(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153987
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】光源装置及び投影装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241023BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241023BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067544
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬峰 治
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA04
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA45
2K203FA54
2K203GA35
2K203GA36
2K203HA02
2K203HA25
2K203HA27
2K203HA92
2K203HA97
2K203MA32
5C058BA35
5C058EA02
(57)【要約】
【課題】装置の小型化を図ることができる光源装置と、この光源装置を備える投影装置及び装置の小型化を図ることができる蛍光装置を提供する。
【解決手段】投影装置10の光源装置60は、青色波長帯域光を出射する励起光照射装置70と、励起光照射装置70から出射した青色波長帯域光の光路を、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3を少なくとも含む複数の方向の光路に切り替え可能な光路切替装置141と、第2方向D2及び第3方向D3の光路上に配置され、青色波長帯域光を励起光として赤色波長帯域光、緑色波長帯域光を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域102を含む蛍光装置100と、光路切替装置141から第1方向D1に出射した青色波長帯域光、さらに赤色波長帯域光、緑色波長帯域光を合成光路に導光する光源光学系140と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯域光を出射する光源と、
前記光源から出射した前記第1波長帯域光の光路を、第1の方向、第2の方向、第3の方向を少なくとも含む複数の方向の光路に切り替え可能な光路切替装置と、
前記第2の方向及び前記第3の方向の光路上に配置され、前記第1波長帯域光を励起光として第2波長帯域光、第3波長帯域光を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域を含む蛍光装置と、
前記光路切替装置から前記第1の方向に出射した前記第1波長帯域光、前記第2波長帯域光、前記第3波長帯域光を合成光路に導光する光源光学系と、
を有する、
光源装置。
【請求項2】
第1波長帯域光を出射する光源と、
前記光源からの前記第1波長帯域光である光源光を励起光として第2波長帯域光、第3波長帯域光を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域を含む蛍光装置と、
前記光源光及び前記蛍光装置からの蛍光光を合成光路に導光する光源光学系と、
を備え、
光源光学系は、前記光源から入射された光源光を第1の方向に出射させる第1領域と、第2の方向に出射させる第2領域とを少なくとも含む光路切替装置、を備える、
光源装置。
【請求項3】
前記第1の方向に出射される光を拡散させて前記合成光路に向けて出射させる拡散装置が配置されている請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源光学系は、ビームパターンを成形するための第一の光学デバイスを備え、前記光源からの光は、前記第一の光学デバイスにより成形されてから前記蛍光装置に入射される、請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記合成光路には、ビームパターンを成形するための第二の光学デバイスが配置されている請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項6】
前記光源は、前記光源からの光を反射する前記光路切替装置の反射側に配置される、請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記光路切替装置は、前記光源から出射した前記第1波長帯域光の光路を第4の方向に切り替え可能に設けられ、
前記蛍光装置は、前記光路切替装置から前記第4の方向に出射した前記第1波長帯域光が照射され第4波長帯域光を出射するよう設けられる、請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項8】
前記蛍光装置は、前記蛍光発光領域に重畳して設けられるフィルタ領域を有する、請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の光源装置と、
画像光を生成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光を被投影体に投影する投影光学系と、
