(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015424
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】静脈内プライミング・キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61M5/31
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211848
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2021510678の分割
【原出願日】2019-07-16
(31)【優先権主張番号】16/120,033
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、スン
(72)【発明者】
【氏名】シェブゴール、シッダルタ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】マ、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジアグイ
(57)【要約】
【課題】静脈内プライミング・キャップを提供すること。
【解決手段】流体コネクターおよびIV投与セットの汚染に抵抗するために、ならびに、IV投与セットのプライミングを可能にするために、IV投与セットの流体コネクターに連結するためのデバイスである。デバイスは、流体コネクターを受け入れるためのキャビティーを有するカバー本体部と、IV投与セットから流体コネクターを通して流体をプライミングするためのプライミング通路と、カバー本体部から延在するカップリング・タブとを含み、カップリング・タブは、カバー本体部が所定の長さのIVラインまたはIV投与セットの他の部分に連結されることを可能にし、汚染に抵抗し、IV投与セットのプライミングを可能にする。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内(IV)プライミング・キャップであって、前記静脈内(IV)プライミング・キャップは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、前記内側表面は、前記近位端部から前記遠位端部に向けて前記カバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、前記コネクター・キャビティーは、前記カバー本体部の前記近位端部から前記遠位端部に向けて延在する長手方向のコネクター・キャビティー軸線を含む、カバー本体部と;
前記コネクター・キャビティーの中から前記カバー本体部の外側へ延在するプライミング通路と;
前記カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、前記カップリング・タブは、前記カバー本体部に連結されているベース部分、前記カバー本体部の遠位にある先端部部分、前記カップリング・タブを通るチュービング通路、および、前記カップリング・タブの外側表面を通り前記チュービング通路へ延在するスロットを含み、前記カップリング・タブは、前記スロットを通して前記チュービング通路へ移動させられる所定の長さのチュービングに対して係合するように構成されている、カップリング・タブと
を含む、静脈内(IV)プライミング・キャップ。
【請求項2】
前記カップリング・タブは、前記カバー本体部から離れる方向に延在するベース部分と、前記ベース部分から前記カバー本体部に向かう方向に延在する先端部部分とを含む、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項3】
前記ベース部分の側部表面は、前記カバー本体部から離れる方向に面しており、前記先端部部分の側部表面は、前記ベース部分の前記側部表面に向かう方向に面しており、所定の幅の前記チュービング通路が、前記ベース部分の前記側部表面と前記先端部部分の前記側部表面との間に形成されている、請求項2に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項4】
前記ベース部分の前記側部表面は、前記先端部部分の前記側部表面に対して平行になっている、請求項3に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項5】
前記チュービング通路の前記幅は、前記チュービング通路の長さよりも小さく、前記チュービング通路の前記幅よりも大きい直径を有するIVラインが、前記チュービング通路の中へ挿入されるときに、前記IVラインが、前記カップリング・タブの前記ベース部分の前記側部表面と前記先端部部分の前記側部表面によって圧縮されるようになっている、請求項3に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項6】
前記スロットは、前記ベース部分の前記側部表面と前記先端部部分の前記側部表面との間に形成されており、所定の幅の前記スロットが、前記ベース部分の前記側部表面と前記先端部部分の前記側部表面との間に形成されている、請求項3に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項7】
前記ベース部分の前記側部表面および前記先端部部分の前記側部表面は、前記スロットに沿って、互いに向けてテーパー付きになっており、前記スロットの前記幅が前記チュービング通路に向けて減少するようになっている、請求項6に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項8】
前記ベース部分の前記側部表面および前記先端部部分の前記側部表面は、前記スロットに沿って、互いから離れるようにテーパー付きになっており、前記スロットの前記幅が前記チュービング通路に向けて増加するようになっている、請求項6に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項9】
前記カップリング・タブは、壁部を有する遠位端部表面を含み、前記壁部は、前記カップリング・タブの周囲部の周りに延在し、前記カップリング・タブの凹んだ遠位表面を形成する、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項10】
前記カバー本体部の前記近位端部および前記カップリング・タブの近位表面は、同一平面上にある、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項11】
長手方向のコネクター・キャビティー軸線は、前記カバー本体部の前記近位端部と前記遠位端部との間に延在しており、前記カップリング・タブの前記ベース部分は、前記長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断方向の第1の方向に延在しており、前記カップリング・タブの前記先端部部分は、前記第1の方向とは異なっている第2の方向に延在している、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項12】
前記カバー本体部は、前記カバー本体部の前記外側表面に沿って延在するリブおよびチャネルのいずれかを含む、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項13】
疎水性のフィルターが、前記プライミング通路に沿って位置決めされている、請求項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項14】
静脈内(IV)投与セットであって、前記静脈内(IV)投与セットは、
遠位端部を含むIVラインであって、前記IVラインは、前記IVラインの直径を画定する外側表面を含む、IVラインと、前記IVラインの前記遠位端部と連結するように構成されている流体コネクターと、前記流体コネクターと連結するように構成されているIVプライミング・キャップとを含み、前記IVプライミング・キャップは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、前記内側表面は、前記近位端部から前記遠位端部に向けて前記カバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、前記コネクター・キャビティーは、前記カバー本体部の前記近位端部から前記遠位端部に向けて延在する長手方向のコネクター・キャビティー軸線を含む、カバー本体部と;
前記コネクター・キャビティーの中から前記カバー本体部の外側へ延在するプライミング通路と;
前記カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、前記カップリング・タブは、前記カバー本体部に連結されているベース部分、前記カバー本体部の遠位にある先端部部分、前記カップリング・タブを通るチュービング通路、および、前記カップリング・タブの外側表面を通り前記チュービング通路へ延在するスロットを含み、前記チュービング通路は、前記カップリング・タブの前記ベース部分および前記先端部部分の対向する側部表面の間に形成されている、カップリング・タブと
を含み、
前記チュービング通路の幅は、前記IVラインの前記直径よりも小さくなっており、前記カップリング・タブが、前記スロットを通して位置付けられている所定の長さのIVラインに対して係合して圧縮するように構成されるようになっている、静脈内(IV)投与セット。
【請求項15】
前記カップリング・タブは、前記カバー本体部から離れる方向に延在するベース部分と、前記ベース部分から前記カバー本体部に向かう方向に延在する先端部部分とを含む、請求項14に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項16】
前記ベース部分の側部表面は、前記カバー本体部から離れる方向に面しており、前記先端部部分の側部表面は、前記ベース部分の前記側部表面に向かう方向に面しており、所定の幅の前記チュービング通路が、前記ベース部分の前記側部表面と前記先端部部分の前記側部表面との間に形成されている、請求項15に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項17】
前記ベース部分の前記側部表面は、前記先端部部分の前記側部表面に対して平行になっている、請求項16に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項18】
静脈内(IV)プライミング・キャップであって、前記静脈内(IV)プライミング・キャップは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、前記内側表面は、前記近位端部から前記遠位端部に向けて前記カバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、前記コネクター・キャビティーは、前記カバー本体部の前記近位端部から前記遠位端部に向けて延在する長手方向のコネクター・キャビティー軸線を含む、カバー本体部と;
前記コネクター・キャビティーの中から前記カバー本体部の外側へ延在するプライミング通路と;
前記カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、前記カップリング・タブは、前記カバー本体部に連結されているベース部分、前記カバー本体部の遠位にある先端部部分、および、前記カバー本体部の前記外側表面と前記カップリング・タブの前記先端部部分との間のスロットを含み、前記スロットは、前記長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横方向に延在している、カップリング・タブと
を含む、静脈内(IV)プライミング・キャップ。
【請求項19】
前記ベース部分は、前記カバー本体部の前記外側表面から離れる第1の方向に延在しており、前記先端部部分は、前記カバー本体部の前記近位端部に向かう第2の方向に延在している、請求項18に記載のIVプライミング・キャップ。
【請求項20】
前記第2の方向は、前記長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して平行になっている、請求項19に記載のIVプライミング・キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、静脈の中へ挿入されたニードルまたはカテーテルを通して流体を患者の血管系に投与するために使用される静脈内(IV)投与セットおよびデバイスに関する。より具体的には、本出願は、流体コネクターをカバーするために、流体プライミングを可能にするために、ならびに、流体コネクターおよびIV投与セットの汚染を防止するために使用され得る流体コネクター・キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
