(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153984
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】電力輸送システム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/80 20130101AFI20241023BHJP
【FI】
H04B10/80 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067541
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】591266445
【氏名又は名称】市川 雅英
(71)【出願人】
【識別番号】518164559
【氏名又は名称】山下健司
(71)【出願人】
【識別番号】507278568
【氏名又は名称】市川 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】110002136
【氏名又は名称】弁理士法人たかはし国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅英
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA52
5K102AN02
5K102AN03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】優れた電力輸送システム、特に情報の受信を伴う機器において、該情報の受信と共に、電力の受電をも可能にした電力輸送システムを提供する。
【解決手段】電力を光エネルギーにして出力する光源を有する給電装置、該光源からの光を受光して周囲に乱反射させる受光乱反射構造体31及び乱反射された光エネルギーを電力に変換する光電変換素子を有する受電装置30と、該給電装置と該受電装置30との間の電力輸送用光ファイバー20と、を備えた電力輸送システムであって、該受光乱反射構造体31は、受光した光を周囲に乱反射させる、複数の気泡31aが封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体であり、該受電装置30は、該受光乱反射構造体31の周囲に、複数の光電変換素子を有する複数のパネル33を円筒状又は箱状に組み合わせてなる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を光エネルギーに変換して出力する光源を有する給電装置、並びに、
該光源からの光を受光して周囲に乱反射させる受光乱反射構造体、及び、該受光乱反射構造体で受光して乱反射させた光エネルギーを電力に変換する光電変換素子、を有する受電装置、並びに、
該給電装置と該受電装置との間に電力輸送用光ファイバー、
を備えた電力輸送システムであって、
該受光乱反射構造体は、該電力輸送用光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡が封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」であり、
該受電装置は、該受光乱反射構造体の周囲に、複数の光電変換素子を有する複数のパネルを、円筒状又は箱状に組み合わせてなるものであることを特徴とする電力輸送システム。
【請求項2】
1本の前記電力輸送用光ファイバーから出た光が、1個の前記受光乱反射構造体に照射されるようになっており、該電力輸送用光ファイバーのコアの直径dと、該受光乱反射構造体の球換算直径Dとの比であるD/dが3以上300以下である請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項3】
前記受光乱反射構造体に封じ込まれた複数の気泡の「同一体積を球に換算したときの個数平均直径」が0.01mm以上7.0mm以下である請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項4】
前記受光乱反射構造体に封じ込まれた複数の気泡は、該気泡によって入射光が該受光乱反射構造体を貫通しない程度に多く該受光乱反射構造体に封じ込まれている請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項5】
前記受光乱反射構造体には、前記複数の気泡がランダムに封じ込まれている請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項6】
前記受電装置において、前記受光乱反射構造体と前記電力輸送用光ファイバーとは、接しているか、又は、該受光乱反射構造体と該電力輸送用光ファイバーの距離が、0.1mm以上30mm以下である請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項7】
前記光源がレーザー光源である請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項8】
