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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154061
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】掛け布団カバー
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A47G9/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067668
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】増田 修一
(72)【発明者】
【氏名】萩原 友香
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA04
3B102BA05
3B102BA11
3B102BA15
3B102BA19
(57)【要約】
【課題】掛け布団を十分にかつ容易に収容できる掛け布団カバーを提供することを目的とする。
【解決手段】一実施形態に係る掛け布団カバーは、第1方向D1および第2方向D2の双方に延在する1枚の布によって形成された掛け布団カバー1である。掛け布団カバー1は、掛け布団カバー1が展開された状態において掛け布団が載置される矩形状の布団載置領域2と、掛け布団カバー1が展開された状態において布団載置領域2と第1方向D1に沿って並んでおり、布団載置領域2との境界線C1において布団載置領域2の上方に位置するように折り返される第1折り返し領域3と、第1折り返し領域3に配置された第1接合部材5と、境界線C1において折り返された第1折り返し領域3の第1接合部材5が接合する第2接合部材6と、を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、および前記第1方向に交差する第2方向の双方に延在する1枚の布によって形成された掛け布団カバーであって、
前記掛け布団カバーが展開された状態において前記掛け布団が載置される矩形状の布団載置領域と、
前記掛け布団カバーが展開された状態において前記布団載置領域と前記第1方向に沿って並んでおり、前記布団載置領域との境界線において前記布団載置領域の上方に位置するように折り返される第1折り返し領域と、
前記第1折り返し領域に配置された第1接合部材と、
前記境界線において折り返された前記第1折り返し領域の前記第1接合部材が接合する第2接合部材と、
を備える、
掛け布団カバー。
【請求項2】
前記布団載置領域に載置された前記掛け布団を前記掛け布団カバーに接合する布団接合部材を備える、
請求項1に記載の掛け布団カバー。
【請求項3】
複数の前記布団接合部材を備え、
複数の前記布団接合部材が前記布団載置領域を囲むように配置されている、
請求項2に記載の掛け布団カバー。
【請求項4】
前記布団接合部材は、紐状とされており、
前記布団接合部材は、前記掛け布団に設けられた紐状部材に括り付けられることによって前記掛け布団を接合する、
請求項2または請求項3に記載の掛け布団カバー。
【請求項5】
前記掛け布団カバーが展開された状態において前記布団載置領域から見て前記第1折り返し領域とは反対側に位置しており、前記布団載置領域との境界線において前記布団載置領域の上方に位置するように折り返される第2折り返し領域を備え、
前記第2接合部材は、前記第2折り返し領域に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の掛け布団カバー。
【請求項6】
前記第2折り返し領域の面積は、前記第1折り返し領域の面積よりも小さい、
請求項5に記載の掛け布団カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、掛け布団を収容する掛け布団カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、寝冷えしない袋状の掛け布団カバーが記載されている。この掛け布団カバーは、平面視において矩形状を呈する。掛け布団カバーの長手方向の端部には、敷き布団と同じくらいの大きさの一枚布が縫製されている。掛け布団カバーの幅方向の端部には、一対の細長い布が縫製されている。この掛け布団カバーは、上記の一枚布を敷き布団またはマットレスの下に挟み込むとともに、細長い布を一枚布に連結した状態で用いられる。
【0003】
