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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154248
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20241023BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241023BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G02F1/1335
G09F9/00 342
G09F9/00 324
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067983
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
【テーマコード(参考)】
2H291
2H391
5G435
【Fターム(参考)】
2H291FA02Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA48Z
2H291FA85Z
2H291FD09
2H291FD16
2H291FD22
2H291FD26
2H291FD35
2H291GA19
2H291GA23
2H291HA05
2H291HA15
2H291LA13
2H291LA34
2H291MA03
2H291MA12
2H391AA03
2H391AB04
2H391EA02
2H391EA11
2H391EA13
2H391EA28
2H391FA07
5G435AA17
5G435BB12
5G435BB19
5G435DD13
5G435EE25
5G435FF06
5G435GG12
5G435KK05
5G435KK10
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】表示パネルと色分離素子との間に適切な隙間を形成することができる表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】表示装置の製造方法は、複数の磁石Mが互いに離間して配置されている台2の載置面2aと表示パネル10の表示面10aとが対向し且つ表示パネル10における表示面10aのパネル反対面10bと複数の磁石Mとがパネル反対面10bの平面視で重ねられて載置面2aに表示パネル10が置かれている状態で、パネル反対面10bにおいて複数の磁石Mによって形成される複数の磁場Fに向けて磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材41を散布する工程と、パネル反対面10bにおいて複数の磁場Fと重なる部位に接着剤ADを塗布する工程と、光源装置20からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光SRを出射する色分離素子30の出射面30aとパネル反対面10bとを接着剤ADを介して貼り合わせる工程と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁石が互いに離間して配置されている台の載置面と表示パネルの表示面とが対向し且つ前記表示パネルにおける前記表示面の反対面と複数の前記磁石とが前記反対面の平面視で重ねられて前記載置面に前記表示パネルが置かれている状態で、前記反対面において複数の前記磁石によって形成される複数の磁場に向けて磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材を散布する工程と、
前記反対面において複数の前記磁場と重なる部位に接着剤を塗布する工程と、
光源からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光を出射する色分離素子の板面と前記反対面とを前記接着剤を介して貼り合わせる工程と、を含む、
表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記ギャップ部材を散布する工程で前記反対面に散布された複数の前記ギャップ部材のうち前記反対面において複数の前記磁場から外れた位置にある前記ギャップ部材を取り除く工程をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記色分離素子と前記表示パネルとを貼り合わせる工程では、前記色分離素子の板面および前記反対面によって前記ギャップ部材を挟持させる、
請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
表示面および前記表示面とは反対側の反対面を有する表示パネルと、
前記表示パネルの前記反対面側に配置され、光源からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光を前記表示パネルに出射する色分離素子と、
前記表示パネルと前記色分離素子とを接着している接着剤部と、
前記反対面の平面視で前記接着剤部と重なるとともに前記表示パネルと前記色分離素子とによって挟持されており、磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材と、を備える、