前記電力輸送用光ファイバーに情報信号送信用の光ファイバーが併設されて1本の光ファイバーコード、又は、1本の光ファイバーケーブルを形成している請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項9】
更に、前記受光乱反射構造体を冷却するための冷却装置が設置されている請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項10】
電線からの電力の供給がない状態で、前記受電装置が受電した電力のみで、情報を処理する又は電気器具を駆動させるためのものである請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項11】
更に、前記光電変換素子を有する前記受電装置から得られる直流電力を交流電力に変換するインバーターが設けられている請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項12】
更に、前記受電装置で発電した電力を蓄えておく二次電池が設けられている請求項1に記載の電力輸送システム。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受電装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受光乱反射構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅線等の電線に依らない電力輸送システム、及び、該電力輸送システムに用いられる受電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの電力は、銅線等の電線に依って輸送されているが、電力(電気エネルギー)を光エネルギーに変換して、該光エネルギーを光ファイバーで輸送するシステムも提案されている。そして、該エネルギーを輸送する光は、電力を供給すると言う意味で、「給電光」と呼ばれることもある。
【0003】
特許文献1には、情報通信用の光ファイバー(光回線)で、情報の通信(情報の輸送)と、電力の輸送(給電)の両方を行える光給電システムが開示されている。
しかしながら、特許文献1には、電気的な構成やデバイスの原理のみが記載されており、送信部や受信部の物理的(機械的)構造や該構造(を形成する物質)の物性等については記載されていない。
【0004】
特許文献2には、電力によりレーザー発振して給電光を出力する半導体レーザーを含む給電装置と、該給電光を電力に変換する光電変換素子を含む受電装置と、該給電装置から該受電装置に該給電光を伝送する光ファイバーを備えた光ファイバー給電システムが記載されている。
しかしながら、特許文献2は、「受電側での電力の消費が低下しても給電光が供給され続けることによる発熱」によるエネルギーロスを低減する技術であり、特許文献2にも、電気的な構成やデバイスの原理のみが記載されており、送信部や受信部の物理的(機械的)構造や該構造(を形成する物質)の物性等については記載されていない。
【0005】
一方、特許文献3と特許文献4に記載の発明は、電線も光ファイバーも使用せずに、光で電力を遠隔地まで供給するコードレス電送システムの発明であるが、そこには、受電側としてレーザー光受光手段が記載されている。そして、該レーザー光受光手段には、受光したレーザー光をパネル側に乱反射させる多数の大小気泡が封じ込まれた透明材料で形成されたものが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献3、4には、コードレス電送システムしか記載されていないことに加え、該「透明材料で形成されたもの」の態様は、該コードレス電送システムに特化したものであった。
【0007】
現在のところ、情報信号は光ファイバーで輸送(送信)されているが、電力の輸送(給電)は、専ら「銅線等の電線」によっている。
しかし、電線による電力の輸送(給電)には問題点もあり、また、同時に情報信号の輸送(送信)をも行ないたいときには、別々に輸送することの欠点・問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6660439号公報
【特許文献2】特許第6790190号公報
【特許文献3】特開2017-184437号公報
【特許文献4】特開2019-088034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、優れた電力輸送システムを提供すること、特に、情報の受信を伴う機器において、該情報の受信と共に、電力の受電をも可能な電力輸送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、受電装置として、複数の光電変換素子を有する複数のパネルで円筒状又は箱状に囲った内部に、受光した光を乱反射させる「極めて特殊な形態を有する構造体」を設置することによって、上記課題が解決できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、電力を光エネルギーに変換して出力する光源を有する給電装置、並びに、
