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特開2024-153969回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153969
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20241023BHJP
   H02K 3/46 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067514
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯谷 政洋
(72)【発明者】
【氏名】片岡 伸文
(72)【発明者】
【氏名】立木 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和哉
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604PB03
5H604QB04
5H604QB17
(57)【要約】
【課題】製造工数および製造コストを削減できる回転電機のステータ、回転電機および回転電機ステータの製造方法を提供する。
【解決手段】回転電機のステータ10は、銅板からなる円筒状のU相用、V相用、W相用の3つのバスバー12が、径方向Xに3層、間隔を空けて並んだ状態で、インシュレータヨーク部17Yの周方向Yに延びる隙間17Sにそれぞれ配置され、それぞれのバスバー12は、分割コイル巻装体14の1/3の数の、コイル13の導体線13Lの直径Rよりも小さい周方向Yの幅を有し、軸方向Zの上方に延びる第1スリット12Sを下端に備え、それぞれの相を構成する分割コイル巻装体14の端末線13Eが、当該相用のバスバー12の第1スリット12Sに接続されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インシュレータを介してコイルが分割鉄心に巻回された分割コイル巻装体を複数個円環状に配置した回転電機のステータであって、
銅板からなる円筒状のU相用、V相用、W相用の3つのバスバーが、径方向に3層、間隔を空けて並んだ状態で、前記分割鉄心の分割ヨーク部の軸方向の端面を覆う前記インシュレータのインシュレータヨーク部の周方向に延びる隙間にそれぞれ配置され、
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の1/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも小さい周方向の幅を有し、軸方向の上方に延びる第1スリットを下端に備え、
それぞれの相を構成する前記分割コイル巻装体の端末線が、当該相用のバスバーの前記第1スリットに接続されている回転電機のステータ。
【請求項2】
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の数の2/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも軸方向および周方向の幅が大きい切り欠きを備え、
前記切り欠きの中に異なる相の前記端末線が、前記バスバーとの間に空間を有して配置されている請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項3】
前記バスバーは、軸方向の上端に、軸方向の上方に突出する複数の突起を備え、前記突起の周方向の位置は、前記第1スリットまたは前記切り欠きの位置と同じである請求項2に記載の回転電機のステータ。
【請求項4】
前記インシュレータヨーク部は、径方向に並び、周方向に延びる円弧状の4つのガイドを備え、前記隙間は、径方向に隣り合う前記ガイドの間に形成されている請求項3に記載の回転電機のステータ。
【請求項5】
前記インシュレータヨーク部の端面の軸方向の高さは、前記分割鉄心のティース部の軸方向の端面を覆うインシュレータティース部の軸方向の端面の高さよりも高く、前記インシュレータヨーク部の軸方向の端面と前記インシュレータティース部の軸方向の端面との間に段差が形成されている請求項4に記載の回転電機のステータ。
【請求項6】
それぞれの前記ガイドには、径方向から見たときに同じ位置に前記ガイドを周方向に分割する、第2スリットが形成され、全ての前記第2スリットを通って前記インシュレータヨーク部の径方向内側から、径方向外側に直線状に抜ける、前記端末線を配置する端末線配置経路が、前記インシュレータヨーク部の端面に形成されている請求項5に記載の回転電機のステータ。
【請求項7】
前記端末線配置経路の周方向両側であって径方向に隣り合う前記ガイドの間には、前記インシュレータヨーク部の端面よりも軸方向の下方に凹んだ凹部が形成され、前記端末線配置経路を挟んで周方向に隣り合う2つの前記凹部の間の前記端末線配置経路の周方向の幅は、前記第1スリットの軸方向の下端部の周方向の幅よりも狭い請求項6に記載の回転電機のステータ。
【請求項8】
前記バスバーと前記インシュレータヨーク部とは、前記凹部の中で、接着剤または樹脂によって固定されている請求項7に記載の回転電機のステータ。
【請求項9】
前記切り欠きは、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかである請求項2に記載の回転電機のステータ。
【請求項10】
前記突起は、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかである請求項3に記載の回転電機のステータ。
【請求項11】
前記端末線は、絶縁被膜が取り除かれている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
【請求項12】
前記端末線は、前記第1スリット内の絶縁被膜のみが取り除かれている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
【請求項13】
請求項11に記載の回転電機のステータと、前記ステータに外周面が対向して回転可能に支持されたロータとを備える回転電機。
【請求項14】
請求項12に記載の回転電機のステータと、前記ステータに外周面を対向させて回転可能に支持されたロータとを備える回転電機。
【請求項15】
