(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153979
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067529
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕一郎
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA50
2C333CA76
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】複数の予告演出を備えた遊技機において、予告演出が単調になることがなく、意外性のある演出を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機は、それぞれの異なる予告演出を複数のタイミングで行うことができ、異なるタイミングで予告演出を行う場合に、タイミングが後に行われる予告演出がその前のタイミングで行われた予告演出よりも大当り期待度が低いものが選ばれた場合には、大当り期待度が高いという意外性があり、予告演出の組合せの種類を減らすことなく単調にならないようにすることができる。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の有利遊技条件の成立に起因して、通常遊技に比して遊技者に有利な有利遊技を実行する有利遊技制御手段と、
前記有利遊技が実行されることとなる期待度が相互に異なる複数の予告演出と、複数の予告演出によって、前記有利遊技の実行を予告する予告演出を制御する予告演出手段と、
を備えた遊技機において、
前記予告演出手段は、第1のタイミングで実施する前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出と前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出よりも期待度が低い予告演出から選択される第1予告演出と、前記第1予告演出より後の第2のタイミングで実施する前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出と前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出よりも期待度が低い予告演出から選択される第2予告演出を備え、
前記第1予告演出で期待度の高い予告演出が実施された後の第2のタイミングで前記第2予告演出が期待度の低い予告演出が選択された場合の前記有利遊技を実行する期待度は、前記第1予告演出及び前記第2予告演出で期待度の高い予告演出が選ばれた場合以上の前記有利遊技を実行する期待度となることを特徴する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の予告演出を実行可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機(例えばパチンコ機)では、始動入賞が発生すると乱数を抽出して、当否判定を行なう。そして、当否判定の結果を遊技者に告知するまでの間に、図柄を所定時間変動させている。この間に様々な演出を行ない、当否判定の結果を示唆するといったことが行なわれている。こうした演出を予告演出と呼ぶことにする。また、多くのパチンコ機では、既に図柄が変動中などの理由で新たに始動入賞が発生しても当否判定を実行できない状況においては、抽出した乱数を記憶(保留記憶)し、当否判定可能な状況になってから図柄変動を開始する。この保留記憶している間にも、記憶した乱数を参照して、その当否を示唆する予告演出(先読み演出)や第1段階から演出態様が段階的に変化し、大当たりとなる場合には大当たりとならない場合よりも、より先の段階まで演出態様が変化するステップアップ予告や、期待度を表示された色で表すもの等が行なわれている。
【0003】
このような遊技機の場合に種類の異なる予告演出を同一の変動内で行う場合に、例えば先読み演出において現在の変動が大当りの期待度が高い示唆を行い、先読み演出で期待度が示された後にステップアップ演出では大当りの期待度が低い示唆が行われることも考えられる。この場合に既に大当たりの期待感が高められたところで、大当たりをあまり期待できない演出が実行されると、その演出は、遊技者にとって煩わしいものと感じられてしまう虞がある。その為、先読み演出で期待度が高い示唆が行われた場合にはステップアップ演出は第2段階や第3段階から表示する遊技機が提案されている(例えば特許文献1)。こうした複数の予告演出を実行する場合に、両者を実行し得ることの相乗効果を得るとともに、無駄な演出の実行を極力避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、先読み演出の期待度が高い場合に必ず第1段階を飛ばして第2や第3段階から表示されるようにすると、意外性が無くなりステップアップするか否かの楽しみが減少してしまい、先に表示される先読み演出への興味のみで、その後に表示されるステップアップ演出に興味が無くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、所定の有利遊技条件の成立に起因して、通常遊技に比して遊技者に有利な有利遊技を実行する有利遊技制御手段と、
前記有利遊技が実行されることとなる期待度が相互に異なる複数の予告演出と、複数の予告演出によって、前記有利遊技の実行を予告する予告演出を制御する予告演出手段と、
を備えた遊技機において、
前記予告演出手段は、第1のタイミングで実施する前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出と前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出よりも期待度が低い予告演出から選択される第1予告演出と、前記第1予告演出より後の第2のタイミングで実施する前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出と前記有利遊技を実行する期待度が高い予告演出よりも期待度が低い予告演出から選択される第2予告演出を備え、
前記第1予告演出で期待度の高い予告演出が実施された後の第2のタイミングで前記第2予告演出が期待度の低い予告演出が選択された場合の前記有利遊技を実行する期待度は、前記第1予告演出及び前記第2予告演出で期待度の高い予告演出が選ばれた場合以上の前記有利遊技を実行する期待度となることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、予告演出遊技を複数のタイミングで行う場合に、後に行われる予告演出で前に行われた予告演出よりも大当り期待度が低いものが選ぶことができ、前に行われた予告演出よりも大当り期待度が低いものが選択された場合には大当り期待度が高くなるという意外性があり、単調にならず後の予告演出にも興味を抱かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。
【
図3】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施例のパチンコ機1における遊技の仕様の一部を説明する図表である。
【
図5】メインルーチンの概要を示すフローチャートである。
【
図7】当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図8】当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図9】当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図10】当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図11】大当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図12】大当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図13】大当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図14】実施例1における、第1~第9期待演出を構成するタイトル図柄121a~121c、セリフ図柄123a~123c、およびカットイン図柄126~128の説明図である。
【
図15】実施例1における、第1~第9期待演出の構成を示す説明図である。
【
図16】第一~第三期待演出選択テーブルに設定された第1~第9期待演出の選択確率を示す説明図である。
【
図17】第一~第三期待演出選択テーブルを選択する確率を示す説明図である。
【
図18】擬似演出制御処理を示すフローチャートである。
【
図19】実施例1における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図1である。
