(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153956
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/23 20060101AFI20241023BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20241023BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241023BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20241023BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G03G15/23
G03G15/36
G03G21/00 376
B41J21/00 Z
H04N1/387 110
H04N1/387 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129239
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】ロメル・ディアノン ジュニア
【テーマコード(参考)】
2C187
2H028
2H270
5C076
【Fターム(参考)】
2C187AC06
2C187AD03
2C187AD04
2C187AD14
2C187AE01
2C187AE06
2C187BF11
2C187CC08
2C187DB15
2C187DB30
2C187DC07
2H028BB06
2H028BD01
2H270MB01
2H270PA25
2H270PA26
2H270PA71
2H270PA72
2H270PA83
2H270ZC03
2H270ZC04
5C076AA02
5C076AA13
5C076BA03
5C076CA02
(57)【要約】
【課題】ユーザーに煩雑な作業を求めずに、紙の両面それぞれに印刷される画像の位置合わせを可能にする。
【解決手段】画像形成装置1は、原稿読取部5による読取で得られた原稿画像データから、互いに独立した個別画像を切り抜く個別画像切抜部101と、個別画像切抜部101により得られた個別画像の1つを配置した第1ページ画像を示す第1ページ画像データと、別の1つを配置した第2ページ画像を示す第2ページ画像データとを生成する生成部102とを備える。生成部102は、操作部47に入力された指示が示すユーザーによる設定に従って、記録紙Pの一方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の一方が配置される領域に重なる、記録紙Pの他方面における領域の内部に、記録紙Pの他方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の他方を配置する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる操作で指示が入力される操作部と、
記録紙に画像を形成する画像形成部と、
原稿の画像を読み取る原稿読取部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた原稿画像データに基づいて、前記画像データから互いに独立した2つの個別画像を切り抜く加工処理を行う個別画像切抜部と、
前記個別画像切抜部による切り抜きで得られた前記個別画像のうちの1つを配置した第1ページ画像を示す第1ページ画像データと、別の1つを配置した第2ページ画像を示す第2ページ画像データと、を生成する生成部と、
前記画像形成部を制御し、前記生成部により生成された前記第1ページ画像データに基づいて、前記第1ページ画像を前記記録紙の一方の面に形成させ、前記生成部により生成された前記第2ページ画像データに基づいて、前記第2ページ画像を前記記録紙の他方の面に形成させる制御部と、を備え、
前記生成部は、更に、前記操作部に入力された指示が示すユーザーによる設定に従って、前記第1ページ画像データ及び前記第2ページ画像データに対して、前記記録紙の一方面に画像形成される前記第1個別画像及び前記第2個別画像の一方が配置される領域に重なる、前記記録紙の他方面における領域の内部に、前記記録紙の他方面に画像形成される前記第1個別画像及び前記第2個別画像の他方を配置する補正を行う画像形成装置。
【請求項2】
前記操作部に入力された指示により設定された横方向のレイアウトが左揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において予め定められた左余白の右端の位置に、前記第1個別画像の左端を沿わせて前記第1個別画像を配置し、前記第2ページ画像において予め定められた、前記左余白と同じ長さの右余白の左端の位置に前記第2個別画像の右端を沿わせて前記第2個別画像を配置し、
前記操作部に入力された指示により設定された横方向のレイアウトが右揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において予め定められた右余白の左端の位置に、前記第1個別画像の右端を沿わせて前記第1個別画像を配置し、前記第2ページ画像において予め定められた、前記右余白と同じ長さの左余白の右端の位置に前記第2個別画像の左端を沿わせて前記第2個別画像を配置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作部に入力された指示により設定された横方向のレイアウトが、左右中心揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において横方向の中心線に、前記第1個別画像の左右中心線を重ねて前記第1個別画像を配置し、前記第2ページ画像において横方向の中心線に、前記第2個別画像の左右中心線を重ねて前記第2個別画像を配置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作部に入力された指示により設定された縦方向のレイアウトが上揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において予め定められた上余白の下端の位置に前記第1個別画像の上端を配置し、前記第2ページ画像において予め定められた上余白の下端の位置に前記第2個別画像の上端を配置し、
