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特開2024-154047ヘアカット補助装置、及び、ヘアカット方法
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  • 特開-ヘアカット補助装置、及び、ヘアカット方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154047
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】ヘアカット補助装置、及び、ヘアカット方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20241023BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241023BHJP
【FI】
A61B5/107 700
G06T7/00 660Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067645
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】523145516
【氏名又は名称】宮下 利一
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】宮下 利一
【テーマコード(参考)】
4C038
5L096
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB02
4C038VB21
4C038VC05
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA01
5L096FA52
5L096FA59
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】 頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能なヘアカット補助装置を提供する。
【解決手段】 ヘアカット補助装置1は、対象となる頭部を撮影した元画像X1を取得する取得部2と、元画像X1に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域Yを抽出する抽出部3と、多毛領域Yを所定形状及び所定面積を有するカット単位Zに分割する分割部4と、カット単位Z内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所Pが示された多毛領域Yに関する指示画像X2を表示画面6に表示させる表示制御部5と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる頭部を撮影した元画像を取得する取得部と、
前記元画像に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域を抽出する抽出部と、
前記多毛領域を所定形状及び所定面積を有するカット単位に分割する分割部と、
前記カット単位内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所が示された前記多毛領域に関する指示画像を表示画面に表示させる表示制御部と、
を備えたことを特徴とするヘアカット補助装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記多毛領域を、前記基準量より多く第1の所定量以下の第1の多毛領域と、前記第1の所定量より多い第2の多毛領域と、に分けて抽出し、
前記表示制御は、前記第1の多毛領域について予め設定された前記切除指示箇所が示された前記指示画像を前記表示画面に表示させ、前記第2の多毛領域について予め設定された前記切除指示箇所が示された前記指示画像を前記表示画面に表示させ、
単位面積当たりの前記切除指示箇所の数は、前記第1の多毛領域よりも前記第2の多毛領域の方が多くなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアカット補助装置。
【請求項3】
前記分割部は、前記第1の多毛領域と前記第2の多毛領域では、それぞれ異なる所定形状を有するカット単位に分割し、
前記表示制御部は、前記指示画像上に前記カット単位も表示させることを特徴とする請求項2に記載のヘアカット補助装置。
【請求項4】
コンピュータに実行させるプログラムであって、
対象となる頭部を撮影した元画像を取得する取得するステップと、
前記元画像に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域を抽出するステップと、
前記多毛領域を所定形状及び所定面積を有するカット単位に分割するステップと、
前記カット単位内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所が示された前記多毛領域に関する指示画像を表示画面に表示させるステップと、
を備えたことを特徴とするヘアカット補助プログラム。
【請求項5】
コンピュータで使用される方法であって、
対象となる頭部を撮影した元画像を取得する取得するステップと、
前記元画像に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域を抽出するステップと、
前記多毛領域を所定形状及び所定面積を有するカット単位に分割するステップと、
前記カット単位内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所が示された前記多毛領域に関する指示画像を表示画面に表示させるステップと、
を備えたことを特徴とするヘアカット補助方法。
【請求項6】