表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルと前記色分離素子とによって前記ギャップ部材が挟持される方向において前記ギャップ部材の個数は、1つである、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
1つ以上の前記ギャップ部材によって構成される複数の1組のギャップ部材をさらに、備え、
前記反対面の周縁は、1つの辺を有し、
複数の前記1組のギャップ部材は、前記反対面の周縁部において前記1つの辺に沿って等間隔に配置されている、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
1つ以上の前記ギャップ部材によって構成される複数の1組のギャップ部材をさらに、備え、
前記反対面の周縁は、互いに対向する2つの辺を有し、
複数の前記1組のギャップ部材は、前記反対面の周縁部において前記2つの辺それぞれに沿って配置され、
前記2つの辺のうち一方の辺に沿って配置されている複数の前記1組のギャップ部材の配置と、前記2つの辺のうち他方の辺に沿って配置されている複数の前記1組のギャップ部材の配置とは、互いに同じである、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ギャップ部材は、
球状の本体部と、
前記本体部の外表面を覆い、磁性を有する被覆部と、を備える、
請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置の製造方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の表示装置は、画素を有する液晶表示パネル、色分離素子、および、色分離素子に光を照射する面光源装置を備えている。色分離素子は、面光源装置からの光を互いに異なる色の光に分離して表示パネルの画素に集光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-319217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示装置において、色分離素子からの光が画素に集光されるように、液晶表示パネル(表示パネル)と色分離素子との間には所定の距離を有することが望ましい。例えば、所定の大きさを有するギャップ部材を接着剤に含有させ、接着剤を介して表示パネルと色分離素子を接着させる際に表示パネルと色分離素子とでギャップ部材を挟持させることで、上記の所定の距離を有する隙間が形成される。
【0005】
しかしながら、ギャップ部材を接着剤に混ぜ合わせて表示パネルと色分離素子とで挟持させる場合、2つ以上のギャップ部材が接着剤の内部で重なった状態で表示パネルと色分離素子とで挟持され、ギャップ部材が破損する可能性がある。この場合、上記の所定の距離を有する隙間が適切に形成されない可能性がある。
【0006】
本開示は、表示パネルと色分離素子との間に適切な隙間を形成することができる表示装置の製造方法および表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の表示装置の製造方法は、複数の磁石が互いに離間して配置されている台の載置面と表示パネルの表示面とが対向し且つ前記表示パネルにおける前記表示面の反対面と複数の前記磁石とが前記反対面の平面視で重ねられて前記載置面に前記表示パネルが置かれている状態で、前記反対面において複数の前記磁石によって形成される複数の磁場に向けて磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材を散布する工程と、前記反対面において複数の前記磁場と重なる部位に接着剤を塗布する工程と、光源からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光を出射する色分離素子の板面と前記反対面とを前記接着剤を介して貼り合わせる工程と、を含む。
【0008】
また、本開示の表示装置は、表示面および前記表示面とは反対側の反対面を有する表示パネルと、前記表示パネルの前記反対面側に配置され、光源からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光を前記表示パネルに出射する色分離素子と、前記表示パネルと前記色分離素子とを接着している接着剤部と、前記反対面の平面視で前記接着剤部と重なるとともに前記表示パネルと前記色分離素子とによって挟持されており、磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る表示装置の平面図である。
図2図2は、表示装置の断面図である。
図3図3は、表示パネルの回路構成を示す図である。
図4図4は、表示パネルの断面図である。
図5図5は、色分離素子の断面図である。
図6図6は、色分離素子の拡大断面図である。
図7図7は、ギャップ部材の断面図である。
図8図8は、複数のギャップ部材の配置を示す図である。
図9図9は、散布工程において表示パネルが置かれる台の斜視図である。
