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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154146
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】電装機器接続装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20241023BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 620Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067808
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 賢
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361BA01
5G361BA06
5G361BB01
(57)【要約】
【課題】電装機器の追加に対する電線の接続を、簡易な構成で柔軟に対応することが可能な電装機器接続装置を提供する。
【解決手段】電装機器接続装置100は、基板110と、複数の入力端子140と、複数の出力端子150と、第1リレー回路120aと、第2リレー回路120bと、を備える。また、電装機器接続装置100は、第1ヒューズ回路130aと、第2ヒューズ回路130bと、第3ヒューズ回路130cと、を備える。電装機器接続装置100は、使用される複数の入力端子140及び複数の出力端子150の組み合わせに応じて、異なる電装機器300に対して、電気接続箱200からの信号線を中継させることを可能とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ前記車両の内部に設けられた電装機器の配線を中継する電装機器接続装置であって、
基板と、
第1入力端子、第2入力端子、第3入力端子、第4入力端子、第5入力端子、及び第6入力端子を含み、電気接続箱と接続される複数の入力端子と、
第1出力端子、第2出力端子、第3出力端子、第4出力端子、第5出力端子、及び第6出力端子を含み、前記電装機器と接続される複数の出力端子と、
前記基板に設けられ、前記第2入力端子、前記第3入力端子、前記第3出力端子、及び前記第4出力端子と接続された第1リレー回路と、
前記基板に設けられ、前記第5入力端子、前記第6入力端子、前記第5出力端子、及び前記第6出力端子と接続された第2リレー回路と、
前記基板に設けられ、一端が前記第1入力端子と接続され、他端が前記第1出力端子と接続された第1ヒューズ回路と、
前記基板に設けられ、一端が前記第1入力端子と接続され、他端が前記第2出力端子及び前記第1リレー回路と接続された第2ヒューズ回路と、
前記基板に設けられ、一端が前記第4入力端子と接続され、他端が前記第2リレー回路と接続された第3ヒューズ回路と、を備え、
使用される複数の前記入力端子及び複数の前記出力端子の組み合わせに応じて、異なる前記電装機器に対して、前記電気接続箱からの信号線を中継させることを可能とする、
電装機器接続装置。
【請求項2】
前記第1入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第1出力端子が、前記電装機器である第1パワースライドドアと接続され、
前記第2出力端子が、前記電装機器である第2パワースライドドアと接続されることで、前記電気接続箱から前記第1パワースライドドア及び前記第2パワースライドドアへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【請求項3】
前記第1入力端子又は前記第2入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第3入力端子が、他の前記電気接続箱と接続され、
前記第3出力端子が、前記電装機器であるサーキュレーターと接続され、
前記第4出力端子が、グランドと接続されることで、前記電気接続箱から前記サーキュレーターへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【請求項4】
前記第2入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第3入力端子が、他の前記電気接続箱と接続され、
前記第3出力端子が、前記電装機器である急速充電インレットと接続され、
前記第4出力端子が、グランドと接続されることで、前記電気接続箱から前記急速充電インレットへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【請求項5】
前記第1入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第2出力端子が、前記電装機器であるリアインバーターと接続されることで、前記電気接続箱から前記リアインバーターへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【請求項6】
前記第2入力端子及び前記第5入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第3出力端子が、前記電装機器である第1バッテリーヒーターに接続され、
前記第5出力端子が、前記電装機器である第2バッテリーヒーターに接続され、
前記第4出力端子及び前記第6出力端子が、第1バッテリーパックと接続され、
前記第3入力端子及び前記第6入力端子が、第2バッテリーパックと接続されることで、前記電気接続箱から前記第1バッテリーヒーター及び前記第2バッテリーヒーターへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【請求項7】
前記第2入力端子が、前記電気接続箱と接続され、
前記第3入力端子が、ボディコントロールモジュールと接続され、
前記第3出力端子が、前記電装機器である運転者監視システムに接続され、