該光源からの光を受光して周囲に乱反射させる受光乱反射構造体、及び、該受光乱反射構造体で受光して乱反射させた光エネルギーを電力に変換する光電変換素子、を有する受電装置、並びに、
該給電装置と該受電装置との間に電力輸送用光ファイバー、
を備えた電力輸送システムであって、
該受光乱反射構造体は、該電力輸送用光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡が封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」であり、
該受電装置は、該受光乱反射構造体の周囲に、複数の光電変換素子を有する複数のパネルを、円筒状又は箱状に組み合わせてなるものであることを特徴とする電力輸送システムを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記受光乱反射構造体に封じ込まれた複数の気泡の「同一体積を球に換算したときの個数平均直径」が0.01mm以上7.0mm以下である前記の電力輸送システムを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記電力輸送用光ファイバーに情報信号送信用の光ファイバーが併設されて1本の光ファイバーコード、又は、1本の光ファイバーケーブルを形成している前記の電力輸送システムを提供するものである。
すなわち、本発明は、1本又は2本以上の前記電力輸送用光ファイバーに、1本又は2本以上の情報信号送信用の光ファイバーが併設されて、全体が被覆材で一体化されて、1本の光ファイバーコード、又は、1本の光ファイバーケーブルを形成している前記の電力輸送システムを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、電線からの電力の供給がない状態で、前記受電装置が受電した電力のみで、情報を処理する又は電気器具を駆動させるためのものである前記の電力輸送システムを提供するものである。
【0015】
また、本発明は、更に、前記受電装置で発電した電力を蓄えておく二次電池が設けられている前記の電力輸送システムを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、前記の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受電装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、前記の電力輸送システムに用いられるものであって、該受電装置は、光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡が封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」である受光乱反射構造体と、該受光乱反射構造体の周囲に複数の光電変換素子を有する複数のパネルを円筒状又は箱状に配置したものとを組み合わせてなる受電装置を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、前記の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受光乱反射構造体を提供するものである。
すなわち、本発明は、前記の電力輸送システムに用いられる受光乱反射構造体であって、該受光乱反射構造体は、該光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡が封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」である受光乱反射構造体を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記問題点や課題を解決し、専ら「銅線等の電線」によっている電力の輸送(給電)を、光ファイバーによる電力の輸送(給電)に置き換えることができる。
それによって、現在は、(情報)信号は光ファイバーで輸送(送信)し、電力は銅線等の電線で給電しているところ、両方とも光で送信・給電と言った輸送が可能となる。
そのことによって、限定はされないが、電力輸送用光ファイバーに情報信号送信用の光ファイバーを併設させて、好ましくは一体化させ、1本の光ファイバーコード、又は、1本の光ファイバーケーブルとして、使用し易くすることができる。
【0019】
本発明では、受電装置内で、光ファイバーから出てきた(照射された)給電光を、光電変換素子やそれを有するパネルで受光するが、該光ファイバーの光の出口と、該「光電変換素子やそれを有するパネル」の間に受光乱反射構造体を設けることが必須であるが、もし、該受光乱反射構造体がない場合は、以下のような問題点が生じる。
【0020】
すなわち、該「光電変換素子やそれを有するパネル」に光がムラに照射されることになる。また、複数の「光電変換素子やそれを有するパネル」がある場合、光が照射されない、又は、照度の小さい「光電変換素子やそれを有するパネル」が生じてしまう。
そして、かかる照射ムラがあると、例えば、0.4V/個の「光電変換素子やそれを有するパネル」を5個直列に接続した場合に、安定した電流(すなわち電力)で、2.0V(=0.4[V/個]×5[個])の電圧を常時得ることができなくなる。