前記操作部に入力された指示により設定された縦方向のレイアウトが下揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において予め定められた下余白の上端の位置に前記第1個別画像の下端を配置し、前記第2ページ画像において予め定められた下余白の上端の位置に前記第2個別画像の下端を配置する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部に入力された指示により設定された縦方向のレイアウトが中央揃えである場合、
前記生成部は、前記第1ページ画像において縦方向の予め定められた中央位置に、前記第1個別画像の上下中間点を重ねて前記第1個別画像を配置し、前記第2ページ画像において縦方向の予め定められた中央位置に、前記第2個別画像の上下中間点を重ねて前記第2個別画像を配置する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面印刷が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
両面印刷が可能な画像形成装置が知られている。そして、下記の特許文献1には、両面印刷が可能なプリンターにおいて、奇数ページと偶数ページとの両方の画像データを受信し、記録紙の一方の面に奇数ページの画像を印刷し、他方の面に偶数ページの画像を印刷する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーは、運転免許証や保険証などのIDカードを紙で複製させたい場合、IDカードの表面画像を紙の一方の面に印刷してから、IDカードの裏面画像を紙の他方の面に印刷し、その後、両面印刷された紙からハサミやカッターなどを使って、その画像を切り抜く作業を行う。
【0005】
ところが、IDカードを示す画像の印刷位置が両面で揃っていないと、画像を切り抜く作業が難しくなる。例えば、印刷位置が両面で揃っていないと、表面画像の全体を紙から切り抜くことができても、裏面画像については、全体を切り抜けず、誤って切断してしまうということが起こる。そのため、画像の印刷位置を合わせるという作業がユーザーに必要となり、ユーザーに煩雑な作業を強いることになる。
【0006】
また、このような問題は、IDカードのように、その両面を複製の対象とする場合(すなわち、複製対象物が1つの場合)だけでなく、複製対象物が2つの場合にも起こり得る。例えば、2つの写真を紙の両面それぞれに印刷させ、写真画像を紙から切り抜く作業を行う場合にも、上記と同様な問題が生じる。
【0007】
上記の特許文献1には、両面印刷について記載されているが、両面それぞれに印刷される画像の互いの位置を合わせる技術は記載されていない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく、紙の両面それぞれに印刷される画像の位置合わせを行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、ユーザーによる操作で指示が入力される操作部と、記録紙に画像を形成する画像形成部と、原稿の画像を読み取る原稿読取部と、前記原稿読取部による読み取りで得られた原稿画像データに基づいて、前記画像データから互いに独立した2つの個別画像を切り抜く加工処理を行う個別画像切抜部と、前記個別画像切抜部による切り抜きで得られた前記個別画像のうちの1つを配置した第1ページ画像を示す第1ページ画像データと、別の1つを配置した第2ページ画像を示す第2ページ画像データと、を生成する生成部と、前記画像形成部を制御し、前記生成部により生成された前記第1ページ画像データに基づいて、前記第1ページ画像を前記記録紙の一方の面に形成させ、前記生成部により生成された前記第2ページ画像データに基づいて、前記第2ページ画像を前記記録紙の他方の面に形成させる制御部と、を備え、前記生成部は、更に、前記操作部に入力された指示が示すユーザーによる設定に従って、前記第1ページ画像データ及び前記第2ページ画像データに対して、前記記録紙の一方面に画像形成される前記第1個別画像及び前記第2個別画像の一方が配置される領域に重なる、前記記録紙の他方面における領域の内部に、前記記録紙の他方面に画像形成される前記第1個別画像及び前記第2個別画像の他方を配置する補正を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録紙に形成される個別画像のレイアウトが調整され、記録紙の一方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の一方が配置される領域に重なる、記録紙の他方面における領域の内部に、記録紙の他方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の他方を配置するため、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく、記録紙の両面それぞれに印刷される画像の位置合わせを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図3】画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】プラテンガラスに原稿が載置された状態の一例を示し、下方から見た図である。