前記光源装置と前記表示素子とを制御する制御部と、を備える、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画面、メモリカード等に記憶されている画像データ等をスクリーンに投影する投影装置が利用されている。この投影装置は、光源から出射された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子や液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させている。
【0003】
例えば、特許文献1には、蛍光体層を含む蛍光発光領域と、透過領域とを備えた蛍光ホイールを有する蛍光装置及びこの蛍光装置を含む光源装置を備える投影装置が開示されている。この投影装置は、蛍光体に青色光源からの青色波長帯域光を励起光として照射することで蛍光体から出射される緑色波長帯域の蛍光を合成光路に導光する。一方、青色光源からの青色波長帯域光を蛍光ホイールの透過領域に照射することで、蛍光ホイールの反対側にこの青色波長帯域光を導いて、ミラーやレンズを用いて合成光路に導いた後、表示素子に導くように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の投影装置では、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を導光するためのレンズ部材やミラー部材等を、青色波長帯域光を導光する光路と別途配置する必要があり、装置内の光路が複雑となり、装置の小型化を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、装置の小型化を図ることができる光源装置と、この光源装置を備える投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源装置は、第1波長帯域光を出射する光源と、前記光源から出射した前記第1波長帯域光の光路を、第1の方向、第2の方向、第3の方向を少なくとも含む複数の方向の光路に切り替え可能な光路切替装置と、前記第2の方向及び前記第3の方向の光路上に配置され、前記第1波長帯域光を励起光として第2波長帯域光、第3波長帯域光を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域を含む蛍光装置と、
前記光路切替装置から前記第1の方向に出射した前記第1波長帯域光、前記第2波長帯域光、前記第3波長帯域光を合成光路に導光する光源光学系と、を有する。
【0008】
本発明の投影装置は、上述の光源装置と、画像光を生成する表示素子と、前記表示素子から出射された前記画像光を被投影体に投影する投影光学系と、前記光源装置と前記表示素子とを制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置の小型化を図ることができる光源装置と、この光源装置を備える投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る投影装置の機能回路ブロックを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る投影装置の内部構造を示す平面模式図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る投影装置の光源装置における要部を示す平面模式図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る蛍光装置の正面図であり、光が照射される様子を示している。
【
図5】本発明の実施形態1に係る投影装置の光源装置におけるマイクロレンズアレイを光が透過する様子を示す拡大平面模式図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る光源装置の要部を示す平面模式図である。
【
図7】本発明の実施形態2に係る光路切替装置の光学ホイールの正面模式図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る蛍光装置の正面図であり、光が照射される様子を示している。
【
図9】本発明の実施形態2に係る蛍光装置の正面図であり、光が照射される様子を示している。
【
図10】本発明の実施形態2に係る蛍光装置の正面図であり、光が照射される様子を示している。
【
図11】本発明の実施形態の変形例1に係る光源装置の要部を示す平面模式図である。
【
図12】本発明の実施形態の変形例2に係る光源装置の要部を示す平面模式図である。
【
図13】光路切替装置の他の例である、ミラーホイールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、
図1~
図5を参照して本発明の実施形態1について説明する。
図1は、投影装置10の機能回路ブロック図である。投影装置制御部は、画像変換部23と制御部38とを含むCPU、入出力インターフェース22を含むフロントエンドユニット、表示エンコーダ24と表示駆動部26等から構成される。入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバスSBを介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0012】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶した上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0013】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜のフレームレートで空間的光変調素子(SOM)であるDMD等の表示素子50を駆動する。投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、導光光学系170を介して表示素子50に照射することにより、表示素子50の反射光で光画像を形成し、投影光学系220(
