(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154156
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241023BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20241023BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067829
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理プログラムは、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、
利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、
前記キーボード操作情報、前記センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、
利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、
パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項2】
前記推定手順においては、前記キーボード操作情報が示す利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記推定手順においては、前記キーボード操作情報が示す利用者の大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性をさらに推定する、
請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記推定手順においては、前記センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付部と、
利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得部と、
前記キーボード操作情報、前記センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定部と、
利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定部と、
パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項6】
利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、
利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、
前記キーボード操作情報、前記センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、
利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、
パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、
を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、インターネットを介したサービスの利用において、ログインIDと、パスワードを対応付けたアカウントを作成して、サービスを利用する形態が増えている。そのため、利用者は複数のサービスを利用する場合は、複数のパスワードを管理する必要があることから、パスワードを忘れてしまってパスワードの誤入力をしてしまうことがあった。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、IDとパスワードが所定回数連続して不合致であると、IDに関連付けられたパスワードを失効するようにしたパスワード照合方法において、クライアントパソコンから入力されるパスワードに対し、失効する入力回数の一つ前に入力された該当パスワードの合致した桁の文字及び数字を、クライアントパソコンへ表示するようにしたことを特徴とするパスワード照合方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のパスワード照合方法は、パスワードが失効される前に、パスワードのヒントとなる情報を表示させることができるものの、利用者がパスワードを忘れてしまい確信がなくパスワードを入力した場合に、利用者をサポートする情報を利用者に提供することができなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理プログラムは、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、前記キーボード操作情報、前記センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置のパスワード入力事例記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置のアカウント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の通知情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法が限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100、利用者端末200により実行される例を示す。以下、実施形態に係る情報処理についてステップごとに順を追って説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、パスワードに関するキーボード操作情報を受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、利用者端末200にログインIDと、パスワードの入力画面を表示させて、利用者からパスワードの入力を受け付けてよい。この場合において、情報処理装置100は、パスワードに関するキーボード操作情報を受け付ける。なお、キーボード操作情報とは、利用者のキーボードの押下ボタンを示す情報であり、利用者が複数のボタンを同時に押下した場合は、複数の同時押しのボタンの組み合わせに関する情報を含む。情報処理装置100は、キーボード操作情報を受け付けたら、受け付けたキーボード操作情報を、利用者の利用者IDに紐付けて後述して説明するパスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0013】
次に、情報処理装置100は、パスワード入力時のセンサ情報を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する。ここで、センサ情報とは、利用者端末200の動作に関する情報であって、利用者端末200のセンサ部250によって計測された情報である。すなわち、情報処理装置100は、利用者からパスワードの入力を受け付けている最中の利用者端末200のセンサ部250によって計測されたセンサ情報を取得する。情報処理装置100は、利用者端末200のセンサ部250からセンサ情報を取得したら、取得したセンサ情報を、利用者の利用者IDに紐付けてパスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0014】
次に、情報処理装置100は、利用者のパスワードに対する確信度を推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する。情報処理装置100が、利用者のパスワードに対する確信度を推定する方法については、後述して具体的に説明する。
【0015】
