(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154000
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】スパークプラグ
(51)【国際特許分類】
H01T 13/39 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
H01T13/39
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067565
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】中村 海透
(72)【発明者】
【氏名】服部 健吾
(72)【発明者】
【氏名】井澤 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 智克
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大輔
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059AA04
5G059CC02
5G059DD02
5G059DD11
5G059EE02
5G059EE11
(57)【要約】
【課題】放電部材の割れを低減できるスパークプラグを提供する。
【解決手段】スパークプラグは、Niを主成分とする母材に溶融部を介して接合された放電部材を備える第1電極と、放電部材と火花ギャップを介して対向する第2電極と、を備え、放電部材はRuを主成分とし、溶融部のビッカース硬度を放電部材のビッカース硬度で除した値は0.25以上2.8以下である。放電部材はIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,W,Au,Al,Co,Ni,Cr,Siからなる群から選択される1種以上の元素を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Niを主成分とする母材に溶融部を介して接合された放電部材を備える第1電極と、
前記放電部材と火花ギャップを介して対向する第2電極と、を備え、
前記放電部材はRuを主成分とするスパークプラグであって、
前記溶融部のビッカース硬度を前記放電部材のビッカース硬度で除した値は0.25以上2.8以下であるスパークプラグ。
【請求項2】
前記放電部材はIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,W,Au,Al,Co,Ni,Cr,Siからなる群から選択される1種以上の元素を含む請求項1記載のスパークプラグ。
【請求項3】
前記値は1.05以上2.8以下である請求項1記載のスパークプラグ。
【請求項4】
前記放電部材はIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,Wからなる群から選択される1種以上の元素を含む請求項3記載のスパークプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はRuを含む放電部材を備えるスパークプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
放電部材を含む第1電極と、放電部材と火花ギャップを介して対向する第2電極と、を備えるスパークプラグにおいて、放電部材の材料がRuを主成分とする金属である先行技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Ruの結晶構造は六方最密格子であり外力に対するずれの抵抗が大きく変形しにくいため、先行技術は、Ruを主成分とする放電部材が割れやすいという問題点がある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、放電部材の割れを低減できるスパークプラグの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の第1の態様は、Niを主成分とする母材に溶融部を介して接合された放電部材を備える第1電極と、放電部材と火花ギャップを介して対向する第2電極と、を備え、放電部材はRuを主成分とし、溶融部のビッカース硬度を放電部材のビッカース硬度で除した値は0.25以上2.8以下である。
【0007】
第2の態様は、第1の態様において、放電部材はIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,W,Au,Al,Co,Ni,Cr,Siからなる群から選択される1種以上の元素を含む。
【0008】
第3の態様は、第1の態様において、溶融部のビッカース硬度を放電部材のビッカース硬度で除した値は1.05以上2.8以下である。
【0009】