図2参照)を介して図示しないスクリーン等の被投影体に画像を投影表示する。なお、この投影光学系220の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動を行うことができる。
【0014】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体であるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力する。よって、画像圧縮/伸長部31は、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の出力を行うことができる。
【0015】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。
【0016】
キー/インジケータ部37は、筐体に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成される。キー/インジケータ部37の操作信号は、制御部38に直接送出される。また、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36でコード信号に復調されて制御部38に出力される。
【0017】
制御部38はシステムバスSBを介して音声処理部47と接続されている。音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0018】
制御部38は、光源制御回路41を制御している。光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60における励起光照射装置70、光路切替装置141,141A(
図3、
図6参照)の動作を個別に制御する。
【0019】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファン261の回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置10本体の電源オフ後も冷却ファン261の回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
【0020】
次に、投影装置10の内部構造について説明する。
図2は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。ここで、投影装置10の筐体は、略箱状に形成されて、図示しない上面パネル及び下面パネルと、正面パネル12、背面パネル13、右側パネル14及び左側パネル15を備えている。また、投影装置10は、正面側に投影口12aを有する。なお、以下の説明においては、投影装置10における左右とは投影口12aからの投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10の被投影体側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0021】
投影装置10は、左側パネル15の近傍に制御回路基板242を備える。この制御回路基板242は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えている。また、投影装置10は、投影装置10の略中央部分に配置された光源装置60を備えている。光源装置60と右側パネル14の間には、電源コネクタ57、ヒートシンク130、冷却ファン261等が配置されている。また、光源装置60の左側には、表示素子50が設けられている。表示素子50は、ヒートシンク190と接続されている。
【0022】
光源装置60は、青色波長帯域光(第1波長帯域光)の光源であって励起光の光源でもある青色レーザダイオード71を備える励起光照射装置70と、励起光照射装置70からの励起光により赤色波長帯域光(第2波長帯域光)、緑色波長帯域光(第3波長帯域光)及び黄色波長帯域光(第4波長帯域光)を出射可能な蛍光装置100と、を備えている。光源装置60には、青色波長帯域光、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光を導光する光源光学系140が配置されている。また、光源装置60には、光源光学系140からの光を投影光学系220へ導光する導光光学系170が配置されている。
【0023】
励起光照射装置70は、投影装置10の筐体の後側に配置されている。励起光照射装置70は、複数の青色レーザダイオード71及び複数のコリメータレンズ72を有している。青色レーザダイオード71及びコリメータレンズ72は、本実施形態においては、水平方向に並列して2個設けられている。各青色レーザダイオード71及び各コリメータレンズ72は、図示しない保持部材に保持されている。励起光照射装置70は、図示しないヒートパイプを介してヒートシンク130と接続されており、冷却されるようになっている。
【0024】
光源群を構成する青色レーザダイオード71は、励起光である青色波長帯域光を出射する半導体発光素子である。コリメータレンズ72は、各青色レーザダイオード71の光軸上にそれぞれ配置され、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めるように各々平行光に変換する。各青色レーザダイオード71からの出射光は、各コリメータレンズ72を介して、光源光学系140の光路切替装置141に入射する。
【0025】