請求項11に記載の回転電機のステータの製造方法であって、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回し、前記端末線の絶縁皮膜を剥離するコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有する回転電機のステータの製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の回転電機のステータの製造方法であって、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回すコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有する回転電機のステータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転電機のステータは、鉄心に巻回されたコイルの端末線同士を電気的に接続(以後、結線と呼ぶ)して外部電源につなげることによって界磁されてロータを回転させることができる。結線の方法としてリード線、バスバー、プリント基板などを用いた方法があり、バスバーを用いた方法では、複数のコイルの端末線をバスバーに接続することでコイル同士を結線することができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-178845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、端末線と端子(以後、バスバーと呼ぶ)の結線方法について言及されていない。また直線状に伸ばした鉄心に装着したインシュレータにバスバーを挿入した後、巻線のタイミングで端末線とバスバーを接続しているので、各ティース部の巻線毎に結線作業が必要なため製造工数が増加する、製造コストが増加するという課題があった。
【0005】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、製造工数および製造コストを削減できる回転電機のステータ、回転電機および回転電機ステータの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される回転電機のステータは、
インシュレータを介してコイルが分割鉄心に巻回された分割コイル巻装体を複数個円環状に配置した回転電機のステータであって、
銅板からなる円筒状のU相用、V相用、W相用の3つのバスバーが、径方向に3層、間隔を空けて並んだ状態で、前記分割鉄心の分割ヨーク部の軸方向の端面を覆う前記インシュレータのインシュレータヨーク部の周方向に延びる隙間にそれぞれ配置され、
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の1/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも小さい周方向の幅を有し、軸方向の上方に延びる第1スリットを下端に備え、
それぞれの相を構成する前記分割コイル巻装体の端末線が、当該相用のバスバーの前記第1スリットに接続されているものである。
また、本願に開示される回転電機は、
前記回転電機のステータと、前記ステータに外周面が対向して回転可能に支持されたロータとを備えるものである。
また、本願に開示される回転電機のステータの製造方法は、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回し、前記端末線の絶縁皮膜を剥離するコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有するものである。
また、本願に開示される回転電機のステータの製造方法は、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回すコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法によれば、製造工数および製造コストを削減できる回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る回転電機の断面模式図である。
図2】実施の形態1に係る回転電機のステータの斜視図である。
図3】実施の形態1に係るステータの要部拡大図である。
図4図4Aは、インシュレータの斜視図である。図4Bは、インシュレータの平面図である。図4Cは、インシュレータの側面図である。
図5】実施の形態1に係るバスバーと端末線の配置を示す要部斜視図である。
図6】実施の形態1に係る分割コイル巻装体の要部断面図である。
図7】実施の形態1に係るステータの組立工程を示すフローチャートである。
図8図8Aは、絶縁組立工程(第1工程)を示す図である。図8Bは、コイル巻回工程(第2工程)を示す図である。図8Cは、環状化工程(第3工程)を示す図である。
図9図9Aは、塗布工程(第4工程)を示す図である。図9Bは、端末線形成工程(第5工程)を示す図である。
図10図10Aは、挿入、圧入工程(第6工程)を示す図である。図10Bは、硬化工程(第7工程)を示す図である。
図11】実施の形態2に係る分割コイル巻装体の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法を、図に基づいて説明する。本明細書において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、というときは、それぞれ、固定子の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」をいうものとする。また、特に断り無く「上」、「下」に言及するときは、言及している場所において、軸方向に垂直な面を想定し、その面を境界として固定子の中心点が含まれる側を「下」、その反対を「上」とする。また、高さの高低を比較する場合は、固定子の中心からの距離が長い方を「高い」とする。
【0010】
図1は、実施の形態1に係る回転電機100の断面模式図である。
回転電機100は、円筒状のフレーム2、および、フレーム2の開口部を塞ぐ端板3からなるハウジング4と、フレーム2の内側に嵌め合い、あるいは、焼き嵌めによって固定されたステータ10と、端板3に配置されたベアリング6によって、ステータ10の内周面に外周面を対向させて回転可能に支持されたロータ20とを備えている。
【0011】
ロータ20は、例えば永久磁石型のロータであって、回転軸であるシャフト21と、シャフト21に固定された円環状のロータ鉄心22と、このロータ鉄心22の外周面側に埋設されて周方向に所定のピッチで配列されて磁極を構成する永久磁石23とを備えている。なお、ロータ20は、前述した永久磁石型に限らず、いわゆる、かご型ロータ、または、巻線型ロータなどであってもよい。
