(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154228
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】液体吐出装置の制御方法、液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20241023BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B41J2/175 119
B41J2/175 301
B41J2/01 401
B41J2/175 175
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067957
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優和
(72)【発明者】
【氏名】小林 悟
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA26
2C056EA29
2C056EB20
2C056EB29
2C056EB50
2C056EB51
2C056EB52
2C056EB56
2C056EB59
2C056EC15
2C056EC19
2C056KA01
2C056KB10
2C056KC02
2C056KC04
2C056KC05
2C056KC06
2C056KC14
2C056KC30
(57)【要約】
【課題】3つ以上の液体貯留部を適切に使用できる液体吐出装置の制御方法、液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出可能な液体吐出ヘッド14と、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部21を装着可能な装着部12と、各液体貯留部21に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部16と、を備える液体吐出装置11の制御方法であって、装着部12に装着されている3つ以上の液体貯留部21のうち1の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することと、吐出に使用する1の液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合、残量が閾値以上の液体貯留部21のうち最も少ない残量である最少残量の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち最も少ない残量である最少残量の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
を含むことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【請求項2】
前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、
前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有し、
前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得することと、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最少残量の前記液体貯留部が複数ある場合は、複数の該液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項3】
液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備え、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有する液体吐出装置の制御方法であって、
前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得することと、
前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い最短期限の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
を含むことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【請求項4】
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最短期限の前記液体貯留部が複数ある場合は、前記最短期限の前記液体貯留部のうち、残量が前記閾値以上であって且つ最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することを含むことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項5】
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回ったことを外部に通知することを含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項6】
前記液体吐出ヘッドによる液体の吐出中に、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合、該液体貯留部の交換を可能とすることを含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項7】
前記残量取得部は、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部を有し、
前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することを含むことを特徴とする請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項8】
前記残量取得部は、前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部を有し、
前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することを含むことを特徴とする請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項9】
前記残量取得部は、
少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部と、
前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部と、
を有し、
前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することと、
前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することと、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の前記物理残量が前記閾値を下回った場合、前記物理残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち、前記推定残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項10】