【0021】
また、「光電変換素子やそれを有するパネル」に対する照射光エネルギーと、取り出せる電力との間に、相反則不軌がある場合や、適切な照射光の強度に上限がある場合等に、該照射光エネルギー(照射光の強度)を、本発明における受光乱反射構造体を設けることによって調節することができる。
具体的には、該受光乱反射構造体によって、複数の「光電変換素子やそれを有するパネル」に当たる光を均一にしたり、光エネルギー(照射光の強度)を均一に適度に低下させたりして、好適に安定した電力(電流)を得ることができる。すなわち、コンピューター等の電気器具に、安定した電流(電力)を所定の電圧で供給することができる。
【0022】
すなわち、本発明によれば、上記受光乱反射構造体によって分散した乱反射光を、満遍なく連続的に光電変換素子に照射して発電させるので、集中して照射する場合と違って、該光電変換素子を傷めることがないので、効率よく長期に亘って使用できるという優れた効果を奏する。
【0023】
本発明における受電装置では、先ず直流電力が得られるので、該直流電力を、そのまま容易に二次電池に充電しておくことができる。
【0024】
また、「銅線等の電線」での電力輸送では、通常の交流の場合、インピーダンスを有する電気器具に電線を接続しないと電力が供給されない。しかし、本発明の電力輸送システムでは、好ましくは、常時、光エネルギーが供給される。すなわち、光電変換素子は光ファイバーからの光を受光し続ける可能性がある。その場合、二次電池に充電しておくことによって、使用時に電力不足が生じない、光エネルギーと言う電力が無駄にならない。
【0025】
従って、本発明の電力輸送システムでは、そのまま充電できる直流電力が得られる;常時供給されている光エネルギーを無駄にしない;等の点から、二次電池の併用が好適であり、二次電池の併用で、本発明の効果が相乗的に奏される。
【0026】
本発明の電力輸送システムでは、先ず直流の電力が得られるので、スマホの充電、モバイルバッテリーの充電、直流電気器具の使用、等、直流を使用する広範の器具・分野に、交流に変換しなくても、好適に使用することができる。
特に、情報信号を得るスマホやコンピューター(の内部二次電池)では、該情報信号と共に電力を得ることができる。
【0027】
通常の家庭用等の電源は交流なので、その場合にも適応できるように、本発明においては、光電変換素子を有する受電装置から得られる直流電力を交流電力に変換するインバーターが設けられていることが好ましい。
該インバーターが設けられていれば、家庭等の通常の、コンセントとプラグを使用して(コンセントとプラグ使用時のように)、本発明の電力輸送システムを使用することができる。
【0028】
本発明の電力輸送システムによれば、給電に電力輸送用光ファイバーを用い、従来のように電線内に電流を流すことがないので、該電流による電磁気雑音が(隣接する信号線等に)入ることがない。すなわち、本発明によれば、電気雑音が発生し得ない。
また、本発明によれば、電線の設置等の電気工事が省け、また、情報信号用の光回線と同時に設置することもでき、(トータルの)設置に、コストと時間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の電力輸送システムの略全体の態様を示す概略図である。
【
図2】本発明における受電装置を、電力輸送用光ファイバーからの光を受光する方向から見た概略正面図である。
【
図3】本発明における受電装置を、電力輸送用光ファイバーからの光を受光する方向に対して直角方法から見た概略側面図である。
【
図4】本発明における受電装置の一例を示す概略斜視図である。
【
図5】本発明における受電装置の一例を示す概略断面図である。
【
図6】本発明における電力輸送用光ファイバーに情報信号送信用の光ファイバーが併設されて一体となった1本の光ファイバーコード又は1本の光ファイバーケーブルの一例を示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の電力輸送システムは、電力を光エネルギーに変換して出力する光源を有する給電装置、並びに、
該光源からの光を受光して周囲に乱反射させる受光乱反射構造体、及び、該受光乱反射構造体で受光して乱反射させた光エネルギーを電力に変換する光電変換素子、を有する受電装置、並びに、
該給電装置と該受電装置との間に電力輸送用光ファイバー、
を備えた電力輸送システムであって、
該受光乱反射構造体は、該光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡が封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」であり、
該受電装置は、該受光乱反射構造体の周囲に、複数の光電変換素子を有する複数のパネルを、円筒状又は箱状に組み合わせてなるものであることを特徴とする。
【0031】
<給電装置>
本発明における給電装置10は、電力を光エネルギーに変換して出力する光源を有し、該光源からの光を電力輸送用光ファイバー20に投入できるようになっている(
