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特開2024-154247情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154247
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20241023BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067982
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】515324349
【氏名又は名称】前田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】星野 航
(72)【発明者】
【氏名】前田 充宏
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】知的財産権のライセンスを管理することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するNFT発行処理部と、知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するライセンス料金取得部と、ライセンス料金の少なくとも一部を、NFTのオーナーに対して支払うための処理を行う分配処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するNFT発行処理部と、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するライセンス料金取得部と、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行う分配処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記NFT発行処理部は、知的財産権を特定する知財特定情報を前記NFTのメタデータに設定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記知的財産権の侵害の蓋然性を示す侵害情報の入力を受け付ける侵害情報入力部と、
前記侵害情報の提供者に報奨を与える報奨付与部と、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記侵害情報及び前記知財特定情報を専門家に対して出力する出力部と、
前記専門家から前記侵害の蓋然性の入力を受け付ける蓋然性入力部と、
を備え、
前記報奨付与部は、前記蓋然性が所定値以上である場合に前記提供者に前記報奨を与えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記侵害情報の入力時に、前記提供者が前記NFTの前記オーナーであることを認証する認証処理部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記NFT発行処理部は、第1の前記NFTとは異なる、前記知的財産権及び前記報奨の内容に対応する、前記報奨を与えることを示す第2のNFTを前記提供者に発行すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するステップと、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するステップと、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行うステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するステップと、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するステップと、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には知的財産権に係るライセンス料金の支払いを管理することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-244414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、知的財産権のライセンスが取得されていることを保証することが難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、知的財産権のライセンスを管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するNFT発行処理部と、前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するライセンス料金取得部と、前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行う分配処理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、知的財産権のライセンスを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】情報処理システムの動作を説明する図である。
図5】情報処理システムの他の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、例えば、以下のような構成を備える。
[項目1]
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するNFT発行処理部と、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するライセンス料金取得部と、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行う分配処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記NFT発行処理部は、知的財産権を特定する知財特定情報を前記NFTのメタデータに設定すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記知的財産権の侵害の蓋然性を示す侵害情報の入力を受け付ける侵害情報入力部と、
前記侵害情報の提供者に報奨を与える報奨付与部と、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目3に記載の情報処理システムであって、
前記侵害情報及び前記知財特定情報を専門家に対して出力する出力部と、
