(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154152
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20241023BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20241023BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241023BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20241023BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20241023BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G09G5/00 530M
G06F3/048
G09G5/00 550H
G09G5/37 320
G09G5/00 510H
G09G5/14 A
G09G5/377
G09G5/00 530T
G09G5/00 555D
G09G5/00 550C
G06F3/14 350B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067820
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】河野 誠一
(72)【発明者】
【氏名】今西 芳充
(72)【発明者】
【氏名】山▲ざき▼ 充弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義従
(72)【発明者】
【氏名】山村 一則
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069BA04
5B069CA02
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC12
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA44
5C182BA65
5C182BA66
5C182BC11
5C182CB13
5C182CB44
5C182CB52
5C182CC02
5C182CC21
5C182DA14
5C182DA26
5C182DA44
5C182DA65
5C182DA68
5E555AA52
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555DB04
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】安全な表示領域を提供することができる。
【解決手段】ホストシステムは、表示デバイスに表示情報を表示させ、オペレーティングシステムからアクセスされない所定の組み込みプログラムに基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、前記特定表示領域に前記特定表示情報を表示させる。本実施形態は情報処理システムおよび制御方法のいずれであっても実現することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイスと、前記表示デバイスに表示情報を表示させるホストシステムとを備え、
前記ホストシステムは、オペレーティングシステムからアクセスされない所定の組み込みプログラムに基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、
前記特定表示領域に前記特定表示情報を表示させる
情報処理システム。
【請求項2】
前記ホストシステムは、
複数の表示パターンから入力操作に応じて1つの表示パターンを選択し、
選択した1つの画面パターンの表示領域に、当該表示領域に対応する表示領域を表示させ、
前記複数の表示パターンは、
前記表示デバイスの画面領域に前記特定表示領域を有する第1表示パターンと、
前記表示デバイスの画面領域に前記特定表示領域を有さず、前記オペレーティングシステムに基づく表示情報である標準表示情報に対する表示領域である標準表示領域を有する第2画面パターンと、を含む
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ホストシステムは、
複数の表示モードから入力操作に応じて1つの表示モードを選択し、
前記複数の表示モードは、
前記特定表示領域を設定し、当該特定表示領域に前記特定表示情報を表示する第1表示モードと、
前記特定表示領域を設定せず、前記オペレーティングシステムに基づく表示情報である標準表示情報を前記表示デバイスの画面領域に表示させる第2表示モードと、を含む
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ホストシステムは、
前記第1表示モードにおいて、第1インタフェースを含む第1経路を用いて前記表示デバイスと接続し、
前記第2表示モードにおいて、第2インタフェースを含む第2経路を用いて前記表示デバイスと接続する
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示デバイスの画面領域と共通の検出領域において、他の物体との接触を検出する入力デバイスを備え、
前記組み込みプログラムの処理において、前記特定表示領域と共通の検出領域において検出された接触に基づく入力情報が用いられる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ホストシステムは、
前記組み込みプログラムの処理により得られる出力情報を、
前記オペレーティングシステムに基づく処理に用いる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示デバイスは、電気泳動ディスプレイを備える
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
表示デバイスと、前記表示デバイスに表示情報を表示させるホストシステムとを備える情報処理システムにおける制御方法であって、
前記ホストシステムは、
オペレーティングシステムからアクセスされない所定の組み込みプログラムに基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、
前記特定表示領域に前記特定表示情報を表示させる
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理システムおよび制御方法、例えば、表示デバイスの分割に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)をはじめとする情報処理装置は、多様な機能を有し、同時に複数の機能が実行されることが通例である。個々の機能ごとに表示デバイスの表示領域の一部である部分領域が割り当てられ、割り当てられた部分領域に機能ごとの画面が表示される。例えば、特許文献1に記載の制御装置は、表示装置における書換対象領域を複数のサブ領域に分割し、各サブ領域のフラッシングが異なるタイミングで表示されるように各サブ領域の書換開始タイミングを設定し、書換開始タイミングに従ってサブ領域ごとに書換処理を指示する。
【0003】
