(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153839
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】アクチュエータシステム、光学系、および、光学系中に光学素子を位置決めする方法
(51)【国際特許分類】
F16H 21/16 20060101AFI20241022BHJP
F16H 1/32 20060101ALI20241022BHJP
F16H 19/02 20060101ALI20241022BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20241022BHJP
G02B 7/185 20210101ALN20241022BHJP
【FI】
F16H21/16
F16H1/32 B
F16H19/02 Z
G02B7/00 A
G02B7/185
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124644
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2019224116の分割
【原出願日】2019-12-12
(31)【優先権主張番号】16/381,456
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ハーモニックドライブ
(71)【出願人】
【識別番号】501348092
【氏名又は名称】グッドリッチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】ジェシー ダブリュー.ブッカー
(57)【要約】
【課題】回転入力を直線出力に変換する高精度なアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータシステムは、フレームを含み、このフレームは、フレーム内のキャリッジに対して静止したままであるように構成され、たわみ部組立体によってフレームに連結され、このたわみ部組立体は、アクチュエータシステムの軸沿いの直線運動のみにキャリッジを拘束するように構成される。回転基部は、回転入力を受けるように構成される。クロスブレードたわみ部は、キャリッジを回転基部に動作可能に連結し、クロスブレードたわみ部は、複数のブレードたわみ部を含み、回転基部に対して、またアクチュエータシステムの軸に対して斜角に向けられる。回転たわみ部は、回転基部をフレームに動作可能に連結する。クロスブレードたわみ部及び回転たわみ部は、回転基部の回転運動をキャリッジの直線運動に変換し、軸方向及び横方向の剛性を維持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム内のキャリッジに対して静止したままであるように構成される前記フレームであって、前記キャリッジはアクチュエータシステムの軸沿いの直線運動のみに前記キャリッジを拘束するように構成されるたわみ部組立体によって前記フレームに連結される、前記フレームと、
回転入力を受けるように構成される回転基部と、
前記キャリッジを前記回転基部に動作可能に連結するクロスブレードたわみ部であって、前記クロスブレードたわみ部が複数のブレードたわみ部を含み、前記回転基部に対して、また前記アクチュエータシステムの前記軸に対して斜角に向けられる、前記クロスブレードたわみ部と、
前記回転基部を前記フレームに動作可能に連結する回転たわみ部であって、前記クロスブレードたわみ部及び前記回転たわみ部は前記回転基部の回転運動を前記キャリッジの直線運動に変換し、軸方向及び横方向の剛性を維持するように構成される、前記回転たわみ部と、
を備える、前記アクチュエータシステム。
【請求項2】
前記回転たわみ部は、軸方向のねじりにおける回転可撓性、及び曲げに対する剛性のために構成される、前記回転基部と前記フレームとの間に連結する、軸方向に延在するブレードの十字形セットを備える、請求項1に記載の前記システム。
【請求項3】
前記回転基部、前記フレーム、及び前記軸方向に延在するブレードの十字形セットは、互いにモノリシックである、請求項2に記載の前記システム。
【請求項4】
前記フレーム、前記たわみ部組立体、及び前記キャリッジは、互いにモノリシックである、請求項1に記載の前記システム。
【請求項5】
