(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153732
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】成形性及び再利用性が向上したアルミニウム合金製品を製造するための技法
(51)【国際特許分類】
C22C 21/06 20060101AFI20241022BHJP
C22C 21/00 20060101ALI20241022BHJP
C22C 21/02 20060101ALI20241022BHJP
C22F 1/043 20060101ALI20241022BHJP
C22F 1/047 20060101ALI20241022BHJP
C22F 1/04 20060101ALI20241022BHJP
C22F 1/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
C22C21/06
C22C21/00 L
C22C21/00 M
C22C21/02
C22F1/043
C22F1/047
C22F1/04 C
C22F1/00 623
C22F1/00 622
C22F1/00 630A
C22F1/00 630K
C22F1/00 673
C22F1/00 681
C22F1/00 682
C22F1/00 683
C22F1/00 685Z
C22F1/00 685A
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 692A
C22F1/00 694B
【審査請求】有
【請求項の数】65
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024118321
(22)【出願日】2024-07-24
(62)【分割の表示】P 2022544185の分割
【原出願日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】62/963,816
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】カン,デフン
(72)【発明者】
【氏名】ダッシュ,カイル デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ミッチェル グレン
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ダス,サゾル クマール
(72)【発明者】
【氏名】モハンティ,ラシュミ ランジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,デウェイ
(72)【発明者】
【氏名】バッキンガム,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンズ,アマンダ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルミニウム合金製品内の再生原料含有物を増加させつつ成形性も増大させることが可能なアルミニウム合金製品、およびそのようなアルミニウム合金製品を作製する方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金製品の金属間粒子密度及び粒子サイズが慎重に制御された、アルミニウム合金製品及びアルミニウム合金製品を作製する方法が記載される。そのようなアルミニウム合金製品は、好ましい成形性を示し得る。金属間粒子のサイズ及び密度を制御することにより、アルミニウム合金製品中に大量の再生原料含有物を使用することが可能となり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金製品であって、
アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含むアルミニウム合金を含み、
前記アルミニウム合金中のケイ素のwt%に対する前記アルミニウム合金中の鉄のwt%の比率が、0.5~5.0であり、
前記アルミニウム合金が、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含み、
前記アルミニウム合金が、5粒子/μm2~30,000粒子/μm2の前記複数の粒子の粒子密度を有し、前記アルミニウム合金が、1μm~25μmの前記複数の粒子の粒子間間隔を有する、
前記アルミニウム合金製品。
【請求項2】
前記複数の粒子が、500nm~50μmの直径を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項3】
前記粒子密度が、50~1,000粒子/μm2である、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項4】
前記アルミニウム合金が、
0.1wt%~1.0wt%の鉄、
0.05wt%~0.8wt%のケイ素、
0.2wt%~2.0wt%のマンガン、
0.2wt%~2.0wt%のマグネシウム、
最大0.5wt%の銅、
最大0.05wt%の亜鉛、及び
アルミニウム
を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項5】
前記アルミニウム合金が、最大0.15wt%の不純物を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項6】
前記アルミニウム合金が、
0.2wt%~0.8wt%の鉄、
0.10wt%~0.7wt%のケイ素、
0.6wt%~1.0wt%のマンガン、
0.7wt%~1.0wt%のマグネシウム、
最大0.25wt%の銅、
最大0.2wt%の亜鉛、
最大0.10wt%のチタン、
最大0.10wt%のクロム、
最大0.10wt%のジルコニウム、
最大0.10wt%のバナジウム、及び
アルミニウム
を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項7】
前記アルミニウム合金が、
0.3wt%~0.7wt%の鉄、
0.15wt%~0.5wt%のケイ素、
0.8wt%~1.2wt%のマンガン、
0.9wt%~1.2wt%のマグネシウム、
0.1wt%~0.2wt%の銅、
最大0.15wt%の亜鉛、
最大0.08wt%のチタン、
最大0.05wt%のクロム、
最大0.05wt%のジルコニウム、
最大0.05wt%のバナジウム、及び
アルミニウム
を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項8】
前記α相金属間粒子が、前記アルミニウム合金の0.5体積%~4.0体積%を構成し、
前記β相金属間粒子が、前記アルミニウム合金の0体積%~2.0体積%を構成する、
請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項9】
β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.2~1,000であるか、または
前記β相金属間粒子の体積%に対する前記α相金属間粒子の体積%の比率が0.6~1,000である、
請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項10】
前記β相金属間粒子の数密度に対する前記α相金属間粒子の数密度の比率が0.3~3である、請求項9に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項11】
前記複数の粒子の80パーセント以上が、5μm~15μmの粒子間間隔を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項12】
前記複数の粒子が鉄含有粒子を含み、前記鉄含有粒子の大部分が1μm~40μmの直径を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項13】
前記鉄含有粒子が、前記アルミニウム合金の総体積の1%~4%を構成する、請求項12に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項14】
マンガン含有分散質を更に含み、前記マンガン含有分散質の大部分が10nm~1.5μmの直径を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項15】
前記マンガン含有分散質が、前記アルミニウム合金の総体積の最大1%を構成する、請求項14に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項16】
前記アルミニウム合金が、均質化3xxx系アルミニウム合金を含み、
前記均質化3xxx系アルミニウム合金中の前記ケイ素のwt%に対する前記均質化3xxx系アルミニウム合金中の前記鉄のwt%の比率が、0.5~1.0であり、
前記均質化3xxx系アルミニウム合金が、α相金属間粒子を含み、
前記均質化3xxx系アルミニウム合金の均質化中に、前記α相金属間粒子の少なくとも一部が、β相金属間粒子から変換される、
請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項17】
前記均質化3xxx系アルミニウム合金中のβ相金属間粒子の数密度に対する前記均質化3xxx系アルミニウム合金中のα相金属間粒子の数密度の比率が、2~1000であるか、または
前記β相金属間粒子の体積%に対する前記α相金属間粒子の体積%の比率が、0.6~1000である、
請求項16に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項18】
前記均質化3xxx系アルミニウム合金が、1つ以上の圧延プロセスに供される、請求項16に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項19】
前記均質化3xxx系アルミニウム合金が、
0.8~1.4wt%のマグネシウム;
0.8~1.3wt%のマンガン;
最大0.25wt%の銅;
0.25~0.7wt%のケイ素;
最大0.7wt%の鉄;
最大0.25wt%の亜鉛、及び
アルミニウム
を含む、請求項16に記載のアルミニウム合金製品。
【請求項20】
アルミニウム合金製品を作製する方法であって、
アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム合金製品を調製することであって、前記アルミニウム合金が、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含み、前記アルミニウム合金中の鉄のwt%に対する前記アルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、前記アルミニウム合金が、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含む、調製することと;
前記鋳造アルミニウム合金製品を500℃~650℃の均質化温度に加熱し、前記鋳造アルミニウム合金製品を、0.1時間~36時間の持続期間にわたって前記均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品を形成するために前記鋳造アルミニウム合金製品を均質化することと、を含み、
前記アルミニウム合金製品が、5~30,000粒子/μm2の前記複数の粒子の粒子密度を有し、
前記アルミニウム合金製品が、1μm~25μmの前記複数の粒子の粒子間間隔を有する、
前記方法。
【請求項21】
前記持続時間が、0.5~10時間である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記均質化温度が、570℃~620℃である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記均質化温度が、前記アルミニウム合金の固相線温度の25℃以内である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ソーキング中に、前記β相金属間粒子のサイズが、前記ソーキング前の前記β相金属間粒子のサイズと比較して減少する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記ソーキング中に、前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度が、前記ソーキング前の前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度と比較して減少する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の粒子が、500nm~50μmの粒子直径で構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記粒子密度が、50~1,000粒子/μm2である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記アルミニウム合金が、
0.1wt%~1.0wt%の鉄、
0.05wt%~0.8wt%のケイ素、
0.2wt%~2.0wt%のマンガン、
0.2wt%~2.0wt%のマグネシウム、
最大0.5wt%の銅、
最大0.05wt%の亜鉛、及び
アルミニウム
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記アルミニウム合金が、
0.2wt%~0.8wt%の鉄、
0.10wt%~0.7wt%のケイ素、
0.6wt%~1.0wt%のマンガン、
0.7wt%~1.0wt%のマグネシウム、
最大0.25wt%の銅、
最大0.2wt%の亜鉛、
最大0.10wt%のチタン、
最大0.10wt%のクロム、
最大0.10wt%のジルコニウム、
最大0.10wt%のバナジウム、及び
アルミニウム
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記アルミニウム合金が、
0.3wt%~0.7wt%の鉄、
0.15wt%~0.5wt%のケイ素、
0.8wt%~1.2wt%のマンガン、
0.9wt%~1.2wt%のマグネシウム、
0.1wt%~0.2wt%の銅、
最大0.15wt%の亜鉛、
最大0.08wt%のチタン、
最大0.05wt%のクロム、
最大0.05wt%のジルコニウム、
最大0.05wt%のバナジウム、及び
アルミニウム
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記α相金属間粒子が、前記アルミニウム合金の0.5体積%~4.0体積%を構成し、
前記β相金属間粒子が、前記アルミニウム合金の0~2.0体積%を構成する、
請求項20に記載の方法。
【請求項32】
β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.2~1,000であるか、または
前記β相金属間粒子の体積%に対する前記α相金属間粒子の体積%の比率が0.6~1,000である、
請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記β相金属間粒子の数密度に対する前記α相金属間粒子の数密度の比率が0.3~3である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の粒子の80パーセント以上が、5μm~15μmの粒子間間隔を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の粒子が鉄含有粒子を含み、前記鉄含有粒子の大部分が1μm~40μmの直径を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記鉄含有粒子が、前記アルミニウム合金の総体積の1%~4%を構成する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アルミニウム合金が、マンガン含有分散質を更に含み、前記マンガン含有分散質が、10nm~1.5μmの直径を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記マンガン含有分散質が、前記アルミニウム合金の総体積の最大1%を構成する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記鋳造アルミニウム合金製品が、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含む3xxx系アルミニウム合金を含み、
前記3xxx系アルミニウム合金中の鉄のwt%に対する前記3xxx系アルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、
前記鋳造アルミニウム合金製品が、β相金属間粒子及びα相金属間粒子を含み;
前記均質化温度が、575℃~615℃であり;
前記持続時間が、12時間~36時間であり;
前記3xxx系アルミニウム合金由来のケイ素が前記β相金属間粒子の少なくとも一部分に拡散して、前記β相金属間粒子の少なくとも一部分がα相金属間粒子に変換される、
請求項20に記載の方法。
【請求項40】
前記持続時間が、24~36時間である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記持続時間が、24~30時間である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記均質化温度が、580℃~610℃である、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記均質化温度が、前記3xxx系アルミニウム合金の固相線温度の25℃以内である、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記ソーキング中に、鉄が前記β相金属間粒子から拡散し、マンガンによって置き換えられる、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記ソーキング中に、鉄が前記β相金属間粒子から拡散し、前記鋳造アルミニウム合金製品内に存在する分散質と結合してα相金属間粒子を形成する、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記分散質が、マンガンを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ソーキング中に、前記β相金属間粒子の平均サイズが、ソーキング前の前記β相金属間粒子の平均サイズと比較して減少する、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記ソーキング中に、前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度が、ソーキング前の前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度と比較して減少する、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記ソーキング中に、前記β相金属間粒子の約30%~100%がα相金属間粒子に変換される、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
前記均質化アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が、2~1000である、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
前記鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が、0.3~3である、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
前記3xxx系アルミニウム合金中の前記鉄のwt%に対する前記ケイ素のwt%の比率が、0.55~0.9である、請求項39に記載の方法。
【請求項53】
前記3xxx系アルミニウム合金が、
0.8~1.4wt%のマグネシウム;
0.8~1.3wt%のマンガン;
最大0.25wt%の銅;
0.25~0.7wt%のケイ素;
最大0.7wt%の鉄;
最大0.25wt%の亜鉛、及び
アルミニウム
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項54】
前記鋳造アルミニウム合金製品を調製することが、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製すること及び前記溶融3xxx系アルミニウム合金を鋳造することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項55】
前記溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、3xxx系アルミニウム合金原料と5xxx系アルミニウム合金原料との組み合わせを溶融させることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記3xxx系アルミニウム合金原料及び前記5xxx系アルミニウム合金原料が、再生原料に由来する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、前記3xxx系アルミニウム合金原料及び前記5xxx系アルミニウム合金原料とともに、4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を溶融させることを更に含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記均質化温度が、第1の均質化温度であり、
前記均質化アルミニウム合金製品の温度を、前記第1の均質化温度よりも低い第2の均質化温度に低減させることと;
前記均質化アルミニウム合金製品を、前記第2の均質化温度で第2の持続時間にわたってソーキングすることと、を更に含む、
請求項39に記載の方法。
【請求項59】
前記第2の持続時間が、1時間~24時間である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の均質化温度が、500℃~600℃である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記均質化アルミニウム合金製品を前記第2の均質化温度でソーキングすることにより、前記均質化アルミニウム合金製品の表面品質が制御される、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記均質化アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項63】
金属製品の成形性を向上させるための方法であって、
金属複合物を含む鋳造金属製品を提供することであって、前記金属複合物が、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含み、前記金属複合物中の鉄のwt%に対する前記金属複合物中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、前記金属複合物が、ケイ素と鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上を含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含む、提供することと;
粒子密度に対する粒子間間隔の比率が0.0003/μm~0.0006/μmとなるように、前記複数の粒子の粒子間間隔を制御し、かつ前記複数の粒子の粒子密度を制御するために前記鋳造金属製品を均質化することと、
を含む、前記方法。
【請求項64】
前記粒子間間隔が、1μm~25μmである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記粒子密度が、5~30,000粒子/μm2である、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記粒子密度が、5~1,000粒子/μm2である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記複数の粒子が、1μm~50μmの粒子直径で構成される、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記鋳造金属製品を均質化することが、前記鋳造金属製品を400℃~800℃の均質化温度に加熱することと、
前記鋳造金属製品を前記均質化温度で、0.1時間~48時間の持続期間にわたってソーキングすることと、
を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
前記均質化温度が、前記鋳造金属製品の固相線温度の25℃以内である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記鋳造金属製品を均質化することが、前記鋳造金属製品を熱間圧延プロセスまたは冷間圧延プロセスのうちの1つ以上に供することを更に含む、請求項68に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月21日に出願された米国仮特許出願第62/963,816号の利益及び優先権を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、冶金、より具体的には、アルミニウム合金製品及びアルミニウム合金製品(特に再生原料含有物を多く含むもの)の成形性を向上させるための技法に関する。本開示はまた、飲料容器に有用なアルミニウム合金製品及び他のアルミニウム合金製品、ならびにアルミニウム合金製品を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
成形性は、アルミニウム合金製品の重要な機械的特性である。場合によっては、アルミニウム合金の微細構造内の構成粒子サイズの低減は、成形性の向上を目的とするものである。同時に、環境への懸念から、アルミニウム合金製品内の再生原料含有物を増加させることが求められている。しかしながら、アルミニウム合金製品の再生原料含有物を増加させると、アルミニウム合金製品の成形性が低減する可能性がある。
【0004】
成形性の増大及び再生原料含有物の増加から恩恵を受ける可能性のある業界の1つは、飲料容器業界である。しかしながら、飲料容器業界で使用されるアルミニウム合金の組成は、飲料製品の成形性及び再生原料含有物に影響を与える可能性がある。例えば、マンガンを含有するAA3104合金は、飲料缶胴部の素材に一般的に使用されているが、マグネシウムを含有するアルミニウム合金(例えば、AA5182)は、飲料缶端部の素材に使用されている。様々なアルミニウム合金が、様々な飲料容器技術のニーズを満たすのに役立つ可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
実施形態及び類似の用語は、本開示の主題の全て及び以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものでもなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解されるべきである。本明細書で網羅される本開示の実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本開示の様々な態様の大まかな概要であり、以下の発明を実施するための形態の節で更に説明される概念のいくつかを紹介する。この発明の概要は、特許請求された主題の重要な、または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。主題は、本開示の明細書全体、任意または全ての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0006】
本明細書に記載されているのは、アルミニウム合金製品が、好ましい金属間粒子の分布、粒子密度、及び/または粒子間の間隔(粒子間間隔)を有するように加工されている、アルミニウム合金製品及びアルミニウム合金製品の作製方法であり、これは、アルミニウム飲料容器の作製プロセスにとって、及び/または(例えば、アルミニウム飲料容器の作製プロセスにおける)アルミニウム合金製品の成形中の絞り、しごき、及び/またはネッキング中のかじり及び引裂を最小限に抑えかつ低減させるために、有益であり得る。更に、粒子密度及び粒子間間隔の好ましい値への制御が可能であることによって、再生原料含有物を増加させることができ、アルミニウム合金製品製造の環境的及び経済的コストに恩恵をもたらすことができる。任意選択で、アルミニウム合金は、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子を含む複数の粒子を含む。任意選択で、アルミニウム合金は、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子を含む複数の粒子を含む。任意選択で、アルミニウム合金は、再生原料に由来するか、または少なくとも部分的に再生原料に由来する。
【0007】
いくつかの実施形態のアルミニウム合金は、ケイ素に対する鉄の比率(例えば、wt%の比率)を示し得、これは、飲料容器作製プロセスで従来から使用されている一部の合金のケイ素に対する鉄の比率よりも大きい場合がある。例えば、本明細書に記載のアルミニウム合金のケイ素のwt%に対する鉄のwt%の比率は、例えば、約0.5~約5.0の範囲であり得るか、または約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、及び/または5.0であり得る。いくつかの実施形態の開示されたアルミニウム合金は、代わりに、飲料容器作製プロセスで従来から使用されている合金の鉄に対するケイ素の比率よりも大きい、鉄に対するケイ素の比率(例えば、wt%の比率)を示し得る。例えば、本明細書に記載のアルミニウム合金の鉄のwt%に対するケイ素のwt%の比率は、例えば約0.5~約1.0の範囲、例えば0.5~1.0、例えば0.5~0.6、0.5~0.7、0.5~0.8、0.5~0.9、0.6~0.7、0.6~0.8、0.6~0.9、0.6~1.0、0.7~0.8、0.7~0.9、0.7~1.0、0.8~0.9、0.8~1.0、もしくは0.9~1.0、または約0.5、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、もしくは1であり得る。アルミニウム合金中のケイ素の量に対する鉄の量または鉄の量に対するケイ素の量を増加させることは、アルミニウム合金中の金属間粒子の粒子サイズ、濃度、分布、粒子密度、粒子間間隔、及び/または組成を制御するのに有用であり得る。更に、アルミニウム合金に使用する鉄の量を増加させることにより、再生原料含有物をより多く使用することが可能となり得る。
【0008】
アルミニウム合金中の金属間粒子のサイズ、濃度、密度、粒子間間隔、粒子組成、及び/または分布は、鋳造後にアルミニウム合金を適切な均質化条件に供することによって、代替的または追加的に制御することができる。例えば、アルミニウム合金を比較的長い時間(例えば、約12時間超または約24時間超)で均質化(ソーキング)することにより、それほど好ましくない金属間粒子をより好ましい粒子に変換することができる。このような変換は、短時間(例えば、約24時間未満または約12時間未満)の均質化中には発生しないか、あるいは十分な数の粒子のサイズ、濃度、粒子間間隔、金属間粒子の分布、及び/または組成に適切に影響を及ぼすのに十分に意味のある程度まで発生しない可能性がある。例えば、アルミニウム合金を長時間の高温均質化に供することにより、ケイ素を粒子内に拡散させることによって、及び/または鉄を粒子外へと拡散させることによって、それほど望ましくない金属間粒子の化学的構造及び結晶構造を変化させることができる。
【0009】
