)近位チューブを介してバルーンに間接的に接続されており、バルーンに直接接続されていない、発明概念126に記載の装置。
【0145】
発明概念133.閉鎖デバイスが、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントをさらに含む、発明概念132に記載の装置。
【0146】
発明概念134.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、作動シャフトに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念133に記載の装置。
【0147】
発明概念135.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットをさらに含む、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0148】
発明概念136.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念135に記載の装置。
【0149】
発明概念137.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念135に記載の装置。
【0150】
発明概念138.バルーンが100~5000ミクロンの平均壁厚を有する、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0151】
発明概念139.バルーンは、バルーンの壁の最も薄い部分において、20~500ミクロンの間の最も薄い壁厚を有する、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0152】
発明概念140.送達システムは、さらにインプラントカテーテルを含み、閉鎖デバイスは、半径方向に圧縮された状態で解放可能にインプラントカテーテル内に配置され、その状態ではバルーンの近位端部分とバルーンの遠位端部分との間の最大距離が、8~80mmである、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0153】
発明概念141.閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスを送達システムの対応して構成された遠位コネクタに解放可能に接続するように構成されている近位コネクタをさらに含む、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0154】
発明概念142.近位コネクタが、ねじ山を規定するように形作られている、発明概念141に記載の装置。
【0155】
発明概念143.送達システムは、操作ハンドルに接続されたインプラントカテーテルであって、ガイドワイヤ用の長手方向通路を含むインプラントカテーテルと、インプラントカテーテルを閉鎖デバイスの対応して構成された近位コネクタに解放可能に接続するための遠位コネクタと、閉鎖デバイスの流体流路に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルとを含む、ガイドワイヤとともに使用するための、発明概念116~125のいずれか1つに記載の装置。
【0156】
追加的に、本発明の発明概念144に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための装置であって、
(i)閉鎖デバイスであって、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するように、バルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、作動シャフトと、
作動シャフトの部分を取り囲むエラストマースリーブを含む弁と、を含み、
閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーへの1つ以上の流体流路開口部を有する流体流路を規定するように形作られており、
エラストマースリーブは、弁が閉状態になるように、スリーブが1つ以上の流体流路開口部を覆い、かつ密封する静止状態を有するように構成されている、閉鎖デバイスと、
(ii)閉鎖デバイスに解放可能に接続されるように構成されており、かつ1つ以上のガイドワイヤを含む送達システムであって、1つ以上のガイドワイヤが、
(a)支え位置にあるとき、エラストマースリーブが1つ以上の流体流路開口部を密閉せず、かつ弁が開状態になるように、エラストマースリーブを支え開いて変形させ、
(b)非支え位置にあるとき、エラストマースリーブが静止状態を占め、かつ弁が閉状態になるように、エラストマースリーブを支え開かない、送達システムと、を含む装置が提供される。
【0157】
発明概念145.1つ以上のガイドワイヤが支え位置にあるときに、1つ以上のガイドワイヤが1つ以上の流体流路開口部の少なくとも部分を通過する、発明概念144に記載の装置。
【0158】
発明概念146.閉鎖デバイスは、バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブをさらに含む、発明概念144~145のいずれか1つに記載の装置。
【0159】
発明概念147.作動シャフトが近位チューブ内に部分的にスライド可能に配置されている、発明概念146に記載の装置。
【0160】
発明概念148.閉鎖デバイスが、近位LAA-オリフィスカバーをさらに含み、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)近位チューブを半径方向で取り囲んで近位チューブに固定され、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)フレームと、フレームに固定されたカバーとを含み、(d)半径方向に拡張した状態において、概して近位チューブに直交し、10~50mmの、近位チューブに垂直に測定された最大寸法を有し、(e)近位チューブを介してバルーンに間接的に接続されており、バルーンに直接接続されていない、発明概念146に記載の装置。
【0161】
発明概念149.閉鎖デバイスが、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントをさらに含む、発明概念148に記載の装置。
【0162】
発明概念150.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、作動シャフトに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念149に記載の装置。
【0163】
さらに追加的に、本発明の発明概念151に従って、左心耳(LAA)を閉鎖するための装置であって、
(i)閉鎖デバイスであって、
液密バルーンチャンバーを規定するコンプライアントなバルーンと、
バルーンの近位端部分に対して軸方向に固定されている近位チューブと、
(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分および近位チューブに接続され、(c)弛緩された長さを有するばねであって、ばねが弛緩された長さを有するとき、バルーンの遠位端部分は、バルーンの近位端部分から弛緩された距離にある、ばねと、を含む閉鎖デバイスと、
(ii)送達システムであって、閉鎖デバイスに解放可能に接続されるように構成されており、近位チューブを通してばね内に取り外し可能に配置されるスタイレットを含み、閉鎖デバイスは、ばね内でのスタイレットのある程度の遠位前進が、ばねの緊張した長さを設定し、それ自体が、バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の緊張した距離を設定し、緊張した距離は弛緩した距離よりも大きい、送達システムと、を含む装置が提供される。
【0164】
発明概念152.閉鎖デバイスがさらに弁を含む、発明概念151に記載の装置。
【0165】
発明概念153.
閉鎖デバイスは、流体流路を規定するように形作られており、
弁は、弁がそれぞれ開状態および閉状態にあるときに、流体流路とバルーンチャンバーとの間の流体の流れを選択的に許可または遮断するように構成されている、発明概念152に記載の装置。
【0166】
発明概念154.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分に配置された遠位先端をさらに含み、ばねは遠位先端に接続されている、発明概念151に記載の装置。
【0167】
発明概念155.コンプライアントなバルーンは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、およびポリジオキサノン(PDOまたはPDS)、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリアミド、およびポリエーテルブロックアミド(PEBA)からなる群から選択されるコンプライアントな材料を含む、発明概念151に記載の装置。
【0168】
発明概念156.
閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分に接続され、かつ閉鎖デバイス接続インターフェースを規定するように形作られた閉鎖デバイスコネクタを含み、
スタイレットは、スタイレットの遠位端に配置され、かつ閉鎖デバイス接続インターフェースに可逆的に結合可能であるスタイレット接続インターフェースを規定するように形作られたスタイレットコネクタを含む、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0169】
発明概念157.閉鎖デバイス接続インターフェースおよびスタイレット接続インターフェースは、それぞれのねじ山を規定するように形作られている、発明概念156に記載の装置。
【0170】
発明概念158.閉鎖デバイスが、近位LAA-オリフィスカバーをさらに含み、近位LAA-オリフィスカバーは、(a)近位チューブを半径方向で取り囲んで近位チューブに固定され、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)フレームと、フレームに固定されたカバーとを含み、(d)半径方向に拡張した状態において、概して近位チューブに直交し、10~50mmの、近位チューブに垂直に測定された最大寸法を有し、(e)近位チューブを介してバルーンに間接的に接続されており、バルーンに直接接続されていない、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0171】
発明概念159.閉鎖デバイスが、(a)近位LAA-オリフィスカバーに固定され、近位LAA-オリフィスカバーから遠位に延び、(b)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき概して円筒形である、オリフィス支持ステントをさらに含む、発明概念158に記載の装置。
【0172】
発明概念160.オリフィス支持ステントが、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)8~50mmの、近位チューブに対して垂直に測定された最大寸法、および(ii)4~30mmの軸方向の長さを有する、発明概念159に記載の装置。
【0173】
発明概念161.閉鎖デバイスは、バルーンの遠位端部分およびバルーンの近位端部分に固定された接続ストラットをさらに含む、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0174】
発明概念162.閉鎖デバイスは、バルーンチャンバーの膨張が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念161に記載の装置。
【0175】
発明概念163.閉鎖デバイスは、バルーンの短縮が接続ストラットを塑性変形させるように構成されている、発明概念161に記載の装置。
【0176】
発明概念164.バルーンが100~5000ミクロンの平均壁厚を有する、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0177】
発明概念165.バルーンは、バルーンの壁の最も薄い部分において、20~500ミクロンの間の最も薄い壁厚を有する、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0178】
発明概念166.送達システムは、さらにインプラントカテーテルを含み、閉鎖デバイスは、半径方向に圧縮された状態で解放可能にインプラントカテーテル内に配置され、その状態ではバルーンの近位端部分とバルーンの遠位端部分との間の最大距離が、8~80mmである、発明概念151~155のいずれか1つに記載の装置。
【0179】
発明概念167.閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスを送達システムの対応して構成された遠位コネクタに解放可能に接続するように構成されている近位コネクタをさらに含む、発明概念151に記載の装置。
【0180】
発明概念168.近位コネクタが、ねじ山を規定するように形作られている、発明概念167に記載の装置。
【0181】
発明概念169.送達システムはさらに、操作ハンドルに接続されたインプラントカテーテルであって、ガイドワイヤ用の長手方向通路を含むインプラントカテーテルと、インプラントカテーテルを閉鎖デバイスの対応して構成された近位コネクタに解放可能に接続するための遠位コネクタと、閉鎖デバイスの流体流路に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルとを含む、ガイドワイヤとともに使用するための、発明概念167~168のいずれか1つに記載の装置。
【0182】
本発明の発明概念170に従って、患者の左心耳(LAA)を閉鎖するための方法であって、方法は、
送達システムを使用して、閉鎖デバイスのコンプライアントなバルーンをその長手方向に延びた形態でLAAに位置決めすることと、
送達システムの弁開放支柱が支え位置にあり、この位置において、弁開放支柱が、閉鎖デバイスの弁のエラストマースリーブを支え開き、変形させ、それにより、エラストマースリーブが1つ以上の流体流路開口を密封せず、弁が開状態にあるときに、バルーンチャンバーへの1つ以上の流体流路開口を有する流体流路を介して、バルーンによって規定された液密バルーンチャンバー内へ流体を充填することによってコンプライアントなバルーンを膨張させることであって、エラストマースリーブは、閉鎖デバイスの作動シャフトの部分を取り囲み、作動シャフトは、(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するようにバルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、膨張させることと、
弁開放支柱を非支え位置へ移行させることであって、この位置において、弁開放支柱は、エラストマースリーブを支え開かず、それにより、エラストマースリーブは静止状態を占め、この静止状態では、スリーブが1つ以上の流体流路開口を覆い、かつ密封し、それにより、弁が閉状態になる、移行させることと、
閉鎖デバイスを送達システムから解放することと、を含む、方法が提供される。
【0183】
本発明の発明概念171に従って、患者の左心耳(LAA)を閉鎖するための方法であって、方法は、
送達システムを使用して、閉鎖デバイスのコンプライアントなバルーンをその長手方向に延びた形態でLAAに位置決めすることと、
送達システムの1つ以上のガイドワイヤが支え位置にあり、この位置において、1つ以上のガイドワイヤが、閉鎖デバイスの弁のエラストマースリーブを支え開き、変形させ、それにより、エラストマースリーブが1つ以上の流体流路開口を密封せず、弁が開状態にあるときに、バルーンチャンバーへの1つ以上の流体流路開口を有する流体流路を介して、バルーンによって規定された液密バルーンチャンバー内へ流体を充填することによってコンプライアントなバルーンを膨張させることであって、エラストマースリーブは、作動シャフトの部分を取り囲み、作動シャフトは、(a)バルーンチャンバー内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーンの遠位端部分に接続され、(c)バルーンの遠位端部分と近位端部分との間の距離を設定するようにバルーンの近位端部分に対して長手方向に移動可能である、膨張させることと、
1つ以上のガイドワイヤを非支え位置へ移行させることであって、この位置において、1つ以上のガイドワイヤは、エラストマースリーブを支え開かず、それにより、エラストマースリーブは静止状態を占め、この静止状態では、スリーブが1つ以上の流体流路開口を覆い、かつ密封し、それにより、弁が閉状態になる、移行させることと、
閉鎖デバイスを送達システムから解放することと、を含む、方法がさらに提供される。
【0184】
本発明は、図面とともになされたその実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0185】
図1】本発明の用途に従う、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイスの概略図である。
図2A】本発明の用途に従う、図1の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図2B】本発明の用途に従う、図1の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図3A】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図3B】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図3C】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図3D】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図3E】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図3F】本発明の用途に従う、図2の送達システムを用いて図1の閉鎖デバイスを展開する方法のステップの概略図である。
図4A】本発明の用途に従う、図3A~Fに示す方法のステップの部分の概略断面図である。