IV投与セットは、静脈の中へ挿入されたニードルまたはカテーテルを通してコンテナから患者の血管系へ流体を投与するために使用されるデバイスである。IV投与セットは、ニードルまたはLuerコネクター、IVラインまたはチュービング、フロー調整器、ドリップ・チャンバー、注入ライン・フィルター、静脈内セットのストップコックまたはバルブ、セットのパーツ同士の間のコネクター、アクセス・ポートまたは注射部位、ローラー・クランプなどのようなクランプ、および、チュービングを貫通してIVバッグまたは他の注入流体コンテナに接続するためのIVスパイクを含むことが可能である。
【発明の概要】
【0003】
空気塞栓症を防止するために、IV投与セットは、IVチュービングを患者に取り付ける前に、チュービングから空気を除去するために、流体またはIV溶液によってプライミングされなければならない。空気塞栓症は、IV治療の潜在的な合併症であり、プライミングされていないIVチュービング、損傷を受けたまたはカットされたチュービング、アクセス・ポート、および、少な過ぎる流体を伴うドリップ・チャンバーを通して、患者の血液系に進入する可能性がある。
【0004】
IV投与セットをプライミングするために、クランプは、ドリップ・チャンバーの下方にIVラインに沿って位置決めされており、クランプは、閉位置に移動させられる。存在する場合には、IVスパイクの上の保護カバーが除去され、IVスパイクが注入流体コンテナの中へ挿入される。注入流体コンテナは、通常はIVポールから、吊り下げられているかまたは懸架されている。ドリップ・チャンバーは、圧迫または圧縮され、ドリップ・チャンバーの中へ注入流体を排出し、注入流体によってドリップ・チャンバーを部分的に充填することが可能である。
【0005】
クランプは、開位置に移動させられ、注入流体およびガスまたは空気がIVラインを通ってIVラインの遠位端部(たとえば、および注入流体コンテナ)へ移動することを可能にする。キャップがIVラインの遠位端部(または、IVラインの遠位端部における流体コネクター)に固定されている場合には、キャップが除去され、流体およびガスがIV投与セットを退出することを可能にする。
【0006】
プライミングの間にIVラインから排出される注入流体を処分するために、IVラインの遠位端部は、シンクまたは洗面器の上方に介護者によって保持され得る。注入流体は、血管内投与セットの中に大きい気泡が存在しなくなるまで、チュービングの遠位端部から滴下することを許容される。IV投与セットのプライミングの間に、介護者は、注入流体がチュービングの遠位端部に向けて移動している間に、および、気泡がチュービングの中に残らなくなるまで、反転された位置にチュービングの遠位端部を保持することも可能である。IV投与セットがプライミングされた後に、チュービングの遠位端部、または、それに固定された流体コネクターは、IV投与セットの汚染を防止するためにカバーされなければならない。
【0007】
IV投与セットのプライミングは、介護者が10~30秒にわたってチュービングの遠位端部を反転された位置で保持することを必要とする可能性がある。IV投与セットをプライミングするこのプロセスは、勤務シフトごとにおよび複数の患者に対して何度も繰り返される可能性があり、介護者が他のタスクに注意を払うことを妨げ、IV投与セットの汚染などのようなエラーの可能性を高め、必要とされる身体運動を悪化させ、それは、介護者に怪我を引き起こす可能性がある。
【0008】
準備およびプライミングの間に、キャップがIVラインの遠位端部または流体コネクターから除去され、IVラインの遠位端部または流体コネクターが地面または別の物体に触れる場合には、IV投与セットが汚染されることになる可能性がある。また、IVラインの遠位端部または流体コネクターから除去されたキャップが、除去されている間に汚染されることになり、次いで、IV投与セットのIVラインの遠位端部または流体コネクターに再び取り付けられる場合には、IV投与セットが汚染されることになる可能性もある。
【0009】
IV投与セットのプライミングは、チュービングから排出されている静脈内流体に介護者が露出されることを引き起こす可能性がある。たとえば、静脈内流体が腫瘍学における使用のための毒性の化学療法薬物であるときなどには、静脈内流体への露出または接触は、介護者に有害である可能性がある。露出による害は、静脈内流体への1回の露出において、または、繰り返される露出から起こる可能性がある。
【0010】
少なくともいくつかの実施形態によれば、所定の手順がIV投与セットの汚染を防止するために実装され得るが、無数のIV投与セットが医療手順の間に実装されるときに、特定の問題が起こるという認識が、本明細書で開示されている。たとえば、IV投与セットは汚染されることになる可能性があり、IV投与セットがプライミングされて患者の血管内系に連結されているときに、汚染が患者に移送される可能性がある。
【0011】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態は、数え切れないほどのIV投与セットが介護者によって実装され、介護者は、IV投与セットの繰り返される準備およびプライミングによって身体的に疲労することになる可能性があるという認識に関する。また、本明細書で開示されている実施形態は、介護者が注入流体への露出から負傷することになる可能性があるという認識に関する。
【0012】
本明細書で開示されている少なくともいくつかの実施形態によれば、本開示は、IV投与セットの汚染を防止し、介護者による身体運動を容易にし、IV投与の準備およびプライミングのために介護者によって使用される時間を低減させ、注入流体への露出による介護者への害を防止することができるIVプライミング・キャップを提供する。
【0013】
主題技術の追加的な特徴および利点が、下記の説明において記述されることとなり、説明から部分的に明らかになることとなり、または、主題技術の実施によって学習され得る。主題技術の利点は、書面による説明およびその実施形態ならびに添付の図面においてとりわけ指摘された構造体によって、実現および達成されることとなる。
【0014】
先述の全体的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、主題技術のさらなる説明を提供することを意図しているということが理解されるべきである。
【0015】
本発明の例示目的の実施形態のさまざまな特徴が、図面を参照して下記に説明されている。図示されている実施形態は、本発明を図示することを意図しており、本発明を限定することを意図していない。図面は、以下の図を含有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】注入流体を受け入れている患者およびIV投与セットの斜視図である。
【
図2】注入流体コンテナおよびIV投与セットの斜視図である。
【
図3A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの上面斜視図である。
【
図3B】
図3AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図3C】
図3AのIVプライミング・キャップの上面図である。
【
図3D】
図3AのIVプライミング・キャップの底面図である。
【
図3E】
図3AのIVプライミング・キャップの断面図である。
【
図4A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図4B】
図4AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図4C】
図4AのIVプライミング・キャップの上面図である。
【
図4D】
図4AのIVプライミング・キャップの底面図である。
【
図4E】
図4AのIVプライミング・キャップの断面図である。
【
図5A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図5B】
図5AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図5C】
図5AのIVプライミング・キャップの正面図である。
【
図5D】
図5AのIVプライミング・キャップの側面図である。
【
図6A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である
【
図6B】
図6AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図6C】
図6AのIVプライミング・キャップの正面図である。
【
図6D】
図6AのIVプライミング・キャップの側面図である。
【
図7A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図7B】
図7AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図7C】
図7AのIVプライミング・キャップの正面図である。
【
図7D】
図7AのIVプライミング・キャップの側面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図8B】
図8AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図8C】
図8AのIVプライミング・キャップの正面図である。
【
図8D】
図8AのIVプライミング・キャップの側面図である。
【
図9A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図9B】
図9AのIVプライミング・キャップの底面斜視図である。
【
図9C】
図9AのIVプライミング・キャップの上面図である。
【
図9D】
図9AのIVプライミング・キャップの底面図である。
【
図10A】いくつかの実施形態によるIVプライミング・キャップの別の実施形態の上面斜視図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、IV投与セットの一部分に連結されているIVプライミング・キャップの斜視図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、IV投与セットの一部分に連結されているIVプライミング・キャップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
主題技術のさまざまな構成が、本開示からより容易に当業者に明らかになることとなり、主題技術のさまざまな構成は、図示として示されて説明されているということが理解される。認識されることとなるように、主題技術は、他の構成および異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題技術の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の点における修正が可能である。したがって、要約、図面、および詳細な説明は、本質的に例示目的のためのものとして見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきでない。
【0018】
以下に記述されている詳細な説明は、主題技術のさまざまな構成の説明として意図されており、主題技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図していない。添付の図面は、本明細書に組み込まれており、詳細な説明の一部を構成している。詳細な説明は、主題技術の徹底的な理解を提供する目的のために、具体的な詳細を含む。しかし、主題技術がこれらの具体的な詳細なしに実施され得るということが、当業者に明らかになることとなる。いくつかの場合には、周知の構造体およびコンポーネントは、主題技術の概念を曖昧にすることを回避するためにブロック図の形態で示されている。同様のコンポーネントは、理解しやすいように、同一のエレメント番号によってラベル付けされている。
【0019】
少なくともいくつかの実施形態によれば、本明細書で開示されているのは、IV投与セットおよび患者の準備の間に、IV投与セットのプライミングの間に、および、患者へのIV投与セットの連結の間に起こり得る汚染を防止することを含む、IV投与セットの汚染を防止することができるIVプライミング・キャップである。
【0020】
図1は、介護者10および患者12を図示している。患者は、患者の血管系に連結されているIV投与セット20を通して注入流体を受け入れている。
図2は、注入流体コンテナ22およびIV投与セット20を図示している。IV投与セットは、注入流体コンテナ22に連結されているドリップ・チャンバー24と、近位端部がドリップ・チャンバー24に連結されている状態のIVライン26のチュービングと、流体コネクター28に連結されているIVライン26の遠位端部とを含む。ローラー・クランプ30が、ドリップ・チャンバー24と流体コネクター28との間で、所定の長さのIVライン26に連結されている。流体コネクターは、IVプライミング・キャップ34に連結されており、IVプライミング・キャップ34は、ドリップ・チャンバー24とローラー・クランプ30との間で、所定の長さのIVライン26に連結されている。いくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップ34は、IV投与セット20の別の部分(たとえば、ローラー・クランプ30またはIVライン・ピンチ・クランプなど)と係合または連結し、IVラインの遠位端部および流体コネクターをIV投与セットから吊り下げることが可能である。
