(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154045
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】マルチスレイブ制御システム
(51)【国際特許分類】
H04L 69/08 20220101AFI20241023BHJP
G05B 19/042 20060101ALI20241023BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H04L69/08
G05B19/042
G08C15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067643
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯川 裕也
【テーマコード(参考)】
2F073
5H220
【Fターム(参考)】
2F073AA02
2F073AA12
2F073AA19
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE07
2F073DE13
2F073EE01
2F073EF09
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
5H220BB03
5H220CC06
5H220CX01
5H220CX05
5H220HH08
5H220JJ12
5H220JJ16
5H220JJ17
5H220JJ38
(57)【要約】
【課題】第1の通信プロトコルのデータに所定の通信プロトコルの形式で命令を記載することにより煩雑な判定データ変換処理を不要とし、命令を送受信するシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、データ収集装置に対してデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、データ収集装置と命令送信装置間の通信を仲介し、命令送信装置から送信されたデータ判定条件設定命令を受信し、をデータ収集装置に送信するキャスターとを含み、キャスターは第1の通信プロトコルによる通信によって、を送信し、データ収集装置は、キャスターから送信されたデータ判定条件設定命令を受信し、データ判定条件を設定し、データ判定条件命令は第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルの形式で記載されることを特徴としたマルチスレイブ制御システム
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターと、
を含み、
前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信し、
前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定し、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたマルチスレイブ制御システム。
【請求項2】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項1に記載のマルチスレイブ制御システム。
【請求項3】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチスレイブ制御システム。
【請求項4】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターとを含むマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信するステップと、
前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたことを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項5】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項4に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項6】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項7】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターとを含むマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信するステップと、
前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたことを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【請求項8】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項7に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【請求項9】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【請求項10】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するための記録計と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記記録計と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を、中継器を介して前記記録計に送信するキャスターと、
を含み、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定し、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたマルチスレイブ制御システム。
【請求項11】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項10に記載のマルチスレイブ制御システム。
【請求項12】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のマルチスレイブ制御システム。
【請求項13】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するための記録計と、
前記記録計に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記記録計と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を、中継器を介して前記記録計に送信するキャスターと、
を含む計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項14】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項13に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項15】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法。
【請求項16】
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するための記録計と、
前記記録計に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記記録計と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を、中継器を介して前記記録計に送信するキャスターと、
を含む計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にした計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【請求項17】
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした請求項16に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【請求項18】