次に、情報処理装置100は、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致するか否かを判定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、利用者の利用者IDに対応するアカウントのパスワードを後述して説明するアカウント情報記憶部123から読み出して、ステップS1において受け付けたキーボード操作情報が示す利用者が入力したパスワードと一致するか否かを判定する。情報処理装置100は、キーボード操作情報が示す利用者が入力したパスワードと一致するか否かを判定したら、判定結果を当該の利用者の利用者IDの当該の入力におけるキーボード操作情報に対応付けて、パスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0016】
次に、情報処理装置100は、確信度に応じて、利用者に通知する通知情報を選択する(ステップS5)。後述して説明するように通知情報記憶部124には、確信度に応じて利用者に通知する通知情報が記憶されている。情報処理装置100は、ステップS3において推定された確信度に応じて記憶された通知情報を通知情報記憶部124から読み出すことにより、利用者に通知する通知情報を選定する。例えば、利用者の確信度が所定の閾値以上である場合は、「単純な誤入力の可能性がありますので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを通知情報として選定する。また、また、利用者の確信度が所定の閾値以下である場合は、「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを通知情報として選定する。
【0017】
次に、情報処理装置100は、通知情報を利用者端末200に提供する(ステップS6)。すなわち、情報処理装置100は、ステップS5において選定された通知情報を利用者端末200に表示させることにより、利用者端末200に提供する。例えば、利用者端末200に「単純な誤入力の可能性がありますので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを表示させる。また、例えば、情報処理装置100は、「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを表示させることにより、通知情報を利用者端末200に提供する。
【0018】
これによれば、利用者のパスワードに対する確信度に応じて、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しなかった場合に、利用者にパスワードの入力をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0019】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、キーボード操作情報が示す利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。
【0020】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS2と同じ処理を実行する。ステップS1からS2は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0021】
次に、情報処理装置100は、キーボード操作情報が示す利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する(ステップS3-1)。例えば、情報処理装置100は、キーボード操作情報から求められるキーボードの押下間隔に基づいて、タイピング速度を算出し、方向キーの押下回数からキャレット編集回数を求めて、BackSpaceボタンや、Deleteボタンの押下回数に基づいてパスワード再入力の試行回数を導出する。そして、情報処理装置100は、利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワードの再入力の試行回数を説明変数として、利用者のパスワードに対する確信度を目的変数とする重回帰式に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。
【0022】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS4からステップS6と同じ処理を実行する。ステップS4からステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0023】
これによれば、利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定することができるため、適切に確信度を推定したうえで、利用者をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0024】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、キーボード操作情報が示す利用者の大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性をさらに推定する。
【0025】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS3と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0026】
次に、情報処理装置100は、キーボード操作情報が示す利用者の大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性をさらに推定する(ステップS3-2)。例えば、情報処理装置100は、ステップS1において受け付けたキーボード操作情報から、大文字小文字固定ボタン(CapsLockキーともいう)と、修飾キー(Shiftキー)の押下回数を算出して、押下回数が多いほど、キャピタライズについての誤入力の可能性が発生した可能性が高いと推定する。
【0027】
次に、情報処理装置100は、確信度、及び誤入力の可能性に応じて、利用者に通知する通知情報を選択する(ステップS4-1)。後述して説明するように通知情報記憶部124には、確信度、及び誤入力の可能性に応じて利用者に通知する通知情報が記憶されている。情報処理装置100は、ステップS3、及びステップS3-2において推定された確信度、及び誤入力の可能性に応じて記憶された通知情報を通知情報記憶部124から読み出すことにより、利用者に通知する通知情報を選定する。例えば、利用者の確信度が所定の閾値以上であり、誤入力の可能性が所定の閾値以上である場合は、「誤入力の可能性がありまので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを通知情報として選定する。また、利用者の確信度が所定の閾値以下であり、誤入力の可能性が所定の閾値以上である場合は、「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを通知情報として選定する。
【0028】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS5からステップS6と同じ処理を実行する。ステップS5からステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0029】
これによれば、大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性を推定することができる。そのため、確信度と、誤入力の可能性に応じて、利用者にパスワードの入力をサポートする適切な通知情報を提供することができる。したがって、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0030】
〔1-4.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。
