(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154112
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】半導体検査装置、半導体ウエハの検査方法および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241023BHJP
C30B 29/36 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H01L21/66 N
H01L21/66 J
C30B29/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067755
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 卓誉
(72)【発明者】
【氏名】大木 博文
(72)【発明者】
【氏名】木村 泰広
(72)【発明者】
【氏名】香月 真一郎
【テーマコード(参考)】
4G077
4M106
【Fターム(参考)】
4G077BE08
4G077GA02
4G077GA06
4G077HA12
4M106AA01
4M106BA05
4M106CA42
4M106CB19
4M106DB04
4M106DB07
4M106DJ18
4M106DJ20
4M106DJ27
(57)【要約】
【課題】マイクロパイプ欠陥の検出時間の短縮が可能な半導体検査装置を提供する。
【解決手段】半導体検査装置は、欠陥検出部2および制御部4を含む。欠陥検出部2は、第1主面6Aと第2主面6Bとを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、第1主面6Aを検査して第1主面6Aに含まれる結晶欠陥である第1欠陥7Aを検出し、第2主面6Bを検査して第2主面6Bに含まれる結晶欠陥である第2欠陥7Bを検出する。制御部4は、欠陥検出部2による第2欠陥7Bの検出に際し、半導体ウエハの第2主面6Bの一部の領域である検査領域を検査するように、欠陥検出部2を制御する。その検査領域は、第1欠陥7Aの検出位置と半導体ウエハの厚みTとオフ角θとに基づいて決定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出し、前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部による前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域を検査するように、前記欠陥検出部を制御する制御部と、を備える半導体検査装置。
【請求項2】
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項3】
前記検査領域は、前記半導体ウエハの前記第2主面上の前記第1欠陥対応位置だけを含む、請求項2に記載の半導体検査装置。
【請求項4】
前記欠陥検出部によって検出された前記第1欠陥の前記検出位置を記憶する記憶部、をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記第1欠陥の前記検出位置に基づいて、前記検査領域を決定する、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項5】
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する判定部を、さらに備える請求項2に記載の半導体検査装置。
【請求項6】
前記欠陥検出部は、観察部を含み、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として撮影される前記第1主面の画像に基づいて前記第1欠陥を検出する、または、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として撮影される前記第2主面の前記検査領域の画像に基づいて前記第2欠陥を検出する、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項7】
前記欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として測定される前記第1主面内の変位に基づいて前記第1欠陥を検出する、または、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として測定される前記第2主面の前記検査領域内の変位に基づいて前記第2欠陥を検出する、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項8】
前記欠陥検出部は、前記半導体ウエハの前記第1主面を検査する第1欠陥検出部と、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査する第2欠陥検出部と、を含む、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項9】
前記第1欠陥検出部は、観察部を含み、
前記第2欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として撮影される前記第1主面の画像に基づいて前記第1欠陥を検出し、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として測定される前記第2主面の前記検査領域内の変位に基づいて前記第2欠陥を検出する、請求項8に記載の半導体検査装置。
【請求項10】
