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特開2024-154043パターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154043
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】パターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/02 20060101AFI20241023BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20241023BHJP
   G09B 19/20 20060101ALI20241023BHJP
   G09B 19/24 20060101ALI20241023BHJP
   G06F 111/02 20200101ALN20241023BHJP
   G06F 111/20 20200101ALN20241023BHJP
   G06F 113/12 20200101ALN20241023BHJP
【FI】
G09B5/02
G06F30/12
G09B19/20
G09B19/24 Z
G06F111:02
G06F111:20
G06F113:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067640
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】522107854
【氏名又は名称】JUKIプロサーブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】安納 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】本水 紀恵
【テーマコード(参考)】
2C028
5B146
【Fターム(参考)】
2C028AA10
5B146AA11
5B146BA01
5B146DE06
5B146DE16
5B146DG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラムを提供する。
【解決手段】パターン教習システム100は、受講者Uが操作可能なユーザ端末UTと、サービス提供者Vが管理するベンダ端末VTと、ユーザ端末UT及びベンダ端末VTを通信可能に接続する通信ネットワークNと、を備える。ベンダ端末VTは、パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTに提供する。ユーザ端末UTは、パターン教習コンテンツCを表示する。パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者が操作可能なユーザ端末と、サービス提供者が管理するベンダ端末と、前記ユーザ端末及び前記ベンダ端末を通信可能に接続する通信ネットワークと、を備え、 前記ベンダ端末は、パターン教習コンテンツを前記ユーザ端末に提供し、 前記ユーザ端末は、前記パターン教習コンテンツを表示し、 前記パターン教習コンテンツは、基準パターンを表示する教習用アパレルCADの操作画面を有するパターン教習システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、前記パターン教習コンテンツとともに、前記受講者が操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面を表示する請求項1に記載のパターン教習システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、前記受講者により受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンの印刷を前記サービス提供者に依頼する発注ボタンを表示する請求項2に記載のパターン教習システム。
【請求項4】
前記ベンダ端末は、前記印刷に係る料金を計算し、前記料金を前記ユーザ端末に提供する請求項3に記載のパターン教習システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、前記発注ボタンが押下されると、前記編集済パターンに基づく編集済パターンデータを前記ベンダ端末に提供する請求項4に記載のパターン教習システム。
【請求項6】
前記編集済パターンデータは、前記基準パターンに対する前記編集済パターンの乖離率を含む請求項5に記載のパターン教習システム。
【請求項7】
前記料金は、前記乖離率に応じて変動する請求項6に記載のパターン教習システム。
【請求項8】
パターン教習コンテンツをサービス提供者が管理するベンダ端末から受講者が操作可能なユーザ端末に通信ネットワークを通じて提供するコンテンツ提供工程と、 前記パターン教習コンテンツを前記ユーザ端末で表示するコンテンツ表示工程と、を含み、 前記パターン教習コンテンツは、基準パターンを表示する教習用アパレルCADの操作画面を有するパターン教習方法。
