(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154014
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】ペット用玩具
(51)【国際特許分類】
A01K 15/02 20060101AFI20241023BHJP
A01K 13/00 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
A01K15/02 B
A01K13/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067588
(22)【出願日】2023-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】521547530
【氏名又は名称】市村 光男
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市村 光男
(57)【要約】
【課題】犬等のペットが自ら遊びながら噛むことで歯を磨くことができるペット用玩具を提供する。
【解決手段】ペット用玩具1は、ペットが噛み付くことでペットの歯磨きが可能である。ペット用玩具1は、弾性変形可能であり、複数の突起3が外面に形成された玩具本体2と、
玩具本体2に巻き付けられた紐状のブラシ10と、を備え、ブラシ10は、ブラシから突き出た複数の毛11がブラシ10の長さ方向に沿って設けられており、ブラシ10は、任意の隣り合う突起3の間を通って玩具本体2に幾重に巻き付けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットが噛み付くことでペットの歯磨きが可能なペット用玩具であって、
弾性変形可能でありかつ複数の突起が外面に形成された玩具本体と、前記玩具本体に巻き付けられたブラシと、を備え、
前記ブラシは、柔軟性を有する紐状の芯材と、前記芯材の長さ方向に沿って設けられかつ前記芯材から突き出る複数の毛と、を備え、
前記ブラシは、任意の隣り合う前記突起の間を通って前記玩具本体に幾重に巻き付けられている、ペット用玩具。
【請求項2】
前記玩具本体の外面には、複数の凹みが形成されている、請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記玩具本体がボール型又は骨型をなす、請求項1又は2に記載のペット用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬等のペットの歯を磨くことができるブラシを備えたペット用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットの歯を磨くための道具として、例えば特許文献1には、飼い主の手に装着してペットの歯を磨く手袋が開示されている。しかし、飼い主自らペットの歯を磨くのは、飼い主にとっても手間のかかる面倒な作業であり、ペットにとっても楽しくはなく、ストレスがかかる。そのため、次第にペットの歯磨きがおろそかになり、また無理にペットの歯を磨こうとしてペットの歯茎を痛めるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、犬等のペットが自ら遊びながら噛むことで歯を磨くことができるペット用玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のペット用玩具は、上記課題を解決するため、以下の項1に記載のペット用玩具を主題とする。
【0006】
項1.ペットが噛み付くことでペットの歯磨きが可能なペット用玩具であって、
弾性変形可能でありかつ複数の突起が外面に形成された玩具本体と、前記玩具本体に巻き付けられたブラシと、を備え、
前記ブラシは、柔軟性を有する紐状の芯材と、前記芯材の長さ方向に沿って設けられかつ前記芯材から突き出る複数の毛と、を備え、
前記ブラシは、任意の隣り合う前記突起の間を通って前記玩具本体に幾重に巻き付けられている、ペット用玩具。
【0007】
また本開示のペット用玩具は、上記項1に記載のペット用玩具の好ましい態様として、以下の項2に記載のペット用玩具を包含する。
【0008】
項2.前記玩具本体の外面には、複数の凹みが形成されている、項1に記載のペット用玩具。
【0009】
また本開示のペット用玩具は、上記項1及び項2に記載のペット用玩具の好ましい態様として、以下の項3に記載のペット用玩具を包含する。
【0010】
項3.前記玩具本体がボール型又は骨型をなす、項1又は項2に記載のペット用玩具。
【発明の効果】
【0011】
本発明のペット用玩具は、犬等のペットが自ら遊びながら噛むことで歯を磨くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態のペット用玩具の斜視図である。
【
図2】
図2は、ペット(犬)がペット用玩具を噛んでいる状態を示す図である。
【
図4】
図4(A)は、ブラシが形成される前の状態を示す図であり、
図4(B)は、ブラシの斜視図である。
【
図5】
図5は、変形例のペット用玩具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のペット用玩具の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
ペット用玩具の全体構成