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の計算機であるマルチスレイブ制御システムに読み取り可能に記載したマルチスレイブ制御システムの動作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各機器で対応可能な通信プロトコルが相違するマルチスレイブ制御システムであって、第1の通信プロトコルのパケットに、第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載された所定の命令を含ませ、そのパケットを各装置に送信し、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたシステムである。また、これに関連して、計算機である前記システムの動作方法と、計算機である前記システムに読み取り動作可能なプログラムに関する発明も含まれる。
【背景技術】
【0002】
パケットのポート番号を取得し、取得したポート番号と対応付けられているペイロードの情報の記述形式を特定することで、その特定された記述形式に応じて保持されたデータを適宜シリアル通信規格のデータに変換するデータ変換装置が知られている(特許文献1)
しかしながら、上記の特許文献1のものにおいては、ポート番号に基づいて情報の記述形式を特定し、適宜送信データの整形を必要としていたため、高速で通信することが阻害されてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明においては、第1の通信プロトコルのデータの所定の領域に第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で、データ判定条件設定命令を記載する。これにより、煩雑なデータ変換処理を不要とし、所定の命令を高速で送受信することを目的とする。
ところで、一般に、公知の測定機器の測定収集に用いられる通信プロトコルのデファクトスタンダートである第2の通信プロトコル(MODBUS(登録商標)プロトコル等)に対応可能な機器(分析用機器等)に測定結果の判定条件を出力するデータ収集装置や記録計を用いて測定機器の測定収集を行う場合、データ収集装置や記録計に設定されるデータ判定条件は、機器間でのデータ連携および管理における利便性の観点から、上記第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることが好ましい。
本発明においては、高速通信可能であって、複数の測定機器の測定結果に関する判定条件を1のパケットで送信可能とする第1の通信プロトコルによるパケットが、第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式のデータ判定条件設定命令を含むことにより、上記の利便性を担保するとともに、第1の通信プロトコルの上記利点を享受するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明において、第1の発明として、
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令送信する命令送信装置と、前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターと、を含み、前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信し、前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれるデータ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定し、前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたマルチスレイブ制御システム。
【0006】
また、第2の発明は、第1の発明を基礎として、
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした記載のマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0007】
また、第3の発明は、第1の発明又は第2の発明を基礎として、
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とするマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0008】
また、第4の発明は、
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令送信する命令送信装置と、
前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターとを含むマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信するステップと、
前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたことを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法を提供する。
【0009】
また、第5の発明は、第4の発明を基礎として、
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0010】
また、第6の発明は、第4または第5の発明を基礎として、
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0011】
また、第7の発明として、
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するためのデータ収集装置と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令送信する命令送信装置と、
前記データ収集装置と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を前記データ収集装置に送信するキャスターとを含むマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、前記データ判定条件設定命令を送信するステップと、
前記データ収集装置は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたことを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作プログラムを提供する。
【0012】
また、第8の発明は、第7の発明を基礎として、
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作プログラムを提供する。
【0013】
また、第9の発明は、第7の発明又は第8の発明を基礎として、
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作プログラムを提供する。
【0014】
また、第10の発明は、
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するための記録計と、
前記データ収集装置に対して1以上のスレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記記録計と前記命令送信装置間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を、中継器を介して前記記録計に送信するキャスターと、
を含み、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータを判定するための条件であるデータ判定条件を設定し、
前記データ判定条件は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されることを特徴とし、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易にしたマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0015】
また、第11の発明は、第10の発明を基礎として
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0016】
また、第12の発明は、第10の発明又は第11の発明を基礎とした、
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0017】
また、第13の発明は、
