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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154039
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】吸込具、及び電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20241023BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067632
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洸介
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AD03
3B061AD05
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】回転ブラシの回転の安定性を向上させることが可能な吸込具、及び電気掃除機の実現を目的とした。
【解決手段】吸込具100は、回転可能な筒状のホルダー170を有する回転ブラシ160と、ホルダー170内に配され、回転ブラシ160の駆動源となる電動機182、及び電動機182を収容する電動機ハウジング184を備えた駆動部180と、電動機182の出力軸182aを支持する軸支持部200と、電動機182の駆動力をホルダー170に伝える回転支持部190と、を備え、電動機ハウジング184は、回転支持部190の外周の少なくとも一部と当接することを特徴とするものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な筒状のホルダーを有する回転ブラシと、
前記ホルダー内に配され、前記回転ブラシの駆動源となる電動機、及び前記電動機を収容する電動機ハウジングを備えた駆動部と、
前記電動機の出力軸を支持する軸支持部と、
前記電動機の駆動力を前記ホルダーに伝える回転支持部と、
を備え、
前記電動機ハウジングは、前記回転支持部の外周の少なくとも一部と当接することを特徴とする、吸込具。
【請求項2】
前記回転支持部が、前記電動機及び前記電動機ハウジングに対して固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸込具。
【請求項3】
前記電動機を基準として、前記回転ブラシの軸線方向において前記回転支持部とは反対側において前記電動機を支持する電動機保持部を備え、
前記電動機保持部が、前記ホルダーの内部に挿入され、前記ホルダーを回転可能に支持する回転部材を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸込具。
【請求項4】
前記電動機保持部との間において前記回転部材を前記回転ブラシの軸線方向に支持するガイド部と、
前記ガイド部を前記軸線方向から支持するとともに、前記電動機保持部に対して固定される端部部材と、
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の吸込具。
【請求項5】
前記ホルダーを挿抜することにより、前記ホルダーの端部に設けられた開口部を開閉可能な蓋部と、
前記軸支持部に対して前記回転ブラシの軸線方向に固定される回転保持部と、
を備え、
前記ホルダー及び前記軸支持部が一体的に形成された構成、あるいは前記ホルダーとは別体に形成された前記軸支持部が前記ホルダーに対して固定された構成とされており、
前記蓋部が、前記回転保持部を回転可能に支持することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸込具。
【請求項6】
前記ホルダーを挿抜することにより、前記ホルダーの端部に設けられた開口部を開閉可能な蓋部を有し、
前記ホルダー及び前記軸支持部が一体的に形成された構成、あるいは前記ホルダーとは別体に形成された前記軸支持部が前記ホルダーに対して固定された構成とされており、
前記蓋部が、前記軸支持部を回転可能に支持することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸込具。
【請求項7】
前記回転支持部が、前記出力軸が挿入される挿入孔を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸込具。
【請求項8】
前記軸支持部は、前記出力軸が挿入される軸挿入部を有し、
前記回転支持部は、前記軸挿入部が挿入される挿入孔を有する、請求項1又は2に記載の吸込具。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の吸込具を備えることを特徴とする、電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸込具、及び電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、筒状のブラシホルダを有する回転ブラシのブラシホルダ内に電動機を有する吸込具が提供されている。特許文献1に開示されている吸込具においては、電動機の出力軸に嵌合した緩衝材を介して出力軸をブラシホルダーの軸受支持部が支持する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-238815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような構成とした場合には、出力軸と軸受支持部との連結精度が低い場合に、径方向への軸受支持部のがたつきが生じ、これに伴うブラシホルダーの回転安定性の低下が懸念される。
【0005】
そこで本発明は、回転ブラシの回転の安定性を向上させることが可能な吸込具、及び電気掃除機の実現を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の吸込具は、回転可能な筒状のホルダーを有する回転ブラシと、前記ホルダー内に配され、前記回転ブラシの駆動源となる電動機、及び前記電動機を収容する電動機ハウジングを備えた駆動部と、前記電動機の出力軸を支持する軸支持部と、前記電動機の駆動力を前記ホルダーに伝える回転支持部と、を備え、前記電動機ハウジングが、前記回転支持部の外周の少なくとも一部と当接することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の吸込具は、回転ブラシを構成するホルダーの内部に駆動部を収容しつつ、駆動部をなす電動機の出力軸を軸支持部で支持するとともに、電動機の駆動力を回転支持部によりホルダーに伝えることができるものとされている。また、本発明の吸込具は、電動機ハウジングが、回転支持部の外周の少なくとも一部と当接することにより、回転支持部が回転ブラシの径方向にガタつきを生じるのを抑制できる。従って、本発明によれば、回転ブラシの回転の安定性を向上させることが可能な吸込具を実現できる。
【0008】
