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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154010
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 133
G03G21/16 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067582
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】太田 修司
(72)【発明者】
【氏名】西村 祥一郎
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA13
2H171GA04
2H171HA07
2H171HA08
2H171HA09
2H171HA15
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA34
2H171JA38
2H171JA40
2H171JA48
2H171KA09
2H171KA10
2H171KA11
2H171KA12
2H171KA21
2H171KA25
2H171LA08
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA13
2H171QB32
2H171QB38
(57)【要約】
【課題】カムフォロワの配置の自由度を向上できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、フロントカバー11を開くのに連動して第1位置(a)から第2位置(b)に移動する場合に、駆動力の伝達と切断を切り替えるジョイント130を伝達位置から切断位置に移動させるジョイント切替カムを有する第1スライダ200と、離間カム150の回転に応じて現像フレームを離間位置に位置させる押圧位置と現像フレームを接触位置に位置させる非押圧位置との間でスライド移動可能なカムフォロワ170と、カムフォロワ170が押圧位置に位置する状態で第3位置(a)から第4位置(b)に移動する場合に離間カム150を回転させてカムフォロワ170を非押圧位置に位置させる第2スライダ300と、第1スライダ200が第1位置から第2位置に移動する場合に第2スライダ300を第3位置から第4位置に移動させる連動機構400とを備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口を有する筐体と、
前記第1開口を閉鎖する閉鎖位置と前記第1開口を開放する開放位置との間で移動可能なカバーと、
第1感光ドラムと、
第1現像ローラと、
前記第1現像ローラを支持する第1現像フレームであって、前記第1現像ローラが前記第1感光ドラムに接触する接触位置と、前記第1現像ローラが前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で前記第1感光ドラムに対して移動可能な第1現像フレームと、
前記第1感光ドラムおよび前記第1現像ローラの少なくとも一方に、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で移動可能なジョイントと、
前記カバーの前記閉鎖位置と前記開放位置との間の移動に連動して、前記カバーが前記閉鎖位置にあるときの位置である第1位置と、前記カバーが前記開放位置にあるときの位置である第2位置との間を直動する第1スライダであって、前記第1スライダが前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に前記ジョイントを前記伝達位置から前記切断位置に移動させ、前記第1スライダが前記第2位置から前記第1位置に移動する場合に前記ジョイントを前記切断位置から前記伝達位置に移動させるジョイント切替カムを有する第1スライダと、
回転することで前記第1現像フレームを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第1離間カムと、
前記第1離間カムの回転に応じて、前記第1現像フレームを押圧して前記第1現像フレームを前記離間位置に位置させる押圧位置と、前記第1現像フレームを前記接触位置に位置させる非押圧位置との間で前記第1現像ローラの回転軸線方向にスライド移動可能な第1カムフォロワと、
第3位置と第4位置との間を直動する板状の第2スライダであって、前記第1カムフォロワが前記押圧位置に位置する状態で、前記第3位置から前記第4位置に移動する場合に前記第1離間カムを回転させて前記第1カムフォロワを前記非押圧位置に位置させる第2スライダと、
前記第1スライダと前記第2スライダを機械的に連動させる連動機構であって、前記第1スライダが前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に前記第2スライダを前記第3位置から前記第4位置に移動させ、前記第1スライダが前記第2位置から前記第1位置に移動する場合に前記第2スライダを前記第4位置から前記第3位置に移動させる連動機構と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1カムフォロワは、前記第1現像フレームを押圧するピンであって、前記第1離間カムの回転中心よりも下に位置するピンを有し、
前記第2スライダは、前記第1離間カムの回転中心よりも上に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1スライダは、第1ラックギヤを有し、前記第1離間カムの回転中心よりも下に位置し、
前記第2スライダは、第2ラックギヤを有し、
前記連動機構は、前記第1ラックギヤから前記第2ラックギヤに動力を伝達する少なくとも1つのギヤを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのギヤは、第1ギヤと、前記第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、を含み、
前記第1ラックギヤは、前記第1ギヤと噛み合い、
前記第2ラックギヤは、前記第2ギヤと噛み合っていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1離間カムを有する第1カムギヤと、
第2感光ドラムと、
第2現像ローラと、
前記第2現像ローラを支持する第2現像フレームであって、前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムに接触する接触位置と、前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で前記第2感光ドラムに対して移動可能な第2現像フレームと、
回転することで前記第2現像フレームを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第2離間カムを有する第2カムギヤと、
前記第2離間カムの回転に応じて、前記第2現像フレームを押圧して前記第2現像フレームを前記離間位置に位置させる押圧位置と、前記第2現像フレームを前記接触位置に位置させる非押圧位置との間で前記回転軸線方向にスライド移動可能な第2カムフォロワと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤとの間に配置され、前記第1カムギヤおよび前記第2カムギヤと噛み合うアイドルギヤと、を備え、
前記第2ギヤは、前記アイドルギヤと同軸で回転することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1離間カムを有する第1カムギヤと、
前記第1カムギヤを回転可能に支持する金属フレームと、
駆動力を前記第1カムギヤに伝達する少なくとも1つの中間ギヤと、
前記中間ギヤを覆うギヤカバーと、を備え、
前記第2スライダは、前記回転軸線方向において、前記金属フレームと前記中間ギヤとの間に配置され、
前記中間ギヤは、前記ギヤカバーに回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ギヤカバーは、前記第2スライダを直動可能に支持するガイドを有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ジョイントは、前記第1現像ローラに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で前記回転軸線方向に移動可能な現像ジョイントを含み、
前記ジョイント切替カムは、前記第1スライダが前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に前記現像ジョイントを前記伝達位置から前記切断位置に移動させ、前記第1スライダが前記第2位置から前記第1位置に移動する場合に前記現像ジョイントを前記切断位置から前記伝達位置に移動させる現像ジョイント切替カムを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ジョイントは、前記第1感光ドラムに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で前記回転軸線方向に移動可能なドラムジョイントを含み、
前記ジョイント切替カムは、前記第1スライダが前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に前記ドラムジョイントを前記伝達位置から前記切断位置に移動させ、前記第1スライダが前記第2位置から前記第1位置に移動する場合に前記ドラムジョイントを前記切断位置から前記伝達位置に移動させるドラムジョイント切替カムを含むことを特徴とする請求項1または請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1現像ローラと、前記第1現像フレームと、を有する現像カートリッジと、
前記第1開口を通して、前記筐体内に収容される内側位置と、少なくとも一部が前記筐体外に露出する外側位置との間で前記筐体に対して移動可能なドロワであって、前記現像カートリッジを着脱可能に支持するドロワフレームを有するドロワと、を備え、
前記ドロワフレームは、前記回転軸線方向に貫通する第2開口を有し、
前記第1カムフォロワは、前記押圧位置にあるときに前記第2開口に入っており、前記非押圧位置にあるときに前記第2開口から抜けていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1離間カムは、前記回転軸線方向に突出する突起を有し、
前記第2スライダは、前記第1カムフォロワが前記押圧位置に位置する状態で、前記第2スライダが前記第3位置から前記第4位置に移動する場合に前記突起に接触して前記第1離間カムを回転させる接触片を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2スライダが前記第3位置から前記第4位置に移動する方向は、前記第1スライダが前記第1位置から前記第2位置に移動する方向と同じ方向であり、
前記第2スライダが前記第4位置から前記第3位置に移動する方向は、前記第1スライダが前記第2位置から前記第1位置に移動する方向と同じ方向であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1カムフォロワは、前記回転軸線方向にスライド移動可能なスライド軸と、前記スライド軸から前記回転軸線方向と直交する方向に延びるアームと、前記アームから前記回転軸線方向に延びるピンであって、前記第1現像フレームを押圧するピンと、を有し、
前記スライド軸は、前記回転軸線方向から見て、前記第1離間カムの外周の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1離間カムは、前記回転軸線方向に延びるボスであって、円筒形状を有するボスを有し、
前記スライド軸は、前記ボスと係合することで前記回転軸線方向にスライド移動可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カム部を有するカムと、カム部に接触可能なカムフォロワとを備える画像形成装置が知られている(特許文献1)。カムフォロワは、カムの回転に応じて、現像カートリッジを押圧して現像ローラを感光ドラムから離間させる突出位置と、現像ローラを感光ドラムに接触させる待機位置との間でスライドする。
【0003】
