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特開2024-154202非常用機器および非常用電力供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154202
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】非常用機器および非常用電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20241023BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20241023BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20241023BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241023BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
F21S9/02 110
H05B47/115
H05B45/37
H05B47/16
H02J9/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067910
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】相場 明穂
(72)【発明者】
【氏名】田邊 浩義
【テーマコード(参考)】
3K273
5G015
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA27
3K273RA12
3K273RA13
3K273SA01
3K273SA08
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA37
3K273SA47
3K273SA48
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA09
3K273TA12
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA40
3K273TA49
3K273UA22
3K273UA24
3K273UA27
3K273UA29
5G015JA52
5G015JA59
(57)【要約】
【課題】本開示は非常時に非常用電源により稼働する非常用機器に関し、搭載する電池の電力が不足した場合も動作が停止するのを防ぐことができる、非常用機器を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の非常用機器は、非常用電源としての電池を備える。非常時には、電池の残量が基準値以上であるか否かを判定する。電池の残量が基準値以上である場合は、該電池の電力を他の非常用機器へ供給する。一方、電池の残量が基準値以上でない場合は、他の非常用機器の電池から電力を受け付け、他の非常用機器から受け付けた電力に基づき、自己を駆動する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時に非常用電源により稼働する非常用機器であって、
前記非常用電源としての電池を備え、
前記非常時には、前記電池の残量が基準値以上であるか否かを判定する残量判定処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上である場合に、
前記電池の電力を他の非常用機器へ供給する供給処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上でない場合に、
他の非常用機器の電池から電力を受け付ける受け付け処理と、
前記他の非常用機器から受け付けた電力に基づき、自己を駆動する駆動処理と、
を実行するように構成される、非常用機器。
【請求項2】
人感センサをさらに備え、
前記人感センサにおいて、人が検出されたか否かを判定する処理をさらに実行し、
前記受け付け処理と前記駆動処理は、人の検出が認められた場合に実行される、請求項1に記載の非常用機器。
【請求項3】
前記残量判定処理の結果、自己が備える前記電池の残量が前記基準値以上である場合に、
自己が備える前記電池に基づき、自己を駆動する自己駆動処理と、
前記自己駆動処理が所定時間以上実施されたか否かを判定する処理と、
をさらに実行し、
前記供給処理は、前記自己駆動処理が所定時間以上実施されたと認められる場合に、実行される、請求項1に記載の非常用機器。
【請求項4】
自己が備える前記電池の放電電圧に基づき、前記電池を点検する点検処理をさらに実行し、
前記供給処理、前記受け付け処理、および前記駆動処理は、前記点検処理の実行中は実行されない、請求項1から3いずれか1項に記載の非常用機器。
【請求項5】
前記受け付け処理と前記供給処理を実行する外部入出力回路をさらに備え、
前記外部入出力回路は、外部電源が供給される平常時においては、
前記外部電源の交流電圧を直流電圧に変換する処理をさらに実行するように構成され、
前記平常時においては、変換された前記直流電圧に基づき、自己を駆動する処理をさらに実行するように構成される、請求項1から3いずれか1項に記載の非常用機器。
【請求項6】
自己に接続される外部電源の電圧に基づき、前記非常時であるか否かを判定する非常時判定処理をさらに実行し、
前記非常時判定処理においては、前記外部電源の電圧が基準電圧値を下回った場合に、前記非常時と判定する、請求項1に記載の非常用機器。