光源光学系140は、光路切替装置141、拡散反射板142(反射光学素子)、マイクロレンズアレイ143、ダイクロイックミラー144を含む。光源光学系140は、光路切替装置141から第1の方向D1に出射した青色波長帯域光や、蛍光装置100から出射した赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光を導光光学系170の合成光路へ向けて導光する。
【0026】
図3に示すように、光路切替装置141は、励起光照射装置70から出射した青色波長帯域光の方向D0の光路を第1の方向D1、第2の方向D2、第3の方向D3に切り替え可能に設けられている。また、光路切替装置141は、励起光照射装置70から出射した青色波長帯域光の方向D0の光路を第4の方向D4に切り替え可能に設けられている。このように、光路切替装置141は、入射する光の光路を第1の方向D1、第2の方向D2、第3の方向D3、第4の方向D4を含む複数の異なる方向に切り替え可能に設けられている。
【0027】
第1の方向D1は、拡散反射板142に向かう方向であり、第2の方向D2は、蛍光装置100の第1フィルタ領域103a(後述)に向かう方向であり、第3の方向D3は、蛍光装置100の第2フィルタ領域103b(後述)に向かう方向であり、第4の方向D4は、蛍光装置100の第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bが接触する境界線103m(後述)を含む領域に向かう方向である。
【0028】
励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光を透過して、青色波長帯域光の光路を複数の異なる方向に切り替えることができる光路切替装置141は、具体的には、例えば、電圧を加えると屈折率を自在に変えられるKTN結晶からなる光学素子を用いることができる。
【0029】
拡散反射板142は、光路切替装置141から第1の方向D1に切り替えられて出射した青色波長帯域光を、導光光学系170の合成光路に向けて拡散反射する拡散装置とされている。第一の光学デバイスとされるマイクロレンズアレイ143は、光路切替装置141から第2の方向D2、第3の方向D3及び第4の方向D4に切り替えられて出射した各光路の青色波長帯域光が入射され、入射した光のビームパターンを成形して出射することができる。例えば、マイクロレンズアレイ143は、楕円形のレーザ光を略長矩形の光のビームパターンに成形することができる。
【0030】
ダイクロイックミラー144は、拡散反射板142により反射された青色波長帯域光の光路上であって、光路切替装置141から第2の方向D2、第3の方向D3及び第4の方向D4に切り替えられて出射した青色波長帯域光の各光路上(蛍光装置100から出射される各色波長帯域光の光路上)に配置されている。ダイクロイックミラー144は、青色波長帯域光を透過し、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光及び黄色波長帯域光を反射する。
【0031】
蛍光装置100の正面側(ダイクロイックミラー144側)には、集光レンズ群108が設けられている。集光レンズ群108は、第1集光レンズ108aと、第2集光レンズ108bとを備える。
図4に示すように、蛍光装置100は、銅やアルミニウム等の金属製の板状の基材101と、基材101上に設けられる蛍光発光領域102と、蛍光発光領域102に重畳して設けられるフィルタ領域103と、を有する。基材101の表面は、銀蒸着等によりミラー加工されている。略長矩形に設けられる蛍光発光領域102には、黄色蛍光体を塗布した黄色蛍光体層が設けられている。
【0032】
蛍光発光領域102の黄色蛍光体層に、励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光が励起光として照射されると、黄色蛍光体層の黄色蛍光体から全方位に黄色波長帯域光が蛍光発光され、一部は直接に出射され、他の一部は基材101により反射して出射される。
【0033】
フィルタ領域103は、蛍光発光領域102よりも大きな略長矩形に設けられている。よって、蛍光発光領域102は、フィルタ領域103により覆われている。具体的には、フィルタ領域103は、蛍光発光領域102の上面にフィルタコーティングが塗布されたり、蛍光発光領域102の上面にフィルタシートを重ね被せたりして設けられる。
【0034】
フィルタ領域103は、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を透過しない(緑色波長帯域光を反射する)第1フィルタ領域103aと、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光を透過し、赤色波長帯域光を透過しない(赤色波長帯域光を反射する)第2フィルタ領域103bとを備える。フィルタ領域103は、第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bとが境界線103mで接触し、第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bにより均等に約2分割されている。第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bが接触する境界線103mは、上下方向に配置される。なお、
図4に示す蛍光装置100は、
図4を見て左側が、
図2、
図3における上側となる。
【0035】