【0021】
IVプライミング・キャップは、IVプライミング・キャップがIV投与セットに連結されているときに、IVラインの遠位端部および流体コネクターがIVラインの近位端部の配向に対して反転されるように構成されている。IVラインの遠位端部および流体コネクターの反転された配向は、IV投与セットのプライミングを促進させる。
【0022】
IVプライミング・キャップは、IVプライミング・キャップから延在するカップリング・タブを使用して、IV投与セットに連結され得る。カップリング・タブは、チュービング通路およびスロットのいずれかを形成する1つまたは複数のアームを備えて構成され得る。
【0023】
チュービング通路および/またはスロットは、流体フローの速度がそれを通して低減されないように、IVラインを圧縮することなく、IVプライミング・キャップを所定の長さのIVチュービングに連結することを可能にする幅を含むことが可能である。しかし、いくつかの実施形態では、チュービング通路および/またはスロットは、所定の幅を含むことが可能であり、その所定の幅は、所定の長さのIVラインが圧縮されることを引き起こし、それによって、流体フローの速度がそれを通して低減されることを引き起こす。
【0024】
本開示のいくつかの態様では、所定の長さのIVラインは、IVプライミング・キャップによって圧縮されており、IVラインを通る流体フローの速度が、IV投与セットのプライミングを可能にすることができるようになっているが、しかし、IVラインを通る流体フローの前記速度は、注入流体を患者に投与するには十分でない。結果として、介護者は、IVプライミング・キャップがIVラインに取り付けられた状態でIV投与セットをプライミングすることが可能であるが、しかし、介護者は、治療のために所望の流量を実現することができない。所望の流量が実現されないので、介護者は、注入流体を患者に投与する前に、IVプライミング・キャップを除去および/または廃棄するように促される。
【0025】
IV投与セットは、IVプライミング・キャップに連結されている流体コネクターを備えたIVラインの遠位端部によってプライミングされ得り、または、IV投与セットは、IVプライミング・キャップから流体コネクターを分離することによってプライミングされ得る。IVプライミング・キャップは、IV投与セットをプライミングする前または後に、IV投与セットから分離されて処分され得る。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップは、プライミングが起こったというインディケーションを含む、プライミングのインディケーションを提供することが可能である。たとえば、IVプライミング・キャップは、流体がIV投与セットから排出されたことを示すために色を変える材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップは、液体との接触を示すために色を変えることができる疎水性のフィルターを含む。また、IVプライミング・キャップは、IVプライミング・キャップがIV投与セットに連結されたままであるというインディケーションを提供することも可能である。たとえば、IVプライミング・キャップは、IVプライミング・キャップを除去するためのインディケーションとして、IVラインを通る流体フローを制限するように構成され得る。
【0027】
本開示は、オス型ルアータイプ流体コネクターを連結することができるIVプライミング・キャップの実施形態を説明しているが、IVプライミング・キャップは、他の流体コネクターと連結され得るということが認識されるべきである。しかし、明確化および簡潔化のために、本開示は、主に、オス型ルアー流体コネクターに言及することとなる。追加的に、本開示は、IV投与セットに関するIVプライミング・キャップを説明しているが、IVプライミング・キャップは、他のIV流体送達デバイスおよびシステムと連結され得るということが認識されるべきである。しかし、明確化および簡潔化のために、本開示は、主に、IV投与セットに言及することとなる。
【0028】
図3A~
図3Eは、IVプライミング・キャップ100の実施形態を図示している。IVプライミング・キャップは、IVラインの遠位端部と連結するか、またはIVラインの遠位端部における流体コネクターと連結することが可能である。本明細書で開示されている少なくともいくつかの実施形態において、IVプライミング・キャップは、流体コネクターおよびIV投与セットの一部分と連結し、IVラインの遠位端部および流体コネクターをIV投与セットから懸架することが可能である。
【0029】
IVプライミング・キャップ100は、カバー本体部102およびカップリング・タブ104を含む。カバー本体部102は、近位端部106と、近位端部106の反対側の遠位端部108とを含む。カバー本体部102は、内側表面110を含み、内側表面110は、キャビティーを画定しており、キャビティーは、カバー本体部102の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。キャビティーは、カバー本体部102の近位端部106から遠位端部108に向けて延在することが可能である。長手方向のコネクター・キャビティー軸線1Aが、カバー本体部102の近位端部106と遠位端部108との間に延在している。
【0030】
カバー本体部102は、長手方向のコネクター・キャビティー軸線1Aに対して横断方向に、所定の断面プロファイルを備えた外側表面を有している。本開示において使用されているように、横断方向という用語は、別の方向もしくは角度に交差するかまたは別の方向もしくは角度を横切ってまたは延在することが可能な任意の方向または角度を含むことが可能である。カバー本体部102の断面プロファイルは、近位端部106から遠位端部108に向けてテーパー付きになっていることが可能である。本開示のいくつかの実施形態では、カバー本体部102の外側表面は、近位セグメント112および遠位セグメント114を有しており、近位セグメント112は、近位端部106から遠位端部108に向けて延在しており、遠位セグメント114は、近位セグメント112から遠位端部108に向けて延在している。近位セグメント112は、第1の断面幅を有しており、遠位セグメント114は、第1の断面幅よりも小さい第2の断面幅を有している。いくつかの実施形態では、カバー本体部102の外側表面は、近位セグメント112と遠位セグメント114との間でテーパー付きになっている。
【0031】
IVプライミング・キャップ100は、
図3A~
図3Cに示されているように、カバー本体部102の外側表面から突出するリブ116を含むことが可能である。リブ116は、カバー本体部102の近位端部106と遠位端部108との間に延在することが可能である。本明細書で開示されている少なくともいくつかの実施形態において、リブ116は、カバー本体部の近位セグメント112と遠位端部108との間において、遠位セグメント114に沿って延在することが可能である。
【0032】
リブ116は、IVプライミング・キャップ100を把持するために、および、長手方向のコネクター・キャビティー軸線1Aの周りにIVプライミング・キャップ100を回転させるために、増加した表面積およびてこ作用を提供することが可能である。また、リブ116は、近位セグメント112および遠位セグメント114に沿って、構造的なリジッド性および支持を提供することが可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、カバー本体部102の外側表面は、カバー本体部102の外側表面の中へ延在する溝部またはチャネルを含むことが可能である。本開示の少なくともいくつかの実施形態では、カバー本体部102の外側表面は、凹形部分(たとえば、ディンプルもしくはノッチなど)、凸形部分(たとえば、バルジもしくはリッジなど)、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。凹形表面特徴および凸形表面特徴のいずれも、外側表面エリアの表面積を増加させ、カバー本体部102のリジッド性を増加させることが可能である。
【0034】
カバー本体部の内側表面110は、
図3Eに最良に図示されているように、カバー本体部の近位セグメント112に沿って近位キャビティー120を形成することが可能であり、また、カバー本体部の遠位セグメント114に沿って遠位キャビティー122を形成することが可能である。
【0035】
IVプライミング・キャップ100が流体コネクターと連結されているときには、流体コネクターの異なる部分は、近位キャビティー120および遠位キャビティー122において、カバー本体部102に係合することが可能である。いくつかの例では、オス型ルアー・コネクターがIVプライミング・キャップ100と連結されているときには、流体コネクターの本体部部分は、近位キャビティー120の中に位置決めされ得り、流体コネクターのオス型ルアー部分は、遠位キャビティー122の中に位置決めされ得る。例では、ネジ山または他のカップリング特徴を有する流体コネクターの外側表面は、近位キャビティー120に沿ってカバー本体部の内側表面110に係合することが可能である。流体コネクターのカップリング特徴が、近位キャビティー120に沿ってカバー本体部の内側表面110に対して係合されているときには、流体コネクターのオス型ルアー部分は、遠位キャビティー122に沿ってカバー本体部の内側表面110に対して係合することが可能である。
【0036】
カバー本体部102は、壁部124を含むことが可能であり、壁部124は、遠位セグメント114から近位キャビティー120の中へ、および、コネクター・キャビティー軸線1Aの周りに延在することが可能である。壁部124の内側表面は、遠位キャビティー122の一部分を形成することが可能である。壁部124の外側表面は、近位セグメント112に沿って、カバー本体部の内側表面110から間隔を離して配置されている。
【0037】
遠位キャビティー122は、遠位キャビティー122の内側表面と壁部124との間に形成された断面幅を有している。遠位キャビティー122の断面幅は、カバー本体部102のキャビティーの中へ挿入される流体コネクターのオス型ルアーに対して係合するように構成され得る。遠位キャビティー122の断面幅は、カバー本体部の遠位端部108に向けてテーパー付きになっていることが可能である。本開示のいくつかの態様では、IVプライミング・キャップ100は、遠位キャビティー122に沿ってオス型ルアーとカバー本体部102の内側表面との間に締まり嵌めを形成することによって、流体コネクターのオス型ルアーに対して流体的にシールすることが可能である。
【0038】
カバー本体部102は、プライミング通路126を含み、カバー本体部102のキャビティーとIVプライミング・キャップ100の外側表面に隣接するエリアとの間の流体の移動を可能にすることが可能である。プライミング通路126は、遠位キャビティー122とカバー本体部の遠位端部108との間に延在している。いくつかの実施形態では、プライミング通路126は、近位キャビティー120および/または遠位キャビティー120のいずれかからカバー本体部102の外側表面へ延在することが可能である。いくつかの例では、プライミング通路126は、遠位セグメント114に沿って遠位キャビティー120とカバー本体部の外側表面側部表面との間に延在している。いくつかの実施形態では、プライミング通路126の少なくとも一部分は、カバー本体部102の中へ延在する溝部によって形成され得る。
【0039】
プライミング通路126は、IVプライミング・キャップ100を流体コネクターから分離または除去することなく、IV投与セットのプライミングを可能にする。結果として、注入流体およびガスは、IVプライミング・キャップ100がそれに固定された状態で、流体コネクターを通してIV投与セットから外へ方向付けられ得る。IVプライミング・キャップ100がプライミングの間に流体コネクターから除去または分離される必要がないので、流体コネクターまたはIV投与セットを汚染する可能性が低減される。
【0040】
本明細書で開示されている少なくともいくつかの実施形態において、IVプライミング・キャップ100は、フィルター128を含む。フィルター128は、プライミング通路126に沿って位置決めされており、それを通って移動する流体を濾すかまたは分離する。本開示のいくつかの実施形態では、フィルター128は、IV投与セットが使用および/またはプライミングされたというインディケーションを提供することが可能である。
【0041】
フィルター128は、プライミング通路126の中に位置決めされ得るか、または、カバー本体部102の先端部部分に連結され得る。
図3Eを参照すると、IVプライミング・キャップは、凹部130を含み、フィルター128をその中に受け入れることが可能である。凹部130は、カバー本体部102の遠位端部の中へ延在することが可能であり、プライミング通路126は、凹部130と交差している。いくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップは、フィルターを含まない。フィルターを含まない実施形態では、プライミング通路は、凹部130を通って延在することが可能である(たとえば、