【請求項7】
前記基準値は、前記電池の放電が終了したことを示す放電基準電圧である、請求項1に記載の非常用機器。
【請求項8】
請求項1に記載の非常用機器を複数備える、非常用電力供給システム。
【請求項9】
複数の前記非常用機器が接続される外部電源は一つであり、
前記外部電源に接続されるリレーをさらに備え、
前記リレーは、外部電源からの電圧に基づき、前記非常用機器への該電圧の供給を入り切りする処理を実行するように構成される、請求項8に記載の非常用電力供給システム。
【請求項10】
前記非常用機器は、第一の外部電源から第一の電源系統により給電される第一の非常用機器と、第二の外部電源から第二の電源系統により給電される第二の非常用機器とを含み、
前記第一の非常用機器と前記第二の非常用機器の各々は、前記受け付け処理と前記供給処理を実行する外部入出力回路をさらに備え、
前記第一の非常用機器の前記外部入出力回路と前記第二の非常用機器の前記外部入出力回路は、前記第一の電源系統および前記第二の電源系統とは電気的に切り離された第三の電源系統により互いに接続され、
前記供給処理および前記受け付け処理における前記電池の前記電力は、第三の電源系統により送電される、請求項8に記載の非常用電力供給システム。
【請求項11】
複数の前記非常用機器が前記供給処理において供給する前記電池の電圧は、共通化される、請求項9または10に記載の非常用電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非常用機器および非常用電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池などの非常用電源装置を有し、非常用電源装置からの電力供給を受けて動作する非常用機器が知られる。特許文献1には、灯具に接続され、外部電源からの給電が停止した非常時に、光源を非常点灯用の非常灯として使用する電力を供給する電池と、電池の電力の光源への供給を制御する制御部とを含むユニットを具備する照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-161504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の非常用機器を複数設置した場合において、電池の電力が不足した非常用機器は動作を停止してしまうといった課題がある。
【0005】
本開示は上述の問題を解決するため、搭載する電池の電力が不足した場合も動作が停止するのを防ぐことができる、非常用機器を提供することを第一の目的とする。
【0006】
また、本開示は、電池の電力が不足した非常用機器の動作が停止するのを防ぐことができる、非常用電力供給システムを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一の態様は、非常時に非常用電源により稼働する非常用機器であって、
前記非常用電源としての電池を備え、
前記非常時には、前記電池の残量が基準値以上であるか否かを判定する残量判定処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上である場合に、
前記電池の電力を他の非常用機器へ供給する供給処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上でない場合に、
他の非常用機器の電池から電力を受け付ける受け付け処理と、
前記他の非常用機器から受け付けた電力に基づき、自己を駆動する駆動処理と、
を実行するように構成されることが好ましい。
【0008】
また、第二の態様は、請求項1に記載の非常用機器を複数備える、非常用電力供給システムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の第一の態様によれば、搭載する電池の電力が不足した場合も動作が停止するのを防ぐことができる、非常用機器を提供することができる。
【0010】
本開示の第二の態様によれば、電池の電力が不足した非常用機器の動作が停止するのを防ぐことができる、非常用電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システムの構成例を示す図である。
図2】本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システムの詳細な構成例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システムの動作について説明する図である。
図4】本開示の実施の形態1に係る、誘導灯および非常灯が実行する処理のフローチャートである。
図5】本開示の実施の形態1に係る、誘導灯が実行する平常時処理のフローチャートである。
図6】本開示の実施の形態1に係る、非常灯が実行する平常時処理のフローチャートである。
図7】本開示の実施の形態2に係る、2台の誘導灯および2台の非常灯が出力する電池電圧を共通化した場合の構成例である。
図8】本開示の実施の形態2に係る、2台の誘導灯および2台の非常灯が出力する電池電圧を共通化しない場合の構成例である。
図9】本開示の実施の形態1に係る、誘導灯および非常灯の回路ブロック図である。
図10】本開示の実施の形態3に係る、誘導灯および非常灯の回路ブロック図である。
図11】本開示の実施の形態4に係る、誘導灯および非常灯の回路ブロック図である。
図12】本開示の実施の形態5に係る、非常用電力供給システムの詳細な構成例を示すブロック図である。