前記第4入力端子が、グランドと接続されることで、前記電気接続箱から前記運転者監視システムへの信号線を中継することを可能とする、請求項1に記載の電装機器接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装機器接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設けられる電装機器を接続するための電源分配ボックスが提案されている。特許文献1には、電装機器の後付けに対応しつつ、電源分配ボックスの小型を図るための車両用電装機器接続システムが開示されている。特許文献1に開示された車両用電装機器接続システムは、追加接続部材を用いて拡張系電装機器を接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-147558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、EV(Electric Vehicle)車両の増加に伴い、ジャンクションボックス(JB)等の電気接続箱や電源分配ボックスを用いる構成においても、EV車両に対応した様々な電装機器を、柔軟に追加することが可能となる構成が求められている。特許文献1で開示された車両用電装機器接続システムに設けられた追加接続部材や制御機能部は、電装機器に応じて専用の構成を用いる必要があり、電装機器を簡易な構成で柔軟に接続することが可能な装置が必要とされている。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、電装機器の追加に対する電線の接続を、簡易な構成で柔軟に対応することが可能な電装機器接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る電装機器接続装置は、車両に設けられ車両の内部に設けられた電装機器の配線を中継する電装機器接続装置であって、基板と、第1入力端子、第2入力端子、第3入力端子、第4入力端子、第5入力端子、及び第6入力端子を含み、電気接続箱と接続される複数の入力端子と、第1出力端子、第2出力端子、第3出力端子、第4出力端子、第5出力端子、及び第6出力端子を含み、電装機器と接続される複数の出力端子と、基板に設けられ、第2入力端子、第3入力端子、第3出力端子、及び第4出力端子と接続された第1リレー回路と、基板に設けられ、第5入力端子、第6入力端子、第5出力端子、及び第6出力端子と接続された第2リレー回路と、基板に設けられ、一端が第1入力端子と接続され、他端が第1出力端子と接続された第1ヒューズ回路と、基板に設けられ、一端が第1入力端子と接続され、他端が第2出力端子及び第1リレー回路と接続された第2ヒューズ回路と、基板に設けられ、一端が第4入力端子と接続され、他端が第2リレー回路と接続された第3ヒューズ回路と、を備え、使用される複数の入力端子及び複数の出力端子の組み合わせに応じて、異なる電装機器に対して、電気接続箱からの信号線を中継させることを可能とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電装機器の追加に対する電線の接続を、簡易な構成で柔軟に対応することが可能な電装機器接続装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る電装機器接続装置が適用されるシステムの構成を示す図である。
図2A】本実施形態に係る電装機器接続装置の接続について説明するための図である。
図2B】本実施形態に係る電装機器接続装置の接続について説明するための図である。
図3A図2Aに示す電装機器接続装置のIIIA-IIIA方向の側面図である。
図3B図2Bに示す電装機器接続装置のIIIB-IIIB方向の側面図である。
図4】本実施形態に係る電装機器接続装置の上面図である。
図5】本実施形態に係る電装機器接続装置の底面図である。
図6】本実施形態に係る電装機器接続装置の構成を示す図である。
図7】本実施形態に係る電装機器接続装置が適用される電装機器について説明するための図である。
図8】本実施形態に係る電装機器接続装置が、パワースライドドアに接続される場合の構成例について説明するための図である。
図9A】本実施形態に係る電装機器接続装置が、サーキュレーターに接続される場合の構成例について説明するための図である。
図9B】本実施形態に係る電装機器接続装置が、サーキュレーターに接続される場合の構成例について説明するための図である。
図10】本実施形態に係る電装機器接続装置が、急速充電機器に接続される場合の構成例について説明するための図である。
図11】本実施形態に係る電装機器接続装置が、パワーコントロールに接続される場合の構成例について説明するための図である。
図12】本実施形態に係る電装機器接続装置が、バッテリーヒーターに接続される場合の構成例について説明するための図である。
図13】本実施形態に係る電装機器接続装置が、運転者監視システムに接続される場合の構成例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係る電装機器接続装置100について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0010】
図1は、本実施形態に係る電装機器接続装置100の接続について説明するための図である。電装機器接続装置100は、車両の内部に構成された車載接続システム10に設けられ、車両の内部に設けられた電装機器300の配線を中継する装置である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る車載接続システム10は、電装機器接続装置100、電気接続箱200(ジャンクションボックス:JB)、電装機器300、及びコネクタ400を含んで構成される。
【0012】
電装機器接続装置100は、電気接続箱200と、電装機器300とを接続(中継)するための装置である。図2A及び図2Bは、本実施形態に係る電装機器接続装置100の構成について説明するための図である。図2Aに示すように、電装機器接続装置100は、基板110と、複数の入力端子140と、複数の出力端子150と、リレー回路120と、ヒューズ回路130と、を含んで構成される。本実施形態において、リレー回路120及びヒューズ回路130は、一般的なリレー及びヒューズにより構成される。
