(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153929
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】支持ガラス基板及びこれを用いた積層基板
(51)【国際特許分類】
C03C 3/087 20060101AFI20241022BHJP
C03C 3/091 20060101ALI20241022BHJP
C03C 3/093 20060101ALI20241022BHJP
C03C 3/095 20060101ALI20241022BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20241022BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
C03C3/087
C03C3/091
C03C3/093
C03C3/095
H01L21/68 A
H01L23/12 501P
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024133742
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2023044528の分割
【原出願日】2018-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2017144217
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017238390
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村田 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】藤井 美紅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良太
(57)【要約】
【課題】加工基板の寸法変化を生じさせ難い支持ガラス基板を創案する。
【解決手段】本発明の支持ガラス基板は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10
-7/℃以上であり、且つ55×10
-7/℃以下であり、ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10-7/℃以上であり、且つ55×10-7/℃以下であり、ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする支持ガラス基板。
【請求項2】
全体板厚偏差(TTV)が2.0μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の支持ガラス基板。
【請求項3】
ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~66%、Al2O3 7~34%、B2O3 0~8%、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y2O3+La2O3+ZrO2 0~20%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の支持ガラス基板。
【請求項4】
半導体パッケージの製造工程で、半導体チップが樹脂にモールドされた加工基板の支持に用いることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の支持ガラス基板。
【請求項5】
少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板であって、支持ガラス基板が請求項1~4の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする積層基板。
【請求項6】
加工基板が、半導体チップが樹脂にモールドされた加工基板であることを特徴とする請求項5に記載の積層基板。
【請求項7】
少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板を用意する工程と、
加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が請求項1~4の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【請求項8】
加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項9】
加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持ガラス基板及びこれを用いた積層基板に関し、具体的には、半導体パッケージの製造工程で半導体チップが樹脂にモールドされた加工基板の支持に用いる支持ガラス基板及びこれを用いた積層基板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯型電子機器には、小型化及び軽量化が要求されている。これに伴い、これらの電子機器に用いられる半導体チップの実装スペースも厳しく制限されており、半導体チップの高密度な実装が課題になっている。そこで、近年では、三次元実装技術、すなわち半導体チップ同士を積層し、各半導体チップ間を配線接続することにより、半導体パッケージの高密度実装を図っている。
【0003】
また、従来のウエハレベルパッケージ(WLP)は、バンプをウエハの状態で形成した後、ダイシングで個片化することにより作製されている。しかし、従来のWLPは、ピン数を増加させ難いことに加えて、半導体チップの裏面が露出した状態で実装されるため、半導体チップの欠け等が発生し易いという問題があった。
【0004】
そこで、新たなWLPとして、fan out型のWLPが提案されている。fan out型のWLPは、ピン数を増加させることが可能であり、また半導体チップの端部を保護することにより、半導体チップの欠け等を防止することができる。
【0005】