【
図5】(A)及び(B)は、個別画像切抜部により切り抜かれた個別画像の一例を示す図である。
【
図6】表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図9】左右中心揃えのレイアウトを説明する図である。
【
図12】縦方向の中央揃えのレイアウトを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図2は、当該画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0013】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、及び記憶装置8を含んで構成されている。
【0014】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、プラテンガラス161上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置トレイ61を備え、原稿載置トレイ61に載置された原稿を原稿読取部5へ1枚ずつ給送する。
【0015】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又はプラテンガラス161上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0016】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、画像メモリー等に記憶されている画像データ、ネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成して印刷物を生成する。
【0017】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイ151に排出される。給紙部14は、記録紙を給紙するものであり、給紙カセットを備える。
【0018】
記憶装置8は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置であり、各種の制御プログラム等を記憶する。
【0019】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47は、表示部473が有するタッチパネルを介して、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)や物理キーに対するユーザーによる操作に基づく、ユーザーからの指示の入力を受け付ける。
【0020】
表示部473は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる。表示部473は、タッチパネルを備えている。操作者は画面表示されるボタンやキーに触れる操作を行うと、タッチパネルにより、タッチ操作された位置に対応付けられた指示が受け付けられる。
【0021】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、個別画像切抜部101と、生成部102と、を備えている。
【0022】
制御ユニット10は、記憶装置8に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、個別画像切抜部101、及び生成部102として機能する。但し、これら制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0023】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、及び記憶装置8と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、操作部47が受け付けたコピージョブの実行指示に基づいて、給紙部14及び画像形成部12等を制御して、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿画像データが示す画像を記録紙に形成して印刷物を生成させ、生成された印刷物を排出トレイ151に排出する。
【0024】
個別画像切抜部101は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿画像データに基づいて、原稿から互いに独立した2つの個別画像を切り抜く加工処理を行う。個別画像切抜部101は、例えば、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿画像データに対してエッジ検出処理を実行し、エッジ画像を検出する。そして、個別画像切抜部101は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿画像データであって、上記エッジ画像を検出した画像データから、1つのかたまりとして、エッジ画像により四辺が囲まれた矩形画像を上記個別画像として切り抜く処理を行う。
【0025】
生成部102は、個別画像切抜部101による切り抜きで得られた個別画像のうちの1つを配置した第1ページ画像C1を示す第1ページ画像データD1と、別の1つを配置した第2ページ画像C2を示す第2ページ画像データD2と、を生成する。
【0026】
制御部100は、画像形成部12等を制御し、生成部102により生成された第1ページ画像データD1に基づいて、第1ページ画像C1を記録紙Pの一方の面に形成させ、生成部102により生成された第2ページ画像データD2に基づいて、第2ページ画像C2を記録紙Pの他方の面に形成させる。