前記第1欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記第2欠陥検出部は、観察部を含み、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として測定される前記第1主面内の変位に基づいて前記第1欠陥を検出し、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として撮影される前記第2主面の前記検査領域の画像に基づいて前記第2欠陥を検出する、請求項8に記載の半導体検査装置。
【請求項11】
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の位置および前記第2主面の位置が入れ替わるように、前記半導体ウエハを反転させる反転手段を含む、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項12】
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、3つ以上の把持部を含み、
前記3つ以上の把持部の各々は、前記半導体ウエハの前記第1主面および前記第2主面の両側から前記半導体ウエハを挟み込んで保持する、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項13】
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、前記半導体ウエハを鉛直方向に保持する、請求項1に記載の半導体検査装置。
【請求項14】
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出する工程と、
前記第1欠陥を検出する前記工程の後に、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する工程と、
前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域が検査されるように、前記第2欠陥を検出する前記工程を制御する工程と、を備える半導体ウエハの検査方法。
【請求項15】
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、請求項14に記載の半導体ウエハの検査方法。
【請求項16】
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する工程を、さらに備える請求項15に記載の半導体ウエハの検査方法。
【請求項17】
前記半導体ウエハは、鉛直方向に保持される、請求項14に記載の半導体ウエハの検査方法。
【請求項18】
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出する工程と、
前記第1欠陥を検出する前記工程の後に、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する工程と、
前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域が検査されるように、前記第2欠陥を検出する前記工程を制御する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する工程を、さらに備える請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体検査装置、半導体ウエハの検査方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SiCウエハには、マイクロパイプと呼ばれる貫通欠陥が形成されやすい。特許文献1に記載の検査装置は、SiCウエハの一主面の全面の画像を撮像し、その画像に対して画像処理を行って、SiCウエハ上の欠陥およびそのアドレスを検出する。そして、その検査装置は、同一のインゴットから隣接して切り出されて製造された2枚のSiCウエハの一主面の全面の、あるいは同一SiCウエハの一主面と他方主面の全面の、点状の低輝度画像のアドレスを照合して、マイクロパイプ欠陥の存在を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同一のインゴットから隣接して切り出されて製造された2枚のウエハの一主面の全面、あるいは同一ウエハの一主面と他方主面の全面、を検査してマイクロパイプ欠陥を検出する検査方法は、その欠陥の検出に時間を要する。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、マイクロパイプ欠陥の検出時間の短縮が可能な半導体検査装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る半導体検査装置は、欠陥検出部および制御部を含む。欠陥検出部は、第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、第1主面を検査して第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出し、第2主面を検査して第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する。制御部は、欠陥検出部による第2欠陥の検出に際し、半導体ウエハの第2主面の一部の領域である検査領域を検査するように、欠陥検出部を制御する。その検査領域は、第1欠陥の検出位置と半導体ウエハの厚みとオフ角とに基づいて決定される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、マイクロパイプ欠陥の検出時間を短縮する半導体検査装置が提供される。
【0008】
