(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154108
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】パワーモジュール、パワーモジュールの製造方法および電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241023BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20241023BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241023BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067745
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】川添 智香
(72)【発明者】
【氏名】藤野 純司
(72)【発明者】
【氏名】小川 翔平
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA01
5H770DA03
5H770QA01
5H770QA05
5H770QA06
5H770QA08
(57)【要約】
【課題】製造コストの増加を抑制でき、ワイヤボンドの信頼性を向上したパワーモジュールを提供する。
【解決手段】基板と、基板とは反対側の上面に設けられた上面主電極および制御信号が供給される信号電極を有し、上面とは反対側の下面が基板に第1の接合材により接合されるスイッチングデバイスと、基板が第1の接合材により接合されるベース板と、スイッチングデバイスの主電流が流れる電極板と、スイッチングデバイスの制御信号が供給され、信号電極とワイヤを介して接続された信号端子と、基板を囲むように設けられ、ベース板の上に接合されたケースと、を備え、電極板は、一方端がスイッチングデバイスの上面主電極に第2の接合材により接合され、信号端子は、一方端がワイヤに接続され、スイッチングデバイスは、少なくとも上面主電極と信号電極との間に設けられ、信号電極の厚みよりも高い樹脂で構成された凸部を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板とは反対側の上面に設けられた上面主電極および制御信号が供給される信号電極を有し、前記上面とは反対側の下面が前記基板に第1の接合材により接合されるスイッチングデバイスと、
前記基板が前記第1の接合材により接合されるベース板と、
前記スイッチングデバイスの主電流が流れる電極板と、
前記スイッチングデバイスの前記制御信号が供給され、前記信号電極とワイヤを介して接続された信号端子と、
前記基板を囲むように設けられ、前記ベース板の上に接合されたケースと、を備え、
前記電極板は、
一方端が前記スイッチングデバイスの前記上面主電極に第2の接合材により接合され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、
前記信号端子は、
一方端が前記ワイヤに接続され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、
前記スイッチングデバイスは、
少なくとも前記上面主電極と前記信号電極との間に設けられ、前記信号電極の厚みよりも高い樹脂で構成された凸部を有する、パワーモジュール。
【請求項2】
前記凸部は、
前記信号電極の配設領域を囲むように設けられる、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記凸部は、
前記信号電極の配設領域を多重で囲むように設けられる、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記第1および第2の接合材は、ハンダで構成される、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のパワーモジュールの製造方法であって、
(a)前記ベース板、前記基板および前記スイッチングデバイスを、それぞれの間に溶融前の前記第1の接合材を介して積層し、積層体を加熱して前記第1の接合材を溶融させる工程と、
前記工程(a)の後、
(b)少なくとも前記スイッチングデバイスの前記上面主電極と前記信号電極との間に樹脂材を配置する工程と、
前記工程(b)の後、
(d)前記電極板の前記一方端の下面が前記スイッチングデバイスの前記上面主電極との間に溶融前の前記第2の接合材を間に介して対向するように、前記ケースを接着剤を間に介して前記ベース板上に搭載する工程と、
前記工程(d)の後、
(e)前記樹脂材を硬化させて前記凸部を形成すると共に前記第2の接合材を溶融させるように加熱する工程と、
前記工程(e)の後、
(f)前記信号電極と前記信号端子との間に前記ワイヤを接続する工程と、を備える、パワーモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記工程(b)は、
前記信号電極の配設領域を囲むように前記樹脂材を配置する工程を含む、請求項5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【請求項7】
前記工程(b)は、
