(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154065
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】モータ制御システムおよび洗濯機
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241023BHJP
H02P 21/24 20160101ALI20241023BHJP
【FI】
H02M7/48 L
H02P21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067674
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 尚礼
(72)【発明者】
【氏名】馬飼野 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】吉田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】吉野 知也
【テーマコード(参考)】
5H505
5H770
【Fターム(参考)】
5H505AA09
5H505CC01
5H505DD08
5H505EE41
5H505EE48
5H505EE49
5H505FF05
5H505GG04
5H505HA10
5H505HB01
5H505LL22
5H505LL60
5H505MM15
5H770BA01
5H770CA02
5H770DA03
5H770DA41
5H770EA01
5H770FA11
5H770GA11
5H770GA16
5H770GA20
5H770HA02W
5H770QA28
(57)【要約】
【課題】
モータ制御システムにおいてモータの適切な停止判定を実現する。
【解決手段】モータ20に流れる電流を制御する制御指令値を出力する電流制御部42と、電力変換回路131について、第1のブレーキモードまたは第2のブレーキモードを指定するモード設定部46と、第2のブレーキモードにおける制御指令値の変化状態に基づいて、モータ20が停止状態であるか否かを表す停止判定信号Jを出力する停止判定部43と、をモータ制御システム100に設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上アームに属し複数の相に対応する第1のスイッチング素子と、下アームに属し複数の前記相に対応する第2のスイッチング素子と、を備え、直流電圧源から出力された直流電圧をスイッチングすることにより、モータに電圧を印加する電力変換回路と、
前記電力変換回路に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記モータに流れる電流を制御する制御指令値を出力する電流制御部と、
前記電力変換回路について、第1のブレーキモードまたは第2のブレーキモードを指定するモード設定部と、
前記第2のブレーキモードにおける前記制御指令値の変化状態に基づいて、前記モータが停止状態であるか否かを表す停止判定信号を出力する停止判定部と、を備え、
前記第1のブレーキモードは、全ての前記第1のスイッチング素子または全ての前記第2のスイッチング素子をオン状態に設定するものであり、
前記第2のブレーキモードは、何れか一の前記相に対応する前記第1のスイッチング素子と、他の前記相に対応する前記第2のスイッチング素子と、をオン状態に設定し、または、何れか一の前記相に対応する前記第2のスイッチング素子と、他の前記相に対応する前記第1のスイッチング素子と、をオン状態に設定するものである
ことを特徴とするモータ制御システム。
【請求項2】
前記直流電圧源は、交流電圧を整流することにより前記直流電圧を出力するものであり、
前記モード設定部は、所定のブレーキ対象時間以下の期間、前記交流電圧に停電状態が発生すると、前記第1のブレーキモードと、前記第2のブレーキモードと、を交互に実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
前記停止判定部は、前記制御指令値の所定時間内における最大値と最小値の差、または前記最大値が現れる時刻から前記最小値が現れる時刻までの期間と、所定の閾値と、の比較結果に基づいて、前記停止判定信号を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載のモータ制御システム。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のモータ制御システムと、
前記モータと、
筐体と、
前記筐体に装着されたフタと、
前記フタを閉状態にしたままロックするとともに、前記停止判定信号に基づいて前記フタのロックを解除するドアロック部と、を備える
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御システムおよび洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1、2には、モータが停止しているか否かを判定する、モータの停止判定を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-023649号公報
