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  • 特開-プレートアイス保護具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153990
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】プレートアイス保護具
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B65D81/18 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067548
(22)【出願日】2023-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】310011985
【氏名又は名称】松下 匠
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】松下 匠
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA24
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067EA01
3E067EA23
(57)【要約】
【課題】プレートアイスが溶けても真水が漏れないように保護することを可能とすることである。
【解決手段】プレートアイス保護具10は、所定の厚みを有する板状の氷を密閉して収納する収納袋部16と、収納袋部16を内部に収容可能であり、収納袋部16を保護する保護容器部と、を備え、保護容器部は、複数のスリット12aが形成された外側容器12と、外側容器12内に収容可能であり、複数のスリット12aを閉塞可能な内側容器14と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有する板状の氷を密閉して収納する収納袋部と、
前記収納袋部を内部に収容可能であり、前記収納袋部を保護する保護容器部と、
を備え、
前記保護容器部は、
複数のスリットが形成された外側容器と、
前記外側容器内に収容可能であり、前記複数のスリットを閉塞可能な内側容器と、
を有することを特徴とするプレートアイス保護具。
【請求項2】
請求項1に記載のプレートアイス保護具において、
前記外側容器は、複数の側面に前記複数のスリットが並んで形成されており、
前記内側容器は、複数の側面に前記外側容器の前記複数のスリットに対応する複数のスリットが形成されており、前記外側容器内をスライドさせることで前記外側容器内の前記複数のスリットを閉塞することを特徴とするプレートアイス保護具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートアイス保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣りやキャンプなどのレジャーにおいて、クーラボックスを冷やすために板状の氷であるプレートアイスが用いられることがある。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、物品を収納するための閉じられた空間を形成する複数の壁を備え、 前記複数の壁のそれぞれは、空気よりも低い熱伝導率を有する断熱ガスが内部に封入された袋と、前記袋を挟む内側被覆板および外側被覆板とを備えており、前記袋は、前記断熱ガスを通過させないフィルムから構成されており、前記内側被覆板および前記外側被覆板は、紙製段ボールまたは強化段ボールまたはプラスチック段ボールから構成されていることを特徴とする保冷コンテナが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、上方に開口を有する略直方体形状の容器本体と、該容器本体内を区画する仕切り壁と、前記容器本体の開口を塞ぐ状態でその上方に重ねられる冷媒を収納する容器形状の中蓋と、該容器形状の中蓋の開口を塞ぐ上蓋とから構成され、前記容器形状の中蓋の底壁に、前記仕切り壁により区画された容器本体内のいずれか一つの区画のみに連通する穴が穿設されていることを特徴とする、保冷用容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-30862号公報
【特許文献2】特開2011-6099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレートアイスがクーラボックス内で溶け出すとプレートアイスを構成する真水がクーラボックス内に溜まる。真水によって魚が浸ると、魚が傷んでしまい、また、キャンプのBBQの食材が浸っても傷んでしまう。仮に、プレートアイスを袋に収納したとしても、魚の背びれ等によって袋が破けてしまうと、やはり真水が広がってしまう。
【0006】
