(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154107
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】作業用治具
(51)【国際特許分類】
B23K 37/04 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B23K37/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067743
(22)【出願日】2023-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】523145697
【氏名又は名称】籔本 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100108280
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】籔本 高明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エルボ、U字管、L字管などの非直管を溶接したり、開口端部の開先取り作業する際に作業性の良好な治具を提供する。
【解決手段】支持軸部2と、支持軸部2の一端側において上下一対に設けられる把持用軸部3,4と、この把持用軸部の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部とを備え、支持軸部2の他端側は第一の回転軸について回転可能に保持されており、両把持部はワークを把持する把持位置と開放する開放位置との間で移動可能とされていると共に、ワークの外方曲面に沿うように曲面形状に形成されており、両把持部は、第一の回転軸に対して直交する方向の第二の軸についてワークを所定の角度で回転可能とされており、ワークが両把持部の間に組付けられたときには、支持軸部の一端側の外方位置において、ワークの円形を備えた部分を当該円形の中心と第一の回転軸とを略一致させた状態で第一の回転軸周りに回転可能に把持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸部と、この支持軸部の一端側において上下一対に設けられる把持用軸部と、この把持用軸部の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部とを備え、前記支持軸部の他端側は第一の回転軸について回転可能に保持されており、前記把持部は、ワークである非直管を把持する把持位置と前記非直管を開放する開放位置との間で移動可能とされていると共に、前記非直管の外方曲面に沿うように曲面形状に形成されており、前記両把持部は、前記第一の回転軸に対して直交する方向の第二の軸について前記ワークを所定の角度で回転可能とされており、前記ワークが前記両把持部の間に組付けられたときには、前記支持軸部の一端側の外方位置において、前記ワークの円形を備えた部分を当該円形の中心と前記第一の回転軸とを略一致させた状態で前記第一の回転軸周りに回転可能に把持されることを特徴とする作業用治具。
【請求項2】
前記把持部は、前記把持用軸部から垂直方向に対向するように延設されるネジ部材と、このネジ部材の先端側に設けられる曲面部材とを備えている請求項1に記載の作業用治具。
【請求項3】
前記把持部は、前記把持用軸部から対向する他方の把持用軸部に向かって垂直方向に延設されると共に断面が正多角形の固定軸と、この固定軸を受け入れ可能な組付溝部を備えた曲面部材とを備えている請求項1または2に記載の作業用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
配管同士を溶接したり、溶接に先立ち配管の円形状の開口端部を研磨して開先取りする際には、直管のみには限られず、直管と経路を曲げる位置に配置される非直管(例えばエルボ(45度エルボ、90度エルボ、180度エルボを含む)、U字管、L字管など)などの作業が生じる場合がある。このとき、非直管の外形が直線状ではなく曲線部分を伴う場合には、経路を正しく設定・保持しておくために相当の手間が生じる。特に、配管の設置現場において、複数の管路を溶接作業する場合には、非常に多くの手間と経験を要するものとなる。このため、特に直管と非直管との間を溶接する際の治具が開発されている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56-029694号公報
【特許文献2】実開昭60-190487号公報
【特許文献3】実開昭61-027570号公報
