(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154194
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20241023BHJP
【ＦＩ】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023067898
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】岩永 朝陽
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード（参考）】
5L049
5L050
【Ｆターム（参考）】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】ライセンスを管理することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、知的財産権を特定する知財特定情報、及び知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、知財特定情報、及び知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、知財特定情報、及び商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、指定された使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれもユーザであることを検査する検査部と、を備える。
【選択図】図１
【解決手段】情報処理システムであって、知的財産権を特定する知財特定情報、及び知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、知財特定情報、及び知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、知財特定情報、及び商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、指定された使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれもユーザであることを検査する検査部と、を備える。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査する検査部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査する検査部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかには、前記開発又は前記販売が許諾される期間が設定されること、
を特徴とする、請求項１に記載の情報処理システム。
を特徴とする、請求項１に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記期間の指定を受け付ける期間指定部と、
指定された前記期間を前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかに設定するトランザクションを発行する期間設定部と、
を備えることを特徴とする、請求項１に記載の情報処理システム。
指定された前記期間を前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかに設定するトランザクションを発行する期間設定部と、
を備えることを特徴とする、請求項１に記載の情報処理システム。
【請求項4】
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライセンス契約をシステムで管理することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-156924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライセンスの許諾を分かりやすく管理するニーズがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、ライセンスを管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査する検査部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ライセンスを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】管理サーバ２のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】管理サーバ２のソフトウェア構成例を示す図である。
【図4】管理サーバ２の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
＜発明の概要＞
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
［項目１］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査する検査部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
［項目２］
前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかには、前記開発又は前記販売が許諾される期間が設定されること、
を特徴とする、項目１に記載の情報処理システム。
［項目３］
前記期間の指定を受け付ける期間指定部と、
指定された前記期間を前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかに設定するトランザクションを発行する期間設定部と、
を備えることを特徴とする、項目１に記載の情報処理システム。
［項目４］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
［項目５］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
