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特開2024-153962根管治療用のファイルの製造方法、根管治療用のファイルおよびそれを備えた歯科用ハンドピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153962
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】根管治療用のファイルの製造方法、根管治療用のファイルおよびそれを備えた歯科用ハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61C 5/42 20170101AFI20241023BHJP
【FI】
A61C5/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021165782
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】504230246
【氏名又は名称】鈴木 計芳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 計芳
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052BB14
4C052DD02
4C052DD10
(57)【要約】
【課題】 歯科用ハンドピースに装着するファイルに付いて、針部の先端部分の撓り過ぎが抑制され、根管壁への側方圧が掛かりやすくなり、根管拡大等の効率が上がり延いては感染象牙質等の取り残しが減るような、そうした根管治療用のファイルの製造方法や根管治療用のファイルを提供する。
【解決手段】
所要形状のニッケル・チタン合金の細長い金属板(S1)に捻り加工を行う(S2)のであるが、当初は捻り部103の長さが16mm、先端径が1.25mm、テーパー角が2/100となるように捻り加工を行い、その後に先端部から3mm分を切除部104として切除すると(S3)、最終的に針部102の捻り部103の長さが13mmとなり、捻り部103に新たな先端部105が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパー角がおおよそ2度となるように捻り加工を施した針部に付き、その先端部からおおよそ3mm分を切断し除去して新たな先端部とすることを特徴とする、根管治療用のファイルの製造方法。
【請求項2】
少なくとも新たな先端部にメッキを施す、請求項1に記載の根管治療用のファイルの製造方法。
【請求項3】
テーパー角がおおよそ2度となるように捻り加工を施して成る針部に付き、その先端部からおおよそ3mm分を切断し除去して新たな先端部と成したことを特徴とする、根管治療用のファイル。
【請求項4】
少なくとも前記新たな先端部にメッキを施して成る、請求項3に記載の根管治療用のファイル。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の根管治療用のファイルを備えた歯科用ハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯科に於ける根管拡大の治療をすべく歯科用ハンドピースの先端部に取り付ける、ファイルの製造方法、根管治療用のファイルに関する。なおこの発明で言うファイルは、リーミング(広げる)のためのリーマに対するファイリング(やする)のためのファイルのことであるが、この発明ではこの差異を厳密に規定するものではなく、さらにこれらに類似する治療用具を包含するものとする。
【背景技術】
【0002】
歯科医師が患者の虫歯の根の壁面をこそぎ取ったり、根の先に詰まっている膿の塊や、以前の治療の跡である充填材を取り去ったり、神経を抜いたりするなどの根管等の治療を行うに当たり、ファイルやリーマを用いるのが一般的である。これ等は根管内に挿入される針部とその後部に設けられた把持部とから成り、針部はステンレススチールやニッケルチタンなどの金属素材による細長い金属板を捻り加工して成るものである。
【0003】
ガッタパーチャの除去に付いて、溶解剤による除去では、ガッタパーチャが根管に残ってしまいその後の治療に支障を来すことがある。このため一般的にはファイルによる丁寧な除去が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファイルは歯科医が自らの指先で操りもするが、ここでは歯科用ハンドピースに装着して用いる場合を説明する。歯科用ハンドピースは筐体と、該筐体に往復動自在に設けられた歯の切削用のファイルやリーマの着脱部と、前記筐体に収められ前記着脱部にマイクロモータの高速回転を往復運動に変えて与えることによりファイルやリーマを往復動させる往復動発生部とから成るものが一般的である。このような歯科用ハンドピースに装着するファイルの規格として、針部の先端部分の直径に付いては例えば規格品の#25であれば1/100の0.25mm、ここから16mm後方の直径はテーパーが2/100であることから0.57mmとなる。
【0005】
当発明者は、このような形状のファイルを歯科用ハンドピースに装着して用いる場合、ファイルが高速で往復動を行う際にファイルの針部の先端部分に撓り過ぎが発生して根管壁をやする力が弱まることを見出した。先端部分が撓り過ぎてしまうと根管拡大の効率が下がったり、感染象牙質やガッタパーチャの取り残しなどの不都合が生じるのである。