前記残量取得部は、
少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部と、
前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部と、
を有し、
前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することと、
前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することと、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の前記物理残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最短期限の前記液体貯留部が複数ある場合は、複数の該液体貯留部のうち前記物理残量が前記閾値以上であって、且つ前記推定残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項11】
液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、
前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項12】
液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、
前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、
制御部と、
を備え、
前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、
前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有し、
前記制御部は、
前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得し、
吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御することを特徴とする液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの液体吐出装置の制御方法、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、液体貯留部の一例である大容量インク収容体に収容される液体の一例であるインクを、ノズルから吐出して記録する液体吐出装置の一例である記録装置がある。記録装置は、大容量インク収容体のインクの残量が閾値未満になると、インクの供給源を液体貯留部の一例である予備タンクに切り替える。記録装置は、予備タンクからインクを供給させることで、大容量インク収容体のインクが無くなったときでも記録動作を継続させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体貯留部内の液体の残量が閾値を下回ると、液体貯留部の交換もしくは液体の補充が必要になる。特許文献1のように、液体貯留部が2つの場合、一方の液体貯留部の残量が閾値を下回った後、他方の液体貯留部の残量が閾値を下回る前に、液体貯留部を交換もしくは液体を補充しなければ印刷を継続できない。
【0005】
液体貯留部の残量が閾値を下回った後に長時間の印刷を可能とするためには、液体貯留部の数を増やすことが考えられる。しかし、液体を供給可能な液体貯留部が複数ある場合、次にどの液体貯留部を使用するかについて改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち最も少ない残量である最少残量の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含む。
【0007】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備え、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有する液体吐出装置の制御方法であって、前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得することと、前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い最短期限の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含む。
【0008】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、制御部と、を備え、前記制御部は、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。
【0009】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、制御部と、を備え、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有し、前記制御部は、前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得し、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、液体吐出装置の第1実施形態の模式図である。
【
図2】
図2は、供給ルーチンを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第2実施形態の供給ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法の第1実施形態を、図面を参照して説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0012】
図1に示すように、液体吐出装置11は、装着部12と、供給機構13と、液体吐出ヘッド14と、制御部15と、残量取得部16と、を備える。液体吐出装置11は、通知部17を備えてもよい。
【0013】
液体吐出ヘッド14は、液体を吐出可能である。液体吐出ヘッド14は、複数のノズル19から液体を吐出して図示しない媒体に印刷する。
通知部17は、液体吐出装置11に関する情報を外部に通知可能である。通知部17は、例えばディスプレイであってもよいし、スピーカーであってもよい。
【0014】
<装着部>
装着部12は、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部21を装着可能である。装着部12は、1つ以上の接続部22と、1つ以上のロック部23と、を有してもよい。
図1の装着部12には、第1液体貯留部21f、第2液体貯留部21s、及び第3液体貯留部21tが装着されている。各液体貯留部21は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子24を有してもよい。
【0015】
液体貯留部21は、1以上のフィルム材により変形可能に形成された袋体であってもよい。袋体の中には空気が供給されず、液体貯留部21から液体が供給されると袋体は萎む。
【0016】
記憶素子24は、例えば、液体貯留部21が貯留する液体の残量、液体貯留部21の製造時期などを記憶していてもよい。