本発明の目的は、プレートアイスが溶けても真水が漏れないように保護することを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプレートアイス保護具は、所定の厚みを有する板状の氷を密閉して収納する収納袋部と、前記収納袋部を内部に収容可能であり、前記収納袋部を保護する保護容器部と、を備え、前記保護容器部は、複数のスリットが形成された外側容器と、前記外側容器内に収容可能であり、前記複数のスリットを閉塞可能な内側容器と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプレートアイス保護具において、前記外側容器は、複数の側面に前記複数のスリットが並んで形成されており、前記内側容器は、複数の側面に前記外側容器の前記複数のスリットに対応する複数のスリットが形成されており、前記外側容器内をスライドさせることで前記外側容器内の前記複数のスリットを閉塞することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレートアイスが溶けても真水が漏れないように保護することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具を示す図であり、プレートアイスを収容する収容袋を取り出し、外側容器と内側容器とを分離した状態を示す図である。
図2】本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具を示す図であり、外側容器内に内側容器を収容している様子を示す図である。
図3】本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具の変形例であるプレートアイス保護具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具10を示す図であり、プレートアイス8を収容する収納袋部16を取り出し、外側容器12と内側容器14とを分離した状態を示す図である。
【0013】
図2は、本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具10を示す図であり、外側容器12内に内側容器14を収容している様子を示す図である。
【0014】
プレートアイス保護具10は、プレートアイス8が溶けても真水が漏れないように保護する機能を有する。プレートアイス保護具10は、外側容器12と、内側容器14と、収納袋部16とを備えている。
【0015】
プレートアイス8は、半透明の板状の氷である。プレートアイス8のサイズは、140×265×60mmであるものとして説明するが、適宜変更可能である。
【0016】
外側容器12は、天井部12bに開口が形成されており、4つの側面と底面とで構成される略箱型形状を有している。また、外側容器12は、天井部12bの開口を塞ぐような蓋部12cが設けられている。
【0017】
外側容器12は、持続性帯電防止機能が付加された無架橋発泡ポリプロピレンボードで構成されている。
【0018】
外側容器12は、縦方向の長さが約160mmで横方向の長さが約285mmで厚み方向の長さが約80mmである。
【0019】
4つの側面には、複数のスリット12aが整列配置されるような形で形成されている。各スリット12aは、縦方向が約50mmで横方向が約10mmの矩形形状の貫通孔である。
【0020】
蓋部12cは、天井部12bの開口を塞ぐ矩形部と、後述する面ファスナーを配置するための凹部とを備える。蓋部12cの矩形部のサイズは、縦方向の長さが約160mmで横方向の長さが約80mmである。
【0021】
蓋部12cの凹部の矩形は縦方向の長さが約160mmであり横方向の長さが約20mmである。蓋部12cの凹部の2つの正方形は、縦横方向の長さが約20mmである。
【0022】
外側容器12の側面と蓋部12cには、それぞれ対応するように略凹形状の面ファスナー12d,12eが設けられている。これにより、蓋部12cを閉じたときに面ファスナー12d,12eが結合することで蓋部12cが勝手に開かないように規制することが出来る。
【0023】
内側容器14は、外側容器12内に収容可能であり、複数のスリット12aを閉塞可能な容器である。内側容器14は、4つの側面と底面とで構成される略箱型形状を有しており、天井部14bには開口が形成されている。
【0024】
内側容器14は、4つの側面に外側容器12の複数のスリット12aに対応する複数のスリット14aが形成されており、外側容器12内をスライドさせることで外側容器12内の複数のスリット12aを閉塞する。
【0025】
内側容器14は、持続性帯電防止機能が付加された無架橋発泡ポリプロピレンボードで構成されている。
【0026】
内側容器14は、縦方向の長さが約153mmで横方向の長さが約265mmで厚み方向の長さが約73mmである。
【0027】