任意選択で、アルミニウム合金製品は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含むアルミニウム合金を含む。任意選択で、アルミニウム合金中のケイ素のwt%に対するアルミニウム合金中の鉄のwt%の比率は、0.5~5.0、例えば、0.5~1.0、0.5~1.1、0.5~1.5、0.5~1.8、0.5~2.0、0.5~2.5、0.5~3.0、0.5~3.5、0.5~4.0、0.5~4.5、1.0~1.1、1.0~1.5、1.0~1.8、1.0~2.0、1.0~2.5、1.0~3.0、1.0~3.5、1.0~4.0、1.0~4.5、1.0~5.0、1.1~1.5、1.1~1.8、1.1~2.0、1.1~2.5、1.1~3.0、1.1~3.5、1.1~4.0、1.1~4.5、1.1~5.0、1.5~1.8、1.5~2.0、1.5~2.5、1.5~3.0、1.5~3.5、1.5~4.0、1.5~4.5、1.5~5.0、1.8~2.0、1.8~2.5、1.8~3.0、1.8~3.5、1.8~4.0、1.8~4.5、1.8~5.0、2.0~2.5、2.0~3.0、2.0~3.5、2.0~4.0、2.0~4.5、2.0~5.0、2.5~3.0、2.5~3.5、2.5~4.0、2.5~4.5、2.5~5.0、3.0~3.5、3.0~4.0、3.0~4.5、3.0~5.0、3.5~4.0、3.5~4.5、3.5~5.0、4.0~4.5、4.0~5.0、または4.5~5.0である。任意選択で、アルミニウム合金製品(例えば、3xxx系アルミニウム合金を含む)中の鉄のwt%に対するケイ素のwt%の比率は、0.5~1.0、例えば、0.5~0.55、0.5~0.6、0.5~0.65、0.5~0.7、0.5~0.75、0.5~0.8、0.5~0.85、0.5~0.9、0.5~0.95、0.55~0.6、0.55~0.65、0.55~0.7、0.55~0.75、0.55~0.8、0.55~0.85、0.55~0.9、0.55~0.95、0.55~1.0、0.6~0.65、0.6~0.7、0.6~0.75、0.6~0.8、0.6~0.85、0.6~0.9、0.6~0.95、0.6~1、0.65~0.65、0.65~0.7、0.65~0.75、0.65~0.8、0.65~0.85、0.65~0.9、0.65~0.95、0.65~1.0、0.7~0.75、0.7~0.8、0.7~0.85、0.7~0.95、0.7~1、0.75~0.8、0.75~0.85、0.75~0.9、0.75~0.95、0.75~1.0、0.8~0.85、0.8~0.9、0.8~0.95、0.8~1、0.85~0.9、0.85~0.95、0.85~1.0、0.9~0.95、0.9~1、または0.95~1.0であり得る。例示的な3xxx系アルミニウム合金は、0.8~1.4wt%のマグネシウム、0.8~1.3wt%のマンガン、最大0.25wt%の銅、0.4~0.7wt%のケイ素、最大0.7wt%の鉄、最大0.25wt%の亜鉛、及びアルミニウムを含み得る。
【0010】
実施形態では、鋳造アルミニウム合金製品は、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子、及び/またはアルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子を含む。任意選択で、β相金属間粒子及び/またはα相金属間粒子などの粒子密度は、5~30,000粒子/μm2、例えば、10~25,000、10~20,000、10~15,000、10~10,000、10~9,500、10~9,000、10~8,500、10~8,000、10~7,500、10~7,000、10~6,500、10~6,000、10~5,500、10~5,000、10~4,500、10~4,000、10~3,500、10~3,000、10~2,500、10~2,000、10~1,500、10~1,000、10~950、10~900、10~850、10~800、10~750、10~700、10~650、10~600、10~550、10~500、10~450、10~400、10~350、10~300、10~250、10~200、10~150、10~100、10~75、10~50、10~25、25~30,000、25~25,000、25~20,000、25~15,000、25~10,000、25~9,500、25~9,000、25~8,500、25~8,000、25~7,500、25~7,000、25~6,500、25~6,000、25~5,500、25~5,000、25~4,500、25~4,000、25~3,500、25~3,000、25~2,500、25~2,000、25~1,500、25~1,000、25~950、25~900、25~850、25~800、25~750、25~700、25~650、25~600、25~550、25~500、25~450、25~400、25~350、25~300、25~250、25~200、25~150、25~100、25~75、25~50、50~30,000、50~25,000、50~20,000、50~15,000、50~10,000、50~9,500、50~9,000、50~8,500、50~8,000、50~7,500、50~7,000、50~6,500、50~6,000、50~5,500、50~5,000、50~4,500、50~4,000、50~3,500、50~3,000、50~2,500、50~2,000、50~1,500、50~1,000、50~950、50~900、50~850、50~800、50~750、50~700、50~650、50~600、50~550、50~500、50~450、50~400、50~350、50~300、50~250、50~200、50~150、50~100、50~75、75~30,000、75~25,000、75~20,000、75~15,000、75~10,000、75~9,500、75~9,000、75~8,500、75~8,000、75~7,500、75~7,000、75~6,500、75~6,000、75~5,500、75~5,000、75~4,500、75~4,000、75~3,500、75~3,000、75~2,500、75~2,000、75~1,500、75~1,000、75~950、75~900、75~850、75~800、75~750、75~700、75~650、75~600、75~550、75~500、75~450、75~400、75~350、75~300、75~250、75~200、75~150、75~100、100~30,000、100~25,000、100~20,000、100~15,000、100~10,000、100~9,500、100~9,000、100~8,500、100~8,000、100~7,500、100~7,000、100~6,500、100~6,000、100~5,500、100~5,000、100~4,500、100~4,000、100~3,500、100~3,000、100~2,500、100~2,000、100~1,500、100~1,000、100~950、100~900、100~850、100~800、100~750、100~700、100~650、100~600、100~550、100~500、100~450、100~400、100~350、100~300、100~250、100~200、100~150、150~30,000、150~25,000、150~20,000、150~15,000、150~10,000、150~9,500、150~9,000、150~8,500、150~8,000、150~7,500、150~7,000、150~6,500、150~6,000、150~5,500、150~5,000、150~4,500、150~4,000、150~3,500、150~3,000、150~2,500、150~2,000、150~1,500、150~1,000、150~950、150~900、150~850、150~800、150~750、150~700、150~650、150~600、150~550、150~500、150~450、150~400、150~350、150~300、150~250、150~200、200~30,000、200~25,000、200~20,000、200~15,000、200~10,000、200~9,500、200~9,000、200~8,500、200~8,000、200~7,500、200~7,000、200~6,500、200~6,000、200~5,500、200~5,000、200~4,500、200~4,000、200~3,500、200~3,000、200~2,500、200~2,000、200~1,500、200~1,000、200~950、200~900、200~850、200~800、200~750、200~700、200~650、200~600、200~550、200~500、200~450、200~400、200~350、200~300、200~250、250~30,000、250~25,000、250~20,000、250~15,000、250~10,000、250~9,500、250~9,000、250~8,500、250~8,000、250~7,500、250~7,000、250~6,500、250~6,000、250~5,500、250~5,000、250~4,500、250~4,000、250~3,500、250~3,000、250~2,500、250~2,000、250~1,500、250~1,000、250~950、250~900、250~850、250~800、250~750、250~700、250~650、250~600、250~550、250~500、250~450、250~400、250~350、250~300、300~30,000、300~25,000、300~20,000、300~15,000、300~10,000、300~9,500、300~9,000、300~8,500、300~8,000、300~7,500、300~7,000、300~6,500、300~6,000、300~5,500、300~5,000、300~4,500、300~4,000、300~3,500、300~3,000、300~2,500、300~2,000、300~1,500、300~1,000、300~950、300~900、300~850、300~800、300~750、300~700、300~650、300~600、300~550、300~500、300~450、300~400、300~350、350~30,000、350~25,000、350~20,000、350~15,000、350~10,000、350~9,500、350~9,000、350~8,500、350~8,000、350~7,500、350~7,000、350~6,500、350~6,000、350~5,500、350~5,000、350~4,500、350~4,000、350~3,500、350~3,000、350~2,500、350~2,000、350~1,500、350~1,000、350~950、350~900、350~850、350~800、350~750、350~700、350~650、350~600、350~550、350~500、350~450、350~400、400~30,000、400~25,000、400~20,000、400~15,000、400~10,000、400~9,500、400~9,000、400~8,500、400~8,000、400~7,500、400~7,000、400~6,500、400~6,000、400~5,500、400~5,000、400~4,500、400~4,000、400~3,500、400~3,000、400~2,500、400~2,000、400~1,500、400~1,000、400~950、400~900、400~850、400~800、400~750、400~700、400~650、400~600、400~550、400~500、400~450、450~30,000、450~25,000、450~20,000、450~15,000、450~10,000、450~9,500、450~9,000、450~8,500、450~8,000、450~7,500、450~7,000、450~6,500、450~6,000、450~5,500、450~5,000、450~4,500、450~4,000、450~3,500、450~3,000、450~2,500、450~2,000、450~1,500、450~1,000、450~950、450~900、450~850、450~800、450~750、450~700、450~650、450~600、450~550、450~500、500~30,000、500~25,000、500~20,000、500~15,000、500~10,000、500~9,500、500~9,000、500~8,500、500~8,000、500~7,500、500~7,000、500~6,500、500~6,000、500~5,500、500~5,000、500~4,500、500~4,000、500~3,500、500~3,000、500~2,500、500~2,000、500~1,500、500~1,000、500~950、500~900、500~850、500~800、500~750、500~700、500~650、500~600、500~550、600~30,000、600~25,000、600~20,000、600~15,000、600~10,000、600~9,500、600~9,000、600~8,500、600~8,000、600~7,500、600~7,000、600~6,500、600~6,000、600~5,500、600~5,000、600~4,500、600~4,000、600~3,500、600~3,000、600~2,500、600~2,000、600~1,500、600~1,000、600~950、600~900、600~850、600~800、600~750、600~700、600~650、700~30,000、700~25,000、700~20,000、700~15,000、700~10,000、700~9,500、700~9,000、700~8,500、700~8,000、700~7,500、700~7,000、700~6,500、700~6,000、700~5,500、700~5,000、700~4,500、700~4,000、700~3,500、700~3,000、700~2,500、700~2,000、700~1,500、700~1,000、
700~950、700~900、700~850、700~800、700~750、800~30,000、800~25,000、800~20,000、800~15,000、800~10,000、800~9,500、800~9,000、800~8,500、800~8,000、800~7,500、800~7,000、800~6,500、800~6,000、800~5,500、800~5,000、800~4,500、800~4,000、800~3,500、800~3,000、800~2,500、800~2,000、800~1,500、800~1,000、800~950、800~900、800~850、900~30,000、900~25,000、900~20,000、900~15,000、900~10,000、900~9,500、900~9,000、900~8,500、900~8,000、900~7,500、900~7,000、900~6,500、900~6,000、900~5,500、900~5,000、900~4,500、900~4,000、900~3,500、900~3,000、900~2,500、900~2,000、900~1,500、900~1,000、900~950、1,000~30,000、1,000~25,000、1,000~20,000、1,000~15,000、1,000~10,000、1,000~9,500、1,000~9,000、1,000~8,500、1,000~8,000、1,000~7,500、1,000~7,000、1,000~6,500、1,000~6,000、1,000~5,500、1,000~5,000、1,000~4,500、1,000~4,000、1,000~3,500、1,000~3,000、1,000~2,500、1,000~2,000、1,000~1,500、2,000~30,000、2,000~25,000、2,000~20,000、2,000~15,000、2,000~10,000、2,000~9,500、2,000~9,000、2,000~8,500、2,000~8,000、2,000~7,500、2,000~7,000、2,000~6,500、2,000~6,000、2,000~5,500、2,000~5,000、2,000~4,500、2,000~4,000、2,000~3,500、2,000~3,000、2,000~2,500、3,000~30,000、3,000~25,000、3,000~20,000、3,000~15,000、3,000~10,000、3,000~9,500、3,000~9,000、3,000~8,500、3,000~8,000、3,000~7,500、3,000~7,000、3,000~6,500、3,000~6,000、3,000~5,500、3,000~5,000、3,000~4,500、3,000~4,000、3,000~3,500、4,000~30,000、4,000~25,000、4,000~20,000、4,000~15,000、4,000~10,000、4,000~9,500、4,000~9,000、4,000~8,500、4,000~8,000、4,000~7,500、4,000~7,000、4,000~6,500、4,000~6,000、4,000~5,500、4,000~5,000、4,000~4,500、5,000~30,000、5,000~25,000、5,000~20,000、5,000~15,000、5,000~10,000、5,000~9,500、5,000~9,000、5,000~8,500、5,000~8,000、5,000~7,500、5,000~7,000、5,000~6,500、5,000~6,000、5,000~5,500、6,000~30,000、6,000~25,000、6,000~20,000、6,000~15,000、6,000~10,000、6,000~9,500、6,000~9,000、6,000~8,500、6,000~8,000、6,000~7,500、6,000~7,000、6,000~6,500、7,000~30,000、7,000~25,000、7,000~20,000、7,000~15,000、7,000~10,000、7,000~9,500、7,000~9,000、7,000~8,500、7,000~8,000、7,000~7,500、8,000~30,000、8,000~25,000、8,000~20,000、8,000~15,000、8,000~10,000、8,000~9,500、8,000~9,000、8,000~8,500、9,000~30,000、9,000~25,000、9,000~20,000、9,000~15,000、9,000~10,000、9,000~9,500、10,000~30,000、10,000~25,000、10,000~20,000、10,000~15,000、15,000~30,000、15,000~25,000、15,000~20,000、20,000~30,000、20,000~25,000、または25,000~30,000粒子/μm2であり得る。
【0011】
任意選択で、複数の粒子の粒子間間隔は、1μm~25μm、例えば、1μm~2μm、1μm~3μm、1μm~4μm、1μm~5μm、1μm~6μm、1μm~7μm、1μm~8μm、1μm~9μm、1μm~10μm、1μm~11μm、1μm~12μm、1μm~13μm、1μm~14μm、1μm~15μm、1μm~16μm、1μm~17μm、1μm~18μm、1μm~19μm、1μm~20μm、1μm~21μm、1μm~22μm、1μm~23μm、1μm~24μm、2μm~3μm、2μm~4μm、2μm~5μm、2μm~6μm、2μm~7μm、2μm~8μm、2μm~9μm、2μm~10μm、2μm~11μm、2μm~12μm、2μm~13μm、2μm~14μm、2μm~15μm、2μm~16μm、2μm~17μm、2μm~18μm、2μm~19μm、2μm~20μm、2μm~21μm、2μm~22μm、2μm~23μm、2μm~24μm、2μm~25μm、3μm~4μm、3μm~5μm、3μm~6μm、3μm~7μm、3μm~8μm、3μm~9μm、3μm~10μm、3μm~11μm、3μm~12μm、3μm~13μm、3μm~14μm、3μm~15μm、3μm~16μm、3μm~17μm、3μm~18μm、3μm~19μm、3μm~20μm、3μm~21μm、3μm~22μm、3μm~23μm、3μm~24μm、3μm~25μm、4μm~5μm、4μm~6μm、4μm~7μm、4μm~8μm、4μm~9μm、4μm~10μm、4μm~11μm、4μm~12μm、4μm~13μm、4μm~14μm、4μm~15μm、4μm~16μm、4μm~17μm、4μm~18μm、4μm~19μm、4μm~20μm、4μm~21μm、4μm~22μm、4μm~23μm、4μm~24μm、4μm~25μm、5μm~6μm、5μm~7μm、5μm~8μm、5μm~9μm、5μm~10μm、5μm~11μm、5μm~12μm、5μm~13μm、5μm~14μm、5μm~15μm、5μm~16μm、5μm~17μm、5μm~18μm、5μm~19μm、5μm~20μm、5μm~21μm、5μm~22μm、5μm~23μm、5μm~24μm、5μm~25μm、6μm~7μm、6μm~8μm、6μm~9μm、6μm~10μm、6μm~11μm、6μm~12μm、6μm~13μm、6μm~14μm、6μm~15μm、6μm~16μm、6μm~17μm、6μm~18μm、6μm~19μm、6μm~20μm、6μm~21μm、6μm~22μm、6μm~23μm、6μm~24μm、6μm~25μm、7μm~8μm、7μm~9μm、7μm~10μm、7μm~11μm、7μm~12μm、7μm~13μm、7μm~14μm、7μm~15μm、7μm~16μm、7μm~17μm、7μm~18μm、7μm~19μm、7μm~20μm、7μm~21μm、7μm~22μm、7μm~23μm、7μm~24μm、7μm~25μm、8μm~9μm、8μm~10μm、8μm~11μm、8μm~12μm、8μm~13μm、8μm~14μm、8μm~15μm、8μm~16μm、8μm~17μm、8μm~18μm、8μm~19μm、8μm~20μm、8μm~21μm、8μm~22μm、8μm~23μm、8μm~24μm、8μm~25μm、9μm~10μm、9μm~11μm、9μm~12μm、9μm~13μm、9μm~14μm、9μm~15μm、9μm~16μm、9μm~17μm、9μm~18μm、9μm~19μm、9μm~20μm、9μm~21μm、9μm~22μm、9μm~23μm、9μm~24μm、9μm~25μm、10μm~11μm、10μm~12μm、10μm~13μm、10μm~14μm、10μm~15μm、10μm~16μm、10μm~17μm、10μm~18μm、10μm~19μm、10μm~20μm、10μm~21μm、10μm~22μm、10μm~23μm、10μm~24μm、10μm~25μm、11μm~12μm、11μm~13μm、11μm~14μm、11μm~15μm、11μm~16μm、11μm~17μm、11μm~18μm、11μm~19μm、11μm~20μm、11μm~21μm、11μm~22μm、11μm~23μm、11μm~24μm、11μm~25μm、12μm~13μm、12μm~14μm、12μm~15μm、12μm~16μm、12μm~17μm、12μm~18μm、12μm~19μm、12μm~20μm、12μm~21μm、12μm~22μm、12μm~23μm、12μm~24μm、12μm~25μm、13μm~14μm、13μm~15μm、13μm~16μm、13μm~17μm、13μm~18μm、13μm~19μm、13μm~20μm、13μm~21μm、13μm~22μm、13μm~23μm、13μm~24μm、13μm~25μm、14μm~15μm、14μm~16μm、14μm~17μm、14μm~18μm、14μm~19μm、14μm~20μm、14μm~21μm、14μm~22μm、14μm~23μm、14μm~24μm、14μm~25μm、15μm~16μm、15μm~17μm、15μm~18μm、15μm~19μm、15μm~20μm、15μm~21μm、15μm~22μm、15μm~23μm、15μm~24μm、15μm~25μm、16μm~17μm、16μm~18μm、16μm~19μm、16μm~20μm、16μm~21μm、16μm~22μm、16μm~23μm、16μm~24μm、16μm~25μm、17μm~18μm、17μm~19μm、17μm~20μm、17μm~21μm、17μm~22μm、17μm~23μm、17μm~24μm、17μm~25μm、18μm~19μm、18μm~20μm、18μm~21μm、18μm~22μm、18μm~23μm、18μm~24μm、18μm~25μm、19μm~20μm、19μm~21μm、19μm~22μm、19μm~23μm、19μm~24μm、19μm~25μm、20μm~21μm、20μm~22μm、20μm~23μm、20μm~24μm、20μm~25μm、21μm~22μm、21μm~23μm、21μm~24μm、21μm~25μm、22μm~23μm、22μm~24μm、22μm~25μm、23μm~24μm、23μm~25μm、または24μm~25μmであり得る。
【0012】
任意選択で、複数の粒子は、100nm~50μmまたは500nm~10μmまたは100nm~1μm、例えば、100nm~200nm、100nm~300nm、100nm~400nm、100nm~500nm、100nm~600nm、100nm~700nm、100nm~800nm、100nm~900nm、200nm~300nm、200nm~400nm、200nm~500nm、200nm~600nm、200nm~700nm、200nm~800nm、200nm~900nm、200nm~1μm、300nm~400nm、300nm~500nm、300nm~600nm、300nm~700nm、300nm~800nm、300nm~900nm、300nm~1μm、400nm~500nm、400nm~600nm、400nm~700nm、400nm~800nm、400nm~900nm、400nm~1μm、500nm~600nm、500nm~700nm、500nm~800nm、500nm~900nm、500nm~1μm、600nm~700nm、600nm~800nm、600nm~900nm、600nm~1μm、700nm~800nm、700nm~900nm、700nm~1μm、800nm~900nm、800nm~1μm、または900nm~1μmの直径を有し得る。任意選択で、複数の粒子は、500nm~50μmの直径を有し得る。
【0013】
上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金の組成は、任意選択で、0.1wt%~1.0wt%の鉄(Fe)、0.05wt%~0.8wt%のケイ素(Si)、0.2wt%~2.0wt%のマンガン(Mn)、0.2wt%~2.0wt%のマグネシウム(Mg)、最大0.5wt%の銅(Cu)、最大0.05wt%の亜鉛(Zn)、及びアルミニウム(Al)を含み得る。上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金の組成は、最大0.15wt%の不純物を含み得る。任意選択で、残りはアルミニウムであり得る。任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金の組成は、0.2wt%~0.8wt%の鉄、0.10wt%~0.7wt%のケイ素、0.6wt%~1.0wt%のマンガン、0.7wt%~1.0wt%のマグネシウム、最大0.25wt%の銅、最大0.2wt%の亜鉛、最大0.10wt%のチタン(Ti)、最大0.10wt%のクロム(Cr)、最大0.10wt%のジルコニウム(Zr)、最大0.10wt%のバナジウム(V)、及びアルミニウムを含み得る。任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金の組成は、0.3wt%~0.7wt%の鉄、0.15wt%~0.5wt%のケイ素、0.8wt%~1.2wt%のマンガン、0.9wt%~1.2wt%のマグネシウム、0.1wt%~0.2wt%の銅、最大0.15wt%の亜鉛、最大0.08wt%のチタン、最大0.05wt%のクロム、最大0.05wt%のジルコニウム、最大0.05wt%のバナジウム、及びアルミニウムを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、3xxx系アルミニウム合金を含み得る。そのような実施形態では、アルミニウム合金は、任意選択で、0.8wt%~1.4wt%のマグネシウム、0.8wt%~1.3wt%のマンガン、最大0.25wt%の銅、0.25wt%~0.7wt%の鉄、最大0.7wt%、及び最大0.25wt%の亜鉛を含み得る。残りはアルミニウムであり得る。
【0015】
上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、任意選択で、アルミニウム合金の0.5体積%~4.0体積%、例えば、0.5~1.0、0.5~1.5、0.5~2.0、0.5~2.5、0.5~3.0、0.5~3.5、1.0~1.5、1.0~2.0、1.0~2.5、1.0~3.0、1.0~3.5、1.0~4.0、1.5~2.0、1.5~2.5、1.5~3.0、1.5~3.5、1.5~4.0、2.0~2.5、2.0~3.0、2.0~3.5、2.0~4.0、2.5~3.0、2.5~3.5、2.5~4.0、3.0~3.5、3.0~4.0、または3.5~4.0体積%を構成するα相金属間粒子を含み得る。上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、アルミニウム合金の0体積%~2.0体積%、例えば、0~0.5、0~1.0、0~1.5、0.5~1.0、0.5~1.5、0.5~2.0、1.0~1.5、1.0~2.0、または1.5~2.0体積%を構成するβ相金属間粒子を含み得る。任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、Al15(Fe、Mn)3Si2を含むα相金属間粒子を含み得る。任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、Al6(Fe、Mn)を含むβ相金属間粒子を含み得る。
【0016】
任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、0.2~1,000のβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率、または0.6~1,000のβ相金属間粒子の体積%に対するα相金属間粒子の体積%の比率を含み得る。
【0017】