前記クロスブレードたわみ部は、前記回転基部に、また前記キャリッジに、強固な連結のために接合継手及び/またはねじ締結体を介して連結する、請求項1に記載の前記システム。
【請求項6】
前記たわみ部組立体は、前記キャリッジを前記フレームから可撓に支持する複数のブレードを含み、前記複数のブレードは、前記軸沿いに前記フレームに対して前記キャリッジの軸運動のために可撓性を提供し、他の方向に剛性を与える請求項1に記載の前記システム。
【請求項7】
前記たわみ部組立体は、互いから周方向に離隔される3本の腕部を含み、各腕部が前記キャリッジを前記フレームから可撓に支持する複数の前記ブレードを有する、請求項6に記載の前記システム。
【請求項8】
前記たわみ部組立体は、前記クロスブレードたわみ部の回転剛性より大きい回転剛性を有する、請求項1に記載の前記システム。
【請求項9】
前記キャリッジに結合されるコネクタシャフトをさらに備え、前記コネクタシャフトは直線運動を出力するために前記フレームを通る穴部を通過する、請求項1に記載の前記システム。
【請求項10】
前記回転基部に連結されるモーター部をさらに備え、前記モーター部は前記回転基部の回転を駆動するように動作可能に連結されるステッピングモーターを含む、請求項1に記載の前記システム。
【請求項11】
前記モーター部は、前記ステッピングモーターに連結される第一ハーモニックドライブを含み、第二ハーモニックドライブは、前記第一ハーモニックドライブと前記回転基部との間に連結し、前記第一ハーモニックドライブは、前記ステッピングモーターからの回転入力を第一因子によって減速させるためのトランスミッションを含み、前記第二ハーモニックドライブは、前記第一ハーモニックドライブからの回転入力を第二因子によって減速させるためのトランスミッションを含む、請求項10に記載の前記システム。
【請求項12】
前記キャリッジからの直線出力を使用して光学素子の調整のために前記キャリッジに結合される前記光学素子をさらに備える、請求項1に記載の前記システム。
【請求項13】
請求項1に各記載される通りに、光学素子と、前記光学素子に動作可能に連結され、前記光学素子の位置決めを制御する複数のアクチュエータシステムと、
を備える、光学系。
【請求項14】
前記光学素子は、レンズ及び/またはミラーのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の前記光学系。
【請求項15】
回転基部を回転させ、
前記回転基部の回転運動をクロスブレードたわみ部及び回転たわみ部の作動を介して直線運動に変換し、
前記クロスブレードたわみ部からの直線運動を使用してハウジングに対して軸方向にキャリッジを移動させる、
ことを備える、光学系中に光学素子を位置決めする方法。
【請求項16】
前記回転たわみ部は、前記回転基部と前記ハウジングとの間に連結する、軸方向に延在するブレードの十字形セットを備え、回転運動を変換することは、軸周囲で前記回転たわみ部の曲げに対して拘束しながら前記軸周囲で前記軸方向に延在するブレードの十字形セットをねじることを備える、請求項15に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アクチュエータに関し、さらに特に回転入力を直線出力に変換する際に用いるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
光学望遠鏡/光学系などの、ある特定の用途において、さまざまな構成要素の正確な位置決め及び制御を達成することが望ましい場合がある。たとえば、光学望遠鏡において、光学的に長い距離にわたり、わずかな増加で(たとえば、ミクロンまたはナノメートルのオーダーで)ミラーまたは光学素子を正確に位置決めすることが重要である場合がある。考慮すべき事柄の中でも、精度についての必要性は、光学素子を制御し、動かす際に使用されるアクチュエータの設計に至らせる。概して、これらの要件は、モーター及びねじ設計を用いて満たされ、ねじは、たとえば、ボール、ローラ、または親ねじである。これらのような設計は、多数の部品を含むことにより、システム全体に重量及び複雑さを与える。
【0003】