【0006】
この発明の課題は、歯科用ハンドピースに装着するファイルに付いて、針部の先端部分の撓り過ぎが抑制され、根管壁への側方圧が掛かりやすくなり、根管拡大等の効率が上がり延いては感染象牙質等の取り残しが減るような、そうした根管治療用のファイルの製造方法や根管治療用のファイルを提供することにある。根管治療がより確かに、より手早く行えることは、患者にとっても歯科医師にとっても疲労が少なく安楽なものとなり、長期に亘って安定した治療が行えることは治療費の抑制にも寄与するはずである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決に先立ち当発明者は、ファイル先端部分の撓り過ぎを抑制するために、2/100の規定角度を守りつつ、当初より撓り過ぎる部分を除いた短いサイズの針部を作れば良いと思考した。上掲例の#25での撓り過ぎる部分を注意深く観察してみると、先端部分からおよそ3mmであったことから、初めからこの部分のない先端部分の直径が0.31mmのものを作れば良いと言うことである。すなわち捻り加工をした時に先端部分の直径が0.31mmとなるような細長い金属板を用いれば良い。しかしながら計算上はそうであっても実際は針部の全体が撓りにくくいと言う不思議、根管を進むのに必要な撓りが得られないと言う不本意な事態が生ずるため、さらに当発明者はこの問題の解決を迫られたのである。
【0008】
上記課題は、あらかじめテーパー角がおおよそ2度となるように捻り加工を施した針状部に付き、その先端部からおおよそ3mm分を切断し除去して、新たな先端部とすることを特徴とする、根管治療用のファイルの製造方法を提供することにより達成される。例えば#25の針部の全長を25mm、この内の捻り部の長さを16mmとして、先端部分の直径を0.25mm(型番#25)、テーパー角を2/100としてあらかじめ製造し、或いは他所で製造したものを引き継いで、その後に先端部分からおおよそ3mm分を切断してしまうのである。この新しい先端部の直径はおおよそ0.31mmである。この製造方法によれば、不思議なことではあるが、針部の全体として根管を進むのに必要な撓りがあるも、撓り過ぎる部分のないファイルを得ることが出来た。歯科用ハンドピースに装着するには誠に打って付けのファイルと成っている。
【0009】
こうして撓り過ぎが無くなり、根管壁を満遍なくやすることが出来るようになり、根管拡大等の効率が上がっている。
【0010】
なお上記切断部分を丸めるべく鑢を掛けたり切断部分やその周辺部をより滑らかにすべくニッケルメッキ等のメッキを施したりすることが出来る。切断前の針部にメッキが施されている場合には切断部分に同種のメッキを施しても良い。この他にもコストは幾分高くはなるが、針部にカーボンコーティングやDLC(Diamond-Like Carbon)コーティングを施して良い。ダイヤモンドライクカーボンとは、ダイヤモンドと黒鉛との中間的な物性を持つ非晶質の硬質炭素であり、コーティングによって金属表面にナノレベルの薄膜を形成することが出来る。これによれば根管を往復動するのに都合の良い低摩耗係数の表面すなわち潤滑性の高い金属表面を得ることが出来る。
【0011】
またこの発明の根管治療用のファイルは、歯科用ハンドピースによって駆動されるが、歯科用ハンドピースがこの発明のファイルを着脱出来るように構成すると良い。ファイルは歯科用ハンドピースに備え付けとされていても良いが、歯科用ハンドピースのヘッドごと洗浄するのはある意味大変なことである。これに対してのファイルを付け替えて使用することを可能にすれば、衛生的にも非常に好ましいものとなる。なおこの発明のファイルを装着して成る歯科用ハンドピースもこの発明の権利範囲内のものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明はあらかじめテーパー角がおおよそ2度となるように捻り加工を施した針状部に付いて、その先端部分からおおよそ3mm分を切断して、新たな先端部としたファイルであるから、これを歯科用ハンドピースに取り付けて根管治療を行うと、ファイルの先端部が撓り過ぎると言うことが無く、根管壁が満遍なくやすれて、根管拡大等の効率が上がると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 実施例1の説明図である。
図2】 実施例1の製造方法の説明図である。
図3】 実施例2の説明図である。
図4】 実施例3の説明図である。
図5】 実施例4の説明図である。
図6】 実施例4の製造方法の説明図である。
図7】 実施例5の説明図である。
図8】 実施例5の製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下ではこの発明の実施例を図面に基づいて説明するが、この発明はこれ等に限定されるものではない。
【実施例0015】