【0012】
図2は、回転電機100のステータ10の斜視図である。
図3は、ステータ10の要部拡大図である。
図4Aは、インシュレータ17の斜視図である。
図4Bは、インシュレータ17の平面図である。
図4Cは、インシュレータ17の側面図である。
【0013】
ステータ10は、磁極ピッチ毎に分割された分割鉄心11にインシュレータ17を介して分割鉄心11と電気的に絶縁されたコイル13(U相のコイル13U、V相のコイル13V、W相のコイル13W)を巻回した分割コイル巻装体14が、複数個、円環状に組み合わされて配置されている。そして、薄板銅板からなる円筒状のU相、V相、W相用のバスバー12U、バスバー12V、バスバー12W(以下、総称する場合はバスバー12とする)が、分割鉄心11の分割ヨーク部11Aの軸方向Zの端面を覆うインシュレータ17のインシュレータヨーク部17Yに、径方向Xに3層、間隔を空けた状態で挿入、固定され、それぞれ同相のコイル13同士を接続している。
【0014】
また、それぞれのバスバー12U、12V、12Wには、給電用のAC(Alternating Current)ターミナル15U、15V、15Wが接続されており、インバータなどから給電されることでコイル13に磁界が発生する。
【0015】
分割鉄心11は、薄板状の鋼板が、軸方向Zに複数枚積層されたものである。従って、ステータ10の軸方向Zと、積層方向は一致する。分割鉄心11の軸方向Zの両端には、絶縁材からなるインシュレータ17が装着されている。分割鉄心11は、隣り合う分割鉄心11同士を円環状に連結する際に周方向Yの端部同士が当接する分割ヨーク部11Aと、分割ヨーク部11Aからステータ10の中心軸側に突出するするティース部11Bからなり、コイル13はティース部11Bにインシュレータ17を介して巻回されている。
【0016】
コイル13は、絶縁皮膜が付いた導体線を巻回したものである。本実施の形態1では、磁極ピッチ毎に分割された分割鉄心11を用いた分割コイル巻装体14を用いているが、ヨーク部が円環状に繋がった一体型の鉄心、あるいは、隣り合う分割鉄心11の分割ヨーク部11A同士が薄肉で連結され、直線状に展開できる鉄心であってもよい。
【0017】
なお、本実施の形態1では、図3に示すように、隣り合う3つの分割コイル巻装体14は、内側から見て右側からU相、V相、W相であり、この、U相、V相、W相の並びを繰り返して円環状のステータ10を形成している。
【0018】
図4Bに示すように、インシュレータ17は、分割鉄心11の分割ヨーク部11Aの軸方向Zの端面を覆うインシュレータヨーク部17Yと、分割鉄心11のティース部11Bの軸方向Zの端面およびティース部11Bの周方向Yの両側面の予め定められた範囲を覆うインシュレータティース部17Tからなる。
【0019】
なお、本実施の形態1では、それぞれの分割鉄心11に装着された2つのインシュレータ17の間のティース部11Bの周方向Yの両側面には、分割鉄心11とコイル13とを電気的に絶縁するフィルムが配置されているが、軸方向の両端に装着された2つのインシュレータ17の脚部を軸方向Zの下方に延伸させることで、フィルムの代わりに分割鉄心11のティース部11Bとコイル13とを電気的に絶縁してもよい。
【0020】
図3に示すように、コイル13の、端末線13Eは、ステータ10の軸方向Zの一端側において、径方向Xの外側に向かって引き出されている。端末線13Eは、インシュレータ17のインシュレータヨーク部17Yに、径方向Xに延在するように設けられた後述する端末線配置経路17M1の上に配置されている。そしてインシュレータヨーク部17Yに配置された3つのバスバー12の内の予め定められた1つと接続されている。端末線13Eは、インシュレータヨーク部17Yに配置された部分のみ絶縁皮膜が剥離されており導通部が露出している。
【0021】
図5は、V相のバスバー12Vと端末線13EU、端末線13EV、端末線13EW(以下、総称する場合は端末線13Eとする)の配置を示す要部斜視図である。紙面下側がステータ10の内側となる。なお、U相のバスバー12U、W相のバスバー12Wは省略している。詳細を後述するスリット12Sが、図5中央部にあり、スリット12Sの左右の磁極ピッチ先にそれぞれ切り欠き12Kがある。
図6は、分割コイル巻装体14の要部断面図であり、凹部17Cの部分で軸方向Zに切断した断面図である。
【0022】
図5に示す端末線13Eの並び方は、右からU相、V相、W相とする。また、図3、6に示すインシュレータヨーク部17Yに配置された3つのバスバー12は、ステータ10の径方向Xの外側からU相用のバスバー12U、V相用のバスバー12V、W相用のバスバー12Wである。それぞれのバスバー12には、分割コイル巻装体14の総数の1/3の数の分割コイル巻装体14の端末線13Eが、スリット12Sに接続されている。
【0023】
バスバー12のインシュレータヨーク部17Yとの当接面側の端面(図5に示すバスバー12Vの下端参照)には、軸方向Zの上方に延びるスリット12Sと切り欠き12Kとが、磁極ピッチ毎に設けられている。図5では、V相の端末線13EVが、V相用のバスバー12Vのスリット12Sに接続されており、U相の端末線13EUおよびW相の端末線13EWは、バスバー12Vの下端に、上方に突出するように設けられた切り欠き12Kの中を径方向Xに通っている。それぞれのバスバー12には、分割コイル巻装体14の総数の2/3の数の切り欠き12Kが形成されている。
【0024】
スリット12Sは、下端の開口部の周方向Yの両側を開口部が斜めに拡大するように面取りした案内部12S1が設けられており、案内部12S1は、端末線13Eをスリット12Sに挿入する際にこれを案内する役割を有する。本実施の形態1では、案内部12S1は、45°の三角形状(C面取り)となっているが、任意の角度の三角形状、あるいは、任意の半径の円弧形状(R面取り)であってもよい。また、スリット12Sの軸方向Zの上端の形状は半円形、あるいは、矩形状、あるいは、台形状となっている。
【0025】
スリット12Sの周方向Yの幅Wは、端末線13Eの直径Rよりも小さくなっており、図5に示すV相の端末線13EVは、V相のバスバー12Vのスリット12Sに圧入されている。なお、図5では、V相のバスバー12Vを示しているが、U相の端末線13EUの場合は、U相のバスバー12Uのスリット12Sに圧入されており、W相の端末線13EWの場合は、W相のバスバー12Wのスリット12Sに圧入されている。
【0026】