前記信号電極の配設領域を多重で囲むように前記樹脂材を配置する工程を含む、請求項5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【請求項8】
前記工程(d)と前記工程(e)の間に、
(g)前記樹脂材および前記信号電極を板状部材で覆う工程を備える、請求項5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【請求項9】
前記工程(g)は、
前記ベース板に対して垂直方向にバネ性を有するように前記板状部材を前記樹脂材に押し当てる工程を有する、請求項8に記載のパワーモジュールの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のパワーモジュールを有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路と、を備えた電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はパワーモジュールに関し、特に、ワイヤボンドの信頼性を向上したパワーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュールは、環境問題の高まりと共に、電気エネルギーの発電、送電および回生のあらゆる場面で普及しつつある。電気自動車など輸送機器に用いられるパワーモジュールは特に高い信頼性が求められるため、従来のワイヤボンドではなく、銅製のリードフレームを用いて半導体素子の主回路をハンダで接合する構造が普及しつつある。半導体素子の主端子とリードとの接合にハンダを用いる一方で、スイッチング素子のゲート電極などは、流れる電流が少ないので、ワイヤボンディングによるワイヤを用いる場合が多い。そのためリード接合部からのハンダ飛びまたは、ハンダボールが、ゲート電極に付着し、ワイヤボンディングを阻害し、信頼性の低下を引き起こす可能性があった。
【0003】
特許文献1では、半導体素子の主端子にハンダ付けするリードの先端を曲げて凸部を形成し、ハンダ飛びを抑制する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、リードの先端を曲げる工程が必要となって製造コストが増えると共に、凸部を設けることによる絶縁性能の低下および封止樹脂の注入の阻害要因となる可能性があった。
【0006】
本開示は上記のような問題を解決するためになされたものであり、製造コストの増加を抑制できると共に、パワーモジュールの性能を低下させず、パワーモジュール製造の阻害要因とならずにワイヤボンドの信頼性を向上したパワーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るパワーモジュールは、基板と、前記基板とは反対側の上面に設けられた上面主電極および制御信号が供給される信号電極を有し、前記上面とは反対側の下面が前記基板に第1の接合材により接合されるスイッチングデバイスと、前記基板が前記第1の接合材により接合されるベース板と、前記スイッチングデバイスの主電流が流れる電極板と、前記スイッチングデバイスの前記制御信号が供給され、前記信号電極とワイヤを介して接続された信号端子と、前記基板を囲むように設けられ、前記ベース板の上に接合されたケースと、を備え、前記電極板は、一方端が前記スイッチングデバイスの前記上面主電極に第2の接合材により接合され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、前記信号端子は、一方端が前記ワイヤに接続され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、前記スイッチングデバイスは、少なくとも前記上面主電極と前記信号電極との間に設けられ、前記信号電極の厚みよりも高い樹脂で構成された凸部を有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るパワーモジュールによれば、スイッチングデバイスの上面主電極と信号電極との間に信号電極の厚みよりも高い樹脂で構成された凸部を有しているので、電極板とスイッチングデバイスの上面主電極との接合時に、溶融した第2の接合材の飛沫がスイッチングデバイス上を転がってくる場合でも、飛沫を遮断することができ、飛沫の信号電極への付着を防いで、信号電極へのワイヤボンドの信頼性を向上したパワーモジュールを得ることができる。また、凸部は樹脂で構成され局所的に設けられるので、製造コストの増加を抑制できると共に、パワーモジュールの性能を低下させず、パワーモジュール製造の阻害要因にもならない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの構成を示す平面図である。
【
図2】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの構成を示す断面図である。
【
図3】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図4】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図5】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図6】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図7】本開示に係る実施の形態1のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図8】本開示に係る実施の形態1の変形例1のパワーモジュールの構成を示す平面図である。