図10図10は、散布工程において載置面に表示パネルが置かれ、複数のギャップ部材が散布された状態を示す斜視図である。
図11図11は、塗布工程によって接着剤が塗布された表示パネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0011】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
図面で示すX方向およびY方向は、互いに直交し、表示装置1に含まれる基板の主面と平行である。X方向の+X側、-X側、Y方向の+Y側、-Y側は、表示装置1の側方に相当する。Z方向は、X方向およびY方向と直交し、表示装置1の厚み方向に相当する。Z方向の+Z側は、表示装置1において画像が表示される前面側に相当し、Z方向の-Z側は、表示装置1の背面側に相当する。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。また、本明細書において、「平面視」はZ方向に沿って表示装置1を見ることである。
【0013】
<表示装置1>
図1は、本開示の実施形態に係る表示装置1の平面図である。図2は、表示装置1の断面図である。表示装置1は、フレキシブル配線基板(不図示)を介して電気的に接続されている外部装置(不図示)から出力される画像信号に基づいて画像を表示する。
【0014】
表示装置1は、例えばヘッドアップディスプレイに適用される。ヘッドアップディスプレイは、車両のフロントガラスなどの透光体に画像を投影してユーザに虚像を視認させる。表示装置1は、表示パネル10、光源装置20、色分離素子30、および、接着剤部40を備える。光源装置20、色分離素子30および表示パネル10はZ方向に沿って-Z側から+Z側に向けてこの順に並んでいる。
【0015】
表示パネル10は、透過型の液晶ディスプレイである。なお、表示パネル10は、例えば、有機ELディスプレイおよび無機ELディスプレイでもよい。図1および図2に示すように、表示パネル10は、画像が表示される表示領域DAを有する表示面10a、および、表示面10aとは反対側のパネル反対面10bを有する。表示面10aは、表示パネル10の前面に相当する。なお、パネル反対面10bは、表示パネル10の背面に相当する。図1に示すように、表示パネル10は、表示領域DAにおいてX方向およびY方向に沿って行列状に配置されている複数の画素Pを有している。
【0016】
複数の画素Pは、それぞれ、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を有している。第1副画素SP1は赤の副画素である。第2副画素SP2は緑の副画素である。第3副画素SP3は青の副画素である。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3は、X方向に沿ってこの順に並んでいる。第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3の配列はいわゆるストライプ配列である。以下、第1副画素SP1、第2副画素SP2および第3副画素SP3を区別せずに説明する場合、単に「副画素SP」と記載する場合がある。なお、副画素SPの配列がストライプ配列に限定されないこと、および、副画素SPの色が上記の色に限定されないことは言うまでもない。
【0017】
図3は、表示パネル10の回路構成を示す図である。表示パネル10は、駆動回路11、ならびに、複数の副画素SPそれぞれが有するスイッチング素子SW、副画素電極PE、共通電極CE、液晶容量LC、および、保持容量CSを備えている。
【0018】
駆動回路11は、表示パネル10を駆動する。駆動回路11は、信号処理回路11a、信号出力回路11b、および、走査回路11cを備えている。
【0019】
信号処理回路11aは、外部装置から送信される画像信号に基づいて、副画素SPの階調を示す副画素信号を信号出力回路11bに出力する。また、信号処理回路11aは、信号出力回路11bの動作と走査回路11cの動作とを同期させるクロック信号を信号出力回路11bおよび走査回路11cに出力する。
【0020】
信号出力回路11bは、副画素信号を副画素SPに出力する。信号出力回路11bと複数の副画素SPとは、Y方向に沿って延びる複数の信号線Lbを介して電気的に接続されている。
【0021】
走査回路11cは、信号出力回路11bによる副画素信号の出力と同期して、複数の副画素SPを走査する。走査回路11cと複数の副画素SPとは、X方向に沿って延びる複数の走査線Lcを介して電気的に接続されている。
【0022】
平面視においてX方向において互いに隣接する2つの信号線LbおよびY方向において互いに隣接する2つの走査線Lcによって区画されている領域が副画素SPに相当する。
【0023】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。スイッチング素子SWにおいて、ソース電極と信号線Lbとが電気的に接続され、ゲート電極と走査線Lcとが電気的に接続されている。
【0024】
副画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極に接続されている。共通電極CEは、複数の走査線Lcに対応して複数配置されている。副画素電極PEおよび共通電極CEは、透光性を有する。