スレイブモジュールと通信路を介して信号の送受を行い、スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを収集するための記録計と、
前記記録計に対して1以上のデータ判定条件設定命令を送信する命令送信装置と、
前記記録計と前記命令送信装置と間の通信を仲介し、前記命令送信装置から送信された前記を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令を、中継器を介して前記記録計に送信するキャスターと、
を含むマルチスレイブ制御システムの動作方法であって、
前記キャスターと中継器間の通信は、第1の通信プロトコルによる通信によって行うステップと、
前記中継器と前記記録計間の通信は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルによって行うステップと、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップとによって計算機であるマルチスレイブ制御システムを動作させ、
前記データ判定条件命令は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルの形式で記載されることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法を提供する。
【0018】
また、第14の発明は、第13の発明を基礎として、
前記第2の通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作方法を提供する。
【0019】
また、第15の発明は、第13の発明または第14の発明を基礎として
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする計算機である記載のマルチスレイブ制御システムの動作方法を提供する。
【0020】
また、第16の発明は、
スレイブモジュールに接続された測定機器のデータを記録計に対して1以上のデータ判定条件設定命令を、キャスターを介して送信する命令送信装置と、
記録計に対して前記データ判定条件設定命令を送信するキャスターと、
自身の配下に1以上のスレイブモジュールを有し、通信路を介してスレイブモジュールと信号の送受を行う記録計と、
を含むマルチスレイブ制御システムの動作プログラムであって、
前記キャスターと中継器間の通信は、第1の通信プロトコルによる通信によって行うステップと、
前記中継器と前記記録計間の通信は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルによって行うステップと、
前記記録計は、前記キャスターから送信された前記データ判定条件設定命令を受信するとともに、前記データ判定条件設定命令に含まれる前記データ判定条件に基づいて、自身の配下にある前記スレイブモジュールに接続された測定機器に関するデータ判定条件を設定するステップを、計算機であるマルチスレイブ制御システム読取事項可能に記述し、前記データ判定条件命令は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルの形式で記載されることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムの動作プログラムを提供する。
【0021】
また、第17の発明は、第16の発明を基礎として、
前記データ判定条件命令は、MODBUSプロトコルの形式に準じて記載されることを特徴とした計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【0022】
また、第18の発明は、第16の発明または第17の発明を基礎として、
前記第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであることを特徴とする計算機であるマルチスレイブ制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、対応可能な通信プロトコルが相違する機器間で、円滑にデータ通信をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの機能的構成例を示すブロック図
【
図2】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの処理の流れの例を示すフロー図
【
図3】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの処理の流れの例を示すフロー図
【
図4】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの命令送信装置のハードウェア構成図の例
【
図5】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムのマスタモジュールのハードウェア構成図の例
【
図6】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムのスレイブモジュールのハードウェア構成図の例
【
図7】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムのDocker(管理サーバ)としての機能を担う管理サーバのハードウェア構成図の例
【
図8】本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの機能的構成例を示すブロック図
【
図9】本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの処理の流れの例を示すフロー図
【
図10】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの全体像を示す概念図
【
図11】本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの全体像を示す概念図
【
図12】本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムのデータ収集装置のハードウェア構成図の例
【
図13】本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの中継器のハードウェア構成図の例
【
図14】本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの処理の流れの例を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態1の説明は、主として請求項1乃至9に関するものである。
実施形態2の説明は、主として請求項10乃至18に関するものである。
<実施形態1> 主として請求項1乃至9に対応
<実施形態1のマルチスレイブ制御システムの全体像>
実施形態1のマルチスレイブ制御システムにおいては、命令送信装置から送信されたデータ判定条件設定命令を、キャスターが受信する。キャスターは、データ判定条件設定命令を第1の通信プロトコル(MQTTプロトコル等)による通信によってデータ収集装置に送信する。
データ収集装置は、受信したデータ判定条件設定命令に含まれるデータ判定条件に基づいて、スレイブモジュールに接続された各測定機器についてのデータ判定条件を自身の保持部に設定する。データ判定条件設定命令は、第1の通信プロトコルとは相違する通信プロトコルである第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載される。
【0026】
<実施形態1 概要>
図1は、実施形態1のマルチスレイブ制御システム100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図示するように、実施形態1のマルチスレイブ制御システム100は、命令送信装置102と、Docker(登録商標)108と、データ収集装置112とマスタモジュール114とスレイブモジュール116とを有する。さらに、Docker108は、管理部103と、データ登録部104と、キャスター105と、設定履歴保持部106と測定収集結果保持部107を有してよい。また、命令送信装置102は、制御部101、表示部等を有してよい。データ収集装置112は、制御部109と、データ判定条件保持部110と、測定結果保持部111を有してよい。また、マスタモジュール、スレイブモジュールは、それぞれ制御部113、115を有してよい。
図10は、本発明の実施形態1のマルチスレイブ制御システムの全体像を示す概念図である。