図4E)。
【0042】
フィルター128は、フィルターを通る液体の移動に抵抗しながら、ガスがフィルターを通って移動することを可能にするように構成されている。たとえば、フィルター128は、疎水性のフィルターであることが可能である。いくつかの例では、フィルター128は、ポリエチレン材料を含むか、または、ポリエチレンによってコーティングされている膜を含む。
【0043】
IV投与セットが使用および/またはプライミングされたというインディケーションを提供するために、フィルターは、変化する色を含むことが可能である。たとえば、フィルターは、液体(たとえば、注入流体)がフィルターに接触したときに、色を変化させることが可能である。
【0044】
本明細書で開示されている少なくともいくつかの実施形態では、カバー本体部102の内側表面は、リッジ134を含み、リッジ134は、IVプライミング・キャップのキャビティーの中に位置決めされている流体コネクターに対して係合するように構成されている。リッジ134は、螺旋状のリッジおよび長手方向のリッジのいずれかとし形成され得る。いくつかの実施形態では、リッジ134は、流体コネクターと係合するように構成されている任意の形状であることが可能である。
【0045】
螺旋状のリッジ(たとえば、
図3Bおよび
図3E)は、カバー本体部の内側表面に沿ってネジ山として形状決めされ得る。ネジ山は、カバー本体部の内側表面から離れるように、または、内側表面110の中へ延在することが可能である。ネジ山は、IVプライミング・キャップに連結されている流体コネクターのネジ山と噛み合うように構成されているネジ山ピッチを有することが可能である。
【0046】
長手方向のリッジ(たとえば、
図4Bおよび
図4E)は、カバー本体部の内側表面に沿って長手方向に延在する壁部、および、カバー本体部の内側表面110の中へ延在する溝部またはチャネルのいずれかとして形状決めされ得る。いくつかの態様では、リッジは、カバー本体部の内側表面110の中へ延在するチャネル同士の間に形成され得る。長手方向のリッジは、IVプライミング・キャップに連結されている流体コネクターの外側表面に対して係合するように構成され得る。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態では、螺旋状のおよび長手方向のリッジのいずれかは、コネクター・キャビティー軸線A1に対して螺旋状のまたは角度のあるパターンで複数の突出部として形状決めされ得り、コネクター・キャビティー軸線A1に対して平行に延在することが可能である。
【0048】
カバー本体部102は、近位キャビティー120および遠位キャビティー124のいずれかの中へ延在する突起部138を含むことが可能である。突起部138は、カバー本体部の内側表面110から近位キャビティー120のうちの延在することが可能である。
図3Dおよび
図3Eにおいて、突起部138は、カバー本体部の近位セグメント112と遠位セグメント114との間において、内側表面110から延在している。いくつかの実施形態では、突起部138は、コネクター・キャビティー軸線A1の周りに間隔を離して配置されている。
【0049】
突起部138は、近位キャビティー120の中での、遠位キャビティー122に向かう方向への流体コネクターの移動に抵抗することが可能である。いくつかの態様では、突起部138は、カバー本体部の近位セグメント112と遠位セグメント114との間にリジッド性を提供することが可能である。
【0050】
IVプライミング・キャップ100のカップリング・タブ104は、一般的に、クランプとして形状決めされており、クランプは、カバー本体部102から延在しており、IV投与セットの一部分と係合または連結する。カップリング・タブ104がIV投与セットと連結されているときには、IVプライミング・キャップの中に保たれているIVラインの遠位端部および流体コネクターは、介護者または患者による接触からの汚染に抵抗するためにカバーされている。さらに、IVラインの遠位端部および流体コネクターは、IV投与セットから懸架されており、床または地面との接触からの汚染を防止する。さらに、IVラインの遠位端部および流体コネクターの反転された配向は、IVプライミング・キャップがIV投与セットに連結されているときに、IV投与セットのプライミングを促進させる。
【0051】
カップリング・タブ104は、第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142を有するクランプとして形状決めされている。第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142のそれぞれは、カバー本体部102に連結されているベース部分と、カバー本体部102の遠位にある先端部部分とを含む。カップリング・タブ104は、コネクター・キャビティー軸線1Aに対して横断する方向に、カバー本体部102から離れるように延在している。
【0052】
第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142のそれぞれは、第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142のうちの他方の方を向く内側表面144を含む。第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142の内側表面は、それらの間にチュービング通路146を形成しており、それは、一般的に、
図3Dの破線の中のエリアによって識別されている。
【0053】
また、第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142の内側表面は、スロット148の少なくとも一部分を形成しており、それは、一般的に、
図3Dの破線の中のエリアによって識別されている。スロット148は、チュービング通路146とカップリング・タブ104の外側表面との間に延在しており、所定の長さのIVラインがチュービング通路146の中へ移動させられることを可能にする。また、スロット148は、カップリング・タブ104が別の構造体と連結することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、スロットは、カップリング・タブ104の先端部部分からベース部分に向けて延在している。
【0054】
スロット148に沿った、第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142の内側表面の一部分は、内向きに延在しており、スロット148に沿った内側表面144同士の間の長さL1が、チュービング通路146に沿った内側表面144同士の間の長さL2よりも小さくなるようになっている。長さL1は、IVラインの直径におおよそ等しいかまたはそれよりも小さくなっていることが可能である。使用時に、第1のカップリング・アーム140および第2のカップリング・アーム142は、互いから離れるように付勢され得り、所定の長さのIVチュービングがスロットを通ってチュービング通路146の中へ移動させられることを可能にする。
【0055】
長手方向のチュービング通路軸線1Bが、チュービング通路146を通って延在しており、長手方向のコネクター・キャビティー軸線1Aに対して平行になっている。カップリング・タブ104が所定の長さのIVラインと連結されているときには、所定の長さのIVラインは、一般的に、長手方向のチュービング通路軸線1Bに沿って整合させられて延在することとなり、IVラインの遠位端部部分は、一般的に、長手方向のコネクター・キャビティー軸線1Aに沿って整合させられることとなる。いくつかの実施形態では、長手方向のチュービング通路軸線1Bは、コネクター・キャビティー軸線1Aに対して横断方向の所定の角度で延在しており、横断方向は、コネクター・キャビティー軸線1Aを横切って延在する任意の角度を含む。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップ200は、
図4A~
図4Eに図示されているように、対向するカップリング・アームを有するカップリング・タブ204を含む。
【0057】
IVプライミング・キャップ200は、IVプライミング・キャップ100(
図3A~
図3E)を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。しかし、本開示の実施形態を参照して説明されている特徴は、本開示の任意の実施形態によって実装され得る。
【0058】
IVプライミング・キャップ200は、カバー本体部202およびカップリング・タブ204を含む。カバー本体部202は、近位端部206および遠位端部208を含み、遠位端部208は、近位端部206の反対側にある。カバー本体部202は、キャビティーを画定する内側表面210を含み、キャビティーは、カバー本体部202の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線2Aは、カバー本体部202の近位端部206と遠位端部208との間に延在している。
【0059】
内側表面210は、リッジ234を含み、リッジ234は、IVプライミング・キャップのキャビティーの中に位置決めされている流体コネクターに対して係合するように構成されている。リッジ234は、IVプライミング・キャップ200とキャビティーの中へ挿入された流体コネクターとの間に締まり嵌めを生成させることができる長手方向のリッジとして形状決めされている。いくつかの態様では、リッジ234は、流体コネクターのスロットと嵌合または係合するように構成されている。
【0060】
リッジ234は、カバー本体部202の近位端部206と遠位端部208との間に延在しており、コネクター・キャビティー軸線2Aに対して整合されている。リッジ234のそれぞれは、コネクター・キャビティー軸線2Aに対して平行に延在しているが、しかし、いくつかの実施形態では、リッジ234は、コネクター・キャビティー軸線2Aの横断方向に延在することが可能である。たとえば、リッジ234は、コネクター・キャビティー軸線2Aに対して横断方向に延在し、内側表面に沿ってリッジのスパイラルを形成することが可能である。
【0061】
リッジ234は、カバー本体部202の内側表面に沿って互いから間隔を離して配置され得る。リッジ234は、それぞれの長手方向のリッジ234同士の間に等しい距離を伴って間隔を離して配置されている。しかし、いくつかの実施形態では、長手方向のリッジ234は、1つまたは複数のリッジ同士の間に異なる距離を伴って間隔を離して配置され得る。異なる間隔をそれらの間に有するリッジ234は、同様の間隔をそれらの間に備えた嵌合チャネルを有する流体コネクターがIVプライミング・キャップの中へ挿入されることを可能にすることができる。
【0062】
リッジ234は、カバー本体部の内側表面とそれぞれのリッジ234の最も内側の表面(たとえば、コネクター・キャビティー軸線2Aに最も近い表面)との間に、所定の高さを含む。リッジ234のうちの1つまたは複数は、別の長手方向のリッジ234に対して異なる高さを有することが可能である。
【0063】
図4Dを参照すると、IVプライミング・キャップ200は、第1の高さH1を有するリッジ234Aと、第2の高さH2を有するリッジ234Bとを有することが可能であり、第2の高さH2は、第1の高さH1よりも大きくなっている。リッジは、第1の高さH1を有するリッジ234Aが第2の高さH2を有するリッジ234B同士の間に位置決めされるように位置決めされ得る。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態では、リッジ234は、近位端部206と遠位端部208との間で増加または減少する高さを有することが可能である。たとえば、
図4Eに図示されているリッジ234の高さは、近位端部206から遠位端部208に向けて減少しており、リッジの内側表面同士の間の断面長さが、近位端部206から離れるようにテーパー付きになるようになっている。
【0065】
IVプライミング・キャップ200のカップリング・タブ204は、コネクター・キャビティー軸線2Aに対して横断する方向に、カバー本体部202から離れるように延在している。カップリング・タブ204は、第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242を有しており、第2のカップリング・アーム242が第1のカップリング・アーム240の反対側に配向されてロブスターのはさみの形状を形成した状態になっている。
【0066】
第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242のそれぞれは、カバー本体部202に連結されているベース部分と、部分カバー本体部202の遠位にある先端部とを含む。第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242は、コネクター・キャビティー軸線2Aに対して横断する方向に、所定の幅を有している。第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242のそれぞれの幅は、ベース部分から先端部部分に向けてテーパー付きになっている。