【0013】
入力端子140は、例えば、電気接続箱200に接続された接続線に設けられた接続端子410と接続される。また、出力端子150は、例えば、電装機器300に接続された接続線に設けられた接続端子420と接続される。
【0014】
図2Bは、電装機器接続装置100において、入力端子140及び出力端子150が、一つの側面に集中して設けられる場合の例を示す。図2Bに示す構成においては、例えば、電装機器接続装置100が設置される場所において、両側の側面に入力端子140及び出力端子150を設けることが困難な場所に、柔軟に適用することが可能となる。
【0015】
図3Aは、図2Aに示す電装機器接続装置100をIIIA-IIIA方向から見た場合の側面図である。また、図3Bは、図2Bに示す電装機器接続装置100をIIIB-IIIB方向から見た場合の側面図である。図3Aに示すように、電装機器接続装置100は、図3Bに示す電装機器接続装置100より、厚さ方向の長さが短い。これにより、図2A及び図3Aに示す電装機器接続装置100は、例えば、厚さ方向に大きな電装機器接続装置100を設置することが困難な場所に、柔軟に適用することが可能となる。
【0016】
図4は、本実施形態に係る電装機器接続装置100の上面図である。図4に示すように、電装機器接続装置100は、上面部に取付部160を備える。これにより、本実施形態に係る電装機器接続装置100は、取付部160を介して、車両内の所定の場所に強固に取り付けることが可能となる。
【0017】
図5は、本実施形態に係る電装機器接続装置100の底面図である。図5に示すように、電装機器接続装置100は、タイバンド600(締付部材)を取り付けることが可能なタイバンド取付部610を備える。また、タイバンド600は、例えば、車両内に張り巡らされたワイヤーハーネスに取り付けることができる。これにより、電装機器接続装置100は、車両内に特別な取付部材を設けることなく、簡易な構成で、車両内の適切な場所に位置するワイヤーハーネスに取り付けることが可能となる。
【0018】
(電装機器接続装置100の構成)
図6は、本実施形態に係る電装機器接続装置100の構成を示す図である。図6に示すように、電装機器接続装置100は、基板110と、複数の入力端子140と、複数の出力端子150と、リレー回路120と、ヒューズ回路130と、を含んで構成される。
【0019】
本実施形態において入力端子140は、第1入力端子140a、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第4入力端子140d、第5入力端子140e、及び第6入力端子140fを含み、電気接続箱200と接続される。なお、入力端子140は、電気接続箱200以外の機器等に接続されてもよい。また、以降、入力端子のそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「入力端子140」と表記する。また、入力端子140に何も接続されない場合は空き端子となる。
【0020】
また、本実施形態において出力端子150は、第1出力端子150a、第2出力端子150b、第3出力端子150c、第4出力端子150d、第5出力端子150e、及び第6出力端子150fを含み、電装機器300と接続される。なお、出力端子150は、電装機器300以外の機器等に接続されてもよい。また、以降、出力端子のそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「出力端子150」と表記する。また、出力端子150に何も接続されない場合は空き端子となる。
【0021】
第1リレー回路120aは、基板110に設けられ、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第3出力端子150c、及び第4出力端子150dと接続される。
【0022】
第2リレー回路120bは、基板110に設けられ、第5入力端子140e、第6入力端子140f、第5出力端子150e、及び第6出力端子150fと接続される。
【0023】
第1ヒューズ回路130aは、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第1出力端子150aと接続される。
【0024】
第2ヒューズ回路130bは、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第2出力端子150b及び第1リレー回路120aと接続される。
【0025】
第3ヒューズ回路130cは、基板110に設けられ、一端が第4入力端子140dと接続され、他端が第2リレー回路120bと接続される。
【0026】
本実施形態において電装機器接続装置100は、使用される複数の入力端子140及び複数の出力端子150の組み合わせに応じて、異なる電装機器に対して、電気接続箱200からの信号線を中継させることを可能とする。
【0027】
電気接続箱200は、車両内に設けられ、共通の電源から各ユニット(装置)に電力を分配するための装置である。本実施形態における電気接続箱200は、一般的な電気接続箱(ジャンクションボックス)が適用される。また、電気接続箱200は、例えば、ヒューズ部201を備えてもよい。また、電気接続箱200は、コネクタ400を介して、電装機器接続装置100と接続される。なお、電気接続箱200と、電装機器接続装置100とが、同じエリアに設けられる場合には、コネクタ400を介さず接続してもよい。本実施形態におけるエリアについては後述する。
【0028】
電装機器300は、車両内に設けられた所定の機能を有する機器(装置)である。電装機器300は、コネクタ400を介して、電装機器接続装置100と接続される。なお、電装機器300と、電装機器接続装置100とが、同じエリアに設けられる場合には、コネクタ400を介さず接続してもよい。
【0029】