バスバー12は、薄板銅板を用いてプレス抜きにより形成されており、スリット12Sの幅はバスバー12の板厚以上であることが望まれる。したがって、図5に示すように、バスバー12の板厚をT、端末線13Eの直径をRとすると、スリット12Sの幅Wは「T≦W<R」となる。
【0027】
切り欠き12Kの形状は、矩形状、あるいは、半円状、あるいは、台形状となっている。スリット12Sと同様にプレス抜きにより形成されている。切り欠き12Kの軸方向Zおよび周方向Yの幅は、コイル13の導体線13Lの直径よりも大きい。したがって、図5では端末線13EUおよび端末線13EWとバスバー12Vとは接触せず、全ての方向において、バスバー12Vと一定の空間距離Lを有している。
【0028】
空間距離Lとは、相間の絶縁距離のことであり、回転電機100の駆動時の最大電圧、絶縁部材の劣化条件、使用環境などから決定される。また、図5では切り欠き12Kによって端末線13EUと端末線13EWとがバスバー12Vと空間距離Lを有しているが、バスバー12Uの場合は、端末線13EVと端末線13EWとが切り欠き12Kによってバスバー12Uと空間距離Lを有しており、バスバー12Wの場合、端末線13EUと端末線13EVとが切り欠き12Kによってバスバー12Wと空間距離Lを有している。
【0029】
インシュレータヨーク部17Yとの当接面とは軸方向Zに反対側のバスバー12Vの上端には、突起12Tが磁極ピッチ毎に設けられている。突起12Tの位置は、スリット12Sおよび切り欠き12Kの軸方向Z上方となり、それぞれの周方向Yの位置は、スリット12Sおよび切り欠き12Kの周方向Yの位置と同じである。
【0030】
突起12Tは、スリット12Sおよび切り欠き12Kと同様にプレス抜きにより形成されており、矩形状、半円状、あるいは三角形状、あるいは、台形状となって軸方向Zの上方に突出している。
【0031】
また、突起12Tの周方向Yの幅は、軸方向Zの反対側がスリット12Sの場合は、スリット12Sの周方向Yの幅よりも大きく、反対側が切り欠き12Kの場合は、切り欠き12Kの周方向Yの幅よりも大きい。
【0032】
図4A図4C図6に示すように、インシュレータヨーク部17Yは、軸方向Zに突出し、周方向Yに延びる4つの円弧状のガイド17Gが、径方向Xに並んで形成されている。ガイド17Gを、径方向Xの内側からガイド17G1、ガイド17G2、ガイド17G3、ガイド17G4とすると、ガイド17G1とガイド17G2との間の周方向Yに延びる隙間17Sにバスバー12Wが挿入して固定されている。同様に、ガイド17G2とガイド17G3との間の周方向Yに延びる隙間17Sにバスバー12Vが、ガイド17G3とガイド17G4との間の周方向Yに延びる隙間17Sにバスバー12Uが挿入して固定されている。
【0033】
全てのガイド17G1~ガイド17G4には、径方向Xから見たときに同じ位置にそれぞれのガイド17Gを周方向Yに分割する、スリット17GS1、スリット17GS2、スリット17GS3、スリット17GS4(全て第2スリット)が形成されている。これらのスリット17GS1~スリット17GS4によって、インシュレータヨーク部17Yの軸方向Zの端面17YSには、インシュレータヨーク部17Yの径方向Xの内側から、径方向Xの外側に直線状に抜ける、端末線配置経路17M1が形成されている。図3では、端末線13EU、端末線13EV、端末線13EWが、インシュレータヨーク部17Yの軸方向Zの端面17YS上に形成された、それぞれの端末線配置経路17M1の上に配置されている。
【0034】
スリット17GS1~スリット17GS4の周方向Yの幅は、端末線13Eの直径よりも大きく、端末線13Eを端末線配置経路17M1の上に配置した後、周方向Yに移動可能な状態となっている。また、インシュレータヨーク部17Yの端面17YSの軸方向Zの高さは、インシュレータティース部17Tの軸方向Zの端面の高さよりも高くなっており、双方の間に、図6に示す段差17Dが設けられている。
【0035】
ガイド17G1~17G4によりインシュレータヨーク部17Yに形成された3ヶ所のバスバー12を挿入、固定できる隙間17Sの底部(インシュレータヨーク部17Yの軸方向Zの端面17YS)であって、端末線配置経路17M1の周方向Yの両側、すなわち径方向Xに隣り合うガイド17Gの間には、インシュレータヨーク部17Yの端面17YSよりも軸方向の下方に凹んだ円弧状の凹部17Cが形成されている。この凹部17Cは、端末線配置経路17M1の表面の軸方向Zの高さよりも低い位置でバスバー12の足12Aと、インシュレータヨーク部17Yとを固定できる構造となっている。
【0036】
凹部17Cには、接着剤45、あるいは、液状樹脂46が塗布されており、バスバー12が凹部17Cの底部に当接すると共に、接着剤45、あるいは、液状樹脂46によってインシュレータ17に固定される。なお、接着剤45、あるいは、液状樹脂46は後述する硬化工程を経ることで固形状に硬化している。
【0037】
また、端末線13Eにも接着剤45、あるいは、液状樹脂46を塗布することによって、端末線配置経路17M1の上、側面に固定してもよいし、端末線13Eを完全に覆い隠す程度まで接着剤45、または、液状樹脂46を塗布し、硬化させてもよい。
【0038】
そして、周方向Yに隣り合う2つの凹部17Cの間の端末線配置経路17M1の周方向Yの幅は、バスバー12のスリット12Sの軸方向Zの下端部の幅よりも狭くなっており、バスバー12の足12Aを凹部17Cの底部に突き当たるまで挿入する際に、スリット12Sの軸方向Zの下端部と端末線配置経路が干渉することを防いでいる。
【0039】
上述のように、段差17Dにより端末線配置経路17M1の表面の高さが、インシュレータティース部17Tの軸方向Zの端面の高さより高くなっている。したがって、端末線13Eは、この段差17Dを起点として径方向Xの外側の一部で、インシュレータヨーク部17Yの端面17YSとの間に隙間S1が生じている。すなわち、この隙間S1により、端末線13Eは、段差17Dを起点として軸方向Zに撓んでいる。
【0040】
図7は、ステータの組立工程を示すフローチャートである。
図8A図10Bは、回転電機100の製造方法を示す図である。
ロータ20の製造方法、および、製造済みのステータ10と、ロータ20とをハウジング4などと組み合わせる回転電機の製造方法は、一般的な製造方法と差異が無いため省略する。したがって、図8A図10Bに示す製造方法は、ステータ10のみの製造方法である。ステータ10の製造方法は以下に説明する7工程からなる。
【0041】
図8Aは、分割鉄心11にインシュレータ17を装着する絶縁組立工程(第1工程)を示す図である。