【0025】
液晶容量LCは、副画素電極PEと共通電極CEとの間にある後述する液晶層13の液晶材料の容量成分である。保持容量CSは、共通電極CEと同電位の電極と、副画素電極PEと同電位の電極との間に配置されている。
【0026】
図4は、表示パネル10の断面図である。副画素SPは、第1基板12、液晶層13、および、第2基板14をさらに備えている。第1基板12、液晶層13、および、第2基板14は、それぞれ透光性を有し、Z方向に沿って-Z側から+Z側に向けて、この順に配置されている。第1基板12および第2基板14は、平面視矩形状である。
【0027】
第1基板12の+Z側の主面12aには、共通電極CEが配置されている。また、共通電極CEの前面には絶縁層ILが配置され、さらに、副画素電極PE、および、配向膜ALがさらに配置されている。
【0028】
副画素電極PEは、絶縁層ILと配向膜ALとの間に配置されている。このように、共通電極CEと副画素電極PEは、第1基板12に配置されている。つまり、表示パネル10は、横電界方式の液晶ディスプレイである。なお、表示パネル10は、縦電界方式の液晶ディスプレイでもよい。
【0029】
第2基板14は、第1基板12の前面側に位置する。第2基板14の背面には、カラーフィルタCF、遮光膜SM、および、配向膜ALが配置されている。遮光膜SMおよびカラーフィルタCFは、第2基板14と配向膜ALとの間に配置されている。
【0030】
カラーフィルタCFは、平面視矩形状であり、1つの副画素SPに1つ配置されている。カラーフィルタCFは、透光性を有し、透過させる光のスペクトルのピークが予め定めされている。スペクトルのピークはカラーフィルタCFの色に対応する。カラーフィルタCFの色は副画素SPの色と同じである。つまり、赤の第1副画素SP1は赤のカラーフィルタCFを有し、緑の第2副画素SP2は緑のカラーフィルタCFを有し、青の第3副画素SP3は青のカラーフィルタCFを有する。
【0031】
遮光膜SMは、遮光性を有し、X方向およびY方向において互いに隣接する複数の副画素SPの境界と平面視で重なる。すなわち、遮光膜SMは、信号線Lbおよび走査線Lcと平面視で重なる。なお、図4において、信号線Lbおよび走査線Lcの図示は省略されている。信号線Lbおよび走査線Lcは第1基板12の主面12aに配置されている。
【0032】
液晶層13は、複数の液晶分子LMを含んで構成されている。液晶層13は、第1基板12と第2基板14との間にあり、平面視で表示領域DAと重なる。具体的には、液晶層13は、互いに対向する2つの配向膜ALの間にある。液晶分子LMの向きは、互いに対向する2つの配向膜ALによって規制される。
【0033】
また、図2および図4に示すように、表示パネル10は、第1基板12の背面に配置されている第1偏光板15、および、第2基板14の前面に配置されている第2偏光板16をさらに備えている。
【0034】
第1偏光板15は、Z方向と直交する透過軸を有している。第2偏光板16は、第1偏光板15の透過軸およびZ方向と直交する透過軸を有している。
【0035】
また、図1および図2に示すように、第1基板12は、平面視で第2基板14から露出する露出部12bを有する。露出部12bは平面視で第2基板14より-Y側にある。また、露出部12bの前面には、駆動回路11を含むICチップTiが配置されている。露出部12bの前面は、第1基板12の主面12aの一部である。
【0036】
駆動回路11が画像信号に基づいて副画素信号を副画素SPに出力することで、液晶層13に電界が発生し、液晶分子LMの向きが変化する。これにより、表示パネル10を透過する光が変調されることで画像が表示される。
【0037】
図2に示すように、光源装置20は、表示パネル10の背面側に配置されている。光源装置20は、表示パネル10に向けて光(以下、出射光と記載する)を出射する。光源装置20は、例えば直下型のバックライトであり、複数の発光ダイオード(不図示)を有する。
【0038】
図1および図2に示すように、色分離素子30は、平面視で矩形状の板状である。色分離素子30は、平面視で表示パネル10より大きい。具体的には、色分離素子30の周縁は、表示パネル10の周縁より平面視で外側に位置する。なお、色分離素子30の一部が表示パネル10より平面視で外側に位置してもよい。
【0039】
図2に示すように、色分離素子30は、表示パネル10のパネル反対面10b側に配置されている。具体的には、色分離素子30は、表示パネル10と光源装置20との間に配置されている。色分離素子30は透光性を有し、光源装置20の出射光は色分離素子30を介して表示パネル10に入射する。
【0040】
図5は、色分離素子30の断面図である。図6は、色分離素子30の拡大断面図である。色分離素子30は、光源装置20の出射光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光SRを表示パネル10の画素Pに出射する。色分離素子30は、分離光SRを出射する分離領域SAを有している。分離領域SAは、表示パネル10と対向する色分離素子30の板面(色分離素子30の前面;以下、出射面30aと記載する場合がある)にあり、平面視で表示領域DAと重なる(図1参照)。