図7は、本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用される構成例について説明するための図である。電装機器接続装置100が適用される電装機器300は、スライドドア、サーキュレーター、急速充電(機器、インレット)、パワーコントロール(ユニット)、バッテリーヒーター、及び運転者監視システムである。
【0030】
また、図7に示す例においては、適用される電装機器300に応じて、当該電装機器300、電装機器接続装置100、及び電気接続箱200(JB)が設置されるエリアが異なる。例えば、電装機器300がスライドドアの場合には、電装機器300は、ドアハーネス(車室内)に設定され、電装機器接続装置100は、フロアハーネス(車室内)に設置され、電気接続箱200は、エンジンハーネス(車室外)に設置される。また、この異なるエリアであるドアハーネス、フロアハーネス、及びエンジンハーネスの境界には、コネクタ400が設けられている。すなわち、電気接続箱200、電装機器接続装置100、及び電装機器300は、異なるエリアに存在し、電装機器接続装置100は、電気接続箱200及び電装機器300と、コネクタ400を介して接続されている。
【0031】
また、電装機器300がサーキュレーターの場合には、電装機器300は、ルーフハーネス(車室内)に設定され、電装機器接続装置100は、インパネハーネス(車室内)に設置され、電気接続箱200は、エンジンハーネス(車室外)に設置される。
【0032】
また、電装機器300が急速充電機器の場合には、電装機器300は、フロアハーネス(車室内)に設定され、電装機器接続装置100及び電気接続箱200は、インパネハーネス(車室内)に設置される。すなわち、電装機器300が急速充電機器の場合には、電気接続箱200と、電装機器接続装置100とは、同じエリアに設置されるため、コネクタ400を介さずに接続される。
【0033】
また、電装機器300がパワーコントロールの場合には、電装機器300は、リアモーター(車室外)に設定され、電装機器接続装置100は、インパネハーネス(車室内)に設置され、電気接続箱200は、エンジンハーネス(車室外)に設置される。
【0034】
また、電装機器300がバッテリーヒーターの場合には、電装機器300は、車室外のエンジンハーネスに設定され、電装機器接続装置100は、車室内のエンジンハーネスに設置され、電気接続箱200は、車室外のエンジンハーネスに設置される。
【0035】
さらに、電装機器300が運転者監視システムの場合には、電装機器300、電装機器接続装置100、及び電気接続箱200は、全てインパネハーネス(車室内)に設置される。すなわち、運転者監視システムの場合には、電装機器300と、電装機器接続装置100と、電気接続箱200とは、同じエリアに設置されるため、電装機器接続装置100は、電気接続箱200及び電装機器300と、コネクタ400を介さずに接続される。
【0036】
(車載接続システム10の構成の詳細)
次に図7に示す各電装機器300について、図8図13を参照して、車載接続システム10の構成を詳細に示しつつ説明する。
【0037】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用されるスライドドアは、例えば、左右のリアドアパワースライドドアである。図8は、本実施形態に係る電装機器接続装置100がスライドドアに接続される場合の構成例について説明するための図である。
【0038】
図8に示すように、電装機器がパワースライドドアである場合の電装機器接続装置100は、第1入力端子140aが、電気接続箱200と接続される。また、第1出力端子150aが、電装機器300である第1パワースライドドア301aと接続され、第2出力端子150bが、電装機器300である第2パワースライドドア301bと接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200から第1パワースライドドア301a及び第2パワースライドドア301bへの信号線を中継することが可能となる。例えば、電装機器接続装置100をパワースライドドアに適用した場合に、車載接続システム10は、ヒューズを最も電装機器300(スライドドア)に近い位置に配置することが可能となり、トータルの配線長を短くすることが可能となる。さらには、車載接続システム10は、RB(リレーボックス)の増設が不要となる。
【0039】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用されるサーキュレーター302は、例えば、車載扇風機である。図9Aは、本実施形態に係る電装機器接続装置100が、サーキュレーター302に接続される場合の構成例について説明するための図である。
【0040】
図9Aに示すように、電装機器300がサーキュレーター302である場合の電装機器接続装置100は、第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続される。また、第3入力端子140cが、他の電気接続箱210と接続される。また、第3出力端子150cが、電装機器300であるサーキュレーター302と接続され、第4出力端子150dが、グランド310(GND)と接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200からサーキュレーター302への信号線を中継することが可能となる。例えば、電装機器接続装置100をサーキュレーター302に適用した場合に、車載接続システム10は、リレーを最も電装機器300(サーキュレーター)に近い位置に配置することが可能となり、トータルの配線長を短くすることが可能となる。さらには、車載接続システム10は、RB(リレーボックス)の増設が不要となる。
【0041】
なお、電気接続箱200のヒューズ部201を有さない、又は使用しない場合には、電装機器接続装置100の第2ヒューズ回路130bを用いる構成を適用してもよい。図9Bは、本実施形態に係る電装機器接続装置100がサーキュレーター302に接続される場合の構成例であって、第2ヒューズ回路130bを用いる場合の構成について説明するための図である。
【0042】