また、本発明の電気掃除機は、上述した本発明の吸込具を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の電気掃除機は、本発明の吸込具を備えたものであるため、回転ブラシの回転安定性の高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上述した課題を解決した吸込具、及び電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
図2図1の電気掃除機が備える掃除機本体を示す断面図である。
図3図1の電気掃除機の吸込具を示す斜視図である。
図4図3の吸込具を水平面に沿う平面で断面視した状態を示す断面図である。
図5図3の吸込具を側方側から断面視した状態を示す断面図である。
図6図3の吸込具を斜め側方側から断面視した状態を示す断面図である。
図7図3の吸込具を清掃面側から見た状態を示す斜視図である。
図8図3の吸込具を外部連通開口の近傍において水平面に沿う平面で断面視した状態を示す断面図である。
図9図3の吸込具が備える回転清掃体について、軸線方向一方側から見た状態を示す斜視図である。
図10図3の吸込具が備える回転清掃体について、図9とは軸線方向反対側から見た状態を示す斜視図である。
図11図3の吸込具が備える回転清掃体について、軸線方向に沿う平面で断面視した状態を示す断面図である。
図12図4の吸込具が備える回転清掃体を示す分解斜視図である。
図13】(a)は回転支持部を軸線方向一方側から見た状態を示す斜視図、(b)は(a)とは軸線方向反対側から回転支持部を見た状態を示す斜視図、(c)は回転支持部を示す正面図、(d)は回転支持部を示す側面図である。
図14】(a)は軸支持部を軸線方向一方側から見た状態を示す斜視図、(b)は(a)とは軸線方向反対側から軸支持部を見た状態を示す斜視図、(c)は軸支持部を示す正面図、(d)は軸支持部を示す側面図である。
図15】本実施形態に係る回転ブラシを、回転支持部の軸支持部嵌合部と、軸支持部の被嵌合部とが嵌合により接続された箇所において断面視した状態を示す断面図である。
図16】(a)は回転保持部を軸線方向一方側から見た状態を示す斜視図、(b)は(a)とは軸線方向反対側から回転保持部を見た状態を示す斜視図、(c)は回転保持部を示す正面図、(d)は回転保持部を示す側面図である。
図17図4の吸込具が備える回転清掃体において、駆動部に対して軸線方向一方側に接続される回転支持部、及び軸線方向他方側に接続される電動機保持部、ガイド部、固定具を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る吸込具100、及びこれを備えた電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機1の全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向、前後方向等の位置関係については、図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。
【0013】
≪電気掃除機1の全体構成について≫
図1に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、充電式のものや、電源コードを介して外部電源から電力を得るものとすることができる。図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体10、集塵部50(集塵装置)、吸込具100及び管部(延長管)150等を備えている。図1に示す例においては、電気掃除機1をスタンド5の上に配置することにより立設した状態とされている。
【0014】
掃除機本体10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、図2に示すように、掃除機本体10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機14やバッテリー18、制御基板部20、その他の部品等を組み込んだものとされている。また、掃除機本体10は、ハンドル部16を備えている。
【0015】
電動送風機14は、電気掃除機1において吸引力を発生させるものである。電動送風機14は、掃除機本体10において後方側(背面側)であって、後述する集塵部50に対して上方側の位置に設けられている。バッテリー18は、電動送風機14等を作動させるための電力を蓄電するものである。バッテリー18は、掃除機本体10において後方側(背面側)であって、電動送風機14に対して上方側の位置に設けられている。これにより、掃除機本体10は、電動送風機14及びバッテリー18が上下方向に並ぶように配されている。
【0016】
ハンドル部16は、電気掃除機1の使用者が掃除機本体10を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機1は、例えばハンドル部16により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、掃除機本体10を把持できる構成とされている。ハンドル部16は、上述した電動送風機14やバッテリー18に対して掃除機本体10の正面側に設けられている。ハンドル部16の一端側、具体的には上下方向(電気掃除機1の軸線方向)の一方側(図示例において下側)となる部分は、掃除機本体10(電気掃除機1)を正面側から見た状態において、電動送風機14と重複しないように配置されている。別の表現をすると、ハンドル部16により構成された開口部分は、上下方向において電動送風機14より上側に位置し、バッテリー18と重なるよう配される。
【0017】
制御基板部20は、電気掃除機1の動作を制御するためのものである。制御基板部20は、掃除機本体10の各部に配することが可能であるが、本実施形態では、電動送風機14に対して前方側に配されている。また、制御基板部20は、ハンドル部16に対して下方側に配置されている。
【0018】
集塵部50は、電気掃除機1により吸引された塵芥が集められる部分である。図1図2に示すように、集塵部50は、掃除機本体10に対して連続するように設けられている。集塵部50は、いわゆるサイクロン式の集塵装置とされている。すなわち、集塵部50は、外筒52に設けられた集塵部流入口52bから空気を導入し、外筒52内で旋回気流を形成した後、空気を排出させる過程において集塵できるものとされている。集塵部50は、いわゆる単段あるいは複数段の分離方式のものを採用できるが、本実施形態では単段式の分離方式を採用したものとされている。
【0019】
集塵部50は、外筒52(ダストカップ)及び構造体54を有し、これらの間に集塵空間56が形成されたものとされている。集塵空間56は、外筒52と構造体54の間に形成されており、旋回気流を形成して集塵するために設けられている。集塵部50は、掃除機本体10において電動送風機14の下方側の位置に着脱可能とされている。
【0020】
外筒52は、塵埃を内部に堆積するための容器であり、軸線方向(上下方向)一方側(上方側)に集塵部流入口52bを周面に有している。集塵部流入口52bは、掃除機本体10に設けられた吸引口38yから吸引された空気を、外筒52の内周面の接線方向に向けて集塵空間56の内部に導入するための入口となる部分である。
