IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-飲料供給装置および方法 図1
  • 特開-飲料供給装置および方法 図2
  • 特開-飲料供給装置および方法 図3
  • 特開-飲料供給装置および方法 図4
  • 特開-飲料供給装置および方法 図5
  • 特開-飲料供給装置および方法 図6
  • 特開-飲料供給装置および方法 図7
  • 特開-飲料供給装置および方法 図8
  • 特開-飲料供給装置および方法 図9
  • 特開-飲料供給装置および方法 図10
  • 特開-飲料供給装置および方法 図11
  • 特開-飲料供給装置および方法 図12
  • 特開-飲料供給装置および方法 図13
  • 特開-飲料供給装置および方法 図14
  • 特開-飲料供給装置および方法 図15
  • 特開-飲料供給装置および方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154132
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】飲料供給装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20241023BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20241023BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B67D3/00 Z
C02F1/461 Z
A47J31/46 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067784
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 史拓
(72)【発明者】
【氏名】福島 直人
(72)【発明者】
【氏名】牧野 道彦
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕喜
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
4D061
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD00
3E082FF01
3E082FF09
4B104AA30
4B104BA15
4B104BA17
4B104BA21
4B104EA25
4D061DA03
4D061DB09
4D061EB02
4D061EB04
4D061EB16
4D061EB37
4D061EB38
4D061EB39
4D061FA13
4D061GA04
4D061GB01
4D061GB18
4D061GC02
4D061GC12
4D061GC14
4D061GC15
4D061GC19
(57)【要約】
【課題】待機時間を抑制できる飲料供給装置を提供する。
【解決手段】本開示の飲料供給装置は、シスターンと、シスターンと別に設けられ、電解水を生成する電解槽と、電解槽により生成された電解水を貯留するリザーバタンクと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シスターンと、
前記シスターンと別に設けられ、電解水を生成する電解槽と、
前記電解槽により生成された電解水を貯留するリザーバタンクと、
を備える飲料供給装置。
【請求項2】
前記リザーバタンクは、前記電解槽により生成された電解水、または前記電解槽により生成された電解水が希釈された電解水を貯留する、
請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記電解水を希釈する希釈水は、前記電解槽を介して前記リザーバタンクに供給される請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記電解水を希釈する希釈水は、前記シスターンを介して前記リザーバタンクに供給される請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記シスターンには、前記リザーバタンクにより貯留されている前記電解水、または前記電解水が希釈された電解水が供給される、
請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項6】
飲料を製造する飲料製造ユニットと、
前記リザーバタンクと前記飲料製造ユニットとを接続する第1経路と、をさらに備え、
前記飲料製造ユニットには、前記第1経路を介して、前記リザーバタンク内に貯留されている前記電解水、または前記電解水が希釈された電解水が供給される、
請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項7】
前記リザーバタンクと前記シスターンとを接続する第2経路をさらに備え、
前記シスターンには、前記第2経路を介して、前記リザーバタンク内に貯留されている前記電解水、または前記電解水が希釈された電解水が供給される、
請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項8】
前記シスターンは、前記シスターンの外部と連通している開口を有し、
前記電解槽は、前記シスターンの下流に設けられている、
請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項9】
前記電解槽は、前記電解槽の所定水位まで水が供給された後、前記所定水位の水を電気分解する、請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項10】
前記電解槽により生成された電解水を前記リザーバタンクに移送する制御を行う制御部をさらに備える請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記電解槽により生成された電解水の全量を前記リザーバタンクに移送する制御を行う請求項10に記載の飲料供給装置。
【請求項12】
前記電解槽は、該電解槽の内部を流動する水道水または電解水を電気分解することにより前記電解水を生成する請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項13】
シスターンと別に設けられた電解槽が電解水を生成するステップと、
リザーバタンクが前記電解槽により生成された電解水を貯留するステップと、
を含み、
前記電解槽は、前記電解槽の所定水位まで水を供給された後、前記所定水位の水を電気分解して前記電解水を生成する方法。
【請求項14】
シスターンと別に設けられた電解槽が電解水を生成するステップと、
前記電解槽により生成された電解水を前記リザーバタンクに移送するステップと、
リザーバタンクが前記電解槽により生成された電解水を貯留するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記電解水を前記リザーバタンクに移送するステップでは、前記電解槽により生成された電解水の全量を前記リザーバタンクに移送する請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲料供給装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料を生成してノズルなどから提供する飲料供給装置が普及している。このような飲料供給装置には、水道水を一時的に貯めておくシスターンと呼ばれる貯水タンクが搭載されている。
【0003】
特許文献1には、水道水を貯留するシスターンに電極を備え、電極への通電により発生した塩素によって、シスターンに供給された水道水の除菌を行ったり、下流側の管路の除菌を行ったりする飲料供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-259169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された飲料供給装置では、電極に通電中の場合、または、飲料の製造に用いられる飲料用液とは異なる塩素濃度の電解水がシスターン内に貯留されている場合、飲料用液をシスターンから供給できるようになるまで、待機時間が発生し、シスターンから供給される飲料用液によって飲料を製造、販売することが難しいという課題があった。
【0006】
本開示は、待機時間を抑制できる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る飲料供給装置は、シスターンと、シスターンと別に設けられ、電解水を生成する電解槽と、電解槽により生成された電解水を貯留するリザーバタンクと、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る方法は、シスターンと別に設けられた電解槽が電解水を生成するステップと、リザーバタンクが電解槽により生成された電解水を貯留するステップと、を含み、電解槽は、電解槽の所定水位まで水を供給された後、所定水位の水を電気分解して電解水を生成する。
【0009】
また、本開示の一態様に係る方法は、シスターンと別に設けられた電解槽が電解水を生成するステップと、電解槽により生成された電解水をリザーバタンクに移送するステップと、リザーバタンクが電解槽により生成された電解水を貯留するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の飲料供給装置によれば、待機時間を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る飲料供給装置の構成の一例を示す図
図2】実施の形態1に係る飲料供給装置の制御ブロックの一例を示す図
図3】電解槽からリザーバタンクへの電解水の移送動作の一例を示すフローチャート
図4】水道およびリザーバタンクからのシスターンへの水道水および電解水の供給動作の一例を示すフローチャート
図5図3のステップS105に示した電解水生成処理の詳細を示すフローチャート
図6図3のステップS106に示したリザーバタンクへの電解水の移送処理の詳細を示すフローチャート
図7図3のステップS108に示したリザーバタンクへの希釈水の移送処理の詳細を示すフローチャート
図8図4のステップS202に示したシスターンへの給水動作の詳細を示すフローチャート