接続部22は、各記憶素子24と電気的に接続される。液体吐出装置11は、装着部12に装着可能な液体貯留部21と同数の接続部22を備えてもよい。接続部22は、対応する記憶素子24に接続可能な例えば端子である。
【0017】
液体吐出装置11は、装着部12に装着可能な液体貯留部21と同数のロック部23を備えてもよい。ロック部23は、対応する液体貯留部21が装着部12から離脱することを制限する。すなわち、ロック部23は、液体貯留部21の交換を制限する。例えばロック部23は、印刷中に液体貯留部21の交換を制限し、印刷を行わない待機中に液体貯留部21の交換を許可してもよい。
【0018】
<供給機構>
供給機構13は、3つ以上の導出流路26と、3つ以上の切替弁27と、継手部28と、供給流路29と、第1一方向弁30と、供給ポンプ31と、第2一方向弁32と、を備えてもよい。供給機構13は、装着部12に装着された液体貯留部21から、供給方向Dsの下流に位置する液体吐出ヘッド14に液体を供給する。
【0019】
供給機構13は、装着部12に装着可能な液体貯留部21と同数の導出流路26を備える。本実施形態の供給機構13は、第1導出流路26f、第2導出流路26s、及び第3導出流路26tを備える。導出流路26の上流端は、装着部12に装着された液体貯留部21に刺さる中空の針であってもよい。導出流路26は、対応する液体貯留部21に上流端が接続されることにより、この液体貯留部21に貯留された液体を導出可能になる。
【0020】
供給機構13は、装着部12に装着可能な液体貯留部21と同数の切替弁27を備える。本実施形態の供給機構13は、第1切替弁27f、第2切替弁27s、及び第3切替弁27tを備える。第1切替弁27f~第3切替弁27tは、それぞれ第1導出流路26f~第3導出流路26tに配置される。
【0021】
第1切替弁27fは、第1導出流路26fの連通状態を切り替え可能である。第1切替弁27fが開弁すると、第1液体貯留部21fが第1導出流路26fを介して供給流路29と連通する。連通とは、液体および気体などの流体を流動可能な状態に接続することである。すなわち、第1切替弁27fが開弁すると、第1液体貯留部21fに貯留される液体を、液体吐出ヘッド14で吐出に使用することができる。第1切替弁27fが閉弁すると、第1液体貯留部21fからの液体の供給が停止される。同様に、第2切替弁27sは、第2液体貯留部21sからの液体の供給状態を切り替え可能である。第3切替弁27tは、第3液体貯留部21tからの液体の供給状態を切り替え可能である。
【0022】
継手部28は、3つ以上の導出流路26の下流端と、供給流路29の上流端と、を接続する。
供給流路29は、継手部28と液体吐出ヘッド14とを接続する。
【0023】
第1一方向弁30と第2一方向弁32は、供給流路29に設けられる。第1一方向弁30は、第2一方向弁32より供給方向Dsの上流に設けられる。第1一方向弁30及び第2一方向弁32は、供給方向Dsの下流に向かう液体の流動を許容し、上流に向かう液体の流動を制限する。
【0024】
供給ポンプ31は、第1一方向弁30と第2一方向弁32との間に設けられる。供給ポンプ31は、ダイヤフラム34と、駆動部35と、を有してもよい。供給ポンプ31は、ポンプ室36と、圧力室37と、を有する。
【0025】
ダイヤフラム34は、ポンプ室36と、圧力室37と、を区切る。ダイヤフラム34は、ポンプ室36と圧力室37との圧力の差に応じて移動することで、ポンプ室36の容積を変化させる。
【0026】
駆動部35は、圧力室37を減圧及び加圧可能である。駆動部35は、圧力室37を減圧してポンプ室36の容積を増大させることにより、供給流路29と連通する液体貯留部21から液体を吸引する。駆動部35は、圧力室37を加圧してポンプ室36の容積を減少させることにより、ポンプ室36内の液体を加圧して液体吐出ヘッド14へ向けて液体を供給する。駆動部35は、例えば液体吐出装置11の電源が投入されている間、圧力室37の減圧と加圧を交互に繰り返して実行してもよい。
【0027】
<制御部>
制御部15は、液体吐出装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。
【0028】
制御部15は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0029】
<残量取得部>
残量取得部16は、各液体貯留部21に貯留される液体の残量を取得可能である。残量取得部16は、算出部39と、検出部40と、を有してもよい。
【0030】
制御部15は、メモリーに記憶されるプログラムを実行することによって、算出部39として機能してもよい。算出部39は、液体吐出ヘッド14が液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する液体貯留部21の推定残量を算出する。
【0031】
液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド14から媒体に液体を吐出する印刷や、液体吐出ヘッド14から液体を排出するメンテナンスにより液体を消費する。例えば算出部39は、吐出した液滴の大きさと数に基づいて消費量を算出してもよい。例えば算出部39は、液体吐出ヘッド14から液体を排出させるメンテナンスの種類に応じて消費量を算出してもよい。算出部39は、記憶素子24に記憶された残量から消費量を引くことで、推定残量を算出してもよい。制御部15は、算出した推定残量を記憶素子24に記憶させてもよい。
【0032】
検出部40は、少なくとも1つの液体貯留部21に貯留される液体を物理的に検出する。本実施形態では、検出部40が検出した残量を物理残量ともいう。本実施形態の検出部40は、ダイヤフラム34越しに液体を検出する。具体的には、吐出に使用する液体貯留部21に閾値以上の液体が貯留されている場合、ダイヤフラム34は、圧力室37が減圧されるのに伴ってポンプ室36の容積を増大させるように移動する。そのため、検出部40は、ダイヤフラム34の移動を検出することで、吐出に使用する液体貯留部21の物理残量が閾値以上であることを検出できる。本実施形態の閾値は、液体貯留部21から液体を供給可能な最小量である。
【0033】
液体貯留部21の物理残量が閾値を下回ると、液体貯留部21から液体の供給ができなくなる。液体の供給ができなくなった場合、圧力室37が減圧されても、ダイヤフラム34はポンプ室36の容積を増大させる移動ができなくなる。すなわち、液体貯留部21の物理残量が閾値を下回ると、検出部40は、ポンプ室36の容積の増大させるダイヤフラム34を検出できなくなる。したがって、検出部40は、吐出に使用する液体貯留部21の物理残量が、閾値以上であるか、閾値を下回ったかを検出できる。物理残量が閾値を下回ったことを検出部40が検出すると、制御部15は、吐出に使用している液体貯留部21が有する記憶素子24に、供給不可情報を記憶させてもよい。
【0034】
<供給ルーチン>
図2に示すフローチャートを参照し、液体吐出装置11の制御方法について説明する。
この供給ルーチンは、例えば印刷など、液体吐出ヘッド14で液体が消費されるタイミングで実行される。この供給ルーチンが実行されるとき、切替弁27は、1つが開弁された状態にある。すなわち、制御方法は、装着部12に装着されている3つ以上の液体貯留部21のうち1の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することを含む。
【0035】
