(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153925
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】光増幅装置および光増幅方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/291 20130101AFI20241022BHJP
H04B 10/25 20130101ALI20241022BHJP
【FI】
H04B10/291
H04B10/25
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024132781
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2023125201の分割
【原出願日】2019-10-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、総務省「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発に関する研究開発 課題II マルチコア大容量光伝送システム技術」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】竹下 仁士
(72)【発明者】
【氏名】松本 恵一
(72)【発明者】
【氏名】野口 栄実
(57)【要約】 (修正有)
【課題】結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能な光増幅装置、光伝送システムおよび光増幅方法を提供する。
【解決手段】結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置100は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段110と、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備えた帯域制御光増幅手段120、とを有し、帯域制御光増幅手段120は、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅し、帯域制御手段110は、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコアが近接して配置された結合型マルチコア光ファイバと、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に含まれる光増幅媒体と、を有する光増幅手段と、
前記結合型マルチコア光ファイバに入力される光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段と、
を備え、
前記帯域制御手段は、光増幅された帯域制御光の強度に基づいて前記光搬送波の波長帯域を制御する
光増幅装置。
【請求項2】
前記帯域制御手段は、前記光増幅手段からの出力光の強度変動値が所定範囲に収まるように、前記光増幅手段に入力する光搬送波の波長帯域を調整する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調することで、前記波長帯域を拡大させるように制御する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調する光変調手段を備え、
前記光変調手段は、前記帯域制御光が前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、前記光搬送波を変調する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した前記帯域制御光の強度を検知する光検知手段をさらに備え、
前記光検知手段は、光強度情報を生成する
請求項1から4のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記光検知手段からの出力を受け付ける光変動検出手段をさらに備え、
前記光変動検出手段は、前記帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、警報情報を生成する
請求項5に記載の光増幅装置。
【請求項7】
前記帯域制御手段は、前記光強度情報に基づいて前記帯域制御光の多重方式を変更する信号を受け付ける
請求項5に記載の光増幅装置。
【請求項8】
前記多重方式の変更は、前記帯域制御光の伝搬に使用されるコア数の変更または伝送速度の変更である
請求項7に記載の光増幅装置。
【請求項9】
前記複数のコアの近接は、コア間距離がいずれも25μm以下の配置である
請求項1から8のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項10】
複数のコアが近接して配置された結合型マルチコア光ファイバと、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に含まれる光増幅媒体と、を備える光増幅装置において、
前記結合型マルチコア光ファイバに入力される光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、
光増幅された帯域制御光の強度に基づいて前記光搬送波の波長帯域を制御する
光増幅方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法に関し、特に、マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルトラフィックやビデオサービスの急速な拡大などにより、コアネットワークにおける通信容量の拡大が求められている。この容量拡大の要求は、今後も継続する傾向にある。通信容量の拡大はこれまで、時間多重技術や波長多重技術を用いることによって実現されてきた。この時間多重技術や波長多重技術は、シングルコア光ファイバによる光通信システムに適用されてきた。
【0003】
シングルコア光ファイバを用いる場合、シングルコアすなわち単一の光ファイバコアを伝送することが可能な光信号の多重数には制限があり、近年、その限界に達しつつある。この多重数の限界は、光ファイバ通信において利用可能な波長帯域幅、およびシングルコア光ファイバの入力光強度耐力によって決まる。
【0004】