【特許文献4】特開平11-104889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配管を作業する際に、非直管の作業を円滑に行うために位置を保持しておく治具は見当たらなかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非直管(特に、外形の延設方向に曲線を含むもの(例えばエルボ(45度エルボ、90度エルボ、180度エルボを含む)、U字管など))を作業する際に非直管を適当な位置に固定することで作業性の良好な治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための発明に係る作業用治具は、支持軸部と、この支持軸部の一端側において上下一対に設けられる把持用軸部と、この把持用軸部の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部とを備え、前記支持軸部の他端側は第一の回転軸について回転可能に保持されており、前記両把持部は、ワークである非直管を把持する把持位置と前記非直管を開放する開放位置との間で移動可能とされていると共に、前記非直管の外方曲面に沿うように曲面形状に形成されており、前記両把持部は、前記第一の回転軸に対して直交する方向の第二の軸について前記ワークを所定の角度で回転可能とされており、前記ワークが前記両把持部の間に組付けられたときには、前記支持軸部の一端側の外方位置において、前記ワークの円形を備えた部分を当該円形の中心と前記第一の回転軸とを略一致させた状態で前記第一の回転軸周りに回転可能に把持されることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、作業用治具にワークを組付けた状態で第一の回転軸を回転させると、ワークの円形を備えた部分は、ほぼ軸ぶれすることなく第一の回転軸周りに回るので、作業性が良好となる。
上記発明において、前記把持部は、前記把持用軸部から垂直方向に対向するように延設されるネジ部材と、このネジ部材の先端側に設けられる曲面部材とを備えていることが好ましい。
また、上記発明において、前記把持部は、前記把持用軸部から対向する他方の把持用軸部に向かって垂直方向に延設されると共に断面が正多角形の固定軸と、この固定軸を受け入れ可能な組付溝部を備えた曲面部材とを備えていることが好ましい。正多角形には、正四角形、正六角形、正八角形などが含まれる。このように構成すれば、曲面部材は固定軸に対して、正多角形の中心角(例えば、正四角形であれば90度、正六角形であれば60度、正八角形であれば45度)毎に回転させて組み付けることができる。このため、ネジのように回しつけるよりも簡易に組付操作を行える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業用治具は、進行方向が直線ではなく曲線形状を備えた非直管を曲面部材で把持できるので、作業の際の安定性に優れている。また、作業用治具は、直交する2つの軸を備えてワークを把持するので、作業空間が小さな設置位置においても、ワークの姿勢を適宜に変更できるので良好な作業性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態における作業用治具の側面図である。
【
図6】作業用治具にワークを把持したときの側面図である。
【
図7】ワークの開口を支持軸部から遠ざかる方向に向けて作業用治具に把持したときの平面図である。
【
図8】作業用治具を保持体に取り付け、ワークを把持したときの側面図である。
【
図9】第二実施形態における曲面部材の図である。(A)平面図、(B)側面図、(C)裏面図である。
【
図10】第三実施形態における作業用治具の側面図である。
【
図12】第四実施形態における曲面部材の平面図である。(A)下側の曲面部材、(B)上側の曲面部材について、それぞれ支持軸部に取り付ける面側を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
<第一実施形態>
図1~
図8を参照しつつ、本発明の第一実施形態について説明する。
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、ワーク50を組み付ける前の作業用治具1の構成を説明する。作業用治具1には、支持軸部2と、支持軸部2の一端側(図示左側)において上下に枝分かれし、上下一対に設けられる把持用軸部3,4と、把持用軸部3,4の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部が設けられている。支持軸部2はほぼ直線状に構成されており、その他端側(図示右側)は固定端2Aとされている。
【0010】
把持部には、略棒状のネジ部材5と、ネジ部材5の先端に着脱可能に組み付けられる曲面部材7,8とが設けられている。ネジ部材5の一端側には曲面部材7,8の筒状組付部13,13’に挿入されることで、曲面部材7,8を互いに対向する方向から押圧する押圧端部11が設けられている。押圧端部11は、ネジ部材5に対して(完全に固定されることなく)僅かにガタツキを許容するように取り付けられており、ワーク50の曲面形状に併せて、適度に傾くことができる。ネジ部材5の中央棒状部分には、ネジが切られてネジ軸5Aとされており、把持用軸部3,4に設けられたネジ穴3A,4Aに対して、ネジ組付できるようになっている。また、ネジ部材5の他端側には、ネジ部材5を回転できる操作シャフト12が設けられている。操作シャフト12は、ネジ部材5に対して、長さ方向に移動可能に(矢印X軸方向に)組付けられている。
【0011】
操作シャフト12を回転操作することにより、ネジ部材5を左右いずれかの方向に軸回転させることで、押圧端部11を互いに近づく方向(両曲面部材7,8を近づける方向)に移動させて、曲面部材7,8によってワーク50を把持する把持位置と、押圧端部11を互いに離間する方向に移動させてワーク50を開放する開放位置との間で移動可能とされている。