また、この画像形成装置は、筐体の開口を開閉するカバーと、カバーの開閉に連動して前後に移動するリリース部材とを備える。リリース部材は、リリース係合部を有し、現像ローラが感光ドラムに接触している状態でカバーが開かれると、リリース係合部がカムフォロワに接触してカムフォロワを回動させる。カムフォロワは、回動によってカム部から外れると突出位置から待機位置にスライドする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-015140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の画像形成装置は、リリース係合部がカムフォロワに接触してカムフォロワを回動させるため、カムフォロワの回動中心をカムの外周の外側に配置する必要があった。そのため、カムフォロワの配置の自由度があまり高くなかった。
【0006】
そこで、カムフォロワの配置の自由度を向上できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像形成装置は、筐体と、カバーと、第1感光ドラムと、第1現像ローラと、第1現像フレームと、ジョイントと、第1スライダと、第1離間カムと、第1カムフォロワと、第2スライダと、連動機構と、を備える。
筐体は、第1開口を有する。
カバーは、第1開口を閉鎖する閉鎖位置と第1開口を開放する開放位置との間で移動可能である。
第1現像フレームは、第1現像ローラを支持する第1現像フレームであって、第1現像ローラが第1感光ドラムに接触する接触位置と、第1現像ローラが第1感光ドラムから離間する離間位置との間で第1感光ドラムに対して移動可能である。
ジョイントは、第1感光ドラムおよび第1現像ローラの少なくとも一方に、駆動力を伝達
可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で移動可能である。
第1スライダは、カバーの閉鎖位置と開放位置との間の移動に連動して、カバーが閉鎖位置にあるときの位置である第1位置と、カバーが開放位置にあるときの位置である第2位置との間を直動する第1スライダであって、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する場合にジョイントを伝達位置から切断位置に移動させ、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する場合にジョイントを切断位置から伝達位置に移動させるジョイント切替カムを有する。
第1離間カムは、回転することで第1現像フレームを接触位置と離間位置との間で移動させる。
第1カムフォロワは、第1離間カムの回転に応じて、第1現像フレームを押圧して第1現像フレームを離間位置に位置させる押圧位置と、第1現像フレームを接触位置に位置させる非押圧位置との間で第1現像ローラの回転軸線方向にスライド移動可能である。
第2スライダは、第3位置と第4位置との間を直動する板状の第2スライダであって、第1カムフォロワが押圧位置に位置する状態で、第3位置から第4位置に移動する場合に第1離間カムを回転させて第1カムフォロワを非押圧位置に位置させる。
連動機構は、第1スライダと第2スライダを機械的に連動させる連動機構であって、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する場合に第2スライダを第3位置から第4位置に移動させ、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する場合に第2スライダを第4位置から第3位置に移動させる。
【0008】
ジョイント切替カムを有する第1スライダと、第1離間カムを回転させて第1カムフォロワを非押圧位置に位置させる第2スライダと、第1スライダと第2スライダを機械的に連動させる連動機構とを備えることで、第1カムフォロワの配置の自由度を向上できる。
【0009】
第1カムフォロワは、第1現像フレームを押圧するピンであって、第1離間カムの回転中心よりも下に位置するピンを有し、第2スライダは、第1離間カムの回転中心よりも上に位置する構成であってもよい。
【0010】
第1カムフォロワのピンが第1離間カムの回転中心よりも下に位置し、第2スライダが第1離間カムの回転中心よりも上に位置することで、ピンの周辺にスペースを確保できる。これにより、第1カムフォロワの配置の自由度を向上できる。
【0011】
第1スライダは、第1ラックギヤを有し、第1離間カムの回転中心よりも下に位置し、第2スライダは、第2ラックギヤを有し、連動機構は、第1ラックギヤから第2ラックギヤに動力を伝達する少なくとも1つのギヤを有する構成であってもよい。
【0012】
連動機構が第1ラックギヤから第2ラックギヤに動力を伝達する少なくとも1つのギヤを有することで、簡単な構成で第1スライダと第2スライダを連動させることができる。
【0013】
少なくとも1つのギヤは、第1ギヤと、第1ギヤと噛み合う第2ギヤと、を含む構成であってもよい。
第1ラックギヤは、第1ギヤと噛み合っている。
第2ラックギヤは、第2ギヤと噛み合っている。
【0014】
連動機構のギヤが第1ギヤと第2ギヤとを含み、第1ラックギヤが第1ギヤと噛み合い、第2ラックギヤが第2ギヤと噛み合っていることで、連動機構を小型にできる。これにより、第1スライダと第2スライダをコンパクトに配置できる。また、簡単な構成で第1スライダの移動方向と第2スライダの移動方向とを揃えることができる。
【0015】
画像形成装置は、第1カムギヤと、第2感光ドラムと、第2現像ローラと、第2現像フレームと、第2カムギヤと、第2カムフォロワと、アイドルギヤと、を備える構成であってもよい。
第1カムギヤは、第1離間カムを有する。
第2現像フレームは、第2現像ローラを支持する第2現像フレームであって、第2現像ローラが第2感光ドラムに接触する接触位置と、第2現像ローラが第2感光ドラムから離間する離間位置との間で第2感光ドラムに対して移動可能である。
第2カムギヤは、回転することで第2現像フレームを接触位置と離間位置との間で移動させる第2離間カムを有する。
第2カムフォロワは、第2離間カムの回転に応じて、第2現像フレームを押圧して第2現像フレームを離間位置に位置させる押圧位置と、第2現像フレームを接触位置に位置させる非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。
アイドルギヤは、第1カムギヤと第2カムギヤとの間に配置され、第1カムギヤおよび第2カムギヤと噛み合う。
第2ギヤは、アイドルギヤと同軸で回転する構成とできる。
【0016】
第2ギヤがアイドルギヤと同軸で回転することで、回転軸線方向から見て、第2ギヤとアイドルギヤをコンパクトに配置でき、第1カムフォロワの配置の自由度を向上できる。
【0017】
画像形成装置は、第1カムギヤと、金属フレームと、少なくとも1つの中間ギヤと、ギヤカバーと、を備える構成であってもよい。
第1カムギヤは、第1離間カムを有する。
金属フレームは、第1カムギヤを回転可能に支持する。
中間ギヤは、駆動力を第1カムギヤに伝達する。
ギヤカバーは、中間ギヤを覆う。
第2スライダは、回転軸線方向において、金属フレームと中間ギヤとの間に配置され、
中間ギヤは、ギヤカバーに回転可能に支持されている構成とできる。
【0018】
ギヤカバーは、第2スライダを直動可能に支持するガイドを有する構成であってもよい。
【0019】
ギヤカバーが第2スライダを直動可能に支持するガイドを有することで、金属フレームに第2スライダを直動可能に支持するガイドを設ける必要がなくなる。これにより、金属フレームの強度低下を抑制できる。
【0020】
ジョイントは、現像ジョイントを含み、ジョイント切替カムは、現像ジョイント切替カムを含む構成であってもよい。
現像ジョイントは、第1現像ローラに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で回転軸線方向に移動可能である。
現像ジョイント切替カムは、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する場合に現像ジョイントを伝達位置から切断位置に移動させ、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する場合に現像ジョイントを切断位置から伝達位置に移動させる。
【0021】
ジョイントは、ドラムジョイントを含み、ジョイント切替カムは、ドラムジョイント切替カムを含む構成であってもよい。
ドラムジョイントは、第1感光ドラムに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で回転軸線方向に移動可能である。
ドラムジョイント切替カムは、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する場合にドラムジョイントを伝達位置から切断位置に移動させ、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する場合にドラムジョイントを切断位置から伝達位置に移動させる。
【0022】
画像形成装置は、現像カートリッジと、ドロワと、を備える構成であってもよい。
現像カートリッジは、第1現像ローラと、第1現像フレームと、を有する。
ドロワは、第1開口を通して、筐体内に収容される内側位置と、少なくとも一部が筐体外に露出する外側位置との間で筐体に対して移動可能なドロワであって、現像カートリッジを着脱可能に支持するドロワフレームを有する。
ドロワフレームは、回転軸線方向に貫通する第2開口を有し、第1カムフォロワは、押圧位置にあるときに第2開口に入っており、非押圧位置にあるときに第2開口から抜けている構成とできる。
【0023】
カバーを開くことで第1カムフォロワが非押圧位置に位置する構成で、第1カムフォロワが、非押圧位置にあるときに第2開口から抜けていることで、カバーを開くことで、ドロワフレームと第1カムフォロワとが干渉しなくなる。
【0024】
第1離間カムは、回転軸線方向に突出する突起を有し、第2スライダは、接触片を有する構成であってもよい。
接触片は、第1カムフォロワが押圧位置に位置する状態で、第2スライダが第3位置から第4位置に移動する場合に突起に接触して第1離間カムを回転させる。
【0025】
第2スライダの接触片が第1離間カムの突起に接触して第1離間カムを回転させることで、第2スライダが第3位置から第4位置に移動する場合に、精度よく第1離間カムを回転させることができる。
【0026】
第2スライダが第3位置から第4位置に移動する方向は、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する方向と同じ方向であり、第2スライダが第4位置から第3位置に移動する方向は、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する方向と同じ方向である構成であってもよい。
【0027】
第1カムフォロワは、回転軸線方向にスライド移動可能なスライド軸と、スライド軸から回転軸線方向と直交する方向に延びるアームと、アームから回転軸線方向に延びるピンであって、第1現像フレームを押圧するピンと、を有する構成であってもよい。
スライド軸は、回転軸線方向から見て、第1離間カムの外周の内側に配置されている構成とできる。
【0028】
回転軸線方向から見て、スライド軸が第1離間カムの外周の内側に配置されていることで、第1離間カムの周辺に必要なスペースを小さくできる。これにより、画像形成装置を小型化できる。
【0029】
第1離間カムは、回転軸線方向に延びるボスであって、円筒形状を有するボスを有し、スライド軸は、ボスと係合することで回転軸線方向にスライド移動可能な構成であってもよい。
【0030】
スライド軸が第1離間カムのボスと係合してスライド移動可能であることで、スライド軸が第1離間カムの外周の内側に配置される構成において、第1現像フレームを確実に押圧できる。
【発明の効果】
【0031】
カムフォロワの配置の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態の画像形成装置を示す図である。
図2】画像形成装置の駆動力伝達系の概略を示す図である。
図3】現像離間ギヤ列、ジョイント、第1スライダ、第2スライダ、連動機構および金属フレームを示す図である。
図4】離間カム、カムフォロワ、シャフトおよびストッパを示す図である。
図5】現像フレームを移動させる構成を示す図であり、現像フレームが接触位置に位置する図(a)と、離間位置に位置する図(b)である。
図6】離間カムと、非押圧位置に位置するカムフォロワを示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