【0021】
構造体54は、外筒52の内部に配される部材である。構造体54は、外筒52との間に空気が流入する集塵空間56を構成する部材である。構造体54は、外筒52と軸心位置が略一致するように配されている。構造体54は、軸線方向一方側(図2における上方側)から他方側(図2における下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成されたテーパー部70を有する。また、構造体54は、第一内筒60(内筒)及び一側筒部64を有するとともに、接続体62を有する。
【0022】
テーパー部70は、集塵空間56を形成する機能に加え、集塵空間56から排気するための集塵空間排気部80としての機能も有している。テーパー部70は、軸線方向一方側(図2における上方側)から他方側(図2における下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成された部分である。テーパー部70は、円錐台状に形成されており、軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて軸心側に向けて外周面が直線的に傾斜するように形成されている。テーパー部70は、集塵空間56から外筒52の外側に排気するための機能も持っており、集塵空間排気部80としての機能も有している。延出部72は、集塵空間56の内部において外筒底部52cから軸線方向一方側に離間するように形成されており、閉塞部70aの周囲を取り囲むように延出部72が設けられている。
【0023】
接続体62は、空気を集塵部50の外部に流出させるための気流流出部67として機能する。また、接続体62には、フィルタ94が設けられている。フィルタ94は、接続体62を介して排出される空気に含まれている塵埃を捕捉するためのものである。フィルタ94は、細かい孔が多数形成されたメッシュ状のものである。フィルタ94は、樹脂などいかなる素材によって形成されていても良いが、本実施形態では金属製のものとされている。
【0024】
図1に示すように、管部150は、掃除機本体10と吸込具100とを着脱可能に接続する筒状の部材である。管部150は、一端側が掃除機本体10に設けられた吸引口38yに差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具100に対して接続可能な形状とされている。管部150を介して掃除機本体10と吸込具100とを接続することにより、吸込具100から掃除機本体10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。
【0025】
吸込具100は、吸引源となる掃除機本体10の吸引口38yに対して直接的、あるいは管部150を介して間接的に接続されるものである。吸込具100は、吸込口103及び継手部104を有する。吸込口103は、底面に向けて開口している。また、継手部104は、吸引口38yあるいは管部150に接続可能とされている。
【0026】
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、集塵部50や、吸込具100に特徴的な構造を備えたものとされている。以下、吸込具100について、さらに詳細に説明する。
【0027】
≪吸込具100について≫
【0028】
吸込具100は、外部から塵埃を取り入れるためのものであり、電動送風機14による吸引力が作用することで外部から空気や塵埃を吸い込むことが可能である。吸込具100は、ケーシング110、及び継手部104を有する。また、吸込具100は、ケーシング110の内部に、回転ブラシ160を収容したものとされている。また、図4に示すように、ケーシング110の内部には、回転ブラシ160の後側に、制御基板125が配置されており、制御基板125は、駆動部180と、ハンドル部16に設けられた操作部とに電気的に接続されている。制御基板125は、操作部に対する操作に応じて、駆動部180を作動させたり、停止させたりするように構成されている。
【0029】
ケーシング110は、清掃時に清掃対象物である床等の上に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。ケーシング110の底面は、清掃対象物に対して対向する清掃面112とされている。また、図5図8等に示すように、ケーシング110には、吸引空間120および下部構成部140が設けられている。
【0030】
吸引空間120は、ケーシング110の内部に形成される中空の空間によって構成されている。吸引空間120は、連通開口122を介して継手部104と連通している。そのため、吸引空間120は、連通開口122及び継手部104を介して管部150または掃除機本体10と連通している。連通開口122は、ケーシング110の後方側(背面側)に位置している。さらに詳細には、連通開口122は、後に詳述する下部構成部140よりも後方側に位置している。また、図6に示すように、連通開口122と継手部104の間には、連通部131が設けられる。連通部131には、下部構成部140と連続するよう連通部傾斜面123が設けられている。連通部傾斜面123は、後述の下部傾斜面142と同等以下の勾配で前方から後方に上る傾斜面であることが好ましい。
【0031】
吸引空間120は、ケーシング110の幅方向に延びるように設けられた仕切壁124により、内部空間が第一空間126、及び第二空間128に仕切られている。吸引空間120は、仕切壁124の下側に設けられた空間連通部130を介して、第一空間126、及び第二空間128が連通したものとされている。仕切壁124は、後述する傾斜壁132と接続されるよう回転ブラシ160の回転中心C方向に延びている。また、図5図6に示すように、仕切壁124の前側には、回転ブラシ160と接触して、回転ブラシ160に付着した塵埃を除去する櫛歯111が設けられていてもよい。
【0032】
第一空間126は、仕切壁124よりも前側に形成される空間である。第一空間126は、後に詳述する回転ブラシ160を収容する空間である。
【0033】
第二空間128は、仕切壁124よりも後側に形成される空間である。図8に示すように、第二空間128をなす部分のうち、後に詳述する下部構成部140の下部傾斜面142と対向する部分に傾斜壁132を有する。傾斜壁132は、回転ブラシ160の軸線方向の両端側から中央側に向かうに従って上方に向かうように傾斜した壁面である。
【0034】
図5等に示すように、上述した仕切壁124は、第一空間126に収容される回転ブラシ160の回転中心C(後に詳述する保持軸部214に相当)よりも上方側の位置(ケーシング110の天面)から底側に向かって延びるように設けられている。仕切壁124は、その下端が、ケーシング110の底面にまで到達していない。これにより、上述したように第一空間126及び第二空間128を連通させる空間連通部130が形成されている。仕切壁124は、下端部が後に詳述する下部構成部140よりも上側に存在している。なお、好ましくは、仕切壁124は、回転ブラシ160の回転中心Cよりも下側に延びていると良く、後述の底部開口114の開口面または回転ブラシ160の下端より上側まで延びていると良い。