図9Bに示すように、電装機器300がサーキュレーター302である場合の電装機器接続装置100は、第1入力端子140aが、電気接続箱200と接続される。また、第3入力端子140cが、他の電気接続箱210と接続される。また、第3出力端子150cが、電装機器300であるサーキュレーター302と接続され、第4出力端子150dが、グランド310(GND)と接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200からサーキュレーター302への信号線を中継することが可能となる。
【0043】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用される急速充電の機器は、例えば、急速充電インレット303である。図10は、本実施形態に係る電装機器接続装置100が急速充電インレット303に接続される場合の構成例について説明するための図である。
【0044】
図10に示すように、電装機器300が急速充電インレット303である場合の電装機器接続装置100は、第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続され、第3入力端子140cが、他の電気接続箱210と接続される。また、第3出力端子150cが、電装機器300である急速充電インレット303と接続され、第4出力端子150dが、グランド310(GND)と接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200から急速充電インレット303への信号線を中継することが可能となる。
【0045】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用されるパワーコントロールユニットは、例えば、EV等の車両に搭載され、電圧、電流を制御するユニットであり、例えば、リアインバーター304で構成される。図11は、本実施形態に係る電装機器接続装置100がリアインバーター304に接続される場合の構成例について説明するための図である。
【0046】
図11に示すように、電装機器300がリアインバーター304(パワーコントロールユニット)である場合の電装機器接続装置100は、第1入力端子140aが、電気接続箱200と接続される。また、第2出力端子150bが、電装機器300であるリアインバーター304と接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200からリアインバーター304への信号線を中継することが可能となる。
【0047】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用されるバッテリーヒーターは、例えば、急速充電中にバッテリー温度が低い場合に自動的に作動し、急速充電時のバッテリー温度を上昇させて、急速充電時間の増加を抑える機能を備える。図12は、本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用される構成例として、電装機器が第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bである場合について説明するための図である。
【0048】
図12に示すように、電装機器が第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bである場合の電装機器接続装置100は、第2入力端子140b及び第5入力端子140eが、電気接続箱200と接続される。なお、電装機器300が第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bである場合の電装機器接続装置100の第2入力端子140bは、電気接続箱200の第1ヒューズ部201aと接続される。また、電装機器300が第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bである場合の電装機器接続装置100の第5入力端子140eは、電気接続箱200の第2ヒューズ部201bと接続される。
【0049】
また、第3出力端子150cが、電装機器300である第1バッテリーヒーター305aに接続され、第5出力端子150eが、電装機器300である第2バッテリーヒーター305bに接続される。また、第4出力端子150d及び第6出力端子150fが、第1バッテリーパック306aと接続され、第3入力端子140c及び第6入力端子140fが、第2バッテリーパック306bと接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱から第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bへの信号線を中継することが可能となる。
【0050】
本実施形態に係る電装機器接続装置100が適用される運転者監視装置は、電装機器300として、DMSコントローラー307(Driver Monitoring System)及びボディコントロールモジュール308(BCM)で構成される。DMSコントローラー307は、運転者監視システムに相当する。運転者監視システムは、運転の自動化が進むにことによって、ドライバーの状況認識力や運転スキルの低下につながる可能性があることから、システムからドライバーへ操縦を安全に引き継ぎ、ドライバーが運転可能な状態か判定するためのシステムである。図13は、本実施形態に係る電装機器接続装置100がDMSコントローラー307に接続される場合の構成例について説明するための図である。
【0051】
図13に示すように、電装機器300が運転者監視装置である場合の電装機器接続装置100は、第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続され、第3入力端子140cが、ボディコントロールモジュール308と接続される。また、第3出力端子150cが、電装機器300であるDMSコントローラー307に接続され、第4出力端子150dが、グランド310(GND)と接続される。これにより、電装機器接続装置100は、電気接続箱200から運転者監視システムへの信号線を中継することが可能となる。
【0052】