図7】離間カムと、押圧位置に位置するカムフォロワを示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
図8】ギヤカバーと中間ギヤを示す斜視図である。
図9】現像ジョイントと現像ジョイント切替カムを示す、図3のX-X断面に相当する図であり、現像ジョイントが伝達位置に位置する図(a)と、切断位置に位置する図(b)である。
図10】ドラムジョイントとドラムジョイント切替カムを示す、図3のY-Y断面に相当する図であり、ドラムジョイントが伝達位置に位置する図(a)と、切断位置に位置する図(b)である。
図11】第1スライダ、第2スライダおよび連動機構を示す図であり、フロントカバーが閉鎖位置に位置する図(a)と、開放位置に位置する図(b)である。
図12】離間カムと第2スライダを示す図である。
図13】第2スライダが第4位置から第3位置へ後に移動するときに接触片が離間カムの突起に接触した場合の、接触片の動作を示す図(a),(b)である。
図14】ギヤカバーと第2スライダを示す断面斜視図である。
図15】第2スライダの作用を説明する図である。
図16】第2スライダの作用を説明する、図15に続く図である。
図17】第2スライダの作用を説明する、図16に続く図である。
図18】第2スライダの作用を説明する、図17に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、カラープリンタであり、筐体10と、カバーとしてのフロントカバー11と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出ローラ91と、制御部2とを備える。なお、本実施形態においては、図1の左を「前」とし、図1の右を「後」とする。また、図1の上を「上」とし、図1の下を「下」とする。また、図1の紙面の手前を「右」とし、図1の紙面の奥を「左」とする。
【0034】
筐体10は、前部に第1開口10Aを有する。フロントカバー11は、第1開口10Aを開閉する。フロントカバー11は、閉鎖位置と、開放位置との間で筐体10に対して移動可能である。具体的には、フロントカバー11は、実線で示す閉鎖位置と、仮想線で示す開放位置との間で筐体10に対して回動可能である。閉鎖位置は、第1開口10Aを閉鎖する位置であり、開放位置は、第1開口10Aを開放する位置である。
【0035】
シート供給部20は、シートトレイ21と、シート供給機構22とを備える。シートトレイ21には、シートSがセットされる。シート供給機構22は、駆動力を受けることで画像形成部30に向けてシートSを供給する機構である。シート供給機構22は、ピックアップローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備える。
【0036】
シート供給機構22は、シートSを、ピックアップローラ23によってシートトレイ21から送り出す。次に、シート供給機構22は、シートSを、分離ローラ24と分離パッド25との間で1枚に分離する。その後、シート供給機構22は、シートSを、搬送ローラ26とレジストレーションローラ27とによって画像形成部30に向けて供給する。
【0037】
画像形成部30は、露光ユニット40と、4つの感光ドラム50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着器80とを備える。
露光ユニット40は、例えば、光源、偏向器、レンズ、ミラーを備える。露光ユニット40は、一点鎖線で示す光ビームを出射して感光ドラム50の表面を露光する。
【0038】
感光ドラム50は、イエローのトナーが供給される感光ドラム50Yと、マゼンタのトナーが供給される感光ドラム50Mと、シアンのトナーが供給される感光ドラム50Cと、ブラックのトナーが供給される感光ドラム50Kとを含む。本実施形態では、感光ドラム50Cが「第1感光ドラム」に相当し、感光ドラム50Mが「第2感光ドラム」に相当する。
【0039】
4つの感光ドラム50は、シートSの搬送方向における上流から下流に向けて、感光ドラム50Y、感光ドラム50M、感光ドラム50C、感光ドラム50Kの順に並んでいる。具体的には、感光ドラム50Yは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Mよりも上流に配置されている。感光ドラム50Mは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Cよりも上流に配置されている。感光ドラム50Cは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Kよりも上流に配置されている。
【0040】
本明細書および図面においては、各部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0041】
画像形成装置1は、ドロワ55をさらに備える。ドロワ55は、フロントカバー11が開放位置に位置する状態で、筐体10の第1開口10Aを通して、内側位置と、外側位置との間で筐体10に対して移動可能である。ドロワ55は、内側位置と、外側位置との間で感光ドラム50が並ぶ方向である前後方向に移動可能である。内側位置は、筐体10内に収容される位置であり、外側位置は、ドロワ55の少なくとも一部が筐体10外に露出する位置である。本実施形態では、外側位置は、ドロワ55を内側位置から前に引き出した位置である。本実施形態では、ドロワ55は、筐体10に対して着脱可能である。
【0042】
ドロワ55は、ドロワフレーム55Fを有する。ドロワフレーム55Fは、4つの感光ドラム50を回転可能に支持している。また、ドロワフレーム55Fは、4つの帯電器52を支持している。帯電器52は、感光ドラム50の表面を帯電させる。
【0043】
現像カートリッジ60は、現像カートリッジ60Yと、現像カートリッジ60Mと、現像カートリッジ60Cと、現像カートリッジ60Kとを含む。本実施形態では、現像カートリッジ60Cが「現像カートリッジ」に相当する。
【0044】
現像カートリッジ60Yは、現像ローラ61Yと、現像ローラ61Yを支持する現像フレーム65Yとを有する。現像ローラ61Yは、感光ドラム50Yにイエローのトナーを供給する。現像フレーム65Yは、イエローのトナーを収容する。現像カートリッジ60Mは、現像ローラ61Mと、現像ローラ61Mを支持する現像フレーム65Mとを有する。現像ローラ61Mは、感光ドラム50Mにマゼンタのトナーを供給する。現像フレーム65Mは、マゼンタのトナーを収容する。
【0045】
現像カートリッジ60Cは、現像ローラ61Cと、現像ローラ61Cを支持する現像フレーム65Cとを有する。現像ローラ61Cは、感光ドラム50Cにシアンのトナーを供給する。現像フレーム65Cは、シアンのトナーを収容する。現像カートリッジ60Kは、現像ローラ61Kと、現像ローラ61Kを支持する現像フレーム65Kとを有する。現像ローラ61Kは、感光ドラム50Kにブラックのトナーを供給する。現像フレーム65Kは、ブラックのトナーを収容する。
【0046】
本実施形態では、現像ローラ61Cが「第1現像ローラ」に相当し、現像フレーム65Cが「第1現像フレーム」に相当する。また、現像ローラ61Mが「第2現像ローラ」に相当し、現像フレーム65Mが「第2現像フレーム」に相当する。
【0047】
ドロワフレーム55Fは、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)を着脱可能に支持している。現像カートリッジ60は、それぞれ、ドロワ55が外側位置に位置する状態で、または、ドロワ55が筐体10から取り外された状態で交換可能である。
【0048】
現像カートリッジ60の現像フレーム65は、実線で示す接触位置と、仮想線で示す離間位置との間で前後に移動可能となるように、ドロワフレーム55Fに支持されている。接触位置は、現像ローラ61が感光ドラム50に接触する位置であり、離間位置は、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する位置である。
【0049】
具体的には、現像フレーム65Yは、現像ローラ61Yが感光ドラム50Yに接触する接触位置と、現像ローラ61Yが感光ドラム50Yから離間する離間位置との間で感光ドラム50Yに対して移動可能である。現像フレーム65Mは、現像ローラ61Mが感光ドラム50Mに接触する接触位置と、現像ローラ61Mが感光ドラム50Mから離間する離間位置との間で感光ドラム50Mに対して移動可能である。
【0050】
現像フレーム65Cは、現像ローラ61Cが感光ドラム50Cに接触する接触位置と、現像ローラ61Cが感光ドラム50Cから離間する離間位置との間で感光ドラム50Cに対して移動可能である。現像フレーム65Kは、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kに接触する接触位置と、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kから離間する離間位置との間で感光ドラム50Kに対して移動可能である。
【0051】
転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状の搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備える。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72とに架け渡された状態で、外側の面が4つの感光ドラム50に接触している。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に配置されており、感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟んでいる。
【0052】
定着器80は、シートSに転写されたトナー像をシートSに定着する装置である。定着器80は、加熱部81と、加圧部82と、中間排出ローラ83とを有する。加熱部81は、加熱ローラ81Aと、ヒータ81Bとを含む。加熱ローラ81Aは、金属からなる円筒形状のローラである。ヒータ81Bは、加熱ローラ81Aを加熱するヒータであり、加熱ローラ81Aの内側を通るように配置されている。
【0053】
加圧部82は、加熱部81との間でシートSを挟む。具体的には、加圧部82は、加熱ローラ81Aとの間でシートSを挟む加圧ローラである。加圧ローラは、芯金の周囲をゴム層で被覆したローラである。定着器80は、駆動力を受けることで、加熱部81の加熱ローラ81Aと、加圧部82(加圧ローラ)との間でシートSを搬送する。また、定着器80は、駆動力を受けることで、中間排出ローラ83によってシートSを搬送する。
【0054】
画像形成部30は、感光ドラム50の表面を、帯電器52によって一様に帯電した後、露光ユニット40から照射される光ビームによって露光する。これにより、画像形成部30は、感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像を形成する。また、画像形成部30は、現像カートリッジ60に収容されたトナーを現像ローラ61から感光ドラム50に供給する。これにより、画像形成部30は、感光ドラム50上にトナー像を形成する。
【0055】
画像形成部30は、シート供給部20から供給されたシートSを、感光ドラム50と転写ローラ74との間で搬送することで、感光ドラム50上に形成されたトナー像をシートSに転写する。その後、画像形成部30は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81Aと加圧部82との間で搬送することで、トナー像をシートSに定着する。
【0056】
中間排出ローラ83および排出ローラ91は、駆動力を受けることで、加熱部81と加圧部82との間からのシートSを筐体10の外に排出する。具体的には、中間排出ローラ83および排出ローラ91は、トナー像が定着されたシートSを排出トレイ13に排出する。
【0057】
図2に示すように、画像形成装置1は、メインモータM1と、プロセスモータM2と、離間機構5とをさらに備える。
【0058】
メインモータM1は、離間機構5の離間カム150、定着器80、シート供給機構22などを駆動させるモータである。メインモータM1は、正逆回転可能である。メインモータM1は、シートSに画像を形成するため、シートSをシートトレイ21から排出トレイ13に向けて搬送する場合に正回転する。
【0059】
プロセスモータM2は、感光ドラム50、現像ローラ61、転写ユニット70などを駆動させるモータである。
【0060】