fan out型のWLPには、チップファースト型とチップラスト型の製造方法がある。チップファースト型では、例えば、複数の半導体チップを樹脂の封止材でモールドして、加工基板を形成した後に、加工基板の一方の表面に配線する工程、半田バンプを形成する工程等を有する。チップラスト型では、例えば、支持基板上に配線層を設置した上で、複数の半導体チップを配列し、樹脂の封止材でモールドして加工基板を形成した後に、半田バンプを形成する工程等を有する。
【0006】
更に、最近では、パネルレベルパッケージ(PLP)と呼ばれる半導体パッケージも検討されている。PLPでは、支持基板1枚当たりの半導体パッケージの取れ数を増加させつつ、製造コストを低下させるために、ウエハ状ではなく矩形状の支持基板が使用される。
【0007】
これらの半導体パッケージの製造工程では、約200℃の熱処理を伴うため、封止材が変形して、加工基板に反りが発生する虞がある。加工基板に反りが発生すると、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
【0008】
このような事情から、加工基板の反りを抑制するために、加工基板を支持するガラス基板を用いることが検討されている(特許文献1参照)。
【0009】
ガラス基板は、表面を平滑化し易く、且つ剛性を有する。よって、支持基板としてガラス基板を用いると、加工基板を強固、且つ正確に支持することが可能になる。またガラス基板は、紫外光、赤外光等の光を透過し易い。よって、支持基板としてガラス基板を用いると、紫外線硬化型接着剤等の接着層等を設けることにより、加工基板を容易に固定することができる。更に赤外線を吸収する剥離層等を設けることにより、加工基板を容易に分離することもできる。別の方式として紫外線硬化型テープ等により接着層等を設けることにより、加工基板を容易に固定、分離することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
fan out型のWLPとPLPでは、複数の半導体チップを樹脂の封止材でモールドして、加工基板を形成した後に、加工基板の一方の表面に配線する工程、半田バンプを形成する工程等を有する。
【0012】
これらの工程は、約200~300℃の熱処理を伴うため、封止材が変形して、加工基板が寸法変化する虞がある。加工基板が寸法変化すると、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
【0013】
加工基板の寸法変化を抑制するために、支持基板としてガラス基板を用いることが有効である。しかし、ガラス基板を用いた場合であっても、加工基板の寸法変化が生じる場合があった。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、加工基板の寸法変化を生じさせ難い支持ガラス基板を創案することにより、半導体パッケージの高密度実装に寄与することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、支持ガラス基板の熱膨張係数を厳密に規制すると共に、支持ガラス基板のヤング率を高めることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の支持ガラス基板は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10-7/℃以上であり、且つ55×10-7/℃以下であり、ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする。ここで、「30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。「ヤング率」は、周知の共振法で測定可能である。
【0016】
本発明の支持ガラス基板では、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が30×10-7/℃以上であり、且つ55×10-7/℃以下に規制されている。このようにすれば、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数を整合させ易くなる。そして、両者の熱膨張係数が整合すると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り変形)を抑制し易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが可能になり、また半田バンプを正確に形成することも可能になる。
【0017】
更に、本発明の支持ガラス基板では、ヤング率が80GPa以上に規制されている。このようにすれば、積層基板の剛性が向上するため、加工基板の寸法変化(特に、反り変形)を抑制し易くなり、加工基板を強固、且つ正確に支持することが可能になる。
【0018】
また、本発明の支持ガラス基板は、全体板厚偏差(TTV)が2.0μm未満であることが好ましい。このようにすれば、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。更に支持ガラス基板の再利用回数を増やすことができる。ここで、「全体板厚偏差(TTV)」は、全体の最大板厚と最小板厚の差であり、例えばコベルコ科研社製のSBW-331ML/dにより測定可能である。
【0019】
また、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~66%、Al2O3 7~34%、B2O3 0~8%、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y2O3+La2O3+ZrO2 0~20%を含有することが好ましい。ここで、「Y2O3+La2O3+ZrO2」は、Y2O3、La2O3及びZrO2の合量を指す。
【0020】
また、本発明の支持ガラス基板は、半導体パッケージの製造工程で、半導体チップが樹脂にモールドされた加工基板の支持に用いることが好ましい。
【0021】
また、本発明の積層基板は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