【0067】
第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242のベース部分は、コネクター・キャビティー軸線2Aの周りに角度2Cにわたって、カバー本体部202の外側表面に沿って延在している。本開示のいくつかの実施形態では、角度2Cは、少なくとも約90度になっており、および/または、約180度以下になっている。いくつかの実施形態では、ベース部分は、コネクター・キャビティー軸線2Aの周りに約140度の角度にわたって、カバー本体部202の外側表面に沿って延在している。
【0068】
第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242は、第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242のうちの他方の方を向く内側表面244を含む。第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242の内側表面は、チュービング通路246を形成しており、チュービング通路246は、それは、一般的に、
図4Dの破線の中のエリアによって識別されている。長手方向のチュービング通路軸線2Bは、チュービング通路246を通って延在している。長手方向のチュービング通路軸線2Bは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線2Aに対して平行になっている所定の角度で延在している。いくつかの実施形態では、チュービング通路軸線2Bは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線2Aに対して横断方向になっている所定の角度で延在している。チュービング通路246は、断面形状を有している。断面形状は、円形、楕円、半円形、および多角形のいずれかであることが可能である。いくつかの実施形態では、チュービング通路246は、IVラインの直径よりも小さい直径を有しており、カップリング・タブ200がIVラインに対して係合し、IVプライミング・キャップ200とIVラインとの間の移動に抵抗するようになっている。
【0069】
また、第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242の内側表面は、スロット248の少なくとも一部分を形成しており、それは、一般的に、
図4Dの破線の中のエリアによって識別されている。スロット248は、チュービング通路246とカップリング・タブ204の外側表面との間に延在している。スロット248は、チュービング通路246とカップリング・タブ204の外側表面との間に、通路がスロット248によって形成されるように位置決めされている。スロット248は、第1および第2のカップリング・アーム240および242の先端部部分からベース部分に向けて延在することが可能である。
【0070】
スロット248に沿った第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242の内側表面の一部分は、内向きに延在しており、スロット248に沿った内側表面244同士の間の長さが、チュービング通路246に沿った内側表面244同士の間の長さよりも小さくなるようになっている。
【0071】
第1のカップリング・アーム240および第2のカップリング・アーム242は、近位端部206の方向を向く近位表面と、遠位端部208の方向を向く遠位表面とを含む。遠位表面は、凹んだ表面250を含み、それぞれのカップリング・アーム240および242の周囲部の少なくとも一部分が、凹んだ表面250の上方に延在する壁部252を含むようになっている。本開示のいくつかの実施形態では、カップリング・アーム240および242の近位表面および遠位表面のいずれかが、凹部表面を含むことが可能である。凹んだ表面250および壁部252は、カップリング・タブ204を形成するために必要な材料の量を低減させながら、構造的なリジッド性を提供する。
【0072】
チュービング通路246およびスロット248は、所定の長さのIVラインがチュービング通路246の中へ移動させられることを可能にする。また、チュービング通路246およびスロット248は、IVプライミング・キャップ200が別の構造体(たとえば、ポールまたはクランプなど)と連結されることを可能にすることもできる。カップリング・タブ204が所定の長さのIVラインによって連結されているときには、所定の長さのIVラインは、一般的に、長手方向のチュービング通路軸線2Bに沿って整合されて延在することとなり、IVラインの遠位端部部分は、一般的に、長手方向のコネクター・キャビティー軸線2Aに沿って整合させられることとなる。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップ300は、
図5A~
図5Dに図示されているように、フック形状のカップリング・タブ304を含む。
【0074】
IVプライミング・キャップ300は、本明細書で開示されている他の実施形態を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。
【0075】
IVプライミング・キャップ300は、カバー本体部302およびカップリング・タブ304を含む。カバー本体部302は、近位端部306および遠位端部308を含み、遠位端部308は、近位端部306の反対側にある。カバー本体部302は、キャビティーを画定する内側表面310を含み、キャビティーは、カバー本体部302の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線3Aは、カバー本体部302の近位端部306と遠位端部308との間に延在している。
【0076】
IVプライミング・キャップ300のカップリング・タブ304は、コネクター・キャビティー軸線3Aに対して横断する方向に、カバー本体部302から離れるように延在している。カップリング・タブは、カバー本体部302に連結されているベース部分と、カバー本体部302の遠位にある先端部部分とを含む。
【0077】
ベース部分は、第1の方向にカバー本体部302から延在しており、先端部部分は、第2の方向にベース部分から延在しており、第2の方向は、第1の方向とは異なっている。第1の方向は、コネクター・キャビティー軸線3Aに対して横断方向になっており、カバー本体部302の外側表面から離れるように延在している。また、第2の方向は、コネクター・キャビティー軸線3Aに対して横断方向になっているが、カバー本体部302の外側表面に向けて延在している。一緒に、ベース部分および先端部部分は、フック形状のカップリング・タブ304を形成しており、フック形状のカップリング・タブ304は、チュービング通路346を形成する内側表面を有しており、長手方向のチュービング通路軸線3Bがチュービング通路346を通る状態になっている。チュービング通路軸線3Bは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線3Aに対して平行になっている。いくつかの実施形態では、チュービング通路軸線3Bは、コネクター・キャビティー軸線3Aに対して横断方向になっている所定の角度で延在している。
【0078】
いくつかの実施形態では、チュービング通路346は、IVラインの直径よりも小さい直径を有しており、カップリング・タブ304がIVラインに対して係合し、IVプライミング・キャップ300とIVラインとの間の移動に抵抗するようになっている。
【0079】
スロット348の少なくとも一部分が、カップリング・タブ304とカバー本体部302との間に形成され得る。より具体的には、スロット348は、カップリング・タブ302の先端部部分とカバー本体部304の外側表面との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、スロット348は、チュービング通路346とカップリング・タブ304の外側表面との間に延在している。スロット348は、チュービング通路346とカップリング・タブ304の外側表面との間で、カップリング・タブ304のベース部分に向かう方向に延在するように配向されている。
【0080】
カップリング・タブ304の断面は、高さおよび幅を有する壁部として形状決めされている。カップリング・タブ304の高さは、近位表面(近位端部306の方向を向いている)と遠位表面(遠位端部308の方向を向いている)との間に延在している。カップリング・タブ304のベース部分に沿って、壁部高さは、第1の高さH3から第2の高さH4へカバー本体部302から離れるように減少している。カップリング・タブ304の先端部部分に沿って、壁部高さは、第2の高さH4から第3の高さH5へカバー本体部302に向けて増加している。第3の高さH5は、第2の高さH4よりも大きくなっている。いくつかの実施形態では、第3の高さH5は、第1の高さH3と第2の高さH4との間にある。
【0081】
カップリング・タブ304の幅は、第1の高さH3、第2の高さH4、および第3の高さH5よりも小さくなっている。高さに対して、カップリング・タブ304の狭い幅は、所定の長さのIVラインがスロット346を通してチュービング通路348へ移動させられるときに、カップリング・タブ304がチュービング通路軸線3Bから離れるように付勢されることを可能にする。幅に対して、カップリング・タブ304の高い高さは、チュービング通路348の中へ挿入される所定の長さのIVラインに対して係合するために、カップリング・タブ304の大きい内側表面積を提供している。カップリング・タブ304の内側表面の係合は、IVプライミング・キャップ300に対するIVラインのスライドまたは移動に抵抗する。
【0082】
カップリング・タブ304の先端部部分は、突出部360を含むことが可能であり、突出部360は、カップリング・タブ304の外側表面から離れるように延在する外側表面を有している。突出部360は、円筒形状に形状決めされ得り、カップリング・タブ304の高さに沿って長手方向に延在することが可能である。いくつかの実施形態では、突出部360は、円形、楕円、半円形、および多角形のいずれかを含む断面形状を含むことが可能である。突出部360の断面プロファイル(チュービング通路軸線3Bに対して横断方向)は、カップリング・タブ304の高さに沿ってテーパー付きになっている幅を含む。突出部360の幅は、カップリング・タブの近位端部からカップリング・タブ304の遠位端部に向けてテーパー付きになっている。
【0083】
チュービング通路346およびスロット348は、所定の長さのIVラインがチュービング通路346の中へ移動させられることを可能にする。また、チュービング通路346およびスロット348は、IVプライミング・キャップ300が別の構造体(たとえば、ポールまたはクランプなど)と連結されることを可能にすることもできる。カップリング・タブ304が所定の長さのIVラインによって連結されているときには、所定の長さのIVラインは、一般的に、長手方向のチュービング通路軸線3Bに沿って整合されて延在することとなり、IVラインの遠位端部部分は、一般的に、長手方向のコネクター・キャビティー軸線3Aに沿って整合させられることとなる。
【0084】
図6A~
図6Dを参照すると、フック形状のカップリング・タブ404を有するIVプライミング・キャップ400の実施形態が図示されている。IVプライミング・キャップ400は、本明細書で開示されている他の実施形態を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。
【0085】
IVプライミング・キャップ400は、カバー本体部402およびカップリング・タブ404を含む。カバー本体部402は、近位端部406および遠位端部408を含み、遠位端部408は、近位端部406の反対側にある。カバー本体部402の内側表面410は、キャビティーを画定しており、キャビティーは、カバー本体部402の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線4Aは、カバー本体部402の近位端部406と遠位端部408との間に延在している。
【0086】
IVプライミング・キャップ400のカップリング・タブ404は、コネクター・キャビティー軸線4Aに対して横断する方向に、カバー本体部402から離れるように延在している。カップリング・タブは、カバー本体部402に連結されているベース部分と、カバー本体部402の遠位にある先端部部分とを含む。
【0087】
カップリング・タブ404のベース部分は、コネクター・キャビティー軸線2Aの周りに角度4Cにわたって、カバー本体部402の外側表面に沿って延在している。本開示のいくつかの実施形態では、角度4Cは、少なくとも約10度になっており、および/または、約90度以下になっている。いくつかの実施形態では、ベース部分は、コネクター・キャビティー軸線4Aの周りに約90度の角度にわたって、カバー本体部402の外側表面に沿って延在している。
【0088】