図3に示すように、メインモータM1の駆動力は、現像離間ギヤ列GT1を介して離間カム150(150Y,150M,150C,150K)に伝達される。また、プロセスモータM2の駆動力は、ジョイント130を介して感光ドラム50および現像ローラ61に伝達される。
【0061】
離間機構5は、メインモータM1から駆動力を受けることで、現像カートリッジ60の現像フレーム65を接触位置と離間位置との間で移動させる機構である。離間機構5は、4つの離間カム150と、4つのカムフォロワ170とを備える。
離間カム150は、離間カム150Yと、離間カム150Mと、離間カム150Cと、離間カム150Kとを含む。本実施形態では、離間カム150Cが「第1離間カム」に相当し、離間カム150Mが「第2離間カム」に相当する。
【0062】
離間カム150Yは、回転することで現像フレーム65Yを接触位置と離間位置との間で移動させる。離間カム150Mは、回転することで現像フレーム65Mを接触位置と離間位置との間で移動させる。離間カム150Cは、回転することで現像フレーム65Cを接触位置と離間位置との間で移動させる。離間カム150Kは、回転することで現像フレーム65Kを接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0063】
図4に示すように、カムフォロワ170は、カムフォロワ170Yと、カムフォロワ170Mと、カムフォロワ170Cと、カムフォロワ170Kとを含む。本実施形態では、カムフォロワ170Cが「第1カムフォロワ」に相当し、カムフォロワ170Mが「第2カムフォロワ」に相当する。
【0064】
カムフォロワ170は、現像ローラ61の回転軸線方向にスライド移動可能である。現像ローラ61の回転軸線方向は、図4に示す一点鎖線が延びる方向に相当する。以下では、現像ローラ61の回転軸線方向を単に「回転軸線方向」ともいう。
【0065】
カムフォロワ170Yは、離間カム150Yの回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Yについて、押圧位置は、現像フレーム65Yを押圧して現像フレーム65Yを離間位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像フレーム65Yを接触位置に位置させる位置である。
【0066】
カムフォロワ170Mは、離間カム150Mの回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Mについて、押圧位置は、現像フレーム65Mを押圧して現像フレーム65Mを離間位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像フレーム65Mを接触位置に位置させる位置である。
【0067】
カムフォロワ170Cは、離間カム150Cの回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Cについて、押圧位置は、現像フレーム65Cを押圧して現像フレーム65Cを離間位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像フレーム65Cを接触位置に位置させる位置である。
【0068】
カムフォロワ170Kは、離間カム150Kの回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Kについて、押圧位置は、現像フレーム65Kを押圧して現像フレーム65Kを離間位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像フレーム65Kを接触位置に位置させる位置である。
【0069】
図5(a)に示すように、ドロワ55は、被当接部55Aと、押圧部材55Bと、ばね55Cとを有する。被当接部55Aは、スライド部材66が当接する部分であり、上下に沿った軸まわりに回転可能なローラからなる。押圧部材55Bは、ばね55Cにより後に向けて付勢されている。押圧部材55Bは、ドロワ55に現像カートリッジ60が装着されると、ばね55Cの付勢力により現像フレーム65を後方に押圧する。これにより、現像フレーム65は、現像ローラ61が感光ドラム50に接触する接触位置に移動する。
【0070】
現像カートリッジ60は、スライド部材66を有する。スライド部材66は、カムフォロワ170に押圧されることで回転軸線方向にスライド移動する。スライド部材66は、シャフト66Aと、第1当接部材66Bと、第2当接部材66Cとを有する。シャフト66Aは、現像フレーム65に、回転軸線方向にスライド移動可能に支持されている。第1当接部材66Bは、シャフト66Aの一端に固定され、第2当接部材66Cは、シャフト66Aの他端に固定されている。
【0071】
第1当接部材66Bは、被押圧面66Dと、斜面66Eとを有し、第2当接部材66Cは、斜面66Fを有する。被押圧面66Dは、カムフォロワ170により押圧される面である。斜面66E,66Fは、左右方向に対して傾斜した面である。図5(b)に示すように、斜面66E,66Fは、スライド部材66がカムフォロワ170により押圧された場合に、被当接部55Aに当接して現像フレーム65を前方に移動させる。これにより、現像フレーム65は、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する離間位置に移動する。第1当接部材66Bと現像フレーム65との間には、ばね67が配置されている。ばね67は、スライド部材66を左に向けて付勢する。
【0072】
ドロワフレーム55Fは、4つの第2開口55Dを有している。第2開口55Dは、カムフォロワ170Y,170M,170C,170Kごとに設けられている。第2開口55Dは、回転軸線方向に貫通している。本実施形態では、第2開口55Dは、ドロワフレーム55Fの左の壁に、回転軸線方向に貫通するとともに、下に向けて凹む形状の凹部として形成されている。なお、第2開口は、例えば、回転軸線方向に貫通した穴であってもよい。
【0073】
図5(b)に示すように、カムフォロワ170は、押圧位置にあるときには、ピン173が第2開口55Dに入っている。図5(a)に示すように、カムフォロワ170は、非押圧位置にあるときには、ピン173が第2開口55Dから抜けている。カムフォロワ170のピン173が第2開口55Dから抜けているとき、ドロワ55は、内側位置と外側位置との間を前後に移動可能である。
【0074】
図4に示すように、離間カム150は、端面カムである。離間カム150は、円板部151と、ボス152と、カム部153とを有している。
ボス152は、離間カム150の中央に位置している。ボス152は、円板部151の中央から回転軸線方向に延びている。ボス152は、離間カム150の回転中心150X(図6(b)参照)から回転軸線方向に延びている。ボス152は、円筒形状を有する。
【0075】
画像形成装置1は、4つのシャフト159と、金属フレーム15(図3参照)とをさらに備える。金属フレーム15は、金属板からなり、現像離間ギヤ列GT1を構成するギヤを回転可能に支持している。例えば、金属フレーム15は、離間カム150を有するカムギヤ115(115Y,115M,115C,115K)を回転可能に支持している。シャフト159は、金属フレーム15に固定されている。離間カム150(カムギヤ115)は、ボス152がシャフト159に係合することで、金属フレーム15に回転可能に支持されている。
【0076】
カム部153は、円板部151から回転軸線方向に突出している。具体的には、カム部153は、円板部151から回転軸線方向の一方側に向けて突出している。カム部153は、円板部151の回転軸線方向における金属フレーム15(図3参照)と反対の面から回転軸線方向に突出している。
【0077】
図6に示すように、カム部153は、保持面153Aと、案内面153Bとを有する。
保持面153Aは、カムフォロワ170を押圧位置に保持する面である。保持面153Aは、離間カム150の回転軸線に直交する平面に対して略平行である。なお、図6(b)などでは、保持面153Aにドットハッチを付している。
【0078】
案内面153Bは、カムフォロワ170を押圧位置と非押圧位置との間で案内する面である。案内面153Bは、離間カム150の回転軸線に直交する平面に対して傾斜している。具体的には、案内面153Bは、離間カム150の回転方向において、保持面153Aに向かうにつれて円板部151から離れるように傾斜している。
【0079】
図7に示すように、案内面153Bは、離間カム150が第1回転方向R1に回転する場合に、カムフォロワ170を押圧位置から非押圧位置に移動させる。第1回転方向R1は、メインモータM1が正回転するときの離間カム150の回転方向である。また、図6に示すように、案内面153Bは、離間カム150が第2回転方向R2に回転する場合に、カムフォロワ170を非押圧位置から押圧位置に移動させる。第2回転方向R2は、メインモータM1が逆回転するときの離間カム150の回転方向である。第2回転方向R2は、第1回転方向R1とは逆の回転方向である。
【0080】
カムフォロワ170は、スライド軸171と、アーム172と、ピン173とを有している。
【0081】
スライド軸171は、回転軸線方向にスライド移動可能である。具体的には、スライド軸171は、円筒形状を有する。スライド軸171は、離間カム150のボス152と係合することで、ボス152に対して回転軸線方向にスライド移動可能である。これにより、カムフォロワ170は、図6に示す非押圧位置と、図7に示す押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。
【0082】
アーム172は、スライド軸171から回転軸線方向と直交する方向に延びている。具体的には、アーム172は、スライド軸171から、スライド軸171の径方向の外側に向けて延びている。アーム172は、板状である。
【0083】
ピン173は、アーム172から回転軸線方向に延びている。具体的には、ピン173は、アーム172の、スライド軸171から遠い端部から回転軸線方向の一方側に向けて延びている。ピン173は、円筒状であり、先端が凸曲面となっている。ピン173の先端は、カムフォロワ170が非押圧位置から押圧位置に移動する場合にスライド部材66(図5(b)参照)を介して現像フレーム65を押圧する。ピン173は、離間カム150の回転中心150Xよりも下に位置している。本実施形態では、ピン173は、離間カム150のボス152よりも下に位置している。
【0084】
カムフォロワ170は、回転軸線方向から見て、対応する離間カム150と重なる位置に配置されている。詳しくは、カムフォロワ170は、スライド軸171が、回転軸線方向から見て、対応する離間カム150の外周の内側に配置されている。具体的には、カムフォロワ170Yのスライド軸171は、回転軸線方向から見て、離間カム150Y(カムギヤ115Y)の外周の内側に配置されている(図12参照)。
【0085】
カムフォロワ170Mのスライド軸171は、回転軸線方向から見て、離間カム150M(カムギヤ115M)の外周の内側に配置されている。カムフォロワ170Cのスライド軸171は、回転軸線方向から見て、離間カム150C(カムギヤ115C)の外周の内側に配置されている。カムフォロワ170Kのスライド軸171は、回転軸線方向から見て、離間カム150K(カムギヤ115K)の外周の内側に配置されている。
【0086】
画像形成装置1は、ストッパ530をさらに備える。ストッパ530は、4つのカムフォロワ170に対応して4組設けられている(図4参照)。ストッパ530は、カムフォロワ170の、離間カム150の回転軸線まわりの回転を規制する。具体的には、図8に示すように、画像形成装置1は、ギヤカバー500を備える。ギヤカバー500は、樹脂からなり、ストッパ530を有している。
【0087】
ギヤカバー500は、金属フレーム15(図3参照)に固定されることで、中間ギヤ111~114、離間カム150(カムギヤ115)、カムフォロワ170などを覆っている。ギヤカバー500は、カバー壁510を有する。カバー壁510は、中間ギヤ111~114などを覆う壁であり、ギヤカバー500が金属フレーム15に固定された状態で、回転軸線方向において金属フレーム15と対向する。
【0088】
ストッパ530は、カバー壁510から金属フレーム15に向けて回転軸線方向に延びている。ストッパ530は、壁状である。ストッパ530は、カムフォロワ170のアーム172を、スライド軸171の周方向における両側から挟んでいる(図6および図7参照)。これにより、カムフォロワ170は、ボス152まわりの回転が規制されている。
【0089】