任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、0.3~3、例えば、0.3~0.4、0.3~0.5、0.3~0.6、0.3~0.7、0.3~0.8、0.3~0.9、0.3~1.0、0.3~1.1、0.3~1.2、0.3~1.3、0.3~1.4、0.3~1.5、0.3~1.6、0.3~1.7、0.3~1.8、0.3~1.9、0.3~2.0、0.3~2.1、0.3~2.2、0.3~2.3、0.3~2.4、0.3~2.5、0.3~2.6、0.3~2.7、0.3~2.8、0.3~2.9、0.4~0.5、0.4~0.6、0.4~0.7、0.4~0.8、0.4~0.9、0.4~1.0、0.4~1.1、0.4~1.2、0.4~1.3、0.4~1.4、0.4~1.5、0.4~1.6、0.4~1.7、0.4~1.8、0.4~1.9、0.4~2.0、0.4~2.1、0.4~2.2、0.4~2.3、0.4~2.4、0.4~2.5、0.4~2.6、0.4~2.7、0.4~2.8、0.4~2.9、0.4~3、0.5~0.6、0.5~0.7、0.5~0.8、0.5~0.9、0.5~1.0、0.5~1.1、0.5~1.2、0.5~1.3、0.5~1.4、0.5~1.5、0.5~1.6、0.5~1.7、0.5~1.8、0.5~1.9、0.5~2.0、0.5~2.1、0.5~2.2、0.5~2.3、0.5~2.4、0.5~2.5、0.5~2.6、0.5~2.7、0.5~2.8、0.5~2.9、0.5~3、0.6~0.7、0.6~0.8、0.6~0.9、0.6~1.0、0.6~1.1、0.6~1.2、0.6~1.3、0.6~1.4、0.6~1.5、0.6~1.6、0.6~1.7、0.6~1.8、0.6~1.9、0.6~2.0、0.6~2.1、0.6~2.2、0.6~2.3、0.6~2.4、0.6~2.5、0.6~2.6、0.6~2.7、0.6~2.8、0.6~2.9、0.6~3、0.7~0.8、0.7~0.9、0.7~1.0、0.7~1.1、0.7~1.2、0.7~1.3、0.7~1.4、0.7~1.5、0.7~1.6、0.7~1.7、0.7~1.8、0.7~1.9、0.7~2.0、0.7~2.1、0.7~2.2、0.7~2.3、0.7~2.4、0.7~2.5、0.7~2.6、0.7~2.7、0.7~2.8、0.7~2.9、0.7~3、0.8~0.9、0.8~1.0、0.8~1.1、0.8~1.2、0.8~1.3、0.8~1.4、0.8~1.5、0.8~1.6、0.8~1.7、0.8~1.8、0.8~1.9、0.8~2.0、0.8~2.1、0.8~2.2、0.8~2.3、0.8~2.4、0.8~2.5、0.8~2.6、0.8~2.7、0.8~2.8、0.8~2.9、0.8~3、0.9~1.0、0.9~1.1、0.9~1.2、0.9~1.3、0.9~1.4、0.9~1.5、0.9~1.6、0.9~1.7、0.9~1.8、0.9~1.9、0.9~2.0、0.9~2.1、0.9~2.2、0.9~2.3、0.9~2.4、0.9~2.5、0.9~2.6、0.9~2.7、0.9~2.8、0.9~2.9、0.9~3、1.0~1.1、1.0~1.2、1.0~1.3、1.0~1.4、1.0~1.5、1.0~1.6、1.0~1.7、1.0~1.8、1.0~1.9、1.0~2.0、1.0~2.1、1.0~2.2、1.0~2.3、1.0~2.4、1.0~2.5、1.0~2.6、1.0~2.7、1.0~2.8、1.0~2.9、1.0~3、1.1~1.2、1.1~1.3、1.1~1.4、1.1~1.5、1.1~1.6、1.1~1.7、1.1~1.8、1.1~1.9、1.1~2.0、1.1~2.1、1.1~2.2、1.1~2.3、1.1~2.4、1.1~2.5、1.1~2.6、1.1~2.7、1.1~2.8、1.1~2.9、1.1~3、1.2~1.3、1.2~1.4、1.2~1.5、1.2~1.6、1.2~1.7、1.2~1.8、1.2~1.9、1.2~2.0、1.2~2.1、1.2~2.2、1.2~2.3、1.2~2.4、1.2~2.5、1.2~2.6、1.2~2.7、1.2~2.8、1.2~2.9、1.2~3、1.3~1.4、1.3~1.5、1.3~1.6、1.3~1.7、1.3~1.8、1.3~1.9、1.3~2.0、1.3~2.1、1.3~2.2、1.3~2.3、1.3~2.4、1.3~2.5、1.3~2.6、1.3~2.7、1.3~2.8、1.3~2.9、1.3~3、1.4~1.5、1.4~1.6、1.4~1.7、1.4~1.8、1.4~1.9、1.4~2.0、1.4~2.1、1.4~2.2、1.4~2.3、1.4~2.4、1.4~2.5、1.4~2.6、1.4~2.7、1.4~2.8、1.4~2.9、1.4~3、1.5~1.6、1.5~1.7、1.5~1.8、1.5~1.9、1.5~2.0、1.5~2.1、1.5~2.2、1.5~2.3、1.5~2.4、1.5~2.5、1.5~2.6、1.5~2.7、1.5~2.8、1.5~2.9、1.5~3、1.6~1.7、1.6~1.8、1.6~1.9、1.6~2.0、1.6~2.1、1.6~2.2、1.6~2.3、1.6~2.4、1.6~2.5、1.6~2.6、1.6~2.7、1.6~2.8、1.6~2.9、1.6~3、1.7~1.8、1.7~1.9、1.7~2.0、1.7~2.1、1.7~2.2、1.7~2.3、1.7~2.4、1.7~2.5、1.7~2.6、1.7~2.7、1.7~2.8、1.7~2.9、1.7~3、1.8~1.9、1.8~2.0、1.8~2.1、1.8~2.2、1.8~2.3、1.8~2.4、1.8~2.5、1.8~2.6、1.8~2.7、1.8~2.8、1.8~2.9、1.8~3、1.9~2.0、1.9~2.1、1.9~2.2、1.9~2.3、1.9~2.4、1.9~2.5、1.9~2.6、1.9~2.7、1.9~2.8、1.9~2.9、1.9~3、2.0~2.1、2.0~2.2、2.0~2.3、2.0~2.4、2.0~2.5、2.0~2.6、2.0~2.7、2.0~2.8、2.0~2.9、2.0~3、2.1~2.2、2.1~2.3、2.1~2.4、2.1~2.5、2.1~2.6、2.1~2.7、2.1~2.8、2.1~2.9、2.1~3、2.2~2.3、2.2~2.4、2.2~2.5、2.2~2.6、2.2~2.7、2.2~2.8、2.2~2.9、2.2~3、2.3~2.4、2.3~2.5、2.3~2.6、2.3~2.7、2.3~2.8、2.3~2.9、2.3~3、2.4~2.5、2.4~2.6、2.4~2.7、2.4~2.8、2.4~2.9、2.4~3、2.5~2.6、2.5~2.6、2.5~2.7、2.5~2.8、2.5~2.9、2.5~3、2.6~2.7、2.6~2.8、2.6~2.9、2.6~3、2.7~2.8、2.7~2.9、2.7~3、2.8~2.9、2.8~3、または2.9~3であるβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率を含み得る。
【0018】
任意選択で、上記のアルミニウム合金製品は、複数の粒子を含み得、粒子間の粒子間間隔の80パーセント以上は、5μm~15μmである。任意選択で、複数の粒子は、大部分が1μm~40μmの直径を有する鉄含有粒子などの鉄含有粒子を含み得る。任意選択で、鉄含有粒子は、アルミニウム合金の総体積の1%~4%を構成し得る。
【0019】
任意選択で、上記のアルミニウム合金製品用のアルミニウム合金は、マンガン含有分散質の大部分が10nm~1.5μmの直径を有するものなどのマンガン含有分散質を含み得るか、または更に含み得る。任意選択で、マンガン含有分散質は、アルミニウム合金の総体積の最大1%を構成し得る。場合によっては、分散質は、α相粒子及び/またはβ相粒子などの他のタイプの粒子の計数に含まれない、及び/または任意選択で、他のタイプの粒子とは別に計数され得る。
【0020】
アルミニウム合金製品などの金属製品も本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、金属製品は、本明細書に記載のいずれかの方法によって調製することができる。いくつかの特定の実施形態では、金属製品は、均質化3xxx系アルミニウム合金を含み、この合金は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を、例えば、0.5~1.0の均質化3xxx系アルミニウム合金中の鉄のwt%に対する均質化3xxx系アルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率で含み、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子、及び任意選択で、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子を含み、均質化3xxx系アルミニウム合金の均質化中に、β相金属間粒子に対応するα相金属間粒子の少なくとも一部が変換されている。任意選択で、β相金属間粒子の体積%または数密度に対するα相金属間粒子の体積%及び/または数密度の比率は、0.6~1000以上である。
【0021】
別の態様では、アルミニウム合金製品の作製方法が記載される。本態様の例示的な方法は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含むアルミニウム合金などのアルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム合金製品を調製することと;均質化アルミニウム合金製品を形成するために鋳造アルミニウム合金製品を均質化することと、を含む。様々な均質化条件が、本明細書に記載の方法で有用である。任意選択で、均質化は、鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度、例えば、500℃~650℃、例えば、500℃~510℃、500℃~520℃、500℃~530℃、500℃~540℃、500℃~550℃、500℃~560℃、500℃~570℃、500℃~575℃、500℃~580℃、500℃~585℃、500℃~590℃、500℃~600℃、500℃~610℃、500℃~615℃、500℃~620℃、500℃~630℃、500℃~640℃、510℃~520℃、510℃~530℃、510℃~540℃、510℃~550℃、510℃~560℃、510℃~570℃、510℃~575℃、510℃~580℃、510℃~585℃、510℃~590℃、510℃~600℃、510℃~610℃、510℃~615℃、510℃~620℃、510℃~630℃、510℃~640℃、510℃~650℃、520℃~530℃、520℃~540℃、520℃~550℃、520℃~560℃、520℃~570℃、520℃~575℃、520℃~580℃、520℃~585℃、520℃~590℃、520℃~600℃、520℃~610℃、520℃~615℃、520℃~620℃、520℃~630℃、520℃~640℃、520℃~650℃、530℃~540℃、530℃~550℃、530℃~560℃、530℃~570℃、530℃~575℃、530℃~580℃、530℃~585℃、530℃~590℃、530℃~600℃、530℃~610℃、530℃~615℃、530℃~620℃、530℃~630℃、530℃~640℃、530℃~650℃、540℃~550℃、540℃~560℃、540℃~570℃、540℃~575℃、540℃~580℃、540℃~585℃、540℃~590℃、540℃~600℃、540℃~610℃、540℃~615℃、540℃~620℃、540℃~630℃、540℃~640℃、540℃~650℃、550℃~560℃、550℃~570℃、550℃~575℃、550℃~580℃、550℃~585℃、550℃~590℃、550℃~600℃、550℃~610℃、550℃~615℃、550℃~620℃、550℃~630℃、550℃~640℃、550℃~650℃、560℃~570℃、560℃~575℃、560℃~580℃、560℃~585℃、560℃~590℃、560℃~600℃、560℃~610℃、560℃~615℃、560℃~620℃、560℃~630℃、560℃~640℃、560℃~650℃、570℃~575℃、570℃~580℃、570℃~585℃、570℃~590℃、570℃~600℃、570℃~610℃、570℃~615℃、570℃~620℃、570℃~630℃、570℃~640℃、570℃~650℃、575℃~580℃、575℃~585℃、575℃~590℃、575℃~600℃、575℃~610℃、575℃~615℃、575℃~620℃、575℃~630℃、575℃~640℃、575℃~650℃、580℃~585℃、580℃~590℃、580℃~600℃、580℃~610℃、580℃~615℃、580℃~620℃、580℃~630℃、580℃~640℃、580℃~650℃、585℃~590℃、585℃~600℃、585℃~610℃、585℃~615℃、585℃~620℃、585℃~630℃、585℃~640℃、585℃~650℃、590℃~600℃、590℃~610℃、590℃~615℃、590℃~620℃、590℃~630℃、590℃~640℃、590℃~650℃、600℃~610℃、600℃~615℃、600℃~620℃、600℃~630℃、600℃~640℃、600℃~650℃、610℃~615℃、610℃~620℃、610℃~630℃、610℃~640℃、610℃~650℃、615℃~620℃、615℃~630℃、615℃~640℃、615℃~650℃、620℃~630℃、620℃~640℃、620℃~650℃、630℃~640℃、630℃~650℃、または640℃~650℃である均質化温度に加熱することを含み得る。均質化温度は、任意選択で、アルミニウム合金の固相線温度の75℃以内、例えば、アルミニウム合金の固相線温度の70℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の65℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の60℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の55℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の50℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の45℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の40℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の35℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の30℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の25℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の20℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の15℃以内、アルミニウム合金の固相線温度の10℃以内、またはアルミニウム合金の固相線温度の5℃以内であり得る。
【0022】
ソーキング中に、鋳造アルミニウム合金製品は、任意選択で、0.1時間~36時間または12時間~36時間、例えば、0.1時間~0.5時間、0.1時間~1時間、0.1時間~1.5時間、0.1時間~2時間、0.1時間~2.5時間、0.1時間~3時間、0.1時間~3.5時間、0.1時間~4時間、0.1時間~4.5時間、0.1時間~5時間、0.1時間~5.5時間、0.1時間~6時間、0.1時間~6.5時間、0.1時間~7時間、0.1時間~7.5時間、0.1時間~8時間、0.1時間~8.5時間、0.1時間~9時間、0.1時間~9.5時間、0.1時間~10時間、0.1時間~10.5時間、0.1時間~11時間、0.1時間~11.5時間、0.1時間~12時間、0.1時間~12.5時間、0.1時間~13時間、0.1時間~13.5時間、0.1時間~14時間、0.1時間~14.5時間、0.1時間~15時間、0.1時間~15.5時間、0.1時間~16時間、0.1時間~16.5時間、0.1時間~17時間、0.1時間~17.5時間、0.1時間~18時間、0.1時間~18.5時間、0.1時間~19時間、0.1時間~19.5時間、0.1時間~20時間、0.1時間~20.5時間、0.1時間~21時間、0.1時間~21.5時間、0.1時間~22時間、0.1時間~22.5時間、0.1時間~23時間、0.1時間~23.5時間、0.1時間~24時間、0.1時間~25時間、0.1時間~26時間、0.1時間~27時間、0.1時間~28時間、0.1時間~29時間、0.1時間~30時間、0.1時間~31時間、0.1時間~32時間、0.1時間~33時間、0.1時間~34時間、0.1時間~35時間、0.1時間~36時間、0.5時間~1時間、0.5時間~1.5時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、0.5時間~3時間、0.5時間~3.5時間、0.5時間~4時間、0.5時間~4.5時間、0.5時間~5時間、0.5時間~5.5時間、0.5時間~6時間、0.5時間~6.5時間、0.5時間~7時間、0.5時間~7.5時間、0.5時間~8時間、0.5時間~8.5時間、0.5時間~9時間、0.5時間~9.5時間、0.5時間~10時間、0.5時間~10.5時間、0.5時間~11時間、0.5時間~11.5時間、0.5時間~12時間、0.5時間~12.5時間、0.5時間~13時間、0.5時間~13.5時間、0.5時間~14時間、0.5時間~14.5時間、0.5時間~15時間、0.5時間~15.5時間、0.5時間~16時間、0.5時間~16.5時間、0.5時間~17時間、0.5時間~17.5時間、0.5時間~18時間、0.5時間~18.5時間、0.5時間~19時間、0.5時間~19.5時間、0.5時間~20時間、0.5時間~20.5時間、0.5時間~21時間、0.5時間~21.5時間、0.5時間~22時間、0.5時間~22.5時間、0.5時間~23時間、0.5時間~23.5時間、0.5時間~24時間、0.5時間~25時間、0.5時間~26時間、0.5時間~27時間、0.5時間~28時間、0.5時間~29時間、0.5時間~30時間、0.5時間~31時間、0.5時間~32時間、0.5時間~33時間、0.5時間~34時間、0.5時間~35時間、0.5時間~36時間、1時間~1.5時間、1時間~2時間、1時間~2.5時間、1時間~3時間、1時間~3.5時間、1時間~4時間、1時間~4.5時間、1時間~5時間、1時間~5.5時間、1時間~6時間、1時間~6.5時間、1時間~7時間、1時間~7.5時間、1時間~8時間、1時間~8.5時間、1時間~9時間、1時間~9.5時間、1時間~10時間、1時間~10.5時間、1時間~11時間、1時間~11.5時間、1時間~12時間、1時間~12.5時間、1時間~13時間、1時間~13.5時間、1時間~14時間、1時間~14.5時間、1時間~15時間、1時間~15.5時間、1時間~16時間、1時間~16.5時間、1時間~17時間、1時間~17.5時間、1時間~18時間、1時間~18.5時間、1時間~19時間、1時間~19.5時間、1時間~20時間、1時間~20.5時間、1時間~21時間、1時間~21.5時間、1時間~22時間、1時間~22.5時間、1時間~23時間、1時間~23.5時間、1時間~24時間、1時間~25時間、1時間~26時間、1時間~27時間、1時間~28時間、1時間~29時間、1時間~30時間、1時間~31時間、1時間~32時間、1時間~33時間、1時間~34時間、1時間~35時間、1時間~36時間、1.5時間~2時間、1.5時間~2.5時間、1.5時間~3時間、1.5時間~3.5時間、1.5時間~4時間、1.5時間~4.5時間、1.5時間~5時間、1.5時間~5.5時間、1.5時間~6時間、1.5時間~6.5時間、1.5時間~7時間、1.5時間~7.5時間、1.5時間~8時間、1.5時間~8.5時間、1.5時間~9時間、1.5時間~9.5時間、1.5時間~10時間、1.5時間~10.5時間、1.5時間~11時間、1.5時間~11.5時間、1.5時間~12時間、1.5時間~12.5時間、1.5時間~13時間、1.5時間~13.5時間、1.5時間~14時間、1.5時間~14.5時間、1.5時間~15時間、1.5時間~15.5時間、1.5時間~16時間、1.5時間~16.5時間、1.5時間~17時間、1.5時間~17.5時間、1.5時間~18時間、1.5時間~18.5時間、1.5時間~19時間、1.5時間~19.5時間、1.5時間~20時間、1.5時間~20.5時間、1.5時間~21時間、1.5時間~21.5時間、1.5時間~22時間、1.5時間~22.5時間、1.5時間~23時間、1.5時間~23.5時間、1.5時間~24時間、1.5時間~25時間、1.5時間~26時間、1.5時間~27時間、1.5時間~28時間、1.5時間~29時間、1.5時間~30時間、1.5時間~31時間、1.5時間~32時間、1.5時間~33時間、1.5時間~34時間、1.5時間~35時間、1.5時間~36時間、2時間~2.5時間、2時間~3時間、2時間~3.5時間、2時間~4時間、2時間~4.5時間、2時間~5時間、2時間~5.5時間、2時間~6時間、2時間~6.5時間、2時間~7時間、2時間~7.5時間、2時間~8時間、2時間~8.5時間、2時間~9時間、2時間~9.5時間、2時間~10時間、2時間~10.5時間、2時間~11時間、2時間~11.5時間、2時間~12時間、2時間~12.5時間、2時間~13時間、2時間~13.5時間、2時間~14時間、2時間~14.5時間、2時間~15時間、2時間~15.5時間、2時間~16時間、2時間~16.5時間、2時間~17時間、2時間~17.5時間、2時間~18時間、2時間~18.5時間、2時間~19時間、2時間~19.5時間、2時間~20時間、2時間~20.5時間、2時間~21時間、2時間~21.5時間、2時間~22時間、2時間~22.5時間、2時間~23時間、2時間~23.5時間、2時間~24時間、2時間~25時間、2時間~26時間、2時間~27時間、2時間~28時間、2時間~29時間、2時間~30時間、2時間~31時間、2時間~32時間、2時間~33時間、2時間~34時間、2時間~35時間、2時間~36時間、2.5時間~3時間、2.5時間~3.5時間、2.5時間~4時間、2.5時間~4.5時間、2.5時間~5時間、2.5時間~5.5時間、2.5時間~6時間、2.5時間~6.5時間、2.5時間~7時間、2.5時間~7.5時間、2.5時間~8時間、2.5時間~8.5時間、2.5時間~9時間、2.5時間~9.5時間、2.5時間~10時間、2.5時間~10.5時間、2.5時間~11時間、2.5時間~11.5時間、2.5時間~12時間、2.5時間~12.5時間、2.5時間~13時間、2.5時間~13.5時間、2.5時間~14時間、2.5時間~14.5時間、2.5時間~15時間、2.5時間~15.5時間、2.5時間~16時間、2.5時間~16.5時間、2.5時間~17時間、2.5時間~17.5時間、2.5時間~18時間、2.5時間~18.5時間、2.5時間~19時間、2.5時間~19.5時間、2.5時間~20時間、2.5時間~20.5時間、2.5時間~21時間、2.5時間~21.5時間、2.5時間~22時間、2.5時間~22.5時間、2.5時間~23時間、2.5時間~23.5時間、2.5時間~24時間、2.5時間~25時間、2.5時間~26時間、2.5時間~27時間、2.5時間~28時間、2.5時間~29時間、2.5時間~30時間、2.5時間~31時間、2.5時間~32時間、2.5時間~33時間、2.5時間~34時間、2.5時間~35時間、2.5時間~36時間、3時間~3.5時間、3時間~4時間、3時間~4.5時間、3時間~5時間、3時間~5.5時間、3時間~6時間、3時間~6.5時間、3時間~7時間、3時間~7.5時間、3時間~8時間、3時間~8.5時間、3時間~9時間、3時間~9.5時間、3時間~10時間、3時間~10.5時間、3時間~11時間、3時間~11.5時間、3時間~12時間、3時間~12.5時間、3時間~13時間、3時間~13.5時間、3時間~14時間、3時間~14.5時間、3時間~15時間、3時間~15.5時間、3時間~16時間、3時間~16.5時間、3時間~17時間、3時間~17.5時間、3時間~18時間、3時間~18.5時間、3時間~19時間、3時間~19.5時間、3時間~20時間、3時間~20.5時間、3時間~21時間、3時間~21.5時間、3時間~22時間、3時間~22.5時間、3時間~23時間、3時間~23.5時間、3時間~24時間、3時間~25時間、3時間~26時間、3時間~27時間、3時間~28時間、3時間~29時間、3時間~30時間、3時間~31時間、3時間~32時間、3時間~33時間、3時間~34時間、3時間~35時間、3時間~36時間、3.5時間~4時間、3.5時間~4.5時間、3.5時間~5時間、3.5時間~5.5時間、3.5時間~6時間、3.5時間~6.5時間、3.5時間~7時間、3.5時間~7.5時間、3.5時間~8時間、3.5時間~8.5時間、3.5時間~9時間、3.5時間~9.5時間、3.5時間~10時間、3.5時間~10.5時間、3.5時間~11時間、3.5時間~11.5時間、3.5時間~12時間、3.5時間~12.5時間、3.5時間~13時間、3.5時間~13.5時間、3.5時間~14時間、3.5時間~14.5時間、3.5時間~15時間、3.5時間~15.5時間、3.5時間~16時間、3.5時間~16.5時間、3.5時間~17時間、3.5時間~17.5時間、3.5時間~18時間、3.5時間~18.5時間、3.5時間~19時間、3.5時間~19.5時間、3.5時間~20時間、3.5時間~20.5時間、3.5時間~21時間、3.5時間~21.5時間、3.5時間~22時間、3.5時間~22.5時間、3.5時間~23時間、3.5時間~23.5時間、3.5時間~24時間、3.5時間~25時間、3.5時間~26時間、3.5時間~27時間、3.5時間~28時間、3.5時間~29時間、3.5時間~30時間、3.5時間~31時間、3.5時間~32時間、3.5時間~33時間、3.5時間~34時間、3.5時間~35時間、3.5時間~36時間、4時間~4.5時間、4時間~5時間、4時間~5.5時間、4時間~6時間、4時間~6.5時間、4時間~7時間、4時間~7.5時間、4時間~8時間、4時間~8.5時間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5.5時間~19時間、15.5時間~19.5時間、15.5時間~20時間、15.5時間~20.5時間、15.5時間~21時間、15.5時間~21.5時間、15.5時間~22時間、15.5時間~22.5時間、15.5時間~23時間、15.5時間~23.5時間、15.5時間~24時間、15.5時間~25時間、15.5時間~26時間、15.5時間~27時間、15.5時間~28時間、15.5時間~29時間、15.5時間~30時間、15.5時間~31時間、15.5時間~32時間、15.5時間~33時間、15.5時間~34時間、15.5時間~35時間、15.5時間~36時間、16時間~16.5時間、16時間~17時間、16時間~17.5時間、16時間~18時間、16時間~18.5時間、16時間~19時間、16時間~19.5時間、16時間~20時間、16時間~20.5時間、16時間~21時間、16時間~21.5時間、16時間~22時間、16時間~22.5時間、16時間~23時間、16時間~23.5時間、16時間~24時間、16時間~25時間、16時間~26時間、16時間~27時間、16時間~28時間、16時間~29時間、16時間~30時間、16時間~31時間、16時間~32時間、16時間~33時間、16時間~34時間、16時間~35時間、16時間~36時間、16.5時間~17時間、16.5時間~17.5時間、16.5時間~18時間、16.5時間~18.5時間、16.5時間~19時間、16.5時間~19.5時間、16.5時間~20時間、16.5時間~20.5時間、16.5時間~21時間、16.5時間~21.5時間、16.5時間~22時間、16.5時間~22.5時間、16.5時間~23時間、16.5時間~23.5時間、16.5時間~24時間、16.5時間~25時間、16.5時間~26時間、16.5時間~27時間、16.5時間~28時間、16.5時間~29時間、16.5時間~30時間、16.5時間~31時間、16.5時間~32時間、16.5時間~33時間、16.5時間~34時間、16.5時間~35時間、16.5時間~36時間、17時間~17.5時間、17時間~18時間、17時間~18.5時間、17時間~19時間、17時間~19.5時間、17時間~20時間、17時間~20.5時間、17時間~21時間、17時間~21.5時間、17時間~22時間、17時間~22.5時間、17時間~23時間、17時間~23.5時間、17時間~24時間、17時間~25時間、17時間~26時間、17時間~27時間、17時間~28時間、17時間~29時間、17時間~30時間、17時間~31時間、17時間~32時間、17時間~33時間、17時間~34時間、17時間~35時間、17時間~36時間、17.5時間~18時間、17.5時間~18.5時間、17.5時間~19時間、17.5時間~19.5時間、17.5時間~20時間、17.5時間~20.5時間、17.5時間~21時間、17.5時間~21.5時間、17.5時間~22時間、17.5時間~22.5時間、17.5時間~23時間、17.5時間~23.5時間、17.5時間~24時間、17.5時間~25時間、17.5時間~26時間、17.5時間~27時間、17.5時間~28時間、17.5時間~29時間、17.5時間~30時間、17.5時間~31時間、17.5時間~32時間、17.5時間~33時間、17.5時間~34時間、17.5時間~35時間、17.5時間~36時間、18時間~18.5時間、18時間~19時間、18時間~19.5時間、18時間~20時間、18時間~20.5時間、18時間~21時間、18時間~21.5時間、18時間~22時間、18時間~22.5時間、18時間~23時間、18時間~23.5時間、18時間~24時間、18時間~25時間、18時間~26時間、18時間~27時間、18時間~28時間、18時間~29時間、18時間~30時間、18時間~31時間、18時間~32時間、18時間~33時間、18時間~34時間、18時間~35時間、18時間~36時間、18.5時間~19時間、18.5時間~19.5時間、18.5時間~20時間、18.5時間~20.5時間、18.5時間~21時間、18.5時間~21.5時間、18.5時間~22時間、18.5時間~22.5時間、18.5時間~23時間、18.5時間~23.5時間、18.5時間~24時間、18.5時間~25時間、18.5時間~26時間、18.5時間~27時間、18.5時間~28時間、18.5時間~29時間、18.5時間~30時間、18.5時間~31時間、18.5時間~32時間、18.5時間~33時間、18.5時間~34時間、18.5時間~35時間、18.5時間~36時間、19時間~19.5時間、19時間~20時間、19時間~20.5時間、19時間~21時間、19時間~21.5時間、19時間~22時間、19時間~22.5時間、19時間~23時間、19時間~23.5時間、19時間~24時間、19時間~25時間、19時間~26時間、19時間~27時間、19時間~28時間、19時間~29時間、19時間~30時間、19時間~31時間、19時間~32時間、19時間~33時間、19時間~34時間、19時間~35時間、19時間~36時間、19.5時間~20時間、19.5時間~20.5時間、19.5時間~21時間、19.5時間~21.5時間、19.5時間~22時間、19.5時間~22.5時間、19.5時間~23時間、19.5時間~23.5時間、19.5時間~24時間、19.5時間~25時間、19.5時間~26時間、19.5時間~27時間、19.5時間~28時間、19.5時間~29時間、19.5時間~30時間、19.5時間~31時間、19.5時間~32時間、19.5時間~33時間、19.5時間~34時間、19.5時間~35時間、19.5時間~36時間、20時間~20.5時間、20時間~21時間、20時間~21.5時間、20時間~22時間、20時間~22.5時間、20時間~23時間、20時間~23.5時間、20時間~24時間、20時間~25時間、20時間~26時間、20時間~27時間、20時間~28時間、20時間~29時間、20時間~30時間、20時間~31時間、20時間~32時間、20時間~33時間、20時間~34時間、20時間~35時間、20時間~36時間、20.5時間~21時間、20.5時間~21.5時間、20.5時間~22時間、20.5時間~22.5時間、20.5時間~23時間、20.5時間~23.5時間、20.5時間~24時間、20.5時間~25時間、20.5時間~26時間、20.5時間~27時間、20.5時間~28時間、20.5時間~29時間、20.5時間~30時間、20.5時間~31時間、20.5時間~32時間、20.5時間~33時間、20.5時間~34時間、20.5時間~35時間、20.5時間~36時間、21時間~21.5時間、21時間~22時間、21時間~22.5時間、21時間~23時間、21時間~23.5時間、21時間~24時間、21時間~25時間、21時間~26時間、21時間~27時間、21時間~28時間、21時間~29時間、21時間~30時間、21時間~31時間、21時間~32時間、21時間~33時間、21時間~34時間、21時間~35時間、21時間~36時間、21.5時間~22時間、21.5時間~22.5時間、21.5時間~23時間、21.5時間~23.5時間、21.5時間~24時間、21.5時間~25時間、21.5時間~26時間、21.5時間~27時間、21.5時間~28時間、21.5時間~29時間、21.5時間~30時間、21.5時間~31時間、21.5時間~32時間、21.5時間~33時間、21.5時間~34時間、21.5時間~35時間、21.5時間~36時間、22時間~22.5時間、22時間~23時間、22時間~23.5時間、22時間~24時間、22時間~25時間、22時間~26時間、22時間~27時間、22時間~28時間、22時間~29時間、22時間~30時間、22時間~31時間、22時間~32時間、22時間~33時間、22時間~34時間、22時間~35時間、22時間~36時間、22.5時間~23時間、22.5時間~23.5時間、22.5時間~24時間、22.5時間~25時間、22.5時間~26時間、22.5時間~27時間、22.5時間~28時間、22.5時間~29時間、22.5時間~30時間、22.5時間~31時間、22.5時間~32時間、22.5時間~33時間、22.5時間~34時間、22.5時間~35時間、22.5時間~36時間、23時間~23.5時間、23時間~24時間、23時間~25時間、23時間~26時間、23時間~27時間、23時間~28時間、23時間~29時間、23時間~30時間、23時間~31時間、23時間~32時間、23時間~33時間、23時間~34時間、23時間~35時間、23時間~36時間、23.5時間~24時間、23.5時間~25時間、23.5時間~26時間、23.5時間~27時間、23.5時間~28時間、23.5時間~29時間、23.5時間~30時間、23.5時間~31時間、23.5時間~32時間、23.5時間~33時間、23.5時間~34時間、23.5時間~35時間、23.5時間~36時間、24時間~25時間、24時間~26時間、24時間~27時間、24時間~28時間、24時間~29時間、24時間~30時間、24時間~31時間、24時間~32時間、24時間~33時間、24時間~34時間、24時間~35時間、24時間~36時間、25時間~26時間、25時間~27時間、25時間~28時間、25時間~29時間、25時間~30時間、25時間~31時間、25時間~32時間、25時間~33時間、25時間~34時間、25時間~35時間、25時間~36時間、26時間~27時間、26時間~28時間、26時間~29時間、26時間~30時間、26時間~31時間、26時間~32時間、26時間~33時間、26時間~34時間、26時間~35時間、26時間~36時間、27時間~28時間、27時間~29時間、27時間~30時間、27時間~31時間、27時間~32時間、27時間~33時間、27時間~34時間、27時間~35時間、27時間~36時間、28時間~29時間、28時間~30時間、28時間~31時間、28時間~32時間、28時間~33時間、28時間~34時間、28時間~35時間、28時間~36時間、29時間~30時間、29時間~31時間、29時間~32時間、29時間~33時間、29時間~34時間、29時間~35時間、29時間~36時間、30時間~31時間、30時間~32時間、30時間~33時間、30時間~34時間、30時間~35時間、30時間~36時間、31時間~32時間、31時間~33時間、31時間~34時間、31時間~35時間、31時間~36時間、32時間~33時間、32時間~34時間、32時間~35時間、32時間~36時間、33時間~34時間、33時間~35時間、33時間~36時間、34時間~35時間、34時間~36時間、または35時間~36時間の持続時間にわたって均質化温度(すなわち、ソーキング)にあり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、ソーキング中に、β相金属間粒子のサイズは、ソーキング前のβ相金属間粒子のサイズと比較して減少する。いくつかの実施形態では、ソーキング中に、鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度は、ソーキング前の鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度と比較して減少する。