このような状況において、通信容量をさらに拡大するため、これまでの多重技術とは異なる次元の多重技術である空間多重技術が開発されている。空間多重技術には、光ファイバ1本あたりのコア数を増大させるマルチコア技術と、伝播モード数を増大させるマルチモード技術がある。従来の光ファイバ通信で用いられているコア数およびモード数は、いずれも一個である。そのため、コア数およびモード数を増大させることによって通信容量を飛躍的に拡大させることが可能である。
【0005】
しかしながら、光ファイバのコア数やモード数を増大させた場合、現在広く普及している光送受信機や光増幅器をそのまま利用することはできない。現在普及している光送受信機や光増幅器はシングルコアの光ファイバ向けに開発されたものであり、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに対して互換性がないからである。そのため、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに適した光送受信機および光増幅器を実現する技術が提案されている。
【0006】
マルチコア光ファイバには、結合型と非結合型の二種類がある。非結合型マルチコア光ファイバは、コア間の距離(ピッチ)が大きいため、コア間のクロストークによる影響が無視できるという利点がある。しかしながら、コアを密に配置することができないため、コア数を増やすことが困難であるという欠点がある。一方、結合型マルチコア光ファイバは、非結合型マルチコア光ファイバとは逆に、コア間の距離(ピッチ)が小さい(例えば、特許文献1を参照)。そのため、コア間のクロストークによる影響が大きくなるという欠点はあるが、コアを密に配置できるためコア数を容易に増大させることができるという利点がある。さらに、結合型マルチコア光ファイバは、非結合型マルチコア光ファイバに比べて非線形光学効果による影響が小さいため、光信号の伝送距離を長くすることができるという優れた光伝送特性を有している。この特性は、長距離光伝送システムを構築する上で、非常に大きな利点となる。
【0007】
マルチコア光ファイバに適した光増幅方式としては、コア励起方式とクラッド励起方式の二方式がある。コア励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度をコア毎に個別の励起光源を用いて個別に増幅する。クラッド励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅する(例えば、特許文献2を参照)。クラッド励起方式は、非結合型マルチコア光ファイバおよび結合型マルチコア光ファイバのいずれを用いる場合でも利用することができる。
【0008】
マルチコア光ファイバを伝送する光信号の光強度を効率よく増幅するためには、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅するクラッド励起方式が望ましい。また、クラッド励起方式では、従来の単一コア励起方式による光増幅器の構成を原理的にはそのままクラッド励起方式の光増幅器の構成として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6372598号公報
【特許文献2】特開2017-21070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した結合型マルチコア光ファイバにおいては、コア間の距離(コア間隔)が小さいため、各コアから漏れ出た光信号の一部が他のコアを通過する光信号と結合するというクロストークが生じる。このクロストークする光信号の量は、コア間の実効屈折率差に大きく依存する。コア間の実効屈折率差は、結合型マルチコア光ファイバの曲げや温度といったパラメータの影響を受けるが、これらのパラメータは、その設置環境に依存する。また、これらのパラメータは時間的に複雑に変化し得るため、その変化を予測することは非常に困難である。したがって、光ファイバの曲げや温度といったパラメータに依存する結合型マルチコア光ファイバのコア間のクロストークの時間変化を予測することも非常に困難である。クロストークが無視できない場合、結合型マルチコア光ファイバの各コアを通過する光信号は、その光強度が時間的に変動することになる。
【0011】
このような結合型マルチコア光ファイバをクラッド励起方式の光アンプに適用した場合、光増幅過程が時間的に変化する。そのため、光増幅度や雑音指数といった光アンプの性能指数が時間的に変化し、その変化は予測困難である。このことは、光アンプ自体の性能評価においても、また、光アンプを利用した光伝送システム等の動作においても大きな問題となる。なぜならば、現在使用されている光アンプの光増幅度や雑音指数といった性能指標は時間的に一定としており、時間的に変化することは想定していないからである。
【0012】
光アンプは光信号成分もコア間のクロストーク成分も同様に増幅するため、コア間クロストークの影響も増幅されてしまう。そのため、光増幅度や雑音指数が時間的に変化し、その予測が困難であると、光伝送システム等の光レベルや光S/N比の設計が非常に複雑になる。特に、長距離光伝送システムのように光レベルや光S/N比の設計に余裕が少ない場合には、光伝送システムの設計および運用が事実上不可能となる。
【0013】
このように、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置は、その性能指数が時間的に変化するので、性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が困難である、という問題があった。
【0014】
本発明の目的は、上述した課題を解決する光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光増幅装置は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段と、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備えた帯域制御光増幅手段、とを有し、帯域制御光増幅手段は、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅し、帯域制御手段は、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0016】