まず、図8Aに示すように、例えば、電磁鋼板などの薄板状の鋼板を分割ヨーク部11Aとティース部11BからなるT字形状にプレス抜きし、これを複数枚、積層して固定した分割鉄心11を組み立てる。
【0042】
この分割鉄心11のティース部11Bの軸方向Z(積層方向)の両端面にインシュレータを挿入する。一方のインシュレータ17が前述した端末線配置経路17M1などが形成された結線用のインシュレータ17であり、他方が、端末線配置経路17M1などが形成されていない反結線用のインシュレータである。なお、本実施の形態1では、前述の通り形状の異なるインシュレータを2個、分割鉄心11に挿入しているが、共に結線用のインシュレータ17を用いてもよい。
【0043】
分割鉄心11にインシュレータ17を挿入後、この分割鉄心11のティース部11Bのプレス抜きした側面、および、分割ヨーク部11Aの径方向Xの内側のプレス抜きした側面にフィルム16を固定する(ステップS001:絶縁組立工程)。固定方法は、例えば、両面テープを分割鉄心11の当該部分に貼った後にフィルム16を固定する、或いは、接着剤を当該部分に塗布した後にフィルム16を固定する方法などがある。
【0044】
なお、フィルム16の固定順番については、先にフィルム16を固定した後にインシュレータ17を分割鉄心11に挿入してもよい。また、インシュレータ17がティース部11B、および、分割ヨーク部11Aの側面(スロットの側面)を覆う部分を延長し、フィルム16が覆う部分までインシュレータによって絶縁する場合は、フィルム16を用いなくても、インシュレータ17のみで絶縁組立てしてもよい。
【0045】
図8Bは、コイル13をインシュレータ17を介してティース部11Bに巻回するコイル巻回工程(第2工程)を示す図である。
次に、絶縁皮膜が付いた導体線13Lをインシュレータティース部17Tに巻回する際に、巻始め線13S1の絶縁皮膜の一部を、例えば回転刃、あるいは、ブラシ、あるいは、レーザー照射などで予め剥離した後、巻線用の治具に巻始め線13S1をからげて固定する。そして、インシュレータティース部17Tの外周側、かつ、端末線配置経路17M1が形成された結線用のインシュレータ17側から導体線13Lを螺旋状に巻回してコイル13を形成する。
【0046】
コイル13の巻回後に、巻終り線13S2の絶縁皮膜の一部を巻始め線13S1と同様に剥離し、反結線用のインシュレータ17側に伸ばして導体線13Lを切断することで分割コイル巻装体14が得られる(ステップS002:コイル巻回工程)。
【0047】
導体線13Lを巻回後に巻線治具にからげた巻始め線13S1を取り外し、分割鉄心11の軸方向Z側に伸びた形状に形成する。巻終り線13S2も同様に形成する。端末線13Eとなる巻始め線13S1は、この第2工程により、コイル13の最も分割鉄心11のティース部11Bに近い最内層、かつ、径方向Xの外側から軸方向Zに伸延している状態となっている。
【0048】
図8Cは、コイル13の巻回が完了した分割コイル巻装体14を複数個円環状に配置して隣り合う分割コイル巻装体14同士を固定する環状化工程(第3工程)を示す図である。
次に、図8Cに示すように、本実施の形態1では36個の分割コイル巻装体14を円環状に配置した後、円環状のフレーム2の内側に、嵌め合い、または焼き嵌めることで固定する(ステップS003:環状化工程)。なお、分割鉄心11の隣り合う分割ヨーク部11A同士を溶接、接着、嵌め合いなどによりフレーム2を用いずに固定してもよい。また、フレーム2が円環状ではなく断面がC字形状となっており、フレーム2を挿入後にC字部の当接面同士を接触させた状態で接合してもよい。
【0049】
図9Aは、インシュレータ17のバスバー12との当接面に接着剤45、あるいは、液状樹脂46を塗布する塗布工程(第4工程)を示す図である。
次に、図9Aに示すように、インシュレータ17のインシュレータヨーク部17Yにある6ヶ所の凹部17Cに、例えば、先端が細いノズルN1などを用いて接着剤45或いは液状樹脂46を塗布する(ステップS004:塗布工程)。
【0050】
図9Bは、巻線工程(第2工程)で形成した端末線13E(巻始め線)をインシュレータヨーク部17Yに形成された端末線配置経路17M1に挿入する端末線形成工程(第5工程)を示す図である。
次に、図9Bに示すように、巻線工程において軸方向Zの上方に向かって延びるように形成された巻始め線13S1の先端を、例えば、図示しない開閉機構があるチャックで把持し、当該先端がインシュレータヨーク部17Yの端末線配置経路17M1の最外周側から径方向Xの外側に突出するように、巻始め線13S1の根本部分、すなわち、コイル13の最も内層から軸方向Zの上方に露出し始めている部分の根元が、径方向Xの外側に曲がるように形成する。これにより、巻始め線13S1が、端末線13Eとなって端末線配置経路17M1上に配置される(ステップS005:端末線形成工程)。
【0051】
図6に示すように、端末線形成工程によって、端末線13Eを曲げた際の弾塑性によって、段差17Dを起点として径方向Xの外側の一部で、端末線配置経路17M1と端末線13Eとの間に隙間S1を形成でき、段差17Dを起点として端末線13Eに軸方向Zに撓みを持たせることができる。
【0052】
図10Aは、バスバー12をインシュレータ17のインシュレータヨーク部17Yに挿入すると共に、バスバー12に形成されたスリット12Sに端末線13Eを圧入する挿入、圧入工程(第6工程)を示す図である。
次に、図10Aに示すように、バスバー12W、バスバー12V、バスバー12Uの順番で各相のバスバー12をインシュレータ17に挿入する。各バスバー12は、それぞれの相を構成するコイル13の端末線13Eの上に、スリット12Sが位置するように挿入される。
【0053】
バスバー12は、例えば、開閉機構があるチャックで切り欠き12Kの位置の軸方向Zの反対側の端部に形成された複数個所の突起12Tを把持すると共に、圧入時には、スリット12Sの位置の軸方向Zの反対側の端部に形成された、軸方向Zに突出する複数の突起12Tをインシュレータ17側に押圧するように圧入する(ステップS006:挿入、圧入工程)。
【0054】
例えば、W相用のバスバー12Wの場合は、インシュレータヨーク部17Yのガイド17G1とガイド17G2の間にある凹部17Cに下端の足12Aが当接するように挿入する。挿入時には、バスバー12Wのそれぞれのスリット12Sの位置が、12本ある端末線13EWの軸方向Zの上方にそれぞれ揃うように配置する。これにより、バスバー12Wのインシュレータ17への挿入と同時に、12本の端末線13EWをスリット12Sへそれぞれ圧入できる。
【0055】