図13】本開示の実施の形態6に係る、誘導灯および非常灯が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
図1は、本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システム100の構成例を示す図である。本実施の形態では、非常用機器の一例として、誘導灯、非常灯に適用した例を説明する。非常用電力供給システム100は、外部電源ACに接続されたリレーRTと、リレーRTを介して外部電源ACに接続される誘導灯10(1)、誘導灯10(2)、および非常灯20(1)、非常灯20(2)を備える。以降では、2台の誘導灯10のそれぞれを区別して説明する場合のみ、誘導灯10(1)、誘導灯10(2)と記す。誘導灯10(1)と誘導灯10(2)に共通の説明である場合は、単に誘導灯10と記す。非常灯20についても同様である。さらに、2台の誘導灯10、および2台の非常灯20のすべてに共通の場合はこれらを総称して非常用機器30と称する。
【0013】
以下では、2台の誘導灯10、および2台の非常灯20を含み、外部電源AC由来の電源系統を電源系統L1とする。ただし、誘導灯10および非常灯20の台数は一例であり、非常用電力供給システム100が配備される施設に応じて好適となるように決定される。この点は以下のすべての実施の形態においても共通である。
【0014】
リレーRTは、外部電源ACが供給される平常時においては、入力端子に当該電圧が印加され、接点がオン状態となることで、非常用機器30に電力を供給する。一方、外部電源ACの供給が絶たれる非常時においては、入力端子に電圧が印加されず、接点がオフ状態となる。このようにリレーRTは、a接点(メーク接点)であることが好ましい。
【0015】
誘導灯10は、避難誘導を示すピクトグラムが記された案内看板のバックライトとして機能する。
【0016】
非常灯20は、外部電源ACが遮断された非常時に、内蔵するランプにより床面を照らして設置エリアの明るさを確保する。
【0017】
以上図1を用いて説明したように、本開示の非常用電力供給システム100は、同一電源系統L1に接続された複数の非常用機器30を備える。
【0018】
〈変形例〉
複数の非常用機器30は、図1の例においては、1つのフロアBD内に設置されている。しかしながら、非常用機器30は必ずしも1つのフロアに施設されなくともよく、建物内の複数のフロアBDに分散して設置されていてもよい。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。
【0019】
図2は、本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システム100の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0020】
誘導灯10は、誘導灯ユニット11、電池12、および案内看板のバックライトとしてのランプ13を備える。
【0021】
誘導灯ユニット11において、AC/DCコンバータ111は、外部電源AC由来の交流電圧を所望の直流電圧に変換する。点灯回路112は、AC/DCコンバータ111が変換した直流電圧、または電池12の電圧が印加されることにより動作し、ランプ13を点灯させる。充電回路113は、外部電源ACの供給時に電池12を充電する。これにより、平常時においては外部電源ACによりランプ13を点灯させ、外部電源ACが遮断された非常時には、電池12の電力でランプ13を点灯させることができる。
【0022】
外部入出力回路114は、他の誘導灯10、または2台の非常灯20から入力される電池電力を受け付ける。あるいは、自己の電池12の電力を他の誘導灯10、または2台の非常灯20に対して出力する。
【0023】
非常灯20は、非常灯ユニット21、電池22、およびランプ23を備える。
【0024】
非常灯ユニット21において、AC/DCコンバータ211は外部電源AC由来の交流電圧を所望の直流電圧に変換する。点灯回路212は、電池22の電圧が印加されることにより動作し、ランプ23を点灯させる。充電回路213は、外部電源ACの供給時に電池22を充電する。これにより、外部電源ACが遮断されている非常時において、電池22の電力でランプ23を点灯させることができる。
【0025】
外部入出力回路214は、誘導灯10、または他の非常灯20から入力される電池電力を受け付ける。あるいは、自己の電池22の電力を誘導灯10、または他の非常灯20に対して出力する。
【0026】
なお、誘導灯10のランプ13、および非常灯20のランプ23は白熱灯、またはLED等でもよい。
【0027】
図3は、本開示の実施の形態1に係る、非常用電力供給システム100の動作について説明する図である。
【0028】
誘導灯10は、平常時においては、ランプ13を点灯するとともに電池12を充電する。
【0029】
一方、非常時においては、誘導灯10は、AC/DCコンバータ111の動作を停止させ、かわりに点灯回路112よりランプ13を点灯させる。ランプ13を点灯させる電池12の電力は、外部入出力回路114にも供給され、電力を必要とする他の誘導灯10、および非常灯20にも供給される。
【0030】
一方、非常灯20は、平常時においては、電池22を充電するのみで、ランプ23を点灯させない点が誘導灯10と異なる。一方、非常時における非常灯20の動作は上述の誘導灯10の場合と同様であるため説明は省略する。なお、以降においても、非常灯20の動作が誘導灯10と同様である場合はその旨のみを記載し、説明を省略する場合がある。その場合は、誘導灯10を非常灯20、AC/DCコンバータ111をAC/DCコンバータ211、点灯回路112を点灯回路212、ランプ13をランプ23と適宜読み替えればよい。
