(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154168
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/04 20060101AFI20241023BHJP
A61G 7/018 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
A47C19/04 A
A61G7/018
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067848
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040DD01
4C040DD05
4C040EE05
(57)【要約】
【課題】ベッド使用時の剛性感や安定感を増大させ、ベッドの寝心地を向上させること。
【解決手段】本発明では、横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部(50,61,70,81,92)で他方の部材に設けた受部(51,62,71,82,93)を支持するための支持機構(49,60,69,80,91)を有するベッド(1)において、支持部(50,61,70)と受部(51,62,71)との間に間隙が形成される位置から支持部(50,61,70)が受部(51,62,71)と当接する位置まで、支持部(50,61,70(移動体77))や受部(82,93(移動体98))を受部(51,62,71)や支持部(81,92)に向けて進出移動可能とすることにした。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられたベッドにおいて、
支持機構は、
可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部で他方の部材に設けた受部を支持し、
前記一方の部材に対して支持部を、支持部と受部との間に間隙が形成される位置から支持部が受部と当接する位置まで、受部に向けて進出移動可能としたことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記支持部は、前記受部と対向する位置に設けた移動体を、移動体と受部との間に間隙が形成される位置から移動体が受部と当接する位置まで、受部に向けて進出移動可能としたことを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記支持部を前記受部に向けて無段階に進出移動可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベッド。
【請求項4】
横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられたベッドにおいて、
支持機構は、
可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部で他方の部材に設けた受部を支持し、
前記他方の部材に対して受部を、受部と支持部との間に間隙が形成される位置から受部が支持部と当接する位置まで、支持部に向けて進出移動可能としたことを特徴とするベッド。
【請求項5】
前記受部は、前記支持部と対向する位置に設けた移動体を、移動体と支持部との間に間隙が形成される位置から移動体が支持部と当接する位置まで、支持部に向けて進出移動可能としたことを特徴とする請求項4に記載のベッド。
【請求項6】
前記受部を前記支持部に向けて無段階に進出移動可能としたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機構やリクライニング機構などのように固定部材に対して可動する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられたベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設や在宅介護・看護などにおいては、横臥者(仰臥位や側臥位や腹臥位などでベッドに横たわる者)が横臥する寝台全体が上下に昇降したり、寝台の一部(たとえば、横臥者の背中部分)が前後に起倒したりするベッドが利用されている。
【0003】
このベッドには、寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や、寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などが設けられている。
【0004】
これらの昇降機構や起倒機構などでは、可動する部材に設けた円柱状の支持部で、固定した部材に設けた断面コ字状の受部を支持するための支持機構が用いられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来のベッドでは、支持機構が円柱状の支持部で断面コ字状の受部を支持する構成となっているために、支持部や受部といった部品単体での寸法精度や部品を組付けた際の組立精度や組立易さなどが考慮されて、支持部と受部との間に間隙が形成されている。
【0007】
そのため、組立てられた状態のベッドにおいては、支持部と受部との間に間隙が形成されていることによって、横臥時や昇降・起倒動作時などのベッド使用時にベッド全体がガタつく要因となっており、ベッドの剛性感や安定感が低く寝心地が損なわれてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられたベッドにおいて、支持機構は、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部で他方の部材に設けた受部を支持し、前記一方の部材に対して支持部を、支持部と受部との間に間隙が形成される位置から支持部が受部と当接する位置まで、受部に向けて進出移動可能とすることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記支持部は、前記受部と対向する位置に設けた移動体を、移動体と受部との間に間隙が形成される位置から移動体が受部と当接する位置まで、受部に向けて進出移動可能とすることにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記支持部を前記受部に向けて無段階に進出移動可能とすることにした。
【0011】
