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特開2024-154070日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154070
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システム
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/12 20060101AFI20241023BHJP
   G01W 1/10 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G01W1/12 G
G01W1/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067682
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】523145620
【氏名又は名称】株式会社バニヤンズ
(71)【出願人】
【識別番号】397060072
【氏名又は名称】スカパーJSAT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166051
【弁理士】
【氏名又は名称】駒津 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】稲村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】釣 文男
(72)【発明者】
【氏名】小渕 浩希
(72)【発明者】
【氏名】間宮 敦
(72)【発明者】
【氏名】花田 行弥
(57)【要約】
【課題】 より詳細な地点における日射量を予測できる日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 撮像手段200が撮像した上空映像を上空映像受付手段110が受け付け、撮像位置の撮像位置情報を撮像位置情報受付手段120が受け付け、上空映像から上空状態を上空映像解析手段140が解析し、解析した上空映像から撮像位置における撮像時点透過率を透過率算出手段150が算出し、気象観測情報を気象観測情報受付手段130が受け付け、上空映像解析情報と撮像時点透過率と気象観測情報とから予測時点透過率を予測透過率算出手段170が算出し、快晴時の日射量である予測時点標準日射量と予測時点透過率と、から撮像位置における予測日射量を日射量予測手段190が算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
日射量を予測する日射量予測装置において、
撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段と、
前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段と、
前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段と、
前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段と、
前記撮像位置における気象観測情報を受け付ける気象観測情報受付手段と、
前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段と、
予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段と、
を備えることを特徴とする日射量予測装置。
【請求項2】
前記上空映像解析手段は、
あらかじめ太陽の状態を認識可能に学習した太陽解析学習情報に基づいて、前記上空映像における太陽の状態を解析する太陽解析部と、
あらかじめ雲の状態を認識可能に学習した雲解析学習情報に基づいて、前記上空映像における雲の状態を解析する雲解析部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の日射量予測装置。
【請求項3】
前記雲解析部は、
あらかじめ雲の領域を他の領域と識別可能に学習した雲領域識別学習情報に基づいて、前記上空映像における雲の領域を他の領域と識別する雲識別部と、
前記雲識別部が識別した雲領域の面積を算出する雲面積算出部と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の日射量予測装置。
【請求項4】
前記雲解析部は、
あらかじめ厚雲の領域を他の領域と識別可能に学習した厚雲識別学習情報に基づいて、前記上空映像における厚雲の領域を他の領域と識別する厚雲識別部と、
前記雲識別部が識別した厚雲領域の面積を算出する厚雲面積算出部と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の日射量予測装置。
【請求項5】
前記上空映像解析手段は、
前記上空映像における空領域の面積を算出する空面積算出部、
を備えることを特徴とする請求項2記載の日射量予測装置。
【請求項6】
前記空面積算出部は、
前記太陽解析部が解析した太陽部分を上空映像から取り除くマスク処理部と、
前記マスク処理部が処理した上空映像をフーリエ変換するフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換部が変換した上空映像から、青色成分領域の面積を算出する青色面積算出部と、
を備えることを特徴とする請求項5記載の日射量予測装置。
【請求項7】
前記上空映像解析手段は、
あらかじめ雨の部分を検出可能に学習した雨検出学習情報に基づいて、
前記上空映像における雨部分を検出する雨検出部、
を備えることを特徴とする請求項2記載の日射量予測装置。
【請求項8】
前記上空映像解析手段は、
解析結果に基づいて、太陽光の透過率を任意の範囲で複数の気象クラスに分割した気象クラスのうち、どの気象クラスに解析した上空映像が該当するか分類する気象クラス分類部、
を備えることを特徴とする請求項1記載の日射量予測装置。
【請求項9】
前記撮像時点透過率算出手段は、
あらかじめ前記複数の気象クラス毎に設けられた透過率を算出するための透過率算出学習情報に基づいて、撮像時点の透過率を算出すること、
を特徴とする請求項8記載の日射量予測装置。
【請求項10】
前記撮像位置情報受付手段は、
前記上空映像に埋め込まれた位置情報、または位置情報および方向情報を受け付けること、
を特徴とする請求項1記載の日射量予測装置。
【請求項11】
日射量を予測する日射量予測方法において、
撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付けるステップと、
前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付けるステップと、
前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析するステップと、
前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出するステップと、
前記撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付けるステップと、
前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出するステップと、
予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出するステップと、
を備えることを特徴とする日射量予測方法。
【請求項12】
日射量を予測する日射量予測プログラムにおいて、
コンピュータを、
撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段、
前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段、
前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段、
前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段、
前記撮像位置における気象観測情報を受け付ける気象観測情報受付手段、
前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段、
予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段、
として機能させることを特徴とする日射量予測プログラム。
【請求項13】
日射量を予測する日射量予測システムにおいて、
周辺の上空を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した位置における気象観測情報が記憶される気象観測情報記憶手段と、
前記撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段と、前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段と、前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段と、前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段と、前記撮像位置における気象観測情報を前記気象観測情報記憶手段から受け付ける気象観測情報受付手段と、前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段と、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段とを具備する日射量予測装置と、
を備えることを特徴とする日射量予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システムに関し、特に日射量を予測する日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の枯渇や原子力の環境問題などにより、太陽光発電が注目されている。しかし太陽光発電は発電所設置場所の気象変化の影響を受けて出力が大きく変動するため、太陽光による日射量を予測することで太陽光発電の発電量の予測に役立つ装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的に、特許文献1では、気象観測装置から衛星画像データを受信する受信手段と、受信手段で受信した衛星画像データから輝度温度と、反射率を取得する取得手段と、取得した輝度温度と、反射率から雲の種類を判定する雲判定手段と、雲判定手段で判定した雲の種類に基づいて日射量を推定する推定手段と、を備えた日射量推定装置が開示されている。
【0004】
特許文献1で開示された日射量推定装置によると、気象観測装置から受信した衛星画像データを受信手段が受信し、受信手段が受信した衛星画像データから輝度温度と反射率とを取得手段が取得し、取得手段が取得した輝度温度と反射率とから雲の種類を雲判定手段が判定し、雲判定手段が判定した雲の種類に基づいて推定手段が日射量を推定するので、日射量の推定精度が向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-090442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で開示された日射量推定装置では、気象観測装置から受信した衛星画像データに基づいて日射量を推定しているため、広いエリアで精度の高い日射量を推定することはできるが、より詳細な地点における日射量を高精度に推定することはできないという問題があった。