また、表示デバイスとして、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro-phoretic Display)が普及しつつある。EPDは、可塑性を有する柔軟な素材で構成され、電子ペーパ(Electric Paper Display)、電子インク(E-Ink)ディスプレイ、などとも呼ばれる。EPDは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting)ディスプレイなどよりも消費電力が少ない。例えば、特許文献1は、携帯型の情報処理装置において表示デバイスとしてEPDを採用することで、消費電力の抑制が可能となる点について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置では、情報処理装置上で動作するアプリケーションソフトウェア、ミドルウェア、オペレーティングシステム、などのソフトウェアからの要求に応じて、書換対象領域を複数のサブ領域に分割するに過ぎない。サブ領域への分割においては、ソフトウェアの改ざんなどのセキュリティリスクに対して考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記の課題を解決するためになされたものであり、本願の一態様に係る情報処理システムは、表示デバイスと、前記表示デバイスに表示情報を表示させるホストシステムとを備え、前記ホストシステムは、オペレーティングシステムからアクセスされない所定の組み込みプログラムに基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、前記特定表示領域に前記特定表示情報を表示させる。
【0007】
上記の情報処理システムにおいて、前記ホストシステムは、複数の表示パターンから入力操作に応じて1つの表示パターンを選択し、選択した1つの表示パターンの表示領域に、当該表示領域に対応する表示領域を表示させ、前記複数の表示パターンは、前記表示デバイスの画面領域に前記特定表示領域を有する第1表示パターンと、前記表示デバイスの画面領域に前記特定表示領域を有さず、前記オペレーティングシステムに基づく表示情報である標準表示情報に対する表示領域である標準表示領域を有する第2表示パターンと、を含んでもよい。
【0008】
上記の情報処理システムにおいて、前記ホストシステムは、複数の表示モードから入力操作に応じて1つの表示モードを選択し、前記複数の表示モードは、前記特定表示領域を設定し、当該特定表示領域に前記特定表示情報を表示する第1表示モードと、前記特定表示領域を設定せず、前記オペレーティングシステムに基づく表示情報である標準表示情報を前記表示デバイスの画面領域に表示させる第2表示モードと、を含んでもよい。
【0009】
上記の情報処理システムにおいて、前記ホストシステムは、前記第1表示モードにおいて、第1インタフェースを含む第1経路を用いて前記表示デバイスと接続し、前記第2表示モードにおいて、第2インタフェースを含む第2経路を用いて前記表示デバイスと接続してもよい。
【0010】
上記の情報処理システムにおいて、前記表示デバイスの画面領域と共通の検出領域において、他の物体との接触を検出する入力デバイスを備え、前記組み込みプログラムの処理において、前記特定表示領域と共通の検出領域において検出された接触に基づく入力情報が用いられてもよい。
【0011】
上記の情報処理システムにおいて、前記ホストシステムは、前記組み込みプログラムの処理により得られる出力情報を、前記オペレーティングシステムに基づく処理に用いてもよい。
【0012】
上記の情報処理システムにおいて、前記表示デバイスは、電気泳動ディスプレイを備えてもよい。
【0013】
本願の第2態様に係る制御方法は、表示デバイスと、前記表示デバイスに表示情報を表示させるホストシステムとを備える情報処理システムにおける制御方法であって、前記ホストシステムは、オペレーティングシステムからアクセスされない所定の組み込みプログラムに基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、前記特定表示領域に前記特定表示情報を表示させる。
【発明の効果】
【0014】
本願の実施形態によれば、より安全な表示領域を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムの機能構成例を示す概略ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るモード遷移例を示す状態遷移図である。
【
図4】本実施形態に係る入出力制御例を示すシーケンス図である。
【
図5】本実施形態に係る全画面表示の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る画面分割の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る画面分割の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願の実施形態について、図面を参照して説明する。まず、本願の実施形態に係る情報処理システムS1の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムS1のハードウェア構成例を示す概略ブロック図である。
【0017】
情報処理システムS1は、ホストシステム10、システムデバイス24および表示装置30を備える。
情報処理システムS1は、ホストシステム10を有する単一の電子機器として実現されてもよいし、複数のデバイスからなる集合体として実現されてもよい。情報処理システムS1をなす電子機器は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話機、など、いずれの形態の情報処理装置として実現されてもよい。
【0018】
ホストシステム10は、情報処理システムS1における主たるコンピュータシステムである。
ホストシステム10は、各種のプログラムを実行して、表示画面を示す表示データを取得し、取得した表示データを表示デバイスに出力する。ホストシステム10は、入力デバイスから入力情報が入力され、入力情報を参照して動作を制御する。入力情報は、入力デバイスに対する入力操作に応じて生成される。
図1の例では、表示装置30は、表示デバイスと入力デバイスの機能を併せ持つ。
【0019】
なお、本願では、ホストシステム10、プロセッサ12、システムデバイス24などの各種のハードウェアがプログラムに記述された指令で指示される処理を実行することを「プログラムを実行する」、「プログラムの実行」などと呼ぶことがある。また、ホストシステム10を構成するハードウェアを「ホストデバイス」と呼ぶことで、システムデバイス24と区別する。
【0020】
ホストシステム10は、各種のデバイスとの接続、そのデバイスとのデータの入出力、ならびに、そのデバイスの動作を制御する。ホストシステム10は、専用のデバイスドライバに基づいて、OS(Operating System、オペレーティングシステム)からアクセスされない所定の組み込みアプリケーションプログラム(本願では、「アプリ」と呼ぶことがある)に対して、表示装置30の画面領域の一部または全部の表示領域(本願では、「特定表示領域」と呼ぶことがある)を割り当てる。その場合、ホストシステム10は、表示装置30に特定表示領域に設定することにより、その組み込みアプリに基づく表示情報(本願では、「特定表示情報」と呼ぶことがある)を設定した特定表示領域に表示させる。
【0021】
システムデバイス24は、組み込みアプリで指示される処理の実行を開始または終了する。システムデバイス24は、組み込みアプリで指示される処理を実行する。組み込みアプリで指示される処理には、表示データを取得し、取得した表示データを表示装置30に出力する。システムデバイス24は、組み込みアプリで指示される処理において、入力デバイスから入力される入力情報を参照することがある。
【0022】
表示装置30は、ホストシステム10による制御に従って、ホストシステム10から入力される表示データに基づいて表示画面を表示する。表示装置30は、表示デバイスとコントローラを備える。表示デバイスは、一定の配置間隔で画素が配置された画面領域を有する。コントローラは、ホストシステム10から入力される表示データに基づく画面を表示デバイスに表示させる。タイミングコントローラ36とEPD(Electro-phoretic Display)38が、それぞれコントローラと表示デバイスの例に相当する。