【
図20】実施例1における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図2である。
【
図21】実施例1における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図3である。
【
図22】実施例1における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図4である。
【
図23】実施例2における、キャラ図柄125a~125c、星図柄129a~129cを示す説明図である。
【
図24】実施例2における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図1である。
【
図25】実施例2における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明
図2である。
【
図26】実施例2における、第1~第9期待演出の構成を示す説明図である。
【
図27】別例における、演出図柄表示装置6で表示する演出態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
【0010】
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0011】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を高めたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0012】
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0013】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(
図3参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、ジョグダイヤル68が設けられている。
【0014】
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0015】
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、常時遊技球を入球可能に構成されている一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能とする構成である。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能に構成されている。
【0016】
さらに、センターケース5の右下方(普通電動役物13の下方)には、大入賞口14が配設されている。大入賞口14は特別電動役物15により構成されており、該特別電動役物15は、大入賞口14を閉鎖する起立位置と該起立位置から前方へ傾動して開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球可能な開放状態とする。こうした特別電動役物15は、前記開閉片を開閉作動させる大入賞口ソレノイド14b(
図3参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することによって大入賞口14を前記閉鎖状態と開放状態とに夫々変換制御できる。
【0017】
また、第一始動口11の左方には、三個の一般入賞口31が配設され、該第一始動口11の右方には、一個の一般入賞口31が配設されている。これら一般入賞口31は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
【0018】
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。
【0019】
図3は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。
そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
【0020】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ31a等からの検出信号が入力される。
【0021】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板71を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bおよび普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで大入賞口14を開閉制御し、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
【0022】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0023】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0024】
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置95とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置95に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0025】
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0026】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
【0027】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
【0028】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンドに基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0029】
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0030】
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
本実施例のパチンコ機の仕様は
図4のようになっており、
遊技領域に発射された遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過(
図3の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物の翼片が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入賞可能となる。ここで、普通電動役物の翼片は、一回の普通図柄の当りによって、後述の非開放延長モードで0.2秒間の開放を一回実行し、後述の開放延長モードで1秒間の開放を三回実行する。
【0031】
第一始動口11に遊技球が入球(
図3の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
また、第二始動口12に遊技球が入球(
図3の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。こうした第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動した特別演出図柄の変動表示を行う(
図19参照)。この演出図柄表示装置6での特別演出図柄の変動表示と該特別演出図柄の停止態様の表示とによって、遊技者は各特別図柄の変動や当否結果(当りか否か)を知得できる。ここで、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口11と第二始動口12への入球順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。具体的には、第一特別図柄の保留記憶がある場合に、第二特別図柄の変動が停止し且つ該第二特別図柄の保留記憶が無い状態となると、保留記憶されている第一特別図柄の変動を開始する。
【0032】
第一特別図柄表示装置9で停止した第一特別図柄および第二特別図柄表示装置10で停止した第二特別図柄が所定の大当り態様であると、大入賞口14を開閉する大当り遊技を実行する。また、演出図柄表示装置6では、第一特別図柄および第二特別図柄の大当り態様に対応する停止態様で特別演出図柄が停止表示される。
【0033】