特許文献2には、S字形掛け布団カバーが記載されている。S字形掛け布団カバーは、矩形状を呈するカバー平面本体部と、カバー平面本体部の長手方向の一方側に位置する襟袋部と、カバー本体部の長手方向の他方側に位置する裾袋部とを有する。襟袋部はカバー平面本体部に対して上方にU字状に折り返されており、裾袋部はカバー平面本体部に対して下方にU字状に折り返されている。襟袋部には掛け布団の長手方向の一端部が収容され、裾袋部はベッドと敷き布団との間に挟み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-141950号公報
【特許文献2】実用新案登録第3237732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した掛け布団カバーは、袋状を呈するため、掛け布団カバーの内部に容易に掛け布団を収容できないという問題が生じうる。また、前述したS字形掛け布団カバーは、掛け布団の襟元側の一部しか覆っておらず、掛け布団を十分に覆えないという問題が生じうる。したがって、掛け布団を十分にかつ容易に収容できることが求められる。
【0006】
本開示は、掛け布団を十分にかつ容易に収容できる掛け布団カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る掛け布団カバーは、(1)第1方向、および第1方向に交差する第2方向の双方に延在する1枚の布によって形成された掛け布団カバーである。掛け布団カバーは、掛け布団カバーが展開された状態において掛け布団が載置される矩形状の布団載置領域と、掛け布団カバーが展開された状態において布団載置領域と第1方向に沿って並んでおり、布団載置領域との境界線において布団載置領域の上方に位置するように折り返される第1折り返し領域と、第1折り返し領域に配置された第1接合部材と、境界線において折り返された第1折り返し領域の第1接合部材が接合する第2接合部材と、を備える。
【0008】
この掛け布団カバーは、1枚の布によって形成されている。したがって、構成を簡易にすることができ、折り畳みを容易に行うことができる。掛け布団カバーは、掛け布団が載置される矩形状の布団載置領域を有する。掛け布団カバーの使用者は布団載置領域を見ることによって掛け布団を置く位置を把握できるので、掛け布団の収容を容易に行うことができる。掛け布団カバーは、展開された状態において布団載置領域と第1方向に沿って並ぶ第1折り返し領域を有する。布団載置領域に載置された掛け布団は、第1折り返し領域に覆われることとなるので、掛け布団を十分に収容できる。第1折り返し領域には第1接合部材が配置されており、掛け布団カバーは折り返された第1折り返し領域の第1接合部材が接合する第2接合部材を有する。したがって、布団載置領域に掛け布団が載置された状態で第1折り返し領域が折り返され、第1折り返し領域の第1接合部材が掛け布団カバーの第2接合部材に接合することによって掛け布団を収容できる。このように、掛け布団を置いて第1折り返し領域を折り返して第1接合部材を第2接合部材に接合することによって、掛け布団を容易に収容することができる。
【0009】
(2)上記(1)において、掛け布団カバーは、布団載置領域に載置された掛け布団を掛け布団カバーに接合する布団接合部材を備えてもよい。この場合、布団載置領域に載置された掛け布団は布団接合部材によって掛け布団カバーに接合される。よって、掛け布団カバーに対する掛け布団の位置ずれを抑制できる。
【0010】
(3)上記(2)において、掛け布団カバーは、複数の布団接合部材を備えてもよく、複数の布団接合部材が布団載置領域を囲むように配置されていてもよい。この場合、複数の布団接合部材が設けられることによって、収容された掛け布団の位置ずれをより確実に抑制できる。さらに、複数の布団接合部材が布団載置領域を囲むように配置されていることにより、掛け布団をより強固に接合できるとともに、布団載置領域の場所を分かりやすくすることができる。したがって、掛け布団の収容をさらに十分にかつ容易に行うことができる。
【0011】
(4)上記(2)または(3)において、布団接合部材は、紐状とされていてもよく、布団接合部材は、掛け布団に設けられた紐状部材に括り付けられることによって掛け布団を接合してもよい。この場合、紐状の布団接合部材を掛け布団の紐状部材に括り付けることによって、掛け布団の接合を容易に行うことができる。その結果、掛け布団の収容を一層容易に行うことができる。
【0012】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、掛け布団カバーは、掛け布団カバーが展開された状態において布団載置領域から見て第1折り返し領域とは反対側に位置しており、布団載置領域との境界線において布団載置領域の上方に位置するように折り返される第2折り返し領域を備えてもよい。第2接合部材は、第2折り返し領域に配置されていてもよい。この場合、第1折り返し領域を折り返すとともに第2折り返し領域を折り返して第2接合部材に第1接合部材が接合する。したがって、折り返しおよび接合を容易に行えるので、掛け布団の収容をさらに容易に行うことができる。