図9図4のステップS203に示したシスターンへの電解水の移送処理の詳細を示すフローチャート
図10】電解水と希釈水の混合方法について説明する図
図11】実施の形態2に係る飲料供給装置の構成の一例を示す図
図12】実施の形態2に係る飲料供給装置の制御ブロックの一例を示す図
図13】電解槽からリザーバタンクへの電解水の移送動作の一例を示すフローチャート
図14図13のステップS805に示したリザーバタンクへの電解水の供給処理の詳細を示すフローチャート
図15図13のステップS807に示したリザーバタンクへの希釈水の供給処理の詳細を示すフローチャート
図16】リザーバタンクからシスターンへの電解水の移送処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態に係る飲料供給装置について説明する。この飲料供給装置は、水道に接続され、水道水から電解水を生成し、その電解水を、たとえば飲料の製造に用いられる飲料用液、配管等の洗浄に用いられる洗浄用液、配管等の殺菌に用いられる殺菌用液として供給する装置である。
【0013】
以下では、電解水が次亜塩素酸水である場合を例にあげて説明する。
【0014】
塩素濃度は、飲料用液、洗浄用液、殺菌用液の順に高くなる。飲料用液の塩素濃度は、例えば、水道水中の塩素濃度と同程度の濃度である0.5ppmである。洗浄用液の塩素濃度は、例えば、5ppmである。殺菌用液の塩素濃度は、例えば、30ppmである。
【0015】
ただし、飲料用液、洗浄用液、殺菌用液の塩素濃度は、これらの値に限定されるものではない。また、洗浄用液の塩素濃度は、殺菌用液の塩素濃度よりも高くてもよいし、同じでもよい。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る飲料供給装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、飲料供給装置1は、給水接続部10、フィルタ11、第1電磁弁12、シスターン13、第2電磁弁14、電解槽15、第3電磁弁16、リザーバタンク17、チューブポンプ18、および、制御部23を備える。
【0017】
給水接続部10は水道配管に接続され、フィルタ11に対して水道水を供給する給水部である。フィルタ11は、給水接続部10から供給された水道水に含まれる不純物や塩素をろ過して除去するろ過フィルタである。
【0018】
第1電磁弁12は、フィルタ11を通過した水道水のシスターン13への供給を制御する電磁弁である。
【0019】
シスターン13は、飲料用液を貯留するタンクである。シスターン13に貯留される飲料用液は、飲料水、コーヒーの抽出、ジュースなどの飲料の製造などに利用される。シスターン13には、電解槽15により生成された電解水を原液状態で貯留してもよいし、電解槽15により生成された電解水を給水接続部10を介して供給された希釈水で希釈した電解水を貯留してもよい。
【0020】
シスターン13は、水位を計測するフロート13aとシスターン13の外部に連通する開口を備える。開口の存在によりシスターン13の内部を大気圧とすることができる。また、シスターン13の下流側には飲料製造ユニット(図示せず)があり、シスターン13内に貯留された飲料用液は飲料製造ユニットに供給される。
【0021】
第2電磁弁14は、フィルタ11を通過した水道水の電解槽15への供給を制御する電磁弁である。
【0022】
電解槽15は、内部に貯留した水道水を電気分解して電解水を生成する装置である。電解槽15は、水位を計測するフロート15aと、水道水を電気分解する電極15bを備える。たとえば、電解槽15は、電極15bに電流を流す時間を変更することにより、所望の塩素濃度の電解水を生成する。
【0023】
本実施の形態では、通電時間の間、電流値は制御部23によりほぼ一定に制御されている。従って、通電時間を変更することにより、所望の塩素濃度の電解水を生成できる。なお、制御部23は、電流値をほぼ一定にせず、途中で変更してもよい。また、制御部23は、電流値を一定にする制御の代わりに電圧値を一定にする制御を行ってもよい。
【0024】
第3電磁弁16は、電解槽15で生成された電解水のリザーバタンク17への供給を制御する電磁弁である。ここで、電解槽15は、リザーバタンク17よりも高い位置に配置されているものとする。
【0025】
電解槽15がリザーバタンク17よりも高い位置に配置されていない場合、第3電磁弁16は、チューブポンプなどのポンプで置き換えられてもよい。
【0026】
リザーバタンク17は、電解槽15により生成された電解水を貯留する貯留槽である。リザーバタンク17には、電解槽15により生成された電解水を原液状態で貯留してもよいし、電解槽15により生成された電解水を給水接続部10を介して供給された希釈水で希釈した電解水を貯留してもよい。リザーバタンク17に貯留された電解水は、チューブポンプ18を介してシスターン13に供給される。
【0027】
リザーバタンク17には、洗浄用液または殺菌用液としてそのまま利用可能な塩素濃度が高い電解水が貯留され、その電解水が洗浄および殺菌を行う配管等に移送される。
【0028】
また、リザーバタンク17に貯留される電解水は、シスターン13にも移送され、シスターン13において水道水により希釈されることにより、飲料用に用いられる塩素濃度の低い飲料用液が生成される。このように電解水を水道水で希釈して飲料用液を生成する理由は、フィルタ11により次亜塩素酸の一部が除去されてしまうためである。
【0029】
なお、リザーバタンク17に飲料用液を貯留しておき、必要量をシスターン13に移送することとしてもよい。この方法は、飲料供給装置1が洗浄用液および殺菌溶液を生成しない場合に有効である。
【0030】
また、リザーバタンク17とシスターン13とは、どちらが高い位置に配置されてもよいが、リザーバタンク17がシスターン13よりも高い位置に配置され、リザーバタンク17の下部とシスターン13とが配管で接続され、その配管をリザーバタンク17に貯留されている電解水または希釈された電解水が流下可能に構成されている場合、チューブポンプ18は、電磁弁で置き換えられてもよい。ただし、リザーバタンク17から電解水をシスターン13に所定量移送する場合、チューブポンプ18を用いた方がより正確な量を移送できるので望ましい。
【0031】
なお、シスターン内で電気分解を行う従来の飲料供給装置では、電極に通電中の場合、または、飲料の製造に用いられる飲料用液とは異なる塩素濃度の電解水がシスターン内に貯留されている場合、シスターンから供給される水によって飲料を製造、販売することが難しい。その結果、飲料用液をシスターンから供給できるようになるまで、待機時間が発生するという課題がある。
【0032】
また、洗浄あるいは除菌などの目的で電解水の塩素濃度を高くしようとした場合、電極への通電時間を延ばしてシスターン内で電気分解を行う必要があり、その間シスターン内には飲料用液が貯留されない状態となるため飲料の販売ができないという課題がある。その結果、飲料の販売業者にとっては機会損失が発生し、顧客にとっては満足度の低下につながる。
【0033】
この場合、必要な電解水の量が増えるほど、また、必要とする塩素濃度が高ければ高いほど、電解水が生成されるまでの時間が長くなる。
【0034】
この時間を短縮するため、電源の出力電圧または出力電流を大きくする方法が考えられるが、高出力の電源が必要となる上、電極の寿命を短くする懸念があるため、コストを重視する顧客に対しては必ずしも得策とは言えない。
【0035】
このようなことから、本実施の形態に係る飲料供給装置1では、リザーバタンク17を設け、シスターン13とは別に設けられた電解槽15で生成された電解水を貯留しておき、必要な時に電解水を必要箇所、例えばシスターン13または図1に記載の洗浄箇所に供給することとしている。なお、洗浄箇所とは、例えば、飲料を製造するための飲料製造ユニットや、飲料製造ユニットの一部である経路、ミルクフォームを製造するための経路などであってもよい。
【0036】
電解水は、一定時間安定して存在できるため、リザーバタンク17に貯留しておくことが可能である。これにより、塩素濃度の高い電解水が一定量必要な場合に、待機時間なく供給することができる。
【0037】
さらに、電解槽15で生成した電解水をすぐにリザーバタンク17に移すことで、電解水中に電極15bを長時間浸漬することによる電解水の塩素濃度の低下を回避できる。
【0038】
また、シスターン13とは別に、電解槽15及びリザーバタンク17を設けることによって、待機時間を生じさせずに電解処理を行う時間を長く確保できるので、大電流を流すことなく小電流で電解水を生成することが可能となる。その結果、大電流に対応する電源およびハーネスを使用する必要がなく、また、電極の負担も小さくなることから電極の寿命を延ばすこともできる。
【0039】
図1の説明に戻ると、チューブポンプ18は、リザーバタンク17に貯留された電解水を吸引して、シスターン13に供給するチューブポンプである。なお、ここではチューブポンプを用いることとしたが、電解水をシスターン13に供給できるものであれば、他の種類のポンプであってもよい。
【0040】
制御部23は、飲料供給装置1の各部を制御するプロセッサ、および、プロセッサが使用するメモリなどを備える制御装置である。
【0041】
図2は、実施の形態1に係る飲料供給装置の制御ブロックの一例を示す図である。図2に示すように、制御部23には、図1を用いて説明した第1電磁弁12、フロート13aを備えるシスターン13、第2電磁弁14、フロート15aおよび電極15bを備える電解槽15、第3電磁弁16、およびチューブポンプ18が接続され、これらは制御部23により制御される。
【0042】
さらに、制御部23には、記憶部19、操作表示部20、通信部21、その他の本体機構22が接続され、制御部23により制御される。
【0043】
記憶部19は、制御部23が飲料供給装置1の制御を行う際に必要とするデータやプログラムを記憶する記憶装置である。操作表示部20は、ユーザから操作を受け付けるとともに、情報の表示を行うタッチパネルなどの表示装置である。通信部21は、外部装置と通信を行う通信装置である。その他の本体機構22とは、例えば、図1に示した飲料製造ユニット、ミルクフォームを製造するためのユニット、排水を行うためのユニットなどの本体機構である。
【0044】