【0007】
たとえば、特定の100メートル四方あるいは数十メートル四方という詳細なエリアにおける日射量が予測できれば、より詳細な太陽光発電の発電量を予測することができる。しかし、気象観測装置である気象衛星は地上から約3万6千キロメートルの高度で地球の周りを回っているため、気象観測装置から受信した衛星画像データの解像度が粗いと、この詳細な地点における輝度温度と反射率とを取得手段が衛星画像データから取得することができない。このため、この詳細な地点における雲の種類を特定することができず、推定手段も詳細な地点における日射量を推定することはできない。
【0008】
また、現在の気象衛星の解像度の衛星画像データでは、領域を限定すれば限定するほど、すなわち衛星画像データにおける特定の部分を拡大すれば拡大するほど、雲の分布パターンを雲判定手段が認識することができないため、この場合も推定手段が詳細な地点における日射量を推定することはできない。このため特許文献1で開示された日射量推定装置では、より詳細な地点における日射量を推定することはできないという問題があった。
【0009】
たとえば雲の分布パターンを雲判定手段が認識できるように、地上で全天画像を撮像し、その撮像した全天画像における雲の分布パターンと衛星画像データにおける雲の分布パターンとを同定させて、衛星画像データにおける全天画像を撮像した位置を特定し、その特定した位置における日射量を推定することも考えられる。
【0010】
しかし、撮像した全天画像における雲の分布パターンと衛星画像データにおける雲の分布パターンとを同定させただけでは、衛星画像データにおける全天画像を撮像した位置を正確に特定することは難しい。また、前述のように詳細な地点を特定できるほどの解像度ではない衛星画像データに基づいて日射量を推定するため、より詳細な地点における予測日射量を推定することはできないという問題があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、より詳細な地点における日射量を予測できる日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では上記問題を解決するために、日射量を予測する日射量予測装置において、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段と、前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段と、前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段と、前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段と、前記撮像位置における気象観測情報を受け付ける気象観測情報受付手段と、前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段と、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段とを備えることを特徴とする日射量予測装置が提供される。
【0013】
これにより、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付け、上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付け、上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析し、上空映像解析手段が解析した上空映像から撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出し、撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付け、上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出し、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出する。
【0014】
また、本発明では、日射量を予測する日射量予測方法において、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付けるステップと、前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付けるステップと、前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析するステップと、前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出するステップと、前記撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付けるステップと、前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出すると、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出するステップとを備えることを特徴とする日射量予測方法が提供される。
【0015】
これにより、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付け、上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付け、上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析し、上空映像解析手段が解析した上空映像から撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出し、撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付け、上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出し、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出する。
【0016】
また、本発明では、日射量を予測する日射量予測プログラムにおいて、コンピュータを、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段、前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段、前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段、前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段、前記撮像位置における気象観測情報を受け付ける気象観測情報受付手段、前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段として機能させることを特徴とする日射量予測プログラムが提供される。
【0017】
これにより、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付け、上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付け、上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析し、上空映像解析手段が解析した上空映像から撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出し、撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付け、上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出し、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出する。
【0018】
また、本発明では、日射量を予測する日射量予測システムにおいて、周辺の上空を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した位置における気象観測情報が記憶される気象観測情報記憶手段と、前記撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を受け付ける上空映像受付手段と、前記上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を受け付ける撮像位置情報受付手段と、前記上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を解析する上空映像解析手段と、前記上空映像解析手段が解析した上空映像から前記撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を算出する撮像時点透過率算出手段と、前記撮像位置における気象観測情報を前記気象観測情報記憶手段から受け付ける気象観測情報受付手段と、前記上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、前記撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、前記気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を算出する予測時点透過率算出手段と、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、前記予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から前記撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を算出する予測日射量算出手段とを具備する日射量予測装置とを備えることを特徴とする日射量予測システムが提供される。
【0019】
これにより、上空を撮像手段が撮像し、前記撮像手段が撮像した位置における気象観測情報を気象観測情報記憶手段が記憶し、日射量予測装置で、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付け、上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付け、上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析し、上空映像解析手段が解析した上空映像から撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出し、撮像位置における気象観測情報を気象観測情報記憶手段から気象観測情報受付手段が受け付け、上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出し、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の日射量予測装置、日射量予測方法、日射量予測プログラム、および日射量予測システムによれば、撮像手段によって周辺の上空を撮像した上空映像を上空映像受付手段が受け付け、上空映像が撮像された撮像位置の位置情報である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段が受け付け、上空映像受付手段が受け付けた上空映像から上空の状態を上空映像解析手段が解析し、上空映像解析手段が解析した上空映像から撮像位置における太陽光の透過率である撮像時点透過率を撮像時点透過率算出手段が算出し、撮像位置における気象観測情報を気象観測情報受付手段が受け付け、上空映像解析手段が上空映像を解析した上空映像解析情報と、撮像時点透過率算出手段が算出した撮像時点透過率と、気象観測情報受付手段が受け付けた気象観測情報と、から予測時点の透過率である予測時点透過率を予測時点透過率算出手段が算出し、予測時点における快晴時の日射量である予測時点標準日射量と、予測時点透過率算出手段が算出した予測時点透過率と、から撮像位置における予測時点の日射量である予測日射量を予測日射量算出手段が算出するので、撮像手段が撮像した地点における透過率が上空映像を解析することで算出され、その算出された透過率と、撮像地点での気象情報とから撮像地点における予測時点の透過率が算出できる。また快晴時における太陽の日射量は計算により算出できるので、予測時点の透過率と快晴時における太陽の日射量と、から撮像地点における予測時点の日射量が算出できる。