対象となる頭部を撮影した元画像を取得する取得部と、前記元画像に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域を抽出する抽出部と、前記多毛領域を所定形状及び所定面積を有するカット単位に分割する分割部と、前記カット単位内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所が示された前記多毛領域に関する指示画像を表示画面に表示させる表示制御部と、を有するヘアカット補助装置を用いたヘアカット方法であって、
前記元画像を前記ヘアカット補助装置に入力するステップと、
前記表示画面に表示された切除指示箇所に相当する実際の対象の頭髪を切除するステップと、
を備えたことを特徴とするヘアカット方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能なヘアカット補助装置、及び、ヘアカット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被験者の頭髪量の定量化を可能とする客観的な頭髪撮影画像のデータ処理方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-9700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術を用いて被験者の頭髪量を定量化することで、「この部分が薄毛である」等を把握することは可能であるが、バラツキを抑えた髪型にするために「どの部分をどれだけカットするべきか」を判断することは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能なヘアカット補助装置、ヘアカット補助方法、及び、ヘアカット方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、対象となる頭部を撮影した元画像を取得する取得部と、前記元画像に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域を抽出する抽出部と、前記多毛領域を所定形状及び所定面積を有するカット単位に分割する分割部と、前記カット単位内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所が示された前記多毛領域に関する指示画像を表示画面に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とするヘアカット補助装置を提供している。
【0007】
このような構成によれば、頭部のどの部分をどれだけ切除すべきかが明確になるので、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能となる。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、上記ヘアカット補助装置に対応するヘアカット補助プログラム、ヘアカット補助方法、及び、ヘアカット方法を提供している。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヘアカット補助装置、ヘアカット補助方法、及び、ヘアカット方法によれば、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態によるヘアカット補助装置のブロック図
図2】本発明の実施の形態による多毛領域の抽出の説明図
図3】本発明の実施の形態による多毛領域の分割の説明図
図4】本発明の実施の形態による分割用平面像の説明図
図5】本発明の実施の形態によるヘアカット補助装置の動作のフローチャート
図6】本発明の変形例による切除指示箇所の説明図
図7】本発明の変形例による分割用平面像の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態によるヘアカット補助装置1、及び、ヘアカット方法について、図1図5を参照して説明する。
【0012】
ヘアカット補助装置1は、図1に示すように、取得部2と、抽出部3と、分割部4と、表示制御部5と、表示画面6と、を備えている。
【0013】
取得部2は、対象となる頭部を撮影した元画像X1を取得する。図2は、側頭部を撮影した例を示しているが、前方、後方、両側方、上方等の様々な方向から撮影することが好ましい。
【0014】
抽出部3は、図2に示すように、元画像X1に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量より多い多毛領域Yを抽出する。
【0015】
従って、抽出部3は、イメージ分析を行い、毛穴を検出できる能力を有している必要がある。毛穴の検出に当たっては、毛穴を検出可能になるまで元画像X1を拡大して行う方法等が考えられる。なお、図2では、前頭部は、薄毛であるため多毛領域Yとしては抽出されないこととなる。
【0016】
基準量は、複数の対象となる頭部に対して同一のものを用いても良いし、異なるものを用いても良い。
【0017】
特に、本実施の形態では、抽出部3は、図2に示すように、多毛領域Yを、基準量より多く第1の所定量以下の第1の多毛領域Y1と、第1の所定量より多い第2の多毛領域Y2と、に分けて抽出する。
【0018】
分割部4は、図3に示すように、多毛領域Yを所定形状及び所定面積を有するカット単位Zに分割する。なお、各多毛領域Yを分割した際、図3に示すように、カット単位Zの一部が欠落した欠落カット単位Z3が生じ得る。
【0019】
本実施の形態では、分割部4は、第1の多毛領域Y1と第2の多毛領域Y2では、それぞれ異なる所定形状を有するカット単位Zに分割する。
【0020】
本実施の形態では、第1の多毛領域Y1を正方形のカット単位Z1に分割し、第2の多毛領域Y2を正三角形のカット単位Z2に分割した例を示している。ここでは、正方形と正三角形は、同一の辺の長さを有するものとする。
【0021】
分割の方法としては、様々な方法が考えられるが、本実施の形態では、図3に示すような、各カット単位Zを縦横に隙間なく配列した分割用平面像Sを各領域に配置することで分割するものとする。正三角形のカット単位Z2の場合には、上下が逆の正三角形を組み合わせることで、縦横に隙間なく配列することが可能となる。
【0022】