【0041】
図6に示すように、分離領域SAから出射される分離光SRは、第1副画素SP1の色と同じ赤の第1分離光SR1、第2副画素SP2の色と同じ緑の第2分離光SR2および第3副画素SP3の色と同じ青の第3分離光SR3を有する。分離領域SAにおいて、色分離素子30の前面は所定の凹凸状である。
【0042】
所定の凹凸状は、平面視で第1副画素SP1より大きく第1副画素SP1と平面視で重なる第1範囲H1から第1分離光SR1が第1副画素SP1に集まる形状である。また、所定の凹凸状は、平面視で第2副画素SP2より大きく第2副画素SP2と平面視で重なる第2範囲H2から第2分離光SR2が第2副画素SP2に集まる形状である。さらに、所定の凹凸状は、平面視で第3副画素SP3より大きく第3副画素SP3と平面視で重なる第3範囲H3から第3分離光SR3が第3副画素SP3に集まる形状である。
【0043】
第1範囲H1は第1副画素SP1に対応して複数ある。第2範囲H2は第2副画素SP2に対応して複数ある。第3範囲H3は第3副画素SP3に対応して複数ある。第1範囲H1、第2範囲H2および第3範囲H3は平面視で互いに重なる部分を有する。
【0044】
このように、色分離素子30は、光源装置20の出射光をカラーフィルタCFの各色に対応する波長ごとに分離し、カラーフィルタCFに対応する波長の光(分離光SR)を各カラーフィルタCFそれぞれに入射させて透過させる。これにより、表示装置1が色分離素子30を備えずに光源装置20の出射光が表示パネル10に直接入射する場合と比べて、光源装置20の出射光の光量の損失が抑制され、出射光の利用効率を向上させることができる。
【0045】
図1および図2に示すように、接着剤部40は、表示パネル10と色分離素子30とを接着している。具体的には、接着剤部40は、表示パネル10の周縁部と色分離素子30の出射面30aとを接着している。
【0046】
図1に示すように、接着剤部40は、平面視において表示領域DAおよび分離領域SAの周囲にある。換言すれば、接着剤部40は、平面視において表示領域DAおよび分離領域SAより外側にある。また、接着剤部40は、平面視において第1偏光板15の周囲(平面視において第1偏光板15より外側)にある(図2参照)。
【0047】
また、接着剤部40は、不連続部40aを有している。不連続部40aは、接着剤部40の母材が途切れていることで形成される隙間である。不連続部40aは、表示パネル10と色分離素子30との間における接着剤部40より内側の空間と、接着剤部40より外側の空間とを連通する。これにより、表示パネル10と色分離素子30との間における接着剤部40より内側の空間において結露が発生することを抑制することができる。
【0048】
本実施形態において、不連続部40aは、接着剤部40の-X側かつ+Y側の位置に1箇所ある。なお、接着剤部40の-X側かつ+Y側の位置に不連続部40aの位置が限定されないこと、および、不連続部40aの個数が1つに限定されないことは言うまでもない。
【0049】
接着剤部40は、後述する接着剤が硬化することによって形成されている。接着剤は、一液型接着剤であり、例えばUV(紫外線)硬化型接着剤である。
【0050】
図2に示すように、接着剤部40は、所定の大きさのギャップ部材41を複数含有している。ギャップ部材41は、パネル反対面10bの平面視で接着剤部40と重なる。
【0051】
接着剤部40の体積に対する複数のギャップ部材41の総体積の割合は、およそ2%である。ギャップ部材41は、ギャップ部材41の全部が接着剤部40に覆われた状態、および、ギャップ部材41の一部が接着剤部40から露出した状態を有する。
【0052】
図7は、ギャップ部材41の断面図である。ギャップ部材41は、本体部41aおよび被覆部41bを有する。本体部41aは、非磁性を有する球状である。本体部41aは、例えばガラス製である。
【0053】
被覆部41bは、本体部41aの外表面を覆う膜状である。被覆部41bは、本体部41aの外表面の全体を覆う。被覆部41bは、磁性を有する。これにより、ギャップ部材41は、磁性を有する。被覆部41bの材料は、強磁性体であり、例えば、鉄、ニッケルおよびコバルトなどである。なお、被覆部41bの材料が上記の材料に限定されないことは言うまでもない。被覆部41bは、蒸着および無電解メッキなどによって形成される。
【0054】
ギャップ部材41の所定の大きさは、ギャップ部材41の直径に対応する。ギャップ部材41の直径は、被覆部41bの外表面の直径である。また、ギャップ部材41の硬度は、接着剤部40の硬度より高い。よって、ギャップ部材41は、接着剤部40より外力に対して変形しにくい。
【0055】
図2に示すように、ギャップ部材41は、表示パネル10のパネル反対面10bおよび色分離素子30の出射面30aによって挟持されている。表示パネル10と色分離素子30とによってギャップ部材41が挟持される方向(Z方向)においてギャップ部材41の個数は、1つである。これにより、表示パネル10と色分離素子30との間のZ方向距離は、所定の直径でほぼ一定となる。所定の直径は、分離光SRが副画素SPに集まる大きさに定められている。つまり、表示パネル10と色分離素子30とによってギャップ部材41が挟持されることで、分離光SRを副画素SPに適切に集めることができる。