ベース部分は、第1の方向にカバー本体部402から延在しており、先端部部分は、第2の方向にベース部分から延在しており、第2の方向は、第1の方向とは異なっている。第1の方向は、コネクター・キャビティー軸線4Aに対して横断方向になっており、カバー本体部402の外側表面から離れるように延在している。また、第2の方向は、コネクター・キャビティー軸線4Aに対して横断方向になっているが、カバー本体部402の外側表面に向けて延在している。一緒に、ベース部分および先端部部分は、フック形状のカップリング・タブ404を形成しており、フック形状のカップリング・タブ404は、チュービング通路446を形成する内側表面を有しており、長手方向のチュービング通路軸線4Bがチュービング通路446を通る状態になっている。チュービング通路軸線4Bは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線4Aに対して平行になっている。いくつかの実施形態では、チュービング通路軸線4Bは、コネクター・キャビティー軸線4Aに対して横断方向になっている所定の角度で延在している。
【0089】
いくつかの実施形態では、チュービング通路446は、IVラインの直径よりも小さい直径を有しており、カップリング・タブ404がIVラインに対して係合し、IVプライミング・キャップ400とIVラインとの間の移動に抵抗するようになっている。
【0090】
スロット448の少なくとも一部分が、カップリング・タブ404とカバー本体部402との間に形成され得る。より具体的には、スロット448は、カップリング・タブ404の先端部部分とカバー本体部402の外側表面との間に形成され得る。スロット448は、チュービング通路446とカップリング・タブ404の外側表面との間に延在している。いくつかの実施形態では、スロット448は、チュービング通路446とカップリング・タブ404の外側表面との間で、カップリング・タブ404のベース部分に向かう方向に延在するように配向されている。
【0091】
カップリング・タブ404は、所定の高さおよび幅を有する壁部として形状決めされている。カップリング・タブ404の高さは、近位表面(近位端部406の方向を向いている)と遠位表面(遠位端部408の方向を向いている)との間に延在している。カップリング・タブ404のベース部分に沿って、幅は、カバー本体部402から離れるように減少している。いくつかの実施形態では、幅は、カップリング・タブ404の先端部部分に沿ってカバー本体部402に向けて増加している。
【0092】
遠位表面は、凹んだ表面450を含み、カップリング・タブ404の周囲部の少なくとも一部分が、凹んだ表面450の上方に延在する壁部452を含むようになっている。本開示のいくつかの実施形態では、カップリング・タブ404の近位表面および遠位表面のいずれかが、凹んだ表面を含むことが可能である。凹んだ表面450および壁部452は、カップリング・タブ404を形成するために必要な材料の量を低減させながら、構造的なリジッド性を提供する。
【0093】
チュービング通路446およびスロット448は、所定の長さのIVラインがチュービング通路446の中へ移動させられることを可能にする。所定の長さのIVラインがスロット448を通してチュービング通路446へ挿入されるときには、IVラインに対して、カップリング・タブ404のリジッド性は、カップリング・タブ404の変形または付勢に抵抗する。チュービング通路446が、IVラインの直径よりも小さい断面長さを有するときには、チュービング通路446の中へ挿入された所定の長さのIVラインが圧縮される。
【0094】
チュービング通路446およびスロット448は、IVプライミング・キャップ400が別の構造体(たとえば、ポールまたはクランプなど)と連結されることを可能にすることもできる。カップリング・タブ404が所定の長さのIVラインによって連結されているときには、所定の長さのIVラインは、一般的に、長手方向のチュービング通路軸線4Bに沿って整合されて延在することとなり、IVラインの遠位端部部分は、一般的に、長手方向のコネクター・キャビティー軸線4Aに沿って整合させられることとなる。
【0095】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップ500は、
図7A~
図7Dに図示されているように、クリップ形状のカップリング・タブ504を含む。
【0096】
IVプライミング・キャップ500は、本明細書で開示されている他の実施形態を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。
【0097】
IVプライミング・キャップ500は、カバー本体部502およびカップリング・タブ504を含む。カバー本体部502は、近位端部506および遠位端部508を含み、遠位端部508は、近位端部506の反対側にある。カバー本体部502は、キャビティーを画定する内側表面510を含み、キャビティーは、カバー本体部502の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線5Aは、カバー本体部502の近位端部506と遠位端部508との間に延在している。
【0098】
IVプライミング・キャップ500のカップリング・タブ504は、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して横断する方向に、カバー本体部502から離れるように延在している。カップリング・タブは、カバー本体部502に連結されているベース部分562と、ベース部分から延在し、カバー本体部502の遠位にある中間部分564と、中間部分から延在する先端部部分566とを含む。
【0099】
ベース部分562は、第1の方向にカバー本体部502から延在しており、第1の方向は、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して横断方向になっており、カバー本体部502の外側表面から離れるように延在している。中間部分564は、第2の方向にベース部分562から延在しており、第2の方向は、第1の方向とは異なっている。先端部部分566は、第3の方向に中間部分564から延在しており、第3の方向は、第1および第2の方向とは異なっている。いくつかの実施形態では、第3の方向は、また、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して横断方向になっているが、カバー本体部502の外側表面に向けて延在している。
【0100】
ベース部分562、中間部分564、および先端部部分566は、クリップ形状のカップリング・タブ504を形成しており、クリップ形状のカップリング・タブ504は、チュービング通路546を形成する内側表面を有しており、長手方向のチュービング通路軸線5Bがチュービング通路546を通る状態になっている。
【0101】
第2の方向は、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して平行および横断方向のいずれかであることが可能である。第2の方向がコネクター・キャビティー軸線5Aに対して平行になっている実施形態では、チュービング通路軸線5Bは、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して横断方向になっている。第2の方向がコネクター・キャビティー軸線5Aに対して横断方向になっている実施形態では、チュービング通路軸線5Bは、コネクター・キャビティー軸線5Aに対して平行になっている。
【0102】
カバー本体部502の外側表面と中間部分564の内側表面との間の距離は、IVラインの直径よりも小さくなっており、カップリング・タブ500がIVラインに対して係合し、IVプライミング・キャップ500とIVラインとの間の移動に抵抗するようになっている。
【0103】
スロット548の少なくとも一部分が、カップリング・タブ504とカバー本体部502との間に形成され得る。より具体的には、スロット548は、カップリング・タブ504の先端部部分とカバー本体部502の外側表面との間に形成され得る。スロット548は、チュービング通路546とカップリング・タブ504の外側表面との間に延在している。スロット548は、チュービング通路546とカップリング・タブ504の外側表面との間で、カップリング・タブ504のベース部分に向かう方向に延在するように配向されている。
【0104】
カップリング・タブ504は、所定の高さ、幅、および長さを有する壁部として形状決めされている。カップリング・タブ504の高さは、近位表面(近位端部506の方向を向いている)と遠位表面(遠位端部508の方向を向いている)との間に延在している。カップリング・タブ504の長さは、ベース部分562から先端部部分566への方向であり、カップリング・タブ504の幅は、カップリング・タブ504の長さに対して横断する方向である。
【0105】
ベース部分562、中間部分564、および先端部部分566のいずれかは、それぞれの部分の長さに沿って減少する高さを有することが可能である。ベース部分562は、高さH10を有することが可能であり、先端部部分566は、高さH12を有することが可能であり、高さH12は、高さH10よりも小さくなっている。ベース部分562と先端部部分566との間において、中間部分564は、高さH10から高さH12へ減少する高さを含む。
【0106】
カップリング・タブ504の幅は、高さH10および高さH12よりも小さくなっている。カップリング・タブ504の幅、および、ベース部分562に対して先端部部分566の低減された高さは、ベース部分562に隣接するエリアに対して、先端部部分566に隣接するエリアにおいて、より可撓性のカップリング・タブ504を提供する。先端部部分566の可撓性は、先端部部分566が可撓性になりカバー本体部502から離れるように移動させられることを可能にすることができ、一方では、先端部部分566に対して、より可撓性の低いベース部分562は、カップリング・タブ504がIVラインまたは他の構造体に連結されているときに、IVプライミング・キャップ500への損傷に対抗する。
【0107】
幅に対して、カップリング・タブ504の高い高さは、チュービング通路548の中へ挿入される所定の長さのIVラインに対して係合するために、カップリング・タブ504の大きい内側表面積を提供している。カップリング・タブ504の内側表面の係合は、IVプライミング・キャップ500に対するIVラインのスライドまたは移動に抵抗する。
【0108】
カップリング・タブ504の長さL10は、近位端部506に隣接するカバー本体部502の断面長さL12よりも小さくなっている。カップリング・タブ504の長さL10は、ベース部分562の高さH10におおよそ等しい。カップリング・タブ504の長さL10は、ベース部分562の高さH10におおよそ等しいので、カップリング・タブ504は、カバー本体部502に向かう方向またはカバー本体部502から離れる方向に、長さL10よりも大きい長さを有するカップリング・タブ504に対して、より可撓性が低くなっている。
【0109】
カップリング・タブ504の先端部部分は、突出部560を含むことが可能であり、突出部560は、カップリング・タブ504の外側表面から離れるように延在する外側表面を有している。突出部560は、円筒形状に形状決めされ得り、カップリング・タブ504の高さに沿って長手方向に延在することが可能である。いくつかの実施形態では、突出部560は、円形、楕円、半円形、および多角形のいずれかを含む断面形状を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、突出部560の断面プロファイル(チュービング通路軸線5Bに対して横断方向)は、カップリング・タブ504の高さに沿ってテーパー付きになっている幅を含む。
【0110】
チュービング通路546およびスロット548は、所定の長さのIVラインがチュービング通路546の中へ移動させられることを可能にする。また、チュービング通路546およびスロット548は、IVプライミング・キャップ500が別の構造体(たとえば、ポールまたはクランプなど)と連結されることを可能にすることもできる。カップリング・タブ504が所定の長さのIVラインによって連結されているときには、所定の長さのIVラインは、一般的に、長手方向のチュービング通路軸線5Bに沿って整合されて延在することとなり、IVラインの遠位端部部分は、一般的に、長手方向のコネクター・キャビティー軸線5Aに沿って整合させられることとなる。
【0111】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップ500は、
図8A~
図8Dに図示されているように、細長いクリップ形状のカップリング・タブ504を含む。細長いカップリング・タブ504は、カップリング・タブ504の高さに対して長い長さを含む。
【0112】
ベース部分562は、高さH10を有しており、先端部部分566は、高さH14を有することが可能であり、高さH14は、高さH10および高さH12よりも小さくなっている。ベース部分562と先端部部分566との間において、中間部分564は、高さH10から高さH14に向けて減少する高さを含む。いくつかの実施形態では、ベース部分562の高さH10は、先端部部分566の高さH14よりも小さくなっており、中間部分564の高さは、高さH10から高さH14に向けて増加することが可能である。