ステップS101において、制御部15は、検出部40の検出結果に基づいて物理残量が閾値以上であるか否かを判断してもよい。制御方法は、検出部40によって、少なくとも1つの液体貯留部21に貯留される液体を物理的に検出することで、液体貯留部21の物理残量を取得することを含んでもよい。物理残量が閾値以上である場合、ステップS101がYESになり、制御部15は、処理をステップS102に移行する。
【0036】
ステップS102において、制御部15は、吐出に使用する液体貯留部21の推定残量を算出部39に算出させてもよい。制御方法は、算出部39によって、少なくとも1つの液体貯留部21の推定残量を取得することを含んでもよい。
【0037】
ステップS103において、制御部15は、吐出に使用する液体貯留部21が有する記憶素子24に記憶された推定残量を、算出した推定残量で更新してもよい。制御部15は、処理をステップS101に移行する。
【0038】
ステップS101において、吐出に使用する液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、ステップS101がNOになり、制御部15は、処理をステップS104に移行する。
【0039】
ステップS104において、制御部15は、吐出に使用する液体貯留部21の残量が閾値を下回ったことを通知部17に通知させてもよい。制御方法は、吐出に使用する1の液体貯留部21の残量が閾値を下回ったことを外部に通知することを含んでもよい。
【0040】
ステップS105において、制御部15は、吐出に使用する液体貯留部21が有する記憶素子24に供給不可情報を記憶させてもよい。
ステップS106において、制御部15は、残量が閾値以上の液体貯留部21において、残量を比較してもよい。本実施形態の制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21において、推定残量を比較する。物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち最も少ない推定残量である最少残量の液体貯留部21が1つである場合、ステップS106がNOになり、制御部15は、処理をステップS107に移行する。
【0041】
ステップS107において、制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、最小残量の液体貯留部21を吐出に使用してもよい。制御方法は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち最少残量の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することを含んでもよい。制御部15は、先に開弁していた切替弁27を閉弁すると共に、最小残量の液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁する。最少残量の液体貯留部21が複数ある場合、ステップS106がYESになり、制御部15は、処理をステップS108に移行する。
【0042】
ステップS108において、制御部15は、最小残量の液体貯留部21の使用期限を取得してもよい。制御方法は、記憶素子24と接続された接続部22を介して得られた情報に基づいて各液体貯留部21が貯留する液体の使用期限を取得することを含んでもよい。使用期限は、記憶素子24に記憶された使用期限を取得してもよいし、記憶素子24が記憶する例えば製造時期などの時期情報に基づいて取得してもよい。
【0043】
ステップS109において、制御部15は、最少残量の液体貯留部21のうち、使用期限が最も近い液体貯留部21を吐出に使用してもよい。すなわち、制御方法は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合であって、最少残量の液体貯留部21が複数ある場合は、この複数の液体貯留部21のうち使用期限が最も近い液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することを含んでもよい。制御部15は、先に開弁していた切替弁27を閉弁すると共に、使用する液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁する。
【0044】
ステップS110において、制御部15は、ロック部23による液体貯留部21の交換の制限を、物理残量が閾値を下回って液体の供給ができなくなった液体貯留部21について解除してもよい。制御方法は、液体吐出ヘッド14による液体の吐出中に、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、液体貯留部21の交換を可能とすることを含んでもよい。制御部15は、処理をステップS101に移行する。
【0045】
<第1実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
全ての切替弁27は、液体吐出装置11の電源がオフされている間、閉弁していてもよい。液体吐出装置11の電源が投入されると、制御部15は、1つの切替弁27を開弁させる。
【0046】
例えば制御部15は、第1液体貯留部21fから順に物理残量が閾値以上あるかを確認し、最初に物理残量が閾値以上あることを確認できた液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。制御部15は、第1液体貯留部21fから順に供給不可情報が記憶されていないかを確認し、最初に供給不可情報を記憶していないことを確認できた液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、最小残量の液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。制御部15は、前回の使用時に使用していた液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、使用期限が最も近い液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。制御部15は、ユーザーが指定した液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁させてもよい。1つの切替弁27を開弁させることで、1つの液体貯留部21から液体吐出ヘッド14に液体の供給が可能になる。
【0047】
物理残量が閾値を下回った液体貯留部21がある場合、制御部15は、通知部17によって液体貯留部21を交換するように通知してもよい。制御部15は、物理残量が閾値を下回った液体貯留部21のロック部23によるロックを解除させてもよい。制御部15は、液体貯留部21が交換されると、装着された液体貯留部21の装着部12からの離脱を、ロック部23に制限させてもよい。
【0048】
液体吐出ヘッド14で液体が消費されると、吐出に使用する液体貯留部21の残量が減少する。吐出に使用する液体貯留部21の推定残量が通知閾値を下回った場合、制御部15は、吐出に使用する液体貯留部21の切り替えが間もなく行われること、切り換え可能な液体貯留部21の有無などを通知部17に通知させてもよい。通知残量は、物理残量との比較に用いる閾値よりも大きい。
【0049】
制御部15は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち推定残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。