図1は、ペット用玩具1の外観を示す。ペット用玩具1は、
図2に示すように、ペットが噛み付くことでペットの歯磨きが可能なものである。ペットは、犬や猫を例示できるが、犬や猫に限定されない。
【0015】
図1に示すペット用玩具1は、
図3に示す玩具本体2と、
図4に示す玩具本体2に巻き付けられるブラシ10と、を備える。ブラシ10は、玩具本体2の外周に対して十分に長いものであり、玩具本体2の外面に縦横無尽に巻き付けられる。つまり、ブラシ10は、玩具本体2の周囲のあらゆる方向に幾重にも巻き付けられる。玩具本体2に緩みがないようにきつく巻き付けられたブラシ10は、例えば、その両端を互いに強く結び付ける、その両端を玩具本体2の内部に埋め込む、あるいは、その両端を玩具本体2の外面に接着する等により、玩具本体2に固定される。
【0016】
玩具本体の説明
図3に示す玩具本体2は、弾性変形可能である。つまり、玩具本体2は、ペットに噛まれた際に変形し、ペットが玩具本体2を口から離すと元の形状に戻る。弾性変形可能な玩具本体2は、例えば天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー(例えば塩化ビニル等)を主原料として形成できる。その中でも、天然ゴムは、弾性に優れるため、ペットの鋭い歯によって噛まれても破損等が少ないうえ、繰り返し噛まれても十分な強度を有する。そのため、天然ゴムを用いて玩具本体2を形成することで、玩具本体2の耐久性を向上できる。また、天然ゴムを用いて玩具本体2を形成することで、ペットが玩具本体2をくわえたり、ペットが玩具本体2の一部分を誤飲したりしても無害であるため、ペット用玩具1をペットに対して安心して使用できる。
【0017】
玩具本体2の大きさは、ペットがくわえて噛むことができ、かつ、ペットが飲み込むおそれのない大きさであれば特に限定されない。玩具本体2の形状も特に限定されないが、ペットが興味を示したり、ペットが飽きることなく長期間遊ぶことができる形状であることが好ましく、例えばボール型や骨型にするのが好ましい。
【0018】
玩具本体2は、内部がからっぽの中空であってもよいし、中身の詰まった中実であってもよい。玩具本体2は、ペットが噛んだ際に容易に変形できるように中空であることが好ましい。
【0019】
玩具本体2の外面には、複数の突起3が形成されている。突起3は玩具本体2と同じ素材で玩具本体2に一体に形成される。複数の突起3は、玩具本体2の外面に満遍なく均一に分布しているのが好ましいが、一つ又は複数箇所に偏って形成されていてもよい。複数の突起3は、玩具本体2の周囲のあらゆる方向に紐状のブラシ10が幾重に巻き付けられる際に、ブラシ10が任意の隣り合う突起3の間を通ることで、ブラシ10を玩具本体2の外面に対してその位置がずれないように固定する役割を果たす。
【0020】
突起3の形状について、高さ方向に直交する断面(横断面)は円形状の他、三角形や四角形等の多角形等、種々の形状にできる。突起3の形状について、高さ方向に平行な断面(縦断面)は三角形、半円形、台形等の先細りのテーパ状の他、逆テーパ状、四角形等の一定幅状等、種々の形状にできる。突起3の全体形状は、例えば半球状や先の丸い円錐台状を挙げることができるが、上述した役割を果たすことができれば、これらに限定されず種々の形状にできる。
【0021】
玩具本体2の外面には、複数の突起3が形成されていない部分に、複数の凹み4が形成されている。複数の凹み4は、玩具本体2の外面に満遍なく均一に分布しているのが好ましいが、一つ又は複数箇所に偏って形成されていてもよい。複数の凹み4は、ペットが玩具本体2を噛んだ際にペットの歯が嵌まることで、ペットが玩具本体2を噛みやすくする役割を果たす。
【0022】
凹み4の形状について、深さ方向に直交する断面(横断面)は円形状の他、三角形や四角形等の多角形等、種々の形状にできる。凹み4の形状について、深さ方向に平行な断面(縦断面)は三角形、半円形、台形等の先細りのテーパ状の他、逆テーパ状、四角形等の一定幅状等、種々の形状にできる。凹み4の全体形状は、例えば半球状や先の丸い円錐台状を挙げることができるが、上述した役割を果たすことができれば、これらに限定されず種々の形状にできる。
【0023】
ブラシの説明
図4に示すブラシ10は、玩具本体2の外面に幾重にも巻き付けられるように、柔軟性を有し、かつ、所定の長さを有する。ブラシ10は、細長い紐状の芯材12と、芯材12から突き出るように芯材12に設けられた複数の毛12と、を備える。芯材12は、細長い紐状であれば特に限定されず、例えば糸等の線状のものであってもよいし、テープ等の幅の狭い帯状のものであってもよい。複数の毛11は芯材12の長さ方向に沿って並ぶようにして芯材12に固定される。
【0024】
毛11は、植物繊維(例えばコットン(綿)やリネン(麻)等)、動物繊維(例えば馬の毛や豚の毛等)、合成繊維(例えばナイロンやポリエステル等)、その他の化学繊維で構成される。複数の毛11は、これらのうちの少なくとも一種を用いて構成できる。ポリエステルは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等を挙げることができる。毛11は、ナイロンやPBTを用いることで、毛11の耐久性を向上でき、かつ、細菌を繁殖し難くできる。
【0025】