【請求項9】
前記パターン教習コンテンツとともに、前記受講者が操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面を前記ユーザ端末で表示する受講者用アパレルCAD表示工程を含む、請求項8に記載のパターン教習方法。
【請求項10】
前記受講者により受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンの印刷を前記サービス提供者に依頼する発注ボタンを前記ユーザ端末で表示する発注ボタン表示工程を含む、請求項9に記載のパターン教習方法。
【請求項11】
前記印刷に係る料金を計算し、前記料金を前記ベンダ端末から前記ユーザ端末に提供する料金提供工程を含む、請求項10に記載のパターン教習方法。
【請求項12】
前記発注ボタンが押下されると、前記編集済パターンに基づく編集済パターンデータを前記ユーザ端末から前記サービス提供者に提供する編集済パターン提供工程を含む、請求項11に記載のパターン教習方法。
【請求項13】
前記編集済パターンデータは、前記基準パターンに対する前記編集済パターンの乖離率を含む請求項12に記載のパターン教習方法。
【請求項14】
前記料金は、前記乖離率に応じて変動する請求項13に記載のパターン教習方法。
【請求項15】
請求項8から請求項14のいずれかに記載のパターン教習方法をコンピュータに実行させるパターン教習プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
完成品の衣服のシルエット、着心地、生地、縫製の仕方等に基づいて、完成品の衣服を構成する複数種類のパーツから構成されたパターンをいわゆるアパレル用CADを操作してデザインし、デザインされたパターンに基づいていわゆるCAMで制御された加工機によりシート状の生地を裁断してパーツを切り出し、得られたパーツを縫製して衣服を完成させる衣服の製造方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-026408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の衣服の製造方法では、アパレル用CADを操作することにより、パターンをデザインするものであった。そのため、従来の衣服の製造方法は、アパレル用CADの操作を含むパターンのデザインの過程を学びたい、といったユーザの要求に応じたものではなかった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。(1)本発明の一態様に係るパターン教習システムは、受講者が操作可能なユーザ端末と、サービス提供者が管理するベンダ端末と、前記ユーザ端末及び前記ベンダ端末を通信可能に接続する通信ネットワークと、を備え、前記ベンダ端末は、パターン教習コンテンツを前記ユーザ端末に提供し、前記ユーザ端末は、前記パターン教習コンテンツを表示し、前記パターン教習コンテンツは、基準パターンを表示する教習用アパレルCADの操作画面を有する。(2)上記(1)において、前記ユーザ端末は、前記パターン教習コンテンツとともに、前記受講者が操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面を表示してよい。(3)上記(2)において、前記ユーザ端末は、前記受講者により受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンの印刷を前記サービス提供者に依頼する発注ボタンを表示してよい。(4)上記(3)において、前記ベンダ端末は、前記印刷に係る料金を計算し、前記料金を前記ユーザ端末に提供してよい。(5)上記(4)において、前記ユーザ端末は、前記発注ボタンが押下されると、前記編集済パターンに基づく編集済パターンデータを前記サービス提供者に提供してよい。(6)上記(5)において、前記編集済パターンデータは、前記基準パターンに対する前記編集済パターンの乖離率を含んでよい。(7)上記(6)において、前記料金は、前記乖離率に応じて変動してよい。(8)本発明の一態様に係るパターン教習方法は、パターン教習コンテンツをサービス提供者が管理するベンダ端末から受講者が操作可能なユーザ端末に通信ネットワークを通じて提供するコンテンツ提供工程と、前記パターン教習コンテンツを前記ユーザ端末で表示するコンテンツ表示工程と、を含み、前記パターン教習コンテンツは、基準パターンを表示する教習用アパレルCADの操作画面を有する。(9)上記(8)において、前記パターン教習コンテンツとともに、前記受講者が操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面を前記ユーザ端末で表示する受講者用アパレルCAD表示工程を含む、請求項8に記載のパターン教習方法。