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特開2024-154243タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154243
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20241023BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G01M17/02
B60C19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067974
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】豊福 雅宣
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB03
3D131BB05
3D131BB06
3D131BB16
3D131LA20
3D131LA21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させる、タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法を提供する。
【解決手段】本開示に係るタイヤ内圧計測装置は、第1計測部であって、前記第1計測部の上に位置する状態のタイヤのタイヤ幅方向における接地幅を計測する第1計測部と、第2計測部であって、前記第2計測部の上に位置する状態の前記タイヤから加わる荷重を計測する第2計測部と、を備え、前記接地幅と前記荷重とから前記タイヤの内圧を算出するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1計測部であって、前記第1計測部の上に位置する状態のタイヤのタイヤ幅方向における接地幅を計測する第1計測部と、
第2計測部であって、前記第2計測部の上に位置する状態の前記タイヤから加わる荷重を計測する第2計測部と、
を備え、
前記接地幅と前記荷重とから前記タイヤの内圧を算出するように構成されている、タイヤ内圧計測装置。
【請求項2】
前記第2計測部は、前記第2計測部の上を前記タイヤが通過可能であり、
前記第2計測部のタイヤ通過方向における長さは、20~100mmである、請求項1に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項3】
前記第2計測部は、前記第2計測部の上を前記タイヤが通過する間に、前記荷重を繰り返し計測するように構成されている、請求項2に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項4】
前記タイヤの剛性情報を用いて前記内圧を補正するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項5】
前記内圧を補正する量は、前記剛性情報に応じて異なる、請求項4に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項6】
前記タイヤに設置された電子タグから前記剛性情報を読み取る読取部を備える、請求項5に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項7】
前記第2計測部が配置される本体を更に備え、
前記第2計測部は、前記第2計測部の計測面と前記本体の表面とが平坦になるように、前記本体に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項8】
前記タイヤの前記内圧を出力する出力部を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置。
【請求項9】
コンピュータが実行するタイヤ内圧計測方法であって、
第1計測部により、前記第1計測部の上に位置する状態のタイヤのタイヤ幅方向における接地幅を計測することと、
第2計測部により、前記第2計測部の上に位置する状態の前記タイヤから加わる荷重を計測することと、
前記接地幅と前記荷重とから前記タイヤの内圧を算出することと、
を含む、タイヤ内圧計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゲージ又は空気圧センサをタイヤに取り付けて実際にタイヤの内圧を計測することなく、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する技術が知られている。例えば、特許文献1には、タイヤの荷重により内圧の低下を検知する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59-202913
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された装置では、異常な内圧の低下を検知するに留まり、タイヤの正確な内圧を計測することまではできなかった。そのため、タイヤ外部からタイヤの内圧を計測する精度の更なる向上が求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させる、タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、第1計測部であって、前記第1計測部の上に位置する状態のタイヤのタイヤ幅方向における接地幅を計測する第1計測部と、第2計測部であって、前記第2計測部の上に位置する状態の前記タイヤから加わる荷重を計測する第2計測部と、を備え、前記接地幅と前記荷重とから前記タイヤの内圧を算出するように構成されている。
