(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153738
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】頭部装着可能ディスプレイデバイスおよび顕微鏡から受信された画像を表示する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241022BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241022BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20241022BHJP
G02B 21/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09G5/00 510G
G09G5/00 555D
G09G5/00 530M
G09G5/36 500
G02B21/00
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024118555
(22)【出願日】2024-07-24
(62)【分割の表示】P 2022567323の分割
【原出願日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102020112383.3
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】15 Tukang Innovation Drive, Singapore 618299, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト パウルス
(72)【発明者】
【氏名】マノン ロスティクス
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン マーテ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンルカ パルゲツィ
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスは、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイを備え、該第1の画像は顕微鏡から受信される。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイの前に位置する少なくとも1つのレンズを備える第1の光学装置を備える。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造を備え、装着構造がユーザの頭部に固定されている場合、ユーザが第1の光学装置を通して第1のディスプレイを見ている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイの外側のユーザの視野内の対象物への直接視線を可能にするように構成される。表示方向と直接視線との間の角度は50°未満であり、表示方向は第1のディスプレイに直交する。
【効果】直接的な環境とやり取りすることがより容易になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡(12)から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイス(100,200,300,400,500,550,590,700)であって、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
顕微鏡(12)から受信される、対象物(14)の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ(10)と、
前記第1のディスプレイ(10)の前に位置し、少なくとも1つのレンズ(32)を備える第1の光学装置(30)と、
前記第1のディスプレイ(10)をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造(20)と、
を備え、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記装着構造(20)が前記ユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが前記第1の光学装置(30)を通して前記第1のディスプレイ(10)を見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物(14)への直接視線(16)を可能にするように構成されており、表示方向(18)と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向(18)は、前記第1のディスプレイ(10)に直交し、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周囲の少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されている、
頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記第1の光学装置(30)は、少なくとも3つのレンズを備える、
請求項1記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記第1の光学装置(30)は、少なくとも3つの非球面レンズを備える、
請求項2記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記第1の光学装置(30)は、その視度の調整を可能にするように構成されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記画像を無線で受信するように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
前記顕微鏡から受信される、前記対象物の前記一部の第2の画像を表示するように構成された第2のディスプレイ(40)をさらに備え、
前記装着構造(20)は、前記第2のディスプレイ(40)を前記ユーザの前記頭部に固定するようにさらに構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記装着構造(20)は、前記第2のディスプレイ(40)に対する前記第1のディスプレイ(10)の距離の調整を可能にするようにさらに構成されている、
請求項6記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記第1のディスプレイ(10)の第1の部分は、前記第1の画像を表示するように構成されており、
前記第1のディスプレイ(10)の第2の部分は、前記顕微鏡から受信される、前記対象物の前記一部の第2の画像を表示するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記第1の画像および前記第2の画像は、立体視を可能にするように構成されている、
請求項6から8までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記装着構造(20)は、前記ユーザの頭部に固定されたときに前記ユーザに対する前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの位置合わせを制御するように構成された位置合わせ部品を備えている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記位置合わせ部品は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの第1の眼に位置合わせするように構成されたノーズピース(25)である、
請求項10記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記装着構造(20)は、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の40%未満が前記ユーザの鼻にかかるように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項13】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)の重量を担持するように構成されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項14】
前記装着構造(20)は、ヘッドバンドを備える、
請求項1から13までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)のための電源を提供するように構成されたエネルギ貯蔵デバイス(710)をさらに備える、
請求項1から14までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記エネルギ貯蔵デバイス(710)は、頭部を除く前記ユーザの一部に取り付け可能である、
請求項15記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すことを可能にするようにさらに構成されている、
請求項1から16までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項18】
前記装着構造(20)は、識別された事象に応答して前記第1のディスプレイ(10)を自動的に取り外すように構成されている、
請求項17記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項19】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すように構成されたヒンジ(28)をさらに備え、前記第1のディスプレイ(10)は、前記ヒンジ(28)に機械的に接続されている、
請求項17または18記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項20】
前記装着構造(20)は、前記ユーザの瞳孔間距離に対する前記第1のディスプレイ(10)の位置の調整を可能にするように構成されている、
請求項1から19までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項21】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記表示方向が前記第1の眼に位置合わせされている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイの外側の前記ユーザの視野内の前記対象物への直接視線を可能にするように構成されている、
請求項1から20までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項22】
顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイス(900)であって、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
顕微鏡から受信される、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ(10)と、