【0013】
(6)上記(5)において、第2折り返し領域の面積は、第1折り返し領域の面積よりも小さくてもよい。この場合、第1折り返し領域および第2折り返し領域をともに折り返して第2接合部材に第1接合部材を接合したときに、第2接合部材に対する第1接合部材の接合部を襟元に寄せることができる。したがって、掛け布団カバーを外すときには襟元の第2接合部材から第1接合部材を外せばよいので、掛け布団カバーを容易に外すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、掛け布団を十分にかつ容易に収容できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る掛け布団カバーを示す平面図である。
図2】実施形態に係る掛け布団カバーが展開された状態を示す平面図である。
図3】(a)は、実施形態に係る掛け布団カバーの布団接合部材を示す図である。(b)は、図3(a)の布団接合部材が掛け布団の紐状部材に接合されている状態を示す図である。
図4】変形例に係る布団接合部材を示す図である。
図5】(a)は、第1変形例に係る掛け布団カバーを示す平面図である。(b)は、第2変形例に係る掛け布団カバーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る掛け布団カバーの実施形態について説明する。図面の説明において、同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化または誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る掛け布団カバー1を示す平面図である。図2は、掛け布団カバー1が展開された状態を示す平面図である。図1および図2に示されるように、掛け布団カバー1は、1枚の布によって形成されており、1枚の布が折り返されることによって掛け布団Bを収容する。
【0018】
掛け布団カバー1は、掛け布団Bが収容された状態で用いられてもよいし、掛け布団Bが収容されない状態で用いられてもよい。掛け布団カバー1は、掛け布団Bを収容しなくてもよく、掛け布団カバー1のみで掛け寝具として用いることが可能である。掛け布団カバー1は、例えば、ケットである。
【0019】
例えば、ケットである掛け布団カバー1は、掛け布団カバー1のみの状態では夏季に用いられる。この場合、掛け布団カバー1は、薄手の生地によって構成されている。例えば、掛け布団カバー1は、ガーゼ生地によって構成されている。この場合、掛け布団カバー1を掛け布団カバー1のみで用いる場合(掛け布団カバー1に掛け布団Bを収容しないで掛け布団カバー1を用いる場合)、通気性、吸水性および速乾性を良好にして暑苦しさを抑制できる。
【0020】
ただし、掛け布団カバー1は、ガーゼ生地以外の素材によって構成されていてもよい。例えば、掛け布団カバー1は、サッカー生地、タオル地、パイル生地、ちぢみ織生地、楊柳生地、ブロード生地、およびワッフル織り生地のいずれかによって構成されていてもよい。掛け布団カバー1は、表面に凹凸が形成された生地によって構成されていてもよい。この場合も掛け布団カバー1のみで用いた場合における暑苦しさを抑制できる。
【0021】
以上のように、掛け布団カバー1が夏季に適した生地によって構成されている場合、夏季における暑苦しさを抑制できるとともに、夏季以外では掛け布団カバー1に掛け布団Bを収容できるので、年中掛け布団カバー1を使用できる。その結果、掛け布団カバー1の使用を継続できるので、掛け布団カバー1を押し入れ等に収納する手間を軽減できるとともに、掛け布団カバー1を収納するスペースを低減できる。しかしながら、掛け布団カバー1は、春季、秋季または冬季に適した生地によって構成されていてもよい。掛け布団カバー1は、毛布であってもよい。この場合、夏季に掛け布団カバー1を使用したときに、エアコン等による肌寒さから身を守ることができる。
【0022】
掛け布団カバー1は、第1方向D1、および第1方向D1に交差する第2方向D2の双方に沿って延在している。本実施形態において、第1方向D1は掛け布団カバー1の長手方向であり、第2方向D2は掛け布団カバー1の短手方向(幅方向)である。例えば、掛け布団カバー1は長方形状を呈する。第1方向D1および第2方向D2は、例えば、互いに直交している。
【0023】