図1)。
上記給電装置10は、公知の給電装置・給電方法が用いられる。電力を光エネルギーに変換する方法としては、該電力を使用して、「レーザー光源10a等の光源」から光を発光さればよい。
【0032】
上記光源としては、レーザー光源10aであることが好ましい。
該レーザー光源10aの波長としては、情報をそこに重ねて送信する訳ではないので、何れの波長をも用いられ得る。該光源の波長としては、受電装置側の光電変換素子32が好適に作動する波長であることが好ましい。
【0033】
また、レーザー光源10aからの光を電力輸送用光ファイバー20に投入する方法・装置についても、公知の方法が用いられ得る。
光源からの光を効率的に電力輸送用光ファイバー20に投入できるように、集光装置が具備されていることも好ましい。該集光装置としては、例えば、その内面が光反射するようになっている「円錐型をしたもの(メガホン状もの)」が挙げられる(図示せず)。
【0034】
<電力輸送用光ファイバー>
本発明における電力輸送用光ファイバー20としては、公知のものが用いられ得る。
該電力輸送用光ファイバー20の、コア(core)21、クラッド(clad)、それらを覆う被覆材等の、屈折率;透過率;反射率;強度・屈曲性等の力学的性質;等は、技術常識から、適宜決められる。それらの材質は、特に限定はなく、技術常識から、適宜決めることができるが、石英、フッ素化ポリマー、カルコゲナイド、プラスチック等が挙げられる。それらは、給電光の波長や、コア21やクラッドの太さや、減衰率等を勘案して決められる。
【0035】
光ファイバーを樹脂で被覆した光ファイバー素線、更に、それを別樹脂で被覆した「光ファイバーコード又は光ファイバーケーブル」22等についても、材質、形態等、公知のものが用いられ得る。
【0036】
本発明の電力輸送システムにおける電力輸送用光ファイバー20に関しては、コア(core)21とクラッド(clad)及び被覆材等で被覆された光ファイバーコード22又は光ファイバーケーブル22が1本が独立して存在していてもよく(図示せず)、複数本がコード又はケーブル内で並列していてもよく(図示せず)、情報信号送信用の(複数の)光ファイバーと並列して光ファイバーコード22又は光ファイバーケーブル22を形成していてもよい(
図6(a)(b))。
【0037】
ただし、電力輸送用光ファイバー20は、複数本束ねるより、1本を独立してコード又はケーブル22とした方が、言い換えれば、1本の電力輸送用光ファイバー20に、1個の受光乱反射構造体31を対応させた方が(
図3~5)、受電装置での発電効率が高くなるために好ましい。
【0038】
コード22又はケーブル22は、給電光専用のものであってもよいが(図示せず)、例えば、
図6(b)又は
図6(c)に示したように、該電力輸送用光ファイバー20に情報信号送信用の光ファイバーが併設されて1本の光ファイバーコード22、又は、1本の光ファイバーケーブル22を形成している態様も好ましい。
このような態様とすることによって、情報信号の受信と共に、電力の受電も、1本の「コード又はケーブル」22で可能になる(
図6)。
【0039】
<受電装置>
本発明における受電装置30は、電力輸送用光ファイバー20から受光した光を周囲に乱反射させる「受光乱反射構造体31」、及び、該受光乱反射構造体31の周囲に円筒状又は箱状に配置された「複数の光電変換素子32を有するパネル33」を少なくとも有する(
図2~5参照)。
【0040】
<<受光乱反射構造体>>
上記受光乱反射構造体31は、前記光ファイバーを介して受光した光を周囲に乱反射させる「複数の気泡31aが封じ込まれた透明材料で形成された略球状の構造体」である(
図2~5参照)。
ここで、「乱反射」とは、紙の表面のように、1点に照射されたの光が四方八方に反射する、言い換えれば、1点で散乱する現象を意味するのではなく、光ファイバーから入射した光が、「略球状の受光乱反射構造体31」全体から、光が四方八方に出る(放射される)現象を意味する。1本のレーザー光が1つの気泡31aによって乱反射されるとは限らない。
【0041】
<<<受光乱反射構造体に封じ込まれた気泡の形状>>>
上記気泡31aの形状は、略球状又は略楕円球状であることが好ましく、略球状であることが、受光乱反射構造体31から、光が方向性を有さずに四方八方に同等に出易くなる(放射され易くなる)、受光乱反射構造体31の製造が容易になる等の点から特に好ましい。
【0042】
<<<気泡の大きさ>>>
上記受光乱反射構造体31に封じ込まれた複数の気泡31aの「同一体積を球に換算したときの個数平均直径」は、0.01mm以上7.0mm以下であることが好ましく、0.03mm以上6.0mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上5.0mm以下であることが更に好ましく、0.3mm以上4.0mm以下であることが特に好ましく、1.0mm以上3.0mm以下であることが最も好ましい。
【0043】
気泡31aの大きさが大き過ぎると、製造が難しくなる場合、製造コストが上がる場合、光ファイバーを介して受光した光を周囲に好適に乱反射させ難くなる場合、少ない数の気泡31aしか封じ込めない場合、気泡31aの数が少なくなるため受光乱反射構造体31から放射される光に強い方向性が出てしまう場合、等がある。