本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置によれば、エアゲージ又は空気圧センサをタイヤに取り付けることなく、タイヤの内圧をタイヤ外部から精度よく計測することができる。したがって、本タイヤ内圧計測装置によれば、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させることができる。
【0007】
〔2〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔1〕に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記第2計測部は、前記第2計測部の上を前記タイヤが通過可能であり、前記第2計測部のタイヤ通過方向における長さは、20~100mmであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、タイヤ内圧計測装置の有用性を向上させることができる。
【0008】
〔3〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔2〕に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記第2計測部は、前記第2計測部の上を前記タイヤが通過する間に、前記荷重を繰り返し計測するように構成されていることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、第2計測部の上をタイヤが通過する際に、第2計測部がタイヤの荷重を適切に計測することができる。
【0009】
〔4〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記タイヤの剛性情報を用いて前記内圧を補正するように構成されていることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、タイヤの剛性を考慮することで、タイヤの内圧の算出精度を更に向上させることができる。
【0010】
〔5〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔4〕に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記内圧を補正する量は、前記剛性情報に応じて異なることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、タイヤごとの剛性を考慮することで、タイヤの内圧の算出精度を更に向上させることができる。
【0011】
〔6〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔5〕に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記タイヤに設置された電子タグから前記剛性情報を読み取る読取部を備えることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、簡易な方法により、タイヤの剛性情報に応じて異なるタイヤの内圧の補正を実現することができる。
【0012】
〔7〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔1〕から〔6〕のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記第2計測部が配置される本体を更に備え、前記第2計測部は、前記第2計測部の計測面と前記本体の表面とが平坦になるように、前記本体に配置されていることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、第2計測部によるタイヤの荷重の計測値のばらつきが少なくなり、ひいては、タイヤ内圧計測装置によるタイヤの内圧の算出精度を更に向上させることができる。
【0013】
〔8〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置は、上記〔1〕から〔7〕のいずれか一項に記載のタイヤ内圧計測装置であって、前記タイヤの前記内圧を出力する出力部を更に備えることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ内圧計測装置によれば、タイヤ内圧計測装置の利用者が、タイヤの内圧を容易に把握することができる。
【0014】
〔9〕本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測方法は、コンピュータが実行するタイヤ内圧計測方法であって、第1計測部により、前記第1計測部の上に位置する状態のタイヤのタイヤ幅方向における接地幅を計測することと、第2計測部により、前記第2計測部の上に位置する状態の前記タイヤから加わる荷重を計測することと、前記接地幅と前記荷重とから前記タイヤの内圧を算出することと、を含む。
