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特開2024-15406フレーバー組成物が組込まれた動物用玩具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015406
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】フレーバー組成物が組込まれた動物用玩具
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A01K15/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211063
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2020512356の分割
【原出願日】2018-08-31
(31)【優先権主張番号】62/552,586
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519413966
【氏名又は名称】ロジカル ブランズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】レンディ ビーティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ スペンサー
(57)【要約】
【課題】本発明は、フレーバー組成物が組込まれた非毒性ポリマー製の動物用玩具に関する。
【解決手段】フレーバー組成物は、フレーバー組成物を著しく喪失することなく玩具を形成するために使用されるポリマー加工技術に耐える高い引火点を提供するために乳化される。例示的な動物用玩具には、発泡体ポリマー製本体及び内部にフレーバーエマルジョンが混合されたエラストマーを伴う玩具ならびに外側繊維及びコア繊維の全部又は一部が組込まれたフレーバー組成物を有している半結晶性のポリマー繊維玩具、が含まれる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にフレーバー組成物が組込まれた非毒性ポリマー製本体、
を含む動物用玩具。
【請求項2】
前記フレーバー組成物が食品フレーバー組成物である、請求項1に記載の動物用玩具。
【請求項3】
前記食品フレーバー組成物が天然フレーバーである、請求項2に記載の動物用玩具。
【請求項4】
前記食品フレーバー組成物がビーフ、チキン、スイートポテトパイ、チェダーチーズ、ピーナツバター又はベーコンフレーバーを含む、請求項2又は3に記載の動物用玩具。
【請求項5】
前記ポリマー製本体がポリマーマトリクスを含み、前記フレーバー組成物が前記ポリマーマトリクス内に組込まれている、請求項1~4のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項6】
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、前記フレーバー組成物が前記非毒性ポリマー製本体から放出される、請求項1~5のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項7】
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、請求項1~6のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項8】
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、請求項1~7のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項9】
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項10】
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項11】
前記フレーバー組成物が乳化されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項12】
前記非毒性ポリマー製本体がエラストマーを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項13】
前記非毒性ポリマー製本体がコアエラストマー層と、前記コアエラストマー層上に成形されたオーバモールドエラストマー層とを含む、請求項12に記載の動物用玩具。
【請求項14】
前記コア層が少なくとも約50のショアA硬度を有し、前記オーバーモールド層が少なくとも約35のショアA硬度を有する、請求項13に記載の動物用玩具。
【請求項15】
前記非毒性ポリマー製本体が天然ゴムラテックスから形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項16】
前記非毒性ポリマー製本体が発泡体を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項17】
前記非毒性ポリマー製本体が、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマーを含む、請求項1~11及び16のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項18】
前記非毒性ポリマー製本体が、エチレン酢酸ビニルコポリマー発泡体を含む、請求項17に記載の動物用玩具。
【請求項19】
前記非毒性エチレン酢酸ビニル発泡体が、少なくとも約40のショアA硬度を有する、請求項18に記載の動物用玩具。
【請求項20】
前記ポリマー製本体が、約3~約8グラム/10分のISO1133-1(2.15kg/190℃)にしたがったメルトフローレートを有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、請求項1~11及び16~19のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項21】
前記ポリマー製本体が、コポリマーの約25~約35重量パーセントを構成する酢酸ビニル単位を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、請求項1~11及び16~20のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項22】
前記非毒性ポリマー製本体が、約60℃~約110℃の溶融範囲を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、請求項1~11及び16~21のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項23】
前記動物用玩具が、前記エチレン酢酸ビニルコポリマーと、前記フレーバー組成物を含み少なくとも約80℃の引火点を有するエマルジョンとを、組合せることによって調製される、請求項22に記載の動物用玩具。
【請求項24】
ボールの形をしている、請求項1~11及び16~22のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項25】
複数の平面状の小面を有する、請求項24に記載の動物用玩具。
【請求項26】
複数の円錐台形突出部を有する、請求項24に記載の動物用玩具。
【請求項27】
複数の突起を含む小面を伴う卵形形状を有する、請求項1に記載の動物用玩具。
【請求項28】
リングの形をしている、請求項1に記載の動物用玩具。
【請求項29】
骨の形をしている、請求項1に記載の動物用玩具。
【請求項30】
複数の非毒性の編まれたポリマー繊維を含む動物用玩具であって、コア区分と外側区分を有し、さらに前記外側区分の中及び前記コア区分の少なくとも一部分にフレーバー組成物を含む、動物用玩具。
【請求項31】
前記ポリマー繊維が半結晶性繊維を含む、請求項30に記載の動物用玩具。
【請求項32】
前記コア区分が第1のタイプの半結晶性繊維を含み、前記外側区分が第2のタイプの半結晶性繊維を含み、前記第2のタイプの半結晶性繊維が前記第1のタイプの半結晶性繊維よりも高いウィッキング能力を有する、請求項30又は31に記載の動物用玩具。
【請求項33】
前記第2のタイプの半結晶性繊維が前記第1のタイプの半結晶性繊維よりも高い湿潤性を有する、請求項32に記載の動物用玩具。
【請求項34】
前記フレーバー組成物が天然フレーバーである、請求項30ないし33のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項35】
前記フレーバーが食品フレーバーである、請求項30~34のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項36】
前記フレーバー組成物が、ビーフフレーバー、チキンフレーバー、ピーナツバターフレーバー、チェダーチーズフレーバー、スイートポテトパイフレーバー又はベーコンフレーバーを含む、請求項35に記載の動物用玩具。
【請求項37】
食品グレードのフレーバー組成物が、前記コア区分の一部分のみの中に存在する、請求項36に記載の動物用玩具。
【請求項38】
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、前記フレーバー組成物が前記外側区分へと移動する、請求項30~37のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項39】
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、請求項30~38のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項40】
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、請求項39に記載の動物用玩具。
【請求項41】
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、請求項30~40のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項42】
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、請求項30~41のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項43】
前記フレーバー組成物が乳化されている、請求項30~42のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項44】
少なくとも約80℃の引火点を有する乳化されたフレーバー組成物を含む、請求項30~43のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項45】
前記コア区分が編まれている、請求項30~44のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項46】
ある形状を有する動物用玩具の製造方法であって、
非毒性ポリマーを提供することと;
前記非毒性ポリマーとフレーバー組成物を混合してフレーバー組成物が組込まれたポリマーを産出することと;
前記動物用玩具の前記形状を画定する型を用いて前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形することと;
を含む方法。
【請求項47】
前記非毒性ポリマーが、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマーである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記一価不飽和カルボン酸の前記エステルが酢酸ビニルである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記非毒性ポリマーが非毒性ポリマー発泡体前駆体であり、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と前記フレーバー組成物とを混合するステップにはさらに、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤を混合することが含まれ、前記混合ステップは、少なくとも約3分間、少なくとも約100℃の温度で実施される、請求項46~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記成形ステップが、少なくとも約12分間、少なくとも約140℃の温度で実施される、請求項46~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記非毒性ポリマー発泡体前駆体がエチレン酢酸ビニルコポリマーである、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤及びフレーバー組成物とを混合するステップには、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤及び前記フレーバー組成物を含むエマルジョンとを混合することが含まれる、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
フレーバー組成物の量が、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体の重量の約0.045~約3.0パーセントである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記エマルジョンが、少なくとも1つのカルボン酸トリグリセリドエステルを含む溶媒を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記溶媒が、前記エマルジョンの重量の約70パーセント~約95パーセントの範囲内の量で存在する少なくとも1つの中鎖トリグリセリドを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記溶媒が、前記エマルジョンの重量の約0.5パーセント~約10パーセントの範囲内の量でトリアセチンを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記エマルジョンがさらに、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記エマルジョンが少なくとも約80℃の引火点を有する、請求項46~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
非毒性ポリマーを提供するステップが、エラストマーを提供することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項61】