カット単位Zのサイズは、適宜設定すれば良いが、より正確なヘアカットを行うためには、元画像X1に映った頭部の大きさに対して所定の割合のサイズを有するカット単位Zを採用する等が考えられる。
【0023】
表示制御部5は、カット単位Z内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所Pが示された多毛領域Yに関する指示画像X2を表示画面6に表示させる。表示画面6は、ヘアカット補助装置1と一体であっても良いし、別体であっても良い。本実施の形態では、指示画像X2として、図3に示すように、元画像X1上に切除指示箇所Pを示したものを表示させる。図3では、煩雑化を避けるために、切除指示箇所Pは一部のみ示している。切除指示箇所Pは、図示せぬ記憶部等に予め記憶させておけば良い。
【0024】
ユーザは、表示画面6に表示された切除指示箇所Pに相当する実際の対象の頭髪を切除することとなる。この際、切除指示箇所Pのみを切除することで、頭髪がバランスよく切除される(間引かれる)こととなる。
【0025】
本実施の形態では、表示制御部5は、第1の多毛領域Y1について予め設定された切除指示箇所P1が示された指示画像X2を表示画面6に表示させ、第2の多毛領域Y2について予め設定された切除指示箇所P2が示された指示画像X2を表示画面6に表示させる。また、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数は、第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなるように設定されている。
【0026】
例えば、図3に示すように、各カット単位Zの中心の一か所のみを切除指示箇所Pとした場合、第1の多毛領域Y1(正方形)の単位面積当たりの切除指示箇所P1の数は“1”となり、第2の多毛領域Y2(三角形)の単位面積当たりの切除指示箇所P2の数は約“2.3”となる。
【0027】
これにより、第1の多毛領域Y1よりも毛穴量の多い第2の多毛領域Y2では、多くの頭髪が切除され、よりバラツキを抑えた髪型にヘアカットすることが可能となる。
【0028】
なお、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数は、切除に使用するハサミの種類(通常のハサミ、すきハサミ等)も考慮して設定することが好ましい。
【0029】
また、表示制御部5は、指示画像X2上にカット単位Zも表示させる。
【0030】
これにより、カット単位Zの形状の差異により第1の多毛領域Y1の切除指示箇所P1と第2の多毛領域Y2の切除指示箇所P2を視覚的に区別しやすくなるので、切除の失敗が抑制される。
【0031】
なお、頭部と重なっていないカット単位Zに関しては、表示する必要はないが、もしも表示する場合には、誤って切除してしまうことを防止するために、切除指示箇所Pは表示しないことが好ましい。また、欠落カット単位Z3に関しても、切除指示箇所Pが欠落カット単位Z3に含まれていない場合には、その切除指示箇所Pを表示しないことが好ましい。
【0032】
続いて、図5のフローチャートを用いて、ヘアカット補助装置1の動作の流れについて説明する。
【0033】
まず、対象となる頭部を撮影した元画像X1を取得する(S1)。元画像X1は、ユーザが撮影手段で対象となる頭部を撮影したものを、ヘアカット補助装置1に送信(入力)しても良いし、ヘアカット補助装置1に予め備えた撮影手段で撮影した元画像X1をそのまま入力しても良い。また、撮影に当たっては、ヘアカット補助装置1が毛穴を検出しやすいように、髪留めピンで分髪ブロッキングした上で撮影を行うことが好ましい
【0034】
続いて、元画像X1に映った頭部の中で、単位面積当たりの毛穴量が予め設定された基準量を超える多毛領域Yを抽出する(S2)。本実施の形態では、抽出部3は、多毛領域Yを、基準量より多く第1の所定量以下の第1の多毛領域Y1と、第1の所定量より多い第2の多毛領域Y2と、に分けて抽出する。
【0035】
続いて、多毛領域Yを所定形状及び所定面積を有するカット単位Zに分割する(S3)。本実施の形態では、第1の多毛領域Y1と第2の多毛領域Y2では、それぞれ異なる所定形状を有するカット単位Zに分割する。この際、図3に示すように、カット単位Zが欠落した欠落カット単位Z3が生じ得る。
【0036】
最後に、カット単位Z内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所Pが示された指示画像X2を表示画面6に表示させる(S4)。本実施の形態では、第1の多毛領域Y1について予め設定された切除指示箇所P1が示された指示画像X2を表示画面6に表示させ、第2の多毛領域Y2について予め設定された切除指示箇所P2が示された指示画像X2を表示画面6に表示させる。単位面積当たりの切除指示箇所Pの数は、第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなるように設定されている。
【0037】
ユーザは、表示画面6に表示された切除指示箇所Pの頭髪を切除することとなるが、この際、欠落カット単位Z3に関しては、切除指示箇所Pが欠落カット単位Z3に含まれている場合には、その箇所の切除を行い、切除指示箇所Pが欠落カット単位Z3に含まれていない場合には、その箇所の切除を行わないことが好ましい。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態によるヘアカット補助装置1では、多毛領域Yを所定形状及び所定面積を有するカット単位Zに分割し、カット単位Z内で頭髪を切除すべき箇所として予め設定された切除指示箇所Pが示された多毛領域Yに関する指示画像X2を表示画面6に表示させる。
【0039】
このような構成によれば、頭部のどの部分をどれだけ切除すべきかが明確になるので、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であっても、バラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態によるヘアカット補助装置1では、多毛領域Yを、基準量より多く第1の所定量以下の第1の多毛領域Y1と、第1の所定量より多い第2の多毛領域Y2と、に分けて抽出し、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数は、第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなるように設定されている。