図4B】本発明の用途に従う、図3A~Fに示す方法のステップの部分の概略断面図である。
図4C】本発明の用途に従う、図3A~Fに示す方法のステップの部分の概略断面図である。
図5】本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するために埋め込まれた図1の閉鎖デバイスの概略図である。
図6】本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための別の閉鎖デバイスの概略図である。
図7A】本発明の用途に従う、図6の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図7B】本発明の用途に従う、図6の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図7C】本発明の用途に従う、図6の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図7D】本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための別の閉鎖デバイスの概略図である。
図8】本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するためのさらに別の閉鎖デバイスの概略図である。
図9A】本発明の用途に従う、図8の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図9B】本発明の用途に従う、図8の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図10】本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するためのさらに別の閉鎖デバイスの概略図である。
図11】本発明の用途に従う、図10の閉鎖デバイスおよび送達システムの遠位部分の概略断面図である。
図12A】本発明の用途に従う、部分的に展開されたLAAを閉鎖するための別の閉鎖デバイスの概略図である。
図12B】本発明の用途に従う、部分的に展開されたLAAを閉鎖するための別の閉鎖デバイスの概略図である。
図13A】本発明の用途に従う、そのバルーンチャンバーを部分的に膨張させたときの図12A~Bの閉鎖デバイスの概略図である。
図13B】本発明の用途に従う、そのバルーンチャンバーを部分的に膨張させたときの図12A~Bの閉鎖デバイスの概略図である。
図14A】本発明の用途に従う、そのバルーンチャンバーの最終膨張時の図12A~Bの閉鎖デバイスの概略図である。
図14B】本発明の用途に従う、そのバルーンチャンバーの最終膨張時の図12A~Bの閉鎖デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0186】
図1は、本発明の用途に従う、左心耳(LAA)を閉鎖するための閉鎖デバイス10の概略図である。閉鎖デバイス10は、図3A~Fを参照して以下でより詳細に説明される送達システム20とともに使用するためのものである。本明細書に記載の送達システム20および他の送達システムは、典型的には、閉鎖デバイスの経皮的展開を可能にする経カテーテル送達システムである。
【0187】
本発明の用途に従う、閉鎖デバイス10および送達システム20の遠位部分の概略断面図である図2A~Bも参照されたい。図2Aは、以下に説明するように、そのロック機構40がロック解除状態にあり、その弁42が開状態にある閉鎖デバイス10を示している。図2Bは、以下に説明するように、ロック機構40がロック状態にあり、弁42が閉状態にある閉鎖デバイス10を示している。
【0188】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、
●液密バルーンチャンバー32を規定するコンプライアントなバルーン30、
●(a)バルーンチャンバー32内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーン30の遠位端部分36に接続され、(c)バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の距離を設定するようにバルーン30の近位端部分38に対して長手方向に移動可能である、作動シャフト34、
●それぞれ図2Bおよび2Aに示されるように、ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成されているロック機構40、ならびに
●弁42を含む。
【0189】
閉鎖デバイス10は、作動シャフト34を近位方向に長手方向に移動させると、バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の距離を所望の距離に短縮することによって、バルーン30を半径方向または横方向に拡張させるように構成されている。
【0190】
ロック機構40は、ロック状態にあるとき、バルーン30の遠位端部分36とバルーン30の近位端部分38との間で、作動シャフト34を使用して設定された距離を維持するように構成されている。
【0191】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、作動シャフト34の部分に沿って(例えば、示されているように、その横に)流体流路44を規定するように形作られている。弁42は、選択的に
図2Aに示すように、弁42が開状態のときに、流体流路44とバルーンチャンバー32との間の流体の流れを許可し、または
図2Bに示すように、弁42が閉状態のときに、流体流路44とバルーンチャンバー32との間の流体の流れを遮断するように構成されている。
【0192】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、作動シャフト34の近位方向の長手方向の動きによって、
図2Aから図2Bへの移行に示されるように、バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の第1の所定の距離への距離の減少が、弁42を開状態から閉状態に自動的に移行させ、かつ
●やはり図2Aから図2Bへの移行に示されるように、バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の第2の所定の距離への距離の減少が、ロック機構40をロック解除状態からロック状態に自動的に移行させるように、構成されている。
【0193】
いくつかの用途では、第1の所定の距離は、第2の所定の距離と等しくない。例えば、第1の所定の距離は、第2の所定の距離よりも短くてもよく、それにより、作動シャフト34の近位方向の長手方向の動きは、最初に弁42を開状態から閉状態に自動的に移行させ、続いてロック機構40をロック解除状態からロック状態に自動的に移行させる。代わりに、第1の所定の距離は、この順序が逆になるように、第2の所定の距離よりも大きくてもよい。
【0194】
さらに代わりに、いくつかの用途では、第1の所定の距離は第2の所定の距離に等しく、それにより、作動シャフト34の近位方向の長手方向の動きは、同時に自動的に弁42を開状態から閉状態に移行させ、ロック機構40をロック解除状態からロック状態に自動的に移行させる。
【0195】
いくつかの用途では、作動シャフト34の上記の近位方向の長手方向の動きを引き起こすために、送達システム20は、作動シャフト34の近位端部分に解放可能に結合されたプルシャフト46を含む。例えば、プルシャフト46の遠位部分は、プルシャフトカップリング48を含んでもよく、これは、例えば、作動シャフト34の近位端部分によって規定される対応するねじ山と取り外し可能に係合するねじ山を規定するように成形されてもよい。プルシャフト46の回転は、作動シャフト34の近位端部分によって規定される対応するねじ山からシャフトカップリング48を外す。
【0196】
典型的には、閉鎖デバイス10は、送達システム20に解放可能に接続されるように構成されている。いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、図2A~Bに示されるように、閉鎖デバイス10が送達システム20に解放可能に接続されているときに、流体流路44が送達システム20と流体連通して結合されるように構成されている。
【0197】
いくつかの用途では、作動シャフト34は、図1および2A~Bに示されるように、バルーン30の遠位端部分36に配置された遠位先端50を少なくとも部分的に規定するように形作られている。
【0198】
いくつかの他の用途では、閉鎖デバイス10は、バルーン30の遠位端部分36に配置された遠位先端をさらに含み、作動シャフト34は、遠位先端に接続されている(構成は示されていない)。
【0199】
代わりにまたは追加的に、いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、バルーン30の近位端部分38に配置された近位ベースをさらに含み、作動シャフト34は、(例えば、長手方向または回転方向に)近位ベースに対して移動可能である(構成は示されていない)。
【0200】
いくつかの用途では、弁42は、図2A~Bに示されるように、作動シャフト34に沿って配置されている。