【特許文献2】特開2022-126029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した技術において、一層適切にモータの停止判定を行いたいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、モータの適切な停止判定を実現できるモータ制御システムおよび洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明のモータ制御システムは、上アームに属し複数の相に対応する第1のスイッチング素子と、下アームに属し複数の前記相に対応する第2のスイッチング素子と、を備え、直流電圧源から出力された直流電圧をスイッチングすることにより、モータに電圧を印加する電力変換回路と、前記電力変換回路に流れる電流を検出する電流検出部と、前記モータに流れる電流を制御する制御指令値を出力する電流制御部と、前記電力変換回路について、第1のブレーキモードまたは第2のブレーキモードを指定するモード設定部と、前記第2のブレーキモードにおける前記制御指令値の変化状態に基づいて、前記モータが停止状態であるか否かを表す停止判定信号を出力する停止判定部と、を備え、前記第1のブレーキモードは、全ての前記第1のスイッチング素子または全ての前記第2のスイッチング素子をオン状態に設定するものであり、前記第2のブレーキモードは、何れか一の前記相に対応する前記第1のスイッチング素子と、他の前記相に対応する前記第2のスイッチング素子と、をオン状態に設定し、または、何れか一の前記相に対応する前記第2のスイッチング素子と、他の前記相に対応する前記第1のスイッチング素子と、をオン状態に設定するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、モータの適切な停止判定を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態によるモータ制御システムの概略構成図である。
【
図4】3相交流軸と2相交流軸との関係を示す図である。
【
図5】回転子位置と、固定子の各巻線の相との関係を示す図である。
【
図8】モータの回転時に2相短絡ブレーキモードによるブレーキをかけた場合における電流波形の一例を示す図である。
【
図9】モータの停止時に2相短絡ブレーキモードによるブレーキをかけた場合における電流波形の一例を示す図である。
【
図14】停止判定部の、さらに他の構成例を示す図である。
【
図15】第2実施形態による縦型洗濯機の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
モータを動力源とする機器、例えば洗濯機等の製品においては、モータが停止しているのを正確に検知すべき場合がある。例えば、洗濯機等においては、蓋のロックを解除することの是非等を判定するために、モータの停止判定を行うものが多い。
【0009】
モータの停止判定を行う方法としては、エンコーダやレゾルバ等の位置検出器を備える構成が考えられる。また、モータの端子電圧を検出することによって停止判定を行うことが考えらえる。但し、何れの場合においても位置検出や端子電圧検出のための追加回路が必要になる。つまり、部品点数が増え、あるいは基板面積が拡大するという問題が生じる。
【0010】
モータの各相の交流電流を検出方法もあるが、一般に、3相モータを制御するためには、2相以上の電流が必要となり、同じく部品点数と基板面積増加となってしまう。
その他、回転子位置を推定する方法もあるが、位置推定の精度による影響を避けられない。また、位置推定の方法によっては高調波電圧を重畳する必要があり、重畳した高調波電圧により振動や電磁音(騒音)が生じるという課題もある。
【0011】
そこで、上述した特許文献1の技術を応用すると、ホールICなどによる位置検知器を設けるけることなく、かつ磁極位置の計算が不要であって計算の手順が簡単であり、安価なマイコンCPU(マイコンなど)を用いながら、短絡ブレーキでの停止判定が行えるインバータ装置およびそれを用いた脱水機が実現できるものと考えられる。
【0012】
すなわち、特許文献1の技術を応用すると、電流検知手段の出力を受け、周期的に周波数を検知する周波数検知手段と、前記モータの停止を判定する停止判定手段を有し、周波数検知手段の出力が所定値以上ではなくなった時から第1の所定時間経過した後に、前記モータを停止と判定するインバータ装置およびこれを用いた脱水機が実現できるものと考えられる。
【0013】
ここで、周波数検知手段は、短絡制動期間内に、3相/2相変換手段が出力する静止座標(αβ)での電流ベクトルの位相θを、微分手段によって微分することで、時間的変化の大きさから角速度ωを演算することが考えられる。しかし、インバータの直流母線電流を基に制御をする構成(いわゆる1シャント電流検出の構成)においては、短絡制動期間内にモータに流れる電流を検出ができないため、適用可能な電流検出方法が限定されてしまうという問題が生じる。
【0014】