大当り遊技では、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを所定回数(例えば、16回)繰り返し実行する。大入賞口14は、後述する大入賞口ソレノイド14bの駆動によって開閉作動する扉部材を備えており、該扉部材の開閉作動により、遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される。そして、扉部材による所定の開閉動作によって、一回の開閉ラウンドが実行される。大当り遊技では、この開閉ラウンドが、16回(16R)繰り返される。
【0034】
本実施例のパチンコ機1は、確率変動機として構成されている。すなわち、本構成による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と該大入賞口14を開放する上記の大当り遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常遊技状態という)と、該通常遊技状態に比べて特別図柄の当選確率が高くなる高確率状態(以下、確率変動状態という)とが設定されており、大当り遊技の終了後に、該通常遊技状態と確率変動状態とのいずれかに移行する。ここで、確率変動状態は、各特別図柄の当り態様が所定の確率変動図柄による態様であった場合に、大当り遊技終了後に実行され、通常遊技状態は、各特別図柄の当り態様が所定の非確率変動図柄による態様であった場合に、大当り遊技終了後に実行される。
【0035】
本実施例にあって、前記特別図柄の当選確率(特別図柄が大当り態様で停止する確率)が相互に異なる通常モードと確変モードとを備えており、前記通常遊技状態で通常モードが有効となり、確率変動状態で確変モードが有効となる。ここで、通常モードにおける特別図柄の当選確率が1/300に設定されており、確変モードにおける特別図柄の当選確率が1/30に設定されている。
確率変動状態では、特別図柄の当選確率を確変モードとすると共に、特別図柄および普通図柄の変動時間を前記通常遊技状態に比して短縮し且つ普通電動役物の開放時間を該通常遊技状態に比して延長する開放延長モードとする。一方、前記の通常遊技状態では、前記通常モードおよび非開放延長モードとする。
こうした確率変動状態は、特別図柄が大当りとなること、又は特別図柄の変動回数が規定回数(例えば、100回)に達することによって終了する。
【0036】
また、各始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口31に遊技球が入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口11への入球毎に3個の賞球が、第二始動口12への入球毎に5個の賞球が、大入賞口14への入球毎に13個の賞球が、一般入賞口31への入球毎に5個の賞球が払い出される。
【0037】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図5に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0038】
ここで、否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
【0039】
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図6のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、上記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
【0040】
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
【0041】
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図7~10のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンから実行される処理である。
【0042】
当否判定処理では、
図7に示すように、特別電動役物15の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図9のS260に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図10のS300に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0043】
S165では、第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S175に進む。
S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第二保留記憶を選択し、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S185に進む。
【0044】
S175では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、当否判定処理を終了する。S180では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第一保留記憶を選択し、上記S170と同様に、当該第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させ、その後に、S185に進む。尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
【0045】
S185では、確率変動状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S185:Yes)、S190に進み、否定判定の場合には(S185:No)、S195に進む。
【0046】
S190では、確変モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS190の処理後に、
図8のS200に進む。
【0047】
一方、S195では、通常モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS195の処理後に、
図8のS200に進む。
【0048】
図8のS200では、S190又はS195の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。
【0049】
S210の変動パターン決定処理では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。さらに、リーチ演出の実行有無とリーチ演出の種別(後述するノーマルリーチ演出およびスペシャルリーチ演出)とを決定する。
詳述すると、確変フラグに応じて、選定可能な特別図柄の変動時間が予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等に従って特別図柄の変動時間が決定される。すなわち、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非開放延長モードであることから、非開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、消化した保留記憶の変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により特別図柄の変動時間を決定する。一方、確変フラグ=1の場合(確変遊技状態)には、特別図柄の変動時間を短縮する開放延長モードであることから、開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により変動時間を決定する。
尚、リーチ判定乱数は、予め定められた各種リーチ演出(後述するノーマルリーチ演出およびスペシャルリーチ演出)を実行するか否かを決定するために用いられる。
【0050】
続くS215では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S250に進む。
【0051】
一方、S200の否定判定から続くS220では、S190又はS195の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S220:Yes)、S225に進み、否定判定の場合には(S220:No)、S240に進む。
【0052】
S225では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S230に進む。S230では、上記したS210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。
このS230の後に、S235に進む。S235では、小当り遊技における大入賞口の開放パターン、小当り遊技に係る演出時間、および小当り遊技の演出態様などを設定し、S250に進む。
【0053】