【0031】
以下では、引き続き図3を参照しながら、誘導灯10(1)の電池12の電力が電源系統L1に供給される様子を説明する。ここでは、説明のため、誘導灯10(1)の電池12は電池残量があり、誘導灯10(2)、非常灯20(1)および非常灯20(2)の電池には残量が無いとする。また、ここでは、矢印により誘導灯10(1)の電池12から流れる電流のルートを示している。誘導灯10(1)は、自己の電池12の電力を自己の点灯回路112に供給するとともに、外部入出力回路114を介して電源系統L1にも供給する。
【0032】
一方、誘導灯10(2)は、外部入出力回路114を介して誘導灯10(1)からの電池電力を受け付ける。さらに誘導灯10(2)は、受け付けた電力により、点灯回路112を駆動し、ランプ13を点灯させる。なお、2台の非常灯20においても同様である。
【0033】
このように、本開示の非常用電力供給システムにおいては、電池12の電力に余裕のある非常用機器30が、同一の電源系統L1に接続されている他の非常用機器30に電池電力を融通する。これにより、電池残量がなくなってしまった非常用機器30を動作させることが可能となる。
【0034】
ここで、同一の電源系統L1に属する非常用機器30は、リレーRTによって、他の電源系統とは回路が切り離されている。したがって、誘導灯10の外部入出力回路114が出力する電池12の電力は、もう一方の誘導灯10、および2台の非常灯20以外には供給されないことに留意されたい。これにより、電池12の消費電力を抑制することができる。
【0035】
図4は、本開示の実施の形態1に係る、誘導灯10および非常灯20が実行する処理のフローチャートである。ここでは誘導灯10の場合を説明するが、変形例も含めて、非常灯20についても同様である。非常灯20については、上述の読み替えを実施されたい。
【0036】
まず、処理を開始する。次に、外部電源ACが供給されているか否かを判定する(ステップS01)。外部電源ACが供給されていない場合、AC/DCコンバータ111の動作を停止させる(ステップS02)。
【0037】
さらに、自己の備える電池12の残量が基準値以上であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS03)。なお、基準値とは、電池12の放電が終了したことを示す放電基準電圧などである。ステップS03において基準値以上と認められる場合、誘導灯10は、他の非常用機器30への電力供給が可能であると判断し、外部入出力回路114を出力モードへ変更する(ステップS04)。次に、自己の点灯回路112を駆動させてランプ13を点灯させる(ステップS05)。
【0038】
一方、電池12の残量が基準値未満である場合、誘導灯10は、他の非常用機器30からの電力供給が必要であると判断し、外部入出力回路114を入力モードへ変更する(ステップS06)。次に、他の非常用機器30から供給された電池電力に基づき、自己の点灯回路112を駆動させてランプ13を点灯させる(ステップS07)。
【0039】
ステップS01からステップS07までの処理は、非常時に実行される処理であるため、以降では非常時処理と称する。
【0040】
一方、ステップS01において、外部電源ACが供給されている場合は、後述する平常時処理を行う(ステップS08)。
【0041】
以上説明したように、誘導灯10は電池12の残量に応じて、自身が電力融通をする側か、融通される側かを判断する。これにより、他の非常用機器30へ電圧を供給しすぎることによる電池12の損傷を防止することができる。
【0042】
〈変形例〉
なお、2台の誘導灯10それぞれに人感センサを追加し、例えばステップS03の前に、当該人感センサが人を検出した否かを判定する処理を追加してもよい。人の検出が認められる場合は、ステップS03以降の処理を順次実行する。一方、人の検出が認められない場合は、誘導灯10の設置されたエリアにおいて避難は完了しており、これ以上避難誘導を促す必要がないことを意味する。したがって、誘導灯10は自己のランプ13を消灯したうえで、ステップS03を実行する。ステップS03において電池12の残量が基準値以上と認められる場合は、誘導灯10はステップS04を実行し、外部入出力回路114を出力モードへ変更する。また、ステップS03において電池12の残量が基準値以上と認められない場合においても、誘導灯10はステップS06を実行しない。これは、非難が完了しているため、外部入出力回路114を入力モードへ変更する必要が無いことによる措置である。これにより、まだ避難が完了していないエリアに設置された非常用機器30への電力供給を優先させ、避難誘導の確実性を向上させることができる。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。
【0043】
なお、人感センサは誘導灯10に搭載されていなくともよく、誘導灯10の近傍に設置されていてもよい。人感センサの検出情報を、ネットワークを介して誘導灯10に通知することで、上述と同様の効果を得ることができる。
【0044】