また、上述した特許文献2の技術を応用すると、モータが停止するタイミングを推定し、モータの停止後の工程へ移行させるタイミングを判定することできると考えられる。これにより、運転時間を短くすることができ、休止制御の期間中に、トルク成分の電流が一定になるようにモータをPWM制御する洗濯機が実現できると考えられる。しかし、トルク成分の電流を検出あるいは推定するためには、3相モータのうち、2相以上の電流が必要となるとともに、モータの回転子位置情報が必要になる。このため、当該技術においては、適用可能な電流検出方法が限定されてしまい、さらに位置推定の精度による影響が避けられなくなるという問題が生じる。
【0015】
そこで、後述する実施形態は、基板面積低減や部品点数削減が可能な電流検出の構成において、モータの停止判定を行うこと、および、この停止判定を行う洗濯機を提供することを課題とする。この課題に鑑み、後述する実施形態においては、電力変換回路の全相の下アームまたは上アームをオンする期間と、一相または二相が他相と異なるスイッチング状態となる期間と、を確保し、双方の期間における状態に基づいてモータの停止判定を行うものである。これにより、後述する実施形態によれば、基板面積低減や部品点数削減が可能な回路構成において停止判定を行える。また、低回転域においても精度良く停止判定ができる。
【0016】
[第1実施形態]
<モータ制御システム100の概略構成>
図1は、第1実施形態によるモータ制御システム100の概略構成図である。
図1において、モータ制御システム100は、モータ20を制御するものであり、制御部40と、直流電圧源120と、電力変換部130と、電流検出部50と、を備えている。
【0017】
モータ20は、例えば、回転子に永久磁石を有する永久磁石同期モータであるが、モータ20の種別はこれに限定されるわけではない。また、モータ20には、図示は省略するが、機械的あるいは磁気的に機械出力を伝える機構が接続されている。
【0018】
<直流電圧源120>
電力変換部130には、シャント抵抗器135を介して、直流電圧源120が接続されている。直流電圧源120は直流電圧Edcを出力する。直流電圧源120は、商用交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータであってもよく、ある直流電圧を異なる直流電圧に制御するDC/DCコンバータであってもよく、バッテリ等であってもよい。電流検出部50は、シャント抵抗器135の電圧降下に基づいて、直流電圧源120から電力変換部130に供給される入力電流を検出し、その結果を入力電流検出値Ishとして出力する。また、シャント抵抗器135は、電力変換部130に過大な電流が流れないようにして電力変換部130を保護する機能も有する。
【0019】
<電力変換部130>
また、電力変換部130は、例えばインバータ回路であり、図示の例では、ゲートドライバ123と、電力変換回路131と、を備えている。電力変換回路131は、上アームにおける3個のスイッチング素子Q1,Q3,Q5(第1のスイッチング素子)と、下アームにおける3個のスイッチング素子Q2,Q4,Q6(第2のスイッチング素子)と、これらに逆並列接続されたダイオード(符号なし)と、を備えている。これにより、電力変換回路131は、3相のブリッジ回路を構成している。
【0020】
図示の例において、スイッチング素子Q1~Q6はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるが、これに代えてMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を適用してもよい。ゲートドライバ123は、スイッチング素子Q1~Q6のオン/オフ状態を制御することにより、直流電圧源120の出力電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変調し、モータ20に対して交流電圧を印加する。
【0021】
スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作が遅れ無く理想的に切り替わると仮定して説明すると、電力変換回路131から出力される電圧はパルス状の電圧となる。公知のパルス幅変調(PWM)の考えを用いると、パルス状電圧は交流電圧としてみなすことができる。なお、パルス幅変調においては、等価的な交流電圧の周波数(ここでは単相モータの回転周波数に相当する)に対し、スイッチング素子Q1~Q6をオンオフする周期、つまりスイッチング周波数を十分に高くすることが一般的である。
【0022】
電力変換回路131における上下アームのスイッチングの状態によって、電力変換回路131の各相の電圧は、制御される。電力変換回路131においては、モータ20に現れる交流電圧の周波数よりも充分に高い周波数でスイッチングを行うため、電力変換回路131の各相の出力電圧は、上下アームのスイッチングの比率(スイッチングデューティ)を変えることにより自由に調整できる。すなわち、電力変換回路131は、任意の周波数の三相交流電圧をモータ20に印加することができ、これによってモータ20の可変速駆動や、トルク制御を実現することができる。
【0023】