前述の作業をV相、U相でも実施することによって3本のバスバー12を各相の端末線13Eと接続できる。また、異なる相の端末線13Eとバスバー12同士は、バスバー12に形成された切り欠き12Kにより空間距離Lを有して配置される。
【0056】
本実施の形態1では、径方向Xの内側からW相、V相、U相の順番でバスバー12を挿入しているが、U相からでもV相からでもよい。また、36個の分割コイル巻装体14を用いているが、Nを整数とした場合、3N個の分割コイル巻装体14を用いてもよい。その場合、各相の端末線13Eは、N本となり、これに対応して各相のバスバー12に形成されたスリット12SがNヶ所、切り欠き12Kが2Nヶ所となる。
【0057】
図10Bは、接着剤、または、液状樹脂を硬化させる硬化工程(第7工程)を示す図である。
次に、バスバー12とインシュレータ17とを、接着剤45或いは液状樹脂46を用いて固着する。図10Bに示すように、熱硬化性の接着剤45、または、エポキシ等の液状樹脂46を用いる場合は、例えば、恒温炉80、あるいは、誘導加熱、あるいは、コイル13に通電する際の抵抗熱で、液状樹脂46を加熱硬化させる。加熱硬化以外の方法として、UV硬化性の樹脂の場合はUV照射する。その他、自然乾燥などの常温保管による硬化なども考えられる(ステップS007:硬化工程)。
【0058】
図8Aから図10Bに示す製造方法でステータ10を製作し、ロータ20、ハウジング4などを組み合わせることで回転電機100を得ることができる。
【0059】
実施の形態1に係る回転電機のステータによれば、
回転電機のステータは、
インシュレータを介してコイルが分割鉄心に巻回された分割コイル巻装体を複数個円環状に配置した回転電機のステータであって、
銅板からなる円筒状のU相用、V相用、W相用の3つのバスバーが、径方向に3層、間隔を空けて並んだ状態で、前記分割鉄心の分割ヨーク部の軸方向の端面を覆う前記インシュレータのインシュレータヨーク部の周方向に延びる隙間にそれぞれ配置され、
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の1/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも小さい周方向の幅を有し、軸方向の上方に延びる第1スリットを下端に備え、
それぞれの相を構成する前記分割コイル巻装体の端末線が、当該相用のバスバーの前記第1スリットに接続されているので、
回転電機の製造工数および製造コストを削減できる。
また、同相の端末線13Eを同相のバスバー12のスリット12Sに圧入することで12ヶ所のコイル13とバスバー12を一度の作業で結線できる。
また、バスバー12をインシュレータヨーク部17Yに挿入すると共に複数のコイル13の結線が可能なため、従来、分かれていた挿入工程と圧入(結線)工程を1工程に集約できるため、設備投資が抑制でき、かつ、面積生産性の良好な回転電機のステータの製造方法が実現できる。
また、スリット12Sの幅は、絶縁皮膜を剥離した端末線13Eの直径よりも小さいため、端末線13Eとスリット12Sの当接面が互いに反力を持って押圧できる構造となっている。したがって、双方の当接部の接触抵抗が小さく、接触部が発熱源になることがなくロスが少ない高効率の回転電機が得られる。
【0060】
また、それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の数の2/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも軸方向および周方向の幅が大きい切り欠きを備え、
前記切り欠きの中に異なる相の前記端末線が、前記バスバーとの間に空間を有して配置されているので、
バスバー12に設けられた切り欠き12Kは、異なる相の端末線13Eと近接しているが回転電機に求められる絶縁耐力を実現可能な空間距離Lを持つような形状で形成されているため、予め絶縁皮膜が剥離された端末線13Eを用いても双方の絶縁性を良好に維持できる。
【0061】
また、前記バスバーは、軸方向の上端に、軸方向の上方に突出する複数の突起を備え、前記突起の周方向の位置は、前記第1スリットまたは前記切り欠きの位置と同じであるので、
バスバー12を把持する場所、およびインシュレータヨーク部17Yにバスバー12を挿入し、スリット12Sに端末線13Eを圧入する際に押圧する場所として同じ突起12Tを利用することができるので、ステータ10の構成部品(インシュレータ17など)に設備のツールが干渉することがなく、生産性が良好な回転電機のステータ、回転電機および回転電機のステータの製造方法が得られる。
【0062】
また、前記インシュレータヨーク部は、径方向に並び、周方向に延びる円弧状の4つのガイドを備え、前記隙間は、径方向に隣り合う前記ガイドの間に形成されているので、
異なる相用のバスバー同士を確実に絶縁できる。
【0063】
また、前記インシュレータヨーク部の端面の軸方向の高さは、前記分割鉄心のティース部の軸方向の端面を覆うインシュレータティース部の軸方向の端面の高さよりも高く、前記インシュレータヨーク部の軸方向の端面と前記インシュレータティース部の軸方向の端面との間に段差が形成されているので、
図6図9Bに示すように、端末線成形工程(第5工程)において、段差17Dを起点に径方向Xの外側の一部で、端末線13Eに軸方向Zに撓みを持たせている。したがって、回転電機100の製造工程、あるいは、使用中に発生する振動によってバスバー12が径方向に振動して端末線13Eが引っ張られる応力、あるいは、圧縮される際に発生する応力を当該撓み部で緩和でき、スリット12Sと端末線13Eの当接部(圧入部)のフレッチングコロージョンの発生を抑制でき、結線の不具合に対する耐性が高い、信頼性良好な回転電機のステータ、回転電機、および回転電機のステータの製造方法が得られる。
また、図8Bに示す巻線工程(第2工程)において分割鉄心11の積層方向に伸ばした端末線13E(巻始め線13S1)を、端末線配置経路17M1の表面に当接するように曲げ形成することで、段差17Dを作用点として、前述の通りに撓み部を形成でき、端末線13Eの撓み部を形成するための別工程が不要である。
【0064】
また、それぞれの前記ガイドには、径方向から見たときに同じ位置に前記ガイドを周方向に分割する、第2スリットが形成され、全ての前記第2スリットを通って前記インシュレータヨーク部の径方向内側から、径方向外側に直線状に抜ける、前記端末線を配置する端末線配置経路が、前記インシュレータヨーク部の端面に形成されているので、