(10)上記(9)において、前記受講者により受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンの印刷を前記サービス提供者に依頼する発注ボタンを前記ユーザ端末で表示する発注ボタン表示工程を含んでよい。(11)上記(10)において、前記印刷に係る料金を計算し、前記料金を前記ベンダ端末から前記ユーザ端末に提供する料金提供工程を含んでよい。(12)上記(11)において、前記発注ボタンが押下されると、前記編集済パターンに基づく編集済パターンデータを前記ユーザ端末から前記サービス提供者に提供する編集済パターン提供工程を含んでよい。(13)上記(12)において、前記編集済パターンデータは、前記基準パターンに対する前記編集済パターンの乖離率を含んでよい。(14)上記(13)において、前記料金は、前記乖離率に応じて変動してよい。(15)本発明の一態様に係るパターン教習プログラムは、上記(8)から(14)のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習方法、パターン教習システム及びパターン教習プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パターン教習システムの全体概要図である。
図2】パターン教習方法のフローチャートである。
図3】ユーザ端末に表示される受講者用アパレルCADの操作画面を示す図である。
図4】ベンダ端末に表示される教習用アパレルCADの操作画面を示す図である。
図5】乖離率を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態) 以下、図面を参照し、実施形態に係るパターン教習システム100を、実施形態に係るパターン教習方法に沿って説明する。 図1は、パターン教習システムの全体概要図である。図2は、パターン教習方法のフローチャートである。
【0010】
図1に示すように、パターン教習システム100は、受講者Uが操作可能なユーザ端末UTと、サービス提供者Vが管理するベンダ端末VTと、ユーザ端末UT及びベンダ端末VTを通信可能に接続する通信ネットワークNと、を備えている。通信ネットワークNは、例えば、インターネットである。
【0011】
(ベンダ端末) ベンダ端末VTは、パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTに提供する。ベンダ端末VTは、サービス提供者Vが管理するサーバであってよい。ここで、提供には、一方向送信又は共有が含まれる。 ベンダ端末VTは、パターン教習コンテンツCを、直接的にユーザ端末UTに送信してよい。また、ベンダ端末VTは、通信ネットワークNに接続された既存の動画共有プラットフォーム(例えば、Vimeo(登録商標)、Youtube(登録商標)等)を介して間接的にユーザ端末UTに提供してもよい。この場合、例えば、サービス提供者Vは、予め、動画共有プラットフォームにパターン教習コンテンツCを登録しておき、受講者Uには、そのパターン教習コンテンツCにアクセスできる権限を付与しておく。これにより、受講者Uは、サービス提供者Vから提供されたパターン教習コンテンツCを視聴できる。
【0012】
図4は、ベンダ端末VTに表示される教習用アパレルCADの操作画面C2を示す図である。このように、講師Tが操作する教習用アパレルCADの操作画面C2を、ベンダ端末VTのディスプレイ10に表示してよい。
【0013】
ベンダ端末VTは、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。ベンダ端末VTは、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTとデータ通信する。入力部は、マイク、キーボード、マウス、カメラ等である。出力部は、スピーカー、ディスプレイ等である。
【0014】
通信部は、通信機器である。通信部は、例えば、ネットワークインターフェースであってよい。通信部は、例えば、通信ネットワークNに接続された他の端末又は装置等とデータ通信する。通信部は、例えば、通信ネットワークNを介してユーザ端末UTとデータ通信する。通信部は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
記憶部は、磁気ハードディスク装置、半導体記憶装置等のメモリである。記憶部は、制御部が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。
【0016】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部は、プロセッサがプログラムを実行することによって機能する。制御部の機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えば、SSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。プログラムは、パターン教習システム100を用いたパターン教習方法をコンピュータに実行させるものを含んでよい。