図5は、本開示の実施の形態1に係る、誘導灯10が実行する平常時処理のフローチャートである。まず、処理を開始する。次に、ランプ13が接続されているか否かを判定する(ステップS11)。接続が認められない場合、点灯回路112を停止する(ステップS12)。さらにランプ13の状態を示す第一の表示灯を点灯させる(ステップS13)。これにより、ランプ13が接続されていないことを報知することができる。ここで、表示灯は図1から図3において不図示の、たとえば赤色LEDである。なお、ステップS11はランプ13の接続の有無の判定ではなく、短絡故障または開放故障など、ランプ13の故障の判定を行うものであってもよく、ランプ13の接続と故障の判定を同時に行うものであってもよい。
【0045】
一方、ステップS11においてランプ13の接続が認められる場合は、点灯回路112を駆動させてランプ13を点灯させる(ステップS14)。さらに、第一の表示灯を消灯させる(ステップS15)。
【0046】
さらに、電池12が接続されているか否かを判定する(ステップS16)。接続が認められる場合、充電回路113を駆動させて電池12を充電する(ステップS17)。さらに、電池12が充電中であることを示す第二の表示灯を点灯させる(ステップS18)。ここで、第二の表示灯は図1から図3において不図示であり、たとえば緑色LEDである。なお、ステップS16において、電池12が接続されているか否かを判定するのではなく、電池12が正常に充電されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0047】
一方、ステップS16において電池12の接続が認められない場合、充電回路113を停止させる(ステップS19)。さらに第二の表示灯を消灯させる(ステップS20)。これにより、電池12が充電中でない、もしくは接続されていないことを報知することができる。
【0048】
〈変形例〉
なお、ステップS11においては、ランプ13の累積点灯時間があらかじめ設定された上限値を超えているか否か、または回路の短絡、開放など誘導灯10の故障を検知したか否か、などの判定をさらに追加してもよく、結果に応じて第一の表示灯を点灯させてもよい。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。
【0049】
図6は、本開示の実施の形態1に係る、非常灯20が実行する平常時処理のフローチャートである。非常灯20が実行する平常時処理フローチャートは、図5で示した誘導灯10の場合のステップS16以降と同様であるため、説明は省略する。非常灯20についての説明は、上述の読み替えを実施されたい。ここで、非常灯20は、平常時においてはランプ23を点灯しないため、図5のステップS11からステップS15までの処理が不要であることに留意されたい。
【0050】
以上説明したように、本開示の非常用電力供給システム100においては、電池の電力に余裕のある非常用機器30が、他の非常用機器30に電力を融通する。電池電力が不足した非常用機器30が動作を停止するのを防ぐことができる。
【0051】
〈変形例〉
なお、非常用機器30としては、誘導灯10、非常灯20に限らず、電池などの非常用電源装置を搭載し、非常時に当該装置の電力に基づき駆動する防災機器であればよく、例えば、火災報知器、または音声誘導システムなどでもよい。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。
【0052】
なお、非常灯20は平常時の照明と兼用するタイプであってもよい。兼用タイプの非常灯20の場合、常用点灯させるユニットが追加される点が誘導灯10と異なるが、平常時にランプ23を点灯させるとともに電池22を充電する点は誘導灯10と同様である。また、兼用タイプの非常灯20が平常時に行う処理は、図5で説明した誘導灯10の平常時処理と同様である。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。
【0053】
なお、非常時に誘導灯10が正常に動作することを点検するため、電池12の放電電圧によりランプ13を規定時間点灯させ続け、電池12の寿命を測定することが照明工業規格(JIL5501、JIL5502)において規定されている。しかしながら、本開示においては、外部入出力回路114が非常時処理を実行している間に点検が行われると、電池12の寿命判定が正確に行えない恐れがある。すなわち、自己の電池12の電力が不足した際には他の非常用機器30から給電されるため、点検において電池12の残量が十分にあると誤認される恐れがある。さらに、本開示においては、他の非常用機器30にも電池電力を出力するため、電池12の電力が急激に減少することにより、正確な寿命測定が行えない恐れもある。この対策として、本開示の誘導灯10においては、電池12の点検時に、外部入出力回路114の動作を停止させるようにしてもよい。これにより、電池12の寿命判定を正確に行うことができる。この点は以下のすべての実施の形態において共通である。なお、非常灯20についても同様であり、上述の読み替えを実施されたい。
【0054】
実施の形態2
本実施の形態は、実施の形態1の非常用電力供給システム100において、誘導灯10および非常灯20が自己の電池電圧を出力する手段が変更されている。
【0055】
図7は、本開示の実施の形態2に係る、2台の誘導灯10および2台の非常灯20が出力する電池電圧を共通化した場合の構成例である。ここでは、誘導灯10(1)および非常灯20(2)の電池12には残量があり、誘導灯10(2)および非常灯20(1)の電池には残量が無いとする。
【0056】
誘導灯10(1)の外部入出力回路114は、昇圧回路又は降圧回路を備えており、電池12から印加された電圧を昇圧または降圧し、+5Vに変換したうえで誘導灯10(2)および非常灯20(1)に供給する。ここで、他の非常用機器30に対して自己の電池電圧をそのまま供給しても、被供給側の非常用機器30において、電圧が高すぎることによる故障、または電圧が低いことによる動作不良が発生することがあり得る。本実施形態では、電池電圧を昇圧または降圧して、他の非常用機器30に供給することにより、被供給側の非常用機器30における動作不良を防止している。