【0024】
本態様の方法は、任意選択で、均質化アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを更に含み得る。任意選択で、1つ以上の圧延プロセスは、熱間圧延プロセスまたは冷間圧延プロセスのうちの少なくとも1つを含む。任意選択で、熱間圧延プロセスは、100℃~500℃、例えば、100℃~150℃、100℃~200℃、100℃~250℃、100℃~300℃、100℃~350℃、100℃~400℃、100℃~450℃、150℃~200℃、150℃~250℃、150℃~300℃、150℃~350℃、150℃~400℃、150℃~450℃、150℃~500℃、200℃~250℃、200℃~300℃、200℃~350℃、200℃~400℃、200℃~450℃、200℃~500℃、250℃~300℃、250℃~350℃、250℃~400℃、250℃~450℃、250℃~500℃、300℃~350℃、300℃~400℃、300℃~450℃、300℃~500℃、350℃~400℃、350℃~450℃、350℃~500℃、400℃~450℃、400℃~500℃、または450℃~500℃の出口温度を含み得る。任意選択で、熱間圧延プロセスによって製造された圧延アルミニウム合金製品は、1mm~8mm、例えば、1mm~2mm、1mm~3mm、1mm~4mm、1mm~5mm、1mm~6mm、1mm~7mm、2mm~3mm、2mm~4mm、2mm~5mm、2mm~6mm、2mm~7mm、2mm~8mm、3mm~4mm、3mm~5mm、3mm~6mm、3mm~7mm、3mm~8mm、4mm~5mm、4mm~6mm、4mm~7mm、4mm~8mm、5mm~6mm、5mm~7mm、5mm~8mm、6mm~7mm、6mm~8mm、または7mm~8mmの厚さを有する。
【0025】
任意選択で、冷間圧延プロセスは、50℃~250℃、例えば、50℃~100℃、50℃~150℃、50℃~200℃、100℃~150℃、100℃~200℃、100℃~250℃、150℃~200℃、150℃~250℃、または200℃~250℃の出口温度を含み得る。任意選択で、冷間圧延プロセスによって製造された圧延アルミニウム合金製品は、0.15mm~0.50mm、例えば、0.15mm~0.20mm、0.15mm~0.25mm、0.15mm~0.30mm、0.15mm~0.35mm、0.15mm~0.40mm、0.15mm~0.45mm、0.15mm~0.50mm、0.20mm~0.25mm、0.20mm~0.30mm、0.20mm~0.35mm、0.20mm~0.40mm、0.20mm~0.45mm、0.20mm~0.50mm、0.25mm~0.30mm、0.25mm~0.35mm、0.25mm~0.40mm、0.25mm~0.45mm、0.25mm~0.50mm、0.30mm~0.35mm、0.30mm~0.40mm、0.30mm~0.50mm、0.35mm~0.40mm、0.35mm~0.45mm、0.35mm~0.50mm、0.40mm~0.45mm、0.40mm~0.50mm、または0.45mm~0.50mmの厚さを有する。
【0026】
別の態様では、金属製品の成形性を向上させるための方法が提供される。本態様の例示的な方法は、金属複合物を含む鋳造金属製品であって、金属複合物が、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含み、金属複合物中の鉄のwt%に対する金属複合物中のケイ素のwt%の比率が0.5~1.0である鋳造金属製品を提供することと、粒子数密度に対するピーク粒子間間隔の比率が0.0003/μm~0.0006/μmとなるように、複数の粒子の粒子間間隔を制御し、かつ複数の粒子の粒子密度を制御するために鋳造金属製品を均質化することと、を含む。任意選択で、金属複合物は、ケイ素と鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上を含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、記載された方法の金属複合物は、1μm~25μmである粒子間間隔を含む。いくつかの実施形態では、記載された方法の金属複合物は、5~30,000粒子/μm2である粒子密度を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、記載された方法の金属複合物は、50~1,000粒子/μm2である粒子密度を含む。いくつかの実施形態では、記載された方法の金属複合物は、1μm~50μmの粒子直径で構成される複数の粒子を含む。任意選択で、複数の粒子は、500nm~50μmの直径を有し得る。
【0029】
様々な均質化条件が、本明細書に記載の方法で有用である。例えば、均質化温度は、400℃~アルミニウムの融点(例えば、660℃)未満、または特定の合金の固相点未満であり得る。例えば、ソーキングの例示的な持続時間は、0.1時間~48時間であり得る。任意選択で、均質化温度は、鋳造金属製品の固相線温度の25℃以内である。
【0030】
上記の方法に従って調製されるアルミニウム合金製品のアルミニウム合金原料(複数可)は、同じ系のアルミニウム合金または異なる系のアルミニウム合金の混合物に対応し得る。任意選択で、鋳造アルミニウム合金製品を調製することは、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製すること及び溶融3xxx系アルミニウム合金を鋳造することを含む。任意選択で、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することは、3xxx系アルミニウム合金原料と5xxx系アルミニウム合金原料の両方を溶融させることを含む。任意選択で、3xxx系アルミニウム合金原料及び5xxx系アルミニウム合金原料は、再生原料に由来する。いくつかの実施形態では、比較的高いパーセンテージのケイ素を含むアルミニウム合金が、目標の鉄に対するケイ素の比率を達成するのに有用であり得る。例えば、溶融アルミニウム合金を調製することは、任意選択で、3xxx系アルミニウム合金原料及び5xxx系アルミニウム合金原料とともに、4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を溶融させることを更に含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の均質化工程が有用であり得る。例えば、最初の高温及び/または長時間の均質化後の二次低温均質化は、圧延または他の加工などのアルミニウム合金製品の調製に有用であり得る。複数工程の均質化プロセスは、均質化アルミニウム合金製品の温度を、第1の均質化温度よりも低い第2の均質化温度に低減させることと;均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度で第2の持続時間、例えば、初回の長時間のソーキング持続時間よりも短い第2の持続時間でソーキングすることと、を含み得る。例えば、第2の持続時間は、1時間~24時間、例えば、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~4時間、1時間~5時間、1時間~6時間、1時間~7時間、1時間~8時間、1時間~9時間、1時間~10時間、1時間~11時間、1時間~12時間、1時間~13時間、1時間~14時間、1時間~15時間、1時間~16時間、1時間~17時間、1時間~18時間、1時間~19時間、1時間~20時間、1時間~21時間、1時間~22時間、1時間~23時間、2時間~3時間、2時間~4時間、2時間~5時間、2時間~6時間、2時間~7時間、2時間~8時間、2時間~9時間、2時間~10時間、2時間~11時間、2時間~12時間、2時間~13時間、2時間~14時間、2時間~15時間、2時間~16時間、2時間~17時間、2時間~18時間、2時間~19時間、2時間~20時間、2時間~21時間、2時間~22時間、2時間~23時間、2時間~24時間、3時間~4時間、3時間~5時間、3時間~6時間、3時間~7時間、3時間~8時間、3時間~9時間、3時間~10時間、3時間~11時間、3時間~12時間、3時間~13時間、3時間~14時間、3時間~15時間、3時間~16時間、3時間~17時間、3時間~18時間、3時間~19時間、3時間~20時間、3時間~21時間、3時間~22時間、3時間~23時間、3時間~24時間、4時間~5時間、4時間~6時間、4時間~7時間、4時間~8時間、4時間~9時間、4時間~10時間、4時間~11時間、4時間~12時間、4時間~13時間、4時間~14時間、4時間~15時間、4時間~16時間、4時間~17時間、4時間~18時間、4時間~19時間、4時間~20時間、4時間~21時間、4時間~22時間、4時間~23時間、4時間~24時間、5時間~6時間、5時間~7時間、5時間~8時間、5時間~9時間、5時間~10時間、5時間~11時間、5時間~12時間、5時間~13時間、5時間~14時間、5時間~15時間、5時間~16時間、5時間~17時間、5時間~18時間、5時間~19時間、5時間~20時間、5時間~21時間、5時間~22時間、5時間~23時間、5時間~24時間、6時間~7時間、6時間~8時間、6時間~9時間、6時間~10時間、6時間~11時間、6時間~12時間、6時間~13時間、6時間~14時間、6時間~15時間、6時間~16時間、6時間~17時間、6時間~18時間、6時間~19時間、6時間~20時間、6時間~21時間、6時間~22時間、6時間~23時間、6時間~24時間、7時間~8時間、7時間~9時間、7時間~10時間、7時間~11時間、7時間~12時間、7時間~13時間、7時間~14時間、7時間~15時間、7時間~16時間、7時間~17時間、7時間~18時間、7時間~19時間、7時間~20時間、7時間~21時間、7時間~22時間、7時間~23時間、7時間~24時間、8時間~9時間、8時間~10時間、8時間~11時間、8時間~12時間、8時間~13時間、8時間~14時間、8時間~15時間、8時間~16時間、8時間~17時間、8時間~18時間、8時間~19時間、8時間~20時間、8時間~21時間、8時間~22時間、8時間~23時間、8時間~24時間、9時間~10時間、9時間~11時間、9時間~12時間、9時間~13時間、9時間~14時間、9時間~15時間、9時間~16時間、9時間~17時間、9時間~18時間、9時間~19時間、9時間~20時間、9時間~21時間、9時間~22時間、9時間~23時間、9時間~24時間、10時間~11時間、10時間~12時間、10時間~13時間、10時間~14時間、10時間~15時間、10時間~16時間、10時間~17時間、10時間~18時間、10時間~19時間、10時間~20時間、10時間~21時間、10時間~22時間、10時間~23時間、10時間~24時間、11時間~12時間、11時間~13時間、11時間~14時間、11時間~15時間、11時間~16時間、11時間~17時間、11時間~18時間、11時間~19時間、11時間~20時間、11時間~21時間、11時間~22時間、11時間~23時間、11時間~24時間、12時間~13時間、12時間~14時間、12時間~15時間、12時間~16時間、12時間~17時間、12時間~18時間、12時間~19時間、12時間~20時間、12時間~21時間、12時間~22時間、12時間~23時間、12時間~24時間、13時間~14時間、13時間~15時間、13時間~16時間、13時間~17時間、13時間~18時間、13時間~19時間、13時間~20時間、13時間~21時間、13時間~22時間、13時間~23時間、13時間~24時間、14時間~16時間、14時間~17時間、14時間~18時間、14時間~19時間、14時間~20時間、14時間~21時間、14時間~22時間、14時間~23時間、14時間~24時間、15時間~16時間、15時間~17時間、15時間~18時間、15時間~19時間、15時間~20時間、15時間~21時間、15時間~22時間、15時間~23時間、15時間~24時間、16時間~17時間、16時間~18時間、16時間~19時間、16時間~20時間、16時間~21時間、16時間~22時間、16時間~23時間、16時間~24時間、17時間~18時間、17時間~19時間、17時間~20時間、17時間~21時間、17時間~22時間、17時間~23時間、17時間~24時間、18時間~19時間、18時間~20時間、18時間~21時間、18時間~22時間、18時間~23時間、18時間~24時間、19時間~20時間、19時間~21時間、19時間~22時間、19時間~23時間、19時間~24時間、20時間~21時間、20時間~22時間、20時間~23時間、20時間~24時間、21時間~22時間、21時間~23時間、21時間~24時間、22時間~23時間、22時間~24時間、または23時間~24時間であり得る。
【0032】
任意選択で、高温での初回均質化後の均質化のための二次低温は、500℃~580℃、例えば、500℃~505℃、500℃~510℃、500℃~515℃、500℃~520℃、500℃~525℃、500℃~530℃、500℃~535℃、500℃~540℃、500℃~545℃、500℃~550℃、500℃~555℃、500℃~560℃、500℃~565℃、500℃~570℃、500℃~575℃、505℃~510℃、505℃~515℃、505℃~520℃、505℃~525℃、505℃~530℃、505℃~535℃、505℃~540℃、505℃~545℃、505℃~550℃、505℃~555℃、505℃~560℃、505℃~565℃、505℃~570℃、505℃~575℃、510℃~515℃、510℃~520℃、510℃~525℃、510℃~530℃、510℃~535℃、510℃~540℃、510℃~545℃、510℃~550℃、510℃~555℃、510℃~560℃、510℃~565℃、510℃~570℃、510℃~575℃、510℃~580℃、515℃~520℃、515℃~525℃、515℃~530℃、515℃~535℃、515℃~540℃、515℃~545℃、515℃~550℃、515℃~555℃、515℃~560℃、515℃~565℃、515℃~570℃、515℃~575℃、515℃~580℃、520℃~525℃、520℃~530℃、520℃~535℃、520℃~540℃、520℃~545℃、520℃~550℃、520℃~555℃、520℃~560℃、520℃~565℃、520℃~570℃、520℃~575℃、520℃~580℃、525℃~530℃、525℃~535℃、525℃~540℃、525℃~545℃、525℃~550℃、525℃~555℃、525℃~560℃、525℃~565℃、525℃~570℃、525℃~575℃、525℃~580℃、530℃~535℃、530℃~540℃、530℃~545℃、530℃~550℃、530℃~555℃、530℃~560℃、530℃~565℃、530℃~570℃、530℃~575℃、530℃~580℃、535℃~540℃、535℃~545℃、535℃~550℃、535℃~555℃、535℃~560℃、535℃~565℃、535℃~570℃、535℃~575℃、535℃~580℃、540℃~545℃、540℃~550℃、540℃~555℃、540℃~560℃、540℃~565℃、540℃~570℃、540℃~575℃、540℃~580℃、545℃~550℃、545℃~555℃、545℃~560℃、545℃~565℃、545℃~570℃、545℃~575℃、545℃~580℃、550℃~555℃、550℃~560℃、550℃~565℃、550℃~570℃、550℃~575℃、550℃~580℃、555℃~560℃、555℃~565℃、555℃~570℃、555℃~575℃、555℃~580℃、560℃~565℃、560℃~570℃、560℃~575℃、560℃~580℃、565℃~570℃、565℃~575℃、565℃~580℃、570℃~575℃、570℃~580℃、または575℃~580℃である。いくつかの実施形態では、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品の表面品質または特性が制御される。任意選択で、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品の温度が圧延プロセスに十分な温度となる。本開示の方法は、任意選択で、均質化アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを含み得る。
【0033】
他の目的及び利点は、非限定的な例の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0034】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】いくつかの実施形態による、アルミニウム合金の成形性と平均粒子サイズとの関係を示す例示的なグラフを示す。
【
図2】Aは、いくつかの実施形態による粒子を有するアルミニウム合金試料の概略図を示す。Bは、いくつかの実施形態による粒子を有するアルミニウム合金試料に加えられる力の概略図を示す。Cは、いくつかの実施形態による粒子を有するアルミニウム合金試料における亀裂伝播の概略図を示す。Dは、いくつかの実施形態による粒子を有するアルミニウム合金試料の亀裂の概略図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による粒子を有するアルミニウム合金を通って伝播する亀裂の光学顕微鏡写真画像を示す。
【
図4】アルミニウム合金製品の例示的な作製方法の模式的な概要を示す。
【
図5】アルミニウム合金製品を作製するために使用される例示的な均質化条件を示すプロットを示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、好ましい粒子密度及び粒子間間隔を有するアルミニウム合金を作製する方法を示す。
【
図7】A及びBは、2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の予測される平衡相図を示すプロットを示す。
【
図8】鋳放しの及び2つの異なる加工方式に従って加工した後の2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の電子顕微鏡写真画像を示す。
【
図9】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の電気伝導率データを示す。
【
図10】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の電子顕微鏡写真画像を示す。
【
図11】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の電子顕微鏡写真画像を示す。
【
図12】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の粒子サイズ分布を示す。
【
図13】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の画像を示す。
【
図14】2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の画像を示す。
【
図15】A及びBは、2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の引張特性を示す図表を示す。
【
図16】A及びBは、2つの異なる加工方式に従って加工した2つの例示的な3xxx系アルミニウム合金の試料の曲げ性試験の結果を示すプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、アルミニウム合金製品、ならびにアルミニウム合金及びアルミニウム合金製品を作製及び処理する方法を提供する。いくつかの例では、本明細書に記載の方法及び製品で使用されるアルミニウム合金には、例えば、3xxx系アルミニウム合金、4xxx系アルミニウム合金、5xxx系アルミニウム合金、または6xxx系アルミニウム合金が含まれる。いくつかの例では、アルミニウム合金は、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、ケイ素、鉄、及び任意選択で銅を含む合金マトリックスを含み得る。非限定的な例として、3xxx系アルミニウム合金は、本開示の方法及び製品で特に有用であり得る。本明細書に記載の方法及び製品で使用するための例示的な3xxx系(本明細書ではAA3xxx系とも称される)のアルミニウム合金には、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3405、AA3405A、AA3405B、AA3007、AA3407、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3410、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、またはAA3065が含まれ得る。
【0037】
具体的には、本開示は、成形性が向上したアルミニウム合金製品に関する。アルミニウム合金製品内に大粒子が形成されると、アルミニウム合金製品の成形性が低減し得る。これは、大粒子によって亀裂感受性が高くなる可能性があり、アルミニウム合金製品の全体的な強度が低減する可能性があるためである。アルミニウム合金材料内の粒子、特に大粒子の周囲に空隙が形成される場合がある。大粒子は、空隙率が増加し、延性が低減していることが多く、粒子周囲のアルミニウム合金材料よりも脆性が高い可能性がある。粒子とアルミニウム合金マトリックスとの材料特性の相違は、粒子周囲のアルミニウム合金製品に付加される応力または歪みを集中させ得る。粒子が大きいほど、応力または歪みが粒子周囲に集中する傾向が大きくなる。例えば、粒子周囲に形成された脆弱点を原因として、過剰の粒子または過度に大きい粒子により、アルミニウム合金の絞りまたはネッキング中などの製造プロセス中に引裂が生じ得る。他のシナリオでは、使用中に大粒子によりアルミニウム合金製品の割れまたは破断が生じ得る。
【0038】
成形性を増加させるための一般的なアプローチは、粒子サイズを低減させることである。しかしながら、粒子サイズの低減に伴い合金組成が固定されると、所定体積内のアルミニウム合金の粒子密度が増加する。これは、粒子が複数のより小さな粒子に分裂することによって粒子サイズが単純に低減し得るためである。粒子密度の増加は、アルミニウム合金製品の成形性にも悪影響を及ぼし得る。粒子密度の増加に伴い、粒子は概して互いに接近し、近接粒子間の間隔(粒子間間隔)が低減する。粒子が互いに接近して配置されている場合、亀裂が粒子間に優先的に広がり得るため亀裂伝播に要するエネルギーが少なくなり得ることから、粒子間間隔が低減しているかまたは縮小していると、問題となり得る。例えば、アルミニウム合金が使用によりまたは製造プロセス中に応力または歪みを受けている場合(すなわち、延伸または引張を受けている場合)、アルミニウム合金内の粒子または脆弱点の周囲に存在する空隙から亀裂が形成される可能性がある。粒子間間隔が低減されると、亀裂が次に近い粒子に到達するために必要なエネルギーが少なくなることから、粒子周囲の脆弱点からの亀裂伝播が増加し得る。したがって、場合によっては、粒子サイズを低減させると、実際にはアルミニウム合金製品の成形性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0039】
したがって、粒子サイズ及び粒子間間隔を制御することは、向上したまたは最適な成形性を有するアルミニウム合金製品を作製するために有用であり得る。有利なことに、本明細書に記載されているアルミニウム合金製品は、引裂及び/または応力誘発性の亀裂を制限するかまたは低減させる粒子サイズ及び粒子間間隔を示し得る(すなわち、成形性を向上させる)。具体的には、本明細書に開示されるアルミニウム合金は、好ましい粒子サイズ及び好ましい粒子間間隔の形成を可能にする元素組成を含み得る。
【0040】
本明細書に開示されるアルミニウム合金はまた、再生原料含有物の増加を可能にし得る。アルミニウム合金の再生原料含有物を増加させると、再生原料含有物内に多く存在する特定の合金成分によって、アルミニウム合金製品の成形性が低減する可能性がある。再生原料含有物は、一般に、複数の異なる種類の材料の混合物である。したがって、再生原料含有物の組成には、望ましくない成分が望ましくない量で含まれる場合があり得る。一般に、混合組成は、鋳造及び/または加工時に望ましくない粒子を生成する可能性がある。例えば、粒子は、望ましくない組成、サイジング、及び/または間隔を示し得る。したがって、本開示の技法を使用することにより、粒子サイズ及び粒子密度を、混合組成を補うことのできるレベルに制御することができ、したがって、得られるアルミニウム合金製品の成形特性に影響を与えることなく大量の再生原料含有物と適合させることができる。
【0041】
アルミニウム合金製品は、アルミニウム合金を鋳造して鋳造アルミニウム合金製品を形成し、均質化アルミニウム合金製品を形成するために鋳造アルミニウム合金製品を均質化することによって調製することができる。鋳造プロセス中に、鉄及びマンガンを含有するアルミニウム合金製品は、AlとFeまたはMnのうちの1つ以上とを含む金属間粒子を生成し得、これは、本明細書では鋳造アルミニウム合金製品内のAl-(Fe、Mn)金属間粒子またはβ相金属間粒子と称され得る。ケイ素が存在する場合、Al、Siと、FeまたはMnのうちの1つ以上とを含む金属間粒子(本明細書ではAl-(Fe、Mn)-Si金属間粒子またはα相金属間粒子とも称される)も生成され得る。ほとんど全てのアルミニウム合金には、ある程度の鉄及びケイ素が一般に存在するため、多くのアルミニウム合金には、鋳造時にそのような金属間粒子が含まれ得る。
【0042】
これらの粒子タイプは、それぞれ異なる特性を示し、アルミニウム合金の構造に様々な形で寄与する。例えば、一般に、β相粒子はα相粒子よりも大きく、より塊状または幾何学的である傾向があり、一方α相粒子はβ相粒子よりも硬く、小さい傾向がある。熱間及び冷間圧延中に、金属間粒子が破壊される場合があり、例えば、それらのサイズ、分布、及び数密度が影響を受け得る。
【0043】
鋳造アルミニウム合金製品中の金属間粒子の存在は有益であり得る。例えば、金属間粒子を含むアルミニウム合金は、金属間粒子がアルミニウム合金製品の他の部分よりも著しく硬い可能性があるため、アルミニウム飲料容器の形成に有益であり得る。絞り、しごき、及びネッキング中に、硬質金属間粒子は、鋳型表面を清浄化することによってかじりを低減させ得る。例えば、金属間粒子は、絞り、しごき、及びネッキングの鋳型を研磨し、鋳型表面に蓄積した金属を低減させるかまたは除去し得る。
【0044】
飲料容器の作製プロセスが様々な絞り、しごき、及びネッキングのプロセスを通じて進行するにつれて、壁厚が低減する。しかしながら、β相金属間粒子の存在は、β相粒子が大きすぎるかまたは存在量が多すぎる場合に、これらのプロセス中に壁厚が低減するときに有害であり得る。過剰のβ相粒子または過度に大きいβ相粒子により、絞りまたはネッキング中に引裂が生じる場合があり、その場合、飲料容器壁が分裂または破損し、飲料容器壁が損傷する。損傷した飲料容器から壁部分が完全に分離し、鋳型または他の製造装置内から取り出す必要がある場合があるため、場合によっては、引裂によって製造プロセスが中断されることがある。
【0045】
しかしながら、有利なことに、本明細書に記載されているアルミニウム合金製品は、引裂を制限するかまたは低減させる金属間粒子のサイズ、分布、濃度、及び組成を示す。鉄に対するケイ素の比率を増加させて用いることにより、本開示のアルミニウム合金製品は、例えば、均質化プロセス中にβ相金属間粒子をα相金属間粒子に転換させることによって、α相金属間粒子を優先的に生成することができる。
【0046】
更に、高温での均質化中に、合金元素は、鋳造アルミニウム合金製品の結晶構造全体に拡散及び移動し、金属間粒子のサイズ、分布、濃度、及び組成を変化させ得る。例えば、アルミニウム結晶構造中に存在するケイ素原子は、β相金属間粒子中に拡散し、粒子をα相金属間粒子に変換し得る。ケイ素は約1wt%未満などの少量で存在し得、ケイ素が拡散して鋳造製品のβ相金属間粒子中に蓄積されるのに相当な時間がかかる場合があることから、長時間の均質化は、β相金属間粒子の大幅な変換をもたらすのに有用であり得る。例えば、12時間または24時間を超える持続期間にわたって高温で均質化することにより、アルミニウム合金由来のケイ素を拡散させ、β相金属間粒子の少なくとも一部分をα相金属間粒子に変換することができる。