また、インシュレータヨーク部17Yのガイド17G1~17G4に設けられた端末線配置経路17M1によって端末線13Eの配置位置を定めることができるため、バスバー12のスリット12Sに端末線13Eを容易に挿入、圧入できる。また、切り欠き12Kと異なる相の端末線13Eとの空間距離Lのばらつきを抑制できるため、切り欠き12Kの寸法をより小さく形成できる。
また、コイル13から延びる端末線13E(巻始め線13S1)をコイル13部分から圧入するスリット12Sまで、最短経路でつなぐことができるので、端末線13Eの長さを短縮できる。したがって、ステータ10の磁界の発生に寄与しない導体線部分が減少し、銅損を低減して出力密度が高い回転電機100が得られる。また、端末線13Eが短縮されるため、導体線13Lの使用量が減り、安価かつ軽量な回転電機100が得られる。
また、端末線13Eは、インシュレータヨーク部17Yの端末線配置経路17M1の上に当接した状態で配置されており、バスバー12のスリット12Sに端末線13Eを圧入する際に端末線13Eが軸方向Zに曲がって圧入不良、接触不良の発生を抑制できるため、生産性が良好な回転電機のステータの製造方法が得られる。
【0065】
また、前記端末線配置経路の周方向両側であって径方向に隣り合う前記ガイドの間には、前記インシュレータヨーク部の端面よりも軸方向の下方に凹んだ凹部が形成され、前記端末線配置経路を挟んで周方向に隣り合う2つの前記凹部の間の前記端末線配置経路の周方向の幅は、前記第1スリットの軸方向の下端部の周方向の幅よりも狭いので、
バスバー12の圧入時にスリット12Sが端末線配置経路17M1に干渉することが無く、端末線13Eがスリット12Sにはまり込んだ後は、バスバー12の周方向の振動によるズレの発生を抑制することができる。
【0066】
また、前記バスバーと前記インシュレータヨーク部とは、前記凹部の中で、接着剤または樹脂によって固定されているので、バスバー12をインシュレータヨーク部17Yに確実に固定できる。
【0067】
また、前記切り欠きは、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかであるので、当該バスバー12と異なる相の端末線13Eとの絶縁距離を確保できる。
【0068】
また、前記突起は、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかであるので、
バスバー12の突起12Tの幅は、軸方向Zの下方にスリット12Sが存在する場合は、スリット12Sの幅よりも大きく、軸方向Zの下方に切り欠き12Kが存在する場合は、切り欠き12Kの幅よりも大きくでき、スリット12Sおよび切り欠き12Kにより減少したバスバー12の断面積を増することによって、局所的に電流密度が上昇する「断面積矮小部」の形成を抑制することができる。したがって、電流密度上昇による局所的な発熱を抑制し、インシュレータ17、接着剤など、バスバー12に当接する部品の熱による劣化を抑制することができる。
【0069】
また、前記端末線は、絶縁被膜が取り除かれているので、バスバーをインシュレータヨーク部17Yの隙間17Sに挿入するだけで結線できる。
【0070】
また、前記端末線は、前記第1スリット内の絶縁被膜のみが取り除かれている。これは、バスバー12を端末線13Eの上方から圧入するだけでスリット12Sによって絶縁皮膜を除去できるからである。
【0071】
また、実施の形態1に係る回転電機は、
前記回転電機のステータと、前記ステータに外周面が対向して回転可能に支持されたロータとを備えるので、回転電機の製造工数および製造コストを削減できる。
【0072】
また、実施の形態1に係る回転電機のステータの製造方法は、
回転電機のステータの製造方法であって、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回し、前記端末線の絶縁皮膜を剥離するコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有するので、
製造工数および製造コストを削減できる。
【0073】
実施の形態2.
以下、実施の形態2に係る回転電機のステータ、回転電機および回転電機ステータの製造方法を、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、分割コイル巻装体14の要部断面図であり、凹部17Cの部分で軸方向Zに切断した断面図である。
実施の形態1との違いは、端末線13Eの絶縁皮膜13EZが残っている点である。同相の端末線13Eとバスバー12とは、バスバー12のインシュレータ17との当接面側に設けられたスリット12Sに、端末線13Eが圧入されている点で実施の形態1と同様であるが、図10Aに示す挿入、圧入工程(第6工程)において、スリット12Sが端末線13Eの絶縁皮膜13EZを除去、剥離しながら圧入されている点が異なる。
【0074】
絶縁皮膜13EZが除去された後、端末線13Eの導体線13Lが露出した部分とスリット12Sが当接面で互いに押圧し合うことで同相のコイル13とバスバー12とを結線できる。
【0075】
回転電機100の製造方法についても、実施の形態1と巻線工程(第2工程)を除いて同様である。巻線工程(第2工程)については、端末線13E(巻始め線13S1)の絶縁皮膜13EZを剥離する作業が無い点が実施の形態1と異なる。
【0076】
本実施の形態2に係る回転電機ステータ、回転電機、回転電機のステータの製造方法によれば、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回すコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有するので、
予め巻線工程で絶縁皮膜13EZを剥離する必要がないため、設備投資を抑制でき、かつ、面積生産性の良好な回転電機100の製造方法が得られる。
【0077】
また、スリット12Sとの圧入部分以外の端末線13Eの表面に絶縁皮膜13EZが残っているため、異なる相のバスバー12との絶縁性が良好な回転電機100が得られる。また、バスバー12の切り欠き12Kを小さくできるため、切り欠き12K位置の軸方向Zの反対側の端部に設ける突起12Tも縮小できる。したがって、ステータ10の軸長を小さくできるため、更に小型の回転電機100が得られる。
【0078】
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【0079】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0080】