また、請求項4に係る本発明では、横臥者が横臥する寝台を全体的に昇降させるための昇降機構や寝台の一部を部分的に起倒させるための起倒機構などのように固定部材に対して相対的に可動する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられたベッドにおいて、支持機構は、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部で他方の部材に設けた受部を支持し、前記他方の部材に対して受部を、受部と支持部との間に間隙が形成される位置から受部が支持部と当接する位置まで、支持部に向けて進出移動可能とすることにした。
【0012】
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項4に係る本発明において、前記受部は、前記支持部と対向する位置に設けた移動体を、移動体と支持部との間に間隙が形成される位置から移動体が支持部と当接する位置まで、支持部に向けて進出移動可能とすることにした。
【0013】
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項4又は請求項5に係る本発明において、前記受部を前記支持部に向けて無段階に進出移動可能とすることにした。
【発明の効果】
【0014】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0015】
すなわち、本発明では、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部で他方の部材に設けた受部を支持し、支持部を、支持部と受部との間に間隙が形成される位置から支持部が受部と当接する位置まで、受部に向けて進出移動可能としているため、或いは、受部を、受部と支持部との間に間隙が形成される位置から受部が支持部と当接する位置まで、支持部に向けて進出移動可能としているために、ベッドの組立時や組立後などにおいて支持部や受部を進出移動させることによって、支持部と受部との間の間隙を無くすことができ、横臥時や昇降・起倒動作時などのベッド使用時にベッド全体がガタつくことが無く、ベッドの剛性感や安定感を向上させることができ、ベッドの寝心地を向上させることができる。
【0016】
特に、支持部や受部を無段階に進出移動可能とした場合には、支持部と受部との間に形成された間隙が僅かであっても支持部や受部の位置を微調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るベッドを示す平面図(a)、側面図(b)。
【
図2】ベッドの昇降機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
【
図3】ベッドの上半身及び下半身起倒機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
【
図4】ベッドの上半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
【
図5】ベッドの下半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
【
図6】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、側面拡大断面図(b)、支持機構の動作を示す正面拡大断面図(c)。
【
図7】支持機構の受部を示す側面拡大図(a)、正面拡大図(b)、正面拡大A-A断面図(c)、支持機構を示す正面拡大断面図(d)、支持機構の動作を示す正面拡大断面図(e)。
【
図8】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、支持機構の動作を示す正面拡大断面図(b)。
【
図9】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、支持機構の動作を示す正面拡大断面図(b)。
【
図10】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、支持機構の動作を示す正面拡大断面図(b)。
【
図11】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、ローラーを示す正面図(b)、同背面図(c)。
【
図12】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、ローラーを示す正面図(b)、同背面図(c)。
【
図13】支持機構を示す正面拡大断面図(a)、ローラーを示す正面図(b)、同背面図(c)。
【
図15】支持機構を示す正面拡大断面図(装着時(a)、装着後(b))。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るベッドの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1~
図3に示すように、ベッド1は、基台2の上部に支持台3を着脱可能(組立及び分離可能)に設けるとともに、支持台3の上部に横臥者の身体を支持する寝台4を着脱可能(組立及び分離可能)に設けている。基台2と支持台3との間には、基台2に対して支持台3(寝台4)を全体的に昇降させるための昇降機構5が設けられている。また、支持台3と寝台4との間には、支持台3に対して寝台4の一部(上半身側)を部分的に起倒させるための上半身起倒機構6が設けられているとともに、支持台3に対して寝台4の一部(下半身側)を部分的に起倒させるための下半身起倒機構7が設けられている。なお、ここでは、便宜的に、ベッド1に横臥する者の足側(
図1中における右側)を前側とし、頭側(
図1中における左側)を後側として説明する。
【0020】
基台2は、前後方向に伸延する左右一対の基台フレーム8,9の前端下部及び後端下部にキャスター10,11を取付けて移動可能とするとともに、左右の基台フレーム8,9の前部間及び後部間に左右方向に伸延する連結フレーム12,13を取付け(固定し)ている。
【0021】
支持台3は、前後方向に伸延する左右一対の支持台フレーム14,15の前端部間及び後端部間にボード(フットボード16及びヘッドボード17)を着脱可能に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の中途部間に左右方向に伸延する連結フレーム18を取付け(固定し)ている。連結フレーム18は、中途部で湾曲させて上半身起倒機構6との干渉(衝突)を回避している。
【0022】