【0031】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS2と同じ処理を実行する。ステップS1からS2は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0032】
次に、情報処理装置100は、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する(ステップS3-3)。例えば、パスワード入力事例記憶部121に記憶されたセンサ情報と、その際の利用者に対してパスワードの確信度について質問して得られた確信度の回答に基づいて、センサ情報と、利用者のパスワードに対する確信度との関係を学習させた学習済みモデルを生成する。そして、情報処理装置100は、センサ情報を学習済みモデルに入力することにより、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。なお、学習に用いるモデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)であってよい。
【0033】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS4からステップS5と同じ処理を実行する。ステップS4からステップS5は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0034】
これによれば、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定することができるため、適切に確信度を推定したうえで、利用者をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0035】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、ネットワークNを有する。以下、これらの構成について簡単に順を追って説明する。
【0036】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、例えば、利用者端末200からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0037】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0038】
ネットワークNは、情報処理装置100と、利用者端末200を有線、又は無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(ETHERNET(登録商標))により実現されてよい。また、ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)により実現されてよい。
【0039】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0040】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0041】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200などとの間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0043】
図3に示すように、記憶部120は、パスワード入力事例記憶部121と、モデル記憶部122と、アカウント情報記憶部123と、通知情報記憶部124を有する。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0044】
(パスワード入力事例記憶部121について)
パスワード入力事例記憶部121は、利用者ごとのパスワード入力事例に関する情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、パスワード入力事例記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置のパスワード入力事例記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0045】
図4に示す例において、パスワード入力事例記憶部121は、「利用者ID」、「キーボード操作情報」、「正誤判定結果」、「センサ情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0046】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「キーボード操作情報」は、利用者のパスワードの入力時のキーボードの操作に関する情報である。「正誤判定結果」は、パスワード入力の正誤の判定結果に関する情報である。「センサ情報」は、利用者のパスワードの入力時のセンサの計測値に関する情報である。
【0047】
すなわち、
図4においては、利用者ID「UDI#1」により識別される利用者のパスワードに関するキーボード操作情報が「INPK#1-1」であり、当該のパスワード入力の正誤判定結果が「TRUE」であり、当該の利用者のパスワードを入力時のセンサ情報「SDT#1-1」であるとして記憶されている例が示されている。
【0048】
なお、パスワード入力事例記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「キーボード操作情報」、「正誤判定結果」、「センサ情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のパスワード入力事例に関係する情報が記憶されてよい。
【0049】
(モデル記憶部122について)
モデル記憶部122は、センサ情報と、利用者のパスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルに関係する情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、モデル記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0050】
図5に示す例において、モデル記憶部122は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0051】
「モデルID」は、モデルを識別する識別子であり、文字列や番号によって表される。「モデルデータ」は、モデルのモデルデータを示す。例えば、モデルは、ニューラルネットワークなどであってよい。
【0052】
すなわち、
図5において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、モデルM#1を示す。また、モデルデータ「MDT#1」は、モデルM#1のモデルデータを示す。
【0053】
ここで、モデルがニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの各種情報が含まれる。
【0054】
なお、モデル記憶部122に記憶される情報は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のモデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0055】
(アカウント情報記憶部123について)
アカウント情報記憶部123は、アカウントに関係する情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、アカウント情報記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置のアカウント情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0056】