図1に示した電力変換部130では、電力変換回路131とゲートドライバ123が、独立した構成となっているが、両者を1つのパッケージに纏めたIPM(Intelligent Power Module)を、電力変換部130として適用してもよい。
【0024】
<制御部40>
制御部40は、電流検出部50によって得られた入力電流検出値Ishに基づいて、電力変換回路131における各スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング状態を制御する。これにより、制御部40は、モータ20の回転速度またはトルクを所望の値に制御することができる。そのため、制御部40は、電流検出部41と、電流制御部42と、停止判定部43と、PWM信号発生部44と、モード設定部46と、を備えている。なお、これら制御部40における各構成要素の詳細は後述する。
【0025】
図2は、コンピュータ980のブロック図である。
図1に示した制御部40は、
図2に示すコンピュータ980を、1台または複数台備えている。
図2において、コンピュータ980は、CPU(Central Processing Unit)981と、記憶部982と、通信I/F(インタフェース)983と、入出力I/F984と、DSP(Digital Signal Processor)985と、を備える。ここで、記憶部982は、RAM982aと、ROM982bと、を備える。通信I/F983は、通信回路986に接続される。入出力I/F984は、入出力装置987に接続される。
【0026】
ROM982bには、CPU981およびDSP985によって実行される制御プログラムや各種データ等が記憶されている。CPU981およびDSP985は、これら制御プログラムを実行することにより、各種機能を実現する。先に
図1に示した、制御部40の内部は、主として、制御プログラム等によって実現される機能をブロックとして示したものである。
【0027】
<モータ20>
図3は、モータ20の構造を模式的に示す図である。
モータ20は、固定子21と回転子22とを備えている。固定子21は、固定子コア26に巻線25を巻回した固定子磁極28を複数有している。また、回転子22は永久磁石27を備えている。
図3は、固定子の磁極の数(スロット数とも呼ぶ)が「6」であり、回転子22の磁極の数が「2」である例を示している。但し、固定子21および回転子22の磁極の数は自由に選ぶことができ、また、固定子と回転子の磁極の数が等しくない構成であってもよい。また、複数の巻線25の接続は、並列接続でも直列接続でもよい。本明細書では、対向する固定子磁極28の巻線25が直列接続されて一相を構成し、モータ20としては三相の巻線で構成されているものとして説明する。
【0028】
固定子磁極28は巻線25に電流を流すことにより、電磁石の要領で磁極が生じる。そして、巻線25の電流の向きによって極性(N極、S極)が切り替わる。本明細書では、巻線25に正の直流電流を流した際に固定子磁極28がS極となり、回転子22の永久磁石27のN極が引きつけられる際の、回転子22の回転角度(回転角度位置)をゼロ度と定義する。なお、これ以降、回転子の回転角度位置を回転子位置θd(図示せず)と表記する。そして、複数の巻線25のうち、何れか一つの位置を基準位置として定める。本明細書では、
図3の右側にある巻線25(U相との記載に一番近い巻線)を基準位置として説明する。本明細書においては、回転子22は反時計回りに回転する方向を正回転と定義する。
【0029】
ここで座標軸の定義について説明する。
図4は、3相交流軸と2相交流軸との関係を示す図である。
ここで、3相交流軸は、U相軸と、V相軸と、W相軸と、を有し、固定子21の各巻線25を基準にした静止座標系である。また、2相交流軸は、α軸と、β軸と、を有する静止座標系であり、3相交流軸を2相軸で表したものである。3相交流軸における電流値i
u,i
v,i
wは、例えば、下式(1)によって、2相交流軸における電流値i
α,i
βに変換することができる。下式(1)から明らかなように、この変換においては、回転子位置θdの情報は不要である。
i
α=1・i
u-(1/2)・i
v-(1/2)・i
w
i
β=0・i
u+(√3/2)・i
v-(√3/2)・i
w
…式(1)
【0030】
図5は、回転子位置θdと、固定子21の各巻線25の相との関係を示す図である。
U相,V相,W相の三相の巻線25は、電気角で120度の差をもって配置される。ここで、回転子22に設けられた永久磁石27の主磁束方向をd軸とし、d軸から回転方向に電気的に90度(電気角90度)進んだ軸をq軸とし、d軸およびq軸からなるd-q軸を定義する。このd-q軸は回転座標系である。d軸の定義は、「基準の巻線25に鎖交する永久磁石27の磁束が最大となる回転角度位置」とも言い換えることができる。
【0031】
<モータ20のブレーキ方法>
直流電圧源120(