【0021】
このように、地上から撮像手段で上空を撮像した撮像位置情報および上空映像と、気象観測情報とに基づいて予測日射量が算出されるので、より詳細な地点における高精度な予測日射量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施の形態に係る日射量予測システム全体の構成を示すブロック図である。
図2】観測情報受付手段の詳細を示すブロック図である。
図3】本実施の形態における気象クラスの設定例を示す図である。
図4】映像解析手段の詳細を示すブロック図である。
図5】太陽検出部の詳細を示すブロック図である。
図6】雲識別部の詳細を示すブロック図である。
図7】厚雲検出部の詳細を示すブロック図である。
図8】厚雲識別部の詳細を示すブロック図である。
図9】空面積算出部の詳細を示すブロック図である。
図10】雨検出部の詳細を示すブロック図である。
図11】気象クラス分類部の詳細を示すブロック図である。
図12】透過率算出手段の詳細を示すブロック図である。
図13】気象クラス0透過率算出部、気象クラス1透過率算出部、気象クラス2透過率算出部、気象クラス3透過率算出部、および気象クラス4透過率算出部の詳細を示すブロック図である。
図14】予測透過率算出手段の詳細を示すブロック図である。
図15】情報記憶手段の詳細を示すブロック図である。
図16】学習情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図17】上空映像受付手段が上空映像を受け付けてから、日射量予測手段が日射量を予測するまでの処理を示すフローチャートである。
図18】上空映像解析手段が上空映像を受け付けてから、上空映像を解析して特徴量を抽出するまでの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る日射量予測システム全体の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、日射量予測システム1000は、日射量予測装置100と、撮像手段200と、観測データベース300と、がインターネットなどのネットワーク400を介して接続されて互いに情報が通信される。
【0024】
撮像手段200は主に地球上の任意の地点に設置されて上空を撮像するためのカメラであって、たとえば上下左右全方位に撮像可能な全天球カメラや、上方および水平方向に撮像可能な半球カメラが例に挙げられる。なお、ここでいう上空とは、撮像地点における地平面から上方の部分を指す。
【0025】
この他にも所定の画角で撮像範囲が限定されるCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)などの映像素子が搭載されたビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどでもよい。
【0026】
観測データベース300は、たとえば気象庁が観測している気象観測データを記憶する観測情報記憶装置であって、様々な地点における温度情報、湿度情報、気圧情報、日時情報、風速情報、風向情報などの観測情報が記憶されている。
【0027】
この他にも観測データベース300は、様々な地点に設置された温度計や湿度計などが記録する情報であってもよい。なお、観測データベース300は撮像手段200と一体に設けることができる。すなわち、撮像手段200は温度計や湿度計などの観測機器を具備することもできる。
【0028】
本実施の形態の日射量予測システム1000は、撮像手段200が上空を撮像した情報である上空映像に基づいて、上空映像を撮像した地点における予測するべき時点の日射量を予測するためのシステムである。なお、ここでいう上空映像とは静止した画像だけでなく動画も含まれる。
【0029】
本実施の形態の日射量予測システム1000を利用することで、利用者は撮像手段200で上空の映像を撮像し、その上空の映像を撮像した情報である上空映像を日射量予測装置100に送信するだけで、上空映像を撮像した場所における予測するべき時点の日射量を予測することができる。これにより、広いエリアでの日射量予測ではなく、上空を撮像したその地点における日射量を予測できるので、より詳細な地点における日射量を予測することができる。
【0030】
具体的な日射量の予測方法は、まず上空映像から空の状態、さらに具体的には雲の状態を解析し、太陽の光をどれくらい透過させるかという値である透過率を算出する。たとえば雲が少なく快晴に近い場合は、透過率が高くなり太陽光の透過量は増加するので日射量は高くなる。一方で雲が多い場合や厚い雲がある場合は、透過率が低くなり太陽光の透過量は低下するので日射量は低くなる。
【0031】
この上空映像から得られる撮像時の透過率と、観測データベース300から得られる観測情報とから、予測するべき時点における透過率である予測透過率を算出し、上空映像を撮像した地点における予測するべき時点における快晴時の太陽光の日射量を算出して、その日射量と予測透過率とから予測するべき時点の日射量を算出する。
【0032】
日射量予測装置100は、上空映像受付手段110、撮像位置情報受付手段120、観測情報受付手段130、上空映像解析手段140、透過率算出手段150、観測情報解析手段160、予測透過率算出手段170、標準日射量算出手段180、日射量予測手段190、および情報記憶手段Mを備えた情報処理装置である。
【0033】
また、日射量予測装置100は、ここでは図示しないプログラムを解釈し指示を出すための制御部、プログラムの命令に従って演算処理する演算部、情報を入力するための入力部、およびデータを出力するための出力部などを備えることができる。
【0034】
上空映像受付手段110は、情報記憶手段Mおよびネットワーク400に接続されており、撮像手段200が撮像した上空映像を受け付けて情報記憶手段Mに記憶するためのものである。
【0035】
具体的には、日射量を予測したい場所で利用者が撮像手段200で撮像した上空映像を日射量予測装置100に送信する。日射量予測装置100が受信した上空映像を上空映像受付手段110が受け付ける。上空映像受付手段110が受け付けた上空映像は、接続された情報記憶手段Mに上空映像受付手段110が記憶させる。また上空映像受付手段110は、上空映像の一部として撮像手段200で上空を撮像した日時情報を受け付けることもできる。
【0036】
撮像位置情報受付手段120は、情報記憶手段Mおよびネットワーク400に接続されており、撮像手段200が上空映像を撮像した撮像位置情報を受け付けて情報記憶手段Mに記憶するためのものである。
【0037】
具体的には、日射量を予測したい場所で利用者が撮像手段200で撮像した上空映像を日射量予測装置100に送信すると同時に、撮像手段200から送信される緯度と経度とによる緯度経度座標である撮像位置情報を撮像位置情報受付手段120が受け付ける。撮像位置情報受付手段120が受け付けた撮像位置情報は、接続された情報記憶手段Mに撮像位置情報受付手段120が記憶させる。
【0038】
撮像位置情報受付手段120が受け付ける撮像位置情報は、撮像手段200から上空映像と同時に送信されるものに限らず、ここでは図示しない入力手段によって、撮像手段200が上空映像を撮像した撮像位置情報を日射量予測装置100に入力し、日射量予測装置100が受信した撮像位置情報を撮像位置情報受付手段120が受け付けることもできる。
【0039】
また撮像位置情報受付手段120は、情報記憶手段Mに記憶された上空映像が有する撮像位置情報を受け付けることもできる。たとえば上空映像をGPS(Global Positioning System)チップが搭載されたスマートフォンで撮像した場合に、上空映像に含まれるジオタグと呼ばれる撮像位置情報を撮像位置情報受付手段120が受け付けることもできる。
【0040】
また撮像手段200が所定の画角で撮像範囲が限定されたカメラなどの場合においては、撮像位置情報受付手段120がジオタグに含まれる緯度経度座標や方位情報、高度などを受け付けることもできる。
【0041】
観測情報受付手段130は、情報記憶手段Mおよびネットワーク400に接続されており、観測データベース300に記憶された観測情報を受け付けて情報記憶手段Mに記憶するためのものである。
【0042】
具体的には、たとえば気象庁が観測している気象観測データを記憶する観測情報記憶装置に観測情報受付手段130が接続し、観測情報の解析に必要な情報を観測情報受付手段130が受け付ける。観測情報受付手段130が受け付けた観測情報は、接続された情報記憶手段Mに観測情報受付手段130が記憶させる。
【0043】
また、観測情報受付手段130が受け付ける観測情報は、観測データベース300に記憶されたものに限られるわけではなく、様々な地点に設置された温度計や湿度計などが記録する情報や、撮像手段200と一体に設けられた観測機器が記録した情報であってもよく、これらが記録した観測情報を観測情報受付手段130が受け付けることもできる。
【0044】
上空映像解析手段140は、情報記憶手段Mおよび透過率算出手段150に接続されており、情報記憶手段Mに記憶された上空映像を呼び出して解析するためのものである。
具体的には、解析するべき情報記憶手段Mに記憶された上空映像を上空映像解析手段140が呼び出して、その上空映像から、太陽の有無、雲の状態、空の面積、雨の有無などを上空映像解析手段140が解析する。
【0045】
また、あらかじめ透過率を任意の範囲で複数に分割区分した気象クラスが設定されており、上空映像解析手段140が解析した上空映像が、気象クラスにおけるどのクラスに該当するかを分類することができる。
【0046】
本実施の形態では、あらかじめ設定する気象クラスとして、透過率によって気象クラス0~気象クラス4までの5つのクラスに分割区分する例で説明するが、分割区分するクラス数や透過率の範囲は任意に設定することができる。上空映像解析手段140が解析し、分類された気象クラス情報が付与された上空映像は、透過率算出手段150に送信される。
【0047】
透過率算出手段150は、上空映像解析手段140、予測透過率算出手段170、および情報記憶手段Mに接続されており、上空映像解析手段140が解析した上空映像に基づいて上空映像の撮影時における透過率を算出するためのものである。
【0048】
具体的には、上空映像解析手段140が解析した上空映像を透過率算出手段150が受け付け、透過率算出手段150が受け付けた上空映像に付与された気象クラス情報に基づいて、その気象クラスに適合した算出方法で透過率を透過率算出手段150が算出する。