【
図9】本開示に係る実施の形態1の変形例2のパワーモジュールの構成を示す平面図である。
【
図10】本開示に係る実施の形態2のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図11】本開示に係る実施の形態2のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図12】本開示に係る実施の形態2のパワーモジュールの製造工程を示す平面図である。
【
図13】本開示に係る実施の形態2のパワーモジュールの製造工程を示す断面図である。
【
図14】本開示に係る実施の形態1および実施の形態2の効果を評価した結果を示す図である。
【
図15】本開示に係る実施の形態3の電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
<装置構成>
図1は、本開示に係る実施の形態1のパワーモジュール202の構成を示す平面図である。
図1においては、パワーモジュール202の内部の封止樹脂を便宜的に省略して示しており、パワーモジュール202を上面側から見た図である。
図2は、
図1のA-A線での矢示方向断面図である。
【0011】
図2に示されるように、パワーモジュール202は、ベース板10の上面にセラミック基板11がハンダ30(第1の接合材)により接合され、セラミック基板11の上面にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチングデバイス20およびダイオード21が、ハンダ30により接合されている。
【0012】
ベース板10は、上面側および底面側が開口部となったPPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂のケース5の底面側の開口部を覆うように、ケース5の側壁底面に接着剤72により接着されている。
【0013】
セラミック基板11は、デバイスを搭載する上面に表面導体層111が設けられ、上面とは反対側の下面に裏面導体層112が設けられており、裏面導体層112がハンダ30によりベース板10と接合されている。また、表面導体層111がハンダ30によりスイッチングデバイス20およびダイオード21の図示されない下面主電極と接合されている。
【0014】
スイッチングデバイス20の上面主電極212およびダイオード21の上面主電極211は、ハンダ31(第2の接合材)により電極板65と共通に接合されている。電極板65は、ケース5にインサート成形されており、電極板65のケース5の外部に突出した部分が主端子62となっている。
【0015】
スイッチングデバイス20の上面には、上面主電極212の近傍にスイッチングデバイス20に制御信号を供給する信号電極213が設けられ、信号電極213は、ケース5にインサート成形された信号端子61の一端にアルミ製のワイヤ40によって接続されている。信号端子61の他端は、ケース5の外部に突出している。
【0016】
スイッチングデバイス20の上面主電極212および信号電極213の厚みは0.01mm、ダイオード21の上面主電極211の厚みは0.01mmとなっている。
【0017】
図1に示すように、スイッチングデバイス20の信号電極213の配設領域を囲むように凸部71が設けられており、
図2に示すように凸部71の高さは、信号電極213の厚みを超える高さに形成されている。
【0018】
また、
図1に示すように、ケース5には電極板66がインサート成形されており、電極板66の一端が表面導体層111にハンダ(図示せず)により接合され、電極板66のケース5の外部に突出した部分が主端子63となっている。
【0019】
図1および
図2においては、ケース5内にスイッチングデバイス20およびダイオード21が1つずつ収納された1in1の構成を示したが、これは、インバータの1つ分のアームに相当する構成に本開示を適用した例に過ぎず、本開示の適用はこれに限定されるものではない。インバータの1相分のスイッチングデバイス20およびダイオード21が収納された2in1の構成でも、インバータの3相分のスイッチングデバイス20およびダイオード21が収納された6in1の構成でも、本開示は適用可能である。
【0020】
次に、パワーモジュール202の各部材の材質について説明する。セラミック基板11は、40mm×40mm×厚さ2mmの窒化アルミ(AlN)製基材に、17mm×37mm×厚さ0.8mmの2枚の銅製の導体層が部分的に接続された表面導体層111および37mm×37mm×厚さ0.8mmの銅製の裏面導体層112が設けられている。表面導体層111および裏面導体層112は、セラミック基板11をメタライズして形成することができる。
【0021】
スイッチングデバイス20は、シリコン製で13mm×13mm×厚さ0.2mmであり、ダイオード21はシリコン製で13mm×10mm×厚さ0.2mmである。ハンダ30の成分は、スズ96.5%、銀3%、銅0.5%であり、融点は217℃である。