さらに、S220の否定判定から続くS240では、前記S210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間と変動パターンとを決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS240の後に、S245に進み、ハズレにかかる処理を行う。そして、S250に進む。尚、本実施例では、S240でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S240の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0054】
S250では、前記S170およびS180でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、前記S190又はS195による抽選結果(大当り、小当り、又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S205で決定した大当り遊技内容や特別図柄の変動時間や特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶か第二保留記憶かを示す情報と、各種リーチ演出を実行するか否かの情報とを含む。さらに、消化された保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置9または第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第一特別図柄または第二特別図柄を変動開始させ、当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第一保留記憶数および第二保留記憶数、特別図柄の変動時間、各種リーチ演出の有無、当否判定結果、特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に対応する特別演出図柄の表示を開始する。
【0055】
上記したS155の肯定判定から続く
図9のS260では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S260:Yes)、S265に進み、否定判定の場合には(S260:No)、当否判定処理を終了する。S265では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205で決定した大当り図柄、S225で決定した小当り図柄、又はS240で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0056】
また、上記したS160の肯定判定から続く
図10のS300では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、当否判定処理を終了する。
S305では、特別図柄の確定表示を終了し、S310に進む。S310では、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S315に進み、否定判定の場合には(S310:No)、S360に進む。S315では、確率変動状態であることを示す確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、S340に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S340)、条件装置作動開始処理(S345)、役物連続作動装置作動開始処理(S350)、大当り開始演出処理(S355)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
ここで、本実施例の状態指定コマンド送信処理(S340)にあっては、確変フラグがクリアされた場合に(S320)、確変遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0057】
一方、S310の否定判定から続くS360では、確変フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S360:Yes)、確変モード中に実行可能な当否判定の残り回数(確変回数)を参照する(S365)。そして、確変回数=0である場合には(S365:Yes)、確変フラグをクリアし(S370)、S390に進む。S390では、状態指定コマンド送信処理を実行し、S395に進む。この状態指定コマンド送信処理(S390)では、確変フラグがクリアされた場合に(S370)、確変遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0058】
S395では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S395:Yes)、S400に進み、特別電動役物作動開始処理(S400)、小当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S395で否定判定の場合(S395:No)には、当否判定処理を終了する。
【0059】
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図11~13のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理から実行される処理である。
【0060】
大当り遊技処理では、
図11に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0061】
S505では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図12のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。S510では、大当り遊技における各開閉ラウンドのインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図12のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図13のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
【0062】
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。S525では、大入賞口開放処理を実行し、大入賞口14を開放させる。S525の後に、大当り遊技処理を終了する。
【0063】
上記のS505の肯定判定から続く
図12のS550では、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、大入賞口14の開放時間(例えば、30秒間)が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口閉鎖処理を実行し、大入賞口14を閉鎖させる。S560の後に、S565に進む。S565では、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0064】
一方、上記のS510の肯定判定から続くS570では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンド(16ラウンド)の終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。S585では、大入賞口開放処理を実行し、大入賞口14を開放させる。S585の後に、大当り遊技処理を終了する。
【0065】
また、上記のS515の肯定判定から続く
図13のS600では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、大当り遊技後に確率変動状態に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S615:Yes)、確率変動状態を継続する大当り抽選の回数(確変回数)を設定し(S620)、確変フラグをセットし(S625)、S640に進む。S640とS645とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0066】
次に、本発明の要部について、実施例1、2で説明する。
【実施例0067】
前述したように、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される変動開始コマンドに従って、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cを表示制御する。具体的に言うと、サブ統合制御装置83は、変動開始コマンドを受信すると、該変動開始コマンドに含まれる情報に基づいて、特別演出図柄101a~101cの変動開始から確定停止に至る一連の擬似特別演出とリーチ演出とを表示するための擬似演出表示パターンを決定し、該擬似演出表示パターンに従って演出図柄表示装置6で擬似特別演出とリーチ演出とを表示制御する(