【0201】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、バルーン30の近位端部分38に対して軸方向に固定されている近位チューブ52をさらに含む。作動シャフト34は、例えば、作動シャフト34を近位チューブ52を介して近位端部38に間接的に接続するように、近位チューブ52内に部分的にスライド可能に配置されている。これらの用途のいくつかについて、閉鎖デバイス10は、図2A~Bに示されるように、半径方向で作動シャフト34の外面と近位チューブ52の内面との間で、作動シャフト34の部分に沿って流体流路44を規定するように形作られている。任意選択で、弁42は、作動シャフト34に沿って配置されている。
【0202】
いくつかの用途では、弁42は、作動シャフト34の外面の少なくとも部分の周り(例えば、全周)にシール54を含む。弁42は、(a)シール54が近位チューブ52に対して1つ以上の第1の軸方向位置56Aに配置されたときの開状態(1つのそのような第1の軸方向位置が図2Aに示されている)、および(b)シール54が近位チューブ52に対して1つ以上の第2の軸方向位置56Bに配置されたときの閉状態(1つのそのような第2の軸方向位置が図2Bに示されている)を占めるように構成されている。1つ以上の第2の軸方向位置56Bは、1つ以上の第1の軸方向位置56Aの近位にある。例えば、シール54は、図2A~Bに示されるように、Оリング、例えば、単一のOリングまたは一連のOリングを含んでもよい。任意選択で、1つ以上の追加のシール19、例えば、1つ以上のOリングが、摩擦による近位チューブ内での遠位チューブの整列をさらに安定化するために提供される。
【0203】
いくつかの用途では、シール54、作動シャフト34、および近位チューブ52は、図2Aに示されるように、少なくともシール54が近位チューブ52に対して1つ以上の第1の軸方向位置56Aに配置されている場合、シール54が近位チューブ52の遠位端58からの流体の流れを遮断するように配列される。代わりにまたは追加的に、シール54と近位チューブ52の内面との間の摩擦は、構造的安定性を増加させ、および/または段階的な膨張/埋め込みを可能にする。
【0204】
いくつかの用途では、近位チューブ52の壁は、壁を通る1つ以上のタブ60を規定するように形作られている。1つ以上のタブ60は、半径方向内側に曲がるようにバイアスされている。図2Aに示されるように、弁42が開状態にあるとき、流体流路44は、示されるように、1つ以上のタブ60のそれぞれの近位端62と、1つ以上のタブ60の近位など、1つ以上のタブ60に軸方向に隣接する壁の非タブ部分64との間の壁を通過する。
【0205】
いくつかの用途では、作動シャフト34の外面は、作動シャフト34の少なくとも部分の周り(例えば、全周)に1つ以上の突起66を規定するように形作られている。1つ以上のタブ60の近位端62は、図2Bに示されるように、1つ以上の突起66が1つ以上のタブ60の近位端62の近位に配置されたときに、1つ以上の突起66の遠位移動を防ぐように形作られ、それにより、ロック機構40はロック状態を占める。
【0206】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、近位LAA-オリフィスカバー70をさらに含み、これは、
●近位チューブ52を半径方向で取り囲むように近位チューブ52に固定されており、
●以下に説明する図3Aに示すような半径方向に圧縮された状態、ならびに図1および2A~Bに示すような半径方向に拡張した状態を占めるように構成されており、
●フレーム72と、フレーム72に固定されたカバー74を含み、
●半径方向に拡張した状態の場合、概して近位チューブ52に直交し、近位チューブ52に垂直に測定して、少なくとも10mm(例えば、少なくとも20mm)、50mm以下(例えば、30mm以下)、および/または10~50mm(例えば、20~30mm)の最大寸法を有し、かつ
●通常、近位チューブ52を介してバルーン30に間接的に接続され、バルーン30に直接接続されない。
【0207】
近位LAA-オリフィスカバー70のバルーン30へのこの間接的な接続は、概して、近位LAA-オリフィスカバー70のフレーム72の典型的に超弾性(例えば、ニチノール)材料と、以下に説明されるストラット80の典型的に塑性変形可能な(例えば、ステンレス鋼)材料との間の陽極反応を防ぐ。このような反応は、2つの要素が代わりに溶接されるか、そうでなければ互いに接触して結合された場合に発生し得る。(内部チューブまたはシャフトなどの独立した受動的要素を介した要素の接続も、そのような反応を引き起こさない。)代わりに、近位LAA-オリフィスカバー70は、フレーム72が、チタンなどの異なる塑性変形可能な材料を含む場合などは、バルーン30に直接接続される。
【0208】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、図8および9A~Bを参照して以下に説明するオリフィス支持ステント290をさらに含む。
【0209】
いくつかの用途では、作動シャフト34は、その中にガイドワイヤをスライド可能に受け入れるためのガイドワイヤ管腔76および/または送達ツールの近位ハンドルから閉鎖デバイスの遠位端部へ噴射された造影剤などの、圧力下で噴射された液体の通路を規定するように形作られている。代わりに、他の用途の場合、作動シャフト34は、ガイドワイヤ管腔を規定するように形作られていない。
【0210】
いくつかの用途では、コンプライアントなバルーン30は、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、およびポリジオキサノン(PDOまたはPDS)、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリアミド、およびポリエーテルブロックアミド(PEBA)からなる群から選択されるコンプライアントな材料を含む。
【0211】
いくつかの用途では、バルーン30の平均壁厚は100~5000ミクロンである。代わりにまたは追加的に、いくつかの用途では、バルーン30は、バルーン30の壁の最も薄い部分において、20~500ミクロンの間の最も薄い壁の厚さを有する。
【0212】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、バルーン30の遠位端部分36およびバルーン30の近位端部分38に固定された接続ストラット80をさらに含む。ストラット80は、バルーン30の内側、バルーン30の外側、または一部がバルーン30の内側および一部がバルーン30の外側に配置されてよい。一部の用途では、ストラット80はフレームとして配列されている。いくつかの用途では、ストラット80はケージのような配列で配列されている。典型的には、ストラット80は、ステンレス鋼またはチタンなどの塑性変形可能な材料を含む。典型的には、ストラット80は、バルーンチャンバーが膨張するとき、および/またはバルーンが短くなるときに、バルーン30を形作るのを助ける。
【0213】
典型的には、閉鎖デバイス10は、バルーンチャンバー32の膨張が接続ストラット80を塑性変形させるように構成されている。いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、バルーン30の短縮が接続ストラット80を塑性変形させるように構成されている。
【0214】
いくつかの用途では、ストラット80は、バルーンチャンバー32の膨張が、遠位または近位方向のストラットの変形ではなく、主にストラット80の半径方向の変形を引き起こすように構成されている。この目的のために、バルーン30の側面に沿って配列されたストラット80の第1の側方部分81Aは、バルーン30の遠位面および/またはバルーン30の近位面に配列されたストラット80の第2の端部81Bよりもコンプライアントであってもよい。例えば、第1の側方部分81Aは、図1に示されるように、第2の端部81Bよりも薄くてもよく、および/または第1の側方部分81Aは、よりコンプライアントであるように、例えば、示されているように曲がりくねった(例えば、正弦波)形状を有するように形作られてもよい。典型的には、第1の側方部分81Aは、閉鎖デバイス10の中心長手方向軸に平行に配向されている。
【0215】
ここで、本発明の用途に従う、送達システム20を使用して閉鎖デバイス10を展開する方法のステップの概略図である図3A~Fを参照する。
【0216】
本発明の用途に従う、図3A~Fに示される方法のステップの一部の概略断面図である図4A~Cも参照する。
【0217】
図3Aは、送達システム20のシース82内に半径方向に圧縮された状態で解放可能に配置された閉鎖デバイス10を概略的に示している。典型的には、バルーン30の近位端部分38とバルーン30の遠位端部分36との間の最大距離は、閉鎖デバイス10がこの半径方向に圧縮された状態にあるとき、少なくとも8mm(例えば、少なくとも15mm)、80mm以下(例えば、60mm以下)、および/または8~80mm(例えば、15~60mm)である。
【0218】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス10は、閉鎖デバイス10を送達システム20の対応して構成された遠位コネクタ86に解放可能に接続するように構成されている近位コネクタ84を含む。
【0219】