【0022】
また、本発明の積層基板は、加工基板が、半導体チップが樹脂にモールドされた加工基板であることが好ましい。
【0023】
また、本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
【0024】
また、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことが好ましい。
【0025】
また、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の積層基板の一例を示す概念斜視図である。
【
図2】fan out型のWLPのチップファースト型の製造工程を示す概念断面図である。
【
図3】支持ガラス基板をバックグラインド基板に用いて、加工基板を薄型化する工程を示す概念断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の支持ガラス基板において、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数は30×10-7/℃以上であり、且つ55×10-7/℃以下であり、好ましくは32×10-7/℃以上、且つ52×10-7/℃以下、好ましくは33×10-7/℃以上、且つ49×10-7/℃以下、特に好ましくは34×10-7/℃以上、且つ44×10-7/℃以下である。30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が上記範囲外になると、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数が整合し難くなる。そして、両者の熱膨張係数が不整合になると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り変形)が生じ易くなる。
【0028】
本発明の支持ガラス基板において、ヤング率は、好ましくは80GPa以上、85GPa以上、90GPa以上、95GPa以上、特に96~130GPaである。ヤング率が低過ぎると、積層体の剛性を維持し難くなり、加工基板の寸法変化(特に反り変形)が発生し易くなる。
【0029】
本発明の支持ガラス基板において、全体板厚偏差(TTV)は、好ましくは2.0μm未満、1.5μm以下、1.0μm以下、特に0.1~1.0μm未満である。全体板厚偏差(TTV)が大き過ぎると、加工処理の精度が低下し易くなる。更に支持ガラス基板を再利用し難くなる。
【0030】
本発明の支持ガラス基板は、表面全体が研磨面であることが好ましい。このようにすれば、全体板厚偏差(TTV)を2.0μm未満、1.5μm以下、1.0μm以下、特に1.0μm未満に規制し易くなる。研磨処理の方法としては、種々の方法を採用することができるが、ガラス基板の両面を一対の研磨パッドで挟み込み、ガラス基板と一対の研磨パッドを共に回転させながら、ガラス基板を研磨処理する方法が好ましい。更に一対の研磨パッドは外径が異なることが好ましく、研磨の際に間欠的にガラス基板の一部が研磨パッドから食み出すように研磨処理することが好ましい。これにより、全体板厚偏差(TTV)を低減し易くなり、また反り量も低減し易くなる。なお、研磨処理において、研磨深さは特に限定されないが、研磨深さは、好ましくは50μm以下、30μm以下、20μm以下、特に10μm以下である。研磨深さが小さい程、支持ガラス基板の生産性が向上する。
【0031】
本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~66%、Al2O3 7~34%、B2O3 0~8%、MgO 0~22%、CaO 1~15%、Y2O3+La2O3+ZrO2 0~20%を含有することが更に好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
【0032】
SiO2は、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiO2の含有量は、好ましくは50~66%、51~65%、52~64%、53~63%、54~62.5%、56~62%、特に58~61%である。SiO2の含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また耐候性が低下し易くなる。更に熱膨張係数が高くなり過ぎる。一方、SiO2の含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎる。
【0033】
Al2O3は、ヤング率や耐候性を高める成分である。Al2O3の含有量は、好ましくは7~34%、8~26%、9~24%、11~23%、12~22%、14~21%、特に16~21%である。Al2O3の含有量が少な過ぎると、ヤング率や耐候性が低下し易くなる。一方、Al2O3の含有量が多過ぎると、溶融性、成形性及び耐失透性が低下し易くなる。
【0034】
B2O3は、ガラスのネットワークを形成する成分であるが、ヤング率や耐候性を低下させる成分である。よって、B2O3の含有量は、好ましくは0~8%、0.1~7%、1~6%、特に3~5%である。
【0035】
MgOは、ヤング率を大幅に高める成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは0~22%、0.5~21%、1~20.5%、2~20%、4~19.5%、5~19%、7~19%、8~18%、8.5~16%、9~16%、9~14%、特に9~12%である。MgOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
【0036】
CaOは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分である。CaOの含有量は、好ましくは1~15%、2~12%、3~10%、特に5~8%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
【0037】