【0022】
ケース5にインサート成形された電極板65、66および信号端子61は、厚さ0.64mmの銅製である。
【0023】
スイッチングデバイス20の信号電極213の周囲に設けられる凸部71は、ポリイミド等の樹脂製であり、幅1.0mmで高さ1.0mmとなっている。スイッチングデバイス20の信号電極213と、銅製の厚さ0.64mmの信号端子61とを接続するアルミ製ワイヤ40は、太さ0.15mmの純アルミ製である。
【0024】
セラミック基板11は、絶縁性が得られ、Cuのようにハンダが濡れる導体層が形成できるのであればAlN基板に限るものではなく、基材としては、例えば、アルミナ(Al2O3)または炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、などの絶縁基板基材を用いることもできる。
【0025】
また、表面導体層111および裏面導体層112は、ハンダが濡れるものであればよく、Cuに限らず最表面がSn、Au、Agなどの金属となっていればよい。また、スイッチングデバイス20およびダイオード21の表面電極および裏面電極は、ハンダが濡れる金属であればよく、最表面がSn、Au、Agなどの金属となっていればよい。
【0026】
パワー半導体素子としてIGBTおよびダイオードを用いたが、他に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いることもでき、IC(Integrated Circuit)を搭載することもできる。
【0027】
スイッチングデバイス20およびダイオード21については、シリコン製以外にも、シリコンカーバイドまたは窒化ガリウムなどのワイドバンドギャップ半導体を用いることもできる。
【0028】
電極板65、66および信号端子61の素材としては、銅以外に銅合金または表面をニッケルめっきしたアルミニウムとすることもできる。
【0029】
ハンダ30およびハンダ31については、スズ99.3%、銅0.7%、融点224℃などのハンダ材を用いることもできる。
【0030】
比較的融点が低く扱いやすいハンダ30およびハンダ31を接合材として用いることで、製造コストを下げることができる。
【0031】
なお、スイッチングデバイス20およびダイオード21に接する接合材であるハンダ30およびハンダ31を、ハンダよりも耐熱性に優れた銀焼結材またはろう付け材などの接合材に置き換えることもできる。また、銀(Ag)フィラーをエポキシ樹脂に分散させた導電性接着剤またはナノ粒子を低温焼成させるAgナノパウダまたはCuナノパウダなどの接合材を用いることもできる。
【0032】
ワイヤ40はアルミ製以外に、鉄などの添加剤を微量含んだアルミ合金製または銅製のワイヤ、またはアルミ被覆銅ワイヤ、または金ワイヤを用いることもできる。また、リボンボンドを用いることもできる。
【0033】
ケース5の材料としては、PPS樹脂以外にLCP(液晶ポリマー:Liquid Crystal Polymer)樹脂を用いることもできる。どちらも、フィラーを分散させることで、耐熱温度を高めることができる。
【0034】
封止樹脂73としては、シリカフィラーを分散させたエポキシ樹脂を用いるが、アルミナ、窒化ボロン(BN)などのフィラーを用いることもでき、エポキシ樹脂にシリコーン樹脂を混合させた樹脂を用いることもできる。
【0035】
<製造方法>
次に、実施の形態1の製造方法として、製造工程を順に示す断面図である
図3~
図7を用いて、パワーモジュール202の製造方法を説明する。
【0036】
図3に示すように、まず、ベース板10とセラミック基板11を、間に溶融前の板状のハンダ30を介して積層し、セラミック基板11上に間に板状のハンダ30を介してスイッチングデバイス20およびダイオード21を積層し、これらの積層体を加熱することで板状のハンダ30を溶融させる。これにより、セラミック基板11の裏面導体層112とベース板10、セラミック基板11の表面導体層111とスイッチングデバイス20およびダイオード21を同時に接合する。ハンダ30による接合は、リフロー炉を用いて積層体を280℃程度まで加熱してハンダ30を溶融させて接合する。
【0037】
次に、
図4に示す工程において、液状の樹脂材を供給するディスペンサ(図示せず)の先端に設けられたニードル75を用いて、スイッチングデバイス20の信号電極213の周囲に、液状の樹脂材710を描画形成する。この際、樹脂材710の高さは、硬化後に高さ1.0mmの凸部71となるように、硬化による縮みを計算して設定する。
【0038】
次に、
図5に示す工程において、ケース5と接着するための接着剤72をベース板10端縁部に塗布する。
【0039】
次に、
図6に示す工程において、ケース5を接着剤72を介してベース板10上に搭載する。このとき、電極板65の下面がスイッチングデバイス20の上面主電極212およびダイオード21の上面主電極211と溶融前の板状のハンダ31を介して対向するように配置される。
【0040】
そして、接着剤72加熱してケース5とベース板10を接着固定すると同時に、樹脂材710も硬化させ、スイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211をハンダ31を用いて電極板65を接合する。また、同時に、図示されない電極板66も表面導体層111に、ハンダにより接合する。