【0041】
このような構成によれば、毛穴量の多い第2の多毛領域Y2では多くの頭髪が切除されるので、よりバラツキを抑えた髪型にヘアカットすることが可能となる。
【0042】
また、本実施の形態によるヘアカット補助装置1では、第1の多毛領域Y1と第2の多毛領域Y2では、それぞれ異なる所定形状を有するカット単位Zに分割する。
【0043】
このような構成によれば、カット単位Zの形状の差異により第1の多毛領域Y1の切除指示箇所P1と第2の多毛領域Y2の切除指示箇所P2を視覚的に区別しやすくなるので、切除の失敗が抑制される。
【0044】
尚、本発明のヘアカット補助装置、及び、ヘアカット補助方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0045】
例えば、上記実施の形態では、各カット単位Zの中心の一か所のみを切除指示箇所としたが、これに限らない。例えば、図6に示すように、各カット単位Zの各角部を切除指示箇所Pとしても良い。
【0046】
但し、この場合、第1の多毛領域Y1(正方形)の切除指示箇所P1は“4”、第2の多毛領域Y2(正三角形)の切除指示箇所P2は“3”となるが、分割用平面像Sのように各カット単位Zを縦横に隙間なく配列した場合、切除指示箇所Pは隣接するカット単位Z間で共有することとなる。例えば、図6(a)に示す正方形のカット単位Z1の場合、一の角部を4つのカット単位Z1で共有していることとなり、図6(b)に示す正三角形のカット単位Z2の場合、一の角部を6つの各カット単位Zで共有していることとなる。
【0047】
この場合、図6(a)では、一のカット単位Z1(正方形)当たりの切除指示箇所P1は、1/4(共有)×4角部=“1”、図6(b)では、一のカット単位Z2(正三角形)当たりの切除指示箇所P2は、1/6(共有)×3角部=“0.5”となる。正方形と正三角形は、同一の辺の長さを有するものとすると、図6(a)では、単位面積当たりの切除指示箇所P1は“1”、図6(b)では、単位面積当たりの切除指示箇所P2は約“1.2”となり、この場合も、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数は、第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなる。
【0048】
このように、切除指示箇所Pを隣接するカット単位Zで共有する場合には、共有割合まで考慮して、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数が第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなるように設定する必要がある。単位面積当たりの切除指示箇所Pの数が第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くならない場合には、例えば、カット単位Zの形状や面積を変更することや、カット単位Zの切除指示箇所を増減させる等が考えられる。
【0049】
また、各カット単位Zを縦横に隙間なく配列した分割用平面像Sとしては、上記実施の形態で挙げたものに限らず、図7のように様々なものが考えられる。
【0050】
また、上記実施の形態では、第1の多毛領域Y1と第2の多毛領域Y2では、それぞれ異なる所定形状(正方形、正三角形)を有するカット単位Zに分割したが、単位面積当たりの切除指示箇所Pの数が第1の多毛領域Y1よりも第2の多毛領域Y2の方が多くなれば、これに限らない。例えば、第1の多毛領域Y1と第2の多毛領域Y2を同一の所定形状及び所定面積を有するカット単位Zに分割し、切除指示箇所Pだけ異ならせても良い。
【0051】
なお、頭髪がバランスよく切除される(間引かれる)ためには、切除指示箇所Pは、カット単位Z内において対称となる位置に設定されることが好ましい。例えば、切除指示箇所Pは、所定形状の中心部、角部、辺上等に設定することが考えられる。
【0052】
また、必ずしも、多毛領域Yを第1の多毛領域Y1と多い第2の多毛領域Y2に分けなくても、多毛領域Yをカット単位Zに分割し、切除指示箇所Pが示された多毛領域Yに関する指示画像X2を表示画面6に表示させるだけでも、多毛領域Yに関してどの部分を切除すべきかが明確になるので、頭部の中で頭髪量にバラツキがある場合であってもバラツキを抑えた髪型に容易にヘアカットすることが可能となる。
【0053】
また、本発明は、コントローラとしての取得部2、抽出部3、分割部4、及び、表示制御部5が行う処理に相当するプログラム及び方法や、当該プログラムを記憶した記録媒体にも応用可能である。記録媒体の場合、コンピュータ等に当該プログラムがインストールされることとなる。ここで、当該プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体としては、CD-ROM等が考えられるが、それに限定されるものではない。
【0054】
更に、本発明は、ヘアカット補助装置1を用いたヘアカット方法であって、元画像X1をヘアカット補助装置1に入力するステップと、表示画面6に表示された切除指示箇所Pに相当する実際の対象の頭髪を切除するステップと、を備えたことを特徴とするヘアカット方法にも応用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 ヘアカット補助装置
2 取得部
3 抽出部
4 分割部
5 表示制御部
6 表示画面
P 切除指示箇所
S 分割用平面像
X1 元画像
X2 指示画像
Y 多毛領域
Y1 第1の多毛領域
Y2 第2の多毛領域
Z カット単位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7