【0056】
図8は、複数のギャップ部材41の配置を示す図である。図8は、パネル反対面10b側から見た表示パネル10の平面視を示す図である。なお、複数のギャップ部材41は、出射面30aから見た色分離素子30の平面視においても、図8と同様に配置されている。
【0057】
複数のギャップ部材41は、平面視で表示領域DAの周囲にあり、パネル反対面10bの周縁部に配置されている。また、複数のギャップ部材41は、複数の1組のギャップ部材Cに分けられる。1組のギャップ部材Cは、1つ以上のギャップ部材41によって構成されている。換言すれば、1組のギャップ部材Cは、1つもギャップ部材41、または、2つ以上のギャップ部材41の集まりである。上記のようにZ方向においてギャップ部材41の個数は1つのみである。つまり、1組のギャップ部材Cにおいて、複数のギャップ部材41は平面視で重なっていない。
【0058】
図8において、1組のギャップ部材Cに含まれるギャップ部材41は、仮想の破線(以下、仮想破線Lvと称する)で囲まれる範囲内に位置する。仮想破線Lvは、複数の1組のギャップ部材Cのうちギャップ部材41を最も多く含む1組のギャップ部材Cに含まれる複数のギャップ部材41を取り囲む形状であり、1つの1組のギャップ部材Cの領域を示す。仮想破線Lvは、平面視で円状である。なお、仮想破線Lvが平面視で円状であることに限定されないことは言うまでもなく、例えば楕円形状および多角形状(例えば四角形状)でもよい。
【0059】
上記のように、第1基板12は平面視矩形状であることで、パネル反対面10bは平面視矩形状である。つまり、パネル反対面10bの周縁は、四角形状であり、第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3および第4辺S4を有する。第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3および第4辺S4を区別することなく説明するときは、単に「辺S」と称する。
【0060】
4つの辺Sそれぞれにおいて、複数の1組のギャップ部材Cは、辺Sに沿って等間隔に配置されている。つまり、複数の1組のギャップ部材Cに対応する複数の仮想破線Lvは、辺Sに沿って等間隔に位置する。換言すれば、複数の仮想破線Lvを辺Sに沿って等間隔に配置した場合、複数の仮想破線Lvそれぞれにおいて、1つの1組のギャップ部材Cが位置する。
【0061】
これにより、パネル反対面10bの周縁の全周に亘って、表示パネル10と色分離素子30との間のZ方向距離は、所定の直径でほぼ一定となる。よって、分離光SRを副画素SPにより適切に集めることができる。
【0062】
<表示装置1の変形例>
次に、表示装置1の変形例について、主として上記の実施形態の表示装置1と異なる点を説明する。
【0063】
例えば、接着剤部40は、平面視において表示パネル10の周縁からはみ出してもよい。
【0064】
また、上記のようにパネル反対面10bは、平面視矩形状であり、平面視で互いに対向する2つの長辺(第1辺S1および第3辺S3:図8参照)および互いに対向する2つの短辺(第2辺S2および第4辺S4:図8参照)を有する。2つの長辺および2つの短辺において、複数の1組のギャップ部材Cは、長辺および短辺に沿って配置されている。この場合において、2つの長辺の一方に沿って配置されている複数の1組のギャップ部材Cの配置と、2つの長辺の他方に沿って配置されている複数の1組のギャップ部材Cの配置とは互いに同じである。例えば、2つの長辺において、複数の1組のギャップ部材Cは互いに等しい間隔で配置されている。同様に、2つの短辺の一方に沿って配置されている複数の1組のギャップ部材Cの配置と、2つの短辺の他方に沿って配置されている複数の1組のギャップ部材Cの配置とは互いに同じである。例えば、2つの短辺において、複数の1組のギャップ部材Cは互いに等しい間隔で配置されている。なお、長辺に沿って互いに隣接する2つ1組のギャップ部材Cの間隔と、短辺に沿って互いに隣接する2つ1組のギャップ部材Cの間隔とは異なってもよい。また、長辺および短辺それぞれにおいて、互いに隣接する2つ1組のギャップ部材Cの間隔は異なってもよい。
【0065】
また、接着剤部40は、不連続部40aを有さず、平面視で表示領域DAの周囲に全周に亘って配置されてもよい。
【0066】
また、パネル反対面10bは、平面視矩形状に限定されることは言うまでもなく、平面視において少なくとも1つの直線状の辺Sを含む形状であればよい。例えば、パネル反対面10bは、平面視三角形状などの平面視で多角形状、ならびに、パネル反対面10bの周縁に曲線を含む平面視で半円状でもよい。なお、パネル反対面10bは、平面視で円状でもよい。
【0067】
また、接着剤部40は遮光性を有してもよい。この場合、分離光SRがギャップ部材41で反射して表示パネル10に入射することが抑制される。また、表示装置1の外部からの外光が接着剤部40を透過して表示パネル10に入射することが抑制される。
【0068】
<表示装置1の製造方法>
次に、表示装置1の製造方法において、表示パネル10と色分離素子30とを接着する接着工程について説明する。
【0069】