［項目１］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行する使用ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行する開発ＮＦＴ発行部と、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行する販売ＮＦＴ発行部と、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付ける受付部と、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査する検査部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
［項目２］
前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかには、前記開発又は前記販売が許諾される期間が設定されること、
を特徴とする、項目１に記載の情報処理システム。
［項目３］
前記期間の指定を受け付ける期間指定部と、
指定された前記期間を前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかに設定するトランザクションを発行する期間設定部と、
を備えることを特徴とする、項目１に記載の情報処理システム。
［項目４］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
［項目５］
知的財産権を特定する知財特定情報、及び前記知的財産権に関する技術を使用するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである使用ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記知的財産権に関する商品又はサービスを開発するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである開発ＮＦＴを発行するステップと、
前記知財特定情報、及び前記商品又はサービスを販売するための許諾情報をメタデータに設定したＮＦＴである販売ＮＦＴを発行するステップと、
前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかの指定、ならびに、許諾を証明しようとするユーザの指定を受け付けるステップと、
指定された前記使用ＮＦＴ、前記開発ＮＦＴ及び前記販売ＮＦＴの少なくともいずれかのオーナーがいずれも前記ユーザであることを検査するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
＜システムの概要＞
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ２を含んで構成される。管理サーバ２は、ユーザ端末１と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット（登録商標）などにより構築される。
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ２を含んで構成される。管理サーバ２は、ユーザ端末１と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット（登録商標）などにより構築される。
【0012】
管理サーバ２は、ブロックチェーンネットワーク３とも通信可能に接続される。ブロックチェーンネットワーク３は、複数のノード（コンピュータ）により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク３は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0013】
ユーザ端末１は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末１は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0014】
管理サーバ２は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワーク３によって発行可能なトークン（イーサリアムトークン）としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン（非代替性トークン；ＮＦＴ；Non Fungible Token）とがある。ＮＦＴは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。ＮＦＴは、他のＮＦＴと区別される独自の価値を有することができる。このため、ＮＦＴは、他のＮＦＴとの区別を可能にするための固有の識別子（ＮＦＴ－ＩＤ）を有する。ＮＦＴは、例えば、ＥＲＣ（Ethereum Request for Comments）７２１規格に従って発行されたトークンである。ＥＲＣ７２１規格に準拠したＮＦＴは、ＮＦＴ－７２１トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、ＮＦＴは、ＮＦＴ－７２１トークンであることを想定する。ＮＦＴは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク３上において取引可能である。ＮＦＴの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク３において記録される。ブロックチェーンネットワーク３の分散台帳では、ＮＦＴの所有者（オーナー）及び所有履歴も記録される。
【0016】
本実施形態の情報処理システムでは、ＮＦＴを用いて特許権のライセンスを管理する。本実施形態では、特許権のライセンスは、細分化される。本実施形態では、特許権のライセンスは、特許権に係る技術を使用する権利（使用権）、特許権に係る商品又はサービスを開発及び生産する権利（開発権）、及び特許権に係る商品又はサービスを販売又は譲渡（販売又は譲渡の申出を含む）する権利（販売権）に細分化されるものとするが、これ以上の権利に細分化するようにしてもよい。各権利につき、ＮＦＴが発行される。特許権のライセンスを受けるライセンシーは、自社内において使用する場合には、使用権のみ、自社で開発を行う場合には、使用権及び／又は開発権、自社で販売を行う場合には、使用権及び／又は販売権を得る必要がある。したがって、ライセンシーは、自社で使用する場合には、使用権に対応するＮＦＴを購入し、自社で開発を行う場合には、使用権に対応するＮＦＴと、開発権に対応するＮＦＴとを購入し、自社で販売を行う場合には、使用権に対応するＮＦＴと、販売権に対応するＮＦＴとを購入する。ＮＦＴのオーナーとしてライセンシーが設定されていることを持って、当該特許のライセンスの許諾がなされていることを証明する。