前記エラストマーが天然ラテックスゴムである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記混合するステップには、少なくとも約0.8分間、少なくとも約65℃の温度で、前記エラストマー、加硫剤、及び前記フレーバー組成物を含むエマルジョンを混合することが含まれる、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
前記フレーバー組成物の量が前記エラストマーの重量の約0.01~約2.3パーセントである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
成形するステップには、10分~約24分間、約120℃~約200℃の範囲内の温度で、前記フレーバーが組込まれたポリマーを圧縮成形することが含まれている、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記エラストマー及び前記加硫剤からコアを成形することをさらに含み、前記コアがフレーバー組成物を含まず、前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形するステップには、前記コア上に前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形するステップが含まれる、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
動物用玩具の製造方法であって、
コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することと;
前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を、フレーバー組成物を含む液体媒質中に浸漬することと;
前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を編まれたコア区分の形に編むことと;
外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することであって、ここで前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維;及び
前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を前記編まれたコア区分上の編まれた外側区分の形に編むことと;
を含む方法。
【請求項67】
前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維が、前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維よりも大きいウィッキング能力を有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記液体媒質が軟化剤及びフレーバーエマルジョンを含み、前記フレーバーエマルジョンが前記フレーバー組成物及びカルボン酸トリグリセリドエステル溶媒を含む、請求項66又は67に記載の方法。
【請求項69】
前記溶媒が少なくとも1つの中鎖トリグリセリド化合物を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記エマルジョンが、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤をさらに含んでいる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、請求項70に記載のエマルジョン。
【請求項72】
前記エマルジョンが、少なくとも約80℃の引火点を有する、請求項67~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記コア区分がロープ形状である、請求項66~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記外側区分がロープ形状である、請求項72~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
動物用玩具の製造方法であって、
非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することと;
フレーバー組成物を含む液体媒質中に前記繊維を浸漬することと;
前記繊維を編むことと;
を含む、方法。
【請求項76】
ウィッキングを促進するように、前記繊維がコーティング及び/又は成形される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記液体媒質が軟化剤及びフレーバーエマルジョンを含み、前記フレーバーエマルジョンが前記フレーバー組成物及びカルボン酸トリグリセリドエステル溶媒を含む、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
前記溶媒が少なくとも1つの中鎖トリグリセリド化合物を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記エマルジョンが、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤をさらに含んでいる、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、請求項79に記載のエマルジョン。
【請求項81】
前記エマルジョンが少なくとも約80℃の引火点を有する、請求項73~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
複数の非毒性で編まれた半結晶性のポリマー繊維を含む動物用玩具であって、前記非毒性で編まれた半結晶性のポリマー繊維がフレーバー組成物を含む、動物用玩具。
【請求項83】
ウィッキングを促進するように、前記非毒性の編まれた繊維が、コーティング及び/又は成形される、請求項82に記載の動物用玩具。
【請求項84】
前記フレーバー組成物が天然フレーバーである、請求項82又は83に記載の動物用玩具。
【請求項85】
前記フレーバー組成物が、ビーフフレーバー、チキンフレーバー、スイートポテトパイフレーバー、ピーナツバターフレーバー、チェダーチーズフレーバー又はベーコンフレーバーを含む、請求項82~84のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項86】
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、食品グレードフレーバー組成物が外側区分へと移動する、請求項82~85のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項87】
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、請求項82~86のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項88】
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、請求項87に記載の動物用玩具。
【請求項89】
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、請求項82~88のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項90】
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、請求項82~89のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項91】
前記フレーバー組成物が乳化されている、請求項82~90のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項92】
米国消費者製品安全性改善法に適合している、請求項1、30、又は82のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項93】
カリフォルニアプロポジション65に適合している、請求項1、30又は82のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に全体が組込まれている2017年8月31日出願の米国仮特許出願第62/552,586号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、動物用玩具に関し、より詳細にはフレーバー(flavor)組成物が組込まれた(incorporated)動物用玩具に関する。
【背景技術】
【0003】
イヌはヒトよりも何千倍も優れた嗅覚を有する。彼らがもつ増強された嗅覚のため、魅力的な香りを生成する玩具はイヌを誘引し、結果として彼らを長時間遊ばせることになる。近年、ペットの肥満も増大してきており、ペットをカロリーゼロで引込む手段を提供する玩具が望ましくなっている。
【発明の概要】
【0004】
玩具の耐久性を保証し、動物を誘引するものであり続けながら長時間の咀嚼に耐える目的で、天然のビーフ、ベーコン、スイートポテトパイ、ピーナツバター、チェダーチーズ又はチキンフレーバーなどの天然フレーバーを非限定的な例として含めた「天然フレーバー」である組込まれたフレーバー組成物を含むポリマー製動物用玩具(例えばボール、リング、骨)を提供することができれば望ましい。本明細書中の好ましい実施例においては、天然フレーバーは、フレーバー名通り(例えばチキン、ビーフ、ベーコン、チェダーチーズ、スイートポテトパイ、ピーナツバターなど)の味がするだけでなく、動物を誘引してフレーバーが組込まれている玩具に引込ませるフレーバーと一貫性のある香りをも有する。しかしながら、このような玩具は典型的に、フレーバー組成物を引火させると考えられる条件下で実施されるポリマー混合及び成形プロセスを用いて形成され、これは無駄が多く、多くの場合充分に強い魅力的フレーバーの香りを有していない玩具を生み出す。多くの場合において、ポリマー加工温度は、ポリマー内へのフレーバー組成物の直接的組込みを可能にするには、フレーバー組成物の引火点(flash point)と比べ過度に高いものである。
【0005】
ロープ玩具の場合には、玩具をポリマー繊維から形成し、繊維の上及び/又は中に長持ちのする熱安定性のあるフレーバー組成物を提供して、動物の唾液に長時間曝露された後、所望のタイムフレームで繊維が乾燥するように保証することが望ましい。したがって、上述の問題に対処する動物用玩具及びその製造方法に対するニーズが発生している。
【0006】
ここで、添付図面を参照しながら、実施例を用いて本開示を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】組込まれたフレーバー組成物を伴うポリマー発泡体製クランチボール動物用玩具の正面斜視図である。
図2】組込まれたフレーバー組成物を伴うポリマー発泡体製バウンスボール動物用玩具の正面立面図である。
図3A】組込まれたフレーバー組成物を伴うポリマー発泡体製ペブル状チュウ(chew)動物用玩具の正面立面図である。
図3B図3Aのペブル状チュウ動物用玩具の背面立面図である。
図4】組込まれたフレーバー組成物を伴うゴム製リング動物用玩具の上面平面図である。
図5A】組込まれたフレーバー組成物を伴うゴム製骨形動物用玩具の上面平面図である。
図5B図5Aのゴム製骨形玩具の斜視図である。
図5C】コア層及びオーバーモールド(overmold)層を示す図5Aのゴム製骨形玩具の縦断面図である。
図6】組込まれたフレーバー組成物を伴うゴム製ボール動物用玩具の側面立面図である。
図7】フレーバー組成物を伴う成形されたポリマー繊維製タグ玩具の正面立面図である。
図8】フレーバー組成物を伴う成形されたポリマー繊維製ロープスティック玩具の正面立面図である。
図9】フレーバー組成物を含む成形されたポリマー繊維製「モンキーフィスト」玩具の正面立面図である。
図10】組込まれたフレーバー組成物を有する非毒性ポリマー発泡体製動物用玩具の製造方法を例示する流れ図である。
図11】組込まれたフレーバー組成物を有する2層の非毒性エラストマー製動物用玩具の製造方法を例示する流れ図である。
図12】組込まれたフレーバー組成物を有する非毒性の編んだポリマー繊維製玩具の製造方法を例示する流れ図である。
図13】内部に乳化フレーバー組成物が組込まれた動物用玩具の例示的描写である。
図13A図13の一部分のクローズアップである。
図14A】フレーバーの組込みに先立って動物用玩具を形成するために使用される半結晶性(semi-crystalline)ポリマーの例示的描写である。
図14B】ポリマーのガラス転移温度Tgと融点Tmとの間の温度でフレーバー化合物の入った浴の中にポリマーを浸漬させた場合の、図14Aの半結晶性ポリマーの非晶質領域内へのフレーバー化合物の注入の例示的描写である。
図14C】ポリマーがそのガラス転移温度Tg未満にあるときの、図14Bのフレーバーが注入された動物用玩具の例示的描写である。
図15】温度の関数として図14Aの半結晶性ポリマーの体積を描写するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、フレーバー組成物を含む非毒性ポリマー製動物用玩具に関する。本開示の第1の態様においては、内部にフレーバー組成物が組込まれた非毒性ポリマー製本体を含む動物用玩具が提供される。一部の好ましい実施例においては、フレーバー組成物はポリマー製本体のポリマーマトリクス中に、すなわちポリマーの連続相を通って提供される。第2の態様においては、複数の非毒性の編んだポリマー繊維を含む動物用玩具において、繊維のコア区分と繊維の外側区分を有しかつ外側区分の中及びコア区分の少なくとも一部分の中にフレーバー組成物をさらに含んでいる動物用玩具が提供される。一部の好ましい実施例において、ポリマーコア繊維は、例としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)繊維が含まれるポリエステル及びポリアミド繊維などの半結晶性ポリマー繊維を含み、フレーバー組成物は繊維内に吸収されかつ/又は繊維上にコーティングされる。同じ又は他の実施例において、外側区分は、コア繊維のウィッキング(wicking)能力に比べて優れたウィッキング能力(本明細書中で定義される通り)を有する半結晶性ポリマー繊維を含む。
【0009】