図2に戻り、導光光学系170は、マイクロレンズアレイ172(第二の光学デバイス)、凹レンズ174、第3集光レンズ175、照射ミラー185、及びコンデンサレンズ195を有している。マイクロレンズアレイ172は、マイクロレンズアレイ172の入射面に入射した各波長帯域光(青色波長帯域光、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光)のビームパターンを成形し、表示素子50の画像形成面に照射させる。凹レンズ174は、マイクロレンズアレイ172と第3集光レンズ175の間に配置される。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子50から出射された画像光を投影光学系220に向けて出射するので、投影光学系220の一部でもある。
【0036】
投影光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、及び固定レンズ群225を有している。コンデンサレンズ195の正面パネル12側の光軸上に配置される固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵され、手動又は自動により移動されることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0037】
このように投影装置10を構成することで、励起光照射装置70から出射され光路切替装置141により第1の方向D1に切り替えられた青色波長帯域光と、第2の方向D2、第3の方向D3、第4の方向D4に切り替えられた青色波長帯域光を励起光として蛍光装置100から出射される赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光が導光光学系170により光軸を一致した合成光路に導光されて、表示素子50に入射される。そして、投影装置10の表示素子50であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0038】
具体的には、
図3に示すように、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光路の方向D0が光路切替装置141により第1の方向D1に切り替えられると、青色波長帯域光は拡散反射板142に入射する。拡散反射板142に入射した青色波長帯域光は、拡散反射板142により、導光光学系170の合成光路に向けて拡散反射され、投影光学系220に導光される。
【0039】
また、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光路の方向D0が光路切替装置141により第2の方向D2に切り替えられると、青色波長帯域光は、
図5の第2の方向D2で示す矢印のようにマイクロレンズアレイ143を透過して出射される。そして、マイクロレンズアレイ143から出射した青色波長帯域光は、ダイクロイックミラー144を透過して、集光レンズ群108を介して蛍光装置100の第1フィルタ領域103aに照射される。
【0040】
第2の方向D2の青色波長帯域光は、
図4の二点鎖線で示す照射範囲D2sに示すように第1フィルタ領域103aに照射される。照射範囲D2sは、略正方形の形状に成形されている。青色レーザダイオード71から出射された光は、通常、楕円形のビームパターンとされている。しかしながら、青色レーザダイオード71から出射された光は、マイクロレンズアレイ143透過することで、そのビームパターンが略正方形の形状に成形される。
【0041】
第1フィルタ領域103aに照射範囲D2sで照射された青色波長帯域光は、第1フィルタ領域103aを透過し、照射範囲D2sに対応する蛍光発光領域102に照射される。すると、照射範囲D2sに対応する蛍光発光領域102の黄色蛍光体層から黄色波長帯域光が発光する。ここで、黄色波長帯域光は、赤色波長帯域光と緑色波長帯域光を含む光とされている。従って、蛍光発光領域102で発光した黄色波長帯域光は、第1フィルタ領域103aを介して赤色波長帯域光として蛍光装置100から出射される。
【0042】
図3に二点鎖線の光L1で示す、蛍光装置100から出射された赤色波長帯域光は、集光レンズ群108を介してダイクロイックミラー144に入射する。ダイクロイックミラー144に入射した赤色波長帯域光は、ダイクロイックミラー144により導光光学系170の合成光路に向けて反射される。
【0043】
また、励起光照射装置70から出射される青い色波長帯域光の方向D0の光路が光路切替装置141により第3の方向D3に切り替えられると、青色波長帯域光は、
図5に示す第3の方向D3で示す矢印のようにマイクロレンズアレイ143を透過して出射される。そして、マイクロレンズアレイ143から出射した青色波長帯域光は、ダイクロイックミラー144を透過して、集光レンズ群108を介して蛍光装置100の第2フィルタ領域103bに照射される。
【0044】
第3の方向D3の光路の青色波長帯域光は、
図4に一点鎖線で示す、略正方形の形状の照射範囲D3sで第2フィルタ領域103bに照射される。第2フィルタ領域103bに照射された青色波長帯域光は、第2フィルタ領域103bを透過し、照射範囲D3sに対応する蛍光発光領域102に照射される。すると、照射範囲D3sに対応する蛍光発光領域102の黄色蛍光体層から黄色波長帯域光が発光する。蛍光発光領域102で発光した黄色波長帯域光は、第2フィルタ領域103bを介して緑色波長帯域光として蛍光装置100から出射される。
【0045】
図3に一点鎖線の光L2で示すように、蛍光装置100から出射された緑色波長帯域光は、集光レンズ群108を介してダイクロイックミラー144に入射する。ダイクロイックミラー144に入射した緑色波長帯域光(光L2)は、ダイクロイックミラー144により導光光学系170の合成光路に向けて反射される。
【0046】
なお、