【0035】
ケーシング110は、底側に底部開口114を有する。底部開口114は、前後方向に比べて左右方向の幅が大きい。図5に示すように、底部開口114は、仕切壁124からケーシング110の幅方向に対して垂直に下ろした仮想面Aを基準とすれば、仮想面Aの前側を第一底部開口114aとし、仮想面Aの後側を第二底部開口114bとして定義できる。第一底部開口114aは、上述した第一空間126の底側を開口する部分である。第二底部開口114bは、第二空間128の底側を開口する部分(下部構成部140を含めない)であり、前後は仮想面Aから連通開口122までの範囲である。第一底部開口114aが、前後方向への幅が回転ブラシ160の径方向への長さよりも大きいのに対し、第二底部開口114bの前後方向への幅は、回転ブラシ160の径方向の長さより小さい。具体的には、第二底部開口114bの開口幅(前後方向への幅)は、3mm以上20mm以下の大きさとされている。
【0036】
下部構成部140は、ケーシング110の底部において、ケーシング110の幅方向に延びるように設けられている。下部構成部140は、上述した連通開口122よりも前側であって、空間連通部130に対して後側となる位置にある。ケーシング110の底面において、仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間の幅は、第二底部開口114bの前後方向への幅より小さい。具体的には、仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間の幅(仮想面Aと下部構成部140の幅)は、3mm以上15mm以下とされている。下部構成部140は、断面形状が三角形状であり、前方から後方に向かって上り勾配となる下部傾斜面142を上側に有する。また、下部構成部140の底面144は、ケーシング110において清掃面112をなす部分とされている。底面144には、起毛部又はシール部が設けられている。
【0037】
回転ブラシ160は、上述した第一空間126に収容され、ケーシング110の左右方向に沿った出力軸を回転中心Cとして回転可能に支持される部材である。回転ブラシ160は、筒状のホルダー170を有し、ホルダー170の内部に収容された駆動部180から出力される動力を受けて、第一空間126にて回転可能とされている。そのため、回転ブラシ160は、動力源となる駆動部180を内蔵した、動力源内蔵型のものとされている。回転ブラシ160は、駆動部180に加えて、回転支持部190、軸支持部200、回転保持部210、蓋部220、電動機保持部230、ガイド部240、端部部材250等の部材をホルダー170に対して組み付けたものとされている。回転ブラシ160は、駆動部180を境として軸線方向の一方側に回転支持部190、軸支持部200、及び回転保持部210を有し、他方側に電動機保持部230、ガイド部240、及び端部部材250を有するものとされている。
【0038】
ホルダー170は、円筒状の筒体によって構成されており、外周面にブラシ取付部172を設けるとともに、ブラシ取付部172に清掃体174を設けたものとされている。ブラシ取付部172は、例えば、ホルダー170の軸線方向に略直線的に設けられたもの等とすることができるが、本実施形態ではホルダー170の軸心位置を中心として、ホルダー170の外周に螺旋を描くように設けられている。ブラシ取付部172は、レール状(凹状)とされており、清掃体174をなすブラシをブラシ取付部172の径方向外側に向けて突出した状態で挟み込んで保持可能なものとされている。ブラシ取付部172及び清掃体174は、それぞれホルダー170の周方向に複数設けられている。
【0039】
駆動部180は、回転ブラシ160の動力源となるものであり、ホルダー170の内部に配される。図11図17等に示すように、駆動部180は、電動機182、及び電動機ハウジング184を具備している。
【0040】
電動機182は、回転ブラシの駆動源となるものであり、電動モータによって構成されている。さらに具体的には、電動機182は、DCブラシレスモータによって構成されている。電動機182は、略円柱型の外形を有するものとされている。電動機182は、その出力軸182aが回転ブラシ160の軸線方向一方側(図示例では右側)に向けて突出するように配置されている。
【0041】
電動機ハウジング184は、電動機182を収容するためのものである。電動機ハウジング184は、電動機182をほぼ隙間無く収容可能な筒状のものとされている。電動機ハウジング184は、後に詳述する回転支持部190の外周の少なくとも一部と当接するものとされている。また、図17に示すように、電動機ハウジング184は、軸線方向一方側(出力軸182aの突出側)に、回転支持部190を固定に用いられる固定片186を有する。固定片186は、電動機ハウジング184の内周面から径方向内側に突出するように形成された片状のものである。固定片186は、電動機ハウジング184の周方向に複数(本実施形態では3つ)設けられている。固定片186には、回転支持部190の固定に用いられる固定具185を受けるための固定具装着孔186aが設けられている。
【0042】
回転支持部190は、駆動部180を構成する電動機182から出力される駆動力をホルダー170に伝達するための部材である。図4図11図17等に示すように、回転支持部190は、駆動部180に対して軸線方向一方側(出力軸182aの突出側)に隣接する位置に設けられている。図11図13に示すように、回転支持部190は、軸心位置に中心側筒部192を有し、その周部に周部支持部194や、軸支持部嵌合部196、固定具装着孔198が設けられている。
【0043】
中心側筒部192は、回転支持部190の軸心位置において、回転支持部190の軸線方向に延びる筒状の部分である。中心側筒部192は、回転支持部190の軸線方向一方側(駆動部180との接続側)に、電動機182の出力軸182aを差し込み可能な挿入孔192aが設けられている。また、中心側筒部192は、軸線方向一方側(駆動部180との接続側)において挿入孔192aの周囲となる位置に、軸線方向に延びるスリット192bを複数備えている。
【0044】
周部支持部194は、外周がホルダー170や電動機ハウジング184、軸支持部200の内周面に沿うように円弧状に湾曲したものとされている。周部支持部194は、回転支持部190の周方向に複数(本実施形態では3つ)設けられている。周方向に隣接する周部支持部194,194の間に、軸支持部嵌合部196が設けられている。
【0045】
軸支持部嵌合部196は、回転支持部190と軸支持部200とを軸線方向に接続する際に、軸支持部200と嵌合する部分である。軸支持部嵌合部196において回転支持部190と軸支持部200とが嵌合することにより、回転支持部190と軸支持部200とを周方向に一体的に回転可能に接続することができる。
【0046】