第4の態様は、第3の態様において、放電部材はIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,Wからなる群から選択される1種以上の元素を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、Ruを主成分とする放電部材とNiを主成分とする母材とを接合する溶融部のビッカース硬度を、放電部材のビッカース硬度で除した値が0.25以上2.8以下であるため、溶融部の変形が放電部材の変形を補助し、放電部材の割れを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。
【
図2】
図1のIIで示す部分を拡大したスパークプラグの片側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は一実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。
図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。
【0013】
図1に示すようにスパークプラグ10は、中心電極13(第1電極)及び接地電極19(第2電極)を備えている。絶縁体11は中心電極13と接地電極19とを絶縁する。接地電極19は主体金具18に接続されている。絶縁体11は、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等のセラミック製の略円筒状の部材である。絶縁体11は軸線Oに沿って貫通する軸孔12が設けられている。中心電極13(第1電極)は、軸線Oに沿って軸孔12に配置された棒状の導体である。
【0014】
図2は
図1のIIで示す部分を拡大したスパークプラグ10の片側断面図である。中心電極13は母材14と、母材14の先端に設けられた放電部材15と、母材14と放電部材15とが溶けてなる溶融部16と、を含む。母材14は熱伝導性に優れる芯材が埋設されている。母材14の材料はNiを主成分とする金属であり、芯材の材料は例えばCu又はCuを主成分とする合金である。芯材は省略できる。母材14の材料がNiを主成分とする金属とは、金属の質量のうち50質量%以上をNiが占めていることをいう。
【0015】
放電部材15の材料はRuを主成分とする金属である。Ruが主成分というのは、放電部材15の質量に対してRuの質量の割合が50%以上であることをいう。本実施形態では放電部材15の形は円板状である。放電部材15は、レーザ溶接や抵抗溶接等によってできた溶融部16を介して母材14に固着されている。
【0016】
図1に戻って説明する。端子金具17は、点火装置(図示せず)が接続される棒状の導体であり、先端側が絶縁体11の軸孔12の中に配置される。端子金具17は、軸孔12の中で中心電極13と電気的に接続されている。
【0017】
主体金具18は、内燃機関(図示せず)のプラグホールのねじ穴に固定される略円筒状の部材である。主体金具18の材料は導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)である。主体金具18は絶縁体11の外周に固定されている。棒状の導体である接地電極19(第2電極)が主体金具18に接続されている。接地電極19は主体金具18から軸線Oに向かって屈曲している。
【0018】
図2に示すように接地電極19は、主体金具18に接続される母材20と、母材20に設けられた放電部材21と、母材20と放電部材21とが溶けてなる溶融部22と、を含む。母材20は熱伝導性に優れる芯材が埋設されている。母材20の材料は例えばNiを主成分とする合金であり、芯材の材料はCu又はCuを主成分とする合金である。芯材は省略できる。
【0019】
放電部材21の材料は母材20よりも耐火花消耗性の高いPt,Ir,Ru,Rh等の貴金属やW、又は、貴金属やWを主成分とする合金が例示される。放電部材21は、レーザ溶接や抵抗溶接等によって作られた溶融部22を介して母材20に固着されている。中心電極13の放電部材15は、先端側を向く放電面23が、火花ギャップ24を介して接地電極19と対向している。
【0020】
スパークプラグ10は、例えば以下のような方法によって製造される。まず、中心電極13を絶縁体11の軸孔12に挿入する。次に軸孔12に端子金具17を挿入し、端子金具17と中心電極13との導通を確保した後、予め接地電極19が接続された主体金具18を絶縁体11の外周に組み付ける。接地電極19を屈曲して中心電極13と接地電極19の放電部材21との間に火花ギャップ24を作り、スパークプラグ10を得る。
【0021】
中心電極13は、溶融部16のビッカース硬度Mを放電部材15のビッカース硬度Dで除した値M/Dが0.25以上2.8以下である。ビッカース硬度M,Dを測定する試験面は、放電部材15の放電面23の重心25を通る直線26(放電面23に垂直な直線26)を含む断面を研磨した面である。放電面23の重心25は、放電面23を平面図形としたときの、公知の手段で算出される幾何中心である。
【0022】
ビッカース硬度はJIS Z2244-1:2020に基づき、試験面に圧子を押し込んだ試験力を、試験面にできた圧子のくぼみの表面積で除して得られる。ばらつきを考慮して、溶融部16の試験面の中の任意の30点のビッカース硬度の平均を溶融部16のビッカース硬度とし、放電部材15の試験面の中の任意の30点のビッカース硬度の平均を放電部材15のビッカース硬度とする。
【0023】
