(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154185
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】引張犬散歩補助ベルト
(51)【国際特許分類】
A01K 27/00 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A01K27/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067880
(22)【出願日】2023-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】306007484
【氏名又は名称】棚谷 学
(72)【発明者】
【氏名】棚谷 学
(57)【要約】 (修正有)
【課題】犬の気ままな行動による左右、後ろへの引っ張り力に対して瞬時にコントロールができる引張犬散歩補助ベルトを提供する。
【解決手段】引張犬散歩補助ベルトは、一端部に取手部を有するリードと、該リードを保持するための腰ベルトとを備えた引張犬散歩補助ベルトであって、前記腰ベルトには緩衝部材の一端が係止されるフックが取り付けられ、もう一方の前記緩衝部材の他端には前記リードを係止する緩衝部材取付部が設けられていて、前記リードへの取り付け位置は前記フックと前記緩衝部材とを直線状に配置した時の自然長が、前記リードの前記緩衝部材取付部から前記取手部の先端部までの長さより短くすることにより、緩衝部材の伸縮率によっては従来のリードの取手部の方が長くなり、リードの取り扱いが容易になり、常に散歩者のコントロール範囲に犬を置くことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に取手部を有するリードと、延伸する緩衝部材を介して前記リードを保持する腰ベルトとを備えた引張犬散歩補助ベルトであって、前記腰ベルトにはフックが設けられ、前記フックには前記緩衝部材の一端が係止され、前記リードには前記緩衝部材の他端が係止され、前記フックと前記緩衝部材とを直線状に配置した時の自然長が、前記リードの前記緩衝部材の係止部から前記取手部の先端部までの長さより短いことを特徴とする引張犬散歩補助ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬用リードに関し、特に引っ張り癖のある犬に対応するための補助ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、犬散歩用ベルトは、犬の散歩者の負担を軽減するために、多種考案されている。特許3852054における引っ張り癖犬対応散歩ベルトは、腰ベルトに腰当パットを挿入し犬の引っ張り力から腰を守り、またフックホルダーを腰ベルト前方に組み合わせ犬の急激な左右の引っ張り力で散歩者の身体バランスが崩れないようにすると共に、メインリードからの引っ張り支点をフックホルダー腰前方約12cmとして、腰ベルト及びショルダーベルトに力を均等に分散させる事で、犬の引っ張り力を身体全体で受け止め事ができる。また特開2012-120500号におけるリードリールは犬の引っ張りをリールによりリードを長く引き出すことで緩衝させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3852054
【特許文献2】特開2012-120500
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1の引張癖犬対応散歩ベルトは、犬との散歩において散歩者に対して犬の真っすぐに引く引張り力の身体に対する負荷対策は取っているものの、犬の身勝手な左右後ろに対しての引っ張り行動を瞬時に抑制する対策は不十分である。
【0005】
特許文献2のリールリードにおいては犬の引っ張り力に対応するため、リードを長くすると犬のコントロールが難しくなり、特に街中では他人に迷惑をかける事や自転車にリードが絡む事故や犬が道路に飛び出し事故の危険を生じる事がある。
【0006】
本発明は上述した、引っ張り癖対応散歩ベルトやリールリードにおける問題点に対して、解決することができる、引張犬散歩補助ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決する為に本発明の引張犬散歩補助ベルトは、腰ベルト及びポーチを兼ねた腰パット、安全切り離しファスニングを兼ねた腰ベルト取付ファスニング、さらには緩衝ゴム紐取付フックホルダー、緩衝ゴム紐、リード取付金具で構成されていて、引張癖犬対応散歩補助ベルトを従来のリードに取り付ける位置は、腰ベルトから延びる緩衝ゴム紐取付フックホルダー、緩衝ゴム紐、リード取付金具を合わせた長さを基に、従来のリードのリード取手部の後方端から同じ長さの位置を目安として接続するが、緩衝ゴム紐の伸縮率によっては緩衝ゴム紐が長く伸び、リードの取手部に散歩者の手が届かなくなるので、リードの取手部の方を長くする必要がある。このように各部品で構成された引張犬散歩補助ベルトは犬の引っ張り力をリードを持つ散歩者の腕と補助ベルトの腰に分散し、犬の引っ張り力を軽減することを目的としている。
【0008】
散歩者の持つ従来のリードによって常にコントロール範囲に犬がいるので、犬の勝手な左右、後ろへの引っ張りの行動が瞬時にコントロールでき、リールリードで生じやすい長く伸びたリードにより他人飛びつくなど迷惑をかける事や、走行中の自転車にリードが絡む事故や、コントロールが利かなくなった犬が車道に飛び出しての交通事故の危険性が少なくなる。また引張犬散歩補助ベルトがリードに繋がっているので犬の糞の清掃作業など両手で作業をしなければならない時はリードを持つ手を放しても犬が離れる事がない。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明の引張犬散歩補助ベルトは構成され、従来のリードに対して補助的に取り付けるもので、犬との散歩において散歩者の手で持つリードに掛かる犬の引っ張り力をサポート的に受け止め、リードを持つ散歩者の腕と補助ベルトの腰に犬の引っ張り力を分散することで散歩者に掛る負荷を軽減することを目的としている。さらには相乗効果として犬の引っ張り力により散歩者の腰が引っ張られるので、歩くことが楽になる。