毛11は、真っすぐで細い線状を呈する。毛11の長さは、特に限定されないが、例えば9mmから12mm程度であり、これより長くてもよい。毛11の太さは、特に限定されないが、例えば0.01mmから0.2mm程度であり、これより太くてもよい。毛11の硬さは、特に限定されないが、例えば50N/cm2から85N/cm2程度であり、これより硬くてもよい。
【0026】
なお、毛11の表面に、ペットの好奇心を高めてペットがペット用玩具1で遊びたくなるような香料成分であり、ペットに無害の香料成分を付着させてもよい。
【0027】
芯材12は、例えば二本の糸13を用いて構成できる。糸13は、例えばコットン(綿)やリネン(麻)等の天然繊維、例えばナイロンやポリエステル等の合成繊維、その他の化学繊維の少なくとも一種を用いて形成できる。ポリエステルは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)を挙げることができる。その中でも、ナイロンやPBTを用いると、芯材12の耐久性を向上でき、かつ、細菌を繁殖し難くできるため、好ましい。
【0028】
芯材12に糸13を用いた場合に芯材12に複数の毛11を固定する方法は、
図4(A)に示すように、二本の糸13の間に複数の毛11を、糸13と直交するように糸13の長さ方向に沿って並べて複数の毛11を二本の糸13で挟む。その後、
図4(B)に示すように、二本の糸13を互いに捩り合わせる。これにより、複数の毛11は、芯材12から放射状に突き出た状態で芯材12に固定される。
【0029】
芯材12は、その他、例えば二枚のテープを用いて構成できる。芯材12にテープを用いた場合に芯材12に複数の毛11を固定する方法は、二枚のテープの間に複数の毛11を、テープと直交するようにテープの長さ方向に沿って並べて複数の毛11を二枚のテープで挟み、その後、二枚のテープを互いに捩り合わせる。これにより、複数の毛11は、芯材12から側方に突き出た状態で芯材12に固定される。
【0030】
ペット用玩具の作用、効果
以上に説明したペット用玩具1は、弾性変形可能でありかつ複数の突起3が外面に形成された玩具本体2と、玩具本体2に巻き付けられたブラシ10と、を備え、ブラシ10は、複数の毛11を備えている。そのため、犬等が玩具本体2を口にくわえて噛み付いた際に、ブラシ10の複数の毛11が犬等の歯に接触したり、歯間の間に入り込む。これにより、歯垢や歯石が脱落して犬等の歯磨きを行うことができ、歯茎を丈夫できる。このように、ペット用玩具1がブラシ10を備えており、ペットが自発的に遊びながら歯磨きするので、飼い主の手間を軽減でき、ペットも楽しみながらストレスなく歯磨きができる。
【0031】
またペット用玩具1は、玩具本体2の外面に複数の突起3が形成されていて、ブラシ10は、任意の隣り合う突起3の間を通って玩具本体2に幾重に巻き付けられている。これにより、ブラシ10を玩具本体2の外面に対してその位置がずれないように固定することができる。
【0032】
またペット用玩具1は、玩具本体2の外面に複数の凹み4が形成されている。これにより、ペットが玩具本体2を噛んだ際にペットの歯が複数の凹み4に嵌まるので、ペットは玩具本体2を容易に噛むことができる。
【0033】
またペット用玩具1は、玩具本体2がボール型をなす。これにより、玩具本体2が転がりやすくなり、ペットの興味を惹き付けるので、ペットがペット用玩具1を用いて遊ぶのを誘発できる。
【0034】
<変形例>
以上、本発明のペット用玩具の一つの実施形態について説明したが、上記実施形態は、あくまでも例示であって、本発明のペット用玩具を限定するものではない。本発明のペット用玩具は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明のペット用玩具の趣旨を逸脱せず、本発明のペット用玩具の課題を解決できる限りにおいて種々の変形が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0035】
一変形例として、上述したように、玩具本体2はボール型でなくてもよく、
図4に示すような骨型であってもよい。骨型の玩具本体2も、ペットの興味を惹き付けるので、ペットがペット用玩具1を用いて遊ぶのを誘発できる。
【0036】
一変形例として、ブラシ10が巻き付けられた複数の玩具本体2をロープ等で繋げて連結してもよい。これにより、ペット用玩具1一方の端の玩具本体2をペットが噛み、飼い主が他方の端の玩具本体2を引っ張る等することで、飼い主とのスキンシップをとりながらペットをペット用玩具1で遊ばせることができる。よって、ペットがペット用玩具1を用いて遊ぶのを誘発できる。
【符号の説明】
【0037】
1 ペット用玩具
2 玩具本体
3 突起
4 凹み
10 ブラシ
11 毛
12 芯材
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットが噛み付くことでペットの歯磨きが可能なペット用玩具であって、
弾性変形可能でありかつ複数の突起が外面に形成された玩具本体と、前記玩具本体に巻き付けられたブラシと、を備え、
前記ブラシは、柔軟性を有する紐状の芯材と、前記芯材の長さ方向に沿って設けられかつ前記芯材から突き出る複数の毛と、を備え、
前記ブラシは、任意の隣り合う前記突起の間を通るようにして縦横無尽に前記玩具本体に幾重に巻き付けられている、ペット用玩具。
【請求項2】
前記玩具本体の外面には、複数の凹みが形成されている、請求項1に記載のペット用玩具。
【請求項3】
前記玩具本体がボール型又は骨型をなす、請求項1又は2に記載のペット用玩具。