フレーバー組成物を乳化された系の中に組込むことにより、そうでなければ単独のフレーバー組成物を分解すると考えられるポリマー加工温度に耐えるのに充分な引火点を有するように、系を調合することが可能であるということが発見された。フレーバーエマルジョンの引火点は、玩具を形成するために使用されるポリマーをフレーバーエマルジョンと組合せた場合に、玩具の製造に使用される高い温度及び加工時間に耐えることのできる均質な系が得られるようなものであることが好ましい。本明細書中の実施例においては、このような高い温度及び加工時間は、少なくとも165℃で少なくとも10分以上の時間にわたる。したがって、本明細書中の好ましい実施例において、本明細書中に記載の動物用玩具の中で使用されるフレーバー組成物は、ポリマー製の玩具本体及び繊維内への組込みを容易にするために高引火点の乳化されたフレーバー系として提供される。一部の実施例において、フレーバー系は、フレーバー組成物、溶媒及び別個の乳化剤を含む。他の実施例では、フレーバー系は、フレーバー組成物と溶媒を含み、ここでフレーバー組成物は組成物の一部として乳化剤を含む。一部の実施例では、フレーバー組成物は、21.C.F.R.101.22(a)(3)の2017年4月改訂版に定義されている「天然フレーバー」を含み、好ましくはこれらの天然フレーバーで構成されている。しかしながら、多くの天然フレーバーは、その引火点のため、ポリマー製玩具中に直接組込むために好適でない。したがって、好ましい実施例において、天然フレーバーは、天然フレーバーを含むフレーバーエマルジョンの一部として提供される。本明細書中で使用される「エマルジョン」なる用語は、1つの液体(「分散相」)が別の液体(「連続相」)中に分散している液体系を意味する。
【0010】
一部の実施例において、分散相はフレーバー組成物であり、連続相は溶媒、例えば1つ以上のカルボン酸トリグリセリドエステルである。他の実施例(「逆エマルジョン」として公知)では、分散相は溶媒であり、連続相はフレーバー組成物である。好ましい実施例において、フレーバーエマルジョンは「天然」であり、これは本明細書中で定義されている通り、その各成分が化学的修飾を受けていない植物、動物又は鉱物誘導体であることを意味している。以上で説明されている「天然フレーバー(natural flavor又はnatural flavors)」なる用語は、21.C.F.R.101.22(a)(3)の2017年4月改訂版中で提供されている定義を意味する。本明細書中に記載の動物用玩具に好適である例示的フレーバー組成物としては、ビーフ、チキン、ピーナツバター、チェダーチーズ、スイートポテトパイ及びベーコンの天然フレーバー組成物が含まれる。しかしながら、他の天然フレーバー及びフレーバー系を使用することも可能である。
【0011】
本明細書中に記載のフレーバーエマルジョンの溶媒構成成分は、1つ以上の天然の有機化合物である。溶媒には、カルボン酸トリグリセリドエステルが含まれる。好適な例示的カルボン酸トリグリセリドエステルには、トリアセチン及び中鎖トリグリセリド(medium chain triglyceride)化合物が含まれる。一部の事例において、フレーバー組成物及び溶媒は、別個の乳化剤を必要とせずに、選択された濃度で組合された場合にエマルジョンを形成する。しかしながら、他の事例においては、別個の乳化剤が溶媒及びフレーバー組成物と組合される。このような別個の乳化剤には、グリセリンのヒドロキシル基の1つ以上がジアセチル酒石酸によって及び脂肪酸によってエステル化されて一般に「DATEM」として知られているモノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルを生成するものなどの、グリセリンの混合型エステルが含まれる。DATEMは天然のエステル化剤である。
【0012】
一部の実施例において、非毒性ポリマー製本体はポリマー発泡体であり、一部の好ましい実施例は、エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー発泡体である。他の実施例においては、非毒性ポリマー製本体はエラストマーであり、一部の好ましい実施例においては天然ラテックスゴムである。好ましい実施例において、フレーバー組成物は、EVAコポリマー発泡体又はゴム内に組込まれた時点で、ビーフ、チキン、ベーコン、ピーナツバター、チェダーチーズ又はスイートポテトパイなどの食品フレーバーの香りを発するように調合されている。
【0013】
好ましい実施例において、動物用玩具(すなわちポリマー製本体又は繊維及びフレーバーエマルジョンの両方を含むもの)は非毒性である。本明細書中で使用される「非毒性」なる用語は、動物用玩具又はその構成成分に関する場合、(改訂ワシントン条例第70,240,040章及びワシントン行政条例第173-334章によって定義されている)ワシントン州における「小児に関係の深い化学物質(CHCC)」のリスト中のいかなる化合物も、それぞれ動物用玩具又はその構成成分の重量に対して30ppmという検出限界を上回る量で存在しないことを意味している。好ましい実施例において、フレーバーエマルジョンは専ら、FEMA GRAS(Flavor & Extract Manufacturers Association and Generally Regarded as Safe)に登録されている成分で構成されている。一部の実施例では、動物用玩具は、Intertek ペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11及び/又はIntertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合する。同じ又は他の好ましい実施例において、動物用玩具は、消費者製品安全改善法(CPSIA)及び/又はカリフォルニアプロポジション65(California Proposition 65)に適合する。
【0014】
同じ又は他の好ましい実施例において、フレーバーエマルジョンのフレーバー組成物部分中の成分は、アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)の公式刊行物(OP)2017に適合するように選択されている。他の好ましい実施例においては、フレーバーエマルジョンは、動物が噛むか又は他の形で混乱させられる前に所望の量のフレーバーの香りを発する完成した玩具を生み出すために、ポリマー加工温度(例えば混合及び成形温度)に充分近い(又はこの温度を超える)引火点を有するように調合されている。引火点は、好ましくは、80℃以上、より好ましくは85℃以上、より一層好ましくは90℃以上、そしてさらに一層好ましくは94℃以上である。
【0015】
本明細書中に記載の動物用玩具の各々はフレーバー組成物を含む。以下で説明するポリマー発泡体及びエラストマー製玩具の場合、フレーバー組成物は好ましくはポリマーマトリクス内に分布している。フレーバー組成物は好ましくはFEMA GRASに適合しており、専らあらゆる天然成分のみで構成される。上述のように、フレーバー組成物は好ましくはフレーバーエマルジョンとして提供され、カルボン酸トリグリセリドエステルである中鎖トリグリセリド又はトリアセチンなどの1つ以上の天然有機化合物で構成された溶媒を含む。トリアセチンは、3つの酢酸分子でエステル化されたグリセロール分子である。MCTは、グリセロール分子にエステル化された3つの中鎖長(約6~12個の炭素)の脂肪酸分子を有するトリグリセリド基を含む。一実施例において、連続相は、(グリセロール分子が1個又は2個のデカン酸又はオクタン酸分子でエステル化されたMCTの種である)デカノイル及びオクタノイルグリセリドの混合物で本質的に構成されるか又は構成される。
【0016】
何らかの理論により束縛されることを望まないものの、本明細書中に記載のフレーバー組成物をエマルジョンの形で提供することにより、フレーバー組成物の引火点は(比較的高いものである)エマルジョンの引火点まで効果的に高められる。より高い引火点は、動物用玩具を形成するために使用されるポリマー加工ステップ(例えば成分の混合及び成形)中にフレーバー組成物が引火するのを防ぐ。エマルジョンは連続相と分散相を含む。一部の実施例において、溶媒(例えばMCT)は連続相であり、フレーバー組成物が分散相である。他の実施例(本明細書中では「逆エマルジョン」と呼ばれる)では、フレーバー組成物が連続相であり、溶媒は分散相である。フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは、玩具を形成するために使用されるポリマーがフレーバーエマルジョンと組合された場合に、玩具を製造するために使用される高い温度及び加工時間に耐えることのできる均質な系が得られるようなものである。本明細書中の実施例において、このような高い温度及び加工時間は、少なくとも10分以上の時間にわたり少なくとも165℃である。
【0017】
本明細書中の例示的フレーバーエマルジョン中の溶媒として使用される場合、MCTは、連続相を含み、使用中のフレーバーのタイプと共に変動し得る。概して本明細書中に記載のフレーバーについては、MCTが溶媒として使用される場合、それらは、エマルジョンの少なくとも約20重量パーセント、好ましくは少なくとも約25重量パーセントそしてより好ましくは少なくとも約30重量パーセントの量で提供される。
【0018】
本明細書中の一部の実施例において、トリアセチンは、溶媒として使用され、分散相を含み、ベーコンフレーバー組成物が連続相を含む。このような実施例によると、トリアセチンは、約0.5~約10パーセント、好ましくは約0.7~約8パーセント、より好ましくは約1~約5パーセントの範囲内の量で存在する。フレーバー組成物及び溶媒の相対濃度は好ましくは、組合わされた液体の乳化性を保つ(すなわちエマルジョンを「壊す」さない)と同時に玩具を形成するために使用されるポリマープロセスに耐えるのに充分な引火点を達成しながら、フレーバー組成物の量を最大化するように選択される。
【0019】
一部の実施例において、そして詳細には本明細書中のビーフ、ベーコン、チェダーチーズ、ピーナツバター、及びスイートポテトパイフレーバー組成物が関与する一部の実施例において、フレーバーエマルジョンは同様に、別個の乳化剤を含むことが好ましい。好適な乳化剤としては、グリセリンの混合型エステル、より好ましくはグリセリンヒドロキシ基の1つ以上がジアセチル酒石酸及び脂肪酸によってエステル化されてモノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸を結果としてもたらしているグリセリンの混合型エステルが含まれる。1つの好適な乳化剤は、一般に当該技術分野においてDATEMとして公知であるモノ及びジグリセリドの植物由来の(植物源から誘導された)ジアセチル酒石酸である。乳化剤が使用される場合、その好ましい濃度はフレーバーと共に変動する。
【0020】
図1~3Bを参照すると、クランチボール20(図1)、バウンスボール36(図2)及びペブル状チュウ46(図3A及び3B)を含むさまざまな異なる動物用玩具が示されている。描かれている動物用玩具20、36及び46の各々は、それぞれポリマー製本体22、38及び48、及びポリマー製本体22、38及び48の中に組込まれたフレーバー組成物を含む。
【0021】
ポリマー製本体22、38、48は好ましくは、ポリマー発泡体製本体である。各玩具20、36及び46中のフレーバー組成物の量は、玩具が噛まれるかそうでなければ壊される前にヒトが検出できるフレーバーの香りを玩具が発することを保証するように選択される。
【0022】
一部の実施例において、ポリマー発泡体は、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルのコポリマーである発泡体前駆体から形成される。エチレンが好ましいアルファオレフィンであり、酢酸ビニルが好ましい一価不飽和カルボン酸のエステルである。発泡体動物用玩具20、36及び46は好ましくは、ペットによる噛みつき及び攻撃的な関与を許容しこれに耐えるように設計され、適切な硬度を有するように設計されている。一部の実施例において、動物用玩具20、36、及び46は、約40~約60デュロメータ、好ましくは約45~約65デュロメータ、そしてより好ましくは約48~約62デュロメータのショアA硬度を有する。1つの具体的実施例においては、50デュロメータのショアA硬度が使用される。
【0023】
一部の実施例において、ポリマー製本体は、EVAコポリマーから形成される。EVAコポリマー発泡体は、動物がポリマー製本体をパンクさせることができるものの引裂はできないことを意図して遊びに関与することから、いくつかの動物用玩具にとっては有益である。一部の実施例においては、好適なEVAコポリマーは、ISO1131-1(2.16kg/190℃)に準じて、約3~約8グラム/10分、好ましくは約5~約7グラム/10分、より一層好ましくは約5.5~約6.5グラム/10分というメルトフローレートを有する。
【0024】
同じ又は他の実施例において、ポリマー製本体は、約20重量パーセント~約30重量パーセント、より好ましくは約24重量パーセント~約28重量パーセントそしてさらに一層好ましくは約25重量パーセント~約27重量パーセントを構成する酢酸ビニル単位を有するEVAコポリマーから形成される。好適な市販のEVAコポリマーはBASF V6110Mである。BASF V6110Mは、ISO1131-1(2.16kg/190℃)に準じた6というメルトフローレート及び26重量パーセントという酢酸ビニル含有量を有する。
【0025】
動物用玩具20、36及び46は同様に好ましくは、フレーバーエマルジョンとして提供される組込まれたフレーバー組成物を含む。本明細書中に記載の非毒性ポリマー発泡体製本体及びフレーバーを含む玩具の場合、玩具を形成する際にポリマーに添加されるフレーバーエマルジョンの量は、玩具の重量の約1.5~約4.0パーセント、好ましくは約2.0~約3.5パーセント、そしてより好ましくは約2.5~約3.0パーセントである。フレーバー組成物の量は、玩具の重量の約0.045~約3.0重量パーセント、好ましくは約0.1~約2.5重量パーセント、より好ましくは約0.15~約2.2重量パーセントである。
【0026】
図13及び13Aを参照すると、組込まれたフレーバーエマルジョンを伴う玩具140の実例が描かれている。ポリマー鎖141(例えばEVAコポリマー)は、玩具140を構成する基材であるポリマーマトリクスを画定する。溶媒142(例えばMCT)の液滴が、乳化剤146(例えばDATEM)を介してポリマー鎖141に結合されており、ポリマー鎖141の間にフレーバー分子144が分布している。
【0027】
ピーナツバターフレーバー組成物を含む組込まれたフレーバーエマルジョンを伴う玩具20、36及び46の一部の実施例において、エマルジョンの重量あたりのピーナツバターフレーバー組成物は、好ましくは約20パーセント~約35パーセント、好ましくは約22パーセント~約32パーセント、より好ましくは約24パーセント~約29パーセントである。同じ又は他の実施例において、エマルジョンは、エマルジョンの重量の約60パーセント~80パーセント、好ましくは約65パーセント~約75パーセントそしてより好ましくは約68パーセント~約73パーセントの範囲内の量で中鎖トリグリセリドを含む溶媒を含む。DATEM乳化剤は好ましくは、エマルジョンの重量の約5パーセント以下、好ましくは約4パーセント以下、そしてより好ましくは約2パーセント以下である、非ゼロ量で存在する。
【0028】