前記第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造(20)と、
前記第1のディスプレイ(10)の前に位置する第1の光学装置(30)と、
を備え、前記第1の光学装置(30)は、第1の非球面レンズ(32)、第2の非球面レンズ(34)および第3の非球面レンズ(36)を含む3つのレンズを含み、前記第1の非球面レンズ(32)は、前記3つのレンズのうち前記第1のディスプレイ(10)に最も近いレンズであり、前記第2の非球面レンズ(34)は、前記第1の非球面レンズ(32)と前記第3の非球面レンズ(36)との間に配置されており、前記3つのレンズの各レンズは、第1の表面および第2の表面を含み、前記3つのレンズの表面は、第1の球面と、これに続く第1の非球面と、これに続く第2の球面と、これに続く第2の非球面と、これに続く第3の球面と、これに続く第3の非球面と、を含む、一連の表面を表している、
頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項23】
前記一連の表面は、回折面を含まない、
請求項22記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項24】
前記3つのレンズの各レンズは、異なるガラス材料を含む、
請求項22または23記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項25】
前記第1の光学装置(30)の全焦点距離は、最大で30mmであり、少なくとも15mmである、
請求項22から24までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項26】
前記第1のレンズ(32)の焦点距離は、最大で25mmであり、少なくとも15mmである、
請求項22から25までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項27】
前記第2のレンズ(34)の焦点距離は、最大で-15mmであり、少なくとも-5mmである、
請求項22から26までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項28】
前記第3のレンズ(36)の焦点距離は、最大で20mmであり、少なくとも10mmである、
請求項22から27までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項29】
前記第1のレンズ(32)は、正レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から28までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項30】
前記第2のレンズ(34)は、負レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から29までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項31】
前記第3のレンズ(36)は、正レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から30までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項32】
前記3つのレンズ(32,34,36)の総重量は、最大で30gである、
請求項22から31までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項33】
前記3つのレンズ(32,34,36)の各レンズの直径は、最大で25mmである、
請求項22から32までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項34】
前記第1の光学装置(30)によって生じる前記第1のディスプレイ(10)とユーザの眼との間の総最適距離は、最大で60mmである、
請求項23から33までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項35】
前記第1のディスプレイ(10)の表示対角線は、少なくとも0.5インチであり、最大で1インチである、
請求項1から34までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項36】
顕微鏡から受信された画像を表示するための方法(1100)であって、前記方法は、
顕微鏡から対象物の一部の第1の画像を受信するステップ(1110)と、
頭部装着可能ディスプレイデバイスの装着構造によって、ユーザの頭部に固定された前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの第1のディスプレイ上に前記第1の画像を表示するステップ(1120)と、
を含み、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスが装着構造によってユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが第1の光学装置を通して前記第1のディスプレイを見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイの外側の前記ユーザの視野内の前記対象物への直接視線を可能にするように構成されており、表示方向と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向は、前記第1のディスプレイに直交し、前記第1の光学装置は、前記第1のディスプレイの前に位置し、少なくとも1つのレンズを備え、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周りの少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、頭部装着可能ディスプレイ上に顕微鏡画像を表示することに関し、特に、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微手術では、多くの場合、歪みのない手術野の拡大立体視が必要となる。デジタル立体顕微鏡は、かかる手術野におけるビューを提供することができる。画像は、顕微鏡の接眼レンズを通して見ることができるか、または外部スクリーン上にもしくは頭部装着可能ディスプレイによって表示することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態は、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスに関する。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、顕微鏡から受信される、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイを備える。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイの前に位置し、少なくとも1つのレンズを備える、第1の光学装置を備える。加えて、頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造を備える。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、装着構造がユーザの頭部に固定されている場合に、ユーザが第1の光学装置を通して第1のディスプレイを見ている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイの外側のユーザの視野内の対象物への直接視線を可能にするように構成されている。表示方向と直接視線との間の角度は50°未満であり、表示方向は第1のディスプレイに直交する。
【0004】
頭部装着可能ディスプレイデバイスを使用している間、ユーザに対象物への直接視線を可能にすることによって、ユーザのビューを完全にまたはほぼ完全に遮るディスプレイデバイスと比較して、ユーザが自身の直接的な環境(例えば、他の人またはツール)とやり取りすることがより容易になる。
【0005】
別の実施形態は、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスに関する。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、顕微鏡から受信される、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイを備える。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造を備える。装着構造は、第1のディスプレイをユーザの第1の眼に位置合わせするように構成されたノーズピースを備える。さらに、装着構造は、頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の40%未満がノーズピースを介してユーザの鼻にかかるように構成されている。
【0006】
ノーズピースは、ユーザの眼に対するディスプレイの安定した位置合わせを可能にすることができる。このようにして、ユーザの眼に対するディスプレイの位置合わせ不良および移動を著しく低減することができ、またはさらには完全に回避することができる。一方、装着構造は、頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の主要部分を、鼻ではなくユーザの頭部上で支持することを可能にする。このようにして、高い着用快適性を可能にすることができる。
【0007】
別の実施形態は、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスに関する。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、顕微鏡から受信される、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイを備える。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造を備える。加えて、頭部装着可能ディスプレイデバイスは、第1のディスプレイの前に位置する第1の光学装置を備える。第1の光学装置は、3つのレンズを備える。また、3つのレンズのうち少なくとも1つのレンズは非球面レンズである。
【0008】
ディスプレイとユーザの眼との間に少なくとも3つのレンズを使用することによって、倍率および収差に関して良好な光学性能を得ることができる。少なくとも1つの非球面レンズを使用することによって、球面レンズのみを使用するシステムと比較して、光学装置のサイズおよび重量を大幅に低減することができる。したがって、小型、軽量で、良好な光学性能を有する頭部装着可能ディスプレイデバイスを提供することができる。
【0009】
装置および/または方法のいくつかの例を、例示としてのみ、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図2】2つのディスプレイを備える別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図3】瞳孔間距離の調整を可能にする別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図4a】第1の状態における別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図4b】第2の状態における
