(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154252
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20241023BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H01H36/00 D
H01H36/00 J
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067987
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】長坂 昭吾
(72)【発明者】
【氏名】辻川 和樹
【テーマコード(参考)】
2C088
5G046
【Fターム(参考)】
2C088AA51
2C088DA09
2C088EB78
5G046AA11
5G046AB03
5G046AC22
5G046AD02
5G046AE13
(57)【要約】
【課題】従来とは異なる原理でユーザによる入力を可能とする入力装置を実現する。
【解決手段】スイッチ装置(1)は、プラズマ管(11)と、プラズマ管に対して外部から高周波電圧を印加する電極(12)とを備え、プラズマ管の内部で放電が行われる放電管(10)と、電極に高周波電圧を印加するプラズマ駆動回路(21)と、電極の電圧を検出する検出回路(22)と、検出回路の出力に応じた信号を出力する信号出力部(23)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体で形成され、内部に希ガスが封入されたプラズマ管と、前記プラズマ管に対して外部から高周波電圧を印加する電極とを備え、前記電極の近傍に位置する前記プラズマ管の部分領域である近傍領域と、該近傍領域から離れて位置する前記プラズマ管の部分領域である遠方領域との間で放電が行われる放電管と、
前記電極に高周波電圧を印加するプラズマ駆動回路と、
前記遠方領域に対する導電体の接近状態または接触状態によって変化する前記電極の電圧を検出する検出回路と、
前記検出回路の出力に応じた信号を出力する信号出力部と、を備える入力装置。
【請求項2】
前記遠方領域は球形状であり、
前記近傍領域は、前記球形状の面の一部から当該球形状の中心に到達する凹部に設けられる、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記信号出力部は、前記検出回路の出力が閾値以上であるか否かに応じてオンまたはオフの信号を出力する、請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記閾値は、前記導電体が前記遠方領域から所定の距離に接近した状態における前記電極の電圧である、請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記信号出力部は、前記検出回路の出力に応じて出力信号の値を異ならせる、請求項1に記載の入力装置。
【請求項6】
前記信号出力部は、前記導電体と前記遠方領域とが非接触の状態において、前記導電体が前記遠方領域に接近する場合に、前記導電体と前記遠方領域とが接触するまでの距離の変化に応じた前記電極の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせる、請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記信号出力部は、前記導電体と前記遠方領域とが接触している状態において、前記導電体と前記遠方領域とが接触している領域の面積の変化に応じた前記電極の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせる、請求項5に記載の入力装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の入力装置と、
前記信号出力部から出力された信号が入力され、当該信号に応じた制御を行う制御装置と、を備える遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作に応じた信号を他の装置に入力する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遊技機などに用いられるスイッチが開示されている。当該スイッチは、遊技者による押圧移動操作を受ける操作ボタンと、操作ボタンへの押圧移動操作に基づいて移動するスイッチ本体と、スイッチ本体の移動を検出するためのフォトセンサとを備える。操作ボタンとスイッチ本体との間にはプラズマボールが介装されており、プラズマボールによる放電光が操作ボタンを通して視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様は、従来とは異なる原理でユーザによる入力を可能とする入力装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る入力装置は、誘電体で形成され、内部に希ガスが封入されたプラズマ管と、前記プラズマ管に対して外部から高周波電圧を印加する電極とを備え、前記電極の近傍に位置する前記プラズマ管の部分領域である近傍領域と、該近傍領域から離れて位置する前記プラズマ管の部分領域である遠方領域との間で放電が行われる放電管と、前記電極に高周波電圧を印加するプラズマ駆動回路と、前記遠方領域に対する導電体の接近状態または接触状態によって変化する前記電極の電圧を検出する検出回路と、前記検出回路の出力に応じた信号を出力する信号出力部と、を備える。