【0023】
図1に例示される表示装置30は、入力デバイスの機能を併せ持つ。表示装置30は、入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に応じた入力情報をホストシステム10に出力する。表示装置30は、タッチセンサ40を備え、単一のタッチパネルとして構成される。タッチパネルは、EPD38の画面領域とタッチセンサ40の検出領域に重なり合い、画面領域と共通の検出領域において、他の物体との接触を検出する。
【0024】
次に、情報処理システムS1のハードウェア構成例について説明する。
ホストシステム10は、プロセッサ12と、メインメモリ14と、チップセット20とフラッシュメモリ22と、を備える。ホストシステム10は、情報処理システムS1全体の機能を制御する。
【0025】
プロセッサ12は、ホストシステム10を備える装置全体の機能を制御する。プロセッサ12として、例えば、1個以上のCPU(Central Processing Unit)が適用される。プロセッサ12は、所定のプログラムを実行し、メインメモリ14、チップセット20、フラッシュメモリ22、その他のハードウェアの一部または全部と協働し、ホストシステム10の機能を奏する。
【0026】
メインメモリ14は、プロセッサ12の作業領域、即ち、実行されるプログラム、各種設定データの読み込み領域、プロセッサ12により取得される処理データの書き込み領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ14は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップを含んで構成される。実行されるプログラムには、OS(Operating System、オペレーティングシステム)、周辺機器等を制御するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、などがある。
【0027】
プロセッサ12、および、メインメモリ14は、ホストシステム10をなす最小限のデバイスである。本願では、ホストシステム10を構成するハードウェアを「ホストデバイス」と呼び、システムデバイス24と区別することがある。ホストシステム10は、ハードウェアとしてホストデバイスと、OS、スケジュール・タスクなどのソフトウェアと、を含んで構成される。
【0028】
チップセット20は、表示装置30をはじめ、他のデバイスと各種のデータを入出力できるように接続可能とする入出力インタフェース(I/F:Interface)を備える。チップセット20は、少なくとも汎用入出力I/F20aとグラフィックI/F20bを備える。汎用入出力I/F20aは、表示装置30との間で各種のデータを入力および出力可能とする。汎用入出力I/F20aは、例えば、USB(Universal Serial Bus)コントローラを備える。USBコントローラは、USBスタックに従って外部機器との入出力を制御する。グラフィックI/F20bは、表示装置30に対し表示データを出力可能とする。グラフィックI/F20bは、例えば、グラフィックコントローラを備える。グラフィックコントローラは、グラフィックドライバに従って外部機器への表示データの出力を制御する。
【0029】
フラッシュメモリ22には、各種のプログラムとデータが記憶される。各種のプログラムには、例えば、ファームウェア、デバイスドライバ、サービス/ユーティリティ、アプリ、などが含まれる。これらのプログラムは、プロセッサ12により実行される。記憶されるデータには、プロセッサ12において処理対象となるデータ、処理により生成されるデータが含まれる。生成されるデータは、最終データの他、あるステップよりも後続するステップで用いられる中間データも含まれうる。
【0030】
システムデバイス24は、ホストシステム10を構成するホストデバイスとは別個のハードウェアである。システムデバイス24は、ホストシステム10とは独立にプログラムを実行可能とするコンピュータシステムをなす。システムデバイス24は、例えば、MCU(Micro Computer Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、SoC(System on a Chip)などのいずれであってもよい。システムデバイス24の記憶媒体には、RAMの他、ROM(Read Only Memory)が含まれてもよい。ROMは、記憶された情報を変更不可能とし、所定のアプリを組み込みアプリとして予め記憶させておく。システムデバイス24は、ホストデバイスと共通の基板に配置されてもよいし、別個に配置されてもよい。
【0031】
システムデバイス24は、ホストシステム10をなすOSからのアクセスを受けずに、独自のOS上で組み込みアプリを実行する。但し、システムデバイス24は、ホストシステム10と共通の表示デバイスと入力デバイスとして表示装置30を共用する。後述するように、システムデバイス24は、組み込みアプリを実行して得られる特定表示情報を表示装置30にチップセット20を経由して出力可能とする。システムデバイス24は、動作開始時に組み込みアプリの実行を開始してもよいし、入力デバイスから取得される入力情報に基づいて組み込みアプリの動作を制御してもよい。組み込みアプリの処理において、入力デバイスから取得される入力情報が用いられることがある。また、組み込みアプリの処理結果となる出力情報が、ホストシステム10がOS上で実行されるプログラムの処理に用いられることがある。また、ホストシステム10がOS上で実行されるプログラムの処理結果となる情報が組み込みアプリの処理に用いられることがある。
【0032】
表示装置30は、ブリッジ34と、タイミングコントローラ36と、EPD38と、タッチセンサ40と、を備える。
EPD38の画面領域には、タッチセンサ40の検出面が覆われるように両者が重なり合う。
ブリッジ34は、ホストシステム10から入力される表示データの構成を、タイミングコントローラ36が処理可能とする構成に変換し、構成を変換した表示データをタイミングコントローラ36に出力する。ブリッジ34は、例えば、DP(Display Port)規格に準拠した表示データをMIPI(Mobile Industry Processor Interface)規格に準拠した表示データに変換する(MIPIブリッジ)。
ブリッジ34は、ホストシステム10から入力される接続制御指令(コマンド)に従って、タイミングコントローラ36との接続状態を制御する。ブリッジ34は、例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)規格に従ってタイミングコントローラ36に接続制御指令を伝送する。
【0033】
タイミングコントローラ(T-CON:Timing Controller)36は、ホストシステム10から入力される表示データに基づく画像の出力を制御する。タイミングコントローラ36は、所定のファームウェアを実行して、その機能を実現する。表示データは、ブリッジ34を経由してMIPI規格に従って表示データが入力されることがある。表示データは、ホストシステム10からUSB規格に従って直接入力されることがある。タイミングコントローラ36は、入力される表示データに基づく出力画像をEPD38に表示させる。タイミングコントローラ36は、表示データを一時的に保存するフレームバッファを備える。
【0034】
タイミングコントローラ36は、表示データが入力される都度、フレームバッファに記憶された表示データを新たに入力される表示データに更新する(上書き)。タイミングコントローラ36は、所定のリフレッシュレートでリフレッシュ処理を行い、フレームバッファに記憶される表示データで指示される出力画像をEPD38に表示させる。
タイミングコントローラ36は、リフレッシュ周期ごとにフレームバッファに記憶される表示データを参照して画素ごとの信号値を特定し、特定した信号値に対応する明るさで表示させるタイミングを指示するための出力信号を生成する。リフレッシュ周期は、リフレッシュレートの逆数に相当する。タイミングコントローラ36は、生成した出力信号をEPD38の駆動回路に出力する。