チェダーチーズフレーバー組成物を含む組込まれたフレーバーエマルジョンを伴う玩具20、36及び46の一部の実施例において、フレーバーエマルジョンの重量あたりのチェダーチーズフレーバー組成物は、約55パーセント~約75パーセント、好ましくは約60パーセント~約70パーセント、より好ましくは約62パーセント~約67パーセントである。同じ又は他の実施例において、フレーバーエマルジョン溶媒は、好ましくはエマルジョンの重量の約20パーセント~約45パーセント、好ましくは約25パーセント~約40パーセントそしてより好ましくは約30パーセント~約35パーセントの範囲内の量で存在する中鎖トリグリセリドを含む。DATEM乳化剤は好ましくは、エマルジョンの重量の約5パーセント以下、好ましくは約4パーセント以下、そしてより好ましくは約2パーセント以下である、非ゼロ量で存在する。
【0029】
スイートポテトパイフレーバー組成物を含む組込まれたフレーバーエマルジョンを伴う玩具20、36及び46の一部の実施例において、フレーバーエマルジョンの重量あたりのスイートポテトパイフレーバー組成物は、約5パーセント~約15パーセント、好ましくは約6パーセント~約14パーセント、より好ましくは約8パーセント~約13パーセントである。同じ又は他の実施例において、溶媒は好ましくはトリアセチンと中鎖トリグリセリドの組合せである。中鎖トリグリセリドは好ましくは、エマルジョンの重量の約65パーセント~約90パーセント、好ましくは約70パーセント~約85パーセント、そしてより好ましくは約75パーセント~約80パーセントの範囲内の量で存在する。トリアセチンは、エマルジョンの重量の約5パーセント~約15パーセント、好ましくは約6パーセント~約14パーセント、そしてより好ましくは約7パーセント~約12パーセントの量で存在する。DATEM乳化剤は好ましくは、エマルジョンの重量の約5パーセント以下、好ましくは約4パーセント以下、そしてより好ましくは約2パーセント以下である、非ゼロ量で存在する。
【0030】
本明細書中のポリマー発泡体製玩具の中で使用されるビーフフレーバーを含むフレーバー組成物については、ビーフフレーバー組成物の量は、フレーバーエマルジョンの重量の、好ましくは約3パーセント~約20パーセント、好ましくは約5パーセント~約17パーセント、より好ましくは約6パーセント~約15パーセントである。同時に、中鎖トリグリセリド溶媒の量は、約65パーセント~約90パーセント、好ましくは約70パーセント~約85パーセント、そしてより好ましくは約76パーセント~約81パーセントの範囲内にある。同じ又は他の実施例において、DATEM乳化剤は、エマルジョンの重量の約3パーセント~約16パーセント、好ましくは約5パーセント~約13パーセント、そしてより好ましくは約7~約12パーセントの範囲内の量で存在する。一部の実施例において、フレーバー保護剤、アルファトコフェロールも同様に、エマルジョンの重量の0.01パーセント以下の非ゼロ量で存在する。
【0031】
本明細書中のポリマー発泡体製玩具の中で使用されるチキンフレーバーを含むフレーバー組成物については、チキンフレーバー組成物の量は、フレーバーエマルジョンの重量の約10~約25パーセント、好ましくは約12~約22パーセントそしてより好ましくは約14~約19パーセントの範囲内である。同時に、中鎖トリグリセリド溶媒の量は、約70~約90パーセント、好ましくは約75パーセント~約88パーセントそしてより好ましくは約80パーセント~約85パーセントの範囲内である。同じ又は他の実施例においては、別個の乳化剤は全く使用されない。
【0032】
本明細書中のポリマー発泡体製玩具の中で使用されるベーコンフレーバーを含む一部のフレーバー組成物については、ベーコンフレーバー組成物の量は、フレーバーエマルジョンの重量の約12パーセント~約26パーセント、好ましくは約15パーセント~約24パーセント、そしてより好ましくは約17パーセント~約22パーセントの範囲内である。同時に、中鎖トリグリセリド溶媒の量は、約55パーセント~約85パーセント、好ましくは約60パーセント~約80パーセント、そしてより好ましくは約67パーセント~約72パーセントの範囲内である。同じ又は他の実施例において、DATEM乳化剤は、エマルジョンの重量の約3パーセント~約16パーセント、好ましくは約5パーセント~約13パーセント、そしてより好ましくは約7パーセント~約12パーセントの範囲内の量で存在する。
【0033】
ベーコンを含む他の例示的フレーバー組成物においては、ベーコンフレーバー組成物は逆エマルジョンとして、すなわちベーコンフレーバー組成物の連続相中の分散相を溶媒が形成している状態で提供される。一実施例によると、トリアセチン溶媒が、逆エマルジョンの重量の約0.5~約10パーセント、好ましくは約0.7~約7パーセント、そしてより好ましくは約1~約5パーセントの範囲内の量で提供される。このような実施例によると、ベーコンフレーバー組成物は、逆エマルジョンの重量の約90パーセント~約99.8パーセント、好ましくは約92~約99.6パーセント、そしてより好ましくは約94~約99パーセントの範囲内の量で提供される。
【0034】
図1を参照すると、第1の態様に係るクランチボール20が描かれている。クランチボール20は、好ましくはアルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のコポリマー、例えばEVAを含む非毒性発泡体前駆体から形成されるポリマー発泡体製本体22を含む。上述のタイプのフレーバーエマルジョン(すなわちフレーバー化合物、溶媒そしてビーフフレーバー、ピーナツバター、チェダーチーズ、及びスイートポテトパイの場合には乳化剤から成るもの)が好ましくはポリマー発泡体製本体22内に、そしてより好ましくは、クランチボール20を形成するのに使用される混合及び/又は成形ステップ中にポリマーマトリクスの内部に組込まれる。フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、より一層好ましくは90℃以上、そしてさらに一層好ましくは94℃以上である。
【0035】
本体22は、例えば平面状の小面(facet)24及び26などの平面状の小面を含む表面を有する。2つの小面だけが参照番号で識別されている。小面24及び26は、六角形の形状を画定しているが、互いに鈍角を成して配向されている。本体22の表面の周りの他の小面対も同様の形で構成されている。開口部28が、クランチボール20の一方の側から他方の側への六角形貫通開口部として構成され、クランチボール20の中心を通って延在する軸に沿って互いに離隔された第1の端部30及び第2の端部32を有する。貫通開口部28は、ペットがクランチボールを噛んだときに半径方向内向きに変形できるようにする。クランチボール20の内部には尾根部29が具備され、クランチボール20が圧縮されたときにノイズを創出して動物をさらに引込む。貫通開口部28以外では、本体22は好ましくは全体に中実のポリマー発泡体である。
【0036】
図2を参照すると、ポリマー発泡体バウンスボール36が描かれている。ポリマー発泡体製バウンスボール36を形成するために使用される材料は、クランチボール20を形成するのに使用される材料と同じであってよい。バウンスボール36は、内部にフレーバー組成物が組込まれたポリマー発泡体製本体38を含む。好ましい実施例において、フレーバー組成物は上述のタイプのフレーバーエマルジョンとして提供される。フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは、80℃以上、より好ましくは85℃以上、より一層好ましくは90℃以上、そしてさらに一層好ましくは94℃以上である。
【0037】
バウンスボール36は、概して球状の表面39及びバウンスボール36の周りに間隔取りされた複数の突出部40を有する。一部の実施例において、突出部40は、球状表面39の周りに均等に分布し離隔されている。同じ又は他の実施例において、突出部40は各々、図2に例示されているように、円錐台形状を有する。円錐台形の突出部40は、バウンスボールが跳ね返る表面と接触する突出部40の数及び/又は円錐台形突出部40とこの表面の間の衝撃角に応じて、投げられたときにより多様な方向にバウンドボールを跳ね返らせる。突出部40の中には開口部44を有するものもあれば、閉鎖端部42を有するものもあってよい。描かれたバランスボール35に関しては、突出部40内の一部の開口部を除いて、本体38及び突出部40は好ましくは全体的に中実のポリマー発泡体である。しかしながら、中空のバランスボール及び他の中空のEVA玩具も同様に使用可能である。
【0038】
ペブル状チュウ46が図3A及び3Bに描かれている。ペブル状チュウ46は概して、卵形又は卵状である。ペブル状チュウ46は図3Aに示された第1の側48と図3Bに示された反対の側50を有する。第1の側(図3A)は、小面52から離れるように突出する複数の突起(boss)53を有する概して平面状の小面52を含む。第2の側(図3B)は表面50とこの表面50から離れるように突出する突起53を含む。円周方向溝56(図3A)及び60(図3B)も同様に具備されている。ペブル状チュウ46は好ましくは、クランチボール20及びバランスボール36に関して説明されたタイプのフレーバーエマルジョンとして提供される組込まれたフレーバー組成物を至る所に伴うポリマー発泡体を含む。フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、より一層好ましくは90℃以上そしてさらに一層好ましくは94℃以上である。
【0039】
図10を参照して、ここで、ポリマー発泡体製動物用玩具20、36及び46の製造方法について説明する。ステップ1002では、温度制御されたミキサが提供され、混合温度が混合温度Tmix1に設定される。Tmix1の値は好ましくは、ポリマー製本体22、38、48を形成するために使用されるポリマー発泡体前駆体が、フレーバー組成物を内部に組込むのに充分柔軟になることを保証するように設定されている。好ましくは、フレーバー組成物は、ポリマー製本体22、38、48の全体にわたって分布していてよい。動物用玩具20、36及び46は好ましくは、ビーフ、チキン、チェダーチーズ、スイートポテトパイ、ピーナツバター及びベーコンフレーバー組成物の中から選択されるフレーバー組成物などのフレーバー組成物を含む。
【0040】
ポリマー発泡体前駆体、例えばアルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルのコポリマー、発泡剤(ポリマーの内部に空隙を創出するために気体を放出する作用物質)、上述のタイプのフレーバーエマルジョン、及び顔料が混合機に添加される。ステップ1004。ポリマー発泡体製本体の玩具については、ステップ1004で添加されるエマルジョンの量は、玩具重量の約1.5~約4.0パーセント、好ましくは約2.0~約3.5パーセント、そしてより好ましくは約2.5~約3.0パーセントである。フレーバー組成物の量は、玩具重量の約0.045~約3.0パーセント、好ましくは約0.10~約2.5パーセント、そしてより好ましくは約0.15~約2.2重量パーセントである。
【0041】
ステップ1006において、混合機は、ポリマー発泡体前駆体全体にわたりフレーバーエマルジョンを分布させるために、混合温度Tmix1で混合時間tmixの間作動させられる。一部の実施例において、混合温度Tmix1は約80℃~約110℃、好ましくは約85℃~約105℃、より好ましくは約90℃~約100℃である。BASF V6110M EVAを用いた一実施例において、混合温度Tmix1は約95℃である。
【0042】
混合時間tmix1は、約3分~約13分、好ましくは約5分~約11分、そしてより好ましくは約6分~約10分である。BASF V6110M EVAを用いた一実施例において、混合時間は約8分である。
【0043】
1006の混合ステップは、フレーバー組成物が組込まれたポリマーを生成する。次のステップは、フレーバー組成物が組込まれたポリマーを所望の玩具形状に成形することである。一部の実施例において、これは、最初にフレーバー組成物が組込まれたポリマーをペレットへと転換することによって実施され、このペレットを次に射出成形機のサイトへと輸送することができる。したがって、図10では、フレーバー組成物が組込まれたポリマーは、ステップ1008において、ペレット化温度Tpelletでペレット化時間tpelletの間ペレット製造機に組成物を添加することによってペレット化される。ペレット化温度Tpelletは、約65℃~約95℃、好ましくは約70℃~約90℃、そしてより好ましくは約75℃~約85℃の範囲内である。ペレット化時間tpelletは、約2分~約6分、好ましくは約3分~約5分、そしてより好ましくは約3.5分~約4.5分の範囲内である。
【0044】
さまざまな成形プロセスを使用できるが、射出成形が好ましい。射出成形機は、例えば図1中のクランチボール20、図2中のバウンスボール36又は図3A及び3B中のペブル状チュウ46などの成形中の玩具の形状を画定する金型を含む。したがって、ステップ1010では、温度制御式射出成形機の温度は、射出成形温度Tmold1に設定される。射出成形は、フレーバー組成物が組込まれたポリマーを溶融させ金型へ射出し、かつ成形プロセスを完了するための時間を表わす成形時間tmold1にわたり実施される。一部の実施例において、成形温度は約140℃~約180℃、好ましくは約150℃~約175℃、より好ましくは約160℃~約170℃である。成形時間は好ましくは約12分~約24分、より好ましくは約14分~約22分、そしてより一層好ましくは約16分~約20分である。BASF V6110M EVA及び玩具の3.5重量%のフレーバーエマルジョン充填剤を用いた一実施例においては、165℃の成形温度を約18分間実施する。
【0045】
図10の方法の別の変形形態において、ポリマー発泡体前駆体、発泡剤及び顔料は、ステップ1004~1008においてフレーバー組成物無しで混合されペレット化されてよい。この場合、フレーバーエマルジョンは、ステップ1012において射出成形機内でペレットに添加され得る。成形が完了した後、玩具は金型から取出され、発泡剤が発生させたあらゆる発泡ガスを揮発させることができる。図10の方法を実施するにあたり、フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは、玩具を形成するのに使用されるポリマーがフレーバーエマルジョンと組合わされたとき、玩具の製造に使用されるさまざまな加工ステップの高い温度及び加工時間に耐えることのできる均質な系が得られるようなものである。以上のことが示しているように、このような高い温度及び加工時間は、少なくとも165℃で少なくとも10分間以上である。
【0046】