【0049】
これにより、より精度の高い透過率を透過率算出手段150は算出することができる。透過率算出手段150が算出した透過率情報は、接続された予測透過率算出手段170に送信される。
【0050】
観測情報解析手段160は、情報記憶手段M、および予測透過率算出手段170に接続されており、観測情報受付手段130が受け付けて情報記憶手段Mに記憶させた観測情報を呼び出して解析するためのものである。
【0051】
具体的には、解析するべき情報記憶手段Mに記憶された観測情報を観測情報解析手段160が呼び出して、その観測情報から、現在の温度情報、湿度情報、気圧情報、日時情報、風速情報、風向情報や、今後の雲の状態や動きに与える影響などを観測情報解析手段160が解析する。観測情報解析手段160が解析した観測情報は、予測透過率算出手段170に送信される。
【0052】
予測透過率算出手段170は、透過率算出手段150、観測情報解析手段160、日射量予測手段190、および情報記憶手段Mに接続されており、透過率算出手段150が算出した透過率情報と、観測情報解析手段160が解析した観測情報とから予測するべき時点における透過率である予測透過率を算出するためのものである。予測透過率算出手段170が算出した予測透過率は、接続された日射量予測手段190に送信される。
【0053】
標準日射量算出手段180は、情報記憶手段M、および日射量予測手段190に接続されており、撮像位置情報受付手段120が受け付けて情報記憶手段Mに記憶させた撮像手段200によって上空映像が撮像された撮像位置情報から、撮像位置における透過率100%である晴天時の日射量である標準日射量を算出するためのものである。
【0054】
具体的に標準日射量算出手段180が算出する標準日射量は、標準日射量を算出する関数に撮像位置情報である緯度経度情報、大気の混濁係数、可降水量、および地表面アルペドなどのパラメータを与えることで計算される値である。標準日射量算出手段180に入力するパラメータは観測データベース300から取得すると良い。
【0055】
標準日射量算出手段180が算出する日射量は、直達日射量、散乱日射量、全天日射量、反射日射量、あるいは傾斜面日射量などの各種日射量から、撮像手段200が撮像した上空映像の内容によって任意の日射量を選択して算出することができる。また前述の各種日射量から選択した任意の日射量から水平成分を抽出して他の日射量との合成値を算出することもできる。
【0056】
日射量予測手段190は、予測透過率算出手段170、標準日射量算出手段180、および情報記憶手段Mに接続されており、予測透過率算出手段170が算出した予測透過率と、標準日射量算出手段180が算出した予測時点の撮像位置における標準日射量と、から予測するべき時点における日射量を算出するためのものである。
【0057】
具体的に日射量予測手段190は、予測透過率算出手段170が算出した予測透過率と、標準日射量算出手段180が算出した標準日射量と、を乗算することで予測するべき時点における日射量を算出する。
【0058】
情報記憶手段Mは、上空映像受付手段110、撮像位置情報受付手段120、観測情報受付手段130、上空映像解析手段140、透過率算出手段150、観測情報解析手段160、予測透過率算出手段170、標準日射量算出手段180、および日射量予測手段190に接続されており、日射量予測装置100に必要な様々な情報を記憶するための記憶媒体である。
【0059】
具体的に情報記憶手段Mは、上空映像受付手段110が受け付けた撮像情報、撮像位置情報受付手段120が受け付けた撮像位置情報、観測情報受付手段130が受け付けた観測情報などを記憶することができる。
【0060】
また情報記憶手段Mは、上空映像解析手段140が撮像情報を解析するために学習した学習情報、透過率算出手段150が透過率を算出するために学習した学習情報、観測情報解析手段が観測情報を解析するために学習した学習情報、予測透過率算出手段170が予測透過率を算出するために学習した学習情報、標準日射量算出手段180が標準日射量を算出するために必要な関数やパラメータ情報などを記憶することができる。
【0061】
さらに、情報記憶手段Mは、コンピュータを、上空映像受付手段110、撮像位置情報受付手段120、観測情報受付手段130、上空映像解析手段140、透過率算出手段150、観測情報解析手段160、予測透過率算出手段170、標準日射量算出手段180、および日射量予測手段190として機能させるためのプログラムを記憶させることができる。
【0062】
以上のように、本実施の形態の日射量予測システム1000では、撮像手段200によって撮像された上空の映像である上空映像を日射量予測装置100に入力することで、入力された上空映像を上空映像受付手段110が受け付け、上空映像受付手段110が受け付けた上空映像を上空映像解析手段140が解析し、上空映像解析手段140が解析した上空映像から撮像位置における透過率を透過率算出手段150が算出する。
【0063】
そして撮像位置における観測情報を観測情報受付手段130が受け付けて、観測情報受付手段130が受け付けた観測情報を観測情報解析手段160が解析し、観測情報解析手段160が解析した観測情報と、透過率算出手段150が算出した撮像位置における透過率と、から撮像地点における予測するべき時点の予測透過率を予測透過率算出手段170が算出する。
【0064】
さらに予測透過率算出手段170が算出した予測透過率と、標準日射量算出手段180が算出した撮像地点における予測するべき時点の標準日射量と、撮像地点における予測するべき時点の日射量を日射量予測手段190が算出する。
【0065】
このように日射量予測装置100は、撮像手段200が上空の映像を撮像した位置における、予想するべき時点の日射量を予測できるので、よりピンポイントな地点の日射量を予測することができる。
【0066】
図2は、観測情報受付手段の詳細を示すブロック図である。
図2に示すように、観測情報受付手段130は、気温情報受付部131、湿度情報受付部132、気圧情報受付部133、日時情報受付部134、風速情報受付部135、および風向情報受付部136を備えている。
【0067】
気温情報受付部131は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、および撮像日時における気温に関する情報と、予測するべき時点に必要な気温に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、かつ撮像日時前後の気温情報を気温情報受付部131が受け付ける。
【0068】
湿度情報受付部132は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、および撮像日時における湿度に関する情報と、予測するべき時点に必要な湿度に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、かつ撮像日時前後の湿度情報を湿度情報受付部132が受け付ける。
【0069】
気圧情報受付部133は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、および撮像日時における気圧に関する情報と、予測するべき時点に必要な気圧に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、かつ撮像日時前後の気圧情報を気圧情報受付部133が受け付ける。
【0070】
日時情報受付部134は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像日時と関連した観測情報における日時情報と、予測するべき時点に必要な日時に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像日時前後の日時情報を日時情報受付部134が受け付ける。
【0071】
風速情報受付部135は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、および撮像日時における風速に関する情報と、予測するべき時点に必要な風速に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、かつ撮像日時前後の風速情報を風速情報受付部135が受け付ける。
【0072】
風向情報受付部136は、観測データベース300に記憶された観測情報のうち、撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、および撮像日時における風向に関する情報と、予測するべき時点に必要な風向に関する情報とを受け付ける。たとえば撮像手段200が撮像した上空映像の撮像位置またはその周辺、かつ撮像日時前後の風向情報を風向情報受付部136が受け付ける。
【0073】
なお、本実施の形態では、観測情報受付手段130が、気温情報、湿度情報、気圧情報、日時情報、風速情報、および風向情報を受け付ける例で説明したが、この他に太陽の位置に関する情報や、日射量に関する情報、透過率に関する情報など、任意の観測情報を受け付けることもできる。
【0074】
図3は、本実施の形態における気象クラスの設定例を示す図である。
図3に示すように、気象クラスは、透過率によって気象クラス0~気象クラス4までの5つのクラスに分割区分して設定する。
【0075】
具体的に本実施の形態では、透過率が0.15未満である上空の状態をクラス0として設定している。このクラス0に設定された上空の状態は、おおよそ雨が振っている状態である。
また透過率が0.15以上かつ0.40未満である上空の状態をクラス1として設定している。このクラス1に設定された上空の状態は、おおよそ暗い曇りの状態である。
また透過率が0.40以上かつ0.70未満である上空の状態をクラス2として設定している。このクラス2に設定された上空の状態は、おおよそ雲が多い状態である。
また透過率が0.70以上かつ0.85未満である上空の状態をクラス3として設定している。このクラス3に設定された上空の状態は、おおよそ明るい雲が存在している状態である。
さらに透過率が0.85以上である上空の状態をクラス4として設定している。このクラス4に設定された上空の状態は、おおよそ快晴の状態である。
【0076】
なお、本実施の形態では、透過率によって気象クラス0~気象クラス4までの5つのクラスに分割区分する例で示したが、分割区分するクラス数や透過率の範囲は任意に設定することができる。
【0077】
図4は、映像解析手段の詳細を示すブロック図である。
図4に示すように、上空映像解析手段140は、太陽検出部141、雲識別部142、雲面積算出部143、厚雲検出部144、厚雲識別部145、厚雲面積算出部146、厚雲特徴量算出部147、厚雲太陽距離算出部148、空面積算出部149、雨検出部14A、および気象クラス分類部14Bを備えている。
【0078】
太陽検出部141は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、解析する上空映像の中に太陽があるかどうかを判断するためのものである。
雲識別部142は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、解析する上空映像の中に存在する雲の領域を他と識別するためのものである。
【0079】
雲面積算出部143は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、雲識別部142が識別した雲の面積を算出するためのものである。