固定具装着孔198は、軸支持部嵌合部196において軸線方向一方側(駆動部180との接続側)となる位置に設けられている。固定具装着孔198は、上述した駆動部180の電動機ハウジング184に設けられた固定具装着孔186aに対応する位置に設けられている。これにより、回転支持部190は、固定具装着孔198と固定具装着孔186aとを位置合わせした状態において、ネジやボルト等からなる固定具185を固定具装着孔186a,198に亘って装着することにより、駆動部180に対して軸線方向に接続された状態で固定することができる。つまり、電動機182の回転によって、電動機ハウジング184および回転支持部190が回転する。
【0047】
軸支持部200は、電動機182の出力軸182aを支持するものである。軸支持部200は、ホルダー170と一体的に形成された構成、あるいはホルダー170とは別体で構成されホルダー170に固定された構成とすることができる。本実施形態では、軸支持部200は、ホルダー170の軸線方向中間部において、ホルダー170に対して一体的に形成されている。軸支持部200は、ホルダー接続部202、軸部204、被嵌合部205、筒状部206、及び回転保持部固定部208等を備えている。
【0048】
図4図11に示すように、ホルダー接続部202は、ホルダー170に対して接続される部分である。図11図14に示すように、ホルダー接続部202は、円環状の外形を有し、その周部においてホルダー170の内周面に対して接続されている。本実施形態では、ホルダー接続部202がホルダー170と一体的に形成されることにより、ホルダー接続部202を含む軸支持部200がホルダー170に対して接続されている。
【0049】
軸部204は、電動機182の出力軸182aが挿入されるものである。軸部204は、ホルダー接続部202の中心部を貫通しつつ、ホルダー接続部202に対して交差する(本実施形態では略直交する)方向に延びるように設けられている。本実施形態では、軸部204は、ホルダー接続部202の中央部に設けられた孔202aを貫通しつつ、孔202aの内周縁から径方向内側に向けて延びる複数の軸部支持片202bによってホルダー接続部202に対して接続されている。軸部204は、その軸線方向一方側に軸挿入部204aを有する。軸挿入部204aは、軸心位置に設けられた孔又は凹部(本実施形態では凹部)によって構成されており、出力軸182aを挿入して接続可能とされている。また、軸部204は、軸線方向他方側が、後に詳述する回転保持部210と接続可能とされている。
【0050】
被嵌合部205は、回転支持部190の軸支持部嵌合部196に対して嵌合接続される部分である。被嵌合部205は、上述した軸支持部嵌合部196の形状や配置に応じて設けられている。具体的には、軸支持部嵌合部196が、回転支持部190の周部において周方向に複数(本実施形態では3つ)、凹状に形成されていることから、被嵌合部205は、軸支持部200の周部において周方向に複数(本実施形態では3つ)、凸状に形成されている。図11図15に示すように、被嵌合部205は、回転支持部190と軸支持部200とを軸線方向に接続(係合)する際に、軸支持部嵌合部196に対して嵌合接続することにより、回転支持部190と軸支持部200とを周方向に一体的に回転可能に接続(係合)することができる。後述のようにホルダー170がケーシング110から外される場合には、被嵌合部205と軸支持部嵌合部196の係合は解除される。
【0051】
筒状部206は、ホルダー接続部202を境として、軸挿入部204aとは反対側(回転保持部210との接続側)に向けて突出するように形成された筒状の部分である。筒状部206は、ホルダー接続部202に設けられた孔202aや軸部204よりも外周側においてホルダー接続部202に対して接続されている。ホルダー接続部202を基準とする回転保持部210との接続側への突出量(軸線方向への長さ)は、筒状部206よりも軸部204の方が大きい。
【0052】
回転保持部固定部208は、回転保持部210を軸支持部200に対して固定するために用いられる部分である。回転保持部固定部208は、筒状部206と同様に、ホルダー接続部202を境として、軸挿入部204aとは反対側(回転保持部210との接続側)に向けて突出するように形成されている。また、回転保持部固定部208は、筒状部206よりもさらに径方向外側(外周側)に設けられており、軸方向に向けて突出している。回転保持部固定部208には、回転保持部210を軸支持部200に対して固定するためのボルトやねじ等の固定具を取り付けるためのネジ孔が設けられている。
【0053】
図4図11に示すように、回転保持部210は、軸支持部200に対して、回転ブラシ160の軸線方向に接続される部材である。図11図14に示すように、回転保持部210は、保持筒部212、保持軸部214、及びベアリング216を有する。保持筒部212は、円筒状に形成された部材である。保持軸部214は、保持筒部212の軸心位置において、保持筒部212の軸線方向に延びるように形成された軸状の部分である。保持軸部214は、保持筒部212の内周面から径方向内側に向けて延びる複数の保持軸支持片214aによって保持筒部212に対して接続されている。保持軸部214は、軸線方向一方側(軸支持部200との接続側)に軸部挿入部214bを有する。軸部挿入部214bは、軸心位置に設けられた孔又は凹部(本実施形態では凹部)によって構成されており、軸支持部200の軸部204を挿入して接続可能とされている。また、回転保持部210は、軸線方向他方側において、ベアリング216を介して、後に詳述する蓋部220に対して着脱可能に接続されている。
【0054】
図4図12に示すように、蓋部220は、吸込具100のケーシング110に対して回転ブラシ160を組み付けた状態において、回転保持部210に対して軸線方向に隣接する位置に設けられる部材である。図7に示すように、ケーシング110に対して蓋部202を装着する場合には、孔部113に蓋部220の突起を嵌るとともに蓋部220の爪部221をケーシング110の凹部に挿入することで爪部221が凹部と係合する。ケーシング110に対して蓋部202を外す場合には、蓋部220の爪部221を撓ませてケーシング110の凹部から爪部221を出すとともにケーシング110の孔部113から蓋部220の突起を出すことで係合解除される。これにより、ケーシング110の側面を開閉することができる。また、ケーシング110の左右方向の一方側にて、蓋部220(爪部221を有する底部分)と吸込口103との間にシール部または起毛部112bが設けられている。また、ケーシング110の左右方向の他方側には、シール部および起毛部112aが設けられている。蓋部220は、ホルダー170を挿抜可能なホルダー受部222と、ベアリング216を受け入れ可能なベアリング受部224とを有する。蓋部220は、ケーシング110に対して着脱する作業を行うのに伴い、ホルダー受部222に対してホルダー170を挿抜してホルダー170の端部にある開口部を開閉可能である。また、蓋部220は、ベアリング受部224に対してベアリング216を装着することにより、回転保持部210(ホルダー170)を回転可能に支持することができる。また、ホルダー170の端部には、環状の刷毛171が設けられる。刷毛171は、清掃体174より外形寸法が小さく、かつ、清掃体74と比べて密度が同等以下に設計されている。これにより、端部部材250側に毛が移動して絡み、回転不良が生じることを抑制できる。