【0050】
<第1実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)先に吐出に使用する1つの液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、閾値以上の残量を有する他の液体貯留部21のうち、最少残量の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。一般的に、残量が少ない液体貯留部21は、残量が多い液体貯留部21より先に製造されたものだと推定できる。そのため、残量が少ない液体貯留部21を優先的に使用することで、3つ以上の液体貯留部21を適切に使用できる。
【0051】
(1-2)最少残量の液体貯留部21が複数ある場合、使用期限が近い液体貯留部21を優先的に使用する。そのため、液体貯留部21内の液体を使用期限内に使い切りやすくすることができる。
【0052】
(1-3)通知部17は、液体貯留部21の物理残量が閾値を下回ったことを外部に通知する。そのため、ユーザーは、例えば残量が物理閾値を下回った液体貯留部21に対する対応を行うか否かを容易に判断することができる。
【0053】
(1-4)液体吐出ヘッド14による液体の吐出中に、使用している液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、この液体貯留部21の交換を可能とする。液体の吐出中でも液体貯留部21に対する対応が可能になるため、液体貯留部21に対して柔軟に対応することができる。
【0054】
(1-5)残量取得部16は、検出部40によって、少なくとも1つの液体貯留部21に貯留される液体を物理的に検出することで物理残量を取得する。そのため、実際の残量と、取得した物理残量と、の誤差を小さくすることができる。
【0055】
(1-6)残量取得部16は、液体貯留部21に貯留される液体の推定残量を、液体吐出ヘッド14で消費される液体の消費量から算出する。そのため、液体貯留部21に貯留される液体の残量を容易に推定ことができる。
【0056】
(1-7)吐出に使用する液体貯留部21の物理残量が閾値を下回ると、推定残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。そのため、先に吐出に使用していた液体貯留部21の使用中止を、実際の残量との誤差が小さい物理残量に基づいて行うことができる。次に使用する液体貯留部21の選定を、推定残量に基づいて容易に行うことができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、供給ルーチンが第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
【0058】
<供給ルーチン>
図3に示すステップS201~ステップS205の処理は
図2におけるステップS101~ステップS105の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0059】
ステップS206において、制御部15は、装着部12に装着されている液体貯留部21が貯留する液体の使用期限を取得してもよい。制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21の使用期限を取得してもよい。制御方法は、記憶素子24と接続された接続部22を介して得られた情報に基づいて各液体貯留部21が貯留する液体の使用期限を取得することを含んでもよい。
【0060】
ステップS207において、制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち使用期限が最も近い最短期限の液体貯留部21が複数あるか否かを判断する。最短期限の液体貯留部21が1つである場合、ステップS207がNOになり、制御部15は、処理をステップS208に移行する。
【0061】
ステップS208において、制御部15は、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、最短期限の液体貯留部21を吐出に使用してもよい。制御方法は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち使用期限が最も近い最短期限の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することを含む。制御部15は、先に開弁していた切替弁27を閉弁すると共に、最短期限の液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁する。
【0062】
最短期限の液体貯留部21が複数ある場合、ステップS207がYESになり、制御部15は、処理をステップS209に移行する。
ステップS209において、制御部15は、最短期限の液体貯留部21のうち、最小残量の液体貯留部21を吐出に使用してもよい。すなわち、制御方法は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合であって、最短期限の液体貯留部21が複数ある場合は、最短期限の液体貯留部21のうち、物理残量が閾値以上であって且つ推定残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用することを含んでもよい。制御部15は、先に開弁していた切替弁27を閉弁すると共に、使用する液体貯留部21に対応する切替弁27を開弁する。
【0063】
ステップS210において、制御部15は、
図2におけるステップS110と同様の処理を実行する。
制御部15は、処理をステップS201に移行する。
【0064】
<第2実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
制御部15は、記憶素子24と接続された接続部22を介して得られた情報に基づいて各液体貯留部21が貯留する液体の使用期限を取得する。制御部15は、吐出に使用する1の液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、物理残量が閾値以上の液体貯留部21のうち使用期限が最も近い液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。
【0065】
<第2実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(2-1)先に吐出に使用する1つの液体貯留部21の物理残量が閾値を下回った場合、閾値以上の残量を有する他の液体貯留部21のうち、使用期限が最も近い液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。そのため、使用期限が近い液体貯留部21を優先的に使用することで、液体貯留部21内の液体を使用期限内に使い切りやすくすることができ、3つ以上の液体貯留部21を適切に使用できる。
【0066】
(2-2)最短期限の液体貯留部21が複数ある場合、推定残量が少ない液体貯留部21を優先的に使用する。残量が少ない液体貯留部21を使用することにより、残量が多い液体貯留部21を使用する場合よりも、残量が閾値を下回るタイミングを早めることができる。したがって、物理残量が閾値を下回った液体貯留部21に対応する時間を確保しやすくなるため、ユーザビリティーを高めることができる。
【0067】