図1参照)が、整流回路と平滑コンデンサなどによって、交流電源からの交流電力を直流電力に変換する構成の場合を想定する。この場合、交流電源の停電や、瞬時停電から復帰した状態において、モータ20の正確な停止判定を実現するためには、モータ20に電磁力によりブレーキをかけること、つまり、負トルクを発生する方がより安全的になる。しかし、負トルクを発生する状態は、いわゆる回生状態になるため、回生電力による過電圧や過電流を抑制することが好ましい。そこで、本実施形態においては、ブレーキモードとして、以下に述べる全相短絡ブレーキモードMA(第1のブレーキモード)と2相短絡ブレーキモードMB(第2のブレーキモード)と、を交互に実行することにより、モータ20を制動する。
【0032】
図6は、全相短絡ブレーキモードMAの説明図である。
図6および後述する
図7において、電流が流れる経路または素子は実線で表し、電流が流れない経路または素子は破線で表す。
図6に示すように、全相短絡ブレーキモードMAにおいては、例えば、下アームにおけるスイッチング素子Q2,Q4,Q6をオン状態とし、上アームにおけるスイッチング素子Q1,Q3,Q5をオフ状態とする。なお、図示の状態とは逆に、下アームにおけるスイッチング素子Q2,Q4,Q6をオフ状態とし、上アームにおけるスイッチング素子Q1,Q3,Q5をオン状態としてもよい。なお、
図6において、矢印は全て右向きとなっているが、実際に電流が流れる向きは回転子位置θdに依存する。
【0033】
すなわち、
図6において、モータ20に電流が流入する方向を「正」とし、モータ20から電流が流出する方向を「負」とすると、電力変換回路131を構成する3相のうち何れか1相が「正」で残りの2相が「負」である期間と、何れか2相が「正」で残りの1相が「負」である期間と、が発生する。
図6から明らかなように、全相短絡ブレーキモードMAにおいては、シャント抵抗器135には電流が流れないため、図示のようにシャント抵抗器135を1個のみ設ける構成(「1シャント電流検出」と呼ぶ)では、シャント抵抗器135を介した電流検出ができなくなる。
【0034】
図7は、2相短絡ブレーキモードMBの説明図である。
図7に示すように、2相短絡ブレーキモードMBにおいては、例えば、何れか1相の上アームにおけるスイッチング素子(図示の例ではスイッチング素子Q1)と、他の2相の下アームにおけるスイッチング素子(同、スイッチング素子Q4,Q6)と、をオン状態とし、他のスイッチング素子をオフ状態とする。なお、図示の状態とは逆に、何れか2相の上アームにおけるスイッチング素子と、他の1相の下アームにおけるスイッチング素子と、をオン状態とし、他のスイッチング素子をオフ状態としてもよい。
【0035】
図示の例においては、上アームに属するスイッチング素子のうちスイッチング素子Q1のみがオン状態になっているため、シャント抵抗器135を介して、U相の電流値iuを検出することができる。2相短絡ブレーキモードMBにおいては、U相の電流値iuと、α相の電流値iαとは等しくなるため、上述した式(1)のような演算を行うことなくα相の電流値iαを取得できる。
【0036】
2相短絡ブレーキモードMBにおいて、オン状態にする素子を、V相のスイッチング素子Q3またはW相のスイッチング素子Q5にすると、その相は、一般的な(
図4に示した)α相とは異なるものになる。しかし、入力電流検出値I
shは、α相から±120度シフトした軸上の電流になるため、α相電流検出値I
αは容易に算出できる。
【0037】
図8は、モータ20の回転時に2相短絡ブレーキモードMBによるブレーキをかけた場合における電流波形の一例を示す図である。
すなわち、
図8は、
図7に示したようにU相のスイッチング素子Q1をオン状態にした場合における各電流値i
u,i
v,i
w,i
α,i
βの一例である。モータ20が回転していると、回転子22(
図3参照)に設けられた永久磁石27によって、巻線25に誘起電圧(逆起電圧)が生じため、図示の各電流値には交流成分が含まれる。
【0038】
図9は、モータ20の停止時に2相短絡ブレーキモードMBによるブレーキをかけた場合における電流波形の一例を示す図である。
モータ20の停止時には、各巻線25には誘起電圧が生じない。従って、図示のように、U相の巻線25からV相およびW相の巻線25に直流電流が流れる。
【0039】
<制御部40の詳細>
以下、制御部40の各部の詳細を説明する。
図10は電流検出部41の構成例を示す図である。
電流検出部50は、オペアンプ等の増幅回路136を備えている。増幅回路136は、シャント抵抗器135の端子電圧を増幅し、その結果を入力電流検出値I
shとして出力する。電流検出部41は、サンプルホールド部137と、ADC(アナログデジタル変換器)138と、を備えている。
【0040】
サンプルホールド部137において、サンプルホールドのタイミングとなるトリガ信号は、2相短絡ブレーキモードMB(
図7参照)が採用されているタイミング、すなわちU相の上アームのスイッチング素子Q1がオンになるタイミングを基準として生成するとよい。より具体的には、ADC138の起動遅れ、スイッチング素子Q1~Q6のオン遅れ、スイッチングに起因するリンギング等を考慮して、サンプルホールドのタイミングを決定するとよい。ADC138は、サンプルホールド部137が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換し、その結果をα相電流検出値I
αとして出力する。
【0041】
図11は電流制御部42の構成例を示す図である。