【0017】
ベンダ端末VTは、受講者Uから依頼された編集済パターンC4の印刷に係る料金を計算し、その料金をユーザ端末UTに提供(送信)してよい。これにより、依頼された印刷の仕様に応じた料金を受講者Uに提示できる。ここで、印刷に係る料金は、パターン(編集済パターンC4)の印刷に必要な用紙のサイズ(例えば、ISO216で規定されたA0、A1、A2サイズ等)又はパターンの印刷に必要な用紙の枚数に応じたもの(例えば、A0サイズの用紙2枚(3000円/枚)とA2サイズの用紙3枚(1000円/枚)の場合、印刷に係る料金は、合計9000円)であってよい。
【0018】
(パターン教習コンテンツ) パターン教習コンテンツCは、アパレルCADの操作を教習する内容のものである。パターン教習コンテンツCは、例えば、アパレルCADの操作に熟練した講師Tが、アパレルCADの操作方法を肉声で説明して、実際に教習用アパレルCADを操作しながら、操作している教習用アパレルCADの操作画面C2が変化する様子を映すリアルタイム映像であってよい。なお、パターン教習コンテンツCへの講師Tの表示は任意である。 パターン教習コンテンツCは、画像情報、動画情報、文字情報、音声情報又はそれらの組み合わせであってよい。動画情報は、ライブ映像であってよく、録画であってもよい。 ベンダ端末VTには、講師Tが操作して説明するための教習用アパレルCADがインストールされていてよい。 なお、教習用アパレルCADは、ベンダ端末VTにインストールされたプログラムであってよく、ベンダ端末VTとは異なる他のコンピュータ端末にインストールされたプログラムであってよく、クラウド上で動作するアプリケーション、又は、インターネット等の通信ネットワークNを通じて提供されるクラウドサービスであってよい。
【0019】
(ユーザ端末) ユーザ端末UTは、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。ユーザ端末UTは、ベンダ端末VTと同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部及び制御部を備えている。通信部は、通信ネットワークNを介してベンダ端末VTとデータ通信する。ユーザ端末UTは、例えば、スマートフォンであってよい。
【0020】
図3は、ユーザ端末UTに表示される受講者用アパレルCADの操作画面C3を示す図である。 図3に示すように、ユーザ端末UTは、ディスプレイ20を備えている。 ユーザ端末UTのディスプレイ20は、通信ネットワークNを通じて受信したパターン教習コンテンツCを表示する。ユーザ端末UTのディスプレイ20は、パターン教習コンテンツCに含まれる教習用アパレルCADの操作画面C2を表示できる。教習用アパレルCADの操作画面C2には、基準パターンC1が表示される。
【0021】
ユーザ端末UTは、パターン教習コンテンツCを表示する。 パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有している。 基準パターンC1は、完成品の衣服について、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等のサイズグレードを代表する基準となるパターンである。基準パターンC1は、教習用アパレルCAD上で講師Tにより操作されて、変更可能になっている。そして、教習用アパレルCAD上で講師Tにより操作されて、変更された結果は、教習用アパレルCADの操作画面C2に表示される。 このように、パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有しており、ユーザ端末UTがそのパターン教習コンテンツCを表示するので、受講者Uは、ユーザ端末UTで、講師Tによる実際の操作を見ながら、受講する場所に依ることなく、パターンのデザインとアパレルCADの操作を効果的に学ぶことができる。
【0022】
ユーザ端末UTは、パターン教習コンテンツCとともに、受講者Uが操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面C3を表示してもよい。具体的には、ユーザ端末UTのディスプレイ20が、受講者Uが契約している受講者用アパレルCADの操作画面C3を表示する。 このように、ユーザ端末UTのディスプレイ20は、通信ネットワークNを通じて受信したパターン教習コンテンツCと、受講者用アパレルCADの操作画面C3とを、同時に表示できる。これ