本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測方法によれば、エアゲージ又は空気圧センサをタイヤに取り付けることなく、タイヤの内圧をタイヤ外部から精度よく計測することができる。したがって、本タイヤ内圧計測方法によれば、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させる、タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置を概略的に示す、斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置の本体を上方から見た上面図である。
図3】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置の構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置の上をタイヤが通過する様子を示す、タイヤ通過方向断面図である。
図5】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置の動作を示すフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態に係る第2計測部の出力値の変化を示す図である。
図7】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置によるタイヤの内圧の計測値(補正なし)を示す図である。
図8】本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置によるタイヤの内圧の計測値(補正あり)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置について、図面を参照して説明する。各図において共通する部材及び部位には同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意されたい。
【0018】
本開示において、「タイヤ幅方向」とは、タイヤの回転軸と平行な方向をいう。「タイヤ径方向」とは、タイヤの回転軸と直交する方向をいう。「タイヤ周方向」とは、タイヤの回転軸を中心にタイヤが回転する方向をいう。
【0019】
また本開示において、「設置位置」とは、地面又は路面等における、タイヤ内圧計測装置の本体が設置される位置をいう。「タイヤ通過方向」とは、タイヤ内圧計測装置の本体が設置位置に設置された状態で、タイヤがタイヤ内圧計測装置の本体の上を通過する方向をいう。タイヤ通過方向は、装置縦方向とも称される。「装置幅方向」とは、タイヤ内圧計測装置の本体の表面において装置縦方向(タイヤ通過方向)と直交する方向をいう。
【0020】
本開示において、タイヤの「接地面」とは、タイヤの外表面のうち、路面又は地面等と接触している部分をいう。そして、タイヤの「タイヤ幅方向における接地幅」とは、タイヤの接地面のうち、タイヤのタイヤ幅方向における最大長をいい、タイヤの「タイヤ周方向における接地長」とは、タイヤの接地面のうち、タイヤのタイヤ周方向における最大長をいう。以降の説明では、タイヤのタイヤ幅方向における接地幅と、タイヤ周方向における接地長とを、それぞれ単にタイヤの「接地幅」及び「接地長」ともいう。なお、タイヤの接地面、接地幅、接地長は、タイヤの内圧、タイヤが装着されている車両の重量等に応じて変化する。
【0021】
はじめに、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るタイヤ内圧計測装置1の概要について説明する。図1は、タイヤ内圧計測装置1を概略的に示す、斜視図である。図2は、タイヤ内圧計測装置1の本体を上方から見た上面図である。タイヤ内圧計測装置1は、車両2に取り付けられたタイヤ3の内圧を計測することに用いられる。
【0022】
車両2は、タイヤ3により走行する。車両2は、例えば、乗用車、トラック、又はバス等の自動車である。ただし、車両2は、自動車に限られず、バイク、自転車、車椅子、又は飛行機等、タイヤ3を装着可能で、タイヤ3により走行可能な任意の車両であってもよい。
【0023】
タイヤ3は、例えば、空気入りタイヤである。かかる場合、タイヤ3は、ホイールのリムに組付けられ、所定の内圧まで空気が充填される。ただし、タイヤ3には、空気に限られず、窒素等の気体、或いは液体又はゲル状物質等を含む、任意の流体が所定の内圧まで充填されてもよい。
【0024】
本実施形態では、タイヤ3は、電子タグが設置されたタイヤであるものとする。電子タグは、例えば、RF(Radio Frequency)タグである。RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグとも称される。電子タグは、パッシブ型の電子タグであってもよく、或いは、アクティブ型の電子タグであってもよい。電子タグは、タイヤ3の任意の位置に設置されていてもよい。例えば、電子タグは、タイヤ3を構成するゴムの内部に埋設されていてもよい。ただし、タイヤ3には、電子タグが設置されていなくてもよい。
【0025】