図4~6を参照すると、エラストマー製の動物用玩具62、74及び88が描かれている。図1~5Cの玩具と同様、エラストマーから形成された玩具は中実又は中空であり得る。各々の玩具62、74及び88は、内部に分布した前述のタイプのフレーバー組成物を有する非毒性ポリマー製本体64、75、90を含む。玩具62、74及び88中のフレーバー組成物の量は、玩具が噛まれるかそうでなければ壊される前に、人間が検出できるフレーバーの香りを玩具が発するように選択され、好ましくは、非毒性ポリマー製本体の組成に合わせて調整される。ポリマー発泡体製玩具の場合と同様に、エラストマー製の動物用玩具62、74及び88は好ましくは、玩具を形成するために使用される加工温度にフレーバー組成物が耐えられるようにする引火点を有する乳化系としてポリマー内に組込まれるフレーバー組成物を含む。フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは、外側層を形成するために使用されるポリマーがフレーバーエマルジョンと組合わされた場合に、層を製造するのに使用される高い温度及び加工時間に耐えることのできる均質な系が得られるようなものである。本明細書中の実施例において、このような高い温度及び加工時間は、少なくとも165℃で少なくとも10分間以上である。
【0047】
FIG1~3Bの実施例とは対照的に、動物用玩具62、74及び88の非毒性ポリマー製本体64、75及び90は、エラストマー、そして詳細には異なる硬度を有するエラストマーの2層を含む。エラストマーは、ベースポリマー及び加硫剤から形成される。好ましい実施例において、エラストマーは天然ゴムラテックスを含む。1つの好適な市販のゴムは、ベトナムのLien Anh Production Rubber Co.,Ltdにより供給されるRSS-3(「Ribbed Smoked Sheets、グレード3」)である。ゴムは好ましくは、ショアA硬度などの所望の物理的特性を生み出すのに充分な濃度で加硫剤と組合わされる。一部の実施例においては、玩具を調製するとき、約0.5~約2.5PHR(100ポンドのゴムあたりの加硫剤のポンド数)、好ましくは約0.8~約2.2PHR、そしてより好ましくは約1.5~約2.0PHRの量で添加される。好ましい加硫剤には、硫黄化合物が含まれる。1つの好適な市販の加硫剤は、20(重量)パーセントのポリマー結合剤(EPDM/EVM)及び分散剤と4.4’-ジチオジモルフォリンの80(重量)パーセント分散である4.4’-DTDM-80である。4.4’-DTDM-80は、優れた熱老化特性を有する一又は二硫黄架橋を導く通常の硬化条件下の遊離硫黄ドナーである。4.4’DTDM80の推奨される用量は1.0~2.0PHRである。
【0048】
一部の実施例において、加硫プロセスを加速するために促進剤及び/又は補助促進剤も使用することができる。使用される場合、促進剤は好ましくは、約0.1PHR~約3.0PHR、好ましくは約0.2PHR~約2.6PHR、より好ましくは約0.4~約2.0PHRの範囲内の量で添加される。1つの好適な市販の促進剤はn-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフォンアミドである。好適な補助促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィドであり、これは使用される場合、約0.1~約0.6PHR、好ましくは約0.13PHR~約0.55PHR、そしてより好ましくは約0.15~約0.5PHRの範囲内の量で存在する。
【0049】
一部の実施例において、本明細書中に記載のゴム製動物用玩具は、異なる硬度のゴムコア及びゴム外側層を有する2層ゴム製動物用玩具である。一実装においては、より軟質の外側層とより硬質の内側層が使用される。しかしながら2層設計を使用する必要はなく、(以下では)図6に関連して、例示的な単一層設計が論述される。一部の実施例において、ゴム製動物用玩具は、約50デュロメータ~約75デュロメータ、好ましくは約55デュロメータ~約70デュロメータ、そしてより好ましくは約60デュロメータ~約65デュロメータの範囲内のコアショアA硬度を有する。このような実施例によると、ゴム製動物用玩具は、約35デュロメータ~約60デュロメータ、好ましくは約40デュロメータ~約55デュロメータ、そしてより好ましくは約45デュロメータ~約50デュロメータの外側層ショアA硬度を有する。
【0050】
本明細書中に記載の2層ゴム製玩具の実施例によると、外側層は好ましくは、外側層の重量に基づいて約0.01パーセント~約2.3パーセント、好ましくは約0.04パーセント~約1.9パーセント、そしてより好ましくは約0.08パーセント~約1.8パーセントの範囲内の量で外側層構成成分の混合中に添加されるフレーバー化合物を含む。コア及び外側層を含む玩具(コアにフレーバー化合物が欠如している場合)に基づいて、外側層構成成分の混合中に添加されるフレーバー化合物の百分率は、玩具の重量(すなわち外側層とコアを含む重量)の約0.001~約1.1パーセント、好ましくは約0.004~0.95パーセント、そしてより好ましくは約0.008~約0.9パーセントの範囲内である。
【0051】
本明細書中に記載の2層ゴム製玩具の実施例において、ビーフ、ピーナツバター、チェダーチーズ、スイートポテトパイ、ベーコン及びチキンフレーバーは好ましくは、溶媒を含むフレーバーエマルジョンとして、そしてビーフ、チェダーチーズ、スイートポテトパイ、ベーコン及びピーナツバターの場合には別個の乳化剤をも含むフレーバーエマルジョンとして提供される。ビーフ、スイートポテトパイ、チェダーチーズ、ベーコン、ピーナツバター、及びチキンフレーバーについては、外側層構成成分の混合中に添加されるフレーバーエマルジョンの重量パーセントは、外側層構成成分の重量の約0.5~約3.0パーセント、好ましくは約1.0~約2.7パーセント、そしてより好ましくは約1.5~約2.5パーセントの範囲内である。同じフレーバーの各々について、コア及び外側層を含む玩具(コアにフレーバー化合物が欠如している場合)に基づいて、外側層構成成分の混合中に添加されるエマルジョンの百分率は、玩具の重量の約0.05~約1.5パーセント、好ましくは約0.1パーセント~約1.9パーセント、そしてより好ましくは約0.15~約1.3パーセントの範囲内である。
【0052】
ビーフフレーバー組成物の場合、外側層構成成分の混合中に添加されるフレーバー化合物の量は、外側層の重量の約0.015~約0.6パーセント、好ましくは約0.05~約0.46パーセント、そしてより好ましくは約0.09~約0.38パーセントの範囲内である。スイートポテトパイフレーバー組成物の場合、外側層構成成分の混合中に添加されるフレーバー化合物の量は、外側層の重量の約0.025~約0.45、好ましくは約0.06~約0.38、そしてより好ましくは約0.12~約0.33の範囲内にある。
【0053】
ベーコンフレーバーの場合、外側層構成成分の混合中に添加されるベーコンフレーバー化合物の量は、外側層の重量の約0.06~約0.78パーセント、好ましくは約0.15~約0.65パーセント、そしてより好ましくは約0.26~約0.55パーセントの範囲内である。ピーナツバターの場合、外側層構成成分の混合中に添加されるピーナツバターフレーバー化合物の量は、外側層の重量の約0.10パーセント~約1.08パーセント、好ましくは約0.22パーセント~約0.86パーセント、そしてより好ましくは約0.36パーセント~約0.73パーセントの範囲内である。チェダーチーズフレーバーの場合、外側層構成成分の混合中に添加されるチェダーチーズフレーバー化合物の量は、外側層構成成分の重量の約0.31パーセント~約2.0パーセント、好ましくは約0.62パーセント~約1.8パーセント、そしてより好ましくは約0.93パーセントから約1.7パーセントである。
【0054】
一実施例において、ポリマー発泡体製玩具を製造する上で使用するための上述のフレーバーエマルジョン(例示的、好ましい、及びより好ましい量を含む)は同様に、2重ゴム層玩具の外側層の製造にも使用されるが、おそらく玩具内のエマルジョンの濃度は異なる。意外なことに、ポリマー発泡体製玩具内で使用するための上述のフレーバーエマルジョンがゴム加工にとって好適な引火点も提供し、このことにより、著しく異なるポリマー組成を2つの異なるポリマー製玩具に具備するのに同じフレーバーエマルジョンを使用することが可能になるということが発見された。別の実施例では、ポリマー発泡体製玩具の中で使用するための上述のビーフ、ベーコン、ピーナツバター、チェダーチーズ及びスイートポテトパイフレーバーエマルジョンは同様に、2層ゴム製玩具の外側層を製造するためにも使用される。しかしながら、2層ゴム製玩具に使用されるチキンフレーバーエマルジョンは、好ましくは、エマルジョンの重量の約2~約15重量パーセント、好ましくは約4~約12重量パーセント、そしてより好ましくは約5~約10重量パーセントの範囲内の量でチキンフレーバー組成物を含む。チキンフレーバー組成物は、外側層重量の百分率として約0.01パーセント~約0.45パーセント、好ましくは約0.04パーセント~約0.32パーセント、そしてより好ましくは約0.08パーセント~約0.25パーセントを構成する。チキンフレーバー組成物は、合計玩具重量の百分率として約0.001~約0.23パーセント、好ましくは約0.004パーセント~約0.16パーセント、そしてより好ましくは約0.008パーセント~約0.12パーセントの範囲内の量で存在する。同じ又は他の実施例において、チキンフレーバーエマルジョンは、約80~約99パーセント、好ましくは約85~約96パーセント、そしてより好ましくは約86~約94パーセントの範囲内の量で中鎖トリグリセリドを含む溶媒を含む。一部の実施例において、別個の乳化剤は使用されない。
【0055】
好ましい溶媒としては、カルボン酸エステルトリグリセリドが含まれる。このようなカルボン酸トリグリセリドの好適な例としては、中鎖トリグリセリド及びトリアセチンが含まれる。本明細書中の一部の実施例において、ビーフ、チキン、スイートポテト、チェダーチーズ及びピーナツバターフレーバー組成物を含むフレーバーエマルジョンは、1つ以上の中鎖トリグリセリドを含む溶媒を含む。本明細書中のエマルジョン内の溶媒として使用される場合、MCTは、フレーバーエマルジョン中に、エマルジョンの重量の少なくとも約20パーセント、好ましくは少なくとも約25パーセント、そして最も好ましくは少なくとも約30パーセントの量で存在する。
【0056】
本明細書中に記載の2層ゴム製動物用玩具の一部の実施例において、コアは、玩具の約10~約50重量パーセント、好ましくは玩具の約12~約45重量パーセント、そしてより好ましくは玩具の約14~約38重量パーセントを構成する。このような実施例によると、フレーバー化合物は専ら外側層内に提供され、コアには欠如している。
【0057】
図4を参照すると、リング様に成形された動物用玩具62が描かれている。動物用玩具62は、組込まれたフレーバー組成物を有する非毒性ポリマー製本体を含む。フレーバー組成物は好ましくは、ビーフフレーバー組成物、チキンフレーバー組成物、スイートポテトパイフレーバー組成物、ピーナツバターフレーバー組成物、チェダーチーズフレーバー組成物及びベーコンフレーバー組成物からなる群の中から選択され、玩具が噛まれ又は他の破壊に先立って、玩具62からヒトが検知できるフレーバーの香りを発する量で存在する。
【0058】
玩具62は、表面65、及び複数のトレッドセット66、68及び70を有する。各トレッドセット内の各トレッドは、軸方向に沿って(すなわちリングの半径方向に直交して)外側層表面65から離れるように突出する。玩具62は、中央開口部72を含むように成形されている。コアも同様に具備されているが見えない。好ましい実施例において、フレーバー組成物は、2層ゴム製玩具用の前述のタイプのフレーバーエマルジョンとして提供される。フレーバーエマルジョンは、混合に先立ちポリマー製本体の成分と混合される。一部の好ましい実施例において、フレーバーエマルジョンは、コア内ではなく表面65を含む外側層内にのみ提供される。非毒性ポリマー製本体は好ましくはエラストマーであり、一部の好ましい実施例においては、天然ゴムから形成されている。1つの好適なゴムは、上述のRSS-3である。コアは好ましくは、外側層よりも高いショアA硬度を有する。コアは、約50デュロメータ~約75デュロメータ、好ましくは約55デュロメータ~約70デュロメータ、そしてより好ましくは約60デュロメータ~約65デュロメータの範囲内のショア硬度を有する。表面65を含む外側層は、約35デュロメータ~約60デュロメータ、好ましくは約40デュロメータ~約55デュロメータ、そしてより好ましくは約45デュロメータ~約50デュロメータの範囲内のショアA硬度を有する。
【0059】
図5A~5Cを参照すると、骨の形をした動物用玩具74が描かれている。動物用玩具74は、第1の端部78、第2の端部80及び第1の端部78と第2の端部80を連結する中央部分76を含む。骨の生体構造の語彙において、第1の端部78は骨の近位骨端を画定し、第2の端部80は、骨の遠位骨端を画定し、中央部分76は、骨の骨幹を画定する。
【0060】
動物用玩具74は、コア86(図5C)及び外側層84を含む。外側層84は、玩具74のその縦方向軸に沿って玩具84を取り囲む複数の溝82を含む外側表面を有する。溝は概して、縦方向軸に対して非直交角度を成して配向されている。骨形玩具74の形状及び溝82により、イヌはより安全に玩具を保持してよりうまく遊び関わり合うことができる。コア86は、約50デュロメータ~約75デュロメータ、好ましくは約55デュロメータ~約70デュロメータ、そしてより好ましくは約60デュロメータから約65デュロメータの範囲内のショアA硬度を有する。外側層76は、約35デュロメータ~約60デュロメータ、好ましくは約40デュロメータ~約55デュロメータ、そしてより好ましくは約45デュロメータ~約50デュロメータの範囲内のショアA硬度を有する。
【0061】
動物用玩具62及び74の場合において、チキンフレーバーが使用されている外側層内のフレーバーエマルジョンの量は、外側層の重量の約1~約3パーセント、好ましくは約1.5~約2.5パーセント、そしてより好ましくは約1.8パーセント~約2.2パーセントである。
【0062】
図11を参照しながら、ここで図4及び5A~5Cの2層動物用玩具の製造方法について説明する。ステップ1020において、玩具のコアを形成するのに使用されるエラストマーは、tmix2という混合時間にわたり混合温度Tmix2で加硫剤(及び提供される場合にはいずれかの促進剤又は補助促進剤)と混合される。ステップ1020における加硫剤CV1の濃度は、コアの所望されるショアA硬度に基づいて調整される。混合時間tmix2は、約2分~約12分、好ましくは約2分~約10分、そしてより好ましくは約5分~約8分の範囲内である。混合温度Tmix2は、約120℃~約175℃、より好ましくは約125℃~約170℃そしてより好ましくは約135℃~約160℃の範囲内である。ステップ1022において、混合物は、ローラアセンブリを用いて平坦化される。例示的プロセスとして平坦化が使用されるものの、ベースのゴムポリマー内に添加物を分布させるためには、他の技術を使用してもよい。
【0063】