(2-3)最短期限の液体貯留部21が複数ある場合、推定残量が少ない液体貯留部21を優先的に使用する。そのため、次に使用する液体貯留部21の選定を、推定残量に基づいて容易に行うことができる。
【0068】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0069】
・液体貯留部21が袋状である場合、検出部40は、液体貯留部21の厚みを検出することで、物理残量を取得してもよい。
・検出部40は、液体貯留部21の重さを検出することで、物理残量を取得してもよい。
【0070】
・液体貯留部21は、剛性を有する箱状であってもよい。液体貯留部21内には、液面が形成されてもよい。液面には、大気圧が作用してもよい。
・各導出流路26の一部を、可撓性を有する可撓膜により形成してもよい。検出部40は、可撓膜を介して液体を物理的に検出してもよい。残量取得部16は、導出流路26と同数の検出部40を備えてもよい。検出部40は、可撓膜の膨らみを検出可能であってもよい。液体貯留部21に貯留される液体の液面と、可撓膜と、には、大気圧が作用する。液体貯留部21に収容される液体の液面が、可撓膜より鉛直方向の上方に位置する場合、可撓膜は、導出流路26を広げるように膨らむ。液体貯留部21に貯留される液体が少なくなると、可撓膜は、導出流路26を狭めるように凹む。可撓膜は、液体貯留部21に対して鉛直方向の同じ位置に、水平方向に並んで配置されてもよいし、液体貯留部21より鉛直方向の下方に配置されてもよい。検出部40は、膨らんだ可撓膜を検出することで、対応する液体貯留部21の物理残量が閾値以上であることを検出してもよい。検出部40は、凹んだ可撓膜を検出することで、対応する液体貯留部21の物理残量が閾値を下回ったことを検出してもよい。すなわち、閾値は、可撓膜を膨らませることができる量であってもよい。
【0071】
・検出部40は、液体貯留部21内の液面の位置を検出することで、物理残量を取得してもよい。閾値は、液面の高さであってもよい。検出部40は、閾値より高い位置に位置する液面を検出することで、物理残量が閾値以上であることを検出してもよい。検出部40は、閾値より低い位置に位置する液面を検出することで、物理残量が閾値を下回ったことを検出してもよい。
【0072】
・検出部40は、長さの異なる複数の電極を備えてもよい。複数の電極は、液体貯留部21内の所定位置に設けられてもよい。検出部40は、電極に液体が接触する場合と、接触しない場合と、で変化する抵抗を検出することで、液面の位置を検出してもよい。
【0073】
・検出部40は、プリズムと、照射部と、受光部と、を含んでもよい。プリズムは、液体貯留部21内に設けられる。照射部は、プリズムに対して光を照射する。受光部は、プリズムで屈折した光を受光する。プリズムに液体が接触する間は、液体中に光が拡散する。液面がプリズムより下に位置してプリズムが液体から露出すると、プリズムで屈折した光が受光部に届く。検出部40は、受光部が受光する光量の変化から液面の位置を検出してもよい。
【0074】
・検出部40は、液体貯留部21内に設けられて液体に浮かぶフロートの位置を検出するフロートセンサーであってもよい。
・検出部40は、画像を検出するイメージセンサーであってもよい。残量取得部16は、イメージセンサーが検出した画像を解析することで、液面の位置を取得してもよい。
【0075】
・検出部40は、光を照射する発光部と、光を受光する受光部と、を含む光電センサーであってもよい。発光部と受光部は、液体貯留部21を挟んで設けられてもよい。受光部は、液体貯留部21を透過した光を受光してもよい。例えば、液面が光電センサーより上方にある場合、光は、発光部と受光部との間に存在する液体により遮られる。検出部40は、受光部が受光する光量の変化から液面の位置を検出してもよい。
【0076】
・制御部15は、算出部39が算出した推定残量が閾値を下回った場合に、検出部40が検出した物理残量が閾値以上であって且つ物理残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用してもよい。
【0077】
・制御部15は、算出部39が算出した推定残量が閾値を下回った場合に、最短期限の液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用してもよい。
・制御部15は、推定残量が閾値を下回った場合であって、最短期限の液体貯留部21が複数ある場合は、最短期限の液体貯留部21のうち、物理残量が閾値以上であって且つ物理残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用してもよい。
【0078】
・残量取得部16は、検出部40と算出部39のうち、一方を有してもよい。
・制御部15は、検出部40が取得した物理残量が閾値を下回った場合に、物理残量が閾値以上であって且つ物理残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用してもよい。
【0079】
・制御部15は、算出部39が算出した推定残量が閾値を下回った場合に、算出残量が閾値以上であって且つ算出残量が最も少ない液体貯留部21が貯留する液体を吐出に使用してもよい。
【0080】
・吐出に使用する1の液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合に、残量が少ない液体貯留部21を優先して使用するか、使用期限が近い液体貯留部21を優先して使用するかは、例えばユーザーが選択してもよい。
【0081】
・例えば使用期限が設定期限より短い液体貯留部21がある場合には、制御部15は、使用期限が短い液体貯留部21を優先して使用してもよい。制御部15は、使用期限が設定期限より短い液体貯留部21がない場合には、残量が少ない液体貯留部21を優先して使用してもよい。設定期限は、例えば1ヶ月など予め設定された期間であってもよいし、液体吐出装置11の使用頻度に合わせて設定されてもよい。
【0082】
・記憶素子24は、液体貯留部21が貯留可能な液体の最大貯留量、出荷時に貯留している初期貯留量、液体貯留部21から供給された液体の供給量などの量情報を記憶してもよい。算出部39は、量情報に基づいて推定残量を算出してもよい。
【0083】
・記憶素子24は、液体貯留部21の使用期限を記憶してもよい。
・記憶素子24は、液体貯留部21に液体を充填した充填時期、液体貯留部21の製造時期、液体貯留部21の出荷時期などの時期情報を記憶してもよい。吐出に使用する1の液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合に、制御部15は、残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、充填時期、製造時期、出荷時期などが早い液体貯留部21を優先して使用してもよい。
【0084】
・記憶素子24は、液体貯留部21が装着部12に対して着脱された回数を記憶してもよい。吐出に使用する1の液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合に、制御部15は、残量が閾値以上の液体貯留部21のうち、装着回数が最も多い液体貯留部21を優先して使用してもよい。
【0085】
・液体貯留部21には、液体の補充が可能であってもよい。液体の補充が可能である場合、液体貯留部21は、装着部12に固定されてもよい。液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合、制御部15は、液体貯留部21に液体を補充するように、通知部17に通知させてもよい。