つぎに、飲料供給装置1が行う飲料供給処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0045】
まず、電解槽15からリザーバタンク17への電解水の移送動作と、水道およびリザーバタンク17からシスターン13への給水動作の全体について説明する。
【0046】
図3は、電解槽15からリザーバタンク17への電解水の移送動作の一例を示すフローチャートである。図4は、水道およびリザーバタンク17からシスターン13への給水動作の一例を示すフローチャートである。
【0047】
図3に示すように、制御部23は、リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更するか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部23は、現在リザーバタンク17に貯留されている電解水の塩素濃度と異なる塩素濃度の電解水の生成要求をユーザから受け付けたか否かを判定する。
【0048】
たとえば、電解水の塩素濃度は、飲料用液か、配管等の洗浄用液か、配管等の殺菌用液かによって異なるが、制御部23は、電解水の用途の変更指示をユーザから受け付けた場合に、電解水の塩素濃度を変更すると判定し、電解水の用途の変更指示をユーザから受け付けていない場合に、電解水の塩素濃度を変更しないと判定する。
【0049】
なお、制御部23は、時刻の情報を内蔵時計などから取得し、時刻によって電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。例えば、制御部23は、任意に設定された時間(例えば深夜2時)になったら、殺菌溶液を生成するため、電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。また、制御部23は、操作表示部20が、それまで生成していた電解水の塩素濃度と異なる濃度の入力をユーザから受け付けた場合に、電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。
【0050】
リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更しない場合(ステップS101,NO)、後述するステップS104の処理に移行する。
【0051】
また、リザーバタンク17内に電解水が貯留されていなかった場合も、電解水の塩素濃度を変更しない場合に相当するものとして、ステップS104の処理に移行してもよい。飲料供給装置1が初期化された場合は、生成される電解水の塩素濃度が一旦デフォルト値に設定され、ユーザからの塩素濃度の指定を受け付けることとしてもよい。そして、その指定された塩素濃度の値に基づき、ステップS101の処理のように、制御部23により、リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更するか否かが判定されればよい。
【0052】
リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更する場合(ステップS101,YES)、制御部23は、リザーバタンク17に設けられている排出弁(図示せず)を開いて、リザーバタンク17に貯留されている電解水の排出を開始する(ステップS102)。
【0053】
そして、制御部23は、リザーバタンク17から電解水を、リザーバタンク17が空になるまで全量排出したか否かを判定する(ステップS103)。例えば、制御部23は、希釈水を指定時間あるいは指定量排出したか否かを判定することにより、電解水を全量排出したか否かを判定する。この場合、指定時間は、リザーバタンク17が空になる時間であり、指定量は、リザーバタンク17が空になる量である。
【0054】
なお、制御部23は、リザーバタンク17に設けられた水位センサ(図示せず)から水位の計測結果の情報を取得し、電解水をリザーバタンク17から全量排出したか否かを判定してもよい。
【0055】
電解水が全量排出されていない場合(ステップS103,NO)、ステップS102の処理に戻り、リザーバタンク17に貯留されている電解水の排出が継続される。
【0056】
電解水が全量排出された場合(ステップS103,YES)、または、リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更しない場合(ステップS101,NO)、制御部23は、リザーバタンク17に設けられた水位センサ(図示せず)からの給水信号を受信したか否かを判定する(ステップS104)。給水信号は、リザーバタンク17の水位が第1の水位まで下がったときに発せられる。
【0057】
なお、制御部23は、リザーバタンク17に貯留した電解水の量から電解水の使用量を減算した結果に基づいて、リザーバタンク17の水位が第1の水位まで下がったか否かを判定してもよい。
【0058】
また、一旦水位センサから発せられた給水信号は、リザーバタンク17の水位が第1の水位よりも高い第2の水位まで上がったときに停止する。
【0059】
リザーバタンク17から給水信号を受信した場合(ステップS104,YES)、制御部23は、電解槽15に電解水の生成処理を実行させる(ステップS105)。
【0060】
続いて、制御部23は、第3電磁弁16を開いて、電解水をリザーバタンク17に移送する(ステップS106)。
【0061】
そして、制御部23は、リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を所望の塩素濃度にするため、リザーバタンク17に希釈水を移送することが必要か否かを判定する(ステップS107)。
【0062】
希釈水を移送することが必要な場合とは、例えば、所望の電解水の塩素濃度が電解槽15で生成される電解水の塩素濃度より低い場合である。希釈水を移送することが必要でない場合とは、例えば、所望の電解水の塩素濃度が電解槽15で生成される電解水の塩素濃度と同じ場合である。
【0063】
リザーバタンク17に希釈水を移送することが必要でない場合(ステップS107,NO)、ステップS104の処理に移行して、それ以降の処理が継続される。
【0064】
リザーバタンク17に希釈水を移送することが必要である場合(ステップS107,YES)、制御部23は、後に説明する図7に示すように、第2電磁弁14および第3電磁弁16を制御してリザーバタンク17への希釈水の移送を行う(ステップS108)。
【0065】
この希釈水の移送の結果、リザーバタンク17内には、電解槽15で生成された電解水が希釈されて生成された電解水が貯留される。
【0066】
このようにリザーバタンク17で電解水を希釈水で希釈して貯留することにより、洗浄用液または殺菌用液などの用途にあった電解水を利用できる状態でリザーバタンク17に貯留することができる。
【0067】
その後、ステップS104に移行して、リザーバタンク17から給水信号を受信したか否かが判定される。ステップS104からステップS108の処理は、リザーバタンク17からの給水信号が停止して、制御部23が給水信号を受信しなくなるまで実行される。
【0068】
そして、リザーバタンク17から給水信号を受信しなくなった場合(ステップS104,NO)、このリザーバタンク17への電解水の移送動作は終了する。
【0069】
つぎに、水道およびリザーバタンク17からのシスターン13への水道水および電解水の供給動作について、図4を用いて説明する。図4は、水道およびリザーバタンク17からのシスターン13への水道水および電解水の供給動作の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図4に示すように、制御部23は、シスターン13からの給水信号を受信したか否かを判定する(ステップS201)。給水信号は、シスターン13の水位が所定の水位まで下がったときに発せられる。
【0071】
シスターン13から給水信号を受信していない場合(ステップS201,NO)、このままシスターン13への供給動作を終了する。
【0072】
シスターン13から給水信号を受信した場合(ステップS201,YES)、制御部23は、第1電磁弁12を開いて、フィルタ11を介した水道からシスターン13への給水動作を第1電磁弁12に行わせる(ステップS202)。
【0073】
つぎに、制御部23は、チューブポンプ18を動作させて、リザーバタンク17に貯留された電解水をシスターン13に移送し(ステップS203)、シスターン13への供給動作を終了する。この供給動作の結果、シスターン13内には、リザーバタンク17に貯留された電解水が希釈されてできた飲料用液が貯留される。
【0074】
なお、ここでは、シスターン13に希釈水を給水し、その後シスターン13にリザーバタンク17から電解水を移送することとしたが、シスターン13にリザーバタンク17から電解水を移送し、その後シスターン13に希釈水を給水することとしてもよい。また、希釈水の給水と電解水の移送を同時に行ってもよい。
【0075】
このように、シスターン13において電解水を希釈することにより、リザーバタンク17においては洗浄用液または殺菌用液として用いられる高い塩素濃度の電解水を貯留することができ、一方、シスターン13においては希釈された電解水を飲料用液として貯留することができる。
【0076】
つぎに、図3のステップS105に示した電解水生成処理、図3のステップS106に示したリザーバタンク17への電解水の移送処理、図3のステップS108に示したリザーバタンク17への希釈水の移送処理の詳細について順に説明する。
【0077】
図5は、図3のステップS105に示した電解水生成処理の詳細を示すフローチャートである。
【0078】
図5に示すように、制御部23は、電解槽15から給水信号を受信したか否かを判定する(ステップS301)。この給水信号は、電解槽15が空になったときに発せられ、満水となったときに停止する。
【0079】
電解槽15から給水信号を受信した場合(ステップS301,YES)、制御部23は、第2電磁弁14を開いて、電解槽15に給水を行う(ステップS302)。
【0080】
電解槽15が満水となって、給水信号を受信しなくなった場合(ステップS301,NO)、制御部23は、電解槽15が備える電極15bへの通電を行い、電解槽15に電解水を生成させる(ステップS303)。
【0081】
そして、制御部23は、指定時間通電動作を行ったか否かを判定する(ステップS304)。指定時間とは、所望の塩素濃度の電解水の生成に必要な電極15bへの通電時間であり、予め実験または計算等により求められている。