厚雲検出部144は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、雲識別部142が識別した雲の中に厚雲があるかどうかを判断するためのものである。
【0080】
厚雲識別部145は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、解析する上空映像の中に存在する厚雲の領域を他と識別するためのものである。
厚雲面積算出部146は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、厚雲識別部145が識別した厚雲の面積を算出するためのものである。
【0081】
厚雲特徴量算出部147は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、厚雲検出部144が検出した厚雲の特徴量を算出するためのものである。
具体的に厚雲特徴量算出部147は、厚雲の特徴量として厚雲の輪郭を解析するべき上空映像から特徴量マッチングライブラリを使用して特徴量を算出する。さらに具体的には、特徴点の総当りマッチングをするORBと呼ばれるライブラリを使用するとよい。
【0082】
厚雲太陽距離算出部148は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、厚雲特徴量算出部147が算出した厚雲の特徴量に基づいて、太陽と厚雲との距離を算出するためのものである。
【0083】
具体的には、厚雲特徴量算出部147が算出した各厚雲特徴点から、太陽検出部141が算出した太陽の中心位置までの距離をすべて算出し、最も短い距離を厚雲と太陽との距離の特徴量として算出する。
【0084】
空面積算出部149は、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、解析する上空映像の中に存在する空の領域を算出するためのものである。
雨検出部14Aは、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を解析し、解析する上空映像の中に存在する雨を検出するためのものである。
【0085】
気象クラス分類部14Bは、太陽検出部141、雲識別部142、雲面積算出部143、厚雲検出部144、厚雲識別部145、厚雲面積算出部146、厚雲特徴量算出部147、厚雲太陽距離算出部148、空面積算出部149、および雨検出部14Aが解析した結果に基づいて、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像が、気象クラスにおけるどのクラスに分類されるかを判断するためのものである。
【0086】
図5は、太陽検出部の詳細を示すブロック図である。
図5に示すように、太陽検出部141は、太陽検出学習部141A、および太陽検出判断部141Bを備えている。
【0087】
太陽検出学習部141Aは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像から太陽を検出するために必要な太陽検出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0088】
具体的な学習例としては、学習させる太陽が含まれる上空映像と、太陽が含まれない上空映像とを複数用意し、太陽が含まれる上空映像においては太陽の位置や大きさをマーキングし、そのマーキングされた上空映像を正解ラベルとした太陽検出学習用上空映像を作成する。
【0089】
その太陽検出学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に太陽検出学習部141Aに入力することで、入力された上空映像における太陽の有無や、太陽の位置、太陽の大きさを検出するための学習を太陽検出学習部141Aが行う。
【0090】
入力された上空映像は、たとえばResNetと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた機械学習によって、入力された上空映像において太陽の有無、太陽の位置、太陽の大きさなどを判断するための学習を太陽検出学習部141Aが行う。学習によって得られた太陽を検出するための太陽検出学習情報は、太陽検出学習部141Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0091】
太陽検出判断部141Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、太陽検出学習部141Aによって情報記憶手段Mに記憶された太陽検出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して太陽の有無や、太陽の位置、太陽の大きさなどを判断するためのものである。
【0092】
図6は、雲識別部の詳細を示すブロック図である。
図6に示すように、雲識別部142は、雲識別学習部142A、および雲識別判断部142Bを備えている。
【0093】
雲識別学習部142Aは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像から雲を識別するために必要な雲識別情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0094】
具体的な学習例としては、学習させる雲が含まれる上空映像と、雲が含まれない上空映像とを複数用意し、雲が含まれる上空映像においては雲の位置や大きさをマーキングし、そのマーキングされた上空映像を正解ラベルとした雲識別学習用上空映像を作成する。
【0095】
その雲識別学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に雲識別学習部142Aに入力することで、入力された上空映像における雲の位置や大きさを識別するための学習を雲識別学習部142Aが行う。
【0096】
入力された上空映像は、たとえばU-NETと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた深層学習によって、入力された上空映像において雲の位置や大きさなどを判断するための学習を雲識別学習部142Aが行う。学習によって得られた雲を識別するための雲識別学習情報は、雲識別学習部142Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0097】
雲識別判断部142Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、雲識別学習部142Aによって情報記憶手段Mに記憶された雲識別学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して雲の位置や大きさなどを判断するためのものである。
【0098】
図7は、厚雲検出部の詳細を示すブロック図である。
図7に示すように、厚雲検出部144は、厚雲検出学習部144A、および厚雲検出判断部144Bを備えている。
【0099】
厚雲検出学習部144Aは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像から厚雲を検出するために必要な厚雲検出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0100】
具体的な学習例としては、学習させる厚雲が含まれる上空映像と、厚雲が含まれない上空映像とを複数用意し、厚雲が含まれる上空映像においては厚雲の位置や大きさをマーキングし、そのマーキングされた上空映像を正解ラベルとした厚雲識別学習用上空映像を作成する。
【0101】
その厚雲識別学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に厚雲検出学習部144Aに入力することで、入力された上空映像における厚雲を検出するための学習を厚雲検出学習部144Aが行う。
【0102】
入力された上空映像は、たとえばU-NETと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた深層学習によって、入力された上空映像において厚雲を検出するための学習を厚雲検出学習部144Aが行う。学習によって得られた厚雲を検出するための厚雲検出学習情報は、厚雲検出学習部144Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0103】
厚雲検出判断部144Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、厚雲検出学習部144Aによって情報記憶手段Mに記憶された厚雲検出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して厚雲を検出するためのものである。
【0104】
図8は、厚雲識別部の詳細を示すブロック図である。
図8に示すように、厚雲識別部145は、厚雲識別学習部145A、および厚雲識別判断部145Bを備えている。
【0105】
厚雲識別学習部145Aは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像から厚雲を識別するために必要な厚雲識別情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0106】
具体的な学習例としては、学習させる厚雲が含まれる上空映像と、厚雲が含まれない上空映像とを複数用意し、厚雲が含まれる上空映像においては厚雲の位置や大きさをマーキングし、そのマーキングされた上空映像を正解ラベルとした厚雲識別学習用上空映像を作成する。
【0107】
その厚雲識別学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に厚雲識別学習部145Aに入力することで、入力された上空映像における厚雲の位置や大きさを識別するための学習を厚雲識別学習部145Aが行う。
【0108】
入力された上空映像は、たとえばU-NETと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた深層学習によって、入力された上空映像において厚雲の位置や大きさなどを判断するための学習を厚雲識別学習部145Aが行う。学習によって得られた厚雲を識別するための厚雲識別学習情報は、厚雲識別学習部145Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0109】
厚雲識別判断部145Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、厚雲識別学習部145Aによって情報記憶手段Mに記憶された厚雲識別学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して厚雲の位置や大きさなどを判断するためのものである。
【0110】
図9は、空面積算出部の詳細を示すブロック図である。
図9に示すように、空面積算出部149は、マスク処理部149A、フーリエ変換部149B、および青面積算出部149Cを備えている。
【0111】
マスク処理部149Aは、解析するべき上空映像から太陽検出部141が検出した太陽部分をマスク処理するためのものである。マスク処理部149Aの処理により上空映像から太陽部分が取り除かれるので、より精密に空面積を算出することができる。
【0112】
フーリエ変換部149Bは、マスク処理部149Aが太陽部分をマスク処理した上空映像をフーリエ変換するためのものである。フーリエ変換部149Bの処理によって、解析するべき上空映像における空の領域である青成分だけを抽出することができる。