まず、図1を参照して、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。図1に示されるように、タイヤ内圧計測装置1は、例えば、道路、駐車場、又はガソリンスタンドの地面又は路面等の任意の設置位置に設置される。図1に示されるように、タイヤ内圧計測装置1は、本体10とコンピュータ端末20とを備えている。図示例では、タイヤ内圧計測装置1の本体10が、本体10の表面10Sが露出するように設置位置に埋設されており、コンピュータ端末20が、本体10の近傍に設置されている。
【0026】
タイヤ内圧計測装置1は、本体10に配置された、第1計測部11及び第2計測部12を備える。例えば、タイヤ3を装着した車両2がタイヤ内圧計測装置1の上をタイヤ通過方向に向かって走行する際に、第1計測部11は、第1計測部11の上に位置する状態のタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅を計測する。第2計測部12は、第2計測部12の上に位置する状態のタイヤ3から加わる荷重を計測する。そして、タイヤ内圧計測装置1は、計測されたタイヤ3の接地幅と荷重とからタイヤ3の内圧を算出する。例えば、タイヤ内圧計測装置1は、算出したタイヤ3の内圧を、コンピュータ端末20のディスプレイに表示させてもよい。
【0027】
このように、本実施形態に係るタイヤ内圧計測装置1によれば、エアゲージ又は空気圧センサをタイヤ3に取り付けることなく、タイヤ3の内圧をタイヤ外部から精度よく計測することができる。
【0028】
次に、図2図3及び図4を参照して、タイヤ内圧計測装置1の構成について、詳細に説明する。図2は、タイヤ内圧計測装置1の本体10を上方から見た上面図である。図3は、タイヤ内圧計測装置1の構成を示すブロック図である。図4は、タイヤ内圧計測装置1の上をタイヤ3が通過する様子を示す、タイヤ通過方向断面図である。
【0029】
図3に示されるように、タイヤ内圧計測装置1は、本体10に配置された、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13と、コンピュータ端末20に配置された、通信部14、出力部15、入力部16、記憶部17、及び制御部18と、を備える。タイヤ内圧計測装置1において、第1計測部11、第2計測部12、読取部13、通信部14、出力部15、入力部16、記憶部17、及び制御部18は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0030】
第1計測部11は、第1計測部11の上に位置する状態のタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅を計測するセンサである。第1計測部11は、例えば、静電容量センサ、接触センサ、圧力センサ、又は赤外線センサであるが、これらに限られない。第1計測部11は、計測面11Sを有する。図2に示されるように、第1計測部11は、計測面11Sが本体10の表面10Sから露出するように、本体10に設けられている。本実施形態では、第1計測部11は、タイヤ3が第1計測部11の上をタイヤ通過方向に移動する際に、計測面11Sにタイヤ3が接触した状態で、タイヤ3の接地幅を計測する。
【0031】
計測面11Sの装置幅方向の長さは、計測対象となるタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅よりも広くなるように定められている。図2において、第1計測部11の計測面11Sは略矩形であるが、これに限られない。
【0032】
第2計測部12は、第2計測部12の上に位置する状態のタイヤ3から加わる荷重を計測するセンサである。例えば、第2計測部12は、重量センサであるが、これらに限られない。第2計測部12は、計測面12Sを有する。図2に示されるように、第2計測部12は、計測面12Sが本体10の表面10Sから露出するように、本体10に設けられている。本実施形態では、第2計測部12は、タイヤ3が第2計測部12の上をタイヤ通過方向に移動する際に、計測面12Sにタイヤ3が接触した状態で、タイヤ3からの荷重を計測する。
【0033】
図4に示されるように、第2計測部12は、第2計測部12の計測面12Sと本体10の表面10Sとが平坦になるように、本体10に配置されていることが好ましい。本実施形態では、計測面12Sに垂直方向における計測面12Sと表面10Sとの高低差が、例えば、数mm以内とされ、好ましくは1mm以内とされ、より好ましくは0mmとされる。これにより、タイヤ内圧計測装置1の本体10が設置位置に設置された際に、第2計測部12の計測面12Sと本体10の表面10Sとが水平になる。このため、図4においてタイヤ位置3Pとして示されるように、タイヤ通過方向において、第2計測部12の計測面12Sがタイヤ3の接地面で完全に覆われた状態において、タイヤ3の荷重が、タイヤ3の接地面を介して、第2計測部12の計測面12Sと、本体10の表面10Sとに均等に加えられることになる。これにより、第2計測部12によるタイヤ3の荷重の計測値のばらつきが少なくなり、ひいては、タイヤ内圧計測装置1によるタイヤ3の内圧の算出精度が更に向上する。本実施形態では、第1計測部11も、第2計測部12と同様に、第1計測部11の計測面11Sと本体10の表面10Sとが平坦になるように、本体10に配置されている。
【0034】