【0041】
接着固定には、リフロー炉を用いて280℃程度まで接着剤72およびハンダ31を加熱して硬化させる。なお、ハンダ30および31は板状としたが、クリームハンダを用いることもできる。
【0042】
次に、
図7に示す工程において、ケース5にインサート成形された信号端子61と、スイッチングデバイス20の信号電極213をワイヤ40を用いてワイヤボンディングにより接続する。
【0043】
最後に、ダイレクトポッティング封止樹脂を60℃に加熱した状態でケース5内に流し込み、真空脱泡して加熱して硬化させることで、
図2に示したように封止樹脂73でケース5内を封止したパワーモジュール202が完成する。封止樹脂73の硬化には、100℃で1.5時間の加熱の後、140℃で1.5時間の加熱を行う。なお、ベース板10とケース5の隙間を接着剤72が埋めているので、ケース5内にダイレクトポッティング封止樹脂を流し込んだ際に、封止樹脂が漏れることを防止できる。
【0044】
スイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211に板状のハンダ31を用いて電極板65を接合する際に、接合部のハンダ31から、ハンダ飛びまたは、ハンダボールが発生する。このようなハンダの飛沫が転がってスイッチングデバイス20の信号電極213に付着すると、ワイヤボンドを阻害したり、信頼性を損ねたりする可能性がある。
【0045】
そこで、スイッチングデバイス20の信号電極213の周囲に樹脂製の凸部71を形成することで、転がってくるハンダの信号電極213への付着を防ぐ効果があり、パワーモジュール製造の阻害要因とならずにワイヤボンドの信頼性を向上したパワーモジュール202を得ることができる。
【0046】
また、凸部71は樹脂で構成され、信号電極213の周囲に局所的に設けられるので、製造コストの増加を抑制できると共に、凸部71を設けることによる絶縁性能の低下を招くこともなく、封止樹脂73の注入時の阻害要因ともならないので、パワーモジュール202の性能を低下させず、パワーモジュール202の製造の阻害要因にもならない。
【0047】
凸部71は、スイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211に電極板65を接合した後に、薬剤によるエッチングまたはレーザー照射により除去することもできる。
【0048】
<変形例1>
図8は実施の形態1の変形例1のパワーモジュール2021の構成を示す平面図である。
図8においては、
図1に示したパワーモジュール202と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0049】
図8に示すように、パワーモジュール2021においては、スイッチングデバイス20の信号電極213の前後に凸部711が設けられている。すなわち、凸部711は、ハンダ31を用いて電極板65を接合する際に、接合部のハンダ31から、ハンダが転がってくる方向を塞ぐように信号電極213の配列の前後のみに設けられており、このような構成でも、ハンダの信号電極213への付着を防ぐ効果が得られる。
【0050】
なお、凸部711は、スイッチングデバイス20と信号電極213との間、すなわち、信号電極213の手前だけに設けることもできる。このような構成とすることで、凸部711の形成領域が限定され、効率的にハンダの信号電極213への付着を防ぐことができる。
【0051】
<変形例2>
図9は実施の形態1の変形例2のパワーモジュール2022の構成を示す平面図である。
図9においては、
図1に示したパワーモジュール202と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0052】
図9に示すように、パワーモジュール2022においては、スイッチングデバイス20の信号電極213の配列の周囲を2重に囲むように、凸部712および凸部713が設けられている。すなわち、信号電極213の配列の直近を囲むように凸部713が設けられ、凸部713を囲むように凸部712が設けられている。信号電極213の配列の周囲を凸部712および凸部713で2重に囲むことで、ハンダ31を用いて電極板65を接合する際に、接合部のハンダ31から転がってくるハンダに対してより高い付着防止効果が得られる。なお、2重に限らず、3重、4重など多重に信号電極213の配列を囲む構成とすることもできる。
【0053】
<実施の形態2>
以下、実施の形態2の製造方法として、
図10~
図13を用いて、パワーモジュール202の製造方法を説明する。
図3~
図5を用いて説明した、セラミック基板11の裏面導体層112をベース板10に接合すると同時に、セラミック基板11の表面導体層1112に、スイッチングデバイス20およびダイオード21を接合する工程と、スイッチングデバイス20の信号電極213の周囲に樹脂製の凸部71を描画形成する工程と、接着剤72をベース板10に塗布する工程までは、実施の形態1の製造方法と同じであるので、説明は省略する。
【0054】