いくつかの用途では、遠位コネクタ86は、おそらく図4A~Cに最もよく見られるように、近位コネクタ84の1つ以上のそれぞれの結合部位(例えば、スロット)に係合する1つ以上の脚を含む。例えば、脚は、拘束されていない静止状態にあるときに半径方向外側にバイアスされるように構成されてもよく、図4Aに示されるように、インプラントカテーテル88などによって、近位コネクタ84の結合部位に係合して半径方向内側に保持されてもよい。図4Bに示されるように、閉鎖デバイス10に対してインプラントカテーテル88を近位に引き抜くと、脚が解放される。
【0220】
代わりに、近位コネクタ84は、ねじ山を規定するように形作られている(構成は示されていない)。
【0221】
いくつかの用途では、送達システム20は、操作ハンドル(図示せず)に接続されているインプラントカテーテル88を含む。インプラントカテーテル88は、(a)ガイドワイヤ用の長手方向通路、(b)インプラントカテーテル88を閉鎖デバイス10の対応して構成された近位コネクタ84に解放可能に接続するための遠位コネクタ86、および(c)閉鎖デバイス10の流体流路44に解放可能に接続可能な膨張チューブチャネルを含む。長手方向通路は、代わりにまたは追加的に、造影剤をハンドルからバルーンの遠位にある膨張チューブチャネルの遠位の開口部に噴射するために使用されてもよい。
【0222】
図3Bは、シース82が近位に引き抜かれ、それによって閉鎖デバイス10を解放した後の閉鎖デバイス10を示している。図3Bはまた、半径方向に拡張した状態の近位LAA-オリフィスカバー70を示している。典型的には、近位LAA-オリフィスカバー70のフレーム72は、形状記憶メモリ、例えば、超弾性金属を含み、これにより、カバー70は、シース82から解放されると、半径方向に拡張した状態に自動的に移行する。バルーン30は、展開のこの段階では、膨張していない細長い構成のままである。
【0223】
典型的には、医療従事者は、送達システムナビゲーションを使用して、閉鎖デバイス10の遠位端をLAA内に配置する。
【0224】
図3C~Dに示されるように、医療従事者はバルーンチャンバー32を膨張させる。図3Cは、バルーンチャンバー32の部分的な膨張時の閉鎖デバイス10を示し、図3Dは、バルーンチャンバー32の完全な膨張時の閉鎖デバイス10を示している。バルーン30は、生理食塩水(任意選択で造影剤を含む)、血液(例えば、自己血)、泡、および/または接着剤(例えば、ゲル、特性を変化させて剛性にすることができる液体ポリマー、またはゲルのままであるか、体温で自己硬化するヒドロゲル)を含む任意の流体をバルーンチャンバー32に充填することによって膨張させられてよい。
【0225】
いくつかの用途では、ストラット80は、複数のスパイク89を規定するように形作られ、複数のスパイク89は、図3Cに示されるように、最初は概して軸方向に配向され、図3Dに示されるように、組織に係合する棘として機能するようにバルーン30の拡張時にさらに半径方向に延びるように構成されている。
【0226】
図3Eおよび4Aは、(a)弁42が開状態から閉状態に移行し、(b)作動シャフト34が近位方向に長手方向に動かされて、バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の距離を所望の距離に短縮させることによってバルーン30を半径方向または横方向に拡張させ、かつ(c)図2A~Bを参照して上述したように、ロック機構40がロック解除状態からロック状態へ移行した後の、閉鎖デバイス10を示している。典型的には、バルーン30が最終的に充填された後、作動シャフト34は、近位方向に長手方向に動かされ、バルーン30の遠位端部分および近位端部分36および38の間の距離を所望の距離に短縮することによってバルーン30を半径方向または横方向に拡張させる。閉鎖デバイス10の近位コネクタ84は、依然として、送達システム20の対応して構成された遠位コネクタ86に解放可能に接続されている。
【0227】
図3Fおよび4B~Cは、閉鎖デバイス10の近位コネクタ84が送達システム20の遠位コネクタ86から解放された後の閉鎖デバイス10を示している。
【0228】
図4Cはまた、上記のように、プルシャフト46を回転させてねじ外すことなどによって、プルシャフト46が作動シャフト34の近位端部分から切り離された後の閉鎖デバイス10を示している。
【0229】
ここで、本発明の用途に従う、LAA100を閉鎖するために埋め込まれた閉鎖デバイス10の概略図である図5を参照する。見てわかるように、バルーン30はLAA100内に配置され、近位LAA-オリフィスカバー70は、LAA100のオリフィスを取り囲む心房壁に対して、LAA100の外側で左心房102に配置され、それによって、LAAレベルにおいて心房と連続体を生成する。通常、近位LAA-オリフィスカバー70は、その比較的平坦な形状のために最小限にしか突出せず、血流を妨げず、血栓症を引き起こさない。通常、ストラット80は、閉鎖デバイス10のほとんどのアンカリングを提供し、バルーン30は、LAAのほとんどのシーリングを提供する。さらに、近位LAA-オリフィスカバー70のカバー74が血液不透過性である構成において、近位LAA-オリフィスカバー70は、主に、オリフィスレベルでのバルーン表面での血栓の生成を抑制するために、LAAの追加のシーリングを提供する。
【0230】
いくつかの用途では、近位LAA-オリフィスカバー70は、近位チューブ52に関して非対称であり、例えば、楕円形であるか、または垂直方向よりも一方向に大きい半径を有する。
【0231】
いくつかの用途では、近位LAAオリフィスカバー70は、近位チューブ52に対して垂直に測定された調整可能な最大寸法を有するように構成される。例えば、近位LAA-オリフィスカバー70調整機構の回転は、最大寸法を調整してもよい。
【0232】
いくつかの用途では、近位LAA-オリフィスカバー70のカバー74は、LAAに出入りする血液の通過のためのフィルターとして機能するように、血液透過性である。他の用途の場合、バルーン30によって提供されるシーリングに加えて、LAAの二次シーリングを生成するために、カバー74は血液透過性ではない。
【0233】
いくつかの用途では、近位LAA-オリフィスカバー70は、生体吸収性および/または薬剤溶出性である。
【0234】
ここで、本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための閉鎖デバイス110の概略図である図6を参照する。閉鎖デバイス110は、送達システム120とともに使用するためのものである。以下に記載される場合を除いて、閉鎖デバイス110は、図1~5を参照して上記に記載される閉鎖デバイス10に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同様に、以下に記載される場合を除いて、送達システム120は、図1~5を参照して上記に記載される送達システム20に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同じ参照番号は、同じ部品を指す。
【0235】
本発明の用途に従う、閉鎖デバイス110および送達システム120の遠位部分の概略断面図である図7A~Cも参照されたい。図7A~Bは、以下に記載するように、閉鎖デバイス110の弁142が開状態の、送達システム120に接続された閉鎖デバイス110を示している。図7Aは、そのバルーン130が伸長状態にある閉鎖デバイス110を示し、図7B~Cは、バルーン130が短縮状態にある閉鎖デバイス110を示す。図7Cは、弁142が閉状態の、送達システム120に接続された閉鎖デバイス110を示している。
【0236】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、
●液密バルーンチャンバー132を規定するコンプライアントなバルーン130であって、バルーン130は、図1~5を参照して上記で記載したバルーン30の特性のいずれかを有してもよい、バルーン130と、
●(a)バルーンチャンバー132内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーン130の遠位端部分136に接続され、(c)バルーン130の遠位端部分および近位端部分136および138の間の距離を設定するようにバルーン130の近位端部分138に対して長手方向に移動可能である、作動シャフト134と、
●作動シャフト134の一部を取り囲むエラストマースリーブ143を含む弁142と、を含む。
【0237】
閉鎖デバイス110は、バルーンチャンバー132への1つ以上の流体流路開口145を有する流体流路144を規定するように形作られている。典型的には、閉鎖デバイス110は、閉鎖デバイス110が送達システム120に解放可能に接続されているときに、流体流路144が送達システム120と流体連通して結合されるように構成されている。
【0238】
例えば、エラストマースリーブ143は、シリコーンを含んでもよい。
【0239】
エラストマースリーブ143は、図7Cに示されるように、弁142が閉状態になるように、スリーブが1つ以上の流体流路開口145を覆い、かつ密封する静止状態を有するように構成されている。
【0240】
送達システム120は、閉鎖デバイス110に解放可能に接続されるように構成されている。送達システム120は、弁開放支柱147であって、
図6および7A~Bに示されるような支え位置にあるとき、エラストマースリーブ143が1つ以上の流体流路開口145を密封せずかつ弁142が開状態になるように、エラストマースリーブ143を支え開いて変形させ、また、