掛け布団カバー1は、展開された状態と、折り曲げられた状態(折り畳まれた状態)の2つの状態に遷移する。図1は折り曲げられた状態における掛け布団カバー1を示しており、図2は展開された状態における掛け布団カバー1を示している。折り曲げられた状態では、掛け布団カバー1の内部に掛け布団Bが収容されてもよいし、前述したように掛け布団Bが収容されなくてもよい。掛け布団Bとしては、種々の掛け布団を掛け布団カバー1に収容可能である。
【0024】
掛け布団カバー1は、第1方向D1に沿って延びる長辺1bと、第2方向D2に沿って延びる短辺1cとを有する。掛け布団カバー1は、第2方向D2に沿って並ぶ一対の長辺1bと、第1方向D1に沿って並ぶ一対の短辺1cとを有する。
【0025】
掛け布団カバー1は、展開された状態において掛け布団Bが載置される布団載置領域2を有する。例えば、布団載置領域2は、収容する掛け布団Bを置く場所を示す目印を有していてもよい。布団載置領域2は、例えば、第1方向D1に沿って延びる長辺2bと、第2方向D2に沿って延びる短辺2cとを有する。布団載置領域2は、第2方向D2に沿って並ぶ一対の長辺2bと、第1方向D1に沿って並ぶ一対の短辺2cとを有する。
【0026】
平面視(掛け布団カバー1の厚さ方向(第1方向D1および第2方向D2の双方に交差する方向)に沿って見た場合)において、布団載置領域2は矩形状(長方形状)を呈する。平面視における布団載置領域2の形状および面積は、平面視における掛け布団Bの形状および面積に対応している。例えば、布団載置領域2は、展開した掛け布団カバー1における中心1dを通るとともに第2方向D2に沿って延在する基準線L1を含む位置に配置されている。
【0027】
例えば、掛け布団カバー1は、布団載置領域2の上方に位置するように折り返される第1折り返し領域3および第2折り返し領域4を有する。掛け布団カバー1が展開された状態において、第1折り返し領域3は布団載置領域2の第1方向D1の一方側に配置されており、第2折り返し領域4は布団載置領域2の第1方向D1の他方側に配置されている。掛け布団カバー1が展開された状態において、布団載置領域2は第1折り返し領域3と第2折り返し領域4との間に挟まれている。
【0028】
例えば、第1折り返し領域3は折り返されたときに掛け布団カバー1の使用者の足側に位置し、第2折り返し領域4は折り返されたときに掛け布団カバー1の使用者の襟元側(頭部側)に位置する。「使用者」は、例えば、掛け布団カバー1を自分の身体にかけて掛け布団カバー1を使用する人を示している。
【0029】
第1折り返し領域3は、掛け布団カバー1が展開された状態において布団載置領域2と第1方向D1に沿って並んでいる。第1折り返し領域3は、布団載置領域2との境界線C1において布団載置領域2の上方に位置するように折り返される。第1折り返し領域3は、第1方向D1に沿って延びる長辺3bと、第2方向D2に沿って延びる短辺3cとを有する。
【0030】
第1折り返し領域3は、第2方向D2に沿って並ぶ一対の長辺3bと、第1方向D1に沿って並ぶ一対の短辺3cとを有する。第1折り返し領域3は、矩形状を呈する。第1折り返し領域3の第1方向D1の長さは、第1折り返し領域3の第2方向D2の長さよりも長い。
【0031】
第2折り返し領域4は、掛け布団カバー1が展開された状態において布団載置領域2と第1方向D1に沿って並んでいる。第2折り返し領域4は、布団載置領域2から見て第1折り返し領域3とは反対側に位置する。第2折り返し領域4は、布団載置領域2との境界線C2において布団載置領域2の上方に位置するように折り返される。
【0032】
第2折り返し領域4は、第2方向D2に沿って延びる長辺4bと、第1方向D1に沿って延びる短辺4cとを有する。第2折り返し領域4は、第1方向D1に沿って並ぶ一対の長辺4bと、第2方向D2に沿って並ぶ一対の短辺4cとを有する。第2折り返し領域4は、矩形状を呈する。第2折り返し領域4の第1方向D1の長さは、第2折り返し領域4の第2方向D2の長さよりも短い。
【0033】
例えば、布団載置領域2の第1方向D1の長さは、第1折り返し領域3の第1方向D1の長さよりも長い。第1折り返し領域3の第1方向D1の長さは、例えば、第2折り返し領域4の第1方向D1の長さよりも長い。例えば、布団載置領域2の第2方向D2の長さ、第1折り返し領域3の第2方向D2の長さ、および、第2折り返し領域4の第2方向D2の長さは、互いに同一である。例えば、布団載置領域2の面積は第1折り返し領域3の面積より大きく、第1折り返し領域3の面積は第2折り返し領域4の面積よりも大きい。
【0034】
例えば、布団載置領域2の第1方向D1の長さは、160cm以上かつ250cm以下(一例として210cm)である。第1折り返し領域3の第1方向D1の長さは、150cm以上かつ200cm以下(一例として180cm)である。第2折り返し領域4の第1方向D1の長さは、10cm以上かつ60cm以下(一例として30cm)である。