ステップ1023では、混合物は、顔料化合物と組合され、約0.8分~約3.2分、好ましくは約1.0分~約3.0分、そしてより好ましくは約1.5分~約2.5分の範囲内の混合時間tmix3にわたり混合温度Tmix3で再度混合される。混合温度Tmix3は好ましくは約60℃~約90℃、好ましくは約65℃~約85℃、そしてより好ましくは約70℃~約80℃である。混合物は次に、ステップ1024において再び平坦化される。
【0064】
ステップ1024の一部として、又はステップ1024の代りに、混合物は好ましくは、約4時間~約10時間、好ましくは約5時間~約9時間、そしてより好ましくは約6時間~約8時間の範囲内の時間にわたり冷却される。冷却温度は、約10℃~約30℃、好ましくは約12℃~約28℃、そしてより好ましくは約15℃~約25℃の範囲内である。
【0065】
ステップ1025において、混合物は、成形時間tmold2にわたり成形温度Tmold2で成形される。成形時間は、使用されるフレーバー組成物の量及び玩具のサイズと共に変動し得る。一部の実施例において、成形時間は約6分~約15分、好ましくは約7分~約14分、そしてより好ましくは約8分~約11分の範囲内である。成形温度Tmold2は、約120℃~約200℃、好ましくは約130℃~約190℃、さらに一層好ましくは約135℃~約180℃の範囲内である。成形プロセスは、好ましくはゴム圧縮成形である。
【0066】
ステップ1025は、図4及び5A~5Cの動物用玩具62及び74について説明されたコアなどの動物用玩具のコア区分を生成する。
【0067】
ステップ1026において、外側層形成が始まる。エラストマー(RSS-3天然ゴムなどの、コアのために使用されたものと同じベースエラストマーであり得る)が、加硫剤(そして提供される場合にはいずれかの促進剤又は補助促進剤)と、ステップ1020の混合時間tmix2にわたり混合温度Tmix2で再度混合される。ステップ1026において、加硫剤CV2の濃度は、コアに比べてより柔軟なデュロメータの外側層を生成するために、ステップ1022の場合よりも低い。混合物は、ステップ1028において、ローラアセンブリを用いて平坦化される。
【0068】
ステップ1030において、顔料化合物とフレーバーエマルジョンは、ステップ1028の平坦化された製品と混合される。ビーフ、チキン及びベーコンフレーバーについてのフレーバーエマルジョンの量は、以上で説明されている。フレーバーエマルジョン(又は、ベーコンの場合は混合物)は、フレーバー化合物が天然ゴムに合わせて調整され、濃度は玩具が噛まれるか又は他の形で混乱させられる前にヒトが検出できる所望の香りを生み出すように濃度が選択されている、前述のタイプのものである。混合は、ステップ1030において(上述の通り)混合時間tmix3にわたり温度Tmix3で実施される。混合物は、ステップ1031で再び平坦化される。
【0069】
ステップ1032において、外側層は、例えばコアを形成するのに使用されるものと同じゴム圧縮成形プロセスを使用することによって、コア層の上に成形される。成形温度Tmold3は、一部の実施例において、コアを製造するために使用される成形温度Tmold2と同じである。このような場合、コアはオーバーモールドの成形条件に曝露されることになるため、tmold3は概してtmold2よりも長い(ただし逆は成立しない)。一部の実施例においては、tmold3は、約10分~約24分、好ましくは約12分~約22分、そしてより好ましくは約14分~約20分の範囲内である。このプロセスによって、コアの硬度H1よりも低い硬度H2を有する外側層、ならびにコア内ではなく外側層内に専ら位置設定された組込まれたフレーバー化合物が生成される。図11の方法を実施するにあたって、フレーバーエマルジョンの引火点は好ましくは、外側層を形成するのに使用されるポリマーがフレーバーエマルジョンと組合わされる場合に層を製造するために使用される高い温度及び加工時間に耐えることのできる均質な系が得られるようなものである。以上のことが示しているように、このような高い温度及び加工時間は、少なくとも165℃で少なくとも10分以上にわたる。
【0070】
図6を参照すると、テニスボール様に成形された動物用玩具88が描かれている。動物用玩具88は、組込まれたフレーバー組成物を有する非毒性ポリマー製本体90を含む。本体90の上にはストライプ92がペイントされ、本体90は同様にストライプ92のためにわずかな溝を創出するように成形されてもよい。一部の実施例において、動物用玩具88は、エラストマーの単一層を含み、全体にわたり中実ではない。玩具88は、動物引込み用スクイーカを含んでいてもいなくてもよい。天然ゴムが好ましい。RSS-3は、好適な市販の天然ゴムである。フレーバー組成物は好ましくは、乳化された系として組込まれ、ビーフ、チキン、ベーコン、チェダーチーズ、スイートポテトパイ及びピーナツバター用の好ましいフレーバーエマルジョンは、図4及び5A~5C内に描かれているものなどの2層ゴム製玩具に関して先に説明されたものである。
【0071】
エラストマーは好ましくは、動物が玩具88に噛みつくか又はそうでなければ壊される前にヒトが検出できる香りを発する濃度で中に組込まれたフレーバー組成物を有する。一部の実施例において、フレーバー組成物はビーフ、チキン、ピーナツバター、チェダーチーズ、スイートポテトパイ又はベーコンフレーバー組成物であり、ポリマー製本体90を形成するために使用されるエラストマーと共に使用するように合わせ調整されている。
【0072】
動物用玩具88を形成する上で使用されるフレーバー組成物の量は、玩具の重量百分率で約0.01~約2.3、好ましくは約0.04~約1.8、そしてより好ましくは約0.08~約1.4の範囲内である。動物用玩具88を形成する上で使用されるフレーバーエマルジョンの量は、玩具の重量百分率で約0.5パーセント~約3.0パーセント、好ましくは約1.0パーセント~約2.5パーセント、そしてより好ましくは約1.5パーセント~約2.0パーセントの範囲内である。
【0073】
ベーコンフレーバーが使用される場合、ベーコンフレーバーは、連続相が中鎖トリグリセリドなどの溶媒である標準的エマルジョンとしてか、又はフレーバー組成物が連続相であり溶媒(例えばトリアセチン)が分散相である逆エマルジョンとして提供され得る。
【0074】
動物用玩具88は、任意の数の異なる直径を有することができ、異なる直径が異なるサイズのペットに適合する。さらに、動物用玩具88の壁厚は、好ましくは動物による穿孔を防止するように選択される。一部の実施例において、動物用玩具88は、約1.5インチ~約4インチ、好ましくは約1.8インチ~約3インチ、そしてより好ましくは約2インチ~約2.5インチの直径を有する。同時に、動物用玩具88は、約4mm~約8mm、好ましくは約5mm~約7mm、そしてより好ましくは約5.5mm~約6.5mmの範囲内の壁厚を有する。動物用玩具88は、約40デュロメータ~約60デュロメータ、好ましくは約45デュロメータ~約55デュロメータ、そしてより好ましくは約48デュロメータ~約52デュロメータの範囲内のショアA硬度を有する。
【0075】
ここで、単一層のテニスボール動物用玩具88の製造方法について説明する。プロセスは、1セットの混合ステップのみが使用されゴム圧縮成形の代りに射出成形が使用されるという点を除いて、図11のプロセスに類似している。したがって、ステップ1026~1031は、加硫剤濃度CV2が動物用玩具88のための所望のショアA硬度を得るように調整されている状態で実施される。ステップ1032で、ゴム圧縮成形の代りに射出成形が使用される。混合ステップ中に添加される各フレーバーエマルジョンの量は、上述の通りである。成形温度及び時間はボールのサイズ及びその厚みによって左右され得る。しかしながら、一部の実施例では、成形温度は2層玩具で使用されるものと同じであるが、成形時間は約4分~約10分、好ましくは約5分~約9分、そしてより好ましくは約6分~約8分の範囲内である。
【0076】
本開示の別の態様によると、複数の非毒性ポリマー繊維を含む動物用玩具が提供されている。繊維は好ましくは半結晶性のポリマー非毒性繊維であり、より好ましくはポリエステル及びポリアミドからなる群から選択される。好適なポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが含まれる。好適なアミドには、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)が含まれる。繊維は編むことができる。動物用玩具は、繊維に接着された及び/又は組込まれたフレーバー組成物を有する。一部の実施例において、動物用玩具は、第1のタイプの半結晶性ポリマー繊維から形成されたコア、及び、第2のタイプの半結晶性ポリマー繊維から形成された外側区分を含む。他の実施例においては、動物用玩具は、第1のタイプのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維から形成されたコア及び第2のタイプのPET繊維から形成された外側区分を含む。
【0077】
このような実施例によると、外側区分の繊維は、好ましくはコア区分の繊維よりも大きいウィッキング能力を有する。本明細書中で使用される「より大きいウィッキング(wicking)能力」とは、繊維の縦方向軸に沿って水溶液を移動させるより大きな能力を意味する。コアは、全体的に又は部分的に着香されるか又はされていない可能性があり、外側区分も全体的又は部分的に着香されているかされていない可能性がある。コア及び/又は外側繊維は、ウィッキングを促進するためにコーティング及び/又は成形されていてよく、又はコーティング及び成形を受けていなくてもよい(円筒形)。コアは撚合されるか又は編んでもよい。一部の利用分野において、撚合された又は編まれたコアは玩具の強度を増大させるために有益である。好ましい実施例において、動物用玩具は三葉状(trilobal)繊維を含む。より好ましい実施例において、動物用玩具は三葉状繊維で構成されている。さらに一層好ましい実施例において、動物用玩具は三葉状PET繊維のコアと三葉状PET繊維の外側区分で構成されている。
【0078】
別の態様によると、フレーバー組成物が繊維内に組込まれている及び/又は繊維に接着されている非毒性ポリマー繊維で構成された動物用玩具が提供されている。一部の実施例において、フレーバー組成物は、フレーバーエマルジョン組成物を取込むために内部に繊維が浸漬される液体浴を画定するべく軟化剤と組合わされる乳化されたフレーバー系として提供される。
【0079】
概して、繊維の湿潤性を増大させかつ/又は単に円筒形ではなくなるように成形することによって、より大きなウィッキング能力が提供され得る。一部の実施例においては、三葉形状が好ましい。湿潤性は、繊維が濡れる度合を規定する。液滴が無制限に広がり、接触角が0°に接近した場合には、完全な濡れが発生している。しかしながら大部分の場合、液滴は玉になり、部分的濡れ(又は乾燥)が発生する。繊維が濡れる程度は、接触角を測定することによって定量化可能である。接触角は、繊維上に純粋な液体の滴を生成することによって測定可能である。繊維/液体界面と液体/蒸気(雰囲気)界面の間に形成され3つの界面が遭遇する頂点を有する角度を、接触角と呼ぶ。繊維は、その表面エネルギーそして結果としてその湿潤性を改変するためにコーティングされ得る。PET繊維の外側区分に使用可能な1つの好適な市販のタイプのPET繊維は、湿潤性を増大させるコーティング(Sorbtek)を有するUnifi REPREVE(登録商標)PET繊維である。ウィッキング特徴は、動物の唾液に対する曝露後に玩具を乾燥状態に保つのを助ける。同じ又は他の実施例において、コアPET繊維(ウィッキングを促進するためにコーティング又は成形を受けていないもの)は、中国、杭州市のZhejiang Materials Industry Chemical Group,Ltdにより供給される。
【0080】
一実装において、フレーバー組成物は、コア繊維及び外側区分の両方の繊維の中に組込み及び/又は接着されている。別の実装においては、フレーバー組成物は、コア繊維内には組込み及び/又は接着されているものの、外側区分繊維内にはそのようにされていない。さらに別の実装においては、フレーバー組成物は、コア繊維の一部分及び外側区分繊維の全ての中に組込み及び/又は接着されている。例えば、フレーバー組成物は、コア繊維の半分(重量で)の中、及び外側区分繊維の全ての中に組込み及び/又は接着されている。
【0081】
一部の実施例において、チェダーチーズフレーバー組成物又はスイートポテトパイフレーバー組成物が、フレーバーエマルジョン及び軟化剤を含む溶液中にコア及び外側区分の繊維の全てを浸漬させることによって、動物用玩具を形成するために使用される半結晶性ポリマー繊維の中に組込み及び/又は接着される。他の実施例においては、ビーフフレーバー組成物又はチキンフレーバー組成物が、フレーバーエマルジョン及び軟化剤を含む溶液中にコア繊維の一部分及び外側区分繊維の全てを浸漬させることによって、動物用玩具を形成するために使用される半結晶性ポリマー繊維の中に組込み及び/又は接着される。
【0082】
フレーバー組成物は好ましくは、ポリマー発泡体製玩具について上述したものと同じフレーバーエマルジョンの形で提供され、2層及び単一層ゴム製玩具に関して上述したチキンフレーバーエマルジョンが、ポリマー発泡体製玩具に関して上述したチキンフレーバーエマルジョンよりも選好される。コア繊維が中に浸漬される軟化剤/フレーバーエマルジョン溶液に添加されるフレーバーエマルジョンの量は、コアPET繊維の重量による百分率で約0.6パーセント~約1.9パーセント、好ましくは約0.8パーセントから約1.7パーセント、より好ましくは約1.0パーセント~約1.5パーセントである。コア繊維は、好ましくは編まれ、外側繊維はそれらの周り及び上に編まれる。ピーナツバター又はチェダーチーズフレーバー組成物を含む動物用玩具の一部の実施例において、コア及び外側区分の繊維の全てが、フレーバーエマルジョンと軟化剤の溶液中に浸漬され、この溶液中、フレーバーエマルジョンの量は重量で約0.6パーセントから約1.9パーセント、好ましくは約0.8パーセントから約1.7パーセント、そしてより好ましくは約1.0パーセント~約1.5パーセントである。ビーフ又はチキンフレーバー組成物を含む動物用玩具の一部の実施例において、外側区分繊維の全て及びコア繊維の半分(重量で)が、フレーバーエマルジョンと軟化剤の溶液中に浸漬され、この溶液中、フレーバーエマルジョンの量は、重量で約0.6パーセントから約1.9パーセント、好ましくは約0.8パーセント~約1.7パーセント、そしてより好ましくは約1.0パーセント~約1.5パーセントである。ビーフ又はチキンフレーバー組成物を含む動物用玩具の一部の実施例において、外側区分繊維の全て及びコア繊維の半分(重量で)がこのような溶液中に浸漬される。
【0083】
図7~9を参照すると、接着及び/又は組込みされたフレーバー組成物を伴う非毒性、半結晶性のポリマー繊維を含む3つの動物用玩具94、110及び118が描かれている。一部の実施例において、外側繊維はコア繊維よりも大きいウィッキング能力を有する。例えば、外側繊維が三葉状でありコア繊維が円筒形である場合など、より大きなウィッキング能力を提供するように、外側繊維を成形することができる。各玩具94、110、及び110は、好ましくは全体として非毒性である。