再び図2を参照すると、第2計測部12の計測面12Sは、第1計測部11の計測面11Sと同様に、略矩形である。そして、計測面12Sの装置幅方向の長さは、計測対象となるタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅よりも広くなるように定められている。また、計測面12Sのタイヤ通過方向(装置縦方向)の長さは、計測対象となるタイヤ3のタイヤ周方向における接地長よりも短くなるように定められている。これにより、図4に示されるように、第2計測部12は、タイヤ通過方向において、第2計測部12の計測面12Sがタイヤ3の接地面で完全に覆われた状態で、第2計測部12の上に位置する状態のタイヤ3から加わる荷重を計測することができる。第2計測部12の計測面12Sのタイヤ通過方向における長さは、例えば、20~100mmとされる。長さが20mm以上とされることで、タイヤ3のトレッドに設けられた溝又はブロックの形状による凹凸の影響を受けにくい。また、長さが100mm以下とされることで、タイヤ3のタイヤ周方向における接地長が短いタイヤにも対応可能になる。このため、タイヤ内圧計測装置1の有用性が向上する。より好ましくは、第2計測部12の計測面12Sのタイヤ通過方向における長さは、略40mmとされる。
【0035】
そして、本実施形態では、第1計測部11及び第2計測部12は、タイヤ内圧計測装置1の本体10において、少なくとも部分的にタイヤ通過方向に並んで配置されている。これにより、車両2の運転手が、車両2を運転して、タイヤ3を第1計測部11及び第2計測部12の上を連続的に通過させやすくなる。ただし、第1計測部11及び第2計測部12は、タイヤ内圧計測装置1の本体10において、タイヤ通過方向に並んで配置されていなくてもよい。
【0036】
読取部13は、タイヤ3に設置された電子タグに記憶された情報を読み取る読取装置である。タイヤ3に設置された電子タグに記憶された情報には、例えば、そのタイヤ3の剛性情報が含まれる。詳細は後述するが、タイヤ3の剛性情報は、タイヤ3の内圧を補正するために用いられる。タイヤ3の剛性情報は、例えば、タイヤ3の製造番号、タイヤサイズ、材料、リトレッド回数、製造年月日等、タイヤ3に関する任意の情報を含む。
【0037】
図2に示されるように、本実施形態では、タイヤ内圧計測装置1は、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13のセットを2つ備えている。2つのセットは、それぞれ装置幅方向に並んで、本体10に配置されている。これにより、タイヤ3を装着した車両2がタイヤ内圧計測装置1を装置縦方向に通過する際に、車両2の左右両輪のタイヤ3の接地幅と荷重の両方を一度に計測することができる。ただし、タイヤ内圧計測装置1は、任意の数の、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13のセットを備えていてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、読取部13は、本体10において第1計測部11又は第2計測部12の少なくとも一方と、装置幅方向に並んで設けられている。図示例では、読取部13は、本体10において第1計測部11及び第2計測部12の装置幅方向内側に設けられている。これにより、読取部13は、タイヤ3が第1計測部11又は第2計測部12の上を通過する際に、タイヤ3の電子タグを読み取ることができる。ただし、読取部13は、本体10の任意の位置に設けられていてもよい。
【0039】
図3を参照して、通信部14は、インターネット、移動体通信網、又はLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。
【0040】
出力部15は、1つ以上の出力装置を含む。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。これにより、出力部15は、画像、音又は光等を出力する。
【0041】
入力部16は、1つ以上の入力装置を含む。入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ又はマイク等である。入力部16は、例えば、車両2の運転手等の、タイヤ内圧計測装置1の利用者による入力操作を受け付ける。
【0042】
記憶部17は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部17は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部17は、タイヤ内圧計測装置1の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部17は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部17に記憶された情報は、例えば通信部14を介して他のコンピュータ等から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0043】
制御部18は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部18は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部18は、上述した、第1計測部11、第2計測部12、読取部13、通信部14、出力部15、入力部16、及び記憶部17等の構成要素の機能を含む、タイヤ内圧計測装置1の機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。