本発明の光伝送システムは、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、帯域制御光を増幅する光増幅手段と、光増幅手段が増幅した帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する光検知手段と、光強度情報に基づいて、波長帯域を調整するように光増幅手段を制御する制御手段、とを有する。
【0017】
本発明の光増幅方法は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入し、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅し、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法によれば、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置の別の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る光増幅装置が備える信号光源の出力光のスペクトルの例を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る光増幅装置が備える光モニタが検知する光強度の測定値の例を示す図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る光伝送システムの別の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第4の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態に係る光伝送システムにおける多重化方式を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置100の構成を示すブロック図である。光増幅装置100は、帯域制御手段110と帯域制御光増幅手段120を有する。
【0022】
帯域制御手段110は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する。帯域制御光増幅手段120は、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備える。ここで、帯域制御光増幅手段120は、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。そして、帯域制御手段110は、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0023】
このように、本実施形態の光増幅装置100においては、帯域制御光増幅手段120が、伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する構成としている。具体的には、帯域制御光増幅手段120は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備え、この結合型マルチコア光ファイバは、複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に光増幅媒体を含む構成とすることができる。
【0024】
ここで、クロストークによって光信号(伝搬光)間の干渉が生じ得るが、本実施形態の光増幅装置100では、帯域制御手段110が、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する構成としている。したがって、結合型マルチコア光ファイバの異なるコアを通過する光信号間でクロストークが生じても、光信号の干渉は発生しない。そのため、結合型マルチコア光ファイバの各コアから出力される光信号強度の時間変動を抑制することができる。その結果、本実施形態の光増幅装置100によれば、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0025】
光信号間の干渉は、単一波長の光信号の場合が最も大きく、波長成分すなわち波長帯域が大きくなるほど小さくなる。この理由は、波長帯域が大きくなるほど、すなわち、様々な波長成分が混在するほど、各波長成分間で干渉するための位相条件が満たされにくくなるからである。この条件は、コヒーレンス長Lcによって定められる。コヒーレンス長Lcは、光信号の中心波長をλ、波長帯域をΔλとすると、下記の式(1)により表わされる。
【0026】
結合型マルチコア光ファイバの長さLが式(1)より定まるコヒーレンス長Lcよりも十分に長い場合、異なるコア間を通過する光信号の間で干渉は生じない。したがって、帯域制御手段110は、帯域制御光のコヒーレンス長が、結合型マルチコア光ファイバの長さより短くなるように、波長帯域を制御する構成とすることができる。
【0027】
なお、結合型マルチコア光ファイバ長Lが一定の場合、波長帯域Δλが大きいほど、すなわち波長成分が多くなるほど、異なるコア間を通過する光信号間の干渉は抑制される。ここで、波長帯域Δλは光搬送波を変調することにより拡大することができる。したがって、帯域制御手段110は、
図2に示すように、光搬送波を変調する光変調手段111を備えた構成としてもよい。この場合、光変調手段は、コヒーレンス長から定まるコヒーレンス時間よりも短い周期で光搬送波を変調すればよい。すなわち、光変調手段は、帯域制御光が結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、光搬送波を変調する構成とすることができる。このような構成とすることにより、異なるコアを通過する光信号間の干渉を抑制することができる。
【0028】
次に、本実施形態による光増幅方法について説明する。
【0029】
本実施形態による光増幅方法においては、まず、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、この帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入する。その後、この複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。そして、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0030】