【0047】
例示的な均質化条件には、鋳造アルミニウム合金製品を高温で12時間または24時間以上ソーキングすることが含まれ得る。例えば、ソーキングは、約575℃~約615℃、約580℃~約610℃、または約585℃~約605℃の均質化温度で行われ得る。二次均質化プロセスもまた、いくつかの実施形態に有用であり得る。例えば、均質化アルミニウム合金製品の温度をより低い温度に低減させることができ、アルミニウム合金製品を特定の期間、より低い温度で保持(ソーキング)することができる。例示的な二次均質化温度には、約500℃~約600℃が含まれ、この温度は特定の合金に依存し得る。例示的な二次均質化のソーキング持続時間には、約1時間~約24時間が含まれる。このタイプの低温での二次均質化は、均質化アルミニウム合金製品の表面品質または特性の制御及び/または向上に有用であり得る。
【0048】
均質化中に、金属間粒子のサイズ、組成、濃度、及び分布が変化し得る。例えば、β相金属間粒子は、ケイ素原子を取り込み、少なくとも部分的にα相粒子に変換され得、これにより残存β相金属間粒子のサイズが低減し得る。したがって、β相金属間粒子の平均サイズは、均質化またはソーキング中に減少し得る。同様に、β相金属間粒子の数密度は、均質化またはソーキング中に減少し得る。いくつかの実施形態では、ある量のβ相金属間粒子は、均質化またはソーキング中に、例えば約30%~約100%、α相金属間粒子に変換される。α相金属間粒子の数密度は、均質化またはソーキング中に増加し得る。本明細書に記載の長時間の均質化プロセスによって、約2~約1000のβ相金属間粒子に対するα相金属間粒子の数密度比を実現することができる。しかしながら、鋳放しでは、β相金属間粒子に対するα相金属間粒子の数密度比は、例えば、約0.3~約3であり得る。
【0049】
本明細書に記載の方法及び製品に使用されるアルミニウム合金は、再生飲料容器などの再生材料に対応し得る。アルミニウム合金を鋳造するプロセスにおいて、再生飲料容器などの原料を溶融させ、溶融アルミニウム合金を調製することができる。飲料容器には、3xxx系のマンガン含有アルミニウム合金(例えばAA3104)及び5xxx系のマグネシウム含有アルミニウム合金(例えばAA5182)が含まれる傾向があるため、この原料は、新規飲料容器を作製するための新規アルミニウム合金製品の調製に有用であり得る。鉄に対するケイ素の比率(例えばwt%比)を、金属間粒子に関して上記の利点を得るために増加させる必要がある場合、追加のケイ素原料を使用することができる。例えば、他のケイ素含有合金、例えば4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を、溶融アルミニウムに添加することができる。場合によっては、これらの補足的なケイ素の原料は、再生アルミニウム合金材料に対応し得る。
【0050】
本明細書に記載の方法で使用するための非限定的な例示的なAA4xxx系合金には、AA4004、AA4104、AA4006、AA4007、AA4008、AA4009、AA4010、AA4013、AA4014、AA4015、AA4015A、AA4115、AA4016、AA4017、AA4018、AA4019、AA4020、AA4021、AA4026、AA4032、AA4043、AA4043A、AA4143、AA4343、AA4643、AA4943、AA4044、AA4045、AA4145、AA4145A、AA4046、AA4047、AA4047A、またはAA4147が含まれ得る。
【0051】
本明細書に記載の方法で使用するための非限定的な例示的なAA6xxx系合金には、AA6101、AA6101A、AA6101B、AA6201、AA6201A、AA6401、AA6501、AA6002、AA6003、AA6103、AA6005、AA6005A、AA6005B、AA6005C、AA6105、AA6205、AA6305、AA6006、AA6106、AA6206、AA6306、AA6008、AA6009、AA6010、AA6110、AA6110A、AA6011、AA6111、AA6012、AA6012A、AA6013、AA6113、AA6014、AA6015、AA6016、AA6016A、AA6116、AA6018、AA6019、AA6020、AA6021、AA6022、AA6023、AA6024、AA6025、AA6026、AA6027、AA6028、AA6031、AA6032、AA6033、AA6040、AA6041、AA6042、AA6043、AA6151、AA6351、AA6351A、AA6451、AA6951、AA6053、AA6055、AA6056、AA6156、AA6060、AA6160、AA6260、AA6360、AA6460、AA6460B、AA6560、AA6660、AA6061、AA6061A、AA6261、AA6361、AA6162、AA6262、AA6262A、AA6063、AA6063A、AA6463、AA6463A、AA6763、A6963、AA6064、AA6064A、AA6065、AA6066、AA6068、AA6069、AA6070、AA6081、AA6181、AA6181A、AA6082、AA6082A、AA6182、AA6091、またはAA6092が含まれ得る。
【0052】
定義及び説明:
本明細書で使用される場合、用語「発明」、「その発明」、「この発明」、及び「本発明」は、本特許出願の主題及び以下の特許請求の範囲の全てを広く指すことが意図されている。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載の主題を制限するもの、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を制限するものではないと理解されるべきである。
【0053】
本明細書において、「系」または「3xxx」などの、AA番号及び他の関連する記号によって識別される合金に対する言及がなされる。アルミニウム及びその合金の命名及び識別に最も一般に使用される番号名称体系の理解については、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(両方ともThe Aluminum Associationにより発行された)を参照されたい。
【0054】
本明細書で使用される場合、プレートは一般に、約15mmを超える厚さを有する。例えば、プレートは、約15mmを超える、約20mmを超える、約25mmを超える、約30mmを超える、約35mmを超える、約40mmを超える、約45mmを超える、約50mmを超える、または約100mmを超える厚さを有するアルミニウム合金製品を指し得る。
【0055】
本明細書で使用する場合、シェート(シートプレートとも称される)は一般に、約4mm~約15mmの厚さを有する。例えば、シェートは、約4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの厚さを有し得る。
【0056】
本明細書で使用される場合、シートは一般に、約4mm未満の厚さを有するアルミニウム合金製品を指す。例えば、シートは、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、または約0.3mm未満(例えば、約0.2mm)の厚さを有し得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「鋳造金属製品」、「鋳造製品」、「鋳造アルミニウム合金製品」などの用語は、互換的であり、ダイレクトチル鋳造(ダイレクトチル同時鋳造を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、双ベルト鋳造機、双ロール鋳造機、ブロック鋳造機、もしくは他の任意の連続鋳造機の使用によるものを含む)、電磁鋳造、ホットトップ鋳造、または他の任意の鋳造法によって製造された製品を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「室温」の意味には、約15℃~30℃の温度、例えば、約15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、または30℃が含まれ得る。本明細書で使用される場合、「周囲条件」の意味には、ほぼ室温の温度、約20%~約100%の相対湿度、及び約975ミリバール(mbar)~約4050mbarの大気圧が含まれ得る。例えば、相対湿度は、約20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの間のいずれかであり得る。例えば、大気圧は、約975mbar、980mbar、985mbar、990mbar、995mbar、1000mbar、1005mbar、1010mbar、1015mbar、1020mbar、1025mbar、1030mbar、1035mbar、1040mbar、1045mbar、4050mbar、またはこれらの間のいずれかであり得る。
【0059】
本明細書に開示されている全ての範囲には、それらに含まれるあらゆる全ての部分範囲が包含されることを理解されたい。例えば、記載されている「1~10」という範囲には、最小値1と最大値10の間のあらゆる全ての部分範囲(1及び10を含む)が含まれるとみなされるべきである。すなわち、全ての部分範囲は、1以上の最小値から始まり(例えば、1~6.1)、かつ10以下の最大値で終了する(例えば、5.5~10)。特に明記しない限り、元素の組成量を指す場合の「最大」という表現は、その元素が任意選択的であり、その特定の元素がゼロパーセントである組成を含むことを意味する。特に明記しない限り、全ての組成上のパーセンテージは重量パーセント(wt%)である。
【0060】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈に別途明確に示されない限り、単数及び複数の参照物を含む。
【0061】
アルミニウム合金及びアルミニウム合金製品の粒子サイズ及び粒子間間隔
本開示の態様は、成形性の向上のために好ましい粒子サイズ及び粒子間間隔を有するアルミニウム合金製品及びアルミニウム合金製品を作製する方法に関する。例えば、開示されたアルミニウム合金製品は、亀裂の形成及び伝播を低減するのに十分なレベルで粒子間間隔を維持しながら、好ましい粒子サイズの生成を可能にする元素組成を有し得る。一般に、アルミニウム合金製品の成形性を増加させるために、含まれる粒子(例えば、金属間粒子)のサイズを低減させることができる。しかしながら、アルミニウム合金製品内の粒子サイズが低減すると、粒子密度が増加し得、粒子間間隔が減少し得る。望ましくないことに、粒子間間隔が小さくなると、これが亀裂感受性を高めて成形性に悪影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、開示された方法、技法、及び製品は、亀裂感受性及び亀裂伝播を最小化または低減させるレベルに粒子間間隔及び粒子サイズを制御することによってこの特性を克服し、成形特性が向上した製品をもたらす。
【0062】
図1は、平均粒子サイズと成形性との関係を図示するグラフ100を示す。線110は、成形性を向上させるための理論的アプローチに対応する。線110によって示される理論的アプローチは、粒子サイズを低減させることによって成形性を向上させるための従来のアプローチを図示し得る。線110に示すように、粒子サイズの増大に伴い、アルミニウム合金製品の成形性は減少することとなる。逆に、粒子サイズの減少に伴い、理論上は成形性が向上することとなる。しかしながら、アルミニウム合金製品の全体的な組成が一定に保たれている場合、そのような関係は実際には当てはまらない。例えば、固定された組成において平均粒子サイズが減少する場合、大粒子がより小さなサイズの粒子に分解されるため、量及び数密度が増加するはずである。線120は、実際には、粒子サイズと製品成形性との関係が線形ではない可能性があることを示す。代わりに、粒子サイズと製品成形性との関係は非線形であり得、中程度の粒子サイズにおける最適な成形特性を反映し得る。始点から始まる線120に従って、粒子サイズが増大するにつれて、成形性も粒子サイズの初期範囲内で増加し得る。しかしながら、粒子サイズがある特定の点に達すると、製品の成形性が再び減少を開始し得る。線120によって図示される成形性と粒子サイズとの関係は、粒子サイズ及び粒子間間隔の両方がどのようにアルミニウム合金製品の成形性に影響を及ぼすかを表し得る。
【0063】
粒子サイズの低減は、組成が固定されたままである場合、アルミニウム合金の所定体積内の粒子密度の増加をもたらし得る。密度の増加は、粒子が互いにより近くに配置されていること、または換言すれば、粒子間の粒子間間隔が低減し得ることを意味し得る。粒子間間隔が短いほど、亀裂が1つの粒子から次の粒子、その次の粒子へなどと伝播するのがより容易である(すなわち、必要とされる力が少ない)ため、アルミニウム合金が亀裂伝播を受けやすくなることから、粒子間間隔が小さいと成形性に悪影響を及ぼし得る。しかしながら、粒子間間隔が増大すると、組成が固定されている場合(すなわち、粒子の総体積または質量が一定に保たれている場合)に粒子サイズを大きくする必要があり得、結果として、より大きな粒子が形成され、粒子の数密度が低減する。粒子間間隔が増大すると、亀裂が粒子から粒子に伝播するのにより多くのエネルギーまたは力が必要となり得、ある程度まで亀裂感受性が低減されるが、結果として生じるより大きな粒子は、依然として亀裂開始点または脆弱点として作用し得る。前述のように、より大きな粒子はアルミニウム合金材料内に空隙を形成する傾向があり、これにより、アルミニウム合金製品が応力または歪みを受けているときに、変形力が集中する可能性がある。したがって、より大きな粒子はより大きな粒子間間隔に対応し、亀裂伝播のエネルギーをより集約させ得るが、より大きな粒子はまた、亀裂開始点としても作用し、アルミニウム合金内のより全体的な脆弱点をもたらし得る。したがって、最適な成形性を実現するためには、粒子サイズと粒子間間隔を均衡させる必要がある。
図2A~2Dは、アルミニウム合金試料の概略図を示し、より小さな粒子サイズがアルミニウム合金の成形性にどのように悪影響を及ぼし得るかについて示している。
図2Aには、アルミニウム合金210が図示されている。アルミニウム合金210は、複数の粒子220を含む。粒子220は、様々なタイプの粒子を含み得る。例えば、複数の粒子220は、構成粒子、金属間粒子、酸化物、析出物、または硬化粒子のうちの1種以上を含み得る。いくつかの実施形態では、粒子220は、鉄含有粒子及び/またはマンガン分散質を含み得る。粒子220は、1種以上の金属間粒子を含み得る。例えば、粒子220は、α相金属間粒子及びβ相金属間粒子を含み得る。アルミニウム合金210は、β相金属間粒子よりもα相金属間粒子の割合が高い可能性があり、このことは、α相金属間粒子がβ相金属間粒子よりも小さく、塊状でない傾向があり得るため、平均粒子サイズが小さいことに相当し得る。いくつかの実施形態では、鉄含有粒子は、アルミニウム合金の総体積の1%~4%を占め得る。例えば、鉄含有粒子は、アルミニウム合金の総体積の1%~2%、1%~3%、2%~3%、2%~4%、または3%~4%を占め得る。いくつかの実施形態では、鉄含有粒子は、1μm~40μm、例えば、2μm~40μm、5μm~40μm、7μm~40μm、10μm~40μm、15μm~40μm、20μm~40μm、25μm~40μm、30μm~40μm、または35μm~40μmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、鉄含有粒子の粒子直径への言及は、鉄含有粒子の大部分に対するものであり得る。例えば、鉄含有粒子が1μm~40μmの直径を有するという説明は、鉄含有粒子の大部分(すなわち、50%超)が1μm~40μmの直径を有するか、鉄含有粒子の80%が1μm~40μmの直径を有することを意味し得る。
【0064】
図2Bには、アルミニウム合金210に付加された力230が示されている。力230は、製造プロセス中またはアルミニウム合金210から製造された製品の使用中に一般的に付加される力を例示し得る。例えば、アルミニウム合金210は、絞りプロセス、圧延プロセス、スタンピングプロセスなどの間に応力下に置かれ得る。場合によっては、力230は、製造後に(例えば、アルミニウム合金210から調製されたアルミニウム合金製品または物品に直接)付加される力を表し得る。
【0065】
力230は、
図2Cに図示されるように、亀裂240を粒子220の周囲から生じさせ、アルミニウム合金210にわたって伝播させ得る。上記の通り、粒子220は、アルミニウム合金210内の脆弱点または力集中点として作用し得る。より大きな粒子はより大きな脆弱点を形成する傾向があるが、より小さな粒子もまた、力230が付加されたときに空隙を形成するかまたは変形力を集中させることによって脆弱点として作用し得る。部分的に、粒子220は、アルミニウム合金210のバルクとは異なる材料組成を有することから、粒子と周囲の合金との間の界面は、例えば、脆弱点として作用し得る。硬度、空隙率、延性、及び脆性の差異は全て、粒子220周囲の脆弱点の形成に影響を及ぼし得る。
【0066】
図2Bに図示されるように、粒子220は、粒子間間隔225によって示されるように分離され得る。粒子間間隔225は、2つの粒子間の平均または最短距離に相当し得る。上記の通り、いくつかの実施形態では、粒子220の体積分率が同じままである場合、粒子間間隔225は、粒子密度と直接相関し得る。例えば、粒子の密度が増加するにつれて、粒子間間隔225は減少し得る。逆に、粒子の密度が減少するにつれて、粒子間間隔225は増大し得る。
【0067】
図2C及び2Dは、粒子間間隔225の減少が成形性にどのように悪影響を及ぼし得るかを図示し得る。粒子間間隔225が小さすぎる場合、亀裂240は粒子220間で容易に伝播し得る。
図2Cに示すように、亀裂240の伝播は、最低のエネルギー経路を辿り得る。例えば、亀裂240は、アルミニウム合金210内の粒子220などの次に最も近い脆弱点に伝播し得る。粒子間間隔225を小さくすると、亀裂240が1つの粒子から次の粒子に伝播するのに要するエネルギーが少なくなり得る。エネルギーが少ないことは、亀裂240が移動する材料が少ないことに相当し得る。対照的に、粒子間間隔225がより大きい場合、亀裂開始点と欠陥との間により多くの材料が存在するため、亀裂240が次の脆弱点に伝播するのにより多くのエネルギーが必要となり得る。
【0068】
粒子密度が増加し、粒子間間隔225が減少すると、亀裂240は、近くの粒子220に容易に伝播し得る。これは、亀裂伝播のドミノ効果を生じさせ、最終的には、
図2Dに示されるように、アルミニウム合金210の完全な破断または剪断250をもたらし得る。破断または剪断250により、破損が生じ得るか、またはアルミニウム合金210のバルクからアルミニウム合金210の大きな断片が分離する。破断250は、アルミニウム合金210の完全性及び強度に影響を与え得る。
【0069】
図3は、アルミニウム合金内の大型欠陥350と粒子320との間を伝播する亀裂340の光学顕微鏡写真画像300を示す。
図3に示されるアルミニウム合金は、比較的小さな粒子サイズ及び全体的に小さな平均粒子間間隔325を有するアルミニウム合金に相当し得る。場合によっては、欠陥350は、空隙、亀裂、もしくは亀裂開始点、脆弱点、またはアルミニウム合金内の別の粒子であり得る。画像300に示されるように、亀裂340は、欠陥350と次に最も近い粒子320との間で伝播し得る。追加の欠陥352が存在し得るか、または粒子320の周囲に形成され得る。場合によっては、欠陥352が脆弱点として作用し得る。亀裂340は、欠陥350と欠陥352との間の低エネルギー経路に沿って粒子320に伝播し得る。更に応力または力を付加すると、亀裂が大きくなり、伝播が促進され得る。
【0070】
本明細書で論じられるアルミニウム合金及び関連製品は、好ましい粒子サイズを維持しながら、好ましい粒子間間隔を実現することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルミニウム合金は、約1μm~約25μmの粒子間間隔を有し得る。例えば、粒子間間隔は、約1μm~約25μm、1μm~2μm、1μm~5μm、1μm~7μm、1μm~10μm、1μm~12μm、1μm~15μm、1μm~17μm、1μm~20μm、1μm~22μm、1μm~25μm、2μm~5μm、2μm~7μm、2μm~10μm、2μm~12μm、2μm~15μm、2μm~17μm、2μm~20μm、2μm~22μm、2μm~25μm、5μm~7μm、5μm~10μm、5μm~12μm、5μm~15μm、5μm~17μm、5μm~20μm、5μm~22μm、5μm~25μm、7μm~10μm、7μm~12μm、7μm~15μm、7μm~17μm、7μm~20μm、7μm~22μm、7μm~25μm、10μm~12μm、10μm~15μm、10μm~17μm、10μm~20μm、10μm~22μm、10μm~25μm、12μm~15μm、12μm~17μm、12μm~20μm、12μm~22μm、12μm~25μm、15μm~17μm、15μm~20μm、15μm~22μm、15μm~25μm、17μm~20μm、17μm~22μm、17μm~25μm、20μm~22μm、20μm~25μm、または22μm~25μmであり得る。いくつかの実施形態では、粒子間間隔は、複数の粒子の大部分(50%超)に関連して記述され得る。例えば、アルミニウム合金内の複数の粒子の80パーセント以上は、1μm~25μmの粒子間間隔を有し得る。
【0071】
好ましい粒子間間隔を実現するために、アルミニウム合金内の粒子のサイズ及び密度を制御または制限することができる。粒子密度は、単位体積あたりの粒子数(例えば、μm3あたりの粒子)または単位面積あたりの粒子数(例えば、μm2あたりの粒子)として表すことができる。単位面積あたりの粒子数としての粒子密度の使用は、アルミニウム合金または製品の2次元スライスを表し得る、アルミニウム合金または製品の領域の走査型電子顕微鏡写真画像または光学顕微鏡写真画像を取得し、画像内の粒子数を計数することによる、アルミニウム合金または製品中の粒子数の迅速な特徴付けに有用であり得る。いくつかの例では、粒子の計数または粒子密度の確認などのために、アルミニウム合金または製品の代表的な試料を提供するために複数の画像を取得することができる。いくつかの例では、アルミニウム合金は、粒子直径を100nm~50μmに維持しながら、粒子密度が5~30,000粒子/μm2(例えば、8~1,400粒子/μm2)となるように制御されている可能性があるか、または制御することができる。本明細書で使用される場合、粒子直径は、粒子サイズを定量化するために使用され得る。場合によっては、粒子密度及び/または直径は、アルミニウム合金または製品の1つ以上の領域の走査型電子顕微鏡写真画像(複数可)または光学顕微鏡写真画像(複数可)を取得し、画像(複数可)内の粒子を計数または評価することによって特徴付けされる。
【0072】
場合によっては、粒子密度は、5~30,000粒子/μm2、例えば、10~25,000、10~20,000、10~15,000、10~10,000、10~9,500、10~9,000、10~8,500、10~8,000、10~7,500、10~7,000、10~6,500、10~6,000、10~5,500、10~5,000、10~4,500、10~4,000、10~3,500、10~3,000、10~2,500、10~2,000、10~1,500、10~1,000、10~950、10~900、10~850、10~800、10~750、10~700、10~650、10~600、10~550、10~500、10~450、10~400、10~350、10~300、10~250、10~200、10~150、10~100、10~75、10~50、10~25、25~30,000、25~25,000、25~20,000、25~15,000、25~10,000、25~9,500、25~9,000、25~8,500、25~8,000、25~7,500、25~7,000、25~6,500、25~6,000、25~5,500、25~5,000、25~4,500、25~4,000、25~3,500、25~3,000、25~2,500、25~2,000、25~1,500、25~1,000、25~950、25~900、25~850、25~800、25~750、25~700、25~650、25~600、25~550、25~500、25~450、25~400、25~350、25~300、25~250、25~200、25~150、25~100、25~75、25~50、50~30,000、50~25,000、50~20,000、50~15,000、50~10,000、50~9,500、50~9,000、50~8,500、50~8,000、50~7,500、50~7,000、50~6,500、50~6,000、50~5,500、50~5,000、50~4,500、50~4,000、50~3,500、50~3,000、50~2,500、50~2,000、50~1,500、50~1,000、50~950、50~900、50~850、50~800、50~750、50~700、50~650、50~600、50~550、50~500、50~450、50~400、50~350、50~300、50~250、50~200、50~150、50~100、50~75、75~30,000、75~25,000、75~20,000、75~15,000、75~10,000、75~9,500、75~9,000、75~8,500、75~8,000、75~7,500、75~7,000、75~6,500、75~6,000、75~5,500、75~5,000、75~4,500、75~4,000、75~3,500、75~3,000、75~2,500、75~2,000、75~1,500、75~1,000、75~950、75~900、75~850、75~800、75~750、75~700、75~650、75~600、75~550、75~500、75~450、75~400、75~350、75~300、75~250、75~200、75~150、75~100、100~30,000、100~25,000、100~20,000、100~15,000、100~10,000、100~9,500、100~9,000、100~8,500、100~8,000、100~7,500、100~7,000、100~6,500、100~6,000、100~5,500、100~5,000、100~4,500、100~4,000、100~3,500、100~3,000、100~2,500、100~2,000、100~1,500、100~1,000、100~950、100~900、100~850、100~800、100~750、100~700、100~650、100~600、100~550、100~500、100~450、100~400、100~350、100~300、100~250、100~200、100~150、150~30,000、150~25,000、150~20,000、150~15,000、150~10,000、150~9,500、150~9,000、150~8,500、150~8,000、150~7,500、150~7,000、150~6,500、150~6,000、150~5,500、150~5,000、150~4,500、150~4,000、150~3,500、150~3,000、150~2,500、150~2,000、150~1,500、150~1,000、150~950、150~900、150~850、150~800、150~750、150~700、150~650、150~600、150~550、150~500、150~450、150~400、150~350、150~300、150~250、150~200、200~30,000、200~25,000、200~20,000、200~15,000、200~10,000、200~9,500、200~9,000、200~8,500、200~8,000、200~7,500、200~7,000、200~6,500、200~6,000、200~5,500、200~5,000、200~4,500、200~4,000、200~3,500、200~3,000、200~2,500、200~2,000、200~1,500、200~1,000、200~950、200~900、200~850、200~800、200~750、200~700、200~650、200~600、200~550、200~500、200~450、200~400、200~350、200~300、200~250、250~30,000、250~25,000、250~20,000、250~15,000、250~10,000、250~9,500、250~9,000、250~8,500、250~8,000、250~7,500、250~7,000、250~6,500、250~6,000、250~5,500、250~5,000、250~4,500、250~4,000、250~3,500、250~3,000、250~2,500、250~2,000、250~1,500、250~1,000、250~950、250~900、250~850、250~800、250~750、250~700、250~650、250~600、250~550、250~500、250~450、250~400、250~350、250~300、300~30,000、300~25,000、300~20,000、300~15,000、300~10,000、300~9,500、300~9,000、300~8,500、300~8,000、300~7,500、300~7,000、300~6,500、300~6,000、300~5,500、300~5,000、300~4,500、300~4,000、300~3,500、300~3,000、300~2,500、300~2,000、300~1,500、300~1,000、300~950、300~900、300~850、300~800、300~750、300~700、300~650、300~600、300~550、300~500、300~450、300~400、300~350、350~30,000、350~25,000、350~20,000、350~15,000、350~10,000、350~9,500、350~9,000、350~8,500、350~8,000、350~7,500、350~7,000、350~6,500、350~6,000、350~5,500、350~5,000、350~4,500、350~4,000、350~3,500、350~3,000、350~2,500、350~2,000、350~1,500、350~1,000、350~950、350~900、350~850、350~800、350~750、350~700、350~650、350~600、350~550、350~500、350~450、350~400、400~30,000、400~25,000、400~20,000、400~15,000、400~10,000、400~9,500、400~9,000、400~8,500、400~8,000、400~7,500、400~7,000、400~6,500、400~6,000、400~5,500、400~5,000、400~4,500、400~4,000、400~3,500、400~3,000、400~2,500、400~2,000、400~1,500、400~1,000、400~950、400~900、400~850、400~800、400~750、400~700、400~650、400~600、400~550、400~500、400~450、450~30,000、450~25,000、450~20,000、450~15,000、450~10,000、450~9,500、450~9,000、450~8,500、450~8,000、450~7,500、450~7,000、450~6,500、450~6,000、450~5,500、450~5,000、450~4,500、450~4,000、450~3,500、450~3,000、450~2,500、450~2,000、450~1,500、450~1,000、450~950、450~900、450~850、450~800、450~750、450~700、450~650、450~600、450~550、450~500、500~30,000、500~25,000、500~20,000、500~15,000、500~10,000、500~9,500、500~9,000、500~8,500、500~8,000、500~7,500、500~7,000、500~6,500、500~6,000、500~5,500、500~5,000、500~4,500、500~4,000、500~3,500、500~3,000、500~2,500、500~2,000、500~1,500、500~1,000、500~950、500~900、500~850、500~800、500~750、500~700、500~650、500~600、500~550、600~30,000、600~25,000、600~20,000、600~15,000、600~10,000、600~9,500、600~9,000、600~8,500、600~8,000、600~7,500、600~7,000、600~6,500、600~6,000、600~5,500、600~5,000、600~4,500、600~4,000、600~3,500、600~3,000、600~2,500、600~2,000、600~1,500、600~1,000、600~950、600~900、600~850、600~800、600~750、600~700、600~650、700~30,000、700~25,000、700~20,000、700~15,000、700~10,000、700~9,500、700~9,000、700~8,500、700~8,000、700~7,500、700~7,000、700~6,500、700~6,000、700~5,500、700~5,000、700~4,500、700~4,000、700~3,500、700~3,000、700~2,500、700~2,000、700~1,500、700~1,000、700~950、700~900、700~850、700~800、700~750、800~30,000、800~25,000、800~20,000、800~15,000、800~10,000、800~9,500、800~9,000、800~8,500、8