【0035】
タイミングコントローラ36は、タッチセンサ40に配置される検出素子から入力される検出信号を監視し、入力操作を検出した検出素子が配置された座標を特定する。検出信号は、例えば、I2C規格に従って伝送される。タイミングコントローラ36は、特定した座標を示す入力情報をホストシステム10に出力する。入力情報は、例えば、USB規格に従って伝送される。その場合、USB-HID(Human Interface Device)、USB-COM、UASP(USB Attached SCSI Protocol)などのいずれの方式が用いられてもよい。
タイミングコントローラ36は、ハードウェアとして、例えば、EPD専用のコントローラが用いられてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの汎用の演算回路を備え、書換可能なプログラムを実行して、その機能を実現してもよい。
【0036】
EPD38は、高さと幅よりも厚みが格段に薄い形状を有し、その表面に画面領域が設けられる。画面領域において一定間隔に複数の画素が二次元配置される。個々の画素は、電気泳動素子と画素電極を備える。EPD38は、駆動回路を備え、タイミングコントローラ36から画素ごとに指示される信号値に対応する駆動電圧を、当該画素の画素電極に印加する。電気泳動素子は、駆動電圧に応じた強度で表示される。画素ごとの強度分布により画面が表現される。
【0037】
タッチセンサ40は、他の物体が接触した部位を検出する検出領域を備える。他の物体として、例えば、人間の手指、スタイラスペンなどが適用される。タッチセンサ40は、検出領域において一定間隔で複数の検出素子が二次元配置される。個々の検出素子は、他の物体との接触状態を検出し、検出した接触状態を示す検出信号をタイミングコントローラ36に出力する。接触状態として、検出領域への入力操作による他の物体との接触の有無、接触圧力などが検出される。タッチセンサ40は、例えば、電磁誘導(EMR:Electro-Magnetic Resonance)方式、アクティブ静電容量(AES:Active Electro-Static)方式、抵抗膜方式など、いかなる検出原理が採用されてもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る情報処理システムS1の機能構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理システムS1の機能構成例を示す概略ブロック図である。
ホストシステム10は、OS処理部112、入出力制御部114、サービス管理部116およびサービス提供部118を備える。
表示装置30のタイミングコントローラ36は、入出力制御部362を備える。
【0039】
OS処理部112は、OSの中核をなすカーネルを実行し、OSの基本機能を提供する。OS処理部112は、基本機能として、ホストシステム10によるアプリ、ファームウェア、デバイスドライバ、その他のプログラムの実行状態、ホストシステム10の計算資源(リソース)の割り当て、などの制御が含まれる。OSは、例えば、Windows(登録商標)である。
ホストシステム10は、OS処理部112による制御のもとで(本願では、「OS上で」と呼ぶことがある)、各種のプログラムを実行する。プログラムの実行により、入力デバイスから入力される入力情報を受け付け、受け付けた入力情報が用いること、各種の表示画像を生成し、生成した表示情報を含む表示データを表示装置30に出力することがある。入力デバイスとして、タッチセンサ40が適用されることがある。なお、OS上で表示データの出力ならびに入力情報の入力を生じないプログラムが実行されることがある(ヘッドレスオプション)。
【0040】
入出力制御部114は、表示装置30との入出力を制御する。入出力制御部114の機能は、CPU12が、OS上で、専用のデバイスドライバを実行して実現される。専用のデバイスドライバは、例えば、間接ディスプレイドライバ(IDD:Indirect Display Driver)に基づくユーザモードドライバフレームワーク(UMSF:User-Mode Driver Framework)ドライバとして構成される。
【0041】
入出力制御部114は、複数の表示モードに基づいて表示装置30に表示画像を表示させることができる。表示モードには、例えば、標準モードと特定モードが含まれる。入出力制御部114は、例えば、サービス管理部116から入力される表示モード変更要求に基づいて表示モードを特定し、特定した表示モードに従って表示画像を表示させる。入出力制御部114は、表示モード変更要求が入力される都度、その時点における表示モードとして、標準モードと特定モードを交互に切り替えてもよい。
【0042】
標準モードでは、OS処理部112は、予め定めた手順に従って、OS上で実行され、表示装置30を標準出力として指定するプログラム(アプリ)に対する画面領域の割り当てを定める。OS処理部112は、当該プログラムの実行により生成した表示情報(本願では、「標準表示情報」と呼ぶことがある)を定めた割り当てに従って表示画像(以下、「標準表示画像」と呼ぶことがある)を合成する。標準表示画像は、いわゆるOS画像(OS Image)に相当する。標準表示情報として、例えば、各種のアプリの実行画面、デスクトップ画面などが用いられることがある。OS処理部112は、合成した標準表示画像を示す表示データを表示装置30に出力する。
【0043】
標準モードでは、OS処理部112は、表示データをOSにおいて予め設定された第1規格(例えば、DP規格)に従ってグラフィックI/F20bを経由して表示装置30のブリッジ34に出力し、ブリッジ34からタイミングコントローラ36で対応可能とする第3規格(例えば、MIPI規格)に従ってタイミングコントローラ36に出力させる。タイミングコントローラ36は、表示データに示される表示画像をEPD38に表示させる。
【0044】
以下の説明では、ホストシステム10とタイミングコントローラ36の間でブリッジ34を経由する経路を第1経路またはDP-MIPI経路と呼ぶことがある。ホストシステム10からブリッジ34への区間では、第1規格に従って各種のデータがグラフィックI/F20bを経由して伝送される。ブリッジ34からタイミングコントローラ36への区間では、第3規格に従って表示データが伝送される。但し、第3規格で伝送されない一部の制御信号は、第4規格(例えば、I2C)に従って伝送されることがある。
【0045】
特定モードでは、入出力制御部114は、組み込みアプリによる特定表示情報に対する特定表示領域としてEPD38の画面領域の一部または全部を割り当てる。入出力制御部114は、割り当てた特定表示領域を示す表示設定情報を表示装置30に出力する。また、入出力制御部114は、MCU24から入力される特定表示情報を示す表示データを中継し、表示装置30に出力する。表示装置30のタイミングコントローラ36は、表示設定情報で指示される特定表示領域に表示データで指示される特定表示情報を割り当てEPD38に表示させる。
【0046】
入出力制御部114には、例えば、1個または複数の特定表示情報ごとの特定表示領域を示す表示パターンを予め複数通り設定しておいてもよい。入出力制御部114は、サービス管理部116から入力される表示パターン変更要求で指示される表示パターンを選択する。一部の表示パターンは、EPD38の画面領域の全部または一部に標準表示画像の表示領域(本願では、「標準表示領域」と呼ぶことがある)を含んでもよい。選択した表示パターンが標準表示画像の表示領域を含む場合、入出力制御部114は、標準表示画像の表示領域を示す表示設定情報をOS処理部112に出力する。表示設定情報は、例えば、拡張ディスプレイ識別データ(EPID:Extended Display Identification Data)の規定に従って伝達することができる。