図4aの頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図5a】別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5b】
図5aの頭部装着可能ディスプレイデバイスの正面図である。
【
図5c】別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5d】
図5cの頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5e】
図5cの頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5f】別の頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5g】
図5fの頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図5h】
図5fの頭部装着可能ディスプレイデバイスの側面図である。
【
図7】別の頭部装着可能ディスプレイデバイスおよび顕微鏡システムの概略図である。
【
図8】ノーズピースを有する頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図9】少なくとも3つのレンズを備える光学装置を有する頭部装着可能ディスプレイデバイスの概略図である。
【
図10】頭部装着可能ディスプレイデバイスのための光学装置の概略図である。
【
図11】顕微鏡から受信された画像を表示する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、いくつかの例が示されている添付の図面を参照して、種々の例をより完全に説明する。図面において、線の太さ、層および/または領域の厚さは、明確にするために誇張したところがある。
【0012】
図1は、一実施形態による、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスを示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、対象物14の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ10を備え、第1の画像は顕微鏡12から受信される。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、第1のディスプレイ10の前に位置する第1の光学装置30を備える。第1の光学装置30は、少なくとも1つのレンズ32を備える。加えて、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、第1のディスプレイ10をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造20を備える。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、装着構造20がユーザの頭部に固定されている場合に、ユーザが第1の光学装置を通して第1のディスプレイ10を見ている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイ10の外側のユーザの視野内の対象物14への直接視線16を可能にするように構成されている。表示方向18と直接視線との間の観察角は50°未満(または45°未満または40°未満)であり、表示方向18は第1のディスプレイ10に直交する。
【0013】
頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、例えば、第1のディスプレイ10、第1の光学装置30のサイズおよび/もしくは幾何形状、ならびに/またはユーザの眼に対する第1の光学装置30の位置および/もしくは距離に起因して、対象物14に対する直接視線16を可能にすることができる。以下に説明する第1のディスプレイ10および/または第1の光学装置30を使用することによって、ディスプレイおよび光学装置のサイズを小さく保つことができ、かつ/または眼までの距離を大きく保つことができるので、例えば50°未満の観察角での直接視線を可能にすることができる。このようにして、ユーザは、ディスプレイ上の第1の画像を見ている間、第1のディスプレイ10の外側の周辺にある対象物に対して遮られないビューを有することができる。例えば、脳外科医が、ディスプレイ上の手術部位の拡大像を見ながら、ディスプレイの外側で、患者の身体もしくは頭部に、かつ/または手の中もしくは患者の頭部の近くのツールに対し、直接視線を有することができる。このようにして、外科医は、周辺ビューが遮られた場合と比較して、自身の環境をはるかに良好に制御および/または理解することができる。
【0014】
例えば、直接視線16とは、ユーザの眼(例えば、ユーザの眼の瞳孔)と対象物14との間の直線であって、その間にいかなる不透明または非透明な構造もなく、またはその間にいかなる構造も全くないものでありうる。ユーザの視野は、第1のディスプレイ10および/または第1の光学装置30の外側で遮られないようにすることができる。ユーザが第1の光学装置30を通して第1のディスプレイ10上の画像を見る場合、ユーザは、50°より大きい(または45°より大きい、または40°より大きい)観察角で自身の環境を見ることが依然として可能でありうる。例えば、観察角は、表示方向18と直接視線16との間で測定される。表示方向18は、第1のディスプレイ10の前面に対して直交していてよい。例えば、表示方向18は、第1のディスプレイ10の中央で第1のディスプレイ10の前面に直交していてよい。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、表示方向18がユーザの第1の眼に位置合わせされている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイ10の外側のユーザの視野内の対象物14への直接視線16を可能にするように構成することができる。例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、第1のディスプレイ10の周りの少なくとも180°(または少なくとも160°または少なくとも140°)のフィールドにわたって直接視線16を可能にするように構成されうる。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、第1のディスプレイ10の少なくとも下方に直接視線16を可能にするように構成されていてもよい。
【0015】
装着構造20は、第1のディスプレイ10をユーザの頭部に固定、固着、添着および/または装着するように構成される。装着構造20は、ユーザの頭部への頭部装着可能ディスプレイデバイス100の確実で安定した装着を可能にするための種々の構造的特徴を備えうる。例えば、装着構造20は、ヘッドバンド、ヘッドストラップ、調整可能フレームおよび/または頭部装着可能ディスプレイデバイス10の重量をユーザの頭部にわたって分散させるように構成された頭部懸架配置を備えうる。装着構造20は、第1のディスプレイ10の重量(例えば全重量)を担持するように構成されていてよい。装着構造20は、頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の40%未満(または50%未満、30%未満、もしくは20%未満)がユーザの鼻の上にかかるように、または頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量がユーザの鼻の上に(例えばノーズピースを通して)かからないように構成されていてよい。ユーザの鼻にかかる重量を低減することによって、頭部装着可能ディスプレイデバイス10の着用快適性を大幅に向上させることができる一方で、頭部装着可能ディスプレイデバイス10の安定性および/または眼に対する位置合わせを依然として確保することができる。例えば、装着構造20は、ユーザの頭部に固定されたときに、ユーザに対する頭部装着可能ディスプレイデバイス10の位置合わせを制御するように構成された位置合わせピース(例えばノーズピース)を備えうる。例えば、ノーズピースによってユーザの眼に対する頭部装着可能ディスプレイデバイス10の位置合わせを制御することによって、安定性を改善することができ、かつ/または動きによる位置合わせ不良を低減することができる。装着構造20は、ユーザの瞳孔間距離に対する第1のディスプレイ10の位置の調整を可能にするように構成されていてもよい。このようにして、ユーザの眼に対する第1のディスプレイ10および第1の光学装置30の位置合わせを改善することができる。
【0016】
第1の光学装置30は、ユーザのために第1のディスプレイ10上の画像を拡大するため、光学要素(例えば少なくとも1つのレンズ)を備えうる。第1の光学装置30は、第1のディスプレイ10の前面に取り付ける(例えば接着する)ことができる。例えば、第1のディスプレイ10の表示方向は、第1の光学装置30の光軸に対して平行であってもよい。第1の光学装置30の少なくとも1つのレンズは、非球面レンズであってよい。非球面レンズは、球面レンズと比較して、サイズおよび重量を低減することができる。例えば、第1の光学装置30は少なくとも3つのレンズを備えることができる。3つのレンズにより、倍率および収差に関して良好な光学性能を可能にすることができる。例えば、第1の光学装置30は、少なくとも3つの非球面レンズを備える。非球面レンズにより球面レンズと比較してサイズおよび重量の低減を可能にしつつ、3つのレンズにより倍率および収差に関して良好な光学性能を可能にすることができる。付加的または代替的に、第1の光学装置30は、その視度の調整を可能にするように構成することができる。このようにして、ユーザは、デバイスを自身の個々の眼に適合させることが可能となりうる。
【0017】
例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、装着構造20がユーザの頭部に固定されている場合に、ユーザが第1の光学装置30を通して第1のディスプレイ10を見ている間、ユーザの第1の眼から第1の光学装置30の外側のユーザの視野内の対象物14への直接視線16を可能にするように構成されてもよい。第1の光学装置30の光軸と直接視線との間の観察角は、50°未満(または45°未満または40°未満)であってよい。例えば50°未満の観察角が、第1の光学装置30の光軸と直接視線16との間で測定されうる。
【0018】
頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、対象物の一部の第2の画像を表示するように構成された第2のディスプレイ40をさらに備えうる。第2の画像は、顕微鏡から受信することができる。第1の画像および/または第2の画像は、顕微鏡からの画像のライブストリームの一部でありうる。第2のディスプレイ40は、第1のディスプレイ10と同一または類似の方式によって、装着構造20に取り付けることができる。第2のディスプレイ40は、ユーザが第1の眼で第1のディスプレイ10を、第2の眼で第2のディスプレイ40を見ることができるよう、第1のディスプレイ10に対して位置決めすることができる。装着構造20は、第2のディスプレイ40をユーザの頭部に固定するように構成することができる。第1の画像および/または第2の画像は、有線接続または無線接続を介して頭部装着可能ディスプレイデバイス100に伝送することができる。