00~8,000、800~7,500、800~7,000、800~6,500、800~6,000、800~5,500、800~5,000、800~4,500、800~4,000、800~3,500、800~3,000、800~2,500、800~2,000、800~1,500、800~1,000、800~950、800~900、800~850、900~30,000、900~25,000、900~20,000、900~15,000、900~10,000、900~9,500、900~9,000、900~8,500、900~8,000、900~7,500、900~7,000、900~6,500、900~6,000、900~5,500、900~5,000、900~4,500、900~4,000、900~3,500、900~3,000、900~2,500、900~2,000、900~1,500、900~1,000、900~950、1,000~30,000、1,000~25,000、1,000~20,000、1,000~15,000、1,000~10,000、1,000~9,500、1,000~9,000、1,000~8,500、1,000~8,000、1,000~7,500、1,000~7,000、1,000~6,500、1,000~6,000、1,000~5,500、1,000~5,000、1,000~4,500、1,000~4,000、1,000~3,500、1,000~3,000、1,000~2,500、1,000~2,000、1,000~1,500、2,000~30,000、2,000~25,000、2,000~20,000、2,000~15,000、2,000~10,000、2,000~9,500、2,000~9,000、2,000~8,500、2,000~8,000、2,000~7,500、2,000~7,000、2,000~6,500、2,000~6,000、2,000~5,500、2,000~5,000、2,000~4,500、2,000~4,000、2,000~3,500、2,000~3,000、2,000~2,500、3,000~30,000、3,000~25,000、3,000~20,000、3,000~15,000、3,000~10,000、3,000~9,500、3,000~9,000、3,000~8,500、3,000~8,000、3,000~7,500、3,000~7,000、3,000~6,500、3,000~6,000、3,000~5,500、3,000~5,000、3,000~4,500、3,000~4,000、3,000~3,500、4,000~30,000、4,000~25,000、4,000~20,000、4,000~15,000、4,000~10,000、4,000~9,500、4,000~9,000、4,000~8,500、4,000~8,000、4,000~7,500、4,000~7,000、4,000~6,500、4,000~6,000、4,000~5,500、4,000~5,000、4,000~4,500、5,000~30,000、5,000~25,000、5,000~20,000、5,000~15,000、5,000~10,000、5,000~9,500、5,000~9,000、5,000~8,500、5,000~8,000、5,000~7,500、5,000~7,000、5,000~6,500、5,000~6,000、5,000~5,500、6,000~30,000、6,000~25,000、6,000~20,000、6,000~15,000、6,000~10,000、6,000~9,500、6,000~9,000、6,000~8,500、6,000~8,000、6,000~7,500、6,000~7,000、6,000~6,500、7,000~30,000、7,000~25,000、7,000~20,000、7,000~15,000、7,000~10,000、7,000~9,500、7,000~9,000、7,000~8,500、7,000~8,000、7,000~7,500、8,000~30,000、8,000~25,000、8,000~20,000、8,000~15,000、8,000~10,000、8,000~9,500、8,000~9,000、8,000~8,500、9,000~30,000、9,000~25,000、9,000~20,000、9,000~15,000、9,000~10,000、9,000~9,500、10,000~30,000、10,000~25,000、10,000~20,000、10,000~15,000、15,000~30,000、15,000~25,000、15,000~20,000、20,000~30,000、20,000~25,000、または25,000~30,000粒子/μm2であり得る。
【0073】
組成及び/またはアルミニウム合金製品の最終用途に応じて、例示的な粒子直径は100nm~100μmの範囲であり得る。例えば、粒子直径は、150nm~100μm、200nm~100μm、300nm~100μm、400nm~100μm、500nm~100μm、600nm~100μm、700nm~100μm、800nm~100μm、1μm~100μm、5μm~100μm、10μm~100μm、15μm~100μm、25μm~100μm、50μm~100μm、75μm~100μm、150nm~75μm、200nm~75μm、300nm~75μm、400nm~75μm、500nm~75μm、600nm~75μm、700nm~75μm、800nm~75μm、1μm~75μm、5μm~75μm、10μm~75μm、15μm~75μm、25μm~75μm、50μm~75μm、150nm~50μm、200nm~50μm、300nm~50μm、400nm~50μm、500nm~50μm、600nm~50μm、700nm~50μm、800nm~50μm、1μm~50μm、5μm~50μm、10μm~50μm、15μm~50μm、25μm~50μm、150nm~25μm、200nm~25μm、300nm~25μm、400nm~25μm、500nm~25μm、600nm~25μm、700nm~25μm、800nm~25μm、1μm~25μm、5μm~25μm、10μm~25μm、15μm~25μm、150nm~15μm、200nm~15μm、300nm~15μm、400nm~15μm、500nm~15μm、600nm~15μm、700nm~15μm、800nm~15μm、1μm~15μm、5μm~15μm、10μm~15μm、150nm~10μm、200nm~10μm、300nm~10μm、400nm~10μm、500nm~10μm、600nm~10μm、700nm~10μm、800nm~10μm、1μm~10μm、5μm~10μm、150nm~5μm、200nm~5μm、300nm~5μm、400nm~5μm、500nm~5μm、600nm~5μm、700nm~5μm、800nm~5μm、800nm~5μm、1μm~5μm、150nm~1μm、200nm~1μm、300nm~1μm、400nm~1μm、500nm~1μm、600nm~1μm、700nm~1μm、800nm~1μm、150nm~800nm、200nm~800nm、300nm~800nm、400nm~800nm、500nm~800nm、600nm~800nm、700nm~800nm、150nm~700nm、200nm~700nm、300nm~700nm、400nm~700nm、500nm~700nm、600nm~700nm、150nm~600nm、200nm~600nm、300nm~600nm、400nm~600nm、500nm~600nm、150nm~500nm、200nm~500nm、300nm~500nm、400nm~500nm、150nm~400nm、200nm~400nm、300nm~400nm、150nm~300nm、200nm~300nm、または150nm~200nmの範囲であり得る。
【0074】
これらの直径範囲は、任意選択で、粒子の80パーセント(またはそれ以上)の直径を表し得る。これは、一部の粒子は記載範囲外の直径を有し得るが、粒子の少なくとも80パーセントは記載範囲内の直径を有することを意味する。場合によっては、直径範囲は、粒子の25パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の30パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の35パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の40パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の45パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の50パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の55パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の60パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の65パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の70パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の75パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の80パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の85パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の90パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の95パーセント(もしくはそれ以上)、粒子の98パーセント(もしくはそれ以上)、または粒子の100パーセント(もしくはそれ以上)の直径を表し得る。
【0075】
粒子サイジング及び粒子間間隔を制御するために、鋳造及び均質化中の条件を調整して、粒子生成のサイズ及び密度を制御することができる。場合によっては、アルミニウム合金の組成が粒子生成を制御し得る。具体的には、例えば、鋳造前の組成の調整は、好ましい量の金属間粒子の生成及び/または粒子直径及び粒子間間隔の制御に有用であり得る。
【0076】
鋳造プロセス中に、鉄及びマンガンを含有するアルミニウム合金は、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含む金属間粒子を生成し得、これは、本明細書では鋳造アルミニウム合金製品内のAl-(Fe、Mn)金属間粒子またはβ相金属間粒子と称され得る。ケイ素が存在する場合、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含む金属間粒子(本明細書ではAl-(Fe、Mn)-Si金属間粒子またはα相金属間粒子とも称される)も生成され得る。例示的なα相及びβ相金属間粒子は、それぞれ、Al15(Fe、Mn)3Si2及びAl6(Fe、Mn)を含み得る。ほとんど全てのアルミニウム合金には、ある程度の鉄及びケイ素が一般に存在するため、多くのアルミニウム合金には、鋳造時にそのような金属間粒子が含まれ得る。
【0077】
これらの金属間粒子タイプは、それぞれ異なる特性を示し、アルミニウム合金の構造に様々な形で寄与する。例えば、一般に、β相粒子はα相粒子よりも大きく、より塊状または幾何学的である傾向があり、一方α相粒子はβ相粒子よりも硬く、小さい傾向がある。熱間及び冷間圧延中に、金属間粒子が破壊される場合があり、例えば、それらのサイズ、粒子間間隔、及び密度が影響を受け得る。均質化、熱処理、及び/または時効中に、成分が金属間粒子の内外に拡散し、それらの組成、構造、及び/またはサイズを変化させ得る。
【0078】
アルミニウム合金の組成、特に鉄及びケイ素の含有量を調整することにより、生成される金属間粒子のタイプを制御することができ、それにより粒子サイズを制御することができる。例えば、アルミニウム合金中の金属間粒子分布が、アルミニウム合金が99%のα相金属間粒子を含有し、β相金属間粒子を1%のみ含有するようなものである場合、アルミニウム合金は、全体的により微細な/小型の粒子を生成し得る。しかしながら、生成されるα相金属間粒子の量が低減し、生成されるβ相金属間粒子の量が増加する場合、アルミニウム合金の全体的な粒子サイズはより大きくなり得る。更に、粒子サイズを調整する一方で粒子体積分率が一定である場合、粒子間間隔及び関連する粒子密度を制御することができる。
【0079】
本開示の方法及びアルミニウム合金製品で有用な特定のアルミニウム合金には、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含有するものが含まれ得る。ケイ素に対する鉄の比率を増加させて用いることにより、本開示のアルミニウム合金製品は、加工中にβ相金属間粒子を優先的に生成することができ、または均質化プロセス中にα相金属間粒子をβ相金属間粒子に転換させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び製品で有用なアルミニウム合金は、ケイ素のwt%に対する鉄のwt%が0.5~5.0の比率であり得る。任意選択で、アルミニウム合金は、ケイ素のwt%に対する鉄のwt%の比率が、0から、例えば、0.5~5、0.5~4.7、0.5~4.6、0.5~4.5、0.5~4.25、0.5~4.0、0.5~3.75、0.5~3.5、0.5~3.25、0.5~3.0、0.5~2.75、0.5~2.5、0.5~2.0、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.1、0.5~1.0、1.0~5.0、1.0~4.7、1.0~4.6、1.0~4.5、1.0~4.25、1.0~4.0、1.0~3.75、1.0~3.5、1.0~3.25、1.0~3.0、1.0~2.75、1.0~2.5、1.0~2.0、1.0~1.8、1.0~1.5、1.0~1.1、1.1~5.0、1.1~4.7、1.1~4.6、1.1~4.5、1.1~4.25、1.1~4.0、1.1~3.75、1.1~3.5、1.1~3.25、1.1~3.0、1.1~1.75、1.1~2.5、1.1~2.0、1.1~1.8、1.1~1.5、1.5~5.0、1.5~4.7、1.5~4.6、1.5~4.5、1.5~4.25、1.5~4.0、1.5~3.75、1.5~3.5、1.5~3.25、1.5~3.0、1.5~1.75、1.5~2.5、1.5~2.0、1.5~1.8、1.8~5.0、1.8~4.7、1.8~4.6、1.8~4.5、1.8~4.25、1.8~4.0、1.8~3.75、1.8~3.5、1.8~3.25、1.8~3.0、1.8~1.75、1.8~2.5、1.8~2.0、2.0~5.0、2.0~4.7、2.0~4.6、2.0~4.5、2.0~4.25、2.0~4.0、2.0~3.75、2.0~3.5、2.0~3.25、2.0~3.0、2.0~2.75、2.0~2.5、3.0~5.0、3.0~4.5、3.0~4.0、3.0~3.75、3.0~3.5、4.0~5.0、4.0~4.7、4.0~4.6、4.0~4.5、または4.0~4.25であり得る。そのような比率により、鋳造合金製品が、鋳造中または鋳造後に望ましい量のα相及びβ相金属間粒子を優先的に形成することが可能となり、粒子間間隔及び粒子サイジングが制御され得る。
【0080】
これらのケイ素に対する鉄の比率は、アルミニウム合金内の各タイプの金属間粒子の望ましい体積分率を実現するように、所望の比率でβ相金属間粒子及びα相金属間粒子を優先的に形成し得る。例えば、アルミニウム合金は、0.5体積%~4.0体積%のα相金属間粒子、及び0体積%~2.0体積%のβ相金属間粒子を有し得る。場合によっては、β相金属間粒子の体積パーセントに対するα相金属間粒子の体積パーセントの比率は、0.6~1000、1~800、10~750、50~500、または100~250であり得る。実施形態では、β相金属間粒子に対するα相金属間粒子の比率は、体積分率の代わりに金属間粒子の密度に基づき得る。そのような実施形態では、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の好ましい比率は、0.2~1,000であり得る。例えば、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率は、0.2~1,000、0.2~750、0.25~500、0.25~100、0.25~50、0.3~25、0.3~10、または0.3~3であり得る。
【0081】
アルミニウム合金及びアルミニウム合金製品の組成
以下の表1~3に、いくつかの実施形態によるアルミニウム合金の合金組成(wt%)を示す。具体的には、提供される組成は、好ましい粒子サイズを維持しながら、好ましい粒子間間隔を有するアルミニウム合金製品を生成するのに有用であり得る。
図1を参照して上で論じたように、製品成形性の向上をもたらす粒子間間隔と粒子サイズとの間のバランスが存在し得る。以下の組成は、成形性が向上し、かつ大量の再生原料含有物の使用を可能にするアルミニウム合金及びアルミニウム合金製品を提供し得る。
【0082】
いくつかの例では、本明細書に記載のアルミニウム合金は、表1に示されるような以下の元素組成を有し得る。
【表1】
【0083】
いくつかの例では、アルミニウム合金は、表2に示されるような以下の元素組成を有し得る。
【表2】
【0084】
いくつかの例では、合金は、表3に示されるような以下の元素組成を有し得る。
【表3】
【0085】
いくつかの例では、合金は、表4に示されるような以下の元素組成を有し得る。
【表4】
【0086】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金はまた、合金の総重量を基準として、0.1%~1.0%(例えば、0.20%~0.8%または0.3%~0.7%)の量の鉄(Fe)を含み得る。例えば、合金は、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.60%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.70%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.80%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.90%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、または1.0%の鉄を含み得る。全てwt%で表示されている。
【0087】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、0.05%~0.80%(例えば、0.1%~0.7%または0.15%~0.5%)の量のケイ素(Si)を含み得る。例えば、合金は、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.60%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.70%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、または0.80%のケイ素を含み得る。全てwt%で表示されている。
【0088】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、0.2%~2.0%(例えば、0.6%~1.0%または0.8%~1.4%)の量のマンガン(Mn)を含み得る。例えば、合金は、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.60%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.70%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.80%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.90%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.0%、1.10%、1.11%、1.12%、1.13%、1.14%、1.15%、1.16%、1.17%、1.18%、1.19%、1.20%、1.21%、1.22%、1.23%、1.24%、1.25%、1.26%、1.27%、1.28%、1.29%、1.30%、1.31%、1.32%、1.33%、1.34%、1.35%、1.36%、1.37%、1.38%、1.39%、1.40%、1.41%、1.42%、1.43%、1.44%、1.45%、1.46%、1.47%、1.48%、1.49%、1.50%、1.51%、1.52%、1.53%、1.54%、1.55%、1.56%、1.57%、1.58%、1.59%、1.60%、1.61%、1.62%、1.63%、1.64%、1.65%、1.66%、1.67%、1.68%、1.69%、1.70%、1.71%、1.72%、1.73%、1.74%、1.75%、1.76%、1.77%、1.78%、1.79%、1.80%、1.81%、1.82%、1.83%、1.84%、1.85%、1.86%、1.87%、1.88%、1.89%、1.90%、1.91%、1.92%、1.93%、1.94%、1.95%、1.96%、1.97%、1.98%、1.99%、または2.0%のマンガンを含み得る。いくつかの場合では、マンガンは合金中に存在しない(すなわち、0%)場合がある。全てwt%で表示されている。
【0089】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、0.2%~2.0%(例えば、0.7%~1.0%または0.9%~1.1%)の量のマグネシウム(Mg)を含み得る。例えば、合金は、0.20%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.50%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.60%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.70%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.80%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.90%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%、1.0%、1.10%、1.11%、1.12%、1.13%、1.14%、1.15%、1.16%、1.17%、1.18%、1.19%、1.20%、1.21%、1.22%、1.23%、1.24%、1.25%、1.26%、1.27%、1.28%、1.29%、1.30%、1.31%、1.32%、1.33%、1.34%、1.35%、1.36%、1.37%、1.38%、1.39%、1.40%、1.41%、1.42%、1.43%、1.44%、1.45%、1.46%、1.47%、1.48%、1.49%、1.50%、1.51%、1.52%、1.53%、1.54%、1.55%、1.56%、1.57%、1.58%、1.59%、1.60%、1.61%、1.62%、1.63%、1.64%、1.65%、1.66%、1.67%、1.68%、1.69%、1.70%、1.71%、1.72%、1.73%、1.74%、1.75%、1.76%、1.77%、1.78%、1.79%、1.80%、1.81%、1.82%、1.83%、1.84%、1.85%、1.86%、1.87%、1.88%、1.89%、1.90%、1.91%、1.92%、1.93%、1.94%、1.95%、1.96%、1.97%、1.98%、1.99%、または2.0%のマグネシウムを含み得る。全てwt%で表示されている。
【0090】
いくつかの例では、記載されている合金は、合金の総重量を基準として、最大0.5%(例えば、0%~0.25%または0.1%~0.2%)の量の銅(Cu)を含み得る。例えば、合金は、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.50%の銅を含み得る。いくつかの場合では、銅は合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てwt%で表示されている。
【0091】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、最大0.50%(例えば、0%~0.2%または0%~1.5%)の量の亜鉛(Zn)を含み得る。例えば、合金は、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.30%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.40%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.50%の亜鉛を含み得る。いくつかの場合では、亜鉛は合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てwt%で表示されている。
【0092】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、最大0.10%(例えば、0.001%~0.10%、0%~0.05%、0.001%~0.05%、または0.003%~0.08%)の量のチタン(Ti)を含み得る。例えば、合金は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、0.020%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%、0.03%、0.031%、0.032%、0.033%、0.034%、0.035%、0.036%、0.037%、0.038%、0.039%、0.04%、0.041%、0.042%、0.043%、0.044%、0.045%、0.046%、0.047%、0.048%、0.049%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.075%、0.08%、0.085%、0.09%、0.095%、または0.1%のチタンを含み得る。いくつかの場合では、チタンは合金中に存在しない(すなわち、0%)場合がある。全てwt%で表示されている。
【0093】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、最大0.10%(例えば、0.001%~0.10%、0%~0.05%、0.001%~0.05%、または0.003%~0.08%)の量のクロム(Cr)を含み得る。例えば、合金は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、0.020%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%,0.03%、0.031%、0.032%、0.033%、0.034%、0.035%、0.036%、0.037%、0.038%、0.039%、0.04%、0.041%、0.042%、0.043%、0.044%、0.045%、0.046%、0.047%、0.048%、0.049%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.075%、0.08%、0.085%、0.09%、0.095%、または0.10%のクロムを含み得る。いくつかの場合では、クロムは合金中に存在しない(すなわち、0%)場合がある。全てwt%で表示されている。
【0094】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、最大0.10%(例えば、0.001%~0.10%、0%~0.05%、0.001%~0.05%、または0.003%~0.08%)の量のジルコニウム(Zr)を含み得る。例えば、合金は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、0.020%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%、0.03%、0.031%、0.032%、0.033%、0.034%、0.035%、0.036%、0.037%、0.038%、0.039%、0.04%、0.041%、0.042%、0.043%、0.044%、0.045%、0.046%、0.047%、0.048%、0.049%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.075%、0.08%、0.085%、0.09%、0.095%、または0.10%のZrを含み得る。他の例では、合金は、合金の総重量を基準として、0.05%未満(例えば、0.04%、0.03%、0.02%、または0.01%)の量のジルコニウムを含み得る。いくつかの場合では、ジルコニウムは合金中に存在しない(すなわち、0%)場合がある。全てwt%で表示されている。
【0095】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量を基準として、最大0.10%(例えば、0.001%~0.10%、0%~0.05%、0.001%~0.05%、または0.003%~0.08%)の量のバナジウム(V)を含み得る。例えば、合金は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.010%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、0.020%、0.021%、0.022%、0.023%、0.024%、0.025%、0.026%、0.027%、0.028%、0.029%、0.03%、0.031%、0.032%、0.033%、0.034%、0.035%、0.036%、0.037%、0.038%、0.039%、0.04%、0.041%、0.042%、0.043%、0.044%、0.045%、0.046%、0.047%、0.048%、0.049%、0.05%、0.055%、0.06%、0.065%、0.07%、0.075%、0.08%、0.085%、0.09%、0.095%、または0.10%のバナジウムを含み得る。他の例では、合金は、合金の総重量を基準として、0.05%未満(例えば、0.04%、0.03%、0.02%、または0.01%)の量のバナジウムを含み得る。いくつかの場合では、バナジウムは合金中に存在しない(すなわち、0%)場合がある。全てwt%で表示されている。