図6に示す例において、アカウント情報記憶部123は、「利用者ID」、「アカウント情報」、「パスワード」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0057】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「アカウント情報」は、「利用者ID」により識別される利用者のアカウントに関する情報であり、例えば、利用者の氏名、メールアドレスなどが含まれていてよい。「パスワード」は、「利用者ID」により識別される利用者のアカウントに紐付けられたパスワードを示す情報である。
【0058】
すなわち、
図6においては、利用者ID「UID#1」により識別される利用者のアカウント情報が「AC#1」であり、当該のアカウントに紐付けられたパスワードが「PWD#1」であることを示している。
【0059】
なお、アカウント情報記憶部123に記憶される情報は、「利用者ID」、「アカウント情報」、「パスワード」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のアカウントに関係する情報が記憶されてよい。
【0060】
(通知情報記憶部124について)
通知情報記憶部124は、利用者に通知する通知情報に関係する情報を記憶する。ここで、
図7を用いて、通知情報記憶部124が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置の通知情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0061】
図7に示す例において、通知情報記憶部124は、「通知情報ID」、「通知情報」、「確信度」、「誤入力可能性」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0062】
「通知情報ID」は、通知情報を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「通知情報」は、「通知情報ID」により識別される通知情報の中身の情報であり、例えば、利用者のパスワードの入力をサポートするメッセージである。「確信度」は、「通知情報ID」により識別される通知情報を通知する対象となる利用者のパスワードに対する確信度を示す。「誤入力可能性」は、「通知情報ID」により識別される通知情報を通知する対象となる利用者がパスワードを入力した際のキャピタライズについての誤入力が発生した可能性を示す。
【0063】
すなわち、
図7においては、通知情報ID「NTID#1」により識別される通知情報「NTF#1」を通知する対象となる利用者のパスワードに対する確信度が「CONF#1」であり、当該の利用者のパスワードを入力した際の誤入力可能性が「MTYP#1」であることを示している。
【0064】
なお、通知情報記憶部124に記憶される情報は、「通知情報ID」、「通知情報」、「確信度」、「誤入力可能性」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の通知情報に関係する情報が記憶されてよい。
【0065】
(制御部130について)
次に、
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))等の集積回路により実現されてもよい。
【0066】
制御部130は、
図3に示すように、受付部131と、取得部132と、推定部133と、判定部134と、選択部135と、提供部136と、を有する。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することで、これらの機能を実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。以下、これらの処理を、順を追って説明する。
【0067】
(受付部131について)
受付部131は、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける。例えば、受付部131は、利用者端末200にログインIDと、パスワードの入力画面を表示させて、利用者からパスワードの入力を受け付けてよい。この場合において、受付部131は、キーボード操作情報を受け付ける。キーボード操作情報とは、キーボードの押下ボタンを示す情報であり、複数のボタンを同時に押下した場合は、複数の同時押しのボタンの組み合わせに関する情報を含むものであってもよい。受付部131は、キーボード操作情報を受け付けたら、受け付けたキーボード操作情報を、利用者の利用者IDに紐付けてパスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0068】
(取得部132について)
取得部132は、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する。ここで、センサ情報とは、利用者端末200の動作に関する情報であって、利用者端末200のセンサ部250によって計測された情報である。例えば、取得部132は、センサ情報として、加速度センサの加速度計測値や、ジャイロセンサの角速度計測値などを取得する。すなわち、取得部132は、受付部131が利用者からパスワードの入力を受け付けている最中の利用者端末200のセンサ部250によって計測されたセンサ情報を取得する。取得部132は、利用者端末200のセンサ部250からセンサ情報を取得したら、取得したセンサ情報を、利用者の利用者IDに紐付けてパスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0069】
(推定部133について)
推定部133は、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する。なお、確信度とは、利用者のパスワードの記憶に対する自信の度合いを示し、例えば、パーセントによって表されてよい。例えば、推定部133は、キーボード操作情報に基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する。以下に、具体的に推定部133が確信度を推定する方法について説明する。
【0070】
例えば、推定部133は、キーボード操作情報が示す利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。例えば、キーボード操作情報から求められるキーボードの押下間隔に基づいて、タイピング速度を算出し、方向キーの押下回数からキャレット編集回数を求めて、BackSpaceボタンや、Deleteボタンの押下回数に基づいてパスワード再入力の試行回数を導出する。そして、推定部133は、利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワードの再入力の試行回数を説明変数として、利用者のパスワードに対する確信度を目的変数とする重回帰式に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定してよい。
【0071】
また、推定部133は、キーボード操作情報が示す利用者の大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性をさらに推定する。例えば、推定部133は、大文字小文字固定ボタン(CapsLockキーともいう)と、修飾キー(Shiftキー)の押下回数を算出して、押下回数が多いほど、キャピタライズについての誤入力の可能性が発生した可能性が高いと推定する。
【0072】