図10に示す様に、キャスターとデータ収集装置は、通信路1を介して接続される。マスタモジュールとスレイブモジュールは、通信路2を介して接続される。
【0027】
<実施形態1 システム動作の概要>
実施形態1のマルチスレイブ制御システムにおいては、命令送信装置等が、キャスター等を介して、データ収集装置に対して、データ判定条件設定命令を送信する。ここで、データ判定条件設定命令は、スレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令である
データ収集装置の制御部は、その命令に基づいて、スレイブモジュールに接続された測定機器に関する所定の情報(スレイブモジュールに接続された測定機器の入力種類、スケールレンジ等)をデータ収集装置のデータ判定条件保持部に設定する。
【0028】
また、データ収集装置は、所定の条件が成立した時(他の機器から測定結果のデータ収集命令を受信した場合や、規定のスケジュールの時間になった時)に、スレイブモジュールのチャンネルごとの測定結果を収集し、1のパケットに纏めてキャスターに送信してもよい。キャスターは、上記のパケットを受信すると、そのパケットをデータ登録部に受け渡してよい。そしてデータ登録部は、それらの測定結果を測定収集結果保持部に登録してよい。以下では、キャスター、管理部、データ登録部、設定履歴保持部と、測定収集結果保持部が、所定のDocker内に配置されるものとして説明する。なお。これらの機能部は、所定の1以上のサーバ内にて仮想的に実現されてよい。
【0029】
なお、以下に記載する各ステップは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによる動作として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(フラッシュメモリやSSDなどの不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、PLC、記録計、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、通信用インターフェイス、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインタフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。
【0030】
また、本明細書に記載の各実施形態は動作方法として実現できるのみでなく、その一部または全部を装置としても実現可能である。また、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然に本明細書に記載の各実施形態の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0031】
<実施形態1 構成の説明>
<第1の通信プロトコル、第2の通信プロトコル>
第1の通信プロトコルは、そのパケットの所定のデータ領域に第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式の1以上のデータ判定条件を含むことができるプロトコルである。
また、第1の通信プロトコルは、高速通信可能な通信プロトコルである。
第1の通信プロトコルは、例えば、MQTTプロトコルであることが好ましい。
MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)プロトコルは、IoT(Internet of Things)デバイスやセンサなどの小型デバイス間でデータを転送するための軽量なメッセージングプロトコルである。以下にMQTTプロトコルの主な特徴を示す。
MQTTは、小規模なデバイスや低帯域幅のネットワークでの使用に適している、軽量なメッセージングプロトコルである。パブリッシュ/サブスクライブモデルを使用するため、通信に必要な情報量が少なく、デバイスの消費電力を抑えることができる。
MQTTは、パブリッシャとサブスクライバという2つの役割がある。データを送信するデバイス(パブリッシャ)は、特定のトピックにデータを送信する。そのトピックに関心のあるデバイス(サブスクライバ)は、そのトピックを購読することで、データを受信することができる。
MQTTでは、QoSレベル0、QoSレベル1、およびQoSレベル2の3つの品質保証レベルがある。QoSレベル0は、最低限の品質保証であり、データの到達を保証しない。QoSレベル1およびQoSレベル2は、データの到達を確実にし、データの重複や欠落を防止する。
MQTTは、TCP/IPプロトコル上で動作する。このため、インターネットやLANなど、TCP/IPネットワーク上で使用することができる。
MQTTは、TLS/SSLプロトコルを使用して通信を暗号化することができる。また、ユーザ名とパスワードによる認証やACL(アクセス制御リスト)によるアクセス制限を設定することができる。
MQTTは、トピックの構造が柔軟であり、階層的なトピック構造を使用することができます。このため、大量のデバイスやセンサを扱うことができる。
このような性質を有するプロトコルであればこのMQTTプロトコルに代替して利用することも考えられる。なおキャスターと情報収集装置間の情報伝送は通信でよいし、放送でもよい。
第2の通信プロトコルは、一般的にマスタモジュール、スレイブモジュール(測定機器が接続される)、記録計等の間の通信で用いられるデファクトスタンダードの通信プロトコルである。第2の通信プロトコルは、例えば、MODBUSプロトコルであることが好ましい。MODBUSプロトコルで通信する機器の多くはシリアルのEIA-485物理層上で通信する。
【0032】
第1の通信プロトコルのパケットのペイロード部に、第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式のデータを記載し、そのパケットを送受信することにより、上記のデファクトスタンダードの第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式のデータ判定条件を高速で通信することが可能となる。
また、デファクトスタンダードのデータ記載形式を維持したまま、そのデータ判定条件を送受信すれば、データ変換をすることなく、多くの機器間における連携性、利便性等が向上する。
つまり、上記のパケット構成により、上記の高速通信、連携性及び利便性を同時に担保することができる。
【0033】
<実施形態1 通信路1、通信路2>
通信路1は、データ収集装置とマスタモジュール間のデータ通信において、送受信されるデータが流れる通信路である。
マスタモジュールとデータ収集中継装置を繋ぐ通信路1は、イーサネット又はシリアル通信路であってよい。
通信路2は、マスタモジュールとスレイブモジュール間のデータ通信において、送受信されるデータが流れる通信路である。マスタモジュールに接続されるいずれかのスレイブモジュールは、他のスレイブモジュールと通信路2を介して接続されてよい。
マスタモジュールとスレイブモジュールを繋ぐ通信路2は、シリアル通信路であってよい。また、隣接するスレイブモジュールを繋ぐ通信路は、シリアル通信路であってよい。
【0034】
<実施形態1 マスタモジュール>
マスタモジュールは、データ収集装置に対して測定対象の測定結果を送信する機能を有する。マスタモジュールは、データ収集装置及びスレイブモジュールと接続される。本発明の第2の通信プロトコルを使用する装置に該当する。アクセスを受けたデータ収集装置は、アクセスを受けたOSI参照モデルを利用してデータ判定条件が保持されているアドレスをマスタモジュールに返すことによってマスタモジュールはその条件にアクセス可能となる。もし、このデータの形式が第2の通信プロトコルで利用される形式で記述されていないとすると、ここで記述の形式を変更するという作業が発生し、その演算のための時間が費やされるという課題が発生する。
マスタモジュールとデータ収集装置の間および、マスタモジュールとスレイブモジュールの間で行われる通信に用いられる通信プロトコルは、データ判定条件命令の記載方式で用いられる通信プロトコル(MODBUSプロトコル等)と同一であってよい。MODBUSは、産業用制御システムやオートメーションシステムなどで広く使用されるシリアル通信プロトコルです。以下にMODBUSプロトコルの主な特徴を示す。
MODBUSは、一般的にマスタ/スレイブ構成で動作する。マスタは、スレイブに対して要求を送信し、スレイブはその要求に応答する。
MODBUSは、シリアル通信を使用する。現在は、EthernetやTCP/IPに対応したMODBUSも存在する。