【0006】
上記の構成によれば、ユーザがプラズマ管の遠方領域に導電体を接近または接触させることで、電極の電圧が変化する。検出回路が電極の電圧を検出し、検出回路の出力に応じた信号を信号出力部が出力する。したがって、ユーザは、遠方領域に導電体を接近または接触させることで、入力動作を行うことができる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記遠方領域は球形状であり、前記近傍領域は、前記球形状の面の一部から当該球形状の中心に到達する凹部に設けられる。
【0008】
上記の構成によれば、球形状の遠方領域と、球形状の面の一部から中心に到達する凹部に設けられる近傍領域との間で、ランダムに放電が行われる。さらに、遠方領域に導電体が接近または接触すると、その方向に放電が集中するという演出ができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記信号出力部は、前記検出回路の出力が閾値以上であるか否かに応じてオンまたはオフの信号を出力する。
【0010】
上記の構成によれば、入力装置を、二値化された信号を入力するためのスイッチとして利用可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記閾値は、前記導電体が前記遠方領域から所定の距離に接近した状態における前記電極の電圧である。
【0012】
上記の構成によれば、ユーザは、遠方領域から所定の距離に導電体を接近させるか否かという、直感的に理解しやすい方法で、2値化された信号を入力装置により入力できる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記信号出力部は、前記検出回路の出力に応じて出力信号の値を異ならせる。
【0014】
上記の構成によれば、入力装置を、多値化された信号を入力するためのスイッチとして利用可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記信号出力部は、前記導電体と前記遠方領域とが非接触の状態において、前記導電体が前記遠方領域に接近する場合に、前記導電体と前記遠方領域とが接触するまでの距離の変化に応じた前記電極の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせる。
【0016】
上記の構成によれば、ユーザは、導電体と遠方領域との距離を変動させることで、入力装置を、多値化された信号を入力するためのスイッチとして利用できる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る入力装置において、前記信号出力部は、前記導電体と前記遠方領域とが接触している状態において、前記導電体と前記遠方領域とが接触している領域の面積の変化に応じた前記電極の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせる。
【0018】
上記の構成によれば、ユーザは、導電体を遠方領域に接触させる面積を変動させることで、入力装置を、多値化された信号を入力するためのスイッチとして利用できる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る遊技機は、上記のいずれかの態様の入力装置と、前記信号出力部から出力された信号が入力され、当該信号に応じた制御を行う制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、従来とは異なる原理でユーザの操作を検出するスイッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るスイッチ装置の概略を示す図である。
【
図2】プラズマ駆動回路の具体的な構成の例を示す図である。
【
図3】遠方領域に対するユーザの手の接近状態または接触状態と、電極の電圧との関係を示す図である。
【
図4】スイッチ装置の第1の実施例を示す図である。
【
図5】スイッチ装置の第2の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。以下の説明において、数値範囲を示す「A~B」は、特筆しない限り、「A以上かつB以下」を意味する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るスイッチ装置1(入力装置)の概略を示す図である。
図1に示すように、スイッチ装置1は、放電管10と、プラズマ駆動回路21と、検出回路22と、信号出力部23とを備える。スイッチ装置1は、導電体の位置に応じた信号を外部装置に入力するための入力装置として機能する。以下では、導電体をユーザの手31として説明する。ただし導電体はユーザの手31に限られない。
【0024】