【0055】
図4図11図17等に示すように、電動機保持部230は、回転ブラシ160において、上述した回転支持部190、軸支持部200、及び回転保持部210とは軸線方向反対側において電動機182を保持(支持)するものである。図11図17等に示すように、電動機保持部230は、保持体232、回転部材234を備えている。
【0056】
保持体232は、軸線方向に筒状の第一保持筒部232aと、保持体232よりも小径で筒状の第二保持筒部232bとを有する。第一保持筒部232aは、電動機182の端部を差し込み可能に形成された筒状の部分である。第一保持筒部232aは、電動機182に対してネジやボルト等の固定具により固定される。また、第二保持筒部232bは、ベアリングによって構成された回転部材234を挿通して支持する部分である。
【0057】
回転部材234は、上述した保持体232の第二保持筒部232bによって支持された状態で、ホルダー170の内部に挿入されている。これにより、回転部材234は、ホルダー170を回転可能に支持する。なお、回転部材234の外周に、ホルダー170の内面と当接する環状のシール部材(ゴム部品)が設けられることで滑り止めをしてもよい。
【0058】
図11図17等に示すように、ガイド部240は、円環状の外観を有する板状の部材である。ガイド部240は、中心側に保持体232の第二保持筒部232bを挿通可能なガイド部孔242を有する。ガイド部240は、ガイド部孔242に第二保持筒部232bを挿通することにより、回転部材234に対して隣接する位置に配される。これにより、ガイド部240は、電動機保持部230の保持体232との間において回転部材234を回転ブラシ160の軸線方向に支持する。すなわち、回転部材234は、上述した電動機保持部230の保持体232において、第一保持筒部232aと第二保持筒部232bとの間に形成された段差部によって軸線方向一方側の側面が支持される一方で、軸線方向他方側の側面が、ガイド部240によって支持される。
【0059】
図4図11図17等に示すように、端部部材250は、回転ブラシ160において上述した回転支持部190等とは反対側の端部に取り付けられる部材である。具体的には、端部部材250は、電動機保持部230において第二保持筒部232bに対してボルトやねじ等の固定具252を用いて固定することにより、回転ブラシ160の端部に取り付けられる。これにより、端部部材250は、ガイド部240を軸線方向から支持する。端部部材250は、ケーシング110の側面に設けられた吸気口116に隣接する位置に配される。
【0060】
≪作用効果等について≫
以下、上述した吸込具100、及びこれを備えた電気掃除機1により得られる効果等について説明する。
【0061】
(1-1)本実施形態の吸込具100は、回転可能な筒状のホルダー170を有する回転ブラシ160と、ホルダー170内に配され、回転ブラシ160の駆動源となる電動機182、及び電動機182を収容する電動機ハウジング184を備えた駆動部180と、電動機182の出力軸182aを支持する軸支持部200と、電動機182の駆動力をホルダー170に伝える回転支持部190と、を備え、電動機ハウジング184は、回転支持部190の外周の少なくとも一部と当接することを特徴とするものである。
【0062】
本実施形態の吸込具100は、回転ブラシ160を構成するホルダー170の内部に駆動部180を収容しつつ、駆動部180をなす電動機182の出力軸182aを軸支持部200で支持するとともに、電動機182の駆動力を回転支持部190によりホルダー170に伝えることができるものとされている。また、本実施形態の吸込具100は、電動機ハウジング184が、回転支持部190の外周の少なくとも一部と当接することにより、回転支持部190が回転ブラシ160の径方向にガタつきを生じるのを抑制できる。従って、吸込具100は、回転ブラシ160の回転の安定性が高い。
【0063】
(1-2)上述したように、本実施形態の吸込具100は、回転支持部190が、電動機182及び電動機ハウジング184に対して固定されていることを特徴とするものであると良い。
【0064】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、電動機182の駆動力を回転支持部190によってより一層確実にホルダー170に伝達可能としつつ、電動機ハウジング184や回転支持部190が回転ブラシ160の径方向にガタつきを生じるのを抑制できる。
【0065】
(1-3)上述した(1-1)または(1-2)において、本実施形態の吸込具100は、電動機182を基準として、回転ブラシ160の軸線方向において回転支持部190とは反対側において電動機182を支持する電動機保持部230を備え、電動機保持部230が、ホルダー170の内部に挿入され、ホルダー170を回転可能に支持する回転部材234を備えていることを特徴とするものであると良い。
【0066】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、電動機182を基準として回転支持部190とは反対側の領域において、電動機保持部230や回転部材234を介してホルダー170に対して支持し、径方向にガタつきを生じるのを抑制できる。これにより、吸込具100は、回転ブラシ160の回転の安定性をさらに向上させることができる。
【0067】
(1-4)上述した(1-3)において、本実施形態の吸込具100は、電動機保持部230との間において回転部材234を回転ブラシ160の軸線方向に支持するガイド部240と、ガイド部240を軸線方向から支持するとともに、電動機保持部230に対して固定される端部部材250と、を備えることを特徴とするものであると良い。
【0068】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、ガイド部240及び端部部材250と、電動機保持部230との間において、回転部材234が回転ブラシ160の軸線方向に位置ズレを起こしたり、傾いたりするのを抑制できる。これにより、本実施形態の吸込具100は、回転部材234をしっかりと支持し、回転ブラシ160の回転安定性を一層向上させることができる。
【0069】
(1-5)上述した(1-1)~(1-4)において、本実施形態の吸込具100は、ホルダー170を挿抜することにより、ホルダー170の端部に設けられた開口部を開閉可能な蓋部220と、軸支持部200に対して回転ブラシ160の軸線方向に固定される回転保持部210と、を備え、ホルダー170及び軸支持部200が一体的に形成された構成、あるいはホルダー170とは別体に形成された軸支持部200がホルダー170に対して固定された構成とされており、蓋部220が、回転保持部210を回転可能に支持することを特徴とするものであると良い。
【0070】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、蓋部220を活用してホルダー170に繋がる軸支持部200及び回転保持部210を安定して回転可能に支持することができる。これにより、本実施形態の吸込具100は、回転ブラシ160の回転安定性を一層向上させることができる。