図19~
図22参照)。尚、リーチ演出を実行しない場合には、擬似演出表示パターンに従って、擬似特別演出が表示されて、リーチ演出を表示しない。
【0068】
リーチ演出の実行か否か(ノーマルリーチ演出またはスペシャルリーチ演出を実行するかリーチ演出の非実行か)は、前述したように、主制御装置80による当否判定処理で決定され、これら情報が変動開始コマンドによりサブ統合制御装置83に送信される。サブ統合制御装置83は、変動開始コマンドの情報にリーチ演出の実行が含まれていると、該変動開始コマンドに含まれる当否判定結果の情報(大当り、小当り、又はハズレ)と特別図柄の変動時間の情報等に従って、リーチ演出の演出態様を決定し、決定したリーチ演出の演出態様を表示するための擬似演出表示パターンを決定する。
ここで、実施例1にあっては、リーチ演出として、ノーマルリーチのみの演出(以下、ノーマルリーチ演出と言う)と、ノーマルリーチからスペシャルリーチに発展する演出(以下、スペシャルリーチ演出と言う)との2種類が設定されており、リーチ演出が実行される場合に、いずれか一方のリーチ演出が選択決定される。尚、本実施例にあって、ノーマルリーチ演出は、当否判定結果がハズレの場合に選択される可能性があるものの、該当否判定結果が大当りの場合には選択されない。一方、スペシャルリーチ演出は、当否判定結果が大当りの場合に必ず選択され、該当否判定結果がハズレの場合にも選択される。そのため、スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して、遊技者に大当りの発生を期待させることができ、大当り確定することとなる期待度(換言すると、特別演出図柄101a~101cが所定の大当り停止態様で確定停止することとなる期待度)が高いものとなっている。
上記ではノーマルリーチ演出は、該当否判定結果が大当りの場合には選択されないとしたが、稀に大当りの場合に選択されるようにしてもよい。
【0069】
さらに、実施例1では、スペシャルリーチ演出中に、前記期待度を示唆する期待演出が表示される。この期待演出は、スペシャルリーチ演出中に表示されるタイトル図柄121a~121c、セリフ図柄123a~123c、およびカットイン図柄126~128により構成されており(
図14)、これらの組み合わせによって、第1~第9期待演出の9種類が設定されている(
図15)。ここで、タイトル図柄121a~121cとセリフ図柄123a~123cとには、
図14に示すように、白色、赤色、および金色の三色が設定されている。そして、白色のタイトル図柄121a、赤色のタイトル図柄121b、金色のタイトル図柄121cの順で、前記期待度が高くなることを示唆する。同様に、白色のセリフ図柄123a、赤色のセリフ図柄123b、金色のセリフ図柄123cの順で、前記期待度が高くなることを示唆する。また、カットイン図柄126~128には、小カットイン図柄126と、大カットイン図柄127と、特殊カットイン図柄128との三種類が設定されており、小カットイン図柄126、大カットイン図柄127、特殊カットイン図柄128の順で、前記期待度が高くなることを示唆する。尚ここで、小カットイン図柄126と大カットイン図柄127とは、図柄サイズが異なるのみで、表示内容は同じである一方、特殊カットイン図柄128は、小カットイン図柄126および大カットイン図柄127と表示内容が異なる。
【0070】
前記第1~第9期待演出は、
図15に示すように、タイトル図柄121a~121cとカットイン図柄126~128との組み合わせによって分けられる。本実施例ではセリフ図柄123a~123cも表示するが、表示内容の期待度はタイトル図柄と同一としており、タイトル図柄121aを表示する場合はセリフ図柄123aを表示し、タイトル図柄121bを表示する場合はセリフ図柄123bを表示するというように同期している。その為
図15ではセリフ図柄については記載していないが表示されるものである。このようにすることでタイトルを見逃してもセリフで期待度が分かるようになっている。
【0071】
第1~第3期待演出は、白色のタイトル図柄121aおよび小カットイン図柄126、大カットイン図柄127、特殊カットイン図柄128の何れかを含むものであり、第4~第6期待演出は、赤色のタイトル図柄121bおよび小カットイン図柄126、大カットイン図柄127、特殊カットイン図柄128の何れかを含むものであり、第7~第9期待演出は、金色のタイトル図柄121cおよび小カットイン図柄126、大カットイン図柄127、特殊カットイン図柄128の何れかを含むものである。
【0072】
こうした第1~第9期待演出は、予め設定された期待演出選択テーブルによって、スペシャルリーチ演出中に表示されるものが選択決定される。
実施例1では、三種類の第一~第三期待演出選択テーブルが設定されており、前記変動開始コマンドに含まれる当否判定結果に基づいて、一の期待演出選択テーブルを選択して有効とし、有効とした期待演出選択テーブルに従って、いずれか一の期待演出を選択決定する。
【0073】
ここで、第一~第三期待演出選択テーブルには、
図16に示すように、前記第1~第9期待演出を選択決定するための選択確率が夫々設定されている。
具体的には、第一期待演出選択テーブルは、
図16に示すように、第1期待演出の選択確率が60%、第2期待演出が23%、第3期待演出が1%、第4期待演出が0%、第5期待演出が15%、第6期待演出が1%、第7~第9期待演出が0%に夫々設定されている。
第二期待演出選択テーブルは、
図16に示すように、第1期待演出の選択確率が5%、第2期待演出が10%、第3期待演出が15%、第4期待演出が5%、第5期待演出が10%、第6期待演出が20%、第7期待度演出が5%、第8期待度演出が5%、第9期待演出が25%に夫々設定されている。このように第二期待演出選択テーブルでは、高い期待度の期待演出が選択されやすくなっている。第三期待演出選択テーブルは、
図16に示すように、第1期待演出の選択確率が5%、第2期待演出が5%、第3期待演出が7%、第4期待演出が13%、第5期待演出が5%、第6期待演出が10%、第7期待度演出が25%、第8期待度演出が15%、第9期待演出が15%に夫々設定されている。このように第三期待演出選択テーブルでは、前記第一、第二期待演出選択テーブルに比して、低い期待度の第1、第2、第5期待演出が選択され難い一方、第4期待演出や第6~第9期待演出が選択され易い。
【0074】
こうした第一~第三期待演出選択テーブルが設定されていることにより、第一期待演出選択テーブルを有効とした場合には、スペシャルリーチ演出中における期待演出の表示によって前記期待度が低いことを示唆し易く、第二、第三期待演出選択テーブルを有効とした場合には、前記期待演出の表示によって前記期待度が高いことを示唆し易い。
【0075】
前述したように、これら第一~第三期待演出選択テーブルは、主制御装置80から送信された当否判定結果に基づいて選択されて、前記期待演出の決定するために用いられる。実施例1にあっては、
図17に示すように、前記当否判定結果が大当りの場合とハズレ又は小当りの場合とで、第一~第三期待演出選択テーブルの各選択確率が夫々設定されている。ここで、当否判定結果が大当りの場合には、第二、第三期待演出選択テーブルを選択して有効とする確率が高く、第一期待演出選択テーブル選択して有効とする確率が極めて低い。一方、当否判定結果がハズレ(又は小当り)の場合には、第一期待演出選択テーブルを選択し易く、第二、第三期待演出選択テーブルを選択して有効とする確率が低い。
【0076】
尚、このように当否判定結果に基づいて選択される第一~第三期待演出選択テーブルには、各期待演出の選択確率が夫々設定されており、期待演出を選択決定する傾向が相互に異なる。こうした傾向を有する各期待演出選択テーブルが当否判定結果に応じて選択されることから、第1~第9期待演出の期待度が定められているとも換言できる。すなわち、大当り判定結果により選択され易い第二、第三期待演出選択テーブルは、第一期待演出選択テーブルに比して、第7~第9期待演出が選択決定され易い。そのため、第7~第9期待演出が表示されると、大当り発生(特別演出図柄が大当り図柄態様で確定停止すること)の可能性が高く、高い期待度を示唆できる。一方、ハズレ判定結果により選択され易い第一期待演出選択テーブルは、第二,第三期待演出選択テーブルに比して、第1、第2期待演出が選択決定され易い。そして、第1、第2期待演出は、第二、第三期待演出選択テーブルでも選択決定される。こうしたことから、第1、第2期待演出が表示されると、大当り発生の可能性が低く、低い期待度を示唆できる。
【0077】
次に、特別図柄の変動に対応する前記擬似特別演出とリーチ演出とを表示制御する擬似演出制御処理を、
図18のフローチャートを用いて説明する。この擬似演出制御処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に夫々実行される処理であり、前記当否判定処理のS250により主制御装置80から変動開始コマンドを受信した際に実行される。