寝台4は、主に横臥者の尻の荷重を受ける(横臥者の尻を下方から支える)ための尻部受台19と、主に横臥者の上半身(尻よりも上側)の荷重を受ける(横臥者の上半身を下方から支える)ための上半身受台20と、主に横臥者の下半身(尻よりも下側)の荷重を受ける(横臥者の下半身を下方から支える)ための下半身受台とで構成している。この下半身受台は、主に横臥者の大腿の荷重を受ける(横臥者の大腿を下方から支える)ための大腿部受台21と、主に横臥者の下腿の荷重を受ける(横臥者の下腿を下方から支える)ための下腿部受台22とに分割して構成している。
【0023】
尻部受台19は、支持台3(支持台フレーム14,15)の概略中央上部に水平状に固定されている。
【0024】
上半身受台20は、支持台3(支持台フレーム14,15)の後側(尻部受台19よりも後側)上部に前端部を上下回動自在に枢着することによって支持台3や尻部受台19に対して起倒可能に設けられている。この上半身受台20は、後述する支持機構によって支持台3(支持台フレーム14,15)で支持されており、支持台フレーム14,15に沿って前後に移動しながら支持台フレーム14,15に対して上下に起倒するようになっている。なお、上半身受台20は、主に横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)を下方から支える)ための背部受台と、主に横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭を下方から支える)ための肩部受台とに分割して構成してもよい。
【0025】
下半身受台は、支持台3(支持台フレーム14,15)の尻部受台19よりも前側上部に大腿部受台21の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、大腿部受台21は、支持台3や尻部受台19に対して起倒可能となっている。また、下半身受台は、大腿部受台21の前端部に下腿部受台22の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、下腿部受台22は、支持台3や尻部受台19に対して大腿部受台21とともに起倒するとともに、大腿部受台21に対して起倒可能(自由に屈曲可能)となっている。なお、下腿部受台22は、後端部が大腿部受台21の前端部とともに動き、前端部が支持台3(支持台フレーム14,15)の上面に沿って動くようになっている。
【0026】
昇降機構5は、基台フレーム8,9の中途部間内側に左右方向に伸延する基台側移動フレーム23を基台フレーム8,9に沿って前後移動可能に取付けるとともに、支持台フレーム14,15の中途部間内側に左右方向に伸延する支持台側移動フレーム24を支持台フレーム14,15に沿って前後移動可能に取付けている。この昇降機構5の基台側移動フレーム23と支持台側移動フレーム24は、後述する支持機構によって基台フレーム8,9と支持台フレーム14,15でそれぞれ支持されている。支持台側の移動フレーム24は、中途部で湾曲させて下半身起倒機構7との干渉(衝突)を回避している。
【0027】
また、昇降機構5は、基台2の後側の連結フレーム13と基台側移動フレーム23に左右一対のクロスバー25,26の下端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けるとともに、支持台3の後側の連結フレーム18と支持台側移動フレーム24にクロスバー25,26の上端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けている。クロスバー25,26は、中央部で上下回動自在に連結されている。
【0028】
さらに、昇降機構5は、基台2の前側の連結フレーム12の中央部と支持台側移動フレーム24の中央部との間にアクチュエーター27を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター27は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が連結フレーム12に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が支持台側移動フレーム24に上下回動自在に取付けられている。昇降機構5のアクチュエーター27の下方には、アクチュエーター27を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター27に直接かからないように保護する)ための保護体28を設けている。保護体28は、連結フレーム12の下部に前方に向けて水平に伸延させた状態で取付けられている。
【0029】
そして、昇降機構5は、アクチュエーター27のロッドを伸縮させることで、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができるようになっている。なお、昇降機構5は、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0030】
上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後側中途部間に左右方向に伸延するとともに中央部を前側下方に向けて湾曲させた支持フレーム29を取付け、支持フレーム29の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム30,31を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム30,31の間には、前後方向に伸延する可動体32の基端部(前端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体32の先端部(後端部)には、左右にローラー33,34が回動自在に軸支されている。左右のローラー33,34は、上半身受台20の下部に上半身受台20に沿って転動可能に当接されている。可動体32は、後述する支持機構によって左右の支持アーム30,31の先端部で支持されている。
【0031】
また、上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後端部間に左右方向に伸延する支持フレーム35を取付け、支持フレーム35の中央部に下方へ向けて伸延する支持体36を取付けている。
【0032】