MODBUSは、16ビットまたは32ビットのデータ形式を使用する。16ビット形式は、MODBUS RTUと呼ばれ、32ビット形式は、MODBUS TCPと呼ばれる。MODBUSは、半二重通信または全二重通信を使用する。半二重通信では、データは半分の速度で送信され、一方向に通信が行われる。全二重通信では、データは完全な速度で送信され、双方向に通信が行われる。
MODBUSは、スター、バス、リング、およびツリー構成のネットワークトポロジに対応している。
MODBUSには、機能コードと呼ばれるコマンドセットがある。機能コードは、特定のアクションを実行するために使用される。例えば、読み込み、書き込み、リセット、および設定などがある。
MODBUSは、高い信頼性を持つ。通信エラーが発生した場合、通信プロトコルが再試行するため、通信の可用性が高い。
なお、第2の通信プロトコルとして、このような特徴を有する他のプロトコルであってもよい。このような特徴は情報収集装置の配下が最終的に高速な通信を必要とするセンサなどを想定しているからである。センサはスレイブごとに10~100センサ備えられ、マスタモジュールの配下にスレイブが2~20台程度配置される。
代表的には高速通信で広範囲の温度情報を取得する場合などに適している。温度のコントロールを精緻にすることで加熱物質の物理的性質を制御することができる。特に大型の材料などに利用される場合がある。鉄や非金属や、ファインセラミックスや、炭素繊維などで構成されるものである。
マスタモジュールは、測定対象物の物理量(温度等)の測定結果を、通信路1を介して、データ収集装置へ送信する機能を有する。また、マスタモジュールは各モジュールの状況を示す情報(測定値警告情報等)を上記の通信路1を介して、データ収集装置へ送信してよい。なお、データ収集装置は、上記の情報を自身の有する測定結果保持部に保持してよい。また、マスタモジュールからデータ収集装置に送信された測定結果のデータが、データ収集装置の保持部に所定量以上たまると、データ収集装置は、第1の通信プロトコルによる通信で、それらのデータを纏めてキャスターに送信してよい。また、本システムのデータ収集装置は、多数であることが好ましい。
【0035】
<実施形態1 スレイブモジュール>
スレイブモジュールは、スレイブモジュールに接続される測定対象の測定結果を、マスタモジュールに対して送信する機能を有する。
スレイブモジュールは、データ収集装置の配下にある機器である。1以上のスレイブモジュールが、通信路2を介してマスタモジュールと通信可能に接続されてよい。
また、スレイブモジュールは、隣接する1以上のスレイブモジュールと通信可能に接続されてよい。スレイブモジュールは、1以上のチャンネルを有する。チャンネルには、例えば、温度センサ等の各種測定機器が、接続される。各スレイブモジュールには、例えば各スレイブモジュールを一意に定めるスレイブID等か割り振られてもよい。また、各スレイブモジュールのチャンネルは、システム内の全スレイブモジュールにおいて、チャンネル番号で識別されるように構成されてもよい。
【0036】
<実施形態1 データ収集装置>
データ収集装置は、スレイブモジュール等に接続された測定対象の測定結果を収集する機能を有する。また、データ収集装置は、第1の通信プロトコルによる通信により、キャスターから送信されたデータ判定条件設定命令を受信する。
データ収集装置は、スレイブモジュールに接続された、測定機器の測定結果に関する各種データ判定条件(入力種類、スケールレンジ等)を保持する機能を有してよい。データ収集装置は、データ判定条件保持部を有し、上記の情報をチャンネルごとに保持してよい。
データ収集装置は、例えばマスタモジュールを介して各スレイブモジュールから、測定対象の測定結果を受信する。データ収集装置は、例えば測定対象のデータ判定条件を保持するためのデータ判定条件保持部を有する。また、データ収集装置は、例えば、測定機器の測定結果を保持するための測定結果保持部を有する。
データ収集装置は、測定結果をマスタモジュール等から受信すると、その結果を測定結果保持部にて保持してよい。例えば、保持された測定結果が所定量を超えると、データ収集装置は、その測定結果をまとめて1のパケットでキャスターに送信する。その通信に用いられる通信プロトコルは、第1の通信プロトコルと同様であり、MQTTプロトコルであることが好ましい。
データ収集装置の制御部等は、測定結果とデータ判定条件に基づいて警報情報等を第2の通信プロトコルを利用する分析用ソフトや他の装置に対して出力する機能を有してよい。
【0037】
<<実施形態1 データ判定条件、データ判定条件保持部>>
データ判定条件保持部は、例えば、測定機器(温度センサ等)が接続されたチャンネルを、入力種類、スケールレンジ等と関連付けて保持する機能を有する。これにより、データ収集装置は、チャンネルごとに、測定機器の入力種類、スケールレンジ等を保持することができる。
1つのチャンネルは、スレイブモジュールに接続された1つの測定機器に対応してよい。入力種類は、対応するチャンネルに接続された各種センサ等の測定機器の種類である。測定機器は、例えば温度センサ、重量センサ、湿度センサ、ガスセンサ、圧力センサ等である。例えば、測定機器が温度センサである場合、入力種類はK熱電対、T熱電対等となる。
データ判定条件は、測定機器の測定データの数値に基づいて所定の処理(警報出力等)をする場合に、その処理の実行可否を判断するための数値条件である。データ判定条件の情報は、例えば、下記に示すチャンネル番号が、入力種類とスケールレンジに紐づいた内容であってよい。
スケールレンジは、各チャンネルの各種センサにおいて想定される測定値のレンジである。例えば、測定機器で測定された測定結果がこのスケジュールレンジの範囲外である場合、データ収集装置の制御部等は、その測定結果に関して警報情報を他の装置に対して出力する。データ判定条件保持部のデータ構造は、第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式に準拠することが好ましい。これにより、第2の通信プロトコルを利用する他の端末装置から前記データ判定条件にアクセス容易となる。
データ判定条件保持部は、さらにチャンネル番号と、測定結果の収録開始および/または停止、測定結果のデータ取り込み時間間隔、各チャンネルの表示態様(表示色等)、測定値を補正するための設定値を関連付けて保持してもよい。
また、データ収集装置に対する入力操作によっても、これらの値が設定されてもよい。
【0038】
<<実施形態1 測定結果保持部>>
測定結果保持部は、測定結果を保持する機能を有する。測定結果保持部は、例えば、チャンネル番号を測定日時、測定値、入力種類等と関連付けて保持する。
データ収集装置は、上記の測定結果を受信すると、一時的に測定結果保持部にて保持してよい。例えば、測定結果保持部にて保持された測定結果が所定量を超えると、データ収集装置は、その測定結果をキャスターに送信する。
【0039】
<実施形態1 データ判定条件設定命令>
データ判定条件設定命令は、スレイブモジュールに接続された測定機器の測定結果に関するデータ判定条件を設定するためのものである。
具体的には、例えばデータ収集装置の制御部は、データ判定条件設定命令に基づいて、データ判定条件保持部のデータ判定条件を設定、変更等をする。
データ判定条件は、第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されたものである。
上記の形式をより具体的に説明すると、一般に第2の通信プロトコル(マスタスレイブ制御の通信で用いられるプロトコル)は、パケットの先頭から順に、所定範囲のバイト(ビット)ごとにアドレスが設定され、そのアドレスに対応して、各々のデータ項目の領域が設定される仕様となっている。第2の通信プロトコルに含まれるデータ記載形式で記載されるとは、その仕様に準じて所望のデータ項目の内容を所定のアドレス位置に配置することと同義である。
【0040】