【0047】
OS処理部112は、入出力制御部114から入力される表示設定情報で指示される標準表示領域を特定する。OS処理部112は、特定した標準表示領域と同じ大きさを有する標準表示画像を生成する。OS処理部112は、生成した標準表示画像を示す表示データを表示装置30に出力する。
入出力制御部114は、選択した表示パターンを示す表示設定情報を表示装置30に出力する。入出力制御部114は、個々の特定表示情報を示す表示データを表示装置30に出力する。
【0048】
表示装置30のタイミングコントローラ36は、入出力制御部114から入力される表示設定情報で指示される表示パターンをなす表示情報ごとの表示領域を特定する。タイミングコントローラ36は、EPD38の画面領域のうち特定した標準表示画像の表示領域にOS処理部112から入力される表示データで指示される標準表示画像を割り当てる。タイミングコントローラ36は、EPD38の画面領域のうち特定した特定表示情報の表示領域に入出力制御部114から入力される表示データで指示される、その特定表示情報を割り当てる。EPD38は、個々の表示領域に割り当てた表示情報を表示する。
【0049】
なお、入出力制御部114は、サービス管理部116から表示パターン変更要求が入力されるとき、その時点で設定されている特定表示情報の特定表示領域を、入力される表示パターン変更要求で示される特定表示情報の特定表示領域に更新してもよい。入出力制御部114は、EPD38の画面領域のうち、更新後の特定表示領域と重ならない残りの領域の一部または全部を標準表示領域として更新してもよい。入出力制御部114は、更新後の表示情報ごとの表示領域を示す表示設定情報をOS処理部112に出力し、表示設定情報に基づいて定まる標準表示領域の大きさに適合するように標準表示画像を再構成させてもよい。入出力制御部114は、更新後の表示情報ごとの表示領域を示す表示設定情報を表示装置30に出力する。
表示装置30のタイミングコントローラ36は、表示設定情報で指示される更新後の表示領域のそれぞれに、対応する表示情報を割り当て、EPD38に表示させることができる。
【0050】
入出力制御部114は、OSに予め設定された第1規格を利用して、表示設定情報を伝送できないことがある。その場合には、入出力制御部114は、第1規格とは別個の第2規格を用いて表示データと表示設定情報を表示装置30に出力する。入出力制御部114は、例えば、表示設定情報と特定表示情報を示す表示データをUSB規格に従って表示装置30のタイミングコントローラ36に出力する。出力先とするタイミングコントローラ36により用いられる入出力方式を採用することで、ブリッジ34を経由することを要しない。
以下の説明では、ホストシステム10とタイミングコントローラ36の間でブリッジ34を経由しない経路を第2経路またはIDD経路と呼ぶことがある。ホストシステム10とタイミングコントローラ36との間での各種のデータの入出力は、汎用入出力I/F20aを経由する。
【0051】
標準モードから特定モードへの変更が要求されるとき、サービス管理部116は、ホストシステム10と表示装置30のブリッジ34を経由しタイミングコントローラ36との間で設定されている第1経路での接続を解除(unplug/release)する。このとき、サービス管理部116は、第1経路を用いて第1接続解除要求(unplug request)をタイミングコントローラ36に出力する。
【0052】
また、サービス管理部116は、入出力制御部114に第2接続要求を出力する。
入出力制御部114は、サービス管理部116から第2接続要求が入力されるとき、OS処理部112に対し、第1経路を用いた表示データの出力を停止させる。入出力制御部114は、ホストシステム10とタイミングコントローラ36との第2経路を用いて接続(attach)する。このとき、入出力制御部114は、タイミングコントローラ36に第2接続要求を出力する。入出力制御部114は、第2接続要求の出力から所定のタイムアウト時間内に、タイミングコントローラ36から接続確認応答が入力されるとき、第2経路での接続が確立し、第2経路を用いた入出力が可能になったと判定することができる。入出力制御部114は、第2経路での接続確立をOS処理部112とタイミングコントローラ36に通知する。
【0053】
特定モードから標準モードへの変更が要求されるとき、サービス管理部116は、ホストシステム10とタイミングコントローラ36との間で設定されている第2経路での接続を解除(detach)する。このとき、サービス管理部116は、入出力制御部114に第2接続解除要求を出力する。
【0054】
入出力制御部114は、サービス管理部116から第2接続解除要求が入力されるとき、OS処理部112に対し、第2経路を用いた表示データの出力を停止させる。入出力制御部114は、ホストシステム10とタイミングコントローラ36との間で設定された第2経路を解除する。このとき、入出力制御部114は、タイミングコントローラ36に第2接続解除要求を出力する。入出力制御部114は、第2接続要求の出力から所定のタイムアウト時間内に、タイミングコントローラ36から接続解除確認応答が入力されるとき、第2経路での接続が解除されたと判定する。
【0055】
また、サービス管理部116は、タイミングコントローラ36に対し、第1経路を用いて第1接続要求(plug request)を出力する。サービス管理部116は、第1接続要求の出力から所定のタイムアウト時間内に、タイミングコントローラ36から接続確認応答が入力されるとき、第1経路での接続が確立し、第1経路を用いた入出力が可能になったと判定することができる。入出力制御部114は、第1経路での接続確立をOS処理部112とタイミングコントローラ36に通知する。
【0056】
OS処理部112は、サービス管理部116から第1経路での接続確立が通知されるとき、予め定めた手順で標準表示画像を生成し、生成した標準表示画像を示す表示データの第1経路での出力を再開する。表示装置30のタイミングコントローラ36は、OS処理部112から入力される表示データで指示される標準表示画像のEPD38の画面領域全体への表示を再開する。
【0057】
入出力制御部114には、サービス管理部116から表示パターン変更要求が入力される。その時点で設定されている特定表示情報の表示領域を、サービス管理部116から入力される表示パターン変更要求で示される特定表示情報の表示領域に更新してもよい。入出力制御部114は、EPD38の画面領域のうち、更新後の表示領域と重ならないように標準表示画像の表示領域を更新する。入出力制御部114は、更新後の表示領域を示す表示設定情報をOS処理部112に出力し、標準表示画像を再構成させてもよい。入出力制御部114は、更新後の表示情報ごとの表示領域を示す表示設定情報を表示装置30に出力する。表示装置30のタイミングコントローラ36は、表示設定情報で指示される更新後の表示領域のそれぞれに、対応する表示情報を表示させる。
【0058】
なお、入出力制御部114には、表示情報ごとの表示領域の初期値が予め設定され、OS処理部112には、標準表示画面の表示領域の初期値が予め設定されてもよい。入出力制御部114は、標準モードが特定モードに変更され、第2経路での接続確立直後に、表示情報ごとの表示領域の初期値を示す表示設定情報を表示装置30に出力する。表示装置30のタイミングコントローラ36は、表示設定情報で指示される更新後の表示領域のそれぞれの初期値を設定する。タイミングコントローラ36は、設定した表示領域の初期値に、それぞれ対応する表示情報をEPD38に表示させる。
【0059】
なお、OS処理部112ならびに入出力制御部114は、表示モードに関わらず、表示装置30のタッチセンサ40が標準入力として指定されるプログラムに対しては、タッチセンサ40における検出情報に基づく入力情報を表示装置30から受け付けてもよい。入力情報の伝送は、第2規格に従い、第2経路が用いられる。