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における半導体検査装置の構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1におけるSiCウエハの検査方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態2における半導体検査装置の構成を示す図である。
【
図5】実施の形態3における半導体検査装置の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態4における半導体検査装置の構成を示す図である。
【
図7】実施の形態5における半導体検査装置の構成を示す図である。
【
図8】実施の形態6における半導体検査装置の保持部の構成を示す図である。
【
図9】実施の形態7におけるSiCウエハの保持状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における半導体検査装置101の構成を示す図である。半導体検査装置101は、保持部1、欠陥検出部2、記憶部3、制御部4および判定部5を含む。
【0011】
半導体検査装置101は、SiCウエハ6を検査してそのSiCウエハ6に含まれるマイクロパイプ欠陥を検出する。
図2は、SiCウエハ6の構成を示す断面図である。SiCウエハ6は、SiC結晶を含む。そのSiC結晶は、予め定められた方向にオフ角θで傾いている。SiCウエハ6は厚みTを有する。SiCウエハ6は、第1主面6Aおよび第2主面6Bを含む。第2主面6Bは、第1主面6Aの反対側の面である。例えば、第1主面6AはSiCウエハ6の表面であり、第2主面6BはそのSiCウエハ6の裏面である。
【0012】
保持部1は、検査対象のSiCウエハ6を保持する。保持部1は、SiCウエハ6の外周部を保持することが好ましい。
【0013】
欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査して、その第1主面6Aに含まれる結晶欠陥を検出する。以下、この第1主面6Aにおける結晶欠陥を第1欠陥7Aと言う。また、欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査して、その第2主面6Bに含まれる結晶欠陥を検出する。以下、この第2主面6Bにおける結晶欠陥を第2欠陥7Bと言う。
【0014】
実施の形態1における欠陥検出部2は、SiCウエハ6を光学的に観察する観察部2Aを含む。観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する際、第1主面6Aの画像を撮影する。観察部2Aは、その第1主面6Aの全面の画像を撮影してもよいし、第1主面6Aの予め定められた領域を撮影してもよい。観察部2Aは、その第1主面6Aの画像に対して画像処理を実行し、第1欠陥7Aを検出する。このように、観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aの検査として撮影される第1主面6Aの画像に基づいて、第1欠陥7Aを検出する。
【0015】
同様に、観察部2Aは、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する際、第2主面6Bの画像を撮影する。観察部2Aは、その第2主面6Bのうち後述する検査領域の画像を撮影する。観察部2Aは、その第2主面6Bの検査領域の画像に対して画像処理を実行し、第2欠陥7Bを検出する。このように、観察部2Aは、SiCウエハ6の第2主面6Bの検査として撮影される第2主面6Bの検査領域の画像に基づいて、第2欠陥7Bを検出する。
【0016】
また、実施の形態1における欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する位置と第2主面6Bを検査する位置との間を移動するための移動手段(図示せず)を含む。
【0017】
記憶部3は、観察部2Aによって検出された第1欠陥7Aの位置情報を記憶する。記憶部3は、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を予め記憶していてもよい。
【0018】
制御部4は、観察部2Aによる第2欠陥7Bの検出に際し、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて、SiCウエハ6の第2主面6Bにおける検査領域を決定する。その検査領域は、第2主面6Bの一部の領域に対応する。例えば、制御部4は、記憶部3に記憶された第1欠陥7Aの検出位置、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を読み出して、その検査領域を決定する。制御部4は、第2欠陥7Bの検出に際し、観察部2Aがその検査領域を検査するように、観察部2Aを制御する。
【0019】
検査領域は、平面視において、第1欠陥7Aの検出位置から予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた第2主面6B上の位置を含む。以下、この位置を第1欠陥対応位置と言う。予め定められた方向とは、オフ角θによってSiCの結晶が傾いている方向であって、第2主面6Bに平行な方向である。
【0020】
判定部5は、第2欠陥7Bの検出位置が第1欠陥対応位置と一致する場合に、第1欠陥7Aと第2欠陥7Bとは、SiCウエハ6の第1主面6Aと第2主面6Bとを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する。この場合、そのマイクロパイプ欠陥は、一対の第1欠陥7Aおよび第2欠陥7Bによって形成されている。