上述の通り、電装機器接続装置100は、車両に設けられ車両の内部に設けられた電装機器300の配線を中継する電装機器接続装置100である。電装機器接続装置100は、基板110と、第1入力端子140a、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第4入力端子140d、第5入力端子140e、及び第6入力端子140fを含み、電気接続箱200と接続される複数の入力端子140を備える。また、電装機器接続装置100は、第1出力端子150a、第2出力端子150b、第3出力端子150c、第4出力端子150d、第5出力端子150e、及び第6出力端子150fを含み、電装機器300と接続される複数の出力端子150を備える。
【0053】
また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第3出力端子150c、及び第4出力端子150dと接続された第1リレー回路120aを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、第5入力端子140e、第6入力端子140f、第5出力端子150e及び第6出力端子150fと接続された第2リレー回路120bを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第1出力端子150aと接続された第1ヒューズ回路130aを備える。
【0054】
また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第2出力端子150b及び第1リレー回路120aと接続された第2ヒューズ回路130bを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第4入力端子140dと接続され、他端が第2リレー回路120bと接続された第3ヒューズ回路130cを備える。さらに電装機器接続装置100は、使用される複数の入力端子140及び複数の出力端子150の組み合わせに応じて、異なる電装機器300に対して、電気接続箱200からの信号線を中継させることを可能とする。
【0055】
これにより、電装機器接続装置100は、電装機器300の追加に対する電線の接続を、簡易な構成で柔軟に対応することが可能となる。
【0056】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0057】
以下に、電装機器接続装置100の特徴について記載する。
【0058】
第1の態様に係る電装機器接続装置100は、車両に設けられ車両の内部に設けられた電装機器300の配線を中継する電装機器接続装置100である。電装機器接続装置100は、基板110と、第1入力端子140a、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第4入力端子140d、第5入力端子140e、及び第6入力端子140fを含み、電気接続箱200と接続される複数の入力端子140を備える。また、電装機器接続装置100は、第1出力端子150a、第2出力端子150b、第3出力端子150c、第4出力端子150d、第5出力端子150e、及び第6出力端子150fを含み、電装機器300と接続される複数の出力端子150を備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、第2入力端子140b、第3入力端子140c、第3出力端子150c、及び第4出力端子150dと接続された第1リレー回路120aを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、第5入力端子140e、第6入力端子140f、第5出力端子150e及び第6出力端子150fと接続された第2リレー回路120bを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第1出力端子150aと接続された第1ヒューズ回路130aを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第1入力端子140aと接続され、他端が第2出力端子150b及び第1リレー回路120aと接続された第2ヒューズ回路130bを備える。また、電装機器接続装置100は、基板110に設けられ、一端が第4入力端子140dと接続され、他端が第2リレー回路120bと接続された第3ヒューズ回路130cを備える。さらに電装機器接続装置100は、使用される複数の入力端子140及び複数の出力端子150の組み合わせに応じて、異なる電装機器300に対して、電気接続箱200からの信号線を中継させることを可能とする。
【0059】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、電装機器300の追加に対する電線の接続を、簡易な構成で柔軟に対応することが可能となる。
【0060】
第2の態様に係る電装機器接続装置100は、第1入力端子140aが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第1出力端子150aが、電装機器300である第1パワースライドドア301aと接続されてもよい。さらに、電装機器接続装置100は、第2出力端子150bが、電装機器300である第2パワースライドドア301bと接続されることで、電気接続箱200から第1パワースライドドア及び第2パワースライドドアへの信号線を中継することを可能としてもよい。
【0061】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱200から第1パワースライドドア301a及び第2パワースライドドア301bへの信号線を中継することが可能となる。例えば、電装機器接続装置100をパワースライドドアに適用した場合に、車載接続システム10は、ヒューズを最も電装機器300(スライドドア)に近い位置に配置することが可能となり、トータルの配線長を短くすることが可能となる。さらには、車載接続システム10は、RB(リレーボックス)の増設が不要となる。
【0062】