図7Cに示されるような非支え位置にあるとき、エラストマースリーブが静止状態を占めかつ弁142が閉状態になるように、エラストマースリーブ143を支え開かないように構成されている、弁開放支柱147を含む。
【0241】
この構成は、バルーン130の短縮および弁142の閉鎖を別々に制御することを可能にする。代わりに、弁開放支柱147(例えば、以下に記載されるその管状部分151)は、プルシャフト46に固定されている。
【0242】
いくつかの用途では、弁開放支柱147は、エラストマースリーブ143を支え開くように、エラストマースリーブ143の軸から半径方向外向きに延びる1つ以上のタブ149を含む。
【0243】
いくつかの用途では、弁開放支柱147は、図7B図7Cとの移行に示されるように、(例えば、近位方向における)エラストマースリーブ143に対するその軸方向のスライドが弁開放支柱147を支え位置から非支え位置に移行させるように構成されている。
【0244】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、バルーン130の近位端部分138に対して軸方向に固定されている近位チューブ152をさらに含む。いくつかの用途では、作動シャフト134は、近位チューブ152内に部分的にスライド可能に配置されている。
【0245】
いくつかの用途では、Oリング(図のような)などのシールが提供され、シールと近位チューブ152の内面との間の摩擦が構造的安定性を高める。代わりにまたは追加的に、Oリングは、バルーンの短縮が完了すると、1つ以上の流体流路開口145の近位に配置され、追加の流体が1つ以上の流体流路開口145およびエラストマースリーブ143を通過するのを遮断する。
【0246】
いくつかの用途では、弁開放支柱147は、近位チューブ152内に少なくとも部分的に配置された管状部分151を含む。これらの用途のいくつかについて、弁開放支柱147は、1つ以上のタブ149を含み、これらは、(a)管状部分151から軸方向に離れて(例えば、遠位方向に)、および(b)エラストマースリーブ143を支え開くために、近位チューブ152から半径方向外向きに延びる。いくつかの用途では、図6および7A~Bに示されるように、弁開放支柱147が支え開き位置にあるとき、1つ以上のタブ149は、1つ以上の流体流路開口145の少なくとも部分を通過する。代わりに、いくつかの用途では、近位チューブ152は、近位チューブ152の壁を通る1つ以上のアクセス開口を規定するように形作られ、1つ以上のタブ149は、少なくとも弁開放支柱147が支え開き位置にあるとき(構成は示されない)、1つ以上のアクセス開口を通過する。
【0247】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、近位LAA-オリフィスカバー70をさらに含み、これは、近位チューブ152を半径方向で取り囲む近位チューブ152に固定されている。近位LAA-オリフィスカバー70は、上記および/または下記に記載される技術のいずれかを実施してよい。これらの用途のいくつかについて、閉鎖デバイス110は、図8および9A~Bを参照して以下に記載される、オリフィス支持ステント290をさらに含む。
【0248】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、ロック状態およびロック解除状態を占めるように構成されているロック機構をさらに含み、ロック機構は、ロック状態にあるとき、バルーン130の遠位端部分136とバルーン130の近位端部分138との間に、作動シャフト134を使用して設定される距離を維持するように構成されている。ロック機構は、必要な変更を加えて、本明細書に記載されているロック機構のいずれかを実施してよい。
【0249】
いくつかの用途では、作動シャフト134は、バルーン130の遠位端部分136に配置された遠位先端150を少なくとも部分的に規定するように形作られている。
【0250】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、バルーン130の遠位端部分136およびバルーン130の近位端部分138に固定された接続ストラット180をさらに含む。典型的には、閉鎖デバイス110は、バルーンチャンバー132の膨張が接続ストラット180を塑性変形させるように構成されている。いくつかの用途では、閉鎖デバイス110は、バルーン130の短縮が接続ストラット180を塑性変形させるように構成されている。
【0251】
いくつかの用途では、送達システム120は、図1~5を参照して上記で記載したようなインプラントカテーテル88をさらに含む。
【0252】
ここで、本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための閉鎖デバイス410の概略図である図7Dを参照する。説明を明確にするために、バルーンは、閉鎖デバイスの実際の要素であるにもかかわらず、図7Dではストラット180に接続されて示されていない。閉鎖デバイス410は、送達システムとともに使用するためのものである。以下に記載される場合を除いて、閉鎖デバイス410は、図6および図7A~Cを参照して上記に記載される閉鎖デバイス110に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同じ参照番号は、同じ部品を指す。同様に、以下に記載される場合を除いて、送達システムは、図1~5を参照して上記に記載される送達システム20に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。
【0253】
閉鎖デバイス410は、作動シャフト134の部分を取り囲むエラストマースリーブ143を含む弁442を含む。エラストマースリーブ143は、弁が閉状態になるように(図7Dには示されていないが、閉鎖デバイス110について図7Cに示された状態に類似する)、スリーブが1つ以上の流体流路開口145を覆い、かつ密封する静止状態を有するように構成されている。
【0254】
閉鎖デバイス110の送達システム120とは異なり、本構成の送達システムは、弁開放支柱147を含まない。代わりに、送達システムは、1つ以上のガイドワイヤ447を含み、ガイドワイヤ447は、
図7Dに示されるような支え位置にあるとき、エラストマースリーブ143が1つ以上の流体流路開口145を密封せず、弁442が開状態になるように、エラストマースリーブ143を支え開いて変形させ、また、
●非支え位置(図7Dには示されていないが、閉鎖デバイス110の図7Cに示されている状態と同様)にあるとき、エラストマースリーブが静止状態を占めかつ弁442が閉状態になるように、エラストマースリーブ143を支え開かない。
【0255】
いくつかの用途では、1つ以上のガイドワイヤ447は、1つ以上のガイドワイヤが支え位置にあるときに、1つ以上の流体流路開口145の少なくとも部分を通過する。
【0256】
ここで、本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための閉鎖デバイス210の概略図である図8を参照する。閉鎖デバイス210は、送達システム220とともに使用するためのものである。閉鎖デバイス210は、必要な変更を加えた、本明細書に記載された弁および/またはロック機構のいずれかを含むがこれらに限定されない、必要な変更を加えた、本明細書に記載された他の閉鎖デバイスのいずれかと組み合わせて実施されてもよい。同様に、以下に記載される場合を除いて、送達システム220は、本明細書に記載される他の送達システムと同様であり、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してよい。同じ参照番号は、同じ部品を指す。
【0257】
本発明の用途に従う、閉鎖デバイス210および送達システム220の遠位部分の概略断面図である図9A~Bも参照されたい。図9A~Bは、送達システム220に接続された閉鎖デバイス210を示している。図9Aは、そのバルーン230が伸長状態にある閉鎖デバイス210を示し、図9Bは、バルーン230が短縮状態にある閉鎖デバイス210を示す。
【0258】
閉鎖デバイス210は、
●液密バルーンチャンバー232を規定するコンプライアントなバルーン230であって、バルーン230は、図1~5を参照して上記で記載したバルーン30の特性のいずれかを有してもよい、バルーン230と、
●(a)バルーンチャンバー232内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーン230の遠位端部分236に接続され、(c)バルーン230の遠位端部分および近位端部分236および238の間の距離を設定するようにバルーン230の近位端部分238に対して長手方向に移動可能である、作動シャフト234と、
●上記のように、本明細書に記載の弁の特徴のいずれかを実施してもよい弁242と、を含む。
【0259】
閉鎖デバイス210は、近位LAA-オリフィスカバー70をさらに含み、近位LAA-オリフィスカバー70は、(a)半径方向に圧縮された状態および半径方向に拡張した状態を占めるように構成され、(b)フレーム72およびフレーム72に固定されたカバー74を含み、(c)半径方向に拡張した状態にあるとき、概して作動シャフト234に直交し、作動シャフト234に対して垂直に測定された、少なくとも10mm(例えば、少なくとも20mm)、50mm以下(例えば、30mm以下)、および/または10~50mm(例えば、20~30mm)の最大寸法を有する。
【0260】