【0113】
青面積算出部149Cは、解析するべき上空映像における空の面積を算出するためのものであって、フーリエ変換部149Bの処理によって抽出された青成分の面積を算出する。これにより、空面積算出部149は空の面積を算出することができる。
【0114】
図10は、雨検出部の詳細を示すブロック図である。
図10に示すように、雨検出部14Aは、雨検出学習部14AA、および雨検出判断部14ABを備えている。
【0115】
雨検出学習部14AAは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像から雨を検出するために必要な雨検出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0116】
具体的な学習例としては、学習させる雨が含まれる上空映像と、雨が含まれない上空映像とを複数用意し、雨が含まれる上空映像においては雨の位置や大きさをマーキングし、そのマーキングされた上空映像を正解ラベルとした雨識別学習用上空映像を作成する。
【0117】
その雨識別学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に雨検出学習部14AAに入力することで、入力された上空映像における雨を検出するための学習を雨検出学習部14AAが行う。
【0118】
入力された上空映像は、たとえばResNetと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた深層学習によって、入力された上空映像において雨を検出するための学習を雨検出学習部14AAが行う。学習によって得られた雨を検出するための雨検出学習情報は、雨検出学習部14AAによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0119】
雨検出判断部14ABは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、雨検出学習部14AAによって情報記憶手段Mに記憶された雨検出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して雨を検出するためのものである。
【0120】
図11は、気象クラス分類部の詳細を示すブロック図である。
図11に示すように、気象クラス分類部14Bは、気象クラス分類学習部14BA、および気象クラス分類判断部14BBを備えている。
【0121】
気象クラス分類学習部14BAは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき上空映像を、気象クラスにおけるどのクラスに分類するかに必要な気象クラス分類検出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。
【0122】
具体的な学習例としては、学習させる上空映像を透過率によって気象クラス0~気象クラス4までの5つの気象クラスに分割区分し、その分割区分した上空映像に気象クラス名を付した気象クラス分類学習用上空映像を作成する。
【0123】
その気象クラス分類学習用上空映像を、図示しない入力手段によって大量に気象クラス分類学習部14BAに入力することで、入力された上空映像における気象クラス分類を検出するための学習を気象クラス分類学習部14BAが行う。
【0124】
入力された上空映像は、たとえばLSTMと呼ばれるニューラルネットワークのモデルを用いた機械学習によって、気象クラス0~気象クラス4までの5つの気象クラスに分類するための学習を気象クラス分類学習部14BAが行う。学習によって得られた上空映像を各気象クラスに分類するための気象クラス分類学習情報は、気象クラス分類学習部14BAによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0125】
また気象クラス分類学習部14BAは、太陽検出部141、雲識別部142、雲面積算出部143、厚雲検出部144、厚雲識別部145、厚雲面積算出部146、厚雲特徴量算出部147、厚雲太陽距離算出部148、空面積算出部149、および雨検出部14Aが解析して得られた特徴量に基づいて、気象クラスを分類する学習を行うこともできる。
【0126】
気象クラス分類判断部14BBは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス分類学習部14BAによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス分類学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析して各気象クラスに分類するためのものである。
【0127】
図12は、透過率算出手段の詳細を示すブロック図である。
図12に示すように、透過率算出手段150は、気象クラス処理振分部151、気象クラス0透過率算出部152、気象クラス1透過率算出部153、気象クラス2透過率算出部154、気象クラス3透過率算出部155、および気象クラス4透過率算出部156を備えている。
【0128】
気象クラス処理振分部151は、上空映像解析手段140によって解析され、気象クラス0~気象クラス4までの5つの気象クラスに分類された上空映像の透過率を算出するための処理を気象クラスごとに振り分ける処理をするためのものである。
【0129】
気象クラス0透過率算出部152は、気象クラス処理振分部151が気象クラス0として振り分けられた上空映像の透過率を算出するためのものである。
気象クラス1透過率算出部153は、気象クラス処理振分部151が気象クラス1として振り分けられた上空映像の透過率を算出するためのものである。
気象クラス2透過率算出部154は、気象クラス処理振分部151が気象クラス2として振り分けられた上空映像の透過率を算出するためのものである。
気象クラス3透過率算出部155は、気象クラス処理振分部151が気象クラス3として振り分けられた上空映像の透過率を算出するためのものである。
気象クラス4透過率算出部156は、気象クラス処理振分部151が気象クラス4として振り分けられた上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0130】
図13は、気象クラス0透過率算出部、気象クラス1透過率算出部、気象クラス2透過率算出部、気象クラス3透過率算出部、および気象クラス4透過率算出部の詳細を示すブロック図である。
【0131】
図13に示すように、気象クラス0透過率算出部152は、気象クラス0透過率算出学習部152A、および気象クラス0透過率算出判断部152Bを備えている。
気象クラス0透過率算出学習部152Aは、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき気象クラス0に該当する上空映像を上空映像解析手段140が解析して得られた特徴量から、透過率を算出するために必要な気象クラス0透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた気象クラス0に該当する上空映像から透過率を算出するための気象クラス0透過率算出学習情報は、気象クラス0透過率算出学習部152Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0132】
気象クラス0透過率算出判断部152Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス0透過率算出学習部152Aによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス0透過率算出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析した特徴量から、気象クラス0に該当する上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0133】
気象クラス1透過率算出学習部153Aは、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき気象クラス1に該当する上空映像を上空映像解析手段140が解析して得られた特徴量から、透過率を算出するために必要な気象クラス1透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた気象クラス1に該当する上空映像から透過率を算出するための気象クラス1透過率算出学習情報は、気象クラス1透過率算出学習部153Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0134】
気象クラス1透過率算出判断部153Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス1透過率算出学習部153Aによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス1透過率算出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析した特徴量から、気象クラス1に該当する上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0135】
気象クラス2透過率算出学習部154Aは、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき気象クラス2に該当する上空映像を上空映像解析手段140が解析して得られた特徴量から、透過率を算出するために必要な気象クラス2透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた気象クラス2に該当する上空映像から透過率を算出するための気象クラス2透過率算出学習情報は、気象クラス2透過率算出学習部154Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0136】
気象クラス2透過率算出判断部154Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス2透過率算出学習部154Aによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス2透過率算出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析した特徴量から、気象クラス2に該当する上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0137】
気象クラス3透過率算出学習部155Aは、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき気象クラス3に該当する上空映像を上空映像解析手段140が解析して得られた特徴量から、透過率を算出するために必要な気象クラス3透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた気象クラス3に該当する上空映像から透過率を算出するための気象クラス3透過率算出学習情報は、気象クラス3透過率算出学習部155Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0138】