【0057】
同様に、非常灯20(2)の外部入出力回路214も、電池22から印加された電圧を+5Vに変換したうえで誘導灯10(2)および非常灯20(1)に供給する。このように、複数の非常用機器30において、出力電圧を統一することで、供給側の非常用機器30間においてバランスよく電力を出力することができる。さらには、被供給側の非常用機器30間においてもバランスよく電力を消費することができる。
【0058】
なお、複数の非常用機器30が出力する電池電圧は、統一されていればよく、+5Vに限らなくともよい。
【0059】
図8は、本開示の実施の形態2に係る、2台の誘導灯10および2台の非常灯20が出力する電池電圧を共通化しない場合の構成例である。図8においては、誘導灯10(1)および、非常灯20(2)が出力する電池電圧を敢えて共通化せず、異なる値にしている。この場合、被供給側の非常用機器30において、電圧値が高い非常灯20(2)からの出力電力が優先して消費される。このことを利用すれば、供給側の非常用機器30において、電池電圧の出力時間が一定時間を超えた場合に、電池電圧値を下げることで、他の非常用機器30へ供給する電力を抑制するといった制御が可能となる。
【0060】
実施の形態3
図9は、本開示の実施の形態1に係る、誘導灯10および非常灯20の回路ブロック図であり、実施の形態3の比較例として示したものである。
【0061】
図10は、本開示の実施の形態3に係る、誘導灯10および非常灯20の回路ブロック図である。ここでは誘導灯10の場合を説明するが、変形例も含めて、非常灯20についても同様である。非常灯20については、上述の読み替えを実施されたい。
【0062】
本実施の形態では、AC/DCコンバータ111を、他の非常用機器30からの電池電力を受け付ける入力部として使用する。AC/DCコンバータ111は、平常時においては、ダイオードブリッジにより外部電源AC由来の交流電圧を全波整流し、脈流電圧とする。さらに、脈流電圧を所望の直流電圧に変換するDC/DCコンバータとしても機能する。このDC/DCコンバータとしての機能を利用して、本実施形態においては、AC/DCコンバータ111により、他の非常用機器30からの電池電圧を所望の直流電圧に変換する。なお、図10に示した外部出力回路115は、実施の形態1の外部入出力回路114から、電池電圧を受け付けるための回路を除いたものである。本実施形態ではAC/DCコンバータ111が電池電力を受け付けるため、外部入出力回路114の回路構成を簡素化することができる。
【0063】
〈変形例〉
なお、消耗部品である電池12を交換する際に作業者が感電する事を防ぐため、照明工業会規格(JIL5501、JIL5502)の観点から、電池12と外部電源AC間はトランスにより絶縁されることが望ましい。ただし、作業者の安全性が担保される回路方式であれば、非絶縁構造を採用してもよい。
【0064】
実施の形態4
図11は、本開示の実施の形態4に係る、誘導灯10および非常灯20の回路ブロック図である。ここでは誘導灯10の場合を説明するが、変形例も含めて、非常灯20についても同様である。非常灯20については、上述の読み替えを実施されたい。
【0065】
本実施形態の誘導灯10は外部電源ACの電圧を受け付け、停電を検知する停電検知回路116をさらに備える。本実施形態の誘導灯10は、実施の形態1の図4のステップS01で説明した処理に代えて、停電検知回路116により停電が検知されたか否かを判定する処理を実行する。停電検知回路116は、外部電源ACの電圧が定格電圧の70%値を下回ったとき、停電したと判断する。停電が検知された場合、誘導灯10は、ステップS02以降の処理を順次行う。一方、停電が検知されない場合、誘導灯10は、ステップS08の処理を行う。以降では、停電検知回路116が停電の判定に用いる、外部電源ACの定格電圧に対して70%となる値をa値と称する。例えば、定格電圧100Vの外部電源ACの場合、a値は70Vとなる。
【0066】
ここで、外部入出力回路114が出力する電池電圧は、a値よりも低い電圧に設定することが望ましい。これにより、被供給側の非常用機器30において、受け付けた電圧の電圧値に基づき、当該電圧が平常時処理と非常時処理のどちらのために供給されたものであるかを判断することができる。ここで、停電検知回路116が無い場合は、他の非常用機器30から電力の融通を受けたとしても、当該電圧を外部電源AC由来の電圧と誤認し、平常時処理を実行することがあり得ることに留意されたい。
【0067】
一方で、電池電圧は数ボルトと低いことが一般的であり、外部入出力回路114の昇圧比を大きくすると電圧の出力効率が低下してしまうことから、外部入出力回路114が出力する電池電圧はa値よりも低く、電池電圧よりも高い範囲が望ましい。これらの観点から、外部入出力回路114が出力する電池電圧は、100Vの外部電源ACを使用した場合には、10Vから20V程度に設定されることが望ましい。これにより、ランプ13を長時間点灯させることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態においては誘導灯10が停電検知回路116をさらに備える。これにより、被供給側の非常用機器30において、他の非常用機器30から電力の融通を受けた際に、確実に非常時処理を実行することが可能となる。