【0021】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ(図示せず)を含む。制御部4の上記の機能は、プロセッサがメモリ(図示せず)に格納されたプログラムを実行することによって実現される。判定部5の機能も、同様にプロセッサによるプログラムの実行によって実現される。
【0022】
図3は、実施の形態1におけるSiCウエハ6の検査方法を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS1において、SiC基板(図示せず)が製造される。例えば、n型SiC基板が製造される。このステップS1で、SiC基板を貫通するマイクロパイプ欠陥が形成される。
【0024】
ステップS2において、SiC基板の表面に、n型SiCエピ層(図示せず)が形成される。SiC基板を貫通するマイクロパイプ欠陥は、このエピタキシャル成長においても引き継がれる。n型SiCエピ層の不純物濃度は、n型SiC基板の不純物濃度よりも低い。このステップS2により、検査対象である厚みTのSiCウエハ6が製造される。
【0025】
ステップS3において、SiCウエハ6が保持部1に保持される。
【0026】
ステップS4において、欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する。ここでは、観察部2Aが、そのSiCウエハ6の第1主面6Aの画像を撮影する。
【0027】
ステップS5において、欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第1主面6Aの検査結果に基づいて第1欠陥7Aを検出する。ここでは、観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aの画像に対して画像処理を実行し、第1欠陥7Aを検出する。
【0028】
ステップS6において、記憶部3は、第1欠陥7Aの検出位置を記憶する。位置情報は、例えば、座標情報である。
【0029】
ステップS7において、制御部4は、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて、SiCウエハ6の第2主面6Bの一部の領域を検査領域に決定する。実施の形態1における検査領域は、第1欠陥対応位置を含む。第1欠陥対応位置は、平面視において、第1欠陥7Aの検出位置から予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた第2主面6B上の位置に対応する。制御部4は、観察部2Aが検査領域を検査するように、観察部2Aを制御する。
【0030】
ステップS8において、欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する。この際、欠陥検出部2である観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する位置から第2主面6Bを検査する位置へ移動手段によって移動する。移動後、観察部2Aは、SiCウエハ6の第2主面6Bにおける検査領域の画像を撮影する。
【0031】
ステップS9において、欠陥検出部2は、SiCウエハ6の第2主面6Bの検査結果に基づいて第2欠陥7Bを検出する。ここでは、観察部2Aが、SiCウエハ6の第2主面6Bの検査領域の画像に対して画像処理を実行し、第2欠陥7Bを検出する。
【0032】
ステップS10において、判定部5は、第2欠陥7Bの検出位置が第1欠陥対応位置と一致する場合に、第1欠陥7Aと第2欠陥7Bとは、SiCウエハ6の第1主面6Aと第2主面6Bとを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する。
【0033】
以上のステップS1からS10が、実施の形態1におけるSiCウエハ6の検査方法である。
【0034】
検査対象のSiCウエハ6は、半導体装置を製造するためのウエハである。この検査の後、SiCウエハ6に複数の半導体素子が形成されてもよい。半導体素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ショットキーバリアダイオード等である。または、半導体素子は、IGBTおよび還流ダイオードが1つのチップ内に形成されたRC-IGBT(Reverse-Conducting IGBT)であってもよい。SiCウエハ6に半導体素子が形成された後、SiCウエハ6はチップ化され、各々が半導体素子を含む複数の半導体装置が製造される。以上が、半導体装置の製造方法である。
【0035】
まとめると、実施の形態1における半導体検査装置101は、欠陥検出部2および制御部4を含む。欠陥検出部2は、第1主面6Aと第2主面6Bとを有しかつ予め定められた方向にオフ角θで傾いたSiC結晶を含むSiCウエハ6に対して、第1主面6Aを検査して第1主面6Aに含まれる結晶欠陥である第1欠陥7Aを検出し、第2主面6Bを検査して第2主面6Bに含まれる結晶欠陥である第2欠陥7Bを検出する。制御部4は、欠陥検出部2による第2欠陥7Bの検出に際し、SiCウエハ6の第2主面6Bの一部の領域である検査領域を検査するように、欠陥検出部2を制御する。その検査領域は、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて決定される。
【0036】
SiCウエハ6は、結晶欠陥の制御のため、オフ角θを有するように製造される。そのオフ角θは、例えば、4°である。SiC結晶に発生するマイクロパイプ欠陥は、結晶方位の0001方向に延伸する。言い換えると、SiCウエハ6を貫通するマイクロパイプ欠陥は、SiCウエハ6の表面に対してオフ角θで傾く。そのため、マイクロパイプに起因する第1主面6A上の第1欠陥7Aの位置と第2主面6B上の第2欠陥7Bの位置とは、平面視において厚みTおよびオフ角θに対応する距離だけずれる。
【0037】