【0019】
第1のディスプレイ10および/または第2のディスプレイ40は、LCDディスプレイ(液晶ディスプレイ)、TFTディスプレイ(薄膜トランジスタディスプレイ)またはOLEDディスプレイ(有機発光ダイオードディスプレイ)でありうる。第1のディスプレイ10および/または第2のディスプレイ40のディスプレイ対角線は、少なくとも0.5インチ(または少なくとも0.6インチ)および/または最大1インチ(または最大0.8インチ)でありうる。
【0020】
2つの独立したディスプレイを使用することによって、ディスプレイ間の距離を調整することができる。例えば、装着構造20は、第2のディスプレイ40に対する第1のディスプレイ10の距離の調整を可能にするように構成されていてよい。このようにして、ユーザは、2つのディスプレイ間の距離をユーザの個々の瞳孔間距離に調整することができる。
【0021】
第2のディスプレイの代わりに、第1のディスプレイ10の第1の部分が第1の画像を表示し、第1のディスプレイ10の第2の部分が対象物の一部の第2の画像を表示するように構成されてもよい。例えば、第1のディスプレイ10が分割画面モードで動作するように構成され、ディスプレイの第1の部分がユーザの第1の眼のための画像を示し、ディスプレイの第2の部分がユーザの第2の眼のための画像を示す。単一のディスプレイを使用することによって、頭部装着可能ディスプレイデバイス100の構成要素の数を低減することができる。
【0022】
2つのディスプレイが使用されるかまたは単一のディスプレイが使用されるかとは無関係に、第1の画像および第2の画像は、立体視を可能にするように構成することができる。ユーザは、第1の眼で第1の画像を、第2の眼で第2の画像を同時に見た際に、対象物または対象物の一部の3次元印象を得ることができる。
【0023】
対象物14は、人体、人体の一部(例えば頭部または胸部)、手術部位、またはマイクロ電子デバイス(例えば半導体チップ)でありうる。ユーザは、外科医または対象物の拡大画像を必要とする任意の他の人物でありうる。
【0024】
例えば、ディスプレイ上に示される対象物と同じ対象物を、周辺ビューにおいて見ることができる。例えば、第1の画像は、対象物の表面の一部を示していてもよく、対象物の表面または対象物の表面の別の部分が、ディスプレイの外側のユーザの視野内にあってもよい。例えば、第1の画像は手術中の人間の脳の表面の一部を示し、この人間の脳の表面もユーザが周辺ビューにおいて見ることができる。
【0025】
周辺ビューは、頭部装着可能ディスプレイデバイス100の外側および下方の方向に限定されなくてもよい。(例えば一部の制限を伴って)上方および内側の方向(例えば鼻に向かう方向)を見ることも可能でありうる。例えば、これは、ディスプレイを眼の視線方向と同軸方向に配置することによって可能となりうる。周辺ビューの性能がこれらの付加的な方向において理想的ではない場合であっても、ユーザにその環境とのやり取りの機会を与えることができる。
【0026】
頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、デジタルビューアまたはデジタル接眼レンズと称されることもある。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、ユーザの頭部で支持することができ、画像、ビデオおよび/またはライブストリームをユーザに示すためのディスプレイを有するデバイスでありうる。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、例えばエネルギ貯蔵デバイス(例えば1つまたは複数の電力バンク)および/または受信機(例えば1つまたは複数の無線画像受信機)として、種々の付加的な任意選択手段としての構成要素を備えうる。例えば、エネルギ貯蔵デバイスは、第1のディスプレイ10のための電力供給を提供することができ、かつ/または頭部装着可能ディスプレイデバイス100の装着構造20に取り付け可能であってよく、または頭部を除くユーザの一部に(例えばウエストバンドまたはアームバンドを通して)取り付け可能であってもよい。受信機は、有線または無線の受信機でありうる。例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、画像を無線で受信するように構成されてもよい。受信機は、第1のディスプレイ10によって表示される画像を受信するように構成することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、頭部装着可能ディスプレイデバイス100を使用している間、最大で600g(または最大で700g、最大で500g、または最大で400g)の重量がユーザの頭部にかかるように構成することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス100の総重量は、より大きくてもよいが、(例えばエネルギ貯蔵デバイスおよび/または受信機のための)残りの重量は、ユーザの身体の他の部分によって(例えばウエストバンドまたはアームバンドを通して)担持される。
【0027】
例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイスの待機時間は、最大で70ms(または最大で90ms、最大で60ms、または最大で50ms)であってよい。待機時間とは、頭部装着可能ディスプレイデバイス100の受信機において画像を受信することと、第1および/または第2のディスプレイ上に画像を表示することと、の間の時間でありうる。受信機および/またはディスプレイおよび/または付加的な画像処理構成要素のための高速電気構成要素を使用することによって、頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、対象物14の少なくとも一部のライブもしくはリアルタイム画像またはビデオストリームを表示することが可能となりうる。
【0028】
頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、様々な種類の顕微鏡とともに使用可能でありうる。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、好適なインタフェースを用いて任意の顕微鏡に接続可能でありうる。例えば、顕微鏡12は、デジタル立体顕微鏡、または対象物を2Dで視覚化するために1つのカメラのみを有するデジタル顕微鏡であってよい(例えば、唯一のカメラからの画像が複製され、この一意の画像が、両方のディスプレイに、または1つのディスプレイのみが実装される場合には1つのチャネルのみに提供されうる)。顕微鏡は、頭部装着可能ディスプレイデバイス100の一部ではない。
【0029】
頭部装着可能ディスプレイデバイス100のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば
図2~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス100は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0030】
図2は、一実施形態による2つのディスプレイを備える頭部装着可能ディスプレイデバイス200の概略図を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス200は、
図1に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。第1のディスプレイ10および第2のディスプレイ40は、装着構造20に取り付けることができる。第2のディスプレイ40は、ユーザが第1の眼で第1のディスプレイ10を、第2の眼で第2のディスプレイ40を見ることができるように、第1のディスプレイ10に対して位置決めすることができる。第1の光学装置30は、第1のディスプレイ10の前面に装着され、第2の光学装置50は、第2のディスプレイ40の前面に装着される。第1の光学装置30および第2の光学装置50は、1つまたは複数の光学要素(例えばレンズ)を備えうる。第2の光学装置50は、レンズの数およびタイプに関して第1の光学装置30と同様に、または等しく実装されてもよい。
【0031】
頭部装着可能ディスプレイデバイス200のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1または
図3~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス200は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0032】
図3は、一実施形態による瞳孔間距離の調整を可能にする頭部装着可能ディスプレイデバイス300を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス300は、
図2に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。また、装着構造20は、第2のディスプレイ40に対する第1のディスプレイ10の距離の調整を可能にするように構成される。このようにして、ユーザは、2つのディスプレイ間の距離を個々の瞳孔間距離に調整することができる。さらに、第1の光学装置30は、その視度の調整を可能にするように構成することができる。例えば、1つまたは複数の光学要素(例えば、レンズ)とディスプレイとの間の距離は、調整可能であってよい。このようにして、ユーザは、デバイスを自身の個々の眼に適合させることが可能となりうる。
【0033】
頭部装着可能ディスプレイデバイス300のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図2または
図4a~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス300は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0034】
図4aおよび
図4bは、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイス400を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス400は、
図1、
図2または
図3に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。加えて、頭部装着可能ディスプレイデバイス400は、ユーザの視野からの第1のディスプレイ10の少なくとも部分的な取り外しを可能にするように構成される。例えば、第1のディスプレイ10は、少なくとも部分的にユーザのビューから外れるように、手動または自動で回転可能であるかまたは摺動可能であってよい。例えば、装着構造20は、識別された事象に応答して(例えば、ユーザによる事象の検出または自動での事象の検出によって生じた制御信号を受信して)、第1のディスプレイ10を自動的に取り外すように構成されうる。
図4aは、第1の状態(例えば通常使用段階)にある頭部装着可能ディスプレイデバイス400を示している。第1の状態では、第1のディスプレイ10の表示方向および/または第1の光学装置30の光軸を、ユーザの眼に位置合わせすることができる。例えば、第1の光学装置30の光軸は、第1の状態においてユーザの眼の瞳孔を通過する。