上述の帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入することは、結合型マルチコア光ファイバに帯域制御光を導入することを含む構成とすることができる。ここで、結合型マルチコア光ファイバは、複数のコアが近接して配置しており、複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に光増幅媒体を含んでいる。
【0031】
また、本実施形態による光増幅方法において、波長帯域を制御することは、帯域制御光のコヒーレンス長が、結合型マルチコア光ファイバの長さより短くなるように、波長帯域を制御することとすることができる。
【0032】
また、本実施形態による光増幅方法において、波長帯域を制御することは、光搬送波を変調することとしてもよい。この場合、光搬送波を変調することは、帯域制御光が結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、光搬送波を変調することとすることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の光増幅装置100および光増幅方法によれば、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0034】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3に、本実施形態による光増幅装置200の構成を示す。
【0035】
光増幅装置200は、信号光源210、結合型マルチコア光ファイバ220、結合型マルチコアファイバ光アンプ230、および光検知部(光検知手段)240を有する。
【0036】
信号光源210は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段を備える。
【0037】
結合型マルチコア光ファイバ220および結合型マルチコアファイバ光アンプ230は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備える。ここで、結合型マルチコア光ファイバ220および結合型マルチコアファイバ光アンプ230のコア間距離は、例えば、いずれも25マイクロメートル(μm)以下とすることができる。なお、結合型マルチコア光ファイバ220と結合型マルチコアファイバ光アンプ230が帯域制御光増幅手段を構成している。
【0038】
結合型マルチコアファイバ光アンプ230は、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備え、これら複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。結合型マルチコアファイバ光アンプ230は、典型的には、希土類イオンであるエルビウムイオンが添加された光増幅媒体としてのコアと、ダブルクラッド構造とを有する。このような構成とした結合型マルチコアファイバ光アンプ230では、光増幅方式としてクラッド励起方式を用いることができる。
【0039】
光検知部(光検知手段)240は、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する。ここで光検知部240は、マルチコアファイバの各コアとシングルモードファイバ243を接続するファンアウト接続手段241とファンイン接続手段242、および光モニタ244を備える。
図3では、結合型マルチコアファイバ光アンプ230が4個のコアを備え、ファンアウト接続手段241が4本のシングルモードファイバ243に接続し、4個の光モニタ244が各コアを伝搬した帯域制御光の強度をそれぞれモニタする構成を例として示した。
【0040】
信号光源210が備える帯域制御手段は、光検知部240による光強度情報に基づいて、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の複数の光増幅媒体(コア)を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0041】
具体的には例えば、光検知部240は、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の各コアからの出力光の強度変動値が予め定めた一定値を超えるか否かを判定する。そして、出力光の強度変動値が予め定めた一定値を超えた場合、その旨の光強度情報を生成する。この場合、信号光源210が備える帯域制御手段は、各コアからの出力光の強度変動値が予め定めた範囲内に収まるように、各コアに入力する光搬送波の波長帯域を調整する。
【0042】
このような構成としたことにより、結合型マルチコア光ファイバの各コアから出力される光信号強度の時間変動を抑制することができる。その結果、本実施形態の光増幅装置200によれば、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0043】
信号光源210は、光搬送波を変調する光変調手段を備えた構成とすることができる。光変調手段が光搬送波を変調することにより、光搬送波の波長帯域を拡大することができる。
図4に、信号光源210の出力光のスペクトルの例を示す。変調を行わない連続波(Continuous Wave:CW)のスペクトルに比べ、変調を行った変調波は波長帯域が拡大していることがわかる。同図では、66ギガ・ボー(Gbaud)のボーレートで変調した場合のスペクトルを例として示す。波長帯域が大きいほど含まれる波長成分が多くなるので、異なるコア間を通過する光信号間の干渉は抑制される。このとき、光モニタ244が検知する光強度の測定値の例を
図5に示す。変調(66Gbaud)を施すことにより、変調を行わない場合(CW)に比べて光強度の変動値が著しく減少することがわかる。
【0044】
次に、本実施形態による光増幅方法について説明する。
【0045】
本実施形態による光増幅方法においては、まず、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、この帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入する。その後、この複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。そして、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0046】