データ判定条件設定命令に含まれる情報は、データ判定条件を定める複数のデータを含み、データの読み出し位置を示す所定の値あるいはアドレスが定められている。前記読み出し位置を基準として所望のアドレスに上記の複数のデータが繰り返し同じ規則で記録される。データの種類ごとにデータ長は固定の値をとるように設計することもできるし、あるいはデータとデータの間に区切りとなる所定の値を配置して書くデータ長は可変とすることもできる。さらに、固定長のデータと可変長のデータを混在させるようにこうせいすることもできる。また、データの読み終わり位置を示す所定の終点が含まれていてもよい。また、データ項目の区切りは、所定のバイト(4バイトでよし、5バイトでもよいし、6バイトでもよい)ごとに区切られる。また、データの読み出し位置を示す値は、例えば0であってもよい。このように、第2の通信プロトコルで利用されるデータ形式にデータ収集装置内のデータ判定条件を規定することによって、このデータ収集装置に対して第2の通信プロトコルを利用する端末がアクセスしてきたときに容易にデータ判定条件を読み出すことや、あるいは第2の通信プロトコルをデータ収集装置内に配置して第2の通信プロトコルを採用する通信ラインに対して創出することができる。なお、第1の通信プロトコルのパケットのペイロード内に格納されているデータ判定条件の記述形式は必ずしも第2の通信プロトコルの形式で記述されている必要はなく、第2の通信プロトコルで用いられるデータ形式への整形はデータ収集装置内のデータ整形機能を用いて成型するようにしてもよい。
データ判定条件の具体例としては、例えばセンサがセンシングする位置を特定するチャンネルIDと、そのチャンネルIDで識別されるセンサの種別と、そのセンサのセンシング値の評価のために用いられる数値範囲などが該当するがこれに限定されるものでない。例えばセンサの機能障害を示す自己診断結果や、センサの寿命を知らせる識別情報や、センサの取り付け位置を修正した旨の信号や、データの冗長化を示す情報など各種の情報を示す識別データであってもよい。第2の通信プロトコルは、例えば、MODBUSプロトコルであってよい。
データ判定条件設定命令は、例えば、第1の通信プロトコルのパケットのペイロード部分に記載されたものであることが好ましい。
【0041】
<実施形態1 命令送信装置>
命令送信装置は、データ判定条件設定命令を、キャスターを介してデータ収集装置に送信する機能を有する。
利用者が、命令送信装置に対して所定の操作を行うと、命令送信装置の制御部は、データ判定条件設定命令を含んだパケットを生成し、上記パケットを、管理部を有するDockerのコンテナ等に送信してよい。
本実施形態1のマルチスレイブ制御システムに接続し、上記の処理を行う命令送信装置の数は、複数であってよい。
【0042】
命令送信装置の制御部は、命令送信装置に対する操作に応じて、データ判定条件設定命令が生成された直後にそれを、管理部を有するDocker内のコンテナ等に送信してよい。また、命令送信装置の制御部は、上記のパケット生成が行われてから所定の期間経過後にデータ判定条件設定命令を送信してもよい。例えば、利用者が、命令送信装置においてデータ判定条件設定命令を生成するための操作を行ってから三十分後に、データ判定条件設定命令が、管理部を有するコンテナに送信されるように予約するための操作を行う。すると、その操作後30分経過後に制御部は、それらのパケットを、管理部を有するDockerに送信してよい。
なお、命令送信装置における送信するためのアプリケーションは、データ判定条件設定命令を生成するための操作と、送信するための操作をそれぞれ別々に受け付けるものであってもよい。命令送信装置の制御部は、予め設定されたスケジュール情報に基づいて、パケットを送信してもよい。スケジュール情報は、送信するタイミングを示す情報である。スケジュール情報は、利用者等によって設定された任意のスケジュール情報であってよい。
なお、上記のデータ判定条件設定命令に加えて、例えば、端末の識別情報と、データ判定条件設定命令の生成するための操作を行なったユーザの識別番号、データ判定条件設定命令の送信操作を行ったユーザの識別番号、生成日時、送信日時等が送信されてもよい。
<実施形態1 Docker(管理サーバ)>
Dockerは、設定履歴やデータ収集結果を保持する機能を有する。また、Dockerは、データ判定条件設定命令を第1の通信プロトコルによって、データ収集装置に送信する機能を有する。Dockerは、管理部、データ登録部、キャスター、設定履歴保持部および測定収集結果保持部を有する。Dockerは1以上の管理サーバによって仮想的に実現されるものであってよい。
【0043】
<<実施形態1 管理部103>>
管理部は、命令送信装置から送信されたデータ判定条件設定命令をキャスターに受け渡す機能を有する。また、管理部は、命令送信装置から送信された、を含むパケットに基づいた設定履歴を設定履歴保持部に登録する機能を有する。管理部は、端末から送信された、パケットに基づいて、ユーザ識別番号等を設定履歴保持部に登録してよい。また、管理部は、Docker等に配置されるものであってよい。
【0044】
<<実施形態1 データ登録部>>
データ登録部は、データ収集装置から受信した測定機器の測定結果を測定収集結果保持部に登録する機能を有する。データ収集装置が、各スレイブモジュールの測定結果をキャスターに送信すると、キャスターは、データ登録部に対して、測定結果を所定のデータ形式で受け渡す(通信による授受であってもよい)。すると、データ登録部は、上記の測定結果を測定収集結果保持部に登録してよい。また、データ登録部は、Docker等に配置されるものであってよい。
【0045】
<実施形態1 キャスター>
キャスターは、命令送信装置から送信されたデータ判定条件設定命令を受信し、受信したデータ判定条件設定命令をデータ収集装置に対して、送信する機能を有する。キャスターは、第1の通信プロトコルによる通信によって、データ判定条件設定命令をデータ収集装置に送信する機能を有する。
第1の通信プロトコルが、MQTTプロトコルである場合、キャスターは、例えば、公知のMQTTブローカーであってよい。また、キャスターは、DOCKERや公知のクラウドサービス内に仮想的に配置されるものであってよい。
<<実施形態1 測定収集結果保持部>>
測定収集結果保持部は、スレイブモジュールで測定された測定結果を保持する機能を有する。その機能やデータ項目は、上記の測定結果保持部と同様であるため、説明は省略する。
<<実施形態1 設定履歴保持部>>
設定履歴保持部106は、命令送信装置で送信されたデータに基づいたデータ収集装置等に対する設定履歴を保持する機能を有する。設定履歴保持部は、例えば、ユーザ識別番号、送信日時、命令送信対象機器ID、設定内容のデータ項目を保持する。
【0046】
<実施形態1 各装置間の通信で用いられる通信プロトコルについて まとめ>
命令送信装置から、管理部を有するDockerにデータ判定条件設定命令が送信される際に用いられる通信プロトコルは、例えば、gRPCプロトコルであってよい。
キャスターからデータ収集装置にデータ判定条件設定命令が送信される際に用いられるプロトコル(第1の通信プロトコル)は、MQTTプロトコルであってよい。データ収集装置とマスタモジュール間の通信で用いられる通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであってよい。マスタモジュールとスレイブモジュール間の通信で用いられる通信プロトコルは、MODBUSプロトコルであってよい。
【0047】
<実施形態1 効果>
キャスターが、スレイブモジュールから収集されるデータを判定するための条件であるデータ判定条件の設定命令であるデータ判定条件設定命令をデータ収集装置に送信する。これにより、命令送信装置から、1チャンネルごとではなく、複数のチャンネルに関するデータ判定条件を一括で送信することができる。また、キャスターに送信されるパケットのペイロード部にそのパケット自体の通信プロトコルと相違する通信プロトコルの形式で記載されたデータ判定条件を含むため、通信する機器同士の対応可能な通信プロトコルが異なる場合でも、その機器間でスムーズに通信することが可能となる。
【0048】
<実施形態1 ハードウェア 命令送信装置>
図4は、実施形態1の命令送信装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態1のマルチスレイブ制御システムは、CPUと、メインメモリと、不揮発性メモリと、チップセットと、I/Oコントローラと、LANコントローラと、外部通信インターフェイスと、グラフィックカードと、を有し、さらに、不揮発性メモリ内に制御プログラムとして、制御プログラムと、通信プログラムを有する。
【0049】
CPUは、メインメモリから、プログラムを読み出して実行し、各種機能を実現する。メインメモリは、適宜必要なプログラムやデータがロードされ、CPUから読み出される。不揮発性メモリは、プログラムやデータを保持する。チップセットは、ブリッジであり、CPUやメインメモリなどの高速なデバイスと、不揮発性メモリや各種インターフェイスなどの低速なデバイスとの間のアクセスの調停を行う。ユーザーインタフェースは、利用者のスイッチなどの操作を取得し、CPUに通知する。LANインターフェイスは、インターネットなどのネットワークにアクセスし、環境情報を取得する。外部通信インターフェイスは、シリアル通信などのポイント・ツー・ポイントの通信手段である。グラフィックカードは、本発明のマルチスレイブ制御システムが実行される端末の画面等の表示制御を行う。