【0096】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、1つ以上の希土類元素(すなわち、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム、(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)のうちの1つ以上)を、合金の総重量を基準として、最大0.10%(例えば、0.01%~0.10%、0.01%~0.05%、または0.03%~0.05%)の量で含み得る。例えば、合金は、希土類元素のうちの1つ以上を0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、または0.10%含み得る。全てwt%で表示されている。
【0097】
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V)、インジウム(In)、ハフニウム(Hf)、銀(Ag)、及びニッケル(Ni)のうちの1つ以上を、合金の総重量を基準として、最大0.20%(例えば、0.01%~0.20%または0.05%~0.15%)の量で含み得る。例えば、合金は、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V)、インジウム(In)、ハフニウム(Hf)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)のうちの1つ以上を、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、または0.20%含み得る。全てwt%で表示されている。
【0098】
任意選択で、本明細書に記載の合金組成物は、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量の、不純物と称される場合がある他の微量元素を更に含み得る。これらの不純物には、ガリウム(Ga)、カルシウム(Ca)、ビスマス(Bi)、ナトリウム(Na)、鉛(Pb)またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。したがって、ガリウム、カルシウム、ビスマス、ナトリウム、または鉛は、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で合金中に存在し得る。全不純物の合計は、0.15%(例えば0.10%)を超えない場合がある。全てwt%で表示されている。合金の残りのパーセンテージは、アルミニウムであり得る。
【0099】
結晶粒微細化剤及び脱酸剤などの付随的要素、または他の添加剤は、アルミニウム合金及びアルミニウム合金製品中に存在してもよく、本明細書に記載のアルミニウム合金もしくは製品、または本明細書に記載のアルミニウム合金もしくは製品の特性から逸脱するかまたはそれらを著しく変化させることなく、それら自体で他の特性を追加し得る。
【0100】
材料または元素を含む不可避の不純物が、アルミニウム固有の特性または加工機器との接触による溶出に起因して、合金中に少量存在する場合がある。アルミニウムに通常見られるいくつかの不純物としては、鉄及びケイ素が挙げられる。場合によっては、鉄及びケイ素は不純物として表示されないことがある。例えば、鉄及びケイ素の量は、合金の特定の特性に影響を与えるように能動的に制御することができる。
【0101】
アルミニウム合金及びアルミニウム合金製品の製造方法
図4は、アルミニウム合金製品の例示的な作製方法の概要を示す。
図4の方法は工程405で始まり、405では、アルミニウム合金406が鋳造されて、鋳塊または他の鋳造製品などの鋳造アルミニウム合金製品407が生成され得る。工程410で、鋳造アルミニウム合金製品407が均質化され、均質化アルミニウム合金製品411が生成され得る。工程415では、均質化アルミニウム合金製品411が1つ以上の熱間圧延パス及び/または1つ以上の冷間圧延パスに供されて、圧延アルミニウム合金製品412が形成され得、これは、アルミニウム合金プレート、アルミニウム合金シェート、またはアルミニウム合金シートなどのアルミニウム合金物品に相当し得る。任意選択で、圧延アルミニウム合金製品412は、アルミニウム合金物品を形成するために1つ以上の成形またはスタンピングプロセスに供され得る。
【0102】
本明細書に記載のアルミニウム合金は、任意の適切な鋳造法を使用して鋳造され得る。いくつかの非限定的な例として、鋳造プロセスは、ダイレクトチル(DC)鋳造プロセスまたは連続鋳造(CC)プロセスを含み得る。例えば、
図4は、405でのDC鋳造プロセスの概略図を示し得る。連続鋳造システムを代わりに使用することができ、これは、一対の可動型対向鋳造面(例えば、可動型対向ベルト、ロール、またはブロック)、一対の可動型対向鋳造面間の鋳造キャビティ、及び溶融金属インジェクタを含み得る。溶融金属インジェクタは、端部開口部を有し得、そこから溶融金属が溶融金属インジェクタから出て鋳造キャビティ内に注入され得る。
【0103】
鋳造鋳塊または他の鋳造製品などの鋳造アルミニウム合金製品は、任意の適切な手段によって加工され得る。任意選択で、この加工工程をシートを調製するために使用してもよい。処理工程の例には、均質化、熱間圧延、冷間圧延、焼なまし、溶体化熱処理、及び予備時効が含まれるがこれらに限定されない。
【0104】
図5は、いくつかの例による均質化プロセス中の時間の関数としての本開示による鋳造アルミニウム合金製品の温度を示すプロットを示す。均質化中に、鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度(HT
1)まで加熱することができる。均質化工程のための加熱は、周囲条件、室温(
図5に示されるようなRT)、またはより高い温度から行うことができ、また任意の適切な加熱速度で行うことができる。いくつかの実施形態では、約10℃/時~約100℃/時の加熱速度が使用され得る。加熱速度の例は、20℃/時~90℃/時、30℃/時~80℃/時、40℃/時~70℃/時、50℃/時~60℃/時、約10℃/時、20℃/時、30℃/時、40℃/時、50℃/時、60℃/時、70℃/時、80℃/時、90℃/時、または100℃/時であり得る。加熱プロセスの持続時間は、t
Rとして
図5に図示されており、-t
Rから時間0まで行われる。
【0105】
アルミニウム合金製品は、約500℃~約650℃の範囲である均質化温度(HT1)まで加熱され得る。均質化温度(HT1)の例としては、約550℃~約615℃、約570℃~約610℃、約580℃~約605℃、約590℃~約600℃、約500℃、510℃、520℃、530℃、540℃、550℃、560℃、570℃、580℃、585℃、590℃、595℃、600℃、605℃、610℃、615℃、または620℃が挙げられる。本明細書でより詳細に説明されるように、比較的高い均質化温度は、アルミニウム合金中に存在する金属間粒子のサイズ、分布、濃度、及び/または組成を制御するのに有用であり得、そのため約585℃~約615℃の均質化温度が望ましい場合がある。
【0106】
いくつかの実施形態では、比較的高い均質化温度は、アルミニウム合金中に存在する金属間粒子のサイズ、粒子間間隔、分布、濃度、及び/または組成を制御するのに有用であり得、そのため約570℃~約620℃の均質化温度が望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、約585℃~約615℃の均質化温度が望ましい場合がある。任意選択で、均質化温度は、アルミニウム合金の固相線温度の25℃以内であり得る。
【0107】
次に、加熱された鋳造アルミニウム合金製品は、一定期間ソーキングされ得る(すなわち、指示された均質化温度で保持され得る)。ソーキングの持続時間は、t
1として
図5に示されており、時間0からt
1まで行われる。いくつかの実施形態では、均質化は、不活性雰囲気、低酸素雰囲気、無酸素雰囲気、または空気中で行うことができる。いくつかの例では、加熱及びソーキング段階を含む均質化工程の合計時間は、最大で12時間もしくは32時間、またはそれを超える時間であり得る。任意選択で、ソーキング段階をより長く、最大36時間までも長くすることができる。12時間超または24時間超の長時間のソーキングは、実施形態では、アルミニウム合金中に存在する金属間粒子のサイズ、粒子間間隔、分布、濃度、密度、及び/または組成を制御するのに有用であり得る。
【0108】
ソーキング段階に続いて、均質化アルミニウム合金製品の温度を、能動的または受動的冷却プロセスなどによって低減させることができる。任意選択で、均質化アルミニウム合金の温度を、室温まで低減させることができる。冷却は、任意の適切な冷却速度で行うことができる。冷却速度の例としては、約10℃/時~約50℃/時、例えば、約10℃/時、20℃/時、30℃/時、40℃/時、または50℃/時の加熱速度が挙げられる。任意選択で、均質化アルミニウム合金製品を、室温まで冷却することなく、直接熱間圧延に進ませることができる。
【0109】
場合によっては、均質化工程は、複数のプロセスを含む。
図5に図示されるように、均質化工程は、任意選択で、製品を第1の均質化温度(HT
1)に加熱し、第1の持続時間(t
1)の間、第1の均質化温度またはその近傍の温度でソーキングし、続いて、第2の均質化温度(HT
2)に冷却し、第2の持続時間の間、
図5にt
2-t
1として示される第2の均質化温度またはその近傍の温度でソーキングすることを含む。例えば、アルミニウム合金製品は、第1のソーキング後に、500℃~600℃、例えば、約500℃、505℃、510℃、515℃、520℃、525℃、530℃、535℃、540℃、545℃、550℃、555℃、560℃、565℃、570℃、575℃、580℃、585℃、590℃、または595℃の第2の均質化温度に冷却され得る。アルミニウム合金製品は、約1時間~約24時間の第2の持続時間の間、第2の均質化温度で保持され得る。
【0110】
均質化工程に続いて、熱間圧延工程が実施され得る。任意選択で、熱間圧延は、均質化の直後に(すなわち、室温まで冷却せずに)行われ得る。他の実施形態では、熱間圧延の開始前に、均質化製品は、約100℃~約500℃の温度に冷却され得る。例えば、均質化製品は、100℃~500℃、250℃~450℃、300℃~450℃、325℃~425℃、または350℃~400℃の温度に冷却され得る。次に、製品は、200℃~600℃の温度で熱間圧延され、0.5mm~200mm(例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mm、200mm、またはこれらの間のいずれか)の板厚を有する熱間圧延プレート、熱間圧延シェート、または熱間圧延シートが形成され得る。例えば、均質化製品は、ある温度で1mm~8mmの厚さまで熱間圧延され得る。熱間圧延中、温度及び他の操作パラメータは、熱間圧延ミルから出るときに熱間圧延製品の出口温度が約500℃以下、約450℃以下、約300℃以下、または約200℃以下となるように制御され得る。場合によっては、熱間圧延製品の出口温度は、100℃~500℃、または200℃~400℃であり得る。
【0111】
場合によっては、鋳造、均質化、または熱間圧延された製品は、冷間圧延ミル及び冷間圧延技術を使用してシートへと冷間圧延され得る。冷間圧延シートは、約0.10mm~約0.50mm、約0.15mm~約0.3mm、約0.5mm~約10mm、または約0.7mm~約6.5mmの板厚を有し得る。任意選択で、冷間圧延シートは、約0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、または10.0mmの板厚を有し得る。冷間圧延を実施して、最大約95%(例えば、最大10%、最大20%、最大30%、最大40%、最大50%、最大60%、最大70%、最大80%、最大85%、最大90%、または最大95%の低減)という板厚の低減を表す最終的な板厚の厚さを得ることができる。冷間圧延中、温度及び他の操作パラメータは、冷間圧延ミルから出るときに冷間圧延製品の出口温度が約300℃以下、約250℃以下、約200℃以下、または約100℃以下となるように制御され得る。場合によっては、冷間圧延製品の出口温度は、50℃~250℃、または100℃~200℃であり得る。
【0112】
任意選択で、中間焼きなまし工程を、冷間圧延工程の後、または複数の冷間圧延工程の間に実施することができる。中間焼きなまし工程は、約300℃~約450℃(例えば、約310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃、380℃、390℃、400℃、410℃、420℃、430℃、440℃、または450℃)の温度で実施され得る。場合によっては、中間焼きなまし工程は、複数のプロセスを含む。いくつかの非限定的な例では、中間焼なまし工程は、プレート、シェート、またはシートを第1の期間中、第1の温度に加熱して、続いて第2の期間中、第2の温度に加熱することを含み得る。例えば、プレート、シェート、またはシートは、約410℃に約1時間加熱され、次に約330℃に約2時間加熱され得る。
【0113】
本明細書に記載の鋳造合金製品、均質化合金製品、または熱間圧延合金製品は、プレート形態または他の好適な製品形態での製品を作製するためにも使用され得る。例えば、本明細書に記載の製品を含むプレートは、鋳塊を均質化工程で加工するか、または連続鋳造機で製品を鋳造し、その後、均質化し、続いて均質化製品を熱間圧延することによって調製され得る。熱間圧延工程では、均質化製品は、200mm以下の厚さの板厚(例えば、約10mm~約200mm)まで熱間圧延され得る。例えば、均質化アルミニウム合金製品は、約10mm~約175mm、約15mm~約150mm、約20mm~約125mm、約25mm~約100mm、約30mm~約75mm、または約35mm~約50mmの最終板厚の厚さを有するプレートに熱間圧延され得る。
【0114】
モノリシック材料のみならず、非モノリシック材料、例えば、ロールボンド材料、クラッド合金、クラッド層、複合材料(限定されないが、炭素繊維含有材料など)、または他の様々な材料もまた、本明細書に記載の方法ならびにアルミニウム合金及びアルミニウム合金製品で有用である。
【0115】
図6は、本明細書に開示される実施形態による、好ましい粒子密度及び粒子間の粒子間間隔を有するアルミニウム合金を作製する方法600を示す。ブロック610で、鋳造アルミニウム合金製品が調製され得る。鋳造アルミニウム合金製品は、例えば、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含むアルミニウム合金を含み得る。鋳造アルミニウム合金製品は、本明細書で提供される元素組成、具体的には表1~3に提供されるものを有するアルミニウム合金を含み得る。鋳造アルミニウム合金製品を調製することは、溶融アルミニウム合金を調製すること及び溶融アルミニウム合金を鋳造することを含み得る。
【0116】
本明細書に記載の方法及び技法に従って調製されるアルミニウム合金製品のアルミニウム合金原料(複数可)は、同じ系のアルミニウム合金または異なる系のアルミニウム合金の混合物に対応し得る。任意選択で、鋳造アルミニウム合金製品を調製することは、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製すること及び溶融3xxx系アルミニウム合金を鋳造することを含み得る。任意選択で、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することは、3xxx系アルミニウム合金原料と5xxx系アルミニウム合金原料の両方を溶融させることを含み得る。場合によっては、アルミニウム合金原料のうちの1つ以上は、再生原料含有物に由来し得る。いくつかの実施形態では、比較的高いパーセンテージの鉄を含むアルミニウム合金が、目標のケイ素に対する鉄の比率を達成するのに有用であり得る。例えば、溶融アルミニウム合金を調製することは、任意選択で、3xxx系アルミニウム合金原料及び/または5xxx系アルミニウム合金原料とともに、4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を溶融させることを更に含み得る。
【0117】
ブロック620で、鋳造アルミニウム合金製品が均質化され得る。任意選択で、均質化は、鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度、例えば500℃~650℃である均質化温度に加熱することと、鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度で、例えば0.1時間~36時間の持続期間にわたってソーキングすることと、を含み得る。ソーキング中に、アルミニウム合金の構造が変化し得る。一例として、ソーキング中に、アルミニウム合金由来のケイ素がβ相金属間粒子の少なくとも一部分に拡散して、β相金属間粒子の少なくとも一部分がα相金属間粒子に変換され得る。一例として、ソーキング中に、アルミニウム合金由来の鉄がα相金属間粒子の少なくとも一部分に拡散して、α相金属間粒子の少なくとも一部分がβ相金属間粒子に変換され得る。別の例として、ソーキング中に、鉄がβ相金属間粒子から拡散し、任意選択でマンガンによって置き換えられ得る。別の例として、ソーキング中に、鉄がβ相金属間粒子から鋳造アルミニウム合金製品内に存在する分散質へと拡散し得る。
【0118】
アルミニウム合金が3xxx系アルミニウム合金を含む実施形態では、ソーキング中に、3xxx系アルミニウム合金由来のケイ素がβ相金属間粒子の少なくとも一部分に拡散して、β相金属間粒子の少なくとも一部分がα相金属間粒子に変換され得る。任意選択で、これらの実施形態の間では、ソーキング中に、鉄がβ相金属間粒子から拡散し、マンガンによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、鉄がβ相金属間粒子から拡散するとき、鉄は、鋳造アルミニウム合金製品内に存在する分散質と結合して、α相金属間粒子を形成し得る。分散質にはマンガンが含まれ得る。
【0119】
均質化の温度及び持続時間を制御することにより、金属間粒子の性質を変化させることができる。例えば、ソーキング中に、β相金属間粒子の平均サイズを増加または減少させることができる。例えば、β相金属間粒子の平均サイズは、ソーキング前のβ相金属間粒子の平均サイズと比較して減少し得る。任意選択で、鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度を、増加または減少させることができる。任意選択で、均質化前の鋳造アルミニウム合金製品におけるβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率は、0.3~3である。任意選択で、均質化後の均質化アルミニウム合金製品におけるβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率は、0.2~1000以上(例えば、2~1000)であり得る。場合によっては、ある量のα相金属間粒子は、均質化中に、例えば、30%以上、40%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上、または最大100%、β相金属間粒子に変換され得る。場合によっては、均質化中に、α相金属間粒子の大部分がβ相金属間粒子に変換される。
【0120】
アルミニウム合金が3xxx系アルミニウム合金を含むものなどのいくつかの実施形態では、均質化中、特にソーキング中に、ある量のβ相金属間粒子がα相金属間粒子に変換され得る。例えば、ソーキング中に、β相金属間粒子の約30%~100%がα相金属間粒子に変換され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、複数の均質化工程が有用であり得る。例えば、初回の高温かつ長時間の均質化後の二次低温均質化は、圧延または他の加工などのアルミニウム合金製品の調製に有用であり得る。複数工程の均質化プロセスは、均質化アルミニウム合金製品の温度を、第1の均質化温度よりも低い第2の均質化温度に低減させることと、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度で第2の持続時間、例えば、初回の長時間のソーキング持続時間よりも短い第2の持続時間でソーキングすることと、を含み得る。いくつかの実施形態では、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品の表面品質または特性が制御され得る。任意選択で、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品の温度が圧延プロセスに十分な温度となり得る。
【0122】
ブロック640で、方法600は、任意選択で、均質化圧延アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを含み得る。例えば、均質化圧延アルミニウム合金製品は、ブロック642で1つ以上の熱間圧延プロセスに供され得る。場合によっては、均質化圧延アルミニウム合金製品はまた、ブロック644で1つ以上の冷間圧延プロセスに供され得る。熱間及び冷間圧延プロセス中に、金属間粒子が破壊される場合があり、例えば、それらのサイズ、分布、及び数密度が影響を受け得る。
【0123】
圧延アルミニウム合金製品を約550℃超などの比較的高温で熱間圧延すると、合金によっては、ロールへの張り付きまたはロール間隙への進入不可(bite refusal)により問題が生じる場合がある。これはまた、結晶粒界の分離及び表面の引裂を引き起こす可能性があり、表面での酸化を促進する可能性がある。酸化物形成に関する親和性は、表面での溶質元素(例えば、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)など)のより速い拡散に少なくとも部分的に起因して高温でより高くなることから、引裂から形成される新たな新生表面は速やかに酸化する可能性があり、多くの場合、望ましくない酸化物層を伴う不均一な表面が生じる。しかしながら、有利なことに、熱間圧延出口温度を、例えば約550℃未満の温度、例えば約100℃~500℃に低下させることにより、より大きな摩擦によってロール間隙を更に制御することができ、表面の張り付き、引裂、及び酸化の傾向を低減させることができる。更に、低温での溶質元素の拡散率の低減は、高温での場合よりも均一な表面層をもたらし得る。
【0124】
同様に、冷間圧延出口温度を制御することにより、アルミニウム合金製品を向上させることもできる。約100℃~200℃の冷間圧延プロセスの出口温度により、圧延アルミニウム合金製品を、張り付き、引裂、または破損なしで、0.15~0.30mmの厚さに圧延することができる。
【0125】
本開示のアルミニウム合金製品の使用方法
本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、様々な用途に使用され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、アルミニウム缶胴部の素材またはアルミニウムボトル胴部の素材などの飲料容器の胴部の素材に有用である。アルミニウム合金シートは、アルミニウム合金の円板がアルミニウム合金シートから切り取られる打抜きプロセスに供され得る。円板は、適切な飲料容器胴部または予備成形品を形成するために、1つ以上の絞り、しごき、ネッキング、または他の成形プロセスに供され得る。
【0126】
他の用途が、本明細書に記載のアルミニウム合金製品のいくつかに適し得る。例えば、本開示のアルミニウム合金製品は、自動車部品、航空機または鉄道車両用のパネル、建築用パネル、建材などを調製するために使用することができる。いくつかの例では、調理器具、ホイル、成形容器、ボトルキャップ、及び包装(例えば、食品包装)が、本開示のアルミニウム合金製品を使用して作製され得る。
【0127】
本明細書に記載のアルミニウム合金製品及び方法は、電子機器用途にも使用され得る。例えば、本明細書に記載のアルミニウム合金製品及び方法は、携帯電話及びタブレットコンピュータを含む電子デバイスの筐体を作るために使用され得る。いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、携帯電話(例えば、スマートフォン)の外部ケーシング用の筐体、タブレットボトムシャーシ、及び他の携帯電子機器を作るために使用され得る。
【0128】
本明細書に開示される実施例は、本発明の態様を更に説明するのに役立つが、同時に、そのいかなる限定も構成しない。これに対して、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者にそれ自体を示唆し得る、様々な実施形態、それらの改変物及び均等物が用いられ得ると明確に理解されるべきである。本明細書に記載の実施例及び実施形態はまた、別途明記しない限り、従来の手順を使用することができる。手順の一部は、例示目的のために本明細書に記載される。
【実施例0129】
以下の表1は、合金A及び合金Bという2つの例示的な3104アルミニウム合金の合金溶質組成(wt%)を示す。合金Aは、合金Bと比較して溶質がわずかに豊富である。合金Aの鉄に対するケイ素の比率は約0.60であり、合金Bでは、その比率は約0.56である。合金の固相線温度は互いに2℃以内であると算出され、これは、試料が類似の溶融特性及び物理的特性を有していると予想されることを示している。合金AのMg
2Siの固溶度線温度は、合金Bよりもわずかに高いと算出された。合金A及び合金Bのそれぞれの4つの試料鋳塊を調製し、合金中に存在する金属間粒子に対する異なる均質化方式の影響を評価するために使用した。鋳放し試料の板厚は約40mmであった。
【表5】
【0130】
合金A及び合金Bの予測される平衡相図を求めた。それぞれ
図7A及び
図7Bに示す。両方の合金は、溶融の直下で同様の構成相タイプを示し、これには、主にα相粒子(アルファ)及びβ相粒子(例えば、Al
6MnまたはAl
3Fe)が含まれるが、合金Aは、合金Bよりもβに対するαの比率が高く、これは、合金Aにケイ素及び鉄がより多く含有していることに起因し得る。
【0131】
合金Aの試料及び合金Bの2つの試料を、ヒート・トゥ・ロール(heat-to-roll)(HTR)加工スキームに供し、試料を約50℃/時の低速で約500℃の温度に加熱した。合金Aの他の試料及び合金Bの他の試料を、2工程(2STG)加工スキームに供し、試料を約50℃/時の低速で約600℃の温度に加熱し、この温度で約24時間保持し、次に約560℃に冷却して更に約4時間保持した。
【0132】
試料の粒子分布及び微細構造を評価するために、鋳放しの合金A及び合金Bの試料ならびにHTRまたは2STG加工後の合金A及び合金Bの試料の断面の反射電子(BSE)コントラスト下の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を取得した。これらの画像を
図8に示す。画像は、全体として、合金Aの粒子サイズが合金Bの粒子よりも小さいことを示している。HTR加工後、合金Aまたは合金Bのいずれについても構成粒子の変化は観察されなかった。鋳放しの試料及びHTR加工試料は、α相粒子とβ相粒子との混合を示した。しかしながら、2STG加工後、微細構造にはα相粒子のみが観察され、粒子サイズ分布はより微細であった。場合によっては、2STG加工により、構造がより多孔質の特性に変換された。
【0133】
鋳放しの合金A及び合金Bの試料、ならびにHTRまたは2STG加工後の合金A及び合金Bの試料を、電気伝導率測定に供した。国際軟銅規格(IACS)のパーセントで測定結果を示している棒グラフを
図9に示す。全体として、合金Aは合金Bよりも高い抵抗率を示しており、これは、合金Aの溶質レベルが高いことに起因し得る。全ての加工済み試料の伝導率は、それぞれの鋳放し試料よりも高いことが観察され、これは、固溶体からのマンガンの析出及び分散質の形成に起因し得る。HTR試料と比較して2STG加工試料では著しく小さな導電率が観察された。これは、より高い加工温度によって分散質中に存在するマンガンが溶解して金属固溶体に戻り得ることから、2STG加工試料中のマンガンの溶解度が高いことに起因し得る。
【0134】
様々な合金の特性を更に特徴付けるために、合金A及び合金Bの試料を圧延プロセスに供した。HTR加工に供した合金の試料については、HTR加工の直後に、合金A及び合金Bの試料を熱間圧延操作に供して約7.0mmの板厚にし、再結晶させた後、冷間圧延操作に供して約1.0mmの板厚にし、硬質H19質別の製品を形成した。再結晶化は、任意選択で、熱間圧延製品をコイル状に巻いてコイルを冷却することによって行うことができ、または熱間圧延製品を焼なましすることによって行うことができる。次に、合金Aの冷間圧延H19質別製品試料及び合金Bの冷間圧延H19質別製品試料の一部を350℃で1時間焼きなましして、軟質O質別製品を生成した。硬質H19質別製品試料をAHTR、H19及びBHTR、H19と称し、軟質O質別製品試料をAHTR、O及びBHTR、Oと称す。
【0135】
同様に、2STG加工に供した合金の試料については、2STG加工の直後に、合金A及び合金Bの加熱し均質化した試料を熱間圧延操作に供して約7.0mmの板厚にし、再結晶させた後、冷間圧延操作に供して約1.0mmの板厚にし、硬質H19質別の製品を形成した。次に、合金Aの冷間圧延H19質別製品試料のうちの1つ及び合金Bの冷間圧延H19質別製品試料のうちの1つを350℃で1時間焼きなましして、軟質O質別製品を生成した。硬質H19質別製品試料をA2STG、H19及びB2STG、H19と称し、軟質O質別製品試料をA2STG、O及びB2STG、Oと称す。
【0136】
BSEコントラスト下のSEM画像を、最終的な板厚条件における試料の粒子分布及び微細構造を評価するために、A
HTR、H19、B
HTR、H19、A
2STG、H19、及びB
2STG、H19試料について平面構成で取得した。これらの画像を
図10に示す。概して、合金Bでは合金Aと比較して密度が低く粗い粒子が観察された。2STG加工に供した試料では、HTR加工と比較して、全体的な粒子サイズの減少が観察される。更に、2STG加工に供した試料では、粗粒子の周囲に微粒子が見られた。これは、2STG加工中により高い温度を受けることにより、粒子がより多く崩壊及び/または球状化することに起因し得る。
【0137】
A
HTR、H19、B
HTR、H19、A
2STG、H19、及びB
2STG、H19試料の高解像度断面画像を、電界放射電子銃型走査型電子顕微鏡(FEGSEM)を使用して取得し、最終板厚試料中の分散質(例えば、マンガン含有分散質)の空間分布を調査した。得られた画像を
図11に示し、分散質を画像中の白い斑点として識別する。HTR加工に供した試料中の分散質は非常に多く、極めて微細であった。対照的に、2STG加工に供した試料中の分散質は、2STG加工がより長く、より高温であることによって、鉄原子が取り込まれて分散質がα相粒子に転換されるための移動性及び時間が増加すること、及び/または構成原子が分散質に取り込まれて分散質を成長させることに再度起因して、数密度が低いだけでなく、より粗かった。合金Aの試料には、合金Bの試料と比較してわずかに大きなサイズの分散質を見ることができ、これは、合金Aの溶質の量が合金Bと比較してわずかに多いことが原因であり得る。
【0138】
A
HTR、H19、B
HTR、H19、A
2STG、H19、及びB
2STG、H19試料について平面構成で取得したSEM画像を分析して、試料中の様々な粒子成分の粒子サイズ分布を識別し(粒子面積及び粒子サイズを推定することによる)、結果を示すプロットを
図12に示す。概して、合金Aの試料は、合金Bの試料と比較して、全ての粒子でより微細なサイズ分布を示した。HTR加工に供した試料は、図中にAl(Fe、Mn)として識別された相当な割合の粒子を示し、これは、β相粒子に相当し得る。対照的に、2STG加工に供した試料は、これらの粒子がほとんどまたは全くなく、α相粒子の集団がはるかに多いことを示しており、これは、2STG加工の長時間の均質化中にβ相粒子を変換することによってα相粒子が生成され得ることを示している。
【0139】
A
HTR、H19、B
HTR、H19、A
2STG、H19、及びB