【0069】
〈変形例〉
なお、上述では、停電検知回路116により停電が検知された場合、誘導灯10は、図4のステップS02以降の処理を順次行うことを説明した。しかしながら、実施の形態3で説明したように、他の非常用機器30からの電圧を受け付ける入力部としてAC/DCコンバータ111を使用する場合は、停電検知回路116により停電が検知されても、ステップS02を実行してAC/DCコンバータ111の動作を停止させる必要はない。代わりに、誘導灯10は、充電回路113の動作を停止させる。
【0070】
なお、上述では、外部電源ACの定格電圧に対して70%となる値をa値とした。しかしながら、定格電圧に対する割合は70%に限らずともよい。例えば、照明工業規格(JIL5501、およびJIL5502)の観点からは、上述のa値を定格電圧の40%から85%とすることが好ましい。また、規定外にはなるが、例えば定格電圧の30%としてもよい。
【0071】
なお、上述では、各々の非常用機器30が停電検知回路116を備える場合を説明した。しかしながら、停電検知機能はリレーRTに集約されてもよい。これにより、a値以下の外部電源ACの電圧が検知された場合に、リレーRTが自己の接点をオフにすることで当該電圧が各々の非常用機器30に供給されるのを遮断することが可能となる。各々の非常用機器30が停電検知回路116を備える必然性がなくなるため、コストダウンを実現できる。
【0072】
実施の形態5
図12は、本開示の実施の形態5に係る、非常用電力供給システム100を示すブロック図である。本実施形態では、非常用電力供給システム100が、複数の外部電源ACに接続されている。ここでは、誘導灯10(1)、および非常灯20(1)を含み、外部電源AC(1)からの電源供給を受ける電源系統をL2とする。また、誘導灯10(2)、および非常灯20(2)を含み、外部電源AC(2)からの電源供給を受ける電源系統をL3とする。大きな施設においては、このように複数の電源系統が存在し、それぞれに非常用機器30が接続されることがあり得る。
【0073】
本実施形態では、2台の誘導灯10が搭載する外部入出力回路114、および2台の非常灯20が搭載する外部入出力回路214を、電力融通用の電源系統LSにより互いに接続する。これにより、異なる電源系統に属する誘導灯10および非常灯20間で、電池電圧を融通しあうことが可能となる。例えば、電源系統L3が断線などにより停電し、外部電源AC(2)の供給が遮断された場合においても、誘導灯10(2)および非常灯20(2)に対して、平常通り外部電源AC(1)が供給されている誘導灯10(1)および非常灯20(1)から電力を融通することが可能となる。
【0074】
実施の形態6
本実施の形態は、実施の形態1から5における非常用電力供給システム100と構成は同じであるが、誘導灯10および非常灯20が実行する非常時処理が変更されている。図13は、本開示の実施の形態6に係る、誘導灯10および非常灯20が実行する処理のフローチャートである。ここでは誘導灯10の場合を説明するが、変形例も含めて、非常灯20についても同様である。非常灯20については、上述の読み替えを実施されたい。
【0075】
まず、処理を開始する。次に、外部電源ACが供給されているか否かを判定する(ステップS31)。外部電源ACが供給されている場合は、図5および図6で説明した平常時処理を行う(ステップS32)。
【0076】
一方、ステップS31において、外部電源ACが供給されていない場合、AC/DCコンバータ111の動作を停止させる(ステップS33)。
【0077】
さらに、タイマの計測を開始する(ステップS34)。
【0078】
さらに、自己の備える電池12の残量が基準値以上であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS35)。基準値以上と認められる場合、誘導灯10は、自己の電池12により点灯回路112を駆動させてランプ13を点灯させる(ステップS36)。さらに、タイマの計測時間に基づき、ランプ13の点灯が所定時間以上実施されたか否かを判定する(ステップS37)。なお、JIL5501では非常動作を30分または60分実施することが規定されており、JIL5502では非常動作を20分または60分実施することが規定されている。
【0079】
ステップS37においてランプ13の点灯が所定時間以上実施されたと認められる場合、外部入出力回路114を出力モードへ変更する(ステップS38)。これにより、他の非常用機器30に自己の電池12の電力を融通することができる。さらに、外部電源ACが給電されているか、つまり復電しているか否かを判定する(ステップS39)。復電が認められない場合は、電池12の残量判定(ステップS35)に戻る。復電が認められる場合は、外部電源ACの供給判定(ステップS31)に戻る。これにより、平常時処理(ステップS32)に移行することができる。
【0080】
一方、ステップS37においてランプ13の点灯が所定時間以上実施されたと認められない場合は、ステップS39に進む。外部入出力回路114の出力モードへの変更(ステップS38)をスキップすることで、自己のランプ13の点灯を優先させることができる。
【0081】
一方、ステップS35において電池12の残量が基準電圧値未満である場合、誘導灯10は、他の非常用機器30からの電力供給が必要と判断し、外部入出力回路114を入力モードへ変更する(ステップS40)。次に、他の非常用機器30から供給された電池電力に基づき、自己の点灯回路112を動作させてランプ13を点灯させる(ステップS41)。
【0082】