前記専門家から前記侵害の蓋然性の入力を受け付ける蓋然性入力部と、
を備え、
前記報奨付与部は、前記蓋然性が所定値以上である場合に前記提供者に前記報奨を与えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目3に記載の情報処理システムであって、
前記侵害情報の入力時に、前記提供者が前記NFTの前記オーナーであることを認証する認証処理部を備えること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目3に記載の情報処理システムであって、
前記NFT発行処理部は、第1の前記NFTとは異なる、前記知的財産権及び前記報奨の内容に対応する、前記報奨を与えることを示す第2のNFTを前記提供者に発行すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目7]
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するステップと、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するステップと、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行うステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目8]
知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行するステップと、
前記知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得するステップと、
前記ライセンス料金の少なくとも一部を、前記NFTのオーナーに対して支払うための処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、例えばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
管理サーバ2は、ブロックチェーンネットワーク3とも通信可能に接続される。ブロックチェーンネットワーク3は、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク3は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0013】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0014】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワーク3によって発行可能なトークン(イーサリアムトークン)としては、ファンジブルトークンと、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;NFT;Non Fungible Token)とがある。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。NFTは、他のNFTと区別される独自の価値を有することができる。このため、NFTは、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子(NFT-ID)を有する。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク3上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク3において記録される。ブロックチェーンネットワーク3の分散台帳では、NFTの所有者(オーナー)及び所有履歴も記録される。
【0016】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0017】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、NFT発行処理部211と、ライセンス料金取得部212と、分配処理部213と、侵害情報入力部214と、報奨付与部215と、出力部216と、蓋然性入力部217と、認証処理部218と、侵害情報記憶部231と、を備える。
【0018】
NFT発行処理部211は、知的財産権に対応する1又は複数のNFTを発行する。NFT発行処理部211は、知的財産権を特定する知財特定情報をNFTのメタデータに設定することができる。知財特定情報は、例えば、特許番号、商標の登録番号、意匠の登録番号、著作権の登録番号などとすることができる。なお、知財特定情報は、知的財産権を特定可能な情報であればこれらに限られない。
【0019】
ライセンス料金取得部212は、知的財産権に基づいて発生したライセンス料金を取得する。ライセンス料金取得部212は、例えば、ライセンシーに対して請求する又は請求したライセンス料金の入力を受け付けることができる。
【0020】
また、ライセンス料金取得部212は、ライセンス料金の課金を行うようにしてもよい。ライセンス料金取得部212は、例えば、ライセンシーからの支払のリクエストを受け付けて、ライセンシーに対してライセンス料金の課金を行うことができる。ライセンシーからのリクエストには、知的財産特定情報の指定が含まれる。この場合、NFT発行処理部211は、ライセンス料金を求めるためのライセンス情報をNFTのメタデータに設定することができる。ライセンス情報は、ライセンス料金そのものであってもよいし、ライセンス料金を算出するための計算式であってもよい。計算式は、例えば、ライセンシーが実施した数又は金額などのパラメータを含んでよく、例えば、ライセンス料金取得部212は、ライセンス情報に基づいて、ライセンシーの製品個数や売上金額などに対して所定割合又は段階的に変化する割合を乗じてライセンス金額を算出することができる。ライセンス料金取得部212による課金処理は、一般的な処理を用いることができる。ライセンス料金取得部212は、例えば、請求書をライセンシーに送付したり、クレジットカード等の決済手段を用いてライセンス料を徴収したり、仮想通貨の移動によりライセンス料を回収したりすることができる。
【0021】
分配処理部213は、知的財産権に係るライセンス料金の少なくとも一部(以下、分配金という。)を、NFTのオーナーに対して支払うための処理を行う。分配金の金額は、ライセンス料金の全額であってもよいし、ライセンス料金からシステム使用料などの手数料を減じた金額であってもよいし、ライセンス料金に所定の割合を乗じた金額であってもよい。分配処理部213は、当該知的財産権に紐付くNFTをブロックチェーンネットワーク3から検索し、検索したNFTのそれぞれのオーナーに対して分配金を支払う。分配処理部213は、知的財産権に紐付くNFTが複数ある場合には、分配金をその数に応じて按分した金額を支払うことができる。分配金の支払処理は一般的なものを使用することができる。例えば、分配処理部213は、オーナーの銀行口座に対して法定通貨を振込処理をするようにしてもよいし、オーナーのウォレットに仮想通貨を送金するようにしてもよいし、その他の手段によりオーナーに対して分配金を支払うようにしてもよい。分配処理部213は、分配金の支払に代えて、分配金の金額に応じた他の価値をオーナーに与えるようにしてもよい。