図4bは、第2の状態(例えば取り外された状態)にある頭部装着可能ディスプレイデバイス400を示している。第2の状態では、ユーザは、ユーザの視野の中心にある対象物への直接視線および/または遮られていない視線を有することができる。第2の状態では、第1のディスプレイ10および第1の光学装置30は、第1のディスプレイ10の表示方向および/または第1の光学装置30の光軸がユーザの眼に位置合わせされない位置に配置される。第2の状態では、第1の光学装置30の光軸は、例えばユーザの眼へは延在しない。装着構造20は、
図4aおよび4bに示されているように、第1のディスプレイ10をユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すように構成されたヒンジ28を備えうる。第1のディスプレイ10は、ヒンジ28に機械的に接続可能である。代替的にまたは付加的に、装着構造20は、第1のディスプレイ10をユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すように構成された摺動機構を備えていてもよい。第1のディスプレイ10が摺動機構に機械的に接続されていてもよい。
【0035】
図4aおよび
図4bは、ビューア(頭部装着可能ディスプレイデバイス)の一例を示し、ビューアは、光学部品をユーザのビューの外に移動させるための機構を含みうる。この移動は自動および/または手動で実現することができ、デジタルビューから直接ビューへの変更を可能にしうる。
【0036】
頭部装着可能ディスプレイデバイス400のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図3または
図5a~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス400は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0037】
図5aおよび
図5bは、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイス500を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス500は、
図1に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス500は、装着構造20がユーザの頭部に固定されている場合に、ユーザが第1の光学装置30を通して第1のディスプレイ10を見ている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイ10および第1の光学装置30の外側のユーザの視野内の対象物への直接視線を可能にする。表示方向18と直接視線16との間の観察角17は、少なくとも43°である。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイス500は、第1のディスプレイ10の周りの少なくとも180°のフィールドにわたって直接視線16を可能にするように構成されている。
【0038】
頭部装着可能ディスプレイデバイス500のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図4bまたは
図5c~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス500は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0039】
図5cは、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイス550の側面図を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス550は、
図1に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス550は、頭部装着可能ディスプレイデバイス550の基準面552に対して傾斜するように構成されている。
図5cでは、ディスプレイの表示方向18および/または光学装置の光軸は、基準面552に対して平行である。
図5dでは、ディスプレイの表示方向18および/または光学装置の光軸は、基準面552の下方に-5°傾斜している。
図5eでは、ディスプレイの表示方向18および/または光学装置の光軸は、基準面552の上方に+5°傾斜している。例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス550は、頭部装着可能ディスプレイデバイス550の基準面552に対して少なくとも+/-10°および/または最大で+/-20°傾斜するように構成されうる。頭部装着可能ディスプレイデバイス550は、光学装置の側とは反対のディスプレイの側で、ユーザの両眼の間に配置される、傾斜の手動調整のための傾斜調整器554を備えてもよい。
【0040】
頭部装着可能ディスプレイデバイス550のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図5bまたは
図5f~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス550は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0041】
図5fは、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイス590の側面図を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、
図1に関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、光学装置とユーザの眼との間の距離の調整を可能にするように構成されている。
図5fでは、光学装置とユーザの眼との間の基準距離592に対する距離オフセットは0である。
図5gでは、光学装置とユーザの眼との間の基準距離592に対する距離オフセット596は+6mmである。
図5hでは、光学装置とユーザの眼との間の基準距離592に対する距離オフセット596は-6mmである。例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、基準距離592に対して少なくとも+/-10mmおよび/または最大で+/-15mmのオフセット距離596の調整を可能にするように構成されうる。頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、距離の手動調整のための距離調整器594を備えてもよい。距離調整器594は、光学装置の側とは反対のディスプレイの側で、ユーザの両眼の間に配置されうる。
【0042】
頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、
図5c~
図5eに関連して説明したように、傾斜の手動調整のための傾斜調整器554をさらに備えうる。例えば、傾斜調整器554および距離調整器594は、相互の軸線の周りで回転可能でありうるが、傾斜および距離の調整は独立に可能であってよい。距離調整器594は、傾斜調整器554とディスプレイとの間に配置されうる。
【0043】
頭部装着可能ディスプレイデバイス590のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図5eまたは
図6~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス590は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0044】
図6は、前述または後述の頭部装着可能ディスプレイデバイスのうちの1つのための可能なユーザのビューの一例である。
図6は、第1のディスプレイ10上の左チャネル画像610、第2のディスプレイ40上の右チャネル画像620および人間の脳の手術部位が遮られていない周辺ビュー630の例を示している。
【0045】
図7は、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイス700および顕微鏡システム790を示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス700は、
図1、
図2、
図3、
図4a、
図4b、
図5aおよび/または
図5bに関連して説明した実現形態と同様に実装することができる。頭部装着可能ディスプレイデバイス700は、第1のディスプレイ10のための電力バンク710および無線画像受信機720と、第2のディスプレイ40のための電力バンク710および無線画像受信機720と、を備える。代替的に、第1のディスプレイ10および第2のディスプレイ40は、共通の電力バンク710によって電力が供給されるものであってもよいし、かつ/または共通の無線画像受信機720によって受信された画像が提供されるものであってもよい。顕微鏡システム790は、1つまたは複数のカメラコントローラ794によって制御される1つまたは複数のカメラを備えたデジタル顕微鏡792を備えていてよく、当該1つまたは複数のカメラコントローラ794は、1つまたは複数の無線画像送信機796を備える。
【0046】
頭部装着可能ディスプレイデバイス700のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図6または
図8~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス700は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0047】
図8は、一実施形態による、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスを示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス800は、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ10を備え、第1の画像は顕微鏡から受信される。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイス800は、第1のディスプレイ10をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造20を備える。装着構造20は、第1のディスプレイ10をユーザの第1の眼に位置合わせするように構成されたノーズピース25を備える。さらに、装着構造20は、頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の40%未満(または50%未満、30%未満、または20%未満)がノーズピース25を介してユーザの鼻にかかるように構成されている。
【0048】
ノーズピース25は、装着構造20がユーザの頭部に固定された場合に、ユーザの鼻に、鼻の左側の少なくとも1点で、かつ鼻の右側の少なくとも1点で接触するように構成することができる(例えば、こうした幾何学的形状を含むことができる)。このようにして、ユーザが頭部を動かした場合に、頭部装着可能ディスプレイデバイス800が鼻に対して右または左に動くことを著しく低減し、または回避することができる。