4つの側面には、複数のスリット14aが整列配置されるような形で形成されている。各スリット14aは、縦方向が約50mmで横方向が約10mmの矩形形状の貫通孔である。各スリット14aは、外側容器12の各スリット12aに対応する位置に形成されている。
【0028】
収納袋部16は、縦方向の長さが約240mmで横方向の長さが約340mmで厚み0.04mmのチャック付き袋である。収納袋部16の材質は、ポリエチレンなどで構成することが出来る。収納袋部16のチャックを開き、内部にプレートアイス8を収納した後でチャックを閉じることでプレートアイス8が溶けだしても収納袋部16から水が出てしまうことを防ぐことが出来る。
【0029】
続いて、上記構成のプレートアイス保護具10の作用について説明する。近年、アウトドアブームにより、魚釣り、BBQ、キャンプなどを楽しむ人が増えている。魚釣りでは釣った魚を保管し、BBQでは食材を冷やすためのクーラボックスが利用されている。
【0030】
クーラボックス内には、冷却効果を高めるためにプレートアイス8を入れて時間が経過するとプレートアイス8が溶けだしてしまう。プレートアイス8が溶けだして出た真水が魚やBBQの食材を浸すと傷んでしまうという課題がある。
【0031】
また、プレートアイス8をビニール袋に入れるという対応も考えられるが、例えば、魚の背びれによってビニール袋が破けてしまうと、やはり真水により魚や食材が浸水してしまうという課題がある。
【0032】
そして、夏場などの高温期はプレートアイス8の溶けるスピードが早い。日帰りはもとより2~3日かけて遠方に行く時など、長時間、氷をキープしたいシチュエーションは多々ある。このような課題に対し、本発明に係る実施形態は顕著な効果を発揮する。
【0033】
最初に、ユーザはコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどにおいてプレートアイス8を購入する。そして、図1に示されるように、購入したプレートアイス8を、チャックを開いた収納袋部16の内部に収納し、チャックを閉じて密封する。
【0034】
そして、図2に示されるように、外側容器12内に内側容器14を入れて、内側容器14にプレートアイス8を含む収納袋部16を入れる。
【0035】
内側容器14を、外側容器12内をスライドさせて外側容器12のスリット12aの開口の面積を調整する。例えば、スリット12aとスリット14aとを完全に一致させると全開状態となり、スリット12aとスリット14aとを完全にずらすと全閉状態となる。
【0036】
この後、蓋部12cを閉じて面ファスナー12d,12eを結合させることで、簡単に蓋部12cが開かないようにする。このような状態にした後、クーラボックスに入れてクーラボックス内を冷やす。
【0037】
プレートアイス保護具10によれば、プレートアイス8を収納袋部16に入れて、外側容器12及び内側容器14に収納されているため、魚やBBQの食材に直接ふれることがない。これにより、魚やBBQの食材を冷凍焼けしてしまうことを防ぐことができるとともに、魚の背びれなどによって収納袋部16が破れてしまうことも防ぐ。
【0038】
また、プレートアイス保護具10によれば、プレートアイス8を収納袋部16に入れて密封されているため、プレートアイス8が溶けても真水が漏れ出て、魚や食材を浸すことを防ぐことが出来る。
【0039】
さらに、プレートアイス保護具10によれば、内側容器14が外側容器12に収納される二重構造であるため、開口の面積を調整して熱交換の量を調整することにより、クーラボックス内の温度及びプレートアイス8の溶けるスピードを調整することが出来る。
【0040】
例えば、車や電車などの空調された空間内では開口を全閉とした状態でプレートアイス8の溶けるスピードを遅く、すなわち最小限の熱交換を行い、また、屋外などでは開口を全開とした状態で最大量の熱交換を行って魚やBBQの食材を冷やすことが出来る。
【0041】
図3は、本発明に係る実施形態のプレートアイス保護具10の変形例であるプレートアイス保護具11を示す図である。図3(a)は、外側容器12と内側容器14とを分離した状態を示す図であり、図3(b)は、外側容器12内に内側容器14を収容している様子を示す図である。
【0042】
プレートアイス保護具11とプレートアイス保護具10との相違は、外側容器12において蓋部12cと面ファスナー12d,12eが存在しない点と、内側容器14において、一方側の側面14bは開口されているが、側面14bの反対側の側面14cは開口がなく壁部が存在している点である。
【0043】
プレートアイス保護具11によれば、プレートアイス保護具10のように面ファスナー12d,12eを用いて蓋部12cを閉じる必要がなく、プレートアイス保護具10と同様の利点を要することが出来る。
【符号の説明】
【0044】
8 プレートアイス、10,11 プレートアイス保護具、12 外側容器、12a スリット、12b 天井部、12c 蓋部、12d,12e 面ファスナー、14 内側容器、14a スリット、14b 天井部、16 収納袋部。

図1
図2
図3