2STG、H19試料の断面画像を取得して、再結晶化前の結晶粒構造を観察した。画像を
図13に示す。結晶粒は全ての試料で細長い構造を示し、結晶粒構造上の黒い斑点は構成粒子に相当し、2STG加工試料は
図12のプロットに対応するより微細な粒子分布を示しており、合金Aの試料中で、対応する合金Bの試料と比較して全体的により多くの粒子が観察された。
【0140】
A
HTR、O、B
HTR、O、A
2STG、O、及びB
2STG、O試料の断面画像を取得して、
図14に示す焼なましに伴う再結晶後の結晶粒構造を観察した。合金Aの試料はより等軸の結晶粒を示しているが、合金Bの試料はいくらか細長い結晶粒を示している。合金Aの試料は、対応する合金Bの試料よりも全体的に多くの粒子を有していたため、粒子により刺激された核形成が、合金A試料に細長い結晶粒構造が少ないことに寄与している可能性がある。HTR加工試料と2STG加工試料とを比較すると、2STG加工試料でより多くの等軸の結晶粒が観察された。これは、HTR加工試料に存在する分散質の数密度の高さに起因している可能性があり、このことは、結晶粒界でのピンニングによる再結晶化を阻害し得る。
【0141】
H19質別及びO質別試料の長軸方向断面の引張特性を測定した。結果を
図15A及び
図15Bに示す。H19質別では、合金Aの試料の降伏強度(YS)、極限引張強さ(UTS)、及び極限伸び(UE)は、合金Bの試料よりもわずかに大きかったが、全伸び(TE)は全体的な合金の傾向を示していなかった。2STG加工試料では、HTR加工試料と比較して強度の低下及び伸びの増加が観察された。H19質別及びO質別試料の曲げ特性も、ラップベンド試験(wrap bend test)を実施することによって測定した。結果を
図16A及び
図16Bに示す。2STG加工試料では、HTR加工試料と比較して若干の曲げ性の向上が観察され、このことは、2STG加工試料が、HTR加工試料よりも小さな半径対厚さの比(r/t)までの曲げに耐えることができたことを意味する。
【0142】
H19質別及びO質別試料の両方で穴拡げ試験を実施し、その結果を
図13に示す。両方の合金の2STG加工試料は、HTR加工試料よりも高い穴拡大率を示した。合金Bの試料はまた、合金Aの試料よりも高い穴拡大率を示した。H19質別の合金Aの試料は、穴の拡大が不十分であることが示され、これは、試料中に構成粒子が高い数密度で存在することに起因し得る。粒子とマトリックス間の界面に蓄積されたエネルギーは、硬性の質別では極めて高くなる可能性があり、このエネルギーは亀裂の開始を引き起こし、続いて融合して破壊に至るまで伝播する可能性がある。対照的に、合金Bは構成粒子が少なく、このことは、蓄積されるエネルギーが少なく、合金A試料に亀裂が生じるのと同じ歪みで亀裂が生じにくいことを意味する。より軟性の質別の材料では、粒子とマトリックス間の界面に存在するエネルギーが少ないため、構成形態が粒子の数密度よりも影響を及ぼす可能性がある。2STG加工試料は、HTR加工試料よりも球状の粒子を示し、これにより、歪みを集中させ亀裂を早期に生じさせ得るHTR加工試料のより針状の粒子よりも、歪みが粒子の周囲に均一に分散され得る。
【0143】
実例
以下で使用されている場合、一連の実例へのいずれかの参照は、選言的に、それらの各実施例を参照するものとして理解されたい(例えば、「実例1~4」は「実例1、2、3、または4」として理解されたい)。
【0144】
実例1は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含むアルミニウム合金を含むアルミニウム合金製品であって、アルミニウム合金中のケイ素のwt%に対するアルミニウム合金中の鉄のwt%の比率が、0.5~5.0であり、アルミニウム合金が、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含み、アルミニウム合金が、5~30,000粒子/μm2の複数の粒子の粒子密度を有し、アルミニウム合金が、1μm~25μmの複数の粒子の粒子間間隔を有する、アルミニウム合金製品である。
【0145】
実例2は、複数の粒子が500nm~50μmの直径を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0146】
実例3は、粒子密度が50~1,000粒子/μm2である、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0147】
実例4は、アルミニウム合金が再生原料に由来する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0148】
実例5は、アルミニウム合金が、0.1wt%~1.0wt%の鉄、0.05wt%~0.8wt%のケイ素、0.2wt%~2.0wt%のマンガン、0.2wt%~2.0wt%のマグネシウム、最大0.5wt%の銅、最大0.05wt%の亜鉛、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0149】
実例6は、アルミニウム合金が、最大0.15wt%の不純物を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0150】
実例7は、アルミニウム合金が、0.2wt%~0.8wt%の鉄、0.10wt%~0.7wt%のケイ素、0.6wt%~1.0wt%のマンガン、0.7wt%~1.0wt%のマグネシウム、最大0.25wt%の銅、最大0.2wt%の亜鉛、最大0.10wt%のチタン、最大0.10wt%のクロム、最大0.10wt%のジルコニウム、最大0.10wt%のバナジウム、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0151】
実例8は、アルミニウム合金が、0.3wt%~0.7wt%の鉄、0.15wt%~0.5wt%のケイ素、0.8wt%~1.2wt%のマンガン、0.9wt%~1.2wt%のマグネシウム、0.1wt%~0.2wt%の銅、最大0.15wt%の亜鉛、最大0.08wt%のチタン、最大0.05wt%のクロム、最大0.05wt%のジルコニウム、最大0.05wt%のバナジウム、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0152】
実例9は、α相金属間粒子が、アルミニウム合金の0.5体積%~4.0体積%を構成し、β相金属間粒子が、アルミニウム合金の0体積%~2.0体積%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0153】
実例10は、α相金属間粒子がAl15(Fe、Mn)3Si2を含み、β相金属間粒子がAl6(Fe、Mn)を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0154】
実例11は、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.2~1,000であるか、またはβ相金属間粒子の体積%に対するα相金属間粒子の体積%の比率が0.6~1,000である、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0155】
実例12は、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.3~3である、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0156】
実例13は、複数の粒子の80パーセント以上が5μm~15μmの粒子間間隔を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0157】
実例14は、複数の粒子が鉄含有粒子を含み、鉄含有粒子の大部分が1μm~40μmの直径を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0158】
実例15は、鉄含有粒子がアルミニウム合金の総体積の1%~4%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0159】
実例16は、マンガン含有分散質を更に含み、マンガン含有分散質の大部分が10nm~1.5μmの直径を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0160】
実例17は、マンガン含有分散質がアルミニウム合金の総体積の最大1%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0161】
実例18は、アルミニウム合金製品を作製する方法であって、アルミニウム合金を含む鋳造アルミニウム合金製品を調製することであって、アルミニウム合金が、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含み、アルミニウム合金中の鉄のwt%に対するアルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、アルミニウム合金が、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含む、調製することと;鋳造アルミニウム合金製品を500℃~650℃の均質化温度に加熱し、鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度で0.1時間~36時間の持続期間にわたってソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品を形成するために鋳造アルミニウム合金製品を均質化すること、を含み、アルミニウム合金製品が、5~30,000粒子/μm2の複数の粒子の粒子密度を有し、アルミニウム合金製品が、1μm~25μmの複数の粒子の粒子間間隔を有する、方法である。
【0162】
実例19は、持続時間が0.5~10時間である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0163】
実例20は、均質化温度が570℃~620℃である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0164】
実例21は、均質化温度がアルミニウム合金の固相線温度の25℃以内である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0165】
実例22は、ソーキング中に、β相金属間粒子のサイズが、ソーキング前のβ相金属間粒子のサイズと比較して減少する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0166】
実例23は、ソーキング中に、鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度が、ソーキング前の鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度と比較して減少する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0167】
実例24は、均質化アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを更に含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0168】
実例25は、1つ以上の圧延プロセスが、熱間圧延プロセスまたは冷間圧延プロセスのうちの少なくとも1つを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0169】
実例26は、熱間圧延プロセスが100℃~500℃の出口温度を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0170】
実例27は、出口温度が200℃~400℃である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0171】
実例28は、熱間圧延プロセスによって製造された圧延アルミニウム合金製品が、1mm~8mmの厚さを有する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0172】
実例29は、冷間圧延プロセスが50℃~250℃の出口温度を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0173】
実例30は、出口温度が100℃~200℃である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0174】
実例31は、冷間圧延プロセスによって製造された圧延アルミニウム合金製品が、0.15mm~0.30mmの厚さを有する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0175】
実例32は、複数の粒子が500nm~50μmの粒子直径で構成される、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0176】
実例33は、粒子密度が50~1,000粒子/μm2である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0177】
実例34は、アルミニウム合金が再生原料に由来する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0178】
実例35は、アルミニウム合金が、0.1wt%~1.0wt%の鉄、0.05wt%~0.8wt%のケイ素、0.2wt%~2.0wt%のマンガン、0.2wt%~2.0wt%のマグネシウム、最大0.5wt%の銅、最大0.05wt%の亜鉛、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0179】
実例36は、アルミニウム合金が、0.2wt%~0.8wt%の鉄、0.10wt%~0.7wt%のケイ素、0.6wt%~1.0wt%のマンガン、0.7wt%~1.0wt%のマグネシウム、最大0.25wt%の銅、最大0.2wt%の亜鉛、最大0.10wt%のチタン、最大0.10wt%のクロム、最大0.10wt%のジルコニウム、最大0.10wt%のバナジウム、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0180】
実例37は、アルミニウム合金が、0.3wt%~0.7wt%の鉄、0.15wt%~0.5wt%のケイ素、0.8wt%~1.2wt%のマンガン、0.9wt%~1.2wt%のマグネシウム、0.1wt%~0.2wt%の銅、最大0.15wt%の亜鉛、最大0.08wt%のチタン、最大0.05wt%のクロム、最大0.05wt%のジルコニウム、最大0.05wt%のバナジウム、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0181】
実例38は、α相金属間粒子がアルミニウム合金の0.5体積%~4.0体積%を構成し、β相金属間粒子がアルミニウム合金の0~2.0体積%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0182】
実例39は、α相金属間粒子がAl15(Fe、Mn)3Si2を含み、β相金属間粒子がAl6(Fe、Mn)を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0183】
実例40は、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.2~1,000であるか、またはβ相金属間粒子の体積%に対するα相金属間粒子の体積%の比率が0.6~1,000である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0184】
実例41は、β相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が0.3~3である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0185】
実例42は、複数の粒子の80パーセント以上が、5μm~15μmの粒子間間隔を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0186】
実例43は、複数の粒子が鉄含有粒子を含み、鉄含有粒子の大部分が1μm~40μmの直径を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0187】
実例44は、鉄含有粒子がアルミニウム合金の総体積の1%~4%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0188】
実例45は、アルミニウム合金がマンガン含有分散質を更に含み、マンガン含有分散質が10nm~1.5μmの直径を有する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0189】
実例46は、マンガン含有分散質がアルミニウム合金の総体積の最大1%を構成する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0190】
実例47は、金属製品の成形性を向上させるための方法であって、金属複合物を含む鋳造金属製品を提供することであって、金属複合物が、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含み、金属複合物中の鉄のwt%に対する金属複合物中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、金属複合物が、ケイ素と鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上を含むβ相金属間粒子とを含む複数の粒子を含む、提供することと;粒子密度に対する粒子間間隔の比率が0.0003/μm~0.0006/μmとなるように、複数の粒子の粒子間間隔を制御し、かつ複数の粒子の粒子密度を制御するために鋳造金属製品を均質化することと、を含む、方法である。
【0191】
実例48は、粒子間間隔が1μm~25μmである、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0192】
実例49は、粒子密度が5~30,000粒子/μm2である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0193】
実例50は、粒子密度が5~1,000粒子/μm2である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0194】
実例51は、複数の粒子が1μm~50μmの粒子直径で構成される、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0195】
実例52は、鋳造金属製品を均質化することが、鋳造金属製品を400℃~800℃の均質化温度に加熱することと、鋳造金属製品を均質化温度で、0.1時間~48時間の持続期間にわたってソーキングすることと、を含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0196】
実例53は、均質化温度が鋳造金属製品の固相線温度の25℃以内である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0197】
実例54は、鋳造金属製品を均質化することが、鋳造金属製品を熱間圧延プロセスまたは冷間圧延プロセスのうちの1つ以上に供することを更に含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0198】
実例55は、アルミニウム合金製品を作製する方法であって、鋳造アルミニウム合金製品を調製することであって、鋳造アルミニウム合金製品が、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含む3xxx系アルミニウム合金を含み、3xxx系アルミニウム合金中の鉄のwt%に対する3xxx系アルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、鋳造アルミニウム合金製品が、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子と、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子と、を含む、調製することと;鋳造アルミニウム合金製品を575℃~615℃の均質化温度に加熱することにより、均質化アルミニウム合金製品を形成するために鋳造アルミニウム合金製品を均質化することと;鋳造アルミニウム合金製品を均質化温度で12時間~36時間の持続期間にわたってソーキングすることと、を含み、3xxx系アルミニウム合金由来のケイ素が、β相金属間粒子の少なくとも一部分に拡散して、β相金属間粒子の少なくとも一部分がα相金属間粒子に変換される、方法である。
【0199】
実例56は、持続時間が24時間~36時間である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0200】
実例57は、持続時間が24時間~30時間である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0201】
実例58は、均質化温度が580℃~610℃である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0202】
実例59は、均質化温度が3xxx系アルミニウム合金の固相線温度の25℃以内である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0203】
実例60は、ソーキング中に、鉄がβ相金属間粒子から拡散し、マンガンによって置き換えられる、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0204】
実例61は、ソーキング中に、鉄がβ相金属間粒子から拡散し、鋳造アルミニウム合金製品内に存在する分散質と結合してα相金属間粒子を形成する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0205】
実例62は、分散質がマンガンを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0206】
実例63は、ソーキング中に、β相金属間粒子の平均サイズが、ソーキング前のβ相金属間粒子の平均サイズと比較して減少する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0207】
実例64は、ソーキング中に、鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度が、ソーキング前の鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度と比較して減少する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0208】
実例65は、ソーキング中に、β相金属間粒子の約30%~100%がα相金属間粒子に変換される、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0209】
実例66は、均質化アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が、2~1000である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0210】
実例67は、鋳造アルミニウム合金製品中のβ相金属間粒子の数密度に対するα相金属間粒子の数密度の比率が、0.3~3である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0211】
実例68は、3xxx系アルミニウム合金中の鉄のwt%に対するケイ素のwt%の比率が、0.55~0.9である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0212】
実例69は、3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.4wt%のマグネシウム、0.8~1.3wt%のマンガン、最大0.25wt%の銅、0.25~0.7wt%のケイ素、最大0.7wt%の鉄、最大0.25wt%の亜鉛、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0213】
実例70は、鋳造アルミニウム合金製品を調製することが、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製すること及び溶融3xxx系アルミニウム合金を鋳造することを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0214】
実例71は、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、3xxx系アルミニウム合金原料と5xxx系アルミニウム合金原料との組み合わせを溶融させることを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0215】
実例72は、3xxx系アルミニウム合金原料及び5xxx系アルミニウム合金原料が、再生原料に由来する、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0216】
実例73は、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、3xxx系アルミニウム合金原料及び5xxx系アルミニウム合金原料とともに、4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を溶融させることを更に含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0217】
実例74は、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法であって、均質化温度が、第1の均質化温度であり、均質化アルミニウム合金製品の温度を、第1の均質化温度よりも低い第2の均質化温度に低減させることと;均質化アルミニウム合金製品を第2の持続時間にわたり第2の均質化温度でソーキングすることと、を更に含む、方法である。
【0218】
実例75は、第2の持続時間が1~24時間である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0219】
実例76は、第2の均質化温度が500℃~600℃である、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0220】
実例77は、均質化アルミニウム合金製品を第2の均質化温度でソーキングすることにより、均質化アルミニウム合金製品の表面品質が制御される、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0221】
実例78は、均質化アルミニウム合金製品を1つ以上の圧延プロセスに供し、圧延アルミニウム合金製品を製造することを更に含む、先行するまたは後続する実例のいずれかの方法である。
【0222】
実例79は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、及びケイ素を含む均質化3xxx系アルミニウム合金を含む、アルミニウム合金製品であって、均質化3xxx系アルミニウム合金中の鉄のwt%に対する均質化3xxx系アルミニウム合金中のケイ素のwt%の比率が、0.5~1.0であり、均質化3xxx系アルミニウム合金が、アルミニウム、ケイ素と、鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むα相金属間粒子を含み、均質化3xxx系アルミニウム合金の均質化中に、α相金属間粒子の少なくとも一部が、アルミニウムと鉄またはマンガンのうちの1つ以上とを含むβ相金属間粒子から変換される、アルミニウム合金製品である。
【0223】
実例80は、均質化3xxx系アルミニウム合金中のβ相金属間粒子の数密度に対する均質化3xxx系アルミニウム合金中のα相金属間粒子の数密度の比率が2~1000であるか、またはβ相金属間粒子の体積%に対するα相金属間粒子の体積%の比率が0.6~1000である、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0224】
実例81は、均質化3xxx系アルミニウム合金が1つ以上の圧延プロセスに供される、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0225】
実例82は、均質化3xxx系アルミニウム合金が、0.8~1.4wt%のマグネシウム、0.8~1.3wt%のマンガン、最大0.25wt%の銅、0.25~0.7wt%のケイ素、最大0.7wt%の鉄、最大0.25wt%の亜鉛、及びアルミニウムを含む、先行するまたは後続する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0226】
実例83は、先行する実例のいずれかの方法によって調製される、先行する実例のいずれかのアルミニウム合金製品である。
【0227】
実例84は、先行する実例のいずれかのアルミニウム合金製品を作製する方法を含む、先行する実例のいずれかの方法である。
【0228】
上で引用されている全ての特許、刊行物、及び要約は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。例示された実施形態を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的のためにのみ提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。それらの多数の改変、適合、及び使用が、当業者には明らかであろう。
前記均質化3xxx系アルミニウム合金中のβ相金属間粒子の数密度に対する前記均質化3xxx系アルミニウム合金中のα相金属間粒子の数密度の比率が、2~1000であるか、または
前記β相金属間粒子の体積%に対する前記α相金属間粒子の体積%の比率が、0.6~1000である、
請求項13に記載のアルミニウム合金製品。
前記ソーキング中に、前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度が、前記ソーキング前の前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度と比較して減少する、請求項17に記載の方法。
前記ソーキング中に、鉄が前記β相金属間粒子から拡散し、前記鋳造アルミニウム合金製品内に存在する分散質と結合してα相金属間粒子を形成する、請求項33に記載の方法。
前記ソーキング中に、前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度が、ソーキング前の前記鋳造アルミニウム合金製品中の前記β相金属間粒子の数密度と比較して減少する、請求項33に記載の方法。
前記鋳造アルミニウム合金製品を調製することが、溶融3xxx系アルミニウム合金を調製すること及び前記溶融3xxx系アルミニウム合金を鋳造することを含む、請求項33に記載の方法。
前記溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、3xxx系アルミニウム合金原料と5xxx系アルミニウム合金原料との組み合わせを溶融させることを含む、請求項48に記載の方法。
前記溶融3xxx系アルミニウム合金を調製することが、前記3xxx系アルミニウム合金原料及び前記5xxx系アルミニウム合金原料とともに、4xxx系アルミニウム合金または6xxx系アルミニウム合金を溶融させることを更に含む、請求項49に記載の方法。
前記均質化アルミニウム合金製品を前記第2の均質化温度でソーキングすることにより、前記均質化アルミニウム合金製品の表面品質が制御される、請求項52に記載の方法。
前記鋳造金属製品を均質化することが、前記鋳造金属製品を熱間圧延プロセスまたは冷間圧延プロセスのうちの1つ以上に供することを更に含む、請求項62に記載の方法。