【0049】
例えば、頭部装着可能ディスプレイデバイス800は、頭部装着可能ディスプレイデバイス800を使用している間、最大で250g(または最大で200g、最大で150gまたは最大で100g)の重量がユーザの鼻にかかるように構成される。
【0050】
例えば、ユーザが頭部装着可能ディスプレイデバイスを使用している間、頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の少なくとも10%(または少なくとも20%または少なくとも30%)が、ノーズピース25を通してユーザの鼻の上にかかっていてよい。このようにして、安定した位置合わせを確保することができる。
【0051】
頭部装着可能ディスプレイデバイス800のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図7または
図9~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス800は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0052】
図9は、顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイスを示している。頭部装着可能ディスプレイデバイス900は、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ10を備え、第1の画像は顕微鏡から受信される。さらに、頭部装着可能ディスプレイデバイス900は、第1のディスプレイをユーザの頭部に固定するように構成された装着構造20を備える。加えて、頭部装着可能ディスプレイデバイス900は、第1のディスプレイ10の前に位置する第1の光学装置30を備える。第1の光学装置30は、3つのレンズ32、34、36を備える。また、3つのレンズ32、34、36のうち少なくとも1つのレンズは非球面レンズである。
【0053】
ディスプレイとユーザの眼との間に少なくとも3つのレンズを使用することによって、倍率および収差に関して良好な光学性能を得ることができる。少なくとも1つの非球面レンズを使用することによって、球面レンズのみを使用するシステムと比較して、光学装置のサイズおよび重量を大幅に低減することができる。
【0054】
例えば、第1の光学装置30は、第1のレンズ32と、第2のレンズ34と、第3のレンズ36と、を備える。第1のレンズ32は、3つのレンズのうち第1のディスプレイ10に最も近いレンズでありうる。第2のレンズ34は、第1のレンズ32と第3のレンズ36との間に配置されてもよい。第1の光学装置30は、正確に3つのレンズを備えることができ、または3つよりも多いレンズを備えることができる。3つのレンズは、ガラスレンズであってもよく、または他の好適な材料から作製されてもよい。
【0055】
3つのレンズの非球面レンズは、第1、第2または第3のレンズでありうる。例えば、非球面レンズを第2のレンズ34としてもよく、第1のレンズ32および第3のレンズを球面レンズとしてもよい。代替として、3つ全てのレンズが非球面レンズであってもよい。このようにして、第1の光学装置30のサイズおよび重量を小さく保つことができる。
【0056】
例えば、3つのレンズの各レンズは、第1の表面および第2の表面を備えてもよい。3つのレンズの表面は、一連の表面を表すか、または形成することができる。例えば、第1の非球面レンズの第1の面は第1の球面であってよく、第1の非球面レンズの第2の面は第1の非球面であってよく、第2の非球面レンズの第1の面は第2の球面であってよく、第2の非球面レンズの第2の面は第2の非球面であってよく、第3の非球面レンズの第1の面は第3の球面であってよく、第3の非球面レンズの第2の面は第3の非球面であってよい。一連の表面は、第1の球面と、これに続く第1の非球面と、これに続く第2の球面と、これに続く第2の非球面と、これに続く第3の球面と、これに続く第3の非球面と、を含みうる。例えば、一連の表面は回折面を含まない。光学装置30を通る光路は、回折面を全く含まなくてもよい。
【0057】
例えば、3つのレンズの各レンズは、異なるガラス材料を含む。3つの異なるガラス材料を3つのレンズに使用することができる。例えば、第1のレンズは、第1のガラス材料を含むかまたはこれから構成されていてよく、第2のレンズは、第2のガラス材料を含むかまたはこれから構成されていてよく、第3のレンズは、第3のガラス材料を含むかまたはこれから構成されていてよい。例えば、第1のガラス材料、第2のガラス材料および第3のガラス材料は、3つの異なるガラス材料である。
【0058】
例えば、第1のレンズ32は、正レンズおよび/または非球面レンズであってよい。第1のレンズ32の焦点距離は、最大で25mm(または最大で20mmまたは最大で30mm)および/または少なくとも15mm(または少なくとも10mmまたは少なくとも20mm)であってよい。
【0059】
例えば、第2のレンズ34は、負レンズおよび/または非球面レンズであってよい。第2のレンズ34の焦点距離は、最大で-15mm(または最大で-20mmまたは最大で-13mm)および/または少なくとも-5mm(または少なくとも-10mmまたは少なくとも-3mm)であってよい。
【0060】
例えば、第3のレンズ36は、正レンズおよび/または非球面レンズであってよい。第3のレンズ36の焦点距離は、最大で20mm(または最大で25mmまたは最大で17mm)および/または少なくとも10mm(または少なくとも13mmまたは少なくとも7mm)であってよい。
【0061】
上記のパラメータの1つまたは複数を使用することによって、所望の観察角、全体サイズ、重量および/または射出瞳サイズを得ることができる。
【0062】
例えば、3つの非球面レンズのうちの1つまたは複数は、フリーフォームレンズであってもよい。このようにして、サイズおよび重量をさらに低減することができるが、コストは増大する可能性がある。
【0063】
3つのレンズ(例えば、第1のレンズ32、第2のレンズ34および第3のレンズ36)の総重量は、最大で30g(または最大で25g、最大で20g、または最大で35g)でありうる。3つのレンズ(例えば、第1のレンズ32、第2のレンズ34および第3のレンズ36)の各レンズの直径は、最大で25mm(または最大で20mmまたは最大で30mm)でありうる。第1の光学装置30の全焦点距離は、最大で30mm(または最大で35mmまたは最大で25mm)および/または少なくとも15mm(または少なくとも10mmまたは少なくとも20mm)でありうる。第1の光学装置30によって生じる第1のディスプレイ10とユーザの眼との間の総最適距離は、最大で60mm(または最大で70mm、最大で55mm、または最大で50mm)でありうる。言及したパラメータのうちの1つまたは複数を用いて第1の光学装置30を実装することによって、第1の光学装置30および頭部装着可能ディスプレイデバイス900のサイズおよび/または重量を小さく保つことができる。
【0064】
第1のディスプレイ10のディスプレイ対角線は、少なくとも0.5インチ(または少なくとも0.6インチ)および/または最大1インチ(または最大0.8インチ)でありうる。このようにして、重量を小さく保ちながら、十分に大きな画像を表示することができる。
【0065】
頭部装着可能ディスプレイデバイス900は、一部の他の例に関連して説明したように、第2のディスプレイと第2の光学装置とを備えうる。
【0066】
頭部装着可能ディスプレイデバイス900のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図8または
図10~
図11)に関連して説明する。頭部装着可能ディスプレイデバイス900は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0067】
図10は、一実施形態による頭部装着可能ディスプレイデバイスのための光学装置1000を示している。光学装置1000は、
図1および/または
図9に関連して説明した第1の光学装置の実現形態と同様に実装することができる。光学装置1000は、3つの非球面レンズを備える。第1のレンズ32は正レンズであり、第2のレンズ34は負レンズであり、第3のレンズ36は正レンズである。光学装置1000の全焦点距離は、最大で30mmであり、少なくとも15mmである。第1のレンズ32の焦点距離は、最大で25mmであり、少なくとも15mmであり、第2のレンズ34の焦点距離は、最大で-15mmであり、少なくとも-5mmであり、第3のレンズ36の焦点距離は、最大で20mmであり、少なくとも10mmである。3つのレンズ32、34、36の総重量は、最大で30gである。3つのレンズ32、34、36の各レンズの直径は、最大で25mmである。光学装置1000によって生じる第1のディスプレイ10とユーザの眼との間の総最適距離は、最大で60mmである。
【0068】
図10に示す光学装置1000は、前述または後述の頭部装着可能ディスプレイデバイスのうちの1つの第1の光学装置および/または第2の光学装置として使用することができる。
【0069】
光学装置1000のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば、
図1~
図9または
図11)に関連して説明する。光学装置1000は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0070】
図11は、一実施形態による、顕微鏡から受信された画像を表示するための方法のフローチャートを示している。方法1100は、顕微鏡から対象物の一部の第1の画像を受信すること(1110)と、頭部装着可能ディスプレイデバイスの装着構造によってユーザの頭部に固定された頭部装着可能ディスプレイデバイスの第1のディスプレイ上に第1の画像を表示すること(1120)と、を含む。頭部装着可能ディスプレイデバイスは、頭部装着可能ディスプレイデバイスが装着構造によってユーザの頭部に固定されている場合に、ユーザが第1の光学装置を通して第1のディスプレイを見ている間、ユーザの第1の眼から第1のディスプレイの外側のユーザの視野内の対象物への直接視線を可能にするように構成される。さらに、表示方向と直接視線との間の角度は50°未満である。加えて、表示方向は第1のディスプレイに直交し、第1の光学装置は、第1のディスプレイの前に位置し、少なくとも1つのレンズを備える。
【0071】
方法1100のさらなる詳細および態様を、提案している概念および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例(例えば
図1~
図10)に関連して説明する。方法1100は、提案している概念の1つまたは複数の態様および/または前述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択手段としての特徴を備えうる。
【0072】
いくつかの実施形態は、上記で説明される実施例のうちの1つによる、デジタル顕微鏡および/または頭部装着型デジタルビューアもしくはデジタル接眼レンズからの画像をライブでデジタル的に可視化するための頭部装着型デバイスに関する。ユーザを完全に包囲し、ゴーグルによってユーザの周辺ビューを遮るシステムと比較して、提案しているシステムは、例えば周辺ビューが遮られないことを可能にする。さらに、重いデジタルビューアを有するシステムと比較して、提案しているシステムは、安定性を改善して、各チャネルの前の各眼の位置合わせを維持することができる。デジタルビューアは、片眼に1つずつ、2つの別個のチャネルを備えうる。各チャネルは、1つまたは複数の光学要素とディスプレイとを備えていてよい(例えば