曲面部材7,8の構造は、鏡対称的に構成されているので、同一の作用を奏する構成については同一の符号にダッシュ(’)を付し、一方側の構成のみを説明する。
図3~
図5に示すように、曲面部材7は、ワーク50の外方曲面に概ね沿うように曲面形状に形成されている。
【0012】
但し、曲面部材7の曲面は、必ずしもワーク50の外方曲線(曲面)の曲率に一致している必要はなく、曲面に沿って固定できる程度に整合していればよい。曲面部材7の外方には、押圧端部11を挿入可能な筒状組付部13が突設されている。筒状組付部13は、押圧端部11が挿入される外方にのみ開放しており、底部は曲面組付部14によって閉止されている。曲面部材7の下方は、ワーク50の曲線状の曲面を把持可能な曲面組付部14とされている。曲面組付部14の断面は、ほぼ180度の円周を備えて形成されている。筒状組付部13は、曲面組付部14の中央から、やや一端側に位置ずれしたところに設けられている。これにより、ネジ部材5と曲面部材7の接続位置(第二の軸)は、曲面部材7の中央から位置ずれしている。
【0013】
次に、
図6及び
図7を参照しつつ、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。
ワーク50の開口を支持軸部2から遠ざかる方向(図示左方向)に向けて作業用治具1に保持したときの様子を示した。ワーク50として、両端の開口50A,50Bが直線方向ではなく、互いに約90度曲がった方向とされたL字管を用いたときの様子を示した。ワーク50は中央部分が空間とされた筒状に構成されており、両開口50A,50Bは円形状とされている。
まず、両ネジ部材5,5を互いに離間する方向となるように回転させておき、下側の曲面部材8の筒状組付部13’に押圧端部11を挿入して組付けた後、曲面組付部14’の凹面側(内面側)にワーク50の曲面を適度に添わせながら載置する。次に、上側のネジ部材5の押圧端部11を曲面部材7の筒状組付部13に挿入して組付け、操作シャフト12を回すことで、曲面部材7を下方に移動させることで、ワーク50上側の曲面に曲面組付部14の凹面側(内面側)を添いつける。
【0014】
このとき、両操作シャフト12を適宜に回すことで、ワーク50の一方側の開口50Aの中心が支持軸部2とほぼ一致するように固定する。このようにすれば、溶接作業や溶接に先立ち開口50Aの端部を開先取りする作業の際に、ワーク50の位置決め作業を行いやすくなる。
こうして、ワーク50の上下方向の位置を決めた後に、操作シャフト12を適宜に回すことで、ワーク50の開口方向をネジ部材5(第二の軸)の回転によって、作業を行いやすい方向に決定する。このとき、開口50Aの中心と支持軸部2(第一の回転軸)とがほぼ一致するようにしておく(
図6,7において、仮想軸Sにて示す)。こうすると、支持軸部2を回転させたときに、ワークの開口50Aが殆ど位置ずれすることなく支持軸部2を中心として回転することになる。
【0015】
また、作業を行う場合には、
図8に示すように、作業用治具1を保持体30に対して固定した後に、ワーク50を作業用治具1に把持する。保持体30には、モータが設けられており、支持軸部2を中心として軸回転できるようになっている。保持体30は、支持軸部2の固定端2Aを組み付けることで、図中の矢印R1に示すように、支持軸部2を第一の回転軸として回転可能に固定できる。
なお、ワーク50は、図中の矢印R2に示すように、ネジ軸5Aを第二の軸として回転可能に固定できる。このとき、第一の回転軸と第二の軸とは、互いに直行する方向とされている。
こうして、ワークの一方側の開口50Aの中心と支持軸部2とが略一致するように調整、固定しておく。
溶接作業や、溶接に先立ち開口端50Aを開先取りする際には、保持体30のモータを駆動させることで、ワーク50の開口50Aを軸回転させつつ作業を行う。このとき、開口50Aは、支持軸部2の回転に従って、(ほぼ軸ぶれすることなく)回転するので、溶接作業や溶接に先立つ開先取りの作業を行いやすい。
このように、本実施形態によれば、作業用治具1は、進行方向が直線ではなく曲線形状を備えたワーク50を曲面部材7,8で把持できるので、作業の際の安定性に優れている。また、作業用治具1は、直交する2つの軸を備えた状態でワーク50を把持するので、作業空間が小さな設置位置においても、ワーク50の姿勢を適宜に変更できるので良好な作業性を確保できる。
【0016】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、
図9を参照しつつ説明する。
図10は、ワーク50よりも小径の曲線を備えたワークを保持可能な曲面部材60である。曲面部材60において、曲面部材7と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。曲面部材60は、曲面部材7と同等の筒状組付部13を備えており、曲面部材7に差し替えて、作業用治具1に使用できる。
なお、曲面部材60と鏡対称の曲面部材(図示せず)を用いて一対とすることで、小型のワークを把持可能とできる。
曲面組付部61は、第一実施形態の曲面組付部14に比べて、小さな曲率半径を備えており、小径のワーク(例えば180度エルボ)を保持しつつ、溶接作業や溶接に先立ち開口端部を開先取りする作業を行える。
上記のように構成した第二実施形態においても第一実施形態と同様の効果を奏する。