上述の帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入する際に、結合型マルチコア光ファイバに帯域制御光を導入する。ここで、結合型マルチコア光ファイバは、複数のコアが近接して配置しており、複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に光増幅媒体を含んでいる。
【0047】
さらに、複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する。ここで、上述した波長帯域を制御する際に、この光強度情報に基づいて波長帯域を制御する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の光増幅装置200および光増幅方法によれば、結合型マルチコア光ファイバの各コアから出力される光信号強度の時間変動を抑制することができる。その結果、結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0049】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6に、本実施形態による光伝送システム300の構成を示す。なお、第2の実施形態による光増幅装置200と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
【0050】
本実施形態による光伝送システム300は、信号光源210、結合型マルチコア光ファイバ220、結合型マルチコアファイバ光アンプ230、および光検知部240を有する。ここまでの構成は、第2の実施形態による光増幅装置200と同様である。本実施形態の光伝送システム300はさらに、光強度変動検出器310および制御部(制御手段)320を備えた構成とした。ここで、信号光源210と結合型マルチコア光ファイバ220と結合型マルチコアファイバ光アンプ230が光増幅手段を構成しており、光検知部240と光強度変動検出器310が光検知手段を構成している。
【0051】
信号光源210は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段を備える。
【0052】
結合型マルチコア光ファイバ220および結合型マルチコアファイバ光アンプ230は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備える。結合型マルチコアファイバ光アンプ230は、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備え、これら複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。なお、結合型マルチコア光ファイバ220と結合型マルチコアファイバ光アンプ230が帯域制御光増幅手段を構成している。
【0053】
光検知部240は、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する。
【0054】
制御部(制御手段)320は、光強度情報に基づいて、波長帯域を調整するように帯域制御手段を制御する。このとき、帯域制御手段は、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の複数の光増幅媒体(コア)を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0055】
次に、本実施形態による光伝送システム300の動作について説明する。
【0056】
光強度変動検出器310は、結合型マルチコアファイバ光アンプ230が増幅した帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、光強度情報として警報情報を生成する。この場合、制御部320は、この警報情報に基づいて、波長帯域を増大させるように信号光源210が備える帯域制御手段を制御する。
【0057】
さらに詳細に説明すると、光検知部240から出力されたコア毎(
図6に示した場合では4コア)の光強度変動値が光強度変動検出器310に入力される。光強度変動値としては、例えば、ピークピーク値などを用いることができる。光強度変動検出器310は、各コアの光強度変動値の最大値や平均値などの統計値が、予め定めた一定の閾値を超えた場合、制御部320にアラーム(警報情報)を発令する。制御部320は、このアラームが発令されている間、信号光源210が備える帯域制御手段に対して信号光の波長帯域を徐々に大きくするよう指示する制御信号を送出する。結合型マルチコアファイバ光アンプ230の各コアに入力される光信号の波長帯域を徐々に拡大することにより、結合型マルチコアファイバ光アンプ230の出力の光強度変動値を小さくすることができる。光強度変動検出器310は、光強度変動値が閾値以下に低下したと判断したとき、アラームの発令を停止する。
【0058】
なお、
図7に示した光伝送システム301のように、複数の結合型マルチコアファイバ光アンプ231、232を有し、複数の光検知部241、242および複数の光強度変動検出器311、312を備えた構成としてもよい。このような構成とした光伝送システム301では、複数の警報情報(アラーム1、アラーム2)が発令されることになる。この場合、制御部320は、全てのアラームが消滅するまで制御信号を送出し続ける構成とすればよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の光伝送システム300、301によれば、結合型マルチコア光ファイバの各コアから出力される光信号強度の時間変動を抑制することができる。その結果、結合型マルチコア光ファイバを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0060】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8に、本実施形態による光伝送システム400の構成を示す。
【0061】
本実施形態による光伝送システム400は、光増幅部(光増幅手段)410、光検知部(光検知手段)420、および制御部(制御手段)430を有する。
【0062】