【0082】
指定時間通電動作を行っていない場合(ステップS304,NO)、ステップS303に移行して、それ以後の処理を継続する。
【0083】
指定時間通電動作を行った場合(ステップS304,YES)、制御部23は、電極15bへの通電を停止し(ステップS305)、この電解水生成処理を終了する。
【0084】
このように電解槽15の内部に一旦水道水を貯留して電気分解することにより、電極15bに電流を流す時間で電解水の濃度を容易に調整することができる。
【0085】
なお、ステップS301およびステップS302では、電解槽15が満水となるまで電解槽15に給水を行うこととしたが、所定の水位となるまで給水を行うこととしてもよい。また、所定の水位は、変更されてもよい。
【0086】
図6は、図3のステップS106に示したリザーバタンク17への電解水の移送処理の詳細を示すフローチャートである。
【0087】
図6に示すように、制御部23は、第3電磁弁16を開いて、電解槽15からリザーバタンク17への電解水の移送を開始する(ステップS401)。
【0088】
そして、制御部23は、電解槽15から電解水を、電解槽15が空になるまで全量排出したか否かを判定する(ステップS402)。
【0089】
例えば、制御部23は、電解水を指定量あるいは指定時間排出したか否かを判定することにより、電解水を全量排出したか否かを判定する。この場合、指定時間は、電解槽15が空になる時間であり、指定量は、電解槽15が空になる量である。また、制御部23は、電解槽15から電解水を全量排出したか否かを、フロート15aのような水位センサを用いて判定してもよい。
【0090】
電解水が全量排出されていない場合(ステップS402,NO)、制御部23は、電解水が全量排出されるまで、ステップS402の判定処理を繰り返す。
【0091】
電解水が全量排出された場合(ステップS402,YES)、制御部23は、第3電磁弁16を閉じ(ステップS403)、このリザーバタンク17への電解水の移送処理を終了する。
【0092】
このように制御部23が電解槽15により生成された電解水をリザーバタンク17に移送する制御を行うことにより、つぎの電解水生成処理に移行することができる。
【0093】
また、制御部23が電解槽15により生成された電解水の全量をリザーバタンク17に移送する制御を行うことにより、リザーバタンク17において電解水の塩素濃度を希釈水により調整する場合、電解水の量を一定にすることが容易になり、リザーバタンク17内で希釈されてできる電解水の塩素濃度を安定化させることができる。
【0094】
なお、上記のように電解水を全量排出することは必須ではなく、電解水の一部を排出してもよい。
【0095】
図7は、図3のステップS108に示したリザーバタンク17への希釈水の移送処理の詳細を示すフローチャートである。
【0096】
図7に示すように、制御部23は、第2電磁弁14を開いて、水道水を電解槽15に移送する(ステップS501)。そして、制御部23は、電解槽15が満水になったか否かを判定する(ステップS502)。
【0097】
電解槽15が満水になっていない場合(ステップS502,NO)、ステップS501に移行して、それ以後の処理が継続される。
【0098】
電解槽15が満水になった場合(ステップS502,YES)、制御部23は、第2電磁弁14を閉じ、第3電磁弁16を開いて、電解槽15からリザーバタンク17に希釈水を移送する(ステップS503)。
【0099】
そして、制御部23は、電解槽15から希釈水を、電解槽15が空になるまで全量排出したか否かを判定する(ステップS504)。
【0100】
例えば、制御部23は、希釈水を指定量あるいは指定時間排出したか否かを判定することにより、希釈水を電解槽15が空になるまで排出したか否かを判定する。また、制御部23は、電解槽15から希釈水を全量排出したか否かを、フロート15aを用いて判定してもよい。
【0101】
なお、ステップS504において、電解水15に貯留された希釈水が全量排出されたか否かを判定することは必須ではなく、所定量の希釈水が排出されたか否かを判定してもよい。この場合、指定量とは、希釈後の電解水が設定された濃度となる希釈水の量であり、指定時間とは、この量に相当する量の希釈水が排出される時間である。
【0102】
希釈水が全量排出されていない場合(ステップS504,NO)、制御部23は、希釈水が全量排出されるまで、ステップS504の判定処理を繰り返す。
【0103】
希釈水が全量排出された場合(ステップS504,YES)、制御部23は、第3電磁弁16を閉じ(ステップS505)、このリザーバタンク17への希釈水の移送処理を終了する。
【0104】
このように電解槽15を介して希釈水をリザーバタンク17に供給することにより、希釈水をリザーバタンク17に供給するための新たな配管を設ける必要がない。ここで、ステップS501からステップS505の処理の間、電解槽15の電極15bへの通電はなされない。
【0105】
なお、上記のように希釈水を全量排出することは必須ではないが、希釈水を全量排出することにより、リザーバタンク17において電解水の塩素濃度を希釈水により調整する場合、希釈水の量を一定にすることが容易になり、リザーバタンク17内で希釈されてできる電解水の塩素濃度を安定化させることができる。
【0106】
また、希釈水を全量排出しない場合であっても、電解槽15が一定の水位(例えば満水)であって、かつ、電解槽15が大気に開放されていて大気圧となっているため、電解槽15に一旦貯留された希釈水を第3電磁弁を介して吐出させて、吐出量を安定化させることができる。
【0107】
従って、流量計が設けられていなくても、制御部23は、第3電磁弁を開放する時間を制御することにより、電解槽鵜15から吐出される希釈水の量を制御することができる。
【0108】
また、シスターン13に貯留されている飲料用液の塩素濃度は水道水中の塩素濃度と同程度であるため、このような構成の代わりに、シスターン13に貯留されている飲料用液をチューブポンプなどのポンプで吸引し、リザーバタンク17に移送する構成としてもよい。この場合、シスターン13がリザーバタンク17に希釈水を供給する給水部となる。
【0109】
また、ここでは、希釈水を一旦電解槽15に満水になるまで貯留し、満水になった後にリザーバタンク17に移送することとしたが、第2電磁弁14および第3電磁弁16を開いたときの希釈水の流量が予め分かっている場合など、希釈水の量を把握することが可能な場合は、第2電磁弁14と第3電磁弁16とを同時に開いて、電解槽15に流入した希釈水を即座にリザーバタンク17に移送することとしてもよい。これにより、移送に要する時間を短縮することができる。
【0110】
つぎに、図4のステップS202に示したシスターン13への給水動作、および、図4のステップS203に示したシスターン13への電解水の移送処理の詳細について順に説明する。
【0111】
図8は、図4のステップS202に示したシスターン13への給水動作の詳細を示すフローチャートである。
【0112】
図8に示すように、制御部23は、第1電磁弁12を開いて、水道水をシスターン13に移送する(ステップS601)。そして、制御部23は、シスターン13が満水になったか否かを判定する(ステップS602)。
【0113】
シスターン13が満水になっていない場合(ステップS602,NO)、ステップS601に移行して、それ以後の処理が継続される。
【0114】
シスターン13が満水になった場合(ステップS602,YES)、制御部23は、第1電磁弁12を閉じて、水道水のシスターン13への移送を停止する(ステップS603)。
【0115】
さらに、制御部23は、シスターン13への給水量を算出し、さらにその給水量から電解水の吐出量を算出して(ステップS604)、このシスターン13への給水動作を終了する。
【0116】
本実施の形態の場合は、シスターン13へ給水される水の流量が一定ではないため、流量計を設け、流量を時間的に積分することにより、シスターン13へ給水される量を計測している。なお、シスターン13から飲料用に供給された飲料用液の量を計測することで、シスターン13からの電解水の吐出量を算出してもよい。
【0117】
また、シスターン13へ給水される水の流量が一定となる構成の場合には、シスターン13への給水量は、第1電磁弁12を開いていた時間から算出されてもよい。
【0118】
図9は、図4のステップS203に示したシスターン13への電解水の移送処理の詳細を示すフローチャートである。
【0119】
図9に示すように、制御部23は、チューブポンプ18を動作させ、電解水をリザーバタンク17からシスターン13に移送する(ステップS701)。
【0120】
そして、制御部23は、チューブポンプ18が電解水を、指定時間あるいは指定量吐出したか否かを判定する(ステップS702)。この場合の指定時間は、シスターン13で必要となる電解水の量を吐出可能な時間であり、指定量は、シスターン13で必要となる電解水の量である。
【0121】
電解水が指定時間あるいは指定量排出されていない場合(ステップS702,NO)、ステップS701の処理に戻り、チューブポンプ18が電解水をシスターン13に移送する動作が継続される。
【0122】
電解水が指定時間あるいは指定量排出された場合(ステップS702,YES)、制御部23は、チューブポンプ18を停止させる(ステップS703)。
【0123】
さらに、制御部23は、チューブポンプ18が電解水を吐出した吐出量を算出し、さらにその吐出量からリザーバタンク17における電解水の残量を算出して(ステップS704)、このシスターン13への電解水の移送処理を終了する。
【0124】
ここで、リザーバタンク17に貯留されている電解水の量は、電解槽15で生成した電解水の量、および、電解槽15を介してリザーバタンク17に供給された希釈水の量から算出できるので、それらとチューブポンプ18の吐出量とからリザーバタンク17における電解水の残量を算出することができる。
【0125】
また、図6および図7を用いて説明したように、電解槽15から電解水および希釈水をリザーバタンク17に移送して混合することにより、所望の塩素濃度を有する電解水を生成することができる。図10は、電解水と希釈水の混合方法について説明する図である。
【0126】