カバー壁510は、4つの挿通穴520をさらに有する。挿通穴520は、カムフォロワ170のピン173が挿通される貫通穴である。カムフォロワ170は、スライド軸171と、ギヤカバー500のカバー壁510との間に配置された圧縮コイルばねによって、図7に示す押圧位置から図6に示す非押圧位置に向けて付勢されている。
【0090】
図7に示すように、現像フレーム65が離間位置に位置するとき、カムフォロワ170は、アーム172が離間カム150の保持面153Aに保持される押圧位置に位置する。
【0091】
離間カム150は、メインモータM1が正回転する場合に第1回転方向R1に回転する。すると、カムフォロワ170のアーム172が保持面153Aから案内面153Bに案内され、案内面153B上を摺接してカム部153から外れる。その結果、カムフォロワ170は、圧縮コイルばねの付勢力によって押圧位置から図6に示す非押圧位置にスライド移動する。
【0092】
これにより、現像フレーム65は、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する離間位置から、現像ローラ61が感光ドラム50に接触する接触位置に移動する。離間カム150は、メインモータM1が正回転する場合には、現像フレーム65を離間位置から接触位置に移動させる。
【0093】
一方、離間カム150は、メインモータM1が逆回転する場合に第2回転方向R2に回転する。すると、カムフォロワ170のアーム172がカム部153の案内面153Bに接触し、案内面153B上を摺接した後、保持面153Aに接触する。その結果、カムフォロワ170は、非押圧位置から図7に示す押圧位置にスライド移動する。
【0094】
これにより、現像フレーム65は、カムフォロワ170によって押圧されることで接触位置から離間位置に移動する。離間カム150は、メインモータM1が逆回転する場合には、現像フレーム65を接触位置から離間位置に移動させる。
【0095】
図3に示すように、現像離間ギヤ列GT1は、第1離間ギヤ列GT11と、第2離間ギヤ列GT12とを含む。
第1離間ギヤ列GT11は、メインモータM1の駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達するギヤ列である。
【0096】
第1離間ギヤ列GT11は、ギヤ101と、ギヤ102と、ギヤ103と、ギヤ104と、ギヤ105と、ギヤ106と、ギヤ107と、ギヤ108と、ギヤ109と、電磁クラッチEC1と、ギヤ110と、中間ギヤ111と、中間ギヤ112と、中間ギヤ113と、中間ギヤ114と、カムギヤ115Cと、第1アイドルギヤ116と、カムギヤ115Mと、第2アイドルギヤ118と、カムギヤ115Yとを含む。本実施形態では、カムギヤ115Cが「第1カムギヤ」に相当し、カムギヤ115Mが「第2カムギヤ」に相当し、第1アイドルギヤ116が「アイドルギヤ」に相当する。
【0097】
ギヤ101は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがモータギヤMG1と噛み合っている。モータギヤMG1は、メインモータM1の出力軸に設けられたギヤである。ギヤ102は、ギヤ101の小径ギヤと噛み合っている。ギヤ103は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ102と噛み合っている。ギヤ104は、ギヤ103の小径ギヤと噛み合っている。
【0098】
ギヤ105は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ104と噛み合っている。ギヤ106は、ギヤ105の小径ギヤと噛み合っている。ギヤ107は、ギヤ106と噛み合っている。ギヤ108は、ギヤ107と噛み合っている。ギヤ109は、ギヤ108と噛み合っている。
【0099】
電磁クラッチEC1は、伝達状態と、遮断状態とに切り替え可能である。一例として、電磁クラッチEC1は、通電したときに伝達状態となり、通電しないときに遮断状態となる。伝達状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達する状態である。遮断状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達しない状態である。電磁クラッチEC1は、制御部2(図1参照)により制御される。
【0100】
ギヤ110は、電磁クラッチEC1が伝達状態のときにギヤ109と一体に回転する。ギヤ110は、電磁クラッチEC1が遮断状態のときにはメインモータM1から駆動力が伝達されないので、駆動しない。
【0101】
中間ギヤ111~114は、メインモータM1からの駆動力をカムギヤ115Cに伝達するギヤである。中間ギヤ111は、ギヤ110と噛み合っている。中間ギヤ112は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤが中間ギヤ111と噛み合っている。中間ギヤ113は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤが中間ギヤ112の小径ギヤと噛み合っている。中間ギヤ114は、中間ギヤ113の小径ギヤと噛み合っている。
【0102】
図8に示すように、中間ギヤ111~114は、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。具体的には、ギヤカバー500は、カバー壁510と一体に設けられたシャフト541,542,543を有する。また、ギヤカバー500は、カバー壁510に固定されたシャフト544を有する。シャフト541~544は、カバー壁510から金属フレーム15に向けて回転軸線方向に延びている。
【0103】
中間ギヤ111は、シャフト541に係合することで、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。中間ギヤ112は、シャフト542に係合することで、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。中間ギヤ113は、シャフト543に係合することで、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。中間ギヤ114は、シャフト544に係合することで、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。シャフト544の先端部には、中間ギヤ114がシャフト544から抜けないようにCリング545が取り付けられている。
【0104】
図3に示すように、カムギヤ115Cは、離間カム150Cを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Cは、円板部151(図4参照)の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Cは、中間ギヤ114と噛み合っている。第1アイドルギヤ116は、カムギヤ115Cと噛み合っている。
【0105】
カムギヤ115Mは、離間カム150Mを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Mは、円板部151(図4参照)の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Mは、第1アイドルギヤ116と噛み合っている。第1アイドルギヤ116は、カムギヤ115Cとカムギヤ115Mとの間に配置され、カムギヤ115Cおよびカムギヤ115Mの両方と噛み合っている。
【0106】
第2アイドルギヤ118は、カムギヤ115Mと噛み合っている。カムギヤ115Yは、離間カム150Yを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Yは、円板部151(図4参照)の外周にギヤ歯を有している。第2アイドルギヤ118は、カムギヤ115Mとカムギヤ115Yとの間に配置され、カムギヤ115Mおよびカムギヤ115Yの両方と噛み合っている。
【0107】
離間カム150Y,150M,150Cは、連動して回転する。図2に示すように、離間カム150Y,150M,150Cは、離間カム150の回転方向における保持面153Aの長さが、離間カム150Y、離間カム150M、離間カム150Cの順に大きくなっている。離間カム150Y,150M,150Cは、第1回転方向R1における保持面153Aの下流端の位相が揃っており、案内面153Bの位相がずれている。具体的には、離間カム150Yの案内面153Bは、離間カム150Mの案内面153Bよりも第1回転方向R1の下流に位置し、離間カム150Mの案内面153Bは、離間カム150Cの案内面153Bよりも第1回転方向R1の下流に位置している。
【0108】
カムフォロワ170Y,170M,170Cが非押圧位置に位置する状態から、メインモータM1が逆回転して離間カム150Y,150M,150Cが第2回転方向R2に回転した場合、まず、カムフォロワ170Cが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像フレーム65Cが接触位置から離間位置に移動する。次に、カムフォロワ170Mが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像フレーム65Mが接触位置から離間位置に移動する。最後に、カムフォロワ170Yが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像フレーム65Yが接触位置から離間位置に移動する。
【0109】
カムフォロワ170Y,170M,170Cが押圧位置に位置する状態から、メインモータM1が正回転して離間カム150Y,150M,150Cが第1回転方向R1に回転した場合、まず、カムフォロワ170Yが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像フレーム65Yが離間位置から接触位置に移動する。次に、カムフォロワ170Mが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像フレーム65Mが離間位置から接触位置に移動する。最後に、カムフォロワ170Cが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像フレーム65Cが離間位置から接触位置に移動する。
【0110】
図3に示すように、第2離間ギヤ列GT12は、メインモータM1の駆動力を第1離間ギヤ列GT11から受けて離間カム150Kに伝達するギヤ列である。第2離間ギヤ列GT12は、ギヤ121と、電磁クラッチEC2と、ギヤ122と、ギヤ123と、ギヤ124と、カムギヤ115Kとを含む。
ギヤ121は、第1離間ギヤ列GT11のギヤ106と噛み合っている。
【0111】
電磁クラッチEC2は、伝達状態と、遮断状態とに切り替え可能である。一例として、電磁クラッチEC2は、通電したときに伝達状態となり、通電しないときに遮断状態となる。伝達状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Kに伝達する状態である。遮断状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Kに伝達しない状態である。電磁クラッチEC2は、制御部2(図1参照)により制御される。
【0112】
ギヤ122は、電磁クラッチEC2が伝達状態のときにギヤ121と一体に回転する。ギヤ122は、電磁クラッチEC2が遮断状態のときにはメインモータM1から駆動力が伝達されないので、駆動しない。ギヤ123は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ122と噛み合っている。
【0113】
ギヤ124は、ギヤ123の小径ギヤと噛み合っている。カムギヤ115Kは、離間カム150Kを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Kは、円板部151(図4参照)の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Kは、ギヤ124と噛み合っている。
【0114】
画像形成装置1は、ジョイント130をさらに備える。ジョイント130は、プロセスモータM2から駆動力が入力されることで回転する。ジョイント130は、伝達位置と、切断位置との間で移動可能である。伝達位置は、感光ドラム50および現像ローラ61の少なくとも一方にプロセスモータM2からの駆動力を伝達可能な位置であり、切断位置は、プロセスモータM2からの駆動力を伝達しない位置である。