図1および図2でこの実施例を説明する。ファイル100は指先で摘まんで操作したり歯科用ハンドピースに挿着したりするための挿着部101とこれにインサート成型された針部102とから成る。針部に付いては所要形状のニッケル・チタン合金の細長い金属板(S1)に捻り加工を行う(S2)のであるが、当初は捻り部103の長さが16mm、先端径が1.25mm、テーパー角が2/100となるように捻り加工が為されて、針部102の全長が25mmとなるように上記金属板が設定されている。このような当初針部102を得た後に先端部から3mm分を切除部104として切除すると(S3)、最終的に針部102の全長が22mm、捻り部103の長さが13mmとなり、この新たな捻り部103に先端部105が形成される。なお先端部105の直径は0.31mmである。
【0016】
このステップ(S1)~ステップ(S3)の製造方法によれば、針部102の全体として根管を進むのに必要な撓りがあるも、撓り過ぎる部分のないファイル100を得ることが出来た。こうして実施例2で説明するハンドピース200に装着するには打って付けのファイル100と成っている。
【実施例0017】
この実施例のハンドピース200は、図示しないチェアーユニットの電動モータの回転軸に接続されて回転駆動されるように構成されている。またこの電動モータのスイッチは図示しない足踏み式のフットスイッチである。このハンドピース200は、支持部201に振動側筐体202が取り付けられ、振動側筐体202に振動筒204が装着されたものである。チェアーユニットの電動モータの回転軸300の延長部分が支持部201を通って回転軸300の先端部に偏心させて設けられたピン301が、支持部201の先端部に位置している。
【0018】
次に振動側筐体202の先端部には振動筒装着口203が開口されており、ここに振動筒204が装着されている。この振動筒204は振動側筐体202の内側にあって前後方向(図3の上下方向)に振動可能に設けられている。また振動筒204は後端部に設けたピン穴205に上記ピン301が挿入されている。また振動筒204の後端部より突出するガイドピン208が、振動側筐体202の内側に前後方向に設けられたガイド溝209に嵌め込まれている。
【0019】
上記振動筒204の後端部分には、実施例1の製造方法に成るファイル100を挿着するための挿着口207が開口されており、ファイル100をここから挿着するとその針部103が振動筒204の針通し孔206から抜け出して、ファイル100の挿着部101の先端部が上記針通し孔206の内側に接触するまで押し込むことが出来るように構成されている。なお挿着口207にはネジ蓋210を捻じ込むことで、ファイル100を固定することが出来る。従ってファイル100の交換はこのネジ蓋210を着脱することによって行うことになる。
【0020】
この実施例の特徴は、ファイル100を振動筒204の先端部側からではなく後端部側から着脱し得るように構成されているため、ファイル100の装着が使い勝手が良いものとなっている点にある。なお回転軸300のピン301が振動筒204の側壁部のピン穴205に横方向から嵌め込まれているために、回転軸300の回転は振動筒204を前後方向に振動させるだけで、振動筒204をファイル100の針部103周りに回転させるようには作用しない点も特徴である。但し僅かながらの回動振動が生ずることを良しとしない場合を考慮して、上述したようなガイドピン208とガイド溝209との構成を設けているのである。
【0021】
こうしてハンドピース200に挿着したファイル100の針部102に撓り過ぎが無くなり、根管壁を満遍なくやすることが出来るようになり、根管拡大等の効率も十分に上がっている。
【実施例0022】
この実施例のハンドピース400は、図示しないチェアーユニットの電動モータの回転軸に接続されて回転駆動されるように構成されている。またこの電動モータのスイッチは図示しない足踏み式のフットスイッチである。このハンドピース400はその殆どの構成を実施例2のそれに倣うものであるが、回転軸500のピン501が嵌め込まれる振動筒404の側壁部にピン溝405がも蹴られている点で大きく異なるものとなっている。
【0023】
このハンドピース400は、支持部401に振動側筐体402が取り付けられ、振動側筐体402に振動筒404が装着されたものである。チェアーユニットの電動モータの回転軸500の延長部分が支持部401を通って回転軸500の先端部に偏心させて設けられたピン501が、支持部401の先端部に位置している。振動側筐体402の先端部には振動筒装着口403が開口されておりここに振動筒404が装着されている。この振動筒404は振動側筐体402の内側にあって、前後方向(図4の上下方向)に振動可能に設けられている。
【0024】
上記振動筒204の後端部分には、実施例1の製造方法に成るファイル100を挿着するための挿着口407が開口されており、ファイル100をここから挿着するとその針部103が振動筒404の針通し孔406から抜け出して、ファイル100の挿着部101の先端部が上記針通し孔406の内側に接触するまで押し込むことが出来るように構成されている。なお挿着口407には押し込み蓋408を押し込むことで、ファイル100を固定することが出来る。従ってファイル100の交換はこの押し込み蓋408を引き抜いたり押し込んだりすることによって行うことになる。
【0025】