電解槽15において塩素濃度がXppmの電解水がAリットル生成され、図6の方法によりその電解水がリザーバタンク17に移送され、その後、図7の方法によりBリットルの希釈水がリザーバタンク17に移送されたものとする。
【0127】
この場合、リザーバタンク17に貯留される電解水の量は(A+B)リットルとなり、塩素濃度Yは、AX/(A+B)ppmとなる。
【0128】
そのため、リザーバタンク17に貯留される電解水の塩素濃度をYppmにしたい場合、電解槽15においてAリットルの電解水を生成するものとすると、電解槽15で生成される電解質の塩素濃度を(A+B)Y/Appmとすればよい。
【0129】
たとえば、図5では、電解水の生成に用いられる水道水が、満水になるまで電解槽15に給水され、図6では、電解水の希釈に用いられる水道水が、満水になるまで電解槽15に給水される場合について説明した。
【0130】
この場合、電解水の量Aと希釈水の量Bとは等しいため、配管の洗浄用液として5ppmの塩素濃度の電解水を生成する場合、電解槽15では10ppmの電解水を生成してもよく、殺菌用に30ppmの塩素濃度の電解水を生成したい場合、電解槽15では60ppmの電解水を生成してもよい。
【0131】
図5を用いて説明した電解水の生成処理では、電解槽15が備える電極15bに指定時間通電することとしたが、この指定時間は電解槽15で生成される電解水の塩素濃度が(A+B)Y/Appmとなる時間となる。
【0132】
また、電解水の塩素濃度が(A+B)Y/Appmとなる時間は、さまざまな塩素濃度の電解水を生成するために水道水の電気分解に必要な時間を実験的に求めておき、塩素濃度と電気分解に必要な時間との関係を記憶部19に記憶しておくことにより算出され得る。なお、飲料供給装置が設置される地域の水質に基づいて、時間または電流の大きさを調整できるようにしてもよい。
【0133】
さらに、電解槽15の容量がリザーバタンク17の容量よりも小さい場合、電解槽15で電解水を作成してリザーバタンク17に移送する処理、および、電解槽15から希釈水をリザーバタンク17に移送する処理を何回か繰り返すことが必要になることも考えられる。
【0134】
以下に、この場合の電解槽15における電解水の塩素濃度の調整方法の一例について説明する。ここで、リザーバタンク17において、Yppmの電解水をCリットルだけ生成するものとする。
【0135】
これを実現するため、たとえば、電解槽15でXppmの塩素濃度の電解水を作成してリザーバタンク17に移送する処理をM回行い、その後、電解槽15から希釈水をリザーバタンク17に移送する処理をN回行う。
【0136】
また、毎回移送される電解水および希釈水の量はAリットルであるものとし、リザーバタンク17における電解水の量をCリットルとするため、最後にB’リットルの希釈水をリザーバタンク17に移送するものとする。
【0137】
この場合、リザーバタンク17に貯留される電解水の量はA(M+N)+B’リットルとなり、塩素濃度は、AMX/{A(M+N)+B’}ppmとなる。
【0138】
そのため、リザーバタンク17に貯留される電解水の塩素濃度をYppmにする場合、電解槽15で生成される電解質の塩素濃度Xを毎回{A(M+N)+B’}Y/(AM)ppmとすればよい。
【0139】
ここで、毎回移送される電解水および希釈水の量がAリットルと決められているものとすると、電解水の量A(M+N)+B’が量Cとなるようにするには、A(M+N)≦C≦A(M+N+1)となるよう回数Mおよび回数Nを決定し、量B’を式C-A(M+N)により決定すればよい。
【0140】
そして、塩素濃度Y、量A、回数M、回数N、量B’の値から、電解槽15で生成すべき電解水の塩素濃度Xが算出される。
【0141】
塩素濃度Xが算出されれば、前述のように、電解槽15が備える電極15bに塩素濃度Xの電解水を生成可能な時間だけ毎回通電することにより、リザーバタンク17における電解水の塩素濃度をYppmに調整することができる。
【0142】
また、上述した飲料供給装置1は、一体型の装置として構成されてもよいし、複数の着脱可能なユニットに分かれ、各ユニットが結合することにより構成されてもよい。
【0143】
例えば、図1に示す飲料供給装置1は、フィルタ11、第1電磁弁12、シスターン13、および、第2電磁弁14を備える第1ユニットと、電解槽15、第3電磁弁16、リザーバタンク17、チューブポンプ18、および、制御部23を備える第2ユニットとが接続される構成であってもよい。
【0144】
また、図2に示す飲料供給装置1では、第1電磁弁12、フロート13aを備えるシスターン13、通信部21、および、その他の本体機構22を備える第1ユニットと、第2電磁弁14、フロート15aおよび電極15bを備える電解槽15、第3電磁弁16、チューブポンプ18、記憶部19、操作表示部20、および、制御部23を備える第2ユニットとが接続される構成であってもよい。
【0145】
例えば、第2ユニットが、第1ユニットと別途購入して第1ユニットに組み込まれるモジュールを構成していてもよい。この場合、第1ユニットが備える通信部21は、外部装置と通信を行うだけでなく、第2ユニットの制御部23との間で通信を行う。
【0146】
また、記憶部19、操作表示部20、制御部23などにより飲料供給装置1の制御を行う代わりに、外部のサーバ装置や端末装置から遠隔制御で飲料供給装置1の制御を行うこととしてもよい。
【0147】
また、飲料供給装置1は、電解水を生成するために用いる水道水を、フィルタ11から第2電磁弁14を介して電解槽15に移送することとした。シスターン13に貯留されている電解水の塩素濃度は水道水中の塩素濃度と同程度であるため、このような構成の代わりに、シスターン13に貯留されている飲料用液をチューブポンプなどのポンプで吸引し、電解槽15に移送して、洗浄用液または殺菌用液の生成に用いる構成としてもよい。
【0148】
以上説明したように、飲料供給装置1は、シスターン13と、シスターン13と別に設けられ、電解水を生成する電解槽15と、電解槽15により生成された電解水を貯留するリザーバタンク17と、を備える。
【0149】
このように、電解槽15により生成された電解水をリザーバタンク17が貯留することにより、飲料用液をシスターン13から供給できるようになるまでの待機時間を抑制することができる。
【0150】
また、リザーバタンク17は、電解槽15により生成された電解水、または電解槽15により生成された電解水が希釈された電解水を貯留する。
【0151】
このように、電解水の希釈が必要な場合にリザーバタンク17が電解水または希釈された電解水を貯留することにより、洗浄用液または殺菌用液など、用途にあった電解水を利用できる状態でリザーバタンク17に貯留することができる。
【0152】
また、電解水を希釈する希釈水は、電解槽15を介してリザーバタンク17に供給される。
【0153】
このように電解槽15を介して希釈水をリザーバタンク17に供給することにより、希釈水をリザーバタンク17に供給するための新たな配管を設ける必要がない。
【0154】
また、シスターン13には、リザーバタンク17により貯留されている電解水、または電解槽15により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0155】
このようにシスターン13にリザーバタンク17により貯留されている電解水、または希釈された電解水が供給されることにより、リザーバタンク17に貯留されている高い塩素濃度の電解水を希釈して飲料用液として用いることができ、シスターン13において電解処理を行わずに済む。
【0156】
また、飲料供給装置1は、その他本体機構22に含まれる飲料製造ユニットと、リザーバタンク17と飲料製造ユニットとを接続する第1経路と、をさらに備え、飲料製造ユニットには、第1経路を介して、リザーバタンク17内に貯留されている電解水、または、電解槽15により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0157】
このような飲料製造ユニットと第1経路を飲料供給装置1が備えることにより、リザーバタンク17に貯留されている洗浄液または殺菌用液で、飲料製造ユニット1および第1経路を洗浄することができる。
【0158】
また、飲料供給装置1は、リザーバタンク17とシスターン13とを接続する第2経路をさらに備え、シスターン13には、第2経路を介して、リザーバタンク17内に貯留されている電解水、または電解槽15により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0159】
例えば、電解槽15とシスターン13とを直接接続した場合、電解槽15において電気分解を行っている間は、目標の濃度に達するまでシスターン13に電解水を供給することができないため、待機時間が発生してしまう。このように、リザーバタンク17に洗浄用液または殺菌用液を予め貯留しておき、第2経路を介してリザーバタンク17からシスターン13に電解水を供給する構成とすることで、待機時間の発生を抑制できる。
【0160】
また、電解槽15は、電解槽15の所定水位まで水が供給された後、所定水位の水を電気分解する。
【0161】
このように電解槽15の所定水位まで水が供給された後、所定水位の水を電気分解することにより、電極15bに電流を流す時間を変更して電解水の塩素濃度を容易に調整することができる。
【0162】
また、飲料供給装置1は、電解槽15により生成された電解水をリザーバタンク17に移送する制御を行う制御部23をさらに備える。
【0163】
このように制御部23が電解槽15により生成された電解水をリザーバタンク17に移送する制御を行うことにより、つぎの電解水生成処理に移行することができる。
【0164】
また、制御部23は、電解槽15により生成された電解水の全量をリザーバタンク17に移送する制御を行う。
【0165】
このように制御部23が電解槽15により生成された電解水の全量をリザーバタンク17に移送する制御を行うことにより、リザーバタンク17において電解水の塩素濃度を希釈水により調整する場合、電解水の量を一定にすることが容易になり、リザーバタンク17内で希釈されてできる電解水の塩素濃度を安定化させることができる。
【0166】
(実施の形態2)
実施の形態1では、電解槽15に水道水を一旦貯留し、電解槽15で電解水を生成する場合について説明したが、電解槽内を流動する水を電気分解することにより電解水を生成することとしてもよい。