したがって、半導体検査装置101がマイクロパイプ欠陥を検出する場合には、第2主面6Bの一部の領域を検査すればよい。言い換えると、半導体検査装置101は、第1主面6Aを検査した後、第2主面6Bの全面を検査しない。半導体検査装置101は、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて決定される検査領域を限定的に検査する。そのため、マイクロパイプ欠陥の検出時間が短縮される。また、同一のインゴットから製造された2枚のSiCウエハを準備する必要がなく、1枚のSiCウエハ6を検査するだけで、マイクロパイプ欠陥の検出が可能である。
【0038】
また、実施の形態1の欠陥検出部2は、SiCウエハ6を光学的に観察する観察部2Aを含む。その観察部2Aは、画像に現れる形状等で欠陥か否かを判別する。そのため、観察部2AがSiCウエハ6の表面モホロジーによる陰影等をマイクロパイプ欠陥に起因する貫通穴と誤判定することがない。検査精度が高く、マイクロパイプ欠陥が効率的に検出される。
【0039】
SiCウエハ6を貫通するマイクロパイプ欠陥は、半導体装置の製造工程において、様々なトラブルを発生させる。例えば、製造装置とSiCウエハ6とのチャッキング不良、SiCウエハ6の表面からマイクロパイプ欠陥を介したプロセス材料の染み込みによる裏面の汚染などが発生する。予めマイクロパイプ欠陥の位置が明らかであれば、様々な対策を講じることが可能である。例えば、マイクロパイプ欠陥の位置あるいは個数に応じて、SiCウエハ6を不良品として排除してもよい。または例えば、マイクロパイプ欠陥が存在する位置に形成された半導体装置を不良品として排除することが可能である。
【0040】
(実施の形態1の変形例)
制御部4は、第1欠陥対応位置だけが検査領域に含まれるように、その検査領域を決定してもよい。この場合、観察部2Aは、第1欠陥対応位置とその周辺を包含する検査領域を検査する。より一層、マイクロパイプ欠陥の検出時間が短縮される。
【0041】
<実施の形態2>
実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0042】
図4は、実施の形態2における半導体検査装置102の構成を示す図である。半導体検査装置102の欠陥検出部2は、第1欠陥検出部21および第2欠陥検出部22を含む。第1欠陥検出部21は、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する。第2欠陥検出部22は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する。実施の形態2における第1欠陥検出部21および第2欠陥検出部22の各々は、SiCウエハ6を光学的に観察する観察部2Aを含む。
【0043】
このような構成によれば、欠陥検出部2が、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する位置と第2主面6Bを検査する位置との間を移動するための移動手段を備える必要がない。また、半導体検査装置102は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査するためにSiCウエハ6を反転させる反転手段を備える必要がない。移動手段および反転手段などの駆動機構が設けられないことから、半導体検査装置102のコストは低下する。また、検査工程における、検査対象面の反転に要する時間が削減される。
【0044】
<実施の形態3>
実施の形態3において、実施の形態1または2と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0045】
図5は、実施の形態3における半導体検査装置103の構成を示す図である。半導体検査装置103の欠陥検出部2は、変位測定部2Bを含む。変位測定部2Bは、接触または非接触の手段によってSiCウエハ6の第1主面6Aおよび第2主面6Bにおける変位を検査する。接触式の手段は、例えば、段差測定器である。非接触の手段は、例えば、レーザー変位計である。
【0046】
変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する際、その第1主面6Aの変位を測定する。変位測定部2Bは、その第1主面6Aの全面の変位を測定してもよいし、第1主面6Aの予め定められた領域の変位を測定してもよい。変位測定部2Bは、その第1主面6Aの変位に基づいて、凹部(窪み部)を検出する。この凹部は、第1欠陥7Aに対応する。このように、変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第1主面6Aの検査として測定される第1主面6A内の変位に基づいて第1欠陥7Aを検出する。
【0047】
同様に、変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する際、その第2主面6Bの変位を測定する。変位測定部2Bは、その第2主面6Bのうち検査領域の変位を測定する。変位測定部2Bは、その第2主面6Bの検査領域の変位に基づいて、凹部を検出する。この凹部は、第2欠陥7Bに対応する。このように、変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第2主面6Bの検査として測定される第2主面6Bの検査領域内の変位に基づいて第2欠陥7Bを検出する。
【0048】
また、実施の形態2における変位測定部2Bは、実施の形態1と同様に、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する位置と第2主面6Bを検査する位置との間を移動するための移動手段(図示せず)を含む。
【0049】