(付記1)
インシュレータを介してコイルが分割鉄心に巻回された分割コイル巻装体を複数個円環状に配置した回転電機のステータであって、
銅板からなる円筒状のU相用、V相用、W相用の3つのバスバーが、径方向に3層、間隔を空けて並んだ状態で、前記分割鉄心の分割ヨーク部の軸方向の端面を覆う前記インシュレータのインシュレータヨーク部の周方向に延びる隙間にそれぞれ配置され、
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の1/3の数の、前記コイルの導体線の直径よりも小さい周方向の幅を有し、軸方向の上方に延びる第1スリットを下端に備え、
それぞれの相を構成する前記分割コイル巻装体の端末線が、当該相用のバスバーの前記第1スリットに接続されている回転電機のステータ。
(付記2)
それぞれの前記バスバーは、前記分割コイル巻装体の数の2/3の数の、前記コイルの導体線の直径より軸方向および周方向の幅が大きい切り欠きを備え、
前記切り欠きの中に異なる相の前記端末線が、前記バスバーとの間に空間を有して配置されている付記1に記載の回転電機のステータ。
(付記3))
前記バスバーは、軸方向の上端に、軸方向の上方に突出する複数の突起を備え、前記突起の周方向の位置は、前記第1スリットまたは前記切り欠きの位置と同じである付記2に記載の回転電機のステータ。
(付記4)
前記インシュレータヨーク部は、径方向に並び、周方向に延びる円弧状の4つのガイドを備え、前記隙間は、径方向に隣り合う前記ガイドの間に形成されている付記1から付記3のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
(付記5)
前記インシュレータヨーク部の端面の軸方向の高さは、前記分割鉄心のティース部の軸方向の端面を覆うインシュレータティース部の軸方向の端面の高さよりも高く、前記インシュレータヨーク部の軸方向の端面と前記インシュレータティース部の軸方向の端面との間に段差が形成されている付記1から付記4のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
(付記6)
それぞれの前記ガイドには、径方向から見たときに同じ位置に前記ガイドを周方向に分割する、第2スリットが形成され、全ての前記第2スリットを通って前記インシュレータヨーク部の径方向内側から、径方向外側に直線状に抜ける、前記端末線を配置する端末線配置経路が、前記インシュレータヨーク部の端面に形成されている付記4に記載の回転電機のステータ。
(付記7)
前記端末線配置経路の周方向両側であって径方向に隣り合う前記ガイドの間には、前記インシュレータヨーク部の端面よりも軸方向の下方に凹んだ凹部が形成され、前記端末線配置経路を挟んで周方向に隣り合う2つの前記凹部の間の前記端末線配置経路の周方向の幅は、前記第1スリットの軸方向の下端部の周方向の幅よりも狭い付記6に記載の回転電機のステータ。
(付記8)
前記バスバーと前記インシュレータヨーク部とは、前記凹部の中で、接着剤または樹脂によって固定されている付記7に記載の回転電機のステータ。
(付記9)
前記切り欠きは、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかである付記2または付記3に記載の回転電機のステータ。
(付記10)
前記突起は、矩形状、円状、三角形状、台形状のいずれかである付記3に記載の回転電機のステータ。
(付記11)
前記端末線は、絶縁被膜が取り除かれている付記1から付記10のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
(付記12)
前記端末線は、前記第1スリット内の絶縁被膜のみが取り除かれている付記1から付記10のいずれか1項に記載の回転電機のステータ。
(付記13)
付記11または付記12に記載の回転電機のステータと、前記ステータに外周面が対向して回転可能に支持されたロータとを備える回転電機。
(付記14)
付記11に記載の回転電機のステータの製造方法であって、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回し、前記端末線の絶縁皮膜を剥離するコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有する回転電機のステータの製造方法。
(付記15)
付記12に記載の回転電機のステータの製造方法であって、
前記分割鉄心に前記インシュレータを装着する絶縁組立工程と、
前記コイルを前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回すコイル巻回工程と、
前記コイルの巻回が完了した前記分割コイル巻装体を複数個円環状に配置して隣り合う前記分割コイル巻装体同士を固定する環状化工程と、
前記インシュレータの前記バスバーとの当接面に接着剤又は液状樹脂を塗布する塗布工程と、
前記端末線を前記インシュレータの軸方向の端面に沿うように形成する端末線形成工程と、
各相用の前記バスバーを、それぞれの相を構成する前記コイルの前記端末線の軸方向の上に前記第1スリットが位置するように配置して挿入し、前記端末線を前記第1スリットに圧入する挿入、圧入工程と、
前記バスバーと前記インシュレータとを固着する硬化工程とを有する回転電機のステータの製造方法。
【符号の説明】
【0081】
100 回転電機、10 ステータ、11 分割鉄心、11A 分割ヨーク部、
11B ティース部、12,12U,12V,12W バスバー、12K 切り欠き、
12S スリット、12S1 案内部、12T 突起、12A 足、13 コイル、
13E,13EU,13EV,13EW 端末線、13EZ 絶縁皮膜、
13L 導体線、13S1 巻始め線、13S2 巻終り線、
13U,13V,13W コイル、14 分割コイル巻装体、15U ターミナル、
16 フィルム、17 インシュレータ、17C 凹部、17D 段差、
17G,17G1,17G2,17G3,17G4 ガイド、
17GS1,17GS2,17GS3,17GS4 スリット、
17M1 端末線配置経路、17S 隙間、17T インシュレータティース部、
17Y インシュレータヨーク部、17YS 端面、2 フレーム、20 ロータ、
21 シャフト、22 ロータ鉄心、23 永久磁石、3 端板、4 ハウジング、
45 接着剤、46 液状樹脂、6 ベアリング、80 恒温炉、L 空間距離、
N1 ノズル、S1 隙間。
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