により、受講者Uは、自身が所有するユーザ端末UTのディスプレイ20に表示されたパターン教習コンテンツCを見ながら、同じディスプレイ20上で、受講者用アパレルCADを操作できる。そして、パターン教習コンテンツCのインストラクションに沿って受講者用アパレルCADを操作できる。よって、パターン教習の効果を高めることができ、受講者UによるアパレルCADの操作の習熟を促進できる。ユーザ端末UTのディスプレイ20は、教習用アパレルCADの操作画面C2と、受講者用アパレルCADの操作画面C3とを、同時に表示できる。そして、教習用アパレルCADの操作画面C2に表示された手順に沿って受講者用アパレルCADを操作できる。よって、パターン教習の効果を更に高めることができ、受講者UによるアパレルCADの操作の習熟を促進できる。したがって、パターン教習システム100を提供することにより、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じることができる。
【0023】
ユーザ端末UTは、図3に示すように、受講者Uにより受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンC4の印刷をサービス提供者Vに依頼する発注ボタンBを表示することが好ましい。発注ボタンBは、例えば、パターン教習コンテンツCに含まれており、教習用アパレルCADの操作画面C2とともに表示される。発注ボタンBは、受講者用アパレルCADの操作画面C3に重ねて表示される等、ユーザ端末UTのいずれの場所に表示されていてもよい。これにより、受講者Uは、自ら、受講者用アパレルCADを操作して編集された編集済パターンC4の印刷を、サービス提供者Vに依頼することができる。よって、受講者Uは、自らが編集した編集済パターンC4について、A0サイズのような大きなサイズのシート(用紙)に印刷された原寸大のパターンを入手できる。 発注ボタンBが受講者Uによって押下されると、ユーザ端末UTは、受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンC4のデータを、ベンダ端末VTに提供(送信)する。編集済パターンC4のデータを受信したベンダ端末VTは、編集済パターンC4のデータに基づいて、接続されたパターンプリンタを動作させて、編集済パターンC4の印刷を行う。なお、パターンプリンタは、適宜、印刷された編集済パターンC4を例えばA4サイズに折り畳む。
【0024】
ユーザ端末UTは、発注ボタンBが押下されると、編集済パターンC4に基づく編集済パターンデータをベンダ端末VTに提供(送信)してよい。これにより、編集済パターンC4の仕様に応じた料金を受講者Uに提示できる。
【0025】
編集済パターンデータは、基準パターンC1に対する編集済パターンC4の乖離率を含んでよい。また、編集済パターンデータは、受講者パターンC0に対する編集済パターンC4の乖離率を含んでもよい。これにより、基準パターンC1(又は受講者パターンC0)からどのくらい編集されたかという尺度を受講者Uに提示できる。なお、乖離率については、後述する。
【0026】
なお、編集済パターンC4の印刷に係る料金は、乖離率に応じて変動してよい。これにより、基準パターンC1に対する編集済パターンC4の乖離率に応じた料金を受講者Uに提示できる。
【0027】
(アパレルCAD) アパレルCADは、完成品の衣服を構成する複数種類のパーツから構成されたパターンをユーザ端末UTのディスプレイ20に表示する。アパレルCADは、衣服を構成する複数種類のパーツで構成されたパターンのデザインを支援する。例えば、パターンナー(デザイナー)は、衣服の立体形状をイメージさせるデザイン画をデザインし、そのデザイン画に基づいて、アパレルCADを利用して、パターンをデザインする。アパレルCADは、CADソフトウェアとCAMソフトウェアとを一つにまとめたCADCAMソフトウェアであってよい。アパレルCADは、例えば、CREACOMPO(登録商標)である。
【0028】
アパレルCADは、いわゆるクラウド上で動作するアプリケーションであってよい。アパレルCADは、ベンダ端末VTにインストールされたものであってよく、ベンダ端末VTにローカルで接続された端末にインストールされたものであってよく、インターネット上に接続された不図示のサーバ端末にインストールされたものであってもよい。
【0029】
教習用アパレルCADは、操作画面C2に、基準パターンC1を表示する。基準パターンC1は、完成品となる衣服の立体形状に基づいてあらかじめデザインされたパターンである。基準パターンC1は、教習用アパレルCADの操作画面C2で編集可能になっている。例えば、教習用アパレルCADの操作画面C2で、講師Tの操作により、基準パターンC1を構成する複数種類のパーツのうち、袖のパーツの袖丈のみを変更して、編集済パターンC4を作成したりできる。
【0030】