入出力制御部114は、タッチセンサ40の検出領域のうち、特定表示情報に対する表示領域に相当する部分を、その特定表示情報に係る組み込みアプリに対する検出領域として割り当ててもよい。入出力制御部114は、割り当てた検出領域内の座標を示す入力情報をシステムデバイス24に出力してもよい。システムデバイス24は、その組み込みアプリの実行において、入出力制御部114から入力される入力情報を参照することができる。
【0060】
サービス管理部116は、組み込みアプリの機能の提供に関するユーザ指示を受け付け、受け付けたユーザ指示に応じて当該機能の提供状態を制御する。サービス管理部116の機能は、OS上で所定のアプリを実行して実現される。
図1、
図2の例では、ユーザ指示は、タッチセンサ40に対する操作によりなされる。サービス管理部116は、入力デバイスから入力される入力情報で示されるユーザ指示を特定する。サービス管理部116には、ユーザ指示と要求情報との対応関係を予め設定しておき、特定したユーザ指示に対応する要求情報を入出力制御部114または表示装置30に出力する。
【0061】
要求情報には、上記の表示モード変更要求、表示パターン変更要求などがある。要求情報は、入力情報で指示される座標、操作種別などを用いて指示される。例えば、サービス管理部116は、表示モード、表示パターン、または、それらの変更を指示するための画面部品を配置した案内画面を表示装置30またはその他の表示デバイスに表示させてもよい。案内画面は、標準表示情報の一部として表示されてもよい。サービス管理部116は、押下を検出した画面部品に対応付けられた要求情報を特定することができる。画面部品として、例えば、アイコン、ラジオボタン、などのいずれが用いられてもよい。ここで「押下」とは、現実に押下される場合の他、画面部品等の表示領域内の座標を示す入力情報が取得されるという意味も含む。
【0062】
操作種別として、クリック操作、ドラッグ操作、長押し、などが識別されてもよい。クリック操作は、検出領域に短時間接触する操作、または、その操作の繰り返しである。クリック操作の異なる繰り返し回数が、異なる操作種別として識別されてもよい。ドラッグ操作は、検出領域に接触させながら接触位置の移動を所定時間以上継続する操作である。長押しは、検出領域において接触位置を移動させずに接触を所定時間以上継続する操作である。
【0063】
サービス管理部116は、その時点における表示モードが標準モードであり、表示モード変更要求として標準モードから特定モードへの変更を検出するとき、第1経路を用いて第1接続解除要求を表示装置30のタイミングコントローラ36に出力する。その後、サービス管理部116は、入出力制御部114に第2接続要求を出力する。
サービス管理部116は、その時点における標準モードが特定モードであり、表示モード変更要求として特定モードから標準モードへの変更を検出するとき、入出力制御部114に第2接続解除要求を出力する。その後、サービス管理部116は、第1経路を用いて第1接続要求を表示装置30のタイミングコントローラ36に出力する。
【0064】
表示装置30のタイミングコントローラ36は、入出力制御部362を備える。
入出力制御部362は、ホストシステム10との入出力を制御する。入出力制御部362の機能は、タイミングコントローラ36が、所定のファームウェアを実行して実現される。入出力制御部362は、ホストシステム10から入力される接続制御指令に基づいて、ホストシステム10との接続状態を制御する。
【0065】
より具体的には、ホストシステム10と接続されていない場合、入出力制御部362は、ホストシステム10からの第1接続要求を待ち受ける。
入出力制御部362は、第1接続要求がブリッジ34を経由して入力されるとき、第1接続要求に対する応答として第1接続確認応答をホストシステム10にブリッジ34を経由して出力する。その後、入出力制御部362は、ホストシステム10からブリッジ34を経由して接続確立が通知されることで、第1経路を用いた接続が確立し、第1経路でのデータ受信が可能となったと判定することができる。
【0066】
ホストシステム10と第1経路を用いた接続が設定されている場合、入出力制御部362は、ホストシステム10からの第1接続解除要求を待ち受ける。
入出力制御部362は、第1接続解除要求がブリッジ34を経由して入力されるとき、ホストシステム10からのデータ受信を停止する。その後、入出力制御部362は、第1接続解除要求に対する応答として第1接続解除応答をホストシステム10にブリッジ34を経由して出力する。ホストシステム10のOS処理部112、入出力制御部114およびサービス管理部116は、第1制御解除応答が入力されるとき、第1経路を用いた接続が解除されたと判定することができる。OS処理部112は、表示装置30のタイミングコントローラ36への表示データの送信を停止する。この状態では、入出力制御部114とサービス管理部116は、それぞれ、第2接続要求と第1接続要求を出力可能とする。
【0067】
ホストシステム10と接続されていない場合、入出力制御部362は、ホストシステム10からの第2接続要求を待ち受ける。入出力制御部362は、第2接続要求が入力されるとき、第2接続要求に対する応答として第2接続確認応答をホストシステム10に出力する。その後、入出力制御部362は、ホストシステム10から接続確立が通知されることで、第2経路を用いた接続が確立し、第2経路でのデータ送受信が可能となったと判定することができる。
【0068】
ホストシステム10と第2経路を用いた接続が設定されている場合、入出力制御部362は、ホストシステム10からの第2接続解除要求を待ち受ける。
入出力制御部362は、第2接続解除要求が入力されるとき、ホストシステム10とのデータ送受信を停止する。その後、入出力制御部362は、第2接続解除要求に対する応答として第2接続解除応答をホストシステム10に出力する。ホストシステム10のOS処理部112、入出力制御部114およびサービス管理部116は、第2制御解除応答が入力されるとき、第2経路を用いた接続が解除されたと判定することができる。OS処理部112と入出力制御部114は、タイミングコントローラ36への表示データの送信を停止する。この状態で、入出力制御部114とサービス管理部116は、それぞれ第2接続要求と第1接続要求の出力が許容される。
【0069】
次に、本実施形態に係るモード遷移例について説明する。
図3は、本実施形態に係るモード遷移例を示す状態遷移図である。
図3の例では、ホストシステム10は、表示モードとして標準モードと特定モードのいずれか一方に従って動作し、標準モードと特定モードを相互に切替可能とする。ホストシステム10は、起動当初における初期の表示モードとして、標準モードを適用する。
【0070】
ホストシステム10のサービス管理部116は、入力デバイスから取得される入力情報から、標準モードから特定モードへのモード変更要求を検出するとき(A)、表示モードを標準モードから特定モードに変更する。サービス管理部116は、入力情報から、特定モードから標準モードへのモード変更要求を検出するとき(C)、表示モードを特定モードから標準モードに変更する。
【0071】
表示モードが特定モードである場合、入出力制御部114は、表示パターンとして全画面表示と画面分割のいずれか一方に従って表示画面をEPD38に表示させ、全画面表示と画面分割を相互に切替可能とする。
サービス管理部116は、入力デバイスから取得される入力情報から、表示パターン変更要求を検出する都度(B)、入出力制御部114に対し、全画面表示と画面分割を交互に切り替えさせる。
【0072】
全画面表示は、画面領域全体に1個の表示画面を表示する表示パターンである。
図5の例では、水平方向の幅よりも垂直方向の高さの方が大きい縦長の画面領域全体に1個の背景画像BGが割り当てられている。背景画像BGは、標準表示画面の一例である。
画面分割は、1つの画面領域を区分して得られる複数の部分領域のそれぞれ、または、その一部に表示画面を割り当ててなる表示パターンである。