図2参照)。
【0073】
光学部品は、ディスプレイのビューを拡大するために使用され、デジタル顕微鏡によって伝送される画像の立体視を可能にしうる。光学部品は、例えば
図6に示されているように、(例えば、デバイスが頭部に着用されることによる頭部/筋肉の痛みを回避するために)軽量であるように設計され、小型であって、(例えば、外科医が、例えば必要に応じてツール、手およびアシスタントを見ることを可能にするために)ユーザにとって遮られない周辺ビューを可能にしうるものであってよい。
【0074】
機構は、遮られない周辺ビューを可能にするために、軽量、小型、かつ人間工学的であるように設計されうる。画像伝送および電力供給のためのケーブルは、機構によって取り扱い可能である。デジタルビューアは、電力供給されるものであってよく、無線で画像を受信するものであってもよい。例えば、デジタルビューアは、電源バンクおよび画像伝送ドングルを使用しうる。
【0075】
デジタルビューアは、ユーザの頭部または身体上に装着されてもよく、例えば、2つの光学チャネルを両眼に位置合わせするように、鼻の上に配置される載置部分によって位置決めされてもよい。デジタルビューアの幾何形状は、多くの眼鏡の中央部分をベースにしており、ヘッドストラップとともに、ディスプレイモジュールの必要な安定性を個々の眼に提供することができる。この静止のコンセプト(例えば、鼻の上で制御される向きおよび頭部の上のストラップによる固定)により、純粋なゴーグルまたは純粋な頭部装着型ソリューションの欠点を克服することができる。
【0076】
ビューア全体は、頭部の周りのストラップまたは調整可能なフレームによって所定の位置に保持することができる。機構は、1つまたは複数の調整オプションによって個々の頭部の幾何学的形状に適合するように設計され、光学部品をユーザのビューから移動させるための機構を含みうる。
【0077】
提案している頭部装着可能ディスプレイデバイスは、視度不整合および瞳孔間距離に合わせた2つのデジタルチャネルの個別の適応、顕微鏡および周辺ビューのライブ同時表示、デジタルビューから直接ビューへの変更、鼻の上のレストパッドおよび頭部上のストライプの組み合わせを用いたデジタルビューアの位置決め、ならびに/または無線接続およびモバイル電力サポートを可能にすることができる。
【0078】
例えば、視覚顕微鏡を用いて立体的な印象を得るためには、個々の接眼レンズの射出瞳が人間の眼の瞳に合うように両方の視覚チャネルを調整する必要がある。これは、瞳孔間距離(IPD)の調整によって実現することができる。純粋な視覚顕微鏡と比較して、デジタルビューアの光学システムは、その設計された射出瞳の外側に画像を提供することができる。人間の眼にとって最良の位置は、個々の接眼レンズの中心軸でありうる。両眼が理想的な横方向位置に位置していない場合、たとえIPDが正しく調整されていても、システムの光学性能が損なわれる可能性がある。これは、立体的な印象を生成する能力が失われるまで、画像に様々な収差をもたらす可能性がある。提案している光学システムの設計では、それぞれの取り組み(例えばレンズの数および形状)によってこのリスクを防止することができる。
【0079】
3つの非球面レンズを有する光学設計は、光学モジュールのサイズおよび重量を最適化するように選択することができる。例えば、視度調整および眼鏡を使用する可能性を伴うコンパクトな方法で、所望の倍率で表示内容をゆったりと見るために、表示内容を無限大にする要素が使用されうる。例えば、60mm未満の全長(眼への距離)をもたらす3つのレンズが使用されてもよい。
【0080】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0081】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【符号の説明】
【0082】
10 第1のディスプレイ
12 顕微鏡
14 対象物
16 直接視線
17 観察角
18 表示方向
20 装着構造
25 ノーズピース
28 ヒンジ
30 第1の光学装置
32 第1のレンズ
34 第2のレンズ
36 第3のレンズ
40 第2のディスプレイ
50 第2の光学装置
100 頭部装着可能ディスプレイデバイス
200 頭部装着可能ディスプレイデバイス
300 頭部装着可能ディスプレイデバイス
310 瞳孔間距離調整
320 視度調整
400 頭部装着可能ディスプレイデバイス
500 頭部装着可能ディスプレイデバイス
550 頭部装着可能ディスプレイデバイス
552 基準面
554 傾斜調整器
590 頭部装着可能ディスプレイデバイス
592 基準距離
594 距離調整器
596 距離オフセット
610 左チャネル
620 右チャネル
630 遮られていない周辺ビュー
700 頭部装着可能ディスプレイデバイス
702 供給ユニット
710 エネルギ貯蔵デバイス
720 無線画像受信機
790 顕微鏡システム
792 デジタル顕微鏡
794 カメラコントローラ
796 無線画像送信機
800 頭部装着可能ディスプレイデバイス
900 頭部装着可能ディスプレイデバイス
1000 光学装置
1100 顕微鏡から受信された画像を表示する方法
1110 第1の画像を受信する
1120 第1の画像を表示する
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡(12)から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイス(100,200,300,400,500,550,590,700)であって、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
顕微鏡(12)から受信される、対象物(14)の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ(10)と、
前記第1のディスプレイ(10)の前に位置し、少なくとも1つのレンズ(32)を備える第1の光学装置(30)と、
前記第1のディスプレイ(10)をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造(20)と、
を備え、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記装着構造(20)が前記ユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが前記第1の光学装置(30)を通して前記第1のディスプレイ(10)を見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物(14)への直接視線(16)を可能にするように構成されており、表示方向(18)と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向(18)は、前記第1のディスプレイ(10)に直交し、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周囲の少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されており、
前記第1の光学装置(30)は、少なくとも3つのレンズを備え、
前記3つのレンズの各レンズは、異なるガラス材料を含む、
頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記第1の光学装置(30)は、少なくとも3つの非球面レンズを備える、
請求項1記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項3】
顕微鏡(12)から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイス(100,200,300,400,500,550,590,700)であって、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
顕微鏡(12)から受信される、対象物(14)の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ(10)と、
前記第1のディスプレイ(10)の前に位置し、少なくとも1つのレンズ(32)を備える第1の光学装置(30)と、
前記第1のディスプレイ(10)をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造(20)と、
前記第1の光学装置(30)の側とは反対の前記第1のディスプレイ(10)の側に位置する、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの基準面(552)に対して前記頭部装着可能ディスプレイデバイスを傾斜させる傾斜機構と、
を備え、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記装着構造(20)が前記ユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが前記第1の光学装置(30)を通して前記第1のディスプレイ(10)を見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物(14)への直接視線(16)を可能にするように構成されており、表示方向(18)と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向(18)は、前記第1のディスプレイ(10)に直交し、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周囲の少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されている、
頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記第1の光学装置(30)は、その視度の調整を可能にするように構成されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記画像を無線で受信するように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
前記顕微鏡から受信される、前記対象物の前記一部の第2の画像を表示するように構成された第2のディスプレイ(40)をさらに備え、
前記装着構造(20)は、前記第2のディスプレイ(40)を前記ユーザの前記頭部に固定するようにさらに構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記装着構造(20)は、前記第2のディスプレイ(40)に対する前記第1のディスプレイ(10)の距離の調整を可能にするようにさらに構成されている、
請求項6記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記第1のディスプレイ(10)の第1の部分は、前記第1の画像を表示するように構成されており、
前記第1のディスプレイ(10)の第2の部分は、前記顕微鏡から受信される、前記対象物の前記一部の第2の画像を表示するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記第1の画像および前記第2の画像は、立体視を可能にするように構成されている、