電流制御部42は、減算器91と、比例制御部96と、積分制御部97と、加算器90と、制限部87と、を備えている。減算器91は、α相電流指令値I
α
*からα相電流検出値I
αを減算する。比例制御部96は、減算器91が出力する減算結果(I
α
*-I
α)に対して、比例制御ゲインKpを乗算し、乗算結果を出力する。
【0042】
積分制御部97は、同減算結果を積分し、積分結果に対して積分制御ゲインKiを乗算し、乗算結果を出力する。加算器90は、比例制御部96および積分制御部97の出力信号を加算し、加算結果を出力する。これにより、電流制御部42は、比例積分制御を行う。α相電流指令値Iα
*は、制御部40の仕様に応じて決定すればよいが、例えば、下式(2)または下式(3)によって決定することができる。
【0043】
Iα
*=(Edc×C1)/R …式(2)
Iα
*=Irated×C2 …式(3)
【0044】
式(2)において、Rはモータ20の巻線25の抵抗値であり、Edc0は、直流電圧源120が出力する直流電圧Edcのノミナル値であり、C1は、所定の直流電圧比率定数である。また、式(3)において、Iratedは、モータ20の定格電流値であり、C2は、所定の定格電流比率定数である。
【0045】
式(2)を採用し、直流電圧比率定数C1を例えば「0.05」とすると、直流電圧ノミナル値Edc0の5%に対応する電圧がU相電圧(すなわちα相電圧)となるように、α相電流指令値Iα
*が設定されることになる。また、式(3)を採用し、定格電流比率定数C2を例えば「0.1」とすると、U相電流(すなわちα相電流)には、定格電流の10%に相当電流が流れるように、α相電流指令値Iα
*が設定されることになる。α相電流指令値Iα
*は、電流検出部41が生成してもよいが、上位制御系や他の制御系などからα相電流指令値Iα
*を取得してもよい。
【0046】
制限部87は、加算器90の出力信号の絶対値が所定範囲内になるように制限し、制限された出力信号をα相電圧指令値Vα
*として出力する。制限部87は、電流検出が可能となるパルス幅を確保するために設けたものである。従って、加算器90の出力信号の絶対値を特に制限する必要が無い場合は、制限部87を省略し、加算器90の出力信号をα相電圧指令値Vα
*として出力してもよい。
【0047】
図1に示したPWM信号発生部44は、α相電圧指令値V
α
*に基づいて、各スイッチング素子Q1~Q6のオン/オフ状態を指定するドライブ信号を出力する。また、モード設定部46は、全相短絡ブレーキモードMAまたは2相短絡ブレーキモードMBの実行を、PWM信号発生部44に対して指定する。
【0048】
図12は停止判定部43の構成例を示す図である。
図12において、停止判定部43は、最大値取得部61と、判定部88と、を備えている。最大値取得部61は、所定期間内におけるα相電圧指令値V
α
*の最大値を取得する。また、判定部88は、取得した最大値が所定の閾値V
thを超えた場合に“1”(モータ20が回転中)となり、それ以外の場合に“0”(モータ20が停止中)となる停止判定信号Jを出力する。但し、停止判定信号Jが“0”(モータ20が停止中)となる場合とは、必ずしもモータ20が完全に停止した状態に限られず、モータ20の用途に応じて、「停止中である」とみなして差し支えない程度に低速回転している場合も含めてよい。
【0049】
前述の通り、モータ20が回転している場合は、回転子22(
図3参照)に設けられた永久磁石27による誘起電圧(逆起電圧)が巻線25に生じる。そして、先に
図11に示した電流制御部42は、α相電流検出値I
αが直流量であるα相電流指令値I
α
*に近づくようにα相電圧指令値V
α
*を出力する。モータ20が回転していると、α相電流検出値I
αには交流成分が含まれるため、α相電圧指令値V
α
*にも有意な交流成分が含まれることになり、その最大値は比較的大きくなり、閾値V
thを超える。従って、モータ20が回転している場合には、停止判定信号Jは“1”になる。
【0050】
一方、モータ20が停止していると、α相電流検出値Iαはほぼ直流成分のみになるため、α相電圧指令値Vα
*には有意な交流成分が含まれなくなる。これにより、α相電圧指令値Vα
*の最大値は比較的小さな値となり、閾値Vth以下になる。従って、モータ20が停止している場合には、停止判定信号Jは“0”になる。このように、α相電圧指令値Vα
*に有意な交流成分が含まれているか否か否かを検出することにより、モータ20が停止しているか否かを判定することができる。
【0051】
閾値Vthは、上述したα相電流指令値Iα
*によって定まるα相電圧指令値Vα
*の期待値に応じて決定するとよい。モータ20の誘起電圧はモータ20の回転速度に比例して生じる。そのため、モータ20がある程度高い速度で回転している場合は、閾値Vthを高めにすると誤検知を防ぎやすい。一方、モータ20の回転速度が低い場合は、電流制御部42の比例制御ゲインKpや積分制御ゲインKiを高くし、あるいは閾値Vthを低くすることで、高精度な停止判定が可能になる。
【0052】
図13は、停止判定部43の他の構成例を示す図である。
図13において、停止判定部43は、最大値取得部61と、最小値取得部62と、減算器91と、判定部88と、を備えている。