一方、気泡31aの大きさが小さ過ぎると、製造が難しくなる場合、製造コストが上がる場合、気泡31aでの反射・屈折の回数が多くなるため受光乱反射構造体31が昇温する場合、光エネルギーを損失する場合、レーザー光源10a等の光源の波長(給電光の波長)が長い場合に気泡31aでの反射・屈折に支障が出る場合、等がある。
【0044】
<<<気泡の密度と配置>>>
上記受光乱反射構造体31に封じ込まれた複数の気泡31aは、該気泡31aによって入射光が該受光乱反射構造体31を貫通しない程度に多く(高密度で)該受光乱反射構造体31に封じ込まれていることが好ましい。
光ファイバーからの入射光が、気泡31aによって反射・屈折せずに、受光乱反射構造体31をそのまま貫通してしまっては、周囲の光電変換素子32(を有するパネル33)に、光が当たらない、均一に光が照射されない、等の場合がある。
【0045】
限定はないが、上記受光乱反射構造体31には、複数の気泡31aがランダムに封じ込まれていることが好ましい。気泡31aの位置がランダムだと、気泡31aを含有する受光乱反射構造体31の製造が容易になり製造コストが下がる;入射光を受光乱反射構造体31の周囲に均等に「乱反射」させ易くなる;規則的だと光が直進してしまう場合があるが、ランダムだとそのようなことがない;等と言った効果がある。
【0046】
気泡31aの球換算直径の変動係数は、0.01以上3.0以下であることが好ましく、0.02以上2.0以下であることがより好ましく、0.03以上1.0以下であることが更に好ましく、0.05以上0.5以下であることが特に好ましい。
変動係数が大き過ぎると、無駄に大直径の気泡31aや小直径の気泡31aが存在することになり、効率的に乱反射させることができない場合がある。
一方、変動係数が小さ過ぎると、製造コストがかかり過ぎる場合、気泡31aの密度を上げられない場合等がある。
【0047】
<<<受光乱反射構造体の材質>>>
上記受光乱反射構造体31の材質は、給電装置10の光源からの光(電力輸送用光ファイバー20から照射される光)の吸光度が低く、該光に対して透明性が高ければ特に限定はないが、ポリメチルメタクリレート(MMA)(共)重合体等の(メタ)アクリル樹脂;石英;パイレックス(登録商標);水晶体;等が挙げられる。また、前記した光ファイバーに使用されている材質も挙げられる。フッ素(F)、臭素(Br)等の化合物を含有させて屈折率等を調整することもできる。該材質は、機械的強度が高く、高温度に耐えて熱膨張でも破損しない透明材質であることが好ましい。
【0048】
<<<受光乱反射構造体の形・大きさ>>>
上記受光乱反射構造体31の形状としては、例えば、全体として球体若しくは楕円球体;前後が円弧状の円柱状体若しくは角柱状体;等が挙げられる。該受光乱反射構造体31が球状であることが、製造がし易い、方向性を持たないので設置が容易、種々の方向からの光に対応できる、等の点から特に好ましい。
図2~5では、受光乱反射構造体31は全て球体であるが、本発明の受光乱反射構造体31は球体にのみには限定されない。
【0049】
上記受光乱反射構造体31の大きさ(体積)は、3cm3以上30000cm3以下であることが好ましく、10cm3以上10000cm3以下であることがより好ましく、30cm3以上3000cm3以下であることが更に好ましく、100cm3以上1000cm3以下であることが特に好ましい。
【0050】
受光乱反射構造体31の大きさ(体積)が小さ過ぎると、光の乱反射により発電効率を向上させるのに十分な数の気泡31aを内部に設けることができない場合、電力輸送用光ファイバー20からの光を好適に受光できない場合、昇温が大きい場合等があり、発電効率が低下する場合がある。
一方、受光乱反射構造体31の大きさ(体積)が大き過ぎると、無駄にスペースをとる場合、該受光乱反射構造体31の設置が困難になる場合、コストが大きくなる場合等がある。
【0051】
本発明の電力輸送システムでは、1本の電力輸送用光ファイバー20から出た光が、1個の受光乱反射構造体31に照射されるようになっており、該電力輸送用光ファイバーのコア21の直径dと、該受光乱反射構造体31の球換算直径Dとの比であるD/dが3以上300以下であることが好ましい。
ここで、「球換算直径」とは、受光乱反射構造体31が球でなかったとき、該受光乱反射構造体31の体積と同じ体積の球の直径を意味する。
「d」と「D」については、
図5に示した通りである。
【0052】
D/dは、4以上250以下であることがより好ましく、6以上200以下であることが更に好ましく、8以上150以下であることが特に好ましく、10以上100以下であることが最も好ましい。
【0053】
D/dが大き過ぎると、受光乱反射構造体31の大きさが無駄になる場合、受電装置30が大きくなり過ぎる場合がある。
一方、D/dが小さ過ぎると、光が四方八方に、満遍なく散乱・乱反射しない場合;気泡31aの数を確保できない場合;等がある。
【0054】