【0167】
図11は、実施の形態2に係る飲料供給装置2の構成の一例を示す図である。図11に示すように、飲料供給装置2は、給水接続部30、フィルタ31、電磁弁32、シスターン33、第1チューブポンプ34、電解槽35、リザーバタンク36、第2チューブポンプ37、および制御部42を備える。
【0168】
給水接続部30は水道配管に接続され、フィルタ31に対して水道水を供給する給水部である。給水接続部30は、開閉可能に構成されている。フィルタ31は、給水接続部30から供給された水道水に含まれる不純物や塩素をろ過して除去するろ過フィルタである。
【0169】
電磁弁32は、フィルタ31を通過した水道水のシスターン33への供給を制御する電磁弁である。
【0170】
シスターン33は、飲料用液を貯留するタンクである。シスターン33に貯留される飲料用液は、飲料水、コーヒーの抽出、ジュースなどの飲料の製造などに利用される。なお、シスターン33には、電解槽35により生成された電解水を原液状態で貯留してもよいし、電解槽35により生成された電解水を希釈水で希釈した電解水を貯留してもよい。
【0171】
シスターン33は、水位を計測するフロート33aとシスターン33の外部に連通する開口(図示せず)を備える。開口の存在によりシスターン33の内部を大気圧とすることができる。シスターン33の下流側には飲料製造ユニット(図示せず)があり、シスターン33内に貯留された飲料用液は飲料製造ユニットに供給される。
【0172】
第1チューブポンプ34は、シスターン33に貯留された液体、例えば水道水や飲料用液を吸引して、電解槽35に供給するチューブポンプである。
【0173】
なお、ここではチューブポンプを用いることとしたが、電解水を電解槽35に供給できるものであれば、他の種類のポンプであってもよい。
【0174】
また、電解槽35がシスターン33よりも低い位置に配置され、かつ、後述のリザーバタンク36が電解槽35よりも低い位置に配置されている場合、第1チューブポンプ34は、電磁弁で置き換えられてもよい。
【0175】
電解槽35は、その内部を流動する水を電気分解して電解水を生成する装置である。電解槽35は、水の電気分解を行う電極35aを備える。
【0176】
たとえば、電解槽35において生成される電解水の塩素濃度は、第1チューブポンプ34が電解槽35内を流動する水の流量を変更することにより調整される。すなわち、水の流量を大きくすれば、電解槽35において生成される電解水の塩素濃度を低くすることができ、水の流量を小さくすれば、電解槽35において生成される電解水の塩素濃度を高くすることができる。
【0177】
なお、電解水の塩素濃度を非常に高くしたい場合、流量がかなり小さくなるため流量の制御が難しくなる。このような場合、第1チューブポンプ34および第2チューブポンプ37を動作させて、電解槽35からリザーバタンク36およびシスターン33を介して再び電解槽35に電解水が移送されるようにし、電解水の塩素濃度が徐々に高くなるようにしてもよい。なお、その場合、シスターン33への給水及び飲料用液の供給を停止するとよい。
【0178】
また、電解槽35は、シスターン33に貯留された液体を電気分解することとしたが、図1に示した構成のように、フィルタ31を通過した水道水を電気分解することとしてもよい。
【0179】
リザーバタンク36は、電解槽35により生成された電解水を貯留する貯留槽である。リザーバタンク36には、電解槽35により生成された電解水を原液状態で貯留してもよいし、電解槽35により生成された電解水をシスターン33から供給された希釈水で希釈した電解水を貯留してもよい。リザーバタンク36に貯留された電解水は、第2チューブポンプ37を介してシスターン33に供給される。
【0180】
リザーバタンク36には、洗浄用液または殺菌用液としてそのまま利用可能な塩素濃度が高い電解水が貯留され、洗浄および殺菌を行う配管等にリザーバタンク36から電解水が移送される。
【0181】
また、リザーバタンク36に貯留される電解水は、シスターン33にも移送され、シスターン33において水道水により希釈されることにより、飲料用液が生成される。
【0182】
なお、リザーバタンク36に飲料用液を貯留しておき、必要量をシスターン33に移送することとしてもよい。この方法は、飲料供給装置2が洗浄用液および殺菌溶液を生成しない場合に有効である。
【0183】
リザーバタンク36がシスターン33よりも高い位置に配置されている場合、第2チューブポンプ37は、電磁弁で置き換えられてもよい。ただし、リザーバタンク36から電解水をシスターン33に必要量だけ移送する場合、第2チューブポンプ37を用いた方が必要量を精度よく移送できるので望ましい。
【0184】
塩素濃度の高い電解水を待機時間なく供給することができるなど、このようなリザーバタンク36を設けることにより得られる効果は、実施の形態1の飲料供給装置1と同様である。
【0185】
第2チューブポンプ37は、リザーバタンク36に貯留された電解水を吸引して、シスターン33に供給するチューブポンプである。なお、ここではチューブポンプを用いることとしたが、電解水をシスターン33に供給できるものであれば、他の種類のポンプであってもよい。
【0186】
制御部42は、飲料供給装置2の各部を制御するプロセッサ、および、プロセッサが使用するメモリなどを備える制御装置である。
【0187】
図12は、実施の形態2に係る飲料供給装置の制御ブロックの一例を示す図である。図12に示すように、制御部42には、図11を用いて説明した電磁弁32、フロート33aを備えるシスターン33、第1チューブポンプ34、電極35aを備える電解槽35、および第2チューブポンプ37が接続され、これらは制御部42により制御される。
【0188】
さらに、制御部42には、記憶部38、操作表示部39、通信部40、その他の本体機構41が接続され、制御部42により制御される。
【0189】
記憶部38は、制御部42が飲料供給装置2の制御を行う際に必要とするデータやプログラムを記憶する記憶装置である。操作表示部39は、ユーザから操作を受け付けるとともに、情報の表示を行うタッチパネルなどの表示装置である。通信部40は、外部装置と通信を行う通信装置である。その他の本体機構41とは、例えば、図11に示した飲料製造ユニットなどの本体機構である。
【0190】
つぎに、飲料供給装置2が行う飲料供給処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0191】
まず、電解槽35からリザーバタンク36への電解水の移送動作の全体について説明する。図13は、電解槽35からリザーバタンク36への電解水の移送動作の一例を示すフローチャートである。
【0192】
図13に示すように、制御部42は、リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を変更するか否かを判定する(ステップS801)。具体的には、制御部42は、現在リザーバタンク36に貯留されている電解水の塩素濃度と異なる塩素濃度の電解水の生成要求をユーザから受け付けたか否かを判定する。
【0193】
たとえば、電解水の塩素濃度は、飲料用液か、配管等の洗浄用液か、配管等の殺菌用液かによって異なるが、制御部42は、電解水の用途の変更指示をユーザから受け付けた場合に、電解水の塩素濃度を変更すると判定し、電解水の用途の変更指示をユーザから受け付けていない場合に、電解水の塩素濃度を変更しないと判定する。
【0194】
なお、制御部42は、時刻の情報を内蔵時計などから取得し、時刻によって電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。例えば、制御部42は、任意に設定された時間(例えば深夜2時)になったら、殺菌溶液を生成するため、電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。また、制御部42は、操作表示部39が、それまで生成していた電解水の塩素濃度と異なる濃度の入力をユーザから受け付けた場合に、電解水の塩素濃度を変更すると判定してもよい。
【0195】
リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を変更しない場合(ステップS801,NO)、後述するステップS804の処理に移行する。
【0196】
また、リザーバタンク36内に電解水が貯留されていなかった場合も、電解水の塩素濃度を変更しない場合に相当するものとして、ステップS804の処理に移行してもよい。飲料供給装置2が初期化された場合は、生成される電解水の塩素濃度が一旦デフォルト値に設定され、ユーザからの塩素濃度の指定を受け付けることとしてもよい。そして、その指定された塩素濃度の値に基づき、ステップS801の処理のように、制御部42により、リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を変更するか否かが判定されればよい。
【0197】
リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を変更する場合(ステップS801,YES)、制御部42は、リザーバタンク36に設けられている排水弁(図示せず)を開いて、リザーバタンク36に貯留されている電解水の排水を開始する(ステップS802)。
【0198】
そして、制御部42は、リザーバタンク36から電解水を、リザーバタンク36が空になるまで全量排出したか否かを判定する(ステップS803)。例えば、制御部42は、電解水を指定時間あるいは指定量排出したか否かを判定することにより、希釈水を全量排出したか否かを判定する。この場合、指定時間は、リザーバタンク36が空になる時間であり、指定量は、リザーバタンク36が空になる量である。
【0199】
なお、制御部42は、リザーバタンク36に設けられた水位センサ(図示せず)から水位の計測結果の情報を取得し、電解水をリザーバタンク36から全量排出したか否かを判定してもよい。
【0200】
電解水が全量排出されていない場合(ステップS803,NO)、ステップS802の処理に戻り、リザーバタンク36に貯留されている電解水の排水が継続される。
【0201】
電解水が全量排出された場合(ステップS803,YES)、または、リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を変更しない場合(ステップS801,NO)、制御部42は、リザーバタンク36に設けられた水位センサ(図示せず)からの給水信号を受信したか否かを判定する(ステップS804)。給水信号は、リザーバタンク36の水位が第1の水位まで下がったときに発せられる。