そして、本実施例にあっては、サブ統合制御装置83が、図示しない乱数抽出処理により、変動開始コマンドの受信を契機として、テーブル選択乱数と期待演出選択乱数とを抽出し、抽出した各乱数を所定のバッファに記憶する。テーブル選択乱数と期待演出選択乱数とは、夫々に所定個数の整数値をとり、定期的(前記のタイマ割り込み処理毎)に昇順に作成される。
【0078】
擬似演出制御処理は、S800で、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805へ進み、否定判定の場合には(S800:No)、擬似演出制御処理を終了する。
【0079】
S805では、前記した擬似演出表示パターンを決定する処理を行う。この処理では、変動開始コマンドに含まれる当否判定結果の情報、リーチ演出に関する情報、変動パターンの情報、および特別図柄の変動時間の情報等を確認し、これら各情報に従って、特別演出図柄101a~101cの変動開始から変動終了までの一連の変動態様と、該特別演出図柄101a~101cを確定停止する停止態様とを決定すると共に、リーチ演出を行う場合にはリーチ演出の演出態様を決定する。そして、特別演出図柄101a~101cの変動態様および停止態様からなる擬似特別演出と、前記リーチ演出の演出態様とを表示する擬似演出表示パターンを決定する。
ここで、変動開始コマンドには、前述したように、各種リーチ演出を実行するか否かの情報(ノーマルリーチ演出またはスペシャルリーチ演出を実行する否かの情報)が含まれていることから、当該情報に従ってリーチ演出の演出態様を決定する。すなわち、変動開始コマンドにノーマルリーチ演出の実行を示す情報が含まれている場合には、該ノーマルリーチ演出の演出態様を決定する一方、スペシャルリーチ演出の実行を示す情報が含まれている場合には、該スペシャルリーチ演出の演出態様を決定する。また、リーチ演出を実行しない情報(ノーマルリーチ演出の非実行かつスペシャルリーチ演出の非実行の情報)が含まれている場合には、リーチ演出の演出態様を無しとする。
【0080】
尚、前述したように、ノーマルリーチ演出またはスペシャルリーチ演出の実行か否かは主制御装置80で決定される(当否判定処理のS210等)。ここで、当否判定結果がハズレの場合には、スペシャルリーチ演出に比してノーマルリーチ演出の実行が決定され易く、当否判定結果が大当りの場合には、スペシャルリーチ演出の実行が決定される。このようにノーマルリーチ演出およびスペシャルリーチ演出の実行が決定されることから、スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して、特別演出図柄が大当りを示す停止態様で確定する期待度が高いリーチ演出である。
【0081】
続くS810では、前記S805でスペシャルリーチ演出が決定されたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S810:Yes)、S815へ進み、否定判定の場合には(S810:No)、S830に進む。
【0082】
S815では、テーブル選択処理を実行する。このテーブル選択処理では、変動開始コマンドに含まれる当否判定結果の情報と、前記乱数抽出処理により抽出してバッファに記憶したテーブル選択乱数とに従って、前記した第一~第三期待演出選択テーブルのいずれか一を選択して有効とする。ここで、当否判定結果が大当りの場合には、
図17に示すように、第二、第三期待演出選択テーブルを選択する確率が高く、第一期待演出選択テーブルを選択する確率が極めて低い。一方、当否判定結果がハズレの場合には、第一期待演出選択テーブルを選択し易い。
【0083】
続くS820では、期待演出決定処理を実行する。この期待演出決定処理では、前記S815で有効とした期待演出選択テーブルと、前記乱数抽出処理により抽出してバッファに記憶した期待演出選択乱数とに従って、前記第1~第9期待演出のいずれか一を選択決定する。そして、選択決定した期待演出を表示するための演出態様を定めて、スペシャルリーチ演出で当該期待演出を表示するためのデータを、前記S805で決定した擬似演出表示パターンに組み込む。
ここで、第一~第三期待演出選択テーブルには、前述したように各期待演出の選択確率が設定されていることから(
図16)、第1~第2期待演出の表示によって、低い期待度を示唆し、第7~第9期待演出の表示によって、高い期待度を示唆できる。
【0084】
続くS830では、擬似演出表示処理を実行する。この擬似演出表示処理では、前記S805またはS820で決定した擬似演出表示パターンの情報を含む表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。この表示コマンドの送信により、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で擬似演出表示パターンに従う擬似特別演出とリーチ演出とを表示制御する。ここで、演出図柄制御装置82に送信する表示コマンドには、スペシャルリーチ演出を実行する場合に、前記S805とS820とで決定した擬似演出表示パターンの情報が含まれる一方、該ノーマルリーチ演出の実行またはリーチ演出の非実行の場合に、前記S805で決定した擬似演出表示パターンの情報が含まれる。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から前記表示コマンドを受信すると、該表示コマンドに含まれる擬似演出表示パターンの情報に従って、該擬似演出表示パターンを表示するための動画データを生成する。すなわち、演出図柄制御装置82には、前記動画データの生成に用いられる多数のデータが予め記憶されており、該多数のデータの中から、前記表示コマンドに基づいて擬似演出表示パターンの構成に必要な複数のデータを選択して、この選択した複数のデータを組み合わせることによって前記動画データを生成する。そして、演出図柄表示装置6を駆動制御して、この動画データを再生することにより、前記S805又はS820で決定した擬似演出表示パターンによる擬似特別演出とリーチ演出とを表示する。
【0085】
このように演出図柄表示装置6の画面で表示される擬似特別演出とリーチ演出との表示例を、以下に説明する。
【0086】
第一始動口11への入球を契機として第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動開始すると(又は、第二始動口12への入球を契機として第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動開始すると)、これに伴って、
図19(A)に示すように、演出図柄表示装置6の画面で特別演出図柄101a~101cの変動表示を開始する。ここで、特別演出図柄101a~101cは、「0」~「9」までの数字を模した10個の図柄により夫々構成されており、いずれかの図柄で停止表示される。そして、各特別演出図柄101a~101cの停止図柄の組み合わせにより、該特別演出図柄101a~101cの停止態様が確定する。ここで、特別演出図柄101a~101cを全て同じ図柄で停止表示する組み合わせが、大当りを示す停止態様であり、該特別演出図柄101a~101cを所定図柄で停止表示した組み合わせ(例えば、「1」,「2」,「3」の組み合わせ)が、小当りを示す停止態様であり、これ以外の組み合わせが、ハズレを示す停止態様である。
【0087】
そして、リーチ演出を行う場合には、
図19(B)に示すように、左右の特別演出図柄101a,101cが同じ図柄で停止表示して、リーチ演出が開始される。このリーチ演出では、特別演出図柄101a,101cを同じ図柄で停止表示すると共に、リーチであることを示すメッセージ図柄105が表示される。
【0088】
リーチ演出がノーマルリーチ演出である場合には、
図19(C)に示すように、リーチ演出用のキャラクタ図柄111が表示されると共に、特別演出図柄101a~101cが演出図柄表示装置6の画面右上部で縮小表示される。そして、
図19(D)に示すように、特別演出図柄101bが、特別演出図柄101a,101cと異なる図柄で停止表示した後に、
図19(E)に示すように、特別演出図柄101a~101cが拡大表示されると共に、ハズレを示すメッセージ図柄106が表示される。これにより、ハズレが確定する。
【0089】
一方、リーチ演出がスペシャルリーチ演出である場合には、
図20(A)に示すように、左右の特別演出図柄101a,101cが同じ図柄で停止表示してリーチ演出が開始され、
図20(B)に示すように、キャラクタ図柄111が表示される。このようにリーチ演出の序盤では、ノーマルリーチ演出と同様の演出が実行される。その後、