【0071】
(1-6)本実施形態において例示した吸込具100は、上記(1-5)のような構成とされたものであるが、(1-1)~(1-4)において、吸込具100は、ホルダー170を挿抜することにより、ホルダー170の端部に設けられた開口部を開閉可能な蓋部220を有し、ホルダー170及び軸支持部200が一体的に形成された構成、あるいはホルダー170とは別体に形成された軸支持部200がホルダー170に対して固定された構成とされており、蓋部220が、軸支持部200を回転可能に支持するものとしても良い。
【0072】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、蓋部220を活用してホルダー170に繋がる軸支持部200を安定して回転可能に支持することができる。これにより、本実施形態の吸込具100は、回転ブラシ160の回転安定性を一層向上させることができる。また、吸込具100は、(1-6)のような構成とすることにより、(1-5)のような構成とする場合と比較して、回転保持部210を備えていない分だけ部品点数の抑制や、軸線方向へのコンパクト化を図ることができる。
【0073】
(1-7)上述した(1-1)~(1-6)において、本実施形態の吸込具100において、回転支持部190は、出力軸182aが挿入される挿入孔192aを有することを特徴とするものであると良い。
【0074】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、中心側筒部192に設けられた挿入孔192aに出力軸182aを挿入して、回転支持部190と電動機182とを動力伝達可能に接続することができる。これにより、吸込具100は、電動機182から回転支持部190に対して動力伝達を安定的に行えるものとすることができる。
【0075】
(1-8)上述した(1-1)~(1-6)において、本実施形態の吸込具100において、軸支持部200は、出力軸182aが挿入される軸挿入部204aを有し、回転支持部190は、軸挿入部204aが挿入される挿入孔192aを有するものであると良い。
【0076】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、挿入孔192a及び軸挿入部204aに対して出力軸182aを挿入して、回転支持部190及び軸支持部200に対して電動機182を動力伝達可能に接続することができる。これにより、吸込具100は、電動機182から回転支持部190及び軸支持部200に対して動力伝達を安定的に行えるものとすることができる。
【0077】
(1-9)本実施形態の電気掃除機1は、上述した(1-1)~(1-8)の吸込具100を備えることを特徴とするものである。
【0078】
本実施形態の電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、吸込具100において回転支持部190が回転ブラシ160の径方向にガタつきを生じるのを抑制できる。これにより、電気掃除機1は、回転ブラシ160の回転安定性の高いものとすることができる。
【0079】
ここで、特開2019-107574に開示されているように、従来技術においては、掃除機本体と連通する吸込具であって、回転可能な回転ブラシと、前記回転ブラシが収容される第一空間と、前記掃除機本体と連通する連通口を有し且つ前記第一空間と並べて設けられた第二空間とを備えるものが提供されている。
【0080】
上述した従来技術の吸込具は、第二空間の吸引性能を向上させることができるものの、例えば、粒状、顆粒状、あるいは固形の塵埃等を吸い込むことは難しいといった問題があった。
【0081】
そこで、本発明は、塵埃の取り込み易さを向上させることが可能な吸込具および電気掃除機を実現することを目的とした。
【0082】
(2-1)上述した課題を解決すべく提供される本実施形態の吸込具100は、吸引源に対して連通する吸込具100であって、駆動部180の駆動力によって回転可能な回転ブラシ160と、底側に底部開口114を有するとともに、連通開口122を介して吸引源と連通する吸引空間120であって、内部に配された仕切壁124を介して仕切壁124よりも前側の第一空間126、及び仕切壁124よりも後側の第二空間128を含む複数の空間を備えた吸引空間120と、前方から後方に向かって上り勾配となる下部傾斜面142を上側に有する下部構成部140と、を備え、回転ブラシ160が第一空間126に配されており、第一空間126及び第二空間128が、仕切壁124の下側に設けられた空間連通部130を介して連通しており、第二空間128において、下部構成部140の下部傾斜面142と対向する位置に傾斜壁132が設けられており、傾斜壁132が、回転ブラシ160の軸線方向の両端側から中央側に向かうに従って上方に向かうように傾斜していることを特徴とするものである。
【0083】
本実施形態の吸込具100においては、吸引空間120において仕切壁124よりも後側に設けられた第二空間128において、下部構成部140の斜面と対向する位置に傾斜壁132が設けられている。また、傾斜壁132は、回転ブラシ160の軸線方向の両端側から中央側に向かうに従って上方に向かうように傾斜するとともに、下部構成部140において前方から後方に向かって上り勾配となるように設けられた下部傾斜面142と対向するように設けられている。さらに、吸込具100は、第二空間128や下部構成部140よりも前方側にある第一空間126に回転ブラシ160が配されている。本実施形態の吸込具100においては、このような構成とされているため、回転ブラシ160が駆動することにより第二空間128や下部構成部140に向けて掻き集められた塵埃が、下部構成部140の下部傾斜面142に沿って第二空間128に取り込まれるとともに、第二空間128に取り込まれた塵埃が回転ブラシ160の軸線方向の両端側から中央側に向かう方向に集まり、連通開口122に向けてスムーズに移動しやすくなる。従って、本実施形態の吸込具100は、回転ブラシ160によって掻き集められた塵埃を連通開口122に向けて取り込みやすい。なお、(2-1)の吸込具100は、駆動部180が回転ブラシ160に内蔵されている形態に限定されるものではなく、駆動部180が回転ブラシ160外のケーシング110内に設けられる形態も包含してもよい。
【0084】
(2-2)上述したように、本実施形態の吸込具100は、下部傾斜面142の後側に、前方から後方に向かって上り勾配となる連通部傾斜面123が設けられていることを特徴とするものであると良い。
【0085】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、下部構成部140の下部傾斜面142に沿って塵埃をすくい上げ、スムーズに下部傾斜面142より下流側に向けて塵埃を移送することができる。
【0086】
(2-3)上述した(2-1)または(2-2)において、本実施形態の吸込具100は、清掃対象物に対して対向する清掃面112を底部に有し、下部構成部140において清掃面112をなす部分に、起毛部又はシール部が設けられていることを特徴とするものであると良い。