【0086】
・同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部21のうち、少なくとも1つの液体貯留部21は、貯留可能な液体の量が異なっていてもよい。
・装着部12は、複数に分割されていてもよい。換言すると、液体吐出装置11は、同じ種類の液体を収容する1以上の液体貯留部21が装着される装着部12を複数備えてもよい。同じ種類の液体を収容する3つ以上の液体貯留部21は、複数の装着部12に分かれて装着されてもよい。複数の装着部12は、互いに離れて設けられてもよい。例えば、複数の装着部12は、液体吐出装置11の内部と外部にそれぞれ設けられてもよい。
【0087】
・通知部17は、各液体貯留部21に関する情報を通知してもよい。例えば通知部17は、各液体貯留部21の残量を通知してもよい。
・液体吐出装置11は、複数の装着部12と、複数の供給機構13と、を備えてもよい。複数の装着部12には、装着部12ごとに異なる種類の液体を貯留する液体貯留部21が装着されてもよい。例えば、1つ目の装着部12には、ブラックインクを貯留する液体貯留部21が装着可能であってもよい。2つ目の装着部12には、ホワイトインクを貯留する液体貯留部21が装着可能であってもよい。液体吐出装置11は、複数種類のインクによりカラー印刷が可能であってもよい。
【0088】
・液体吐出装置11が複数の装着部12を備える場合、各装着部12には、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部21を装着可能であってもよい。
・液体吐出装置11が複数の装着部12を備える場合、複数の装着部12は、装着可能な液体貯留部21の数が異なっていてもよい。例えば1つの装着部12には、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部21が装着可能であってもよい。他の装着部12には、1つもしくは2つの液体貯留部21が装着可能であってもよい。
【0089】
・接続部22は、記憶素子24と非接触で通信することで、記憶素子24に記憶された情報を読み取ってもよい。1つの接続部22は、複数の記憶素子24に記憶された情報を読み取ってもよい。
【0090】
・液体吐出装置11は、装着部12に装着された液体貯留部21を覆うカバーを備えてもよい。ロック部23は、カバーの開放を制限してもよい。ロック部23は、カバーの開放を許可することで、液体貯留部21の交換を可能としてもよい。
【0091】
・液体吐出装置11は、ロック部23を備えてない構成としてもよい。例えば、制御部15は、記憶素子24が接続部22から離れた場合に、液体吐出ヘッド14による液体の吐出を停止させてもよい。制御部15は、残量が閾値を下回った液体貯留部21の記憶素子24が接続部22から離れても、液体吐出ヘッド14による液体の吐出を継続させることで、液体貯留部21の交換を可能としてもよい。
【0092】
・制御部15は、複数の液体貯留部21の残量が閾値を下回った場合に、通知部17に通知させてもよい。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0093】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0094】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0095】
(A)液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち最も少ない残量である最少残量の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含む。
【0096】
この方法によれば、先に吐出に使用する1つの液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、閾値以上の残量を有する他の液体貯留部のうち、最少残量の液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。一般的に、残量が少ない液体貯留部は、残量が多い液体貯留部より先に製造されたものだと推定できる。そのため、残量が少ない液体貯留部を優先的に使用することで、3つ以上の液体貯留部を適切に使用できる。
【0097】
(B)(A)に記載の液体吐出装置の制御方法において、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有し、前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最少残量の前記液体貯留部が複数ある場合は、複数の該液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含んでもよい。
【0098】
この方法によれば、最少残量の液体貯留部が複数ある場合、使用期限が近い液体貯留部を優先的に使用する。そのため、液体貯留部内の液体を使用期限内に使い切りやすくすることができる。
【0099】
(C)液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記各液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、を備え、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有する液体吐出装置の制御方法であって、前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得することと、前記装着部に装着されている3つ以上の前記液体貯留部のうち1の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い最短期限の前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含む。
【0100】
この方法によれば、先に吐出に使用する1つの液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、閾値以上の残量を有する他の液体貯留部のうち、使用期限が最も近い液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。そのため、使用期限が近い液体貯留部を優先的に使用することで、液体貯留部内の液体を使用期限内に使い切りやすくすることができ、3つ以上の液体貯留部を適切に使用できる。
【0101】
(D)(C)に記載の液体吐出装置の制御方法は、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最短期限の前記液体貯留部が複数ある場合は、前記最短期限の前記液体貯留部のうち、残量が前記閾値以上であって且つ最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することを含んでもよい。
【0102】
この方法によれば、最短期限の液体貯留部が複数ある場合、残量が少ない液体貯留部を優先的に使用する。残量が少ない液体貯留部を使用することにより、残量が多い液体貯留部を使用する場合よりも、残量が閾値を下回るタイミングを早めることができる。したがって、残量が閾値を下回った液体貯留部に対応する時間を確保しやすくなるため、ユーザビリティーを高めることができる。