これらのような従来の方法及びシステムは、それらの意図された目的のために十分であると一般的にみなされている。しかしながら、改良されたアクチュエータシステムに対してこの技術において依然として必要性がある。また、作製して使用するのが容易であるこれらのようなシステムに対して必要性がある。本開示は、これらの必要性に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0004】
アクチュエータシステムは、フレーム内のキャリッジに対して静止したままであるように構成されるフレームを備え、このキャリッジは、たわみ部組立体によってフレームに連結され、たわみ部組立体は、アクチュエータシステムの軸沿いの直線運動のみにキャリッジを拘束するように構成される。回転基部は、回転入力を受けるように構成される。クロスブレードたわみ部は、キャリッジを回転基部に動作可能に連結し、クロスブレードたわみ部が複数のブレードたわみ部を含み、回転基部に対して、またアクチュエータシステムの軸に対して斜角に向けられる。回転たわみ部は、回転基部をフレームに動作可能に連結する。クロスブレードたわみ部及び回転たわみ部は、回転基部の回転運動をキャリッジの直線運動に変換し、軸方向及び横方向の剛性を維持するように構成される。
【0005】
回転たわみ部は、軸方向のねじりにおける回転可撓性、及び曲げに対する剛性のために構成される、回転基部とフレームとの間に連結する軸方向に延在するブレードの十字形セットを含むことができる。回転基部、フレーム、及び軸方向に延在するブレードの十字形セットは、互いにモノリシックであることができる。フレーム、たわみ部組立体、及びキャリッジは、互いにモノリシックであることができる。クロスブレードたわみ部は、強固な連結のために接合継手及び/またはねじ締結体を介して回転基部に、またキャリッジに連結することができる。
【0006】
たわみ部組立体は、キャリッジをフレームから可撓に支持する複数のブレードを含むことができる。複数のブレードは、軸沿いにフレームに対するキャリッジの軸運動に可撓性を与え、他の方向に剛性を与えることができる。たわみ部組立体は、互いから周方向に離隔される3本の腕部を含むことができる。各腕部は、キャリッジをフレームから可撓に支持する複数のブレードを含むことができる。たわみ部組立体は、クロスブレードたわみ部の回転剛性より大きい回転剛性を有することができる。
【0007】
モーター部は、回転基部に連結されることができる。モーター部は、回転基部の回転を駆動するように動作可能に連結されるステッピングモーターを含むことができる。モーター部は、ステッピングモーターに連結される第一ハーモニックドライブを含むことができる。第二ハーモニックドライブは、第一ハーモニックドライブと回転基部との間に連結することができる。第一ハーモニックドライブは、ステッピングモーターからの回転入力を第一因子によって減速させるためのトランスミッションを含むことができる。第二ハーモニックドライブは、第一ハーモニックドライブからの回転入力を第二因子によって減速させるためのトランスミッションを含むことができる。
【0008】
コネクタシャフトは、キャリッジに結合されることができ、コネクタシャフトは、直線運動を出力するために、フレームを通る穴部を通過する。光学素子は、キャリッジからの直線出力を使用して光学素子の調整のためにキャリッジに結合されることができる。
【0009】
光学系は、各上述される通りの、光学素子、及びこの光学素子に動作可能に連結され、光学素子の位置決めを制御する複数のアクチュエータシステムを含むことができる。光学素子はレンズ及び/またはミラーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
光学系において光学素子を位置決めする方法は、回転基部を回転させ、クロスブレードたわみ部及び回転たわみ部の作動を介して、回転基部の回転運動を直線運動に変換し、クロスブレードたわみ部からの直線運動を用いてハウジングに対して軸方向にキャリッジを移動させることを備える。回転たわみ部は、回転基部とハウジングとの間に連結する軸方向に延在するブレードの十字形セットを含むことができ、回転運動を変換することは、軸周囲の回転たわみ部の曲げに対して拘束しながら軸周囲で軸方向に延在するブレードの十字形セットをねじることを備えることができる。
【0011】
本開示のシステム及び方法のこれらの特徴、及び他の特徴は、図面と併せて以下の発明を実施するための形態から当業者にさらに容易に明らかになるであろう。
【0012】