受講者用アパレルCADは、操作画面C3に、受講者パターンC0を表示する。受講者パターンC0は、提供された基準パターンC1と同じであってよく、別途に取得したパターンであってよく、受講者Uが自ら作成したパターンであってもよい。例えば、受講者Uは、基準パターンC1に対応するSサイズの受講者パターンC0を操作画面C3に表示する。受講者パターンC0は、受講者用アパレルCADの操作画面C3で編集可能になっている。例えば、受講者用アパレルCADの操作画面C3で、受講者Uの操作により、受講者パターンC0を構成する複数種類のパーツのうち、袖のパーツの袖丈のみを変更して、編集済パターンC4を作成したりできる。
【0031】
教習用アパレルCADと受講者用アパレルCADとは、機能、開発元又はソフトウェアのバージョン等の仕様が同じであることが好ましい。教習用アパレルCADと受講者用アパレルCADとが同じ仕様であると、受講者Uが教習用アパレルCADの操作画面C2と受講者用アパレルCADの操作画面C3の両方を見ながら、アパレルCADの操作方法を違和感なく学ぶことができる。よって、受講者Uが利用するアパレルCADに特有の操作方法を効果的に学習できる。
【0032】
(パターン教習方法)
次に、実施形態に係るパターン教習方法について説明する。
図2は、実施形態に係るパターン教習方法のフローチャートである。
図2に示すように、パターン教習方法は、受講者U(ユーザ端末UT)とサービス提供者V(ベンダ端末VT)との間でやり取りされる、一連の工程のフローで実施される。
【0033】
パターン教習方法は、パターン教習コンテンツCをサービス提供者Vが管理するベンダ端末VTから受講者Uが操作可能なユーザ端末UTに通信ネットワークNを通じて提供するコンテンツ提供工程S1と、パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTで表示するコンテンツ表示工程S2と、を含んでいる。ここで、パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有している。よって、受講者Uは、ユーザ端末UTで、パターン教習コンテンツCを見ながら、受講する場所に依ることなく、パターンのデザインとアパレルCADの操作を効果的に学ぶことができる。
【0034】
以下、サービス提供者Vから配信されたパターン教習コンテンツCを視聴しながら、パターンのデザインを、受講者Uが、自ら、受講者用アパレルCADを操作して学習する状況を想定し、受講者Uが自ら編集した編集済みパターンを印刷依頼するまでの工程を例にとって、パターン教習方法のフローに沿って説明する。
【0035】
サービス提供者Vは、適宜、予め、特定のパターン教習コンテンツCに対応する課題となる基準パターンC1を、受講者Uに提供しておいてよい。特定のパターン教習コンテンツCに対応する課題となるパターンは、受講者Sの体系や好みに合わせて受講者Sが指定した基準パターンC1に対応するサイズ(例えば、Sサイズ)のパターン(受講者パターンC0)であってもよい。(1)図2に示すように、サービス提供者Vは、受講者Uからパターン教習コンテンツCの受講依頼を受け付けると、パターン教習コンテンツCを、ベンダ端末VTから受講者Uが操作可能なユーザ端末UTに通信ネットワークNを通じて提供する(コンテンツ提供工程S1)。例えば、受講者Uは、パターン教習コンテンツCが登録された動画共有プラットフォームにアクセスして、パターン教習コンテンツCを視聴可能にするために予めサービス提供者Vから付与されたパスワードを入力する。
【0036】
(2)次に、受講者Uは、提供された(受信した)パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTで表示する(コンテンツ表示工程S2)。
【0037】
(3)ここで、受講者Uは、パターン教習コンテンツCとともに、受講者Uが操作可能な受講者用アパレルCADの操作画面C3をユーザ端末UTで表示する(受講者用アパレルCAD表示工程S3)。これにより、受講者Uは、パターン教習コンテンツCを見ながら、受講者用アパレルCADを操作できる。
【0038】
(4)また、受講者Uにより受講者用アパレルCADで編集された編集済パターンC4の印刷をサービス提供者Vに依頼する発注ボタンBをユーザ端末UTで表示する(発注ボタン表示工程S4)。これにより、受講者Uが自ら編集したパターンの原寸大の印刷を、サービス提供者Vにタイムリーに依頼できる。サービス提供者Vは、適宜、印刷された編集済パターンC4が印刷された型紙を、受講者Uに郵送する。これにより、受講者Uは、一般家庭では印刷し難い、A4又はA3サイズを超えるようなシームレスな大型の型紙を取得できる。
【0039】
(5)ここで、ベンダ端末VTは、受講者Uから依頼された印刷に係る料金を計算し、計算された料金をユーザ端末UTに提供してもよい(料金提供工程S5)。料金の情報は、ユーザ端末UTに送信されてもよく、受講者UがアクセスできるWEBサイト(サービス提供者Vが運営する販売サイト等)に表示してもよい。これにより、依頼された印刷の仕様に応じた料金を受講者Uに提示できる。
【0040】