また、推定部133は、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。例えば、パスワード入力事例記憶部121に記憶されたセンサ情報と、その際の利用者に対してパスワードの確信度について質問して得られた確信度の回答に基づいて、センサ情報と、利用者のパスワードに対する確信度との関係を学習させた学習済みモデルを生成する。そして、推定部133は、センサ情報を学習済みモデルに入力することにより、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。なお、学習に用いるモデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)であってよい。
【0073】
(判定部134について)
判定部134は、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する。具体的には、判定部134は、利用者の利用者IDに対応するアカウントのパスワードをアカウント情報記憶部123から読み出して、キーボード操作情報が示す利用者が入力したパスワードと一致するか否かを判定する。判定部134は、キーボード操作情報が示す利用者が入力したパスワードと一致するか否かを判定したら、判定結果を当該の利用者の利用者IDの当該の入力におけるキーボード操作情報に対応付けて、パスワード入力事例記憶部121に記憶する。
【0074】
(選択部135について)
選択部135は、利用者に通知する通知情報を選択する。例えば、選択部135は、パスワードが一致していない場合に、利用者のパスワードに対する利用者の確信度に応じて利用者に通知する通知情報を選定する。前述したように、通知情報記憶部124には、確信度に応じて利用者に通知する通知情報が記憶されている。選択部135は、推定部133により推定された確信度に応じて、通知情報記憶部124に記憶された通知情報を読み出すことにより、利用者に通知する通知情報を選定する。例えば、利用者の確信度が所定の閾値以上である場合は、「単純な誤入力の可能性がありますので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを通知情報として選定する。また、また、利用者の確信度が所定の閾値以下である場合は、「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを通知情報として選定する。
【0075】
また、選択部135は、確信度、及び誤入力の可能性に応じて、利用者に通知する通知情報を選択する。前述して説明したように通知情報記憶部124には、確信度、及び誤入力の可能性に応じて利用者に通知する通知情報が記憶されている。選択部135は、推定部133において推定された確信度、及び誤入力の可能性に応じて記憶された通知情報を通知情報記憶部124から読み出すことにより、利用者に通知する通知情報を選定する。例えば、利用者の確信度が所定の閾値以上であり、誤入力の可能性が所定の閾値以上である場合は、「誤入力の可能性がありまので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを通知情報として選定する。また、利用者の確信度が所定の閾値以下であり、誤入力の可能性が所定の閾値以上である場合は、「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを通知情報として選定する。
【0076】
(提供部136について)
提供部136は、通知情報を利用者端末200に提供する。具体的には、提供部136は、選択部135が選択した通知情報を利用者端末200に提供する。例えば、提供部136は、利用者端末200に「パスワードを忘れましたか。パスワードを忘れた場合は、パスワードのリセットをお勧めします。」といったメッセージを表示させる。また、例えば、提供部136は、「誤入力の可能性がありますので、慎重にもう一度入力しなおしてください。」といったメッセージを表示させることにより通知情報を利用者端末200に提供する。
【0077】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。
図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図8に示すように、利用者端末200は、通信部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、センサ部250と、制御部260を有する。
【0078】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0079】
記憶部220は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部260が実行するプログラム、あるいは制御部260が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部260が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0080】
入力部230は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部230は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部240)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部230は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0081】
出力部240は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部230がタッチパネルである場合は、出力部240である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部240は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0082】
センサ部250は、利用者の動作に関する情報を計測する。センサ部250は、各種のセンサ情報を計測するセンサであって良い。センサ部250は、例えば、三軸ジャイロセンサと、三軸加速度センサとを組み合わせたIMU(Inertial Measurement Unit)であってもよい。
【0083】
なお、ジャイロセンサは、利用者端末200の角速度を計測する。ジャイロセンサは、可動電極に一方向に振動する一次振動を発生させておき、可動電極に回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働くことにより二次振動が発生し、静電容量の変化が生じるため、これを検出する静電容量型MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ジャイロセンサにより実現されてよい。
【0084】
また、加速度センサは、利用者端末200の加速度を計測する。加速度センサは、例えば、MEMSにより可動電極と固定電極を作り、可動電力が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0085】
制御部260は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部260は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0086】
図8に示すように、制御部260は、受付部261と、提供部262と、を有する。
【0087】
受付部261は、利用者の操作を受け付ける。例えば、受付部261は、出力部240にログインIDと、パスワードの入力画面を表示させて、利用者からパスワードの入力を受け付ける。この場合において、受付部261は、入力部230を介して、パスワードに関するキーボード操作情報を受け付ける。
【0088】
提供部262は、利用者に通知情報を通知する。例えば、提供部262は、出力部240に、通知情報を表示させることにより、利用者に通知情報を提供してよい。また、出力部240のスピーカーに通知情報を音声として出力させることにより、利用者に通知情報を提供してもよい。
【0089】