ヤング率を高める観点から、モル比MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)は、好ましくは0以上、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、特に0.7以上である。なお、「MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)」は、MgOの含有量をMgO、CaO、SrO及びBaOの合量で割った値である。
【0038】
Y2O3、La2O3及びZrO2は、ヤング率を高める成分である。Y2O3、La2O3及びZrO2の合量は、好ましくは0~20%、0.1~18%、0.5~16%、1~15%、1~14%、1~12%、1.2~10%、1.3~8%、特に1.5~5%である。Y2O3、La2O3及びZrO2の合量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。Y2O3の含有量は、好ましくは0~15%、0.1~14%、0.5~13%、0.5~12%、0.5~10%、0.5~8%、0.5~6%、特に1~4%である。La2O3の含有量は、好ましくは0~6%、0~4%、特に0~2%である。ZrO2の含有量は、好ましくは0~10%、0.1~6%、0.5~4%、特に1~3%である。Y2O3の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰し易くなる。La2O3の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなり、また原料コストが高騰し易くなる。ZrO2の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
【0039】
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
【0040】
SrO及びBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分である。SrO及びBaOは、それぞれ0~15%、0.1~12%、特に0.5~10%である。
【0041】
ZnOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0~7%、0.1~5%、特に0.5~3%である。ZnOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。なお、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。
【0042】
Li2O、Na2O及びK2Oは、高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高める成分であるが、熱膨張係数を上昇させる成分である。高温粘度を低下させて、溶融性及び成形性を高めると共に、熱膨張係数を上昇させるには、Li2O、Na2O及びK2Oの合量は、好ましくは0~15%、0.01~10%、0.05~8%、特に0.1~5%である。Li2O、Na2O及びK2Oのそれぞれの含有量は、好ましくは0~10%、0.01~5%、0.05~4%、特に0.1~3%未満である。熱膨張係数を低下させるためには、Li2O、Na2O及びK2Oの合量は、好ましくは0~15%、0~10%、0~5%、0~1%、0~0.1%、0~0.05%、特に0~0.01%未満である。Li2O、Na2O及びK2Oのそれぞれの含有量は、好ましくは0~15%、0~10%、0~5%、0~1%、0~0.1%、0~0.05%、特に0~0.01%未満である。
【0043】
TiO2は、耐候性を高める成分であるが、ガラスを着色させる成分である。よって、TiO2の含有量は、好ましくは0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
【0044】
清澄剤として、SnO2、Cl、SO3、CeO2の群(好ましくはSnO2、SO3の群)から選択された一種又は二種以上を0.05~0.5%添加してもよい。
【0045】
Fe2O3は、ガラス原料に不純物として不可避的に混入する成分であり、着色成分である。よって、Fe2O3の含有量は、好ましくは0.5%以下、0.001~0.1%、0.005~0.07%、0.008~0.03%、特に0.01~0.025%である。
【0046】
V2O5、Cr2O3、CoO3及びNiOは、着色成分である。よって、V2O5、Cr2O3、CoO3及びNiOのそれぞれの含有量は、好ましくは0.1%以下、特に0.01%未満である。
【0047】
環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs2O3、Sb2O3、PbO、Bi2O3及びFを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に~を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.05%未満であることを指す。
【0048】
本発明の支持ガラス基板は、以下の特性を有することが好ましい。
【0049】
歪点は、好ましくは580℃以上、620℃以上、650℃以上、680℃以上、特に700~850℃である。歪点が高い程、半導体パッケージの製造工程において支持ガラス基板の熱収縮を低減し易くなる。結果として、加工処理の精度を高め易くなる。なお、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
【0050】
液相温度は、好ましくは1300℃以下、1280℃以下、1250℃以下、1160℃以下、1130℃以下、特に1100℃以下である。このようにすれば、板状に成形し易くなるため、表面を研磨しなくても、或いは少量の研磨によって、全体板厚偏差(TTV)を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができ、結果として、支持ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。更に、成形時に失透結晶が発生する事態を防止し易くなる。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。