各プログラムにより実現される機能は、構成で説明した内容と同じなので、説明は省略する。
【0050】
<実施形態1 ハードウェア マスタモジュール>
図5は、本実施形態のマルチスレイブ制御システムのマスタモジュールのハードウェア構成の一例を示す概念図である。
図5に示すように、CPUと、不揮発性メモリ(例えば、ROM、SSDなど)と、主メモリと、制御用PCやマスタモジュールなどとの接続のためのイーサネット通信I/F(
図5中では、インターフェイスをI/Fと略記)と、制御モジュールなどとの接続のための汎用のシリアル通信インターフェイスI/F1と、ユーザI/Fと、内部バスとの通信I/Fをコントロールするバスコントローラと、内部バス伝送時にDMA方式(メモリとのデータ転送時にCPUを介さず転送する方法)を行うためのコントローラDMACと、を備え、それらの間で信号の授受等を行うためのシステムバスを備える。CPUはカスタマイズ された専用CPUを使い、OS(オペレーティングシステム)の代わりに専用のファームウェアを使用することもできる。また複 数コアのCPU又は/及び十分なキャッシュメモリを持つシステムであれば、メモリ不足による動作遅延を防止しやすいため、好ましい。
【0051】
不揮発性メモリには、OS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、 各スレイブモジュール が担当する制御対象物の物理量測定ポイントにおける物理量の測定結果を受信する受信プログラムなどの各種プログラムや特定ポート番号が記録されている。そして、各プログラムを展開及び実行しインターフェイスを介して取得した情報やデータを不揮発性メモリに格納し、格納された情報やデータを主メモリのワーク領域にてプログラムの実行による加工などを行い、不揮発性メモリに保持し、又はイーサネット通信インターフェイス又はシリアル通信インターフェイスを介してプログラムの実行によりデータ収集装置へ出力する。
【0052】
<実施形態1 ハードウェア スレイブモジュール>
図6は、本実施形態のマルチスレイブ制御システムの各スレイブモジュールのハードウェア構成の一例を示す概念図である。
図6に示すように、CPUと、不揮発性メモリ(例えば、ROM、SSDなど)と、主メモリと、制御モジュールなどとの接続のための汎用のシリアル通信インターフェイスI/F1と、ユーザI/Fと、内部バスとの通信I/Fをコントロールするバスコントローラと、内部バス伝送時にDMA方式(メモリとのデータ転送時にCPUを介さず転送する方法)を行うためのコントローラDMACと、物理量測定結果入力等のインターフェイスである制御系I/Fと、を備え、それらの間で信号の授受等を行うためのシステムバスを備える。CPUはカスタマイズされた専用CPUを使い、OS(オペレーティングシステム)の代わりに専用のファームウェアを使用する こともできる。また複数コアのCPU又は/及び十分なキャッシュメモリを持つシステムであれば、メモリ不足による動作遅延を防止しやすいため、好ましい。
【0053】
不揮発性メモリには、OS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、スレイブモジュールを起動する起動命令を受け付ける起動命令受付プログラムと、自身を一意に特定するスレイブIDを保持するスレイブID保持プログラムと、制御対象物の測定ポイントの物理量を測定する物理量測定プログラムなどの各種プログラムや特定ポート番号が記録されている。そして、各プログラムを展開及び実行しインターフェイスを介して取得した情報やデータを不揮発性メモリに格納し、格納された情報やデータを主メモリのワーク領域にてプログラムの実行による加工などを行い、不揮発性メモリに保持し、又はシリアル通信インターフェイスを介してプログラムの実行によりマスタモジュールへ応答を出力する。
【0054】
<実施形態1 ハードウェア Docker(管理サーバ)>
図7は、実施形態1の命令送信装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態1の管理サーバは、CPUと、メインメモリと、不揮発性メモリと、チップセットと、I/Oコントローラと、LANコントローラと、外部通信インターフェイスと、グラフィックカードと、を有し、さらに、不揮発性メモリ内に制御プログラムとして、管理プログラムと、データ登録プログラムと、通信プログラムを有する。
【0055】
CPUは、メインメモリから、プログラムを読み出して実行し、各種機能を実現する。メインメモリは、適宜必要なプログラムやデータがロードされ、CPUから読み出される。不揮発性メモリは、プログラムやデータを保持する。チップセットは、ブリッジであり、CPUやメインメモリなどの高速なデバイスと、不揮発性メモリや各種インターフェイスなどの低速なデバイスとの間のアクセスの調停を行う。ユーザーインタフェースは、利用者のスイッチなどの操作を取得し、CPUに通知する。LANインターフェイスは、インターネットなどのネットワークにアクセスし、環境情報を取得する。外部通信インターフェイスは、シリアル通信などのポイント・ツー・ポイントの通信手段である。グラフィックカードは、本発明のマルチスレイブ制御システムが実行される端末の画面等の表示制御を行う。
各プログラムにより実現される機能は、構成で説明した内容と同じなので、説明は省略する。
<実施形態1 ハードウェア データ収集装置>
図12は、実施形態1のデータ収集装置のハードウェア構成を示すブロック図である。実施形態1のデータ収集装置は、CPUと、メインメモリと、不揮発性メモリと、チップセットと、I/Oコントローラと、LANコントローラと、外部通信インターフェイスと、グラフィックカードと、を有し、さらに、不揮発性メモリ内に制御プログラムとして、制御プログラム等を有する。
【0056】
CPUは、メインメモリから、プログラムを読み出して実行し、各種機能を実現する。メインメモリは、適宜必要なプログラムやデータがロードされ、CPUから読み出される。不揮発性メモリは、プログラムやデータを保持する。チップセットは、ブリッジであり、CPUやメインメモリなどの高速なデバイスと、不揮発性メモリや各種インターフェイスなどの低速なデバイスとの間のアクセスの調停を行う。ユーザーインタフェースは、利用者のスイッチなどの操作を取得し、CPUに通知する。LANインターフェイスは、インターネットなどのネットワークにアクセスし、環境情報を取得する。外部通信インターフェイスは、シリアル通信などのポイント・ツー・ポイントの通信手段である。グラフィックカードは、本発明のデータ収集装置が実行される端末の画面等の表示制御を行う。
各プログラムにより実現される機能は、構成で説明した内容と同じなので、説明は省略する。
【0057】
<実施形態1 処理の流れ>
次に実施形態1の処理の流れについて説明する。
図2は、データ収集装置の設定内容を変更する場合の本実施形態の処理の流れの一例を示したものである。
なお、下記のステップの実行順序は、前の処理の出力結果等を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序であってよい。
【0058】
(1.データ収集装置の設定内容を変更する場合)
利用者が、例えば命令送信装置等を用いて、データ判定条件設定命令を作成し、それを送信する操作を行う(S0201)。
上記の操作に応じて、当該命令送信装置の制御部は、データ判定条件設定命令のパケットを生成し(S0202)、それを、管理部を有するDockerに送信してよい(S0203)。上記の送信で用いられる通信プロトコルは、高速通信可能なgRPC(登録商標)プロトコル等であってよい。
【0059】
Dockerの管理部は、上記のパケットを受信すると、上記のパケットをキャスターに受け渡してよい(S0204)。管理部は、上記の操作内容に基づいた情報等を設定履歴保持部に登録してよい(S0205)。
【0060】
キャスターは、上記のパケットを受信すると、第1の通信プロトコルによる通信で、そのパケットをデータ収集装置に送信してよい(S0206)。
【0061】
データ収集装置は、上記のパケットを受信すると、データ判定条件設定命令に含まれるチャンネルごとの設定内容をデータ判定条件保持部に設定してよい(S0207)。
【0062】
(2.データ収集装置から測定結果がキャスターに送信される場合)
図3は、本実施形態の処理の流れの一例を示したものである。