光増幅部410は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、帯域制御光を増幅する。光検知部420は、光増幅部410が増幅した帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する。そして、制御部430は、光強度情報に基づいて、波長帯域を調整するように光増幅部410を制御する。
【0063】
ここで、光増幅部410は、帯域制御部(帯域制御手段)411と帯域制御光増幅部(帯域制御光増幅手段)412を備えた構成とすることができる。
【0064】
帯域制御部411は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する。帯域制御光増幅部412は、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備える。この場合、帯域制御光増幅部412は、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅する。そして、帯域制御部411は、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【0065】
なお、帯域制御光増幅部412は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備えた構成とすることができる。ここで、結合型マルチコア光ファイバは、複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に光増幅媒体を含んでいる。
【0066】
本実施形態による光伝送システム400では、帯域制御部411が、光搬送波を変調する光変調器(光変調手段)413を備えた構成とした。
【0067】
次に、本実施形態による光伝送システム400の動作について説明する。
【0068】
光検知部420は、光増幅部410が増幅した帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、光強度情報として警報情報を生成する。そして、制御部430は、この警報情報に基づいて、光搬送波を変調する速度を増大させ、複数のコアのうち帯域制御光が伝搬するコアの個数を減少させるように、光増幅部410を制御する。
【0069】
以下に、本実施形態による光伝送システム400の動作について、さらに詳細に説明する。
【0070】
上述したように、本実施形態の光伝送システム400においては、光検知部420による光強度変動のモニタ結果に基づいて、帯域制御光の伝搬に使用するコアの個数および変調速度(伝送速度)、すなわち、多重化方式を変更する。
図9に、多重化方式の例を示す。
【0071】
制御部430は、まず、
図9に示した多重方式1の条件で光増幅部410から伝送信号を送出させる。すなわち、結合型マルチコア光ファイバの複数のコアのうちN個のコアを用いて、それぞれ伝送速度Bで伝送信号を送出させる。この場合、マルチコア光ファイバ1本当たりの伝送容量はN×Bとなる。
【0072】
制御部430が光検知部420からアラーム(警報情報)を受信した場合、制御部430は光増幅部410に対して多重方式を多重方式1から多重方式2に切り替えるように指示する。光増幅部410が多重方式を多重方式2に変更すると、伝送速度は2倍(2×B)となり、使用するマルチコア光ファイバのコア数は1/2(1/2×N)となる。このとき、多重方式1および多重方式2のいずれの場合においても、マルチコア光ファイバ1本当たりの伝送容量は同じ(N×B)であり、多重方式を変更してもマルチコア光ファイバ当たりの伝送容量が変更されることはない。
【0073】
多重方式2に変更して伝送速度を増大させると、伝送信号の波長帯域も拡大させることができるので、各コアを伝搬する伝送信号同士の干渉を抑制することができる。すなわち、光強度変動のモニタ結果に基づいて、時間多重度(伝送速度)と空間多重度(コア数)を変更することにより、伝送システムの受信端における光強度変動を抑制することができる。その結果、多重方式1では受信できなかった光信号を、多重方式2により受信することが可能になる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の光伝送システム400によれば、結合型マルチコア光ファイバの各コアから出力される光信号強度の時間変動を抑制することができる。その結果、結合型マルチコア光ファイバを用いた光伝送システムの構築が可能になる。
【0075】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0076】
(付記1)光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段と、前記帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備えた帯域制御光増幅手段、とを有し、前記帯域制御光増幅手段は、前記複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で前記帯域制御光を増幅し、前記帯域制御手段は、前記複数の光増幅媒体を伝搬した前記帯域制御光の可干渉性を低減するように前記波長帯域を制御する光増幅装置。
【0077】
(付記2)前記帯域制御光増幅手段は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備え、前記結合型マルチコア光ファイバは、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に前記光増幅媒体を含む付記1に記載した光増幅装置。
【0078】
(付記3)前記帯域制御手段は、前記帯域制御光のコヒーレンス長が、前記結合型マルチコア光ファイバの長さより短くなるように、前記波長帯域を制御する付記2に記載した光増幅装置。
【0079】
(付記4)前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調する光変調手段を備え、前記光変調手段は、前記帯域制御光が前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、前記光搬送波を変調する付記2に記載した光増幅装置。
【0080】