放電部材15は、Ruを含む粉末を圧縮して成形し高温で焼結する方法(焼結法)によって作製される。焼結法によれば焼結のときの温度や圧力などによって放電部材15のビッカース硬度を高くしたり低くしたりできる。焼結法によれば円板、円錐台、楕円柱、三角柱や四角柱等の多角柱など放電部材15を任意の形状にできる。
【0024】
放電部材15はRuを含む金属材料のインゴットの熱間または冷間による鍛造、圧延、スウェージャ、打ち抜き、伸線等の塑性加工により作製することもできる。塑性加工によれば加工歪(加工硬化)や結晶粒の微細化などによって放電部材15のビッカース硬度を調整できる。
【0025】
溶融部16はレーザ溶接により作製される。レーザ溶接によればレーザ出力、レーザビームの照射位置によって溶融部16に占める母材14と放電部材15の割合を変えることにより溶融部16のビッカース硬度を高くしたり低くしたりできる。溶融部16は抵抗溶接によって作製することもできる。抵抗溶接によれば溶接電流、通電時間、加圧力などによって溶融部16のビッカース硬度を調整できる。
【0026】
Ruの結晶構造は六方最密格子であり、外力に対するずれの抵抗が大きく変形しにくいため、Ruを主成分とする放電部材15は割れやすいという問題点がある。溶融部16のビッカース硬度Mを放電部材15のビッカース硬度Dで除した値M/Dを0.25以上2.8以下にすると、溶融部16の変形が放電部材15の変形を補助するため、溶融部16を介して母材14に接合された放電部材15の割れを低減できる。
【0027】
溶融部16のビッカース硬度は100HV以上650HV以下が好ましく、120HV以上630HV以下がより好ましい。放電部材15の割れを低減するために、溶融部1622の引張強度と靭性とを確保するためである。
【0028】
放電部材15のビッカース硬度は180HV以上550HV以下が好ましく、200HV以上530HV以下がより好ましい。放電部材15の引張強度と靭性とを確保するためである。
【0029】
放電部材15は、Ruの他にIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,W,Au,Al,Co,Ni,Cr,Siからなる群から選択される1種以上の元素が含まれると好ましい。これらの元素の原子半径は111-144pmの範囲にあり、Ruの原子半径134pmに近いため、固溶強化により母材14と放電部材15とが溶けてなる溶融部16の機械的強度を高くできるからである。
【0030】
放電部材15は、Ruの他にIr,Pt,Rh,Re,Pd,Mo,Wからなる群から選択される1種以上の元素が含まれるとさらに好ましい。これらの元素の原子半径は130-139pmの範囲にあり、Ruの原子半径134pmにさらに近いため、固溶強化により溶融部16の機械的強度をさらに高くできるからである。
【0031】
放電部材21は、Ruの他にY2O3やAl2O3等の酸化物が含まれていても良い。酸化物の含有量は例えば8質量%以下である。放電部材21に占めるRu以外の元素(不純物は除く)や酸化物の割合は、合計して40質量%以下が好ましい。放電部材21の融点の低下を防ぐためである。不純物は、Na,K,Fe,Sn,Mn,Cu,Ag,Th等が挙げられる。放電部材21に占める不純物の割合は例えば1質量%未満である。
【実施例0032】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0033】
(放電部材の作製)
試験者は、Ru,Ir,Rh等の金属やY2O3を種々の割合で混ぜた混合物を真空溶解し、不活性ガスアトマイズ法によってRuの割合が異なる種々の粉末を得た。粉末を金型に入れ、圧縮して円柱状の成形体を得た後、還元雰囲気において約2000℃で成形体を焼結し、焼結の温度や時間を異ならせることにより、ビッカース硬度が異なる種々の放電部材を得た。放電部材は底面の直径が0.6mm、高さが0.55mmの円柱状とした。放電部材の密度(アルキメデス法による)は95%以上であった。放電部材の化学成分は波長分散型X線分光器(WDS)を使って測定した。測定の条件は、加速電圧:20kV、ビーム径:20μm、測定時間:ピークトップ10秒とした。
【0034】
(試験片の作製)
試験者は、底面の幅2.7mm、高さ1.3mmの直方体からなる母材の底面の端部に、放電部材の底面が接した状態でレーザ溶接を行い、溶融部を介して母材に放電部材が接合されたサンプルNo.1-68における試験片を得た。母材の材料はニッケル基合金NCF601であった。例えばサンプルNo.61のレーザ溶接の条件はレーザ出力10-50Wの範囲内であった。レーザ出力やレーザビームの照射位置を異ならせることにより、試験片の溶融部のビッカース硬度を異ならせた。これによりビッカース硬度が異なる放電部材および溶融部を含むサンプルNo.1-68の試験片を2本ずつ得た。
【0035】
サンプルNo.1-68の試験片を1本ずつエポキシ系樹脂に埋め込み固めた後、放電部材の底面の重心を通る直線(底面に垂直な直線)を含む断面を研磨して試験面を作製した。試験面における放電部材および溶融部のクラックの有無を金属顕微鏡で確認した。
【0036】
(ビッカース硬度の測定)