図12のものと同様に、最大値取得部61は、所定期間内におけるα相電圧指令値V
α
*の最大値を取得する。一方、最小値取得部62は、同期間におけるα相電圧指令値V
α
*の最小値を取得する。減算器91は、取得した最大値および最小値の差分値を出力する。判定部88は、この差分値が所定の閾値V
thを超えた場合に“1”(モータ20が回転中)となり、それ以外の場合に“0”(モータ20が停止中)となる停止判定信号Jを出力する。
【0053】
上述したようにモータ20が回転していると、α相電圧指令値V
α
*には有意な交流成分が含まれるため、減算器91が出力する差分値は比較的大きくなり、閾値V
thを超える。従って、モータ20が回転している場合には、停止判定信号Jは“1”になる。一方、モータ20が停止していると、α相電圧指令値V
α
*には有意な交流成分が含まれなくなるため、減算器91が出力する差分値は比較的小さくなり、閾値V
th以下になる。従って、
図13の例によっても、モータ20の高精度な停止判定が可能になる。
【0054】
図14は、停止判定部43の、さらに他の構成例を示す図である。
図14において、停止判定部43は、トリガ信号発生部63と、タイマ部64と、判定部88と、を備えている。トリガ信号発生部63は、α相電圧指令値V
α
*が増加すると“1”になり、α相電圧指令値V
α
*が減少すると“0”になるトグル信号TSを発生する。
【0055】
タイマ部64は、トグル信号TSの立上りエッジから立下りエッジまでの期間、および立下りエッジから立上りエッジまでの期間においてカウントアップを行い、これらの期間のカウント結果VCを出力する。判定部88は、「0<Vth1<Vth2」となる所定の閾値Vth1,Vth2に対して、カウント結果VCが「Vth1≦VC≦Vth2」の関係を満たす場合に“1”(モータ20が回転中)、満たさない場合に“0”(モータ20が停止中)となる停止判定信号Jを出力する。
【0056】
ここで、判定部88における判定の意義について説明する。
まず、モータ20が停止状態である場合は、電流制御部42から出力されるα相電圧指令値V
α
*は、ほぼ直流の値となる。しかし、制御部40の演算ビット数やADC138(
図10参照)におけるアナログデジタル変換の過程に起因して、カウント結果VCがノイズ信号のように、非常に短時間で切り替わることがある。そこで、このような誤検知を防ぐため、最小値である閾値V
th1よりもカウント結果VCが小さい場合には、モータ20が停止中であると判定することにした。
【0057】
また、同じくモータ20の停止状態において、電流制御部42(
図11参照)における比例制御ゲインKpおよび積分制御ゲインKiが小さい場合、α相電圧指令値V
α
*は、ほぼ一定値になるため、カウント結果VCは、充分に大きな値になる。そこで、閾値V
th2よりもカウント結果VCが大きい場合には、モータ20が停止中であると判定することにした。
【0058】
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態による縦型洗濯機200(洗濯機)の模式的断面図である。
なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
図15において縦型洗濯機200は、筐体6と、筐体6に装着された外フタ5(フタ)と、を備えている。また、縦型洗濯機200は、筐体6および外フタ5の内側に、水槽7と、洗濯槽3と、モータ20と、上記第1実施形態によるモータ制御システム100と、を備えている。ドアロック部11は、外フタ5を閉状態でロックする。
【0059】
洗濯工程では、洗濯槽3の中に洗濯物が投入され、給水装置8より洗濯水を水槽7に蓄え、モータ20に接続された撹拌羽4のみを回転させ洗濯物を洗浄する。また、脱水工程では、モータ20に接続されたクラッチ9を切り替え、洗濯槽3と撹拌羽4を共に回転させ遠心力で洗濯物の脱水を行う。また、停止判定信号Jは、第1実施形態のものと同様に、モータ20の回転中は“1”になり、停止中は“0”になる。ここで“0”(モータ20が停止中)とは、必ずしもモータ20が完全に停止した状態ではなく、ユーザが洗濯槽3に触れても安全な程度の低速状態になった場合も含めてよい。ドアロック部11は、停止判定信号Jが“0”になったことを条件として、外フタ5のロック状態を解除し、外フタ5を開閉できるようにする。
【0060】
縦型洗濯機200の動力源となる交流電源は停電することがあり、交流電源が数サイクルの短い間だけ停電状態となる、いわゆる瞬時停電が生じる場合もある。本実施形態における制御部40、すなわちモード設定部46(
図1参照)は、所定のブレーキ対象時間以下の期間、交流電源の交流電圧が停電状態(瞬時停電を含む)になったことを検出し、その後に交流電圧が復活すると、所定期間に渡って全相短絡ブレーキモードMA(
図6参照)と、2相短絡ブレーキモードMB(
図7参照)と、を交互に実行する。そして、制御部40は、2相短絡ブレーキモードMBにおけるα相電圧指令値V
α
*の変化の大きさに基づいて、停止判定信号Jの値を設定する。
【0061】