【0035】
例えば、掛け布団カバー1の第1方向D1の長さは、320cm以上かつ510cm以下である。掛け布団カバー1の第2方向D2の長さは、例えば、100cm以上かつ200cm以下(一例として150cm)である。しかしながら、掛け布団カバー1の各部の長さは、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0036】
掛け布団カバー1は、第1折り返し領域3に配置された第1接合部材5と、境界線C1において折り返された第1折り返し領域3の第1接合部材5が接合する第2接合部材6とを備える。例えば、第1接合部材5および第2接合部材6のそれぞれは、第2方向D2に沿って延びるように配置されている。第1接合部材5が第2接合部材6に接合される箇所である接合部Pは、例えば、平面視における掛け布団カバー1の使用者の頭側の端部から一定距離だけ足側に離隔した位置(襟元)に形成される。当該一定距離は、第2折り返し領域4の第1方向D1の長さに相当する。
【0037】
第1接合部材5は、折り返された第1折り返し領域3をとめるために設けられる。例えば、第1接合部材5は、第1折り返し領域3の中心3dを通るとともに第2方向D2に沿って延在する基準線L2よりも布団載置領域2とは反対側に位置する。すなわち、第1接合部材5は、基準線L2から見て布団載置領域2とは反対側に配置されている。
【0038】
例えば、掛け布団カバー1は複数の第1接合部材5を有し、複数の第1接合部材5は第2方向D2に沿って並んでいる。例えば、複数の第1接合部材5は、第1折り返し領域3の短辺3cに沿って並んでいる。一例として、複数の第1接合部材5のうちの2つは、第1折り返し領域3の第2方向D2の端部に配置されている。この場合、第2接合部材6に対する第1接合部材5の接合をよりしっかりと行うことができる。
【0039】
一例として、第1接合部材5はスナップボタンである。このスナップボタンは、プラスチックスナップボタンであってもよいし、金属製スナップボタンであってもよい。しかしながら、第1接合部材5は、スナップボタン以外の接合部材であってもよい。例えば、第1接合部材5は、スナップボタン以外のボタン、第2接合部材6に接合される線ファスナー、または、第2接合部材6に接合される面ファスナーであってもよい。第1接合部材5が線ファスナーまたは面ファスナーである場合、例えば、第1接合部材5は短辺3cに沿って第2方向D2に延在している。このように、第1接合部材5の種類としては種々のものを採用できる。
【0040】
第2接合部材6は、第2折り返し領域4に配置されている。第2接合部材6は、折り返された第2折り返し領域4をとめるために設けられる。例えば、第2接合部材6は、第2折り返し領域4の中心4dを通るとともに第2方向D2に沿って延在する基準線L3よりも布団載置領域2とは反対側に位置する。すなわち、第2接合部材6は、基準線L3から見て布団載置領域2とは反対側に配置されている。
【0041】
例えば、掛け布団カバー1は複数の第2接合部材6を有し、複数の第2接合部材6は第2方向D2に沿って並んでいる。例えば、複数の第2接合部材6は、第2折り返し領域4の長辺4bに沿って並んでいる。一例として、複数の第2接合部材6のうちの2つは、第2接合部材6の第2方向D2の端部に配置されている。この場合、第1接合部材5に対する第2接合部材6の接合をよりしっかりと行うことができる。
【0042】
例えば、第2接合部材6の第2方向D2の位置は、第1接合部材5の第2方向D2の位置と同一である。一例として、第2接合部材6は、第1接合部材5と同様、スナップボタンである。第2接合部材6の種類としては、第1接合部材5に接合するものであればよく、第1接合部材5と同様、種々のものを採用できる。
【0043】
例えば、掛け布団カバー1は、布団載置領域2に載置された掛け布団Bを掛け布団カバー1に接合する布団接合部材7を備える。例えば、布団接合部材7は掛け布団カバー1に縫製によって固定されている。しかしながら、布団接合部材7は、縫製以外の態様で掛け布団カバー1に固定されていてもよい。
【0044】
掛け布団カバー1は、複数の布団接合部材7を備え、複数の布団接合部材7が布団載置領域2を囲むように配置されている。「複数の布団接合部材が布団載置領域を囲むように配置されている」とは、複数の布団接合部材が布団載置領域の辺に沿って配置されていることを含んでおり、例えば、2つの布団接合部材7が一対の長辺2b(または一対の短辺2c)のそれぞれに配置される場合、および、2つの布団接合部材7が布団載置領域2の対角線上に位置する四隅のうちの2箇所のそれぞれに配置される場合も含む。
【0045】