閉鎖デバイス210は、LAAのオリフィスでの支持を強化するように構成されたオリフィス支持ステント290をさらに含む。オリフィス支持ステント290は、完全にLAA内など、少なくとも部分的にLAA内に位置決めされるように構成されている。オリフィス支持ステント290は、
●近位LAA-オリフィスカバー70に固定され、かつ近位LAA-オリフィスカバー70から遠位に延び、
●半径方向に圧縮された状態(図示せず)および半径方向に拡張した状態(図8および9A~Bに示される)を占めるように構成されており、
●半径方向に拡張した状態の場合、概して円筒形である。
【0261】
特許請求の範囲および発明の概念を含む本出願で使用される場合、「概して円筒形」という句は、概して円形の円筒形に限定されず、その範囲内に、概して楕円形の円筒形などの他の概して円筒形の形状も含む。
【0262】
いくつかの用途では、オリフィス支持ステント290は、半径方向に拡張した状態にあるとき、(i)作動シャフト234に対して垂直に測定された、少なくとも8mm、50mm以下、および/もしくは8~50mmの最大寸法、ならびに/または(ii)少なくとも4mm(例えば、少なくとも5mm)、30mm以下、および/もしくは4~30mmの軸方向長さを有する。
【0263】
いくつかの用途では、オリフィス支持ステント290はバルーン230に固定されていないので、バルーン230の形状は、オリフィス支持ステント290の形状とは独立して変化することができる。代わりにまたは追加的に、オリフィス支持ステント290と閉鎖デバイス210の接続ストラット280との間の直接の物理的接触の欠如は、ストラット280の典型的に超弾性の(例えば、ニチノール)材料と、オリフィス支持ステント290の典型的に塑性変形可能な(例えば、ステンレス鋼)材料との間の陽極反応を防ぐ。このような反応は、2つの要素が代わりに溶接されるか、そうでなければ互いに接触して結合された場合に発生し得る。(内部チューブやシャフトなどの独立した受動的要素を介した要素の接続も、このような反応を引き起こさない)。
【0264】
いくつかの用途では、オリフィス支持ステント290は、超弾性または塑性変形可能な金属を含む。
【0265】
典型的には、閉鎖デバイス210は、バルーンチャンバー232の膨張が、オリフィス支持ステント290をその半径方向に圧縮された状態からその半径方向に拡張した状態に移行させるように構成される。いくつかの用途では、オリフィス支持ステント290は、ニチノールなどの超弾性金属を含むので、ステントは、クリンプされたとき、その壁ストラットの厚さによって与えられる最小直径を有する。解放されると、ステントは、クリンプされた直径よりも大きい解放された直径に移行する傾向がある。バルーン230がステント内で膨張させられる構成では、ステントは過伸長し、その直径は、ステントストラットの過膨張の設計および能力に依存する程度まで、その解放された直径よりも大きくなる。
【0266】
いくつかの用途では、閉鎖デバイス210は、バルーン230の近位端部分238に対して軸方向に固定されている近位チューブ252をさらに含む。これらの用途では、近位LAA-オリフィスカバー70は、近位チューブ252を半径方向で取り囲む近位チューブ252に固定され、近位チューブ252を介してバルーン230に間接的に接続され、バルーン230に直接接続されていない。
【0267】
ここで、本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための閉鎖デバイス310の概略図である図10を参照する。閉鎖デバイス310は、送達システム320とともに使用するためのものである。以下に記載される場合を除いて、閉鎖デバイス310は、図1~5を参照して上記に記載される閉鎖デバイス10に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同様に、以下に記載される場合を除いて、送達システム320は、図1~5を参照して上記に記載される送達システム20に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同じ参照番号は、同じ部品を指す。
【0268】
本発明の用途に従う、閉鎖デバイス310および送達システム320の遠位部分の概略断面図である図11も参照されたい。図10および図11の両方は、送達システム320に接続された閉鎖デバイス310を示している。以下に記載するように、図10は、そのバルーン330が伸長状態にある閉鎖デバイス310を示し、図11は、バルーン330が短縮状態にある閉鎖デバイス310を示す。
【0269】
閉鎖デバイス310は、
●液密バルーンチャンバー332を規定するコンプライアントなバルーン330であって、バルーン330は、図1~5を参照して上記で記載したバルーン30の特性のいずれかを有してもよい、バルーン330と、
●バルーン330の近位端部分338に対して軸方向に固定されている近位チューブ352と、
●ばね353と、
●本明細書に記載の弁の特徴のいずれかを実施してもよい弁342と、を含む。
【0270】
ばね353は、(a)バルーンチャンバー232内に少なくとも部分的に配置され、(b)バルーン330の遠位端部分336および近位チューブ352に(直接または間接的に、例えば管を介して)接続され、(c)図11に示すように、弛緩した長さを有する。ばね353が弛緩した長さを有するとき、バルーン330の遠位端部分336は、図11に示されるように、バルーン330の近位端部分338から弛緩した距離にある。
【0271】
送達システム320は、閉鎖デバイス310に解放可能に接続されるように構成されている。送達システム320は、近位チューブ352を通ってばね353内に取り外し可能に配置されるスタイレット355を含む。閉鎖デバイス310は、ばね353内でのスタイレット355の遠位前進の程度がばね353の緊張した長さを設定し、それ自体が、バルーン330の遠位端部分および近位端部分336および338の間の緊張した距離を設定し、緊張した距離が弛緩した距離よりも大きくなるように、構成される。1つの可能な緊張した距離が図10に示されている。
【0272】
典型的には、閉鎖デバイス310のLAAへの展開中に、閉鎖デバイス310は、ばね353が伸長された緊張状態になりながらLAA内に進められる。バルーンチャンバー332は、典型的には、ばね353が図10に示されるように伸長した緊張状態にある間に膨張し、弁342は、本明細書に記載の技術を使用するなどして、閉状態に移行させられる。その後、スタイレット355は部分的に近位に引き抜かれ、図11に示されるように、ばね353をその静止状態に短縮させる。
【0273】
いくつかの用途では、スタイレット355の遠位端部分は、バルーン330の遠位端部分336に接続されている閉鎖デバイス310の閉鎖デバイスコネクタ357に解放可能に接続されている。(スタイレット355は、閉鎖デバイス310に接続されていなくても概して所定の位置に留まるが、このように接続されていない場合、スタイレット355は、展開中の閉鎖デバイス310の操作およびバルーン330の膨張中に、ばね353の中心から外れ、ばね353と絡み合う可能性がある)。これらの用途では、ばね353が短縮させられた後、スタイレット355は閉鎖デバイスコネクタ357から切断される。例えば、スタイレット355の端部および閉鎖デバイスコネクタ357は、それぞれのねじ山を規定してもよい。
【0274】
任意選択で、スタイレット355は、LAAの湾曲を含む、LAAの解剖学的構造の変化に対応するために柔軟、例えば、非常に柔軟である。
【0275】
ここで、本発明の用途に従う、LAAを閉鎖するための閉鎖デバイス510の概略図である図12A~B、13A~B、および14A~Bを参照する。閉鎖デバイス510は、必要な変更を加えた、図1~4Cを参照して上記に記載した送達システム20、図6~7Cを参照して上記に記載した送達システム120、図8~9Bを参照して上記に記載した送達システム220、または図10~11を参照して上記に記載した送達システム320などの送達システムとともに使用するためのものである。以下に記載される場合を除いて、閉鎖デバイス510は、図1~5を参照して上記に記載される閉鎖デバイス10に類似しており、必要な変更を加えて、その特徴のいずれかを実施してもよい。同じ参照番号は、同じ部品を指す。代わりにまたは追加的に、閉鎖デバイス510は、図6および7A~Cを参照して上記に記載した閉鎖デバイス110、図8および9A~Bを参照して上記に記載した閉鎖デバイス210、図10および11を参照して上記に記載した閉鎖デバイス310、ならびに/または図7Dを参照して上記に記載した閉鎖デバイス410の特徴のいずれかを任意選択で実施してもよい。限定ではなく例として、閉鎖デバイス510は、図に示されるように、任意選択で近位LAA-オリフィスカバー70を含んでもよい。同様に、本明細書に記載されるこれらの他の閉鎖デバイスは、必要な変更を加えて、閉鎖デバイス510の特徴のいずれかを任意に実施してもよい。
【0276】
図12A~Bは、図3Aに示されるシース82が近位に引き抜かれ、それによって閉鎖デバイス510を解放し、近位LAA-オリフィスカバー70をその半径方向に拡張した状態に移行させた後の閉鎖デバイス510を示す。これは、図3Bに示す閉鎖デバイス10の展開状態に類似している。バルーン30は、展開のこの段階では、膨張していない細長い構成のままである。
【0277】
図13A~Bは、バルーンチャンバー32の部分的な膨張時の閉鎖デバイス510を示している。