そのため、本開示に関連する当業者は、過度の実験なく本開示の装置及び方法を行い、用いる方法を容易に理解し、それらの好ましい実施形態は、ある特定の図面を参照して本明細書の下記に詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】キャリッジに連結される、モーター部、回転基部、フレーム、及びたわみ部組立体を示す、本開示に従い構築されるアクチュエータシステムの実施形態の部分断面斜視図である。
【
図2】フレーム、キャリッジ、らせん形たわみ部、及び回転基部を示す、
図1のアクチュエータシステムの一部の斜視図である。
【
図3】
図1の複数のアクチュエータシステムによって作動するミラー及びレンズを示す、本開示に従い構築される光学系の実施形態の概略断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、同様の参照番号が本開示の類似した構造特徴または態様を特定する図面に参照を行う。説明及び例示のために、限定ではないが、本開示に従うアクチュエータシステムの実施形態の部分図を
図1に示し、参照記号100によって全体的に示す。本開示に従うシステムの他の実施形態、またはそれらの態様は、後述されるように、
図2~3に提供される。本明細書に記述されるシステム及び方法を使用して、光学系におけるレンズ及びミラーのような光学素子を位置決めする際に使用するなどのために、ミリメートルのオーダーなどでの長距離作動を、ミクロンまたはナノメートルのオーダーなどでの高い距離分解能によって提供することができる。
【0015】
アクチュエータシステム100は、フレーム102内のキャリッジ104に対して静止したままであるように構成されるフレーム102を含み、このキャリッジは、アクチュエータシステム100の軸A沿いの直線運動のみにキャリッジ104を拘束するように構成される積層ブレードたわみ部組立体106(
図2に最も良く示される)によってフレーム102に連結される。回転基部108は、回転基部108に連結されるモーター部110から回転入力を受けるように構成される。モーター部110は、回転基部108の回転を駆動するように動作可能に連結されるステッピングモーター112を含む。モーター部110は、ステッピングモーターに連結される第一ハーモニックドライブ114を含む。第二ハーモニックドライブ116は、第一ハーモニックドライブ114と回転基部108との間に連結する。第一ハーモニックドライブ114は、ステッピングモーター112からの回転入力を第一因子によって減速させるトランスミッションを含む。第二ハーモニックドライブ116は、第一ハーモニックドライブ114からの回転入力を第二因子によって減速させるトランスミッションを含む。
【0016】
ここで、
図2を参照して、3つのクロスブレードたわみ部118は、キャリッジ104を回転基部108に動作可能に連結する。クロスブレードたわみ部118は、各クロスブレードたわみ部118の長さ沿いに互いに垂直に向けられる4つのブレードたわみ部120から各構成される。クロスブレードたわみ部118は、回転基部108に対して、またアクチュエータシステム100の軸Aに対して、斜角である。十字形たわみ部122は、回転基部108をフレーム102に動作可能に連結する。クロスブレードたわみ部118及び十字形たわみ部122は、回転基部108の回転運動(
図2において湾曲した両矢印によって示される)を、キャリッジ104の直線運動(
図2において直線の両矢印によって示される)に変換するように構成される。さらに、回転基部108、クロスブレード及び十字形たわみ部118、122、積層ブレードたわみ部組立体106、フレーム102、ならびにキャリッジ104を含む機構は、モーター部110によって適所に保持されるときに、軸方向及び横方向の剛性を維持する。
【0017】
十字形たわみ部122は、軸A周囲での回転可撓性、及び十字形たわみ部122の軸Aに対して曲がる軸に対する剛性のために構成される、回転基部108とフレーム104との間に連結する、4つの軸方向に延在するブレード124(