図10に示す工程において、ケース5とベース板10を接着剤72を用いて接着固定すると同時に、スイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211に電極板65を接合する際に、バネ部91を有するステンレス等の金属製のカバー治具90をケース5の開口部OPの上部から被せるように配置する。カバー治具90のバネ部91は、カバー治具90の下面から垂直に突出し、その先端が水平に折れ曲がった形状を有し、水平に折れ曲がった部分は平坦な板状部材911となっており、カバー治具90を開口部OPに被せると、板状部材911が、信号電極213の周囲に設けた凸部71に押し当てられ、信号電極213および凸部71を覆うこととなる。
図11は、この状態を示す断面図である。なお、ここではステンレス製のカバー治具90を用いたが、ハンダにぬれずにバネ性を有する耐熱性素材であればよく、チタン合金、炭素鋼あるいはクロムめっきしたニッケル合金などを用いることで、長期的な耐久性を確保することが可能となる。
【0055】
図11の状態でのパワーモジュール202を上面側から見た平面図を
図12に示す。
図12に示すようにカバー治具90は、ケース5の開口部OPを完全に覆うのではなく、スイッチングデバイス20およびダイオード21の上方、電極板65の上方、信号電極213の配列の上方および信号端子61の配列の上方を覆い、ケース5の縁で固定できる長さおよび形状に形成されている。
【0056】
図11に示すように、バネ部91の板状部材911が凸部71に押し付けられた状態で、ケース5とベース板10の接着固定、凸部71の硬化およびスイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211への電極板65の接合を同時に行う。この際、リフロー炉を用いて280℃程度まで加熱することは、実施の形態1と同じである。
【0057】
その後、カバー治具90を除去し、
図13に示す工程において、ケース5にインサート成形された信号端子61と、スイッチングデバイス20の信号電極213をワイヤ40を用いて接続し、最後にダイレクトポッティング封止樹脂を60℃に加熱した状態でケース5内に流し込み、真空脱泡して加熱して硬化させることで、
図2に示したように封止樹脂73でケース5内を封止したパワーモジュール202が完成する。
【0058】
実施の形態1において説明したように、スイッチングデバイス20の上面主電極212とダイオード21の上面主電極211に板状のハンダ31を用いて電極板65を接合する際に、接合部のハンダ31から、ハンダ飛びまたは、ハンダボールが発生した場合、このようなハンダが転がってスイッチングデバイス20の信号電極213に付着することを、スイッチングデバイス20の信号電極213の周囲に樹脂製の凸部71を形成することで、防ぐ効果がある。
【0059】
一方、ハンダが溶ける際に巻き込まれた空気がはじけるなどして、ハンダが飛ぶ場合がある。実施の形態2の製造方法では、カバー治具90のバネ部91により信号電極213および凸部71を覆うので、転がってくるハンダだけでなく、飛んでくるハンダの信号電極213への付着も抑制することが可能である。
【0060】
また、カバー治具90のバネ部91が垂直方向にバネ性を有するので、凸部71の高さが多少異なってもカバーすることが可能である。
【0061】
図14は、実施の形態1および実施の形態2の効果を評価した結果を示す図である。この評価においては、クリームハンダを溶融させた状態で水を垂らし、意図的にハンダを飛散させ、金属板の1mm
2あたりのハンダの飛散数を計測することで評価した。すなわち、金属板に凸部71を設けない場合、金属板に凸部71を設けた場合および金属板に凸部71を設けてカバー治具90で凸部71を覆った場合の3つの態様で金属板の1mm
2あたりのハンダの飛散数を計測した。
【0062】
図14では、凸部71を設けず、カバー治具90も配置しない態様での結果を左のグラフで示し、凸部71は設け、カバー治具90は配置しない態様での結果を中央のグラフで示し、凸部71を設け、カバー治具90を配置した態様での結果を右のグラフで示している。なお、金属板とクリームハンダとの位置関係は、信号電極213と板状ハンダ51との位置関係と同じにするなど、検証装置の状態はパワーモジュール202と同じ状態として検証を行った。
【0063】
図14より、凸部なしカバー治具なしの態様より、凸部ありカバー治具なしの態様にすることで、ハンダの飛散数が1/4程度まで減少した。さらに、凸部ありカバー治具なしの態様から、凸部ありカバー治具の態様にすることで、ハンダの飛散数が1/3以下に減少した。この評価結果から実施の形態1および実施の形態2の製造方法は、スイッチングデバイス20の信号電極213へのハンダ付着を抑制する効果があることが確認できた。
【0064】
なお、カバー治具90のバネ部91にはバネ性を持たせたが、バネ性を持たせない構成とすることもできる。
【0065】
<実施の形態3>
本実施の形態は、上述した実施の形態1に係るパワーモジュールを電力変換装置に適用したものである。以下、実施の形態3として、三相のインバータに実施の形態1を適用した場合について説明する。なお、電力変換装置は、三相のインバータに限定されるものではない。
【0066】
図15は、本実施の形態に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