また散歩者が引張犬散歩補助ベルトを装着して犬との散歩中に、道路や鉄道踏切に犬が急に飛び出し散歩者が交通事故に巻き込まれそうになった時の対応策としては、腰ベルト切離ファスニングを作動させる事で引張犬散歩補助ベルトを的確に切り離し散歩者の身体の安全を確保できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に従った、引張犬散歩補助ベルトを示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に従った、引張犬散歩補助ベルトを散歩者100に装着して、犬200に引っ張られて散歩をしている状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に従った、引張犬散歩補助ベルトを従来のリード6に取り付ける位置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に従った、引張犬散歩補助ベルトに装備される緩衝ゴム紐4の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトを示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、引張犬散歩補助ベルトは、腰ベルト1後方にポーチを兼ねた腰当パット2が挿入され、腰ベルト1前方には緩衝ゴム紐取付フックホルダー3が装備されている。更に緩衝ゴム紐取付フックホルダー3に対して緩衝ゴム紐4を連結し、リード取付金具5においてリード6のリード取手部6Aの前方に接続している。なお、リード取付金具5の位置は、緩衝ゴム紐4の伸縮率に応じて適宜変更可能である。その位置は腰ベルト1から延びる緩衝ゴム紐取付フックホルダー3、緩衝ゴム紐4、リード取付金具5を合わせた長さ8を基として、リード6のリード取手部6Aの後方端から長さ8と同じ長さ8Aを目安に接続するが、緩衝ゴム紐4の伸縮率によっては、緩衝ゴム紐4が長く伸びるのでリード6の取手部6Aに散歩者の手が届かなくなるので、取手部側の方を8Bまで長くし、犬200の散歩者100が持つリード6に掛かる犬200の引っ張り力をリード6を持つ腕と引張犬散歩補助ベルトの腰に分散することで、犬200の引っ張り力を軽減することを目的としている。またこの位置は散歩者100が常にリード6を持つ手の位置に無理がなく、犬が勝手な動きをしたときには引き戻す腕の力が入りやすい位置である。さらに緩衝ゴム紐4の利点として、犬の急な引っ張り力が掛かった場合、腰ベルト1に掛かるショックが少なくなり腰に優しい。また引張犬散歩補助ベルト切離安全ファスニング1Aはベルト取付ファスニング1Aと兼用していて散歩者100が犬200に引き込まれての事故の危険を回避する場合は切離ファスニング1Aをワンタッチでプッシュする事により引張犬散歩補助ベルトがリリースされる。また腰当パット2を兼ねたポーチには、犬200が路上に糞をした場合には処理するための小型シャベル及びビニール袋を携帯できるようになっている。
【0013】
図2は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトを散歩者100が装着して、犬200に引っ張られて散歩している状態を示す斜視図である。
【0014】
図1に示す引張犬散歩補助ベルトを散歩者100の身体に装着する際は、腰ベルト1を散歩者100の腰にセットし腰ベルト・ファスニング1Aにより装着する。犬200に対してのリード6の接続はリード6の先端にあるリードフック6Bを犬200に取り付けたハーネス7に接続する。さらに散歩者100に装着した引張犬散歩補助ベルトを緩衝ゴム紐4先端にあるリード取付金具5において散歩者100の持つリード6に接続し引っ張り犬200との散歩を行う。
【0015】
図3は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトをリード6に取り付ける位置を示す斜視図である。
【0016】
図3に示すその位置は、腰ベルト1から延びる緩衝ゴム紐取付フックホルダー3、緩衝ゴム紐4、リード取付金具5を合わせた長さ8を基として、従来のリード6のリード取手部6Aの後方端から長さ8と同じ長さの位置8Aよりも、緩衝ゴム紐4の伸縮率によっては、リード6の取手部6Aに散歩者の手が届かなくなるので取手部6A側の方を8Bまで長くする。
【0017】
図4は、この発明の実施形態に従った引張犬散歩補助ベルトに装備された緩衝ゴム紐4Bの斜視図である。
【0018】
図4に示す緩衝ゴム紐は腰に対するショックが少なく軽量で構造が簡単な利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0019】
ペットブームという中で引っ張り癖のある犬を飼っている家庭は全国的に多数いる。その中でも犬に引っ張られての散歩が余りにも大変という理由で散歩に困っている方や、自分の健康のためのウォーキングを犬との散歩に託して行う方に大いに普及する可能性がある。また構造が簡単なため製作費が安く、低価格で市場に提供できる事からも普及する可能性はある。また犬の散歩の際に従来のリード使用において、犬の引っ張り力を軽減するためにサポート用として取り付けるものであるため、散歩者が装着しても目立つものではなく使用者の抵抗感は薄いと思われる。全国にいる大型犬から小型犬までの引っ張り癖のある犬との散歩において楽に安全な散歩を提供することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 腰ベルト
1A 腰ベルト・ファスニング(引張犬散歩補助ベルト切離安全ファスニング、ベルト取付ファスニング、切離ファスニング)
2 腰当パット(ポーチ)
3 緩衝ゴム紐取付フックホルダー
4 緩衝ゴム紐
5 リード取付金具
6 リード
6A リード取手部
6B リードフック
7 ハーネス
8 腰ベルトから従来のリードまでの長さ
8A 従来のリード取手部先端からの長さ
8B 緩衝ゴム紐が伸びた場合の腰ベルトから従来のリードまでの長さ(8の長さより長くなる)
100 散歩者
200 犬
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に取っ手部を有するリードと、延伸する緩衝部材を介して前記リードを保持する腰ベルトを備えた引張犬散歩補助ベルトであって、前記腰ベルトにはフックが設けられ、前記フックには前記緩衝部材の一端が係止され、前記リードには前記緩衝部材の他端がその取付位置が変更可能と係止され、前記フックと前記緩衝部材とを直線状に配置した時の自然長が、前記リードの前記緩衝部材の係止部から前記取手部の先端部までの長さより短くなるように前記緩衝部材が前記リードに係止されることを特徴とする引張犬散歩補助ベルト。