図20(C)に示すように、スペシャルリーチに発展したことを示すタイトル図柄121aが表示されると共に、岩を模した演出図柄114が表示される。このようにスペシャルリーチ専用のタイトル図柄121aと演出図柄114とが表示されることにより、遊技者にノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展したように見せる演出を行う。
ここで、例えば、前記当否判定処理による判定結果がハズレであり、且つ前記擬似演出制御処理により第1期待演出の表示が決定した場合には、白色のタイトル図柄121aが表示される。
【0090】
この後、スペシャルリーチ演出では、
図20(D)に示すように、キャラクタ図柄111と演出図柄114とによる演出が実行されると共に、この演出中に、キャラクタ図柄111のセリフを示す白色のセリフ図柄123aが表示される。そして、特別図柄の変動時間が終盤となると、
図20(E)に示すように、演出図柄表示装置6の画面では、前記第1期待演出による小カットイン図柄126が表示される。この後、特別図柄の確定停止に伴って、
図20(F)に示すように、特別演出図柄101bが、左右の特別演出図柄101a,101cと異なる図柄で停止表示してハズレを確定すると共に、ハズレを示すメッセージ図柄106が表示される。
【0091】
このように第1期待演出を含むスペシャルリーチ演出が実行された場合には、白色のタイトル図柄121aと、白色のセリフ図柄123aと、小カットイン図柄126とが順次表示される。第1期待演出では、期待度の低いタイトル図柄121a、セリフ図柄123a、小カットイン図柄126が順次表示される演出が実行される。尚、この第1期待演出は期待度の低いものであることから、スペシャルリーチ演出に発展したことのみによって遊技者の期待感を高め得る。
【0092】
また、当否判定結果がハズレであり且つ第5期待演出の表示が決定された場合には、特別演出図柄101a,101cが同じ図柄で停止表示してリーチ演出が開始された後(
図20(A),(B)参照)、
図21(A)に示すように、スペシャルリーチに発展したことを示す赤色のタイトル図柄121bが表示される。そして、
図21(B)に示すように、キャラクタ図柄111と演出図柄114とによる演出中に赤色のセリフ図柄123bが表示された後、特別図柄の変動時間の終盤で、
図21(C)に示すように大カットイン図柄127が表示される。この後、特別図柄の確定停止に伴って、
図21(D)に示すように、特別演出図柄101bが、左右の特別演出図柄101a,101cと異なる図柄で停止表示してハズレを確定すると共に、ハズレを示すメッセージ図柄106が表示される。
このように第5期待演出を含むスペシャルリーチ演出が実行された場合には、中程度の期待度を示唆する赤色のタイトル図柄121bの表示後に、中程度の期待度を示唆する赤色のセリフ図柄123bおよび大カットイン図柄127が表示されることから、全体として中程度の期待度を示唆する演出が実行される。尚、この第5期待演出の表示では、スペシャルリーチ演出により高まった遊技者の期待感を、さらに高めることができる。
【0093】
また、当否判定結果が大当りであり且つ第7期待演出の表示が決定された場合には、特別演出図柄101a,101cが同じ図柄で停止表示してリーチ演出が開始された後(
図20(A),(B)参照)、
図22(A)に示すように、スペシャルリーチに発展したことを示す金色のタイトル図柄121cが表示される。そして、
図22(B)に示すように、キャラクタ図柄111と演出図柄114とによる演出中に金色のセリフ図柄123cが表示される。さらに、特別図柄の変動時間の終盤で、
図22(C)に示すように小カットイン図柄126が表示される。この後、特別図柄の確定停止に伴って、
図22(D)に示すように、特別演出図柄101bが、左右の特別演出図柄101a,101cと同じ図柄で停止表示して大当りを確定すると共に、大当りを示すメッセージ図柄107が表示される。
このように第7期待演出を含むスペシャルリーチ演出が実行された場合には、金色のタイトル図柄121cと、金色のセリフ図柄123cと、小カットイン図柄126とが順次表示されることによって、従来なら小カットイン図柄126が表示されたことで期待度が低くなってしまうが、金色のタイトル図柄121cと、金色のセリフ図柄123cが表示された後に小カットイン図柄126が表示されるという稀な状況で本来なら遊技者を落胆させてしまうような状況であっても期待度が高く設定されており、遊技者の期待感を著しく向上させることができる。
【0094】
次に実施例1の特徴を説明する。
実施例1のパチンコ機1は、低い期待度を示唆する第1期待演出が高確率で選択決定される第一期待演出選択テーブルと、中程度から高い期待度を示唆する第3、第6、第9期待演出とが選択決定され易い第二期待演出選択テーブルと、タイトル図柄が表示された後のカットイン図柄がタイトル図柄の期待度より低い表示がされる第4、第7、第8期待演出が前記第一,第二期待演出選択テーブルに比して高確率で選択決定される第三期待演出選択テーブルとを備え、当否判定結果に基づいて一の期待演出選択テーブルを選択し、選択した期待演出選択テーブルに従って、スペシャルリーチ演出中に表示する第1~第9期待演出を決定するようにしたものである。
かかる構成にあっては、第一~第三期待演出選択テーブル毎で、第1~第9期待演出を選択決定する傾向が夫々異なることから、当否判定結果により選択されて有効とする期待演出テーブルの傾向に応じて該第1~第9期待演出を選択決定する。すなわち、いずれの期待演出選択テーブルを有効とするかによって、選択決定される期待演出の傾向が定まる。これにより、スペシャルリーチ演出中に表示される期待演出の演出バランスに優れ、該期待演出の全体で、期待度をバランス良く示唆することができる。さらに、本構成の第1~第9期待演出は、夫々が略同レベルの期待度を示唆する複数の演出内容(タイトル図柄121a~121c、セリフ図柄123a~123c、カットイン図柄126~128)により構成されていることから、スペシャルリーチ演出中の表示により期待度を安定して示唆できる。そのため、各期待演出を構成する演出内容に対する遊技者の信頼性を適正に保つことができる。したがって、実施例1の構成によれば、スペシャルリーチ演出中に表示する期待演出によって、遊技者の期待感を効果的かつ安定して刺激でき、遊技の興趣性を飛躍的に向上できる。
さらに、実施例の構成は、当否判定結果が大当りの場合に第二、第三期待演出選択テーブルが選択され易く、かつハズレ(又は小当り)の場合に第一期待演出選択テーブルが選択され易くしている。そのため、いずれの期待演出選択テーブルが選択されるかによって、実際の期待度が示されると言える。
【0095】
本実施例では、当否判定の結果がハズレであれば高い確率で第一期待演出選択テーブルが選択され、大当りであれば高い確率で第二期待演出選択テーブルが選択されるため、第三期待演出選択テーブルが選択される確率は他と比べ低くなっている。第一期待演出選択テーブルでは第4、第7、第8期待演出が選択されることは無く、第二期待演出選択テーブルでも第4、第7、第8期待演出が選択される確率は他の期待演出と比べ低くなっている。このように基本的には、タイトル図柄の期待度よりカットイン図柄の期待度が低くならないようになっている。タイトル図柄で期待度が高い表示となってもカットイン図柄で期待度が低くなってしまうと遊技者が落胆し、タイトル図柄で期待度が高い表示がされても意味が無くなってしまうが、タイトル図柄の期待度以上の期待度のカットイン図柄の表示を必ず行うのでは意外性が無くなってしまう。そこで本実施例では第4、第7、第8期待演出のようにタイトル図柄の期待度よりカットイン図柄の期待度が低くなる場合も設けられている。しかし、この演出表示が出現する確率は低く、出現したとしても他よりも期待度が高くなるように設定され、具体的には第1期待度演出は表示された時の期待度は約14%、第2期待度演出は約32%、第3期待度演出は約73%、第4期待度演出は約83%、第5期待度演出は約40%、第6期待度演出は約75%、第7期待度演出は約87%、第8期待度演出は約84%、第9期待度演出は77%となっており、意外性があり遊技者に期待感を与える演出を提供することができる。
本実施例では第7期待演出が一番期待度が高くなっており、次に第8期待演出であり、その次が第4期待演出となっている。第7期待演出はタイトル図柄の表示色が金でカットイン図柄の表示色が白であり、タイトル図柄よりカットイン図柄の方が期待度が低くタイトル図柄とカットイン図柄との期待度の段階の差が大きいため意外性もあり期待度が一番高くなっている。第8期待演出と第4期待演出はタイトル図柄よりカットイン図柄の方が期待度が低く期待度の段階の差も変わらないが、第7期待演出はタイトル図柄が金であることから第4期待演出よりも期待度を少し高くしている。このようにすることでカットイン図柄がタイトル図柄よりも期待度の低いものが選択されても遊技者が落胆することが無く、もしもこのような期待度演出が高確率で大当りすることを知らなくとも高確率で大当りするため意外性を与えることができる。