複数の布団接合部材7が布団載置領域2を囲むように配置されていることにより、掛け布団カバー1の使用者は複数の布団接合部材7を見て布団載置領域2の位置を容易に認識できる。この場合、布団接合部材7が布団載置領域2の目印として機能する。例えば、布団接合部材7は、布団載置領域2の長辺2bおよび短辺2cのそれぞれに配置されている。
【0046】
布団接合部材7は、布団載置領域2の四隅のそれぞれに配置されていてもよい。この場合、布団載置領域2の四隅のそれぞれに配置された各布団接合部材7によって布団載置領域2に掛け布団Bをしっかりと接合できる。本実施形態では、布団載置領域2の四隅、長辺2bおよび短辺2cのそれぞれに布団接合部材7が配置されている。この場合、複数の布団接合部材7が矩形状をなすようにに配置されているので、使用者は布団載置領域2の位置を一層認識しやすい。
【0047】
図3(a)は、一例としての布団接合部材7を示す図である。図3(b)は、掛け布団Bに接合される布団接合部材7の例を示す斜視図である。図3(a)および図3(b)に示されるように、例えば、布団接合部材7は、紐状とされている。「紐状」は、物が一方向に他方向よりも長く延びる状態を示している。「紐状」は、帯状および線状を含む。一例として、布団接合部材7は、一方向に沿って延びる帯状部7bと、帯状部7bの一端に固定された接合部7cと、帯状部7bの他端に固定された被接合部7dとを有する。被接合部7dには、折り曲げられた帯状部7bの接合部7cが接合される。例えば、帯状部7bは布製であり、接合部7cおよび被接合部7dは互いに接合可能とされたボタンである。
【0048】
例えば、掛け布団Bは、紐状部材B1を有する。紐状部材B1は、布団カバーに収容された掛け布団Bを、当該布団カバーの紐状体に結ぶことによって接合するために設けられる。例えば、紐状部材B1の一端および他端は、掛け布団Bの側地に縫製によって固定されている。例えば、布団接合部材7は、紐状部材B1に括り付けられることによって掛け布団Bを接合する。この場合、帯状部7bが紐状部材B1に括り付けられた状態で被接合部7dに接合部7cが接合することによって、布団載置領域2に掛け布団Bが接合される。
【0049】
上記では、布製である帯状部7bと、ボタンである接合部7cおよび被接合部7dを備える布団接合部材7について説明した。しかしながら、布団接合部材の構成は、上記の布団接合部材7に限定されない。例えば、布団接合部材は、ボタンである接合部7cおよび被接合部7dに代えて、互いに接合する面ファスナーである接合部および被接合部を備えていてもよい。
【0050】
図4は、変形例に係る布団接合部材8を示している。図4に示されるように、布団接合部材8は、一方向に沿って延びる帯状部8bと、帯状部8bの一端に固定された第1接合凹凸部8cと、帯状部8bの他端に固定された第2接合凹凸部8dとを有する。第2接合凹凸部8dには、折り曲げられた第1接合凹凸部8cが接合される。
【0051】
例えば、第1接合凹凸部8cは、帯状部8bの延在方向(図4では横方向)、および当該延在方向に交差する方向の双方に沿って並ぶ複数の樹脂製(一例としてゴム製)の凹凸として形成されている。第2接合凹凸部8dも第1接合凹凸部8cと同様の凹凸として形成されている。第1接合凹凸部8cおよび第2接合凹凸部8dは、第1接合凹凸部8cの凹凸に第2接合凹凸部8dの凹凸が嵌合することによって互いに接合可能とされている。
【0052】
布団接合部材8の場合も、前述した布団接合部材7と同様、帯状部8bが紐状部材B1に括り付けられた状態で第2接合凹凸部8dに第1接合凹凸部8cが接合することによって、布団載置領域2に掛け布団Bが接合される。布団接合部材8は、フックまたはループを有する面ファスナーではなく、樹脂製の第1接合凹凸部8cおよび第1接合凹凸部8cを有することにより、肌触りを良好にできるとともに接合時に生じる音を抑えることができる。
【0053】
以上、布団接合部材8について説明したが、布団接合部材はさらに変形可能である。例えば、布団接合部材は、掛け布団Bの紐状部材B1に縛り付けられる1本または複数本の紐であってもよい。さらに、布団接合部材は、紐状でなくてもよい。例えば、布団接合部材は、布団載置領域2に固定された面ファスナー(または第1接合凹凸部8cと同様の接合凹凸部)そのものであってもよい。このように、布団接合部材の態様は適宜変更可能である。
【0054】
次に、掛け布団カバー1への掛け布団Bの収容方法について説明する。まず、図2に示されるように、掛け布団カバー1を展開した状態とする(掛け布団カバーを展開させる工程)。そして、布団載置領域2に掛け布団Bを載せる(布団載置領域に掛け布団を載せる工程)。布団載置領域2に掛け布団Bを載せるときには、布団接合部材7によって布団載置領域2に掛け布団Bを接合する(掛け布団を接合する工程)。