さらに、上半身起倒機構6は、支持体36の前側下部と可動体32の下側中途部との間にアクチュエーター37を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター37は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体36に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体32に上下回動自在に取付けられている。上半身起倒機構6のアクチュエーター37の下方には、アクチュエーター37を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター37に直接かからないように保護する)ための保護体38を設けている。保護体38は、基端部が支持体36の前側下部に前側上方に向けて屈曲させた状態で取付けられており、先端部が支持フレーム29の中央後部に取付けられている。
【0033】
そして、上半身起倒機構6は、アクチュエーター37のロッドを伸縮させることで、
図4に示すように、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができるようになっている。なお、上半身起倒機構6は、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0034】
下半身起動機構7は、支持台フレーム14,15の中途部前側間に左右方向に伸延する支持フレーム39を取付け、支持フレーム39の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム40,41を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム40,41の間には、前後方向に伸延する可動体42の基端部(後端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体42の先端部(前端部)には、左右にローラー43,44が回動自在に軸支されている。左右のローラー43,44は、大腿部受台21の下部に大腿部受台21に沿って転動可能に当接されている。可動体42は、後述する支持機構によって支持アーム40,41で支持されている。
【0035】
また、下半身起倒機構7は、支持台フレーム14,15の中途部後側間に左右方向に伸延する支持フレーム45を取付け、支持フレーム45の中央部に下方へ向けて伸延する支持体46を取付けている。
【0036】
さらに、下半身起倒機構7は、支持体46の前側下部と可動体42の下側後部との間にアクチュエーター47を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター47は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体46に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体42に上下回動自在に取付けられている。下半身起倒機構7のアクチュエーター47の下方には、アクチュエーター47を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター47に直接かからないように保護する)ための保護体48を設けている。保護体48は、基端部が支持体46の前側下部に前側上方に向けて左右に分岐して屈曲させた状態で取付けられており、二股状の先端部が支持フレーム39の中央後部に左右に間隔をあけて取付けられている。
【0037】
そして、下半身起倒機構7は、アクチュエーター47のロッドを伸縮させることで、
図5に示すように、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができるようになっている。なお、下半身起倒機構7は、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができればよく、アクチュエーター47を用いずに上半身起倒機構6のアクチュエーター37と可動体42とを連動連結させた構成としてもよく、上記構成に限定されるものではない。
【0038】
ベッド1は、概ね以上に説明した構成となっており、上記ベッド1では、横臥者が横臥する寝台4を全体的に昇降させるための昇降機構5や寝台4の一部を部分的に起倒させるための起倒機構(上半身起倒機構6、下半身起倒機構7)などにおいて、固定部材に対して相対的に可動(昇降や起倒など)する可動部材と固定部材との間に支持機構が設けられている。たとえば、ベッド1の昇降機構5では、固定された部材(固定部材)である支持台フレーム14,15と可動する部材(可動部材)である連結フレーム18や支持台側移動フレーム24との間に支持機構が設けられている。そこで、以下にこれらの支持機構の具体的な構成についてそれぞれ説明する。
【0039】
まず、支持台フレーム14,15と連結フレーム18との間に設けられた支持機構49について説明する。
【0040】
支持機構49は、
図6に示すように、可動部材である左右に伸延する連結フレーム18の左端部に支持部50を設けるとともに、固定部材である支持台フレーム14の内側面(右側面)に受部51を設け、支持部50で受部51を支持している。
【0041】
支持部50は、連結フレーム18の左端に軸体52を受部51と近接又は離反する方向(左右方向:支持部50が設けられた連結フレーム18の伸延方向)へ向けて進退移動可能に取付けている。ここでは、連結フレーム18の先端(左端)中空部に雌ネジ53を形成するとともに、軸体52の基端(右端)外周部に雄ネジ54を形成し、連結フレーム18の雌ネジ53に軸体52の雄ネジ54を螺着することで、連結フレーム18(可動部材)に対して支持部50が無段階に連続して受部51と近接又は離反する方向(左右方向)へ向けて進退移動(微調節)できるようにしている。
【0042】
軸体52は、雄ネジ54を形成した基端(右端)部の先端(左端)側にローレット55を設けるとともに、ローレット55の先端(左端)側に左右に伸延する回転軸56を設けている。
【0043】
この軸体52の回転軸56には、ローラー57が回動自在に取付けられている。なお、ローラー57には、図示されていないが、軸体52の回転軸56の軸線方向への移動を阻止する機構が設けられており、軸体52からローラー57が脱落しないようにしている。
【0044】
一方、受部51は、支持台フレーム14の内側面(右側面)に取付けられており(固定されており)、基壁58の周囲に逆U字形状の周壁59を形成して先端部(右端部)及び下部を開口させている。この受部51では、受部51の下部に形成された開口から支持部50のローラー57を挿入して、支持部50のローラー57を受部51の周壁59の内側上部に当接させることで、支持部50で受部51を支持するようにしている。