【0113】
細長いカップリング・タブ504の長さL14は、近位端部506に隣接するカバー本体部502の断面長さL12におおよそ等しい。カップリング・タブ504の長さL14は、ベース部分562の高さH10よりも大きい。いくつかの実施形態では、カップリング・タブ504の長さL14は、ベース部分562の高さH10の2倍の長さになっている。
【0114】
細長いカップリング・タブ504の長さL14は、ベース部分562の高さH10よりも大きいので、細長いカップリング・タブ504は、カバー本体部502に向かう方向またはカバー本体部502から離れる方向に、高さH10以下の長さを有するカップリング・タブ504に対して、より可撓性になっている。
【0115】
細長いカップリング・タブ504がより可撓性であるので、カバー本体部502と細長いカップリング・タブ504との間に位置決めされている所定の長さのIVラインは、圧縮されない可能性があり、それによって、IVラインを通る遮るもののないフローを可能にする。追加的に、細長いカップリング・タブ504は、IVプライミング・キャップを他の構造体(たとえば、レーリングなど)に連結するために使用され得る。
【0116】
図9A~
図9Dを参照すると、クリップ形状のカップリング・タブ604を有するIVプライミング・キャップ600の別の実施形態が図示されている。IVプライミング・キャップ600は、本明細書で開示されている他の実施形態を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。
【0117】
IVプライミング・キャップ600は、カバー本体部602およびカップリング・タブ604を含む。カバー本体部602は、近位端部606および遠位端部608を含み、遠位端部608は、近位端部606の反対側にある。カバー本体部602の内側表面610は、キャビティーを画定しており、キャビティーは、カバー本体部602の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線6Aは、カバー本体部602の近位端部606と遠位端部608との間に延在している。
【0118】
IVプライミング・キャップ600のカップリング・タブ604は、コネクター・キャビティー軸線6Aに対して横断する方向に、カバー本体部602から離れるように延在している。カップリング・タブは、カバー本体部602に連結されているベース部分662と、ベース部分662から延在する先端部部分666とを含む。ベース部分662は、第1の方向にカバー本体部602から延在しており、先端部部分666は、第2の方向にベース部分662から延在しており、第2の方向は、第1の方向とは異なっている。
【0119】
カップリング・タブ604は、ベース部分662および先端部部分666に沿って延在する側部表面を含む。ベース部分662の側部表面の少なくとも一部分、および、先端部部分666の側部表面は、互いに反対側に面しており、チュービング通路646を形成するように間隔を離して配置されている。
【0120】
チュービング通路646は、近位表面(近位端部606の方向を向いている)と遠位表面(遠位端部608の方向を向いている)との間において、カップリング・タブ604を通って延在している。チュービング通路646は、カップリング・タブ604を通して配向され、長手方向のチュービング通路軸線6Bを形成しており、長手方向のチュービング通路軸線6Bは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線6Aに対して平行になっている。いくつかの実施形態では、チュービング通路軸線6Bは、コネクター・キャビティー軸線6Aに対して横断方向になっている角度で延在している。追加的に、ベース部分662および先端部部分666の側部表面は、スロット648を形成している。スロット648は、チュービング通路646とカップリング・タブ604の外側表面との間に延在している。
【0121】
スロット648およびチュービング通路646を形成するベース部分662および先端部部分666の側部表面は、互いに対して概して平行に延在することが可能であり、互いに向けてテーパー付きになっていることが可能であり、互いから離れるようにテーパー付きになっていることが可能である。
【0122】
図9Cを参照すると、ベース部分662の側部表面と先端部部分666の側部表面との間の幅は、第1の長さに沿って減少し、テーパー付きのスロット648を形成することが可能である。次いで、側部表面同士の間の幅は、スロット648からチュービング通路646へ増加する。
【0123】
チュービング通路646およびスロット648を形成するカップリング・タブ604の側部表面同士の間の幅は、IVラインの直径よりも小さくなっていることが可能であり、所定の長さのIVラインが、チュービング通路648の中へ移動させられるときに圧縮されるようになっている。
【0124】
遠位表面は、凹んだ表面650を含み、カップリング・タブ604の周囲部の少なくとも一部分が、凹んだ表面650の上方に延在する壁部652を含むようになっている。本開示のいくつかの実施形態では、カップリング・タブ604の近位表面および遠位表面のいずれかが、凹んだ表面を含むことが可能である。凹んだ表面650および壁部652は、カップリング・タブ604を形成するために必要な材料の量を低減させながら、構造的なリジッド性を提供する。
【0125】
ベース部分662は、コネクター・キャビティー軸線6Cの周りに角度6Cにわたって、カバー本体部602の外側表面に沿って延在している。いくつかの実施形態では、ベース部分は、コネクター・キャビティー軸線6Aの周りに約90度の角度にわたって、カバー本体部602の外側表面に沿って延在している。
【0126】
チュービング通路646およびスロット648は、所定の長さのIVラインがチュービング通路646の中へ移動させられることを可能にする。所定の長さのIVラインがスロット648を通してチュービング通路646へ挿入されるときには、IVラインに対して、カップリング・タブ604のリジッド性は、カップリング・タブ604の変形または移動に抵抗する。
【0127】
使用時に、所定の長さのIVラインは、スロット648の幅の狭くなる部分に沿ってIVプライミング・キャップ600のチュービング通路646の中へ移動させられるときに圧縮される(
図12)。チュービング通路646の断面幅は、IVラインを通る流体通路を完全にまたは部分的に閉塞させるように構成され得る。
【0128】
図10A~
図10Dを参照すると、フック形状のカップリング・タブ704を有するIVプライミング・キャップ700の別の実施形態が図示されている。IVプライミング・キャップ400は、本明細書で開示されている他の実施形態を参照して説明されているものと同様の特徴を含むことが可能である。そうであるので、いくつかの同様の特徴の説明は、明確化および簡潔化のために本明細書では繰り返されていない。
【0129】
IVプライミング・キャップ700は、カバー本体部702およびカップリング・タブ704を含む。カバー本体部702は、近位端部706および遠位端部708を含み、遠位端部708は、近位端部706の反対側にある。カバー本体部702の内側表面710は、キャビティーを画定しており、キャビティーは、カバー本体部702の中へ延在しており、流体コネクターをその中に受け入れるように構成されている。長手方向のコネクター・キャビティー軸線7Aは、カバー本体部702の近位端部706と遠位端部708との間に延在している。
【0130】
IVプライミング・キャップ700のカップリング・タブ704は、コネクター・キャビティー軸線7Aに対して横断する方向に、カバー本体部702から離れるように延在している。カップリング・タブは、カバー本体部702に連結されているベース部分762と、カバー本体部702の遠位にある先端部部分766とを含む。
【0131】
ベース部分は762、第1の方向にカバー本体部702から延在しており、先端部部分766は、第2の方向にベース部分762から延在しており、第2の方向は、第1の方向とは異なっている。
【0132】
第1の方向は、コネクター・キャビティー軸線7Aに対して横断方向になっており、ベース部分762が、カバー本体部702の外側表面から離れるように延在するようになっている。第2の方向は、第1の方向とは異なっており、先端部部分766がカバー本体部702の外側表面に沿って延在するようになっている。いくつかの実施形態では、第2の方向は、コネクター・キャビティー軸線7Aに対して平行になっている。いくつかの実施形態では、第2の方向は、第1の方向に対して横断方向になっている任意の角度である。
【0133】
先端部部分766は、カバー本体部702から間隔を離して配置されており、カバー本体部702の外側表面とベース部分762および先端部部分766の内側表面との間にスロット748を形成している。
【0134】
スロット748は、カバー本体部702のベース部分762から近位端部706に向かう方向に、カバー本体部702と先端部部分766との間に延在している。追加的に、スロット748は、コネクター・キャビティー軸線7Aに対して横方向に延在している。
【0135】
使用時に、IVプライミング・キャップ700は、ローラー・クランプ30(
図2)またはピンチ・クランプ36(
図11)などのような構造体に連結され得る。たとえば、
図10Dおよび
図11を参照すると、カップリング・タブ704がスロット748の中のピンチ・クランプ36の一部分に係合するまで、ピンチ・クランプ36に向けてIVプライミング・キャップ700を移動させることによって、IVプライミング・キャップ700は、ピンチ・クランプ36に連結される。
【0136】
いくつかの実施形態では、カバー本体部702の外側表面と先端部部分766の内側表面との間の距離は、IVラインの外側表面直径よりも小さくなっている。IVプライミング・キャップ700は、所定の長さのIVラインをカップリング・タブ704のスロット748の中へ移動させることによって、IVラインに連結され得る。
【0137】
本開示のいくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップは、2つ以上のカップリング・タブを含むことが可能である。たとえば、IVプライミング・キャップは、第1のカップリング・タブおよび第2のカップリング・タブを含むことが可能であり、第1および第2のカップリング・タブは、カップリング・タブ104、204、304、404、504、604、および704のいずれかを参照して開示されている特徴を有している。いくつかの実施形態では、IVプライミング・キャップは、第1のカップリング・タブ704および第2のカップリング・タブ104を含む。他の実施形態では、IVプライミング・キャップは、第1のカップリング・タブ604および第2のカップリング・タブ104を含む。
[条項としての主題技術の図示]
【0138】
本開示の態様のさまざまな例が、便宜上付番された条項(1、2、3、など)として説明されている。これらは、例として提供されており、主題技術を限定しない。図および参照数字の識別は、単なる例として例示目的のために下記に提供されているに過ぎず、条項は、それらの識別によって限定されない。
【0139】
条項1. 静脈内(IV)プライミング・キャップであって、静脈内(IV)プライミング・キャップは、近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、内側表面は、近位端部から遠位端部に向けてカバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、コネクター・キャビティーは、カバー本体部の近位端部から遠位端部に向けて延在する長手方向のコネクター・キャビティー軸線を含む、カバー本体部と;コネクター・キャビティーの中からカバー本体部の外側へ延在するプライミング通路と;カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、カップリング・タブは、カバー本体部に連結されているベース部分、カバー本体部の遠位にある先端部部分、カップリング・タブを通るチュービング通路、および、カップリング・タブの外側表面を通りチュービング通路へ延在するスロットを含み、カップリング・タブは、スロットを通してチュービング通路へ移動させられる所定の長さのチュービングに対して係合するように構成されている、カップリング・タブとを含む、静脈内(IV)プライミング・キャップ。
【0140】
条項2. カップリング・タブは、第1のカップリング・アームおよび第2のカップリング・アームを含み、第1のカップリング・アームおよび第2のカップリング・アームのそれぞれは、カップリング・タブのベース部分と先端部部分との間に延在している、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0141】
条項3. 第1のカップリング・アームおよび第2のカップリング・アームのそれぞれは、第1のカップリング・アームおよび第2のカップリング・アームのうちの他方の方を向く内側表面を含み、チュービング通路およびスロットは、第1のカップリング・アームの内側表面と第2のカップリング・アームの内側表面との間に画定されている、条項2に記載のIVプライミング・キャップ。