図4に示すように、照射範囲D2s,D3sは、それぞれ、第2フィルタ領域103b、第1フィルタ領域103aから十分離れた位置とされる。よって、照射範囲D2s,D3sで照射された励起光により発光する蛍光光は、そのほとんどが対応するフィルタ領域103(第1フィルタ領域103a、第2フィルタ領域103b)を透過し、一方の波長帯域光に他方の波長帯域光が混色してしまうことはほとんどない。
【0047】
また、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の方向D0の光路が光路切替装置141により第4の方向D4に切り替えられると、青色波長帯域光は、
図5に示す第4の方向D4で示す矢印のようにマイクロレンズアレイ143を透過して出射される。そして、マイクロレンズアレイ143から出射した青色波長帯域光は、ダイクロイックミラー144を透過して、集光レンズ群108を介して蛍光装置100に照射される。
【0048】
第4の方向D4の光路の青色波長帯域光は、
図4に破線で示す、略正方形の形状の照射範囲D4sで、境界線103mを含む第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bに亘って照射される。第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bに亘って照射範囲D4sで照射された青色波長帯域光は、第1フィルタ領域103a及び第2フィルタ領域103bを透過し、照射範囲D4sに対応する蛍光発光領域102に照射される。すると、蛍光発光領域102の黄色蛍光体層から黄色波長帯域光が発光する。蛍光発光領域102で発光した黄色波長帯域光のうち、第1フィルタ領域103aを介して出射する光は赤色波長帯域光として蛍光装置100から出射され、第2フィルタ領域103bを介して出射する光は緑色波長帯域光として蛍光装置100から出射される。このようにして、第4の方向D4の光路で出射された青色波長帯域光により励起された蛍光は、蛍光装置100からフィルタ領域103を介して赤色波長帯域光と緑色波長帯域光が同時に出射される。
【0049】
フィルタ領域103から同時に出射された赤色波長帯域光と緑色波長帯域光は、黄色波長帯域光として蛍光装置100から出射される。蛍光装置100から出射された黄色波長帯域光は、図示しないが、光L1,L2と同様に、集光レンズ群108を介してダイクロイックミラー144により導光光学系170の合成光路に向けて反射される。
【0050】
すなわち、蛍光装置100は、光路切替装置141から第4の方向D4に出射した青色波長帯域光が照射され黄色波長帯域光を出射する黄色波長帯域光出射領域(第4波長帯域光出射領域)としての照射範囲D4sで示される領域を備える。なお、本実施例では、黄色波長帯域光出射領域は、赤色波長帯域光と緑色波長帯域光が同時に出射される領域として、境界線103m及び第1フィルタ領域103a、第2フィルタ領域103bを含む領域としたが、例えば、照射範囲D4sで示される領域に対応する領域のフィルタ領域103(第1フィルタ領域103a及び第2フィルタ領域103b)を切り欠いて(換言すれば、照射範囲D4sで示される領域に対応する領域のフィルタ領域103に開口領域を設けて)、蛍光発光領域102から直接、黄色波長帯域光の蛍光が出射する構成とすることもできる。
【0051】
(実施形態2)
次に、
図6~
図10に基づいて、本発明の実施形態2を説明する。実施形態2は、実施形態1の投影装置10における光源装置60の光路切替装置141を、複数の回折格子を含む光学ホイール200を備える光学ホール装置としての光路切替装置141Aとしたものである。更に、実施形態1では、光路切替装置141の出射側にマイクロレンズアレイ143を設けていたが、実施形態2ではこれを廃している。光路切替装置141Aの光学ホイール200に拡散板等を設けることで、レーザ光を拡散させる拡散機能を備えさせることができるからである。従って、光路切替装置141Aは、拡散装置ともされている。以下の説明においては、実施形態1と同じ部材や個所には同じ符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。
【0052】
光路切替装置141Aには、光学ホイール200の背面側に配置された励起光照射装置70からの青色波長帯域光が光学ホイール200の背面側から入射する。光路切替装置141Aは、青色波長帯域光の方向D0の光路を、第1の方向D1、第2の方向D2、第3の方向D3及び第4の方向D4に切り替え可能に設けられている。具体的には以下の通りである。
【0053】
光路切替装置141Aは、光学ホイール200と、ホイールモータ201を有する。光学ホイール200は、ホイールモータ201の回転軸201a(
図7参照)に固定され、回転可能に設けられている。光学ホイール200には、透過型の4つの回折格子領域210(第1回折格子領域211、第2回折格子領域212、第3回折格子領域213、第4回折格子領域214)が設けられている。各回折格子領域210は、それぞれ回折格子から出射する光の出射角度を異ならせて設けられている。なお、本実施形態においては、4つの回折格子領域210を90度ずつ等分して配置したが、これに限定されることはなく、適宜設定することができる。また、前述の通り、各回折格子領域210には、拡散機能を備えさせることができる。
【0054】
回折格子領域210のうち、第1回折格子領域211(第1領域)は、光学ホイール200の背面側から入射する励起光照射装置70からの青色波長帯域光の方向D0の光路を第1の方向D1に切り替えることができる。同様に、第2回折格子領域212(第2領域)は第2の方向D2に、第3回折格子領域213(第3領域)は第3の方向D3に、第4回折格子領域214(第4領域)は第4の方向D4に光路を切り替えることができる。なお、第1の方向D1、第2の方向D2、第3の方向D3、第4の方向D4は、それぞれ互いに異なる方向とされている。