【0045】
この支持機構49では、組立時において、
図6(a)に示すように、受部51の基壁59の表面と支持部50のローラー57の端面との間に間隙が形成されていても、支持部50のローレット55を用いて軸体52を回動させることで支持部50(ローラー57)を受部51と近接する方向へ移動させることができ、
図6(c)に示すように、受部51の基壁59の表面と支持部50のローラー57の端面とを当接させて間隙を無くすことができる。
【0046】
このように、支持機構49は、可動部材(連結フレーム18)に対して支持部50(ローラー57)を、支持部50と受部51との間に間隙が形成される位置から支持部50が受部51と当接する位置まで、受部51に向けて進出移動可能となっている。
【0047】
しかも、支持機構49では、
図6(a)に示すように、支持部50を最も後退移動させた状態でも受部51(周壁59)が支持部50(ローラー57)で支持されており、支持部50を後退させても可動部材(支持部50)が固定部材(受部51)から脱落しないようになっている。
【0048】
この支持機構49では、昇降機構5によって支持台フレーム14に対して連結フレーム18が相対的に昇降する際に、支持部50のローラー57が受部51の周壁59に対して相対的に回動するようになっている。
【0049】
そして、支持機構49では、支持部50のローラー57が受部51の周壁59の内側上部で回動する時のローラー57と周壁59との間の抵抗よりも、支持部50の軸体52が可動部材(連結フレーム18)に対して進退移動(特に後退移動)する時の支持部50(雄ネジ54)と可動部材(連結フレーム18に形成した雌ネジ53)との間の抵抗の方が大きくなるようにして、支持部50が受部51に対して回動しても支持部50が可動部材(連結フレーム18)に対して進退移動しないようにしている。これにより、支持機構49では、固定部材(支持台フレーム14)に対して可動部材(連結フレーム18)が可動しても、支持部50が後退するのを抑制し、支持部50と受部51との間に隙間が形成されないようにしている。
【0050】
次に、支持台フレーム14,15と支持台側移動フレーム24との間に設けられた支持機構60について説明する。
【0051】
支持機構60は、
図7に示すように、可動部材である左右に伸延する支持台側移動フレーム24の左端部に支持部61を設けるとともに、固定部材である支持台フレーム14の内側面(右側面)に受部62を設け、支持部61で受部62を支持している。
【0052】
図7に示す支持機構60の支持部61は、
図6に示した支持機構49の支持部50と同様の構成となっており、同様の構造の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
この支持部61では、支持台側移動フレーム24の左端に軸体52を受部62と近接又は離反する方向(左右方向:支持部61が設けられた支持台側移動フレーム24の伸延方向)へ向けて進退移動可能に取付けている。ここでは、支持台側移動フレーム24の先端(左端)中空部に雌ネジ63を形成し、この雌ネジ63に軸体52の雄ネジ54を螺着することで、支持台側移動フレーム24(固定部材)に対して支持部61が無段階に連続して受部62と近接又は離反する方向(左右方向)へ向けて進退移動(微調節)できるようにしている。
【0054】
一方、受部62は、支持台フレーム14の内側面(右側面)に取付けられており(固定されており)、支持体フレーム14に沿って前後に伸延する横長矩形板状の基壁64の周囲に周壁65~68を形成して、先端部(右端部)及び下側一部を開口させている。この受部62では、受部62の下側に形成された開口から支持部61のローラー57を挿入して、支持部61のローラー57を受部62の上側の周壁65の内側上部に当接させることで、支持部61で受部62を支持するようにしている。また、この受部62では、支持部61のローラー57が受部62の上側の周壁65に沿って転動しながら前後に移動できるようになっている。
【0055】
この支持機構60では、組立時において、
図7(d)に示すように、受部62の基壁64の表面と支持部61のローラー57の端面との間に間隙が形成されていても、支持部61のローレット55を用いて軸体52を回動させることで支持部61(ローラー57)を受部62と近接する方向へ移動させることができ、
図7(e)に示すように、受部62の基壁64の表面と支持部61のローラー57の端面とを当接させて間隙を無くすことができる。
【0056】
このように、支持機構60は、可動部材(支持台側移動フレーム24)に対して支持部61(ローラー57)を、支持部61と受部62との間に間隙が形成される位置から支持部61が受部62と当接する位置まで、受部62に向けて進出移動可能となっている。
【0057】
しかも、支持機構60では、
図7(d)に示すように、支持部61を最も後退移動させた状態でも受部62(周壁65)が支持部61(ローラー57)で支持されており、支持部61を後退させても可動部材(支持部61)が固定部材(受部62)から脱落しないようになっている。
この支持機構60では、昇降機構5によって支持台フレーム14に対して支持台側移動フレーム24が相対的に昇降する際に、支持部61のローラー57が受部62の周壁64に対して相対的に前後に摺動するようになっている。
【0058】
そして、支持機構60では、支持部61のローラー57が受部62の周壁64の内側上部で転動しながら摺動する時のローラー57と周壁64との間の抵抗よりも、支持部61の軸体52が可動部材(支持台側移動フレーム24)に対して進退移動(特に後退移動)する時の支持部61(雄ネジ54)と可動部材(支持台側移動フレーム24に形成した雌ネジ63)との間の抵抗の方が大きくなるようにして、支持部61が受部62に対して摺動しても支持部61が可動部材(支持台側移動フレーム24)に対して進退移動しないようにしている。これにより、支持機構60では、固定部材(支持台フレーム14)に対して可動部材(支持台側移動フレーム24)が可動しても、支持部61が後退するのを抑制し、支持部61と受部62との間に隙間が形成されないようにしている。
【0059】
上記支持機構49,60では、支持部50,61を全体的に受部51,62に向けて進退移動させるように構成しているが、これに限られず、支持部の一部を部分的に受部に向けて進退移動させるようにしてもよく、また、受部を全体的又は受部の一部を部分的に支持部に向けて進退移動させるようにしてもよい。