このように、本実施形態の誘導灯10は、自己が備える電池12に基づくランプ13の点灯から所定時間が経過していない場合は外部入出力回路114を出力モードに変更しない。これにより、自己のランプ13の点灯を優先的に行うことができ、規定されている時間、点灯を保持することができる。
【0083】
〈変形例〉
なお、ステップS39で復電が認められる場合は、ステップS31を経由せずステップS32に移行してもよい。
【0084】
〈変形例〉
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。
【0085】
〈変形例〉
また、誘導灯10および非常灯20は、電池と充電回路、外部入出力回路を備えていればよく、ランプは必ずしも備えずともよい。ランプを備えない場合、誘導灯10および非常灯20は、停電時に自己の電池電力を電源系統全体に供給するように構成される。
【0086】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
非常時に非常用電源により稼働する非常用機器であって、
前記非常用電源としての電池を備え、
前記非常時には、前記電池の残量が基準値以上であるか否かを判定する残量判定処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上である場合に、
前記電池の電力を他の非常用機器へ供給する供給処理を実行するように構成され、
前記電池の残量が前記基準値以上でない場合に、
他の非常用機器の電池から電力を受け付ける受け付け処理と、
前記他の非常用機器から受け付けた電力に基づき、自己を駆動する駆動処理と、
を実行するように構成される、非常用機器。
(付記2)
人感センサをさらに備え、
前記人感センサにおいて、人が検出されたか否かを判定する処理をさらに実行し、
前記受け付け処理と前記駆動処理は、人の検出が認められた場合に実行される、付記1に記載の非常用機器。
(付記3)
前記残量判定処理の結果、自己が備える前記電池の残量が前記基準値以上である場合に、
自己が備える前記電池に基づき、自己を駆動する自己駆動処理と、
前記自己駆動処理が所定時間以上実施されたか否かを判定する処理と、
をさらに実行し、
前記供給処理は、前記自己駆動処理が所定時間以上実施されたと認められる場合に、実行される、付記1に記載の非常用機器。
(付記4)
自己が備える前記電池の放電電圧に基づき、前記電池を点検する点検処理をさらに実行し、
前記供給処理、前記受け付け処理、および前記駆動処理は、前記点検処理の実行中は実行されない、付記1から3いずれか1項に記載の非常用機器。
(付記5)
前記受け付け処理と前記供給処理を実行する外部入出力回路をさらに備え、
前記外部入出力回路は、外部電源が供給される平常時においては、
前記外部電源の交流電圧を直流電圧に変換する処理をさらに実行するように構成され、
前記平常時においては、変換された前記直流電圧に基づき、自己を駆動する処理をさらに実行するように構成される、付記1から4いずれか1項に記載の非常用機器。
(付記6)
自己に接続される外部電源の電圧に基づき、前記非常時であるか否かを判定する非常時判定処理をさらに実行し、
前記非常時判定処理においては、前記外部電源の電圧が基準電圧値を下回った場合に、前記非常時と判定する、付記1または5に記載の非常用機器。
(付記7)
前記基準値は、前記電池の放電が終了したことを示す放電基準電圧である、付記1に記載の非常用機器。
(付記8)
付記1から7いずれか1項に記載の非常用機器を複数備える、非常用電力供給システム。
(付記9)
複数の前記非常用機器が接続される外部電源は一つであり、
前記外部電源に接続されるリレーをさらに備え、
前記リレーは、外部電源からの電圧に基づき、前記非常用機器への該電圧の供給を入り切りする処理を実行するように構成される、付記8に記載の非常用電力供給システム。
(付記10)
前記非常用機器は、第一の外部電源から第一の電源系統により給電される第一の非常用機器と、第二の外部電源から第二の電源系統により給電される第二の非常用機器とを含み、
前記第一の非常用機器と前記第二の非常用機器の各々は、前記受け付け処理と前記供給処理を実行する外部入出力回路をさらに備え、
前記第一の非常用機器の前記外部入出力回路と前記第二の非常用機器の前記外部入出力回路は、前記第一の電源系統および前記第二の電源系統とは電気的に切り離された第三の電源系統により互いに接続され、
前記供給処理および前記受け付け処理における前記電池の前記電力は、第三の電源系統により送電される、付記8に記載の非常用電力供給システム。
(付記11)
複数の前記非常用機器が前記供給処理において供給する前記電池の電圧は、共通化される、付記9または10に記載の非常用電力供給システム。
【符号の説明】
【0087】
10 誘導灯、11 誘導灯ユニット、12 電池、13 ランプ、20 非常灯、21 非常灯ユニット、22 電池、23 ランプ、30 非常用機器、100 非常用電力供給システム、111 AC/DCコンバータ、112 点灯回路、113 充電回路、114 外部入出力回路、115 外部出力回路、116 停電検知回路、211 AC/DCコンバータ、212 点灯回路、213 充電回路、AC 外部電源、BD フロア、L1 電源系統、L2 電源系統、L3 電源系統、LS 電源系統、RT リレー
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図10
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