【0278】
図14A~Bは、バルーンチャンバー32の最終的な膨張時の閉鎖デバイス510を示している。バルーンチャンバー32は、LAAの特定の解剖学的構造に必要な半径方向の拡張の程度に応じて、異なる最終膨張レベルで膨張させることができる。典型的には、閉鎖デバイス510は、15~40mm、例えば、15~35mmなど、20~35mmの直径に半径方向に拡張可能であるように構成される。
【0279】
閉鎖デバイス510は、バルーン30の遠位端部分36およびバルーン30の近位端部分38に固定された接続ストラット580を含む。ストラット580は、必要な変更を加えて、上記に記載したストラット80の特徴のいずれかを実施してもよい。ストラット580の第1の側方部分581Aは、バルーン30の側面に沿って配列されている。ストラット580の第2の遠位端部分581Bは、バルーン30の遠位面上に配列されている。ストラット580の第3の近位端部分581Cは、バルーン30の近位表面上に配列されている。典型的には、第2の遠位端部分581Bおよび第3の近位端部分581Cは、概して真っ直ぐである。典型的には、第1の側方部分581Aは、閉鎖デバイス510の中心長手方向軸に平行に配向されている。
【0280】
いくつかの用途では、ストラット580の遠位インターフェース部分583Aは、それぞれ、第1の側方部分581Aおよび第2の遠位端部分581Bに結合し、ならびに/または近位インターフェース部分583Bは、それぞれ、第1の側方部分581Aおよび第3の近位端部分581Cに結合する。閉鎖デバイス510は、バルーンチャンバー32の膨張時に、図13A~Bおよび14A~Bに示されるように、遠位インターフェース部分583Aおよび近位インターフェース部分583Bが湾曲するように構成されている。(図12A~Bは、膨張していないバルーンチャンバー32を示し、図13A~Bは、部分的に膨張したバルーンチャンバー32を示し、図14A~Bは、最終的に膨張したバルーンチャンバー32を示す。)これらの用途のいくつかについて、遠位インターフェース部分583Aおよび/または近位インターフェース部分583Bは、示されるように、曲がりくねった(例えば、正弦波)形状を有する。この曲がりくねった形状により、遠位インターフェース部分583Aおよび/または近位インターフェース部分583Bは、第1の側方部分581A、第2の遠位端部分581B、および/または第3の近位端部分581Cよりも柔軟になる。結果として、閉鎖デバイス510は、バルーン30の膨張および短縮の際に、そうでない場合よりも円筒形の形状を占める。任意選択で、ストラット580の第1の側方部分581Aは、概して真っ直ぐであり、これはまた、閉鎖デバイス510の円筒形に寄与する。
【0281】
いくつかの用途では、ストラット580の遠位端部分585Aは、ストラット580の第2の遠位端部分581Bをバルーン30の遠位端部分36にそれぞれ結合し、および/またはストラット580の近位端部分585Bは、ストラット580の第3の近位端部分581Cをそれぞれバルーン30の近位端部分38に結合する。閉鎖デバイス510は、バルーンチャンバー32の膨張時に、遠位端部分585Aおよび近位端部分585Bが湾曲するように構成されている。(図12A~Bは、膨張していないバルーンチャンバー32を示し、図13A~Bは、部分的に膨張したバルーンチャンバー32を示し、図14A~Bは、最終的に膨張したバルーンチャンバー32を示す。)これらの用途のいくつかについて、遠位端部分585Aおよび/または近位端部分585Bは、示されるように、曲がりくねった(例えば、正弦波)形状を有する。この曲がりくねった形状は、遠位端部分585Aおよび/または近位端部分585Bが伸長することを可能にし、それにより、閉鎖デバイス510が、例えば、15~40mm、例えば、15~35mmなど、20~35mmの直径まで半径方向に拡張させることを可能にする。この曲がりくねった形状はまた、遠位端部分585Aおよび/または近位端部分585Bが選択的に伸長することを可能にし、それにより、異なる半径方向における異なる程度へのバルーン30の拡張に対応する。
【0282】
いくつかの用途では、ストラット580は、それぞれ第2の遠位端部分581B、および/またはそれぞれ第3の近位端部分581Cの外端599(図12Aおよび14Aにおいてラベル付けされている)から延びる複数のスパイク589を規定するように形作られている。図12A~Bに示されるように、バルーン30が非膨張の細長い構成にあるとき、スパイク589は、最初は概して軸方向に配向されている。スパイク589は、図14A~Bに示されるように、バルーンチャンバー32の膨張時により半径方向に延び、組織に係合する棘として機能するように構成される。スパイク589のそれぞれの軸は、第2の遠位端部分581Bおよび第3の近位端部分581Cの軸と平行であるか、またはそれらに対してわずかに角度を付けられてもよい。
【0283】
いくつかの用途では、遠位インターフェース部分583Aは、それらの間にそれぞれの狭い細長いギャップ593を規定する平行な曲がりくねった(例えば、正弦波状の)ストラット591Aおよび591Bのそれぞれの対を規定するように形作られている。図12A~Bに示されるように、スパイク589が最初に概して軸方向に配向されているとき、スパイクはそれぞれのギャップ593に配置されている。スパイク589のそれぞれの先端595は、平行な曲がりくねったストラット591Aおよび591Bの間のそれぞれの接合部においてギャップ593のそれぞれの端面597の近くに配置され、それにより、スパイク589のそれぞれの先端595は、スパイクが半径方向に展開されるまで、それぞれの端面597によって保護される。代わりにまたは追加的に、近位インターフェース部分583Bおよびそれらの対応するスパイク589は、この特徴を実施してもよい。
【0284】
いくつかの用途では、接続ストラット580は、第1の側方部分581Aの隣接する対を接続する閉じたステントセル587をさらに含む。任意選択で、直列に配列された2つ以上の閉じたステントセル587は、第1の側方部分581Aの隣接する対を接続する(図では、直列に配列されたちょうど2つの閉じたステントセル587が、第1の側方部分581Aの隣接する対を接続するように示されている)。典型的には、直列に配列された正確に2つまたは3つの閉じたステントセル587など、直列に配列された4つ以下の閉じたステントセル587である。閉じたステントセル587によるこれらの接続は、バルーンチャンバー32の膨張時に第1の側方部分581Aを横方向で安定化させるのを助けてもよく、ステントストラットからのバルーンの半径方向拡張を制限するのを助けることによって、バルーンチャンバー32の膨張時にバルーン30の形状を拘束するのを助ける。閉じたステントセル587によるこれらの接続は、LAAの壁に十分に大きな収縮面を提供することによって、摩擦によって閉鎖デバイス510の埋め込みを代わりにまたは追加的に安定化させてもよい。任意選択で、示されるように、一連の2つ以上の閉じたステントセル587が、第1の側方部分581Aの隣接する対を接続する。代わりに、2つ以上の閉じたステントセル587の2つ以上の連続(例えば、ちょうど2つの連続)が、第1の側方部分581Aの隣接する対を接続する(構成は示されていない)。
【0285】
典型的には、第1の側方部分581Aのストラットの平均幅は、閉じたステントセル587のストラットの平均幅の少なくとも200%、例えば、少なくとも250%、300%、または400%に等しい。上記のように、典型的には、第1の側方部分581Aは、閉鎖デバイス510の中心長手方向軸に平行に配向されている。閉じたステントセル587のストラットは、バルーンの拡張に伴う閉じたステントセルの拡張を可能にするために、これらのより薄い幅を有してもよい。
【0286】
いくつかの用途では、閉じたステントセル587は、それぞれのひし形として形作られている。ひし形は、送達のために半径方向に圧縮することができ、それにより、ひし形は、S字型や曲がりくねった形状など、非対称に拡張させる傾向がある他の多くのステント形状とは異なり、予測可能に対称的に拡張する。ひし形はまた、送達のために塑性的に半径方向に圧縮された後、埋め込みのために塑性的に拡張されると、概して元の形状に戻る。いくつかの用途では、ひし形は、特定のレベルの半径方向の圧縮および拡張で正方形および/またはダイヤモンド型として形作られてもよい。
【0287】
一実施形態では、本明細書に記載の技術および装置は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、以下の特許出願のうちの1つ以上に記載の技術および装置と組み合わされる。
●Maisano他への欧州特許出願公開第3,459,469A1号、
●Maisano他への国際公開第2019/057950号、
●Maisano他への国際公開第2020/060587号、および/または
●2019年9月26日に出願された米国仮出願第62/906,393号。
【0288】
本発明が、上で特に示され、説明されたものに限定されないことが当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載の様々な特徴の組み合わせおよびサブコンビネーションの両方、ならびに前述の記載を読んだときに当業者が思いつき、先行技術にはないそれらの修正および変更を含む。

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B