気象クラス3透過率算出判断部155Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス3透過率算出学習部155Aによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス3透過率算出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析した特徴量から、気象クラス3に該当する上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0139】
気象クラス4透過率算出学習部156Aは、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、情報記憶手段Mに記憶された解析するべき気象クラス4に該当する上空映像を上空映像解析手段140が解析して得られた特徴量から、透過率を算出するために必要な気象クラス4透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた気象クラス4に該当する上空映像から透過率を算出するための気象クラス4透過率算出学習情報は、気象クラス4透過率算出学習部156Aによって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0140】
気象クラス4透過率算出判断部156Bは、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、気象クラス4透過率算出学習部156Aによって情報記憶手段Mに記憶された気象クラス4透過率算出学習情報に基づいて、入力された上空映像を解析した特徴量から、気象クラス4に該当する上空映像の透過率を算出するためのものである。
【0141】
上空映像の天候は透過率に大きな影響を与えるため、分類した気象クラス毎に透過率を算出するために最適な学習をさせ、その気象クラス毎に学習した学習情報に基づいて透過率を算出することで透過率の算出精度を向上させることができる。
【0142】
図14は、予測透過率算出手段の詳細を示すブロック図である。
図14に示すように、予測透過率算出手段170は、予測透過率算出学習部171、および予測透過率算出判断部172を備えている。
【0143】
予測透過率算出学習部171は、ここでは図示しない入力手段によって入力された学習情報によって、透過率算出手段150が算出した撮像時点における透過率と、観測情報解析手段160が解析した観測情報と、から予測するべき時点における透過率である予測透過率を算出するために必要な予測透過率算出情報を学習するためのものであって、たとえば機械学習または深層学習が可能な人工知能における学習手段である。学習によって得られた予測透過率を算出するために必要な予測透過率算出学習情報は、予測透過率算出学習部171によって情報記憶手段Mに蓄積される。
【0144】
予測透過率算出判断部172は、ここでは図示しない情報記憶手段Mに接続されており、予測透過率算出学習部171によって情報記憶手段Mに記憶された予測透過率算出学習情報と、観測情報解析手段160が解析した観測情報とに基づいて、予測するべき時点における予測透過率を算出するためのものである。
【0145】
図15は、情報記憶手段の詳細を示すブロック図である。
図15に示すように、情報記憶手段Mは、上空映像記憶部M1、撮像位置情報記憶部M2、観測情報記憶部M3、および学習情報記憶部M4を備えている。
【0146】
上空映像記憶部M1は、撮像手段200が撮像した上空映像を記憶するためのものである。上空映像記憶部M1に記憶される上空映像は、撮像手段200が撮像した上空映像を受け付けた上空映像受付手段110が情報記憶手段Mに記憶させた情報である。
【0147】
撮像位置情報記憶部M2は、撮像手段200が上空映像を撮像した位置情報である撮像位置情報を記憶するためのものである。撮像位置情報記憶部M2に記憶される撮像位置情報は、図示しない入力手段によって入力された位置情報や、上空映像が有する位置情報などを受け付けた撮像位置情報受付手段120が情報記憶手段Mに記憶させた情報である。
【0148】
観測情報記憶部M3は、観測データベース300に記憶された観測情報を記憶するためのものである。観測情報記憶部M3に記憶される観測情報は、観測情報解析手段160が観測情報の解析に必要な情報を受け付けた観測情報受付手段130が情報記憶手段Mに記憶させた情報である。
学習情報記憶部M4は、上空映像解析手段140、透過率算出手段150、および予測透過率算出手段170が学習した学習情報を記憶するためのものである。
【0149】
図16は、学習情報記憶部の詳細を示すブロック図である。
図16に示すように、学習情報記憶部M4は、太陽検出学習情報記憶部M41、雲識別学習情報記憶部M42、厚雲検出学習情報記憶部M43、厚雲識別学習情報記憶部M44、雨検出学習情報記憶部M45、気象クラス分類学習情報記憶部M46、気象クラス0透過率算出学習情報記憶部M47、気象クラス1透過率算出学習情報記憶部M48、気象クラス2透過率算出学習情報記憶部M49、気象クラス3透過率算出学習情報記憶部M4A、気象クラス4透過率算出学習情報記憶部M4B、および予測透過率算出学習情報記憶部M4Cを備えている。
【0150】
太陽検出学習情報記憶部M41は、太陽検出学習部141Aが学習した太陽検出学習情報を記憶するためのものである。太陽検出学習情報記憶部M41に記憶される太陽検出学習情報は、太陽検出情報を学習した太陽検出学習部141Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0151】
雲識別学習情報記憶部M42は、雲識別学習部142Aが学習した雲識別学習情報を記憶するためのものである。雲識別学習情報記憶部M42に記憶される雲識別学習情報は、雲識別情報を学習した雲識別学習部142Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0152】
厚雲検出学習情報記憶部M43は、厚雲検出学習部144Aが学習した厚雲検出学習情報を記憶するためのものである。厚雲検出学習情報記憶部M43に記憶される厚雲検出学習情報は、厚雲検出情報を学習した厚雲検出学習部144Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0153】
厚雲識別学習情報記憶部M44は、厚雲識別学習部145Aが学習した厚雲識別学習情報を記憶するためのものである。厚雲識別学習情報記憶部M44に記憶される厚雲識別学習情報は、厚雲識別情報を学習した厚雲識別学習部145Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0154】
雨検出学習情報記憶部M45は、雨検出学習部14AAが学習した雨検出学習情報を記憶するためのものである。雨検出学習情報記憶部M45に記憶される雨検出学習情報は、雨検出情報を学習した雨検出学習部14AAが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0155】
気象クラス分類学習情報記憶部M46は、気象クラス分類学習部14BAが学習した気象クラス分類学習情報を記憶するためのものである。気象クラス分類学習情報記憶部M46に記憶される気象クラス分類学習情報は、気象クラス分類情報を学習した気象クラス分類学習部14BAが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0156】
気象クラス0透過率算出学習情報記憶部M47は、気象クラス0透過率算出学習部152Aが学習した気象クラス0透過率算出学習情報を記憶するためのものである。気象クラス0透過率算出学習情報記憶部M47に記憶される気象クラス0透過率算出学習情報は、気象クラス0透過率算出情報を学習した気象クラス0透過率算出学習部152Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0157】
気象クラス1透過率算出学習情報記憶部M48は、気象クラス1透過率算出学習部153Aが学習した気象クラス1透過率算出学習情報を記憶するためのものである。気象クラス1透過率算出学習情報記憶部M48に記憶される気象クラス1透過率算出学習情報は、気象クラス1透過率算出情報を学習した気象クラス1透過率算出学習部153Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0158】
気象クラス2透過率算出学習情報記憶部M49は、気象クラス2透過率算出学習部154Aが学習した気象クラス2透過率算出学習情報を記憶するためのものである。気象クラス2透過率算出学習情報記憶部M49に記憶される気象クラス2透過率算出学習情報は、気象クラス2透過率算出情報を学習した気象クラス2透過率算出学習部154Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0159】
気象クラス3透過率算出学習情報記憶部M4Aは、気象クラス3透過率算出学習部155Aが学習した気象クラス3透過率算出学習情報を記憶するためのものである。気象クラス3透過率算出学習情報記憶部M4Aに記憶される気象クラス3透過率算出学習情報は、気象クラス3透過率算出情報を学習した気象クラス3透過率算出学習部155Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0160】
気象クラス4透過率算出学習情報記憶部M4Bは、気象クラス4透過率算出学習部156Aが学習した気象クラス4透過率算出学習情報を記憶するためのものである。気象クラス4透過率算出学習情報記憶部M4Bに記憶される気象クラス4透過率算出学習情報は、気象クラス4透過率算出情報を学習した気象クラス4透過率算出学習部156Aが学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。
【0161】
予測透過率算出学習情報記憶部M4Cは、予測透過率算出学習部171が学習した予測透過率算出学習情報を記憶するためのものである。予測透過率算出学習情報記憶部M4Cに記憶される予測透過率算出学習情報は、予測透過率算出を学習した予測透過率算出学習部171が学習情報記憶部M4に記憶させた情報である。なお、学習情報記憶部M4は、必要に応じて他の学習情報を記憶することもできる。
【0162】
図17は、上空映像受付手段が上空映像を受け付けてから、日射量予測手段が日射量を予測するまでの処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0163】
〔ステップS11〕
上空映像受付手段110は、上空映像を受け付ける。
具体的には、撮像手段200が撮像した上空映像を日射量予測装置100に送信し、日射量予測装置100に送信された上空映像を上空映像受付手段110が受け付ける。上空映像受付手段110が受け付けた上空映像は情報記憶手段Mに記憶される。
【0164】
〔ステップS12〕
撮像位置情報受付手段120は、撮像位置情報を受け付ける。
具体的には、撮像手段200が上空映像を撮像した撮像位置情報を撮像位置情報受付手段120が受け付ける。撮像位置情報受付手段120が受け付ける撮像位置情報は、入力手段によって入力される情報や、ステップS11で上空映像受付手段110が受け付けた上空映像が有する撮像位置に関する情報である。撮像位置情報受付手段120が受け付けた撮像位置情報は情報記憶手段Mに記憶される。
【0165】
〔ステップS13〕
観測情報受付手段130は、観測情報を受け付ける。
具体的には、ステップS12で撮像位置情報受付手段120が受け付けた撮像位置情報に関連した観測情報を観測データベース300から受信し、受信した観測情報を観測情報受付手段130が受け付ける。観測情報受付手段130が受け付けた観測情報は情報記憶手段Mに記憶される。
【0166】
〔ステップS14〕