【0022】
侵害情報入力部214は、知的財産権の侵害の蓋然性を示す侵害情報の入力を受け付ける。侵害情報は、侵害行為を特定する情報であればよい。侵害情報入力部214は、例えば、テキストデータや画像データにより侵害行為の内容を受け付けることができる。侵害情報入力部214は、侵害情報とともに、知的財産権の指定(例えば、知財特定情報)を受け付けることができる。侵害情報入力部214は、受け付けた侵害情報を侵害情報記憶部231に登録することができる。
【0023】
侵害情報記憶部231は、侵害情報を記憶する。侵害情報記憶部231は、侵害情報の提供者(報告者)のユーザを特定する情報(例えばユーザID)と、侵害情報の提供日時と、知的財産権を特定する知財特定情報とに対応付けて侵害情報を記憶することができる。
【0024】
出力部216は、侵害情報を出力する。出力部119は、例えば、システムの運営者に対して侵害情報を出力する(例えば、運営者の端末の侵害情報を送信する)ことができる。出力部119は、例えば、侵害情報が登録されたことを契機に侵害情報を出力するようにしてもよいし、外部からのリクエストに応じて侵害情報を出力してもよい。リクエストに、知財特定情報が含まれている場合には、出力部216は、リクエストに含まれる知財特定情報に対応する侵害情報を検索し、検索結果を応答することができる。また、リクエストにキーワード等の検索条件が指定されていた場合には、出力部216は、検索条件にマッチする侵害情報を侵害情報記憶部231から検索して、検索結果を応答することができる。
【0025】
認証処理部218は、侵害情報の提供者の認証を行うことができる。認証処理部218は、侵害情報の入力時に、提供者がNFTのオーナーであることを確認するようにしてもよい。認証処理部218は、一般的なユーザ認証の方式により、ユーザを認証し、当該ユーザを示す情報が、NFTのオーナーとして設定されているか否かを判定することができる。
【0026】
報奨付与部215は、侵害情報の提供者に報奨を与える。報奨付与部215は、蓋然性が所定値以上である場合に提供者に報奨を与えるようにしてもよい。蓋然性は、例えば、運営者に入力させることができる。
【0027】
また、蓋然性について、専門家の判断を受け付けるようにすることもできる。この場合に、出力部216は、侵害情報及び知財特定情報を専門家に対して出力することができる。また、蓋然性入力部217は、当該専門家から侵害の蓋然性の入力を受け付けることができる。
【0028】
また、侵害情報が知的財産権の内容に一致し又は知的財産権の範囲内に含まれるか否かを判定する蓋然性判定部を管理サーバ2が備えるようにしてもよい。蓋然性判定部は、例えば、特許権の範囲を示す請求項の記載及び侵害情報を入力情報として、蓋然性の度合を教師情報として機械学習により学習した学習モデルを作成し、当該学習モデルに請求項及び侵害情報を与えて蓋然性を推論することができる。
【0029】
報奨付与部215は、侵害情報の提供者が、当該知的財産権に対応するNFTのオーナーではない場合にも、提供者に報奨を与えるようにしてもよい。
【0030】
報奨は、当該知的財産権に係るライセンス料金の一部を原資とすることができる。この場合に、ライセンス料金が支払われるまでの間、その報奨を受け取る権利を標章するNFTを発行するようにしてもよい。この場合、NFT発行処理部211は、上述した知的財産権に紐付くNFTとは異なる、侵害情報の提供に係る報奨を受け取る権利に対応するNFTを発行することができる。
【0031】
<動作>
図4は、情報処理システムの動作を説明する図である。
【0032】
管理サーバ2は、特定の知的財産権に紐付くNFTを発行する(S301)。管理サーバ2は、特定の知的財産権に基づくライセンスに係るライセンス料金を取得し(S302)、ライセンス料金の全部又は一部を、当該知的財産権に紐付くNFTのオーナーに分配する(S303)。管理サーバ2は、例えば、特定の知的財産権に紐付くNFTをブロックチェーンネットワーク3から特定し、ライセンス料金の全部又は一部を、特定したNFTの数で割って、分配額を決定し、決定した分配額を、NFTの各オーナーに対して支払う処理を行うことができる。分配額の支払処理は、法定通貨を用いた送金処理であってもよいし、仮想通貨を用いた送金処理であってもよい。また、金銭以外の価値を支払うようにしてもよい。
【0033】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、知的財産権に係るライセンス料金の支払先をNFTとして管理することができる。
【0034】
図5は、情報処理システムの他の動作を説明する図である。
【0035】
管理サーバ2は、特定の知的財産権を特定する情報(知財特定情報)と、当該知的財産権の権利侵害に関する情報(侵害情報)との入力を受け付け(S321)、受け付けた侵害情報を侵害情報記憶部231に登録するとともに(S322)、侵害の蓋然性を取得する(S323)。管理サーバ2は、例えば、システムの運営者から蓋然性を入力を受け付けてもよいし、専門家に侵害情報を提示して当該専門家から侵害の蓋然性の入力を受け付けるようにしてもよいし、知的財産権の範囲(例えば、特許の請求項)と侵害情報とを学習モデルに与えて蓋然性を推定するようにしてもよい。
【0036】
蓋然性が所定の閾値を超える場合に(S324:YES)、管理サーバ2は、知財特定情報により特定される知的財産権に対応するNFTを特定し(S325)、侵害情報の報告者が、特定したNFTのいずれかのオーナーである場合には(S326:YES)、当該報告者に対して報償を与える処理を行う(S327)。
【0037】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、知的財産権の侵害の蓋然性を示す侵害情報の提供に対して報償を与えることができる。したがって、侵害の検知を容易にすることができる。また、蓋然性の高い場合にのみ報償を与えることにより、蓋然性の低い情報の提供を抑制することができる。
【0038】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 ブロックチェーンネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5