以上の動作により、本実施形態によれば、縦型洗濯機200の洗濯槽3または撹拌羽4を回転させるモータ20を、位置センサを用いない位置センサレスで駆動することができる。さらに、基板面積低減や部品点数削減が可能な1シャント電流検出の構成において、モータ20の停止判定を行うことができる。これにより、本実施形態によれば、短絡ブレーキ時の交流電流に起因する振動や騒音を低減できる。
【0062】
[実施形態の効果]
以上のように上述の実施形態によれば、モータ制御システム100は、電力変換回路131について、第1のブレーキモード(MA)または第2のブレーキモード(MB)を指定するモード設定部46と、第2のブレーキモード(MB)における制御指令値(Vα
*)の変化状態に基づいて、モータ20が停止状態であるか否かを表す停止判定信号Jを出力する停止判定部43と、を備える。これにより、モータ20の適切な停止判定を実現できる。
【0063】
すなわち、第2のブレーキモード(MB)においてシャント抵抗器135を介して入力電流検出値Ishおよびα相電流検出値Iαを取得し、α相電流検出値Iαが所定のα相電流指令値Iα
*に近づくように、α相電圧指令値Vα
*を制御する。そして、α相電圧指令値Vα
*の変化状態に基づいて、モータ20の停止判定を行うことができる。すなわち、基板面積低減や部品点数削減が可能な電流検出手法である「1シャント電流検出」において停止判定を実現できる。また、判定部88における各種閾値や、電流制御部42における各種ゲインを適宜設定することにより、モータ20の回転速度によらず、高精度な停止判定を実現できる。
【0064】
また、モード設定部46は、所定のブレーキ対象時間以下の期間、交流電圧に停電状態が発生すると、第1のブレーキモード(MA)と、第2のブレーキモード(MB)と、を交互に実行すると一層好ましい。これにより、モータ20の停止判定を行いつつ、モータ20に対して充分な制動をかけることができる。
【0065】
また、停止判定部43は、制御指令値(Vα
*)の所定時間内における最大値と最小値の差、または最大値が現れる時刻から最小値が現れる時刻までの期間と、所定の閾値Vth,Vth1,Vth2と、の比較結果に基づいて、停止判定信号Jを出力すると一層好ましい。これにより、制御指令値(Vα
*)の変動態様に応じて、停止判定信号Jを出力することができる。
【0066】
また、洗濯機(200)は、モータ制御システム100と、モータ20と、筐体6と、筐体6に装着されたフタ(5)と、フタ(5)を閉状態にしたままロックするとともに、停止判定信号Jに基づいてフタ(5)のロックを解除するドアロック部11と、を備える。これにより、ドアロック部11は、停止判定信号Jに基づいて、フタ(5)のロックを解除することができる。
【0067】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0068】
(1)上記各実施形態において、モータ20は、固定子21の内側に回転子22を配置したインナーロータ型のモータとして説明したが、モータ20として、アウターロータのモータを適用してもよい。また、モータ20は、ラジアルギャップモータであっても、アキシャルギャップモータであってもよい。さらに、モータ20は、永久磁石同期モータに限られず、磁石を配置したシンクロナスリラクタンスモータやSRM(スイッチトリラクタンスモータ)であってもよい。
【0069】
(2)上述の第2実施形態においては、縦型洗濯機200に本発明を適用した例について説明したが、縦型洗濯機200に代えて、ドラム式洗濯機や洗濯乾燥機等、他の洗濯機に本発明を適用してもよい。
【0070】
(3)上記実施形態における制御部40のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、上述した各ブロック図、その他上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体(プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0071】
(4)上述した各ブロック図、その他上述した各種処理を実行するプログラム等は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0072】
(5)上記実施形態において実行される各種処理は、図示せぬネットワーク経由でサーバコンピュータが実行してもよく、上記実施形態において記憶される各種データも該サーバコンピュータに記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
5 外フタ(フタ)
6 筐体
11 ドアロック部
20 モータ
42 電流制御部
43 停止判定部
46 モード設定部
50 電流検出部
100 モータ制御システム
120 直流電圧源
131 電力変換回路
200 縦型洗濯機(洗濯機)
J 停止判定信号
MA 全相短絡ブレーキモード(第1のブレーキモード)
MB 2相短絡ブレーキモード(第2のブレーキモード)
Edc 直流電圧
Q1,Q3,Q5 スイッチング素子(第1のスイッチング素子)
Q2,Q4,Q6 スイッチング素子(第2のスイッチング素子)
Vth,Vth1,Vth2 閾値