(6)また、発注ボタンBが押下されると、編集済パターンC4に基づく編集済パターンデータをユーザ端末UTからベンダ端末VTに提供(送信)する(編集済パターン提供工程S6)。これにより、編集済パターンC4の仕様に応じた料金を受講者Uに提示できる。
【0041】
ここで、編集済パターンデータは、基準パターンC1に対する編集済パターンC4の乖離率を含んでもよい。また、編集済パターンデータは、受講者パターンC0に対する編集済パターンC4の乖離率を含んでもよい。乖離率は、例えば、パターンを構成するパーツについての、基準パターンC1(又は、受講者パターンC0)に対する編集済パターンC4の面積比率であってよい。パーツの面積は、アパレルCADのデータに基づいてアパレルCADで計算されてよい。乖離率は、例えば、図5に示すように、基準パターンC1の袖パーツの袖丈を2cm延ばすことにより、基準パターンC1の袖パーツの面積Avを基準に編集済パターンC4の袖パーツの面積Auが5%増した場合、基準パターンC1に対する編集済パターンC4の乖離率を5%と表すことができる。なお、乖離率に代えて、乖離量(例えば、差分の面積)でもよい。ベンダ端末VTは、基準パターンC1のCADデータ(形状データ)と、ユーザ端末UTから提供された編集済パターンC4のCADデータ(形状データ)とに基づいて、乖離量を計算する。これにより、基準パターンC1からどのくらい編集されたかという尺度を受講者Uに提示できる。
【0042】
なお、編集済パターンC4の印刷に係る料金は、乖離率に応じて変動してよい。これにより、基準パターンC1に対する編集済パターンC4の乖離率に応じた料金を受講者Uに提示できる。
【0043】
なお、上述のパターン教習方法を、コンピュータに実行させるパターン教習プログラムとしてもよい。また、パターン教習プログラムを記憶媒体に記憶させてもよい。
【0044】
以上説明したように、実施形態に係るパターン教習システム100は、受講者Uが操作可能なユーザ端末UTと、サービス提供者Vが管理するベンダ端末VTと、ユーザ端末UT及びベンダ端末VTを通信可能に接続する通信ネットワークNと、を備える。ベンダ端末VTは、パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTに提供(送信)する。ユーザ端末UTは、パターン教習コンテンツCを表示する。パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有する。これにより、受講者Uは、ユーザ端末UTで、講師Tによる実際のアパレルCADの操作を見ながら、受講する場所に依ることなく、パターンのデザインとアパレルCADの操作を効果的に学ぶことができる。そして、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習システム100を提供できる。
【0045】
実施形態に係るパターン教習方法は、パターン教習コンテンツCをサービス提供者Vが管理するベンダ端末VTから受講者Uが操作可能なユーザ端末UTに通信ネットワークNを通じて提供(送信)するコンテンツ提供工程S1と、パターン教習コンテンツCをユーザ端末UTで表示するコンテンツ表示工程S2と、を含む。パターン教習コンテンツCは、基準パターンC1を表示する教習用アパレルCADの操作画面C2を有する。これにより、受講者Uは、ユーザ端末UTで、講師Tによる実際のアパレルCADの操作を見ながら、受講する場所に依ることなく、パターンのデザインとアパレルCADの操作を効果的に学ぶことができる。そして、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習方法を提供できる。
【0046】
実施形態に係るパターン教習プログラムは、上述のパターン教習方法を、コンピュータに実行させる。これにより、受講者Uは、ユーザ端末UTで、講師Tによる実際のアパレルCADの操作を見ながら、受講する場所に依ることなく、パターンのデザインとアパレルCADの操作を効果的に学ぶことができる。そして、パターンのデザインの過程を学びたいユーザの要求に応じたパターン教習プログラムを提供できる。
【0047】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0048】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
100 パターン教習システム
10 (ベンダ端末の)ディスプレイ
20 (ユーザ端末の)ディスプレイ
Au,Av 面積
B 発注ボタン
C パターン教習コンテンツ
C0 受講者パターン
C1 基準パターン
C2 教習用アパレルCADの操作画面
C3 受講者用アパレルCADの操作画面
C4 編集済パターン
N 通信ネットワーク
S1 コンテンツ提供工程
S2 コンテンツ表示工程
S4 発注ボタン表示工程
S5 料金提供工程
S6 編集済パターン提供工程
T 講師
U 受講者
UT ユーザ端末
V サービス提供者
VT ベンダ端末

図1
図2
図3
図4
図5