接着工程は、表示パネル10に複数のギャップ部材41を散布する散布工程、表示パネル10に散布された複数のギャップ部材41の一部を取り除く除去工程、表示パネル10に接着剤ADを塗布する塗布工程、色分離素子30と表示パネル10とを貼り合わせる貼り合わせ工程、および、接着剤ADを硬化させる硬化工程を含む。散布工程、除去工程、塗布工程、貼り合わせ工程、および、硬化工程は、この順に行われる。
【0070】
図9は、散布工程において表示パネル10が置かれる台2の斜視図である。台2は、表示パネル10が置かれる載置面2aを有する。載置面2aは平面である。また、台2は、複数の磁石M(例えば永久磁石および電磁石など)を備える。
【0071】
複数の磁石Mの外表面に一部は、載置面2aに露出している。なお、複数の磁石Mは、台2の内部に位置してもよい。載置面2aの平面視において複数の磁石Mの配置は、表示パネル10のパネル反対面10bの平面視における複数の仮想破線Lvの配置に対応する。
【0072】
図10は、散布工程において載置面2aに表示パネル10が置かれ、複数のギャップ部材41が散布された状態を示す斜視図である。
【0073】
散布工程では、まず、載置面2aと表示パネル10の表示面10aとが対向し且つ表示パネル10のパネル反対面10bと複数の磁石Mとがパネル反対面10bの平面視で重ねられた状態で載置面2aに表示パネル10が置かれる。載置面2aに表示パネル10が置かれた状態において、表示領域DAは、パネル反対面10bの平面視において複数の磁石Mの内側に位置する。なお、載置面2aに表示パネル10が置かれた状態において、載置面2aと表示面10aとは接触していてもよいし、載置面2aと表示面10aとは離れていてもよい。
【0074】
載置面2aに表示パネル10が置かれた状態において、表示パネル10のパネル反対面10bには、複数の磁石Mの磁力によって複数の磁場Fが形成される。パネル反対面10bに形成される複数の磁場Fの周縁は、複数の仮想破線Lvに相当する。つまり、パネル反対面10bに形成される複数の磁場Fの配置および形状は、複数の仮想破線Lvの配置および形状とほぼ同じである。すなわち、複数の磁場Fは、パネル反対面10bの周縁部に形成され、パネル反対面10bの4つの辺Sそれぞれにおいて等間隔に形成される。
【0075】
次に、載置面2aに表示パネル10が置かれた状態で、複数のギャップ部材41がパネル反対面10bに散布される。上記のようにギャップ部材41は、磁性を有する。よって、散布された複数のギャップ部材41の一部は、複数の磁石Mの磁力により、複数の磁場Fそれぞれに位置する。複数の磁場Fそれぞれに位置する複数のギャップ部材41によって、複数の1組のギャップ部材Cがパネル反対面10bに形成される。一方、散布された複数のギャップ部材41の他の一部は、パネル反対面10bにおいて複数の磁場Fから外れたところに位置する。なお、図10において、磁場Fから外れたギャップ部材41は、図示されていない。
【0076】
除去工程では、上記の散布工程において散布された複数のギャップ部材41のうちパネル反対面10bにおいて複数の磁場Fから外れた位置にあるギャップ部材41が取り除かれる。具体的には、作業者がハケを用いたり、パネル反対面10bにエアを吹き付けたり、パネル反対面10bを傾斜または揺動さたりすることで、複数の磁場Fから外れた位置にあるギャップ部材41がパネル反対面10bから取り除かれる。これにより、パネル反対面10bには、複数の1組のギャップ部材Cを構成する複数のギャップ部材41が残る。
【0077】
図11は、塗布工程によって接着剤ADが塗布された表示パネル10を示す図である。
【0078】
塗布工程では、パネル反対面10bにおいて複数の磁場Fと重なる部位に接着剤ADが塗布される。具体的には、接着剤ADは、複数の磁場Fと重なるパネル反対面10bの周縁部に塗布される。接着剤ADは、ディスペンサを用いて塗布される。
【0079】
接着剤ADの塗布が開始される開始位置P1と、接着剤ADの塗布が終了する終了位置P2とが平面視で互いに異なる。これにより、後述する硬化工程で接着剤ADが硬化すると、接着剤部40の不連続部40aが形成される。
【0080】
なお、上記のように接着剤ADは、一液型接着剤であり、混合物がない。よって、表示装置1の製造において、接着剤ADに混合物を混合する混合工程はない。したがって、接着剤ADには、混合工程において空気が混入することによって生じる空隙がない。
【0081】
貼り合わせ工程では、ギャップ部材41が散布された表示パネル10のパネル反対面10bと色分離素子30の出射面30aとを、接着剤ADを介して貼り合わせる。また、貼り合わせ工程では、表示パネル10のパネル反対面10bおよび色分離素子30の出射面30aによってギャップ部材41を挟持させる。
【0082】
色分離素子30と表示パネル10とが貼り合わされる際に、色分離素子30と表示パネル10との間において平面視で接着剤ADより内側にある空気は、図11に示す接着剤ADの開始位置P1と終了位置P2との間から接着剤ADより外側に漏出する。これにより、色分離素子30と表示パネル10との間で空気が圧縮されることで生じる圧力によって色分離素子30および表示パネル10が変形することが防止される。
【0083】