(付記5)前記複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した前記帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する光検知手段をさらに有し、前記帯域制御手段は、前記光強度情報に基づいて前記波長帯域を制御する付記2に記載した光増幅装置。
【0081】
(付記6)光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、前記帯域制御光を増幅する光増幅手段と、前記光増幅手段が増幅した前記帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成する光検知手段と、前記光強度情報に基づいて、前記波長帯域を調整するように前記光増幅手段を制御する制御手段、とを有する光伝送システム。
【0082】
(付記7)前記光増幅手段は、前記光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段と、前記帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備えた帯域制御光増幅手段、とを有し、前記帯域制御光増幅手段は、前記複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で前記帯域制御光を増幅し、前記帯域制御手段は、前記複数の光増幅媒体を伝搬した前記帯域制御光の可干渉性を低減するように前記波長帯域を制御する付記6に記載した光伝送システム。
【0083】
(付記8)前記帯域制御光増幅手段は、複数のコアが近接して配置している結合型マルチコア光ファイバを備え、前記結合型マルチコア光ファイバは、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に前記光増幅媒体を含む付記7に記載した光伝送システム。
【0084】
(付記9)前記光検知手段は、前記複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した前記帯域制御光の強度を検知して前記光強度情報を生成し、前記帯域制御手段は、前記光強度情報に基づいて前記波長帯域を制御する付記8に記載した光伝送システム。
【0085】
(付記10)前記光検知手段は、前記光増幅手段が増幅した前記帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、前記光強度情報として警報情報を生成し、前記制御手段は、前記警報情報に基づいて、前記波長帯域を増大させるように前記光増幅手段を制御する付記6から9のいずれか一項に記載した光伝送システム。
【0086】
(付記11)前記帯域制御光増幅手段は、複数の帯域制御光増幅手段を備え、前記光検知手段は、複数の光検知手段を備え、前記複数の光検知手段のそれぞれは、前記複数の帯域制御光増幅手段のうちの一が増幅した前記帯域制御光の強度を検知し、前記強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、前記光強度情報として警報情報を生成し、前記制御手段は、前記警報情報に基づいて、前記波長帯域を増大させるように前記帯域制御手段を制御する付記7から9のいずれか一項に記載した光伝送システム。
【0087】
(付記12)前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調する光変調手段を備え、前記光検知手段は、前記光増幅手段が増幅した前記帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、前記光強度情報として警報情報を生成し、前記制御手段は、前記警報情報に基づいて、前記光搬送波を変調する速度を増大させ、前記複数のコアのうち前記帯域制御光が伝搬するコアの個数を減少させるように、前記光増幅手段を制御する付記8または9に記載した光伝送システム。
【0088】
(付記13)光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、前記帯域制御光を複数の光増幅媒体に導入し、前記複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で前記帯域制御光を増幅し、前記複数の光増幅媒体を伝搬した前記帯域制御光の可干渉性を低減するように前記波長帯域を制御する光増幅方法。
【0089】
(付記14)前記帯域制御光を前記複数の光増幅媒体に導入することは、結合型マルチコア光ファイバに前記帯域制御光を導入することを含み、前記結合型マルチコア光ファイバは、複数のコアが近接して配置しており、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に前記光増幅媒体を含む付記13に記載した光増幅方法。
【0090】
(付記15)前記波長帯域を制御することは、前記帯域制御光のコヒーレンス長が、前記結合型マルチコア光ファイバの長さより短くなるように、前記波長帯域を制御することを含む付記14に記載した光増幅方法。
【0091】
(付記16)前記波長帯域を制御することは、前記光搬送波を変調することを含み、前記光搬送波を変調することは、前記帯域制御光が前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、前記光搬送波を変調することを含む付記14に記載した光増幅方法。
【0092】
(付記17)前記複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した前記帯域制御光の強度を検知し、光強度情報を生成することをさらに有し、前記波長帯域を制御することは、前記光強度情報に基づいて前記波長帯域を制御することを含む付記14に記載した光増幅方法。
【0093】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0094】
100、200 光増幅装置
110 帯域制御手段
111 光変調手段
120 帯域制御光増幅手段
210 信号光源
220 結合型マルチコア光ファイバ
230、231、232 結合型マルチコアファイバ光アンプ
240、241、242、420 光検知部
241 ファンアウト接続手段
242 ファンイン接続手段
243 シングルモードファイバ
244 光モニタ
300、301、400 光伝送システム
310、311、312 光強度変動検出器
320、430 制御部
410 光増幅部
411 帯域制御部
412 帯域制御光増幅部
413 光変調器