【0060】
たとえば、
図8に示す支持機構69では、可動部材である左右に伸延する連結フレーム18の左端部に支持部70を設けるとともに、固定部材である支持台フレーム14の内側面(右側面)に受部71を設け、支持部70で受部71を支持している。
【0061】
支持部70は、連結フレーム18の左端に軸体72のベース73を取付け(固定し)、ベース73の先端(左端)側に左右に伸延する回転軸74を設け、回転軸74にローラー状の支持体75を回動自在に取付けている。
【0062】
支持体75は、回転軸74に回転自在に取付けられた第1のローラー76と、回転軸74に回動自在かつ摺動自在に取付けられた第2のローラー(移動体77)とからなり、第1のローラー76に第2のローラー(移動体77)を受部71と近接又は離反する方向(左右方向)へ向けて進退移動可能に取付けている。ここでは、移動体77の右側に雄ネジ78を形成するとともに、第1のローラー76の内周側に雌ネジ79を形成し、第1のローラー76の雌ネジ79に移動体77の雄ネジ78を螺着することで、連結フレーム18(可動部材)に対して支持部70が無段階に連続して受部71と近接又は離反する方向(左右方向:支持部70が設けられた連結フレーム18の伸延方向)へ向けて進退移動できるようにしている。
【0063】
図8に示す支持機構69の受部71は、
図6に示した支持機構49の受部51と同様の構成となっており、同様の構造の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
この受部71では、受部71の下部に形成された開口から支持部70の支持体75(第1のローラー76と第2のローラー(移動体77))を挿入して、支持部70の支持体75を受部71の周壁59の内側上部に当接させることで、支持部70で受部71を支持するようにしている。
【0065】
この支持機構69では、組立時において、
図8(a)に示すように、受部71の基壁59の表面と支持部70の支持体75(移動体77)の端面との間に間隙が形成されていても、支持部70の第1のローラー76を用いて移動体77を回動させることで支持部70の移動体77を受部71と近接する方向へ移動させることができ、
図8(c)に示すように、受部71の基壁59の表面と支持部70の支持体75(移動体77)の端面とを当接させて間隙を無くすことができる。
【0066】
このように、支持機構69では、支持部70の一部(移動体77)を部分的に受部71に向けて進退移動させるようにしている。
【0067】
また、
図9に示す支持機構80は、可動部材である左右に伸延する連結フレーム18の左端部に支持部81を設けるとともに、固定部材である支持台フレーム14の内側面(右側面)に受部82を設け、支持部81で受部82を支持している。
【0068】
支持部81は、連結フレーム18の左端に軸体83のベース84を取付け(固定し)、ベース84の先端(左端)側に左右に伸延する回転軸85を設け、回転軸85にローラー86を回動自在に取付けている。
【0069】
一方、受部82は、支持台フレーム14に左右に貫通する調節ネジ87を左右に移動可能に螺着し、調節ネジ87の先端(右端)部に受体88を回動自在に取付けている。ここでは、固定部材(支持台フレーム14)に調節ネジ87を螺着することで、支持台フレーム14に対して受部82(受体88)が無段階に連続して支持部81と近接又は離反する方向(左右方向:支持部81が設けられた連結フレーム18の伸延方向)へ向けて進退移動できるようにしている。
【0070】
受体88は、基壁89の周囲に逆U字形状の周壁90を形成して先端部(右端部)及び下部を開口させている。この受部82では、受部82の下部に形成された開口から支持部81のローラー86を挿入して、支持部81のローラー86を受部82の周壁90の内側上部に当接させることで、支持部81で受部82を支持するようにしている。
【0071】
この支持機構80では、組立時において、
図9(a)に示すように、受部82の基壁89の表面と支持部81のローラー86の端面との間に間隙が形成されていても、受部82の調節ネジ87を用いて受体88を支持部81と近接する方向へ移動させることができ、
図9(b)に示すように、受部82の基壁89の表面と支持部81のローラー86の端面とを当接させて間隙を無くすことができる。
【0072】
このように、支持機構80では、受部82を全体的に支持部81に向けて進退移動させるようにしている。
【0073】
また、
図10に示す支持機構91は、可動部材である左右に伸延する連結フレーム18の左端部に支持部92を設けるとともに、固定部材である支持台フレーム14の内側面(右側面)に受部93を設け、支持部92で受部93を支持している。
【0074】
図10に示す支持機構91の支持部92は、
図9に示した支持機構80の支持部81と同様の構成となっており、同様の構造の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
一方、受部93は、支持台フレーム14の下側面に受体94を取付け(固定し)ている。受体94は、基壁95の周囲に逆U字形状の周壁96を形成して先端部(右端部)及び下部を開口させている。この受部93では、受部93の下部に形成された開口から支持部92のローラー86を挿入して、支持部92のローラー86を受部93の周壁96の内側上部に当接させることで、支持部92で受部93を支持するようにしている。
【0076】
また、受部93は、受体94の基壁95に左右に伸延する調節ネジ97を螺着し、調節ネジ97の先端(右端)部に板状の移動体98を回動自在に取付けている。ここでは、固定部材(支持台フレーム14)に取付けた受体94に調節ネジ97を螺着することで、支持台フレーム14に対して受部93(受体94)の移動体98が無段階に連続して支持部92と近接又は離反する方向(左右方向:支持部92が設けられた連結フレーム18の伸延方向)へ向けて進退移動できるようにしている。
【0077】
この支持機構91では、組立時において、
図10(a)に示すように、受部93の移動体98の表面と支持部92のローラー86の端面との間に間隙が形成されていても、受部93の調節ネジ97を用いて移動体98を支持部92と近接する方向へ移動させることができ、
図10(b)に示すように、受部93の移動体98の表面と支持部92のローラー86の端面とを当接させて間隙を無くすことができる。
【0078】
このように、支持機構91では、受部93の一部(移動体98)を部分的に支持部92に向けて進退移動させるようにしている。