またこの実施例では、振動筒404の後部の外周部に360度に亘って、ピン501を挿入するためのピン穴405が刻設されている。このように構成した理由は後述するが、振動筒404にファイル100を後側から挿着して、挿着口407にネジ蓋408を捻じ込もうとすると振動筒404は振動側筐体402に対して360度を超えて自由に回動してしまうため、ネジ蓋408を締めることが難しい。この問題の解消のために2案を提示するが、その1案は図4に示したように振動筒404の先端部を振動側筐体402の振動筒装着口403から突出させることである。この露出した振動筒404の先端部に指先を押し付けるようにすると、振動筒404の回転を抑えることが可能となってネジ蓋408を締め付けることが出来る。その2案は図示しないが、360度に亘って刻設したピン穴405の内部に突出部を設けることで、ここにピン501が当たって振動筒404がこれ以上は回転出来なくなる。なおこれと同じようなことは、ピン穴を例えば350度などと言うように360度未満に刻設することである。
【0026】
このようにこの実施例では動筒404を自由回動し得るように構成している。自由回動とは、駆動力によって強制的に回転・回動させることではなく、ただ固定しないようにしておいて、左右のどちら方向へも外力に抗うことなく自由に動けることを言う。このように構成したことでファイル100の往復運動に対する根管からの抵抗があっても、或いは根管に喰い込みそうになることがあったとしても、それ等を避けることが出来るために、針部102に殊には針部103に捩じれや曲がりが起こりにくく、円滑に往復運動を継続することが出来るようになる。
【実施例0027】
図5および図6でこの実施例を説明する。ファイル106は指先で摘まんで操作したり歯科用ハンドピースに挿着したりするための挿着部107とこれにインサート成型された針部108とから成る。針部に付いては所要形状のニッケル・チタン合金の細長い金属板(S5)に捻り加工を行う(S6)のであるが、当初は捻り部109の長さが16mm、先端径が1.25mm、テーパー角が2/100となるように捻り加工が為されて、針部108の全長が25mmとなるように上記金属板が設定されている。このような当初針部108を得た後に先端部から3mm分を切除部110として切除すると(S7)、最終的に針部108の全長が22mm、捻り部109の長さが13mmとなり、この新たな捻り部109の先端部分を丸めるべく鑢掛けして丸め部111を形成した(S8)。なおこの部位の直径は0.31mmである。
【0028】
このステップ(S4)~ステップ(S8)の製造方法によれば、針部108の全体として根管を進むのに必要な撓りがあるも、撓り過ぎる部分のないファイル106を得ることが出来た。切除部110を切除した跡は丸め部111となり角が取れている。
【実施例0029】
図7および図8でこの実施例を説明する。ファイル112は指先で摘まんで操作したり歯科用ハンドピースに挿着したりするための挿着部113とこれにインサート成型された針部114とから成る。針部に付いては所要形状のニッケル・チタン合金の細長い金属板(S9)に捻り加工を行う(S10)のである。当初は捻り部115の長さが16mm、先端径が1.25mm、テーパー角が2/100となるように捻り加工が為されて、針部114の全長が25mmとなるように上記金属板が設定されている。このような当初針部114を得た後に先端部から3mm分を切除部116として切除すると(S11)、最終的に針部114の全長が22mm、捻り部115の長さが13mmとなるので、この新たな捻り部115の先端部にDLC(Diamond-Like Carbon)コーティングを施して成る鍍金部117を形成した(S12)。
【0030】
このステップ(S9)~ステップ(S12)の製造方法によれば、針部114の全体として根管を進むのに必要な撓りがあるも、撓り過ぎる部分のないファイル112を得ることが出来た。切除部116を切除した跡は鍍金部117となっており、低摩耗係数の表面すなわち潤滑性の高い金属表面となっている。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明のファイルを歯科用ハンドピースに取り付けて根管治療を行うと、針部の先端部分の撓り過ぎが抑制され、根管壁への側方圧が掛かりやすくなり、根管拡大等の効率が上がり、延いては感染象牙質等の取り残しが減ると言う効果を奏する。これによって歯科医師の負担を減らし治療の技術向上させ、以て産業の発達に寄与することが出来るようになった。なおこの発明は上述した実施例の各部寸法に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
100:ファイル 101:挿着部 102:針部
103:捻り部 104:切除部 105:先端部
106:ファイル 107:挿着部 108:針部
109:捻り部 110:切除部 111:丸め部
112:ファイル 113:挿着部 114:針部
115:捻り部 116:切除部 117:鍍金部
200:ハンドピース 201:支持部 202:振動側筐体
203:振動筒装着口 204:振動筒 205:ピン穴
206:針通し孔 207:挿着口 208:ガイドピン
209:ガイド溝 210:ネジ蓋
300:回転軸 301:ピン
400:ハンドピース 401:支持部 402:振動側筐体
403:振動筒装着口 404:振動筒 405:ピン溝
406:針通し孔 407:挿着口 408:押し込み蓋
500:回転軸 501:ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8