【0044】
図3に示されるように、本実施形態では、通信部14、出力部15、入力部16、記憶部17、及び制御部18は、コンピュータ端末20に設けられている。コンピュータ端末20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等、任意のコンピュータであってもよい。
【0045】
(タイヤ内圧計測装置の動作)
図5及び図6を参照して、タイヤ内圧計測装置1の動作を説明する。図5は、タイヤ内圧計測装置1の動作を示すフローチャートである。図6は、第2計測部12の出力値の変化を示す図である。本動作の説明は、タイヤ内圧計測装置1のコンピュータ端末20であるコンピュータが実行するタイヤ内圧計測方法に相当する。
【0046】
本動作の説明にあたり、図1に示されるように、タイヤ内圧計測装置1は、表面10Sが露出するように設置位置に設置され、タイヤ3を装着した車両2が、タイヤ内圧計測装置1の上をタイヤ通過方向(装置縦方向)に通過するものとする。車両2がタイヤ内圧計測装置1の上を通過する速度は、例えば、3~8km/時程度の低速であるが、これに限られない。
【0047】
また、本動作例では、タイヤ内圧計測装置1が1つのタイヤ3の内圧を算出する動作を説明する。ただし、上述のとおり、タイヤ内圧計測装置1は、複数のタイヤ3(例えば、車両2の左右両輪のタイヤ3)の接地幅と荷重の両方を一度に計測可能な構成である場合、本動作により、それぞれのタイヤ3の接地幅と荷重からそれぞれのタイヤ3の内圧を並行して算出することができる。例えば、図2に示されるように、タイヤ内圧計測装置1が、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13のセットを2つ備えている場合、タイヤ内圧計測装置1は、2つのタイヤ3の内圧を並行して算出することができる。
【0048】
図5を参照すると、ステップS101において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、第1計測部11により、第1計測部11の上に位置する状態のタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅を計測する。
【0049】
タイヤ3の接地幅の計測には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、第1計測部11により、タイヤ3が第1計測部11の計測面11Sに接触した部分の装置幅方向における最大長を、タイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅として計測する。制御部18は、計測したタイヤ3の接地幅を記憶部17に記憶してもよい。
【0050】
第1計測部11は、第1計測部11の上をタイヤ3が通過する間に、タイヤ3の接地幅を所定のタイミングで繰り返し計測するように構成されていてもよい。例えば、第1計測部11は、10m秒間隔で、タイヤ3の接地幅の計測を繰り返してもよい。これにより、第1計測部11は、タイヤ内圧計測装置1の処理量を抑えつつ、車両2の低速走行時に十分なサンプルを確保することができる。ただし、第1計測部11は、第1計測部11の上をタイヤ3が通過する間に、或いは、第1計測部11の上でタイヤ3が停止した状態で、タイヤ3の接地幅を1度だけ計測するように構成されていてもよい。
【0051】
ステップS102において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、第2計測部12により、第2計測部12の上に位置する状態のタイヤ3から加わるタイヤ3の荷重を計測する。
【0052】
タイヤ3の荷重の計測には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、第2計測部12により、第2計測部12の計測面12Sの上に位置するタイヤ3から加わるタイヤ3の荷重を計測する。より具体的には、図4においてタイヤ位置3Pとして示されるように、第2計測部12は、タイヤ通過方向において、第2計測部12の計測面12Sがタイヤ3の接地面で完全に覆われた状態でタイヤ3の荷重を計測する。制御部18は、計測したタイヤ3の荷重を記憶部17に記憶してもよい。
【0053】
ステップS102において、第2計測部12は、第2計測部12の上をタイヤ3が通過する間に、タイヤ3の荷重を所定のタイミングで繰り返し計測するように構成されていてもよい。例えば、第2計測部12は、第1計測部11と同様に、10m秒間隔で、タイヤ3の荷重の計測を繰り返してもよい。
【0054】
具体例を挙げると、図4に示されるように、タイヤ3が、タイヤ位置3S→3P→3Eの順で第2計測部12の計測面12Sの上を通過するものとする。このとき、第2計測部12の計測値は、タイヤ位置3Sにてタイヤ3が第2計測部12の計測面12Sに接触し始める時点をTとし、タイヤ位置3Eにてタイヤ3が計測面12Sに接触し終わる時点をTとすると、図6に示されるような変化を示す。図6において、第2計測部12の計測値は、時点Tにおいて最大値Vとなっている。本実施形態では、第2計測部12は、第2計測部12の上をタイヤ3が通過する間に繰り返し計測されたタイヤ3の荷重のうち、最大値Vを、タイヤ3の荷重として計測する。これにより、第2計測部12は、第2計測部の上をタイヤが通過する際に、タイヤ3の荷重を適切に計測することができる。ただし、第2計測部12は、第2計測部12の上をタイヤ3が通過する間に、或いは、第2計測部12の上でタイヤ3が停止した状態で、タイヤ3の荷重を1度だけ計測するように構成されていてもよい。