記憶部3は、変位測定部2Bによって検出された第1主面6Aの凹部の位置、つまり第1欠陥7Aの位置情報を記憶する。記憶部3は、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を予め記憶していてもよい。
【0050】
制御部4は、変位測定部2Bによる第2欠陥7Bの検出に際し、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて、SiCウエハ6の第2主面6Bにおける検査領域を決定する。その検査領域は、第2主面6Bの一部の領域に対応する。例えば、制御部4は、記憶部3に記憶された第1欠陥7Aの検出位置、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を読み出して、その検査領域を決定する。制御部4は、第2欠陥7Bの検出に際し、変位測定部2Bがその検査領域を検査するように、変位測定部2Bを制御する。
【0051】
検査領域は、平面視において、第1欠陥7Aの検出位置から予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた第2主面6B上の第1欠陥対応位置を含む。
【0052】
判定部5は、第2欠陥7Bの検出位置が第1欠陥対応位置と一致する場合に、第1欠陥7Aと第2欠陥7Bとは、SiCウエハ6の第1主面6Aと第2主面6Bとを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する。
【0053】
このような半導体検査装置103の変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第1主面6Aおよび第2主面6Bの凹凸の程度を数値で検出する。判定部5は、その数値を用いて直接的に結晶欠陥の判定を実行する。そのため、欠陥判定処理が簡便であり、半導体検査装置103の構成が比較的単純であり、そのコストも安価である。
【0054】
<実施の形態4>
実施の形態4において、実施の形態1から3のいずれかと同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0055】
図6は、実施の形態4における半導体検査装置104の構成を示す図である。半導体検査装置104の欠陥検出部2は、第1欠陥検出部21および第2欠陥検出部22を含む。第1欠陥検出部21は、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する。第2欠陥検出部22は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する。実施の形態4における第1欠陥検出部21および第2欠陥検出部22の各々は、実施の形態3と同様の変位測定部2Bを含む。
【0056】
このような構成によれば、欠陥検出部2が、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する位置と第2主面6Bを検査する位置との間を移動するための移動手段を備える必要がない。また、半導体検査装置104は、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査するためにSiCウエハ6を反転させる反転手段を備える必要がない。移動手段および反転手段などの駆動機構が設けられないことから、半導体検査装置104のコストは低減する。また、検査工程における、検査対象面の反転に要する時間が削減される。
【0057】
<実施の形態5>
実施の形態5において、実施の形態1から4のいずれかと同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0058】
図7は、実施の形態5における半導体検査装置105の構成を示す図である。半導体検査装置105の欠陥検出部2は、第1欠陥検出部21および第2欠陥検出部22を含む。第1欠陥検出部21は、実施の形態2と同様の観察部2Aを含み、第2欠陥検出部22は、実施の形態4と同様の変位測定部2Bを含む。
【0059】
観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aを検査する際、その第1主面6Aの画像を撮影する。観察部2Aは、その第1主面6Aの画像に対して画像処理を実行し、第1欠陥7Aを検出する。このように、観察部2Aは、SiCウエハ6の第1主面6Aの検査として撮影される第1主面6Aの画像に基づいて、第1欠陥7Aを検出する。
【0060】
変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第2主面6Bを検査する際、その第2主面6Bの変位を測定する。変位測定部2Bは、その第2主面6Bのうち検査領域の変位を測定する。変位測定部2Bは、その第2主面6Bの検査領域の変位に基づいて、凹部を検出する。この凹部は、第2欠陥7Bに対応する。このように、変位測定部2Bは、SiCウエハ6の第2主面6Bの検査として測定される第2主面6Bの検査領域内の変位に基づいて第2欠陥7Bを検出する。
【0061】
記憶部3は、観察部2Aによって検出された第1欠陥7Aの位置の情報を記憶する。記憶部3は、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を予め記憶していてもよい。
【0062】
制御部4は、変位測定部2Bによる第2欠陥7Bの検出に際し、第1欠陥7Aの検出位置とSiCウエハ6の厚みTとオフ角θとに基づいて、SiCウエハ6の第2主面6Bの一部の領域を検査領域に決定する。例えば、制御部4は、記憶部3に記憶された第1欠陥7Aの検出位置、SiCウエハ6の厚みTおよびオフ角θの情報を読み出して、その検査領域を決定する。制御部4は、第2欠陥7Bの検出に際し、変位測定部2Bがその検査領域を検査するように、変位測定部2Bを制御する。