〔5.情報処理のフロー〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図9に示すフローチャートに沿って、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
【0090】
まず、情報処理装置100は、パスワードの入力を受け付ける(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、パスワード入力時のセンサデータを取得する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、パスワードの確信度を推定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致するか否かを判定する(ステップS104)。利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致する場合(ステップS104:Yes)、情報処理装置100は、確信度に応じて、利用者に通知する通知情報を選択する(ステップS105)。そして、情報処理装置100は、通知情報を利用者端末200に通知する(ステップS106)。
【0091】
なお、ステップS104において、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しない場合、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0092】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0093】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0094】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0095】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0096】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0097】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0098】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0099】
〔7.構成と効果〕
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる。
【0100】
この構成によれば、利用者のパスワードに対する確信度に応じて、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しなかった場合に、利用者にパスワードの入力をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0101】
本開示に係る情報処理プログラムの推定手順においては、キーボード操作情報が示す利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。
【0102】
この構成によれば、利用者のタイピング速度、キャレット編集回数、パスワード再入力の試行回数に基づいて、利用者のパスワードに対する確信度を推定することができるため、適切に確信度を推定したうえで、利用者をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0103】
本開示に係る情報処理プログラムの推定手順においては、キーボード操作情報が示す利用者の大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性をさらに推定する。
【0104】
この構成によれば、大文字小文字固定ボタンと、修飾キーの操作情報に基づいて、キャピタライズについての誤入力が生じた可能性を推定することができる。そのため、確信度と、誤入力の可能性に応じて、利用者にパスワードの入力をサポートする適切な通知情報を提供することができる。したがって、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0105】
本開示に係る情報処理プログラムの推定手順においては、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定する。
【0106】
この構成によれば、センサ情報と、パスワードに対する確信度との関係を学習した学習済みモデルを用いて、利用者のパスワードに対する確信度を推定することができるため、適切に確信度を推定したうえで、利用者をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0107】
本開示に係る情報処理装置100は、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付部131と、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得部132と、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定部133と、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定部134と、パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供部136と、を備える。
【0108】
この構成によれば、利用者のパスワードに対する確信度に応じて、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しなかった場合に、利用者にパスワードの入力をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理装置100を提供することができる。
【0109】
本開示に係る情報処理方法は、利用者のパスワード入力時のキーボード操作情報を受け付ける受付手順と、利用者のパスワード入力時のセンサ情報を取得する取得手順と、キーボード操作情報、センサ情報のうちの少なくとも一つに基づいて、パスワードに対する利用者の確信度を推定する推定手順と、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しているか否かを判定する判定手順と、パスワードが一致していない場合に、確信度に応じた通知情報を提供する提供手順と、を含む。
【0110】
この構成によれば、利用者のパスワードに対する確信度に応じて、利用者が入力したパスワードが登録されたパスワードに一致しなかった場合に、利用者にパスワードの入力をサポートする通知情報を提供することができる。そのため、パスワード入力の際に利用者を適切にサポートすることができる情報処理方法を提供することができる。
【0111】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0112】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部131は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0113】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 パスワード入力事例記憶部
122 モデル記憶部
123 アカウント情報記憶部
124 通知情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 取得部
133 推定部
134 判定部
135 選択部
136 提供部
200 利用者端末
210 通信部
220 記憶部
230 入力部
240 出力部
250 センサ部
260 制御部
261 受付部
262 提供部
N ネットワーク