【0055】
更に、回折格子領域210は、回折格子の設定に応じて、第2の方向D2、第3の方向D3、第4の方向D4の光路で出射した青色波長帯域光が蛍光装置100のフィルタ領域103に照射する照射範囲の大きさを変更することができる。
【0056】
従って、例えば、第2回折格子領域212により第2の方向D2の光路に切り替えられて出射された青色波長帯域光は、
図8に示すように、蛍光発光領域102の幅に近い略長矩形状の照射範囲D2saで第1フィルタ領域103aに照射される。同様に、第3回折格子領域213により第3の方向D3の光路に切り替えられて出射された青色波長帯域光は、第2フィルタ領域103bに対して、
図9に示す照射範囲D3saとして照射される。第4回折格子領域214により第4の方向D4の光路に切り替えられて出射された青色波長帯域光は、第1フィルタ領域103a及び第2フィルタ領域103bに対して、
図10に示す、照射範囲D2sa,D3saよりも十分に大きい照射範囲D4saとして照射される。
【0057】
実施形態1,2における光路切替装置141,141Aは、光路切替装置141,141Aの背面側に励起光照射装置70を配置して、光路切替装置141,141Aの正面側に出射するよう透過型として構成したが、光路切替装置を反射型とすることにより、光路切替装置の正面側に励起光照射装置70を配置して光路切替装置の正面側に出射するよう構成することもできる。換言すれば、反射型光路切替装置は、励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光を反射して青色波長帯域光の光路の方向D0を第1の方向D1、第2の方向D2、第3の方向D4及び第4の方向D4を含む複数の方向の光路に切り替えることができる。
【0058】
図11(変形例1)には、反射型の光路切替装置141Bを用いた構成の例を示している。励起光照射装置70は、反射型の光路切替装置141Bの正面側に配置されている。換言すれば、励起光照射装置70は、入射光を反射する光路切替装置141Bの反射側に配置されている。光路切替装置141Bの光学ホイール200Bは、
図7と同様の角度範囲で、反射型の4つの回折格子領域(第1回折格子領域、第2回折格子領域、第3回折格子領域、第4回折格子領域)が設けられている。各回折格子領域は、それぞれ回折格子から出射する光の出射角度を異ならせて設けられている。なお、前述と同様に、各回折格子領域には、拡散機能を備えさせ、光を拡散反射させることができる。
【0059】
図12(変形例2)には、導光ロッド145を用いた構成を示す。
図12の光路切替装置141Cは、励起光照射装置70から出射した方向D0の光の光路を、合成光路に向けた第1の方向D1と、蛍光装置100の第1フィルタ領域103aに向けた第2の方向D2と、蛍光装置100の第2フィルタ領域103bに向けた第3の方向D3と、蛍光装置100の第1フィルタ領域103aと第2フィルタ領域103bが接触する境界線103mに向けた第4の方向D4とに切り替え可能に形成される。
【0060】
このため、光路切替装置141Cの光学ホイール200Cは、透過型の回折格子領域(第1回折格子領域)と、反射型の回折格子領域(第2回折格子領域、第3回折格子領域、第4回折格子領域)が設けられている。なお、導光ロッド145は、中実のガラスロッドやライトトンネルを用いることができる。導光ロッド145により、光が均一化される。
【0061】
この他、例えば、光路切替装置をMEMSミラーを用いて構成することもできる。ここで、MEMSミラーは、単結晶シリコン上に金属のコイルを形成し、コイルの内側にMEMS加工によりミラーを形成し、ミラーの下に磁石を配置することで、ミラーに傾きを与えて光路を切り替えることができるものである。
【0062】
または、光路切替装置141は、
図13に示すミラーホイール300を用いて構成することもできる。ミラーホイール300は、図示しないモータ軸に取り付けられることにより、軸心305周りに回転制御されるものである。ミラーホイール300は、円盤状の表面に、角度を異ならせた3つの傾斜面(第1傾斜面301、第2傾斜面302、第3傾斜面303)を備える。ミラーホイール300は、入射光L30が第1傾斜面301に照射された場合には、その光路を光L31で示す光路に切り替えることができる。同様に、入射光L30が第2傾斜面302により光L32の光路に切り替えられ、第3傾斜面303により光L33の光路に切り替えられ、よってミラーホイール300により複数の光路に切り替えることができる。
【0063】
なお、蛍光装置100は、蛍光発光領域102に黄色蛍光体を塗布した黄色蛍光体層を設けて、励起光が照射されることで黄色波長帯域の蛍光光が発せられるものとしたが、これに限定されることはなく、例えば、赤色蛍光体層と緑色蛍光体層とをそれぞれ設けて、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光がそれぞれ発せられる蛍光装置とすることもできる。このような場合には、蛍光装置100にフィルタ領域103を設ける必要がない。
【0064】