1つの受光乱反射構造体31に1本の電力輸送用光ファイバー20が対応していてもよいが、すなわち、1つの受光乱反射構造体31には、1本の電力輸送用光ファイバー20から出た光が入射するようになっていてもよいが、2本以上の電力輸送用光ファイバー20から出た光が入射するようになっていてもよい。
1つの受光乱反射構造体31に対応する電力輸送用光ファイバー20の数は、1本以上16本以下がより好ましく、1本以上8本以下が更に好ましく、1本以上4本以下が特に好ましい。
【0055】
このとき、複数本の(例えば、コア21とクラッドからなる)光ファイバー、複数本の光ファイバー素線、又は、複数本の光ファイバー心線を、樹脂や繊維等で被覆して、1本の光ファイバーコード22、又は、1本の光ファイバーケーブル22を形成させて、それを用いてもよい。
【0056】
<<光電変換素子を有するパネル>>
本発明における受電装置30は、上記した受光乱反射構造体31、及び、該受光乱反射構造体31の周囲に円筒状又は箱状に配置された「複数の光電変換素子32を有するパネル33」を少なくとも有する。該光電変換素子32は、該受光乱反射構造体31が、電力輸送用光ファイバー20からの光を受光して周囲に乱反射させた光エネルギーを電力に変換する。
言い換えれば、本発明における受電装置30は、上記受光乱反射構造体31、及び、「該受光乱反射構造体31の周囲に複数の光電変換素子32を有する複数のパネル33」が円筒状又は箱状に組み合わされてなるものである(
図2~4参照)。
【0057】
本発明では、レーザー光等の給電光を、上記受光乱反射構造体31によって四方八方に散乱させ、該散乱光を、円筒状又は箱状に形成した「複数の光電変換素子32を有する複数のパネル33」によって受光させ、光エネルギーを電力に変換する。以下、「 」内を、「受光手段」と略記することがある。
本発明では、複数のパネル33に囲まれた該受光手段の略中央部に設けられた受光乱反射構造体31の内部に封じ込めた多数の大小気泡31aによって、電力輸送用光ファイバー20から出たレーザー光等を乱反射させて、周囲の光電変換素子32(を有するパネル33)(受光手段)に満遍なく連続的に照射して発電するので、受電効率が著しく優れる(
図2~4参照)。
【0058】
上記受光手段は、複数の光電変換素子32を取り付けた複数のパネル33を隣接状態で円筒状又は箱状に並べられ、円筒状に配設されたパネル33は、支持部材によって安定した状態で支持される(
図2~4参照)。
ここで、「円筒状」とは、円形に近い多角形の筒形状、好ましくは正多角形(例えば、
図2、
図4では正十角形)の筒形状を意味する。
また、箱状とは、光ファイバーからの光の照射方向(光の真直ぐ出口方向)にも、「パネル33からなる受光手段」を設けるの意味であり、「直方体の5面に該パネル33を設置したり、角柱の底面に該パネル33を設置したりして、受光乱反射構造体31を覆う形状のことを言う。
【0059】
正多角形の筒形状の場合、該正多角形の面の数は、4以上128以下が好ましく、6以上64以下がより好ましく、7以上32以下が特に好ましく、8以上16以下が最も好ましい。
面の数が多いと、光電変換素子32を設置できる面積が十分大きくなり、その結果、発電効率を向上させ易い;直列に接続して高電圧を得ることができる。
一方、面の数が少ないと、部材の数が少なくなり、設置やメンテナンスがし易くなる。
【0060】
1つのパネル33には、1つの光電変換素子32を取り付けてもよいし、複数の光電変換素子32を取り付けてもよい。
複数のパネル33を、正多角形の筒形状に並べる場合、通常、パネル33は長方形であるので、1つのパネル33に長方形の光電変換素子32を1つ取り付けるのが望ましい。
この場合、受電装置30が有する光電変換素子32の数は、上記した正多角形の面の数と同じである。また、該「光電変換素子32の数」は、使用する電圧によって決めることもできる。
光電変換素子32の数は、4以上128以下が好ましく、6以上64以下がより好ましく、7以上32以下が特に好ましく、8以上16以下が最も好ましい。
【0061】
<受電装置における受光乱反射構造体と電力輸送用光ファイバーとの距離>
本発明における受電装置30において、上記受光乱反射構造体31と前記電力輸送用光ファイバー20とは、接しているか、又は、該受光乱反射構造体31と該電力輸送用光ファイバー20の距離が、0.1mm以上30mm以下であることが好ましい(
図3~5参照)。
該距離は、より好ましくは0.2mm以上20mm以下であり、特に好ましくは0.4mm以上10mm以下である。
【0062】
該受光乱反射構造体31と該電力輸送用光ファイバー20の出口との距離が大き過ぎると(離れ過ぎていると)、空間が無駄になり、受電装置30が大きくなる場合がある。
一方、該距離が小さ過ぎると(近付き過ぎていると)、又は、該受光乱反射構造体31と該電力輸送用光ファイバー20の出口とが接していると、該受光乱反射構造体31が昇温する、該受光乱反射構造体31を冷却するための冷却装置が設置し難い、該受光乱反射構造体31の冷却が好適に行えない、等の場合がある。
【0063】
<その他の装置>
本発明の電力輸送システムは、前記した給電装置10;前記した電力輸送用光ファイバー20;少なくとも受光乱反射構造体31と受光手段とを有する前記した受電装置30以外に、以下の「その他の装置」を有することが好ましい。