【0202】
なお、制御部42は、リザーバタンク36に貯留した電解水の量から電解水の使用量を減算した結果に基づいて、リザーバタンク36の水位が第1の水位まで下がったか否かを判定してもよい。
【0203】
また、一旦水位センサから発せられた給水信号は、リザーバタンク36の水位が第1の水位よりも高い第2の水位まで上がったときに停止する。
【0204】
リザーバタンク36から給水信号を受信した場合(ステップS804,YES)、制御部42は、第1チューブポンプ34を駆動して、シスターン33内の飲料用液を電解槽35に移送し、電解槽35により電気分解されて生成された塩素濃度の高い電解水をリザーバタンク36に供給する(ステップS805)。
【0205】
そして、制御部42は、リザーバタンク36内の電解水の塩素濃度を所望の塩素濃度にするため、リザーバタンク36に希釈水を移送することが必要か否かを判定する(ステップS806)。
【0206】
希釈水を移送することが必要な場合とは、例えば、所望の電解水の塩素濃度が電解槽35で生成される電解水の塩素濃度より低い場合である。希釈水を移送することが必要でない場合とは、例えば、所望の電解水の塩素濃度が電解槽35で生成される電解水の塩素濃度と同じ場合である。
【0207】
リザーバタンク36に希釈水を移送することが必要でない場合(ステップS806,NO)、ステップS804の処理に移行して、それ以降の処理が継続される。
【0208】
リザーバタンク36に希釈水を移送することが必要である場合(ステップS806,YES)、制御部42は、第1チューブポンプ34を駆動して、シスターン33内の塩素濃度が低い飲料用液を、希釈水としてリザーバタンク36に供給する(ステップS807)。
【0209】
この希釈水の移送の結果、リザーバタンク36内には、電解槽35で生成された電解水が希釈されて生成された電解水が貯留される。
【0210】
このようにリザーバタンク36で電解水を希釈水で希釈して貯留することにより、洗浄用液または殺菌用液などの用途にあった電解水を、待機時間なく利用できる状態でリザーバタンク36に貯留することができる。
【0211】
その後、ステップS804に移行して、リザーバタンク36から給水信号を受信したか否かが判定される。ステップS804からステップS807の処理は、リザーバタンク36からの給水信号が停止して、制御部42が給水信号を受信しなくなるまで実行される。
【0212】
そして、リザーバタンク36から給水信号を受信しなくなった場合(ステップS804,NO)、このリザーバタンク36への電解水の移送動作は終了する。
【0213】
なお、飲料供給装置2による水道からシスターン33への給水動作は、飲料供給装置1のフィルタ11、第1電磁弁12、シスターン13、制御部23をそれぞれフィルタ31、電磁弁32、シスターン33、制御部42で置き換えれば、実施の形態1において図4および図8を用いて説明した給水動作と同様であるので説明を省略する。
【0214】
この給水動作は、シスターン33において電解水を希釈するために行われるが、このようなシスターン33への給水動作を行うことにより、リザーバタンク36に高い塩素濃度の電解水を貯留しておくことができ、その電解水を希釈して飲料用液として用いることができるだけでなく、高い塩素濃度の電解水をリザーバタンク36から希釈せずに供給して洗浄用液または殺菌用液として用いることができる。
【0215】
つぎに、図13のステップS805に示したリザーバタンク36への電解水の供給処理、および、図13のステップS807に示したリザーバタンク36への希釈水の供給処理の詳細について順に説明する。
【0216】
図14は、図13のステップS805に示したリザーバタンク36への電解水の供給処理の詳細を示すフローチャートである。
【0217】
図14に示すように、制御部42は、第1チューブポンプ34を動作させ、シスターン33内の飲料用液を電解槽35に移送する(ステップS901)。
【0218】
そして、制御部42は、電解槽35が備える電極35aへの通電を行い、電解槽35に飲料用液よりも高い塩素濃度の電解水を生成させる(ステップS902)。電解槽35で生成された電解水は、リザーバタンク36に貯留される。
【0219】
ここで、電解槽35により生成される電解水の塩素濃度は、電極35aに通電する電流の大きさが一定の場合、電解槽35に流入する電解水の流量を変更することにより容易に調整することができる。
【0220】
また、電解槽35に流入する電解水の流量を一定にして、電極35aに通電する電流を変更することにより、電解水の塩素濃度を調整することとしてもよい。あるいは、電解槽35に流入する電解水の流量と電極35aに通電する電流の両方を変更して電解水の塩素濃度を調整してもよい。
【0221】
電解水の塩素濃度の調整に必要な流量または電流の大きさは、実験や計算等により予め求めることができる。そして、塩素濃度と流量または電流の大きさとの関係を記憶部38に記憶しておき、制御部42が記憶部38からその情報を読み出して第1チューブポンプ34または電極35aへの通電を制御することにより、所望の塩素濃度の電解水を生成することができる。なお、飲料供給装置が設置される地域の水質に基づいて、流量または電流の大きさを調整できるようにしてもよい。
【0222】
その後、制御部42は、リザーバタンク36に電解水を指定時間あるいは指定量供給したか否かを判定する(ステップS903)。この場合の指定時間は、リザーバタンク36で必要となる電解水の量を、第1チューブポンプ34が吐出する時間であり、指定量は、リザーバタンク36で必要となる電解水の量である。
【0223】
リザーバタンク36に電解水を指定時間あるいは指定量供給していない場合(ステップS903,NO)、ステップS901に移行して、それ以後の処理が継続される。
【0224】
リザーバタンク36に電解水を指定時間あるいは指定量供給した場合(ステップS903,YES)、制御部42は、電極35aへの通電を停止する(ステップS904)。
【0225】
その後、制御部42は、第1チューブポンプ34を停止させ(ステップS905)、この電解水の供給処理を終了する。
【0226】
図15は、図13のステップS807に示したリザーバタンク36への希釈水の供給処理の詳細を示すフローチャートである。
【0227】
図15に示すように、制御部42は、第1チューブポンプ34を動作させ、シスターン33に貯留されている飲料用液を、リザーバタンク36に希釈水として供給する(ステップS1001)。
【0228】
そして、制御部42は、リザーバタンク36に希釈水を指定時間あるいは指定量供給したか否かを判定する(ステップS1002)。この場合の指定時間は、リザーバタンク36で必要となる希釈水の量を、第1チューブポンプ34が吐出する時間であり、指定量は、リザーバタンク36で必要となる希釈水の量である。
【0229】
リザーバタンク36に希釈水を指定時間あるいは指定量供給していない場合(ステップS1002,NO)、ステップS1001に移行して、それ以後の処理が継続される。ここで、ステップS1001からステップS1003の処理の間、電極35aへの通電はなされない。
【0230】
リザーバタンク36に希釈水を指定時間あるいは指定量供給した場合(ステップS1002,YES)、制御部42は、第1チューブポンプ34を停止させ(ステップS1003)、この希釈水の供給処理を終了する。
【0231】
なお、ここでは、リザーバタンク36において給水信号の発信が停止する第2の水位になる量の電解水を一気に生成する場合について説明した。
【0232】
この場合、リザーバタンク36に供給される電解水の量と、リザーバタンク36に供給される希釈水の量とは、希釈して生成する電解水の全量とその濃度から算出される。
【0233】
そのほか、飲料供給装置2は、とりあえず使用する量だけ電解水を生成することもできる。この場合、飲料供給装置2は、リザーバタンク36への電解水の供給と、リザーバタンク36への希釈水の供給とを、電解水を使用する度に繰り返す。なお、所望の塩素濃度を有する電解水を電解槽35で生成できる場合、リザーバタンク36への希釈水の供給は不要となる。
【0234】
このように電解槽35を介して希釈水をリザーバタンク36に供給することにより、希釈水をリザーバタンク36に供給するための新たな配管を設ける必要がない。
【0235】
また、上記希釈水の供給処理により、希釈された電解水がリザーバタンク36内で生成されるが、リザーバタンク36内で所望の塩素濃度を有する電解水を生成るためには、図10を用いて説明したように、電解槽35で生成される電解質の塩素濃度を(A+B)Y/Appmとすればよい。
【0236】
これを実現するため、たとえば、電極35aに通電する電流の大きさを一定にし、電解槽35に流入する電解水の流量を調整すればよい。
【0237】
つぎに、リザーバタンク36からシスターン33への電解水の移送処理の詳細について説明する。図16は、リザーバタンク36からシスターン33への電解水の移送処理の詳細を示すフローチャートである。
【0238】
図16に示すように、制御部42は、第2チューブポンプ37を動作させ、電解水をリザーバタンク36からシスターン33に移送する(ステップS1101)。
【0239】
そして、制御部42は、第2チューブポンプ37が電解水を、指定時間あるいは指定量シスターン33に供給したか否かを判定する(ステップS1102)。この場合の指定時間は、シスターン33で必要となる電解水の量を第2チューブポンプ37が吐出する時間であり、指定量は、シスターン33で必要となる電解水の量である。
【0240】
シスターン33に電解水が指定時間あるいは指定量供給されていない場合(ステップS1102,NO)、ステップS1101の処理に戻り、第2チューブポンプ37が電解水をシスターン33に移送する動作が継続される。
【0241】
シスターン33に電解水が指定時間あるいは指定量供給された場合(ステップS1102,YES)、制御部42は、第2チューブポンプ37を停止させ(ステップS1103)、このシスターン33への電解水の供給処理を終了する。
【0242】
なお、上述した飲料供給装置2は、一体型の装置として構成されてもよいし、複数の着脱可能なユニットに分かれ、各ユニットが結合することにより構成されてもよい。