以上、本発明の実施形態によれば、光源装置60は、青色波長帯域光(第1波長帯域光)を出射する励起光照射装置70と、励起光照射装置70から出射した青色波長帯域光の光路を、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3を少なくとも含む複数の方向の光路に切り替え可能な光路切替装置141,141A,141B,141Cと、第2方向D2及び第3方向D3の光路上に配置され、青色波長帯域光を励起光として赤色波長帯域光(第2波長帯域光)、緑色波長帯域光(第3波長帯域光)を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域102を含む蛍光装置100と、光路切替装置141,141A,141B,141Cから第1方向D1に出射した青色波長帯域光、さらに赤色波長帯域光、緑色波長帯域光を合成光路に導光する光源光学系140と、を有する。
【0065】
これにより、大きな配置スペースを要しない光路切替装置141,141A~Cにより波長の異なる光を光源光として出射することができるので、光路構成を複雑とすることなく、装置の小型化を達成することができる。
【0066】
また、光源装置60は、青色波長帯域光(第1波長帯域光)を出射する励起光照射装置70と、励起光照射装置70からの青色波長帯域光である光源光を励起光として赤色波長帯域光、緑色波長帯域光を含む蛍光光を出射する蛍光発光領域102を含む蛍光装置100と、光源光及び蛍光装置100からの蛍光光を合成光路に導光する光源光学系140と、を備え、光源光学系140は、励起光照射装置70から入射された光源光を第1方向D1に出射させる第1領域である第1回折格子領域211と、第2方向D2に出射させる第2領域である第2回折格子領域212とを少なくとも含む光路切替装置141A~141Cを備える。本構成によっても、光路構成を複雑とすることなく、装置の小型化を達成することができる。
【0067】
第1方向D1に出射される光を拡散させて合成光路に向けて出射させる拡散装置としての拡散反射板142等が配置されている。これにより、励起光照射装置70の青色レーザダイオード71からの光を光源光とすることができる。
【0068】
また、光源光学系140は、ビームパターンを成形するための第一の光学デバイスであるマイクロレンズアレイ143を備え、励起光照射装置70からの光は、マイクロレンズアレイ143により成形されてから蛍光装置100に入射される。これにより、蛍光体装置100から出射される蛍光光についても成形された光を得ることができる。
【0069】
また、合成光路には、ビームパターンを成形するための第二の光学デバイスであるマイクロレンズアレイ172が配置されている。これにより、更に適正な形状の光源光を得ることができるので、色ムラ等を低減し、鮮明な投影画像とすることができる。
【0070】
また、励起光照射装置70は、励起光照射装置70からの光を反射する光路切替装置141B等の反射側に配置される。これにより、光源装置60を更に小型とすることができる。
【0071】
また、光路切替装置140,140A~140Cは、励起光照射装置70から出射した青色波長帯域光の光路を第4方向D4に切り替え可能に設けられ、蛍光装置100は、光路切替装置140,140A~140Cから第4方向D4に出射した青色波長帯域光が照射され黄色波長帯域光を出射するよう設けられる。これにより、青色、赤色、緑色波長帯域光に加えて黄色波長帯域光の光源光を得ることができる。
【0072】
また、蛍光装置100は、蛍光発光領域102に重畳して設けられるフィルタ領域103を有する。これにより、黄色蛍光体層を備えた簡単な構成であって、コンパクトな蛍光装置100とすることができる。
【0073】
そして、投影装置10は、光源装置60と、画像光を生成する表示素子50と、表示素子50から出射された画像光を被投影体に投影する投影光学系220と、光源装置60と表示素子50とを制御する制御部と、を備える。これにより、小型とする光源装置60により小型に構成された投影装置10を提供することができる。
【0074】
以上説明した各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 投影装置 12 正面パネル
12a 投影口 13 背面パネル
14 右側パネル 15 左側パネル
21 入出力コネクタ部 22 入出力インターフェース
23 画像変換部 24 表示エンコーダ
25 ビデオRAM 26 表示駆動部
31 画像圧縮/伸長部 32 メモリカード
35 Ir受信部 36 Ir処理部
37 インジケータ部 38 制御部
41 光源制御回路 43 冷却ファン駆動制御回路
45 レンズモータ 47 音声処理部
48 スピーカ 50 表示素子
57 電源コネクタ 60 光源装置
70 励起光照射装置 71 青色レーザダイオード
72 コリメータレンズ 100 蛍光装置
101 基材 102 蛍光発光領域
103 フィルタ領域 103a 第1フィルタ領域
103b 第2フィルタ領域 103m 境界線
108 集光レンズ群 108a 第1集光レンズ
108b 第2集光レンズ 130 ヒートシンク
140 光源光学系
141,141A~141C 光路切替装置
142 拡散反射板
143 マイクロレンズアレイ 144 ダイクロイックミラー
170 導光光学系 172 マイクロレンズアレイ
174 凹レンズ 175 第3集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 コンデンサレンズ 200 光学ホイール
201 ホイールモータ 201a 回転軸
210 回折格子領域 211 第1回折格子領域
212 第2回折格子領域 213 第3回折格子領域
214 第4回折格子領域 220 投影光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
242 制御回路基板 261 冷却ファン
300 ミラーホイール 301 第1傾斜面
302 第2傾斜面 303 第3傾斜面
305 軸心