請求項6から8までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記装着構造(20)は、前記ユーザの頭部に固定されたときに前記ユーザに対する前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの位置合わせを制御するように構成された位置合わせ部品を備えている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記位置合わせ部品は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの第1の眼に位置合わせするように構成されたノーズピース(25)である、
請求項10記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記装着構造(20)は、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの重量の40%未満が前記ユーザの鼻にかかるように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項13】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)の重量を担持するように構成されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項14】
前記装着構造(20)は、ヘッドバンドを備える、
請求項1から13までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)のための電源を提供するように構成されたエネルギ貯蔵デバイス(710)をさらに備える、
請求項1から14までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記エネルギ貯蔵デバイス(710)は、頭部を除く前記ユーザの一部に取り付け可能である、
請求項15記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すことを可能にするようにさらに構成されている、
請求項1から16までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項18】
前記装着構造(20)は、識別された事象に応答して前記第1のディスプレイ(10)を自動的に取り外すように構成されている、
請求項17記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項19】
前記装着構造(20)は、前記第1のディスプレイ(10)を前記ユーザの視野から少なくとも部分的に取り外すように構成されたヒンジ(28)をさらに備え、前記第1のディスプレイ(10)は、前記ヒンジ(28)に機械的に接続されている、
請求項17または18記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項20】
前記装着構造(20)は、前記ユーザの瞳孔間距離に対する前記第1のディスプレイ(10)の位置の調整を可能にするように構成されている、
請求項1から19までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項21】
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記表示方向が前記第1の眼に位置合わせされている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物への直接視線を可能にするように構成されている、
請求項1から20までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項22】
顕微鏡から受信された画像を表示するための頭部装着可能ディスプレイデバイス(900)であって、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、
顕微鏡から受信される、対象物の一部の第1の画像を表示するように構成された第1のディスプレイ(10)と、
前記第1のディスプレイ(10)をユーザの頭部に固定するように構成された装着構造(20)と、
前記第1のディスプレイ(10)の前に位置する第1の光学装置(30)と、
を備え、前記第1の光学装置(30)は、第1の非球面レンズ(32)、第2の非球面レンズ(34)および第3の非球面レンズ(36)を含む3つのレンズを含み、前記第1の非球面レンズ(32)は、前記3つのレンズのうち前記第1のディスプレイ(10)に最も近いレンズであり、前記第2の非球面レンズ(34)は、前記第1の非球面レンズ(32)と前記第3の非球面レンズ(36)との間に配置されており、前記3つのレンズの各レンズは、第1の表面および第2の表面を含み、前記3つのレンズの表面は、第1の球面と、これに続く第1の非球面と、これに続く第2の球面と、これに続く第2の非球面と、これに続く第3の球面と、これに続く第3の非球面と、を含む、一連の表面を表しており、前記第1のレンズ(32)の焦点距離は、最大で25mmであり、少なくとも15mmであり、前記第2のレンズ(34)の焦点距離は、最大で-15mmであり、少なくとも-5mmであり、前記第3のレンズ(36)の焦点距離は、最大で20mmであり、少なくとも10mmである、
頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項23】
前記一連の表面は、回折面を含まない、
請求項22記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項24】
前記3つのレンズの各レンズは、異なるガラス材料を含む、
請求項22または23記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項25】
前記第1の光学装置(30)の全焦点距離は、最大で30mmであり、少なくとも15mmである、
請求項22から24までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項26】
前記第1のレンズ(32)は、正レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から25までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項27】
前記第2のレンズ(34)は、負レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から26までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項28】
前記第3のレンズ(36)は、正レンズのうちの少なくとも1つである、
請求項22から27までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項29】
前記3つのレンズ(32,34,36)の総重量は、最大で30gである、
請求項22から28までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項30】
前記3つのレンズ(32,34,36)の各レンズの直径は、最大で25mmである、
請求項22から29までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項31】
前記第1の光学装置(30)によって生じる前記第1のディスプレイ(10)とユーザの眼との間の総最適距離は、最大で60mmである、
請求項22から30までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項32】
前記第1のディスプレイ(10)の表示対角線は、少なくとも0.5インチであり、最大で1インチである、
請求項1から31までのいずれか1項記載の頭部装着可能ディスプレイデバイス。
【請求項33】
顕微鏡から受信された画像を表示するための方法(1100)であって、前記方法は、
顕微鏡から対象物の一部の第1の画像を受信するステップ(1110)と、
頭部装着可能ディスプレイデバイスの装着構造によって、ユーザの頭部に固定された前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの第1のディスプレイ(10)上に前記第1の画像を表示するステップ(1120)と、
を含み、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスが装着構造によってユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが第1の光学装置(30)を通して前記第1のディスプレイ(10)を見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物への直接視線を可能にするように構成されており、表示方向と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向は、前記第1のディスプレイ(10)に直交し、前記第1の光学装置(30)は、前記第1のディスプレイ(10)の前に位置し、少なくとも1つのレンズを備え、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周りの少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されており、
前記第1の光学装置(30)は、少なくとも3つのレンズを備え、
前記3つのレンズの各レンズは、異なるガラス材料を含む、
方法。
【請求項34】
顕微鏡から受信された画像を表示するための方法(1100)であって、前記方法は、
顕微鏡から対象物の一部の第1の画像を受信するステップ(1110)と、
頭部装着可能ディスプレイデバイスの装着構造によって、ユーザの頭部に固定された前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの第1のディスプレイ(10)上に前記第1の画像を表示するステップ(1120)と、
を含み、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスが装着構造によってユーザの頭部に固定されている場合に、前記ユーザが第1の光学装置(30)を通して前記第1のディスプレイ(10)を見ている間、前記ユーザの第1の眼から前記第1のディスプレイ(10)の外側の前記ユーザの視野内の前記対象物への直接視線を可能にするように構成されており、表示方向と前記直接視線との間の角度は、50°未満であり、前記表示方向は、前記第1のディスプレイ(10)に直交し、前記第1の光学装置(30)は、前記第1のディスプレイ(10)の前に位置し、少なくとも1つのレンズを備え、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記第1のディスプレイ(10)の周りの少なくとも180°のフィールドにわたって前記直接視線(16)を可能にするように構成されており、
前記頭部装着可能ディスプレイデバイスは、前記頭部装着可能ディスプレイデバイスの基準面(552)に対して前記頭部装着可能ディスプレイデバイスを傾斜させるように構成されている、
方法。
【外国語明細書】