【0055】
その後、第1折り返し領域3を境界線C1で折り返して布団載置領域2の上に第1折り返し領域3を載せる(布団載置領域の上に第1折り返し領域を載せる工程)。第2折り返し領域4を境界線C2で折り返して布団載置領域2の上に第2折り返し領域4を載せる(布団載置領域の上に第2折り返し領域を載せる工程)。
【0056】
そして、第1接合部材5および第2接合部材6を互いに接合させることによって、布団載置領域2および掛け布団Bの上方において第1折り返し領域3および第2折り返し領域4を互いに接合する(第1接合部材および第2接合部材を互いに接合させる工程、第1折り返し領域および第2折り返し領域を互いに接合させる工程)。
【0057】
以上の工程を経て、掛け布団カバー1への掛け布団Bの収容が完了する。掛け布団Bから掛け布団カバー1を外す手順については前述した工程を逆に進めればよい。具体的には、第1接合部材5および第2接合部材6を互いに離隔させて、第1折り返し領域3および第2折り返し領域4を開いて掛け布団カバー1を展開状態にし、掛け布団Bから布団接合部材7を外せば、掛け布団カバー1を掛け布団Bから分離できる。
【0058】
掛け布団Bを収容せずに掛け布団カバー1を用いる方法について説明する。まず、掛け布団カバー1を展開した状態とする(掛け布団カバーを展開させる工程)。そして、第1折り返し領域3を境界線C1で折り返して布団載置領域2の上に第1折り返し領域3を載せる(布団載置領域の上に第1折り返し領域を載せる工程)。第2折り返し領域4を境界線C2で折り返して布団載置領域2の上に第2折り返し領域4を載せる(布団載置領域の上に第2折り返し領域を載せる工程)。
【0059】
そして、第1接合部材5および第2接合部材6を互いに接合させることによって、布団載置領域2の上方において第1折り返し領域3および第2折り返し領域4を互いに接合する(第1接合部材および第2接合部材を互いに接合させる工程、第1折り返し領域および第2折り返し領域を互いに接合させる工程)。以上の工程を経て、掛け布団Bを収容せずに掛け布団カバー1を用いることができる。この場合、掛け布団カバー1は、ケットとして用いることが可能である。
【0060】
次に、本実施形態に係る掛け布団カバー1から得られる作用効果について詳細に説明する。掛け布団カバー1は、1枚の布によって形成されている。したがって、構成を簡易にすることができ、折り畳みを容易に行うことができる。掛け布団カバー1は、掛け布団Bが載置される矩形状の布団載置領域2を有する。掛け布団カバー1の使用者は布団載置領域2を見ることによって掛け布団Bを置く位置を把握できるので、掛け布団Bの収容を容易に行うことができる。
【0061】
掛け布団カバー1は、展開された状態において布団載置領域2と第1方向D1に沿って並ぶ第1折り返し領域3を有する。布団載置領域2に載置された掛け布団Bは、第1折り返し領域3に覆われることとなるので、掛け布団Bを十分に収容できる。第1折り返し領域3には第1接合部材5が配置されており、掛け布団カバー1は折り返された第1折り返し領域3の第1接合部材5が接合する第2接合部材6を有する。したがって、布団載置領域2に掛け布団Bが載置された状態で第1折り返し領域3が折り返され、第1折り返し領域3の第1接合部材5が掛け布団カバー1の第2接合部材6に接合することによって掛け布団Bを収容できる。このように、掛け布団Bを置いて第1折り返し領域3を折り返して第1接合部材5を第2接合部材6に接合することによって、掛け布団Bを容易に収容することができる。
【0062】
本実施形態において、掛け布団カバー1は、布団載置領域2に載置された掛け布団Bを掛け布団カバー1に接合する布団接合部材7を備える。この場合、布団載置領域2に載置された掛け布団Bは布団接合部材7によって掛け布団カバー1に接合される。よって、掛け布団カバー1に対する掛け布団Bの位置ずれを抑制できる。
【0063】
本実施形態において、掛け布団カバー1は、複数の布団接合部材7を備え、複数の布団接合部材7が布団載置領域2を囲むように配置されている。複数の布団接合部材7が設けられることによって、収容された掛け布団Bの位置ずれをより確実に抑制できる。さらに、複数の布団接合部材7が布団載置領域2を囲むように配置されていることにより、掛け布団Bをより強固に接合できるとともに、布団載置領域2の場所を分かりやすくすることができる。本実施形態では、布団接合部材7を布団載置領域2の目印として機能させることができる。したがって、掛け布団Bの収容をさらに十分にかつ容易に行うことができる。
【0064】