第3の態様に係る電装機器接続装置100は、第1入力端子140a又は第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3入力端子140cが、他の電気接続箱210と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3出力端子150cが、電装機器300であるサーキュレーター302と接続されてもよい。さらに、電装機器接続装置100は、第4出力端子150dが、グランド310と接続されることで、電気接続箱200からサーキュレーター302への信号線を中継することを可能としてもよい。
【0063】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱200からサーキュレーター302への信号線を中継することが可能となる。例えば、電装機器接続装置100をサーキュレーター302に適用した場合に、車載接続システム10は、リレーを最も電装機器300(サーキュレーター)に近い位置に配置することが可能となり、トータルの配線長を短くすることが可能となる。さらには、車載接続システム10は、RB(リレーボックス)の増設が不要となる。
【0064】
第4の態様に係る電装機器接続装置100は、第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3入力端子140cが、他の電気接続箱210と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3出力端子150cが、電装機器300である急速充電インレット303と接続されてもよい。さらに、電装機器接続装置100は、第4出力端子150dが、グランド310と接続されることで、電気接続箱200から急速充電インレット303への信号線を中継することを可能としてもよい。
【0065】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱200から急速充電インレット303への信号線を中継することが可能となる。
【0066】
第5の態様に係る電装機器接続装置100は、第1入力端子140aが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第2出力端子150bが、電装機器300であるリアインバーター304と接続されることで、電気接続箱200からリアインバーター304への信号線を中継することを可能としてもよい。
【0067】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱200からリアインバーター304への信号線を中継することが可能となる。
【0068】
第6の態様に係る電装機器接続装置100は、第2入力端子140b及び第5入力端子140eが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3出力端子150cが、電装機器300である第1バッテリーヒーター305aに接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第5出力端子150eが、電装機器300である第2バッテリーヒーター305bに接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第4出力端子150d及び第6出力端子150fが、第1バッテリーパック306aと接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3入力端子140c及び第6入力端子140fが、第2バッテリーパック306bと接続されることで、電気接続箱200から第1バッテリーヒーター及び第2バッテリーヒーターへの信号線を中継することを可能としてもよい。
【0069】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱から第1バッテリーヒーター305a及び第2バッテリーヒーター305bへの信号線を中継することが可能となる。
【0070】
第7の態様に係る電装機器接続装置100は、第2入力端子140bが、電気接続箱200と接続されてもよい。また、電装機器接続装置100は、第3入力端子140cが、ボディコントロールモジュール308と接続されてもよい。また、第3出力端子150cが、電装機器300である運転者監視システムに接続されてもよい。さらに、電装機器接続装置100は、第4入力端子140dが、グランド310と接続されることで、電気接続箱200から運転者監視システムへの信号線を中継することを可能としてもよい。
【0071】
上記構成によれば、電装機器接続装置100は、簡易な構成で、電気接続箱200から運転者監視システムへの信号線を中継することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
10 車載接続システム
100 電装機器接続装置
110 基板
120 リレー回路
120a 第1リレー回路
120b 第2リレー回路
130 ヒューズ回路
130a 第1ヒューズ回路
130b 第2ヒューズ回路
130c 第3ヒューズ回路
140 入力端子
140a 第1入力端子
140b 第2入力端子
140c 第3入力端子
140d 第4入力端子
140e 第5入力端子
140f 第6入力端子
150 出力端子
150a 第1出力端子
150b 第2出力端子
150c 第3出力端子
150d 第4出力端子
150e 第5出力端子
150f 第6出力端子
160 取付部
200、210 電気接続箱
300 電装機器
301a 第1パワースライドドア
301b 第2パワースライドドア
302 サーキュレーター
303 急速充電インレット
304 リアインバーター
305a 第1バッテリーヒーター
305b 第2バッテリーヒーター
306a 第1バッテリーパック
306b 第2バッテリーパック
307 DMSコントローラー
308 ボディコントロールモジュール
400 コネクタ
410、420 接続端子
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13