【0243】
例えば、図11に示す飲料供給装置2は、フィルタ31、電磁弁32、および、シスターン33を備える第1ユニットと、第1チューブポンプ34、電解槽35、リザーバタンク36、第2チューブポンプ37、および、制御部42を備える第2ユニットとが接続される構成であってもよい。
【0244】
また、図12に示す飲料供給装置2では、電磁弁32、フロート33aを備えるシスターン33、通信部40、および、その他の本体機構41を備える第1ユニットと、第1チューブポンプ34、電極35aを備える電解槽35、第2チューブポンプ37、記憶部38、操作表示部39、および、制御部42を備える第2ユニットとが接続される構成であってもよい。
【0245】
例えば、第2ユニットが、第1ユニットと別途購入して第1ユニットに組み込まれるモジュールを構成していてもよい。この場合、第1ユニットが備える通信部40は、外部装置と通信を行うだけでなく、第2ユニットの制御部42との間で通信を行う。
【0246】
また、記憶部38、操作表示部39,制御部42などにより飲料供給装置2の制御を行う代わりに、外部のサーバ装置や端末装置から遠隔制御で飲料供給装置2の制御を行うこととしてもよい。
【0247】
また、飲料供給装置2は、電解水を生成するために用いる水を、シスターン33から第1チューブポンプ34で吸引し、電解槽35に移送することとした。このような構成の代わりに、フィルタ31から電磁弁を介して電解槽35に水道水を移送し、水道水を電解水の生成に用いる構成としてもよい。
【0248】
また、電解槽35により生成される電解水の塩素濃度を一定に保つため、フィルタ31から電解槽35の間の配管に流量調整弁などの流量調整装置を設けることが望ましい。
【0249】
この構成では、電解槽35が、フィルタ31を介して水道に接続されることになるが、図11に示すように、電解槽35からリザーバタンク36に延びる配管の先端を、リザーバタンク36内に貯留された電解水の水面よりも常に高い位置になるよう配置(吐水口空間に配置)することにより、塩素濃度が高い電解水がリザーバタンク36から水道に逆流することを防止できる。
【0250】
以上説明したように、飲料供給装置2は、飲料を製造するための水を貯留するシスターン33と、シスターン33と別に設けられ、電解水を生成する電解槽35と、電解槽35により生成された電解水を貯留するリザーバタンク36と、を備える。
【0251】
このように電解槽35により生成された電解水をリザーバタンク36が貯留することにより、飲料用液をシスターン33から供給できるようになるまでの待機時間を抑制することができる。
【0252】
また、リザーバタンク36は、電解槽35により生成された電解水、または電解槽35により生成された電解水が希釈された電解水を貯留する。
【0253】
このように電解水の希釈が必要な場合にリザーバタンク36が電解水または希釈された電解水を貯留することにより、洗浄用液または殺菌用液など、用途にあった電解水を利用できる状態でリザーバタンク36に貯留することができる。
【0254】
また、電解水を希釈する希釈水は、電解槽35を介してリザーバタンク36に供給される。
【0255】
このように電解槽35を介して希釈水をリザーバタンク36に供給することにより、希釈水をリザーバタンク36に供給するための新たな配管を設ける必要がない。
【0256】
また、電解水を希釈する希釈水は、シスターン33を介してリザーバタンク36に供給される。
【0257】
このようにシスターン33を介して希釈水をリザーバタンク36に供給することにより、希釈水をリザーバタンク36に供給するための新たな供給源を設ける必要がない。
【0258】
また、シスターン33には、リザーバタンク36により貯留されている電解水、または電解槽35により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0259】
このようにシスターン33にリザーバタンク36により貯留されている電解水、または希釈された電解水が供給されることにより、リザーバタンク36に貯留されている高い塩素濃度の電解水を希釈して飲料用液として用いることができ、シスターン13において電解処理を行わずに済む。
【0260】
また、飲料供給装置2は、その他の本体機構41に含まれる飲料製造ユニットと、リザーバタンク36と飲料製造ユニットとを接続する第1経路と、をさらに備え、飲料製造ユニットには、第1経路を介して、リザーバタンク36内に貯留されている電解水、または、電解槽35により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0261】
このような飲料製造ユニットと第1経路を飲料供給装置2が備えることにより、リザーバタンク36に貯留されている洗浄液または殺菌用液で、飲料製造ユニット2および第1経路を洗浄することができる。
【0262】
また、飲料供給装置2は、リザーバタンク36とシスターン33とを接続する第2経路をさらに備え、シスターン33には、第2経路を介して、リザーバタンク36内に貯留されている電解水、または電解槽35により生成された電解水が希釈された電解水が供給される。
【0263】
例えば、電解槽35とシスターン33とを直接接続した場合において、電解水を多量に生成しようとすると、電解槽35において電気分解を行っている間はシスターン13から飲料製造ユニットに飲料用液を供給することができないため、待機時間が発生してしまう。これに対し、リザーバタンク36に予め電解水または希釈された電解水を貯留しておき、第2経路を介してリザーバタンク36からシスターン33に電解水を供給する構成とすることで、待機時間の発生を抑制できる。
【0264】
また、シスターン33は、シスターン33の外部と連通している開口を有し、電解槽35は、シスターン33の下流に設けられている。
【0265】
このような構成とすることにより、電解槽35とシスターン13とを接続する経路において、電解槽35の上流であるシスターン13内が大気圧となり、電解槽35で生成された電解水が水道に逆流することを抑制できる。
【0266】
また、電解槽35は、電解槽35の内部を流動する水道水または電解水を電気分解することにより電解水を生成する。
【0267】
このように電解槽35の内部を流動する水道水または電解水を電気分解して電解水を生成することにより、電解槽35の内部を流動する水道水または電解水の流量で電解水の塩素濃度を容易に調整することができる。
【0268】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0269】
(変形例1)
図3のステップS101では、制御部23が、リザーバタンク17内の電解水の塩素濃度を変更するか否かを判定することとしたが、生成する電解水の量などの条件に応じて、ステップS102のリザーバタンク17からの排出や、ステップS108のリザーバタンクへの希釈水の移送をそれぞれ行うべきかどうかを制御部23が判定してもよい。
【0270】
例えば、制御部23は、上記判定の結果に基づいて、リザーバタンク17からの排出をまず行い、ステップS106のリザーバタンク17への電解水の移送を複数回行い、必要量の電解水の移送を終えた後、ステップS108のリザーバタンク17への希釈水の移送を行うこととすればよい。
【0271】
(変形例2)
また、図3のステップS101からステップS103では、リザーバタンク17に貯留されている電解水の塩素濃度を変更する場合、リザーバタンク17に貯留されている電解水をリザーバタンク17から排出することとしたが、当該電解水を排出しなくてもよい。
【0272】
例えば、生成する電解水の塩素濃度がリザーバタンク17に貯留されている電解水の塩素濃度よりも高い場合は、制御部23は、ステップS105において、リザーバタンク17に貯留されている電解水の塩素濃度よりも高い塩素濃度の電解水を生成し、その電解水をリザーバタンク17に移送すればよい。
【0273】
生成する電解水の塩素濃度がリザーバタンク17に貯留されている電解水の塩素濃度よりも低い場合は、制御部23は、ステップS108においてリザーバタンク17への希釈水の移送を行えばよい。
【0274】
(変形例3)
また、図3のステップS104からステップS108において、リザーバタンク17に複数回電解水を移送し、最後に希釈水を移送する処理を行う場合、制御部23は、ステップS107におけるリザーバタンク17に希釈水を移送することが必要か否かの判定処理を行わなくてもよい。
【0275】
(変形例4)
また、電気分解により電解水を生成する処理は、図1図2に示した電解槽15、および、図11図12に示した電解槽35で行われることとしたが、飲料用液を生成する処理は、シスターン13、33で行われてもよい。飲料用液は塩素濃度が低いため、その電気分解が短時間で完了するためである。この場合、シスターン13、33に電極が設けられる。
【0276】
(変形例5)
また、図1図2に示した飲料供給装置1、および、図11図12に示した飲料供給装置2では、シスターン13、33と電解槽15、35とが分離した2つの容器で構成された場合について説明したが、シスターン13、33と電解槽15、35とが1つの容器内に設けられてもよい。
【0277】
例えば、1つの容器内の空間を2つの空間に仕切り、一方の空間を含む部分をシスターン13、33、他方の空間を含む部分を電解槽15、35として、シスターン13、33と別に設けられる電解槽15、35を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本開示は、例えば、コーヒーディスペンサー、ミルクフォーマー、ウォーターサーバ、アイスディスペンサー(製氷機)のような飲料を供給する飲料供給装置に好適である。
【符号の説明】
【0279】
1,2 飲料供給装置
10,30 給水接続部
11,31 フィルタ
12 第1電磁弁
13,33 シスターン
13a,15a,33a フロート
14 第2電磁弁
15,35 電解槽
15b,35a 電極
16 第3電磁弁
17,36 リザーバタンク
18 チューブポンプ
19,38 記憶部
20,39 操作表示部
21,40 通信部
22,41 その他の本体機構
23,42 制御部
32 電磁弁
34 第1チューブポンプ
37 第2チューブポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16