図2にみられるように、これらのうちの正面の3つのみが可視であるが、これらのうちの4番目が他の3つに関して周方向に等間隔である)の1セットを含む。回転基部108、フレーム102、キャリッジ104、積層ブレードたわみ部106、及び十字形たわみ部122は、互いにモノリシックであることができ、放電加工(EDM)、付加製造(AM)、及び/または任意の他の適切な技術のいずれかによって製造されることができる。クロスブレードたわみ部120は、強固な連結のために接合継手及び/またはねじ締結体を介して、回転基部108に、またキャリッジ104に連結する。上述されるこれらの要素の組み合わせ、具体的に120、108、102、106、122、及び104は、基部108からの回転運動を、この機構においてゼロ、またはほぼゼロの機械的遊びを有するキャリッジ104における直線運動に変換することができる。
【0018】
積層ブレードたわみ部組立体106は、複数の平行なブレード126を含み、各ブレードは、軸Aに垂直に向けられ、キャリッジ104をフレーム102から可撓に支持する。ブレード126のいくつかは、
図2に示されるようにキャリッジ104と、キャリッジ104より上からのフレーム102との間に連結し、ブレードのうちのいくつかは、
図2に示されるようにキャリッジ104と、キャリッジ104より下からのフレーム102との間に連結する。複数のブレード126は、キャリッジ104及びフレーム102とモノリシックであり、軸A沿いのフレーム102に対してキャリッジ104の軸運動に可撓性を与え、他の方向に剛性を与える。積層ブレードたわみ部組立体106は、フレーム102の3本の腕部128とアライメントを取る3本の腕部を含み、たわみ部組立体の各腕部が互いから周方向に離隔され、各腕部がキャリッジ104をフレーム102から可撓に支持する複数のブレード126を有する。積層ブレードたわみ部組立体106は、クロスブレードたわみ部120の回転剛性より大きい回転剛性を有する。
【0019】
再度、
図1を参照して、コネクタシャフト130は、キャリッジ104に結合される。コネクタシャフト130は、直線運動を出力するために、フレーム102(
図2に特定される)を通る穴部132を通過する。ここで
図3を参照して、望遠鏡、ビームエキスパンダ、または同様のものなどの、光学系134は、レンズ136、ミラー134、または同様のものなどの1つ以上の光学素子、及びフレーム138と光学素子134、136との間に連結する、各上述される通りの、複数のアクチュエータシステム100を含む。
図3における光線の矢印は、ウィンドウ140を通過し、一次ミラー134、二次ミラー142から発ち、レンズ136を通り、撮像素子144に入る光を概略的に示す。
【0020】
アクチュエータシステム100は、それらのそれぞれの光学素子134、136に動作可能に各連結され、光学素子134、136の位置決めを制御する。3つ以上のアクチュエータシステム100は、ミラー134の位置決めを制御することができ、3つ以上のアクチュエータシステム100は、レンズ136の位置決めを制御することができる。当業者は、光学素子及びアクチュエータシステムのいずれかの他の適切な配置が本開示の範囲から逸脱することなく配置されることができることを容易に理解するであろう。各光学素子136、134は、キャリッジ104(
図1で特定される)からの直線出力を使用して光学素子位置の調整のために、そのそれぞれのアクチュエータシステム100のキャリッジに、それぞれのコネクタシャフト130(
図1で特定される)を介して結合される。コントローラ146をアクチュエータシステム100に連結し、光学素子134、136の位置の調整された制御を、たとえば、撮像素子144などからのフィードバックに基づき、提供することができる。
【0021】
転がり面または摺動面などの伝統的機構の代わりにたわみ部を使用して、摩擦、ならびに関連したバックラッシ及びヒステリシスを排除することができる。たわみ部中に摩耗構成要素がないため、寿命及び信頼性を向上させ、たわみ部に潤滑剤が必要ではない。モノリシック構造は、部品数を減らし、機構内の遊びをなくすのに役立つ。本明細書に開示されるようなシステムは、伝統的システムと比較して、高い軸方向の剛性、及び高い横方向の剛性を有する。
【0022】
本開示の方法及びシステムは、上述され、図面に示されるように、ミクロンまたはナノメートルのオーダーなどでの高い距離分解能によって、ミリメートルのオーダーなどでの長距離作動を有する優れた特性を備えるアクチュエータシステムを提供する。本開示の装置及び方法が好ましい実施形態を参照して示され、記述されているが、当業者は、変更及び/または修正が本開示の範囲から逸脱することなくそこに行われてもよいことを容易に理解するであろう。