【0064】
<<冷却装置>>
本発明の電力輸送システムは、更に、前記受光乱反射構造体31を冷却するための冷却装置が設置されていることが好ましい(図示せず)。
受光乱反射構造体31は昇温する場合があるので、冷却装置で冷却することが好ましい。該冷却装置としては、特に限定はなく汎用のものが使用できるが、送風機が簡便であるために好ましい。
【0065】
<<インバーター>>
本発明の電力輸送システムは、更に、「前記光電変換素子32を有する受電装置30から得られる直流電力」を交流電力に変換するインバーターが設けられていることが好ましい(図示せず)。
該インバーターは、公知のものが使用可能である。
インバーターが設けられていることにより、家庭用の交流の電気製品に適用できるようになる。
【0066】
<<蓄電部材>>
本発明の電力輸送システムには、更に、キャパシター、二次電池等の蓄電部材が設けられていることが好ましい(図示せず)。
【0067】
<<<キャパシター>>>
光電変換素子32で発電した電力を一時的に蓄える二重層のキャパシターである蓄電部材をそれぞれ設け、各隣接する二重層のキャパシター間においては、直列接続して、つまり、+電極は-電極に、再度+電極に接続して全体がリング状の輪になり、一周するが、全体の半分は逆電極方向にして、合成した電圧が逆電位になる体制とすることが好ましい。
全体的に見れば直接接続であると発生電圧はゼロになるが、逆接続部を切り離して各部の接続部四端子を電気回路で電位方向を制御できるようにする。この制御を50サイクルもしくは60サイクルに繰り返して(この作用が交流電気として発電)、全体的に電気出力を交流電気とし、一般家庭で使用されている電化製品でも使用可能にする。
電圧は100Vなので、変圧器等で自由に電圧を合わせて用いる。また、直流電源として使用する時は、逆接続の四端子部を直流出力になる方法に切り替えスイッチで切り替えて使用することが好ましい。
【0068】
また、-電極は+電極に接続してDC電流として使用できるし、更に、パネル33の半分のキャパシターの接続において-電極として取り出し、後半分のキャパシターの接続において+電極として取り出してクロス状に送電することによりAC電流として使用できる。
【0069】
<<<二次電池>>>
本発明の電力輸送システムには、更に、上記受電装置30で発電した電力を蓄えておく二次電池を蓄電部材として設けることが好ましい(図示せず)。
「光電変換素子32を有する複数のパネル33」からは、直流が得られるが、それを二次電池に蓄電しておくことが好ましい。
【0070】
給電装置10から常に給電光が発せられ、すなわち、電力輸送用光ファイバー20から給電光が受光乱反射構造体31を介して、常に「複数の光電変換素子32を有する複数のパネル33」(受光手段)に照射され、常に光エネルギーが電力に変換されている態様が考えられる。
その場合、電力を無駄にしないために蓄電部材は重要である。
【0071】
二次電池の種類は、特に限定はなく、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、全固体電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、コバルトチタンリチウム二次電池等が挙げられる。
【0072】
<受電装置>
本発明は、上記した本発明の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受電装置30でもある(
図2~5)。
受電装置30の態様は前記した通りである。
【0073】
<受光乱反射構造体>
本発明は、上記した本発明の電力輸送システムに用いられるものであることを特徴とする受光乱反射構造体31でもある(
図2~5)。
受光乱反射構造体31の態様は前記した通りである。
【0074】
<本発明の電力輸送システムの使用方法>
本発明の電力輸送システムは、電力を情報信号と同様に光ファイバーで給電しようとするものであるから、特に限定される訳ではないが、光エネルギーで電力を受けて該電力を使用する場所において、銅線等の電線がない状態で使用することが、重複が避けられるために好ましい。
すなわち、本発明の電力輸送システムは、電線からの電力の供給がない状態で、上記受電装置30が受電した電力のみで、情報を処理する又は電気器具を駆動させるためのものであることが特に好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の電力輸送システムは、電線からの電力の供給にとって代わるものなので、発電分野、電力供給分野、電線若しくは光ケーブル製造・設置分野、電力使用分野、電気製品製造分野等に広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0076】
10 給電装置
10a レーザー光源
20 電力輸送用光ファイバー
21 電力輸送用光ファイバーのコア
22 光ファイバーコード又は光ファイバーケーブル
30 受電装置
31 受光乱反射構造体
31a 気泡
32 光電変換素子
33 パネル
40 情報信号送信用光ファイバー