【0063】
検査領域は、平面視において、第1欠陥7Aの検出位置から予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた第2主面6B上の第1欠陥対応位置を含む。
【0064】
判定部5は、第2欠陥7Bの検出位置が第1欠陥対応位置と一致する場合に、第1欠陥7Aと第2欠陥7Bとは、SiCウエハ6の第1主面6Aと第2主面6Bとを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する。
【0065】
図示は省略するが、観察部2Aと変位測定部2Bとが入れ替わってもよい。つまり、第1欠陥検出部21が、実施の形態4と同様の変位測定部2Bを含み、第2欠陥検出部22が、実施の形態2と同様の観察部2Aを含んでもよい。
【0066】
観察部2Aと変位測定部2Bとは、デメリットをメリットで互いに補完する。第1主面6Aの欠陥の発生傾向および第2主面6Bの欠陥の発生傾向に応じて、観察部2Aおよび変位測定部2Bのいずれかが選択的に設けられる。
【0067】
<実施の形態6>
実施の形態6において、実施の形態1から5のいずれかと同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0068】
図8は、実施の形態6における半導体検査装置の保持部1の構成を示す図である。保持部1は、SiCウエハ6の外周部を保持する。保持部1は、3つの把持部1Aを含む。3つの把持部1Aの各々は、SiCウエハ6の第1主面6Aおよび第2主面6Bの両側からSiCウエハ6を挟み込んで保持する。把持部1Aの個数は、3つに限定されるものではなく、4つ以上であってもよい。
【0069】
また保持部1は、SiCウエハ6の第1主面6Aの位置および第2主面6Bの位置が入れ替わるように、SiCウエハ6を反転させる反転手段(図示せず)を含む。反転手段が設けられることにより、例えば、1つの欠陥検出部2だけで、SiCウエハ6の第1主面6Aおよび第2主面6Bの両面の検査が可能である。
【0070】
このような構成により、SiCウエハ6のハンドリング時間が短縮される。また、異物の発生およびその異物のSiCウエハ6への付着が防止される。
【0071】
<実施の形態7>
実施の形態7において、実施の形態1から6のいずれかと同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0072】
図9は、実施の形態7におけるSiCウエハ6の保持状態を示す図である。欠陥検出部2がSiCウエハ6を検査する際、保持部1は半導体ウエハを鉛直方向に保持する。このような構成により、SiCウエハ6の上方から第1主面6Aまたは第2主面6Bへの異物の付着が防止される。
【0073】
本開示は、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0074】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0075】
(付記1)
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出し、前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部による前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域を検査するように、前記欠陥検出部を制御する制御部と、を備える半導体検査装置。
【0076】
(付記2)
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、付記1に記載の半導体検査装置。
【0077】
(付記3)
前記検査領域は、前記半導体ウエハの前記第2主面上の前記第1欠陥対応位置だけを含む、付記2に記載の半導体検査装置。
【0078】
(付記4)
前記欠陥検出部によって検出された前記第1欠陥の前記検出位置を記憶する記憶部、をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記第1欠陥の前記検出位置に基づいて、前記検査領域を決定する、付記1から付記3のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0079】
(付記5)
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する判定部を、さらに備える付記2から付記4のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0080】
(付記6)
前記欠陥検出部は、観察部を含み、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として撮影される前記第1主面の画像に基づいて前記第1欠陥を検出する、または、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として撮影される前記第2主面の前記検査領域の画像に基づいて前記第2欠陥を検出する、付記1から付記5のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0081】
(付記7)
前記欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として測定される前記第1主面内の変位に基づいて前記第1欠陥を検出する、または、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として測定される前記第2主面の前記検査領域内の変位に基づいて前記第2欠陥を検出する、付記1から付記5のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0082】