【0027】
画像形成装置1は、2つの画像の印刷位置を揃えて、記録紙Pの両面それぞれに印刷する「位置合わせ両面印刷」機能を備える。制御部100は、操作部47を通じて入力されたユーザーからの指示に従って、上記「位置合わせ両面印刷」機能を有効に設定し、或いは無効に設定する。
【0028】
次に、画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、
図3に示すフローチャートなどを参照して説明する。なお、この処理は、上記「位置合わせ両面印刷」機能が有効に設定されているときに、操作部47に入力された指示に従って、制御部100が、プラテンガラス161に載置された原稿の読み取りを原稿読取部5に行わせる場合に行われる処理である。
【0029】
操作部47が、ユーザーからの原稿の読み取り指示を受け付けると、制御部100は、原稿読取部5を制御することによって、原稿読取部5にプラテンガラス161に載置された原稿を読み取らせ(S1)、読み取りで得られた原稿画像データを、図略の画像メモリーに記憶させる。その後、個別画像切抜部101が、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿画像データに基づいて、原稿から互いに独立した2つの個別画像を切り抜く加工処理を行う(S2)。
【0030】
図4は、プラテンガラス161上に2つの原稿が載置された状態の一例を示し、原稿を載置した側とは反対側(下方側)から見た図である。
図4に示すように、原稿M1,M2がプラテンガラス161に載置された状態で、原稿読取部5による原稿M1,M2の読み取りが行われると、原稿M1,M2に対応する矩形画像が個別画像として個別画像切抜部101によりそれぞれ別個に切り抜かれる。
【0031】
図5(A)及び(B)は、個別画像切抜部101により切り抜かれた個別画像の一例を示す。
図5(A)に示す第1個別画像A1は、原稿M1が示す画像に対応し、
図5(B)に示す第2個別画像A2は、原稿M2が示す画像に対応する。なお、ここでは原稿M1,M2を同時に読み取る場合を例にして説明しているが、原稿M1,M2については別々のタイミングで読み取ってもよい。
【0032】
そして、生成部102は、個別画像切抜部101による切り抜きで得られた個別画像のうちの1つ(第1個別画像A1)を配置した第1ページ画像C1(
図6を参照)を示す第1ページ画像データD1と、別の1つ(第2個別画像A2)を配置した第2ページ画像C2(
図6を参照)を示す第2ページ画像データD2と、を生成する(S3)。
【0033】
制御部100は、生成部102により生成された第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2に基づいて、
図6に例を示すような操作画面G1を表示部473に表示させる。これにより、第1個別画像A1が配置された第1ページ画像C1が記録紙Pの表面(おもて)に形成され、第2個別画像A2が配置された第2ページ画像C2が記録紙Pの裏面(うら)に形成されることがユーザーに報知される。
【0034】
上記操作画面G1の表示後、制御部100は、操作部47を介して、ユーザーから、第1個別画像A1及び第2個別画像A2のレイアウトを指定する指示を受け付ける(S4)。
【0035】
図6に示す操作画面G1には、第1個別画像A1が記録紙Pの表面に形成されること、第2個別画像A2が記録紙Pの裏面に形成されることが表示されている。また、操作画面G1には、横方向のレイアウト設定を受け付ける「左揃え」、「左右中心揃え」、「右揃え」とそれぞれ記されたラジオボタンB_H1乃至B_H3と、縦方向のレイアウト設定を受け付けるために「上揃え」、「中央揃え」、「下揃え」とそれぞれ記されたラジオボタンB_V1乃至B_V3と、「OK」と記された選択ボタンB1と、が表示されている。
【0036】
ユーザーは、操作部47を操作することで、操作画面G1を介して、第1個別画像A1及び第2個別画像A2のレイアウトを設定する。例えば、ラジオボタンB_H1と、ラジオボタンB_V1と、が選択されている状態で、操作部47が、選択ボタンB1に対するユーザーによる操作に基づいて、左揃え指示と上揃え指示とを受け付けると、生成部102は、横方向のレイアウトを「左揃え」に設定し、縦方向のレイアウトを「上揃え」に設定する。
【0037】
そして、生成部102は、操作部47を介して個別画像のレイアウトを指定する指示を受け付けると、ユーザーによる指示の内容に従って、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正することにより、第1ページ画像C1に配置される第1個別画像A1及び第2ページ画像C2に配置される第2個別画像A2のレイアウトを調整し、第1個別画像A1と第2個別画像A2との印刷位置を揃える(S5)。
【0038】
ここで、S5における第1個別画像A1と第2個別画像A2との印刷位置を揃える処理を詳しく説明する。
【0039】
<左揃え> ユーザーにより指定されたレイアウトの内容が、横方向のレイアウトであって「左揃え」である場合、生成部102は、
図7に例を示すように、第1ページ画像C1に配置される予め定められた左余白X1の右端の位置に、第1個別画像A1の左端を沿わせて第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2に配置される予め定められた右余白であって、左余白X1と同じ長さの右余白の左端の位置に、第2個別画像A2の右端を沿わせて第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0040】
<右揃え> ユーザーにより指定されたレイアウトの内容が、横方向のレイアウトであって「右揃え」である場合、生成部102は、