【0103】
(E)(A)~(D)に記載の液体吐出装置の制御方法は、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回ったことを外部に通知することを含んでもよい。
この方法によれば、液体貯留部の残量が閾値を下回ったことを外部に通知する。そのため、ユーザーは、例えば残量が閾値を下回った液体貯留部に対する対応を行うか否かを容易に判断することができる。
【0104】
(F)(A)~(E)に記載の液体吐出装置の制御方法は、前記液体吐出ヘッドによる液体の吐出中に、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が前記閾値を下回った場合、該液体貯留部の交換を可能とすることを含んでもよい。
【0105】
この方法によれば、液体吐出ヘッドによる液体の吐出中に、使用している液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、この液体貯留部の交換を可能とする。液体の吐出中でも液体貯留部に対する対応が可能になるため、液体貯留部に対して柔軟に対応することができる。
【0106】
(G)(A)~(F)に記載の液体吐出装置の制御方法において、前記残量取得部は、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部を有し、前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することを含んでもよい。
【0107】
この方法によれば、残量取得部は、検出部によって、少なくとも1つの液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで物理残量を取得する。そのため、実際の残量と、取得した物理残量と、の誤差を小さくすることができる。
【0108】
(H)(A)~(G)に記載の液体吐出装置の制御方法において、前記残量取得部は、前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部を有し、前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することを含んでもよい。
【0109】
この方法によれば、残量取得部は、液体貯留部に貯留される液体の推定残量を、液体吐出ヘッドで消費される液体の消費量から算出する。そのため、液体貯留部に貯留される液体の残量を容易に推定ことができる。
【0110】
(I)(A)に記載の液体吐出装置の制御方法において、前記残量取得部は、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部と、前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部と、を有し、前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することと、前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の前記物理残量が前記閾値を下回った場合、前記物理残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち、前記推定残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含んでもよい。
【0111】
この方法によれば、吐出に使用する液体貯留部の物理残量が閾値を下回ると、推定残量が最も少ない液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように切り替える。そのため、先に吐出に使用していた液体貯留部の使用中止を、実際の残量との誤差が小さい物理残量に基づいて行うことができる。次に使用する液体貯留部の選定を、推定残量に基づいて容易に行うことができる。
【0112】
(J)(D)に記載の液体吐出装置の制御方法において、前記残量取得部は、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出する検出部と、前記液体吐出ヘッドが液体を吐出することで消費される液体の消費量に基づいて、液体を供給する前記液体貯留部の推定残量を算出する算出部と、を有し、前記検出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部に貯留される液体を物理的に検出することで、該液体貯留部の物理残量を取得することと、前記算出部によって、少なくとも1つの前記液体貯留部の前記推定残量を取得することと、吐出に使用する1の前記液体貯留部の前記物理残量が前記閾値を下回った場合であって、前記最短期限の前記液体貯留部が複数ある場合は、複数の該液体貯留部のうち前記物理残量が前記閾値以上であって、且つ前記推定残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用することと、を含んでもよい。
【0113】
この方法によれば、最短期限の液体貯留部が複数ある場合、推定残量が少ない液体貯留部を優先的に使用する。そのため、次に使用する液体貯留部の選定を、推定残量に基づいて容易に行うことができる。
【0114】
(K)液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、制御部と、を備え、前記制御部は、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち残量が最も少ない前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。この構成によれば、上記液体吐出装置の制御方法と同様の効果を奏することができる。
【0115】
(L)液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、同じ種類の液体を貯留する3つ以上の液体貯留部を装着可能な装着部と、前記液体貯留部に貯留される液体の残量を取得可能な残量取得部と、制御部と、を備え、前記各液体貯留部は、貯留する液体に関する情報を記憶する記憶素子を有し、前記装着部は、前記各記憶素子と電気的に接続される1つ以上の接続部を有し、前記制御部は、前記記憶素子と接続された前記接続部を介して得られた前記情報に基づいて前記各液体貯留部が貯留する液体の使用期限を取得し、吐出に使用する1の前記液体貯留部の残量が閾値を下回った場合、残量が前記閾値以上の前記液体貯留部のうち前記使用期限が最も近い前記液体貯留部が貯留する液体を吐出に使用するように制御する。この構成によれば、上記液体吐出装置の制御方法と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0116】
11…液体吐出装置、12…装着部、13…供給機構、14…液体吐出ヘッド、15…制御部、16…残量取得部、17…通知部、19…ノズル、21…液体貯留部、21f…第1液体貯留部、21s…第2液体貯留部、21t…第3液体貯留部、22…接続部、23…ロック部、24…記憶素子、26…導出流路、26f…第1導出流路、26s…第2導出流路、26t…第3導出流路、27…切替弁、27f…第1切替弁、27s…第2切替弁、27t…第3切替弁、28…継手部、29…供給流路、30…第1一方向弁、31…供給ポンプ、32…第2一方向弁、34…ダイヤフラム、35…駆動部、36…ポンプ室、37…圧力室、39…算出部、40…検出部、Ds…供給方向。