各スレイブモジュールは、マスタモジュールを介して、センサ等で測定された測定結果をデータ収集装置に送信する(S0301、S0302)。データ収集装置の制御部は、測定結果を受信し、所定量の測定結果が蓄積されると、それらのチャンネルごとの測定結果を1のパケットに纏め、キャスターに送信してよい(S0303)。このとき、MQTTプロトコルによる通信によって上記の通信が行われてよい。
【0063】
キャスターは、データ登録部に上記のパケットをデータ登録部に受け取渡すと、データ登録部は受信したパケットのデータに基づいて、測定機器の測定結果を測定収集結果保持部に登録してよい(S0304)。
【0064】
<実施形態2>主として請求項10~18に対応
<実施形態2 概要>
図8は、本実施形態のマルチスレイブ制御システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。図示するように、マルチスレイブ制御システム800は、命令送信装置802と、Docker(管理サーバ)808と、記録計812と、中継器814と、マスタモジュール815とスレイブモジュール817とを有する。さらに、Dockerは、管理部803と、データ登録部804と、キャスター805と、設定履歴保持部806と測定収集結果保持部807を有してよい。中継器は、制御部813を有してよい。マスタモジュールとスレイブモジュールはそれぞれ制御部816、818を有してよい。また、各装置は、通信部と、制御部、表示部、操作部等を有してよい。
図11は、本発明の実施形態2のマルチスレイブ制御システムの全体像を示す概念図である。
実施形態2のマルチスレイブ制御システムは、実施形態1のデータ収集装置に代わって記録計が、マスタモジュールと接続される構成である。また、実施形態1においては、データ収集装置は、キャスターと直接通信が可能となるように構成されるが、実施形態2において、記録計は、所定の中継器を介してキャスターと通信してよい。また、中継器と記録計は、実施形態1の通信路1を介して接続される。記録計とマスタモジュールは、実施形態1で通信路2を介して接続される。
実施形態2は、主に上記の点で実施形態1と相違する。以下、相違部分を説明する。
【0065】
<実施形態2 記録計>
記録計は、データ収集装置と同様、測定対象の測定結果を収集する機能を有する。実施形態1においては、データ収集装置が直接キャスターとデータ通信可能なように構成され得るのに対して、実施形態2においては記録計が、中継器を介してキャスターとデータ通信するように構成される。また、中継器と記録計の間で、パケットが送受信される際に用いられる通信プロトコルは、命令送信装置から送付される第1の通信プロトコルと相違するものである。例えば、上記のプロトコルは、MODBUSプロトコルであってよい。また、データ収集装置と同様に制御部と測定結果保持部とデータ判定条件保持部を有してよい。記録計には、公知のデータロガー等を用いることができる。
【0066】
<実施形態2 中継器814>
中継器814は、キャスターから送信されたデータ判定条件設定命令を受信するとともに、中継器に接続された記録計に上記のパケットを送信する機能を有する。中継器が、キャスターからを含むパケットを受信する際に用いられる第1の通信プロトコルは、MQTTプロトコルであってよい。中継器は、例えば上記のデータ判定条件設定命令を判読し、それらを第1の通信プロトコルとは相違するプロトコルによる通信(MODBUS通信等)で、上記のデータ判定条件設定命令を所望の記録計に送信する。
なお、この場合、データ判定条件設定命令のパケットは対象の記録計等の機器を識別するための装置ID等を含むことが好ましい。この装置IDを用いて、記録計ごとに、接続される測定機器の判定条件を設定することができる。
【0067】
<実施形態2 処理の流れ>
次に本実施形態の処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態の処理の流れの一例を示したものである。
なお、下記のステップの実行順序は、前の処理の出力結果等を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序であってよい。
(1.記録計の設定内容を変更する場合)
【0068】
S0901乃至S0905までの処理は、実施形態1のS0201乃至S0205の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
キャスターは、上記のパケットを受信すると、第1の通信プロトコルによる通信によってそのデータ判定条件設定命令を中継器に送信する(S0906)。中継器は、受信したデータ判定条件設定命令を、装置ID等に基づいて所望の記録計に送信する(S0907)。この送信で用いられる通信プロトコルは、第1の通信プロトコルと相違するものである。例えば、MODBUS通信であってよい。
【0070】
記録計は、上記のパケットを受信すると、受信したデータ判定条件設定命令に基づいて、データ判定条件保持部の設定内容(チャンネル、入力種類、レンジ、警報条件等)を設定する(S0908)。
【0071】
(2.記録計から測定結果がキャスターに送信される場合)
図14は、本実施形態の処理の流れの一例を示したものである。
各スレイブモジュールは、センサ等で測定された測定結果を、マスタモジュールを介して記録計に送信する(S1401、S1402)。記録計は、測定結果を所定間隔で中継器に送信する(S1403)。中継器は、所定量の測定結果が中継器に蓄積されると、それらのチャンネルごとの測定結果を1のパケットに纏め、第1の通信プロトコルによる通信によりキャスターに送信してよい(S1404)。
【0072】
データ登録部は受信したパケットのデータに基づいて、それらの測定結果を測定収集結果保持部に登録してよい(S1405)。
【0073】
<実施形態2 効果>
キャスターが、判定条件設定命令を、中継器を介して記録計に送信する。これにより、命令送信装置から、1つずつのチャンネルに対してではなく、複数のチャンネルに関するデータ判定条件の命令を一括で送信することができる。また、通信する機器が、互いに異なるプロトコルしか対応できない場合でも、キャスターに送信されるパケットのペイロード部にそのパケット自体のプロトコルの形式で記載された命令を含み、所定の中継器を用いることで従来の記録計を用いながら、その機器間でスムーズに通信することが可能となる。
【0074】
<実施形態2 ハードウェア(命令送信装置、管理サーバ、スレイブモジュール、マスタモジュール、記録計)>
命令送信装置、管理サーバ、スレイブモジュール、マスタモジュールのハードウェア構成は、上記の機能部の相違以外は、実施形態1のものと同様なので説明を省略する。
また、記録計は、公知のデータロガーと構成は同様であるため、説明は省略する。
【0075】
<実施形態1 ハードウェア 中継器>
図13は、実施形態2の中継器のハードウェア構成を示すブロック図である。実施形態2の中継器は、CPUと、メインメモリと、不揮発性メモリと、チップセットと、I/Oコントローラと、LANコントローラと、外部通信インターフェイスと、グラフィックカードと、を有し、さらに、不揮発性メモリ内に制御プログラムとして、制御プログラムと、通信プログラムを有する。
【0076】
CPUは、メインメモリから、プログラムを読み出して実行し、各種機能を実現する。メインメモリは、適宜必要なプログラムやデータがロードされ、CPUから読み出される。不揮発性メモリは、プログラムやデータを保持する。チップセットは、ブリッジであり、CPUやメインメモリなどの高速なデバイスと、不揮発性メモリや各種インターフェイスなどの低速なデバイスとの間のアクセスの調停を行う。ユーザーインタフェースは、利用者のスイッチなどの操作を取得し、CPUに通知する。外部通信インターフェイスは、シリアル通信などのポイント・ツー・ポイントの通信手段である。
各プログラムにより実現される機能は、構成で説明した内容と同じなので、説明は省略する。
【符号の説明】
【0077】
マルチスレイブ制御システム・・・100、800
マスタモジュール・・・114、815
制御部・・・113、816
スレイブモジュール・・・116
制御部・・・115、818
通信路・・・1、2
データ収集装置・・・112
制御部・・・109
データ判定条件保持部・・・110
測定結果保持部・・・111
命令送信装置・・・102、802
制御部・・・101、801
管理サーバ・・・108、808
管理部・・・103、803
データ登録部・・・104、804
設定履歴保持部・・・106、806
測定収集結果保持部・・・107、807
キャスター・・・105、805
記録計・・・812
制御部・・・809
データ判定条件保持部・・・810
測定結果保持部・・・811
中継器・・・814
制御部・・・813