上空映像解析手段140は、上空映像を解析する。
具体的には、ステップS11で上空映像受付手段110が受け付けた上空映像を、たとえば人口知能技術を利用して上空映像解析手段140が、太陽の状態、雲の状態、空の状態などを解析する。
【0167】
〔ステップS15〕
上空映像解析手段140は、気象クラスを分類する。
具体的には、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した結果に基づいて、5つに分割区分された気象クラスにおけるどの気象クラスに該当するかどうかを上空映像解析手段140が有する気象クラス分類部14Bが判断して分類する。
【0168】
〔ステップS16〕
透過率算出手段150は、気象クラスを判断して処理を振り分ける。
具体的には、ステップS15で上空映像解析手段140が分類した気象クラスに基づいて、透過率算出手段150が有する気象クラス処理振分部151が、透過率を算出する処理を振り分ける。
【0169】
気象クラス処理振分部151が気象クラス0であると判断したときは、処理をステップS17に進め、気象クラス処理振分部151が気象クラス1であると判断したときは、処理をステップS18に進め、気象クラス処理振分部151が気象クラス2であると判断したときは、処理をステップS19に進め、気象クラス処理振分部151が気象クラス3であると判断したときは、処理をステップS20に進め、気象クラス処理振分部151が気象クラス4であると判断したときは、処理をステップS21に進める。
【0170】
〔ステップS17〕
透過率算出手段150は、透過率を算出する。
具体的には、透過率算出手段150が有する気象クラス0透過率算出部152が、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像の特徴量と、学習した気象クラス0透過率算出学習情報とに基づいて、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像における透過率を算出する。
【0171】
〔ステップS18〕
透過率算出手段150は、透過率を算出する。
具体的には、透過率算出手段150が有する気象クラス1透過率算出部153が、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像の特徴量と、学習した気象クラス1透過率算出学習情報とに基づいて、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像における透過率を算出する。
【0172】
〔ステップS19〕
透過率算出手段150は、透過率を算出する。
具体的には、透過率算出手段150が有する気象クラス2透過率算出部154が、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像の特徴量と、学習した気象クラス1透過率算出学習情報とに基づいて、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像における透過率を算出する。
【0173】
〔ステップS20〕
透過率算出手段150は、透過率を算出する。
具体的には、透過率算出手段150が有する気象クラス3透過率算出部155が、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像の特徴量と、学習した気象クラス1透過率算出学習情報とに基づいて、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像における透過率を算出する。
【0174】
〔ステップS21〕
透過率算出手段150は、透過率を算出する。
具体的には、透過率算出手段150が有する気象クラス4透過率算出部156が、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像の特徴量と、学習した気象クラス1透過率算出学習情報とに基づいて、ステップS14で上空映像解析手段140が解析した上空映像における透過率を算出する。
【0175】
〔ステップS22〕
観測情報解析手段160は、観測情報を解析する。
具体的には、ステップS13で観測情報受付手段130が受け付けた観測情報を観測情報解析手段160が解析する。
【0176】
〔ステップS23〕
予測透過率算出手段170は、予測透過率を算出する。
具体的には、ステップS17~ステップS21のいずれかの処理で算出された透過率と、ステップS22で解析された観測情報と、予測透過率算出手段170が学習した予測透過率算出学習情報と、に基づいて予測するべき時点における予測透過率を予測透過率算出手段170が算出する。
【0177】
〔ステップS24〕
標準日射量算出手段180は、標準日射量を算出する。
具体的には、ステップS12で撮像位置情報受付手段120が受け付けた撮像位置情報における標準日射量を、標準日射量算出手段180が算出する。
【0178】
〔ステップS25〕
日射量予測手段190は、予測するべき時点における日射量を算出する。
具体的には、ステップS23で予測透過率算出手段170が算出した予測透過率と、ステップS24で標準日射量算出手段180が算出した標準日射量と、を乗算することで予測するべき時点における日射量を日射量予測手段190が算出する。
【0179】
図18は、上空映像解析手段が上空映像を受け付けてから、上空映像を解析して特徴量を抽出するまでの処理を示すフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0180】
〔ステップS31〕
上空映像解析手段140は、太陽の検出処理を行う。
具体的には、上空映像受付手段110が受け付けて情報記憶手段Mに記憶させた上空映像を上空映像解析手段140が呼び出し、上空映像解析手段140が有する太陽検出部141が、学習した太陽検出学習情報に基づいて、上空映像における太陽の検出処理を行う。
【0181】
〔ステップS32〕
上空映像解析手段140は、太陽が検出されたかどうかの判断を行う。
具体的には、ステップS31で太陽検出部141が処理した太陽の検出処理によって、太陽が検出されたか否かの判断を太陽検出部141が行う。
【0182】
上空映像で太陽が検出されたと太陽検出部141が判断したときは、処理をステップS33に進め、上空映像で太陽が検出されなかったと太陽検出部141が判断したときは、処理をステップS41に進める。
【0183】
〔ステップS33〕
上空映像解析手段140は、雲の識別処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する雲識別部142が、学習した雲識別学習情報に基づいて、上空映像の中に存在する雲の領域を他と識別する処理を行う。
【0184】
〔ステップS34〕
上空映像解析手段140は、雲の面積を算出する処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する雲面積算出部143が、ステップS33で雲識別部142が識別した上空映像における雲領域の面積を算出する。
【0185】
〔ステップS35〕
上空映像解析手段140は、厚雲の検出処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する厚雲検出部144が、学習した厚雲検出学習情報に基づいて、上空映像における厚雲の検出処理を行う。
【0186】
〔ステップS36〕
上空映像解析手段140は、厚雲が検出されたかどうかの判断を行う。
具体的には、ステップS35で厚雲検出部144が処理した厚雲の検出処理によって、厚雲が検出されたか否かの判断を厚雲検出部144が行う。
【0187】
上空映像で厚雲が検出されたと厚雲検出部144が判断したときは、処理をステップS37に進め、上空映像で厚雲が検出されなかったと厚雲検出部144が判断したときは、処理をステップS40に進める。
【0188】
〔ステップS37〕
上空映像解析手段140は、厚雲の識別処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する厚雲識別部145が、学習した厚雲識別学習情報に基づいて、上空映像の中に存在する厚雲の領域を他と識別する処理を行う。
【0189】
〔ステップS38〕
上空映像解析手段140は、厚雲の面積を算出する処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する厚雲面積算出部146が、ステップS37で厚雲識別部145が識別した上空映像における厚雲領域の面積を算出する。
【0190】
〔ステップS39〕
上空映像解析手段140は、厚雲の特徴量算出処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する厚雲特徴量算出部147が、ステップS37で厚雲識別部145が識別した上空映像における厚雲の特徴量として厚雲の輪郭を算出する。
【0191】
〔ステップS40〕
上空映像解析手段140は、厚雲と太陽との距離を算出する処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する厚雲太陽距離算出部148が、ステップS39で厚雲特徴量算出部147が上空映像における厚雲の特徴量として算出した厚雲の輪郭に基づいて、太陽検出部141が算出した太陽の中心位置と、各輪郭点との距離をすべて算出し、最も短い距離を厚雲と太陽との距離として算出する。
【0192】
〔ステップS41〕
上空映像解析手段140は、空の面積を算出する処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する空面積算出部149が、上空映像における空領域の面積を算出する。
【0193】
さらに具体的には、空面積算出部149が有するマスク処理部149Aが、上空映像における太陽部分をマスク処理し、マスク処理された上空映像を空面積算出部149が有するフーリエ変換部149Bがフーリエ変換処理し、フーリエ変換処理によって変換された上空映像における青成分だけを抽出することで、空面積算出部149が有する青面積算出部149Cが空領域の面積を算出する。
【0194】
〔ステップS42〕
上空映像解析手段140は、雲の識別処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する雲識別部142が、学習した雲識別学習情報に基づいて、上空映像の中に存在する雲の領域を他と識別する処理を行う。
【0195】
〔ステップS43〕
上空映像解析手段140は、雲の面積を算出する処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する雲面積算出部143が、ステップS42で雲識別部142が識別した上空映像における雲領域の面積を算出する。
【0196】
〔ステップS44〕
上空映像解析手段140は、雨の検出処理を行う。
具体的には、上空映像解析手段140が有する雨検出部14Aが、学習した雨検出学習情報に基づいて、上空映像における雨の検出処理を行う。
【符号の説明】
【0197】
100 日射量予測装置
110 上空映像受付手段
120 撮像位置情報受付手段
130 観測情報受付手段
140 上空映像解析手段
150 透過率算出手段
160 観測情報解析手段
170 予測透過率算出手段
180 標準日射量算出手段
190 日射量予測手段
200 撮像手段
300 観測データベース
400 ネットワーク
1000 日射量予測システム
M 情報記憶手段
図1
図2
図3
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図18