【0017】
＜管理サーバ＞
図２は、管理サーバ２のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ２は、ＣＰＵ２０１、メモリ２０２、記憶装置２０３、通信インタフェース２０４、入力装置２０５、出力装置２０６を備える。記憶装置２０３は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース２０４は、通信ネットワーク３に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット（登録商標）に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのＵＳＢ（Universal Serial Bus）コネクタやＲＳ２３２Ｃコネクタなどである。入力装置２０５は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置２０６は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ２の各機能部はＣＰＵ２０１が記憶装置２０３に記憶されているプログラムをメモリ２０２に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ２の各記憶部はメモリ２０２及び記憶装置２０３が提供する記憶領域の一部として実現される。
図２は、管理サーバ２のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ２は、ＣＰＵ２０１、メモリ２０２、記憶装置２０３、通信インタフェース２０４、入力装置２０５、出力装置２０６を備える。記憶装置２０３は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース２０４は、通信ネットワーク３に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット（登録商標）に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのＵＳＢ（Universal Serial Bus）コネクタやＲＳ２３２Ｃコネクタなどである。入力装置２０５は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置２０６は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ２の各機能部はＣＰＵ２０１が記憶装置２０３に記憶されているプログラムをメモリ２０２に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ２の各記憶部はメモリ２０２及び記憶装置２０３が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
図３は、管理サーバ２のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ２は、使用ＮＦＴ発行部２１１と、開発ＮＦＴ発行部２１２と、販売ＮＦＴ発行部２１３と、許諾確認受付部２１４と、検査部２１５と、期間指定部２１６と、期間設定部２１７と、を備える。
【0019】
＜機能部＞
使用ＮＦＴ発行部２１１は、知的財産権に係る技術の使用を許諾することを示すＮＦＴ（以下、使用ＮＦＴという。）を発行する。使用ＮＦＴには、知的財産権を特定する知財特定情報と、知的財産権に関する技術の使用の許諾を示す情報とがメタデータに設定される。知的財産権に関する技術の使用の許諾を示す情報は、例えば、許諾することを表す文章を含むテキストデータとすることができる。
使用ＮＦＴ発行部２１１は、知的財産権に係る技術の使用を許諾することを示すＮＦＴ（以下、使用ＮＦＴという。）を発行する。使用ＮＦＴには、知的財産権を特定する知財特定情報と、知的財産権に関する技術の使用の許諾を示す情報とがメタデータに設定される。知的財産権に関する技術の使用の許諾を示す情報は、例えば、許諾することを表す文章を含むテキストデータとすることができる。
【0020】
開発ＮＦＴ発行部２１２は、知的財産権に関する商品又はサービスの開発を許諾することを示すＮＦＴ（以下、開発ＮＦＴという。）を発行する。開発ＮＦＴには、知的財産権を特定する知財特定情報と、知的財産権に関する商品又はサービスの開発の許諾を示す情報とがメタデータに設定される。開発の許諾を示す情報は、例えば、許諾することを表す文章を含むテキストデータとすることができる。開発ＮＦＴにはさらに、開発が許諾される期間を示す情報（例えば、期限日であってよい。）がメタデータに設定されうる。
【0021】
販売ＮＦＴ発行部２１３は、知的財産権に関する商品又はサービスの販売を許諾することを示すＮＦＴ（以下、販売ＮＦＴという。）を発行する。販売ＮＦＴには、知的財産権を特定する知財特定情報と、知的財産権に関する商品又はサービスの販売の許諾を示す情報とがメタデータに設定される。販売の許諾を示す情報は、例えば、許諾することを表す文章を含むテキストデータとすることができる。販売ＮＦＴにはさらに、販売が許諾される期間を示す情報（例えば、期限日であってよい。）がメタデータに設定されうる。販売ＮＦＴにはさらに、販売が許諾される地理的な範囲を特定する情報（例えば、国名であってよい。地域名や市区町村名、ジオフェンスなどであってもよい。）がメタデータに設定されうる。
【0022】
使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかには、使用、開発又は販売が許諾される期間が設定されうる。期間はＮＦＴのメタデータに設置されうる。
【0023】
許諾確認受付部２１４は、知的財産権の許諾を確認するリクエスト（以下、許諾確認リクエストという。）を受け付ける。許諾確認リクエストには、使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ又は販売ＮＦＴと、許諾を証明しようとするユーザとを指定することができる。例えば、許諾確認リクエストには、使用ＮＦＴを特定する第１のＮＦＴ－ＩＤと、開発ＮＦＴ又は販売ＮＦＴを特定する第２のＮＦＴ－ＩＤと、許諾を証明しようとするユーザを特定するユーザＩＤとを設定することができる。また、許諾確認リクエストには、販売ＮＦＴ又は開発ＮＦＴを特定する第３のＮＦＴ－ＩＤを設定することもできる。