クラックの有無を確認した試験片について、JIS Z2244-1:2020に基づき、溶融部および放電部材の試験面に圧子を500Nの試験力で10秒間押し込み、ビッカース硬度を求めた。溶融部の試験面の任意の30点のビッカース硬度の平均を溶融部のビッカース硬度Mとし、放電部材の試験面の任意の30点のビッカース硬度の平均を放電部材のビッカース硬度Dとし、溶融部のビッカース硬度Mを放電部材のビッカース硬度Dで除した値M/Dを求めた。
【0037】
(冷熱サイクル試験)
サンプルNo.1-68の試験片が1本ずつ接続された中心電極および端子金具を配置した絶縁体の外周に、接地電極が接続された主体金具を組み付けた後、接地電極を屈曲して、接地電極と中心電極の放電部材との間に火花ギャップを設けたスパークプラグのサンプルを得た。スパークプラグのサンプルは、試験片以外の部分の材料や寸法は同一にした。
【0038】
試験者は、過給機付き排気量2リットルの4気筒直噴エンジンにサンプルを取り付け、エンジンを5000rpmの回転数で1分間運転した後、800rpmの回転数で1分間運転するという動作を繰り返し、合計して100時間運転する冷熱サイクル試験を行った。
【0039】
冷熱サイクル試験後、サンプルの試験片をエポキシ系樹脂に埋め込み固めた後、放電部材の底面の重心を通る直線(底面に垂直な直線)を含む断面を研磨して、放電部材および溶融部のクラックの有無を金属顕微鏡で確認した。
【0040】
レーザ溶接後の試験片にクラックが見つかったサンプルはCと判定した。レーザ溶接後の試験片にクラックは無かったが、冷熱サイクル試験後にクラックが見つかったサンプルはBと判定した。レーザ溶接後も冷熱サイクル試験後もクラックが無かったサンプルはAと判定した。
【0041】
サンプルNo.1-68の放電部材の化学成分、ビッカース硬度M,D、値M/D、判定を表1及び表2に記した。各サンプルの化学成分はRuをBal.(残り)とし、Ru以外の不純物を除く添加元素の割合(質量%)を表1及び表2に記した。
【0042】
【0043】
【0044】
表1及び表2に示すように値M/Dが0.24のサンプルNo.1、及び、値M/Dが2.90のサンプルNo.68は判定がCであった。溶融部の変形が放電部材の変形を補助することができず、溶接時の急熱や急冷、溶融部の収縮による放電部材の引張応力により放電部材が割れたものと推定している。
【0045】
これに対し値M/Dが0.25以上2.80以下のサンプルNo.2-67は判定がA又はBであった。溶接時の急熱や急冷、溶融部の収縮による放電部材の引張応力が溶融部により低減したため、溶接時に放電部材や溶融部が割れなかったものと推定している。
【0046】
特に値M/Dが1.05以上2.80以下のサンプルNo.34-67は判定がAであった。値M/Dがこの範囲にあると、冷熱サイクル試験のときの熱衝撃によっても放電部材や溶融部に割れが生じないことが明らかになった。
【0047】
判定がAであったサンプルNo.34-67は、Ruの他にIr,Pt,Rh,Re,Pdからなる群から選択される元素が含まれていた。判定がAであったのは、これらの元素による固溶強化により溶融部の強度が向上したためであると推定している。
【0048】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0049】
実施形態では第1電極として中心電極13を例示し、第2電極として接地電極19を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。接地電極19を第1電極とし、中心電極13を第2電極とすることは当然可能である。この場合、Ruを主成分とする放電部材21が、溶融部22を介して接地電極19のNiを主成分とする母材20に固着され、溶融部22のビッカース硬度を放電部材21のビッカース硬度で除した値が0.25以上2.8以下に設定される。
【0050】
実施形態では接地電極19の母材20が屈曲している場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。屈曲した母材20を用いる代わりに、直線状の母材を用いることは当然可能である。この場合には主体金具18の先端部を軸線方向に延ばし、直線状の母材を主体金具18に接続して、接地電極19を中心電極13と対向させる。接地電極19の数も適宜設定される。
【0051】
実施形態では放電部材15が接地電極19と軸線方向に対向するように接地電極19を配置する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、接地電極19と中心電極13との位置関係は適宜設定できる。接地電極19と中心電極13との他の位置関係としては、例えば中心電極13の放電部材15の側面と接地電極19とが対向するように接地電極19を配置すること等が挙げられる。
【0052】
実施形態では接地電極19の母材20のうち後端側を向く面に放電部材21が固着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。放電部材21と中心電極13との間に火花ギャップ24が設けられるのであれば、母材20のどの面に放電部材21を固着しても構わない。接地電極19の放電部材21を省くことは当然可能である。