【0051】
液相粘度は、好ましくは103.8dPa・s以上、104.0dPa・s以上、104.2dPa・s以上、104.4dPa・s以上、特に104.6dPa・s以上である。このようにすれば、板状に成形し易くなるため、表面を研磨しなくても、或いは少量の研磨によって、全体板厚偏差(TTV)を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができ、結果として、支持ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。ここで、「液相粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
【0052】
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1550℃以下、1500℃以下、1480℃以下、1450℃以下、特に1200~1400℃以下である。102.5dPa・sにおける温度が高くなると、溶融性が低下して、支持ガラス基板の製造コストが高騰する。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
【0053】
板厚は、好ましくは1.5mm以下、1.2mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。一方、板厚が薄過ぎると、支持ガラス基板自体の強度が低下して、支持基板としての機能を果たし難くなる。よって、支持ガラス基板の板厚は、好ましくは0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm超である。
【0054】
反り量は、好ましくは60μm以下、55μm以下、50μm以下、1~45μm、特に5~40μmである。反り量が小さい程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。なお、反り量を低減するためには、複数のガラス基板を積層させて熱処理を行うことが好ましい。なお、「反り量」は、支持ガラス基板全体における最高位点と最小二乗焦点面との間の最大距離の絶対値と、最低位点と最小二乗焦点面との絶対値との合計を指し、例えばコベルコ科研社製のSBW-331ML/dにより測定可能である。
【0055】
本発明の支持ガラス基板は、ウエハ状(略真円状)が好ましく、その直径は100mm以上500mm以下、特に150mm以上450mm以下が好ましく、その真円度(但し、ノッチ部を除く)は1mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下、特に0.03mm以下が好ましい。このようにすれば、半導体パッケージの製造工程に適用し易くなる。なお、「真円度」は、ウエハの外形の最大値から最小値を減じた値である。
【0056】
本発明の支持ガラス基板は、ノッチ部(ノッチ形状の位置合わせ部)を有することが好ましく、ノッチ部の深部は平面視で略円形状又は略V溝形状であることがより好ましい。これにより、支持ガラス基板のノッチ部に位置決めピン等の位置決め部材を当接させて、支持ガラス基板の位置を固定し易くなる。結果として、支持ガラス基板と加工基板の位置合わせが容易になる。特に、加工基板にもノッチ部を形成して、位置決め部材を当接させると、積層体全体の位置合わせが容易になる。
【0057】
一方、支持ガラス基板のノッチ部に位置決め部材を当接すると、ノッチ部に応力が集中し易くなり、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。特に、支持ガラス基板が外力により湾曲した時に、その傾向が顕著になる。よって、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部又は一部が面取りされていることが好ましい。これにより、ノッチ部を起点にした破損を有効に回避することができる。
【0058】
ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の50%以上が面取りされていることが更に好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の90%以上が面取りされていることが特に好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部が面取りされていることが最も好ましい。ノッチ部において面取りされている領域が大きい程、ノッチ部を起点にした破損の確率を低減することができる。
【0059】
ノッチ部のおもて面方向の面取り幅(裏面方向の面取り幅も同様)は、好ましくは50~900μm、200~800μm、300~700μm、400~650μm、特に500~600μmである。ノッチ部の表面方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部のおもて面方向の面取り幅が大き過ぎると、面取り効率が低下して、支持ガラス基板の製造コストが高騰し易くなる。
【0060】
ノッチ部の板厚方向の面取り幅(おもて面と裏面の面取り幅の合計)は、好ましくは板厚の5~80%、20~75%、30~70%、35~65%、特に40~60%である。ノッチ部の板厚方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部の板厚方向の面取り幅が大き過ぎると、外力がノッチ部の端面に集中し易くなり、ノッチ部の端面を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。
【0061】
本発明の支持ガラス基板は、全体板厚偏差(TTV)を低減する観点から、化学強化処理がなされていないことが好ましい。つまり表面に圧縮応力層を有しないことが好ましい。
【0062】
支持ガラス基板の成形方法として、種々の方法を採択することができる。例えば、スロットダウン法、ロールアウト法、リドロー法、フロート法、インゴット成型法等を採択することができる。