【0024】
許諾確認受付部２１４は、例えば、ユーザ端末１から許諾確認リクエストを受信することができる。また、許諾確認受付部２１４は、例えば、外部のサーバから許諾確認リクエストを受信することもできる。
【0025】
許諾確認リクエストには、許諾に係る知的財産権を特定する知財特定情報を設定することもできる。この場合、使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴとを示すＮＦＴ－ＩＤは許諾確認リクエストに設定しなくてもよい。
【0026】
検査部２１５は、指定された使用ＮＦＴのオーナーと、指定された開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴのオーナーとがいずれも、指定されたユーザであることを検査する。また、検査部２１５は、指定された使用ＮＦＴに設定されている知財特定情報により特定される知的財産権と、指定された開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴに設定されている知財特定情報により特定される知的財産権とが一致することも検査することができる。検査部２１５は、例えば、ユーザ端末１から受信した第１のＮＦＴ－ＩＤが示すＮＦＴをブロックチェーンネットワーク３から取得し、取得したＮＦＴに、受け付けた知財特定情報と、使用を許諾することを示す情報とが設定されているか否かを検査することができる。検査部２１５はまた、例えば、ユーザ端末１から受信した第２のＮＦＴ－ＩＤが示すＮＦＴをブロックチェーンネットワーク３から取得し、取得したＮＦＴに、受け付けた知財特定情報と、開発又は販売を許諾することを示す情報とが設定されているか否かを検査することができる。許諾確認リクエストに第３のＮＦＴ－ＩＤが設定されている場合には、検査部２１５は、第３のＮＦＴ－ＩＤが示すＮＦＴをブロックチェーンネットワーク３から取得し、取得したＮＦＴに、受け付けた知財特定情報と、開発又は販売を許諾することを示す情報とが設定されているか否かを検査することができる。
【0027】
許諾確認リクエストに知財特定情報が設定されている場合には、検査部２１５は、ブロックチェーンネットワーク３から、知財特定情報が設定されているＮＦＴを検索することができる。なお、知財特定情報とＮＦＴ－ＩＤとを対応付けて管理するデータベースを管理サーバ２が備えるようにし、当該データベースを検索するようにしてもよい。検査部２１５は、知財特定情報に対応する使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴとのオーナーが、許諾確認リクエストに指定されているユーザと一致することを検査することができる。
【0028】
検査部２１５は、検査結果を出力することができる。検査部２１５は、例えば、検査結果を許諾確認リクエストの送信元に送信することができる。
【0029】
許諾確認受付部２１４及び検査部２１５により、ユーザに対する知的財産権の許諾の有無を確認するＡＰＩを提供することができる。
【0030】
期間指定部２１６は、使用、開発又は販売に係る期間の指定を受け付ける。期間指定部２１６は、例えば、同じ知的財産権に対応する使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかの発行者から、期間の指定を受け付けることができる。期間指定部２１６は、期間を設定するＮＦＴを特定するＮＦＴ－ＩＤを受け付けることができる。
【0031】
期間設定部２１７は、指定された期間をＮＦＴに設定する。期間設定部は、使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴの少なくともいずれかに、受け付けた期間を設定することができる。期間設定部２１７は、受け付けたＮＦＴ－ＩＤにより特定されるＮＦＴに、受け付けた期間を設定することができる。期間設定部２１７は、指定された期間をＮＦＴに設定するトランザクションを発行することができる。
【0032】
検査部２１５は、使用ＮＦＴ、開発ＮＦＴ及び販売ＮＦＴのいずれかに期間が設定されている場合には、許諾確認リクエストを受信した日時（又は現在日時）が、設定されている期間内（複数のＮＦＴに設定されている場合には、全てのＮＦＴの期間内）であるか否かを検査することができる。
【0033】
＜動作＞
図４は、管理サーバ２の動作を説明する図である。
図４は、管理サーバ２の動作を説明する図である。
【0034】
管理サーバ２は、使用ＮＦＴを発行し（Ｓ３０１）、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴを発行する（Ｓ３０２）。管理サーバ２は、開発及び／又は販売を許諾するユーザのウォレットに、使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴとを移動することができる。
【0035】
管理サーバ２は、許諾確認リクエストを受信し（Ｓ３０３）、許諾確認リクエストに応じて使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴとをブロックチェーンネットワーク３から取得し（Ｓ３０４）、使用ＮＦＴのオーナーと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴのオーナーとが、許諾確認リクエストに指定されているユーザと一致するとともに、使用ＮＦＴと、開発ＮＦＴ及び／又は販売ＮＦＴのいずれかに期間が設定されている場合には、現在日時がその期間内であることを検査する（Ｓ３０５）。
【0036】
管理サーバ２は、検査結果を応答する（Ｓ３０６）。
【0037】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、知的財産権に係る使用と、開発及び／又は販売との許諾を容易に、公正に、改ざん困難に管理することができる。
【0038】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0039】
１ ユーザ端末
２ 管理サーバ
３ ブロックチェーンネットワーク
２ 管理サーバ
３ ブロックチェーンネットワーク
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】