【0084】
図7は、各々が隣接する結び目のある区分104及び102を有する第1及び第2のフリンジ付き端部98及び100を伴う編んだロープとして設計されたタグ玩具94を描いている。中央の結び目106は、結ばれていない連結区分96及び97それぞれによって、結び目のある区分104及び102から離隔されている。目には見えないものの、タグ玩具94は、コア繊維の全て又は一部及び外側区分繊維の全ての中にフレーバーエマルジョンが中に接着及び/又は組込みされているコア区分を含む。一部の実施例において、タグ玩具の外側区分は、いかなるフレーバー組成物も含まない。
【0085】
図8を参照すると、ロープスティック110が描かれている。ポリマー発泡体製玩具に関して上述したタイプのフレーバーエマルジョンが、コア繊維の全て又は一部及び外側区分繊維の全てに接着及び/又は組込みされている。ロープスティック110は、ロープスティック110の本体112によって離隔された第1の端部114及び第2の端部116を有する。
【0086】
図9を参照すると、ループ120及び結び目122を含む「モンキーフィスト」118が示されている。モンキーフィスト118は、PET繊維の内側コアと、PET繊維の外側区分とで構成されており、ここでコア繊維は、組込まれた及び/又は接着されたフレーバー組成物(好ましくはフレーバーエマルジョンとして提供されている)を有し、外側繊維はコア繊維よりも大きいウィッキング能力を有する。
【0087】
図12を参照すると、図7~9の編まれた繊維製動物用玩具の製造方法が描かれている。ステップ1036において、コアPET繊維のスプールが提供される。ステップ1036では、コア繊維は染料の中に浸漬され、この染料に対し色止め剤が添加される。プロセスは、約120℃~約140°、好ましくは約125℃~約135℃、そしてより好ましくは約129℃~約131℃の温度で、約0.5時間~約1.5時間、好ましくは約0.7時間~約1.3時間、そしてより好ましくは約0.9時間~約1.1時間にわたり実施される。
【0088】
ステップ1038において、コア繊維は、約40℃~約60℃、好ましくは約45℃~約55℃、そしてより好ましくは約48℃~約52℃の温度の水中で反復的に洗浄される。次にコア繊維の全て又は一部が、約50℃~約70℃、好ましくは約55℃~約65℃、そしてより好ましくは約58℃~約62℃で一定体積のフレーバーエマルジョン及び軟化剤中に、約0.2時間~約1.2時間、好ましくは約0.5時間~約1.0時間、そしてより好ましくは約0.7時間~約0.8時間にわたり浸漬される。フレーバーエマルジョン及び軟化剤中のフレーバーエマルジョンの量は、コアPET繊維の重量の約0.6パーセント~約1.9パーセント、好ましくは約0.8パーセント~約1.7パーセント、そしてより好ましくは約1.0パーセント~約1.5パーセントの範囲内である。食品フレーバーエマルジョンの量に比べた軟化剤の量(重量で)は、約0.5:1~約3:1、好ましくは約0.8:1~約2.5:1、そしてより好ましくは約1.8:1~約2.2:1である。ステップ1040。好ましい軟化剤は、シリコーン軟化剤を含み、より好ましい軟化剤は、脂環式エポキシシリコーン、例えば(エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサン)-ジメチルシロキサンコポリマー(CAS No.67762-95-2)を含む。
【0089】
フレーバーエマルジョン/軟化剤溶液中に浸漬される繊維の量(重量で)は、約0.03パーセント~約0.17パーセント、好ましくは約0.05パーセント~約0.15パーセント、そしてより好ましくは約0.8パーセント~約0.12パーセントである。
【0090】
繊維はその後、濯ぎ乾燥させられる。ステップ1042。乾燥後、繊維は(任意の無フレーバー繊維と共に)編まれてコアを形成する。ステップ1044。外側区分繊維は同様に、ステップ1036~1044にしたがって調製される。外側区分を形成する繊維は次に、ステップ1046においてコア上に編まれる。
【0091】
フレーバーエマルジョン/軟化剤溶液の温度は、好ましくは、ガラス転移温度より高くかつ動物用玩具を構成する半結晶性繊維の融点より低い。いかなる理論に束縛されることを望むものではないが、この温度範囲内では、フレーバー化合物は、図15に例示されているように、遊離体積の増大を理由として繊維の構造的無欠性を混乱させることなく、繊維内部の分散を増大させていると考えられる。図14A~14Cは、フレーバー化合物添加中の繊維を描いている。図14Aにおいて、繊維はそのガラス転移温度より高い温度にあり、いかなるフレーバー化合物も添加されなかった。半結晶性繊維150は、非晶質区分152及び構造化区分154を含む。図14Bにおいて、半結晶性繊維は、ガラス転移温度と融点の間の温度でフレーバーエマルジョンと軟化剤の溶液中に浸漬された。したがって、フレーバー分子156は、半結晶性繊維150の非晶質領域152全体にわたり分布している。図14Cにおいて、繊維はそのガラス転移温度より低い温度まで冷却しており、これにより半結晶性繊維150の非晶質領域152内部でのフレーバー分子の運動及び拡散が削減される。
【0092】
いかなる理論に束縛されることを望むものではないが、前述の温度において軟化剤を使用することによって、単にPET繊維の表面にフレーバーエマルジョンが接着するのではなく、PET繊維内にフレーバーエマルジョンが吸収されることになり、それでも幾分かの量は接着する場合もある、ということが同様に考えられている。
【0093】
特定の実施形態についての以上の説明は、例示及び記述を目的として提示されてきた。これらは網羅的なものとして又は本発明を開示された厳密な形態に限定するものとして意図されていない。上述の教示に照らして多くの修正及び変形形態が可能であり、特定の用途に適した修正及び変形形態が企図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図13A
図14A
図14B
図14C
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
特定の実施形態についての以上の説明は、例示及び記述を目的として提示されてきた。これらは網羅的なものとして又は本発明を開示された厳密な形態に限定するものとして意図されていない。上述の教示に照らして多くの修正及び変形形態が可能であり、特定の用途に適した修正及び変形形態が企図されている。以下の項目[態様1]~[態様93]に本発明の実施形態の例を列記する。
[態様1]
内部にフレーバー組成物が組込まれた非毒性ポリマー製本体、
を含む動物用玩具。
[態様2]
前記フレーバー組成物が食品フレーバー組成物である、態様1に記載の動物用玩具。
[態様3]
前記食品フレーバー組成物が天然フレーバーである、態様2に記載の動物用玩具。
[態様4]
前記食品フレーバー組成物がビーフ、チキン、スイートポテトパイ、チェダーチーズ、ピーナツバター又はベーコンフレーバーを含む、態様2又は3に記載の動物用玩具。
[態様5]
前記非毒性ポリマー製本体がポリマーマトリクスを含み、前記フレーバー組成物が前記ポリマーマトリクス内に組込まれている、態様1~4のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様6]
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、前記フレーバー組成物が前記非毒性ポリマー製本体から放出される、態様1~5のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様7]
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、態様1~6のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様8]
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、態様1~7のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様9]
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、態様1~8のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様10]
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、態様1~9のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様11]
前記フレーバー組成物が乳化されている、態様1~10のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様12]
前記非毒性ポリマー製本体がエラストマーを含む、態様1~11のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様13]
前記非毒性ポリマー製本体がコアエラストマー層と、前記コアエラストマー層上に成形されたオーバーモールドエラストマー層とを含む、態様12に記載の動物用玩具。
[態様14]
前記コアエラストマー層が少なくとも約50のショアA硬度を有し、前記オーバーモールドエラストマー層が少なくとも約35のショアA硬度を有する、態様13に記載の動物用玩具。
[態様15]
前記非毒性ポリマー製本体が天然ゴムラテックスから形成される、態様1~14のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様16]
前記非毒性ポリマー製本体が発泡体を含む、態様1~11のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様17]
前記非毒性ポリマー製本体が、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマーを含む、態様1~11及び16のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様18]
前記非毒性ポリマー製本体が、エチレン酢酸ビニルコポリマー発泡体を含む、態様17に記載の動物用玩具。
[態様19]
前記エチレン酢酸ビニルコポリマー発泡体が、少なくとも約40のショアA硬度を有する、態様18に記載の動物用玩具。
[態様20]
前記非毒性ポリマー製本体が、約3~約8グラム/10分のISO1133-1(2.15kg/190℃)にしたがったメルトフローレートを有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、態様1~11及び16~19のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様21]
前記非毒性ポリマー製本体が、エチレン酢酸ビニルコポリマーの約25~約35重量パーセントを構成する酢酸ビニル単位を有する前記エチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、態様1~11及び16~20のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様22]
前記非毒性ポリマー製本体が、約60℃~約110℃の溶融範囲を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、態様1~11及び16~21のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様23]
前記動物用玩具が、前記エチレン酢酸ビニルコポリマーと、前記フレーバー組成物を含み少なくとも約80℃の引火点を有するエマルジョンとを、組合せることによって調製される、態様22に記載の動物用玩具。
[態様24]
ボールの形をしている、態様1~11及び16~22のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様25]
複数の平面状の小面を有する、態様24に記載の動物用玩具。
[態様26]
複数の円錐台形突出部を有する、態様24に記載の動物用玩具。
[態様27]
複数の突起を含む小面を伴う卵形形状を有する、態様1に記載の動物用玩具。
[態様28]
リングの形をしている、態様1に記載の動物用玩具。
[態様29]
骨の形をしている、態様1に記載の動物用玩具。
[態様30]
複数の非毒性の編まれたポリマー繊維を含む動物用玩具であって、コア区分と外側区分を有し、さらに前記外側区分の中及び前記コア区分の少なくとも一部分にフレーバー組成物を含む、動物用玩具。
[態様31]
前記ポリマー繊維が半結晶性繊維を含む、態様30に記載の動物用玩具。
[態様32]
前記コア区分が第1のタイプの半結晶性繊維を含み、前記外側区分が第2のタイプの半結晶性繊維を含み、前記第2のタイプの半結晶性繊維が前記第1のタイプの半結晶性繊維よりも高いウィッキング能力を有する、態様30又は31に記載の動物用玩具。
[態様33]
前記第2のタイプの半結晶性繊維が前記第1のタイプの半結晶性繊維よりも高い湿潤性を有する、態様32に記載の動物用玩具。
[態様34]
前記フレーバー組成物が天然フレーバーである、態様30~33のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様35]
前記フレーバーが食品フレーバーである、態様30~34のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様36]
前記フレーバー組成物が、ビーフフレーバー、チキンフレーバー、ピーナツバターフレーバー、チェダーチーズフレーバー、スイートポテトパイフレーバー又はベーコンフレーバーを含む、態様35に記載の動物用玩具。
[態様37]
食品グレードのフレーバー組成物が、前記コア区分の一部分のみの中に存在する、態様36に記載の動物用玩具。
[態様38]
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、前記フレーバー組成物が前記外側区分へと移動する、態様30~37のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様39]
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、態様30~38のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様40]
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、態様39に記載の動物用玩具。
[態様41]
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、態様30~40のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様42]