【0115】
ジョイント130は、4つの現像ジョイント131と、4つのドラムジョイント132とを含む。
図9(a),(b)に示すように、現像ジョイント131は、現像ジョイント131Yと、現像ジョイント131Mと、現像ジョイント131Cと、現像ジョイント131Kとを含む。
【0116】
現像ジョイント131Yは、現像ローラ61Yに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で現像フレーム65Yに対して回転軸線方向に移動可能である。現像ジョイント131Mは、現像ローラ61Mに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で現像フレーム65Mに対して回転軸線方向に移動可能である。現像ジョイント131Cは、現像ローラ61Cに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で現像フレーム65Cに対して回転軸線方向に移動可能である。現像ジョイント131Kは、現像ローラ61Kに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で現像フレーム65Kに対して回転軸線方向に移動可能である。現像ジョイント131は、ばねにより切断位置から伝達位置に向けて付勢されている。
【0117】
現像カートリッジ60Yは、現像カップリング68Yを有する。現像カートリッジ60Mは、現像カップリング68Mを有する。現像カートリッジ60Cは、現像カップリング68Cを有する。現像カートリッジ60Kは、現像カップリング68Kを有する。現像カップリング68には、プロセスモータM2から駆動力が入力される。
【0118】
現像ジョイント131Yは、伝達位置にあるときに現像カップリング68Yに係合し、切断位置にあるときに現像カップリング68Yから外れる。現像ローラ61Yは、現像カップリング68Yに現像ジョイント131Yが係合した状態で現像ジョイント131Yが回転することで、駆動力が入力されて回転する。現像ジョイント131Mは、伝達位置にあるときに現像カップリング68Mに係合し、切断位置にあるときに現像カップリング68Mから外れる。現像ローラ61Mは、現像カップリング68Mに現像ジョイント131Mが係合した状態で現像ジョイント131Mが回転することで、駆動力が入力されて回転する。
【0119】
現像ジョイント131Cは、伝達位置にあるときに現像カップリング68Cに係合し、切断位置にあるときに現像カップリング68Cから外れる。現像ローラ61Cは、現像カップリング68Cに現像ジョイント131Cが係合した状態で現像ジョイント131Cが回転することで、駆動力が入力されて回転する。現像ジョイント131Kは、伝達位置にあるときに現像カップリング68Kに係合し、切断位置にあるときに現像カップリング68Kから外れる。現像ローラ61Kは、現像カップリング68Kに現像ジョイント131Kが係合した状態で現像ジョイント131Kが回転することで、駆動力が入力されて回転する。
【0120】
図10(a),(b)に示すように、ドラムジョイント132は、ドラムジョイント132Yと、ドラムジョイント132Mと、ドラムジョイント132Cと、ドラムジョイント132Kとを含む。
【0121】
ドラムジョイント132Yは、感光ドラム50Yに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で感光ドラム50Yに対して回転軸線方向に移動可能である。ドラムジョイント132Mは、感光ドラム50Mに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で感光ドラム50Mに対して回転軸線方向に移動可能である。ドラムジョイント132Cは、感光ドラム50Cに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で感光ドラム50Cに対して回転軸線方向に移動可能である。ドラムジョイント132Kは、感光ドラム50Kに、駆動力を伝達可能な伝達位置と、駆動力を伝達しない切断位置との間で感光ドラム50Kに対して回転軸線方向に移動可能である。ドラムジョイント132は、ばねにより切断位置から伝達位置に向けて付勢されている。
【0122】
感光ドラム50Yは、ドラムカップリング58Yを有する。感光ドラム50Mは、ドラムカップリング58Mを有する。感光ドラム50Cは、ドラムカップリング58Cを有する。感光ドラム50Kは、ドラムカップリング58Kを有する。ドラムカップリング58には、プロセスモータM2から駆動力が入力される。
【0123】
ドラムジョイント132Yは、伝達位置にあるときにドラムカップリング58Yに係合し、切断位置にあるときにドラムカップリング58Yから外れる。感光ドラム50Yは、ドラムカップリング58Yにドラムジョイント132Yが係合した状態でドラムジョイント132Yが回転することで、駆動力が入力されて回転する。ドラムジョイント132Mは、伝達位置にあるときにドラムカップリング58Mに係合し、切断位置にあるときにドラムカップリング58Mから外れる。感光ドラム50Mは、ドラムカップリング58Mにドラムジョイント132Mが係合した状態でドラムジョイント132Mが回転することで、駆動力が入力されて回転する。
【0124】
ドラムジョイント132Cは、伝達位置にあるときにドラムカップリング58Cに係合し、切断位置にあるときにドラムカップリング58Cから外れる。感光ドラム50Cは、ドラムカップリング58Cにドラムジョイント132Cが係合した状態でドラムジョイント132Cが回転することで、駆動力が入力されて回転する。ドラムジョイント132Kは、伝達位置にあるときにドラムカップリング58Kに係合し、切断位置にあるときにドラムカップリング58Kから外れる。感光ドラム50Kは、ドラムカップリング58Kにドラムジョイント132Kが係合した状態でドラムジョイント132Kが回転することで、駆動力が入力されて回転する。
【0125】
制御部2(図1参照)は、CPU、ROM、RAM、入出力回路を備え、予め記憶されたプログラムを実行することで制御を実行する。制御部2は、メインモータM1の駆動と停止、および、メインモータM1の出力軸の回転方向を制御する。また、制御部2は、プロセスモータM2の駆動と停止を制御する。また、制御部2は、電磁クラッチEC1,EC2を制御する。これにより、制御部2は、感光ドラム50に対する現像ローラ61の接触と離間を制御する。また、制御部2は、感光ドラム50および現像ローラ61の駆動と停止を制御する。
【0126】
制御部2は、カラー印刷モードと、モノクロ印刷モードとを実行可能である。
カラー印刷モードは、現像ローラ61Y、現像ローラ61M、現像ローラ61Cおよび現像ローラ61Kを用いてシートSに画像を形成する印刷モードである。画像形成装置1は、印刷を実行する前の待機状態において、すべての現像ローラ61が感光ドラム50から離間している。カラー印刷モードは、すべての現像ローラ61を感光ドラム50に接触させてシートSに画像を形成する印刷モードである。
【0127】
モノクロ印刷モードは、現像ローラ61Kだけを用いてシートSに画像を形成する印刷モードである。具体的には、モノクロ印刷モードは、現像ローラ61Kだけを感光ドラム50Kに接触させてシートSに画像を形成する印刷モードである。
制御部2は、シートSへの画像形成が終了した場合、現像ローラ61を感光ドラム50から離間させる。
【0128】
図11(a),(b)に示すように、画像形成装置1は、前後方向に延びる第1スライダ200と、前後方向に延びる板状の第2スライダ300と、連動機構400とをさらに備える。
【0129】
第1スライダ200は、フロントカバー11の閉鎖位置と開放位置との間の移動に連動して、図11(a)に示す第1位置と、図11(b)に示す第2位置との間を直動する。具体的には、第1スライダ200は、フロントカバー11とリンク11Aを介して連結されており、フロントカバー11の開閉動作に連動して、第1位置と第2位置との間を筐体10に対して前後に直動可能である。
【0130】
第1位置は、フロントカバー11が閉鎖位置にあるときの位置であり、第2位置は、フロントカバー11が開放位置にあるときの位置である。本実施形態では、第2位置は、第1位置よりも前の位置である。第1スライダ200は、フロントカバー11を開くことで第1位置から第2位置へ前に向けて移動し、フロントカバー11を閉じることで第2位置から第1位置へ後に向けて移動する。
【0131】
第1スライダ200は、離間カム150(150Y,150M,150C,150K)の回転中心150Xよりも下に位置している。本実施形態では、第1スライダ200は、離間カム150よりも下に位置している。
【0132】
図9および図10に示すように、第1スライダ200は、ジョイント切替カム230を有する。ジョイント切替カム230は、第1スライダ200が(a)に示す第1位置から(b)に示す第2位置に移動する場合に、ジョイント130を伝達位置から切断位置に移動させる。また、ジョイント切替カム230は、第1スライダ200が第2位置から第1位置に移動する場合に、ジョイント130を切断位置から伝達位置に移動させる。
【0133】
具体的には、ジョイント切替カム230は、図9に示す現像ジョイント切替カム231と、図10に示すドラムジョイント切替カム232とを含む。
【0134】
図9(a)から(b)に示すように、現像ジョイント切替カム231は、第1スライダ200が第1位置から第2位置へ前に向けて移動する場合に、現像ジョイント131を伝達位置から切断位置に移動させ、現像ジョイント131と現像カップリング68との係合を解除する。また、図9(b)から(a)に示すように、現像ジョイント切替カム231は、第1スライダ200が第2位置から第1位置へ後に向けて移動する場合に、現像ジョイント131を切断位置から伝達位置に移動させ、現像ジョイント131を現像カップリング68に係合させる。
【0135】
現像ジョイント切替カム231は、4つの現像ジョイント131に対応して設けられた4つのカム面233(233Y,233M,233C,233K)を有する。カム面233は、それぞれ、第1スライダ200の移動方向である前後方向に対して傾斜している。具体的には、カム面233は、それぞれ、前から後に向かうにつれて現像フレーム65から離れるように傾斜している。
【0136】
図10(a)から(b)に示すように、ドラムジョイント切替カム232は、第1スライダ200が第1位置から第2位置へ前に向けて移動する場合に、ドラムジョイント132を伝達位置から切断位置に移動させ、ドラムジョイント132とドラムカップリング58との係合を解除する。また、図10(b)から(a)に示すように、ドラムジョイント切替カム232は、第1スライダ200が第2位置から第1位置へ後に向けて移動する場合に、ドラムジョイント132を切断位置から伝達位置に移動させ、ドラムジョイント132をドラムカップリング58に係合させる。
【0137】
ドラムジョイント切替カム232は、4つのドラムジョイント132に対応して設けられた4つのカム面234(234Y,234M,234C,234K)を有する。カム面234は、それぞれ、前後方向に対して傾斜している。具体的には、カム面234は、それぞれ、前から後に向かうにつれて感光ドラム50から離れるように傾斜している。
【0138】
図11に示すように、第1スライダ200は、上面に第1ラックギヤ250をさらに有している。第1ラックギヤ250は、連動機構400の第1ギヤ410と噛み合い可能である。
【0139】
第2スライダ300は、図11(a)に示す第3位置と、図11(b)に示す第4位置との間を直動する。具体的には、第2スライダ300は、第3位置と第4位置との間を筐体10に対して前後に直動可能である。本実施形態では、第4位置は、第3位置よりも前の位置である。第2スライダ300は、カムフォロワ170が押圧位置に位置する状態で、第3位置から第4位置に移動する場合に離間カム150を回転させてカムフォロワ170を非押圧位置に位置させる。
【0140】
図3に示すように、第2スライダ300は、回転軸線方向において、金属フレーム15と、中間ギヤ111~114との間に配置されている。第2スライダ300は、回転軸線方向において、金属フレーム15とカムギヤ115(離間カム150)との間に配置されている。
【0141】
図12に示すように、第2スライダ300は、離間カム150(150Y,150M,150C,150K)の回転中心150Xよりも上に位置している。本実施形態では、第2スライダ300は、離間カム150のボス152よりも上に位置している。
【0142】