【0063】
本発明の積層基板は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることを特徴とする。ここで、本発明の積層基板の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持ガラス基板の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
【0064】
本発明の積層基板は、加工基板と支持ガラス基板の間に、接着層を有することが好ましい。接着層は、樹脂であることが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(特に紫外線硬化樹脂)等が好ましい。また半導体パッケージの製造工程における熱処理に耐える耐熱性を有するものが好ましい。これにより、半導体パッケージの製造工程で接着層が融解し難くなり、加工処理の精度を高めることができる。
【0065】
本発明の積層基板は、更に加工基板と支持ガラス基板の間に、より具体的には加工基板と接着層の間に、剥離層を有すること、或いは支持ガラス基板と接着層の間に、剥離層を有することが好ましい。このようにすれば、加工基板に対して、所定の加工処理を行った後に、加工基板を支持ガラス基板から剥離し易くなる。加工基板の剥離は、生産性の観点から、レーザー光等の照射光により行うことが好ましい。
【0066】
剥離層は、レーザー光等の照射光により「層内剥離」又は「界面剥離」が生じる材料で構成される。つまり一定の強度の光を照射すると、原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失又は減少して、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を生じさせる材料で構成される。なお、照射光の照射により、剥離層に含まれる成分が気体となって放出されて分離に至る場合と、剥離層が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
【0067】
本発明の積層基板において、支持ガラス基板は、加工基板よりも大きいことが好ましい。これにより、加工基板と支持ガラス基板を支持する際に、両者の中心位置が僅かに離間した場合でも、支持ガラス基板から加工基板の縁部が食み出し難くなる。
【0068】
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることを特徴とする。ここで、本発明の半導体パッケージの製造方法の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持ガラス基板及び積層基板の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
【0069】
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板を用意する工程を有する。少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板は、上記の材料構成を有している。なお、ガラス基板の成形方法として、上記成形方法を採択することができる。
【0070】
本発明の半導体パッケージの製造方法は、更に積層基板を搬送する工程を有することが好ましい。これにより、加工処理の処理効率を高めることができる。なお、「積層基板を搬送する工程」と「加工基板に対して、加工処理を行う工程」とは、別途に行う必要はなく、同時であってもよい。
【0071】
本発明の半導体パッケージの製造方法において、加工処理は、加工基板の一方の表面に配線する処理、或いは加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する処理が好ましい。本発明の半導体パッケージの製造方法では、これらの処理時に加工基板が寸法変化し難いため、これらの工程を適正に行うことができる。
【0072】
加工処理として、上記以外にも、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)を機械的に研磨する処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をドライエッチングする処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をウェットエッチングする処理の何れかであってもよい。なお、本発明の半導体パッケージの製造方法では、加工基板に反りが発生し難いと共に、積層基板の剛性を維持することができる。結果として、上記加工処理を適正に行うことができる。
【0073】
図面を参酌しながら、本発明を更に説明する。
【0074】
図1は、本発明の積層基板1の一例を示す概念斜視図である。
図1では、積層基板1は、支持ガラス基板10と加工基板11とを備えている。支持ガラス基板10は、加工基板11の寸法変化を防止するために、加工基板11に貼着されている。そして、支持ガラス基板10は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が32×10
-7/℃以上であり、且つ55×10
-7/℃以下であり、ヤング率が80GPa以上である。また、支持ガラス基板10と加工基板11との間には、剥離層12と接着層13が配置されている。剥離層12は、支持ガラス基板10と接触しており、接着層13は、加工基板11と接触している。
【0075】
図1から分かるように、積層基板1は、支持ガラス基板10、剥離層12、接着層13、加工基板11の順に積層配置されている。支持ガラス基板10の形状は、加工基板11に応じて決定されるが、
図1では、支持ガラス基板10及び加工基板11の形状は、何れもウエハ形状である。剥離層12は、非晶質シリコン(a-Si)以外にも、酸化ケイ素、ケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等が用いられる。剥離層12は、プラズマCVD、ゾル-ゲル法によるスピンコート等により形成される。接着層13は、樹脂で構成されており、例えば、各種印刷法、インクジェット法、スピンコート法、ロールコート法等により塗布形成される。接着層13は、剥離層12により加工基板11から支持ガラス基板10が剥離された後、溶剤等により溶解除去される。