本実施形態において、布団接合部材7は、紐状とされていてもよく、布団接合部材7は、掛け布団Bに設けられた紐状部材B1に括り付けられることによって掛け布団Bを接合してもよい。この場合、紐状の布団接合部材7を掛け布団Bの紐状部材B1に括り付けることによって、掛け布団Bの接合を容易に行うことができる。その結果、掛け布団Bの収容を一層容易に行うことができる。
【0065】
本実施形態において、掛け布団カバー1は、掛け布団カバー1が展開された状態において布団載置領域2から見て第1折り返し領域3とは反対側に位置しており、布団載置領域2との境界線C2において布団載置領域2の上方に位置するように折り返される第2折り返し領域4を備える。第2接合部材6は、第2折り返し領域4に配置されている。この場合、第1折り返し領域3を折り返すとともに第2折り返し領域4を折り返して第2接合部材6に第1接合部材5が接合する。したがって、折り返しおよび接合を容易に行えるので、掛け布団Bの収容をさらに容易に行うことができる。
【0066】
本実施形態において、第2折り返し領域4の面積は、第1折り返し領域3の面積よりも小さい。この場合、第1折り返し領域3および第2折り返し領域4をともに折り返して第2接合部材6に第1接合部材5を接合したときに、第2接合部材6に対する第1接合部材5の接合部Pを襟元に寄せることができる。したがって、掛け布団カバー1を外すときには襟元の第2接合部材6から第1接合部材5を外せばよいので、掛け布団カバー1を容易に外すことができる。また、接合部Pが第1方向D1の端部から離隔した位置にあることにより、接合部Pが使用者の身体に接触して使用者が違和感を感じることを抑制できる。
【0067】
以上、本開示に係る掛け布団カバーの実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る掛け布団カバーは、前述した実施形態の内容に限られず、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内においてさらに変形したものであってもよい。すなわち、本開示に係る掛け布団カバーの各部の形状、大きさ、材料、数および配置態様は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0068】
図5(a)は、第1変形例に係る掛け布団カバー1Aを示す平面図である。掛け布団カバー1Aは、布団載置領域2の位置が前述した掛け布団カバー1とは異なっている。掛け布団カバー1Aでは、布団載置領域2の第1方向D1の中央の位置が掛け布団カバー1の第1方向D1の中央の位置と一致している。掛け布団カバー1Aでは、第1折り返し領域3の面積が第2折り返し領域4の面積と同一である。掛け布団カバー1Aで第1折り返し領域3および第2折り返し領域4が折り返されたときには、第2接合部材6に対する第1接合部材5の接合部Pは、掛け布団カバー1の第1方向D1の中央に位置する。
【0069】
図5(b)は、第2変形例に係る掛け布団カバー1Bを示す平面図である。掛け布団カバー1Bは、前述した第2折り返し領域4を有しない。すなわち、掛け布団カバー1Bでは、第1折り返し領域3のみが折り返される。掛け布団カバー1Bでは、布団載置領域2における一対の短辺2cのうちの一つが掛け布団カバー1の短辺1cに近接しており、当該短辺1cに沿うように第2接合部材6が配置されている。掛け布団カバー1Bで第1折り返し領域3が折り返されたときには、第2接合部材6に対する第1接合部材5の接合部は、掛け布団カバー1の当該短辺1cに重なるように設けられる。このように、掛け布団カバーでは、第2折り返し領域4を省略することも可能である。
【0070】
前述した実施形態では、布団載置領域2に載置された掛け布団Bが複数の布団接合部材7によって掛け布団カバー1に接合される例について説明した。しかしながら、前述したように、布団接合部材の態様は適宜変更可能である。また、布団接合部材の数は1つであってもよい。例えば、布団接合部材は、面ファスナー等、面状の接合部材が配置されたシート状の布団接合部材であってもよい。さらに、掛け布団カバーは、布団接合部材を有しなくてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B…掛け布団カバー、1b…長辺、1c…短辺、1d…中心、2…布団載置領域、2b…長辺、2c…短辺、3…第1折り返し領域、3b…長辺、3c…短辺、3d…中心、4…第2折り返し領域、4b…長辺、4c…短辺、4d…中心、5…第1接合部材、6…第2接合部材、7…布団接合部材、7b…帯状部、7c…接合部、7d…被接合部、8…布団接合部材、8b…帯状部、8c…第1接合凹凸部、8d…第2接合凹凸部、B…掛け布団、B1…紐状部材、C1,C2…境界線、D1…第1方向、D2…第2方向、L1,L2,L3…基準線、P…接合部。

図1
図2
図3
図4
図5