第2スライダ300は、スライド板310と、3つの接触片320とを有する。離間カム150Cは、突起としての第1突起155Cを有し、離間カム150Yは、第2突起155Yを有し、離間カム150Kは、第3突起155Kを有する。
【0143】
第1突起155Cは、第2スライダ300と接触可能であり、第3位置から第4位置へ前に向けて移動する第2スライダ300が接触した場合に離間カム150C,150M,150Yを回転させる。第1突起155Cは、離間カム150Cの円板部151から回転軸線方向に突出している。具体的には、第1突起155Cは、円板部151から回転軸線方向の他方側に向けて突出している。第1突起155Cは、円板部151の回転軸線方向における金属フレーム15(図3参照)と対向する面から回転軸線方向に突出している。
【0144】
第2突起155Yは、第2スライダ300と接触可能であり、第3位置から第4位置へ前に向けて移動する第2スライダ300が接触した場合に離間カム150Y,150M,150Cを回転させる。第2突起155Yは、離間カム150Yの円板部151から回転軸線方向に突出している。具体的には、第2突起155Yは、円板部151から回転軸線方向の他方側に向けて突出している。第2突起155Yは、円板部151の回転軸線方向における金属フレーム15(図3参照)と対向する面から回転軸線方向に突出している。
【0145】
第3突起155Kは、第2スライダ300と接触可能であり、第3位置から第4位置へ前に向けて移動する第2スライダ300が接触した場合に離間カム150Kを回転させる。第3突起155Kは、離間カム150Kの円板部151から回転軸線方向に突出している。具体的には、第3突起155Kは、円板部151から回転軸線方向の他方側に向けて突出している。第3突起155Kは、円板部151の回転軸線方向における金属フレーム15(図3参照)と対向する面から回転軸線方向に突出している。
【0146】
スライド板310は、筐体10に対して前後に直動可能に支持されている。
接触片320は、スライド板310に支持されており、スライド板310とともに前後に移動する。接触片320は、第1接触片320Cと、第2接触片320Yと、第3接触片320Kとを含む。本実施形態では、第1接触片320Cが「接触片」に相当する。
【0147】
第1接触片320Cは、カムフォロワ170Y,170M,170Cが押圧位置に位置する状態で、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合に離間カム150Cの第1突起155Cに接触する。第1接触片320Cは、第2スライダ300が第3位置から第4位置に移動するときに第1突起155Cと接触した場合、離間カム150Y,150M,150Cを第1回転方向R1に回転させる。
【0148】
第2接触片320Yは、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合において、第1接触片320Cが離間カム150Cの第1突起155Cから離間した後のタイミングで離間カム150Yの第2突起155Yに接触する。第2接触片320Yは、第2スライダ300が第3位置から第4位置に移動するときに第2突起155Yと接触した場合、離間カム150Y,150M,150Cをさらに第1回転方向R1に回転させてカムフォロワ170Y,170M,170Kを非押圧位置に位置させる。
【0149】
第3接触片320Kは、カムフォロワ170Kが押圧位置に位置する状態で、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合に離間カム150Kの第3突起155Kと接触する。第3接触片320Kは、第2スライダ300が第3位置から第4位置に移動するときに第3突起155Kと接触した場合、離間カム150Kを第1回転方向R1に回転させてカムフォロワ170Kを非押圧位置に位置させる。
【0150】
図13(a),(b)に示すように、接触片320は、スライド板310に揺動可能に支持されている。接触片320は、図13(a)に示す作用位置と、図13(b)に実線で示す退避位置との間で揺動可能である。接触片320は、ばねにより退避位置から作用位置に向けて付勢されている。
【0151】
図13(a)に示すように、接触片320は、第1接触面321と、第2接触面322とを有している。
第1接触面321は、接触片320が作用位置に位置する状態で、第2スライダ300の移動方向と略直交している。第1接触片320Cの第1接触面321は、カムフォロワ170Y,170M,170Cが押圧位置に位置する状態で、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合に離間カム150Cの第1突起155Cと接触する。
【0152】
第2接触片320Yの第1接触面321は、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合に離間カム150Yの第2突起155Yと接触可能である。第3接触片320Kの第1接触面321は、カムフォロワ170Kが押圧位置に位置する状態で、第2スライダ300が第3位置から第4位置へ前に向けて移動する場合に離間カム150Kの第3突起155Kと接触する。
【0153】
第2接触面322は、接触片320が作用位置に位置する状態で、第2スライダ300の移動方向に対して傾斜している。第2接触面322は、第2スライダ300が第4位置から第3位置へ後に向けて移動する場合、すなわち、フロントカバー11が閉じられる場合に第1突起155C、第2突起155Y、第3突起155Kと接触可能である。
【0154】
接触片320は、第2スライダ300が第4位置から第3位置へ後に向けて移動するときに第2接触面322が、例えば、離間カム150Cの第1突起155Cに接触した場合、作用位置から、図13(b)に実線で示す退避位置に退避する。これにより、第2スライダ300は、第4位置から第3位置へ後に向けて移動する場合には、離間カム150C,150M,150Yを回転させない。
【0155】
第2スライダ300が第4位置から第3位置へ後に向けて移動するときに第2接触面322が離間カム150Yの第2突起155Yに接触した場合も同様であり、第2スライダ300は、離間カム150Y,150M,150Cを回転させない。また、第2スライダ300が第4位置から第3位置へ後に向けて移動するときに第2接触面322が離間カム150Kの第3突起155Kに接触した場合も同様であり、第2スライダ300は、離間カム150Kを回転させない。
【0156】
本実施形態では、第2スライダ300は、ギヤカバー500に直動可能に支持されている。具体的には、図8に示すように、ギヤカバー500は、第2スライダ300を直動可能に支持するガイド550を有する。ガイド550は、第1ガイド551と、第2ガイド552とを有する。第1ガイド551および第2ガイド552は、それぞれ、前後方向に延びている。
【0157】
図14に示すように、ギヤカバー500は、第1ガイド551と第2ガイド552とによって第2スライダ300を挟むように支持している。具体的には、第2スライダ300は、スライド板310から回転軸線方向に突出するリブ330を有する。リブ330は、スライド板310から回転軸線方向の一方側に向けて突出している。リブ330は、前後方向に延びている(図12参照)。
【0158】
第1ガイド551は、第2スライダ300のリブ330の下面に下から接触する。第2ガイド552は、第2スライダ300のスライド板310の上面に上から接触する。第2スライダ300は、第1ガイド551および第2ガイド552に沿って前後方向に直動可能である。
【0159】
第2スライダ300は、第2ラックギヤ350をさらに有している。第2ラックギヤ350は、スライド板310の下面に設けられている。図3に示すように、第2ラックギヤ350は、連動機構400の第2ギヤ420と噛み合っている。
【0160】
連動機構400は、第1スライダ200と第2スライダ300を機械的に連動させる機構である。具体的には、連動機構400は、フロントカバー11を開くことで、第1スライダ200が第1位置から第2位置に移動する場合に、第2スライダ300を第3位置から第4位置に移動させる。また、連動機構400は、フロントカバー11を閉じることで、第1スライダ200が第2位置から第1位置に移動する場合に、第2スライダ300を第4位置から第3位置に移動させる。
【0161】
連動機構400は、2つのギヤを有する。2つのギヤは、第1スライダ200の第1ラックギヤ250から、第2スライダ300の第2ラックギヤ350に動力を伝達するギヤである。2つのギヤは、第1ギヤ410と、第2ギヤ420とを含む。
第1ギヤ410は、小径ギヤ411と大径ギヤ412とを有する2段ギヤであり、小径ギヤ411が第1ラックギヤ250と噛み合っている。第1ギヤ410は、金属フレーム15に回転可能に支持されている。
【0162】
第2ギヤ420は、第1ギヤ410の大径ギヤ412と、第2スライダ300の第2ラックギヤ350との間に配置され、大径ギヤ412および第2ラックギヤ350の両方と噛み合っている。第2ギヤ420は、金属フレーム15に回転可能に支持されている。本実施形態では、第2ギヤ420は、第1アイドルギヤ116と同軸で回転する。第2ギヤ420は、第1アイドルギヤ116とは独立して回転する。
【0163】
本実施形態では、第2スライダ300が第3位置から第4位置に移動する方向は、第1スライダ200が第1位置から第2位置に移動する方向と同じ方向である。具体的には、第1スライダ200は、第1位置から第2位置へ前に向けて移動し、第2スライダ300は、第3位置から第4位置へ前に向けて移動する。また、第2スライダ300が第4位置から第3位置に移動する方向は、第1スライダ200が第2位置から第1位置に移動する方向と同じ方向である。具体的には、第1スライダ200は、第2位置から第1位置へ後に向けて移動し、第2スライダ300は、第4位置から第3位置へ後に向けて移動する。
【0164】
次に、フロントカバー11を開閉するときの、第1スライダ200、連動機構400および第2スライダ300の動作について説明する。
フロントカバー11を図11(a)に示す閉鎖位置から開放位置に向けて回動していくと、リンク11Aを介して、第1スライダ200が第1位置から第2位置に向けて前に移動する。すると、第1スライダ200の第1ラックギヤ250によって、第1ギヤ410および第2ギヤ420が回転する。そして、第2ギヤ420の回転によって第2ラックギヤ350を有する第2スライダ300が第3位置から第4位置に向けて前に移動する。
【0165】
画像形成装置1は、印刷を実行する前の状態で、すべての現像フレーム65が離間位置に位置する。このとき、図12に示すように、カムフォロワ170は、アーム172が離間カム150の保持面153Aに接触する押圧位置に位置する。アーム172は、保持面153Aの第1回転方向R1における下流端部に接触している。この状態において、第3位置に位置する第2スライダ300の第1接触片320Cは、離間カム150Cの第1突起155Cと接触可能であり、第3接触片320Kは、離間カム150Kの第3突起155Kと接触可能である。
【0166】
フロントカバー11を閉鎖位置から開放位置に向けて回動していくと、リンク11A、第1スライダ200および連動機構400を介して、第2スライダ300が第3位置から第4位置に向けて前に移動する。そして、図15に示すように、第1接触片320Cが離間カム150Cの第1突起155Cに接触し、第3接触片320Kが離間カム150Kの第3突起155Kに接触する。
【0167】
第2スライダ300がさらに前に移動すると、第1突起155Cが第1接触片320Cによって押されることで、離間カム150Cと、これに連動する離間カム150M,150Yとが第1回転方向R1に回転する。また、第3突起155Kが第3接触片320Kによって押されることで、離間カム150Kが第1回転方向R1に回転する。
【0168】
これにより、カムフォロワ170が離間カム150の保持面153A上を案内面153Bに向けて摺接する。そして、まず、カムフォロワ170Y,170Kのアーム172が保持面153Aから案内面153Bに案内され、案内面153B上を摺接して、案内面153Bの第1回転方向R1における上流端部に到達する。これにより、カムフォロワ170Y,170Kが押圧位置から非押圧位置にスライド移動し、現像フレーム65Y,65Kが離間位置から接触位置に移動する。
【0169】
図16に示すように、突起155C,155Kが接触片320C,320Kによって押されなくなると、離間カム150の回転が止まる。このとき、カムフォロワ170Y,170Kは、非押圧位置に位置する。また、カムフォロワ170Mは、アーム172が離間カム150Mの案内面153Bの第1回転方向R1における下流端部に位置し、まだ押圧位置に位置する。また、カムフォロワ170Cは、アーム172が離間カム150Cの保持面153A上に位置してまだ押圧位置に位置する。