【0055】
再び図5を参照すると、ステップS103において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、タイヤ3の接地幅と荷重とからタイヤ3の内圧を算出する。
【0056】
タイヤ3の内圧の算出には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、第1計測部11により計測されたタイヤ3の接地幅と、第2計測部12(計測面12S)のタイヤ通過方向における長さとを積算して、第2計測部12へのタイヤ3の接触面積を算出する。そして、制御部18は、第2計測部12により計測されたタイヤ3からの荷重を、第2計測部12へのタイヤ3の接触面積で割ることによって、タイヤ3の内圧を算出する。制御部18は、算出したタイヤ3の内圧を記憶部17に記憶してもよい。
【0057】
ステップS104において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、タイヤ3の剛性情報を用いてタイヤ3の内圧を補正してもよい。
【0058】
タイヤ3の内圧の補正には、任意の手法が採用可能である。一般的に、車両2に装着されたタイヤ3は、タイヤ3内に充填された空気等に加えて、タイヤ3を構成するゴム又はカーカス等でも車両2の重量を支えている。このため、タイヤ3の剛性を考慮することで、タイヤ3の内圧の算出精度を更に向上させることができる。例えば、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、タイヤ3の剛性情報に対応付けられた補正値及び補正アルゴリズムを記憶部17に予め記憶していてもよい。制御部18は、ステップS103にて算出されたタイヤ3の内圧を、補正値及び補正アルゴリズムを用いて補正する。制御部18は、補正後のタイヤ3の内圧を記憶部17に記憶してもよい。
【0059】
ステップS104におけるタイヤ3の内圧の補正の処理内容は、全てのタイヤ3で一律であってもよく、或いは、タイヤ3に応じて異なっていてもよい。全てのタイヤ3で一律とすることで、補正を行うことによる、タイヤ内圧計測装置1の制御部18の処理量の増加を抑制することができる。一方で、タイヤ3の内圧を補正する量は、タイヤ3の剛性情報に応じて異なっていてもよい。これにより、タイヤ3ごとの剛性を考慮することで、タイヤ3の内圧の算出精度を更に向上させることができる。例えば、制御部18は、ステップS103にて算出されたタイヤ3の内圧を、タイヤ3の剛性情報に応じて異なる補正値及び補正アルゴリズムを用いて補正してもよい。
【0060】
ステップS104において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、任意の手法によりタイヤ3の剛性情報を取得してもよい。例えば、制御部18は、読取部13により、タイヤ3に設置された電子タグからタイヤ3の剛性情報を読み取ってもよい。例えば、制御部18は、読取部13により、タイヤ3に設置された電子タグから、タイヤ3の剛性情報としてタイヤ3の製造番号を読み取ってもよい。これにより、制御部18は、読み取ったタイヤ3の製造番号に対応付けて記憶部17に記憶された補正値及び補正アルゴリズムを用いて、タイヤ3の内圧を補正することができる。かかる構成を有することで、タイヤ内圧計測装置1は、簡易な方法により、タイヤ3の剛性情報に応じて異なるタイヤ3の内圧の補正を実現することができる。ただし、制御部18は、入力部16を介して、タイヤ3の剛性情報を入力する操作を受け付けてもよく、或いは、通信部14を介して、他のコンピュータからタイヤ3の剛性情報を受信してもよい。
【0061】
ステップS105において、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、タイヤ3の内圧を出力する。
【0062】
タイヤ3の内圧の出力には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ内圧計測装置1の制御部18は、ディスプレイ等の出力部15を介して、タイヤ3の内圧を出力させてもよい。或いは、制御部18は、通信部14を介して、タイヤ3の内圧を表示させる要求を、他のコンピュータに送信してもよい。他のコンピュータは、例えば、車両2の所有者が所有するスマートフォン等のコンピュータである。その結果、車両2の所有者など、タイヤ内圧計測装置1の利用者が、タイヤ3の内圧を容易に把握することができる。
【0063】
以上述べたように、本実施形態において、タイヤ内圧計測装置1は、第1計測部11及び第2計測部12を備える。第1計測部11は、第1計測部11の上に位置する状態のタイヤ3のタイヤ幅方向における接地幅を計測する。第2計測部12は、第2計測部12の上に位置する状態のタイヤ3から加わる荷重を計測する。そして、タイヤ内圧計測装置1は、計測された接地幅と荷重とからタイヤ3の内圧を算出する。
【0064】