【0079】
上記支持機構49,60,69,80,91では、可動部材側に支持部50,61,70,81,92を設けるとともに、固定部材側に受部51,62,71,82,93を設けているが、これに限られず、可動部材側に受部51,62,71,82,93を設けるとともに、固定部材側に支持部50,61,70,81,92を設けてもよい。また、可動部材や固定部材の両端に支持部50,61,70,81,92や受部51,62,71,82,93を設けてもよく、可動部材や固定部材の片側だけに支持部50,61,70,81,92や受部51,62,71,82,93を設けてもよい。
【0080】
また、上記支持機構49,60,69,80,91では、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)の移動時の抵抗を、固定部材と可動部材との可動時における支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の抵抗よりも大きくしている。これにより、上記ベッド1では、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の可動時に不用意に支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)が後退移動してしまうのを防止し、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間に間隙が形成されるのを抑制している。なお、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)に突起やリング等の摩擦低減手段を設けたり、周り止めやストッパー等の停止手段を設けたり、バネやスプリングワッシャー等の付勢手段などを設けて、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を前進移動させて支持部50,61,70(移動体77),81,92と受部51,62,71,82,93(移動体98)とを当接させた後に、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)の後退移動を阻止又は抑制するようにしてもよい。
【0081】
たとえば、摩擦低減手段としては、
図11に示すように、
図6に示した支持機構49において、支持部50のローラー57の左右側面に環状の突起99,100を設け、突起99,100の頂部を円弧状に滑らかに形成してもよい。これにより、支持部50のローラー57と受部51の基壁58やローレット55とが突起99,100の頂部で接触することになり、摩擦(接触抵抗)を低減させることができる。
【0082】
なお、摩擦低減手段としては、円環状の突起99,100に限られず、
図12に示すように、ローラー57の左右側面に半球状の突起101,102を円周方向に向けて間隔をあけて複数設けてもよい。
【0083】
また、摩擦低減手段としては、ローラー57に突起99,100,101,102を一体的に設けた場合に限られない。
図13に示すように、
図6に示した支持機構49において、支持部50のローラー57を回動自在に支持する回転軸56にリング103,104を回動自在に設け、支持部50のローラー57と受部51の基壁58やローレット55との間にリング103,104を介在させてもよい。円環体103,104は、左右側面を滑らかな面で形成する。これにより、支持部50のローラー57と受部51の基壁58やローレット55とがリング103,104を介して接触することになり、摩擦(接触抵抗)を低減させることができる。
【0084】
また、停止手段としては、
図14に示すように、
図6に示した支持機構49において、支持部50の雄ネジ54の基端(右端)に円筒状の固定部105を形成するとともに、連結フレーム18の雌ネジ53の基端(右端)に固定ネジ106を螺着して、固定ネジ106で支持部50の固定部105を強制的に固定するようにしてもよい。
【0085】
また、付勢手段としては、
図15に示すように、
図6に示し支持機構49において、支持部50の連結フレーム18の左端中空部に円筒形状の軸体107を進退移動可能に設けるとともに、連結フレーム18の中空部に設けた隔壁108と軸体107との間にバネ109を設けて、支持部50を受部51へ向けて付勢するようにしてもよい(
図15(a))。なお、支持部50のローラー57の先端面に面取り(傾斜状の面取り(C面取り)や曲面状の面取り(R面取り))や湾曲面を形成することで、支持部50のローラー57の先端面が受部51に案内されて受部51に支持部50を容易に装着できるようにしてもよく、また、装着後に停止手段としての固定ネジ106で支持部50の軸体107を強制的に固定するようにしてもよい(
図15(b))。
【0086】
上記支持機構49,60,69,80,91は、昇降機構5に限られず、上半身起倒機構6や下半身起倒機構7などのように、固定部材と可動部材との間に設けられた支持機構に適用することができる。
【0087】
以上に説明したように、上記ベッド1において、支持機構49,60,69,80,91は、可動部材又は固定部材のいずれか一方の部材に設けた支持部50,61,70,81,92で他方の部材に設けた受部51,62,71,82,93を支持する構成となっている。
【0088】
そして、上記ベッド1において、支持機構49,60,69は、支持部50,61,70を、支持部50,61,70と受部51,62,71との間に間隙が形成される位置から支持部50,61,70が受部51,62,71と当接する位置まで、受部51,62,71に向けて進出移動可能とした構成となっている。特に、支持機構69の支持部70では、受部71と対向する位置に設けた移動体77を、移動体77と受部71との間に間隙が形成される位置から移動体77が受部71と当接する位置まで、受部71に向けて進出移動可能とした構成となっている。
【0089】
また、上記ベッド1において、支持機構80,91は、受部82,93を、受部82,93と支持部81,92との間に間隙が形成される位置から受部82,93が支持部81,92と当接する位置まで、支持部81,92に向けて進出移動可能とした構成となっている。特に、支持機構91の受部93では、支持部81と対向する位置に設けた移動体98を、移動体98と支持部81との間に間隙が形成される位置から移動体98が支持部81と当接する位置まで、支持部81に向けて進出移動可能とした構成となっている。
【0090】