【0170】
第2スライダ300がさらに前に移動すると、図17に示すように、第2スライダ300の第2接触片320Yが離間カム150Yの第2突起155Yに接触する。第2スライダ300がさらに前に移動すると、第2突起155Yが第2接触片320Yによって押されることで、離間カム150Yと、これに連動する離間カム150M,150Cとが再び第1回転方向R1に回転する。
【0171】
これにより、カムフォロワ170Mのアーム172が離間カム150Mの案内面153B上を摺接してカム部153から外れる。これにより、カムフォロワ170Mが押圧位置から非押圧位置にスライド移動し、現像フレーム65Mが離間位置から接触位置に移動する。また、カムフォロワ170Cのアーム172が離間カム150Cの保持面153Aから案内面153Bに案内され、案内面153B上を摺接して、カム部153から外れる。これにより、カムフォロワ170Cが押圧位置から非押圧位置にスライド移動し、現像フレーム65Cが離間位置から接触位置に移動する。
【0172】
図18に示すように、第2突起155Yが第2接触片320Yによって押されなくなると、離間カム150Y,150M,150Cの回転が止まる。そして、図11(b)に示すように、フロントカバー11が開かれて開放位置に到達すると、第1スライダ200は第2位置で停止し、第2スライダ300は第4位置で停止する。このとき、すべてのカムフォロワ170が非押圧位置に位置し、すべての現像フレーム65が接触位置に位置する。
【0173】
フロントカバー11を図11(b)に示す開放位置から閉鎖位置に向けて回動していくと、リンク11Aを介して、第1スライダ200が第2位置から第1位置に向けて後に移動する。すると、第1ラックギヤ250によって、第1ギヤ410および第2ギヤ420が回転し、これによって、第2スライダ300が第4位置から第3位置に向けて後に移動する。そして、図11(a)に示すように、フロントカバー11が閉じられて閉鎖位置に到達すると、第1スライダ200は第1位置で停止し、第2スライダ300は第3位置で停止する。
【0174】
次に、本実施形態の画像形成装置1が有する効果について説明する。
ジョイント切替カム230を有する第1スライダ200と、離間カム150を回転させてカムフォロワ170を非押圧位置に位置させる第2スライダ300と、第1スライダ200と第2スライダ300を機械的に連動させる連動機構400とを備えることで、カムフォロワ170の配置の自由度を向上できる。
【0175】
特許文献1に記載の画像形成装置は、カバーを開くことに応じてリリース係合部がカムフォロワに接触してカムフォロワを回動させて、カムフォロワをカム部から外すことで突出位置から待機位置にスライドさせるため、カムフォロワの回動中心をカムの外周の外側に配置する必要がある。
【0176】
本実施形態の画像形成装置1は、フロントカバー11を開くことに応じて離間カム150を回転させることでカムフォロワ170を非押圧位置に位置させることができるため、カムフォロワ170のスライド軸171を離間カム150の外周の外側に配置する必要がなく、カムフォロワ170を自由に配置できる。画像形成装置1によれば、カムフォロワ170の配置の自由度を向上できる。
【0177】
第1スライダ200がジョイント切替カム230を有することで、例えば、第1スライダと、ジョイント切替カムを有する部材とを別に備える場合と比較して、画像形成装置1を小型化できる。また、第2スライダ300を連動機構400によって連動させることで、例えば、第2スライダをフロントカバーとリンクなどを介して連結する場合と比較して、フロントカバー11と第2スライダ300を連動させる機構をコンパクトにできるので、画像形成装置1を小型化できる。
【0178】
カムフォロワ170のピン173が離間カム150の回転中心150Xよりも下に位置し、第2スライダ300が離間カム150の回転中心150Xよりも上に位置することで、ピン173の周辺にスペースを確保できる。これにより、カムフォロワ170の配置の自由度を向上できる。
【0179】
連動機構400が第1ラックギヤ250から第2ラックギヤ350に動力を伝達するギヤ(410,420)を有することで、第1スライダ200と第2スライダ300とが間隔をあけて配置される構成において、簡単な構成で第1スライダ200と第2スライダ300を連動させることができる。
【0180】
連動機構400のギヤが互いに噛み合う第1ギヤ410と第2ギヤ420とを含み、第1ラックギヤ250が第1ギヤ410と噛み合い、第2ラックギヤ350が第2ギヤ420と噛み合っていることで、連動機構400を小型にできる。これにより、第1スライダ200と第2スライダ300をコンパクトに配置できる。その結果、画像形成装置1を小型化できる。また、第1スライダ200と第2スライダ300とが間隔をあけて配置される構成において、簡単な構成で第1スライダ200の移動方向と第2スライダ300の移動方向とを揃えることができる。
【0181】
第2ギヤ420が第1アイドルギヤ116と同軸で回転することで、回転軸線方向から見て、第2ギヤ420と第1アイドルギヤ116をコンパクトに配置でき、カムフォロワ170の配置の自由度を向上できる。
【0182】
ギヤカバー500が第2スライダ300を直動可能に支持するガイド550を有することで、金属フレーム15に第2スライダ300を直動可能に支持するガイドを設ける必要がなくなる。例えば、金属フレームの一部を切り起こしてガイドを設けた場合、金属フレームに貫通孔ができて金属フレームの強度が低下する可能性があるが、本実施形態では、金属フレーム15にそのような貫通孔ができないので、金属フレーム15の強度低下を抑制できる。
【0183】
フロントカバー11を開くことでカムフォロワ170が非押圧位置に位置する構成で、カムフォロワ170が、非押圧位置にあるときにドロワフレーム55Fの第2開口55Dから抜けていることで、フロントカバー11を開くことで、ドロワフレーム55Fとカムフォロワ170とが干渉しなくなる。これにより、ドロワ55を内側位置から外側位置に移動できる。
【0184】
第2スライダ300の接触片320が離間カム150の突起155に接触して離間カム150を回転させることで、第2スライダ300が第3位置から第4位置に移動する場合に、精度よく離間カム150を回転させ、カムフォロワ170を非押圧位置に位置させることができる。
【0185】
回転軸線方向から見て、カムフォロワ170のスライド軸171が離間カム150の外周の内側に配置されていることで、スライド軸が離間カムの外周の外側に配置される場合と比較して、離間カム150の周辺に必要なスペースを小さくできる。これにより、例えば、離間カム150同士の距離を小さくできるので、感光ドラム50同士の距離であるドラム間ピッチを小さくできる。その結果、画像形成装置1を小型化できる。
【0186】
スライド軸171が離間カム150のボス152と係合してスライド移動可能であることで、スライド軸171が離間カム150の外周の内側に配置される構成において、現像フレーム65を確実に押圧できる。
【0187】
以上、実施形態について説明したが、画像形成装置は以下に例示するように適宜変形して実施できる。
【0188】
前記実施形態では、4つの中間ギヤ111~114を備えていたが、駆動力を第1カムギヤに伝達する中間ギヤであって、ギヤカバーに回転可能に支持される中間ギヤの数は任意である。例えば、中間ギヤの数は、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。また、ギヤカバーに回転可能に支持される中間ギヤを備えない構成であってもよい。
【0189】
前記実施形態では、連動機構400の第2ギヤ420が第1アイドルギヤ116と同軸で回転するギヤであったが、例えば、第2ギヤは、別のギヤと同軸で回転するギヤでなくてもよい。
【0190】
前記実施形態では、第2スライダ300を直動可能に支持するガイド550がギヤカバー500に設けられていたが、例えば、第2スライダのガイドが、ギヤカバーの代わりに、第1カムギヤを回転可能に支持する金属フレームに設けられていてもよい。また、例えば、ガイドの一部がギヤカバーに設けられ、ガイドの残りの一部が金属フレームに設けられていてもよい。
【0191】
前記実施形態では、第1スライダ200が現像ジョイント切替カム231およびドラムジョイント切替カム232の両方を有する構成であったが、例えば、第1スライダは、現像ジョイント切替カムのみを有する構成であってもよい。また、第1スライダは、ドラムジョイント切替カムのみを有する構成であってもよい。
【0192】
前記実施形態では、連動機構400が2つのギヤ(410,420)を有する構成であったが、例えば、連動機構は、3つ以上のギヤを有する構成であってもよい。また、連動機構は、1つのギヤのみを有する構成であってもよい。言い換えると、連動機構は、1つのギヤであってもよい。また、例えば、連動機構は、回転運動をするリンク、往復直線運動をするリンクなどを複数組み合わせることで第1スライダと第2スライダを機械的に連動させるリンク機構であってもよい。
【0193】
前記実施形態では、第2スライダが第3位置から第4位置に移動する方向と、第1スライダが第1位置から第2位置に移動する方向とが同じ方向であったが、異なる方向であってもよい。例えば、第1スライダが第1位置から第2位置へ前に向けて移動し、第2スライダが第3位置から第4位置へ後に向けて移動する構成であってもよい。
【0194】
同様に、前記実施形態では、第2スライダが第4位置から第3位置に移動する方向と、第1スライダが第2位置から第1位置に移動する方向とが同じ方向であったが、異なる方向であってもよい。例えば、第1スライダが第2位置から第1位置へ後に向けて移動し、第2スライダが第4位置から第3位置へ前に向けて移動する構成であってもよい。
【0195】
前記実施形態では、第2スライダ300の接触片320がスライド板310に揺動可能に支持されていたが、例えば、接触片は、スライド板に対して揺動せず、固定されていてもよい。また、接触片は、スライド板と一体に設けられていてもよい。
【0196】
前記実施形態では、第1スライダ200が離間カム150の回転中心150Xよりも下に位置し、第2スライダ300が離間カム150の回転中心150Xよりも上に位置していたが、例えば、第1スライダが離間カムの回転中心よりも上に位置し、第2スライダが離間カムの回転中心よりも下に位置していてもよい。
【0197】
前記実施形態では、カムフォロワ170のピン173が離間カム150の回転中心150Xよりも下に位置し、第2スライダ300が離間カム150の回転中心150Xよりも上に位置していたが、例えば、カムフォロワのピンが離間カムの回転中心よりも上に位置し、第2スライダが離間カムの回転中心よりも下に位置していてもよい。
【0198】
前記実施形態では、カムフォロワ170のスライド軸171が、回転軸線方向から見て、離間カム150の外周の内側に配置されていたが、例えば、スライド軸は、回転軸線方向から見て、離間カムの外周の外側に配置されていてもよい。
【0199】
前記実施形態では、カバーが画像形成装置1の前に設けられたフロントカバー11であったが、例えば、カバーは、画像形成装置の左または右に設けられたサイドカバーであってもよい。また、例えば、カバーは、画像形成装置の後に設けられたリアカバーであってもよいし、画像形成装置の上に設けられたトップカバーであってもよい。
【0200】
前記実施形態では、画像形成装置1が、感光ドラム50、現像ローラ61、現像フレーム65、離間カム150(カムギヤ115)、カムフォロワ170をそれぞれ複数備えるカラープリンタであったが、例えば、画像形成装置は、感光ドラム、現像ローラ、現像フレーム、離間カム、カムフォロワを1つずつ備えるモノクロプリンタであってもよい。また、例えば、画像形成装置は、プリンタではなく、複写機、複合機などであってもよい。
【0201】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0202】
1 画像形成装置
10 筐体
10A 第1開口
11 フロントカバー
50 感光ドラム
61 現像ローラ
65 現像フレーム
130 ジョイント
150 離間カム
170 カムフォロワ
200 第1スライダ
230 ジョイント切替カム
300 第2スライダ
400 連動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18