また、第4、第7、第8期待演出は第9期待演出等他の期待演出よりも期待度が高くし、大当りに期待できるようにしているが、第9期待演出とほぼ同じ期待度でも十分期待でき、第9期待度演出より高いものがあると第9期待度演出の価値が低くなってしまうためほぼ同じ期待度としてもよい。第4、第7、第8期待演出の出現率は他に比べ低くすることで稀にしか発生しないものとしてもよいし、第9期待演出と同程度としてもよい。
本実施例では実施例1と同様に第7期待演出が一番期待度が高くなっており、次に第8期待演出であり、その次が第4期待演出となっている。第7期待演出はキャラ図柄がメガネで星図柄が1つの星であり、キャラ図柄より星図柄の方が期待度は低く、キャラ図柄と星図柄との期待度の段階の差が大きいため意外性もあり期待度が一番高くなっている。第8期待演出と第4期待演出はキャラ図柄より星図柄の方が期待度は低くキャラ図柄と星図柄との期待度の段階の差も変わらないが、第7期待演出はキャラ図柄がメガネであることから第4期待演出よりも期待度を高くし、星図柄がキャラ図柄よりも期待度が低いものが選択されても遊技者が落胆することが無く、このような期待度演出が高確率で大当りすることを知らなくとも高確率で大当りするため意外性を与えることができる。
また、第4、第7、第8期待演出は第9期待演出等他の期待演出よりも期待度が高くし、大当りに期待できるようにしているが、第9期待演出とほぼ同じ期待度でも十分期待でき、第9期待度演出より高いものがあると第9期待度演出の価値が低くなってしまうためほぼ同じ期待度としてもよい。第4、第7、第8期待演出の出現率は他に比べ低くすることで稀にしか発生しないものとしてもよいし、第9期待演出と同程度としてもよい。
さらに、こうした第二,第三期待演出選択テーブルは、各期待演出を選択決定する前記傾向が相互に異なるものであるから、本実施例では、いずれの期待演出選択テーブルが選択されて有効となったかが、期待演出の選択決定に大きく関わる。
このように実施例2では、当否判定結果に基づいて、第一~第三期待演出選択テーブルのいずれかを選択し、選択した期待演出選択テーブルに従って第1~第9期待演出の表示を決定する。そのため、当選したか否かに応じた期待度を、夫々の第1~第9期待演出の表示によって示唆できる。総じて、第1~第9期待演出により示唆される期待度に対して、遊技者の信頼性を適正に保つことができる。
実施例1、2では、相互に異なる選択確率が設定された三種類の期待演出選択テーブルを備え、当否判定結果に基づいて一の期待演出選択テーブルを選択するようにした構成であるが、選択可能な期待演出選択テーブルの個数は適宜変更することも可能である。例えば、二種類の期待演出選択テーブルから一を選択する構成としても良いし、五種類の期待演出選択テーブルから一を選択する構成としても良い。
実施例2では、リーチ前に期待演出を実行する構成としたが、一方がリーチ前に期待演出を行い、他方がリーチ中に行うものでも良く、タイミングは変動開始から終了までの間であればどのタイミングでも良い。また、キャラ図柄が先に表示され、星図柄がその後に表示されるようになっていたが、タイミングが逆の場合があってもよい。例えばキャラ図柄が表示された後に星図柄が変動される変動表示と星図柄が表示された後にキャラ図柄が表示される場合があり、どちらも後に表示される期待演出が先に表示された期待演出よりも期待度が低いものであると期待度が高くなる構成となる。
実施例1、2では、サブ統合制御装置83が、当否判定結果に基づいて期待演出選択テーブル(又は期待図柄選択テーブル)を選択する構成としたが、これに限らず、例えば、主制御装置80により決定される変動パターンによって、期待演出選択テーブルが選択される構成とすることもできる。この場合には、例えば、各変動パターンに第一~第三期待演出選択テーブルが予め割り当てられており、主制御装置80から変動開始コマンドが送信されると、該変動開始コマンドに含まれる変動パターンに対応する期待演出選択テーブルを有効とする。
実施例1では、表示色の異なるタイトル図柄121a~121c、各カットイン図柄126~128の2種類の期待度、実施例2ではキャラ図柄125a~125c、星図柄129a~129cの2種類の期待度を示唆したが、3種類以上の期待度演出を表示するものでも良く、その場合には例えばタイトル図柄121a~121c、セリフ図柄123a~123c、カットイン図柄126~128の様に表示するタイミングが三ヵ所あり、実施例1とは異なりタイトル図柄とセリフ図柄の期待度が異なる場合を設け、初めのタイミングであるタイトル図柄とその次のセリフ図柄、その次のカットイン図柄が前の期待度より低い期待度の期待度演出が表示された場合には期待度が高くなるようにすればよい。
実施例1、2では、当否判定結果が小当りの場合に、ハズレの場合と同様に、第一~第三期待演出選択テーブル(又は、第一~第三期待図柄選択テーブル)を選択するようにした構成であるが、これに限らず、小当りの場合に、大当りと同様に、第一~第三期待演出選択テーブルを選択するようにしても良い。又は、第一~第三期待演出選択テーブルを選択する確率が、大当りの場合、小当りの場合、およびハズレの場合で夫々設定され、各場合に応じた確率に従って、該第一~第三期待演出選択テーブルが選択する構成としても良い。
実施例1、2では、実施例1,2では、相互に異なる選択確率が設定された三種類の期待演出選択テーブルを備え、当否判定結果に基づいて一の期待演出選択テーブルを選択し、第一~第三期待演出選択テーブル毎で、第1~第9期待演出を選択決定するようにし、実施例1ではタイトル図柄とカットイン図柄、実施例2ではキャラ図柄と星図柄が一度に選択される構成であるが、2つの期待度演出をそれぞれ抽選により選択するようにしてもよい。
例えば当否判定に基づきタイトル図柄121a~121cから選択し、その後にカットイン図柄126~128を選択するようにし、当否判定ではずれであれば、タイトル図柄121a、121b、121cの順で選ばれやすく、カットイン図柄126、127、128の順で選ばれやすくなっているが、表示されたタイトル図柄よりカットイン図柄の方が低い期待度の期待度演出は表示されにくくなっており、例えば当否判定の結果がはずれの場合にタイトル図柄121bが選ばれた場合にはカットイン図柄127が選ばれやすく、カットイン図柄128が選ばれにくくなっており、カットイン図柄128よりもカットイン図柄127が選ばれにくい。当否判定で大当りであれば、タイトル図柄121c、121b、121aの順で選ばれやすく、カットイン図柄128、127、126の順で選ばれやすくなっているが、例えば当否判定の結果が大当りの場合にタイトル図柄121bが選ばれた場合にはカットイン図柄128が選ばれやすく、カットイン図柄126が選ばれにくくなっているがハズレの場合よりも選ばれやすくなっており、カットイン図柄がタイトル図柄よりも期待度の低いものが選ばれた場合は期待度が高くなるような選択率となっている。このように当否判定の結果に基づき始めにタイトル図柄が選択され、選択されたタイトル図柄と当否判定の結果によりカットイン図柄が選択される。
実施例1、2では、第4、第7、第8期待演出が選択されても遊技者が落胆することが無く、これら期待度演出が高確率で大当りすることを知らなくとも高確率で大当りするため意外性を与えることができるものであるが、第4、第7、第8期待演出が選択された場合に大当り期待度が高いということを遊技者に知らせてもよい。例えばデモ画面や、リーチ前やリーチ後のタイミングでこのような演出が発生した場合には期待度が高くなることを事前(その時の変動で第4、第7、第8期待演出が選択されたか否かは関係なく)に遊技説明としてメッセージ表示等で表示してもよい。このようにすることで、遊技者は第4、第7、第8期待演出となって否かと期待することもできる。また、第4、第7、第8期待演出が選択され、後のタイミングで表示される演出(実施例1のカットイン図柄、実施例2の星図柄)が行われたときに期待度が高いことを報知するようにしてもよく、例えば、第4、第7、第8期待演出でカットイン図柄が表示されたらそれに合わせて激熱等の文字が表示されるようにしてもよい。
期待度が高いことを報知する報知は他のタイミングでも表示されるものと同一でもよく、同一とすることで期待度が高いことが分かる。また、他のタイミングで表示されるものとは異なる専用のものでもよく、そのようにすることで特別な表示がされたということを遊技者が認識でき、期待度が高いことを認識することができる。
実施例1、2にあって、相互に異なる大当り当選確率が設定された複数の設定値を備え、いずれか一の設定値を選択的にセットできる構成とすることもできる。かかる構成では、各設定値に応じて、期待演出選択テーブルを選択する確率が異なるようにしても良い。
又は、各設定値に応じて選択可能な期待演出選択テーブルが異なる構成としても良い。こうした構成によれば、リーチ演出中に表示される期待演出によって、設定値を示唆させることもでき、該期待演出が、期待度の示唆と設定値の示唆との両方の役割を有するものとなる。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。