【0142】
条項4. スロットは、カップリング・タブの先端部部分からベース部分に向かう方向に延在している、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0143】
条項5. カップリング・タブは、内側表面を含み、カップリング・タブの内側表面は、カップリング・タブの内側表面とカバー本体部の外側表面との間にチュービング通路およびスロットを画定している、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0144】
条項6. カップリング・タブは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断する方向に、カバー本体部の外側表面に沿って延在している、条項5に記載のIVプライミング・キャップ。
【0145】
条項7. ベース部分は、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断方向の第1の方向に、カバー本体部から延在しており、先端部部分は、第1の方向とは異なっている第2の方向に、ベース部分から延在している、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0146】
条項8. 第2の方向は、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断方向になっている、条項7に記載のIVプライミング・キャップ。
【0147】
条項9. カバー本体部は、カバー本体部の外側表面に沿って延在するリブおよびチャネルのいずれかを含む、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0148】
条項10. プライミング通路は、カバー本体部の近位端部および遠位端部のいずれか通って延在している、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0149】
条項11. IVプライミング・キャップは、プライミング通路に沿って位置決めされている疎水性のフィルターを含む、条項1に記載のIVプライミング・キャップ。
【0150】
条項12. 静脈内(IV)プライミング・キャップであって、静脈内(IV)プライミング・キャップは、近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、内側表面は、カバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、コネクター・キャビティーは、近位端部と遠位端部との間に長手方向のコネクター・キャビティー軸線を含み、プライミング通路が、コネクター・キャビティーの中からカバー本体部の外側へ延在している、カバー本体部と;カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、カップリング・タブは、カバー本体部に連結されているベース部分、カバー本体部の遠位にある先端部部分、カップリング・タブの内側表面とカバー本体部の外側表面との間に画定されるスロットとを含む、カップリング・タブとを含む、静脈内(IV)プライミング・キャップ。
【0151】
条項13. スロットは、カバー本体部の近位端部から遠位端部に向かう方向に延在している、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0152】
条項14. スロットは、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横方向に延在している、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0153】
条項15. ベース部分は、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断方向の第1の方向に、カバー本体部から延在しており、先端部部分は、第1の方向とは異なっている第2の方向に、ベース部分から延在している、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0154】
条項16. 第2の方向は、長手方向のコネクター・キャビティー軸線に対して横断方向になっている、条項15に記載のIVプライミング・キャップ。
【0155】
条項17. カバー本体部は、カバー本体部の外側表面に沿って延在するリブおよびチャネルのいずれかを含む、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0156】
条項18. プライミング通路は、カバー本体部の近位端部および遠位端部のいずれか通って延在している、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0157】
条項19. IVプライミング・キャップは、プライミング通路に沿って位置決めされている疎水性のフィルターを含む、条項12に記載のIVプライミング・キャップ。
【0158】
条項20. 静脈内(IV)投与セットであって、静脈内(IV)投与セットは、遠位端部を含むIVラインと、IVラインの遠位端部と連結するように構成されている流体コネクターと、流体コネクターと連結するように構成されているIVプライミング・キャップとを含み、IVプライミング・キャップは、近位端部、遠位端部、および内側表面を有するカバー本体部であって、内側表面は、カバー本体部の中へ延在しているコネクター・キャビティーを画定しており、プライミング通路が、コネクター・キャビティーの中からカバー本体部の外側へ延在している、カバー本体部と;カバー本体部の外側表面から延在するカップリング・タブであって、カップリング・タブは、カバー本体部に連結されているベース部分、カバー本体部の遠位にある先端部部分、カップリング・タブの内側表面とカバー本体部の外側表面との間に画定されるスロットとを含み、カップリング・タブは、スロットを通して位置決めされている所定の長さのIVラインに係合するように構成されている、カップリング・タブとを含む、静脈内(IV)投与セット。
[さらなる考慮事項]
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書における条項のいずれかは、独立条項のうちの任意の1つまたは従属条項のうちの任意の1つに従属することが可能である。1つの態様では、条項(たとえば、従属条項または独立条項)のうちのいずれかは、任意の他の1つまたは複数の条項(たとえば、従属条項または独立条項)と組み合わせられ得る。1つの態様では、請求項は、条項、文章、語句、または段落に記載されている単語(たとえば、ステップ、動作、手段、またはコンポーネント)のうちのいくつかまたはすべてを含むことが可能である。1つの態様では、請求項は、1つまたは複数の条項、文章、語句、または段落に記載されている単語のうちのいくつかまたはすべてを含むことが可能である。1つの態様では、条項、文章、語句、または段落のそれぞれの中の単語のうちのいくつかは除去され得る。1つの態様では、追加的な単語またはエレメントは、条項、文章、語句、または段落に追加され得る。1つの態様では、主題技術は、本明細書で説明されているコンポーネント、エレメント、機能、または動作のうちのいくつかを利用することなく実装され得る。1つの態様では、主題技術は、追加的なコンポーネント、エレメント、機能、または動作を利用して実装され得る。
【0160】
先述の説明は、当業者が本明細書で説明されているさまざまな構成を実施することを可能にするために提供されている。主題技術は、とりわけ、さまざまな図および構成を参照して説明されてきたが、これらは、単なる図示目的のためのものに過ぎず、主題技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないということが理解されるべきである。
【0161】
主題技術を実装するための多くの他の方式が存在する可能性がある。本明細書で説明されているさまざまな機能およびエレメントは、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されているものとは異なって分割され得る。これらの構成に対するさまざまな修正例は、容易に当業者に明らかになることとなり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の構成にも適用され得る。したがって、多くの変形例および修正例が、主題技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって主題技術に対して作製され得る。
【0162】
開示されているプロセスの中のステップの特定の順序または階層は、例示的なアプローチの図示であるということが理解される。設計の好みに基づいて、プロセスの中のステップの特定の順序または階層が再配置され得るということが理解される。ステップのうちのいくつかは、同時に実施され得る。付随する方法請求項は、サンプル順序でさまざまなステップのエレメントを提示しており、提示されている特定の順序または階層に限定されることを意味していない。
【0163】
本明細書で使用されているように、一連の項目に先行する「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のいずれかを分離するための「および」または「または」という語句を伴って、リストのそれぞれのメンバー(すなわち、それぞれの項目)というよりもむしろ、全体としてリストを修正する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、列挙されているそれぞれの項目のうちの少なくとも1つの選択を必要としない。むしろ、この語句は、項目の任意の1つのうちの少なくとも1つ、および/または、項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、および/または、項目のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ;A、B、およびCの任意の組み合わせ;ならびに/または、A、B、およびCのそれぞれのうちの少なくとも1つをそれぞれ指す。
【0164】
本開示で使用されるような「上部」、「底部」、「前部」、および「後部」などのような用語は、通常の重力規準系というよりもむしろ、任意の規準系を指すものとして理解されるべきである。したがって、上部表面、底部表面、前部表面、および後部表面は、重力規準系において、上向きに、下向きに、斜めに、または水平方向に延在することが可能である。
【0165】
そのうえ、「含む(include)」または「有する」などの用語が説明または特許請求の範囲において使用されている範囲において、そのような用語は、「含む(comprise)」が請求項の中の移行句として用いられるときに解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様の様式で、包含的であるということを意図している。
【0166】
1つまたは複数の態様において、「約」、「実質的に」、および「おおよそ」という用語は、それらの対応する用語および/または項目同士の間の相対性に関して、業界で認められた許容範囲を提供することが可能である。
【0167】
「例示的な」という単語は、「例、場合、または図示としての役割を果たす」ということを意味するために、本明細書で使用されている。「例示的な」として本明細書で説明されている任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態に対して好適または有利であるとして解釈されるべきであるとは限らない。
【0168】
単数形でのエレメントへの言及は、具体的に記述されていない限り、「1つおよび1つのみ」を意味することを意図しているのではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味することを意図している。男性の代名詞(たとえば、彼の)は、女性および中性の性別(たとえば、彼女の、および、その)を含み、その逆もまた同様である。「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。下線付きのおよび/またはイタリック体の見出しおよび小見出しは、単に便宜上使用されているに過ぎず、主題技術を限定せず、主題技術の説明の解釈に関連して参照されない。当業者に知られているかまたは後に当業者に知られるようになる、本開示の全体を通して説明されているさまざまな構成のエレメントに対するすべての構造的なおよび機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれており、主題技術によって包含されることを意図している。そのうえ、本明細書で開示されているものは、そのような開示が上記の説明の中に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されることを意図していない。