図15に示す電力変換システムは、電源100、電力変換装置200、負荷300で構成される。電源100は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源100は、特に限定されないが、例えば、直流系統、太陽電池または蓄電池で構成することができ、また、交流系統に接続された整流回路またはAC/DCコンバータで構成してもよい。また、電源100を、直流系統から出力される直流電力を所定の直流電力に変換するDC/DCコンバータによって構成してもよい。
【0067】
電力変換装置200は、電源100と負荷300の間に接続された三相のインバータであり、電源100から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、
図15に示すように、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201を制御する制御信号を主変換回路201に出力する制御回路203とを備えている。
【0068】
負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は、特に限定されないが、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道車両、エレベーター、または、空調機器向けの電動機として用いられる。
【0069】
以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチングデバイス(図示せず)と還流ダイオード(図示せず)を備えており、スイッチングデバイスがスイッチングすることによって、電源100から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態に係る主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチングデバイスとそれぞれのスイッチングデバイスに逆並列された6つの還流ダイオードで構成することができる。主変換回路201のパワーモジュールには、上述した実施の形態1のパワーモジュール202をインバータの3相分のスイッチングデバイス20およびダイオード21が収納された6in1の構成に適用したものとする。
【0070】
6つのスイッチングデバイスは2つのスイッチングデバイスごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
【0071】
また、主変換回路201は、各スイッチングデバイスを駆動する駆動回路(図示せず)を備えているが、駆動回路はパワーモジュール202内に内蔵されていてもよいし、パワーモジュール202とは別に駆動回路を備える構成であってもよい。駆動回路は、主変換回路201のスイッチングデバイスを駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチングデバイスの制御電極に供給する。
【0072】
具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチングデバイスをオン状態にする駆動信号とスイッチングデバイスをオフ状態にする駆動信号とを各スイッチングデバイスの制御電極に出力する。スイッチングデバイスをオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチングデバイスの閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチングデバイスをオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチングデバイスの閾値電圧未満の電圧信号(オフ信号)となる。
【0073】
制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチングデバイスを制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチングデバイスがオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチングデバイスのオン時間を変調するパルス幅変調(PWM)制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチングデバイスにはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチングデバイスにはオフ信号が出力されるよう、主変換回路201が備える駆動回路に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路は、この制御信号に従い、各スイッチングデバイスの制御電極にオン信号またはオフ信号を駆動信号として出力する。
【0074】
本実施の形態に係る電力変換装置200では、主変換回路201に含まれるパワーモジュール202として、実施の形態1に係るパワーモジュール202が適用される。そのため、本実施の形態に係る電力変換装置200は、パワーモジュール製造においてワイヤボンドの信頼性が向上してパワーモジュール202の信頼性が向上し、ひいては、電力変換装置の信頼性が向上する。
【0075】