図6の例では、縦長の画面領域の上半分に標準表示画面の例として背景画像BGの上半部が割り当てられ、画面領域の下半分に特定表示情報の例としてキーボード画像KBが割り当てられている。
【0073】
キーボード画像KBは、システムデバイス24により所定のキーボードアプリ(KBD: keyboard)を実行して得られる。キーボード画像KBは、複数のキー領域を含み、それらが配列されてなる。個々のキー領域には、それぞれ文字または機能が対応付けられている。キーボード画像KBの表示領域は、タッチセンサ40の検出領域のうち、キーボードアプリが押下を検出するための検出領域と共通である。システムデバイス24は、キーボード画像KBのうち、表示装置30から入力される入力情報に基づいて押下を検出したキーを特定し、特定したキーに対応する文字または機能を特定する。システムデバイス24は、特定した文字または機能を示す入力情報をOS処理部112に入出力制御部114を経由して出力する。出力される入力情報は、例えば、OS上で実行され、仮想的な入力デバイスとして入出力制御部114を指定するプログラムの処理に用いられることがある。
【0074】
図7は、本実施形態に係る画面分割の他の例を示す図である。
図7の例では、水平方向の幅よりも垂直方向の高さの方が小さい横長の画面領域のうち、左半分に標準表示画面STが割り当てられ、右半分に特定表示情報の例として拡大画像MGが割り当てられている。標準表示画面STの上半分には背景画像BGが割り当てられ、標準表示画面STの下半分には2個のアプリ画面APP1、APP2が左右にその順に割り当てられている。アプリ画面APP1は、OS上で描画アプリを実行して得られる。描画アプリは、入力デバイスからの入力情報で指示される座標の軌跡を生成し、生成した軌跡を表す表示情報を生成可能とするアプリである。アプリ画面APP2は、OS上で文書編集アプリを実行して得られる。文書編集アプリは、入力デバイスからの入力情報で指示される文字その他の図形を累積、変更または削除して文書を制作可能とするアプリである。
【0075】
拡大画像MGは、システムデバイス24により所定の画像拡大アプリ(magnifier)を実行して得られる。画像拡大アプリは、標準表示画面STの一部の領域における部分画像に対して公知の拡大処理を行って拡大画像に変換可能とする補助ツール(auxiliary tool)である。補助ツールは、OS上で実行されるプログラムの機能の支援を主目的とするアプリである。
図7の例では、アプリ画面APP2が画像拡大アプリの処理対象としている。システムデバイス24は、入力デバイスからの入力情報に基づいて標準表示画面STの表示領域から処理対象領域を特定してもよい。処理対象領域は、個々の表示情報ごとに指定されてもよいし、標準表示画面STの表示領域内の少なくとも2個以上の座標を用いて指定されてもよい。
【0076】
組み込みアプリは、キーボードアプリと画像拡大アプリに限られず、その他のアプリ、例えば、メモ帳アプリ(Memo)、個人情報管理アプリ(PIM:Personal Information Manager)などのいずれであってもよい。また、組み込みアプリに代え、その他の種別のプログラム、例えば、ユーティリティ、ファームウェア、などが適用されてもよい。
【0077】
図3の例では、2通りの表示パターンがモード変更要求に応じて交互に切り替わる場合を示すが、これには限られない。入出力制御部114およびサービス管理部116は、3通り以上の表示パターンのいずれか1通りをモード変更要求に応じて変更してもよい。表示パターンは、巡回的に切り替わってもよいし、任意の1通りが選択されてもよい。
また、表示パターンごとに利用する組み込みプログラムの種類が対応付けられてもよい。入出力制御部114は、システムデバイス24から入力される特定表示情報のうち、選択した表示パターンに対応付けられた組み込みプログラムの特定表示情報を選択し、選択した特定表示情報を示す表示データをタイミングコントローラ36に出力する。
【0078】
また、組み込みプログラムの種類ごとに、EPD38のリフレッシュレートが対応付けられてもよい。例えば、画像拡大アプリのように次第に変形または移動する図形を表示する可能性があるアプリに対しては、より高いリフレッシュレートが設定される。リフレッシュレートを高くすることで、EPD38の応答性を高くすることができる。キーボードアプリ、メモ帳アプリ、個人情報管理アプリなど、主たる図形として静止している図形を表示するアプリに対しては、より低いリフレッシュレートが設定される。かかるアプリに対しては、低い応答性でも許容され、残像の発生が抑制される。
【0079】
その場合、個々の表示パターンにおいて、特定表示領域に、そのアプリの特定表示領域と対応付けて、そのアプリに対応するリフレッシュレートを含めて予め設定しておく。タイミングコントローラ36は、入出力制御部114から入力される表示設定情報で指示される表示パターンから特定表示領域とリフレッシュレートを特定する。タイミングコントローラ36は、入出力制御部114から入力される特定表示情報に対応する特定表示領域に特定したリフレッシュレートに従って割り当てる。
【0080】
なお、入出力制御部114には、特定モードへの変更当初における初期の表示パターンとして、複数の表示パターンのいずれか1通りを予め設定されてもよい。入出力制御部114には、初期の表示パターンとして、標準表示画面と同一または最も近似した表示パターン(例えは、
図5の全画面表示)を設定してもよい。入出力制御部114は、表示モードを特定モードから標準モードに変更するとき、変更時点における表示パターンを記憶してもよい。そして、入出力制御部114は、表示モードを標準モードから特定モードに変更するとき、記憶しておいた表示パターンを採用する。
【0081】
次に、本実施形態に係る入出力制御例について説明する。
図4は、本実施形態に係る入出力制御例を示すシーケンス図である。
図4の処理は、当初の表示モードが標準モードであり、表示モードが特定モードに変更され(
図3 Aに対応)、特定モードにおいて表示パターンが変更され(
図3 Bに対応)、その後、表示モードが標準モードに復元する(
図3 Cに対応)を例にする。
【0082】
(ステップS12)ホストシステム10のサービス管理部116は、標準モードから特定モードへの変更要求を検出するとき、第1経路を用いて第1接続解除要求を表示装置30のタイミングコントローラ36に出力する。
(ステップS14)タイミングコントローラ36の入出力制御部362は、ホストシステム10から第1接続解除要求が入力されるとき、ホストシステム10からのデータ受信を停止する。入出力制御部362は、第1接続解除要求に対する応答として第1接続解除応答をホストシステム10に出力する。これにより、第1経路を用いた接続が解除(切断)される。
【0083】
(ステップS16)ホストシステム10のサービス管理部116は、入出力制御部114に第2接続要求を出力する。
(ステップS18)入出力制御部114は、サービス管理部116から第2接続要求が入力されるとき、OS処理部112に対し、第1経路を用いた表示データの出力を停止させる。入出力制御部114は、タイミングコントローラ36に第2接続要求を出力する(第2接続処理)。入出力制御部114は、第2接続要求の出力から所定のタイムアウト時間内に、タイミングコントローラ36から接続確認応答が入力されるとき、第2経路での接続が確立し、第2経路を用いた入出力を開始する(通信開始)。
【0084】
(ステップS32)サービス管理部116は、表示パターン変更要求を検出するとき、入出力制御部114に表示パターン変更要求を出力する。
(ステップS34)入出力制御部114は、サービス管理部116から入力される表示パターン変更要求に基づいて表示パターンを定める。入出力制御部114は、定めた表示パターンから標準表示画像の表示領域を特定し、特定した表示領域を示す表示設定情報をOS処理部112に出力する(表示領域通知)。