加えて、二種類以上の曲率半径の異なる曲面組付部を備えた曲面部材を設けておくことで、曲率半径の異なるワークを操作性よく保持できる。
【0017】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、
図10及び
図11を参照しつつ説明する。本実施形態において、第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第一実施形態と第三実施形態との相違点は、下側の把持用軸部4において、曲面部材73を固定するための構成である。把持用軸部4において、上側の把持用軸部3に設けられたネジ部材5に対応する位置には、(ネジではなく)断面が正方形の固定軸71が突設されている。この固定軸71は、曲面部材73の筒状組付部72に挿入されることで、曲面部材73を位置決め固定する。筒状組付部72には、固定軸71の正方形と略同等か、それよりも僅かに大きな正方形状の組付溝部72Aが設けられている。この構成により、曲面部材73は90度毎に回転可能とされている。
ワーク50を固定する際には、ネジ部材5を把持用軸部4から離間する方向となるように回転させておき、下側の曲面部材73の筒状組付部72に設けられた組付溝部72Aに固定軸71を挿入して組付けた後、曲面組付部14’の凹面側(内面側)にワーク50の曲面を適度に添わせながら載置する。このとき、ワーク50の一方側の開口50Aの中心が支持軸部2の方向に略一致するように位置決めをしておく。
【0018】
次に、上側のネジ部材5の押圧端部11を曲面部材7の筒状組付部13に挿入して組付け、操作シャフト12を回すことで、曲面部材7を下方に移動させることで、ワーク50上側の曲面に曲面組付部14の凹面側(内面側)を添いつける。
上記のように構成した第三実施形態においても第一実施形態と同様の効果を奏する。
加えて、下部の曲面部材73は回転しないので、より正確にワーク50をセット出来る。また、曲面部材73は位置決め固定されているので、上側の曲面部材7のみを下方に移動するネジ操作のみでワーク50の位置決めを行える。
更に、下部の曲面部材73が回転しないので、ワークの先に長いパイプがついたとしてもブレが生じ難くなり操作性が良好となる。
【0019】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について、
図12を参照しつつ説明する。本実施形態において、第三実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態と第四実施形態との相違点は、上下の曲面部材80,82の曲面組付部81,83の長さである。本実施形態では、曲面組付部81,83は、ワーク50の曲がった部分のみではなく、更に延長されている。
このように構成すれば、ワーク50をより安定して保持できるので、、支持軸部2を回転させたとしても、ワーク50の芯ブレを起こし難くできる。
【符号の説明】
【0020】
1…作業用治具、2…支持軸部(第一の回転軸)、3,4…把持用軸部、5…ネジ部材(把持部、第二の軸)、7,8…曲面部材(把持部)、50…ワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸部と、この支持軸部の一端側において上下一対に設けられる把持用軸部と、この把持用軸部の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部とを備え、前記支持軸部の他端側は第一の回転軸について回転可能に保持されており、前記把持部は、前記把持用軸部から垂直方向に対向するように延設されるネジ部材と、このネジ部材の先端側に設けられる曲面部材とを備えており、前記曲面部材はワークである非直管の外方曲面の長さ方向に沿うように曲面形状に、かつ一対の前記曲面部材が鏡対称的に形成されており、前記ワークを把持する把持位置と前記非直管を開放する開放位置との間で移動可能とされていると共に、前記両把持部は、前記第一の回転軸に対して直交する方向の第二の軸について前記ワークを所定の角度で回転可能とされており、前記ワークが前記両把持部の間に組付けられたときには、前記支持軸部の一端側の外方位置において、前記ワークの円形を備えた部分を当該円形の中心と前記第一の回転軸とを略一致させた状態で前記第一の回転軸周りに回転可能に把持されることを特徴とする作業用治具。
【請求項2】
支持軸部と、この支持軸部の一端側において上下一対に設けられる把持用軸部と、この把持用軸部の各々において対向する位置に設けられる一対の把持部とを備え、前記支持軸部の他端側は第一の回転軸について回転可能に保持されており、前記把持部は、ワークである非直管を把持する把持位置と前記非直管を開放する開放位置との間で移動可能とされていると共に、前記非直管の外方曲面に沿うように曲面形状に形成されており、前記両把持部は、前記第一の回転軸に対して直交する方向の第二の軸について前記ワークを所定の角度で回転可能とされており、前記ワークが前記両把持部の間に組付けられたときには、前記支持軸部の一端側の外方位置において、前記ワークの円形を備えた部分を当該円形の中心と前記第一の回転軸とを略一致させた状態で前記第一の回転軸周りに回転可能に把持されており、前記把持部は、前記把持用軸部から対向する他方の把持用軸部に向かって垂直方向に延設されると共に断面が正多角形の固定軸と、この固定軸を受け入れ可能な組付溝部を備えた曲面部材とを備えている作業用治具。