【0076】
図2は、fan out型のWLPのチップファースト型の製造工程を示す概念断面図である。
図2(a)は、支持部材20の一方の表面上に接着層21を形成した状態を示している。必要に応じて、支持部材20と接着層21の間に剥離層を形成してもよい。次に、
図2(b)に示すように、接着層21の上に複数の半導体チップ22を貼付する。その際、半導体チップ22のアクティブ側の面を接着層21に接触させる。次に、
図2(c)に示すように、半導体チップ22を樹脂の封止材23でモールドする。封止材23は、圧縮成形後の寸法変化、配線を成形する際の寸法変化が少ない材料が使用される。続いて、
図2(d)、(e)に示すように、支持部材20から半導体チップ22がモールドされた加工基板24を分離した後、接着層25を介して、支持ガラス基板26と接着固定させる。その際、加工基板24の表面の内、半導体チップ22が埋め込まれた側の表面とは反対側の表面が支持ガラス基板26側に配置される。このようにして、積層基板27を得ることができる。なお、必要に応じて、接着層25と支持ガラス基板26の間に剥離層を形成してもよい。更に、得られた積層基板27を搬送した後に、
図2(f)に示すように、加工基板24の半導体チップ22が埋め込まれた側の表面に配線28を形成した後、複数の半田バンプ29を形成する。最後に、支持ガラス基板26から加工基板24を分離した後に、加工基板24を半導体チップ22毎に切断し、後のパッケージング工程に供される(
図2(g))。
【0077】
図3は、支持ガラス基板をバックグラインド基板に用いて、加工基板を薄型化する工程を示す概念断面図である。
図3(a)は、積層基板30を示している。積層基板30は、支持ガラス基板31、剥離層32、接着層33、加工基板(シリコンウェハ)34の順に積層配置されている。加工基板の接着層33に接する側の表面には、半導体チップ35がフォトリソグラフィー法等により複数形成されている。
図3(b)は、加工基板34を研磨装置36により薄型化する工程を示している。この工程により、加工基板34は、機械的に研磨されて、例えば数十μmまで薄型化される。
図3(c)は、支持ガラス基板31を通して、剥離層32に紫外光37を照射する工程を示している。この工程を経ると、
図3(d)に示す通り、支持ガラス基板31を分離することが可能になる。分離された支持ガラス基板31は、必要に応じて、再利用される。
図3(e)は、加工基板34から接着層33を取り除く工程を示している。この工程を経ると、薄型化した加工基板34を採取することができる。
【実施例0078】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
【0079】
表1~9は、本発明の実施例(試料No.1~86)及び比較例(試料No.87)を示している。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れた後、1500~1700℃で24時間溶融、清澄、均質化を行った。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各ガラス基板について、密度、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃、ヤング率、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度を評価した。なお、表中の「N.A.」は、未測定を表している。
【0090】
密度は、アルキメデス法によって測定した値である。
【0091】
30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃は、ディラトメーターで測定した値である。
【0092】
ヤング率は、共振法により測定した値を指す。
【0093】
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336及びC338の方法に基づいて測定した値である。
【0094】
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
【0095】
表1~9から明らかなように、試料No.1~86は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃が33.2×10-7/℃~48.0×10-7/℃、ヤング率が80.0~101.2GPaであるため、支持ガラス基板として好適であると考えられる。一方、試料No.87は、30~380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30~380℃が35×10-7/℃であるが、ヤング率が76GPaであるため、支持ガラス基板として好適ではないと考えられる。
【0096】
続いて、試料No.1~86に係るガラス基板をφ300mm×0.8mm厚に加工した後、その両表面を研磨装置により研磨処理した。具体的には、ガラス基板の両表面を外径が相違する一対の研磨パットで挟み込み、ガラス基板と一対の研磨パッドを共に回転させながらガラス基板の両表面を研磨処理した。研磨処理の際、時折、ガラス基板の一部が研磨パッドから食み出すように制御した。なお、研磨パッドはウレタン製、研磨処理の際に使用した研磨スラリーの平均粒径は2.5μm、研磨速度は15m/分であった。得られた各研磨処理済みガラス基板について、コベルコ科研社製のSBW-331ML/dにより全体板厚偏差(TTV)と反り量を測定した。その結果、全体板厚偏差(TTV)がそれぞれ0.45μmであり、反り量がそれぞれ35μmであった。
少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層基板であって、支持ガラス基板が請求項1~4の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする積層基板。