【0087】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、起毛部又はシール部により、下部構成部140において清掃面112をなす部分と、床面等の清掃対象物との間に隙間が生じ、当該隙間において気流が発生して吸引力が低下するのを抑制できる。これにより、吸込具100は、塵埃をより一層、連通開口122に向けて取り込みやすいものとすることができる。
【0088】
(2-4)上述した(2-1)~(2-3)において、本実施形態の吸込具100は、連通開口122が、下部構成部140に対して後側に位置することを特徴とするものであると良い。
【0089】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、連通開口122よりも前方において下部構成部140の下部傾斜面142に沿って塵埃をすくい上げ、スムーズに連通開口122に向けて吸引することができる。
【0090】
(2-5)上述した(2-1)~(2-4)において、本実施形態の吸込具100は、仕切壁124が、回転ブラシ160の回転中心よりも上方側から底側に向かって延びており、仕切壁124の下端が、下部構成部140よりも上側に存在することを特徴とするものであると良い。
【0091】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、回転ブラシ160によって掻き取られた塵埃をより一層確実に第二空間128に取り込み、連通開口122に向けて吸引可能とすることができる。
【0092】
(2-6)上述した(2-1)~(2-5)において、本実施形態の吸込具100は、底部開口114が、第一空間126の底側において開口する第一底部開口114a、及び第二空間128の底側において開口する第二底部開口114bを含むものであり、第一底部開口114aは、第二底部開口114bよりも前後方向への開口幅が大きいことを特徴とするものであると良い。
【0093】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、第一底部開口114aの前後方向への開口幅を第二底部開口114bの前後方向への開口幅よりも小さくした場合に比べて、第二空間128において発生する吸引力を高めることができる。これにより、吸込具100は、回転ブラシ160によって掻き集められた塵埃を、より一層、連通開口122に向けて取り込みやすいものとすることができる。
【0094】
(2-7)上述した(2-6)において、本実施形態の吸込具100は、第二底部開口114bの前後方向への幅が、回転ブラシ160の径方向の長さより小さいことを特徴とする、請求項6に記載のものであると良い。
【0095】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、第二底部開口114bの前後方向への幅を、回転ブラシ160の径方向の長さ以上とする場合に比べて、第二空間128において発生する吸引力を高めることができる。これにより、吸込具100は、回転ブラシ160によって掻き集められた塵埃を、より一層、連通開口122に向けて取り込みやすいものとすることができる。
【0096】
(2-8)上述したように、本実施形態の吸込具100は、第二底部開口114bの前後方向への幅が、3mm以上20mm以下であることを特徴とするものであると良い。
【0097】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、塵埃に対して高い吸引力を作用させつつ、塵埃が仕切壁124と下部構成部140に引っかかる等することを抑制しスムーズに吸引されるものとすることができる。従って、本実施形態の吸込具100は、上述した構成とすることにより、塵埃の取り込みやすさをさらに向上させることができる。
【0098】
(2-9)上述した(2-6)において、本実施形態の吸込具100は、底面144から見て仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間の幅が、第二底部開口114bの前後方向への幅より小さいものであると良い。
【0099】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、底面144から見た仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間の幅が、第二底部開口114bの前後方向への幅よりも小さい分だけ、塵埃に対して高い吸引力を作用させることができる。これにより、本実施形態の吸込具100は、上述した構成とすることにより、塵埃の取り込みやすさをさらに向上させることができる。
【0100】
(2-10)上述した(2-6)または(2-9)において、本実施形態の吸込具100は、底面144から見た仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間の幅が、3mm以上15mm以下であるものであると良い。
【0101】
本実施形態の吸込具100は、かかる構成とすることにより、塵埃に対して高い吸引力を作用させつつ、仕切壁124及び下部構成部140の間に形成される隙間に塵埃が引っかかる等することなくスムーズに吸引されるものとすることができる。従って、本実施形態の吸込具100は、上述した構成とすることにより、塵埃の取り込みやすさをさらに向上させることができる。
【0102】
(2-11)本実施形態の電気掃除機1は、上述した吸込具100を備えることを特徴とするものである。
【0103】
本実施形態の電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、吸込具100において回転ブラシ160によって掻き集められた塵埃を連通開口122に向けて取り込みやすいものとすることができる。
【0104】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、縦型、キャニスター型、ロボット掃除機など電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0106】
1 :電気掃除機
100 :吸込具
112 :清掃面
114 :底部開口
114a :第一底部開口
114b :第二底部開口
120 :吸引空間(空間)
122 :連通開口
124 :仕切壁
126 :第一空間
128 :第二空間
130 :空間連通部
132 :傾斜壁
140 :下部構成部
142 :下部傾斜面
144 :底面
160 :回転ブラシ
170 :ホルダー
180 :駆動部
182 :電動機
182a :出力軸
184 :電動機ハウジング
190 :回転支持部
200 :軸支持部
202a :孔
204a :軸挿入部
210 :回転保持部
220 :蓋部
230 :電動機保持部
234 :回転部材
240 :ガイド部
250 :端部部材
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