本実施の形態では、2レベルの三相インバータに本開示を適用する例を説明したが、本開示は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが3レベルまたはマルチレベルの電力変換装置であっても構わない。電力変換装置が単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本開示を適用しても構わない。また、電力変換装置が直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータまたはAC/DCコンバータに本開示を適用することも可能である。
【0076】
また、本実施の形態の電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機またはレーザー加工機、または誘導加熱調理器もしくは非接触器給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムおよび蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
【0077】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0078】
本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0079】
以上説明した本開示を付記としてまとめて記載する。
【0080】
(付記1)
基板と、
前記基板とは反対側の上面に設けられた上面主電極および制御信号が供給される信号電極を有し、前記上面とは反対側の下面が前記基板に第1の接合材により接合されるスイッチングデバイスと、
前記基板が前記第1の接合材により接合されるベース板と、
前記スイッチングデバイスの主電流が流れる電極板と、
前記スイッチングデバイスの前記制御信号が供給され、前記信号電極とワイヤを介して接続された信号端子と、
前記基板を囲むように設けられ、前記ベース板の上に接合されたケースと、を備え、
前記電極板は、
一方端が前記スイッチングデバイスの前記上面主電極に第2の接合材により接合され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、
前記信号端子は、
一方端が前記ワイヤに接続され、他方端側が前記ケースの壁面内にインサートされ、
前記スイッチングデバイスは、
少なくとも前記上面主電極と前記信号電極との間に設けられ、前記信号電極の厚みよりも高い樹脂で構成された凸部を有する、パワーモジュール。
【0081】
(付記2)
前記凸部は、
前記信号電極の配設領域を囲むように設けられる、付記1に記載のパワーモジュール。
【0082】
(付記3)
前記凸部は、
前記信号電極の配設領域を多重で囲むように設けられる、付記1に記載のパワーモジュール。
【0083】
(付記4)
前記第1および第2の接合材は、ハンダで構成される、付記1に記載のパワーモジュール。
【0084】
(付記5)
付記1に記載のパワーモジュールの製造方法であって、
(a)前記ベース板、前記基板および前記スイッチングデバイスを、それぞれの間に溶融前の前記第1の接合材を介して積層し、積層体を加熱して前記第1の接合材を溶融させる工程と、
前記工程(a)の後、
(b)少なくとも前記スイッチングデバイスの前記上面主電極と前記信号電極との間に樹脂材を配置する工程と、
前記工程(b)の後、
(d)前記電極板の前記一方端の下面が前記スイッチングデバイスの前記上面主電極との間に溶融前の前記第2の接合材を間に介して対向するように、前記ケースを接着剤を間に介して前記ベース板上に搭載する工程と、
前記工程(d)の後、
(e)前記樹脂材を硬化させて前記凸部を形成すると共に前記第2の接合材を溶融させるように加熱する工程と、
前記工程(e)の後、
(f)前記信号電極と前記信号端子との間に前記ワイヤを接続する工程と、を備える、パワーモジュールの製造方法。
【0085】
(付記6)
前記工程(b)は、
前記信号電極の配設領域を囲むように前記樹脂材を配置する工程を含む、付記5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【0086】
(付記7)
前記工程(b)は、
前記信号電極の配設領域を多重で囲むように前記樹脂材を配置する工程を含む、付記5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【0087】
(付記8)
前記工程(d)と前記工程(e)の間に、
(g)前記樹脂材および前記信号電極を板状部材で覆う工程を備える、付記5に記載のパワーモジュールの製造方法。
【0088】
(付記9)
前記工程(g)は、
前記ベース板に対して垂直方向にバネ性を有するように前記板状部材を前記樹脂材に押し当てる工程を有する、付記8に記載のパワーモジュールの製造方法。
【0089】
(付記10)
付記1から付記4の何れか1つに記載のパワーモジュールを有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路と、を備えた電力変換装置。
【符号の説明】
【0090】
5 ケース、10 ベース板、11 セラミック基板、20 スイッチングデバイス、212 上面主電極、213 信号電極、21 ダイオード、30,31 ハンダ、40 ワイヤ、61 信号端子、65 電極板、71 凸部、72 接着剤、911 板状部材、100 電源、200 電力変換装置、201 主変換回路、202 パワーモジュール、203 制御回路、213 信号電極。