そのため、上記構成のベッド1では、ベッド1の組立時や組立後などにおいて支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を受部51,62,71や支持部81,92に向けて進出移動させることによって、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の間隙を無くすることができ、横臥時や昇降・起倒動作時などのベッド1の使用時にベッド1全体がガタつくことが無くなり、ベッドの剛性感や安定感を向上させることができ、ベッドの寝心地を向上させることができる。
【0091】
また、上記ベッド1において、支持機構49,60,69,80,91は、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を無段階に進出移動可能とした構成となっている。
【0092】
そのため、上記構成のベッド1では、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間に形成された間隙が僅かであっても支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)の位置を微調節することができ、ベッド1の使用時にベッド1全体がガタつくことが無くなり、ベッドの剛性感や安定感を向上させることができ、ベッドの寝心地を向上させることができる。なお、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を細かく複数段階に段階的に進出移動させてもよい。
【0093】
また、上記ベッド1において、支持機構49,60,69,80,91は、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を最も後退移動させた状態でも支持部50,61,70,81,92が受部51,62,71,82,93を支持しているように構成している。
【0094】
そのため、上記構成のベッド1では、誤って支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)が後退移動しても、受部51,62,71,82,93が支持部支持部50,61,70,81,92から脱落してしまうのを防止することができ、ベッド1の使用時や組立作業時の安全性を向上させることができる。
【0095】
また、上記ベッド1において、支持機構49,60,69,80,91は、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)の移動時の抵抗を、固定部材と可動部材との可動時における支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の抵抗よりも大きくなるように構成している。
【0096】
そのため、上記構成のベッド1では、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の可動時に不用意に支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)が後退移動してしまうのを防止することができ、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間に間隙が形成されるのを抑制することができる。
【0097】
このように、上記ベッド1では、支持部50,61,70,81,92や受部51,62,71,82,93といった部品単体での寸法精度や部品を組付けた際の組立精度や組立易さなどを考慮して、支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間に間隙が形成されていても、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を移動させることによって支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の間隙を無くすることができるので、ベッド1の製造や組立を容易なものとすることができる。また、上記ベッド1では、基台2と支持台3とを組立及び分離可能に構成し、支持台3と寝台4とを組立及び分離可能に構成しているため、たとえば、複数台のベッド1をレンタルする場合などに、従来であれば、基台2と支持台3や支持台3と寝台4の組合せが変わると、ベッド1の組立時に支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間に間隙が形成されてしまうが、上記ベッド1では、基台2と支持台3や支持台3と寝台4の組合せが変わっても、支持部50,61,70(移動体77)や受部82,93(移動体98)を移動させることによって支持部50,61,70,81,92と受部51,62,71,82,93との間の間隙を無くすることができ、寝心地の良好なベッド1を提供(貸与)することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 ベッド 2 基台
3 支持台 4 寝台
5 昇降機構 6 上半身起倒機構
7 下半身起倒機構 8,9 基台フレーム
10,11 キャスター 12,13 連結フレーム
14,15 支持台フレーム 16 フットボード
17 ヘッドボード 18 連結フレーム
19 尻部受台 20 上半身受台
21 大腿部受台 22 下腿部受台
23 基台側移動フレーム 24 支持台側移動フレーム
25,26 クロスバー 27 アクチュエーター
28 保護体 29 支持フレーム
30,31 支持アーム 32 可動体
33,34 ローラー 35 支持フレーム
36 支持体 37 アクチュエーター
38 保護体 39 支持フレーム
40,41 支持アーム 42 可動体
43,44 ローラー 45 支持フレーム
46 支持体 47 アクチュエーター
48 保護体 49,60,69,80,91 支持機構
50,61,70,81,92 支持部 51,62,71,82,93 受部
52,72,83 軸体 53,63,79 雌ネジ
54,78 雄ネジ 55 ローレット
56,74,85 回転軸 57,86 ローラー
58,64,89,95 基壁 59,65~68,90,96 周壁
73,84 ベース 75 支持体
76 第1のローラー 77,98 移動体
87,97 調節ネジ 88,94 受体
99,100,101,102 突起 103,104 リング
105 固定部 106 固定ネジ
107 軸体 108 隔壁
109 バネ