次に、硬化工程では、接着剤ADが硬化される。上記のように接着剤ADはUV硬化型接着剤であり、硬化工程では所定の積算光量の紫外線が接着剤ADに照射される。所定の積算光量は、予め行われる実験などで導出されており、接着剤ADが十分に硬化する積算光量である。接着剤ADが硬化することで、不連続部40aを有する接着剤部40が形成される。なお、図10および図11において、液晶層13、第1偏光板15および第2偏光板16は省略されている。
【0084】
上記のように、ギャップ部材41が磁性を有し、散布工程において磁石Mを備える台2に表示パネル10が置かれることでパネル反対面10bに複数の電場が形成され、パネル反対面10bに1組のギャップ部材Cが形成される。さらに、パネル反対面10bに1組のギャップ部材Cが形成された後に接着剤ADを塗布する塗布工程が行われる。よって、パネル反対面10bの平面視において2つ以上のギャップ部材41が接着剤ADの内部で重なることが抑制される。よって、複数のギャップ部材41が接着剤ADに混合された状態で塗布工程および貼り合わせ工程が行われる場合と比べて、2以上のギャップ部材41が接着剤ADの内部で重なった状態で表示パネル10と色分離素子30とに挟持されることを抑制することができる。
【0085】
また、接着剤ADには混合物が無いため、貼り合わせ工程において、混合物とギャップ部材41が接着剤ADの内部で重なった状態で表示パネル10と色分離素子30とに挟持されることが抑制される。したがって、混合物によってギャップ部材41が破損することが抑制され、表示パネル10と色分離素子30とのZ方向距離をより確実にギャップ部材41の所定の直径で一定とすることができる。
【0086】
<表示装置1の製造方法の変形例>
次に、表示装置1の製造方法の変形例について、上記の表示装置1の製造方法と異なる点を主に説明する。
【0087】
例えば、散布工程において複数のギャップ部材41のすべてが複数の磁場Fに位置する場合、除去工程を省略してもよい。
【0088】
また、散布工程は、複数のギャップ部材41を散布した後に、表示パネル10を振動させる振動工程を含んでもよい。表示パネル10を振動させることで、2つ以上のギャップ部材41がパネル反対面10bの平面視で重なっている場合、ギャップ部材41が移動して、2つ以上のギャップ部材41が平面視で重ならない状態にすることができる。なお、散布工程において、複数のギャップ部材41を散布した後に2つ以上のギャップ部材41がパネル反対面10bの平面視で重なっている場合、作業者がハケを用いたり、パネル反対面10bにエアを吹き付けたり、パネル反対面10bを傾斜または揺動させたりすることで、2つ以上のギャップ部材41が平面視で重ならない状態にしてもよい。
【0089】
また、散布工程において、載置面2aに色分離素子30を配置してもよい。この場合、載置面2aと色分離素子30における出射面30aの反対側にある素子反対面30b(図2参照)とが対向し且つ素子反対面30bと複数の磁石Mとが素子反対面30bの平面視で重ねられた状態で、載置面2aに色分離素子30が置かれる。載置面2aに色分離素子30が置かれた状態において、分離領域SAは、出射面30aの平面視において複数の磁石Mの内側に位置する。載置面2aに色分離素子30が置かれた状態において、出射面30aには、複数の磁石Mの磁力によって複数の磁場Fが形成される。出射面30aに形成される複数の磁場Fの周縁は、複数の仮想破線Lvに対応する。またこの場合、散布工程では、複数のギャップ部材41は、出射面30aに散布される。これにより、複数の1組のギャップ部材Cが出射面30aに形成される。
【0090】
このように、上記の実施形態の変形例に係る表示装置1の製造方法は、複数の磁石Mが互いに離間して配置されている台2の載置面2aと光源装置20からの光を分散して互いに波長が異なる複数の分離光SRを出射する色分離素子30における出射面30aの反対側にある素子反対面30bとが対向し且つ出射面30aと複数の磁石Mとが出射面30aの平面視で重ねられて載置面2aに色分離素子30が置かれている状態で、出射面30aにおいて複数の磁石Mによって形成される複数の磁場Fに向けて磁性を有する所定の大きさの複数のギャップ部材41を散布する工程と、出射面30aにおいて複数の磁石Mによって形成される複数の磁場Fと重なる部位に接着剤ADを塗布する工程と、表示パネル10における表示面10aの反対面と出射面30aとを、接着剤ADを介して貼り合わせる工程と、を含む。
【0091】
また、接着剤ADは、二液型接着剤でもよく、また、例えば熱硬化型接着剤などのUV硬化型接着剤以外の接着剤でもよい。
【0092】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0093】
1 表示装置
2 台
2a 載置面
10 表示パネル
10a 表示面
10b パネル反対面(反対面)
20 光源装置(光源)
30 色分離素子
30a 出射面(色分離素子の板面)
30b 素子反対面
40 接着剤部
41 ギャップ部材
41a 本体部
41b 被覆部
AD 接着剤
C 1組のギャップ部材
DA 表示領域
F 磁場
M 磁石
S1 第1辺(辺)
S2 第2辺(辺)
S3 第3辺(辺)
S4 第4辺(辺)
SR 分離光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11