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、態様30~41のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様43]
前記フレーバー組成物が乳化されている、態様30~42のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様44]
少なくとも約80℃の引火点を有する乳化されたフレーバー組成物を含む、態様30~43のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様45]
前記コア区分が編まれている、態様30~44のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様46]
ある形状を有する動物用玩具の製造方法であって、
非毒性ポリマーを提供することと;
前記非毒性ポリマーとフレーバー組成物を混合してフレーバー組成物が組込まれたポリマーを産出することと;
前記動物用玩具の前記形状を画定する型を用いて前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形することと;
を含む方法。
[態様47]
前記非毒性ポリマーが、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマーである、態様46に記載の方法。
[態様48]
前記一価不飽和カルボン酸の前記エステルが酢酸ビニルである、態様47に記載の方法。
[態様49]
前記非毒性ポリマーが非毒性ポリマー発泡体前駆体であり、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と前記フレーバー組成物とを混合するステップにはさらに、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤を混合することが含まれ、前記混合ステップは、少なくとも約3分間、少なくとも約100℃の温度で実施される、態様46~48のいずれか1つに記載の方法。
[態様50]
前記成形ステップが、少なくとも約12分間、少なくとも約140℃の温度で実施される、態様46~49のいずれか1つに記載の方法。
[態様51]
前記非毒性ポリマー発泡体前駆体がエチレン酢酸ビニルコポリマーである、態様49又は50に記載の方法。
[態様52]
前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤及びフレーバー組成物とを混合するステップには、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体と発泡剤及び前記フレーバー組成物を含むエマルジョンとを混合することが含まれる、態様49~51のいずれか1つに記載の方法。
[態様53]
フレーバー組成物の量が、前記非毒性ポリマー発泡体前駆体の重量の約0.045~約3.0パーセントである、態様52に記載の方法。
[態様54]
前記エマルジョンが、少なくとも1つのカルボン酸トリグリセリドエステルを含む溶媒を含む、態様52又は53に記載の方法。
[態様55]
前記溶媒が、前記エマルジョンの重量の約70パーセント~約95パーセントの範囲内の量で存在する少なくとも1つの中鎖トリグリセリドを含む、態様54に記載の方法。
[態様56]
前記溶媒が、前記エマルジョンの重量の約0.5パーセント~約10パーセントの範囲内の量でトリアセチンを含む、態様54に記載の方法。
[態様57]
前記エマルジョンがさらに、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤を含む、態様53に記載の方法。
[態様58]
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、態様57に記載の方法。
[態様59]
前記エマルジョンが少なくとも約80℃の引火点を有する、態様46~58のいずれか1つに記載の方法。
[態様60]
非毒性ポリマーを提供するステップが、エラストマーを提供することを含む、態様46に記載の方法。
[態様61]
前記エラストマーが天然ラテックスゴムである、態様60に記載の方法。
[態様62]
前記混合するステップには、少なくとも約0.8分間、少なくとも約65℃の温度で、前記エラストマー、加硫剤、及び前記フレーバー組成物を含むエマルジョンを混合することが含まれる、態様60又は61に記載の方法。
[態様63]
前記フレーバー組成物の量が前記エラストマーの重量の約0.01~約2.3パーセントである、態様62に記載の方法。
[態様64]
成形するステップには、10分~約24分間、約120℃~約200℃の範囲内の温度で、前記フレーバーが組込まれたポリマーを圧縮成形することが含まれている、態様62に記載の方法。
[態様65]
前記エラストマー及び前記加硫剤からコアを成形することをさらに含み、前記コアがフレーバー組成物を含まず、前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形するステップには、前記コア上に前記フレーバー組成物が組込まれたポリマーを成形するステップが含まれる、態様63に記載の方法。
[態様66]
動物用玩具の製造方法であって、
コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することと;
前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を、フレーバー組成物を含む液体媒質中に浸漬することと;
前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を編まれたコア区分の形に編むことと;
外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することであって、ここで前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維;及び
前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維を前記編まれたコア区分上の編まれた外側区分の形に編むことと;
を含む方法。
[態様67]
前記外側区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維が、前記コア区分の非毒性、半結晶性のポリマー繊維よりも大きいウィッキング能力を有する、態様66に記載の方法。
[態様68]
前記液体媒質が軟化剤及びフレーバーエマルジョンを含み、前記フレーバーエマルジョンが前記フレーバー組成物及びカルボン酸トリグリセリドエステル溶媒を含む、態様66又は67に記載の方法。
[態様69]
前記溶媒が少なくとも1つの中鎖トリグリセリド化合物を含む、態様68に記載の方法。
[態様70]
前記エマルジョンが、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤をさらに含んでいる、態様69に記載の方法。
[態様71]
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、態様70に記載のエマルジョン。
[態様72]
前記エマルジョンが、少なくとも約80℃の引火点を有する、態様67~71のいずれか1つに記載の方法。
[態様73]
前記コア区分がロープ形状である、態様66~72のいずれか1つに記載の方法。
[態様74]
前記外側区分がロープ形状である、態様72~73のいずれか1つに記載の方法。
[態様75]
動物用玩具の製造方法であって、
非毒性、半結晶性のポリマー繊維を提供することと;
フレーバー組成物を含む液体媒質中に前記繊維を浸漬することと;
前記繊維を編むことと;
を含む、方法。
[態様76]
ウィッキングを促進するように、前記繊維がコーティング及び/又は成形される、態様75に記載の方法。
[態様77]
前記液体媒質が軟化剤及びフレーバーエマルジョンを含み、前記フレーバーエマルジョンが前記フレーバー組成物及びカルボン酸トリグリセリドエステル溶媒を含む、態様75又は76に記載の方法。
[態様78]
前記溶媒が少なくとも1つの中鎖トリグリセリド化合物を含む、態様77に記載の方法。
[態様79]
前記エマルジョンが、グリセリンの混合エステルを含む乳化剤をさらに含んでいる、態様77に記載の方法。
[態様80]
前記グリセリンの混合エステルが、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである、態様79に記載のエマルジョン。
[態様81]
前記エマルジョンが少なくとも約80℃の引火点を有する、態様73~80のいずれか1つに記載の方法。
[態様82]
複数の非毒性で編まれた半結晶性のポリマー繊維を含む動物用玩具であって、前記非毒性で編まれた半結晶性のポリマー繊維がフレーバー組成物を含む、動物用玩具。
[態様83]
ウィッキングを促進するように、前記非毒性の編まれた繊維が、コーティング及び/又は成形される、態様82に記載の動物用玩具。
[態様84]
前記フレーバー組成物が天然フレーバーである、態様82又は83に記載の動物用玩具。
[態様85]
前記フレーバー組成物が、ビーフフレーバー、チキンフレーバー、スイートポテトパイフレーバー、ピーナツバターフレーバー、チェダーチーズフレーバー又はベーコンフレーバーを含む、態様82~84のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様86]
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、食品グレードフレーバー組成物が外側区分へと移動する、態様82~85のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様87]
Intertekペット用玩具試験プロトコルITS-08001-US、バージョン11に適合している、態様82~86のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様88]
Intertek玩具試験プロトコルITS-16001-US、バージョン23.0に適合している、態様87に記載の動物用玩具。
[態様89]
前記フレーバー組成物が1つ以上のAAFCO適合成分で構成されている、態様82~88のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様90]
前記フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、態様82~89のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様91]
前記フレーバー組成物が乳化されている、態様82~90のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様92]
米国消費者製品安全性改善法に適合している、態様1、30、又は82のいずれか1つに記載の動物用玩具。
[態様93]
カリフォルニアプロポジション65に適合している、態様1、30又は82のいずれか1つに記載の動物用玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に乳化された食品フレーバー組成物が組込まれた、成形された非毒性ポリマー製本体、
を含む動物用玩具。
【請求項2】
前記成形された非毒性ポリマー製本体がポリマーマトリクスを含み、前記乳化された食品フレーバー組成物が前記ポリマーマトリクス内に組込まれている、請求項1に記載の動物用玩具。
【請求項3】
前記動物用玩具を動物が咀嚼したとき、前記乳化された食品フレーバー組成物が前記成形された非毒性ポリマー製本体から放出される、請求項1又は2に記載の動物用玩具。
【請求項4】
前記乳化された食品フレーバー組成物が1つ以上のFEMA GRAS成分で構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項5】
前記成形された非毒性ポリマー製本体がエラストマーを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項6】
前記成形された非毒性ポリマー製本体がコアエラストマー層と、前記コアエラストマー層上に成形されたオーバモールドエラストマー層とを含む、請求項に記載の動物用玩具。
【請求項7】
前記コアエラストマー層が少なくとも約50のショアA硬度を有し、前記オーバーモールドエラストマー層が少なくとも約35のショアA硬度を有する、請求項に記載の動物用玩具。
【請求項8】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が天然ゴムラテックスから形成される、請求項1~のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項9】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が発泡体を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項10】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が、アルファオレフィンと一価不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマーを含む、請求項1~及びのいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項11】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が、エチレン酢酸ビニルコポリマー発泡体を含む、請求項10に記載の動物用玩具。
【請求項12】
記エチレン酢酸ビニルコポリマー発泡体が、少なくとも約40のショアA硬度を有する、請求項11に記載の動物用玩具。
【請求項13】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が、エチレン酢酸ビニルコポリマーの約25~約35重量パーセントを構成する酢酸ビニル単位を有する前記エチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、請求項1~及び12のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項14】
前記成形された非毒性ポリマー製本体が、約60℃~約110℃の溶融範囲を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーから形成されている、請求項1~及び13のいずれか1項に記載の動物用玩具。
【請求項15】
前記動物用玩具が、前記エチレン酢酸ビニルコポリマーと、前記乳化された食品フレーバー組成物を含み少なくとも約80℃の引火点を有するエマルジョンとを、組合せることによって調製される、請求項14に記載の動物用玩具。