図8に例を示すように、第1ページ画像C1に配置される予め定められた右余白X2の左端の位置に、第1個別画像A1の右端を沿わせて第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2に予め定められた左余白であって、右余白X2と同じ長さの左余白の右端の位置に、第2個別画像A2の左端が沿うように第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0041】
<左右中心揃え> ユーザーにより指定されたレイアウトの内容が、横方向のレイアウトであって「左右中心揃え」である場合、生成部102は、
図9に例を示すように、第1ページ画像C1の横方向の中心線CLに、第1個別画像A1の左右中心線を重ならせて第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2の横方向の中心線CLに、その左右中心線が重なるように第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0042】
<上揃え> ユーザーにより指定されたレイアウトの内容が、縦方向のレイアウトであって「上揃え」である場合、生成部102は、
図10に例を示すように、第1ページ画像C1に予め定められた上余白Y1の下端の位置に、第1個別画像A1の上端が沿うように第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2に予め定められた上余白Y1の下端の位置に、第2個別画像A2の上端が沿うように第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0043】
<下揃え> ユーザーにより設定された縦方向のレイアウトが「下揃え」である場合、生成部102は、
図11に例を示すように、第1ページ画像C1に予め定められた下余白Y2の上端の位置に、第1個別画像A1の下端が沿うように第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2に予め定められた下余白Y2の上端の位置に、第2個別画像A2の下端が沿うように第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0044】
<中央揃え> ユーザーにより指定されたレイアウトの内容が、縦方向のレイアウトであって「中央揃え」である場合、生成部102は、
図12に例を示すように、第1ページ画像C1の縦方向の予め定められた中央位置(上端からY3の位置)に、第1個別画像A1の上下中間点が重なるように第1個別画像A1を配置する。更に、生成部102は、第2ページ画像C2の縦方向の予め定められた中央位置(上端からY3の位置)に、第2個別画像A2の上下中間点が重なるように第2個別画像A2を配置する。生成部102は、このように、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を補正する。
【0045】
S5の後、制御部100は、画像形成部12等を制御し、生成部102により補正された第1ページ画像データD1に基づいて、第1ページ画像C1を記録紙Pの一方の面(表面)に形成させ、生成部102により補正された第2ページ画像データD2に基づいて、第2ページ画像C2を記録紙Pの他方の面(裏面)に形成させる(S6)。この後、処理は終了する。
【0046】
このように、上記実施形態では、生成部102は、第1ページ画像データ及び第2ページ画像データに対して、操作部47に入力された指示が示すユーザーによる設定に従って、記録紙Pの一方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の一方が配置される領域に重なる、記録紙Pの他方面における領域の内部に、記録紙Pの他方面に画像形成される第1個別画像及び第2個別画像の他方を配置する補正を行う。このため、上記実施形態では、記録紙Pに形成される第1個別画像A1及び第2個別画像A2のレイアウトが調整され、記録紙Pの一方の面に形成される第1ページ画像C1に配置される第1個別画像A1と、記録紙Pの他方の面に形成される第2ページ画像C2に配置される第2個別画像A2との印刷位置が一致するように調整される。従って、ユーザーに煩雑な作業を強いることなく、記録紙Pの両面それぞれに印刷される画像の位置合わせを行うことが可能になる。これにより、ユーザーが、印刷後の記録紙Pから、大きい方の画像を切り抜くと、小さい方の画像の全体が欠けることなく同時に切り抜くことができるようになる。
【0047】
なお、上記実施形態では、個別画像切抜部101による切り抜きで2つの個別画像が得られる場合について説明しているが、3つの以上の個別画像が得られることも考えられる。そこで、別の実施形態として、制御部100は、個別画像切抜部101による切り抜きで3つ以上の個別画像が得られた場合、表示部473に、3つの以上の個別画像が得られたことを示す画像を表示させる。この表示時に、操作部47にユーザーから、当該3つの以上の個別画像から、第1ページ画像C1に配置する1つの個別画像と、第2ページ画像C2に配置する1つの他の個別画像とを選択する選択指示が入力されたとき、生成部102は、ユーザーによる選択指示に従って、上述したS3乃至S6の処理を行って、第1ページ画像データD1及び第2ページ画像データD2を生成する。これにより、ユーザーの利便性の更なる向上が図られる。
【0048】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図12を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
12 画像形成部
100 制御部
101 個別画像切抜部
102 生成部