かかる構成によれば、タイヤ内圧計測装置1は、エアゲージ又は空気圧センサをタイヤ3に取り付けることなく、タイヤ3の内圧をタイヤ外部から精度よく計測することができる。したがって、本実施形態によれば、タイヤ3の内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させることができる。
【実施例0065】
以下に、表1、表2、図7、及び図8を参照して、本開示の一実施形態に係るタイヤ内圧計測装置1の実施例について説明する。表1及び図7は、それぞれタイヤ内圧計測装置1によるタイヤの内圧の計測値(補正なし)を示す表及び図である。表2及び図8は、それぞれタイヤ内圧計測装置1によるタイヤの内圧の計測値(補正あり)を示す表及び図である。
【0066】
実施例として、異なる5種類のタイヤA~Eを車両に装着させて、車両に3~8km/時程度の速度でタイヤ内圧計測装置1の上を通過させ、タイヤ内圧計測装置1によりタイヤA~Eの内圧を計測した。その間、第2計測部12は、10ミリ秒間隔で繰り返しタイヤの荷重を計測し、計測された荷重の最大値を、そのタイヤから第2計測部12に加わる荷重とした。なお、計測は、タイヤA~Eについて、内圧を150kPaとした場合、200kPaとした場合、250kPaとした場合のそれぞれで実施された。また、タイヤの内圧の補正として、タイヤA~Eの剛性情報を考慮して、一律で計測値を70kPa下げる補正が行われた。
【0067】
その結果、図7に示されるように、補正なしの場合、タイヤによらず内圧の設定値に対する計測値の傾きが略等しくなっていることがわかる。このため、タイヤ内圧計測装置1が、タイヤの種類、内圧によらず精度よくタイヤの内圧を算出できることがわかった。
【0068】
さらに、図8に示されるように、補正ありの場合、タイヤの内圧を設定値に対して±20kPa精度で計測できることがわかる。このため、タイヤの剛性情報を考慮した内圧の補正を行うことで、タイヤの種類、内圧によらず、タイヤ内圧計測装置1が更に精度よくタイヤの内圧を算出できることがわかった。
【0069】
【表1】
【表2】
【0070】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態では、タイヤ内圧計測装置1の本体10が、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13を備え、コンピュータ端末20が、通信部14、出力部15、入力部16、記憶部17、及び制御部18を備えるものとして説明したが、この限りではない。例えば、コンピュータ端末20が備える機能の一部又は全部を、本体10が備えていてもよい。或いは、本体10が備える機能の一部又は全部を、コンピュータ端末20が備えていてもよい。
【0072】
また例えば、上述した実施形態では、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13がタイヤ内圧計測装置1の本体10に配置されているものとして説明したが、この限りではない。例えば、タイヤ内圧計測装置1は、本体10を有さず、第1計測部11、第2計測部12、及び読取部13がそれぞれ地面又は路面等に直接設置されてもよい。
【0073】
また例えば、上述した実施形態では、タイヤ内圧計測装置1の本体10において、第1計測部11が、第2計測部12よりもタイヤ通過方向の基端側に配置されているものとして説明したが、この限りではない。タイヤ内圧計測装置1の本体10において、第2計測部12が、第1計測部11よりもタイヤ通過方向の基端側に配置されていてもよい。
【0074】
また例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るタイヤ内圧計測装置1の制御部18又はコンピュータ端末20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るタイヤ内圧計測装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現可能である。非一時的なコンピュータ読取可能な媒体には、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリ等が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示によれば、タイヤの内圧をタイヤ外部から計測する精度を向上させる、タイヤ内圧計測装置及びタイヤ内圧計測方法を提供することができる。
【0076】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.9_産業と技術革新の基盤を作ろう」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【符号の説明】
【0077】
1:タイヤ内圧計測装置、 2:車両、 3:タイヤ、 3P、3S、3E:タイヤ位置、 10:本体、 10S:(本体の)表面、 11:第1計測部、 11S:(第1計測部の)接触面、 12:第2計測部、 12S:(第2計測部の)接触面、 13:読取部、 14:通信部、 15:出力部、 16:入力部、 17:記憶部、 18:制御部、 20:コンピュータ端末、 V、V、V:計測値、 T、T、T:計測値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8