(ステップS36)OS処理部112は、その時点において自部に設定された標準表示画像の表示領域を、入出力制御部114から通知される表示領域に更新する。OS処理部112は、更新後の表示領域を有する標準表示画像を構成し、構成した標準表示画像を示す表示データをタイミングコントローラ36に出力する。
【0085】
(ステップS38)タイミングコントローラ36は、ホストシステム10から更新後の表示領域を有する標準表示画像を示す表示データが入力され、その標準表示画像をEPD38に表示させる(表示データ更新)。
(ステップS40)ホストシステム10の入出力制御部114は、定めた表示パターンを示す表示設定情報をタイミングコントローラ36に出力する。また、入出力制御部114は、システムデバイス24から入力される特定表示情報を示す表示データをタイミングコントローラ36に出力する。
タイミングコントローラ36には、ホストシステム10から表示設定情報と表示データが入力される。タイミングコントローラ36は、表示データで指示される特定表示情報を、表示設定情報で示される特定表示情報の表示領域に割り当て、EPD38に表示させる(組み込みアプリ領域更新)。
【0086】
(ステップS52)ホストシステム10のサービス管理部116は、特定モードから標準モードへの変更要求を検出するとき、入出力制御部114に第2接続解除要求を出力する。
(ステップS54)入出力制御部114は、サービス管理部116から第2接続解除要求が入力されるとき、OS処理部112に対し、第2経路を用いた表示データの出力を停止させる。入出力制御部114は、タイミングコントローラ36に第2接続解除要求を出力する(第2接続解除)。入出力制御部114は、第2接続解除要求の出力から所定のタイムアウト時間内に、タイミングコントローラ36から接続解除確認応答が入力されるとき、第2経路での接続が解除されたと判定する(第2接続解除)。
【0087】
(ステップS56)サービス管理部116は、第1経路を用いて第1接続要求をタイミングコントローラ36に出力する。タイミングコントローラ36の入出力制御部362は、ホストシステム10から第1接続要求が入力されるとき、第1接続要求に対する応答として第1接続確認応答をホストシステム10に出力する。
(ステップS58)入出力制御部362は、ホストシステム10から接続確立が通知される。タイミングコントローラ36は、ホストシステム10から第1経路を用いたデータ受信を再開する。
【0088】
なお、上記の説明では、表示デバイスがEPD38である場合を主としたが、これには限られない。表示デバイスは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、など他の原理に基づくディスプレイであってもよい。
また、上記の説明では、表示装置30がタッチセンサ40を備える場合を主としたが、これには限られない。表示装置30においてタッチセンサ40が省略されてもよい。入力デバイスは、情報処理システムS1において、表示装置30とは別個に構成され、ホストシステム10と無線または有線で各種のデータを入出力可能に接続されてもよい。また、タッチセンサ40に代えて、または、タッチセンサ40とともに、タッチセンサ40以外の種類の入力デバイス、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、などが用いられてもよい。
【0089】
以上に説明したように、本実施形態に係る情報処理システムS1は、表示デバイスと、表示デバイスに表示情報を表示させるホストシステム10とを備え、ホストシステム10は、OSからアクセスされない所定の組み込みプログラム(例えば、組み込みアプリ)に基づく表示情報である特定表示情報に対し、前記表示デバイスの画面領域の一部または全部の領域を特定表示領域として設定し、特定表示領域に特定表示情報を表示させる。表示デバイスは、電気泳動ディスプレイ(例えば、EPD38)を備えてもよい。
この構成によれば、表示デバイスの画面領域において、OSからアクセスされない所定の組み込みプログラムに対して特定表示領域が確保され、確保された特定表示領域に対して当該組み込みプログラムによる特定表示情報が表示される。OSから組み込みプログラムに対するアクセスを伴わずに低いセキュリティリスクのもとで組み込みプログラムによる機能が提供される。
【0090】
ホストシステム10は、複数の表示パターンから入力操作に応じて1つの表示パターンを選択し、選択した1つの表示パターンの表示領域に、当該表示領域に対応する表示領域を表示させてもよい。複数の表示パターンは、表示デバイスの画面領域に特定表示領域を有する第1表示パターン(例えば、
図6、
図7の画面分割)と、表示デバイスの画面領域に特定表示領域を有さず、OSに基づく表示情報である標準表示情報に対する表示領域である標準表示領域を有する第2表示パターン(例えば、
図5の全画面表示)と、を含んでもよい。
この構成によれば、組み込みプログラムによる特定表示情報が表示可能な第1表示パターンと、特定表示情報が表示されず、OSによる標準表示情報が表示可能な第2表示パターンのいずれかが、入力操作により選択可能となる。そのため、ユーザは必要に応じて組み込みプログラムによる機能と、OSによる機能を使い分けることができる。
【0091】
ホストシステムは、複数の表示モードから入力操作に応じて1つの表示モードを選択し、複数の表示モードは、特定表示領域を設定し、当該特定表示領域に特定表示情報を表示する第1表示モード(例えば、特定モード)と、特定表示領域を設定せず、OSに基づく表示情報である標準表示情報を表示デバイスの画面領域に表示させる第2表示モード(例えば、標準モード)と、を含んでもよい。
この構成によれば、組み込みプログラムによる特定表示情報が表示可能な第1表示モードと、特定表示情報が表示されず、OSによる標準表示情報が表示可能な第2表示モードのいずれかが、入力操作により選択可能となる。そのため、ユーザは必要に応じて組み込みプログラムによる機能と、OSによる機能を使い分けることができる。
【0092】
ホストシステムは、第1表示モードにおいて、第1インタフェースを含む第1経路を用いて表示デバイスと接続し、第2表示モードにおいて、第2インタフェースを含む第2経路を用いて表示デバイスと接続してもよい。
この構成によれば、組み込みプログラムによる特定表示情報を表示させる表示デバイスとの接続において、OSに基づく第2経路とは別個の第1経路を用いる。そのため、OSに設定された第2経路が特定表示情報を表示できない場合に利用できない場合でも、第1経路を用いることで特定表示情報を表示させることができる。
【0093】
情報処理システムS1は、表示デバイスの画面領域と共通の検出領域において、他の物体との接触を検出する入力デバイス(例えば、タッチセンサ40)を備え、特定表示領域と共通の検出領域において検出された接触に基づく入力情報が組み込みプログラムの処理に用いられてもよい。
この構成によれば、組み込みプログラムによる特定表示情報が表示される特定表示領域と共通の検出領域への入力操作が組み込みプログラムの処理に用いられる。そのため、ユーザに対し特定表示情報が表示される特定表示領域を、当該処理を受け付け可能とする検出領域として認識させることができる。
【0094】
ホストシステム10は、組み込みプログラムの処理により得られる出力情報を、OSに基づく処理に用いてもよい。
この構成によれば、組み込みプログラムの処理結果となる出力情報が、OSに基づく処理に提供される。当該出力情報によりOSに基づく処理が支援される。
【0095】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0096】
S1…情報処理システム、10…ホストシステム、12…プロセッサ、14…メインメモリ、20…チップセット、20a…汎用入出力I/F、20b…グラフィックI/F、22…フラッシュメモリ、24…システムデバイス、30…表示装置、34…ブリッジ、36…タイミングコントローラ、38…EPD、40…タッチセンサ、112…OS処理部、114…入出力制御部、116…サービス管理部、362…入出力制御部