(付記8)
前記欠陥検出部は、前記半導体ウエハの前記第1主面を検査する第1欠陥検出部と、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査する第2欠陥検出部と、を含む、付記1から付記7のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0083】
(付記9)
前記第1欠陥検出部は、観察部を含み、
前記第2欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として撮影される前記第1主面の画像に基づいて前記第1欠陥を検出し、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として測定される前記第2主面の前記検査領域内の変位に基づいて前記第2欠陥を検出する、付記8に記載の半導体検査装置。
【0084】
(付記10)
前記第1欠陥検出部は、変位測定部を含み、
前記第2欠陥検出部は、観察部を含み、
前記変位測定部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の検査として測定される前記第1主面内の変位に基づいて前記第1欠陥を検出し、
前記観察部は、前記半導体ウエハの前記第2主面の検査として撮影される前記第2主面の前記検査領域の画像に基づいて前記第2欠陥を検出する、付記8に記載の半導体検査装置。
【0085】
(付記11)
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、前記半導体ウエハの前記第1主面の位置および前記第2主面の位置が入れ替わるように、前記半導体ウエハを反転させる反転手段を含む、付記1から付記10のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0086】
(付記12)
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、3つ以上の把持部を含み、
前記3つ以上の把持部の各々は、前記半導体ウエハの前記第1主面および前記第2主面の両側から前記半導体ウエハを挟み込んで保持する、付記1から付記10のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0087】
(付記13)
前記半導体ウエハの外周部を保持する保持部を、さらに備え、
前記保持部は、前記半導体ウエハを鉛直方向に保持する、付記1から付記10のいずれか1項に記載の半導体検査装置。
【0088】
(付記14)
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出する工程と、
前記第1欠陥を検出する前記工程の後に、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する工程と、
前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域が検査されるように、前記第2欠陥を検出する前記工程を制御する工程と、を備える半導体ウエハの検査方法。
【0089】
(付記15)
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、付記14に記載の半導体ウエハの検査方法。
【0090】
(付記16)
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する工程を、さらに備える付記15に記載の半導体ウエハの検査方法。
【0091】
(付記17)
前記半導体ウエハは、鉛直方向に保持される、付記14から付記16のいずれか1項に記載の半導体ウエハの検査方法。
【0092】
(付記18)
第1主面と第2主面とを有しかつ予め定められた方向にオフ角で傾いたSiC結晶を含む半導体ウエハに対して、前記第1主面を検査して前記第1主面に含まれる結晶欠陥である第1欠陥を検出する工程と、
前記第1欠陥を検出する前記工程の後に、前記半導体ウエハの前記第2主面を検査して前記第2主面に含まれる結晶欠陥である第2欠陥を検出する工程と、
前記第2欠陥の検出に際し、前記第1欠陥の検出位置と前記半導体ウエハの厚みと前記オフ角とに基づいて決定される検査領域であって前記半導体ウエハの前記第2主面の一部の領域である前記検査領域が検査されるように、前記第2欠陥を検出する前記工程を制御する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
【0093】
(付記19)
前記半導体ウエハの厚みおよび前記オフ角をそれぞれTおよびθとした場合に、前記検査領域は、平面視において、前記第1欠陥の前記検出位置から前記予め定められた方向にT×tanθの距離だけ離れた前記半導体ウエハの前記第2主面上の位置である第1欠陥対応位置を含む、付記18に記載の半導体装置の製造方法。
【0094】
(付記20)
前記第2欠陥の検出位置が前記第1欠陥対応位置と一致する場合に、前記第1欠陥と前記第2欠陥とは、前記半導体ウエハの前記第1主面と前記第2主面とを貫通するマイクロパイプ欠陥であると判定する工程を、さらに備える付記19に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0095】
1 保持部、1A 把持部、2 欠陥検出部、2A 観察部、2B 変位測定部、3 記憶部、4 制御部、5 判定部、6 SiCウエハ、6A 第1主面、6B 第2主面、7A 第1欠陥、7B 第2欠陥、21 第1欠陥検出部、22 第2欠陥検出部、101~105 半導体検査装置、T 厚み、θ オフ角。