放電管10は、プラズマ管11と、電極12とを備える。プラズマ管11は、誘電体で形成されている。誘電体は、例えばガラスである。プラズマ管11の内部には、希ガスが封入されている。電極12は、プラズマ管11に対して外部から高周波電圧を印加する。電極12は、例えば銅またはアルミニウムで形成される。放電管10においては、電極12の近傍に位置するプラズマ管11の部分領域である近傍領域11aと、当該近傍領域11aから離れて位置するプラズマ管11の遠方領域11bとの間で放電が行われる。
【0025】
図1に示す例では、遠方領域11bは、球形状である。ここでいう球形状とは、完全な球ではなく、実質的に球と見なすことが可能な形状を意味する。ただし、遠方領域11bの形状はこれに限られず、箱型形状や円柱状形状など、平面を含む形状であってもよい。
【0026】
遠方領域11bを球形状とした場合、近傍領域11aと遠方領域11bとの間の距離が略一定となる。この場合、近傍領域11aと遠方領域11bとの間との放電は全方位にわたって略均一に行われる。遠方領域11bを他の形状とした場合、近傍領域11aと遠方領域11bとの間の距離が略一定でなくなる。この場合、近傍領域11aと遠方領域11bとの間の距離が短い場所に放電が集中する。
【0027】
プラズマ管11は、遠方領域11bの球形状の面の一部から当該球形状の中心に到達する凹部11cを有する。近傍領域11aは、凹部11cに設けられる。換言すれば、電極12は、プラズマ管11の外部において凹部11cに挿入されている。近傍領域11aの近傍の、プラズマ管11の外側の面には、導電性塗料11dが塗布されるとともに、導電性材料11eが配置されていてよい。導電性材料11eは、例えばスチールウールなどの、繊維状の導電物質であってよい。
【0028】
プラズマ駆動回路21は、電極12に高周波電圧を印加する。プラズマ駆動回路21には、直流電源50が接続されている。プラズマ駆動回路21は、直流電源50を介してグラウンドに接地されている。プラズマ駆動回路21は、直流電源50から供給された直流電圧を、より高周波電圧に変換する。プラズマ駆動回路21が電極12に高周波電圧を印加することで、プラズマ管11の内部において、希ガスがプラズマ化されてプラズマアーク15が生じる。
【0029】
図2は、プラズマ駆動回路21の具体的な構成の例を示す図である。
図2に示す例では、プラズマ駆動回路21は、いわゆるブロッキング発振回路である。直流電源50からプラズマ駆動回路21への入力電圧は、例えば6Vであってよいがこれに限られない。プラズマ駆動回路21は、当該入力電圧を、例えば20V~5kV、かつ14kHz~30kHzの高周波電圧に変換して電極12に印加する。このとき、電極12に流れる電流の大きさは、1mA程度である。
【0030】
検出回路22は、電極12の電圧を検出する。また、検出回路22は、検出した電極12の電圧に応じた信号を出力する。電極12の電圧は、通常時には、プラズマ駆動回路21により電極12に印加される電圧に略等しい。しかし、ユーザの手31が電極12に接近すると、電極12とユーザの手31との間で擬似的なコンデンサが形成される。このとき、電極12とユーザの手31との位置関係に応じて、電極12の電圧が低下する。ここでいう電極12とユーザの手31との位置関係とは、電極12とユーザの手31との間の距離、および当該距離に存在するユーザの手31の面積を含む。
【0031】
スイッチ装置1においては、電極12とプラズマ管11との相対的な位置関係は固定されている。また、電極12は、遠方領域11bの球形状の中心に位置する。このため、電極12に対するユーザの手31の位置関係は、遠方領域11bに対するユーザの手31の接近状態または接触状態と一意に対応する。すなわち、電極12の電圧は、遠方領域11bに対するユーザの手31の接近状態または接触状態によって変化する。
【0032】
図3は、遠方領域11bに対するユーザの手31の接近状態または接触状態と、電極12の電圧との関係を示す図である。
図3において、領域301には、遠方領域11bに対するユーザの手31の接近状態と、電極12の電圧との関係を示すグラフが示されている。領域301において、横軸は遠方領域11bとユーザの手31との距離であり、縦軸は電極12の電圧である。
図3において、領域302には、遠方領域11bに対するユーザの手31の接触状態と、電極12の電圧との関係を示すグラフが示されている。領域302において、横軸は遠方領域11bに対するユーザの手31の接触面積であり、縦軸は電極12の電圧である。領域301と領域302との境界は、遠方領域11bの一点にユーザの手31が接触した状態に対応する。
【0033】
図3の領域301に示すように、電極12の電圧は、遠方領域11bにユーザの手31が接触していない状態では、遠方領域11bにユーザの手31が接近するにつれて小さくなる。また、
図3の領域302に示すように、電極12の電圧は、遠方領域11bにユーザの手31が接触した状態では、遠方領域11bに対するユーザの手31の接触面積が増加するにつれて、さらに小さくなる。換言すれば、遠方領域11bにユーザの手31が接触した状態では、遠方領域11bに対するユーザの手31の接触面積の拡大によって、電圧の変化は加速する。
【0034】
特に、スイッチ装置1においては、例えば通常のタッチパネルなどと比較して、電極12とユーザの手31との間で形成される擬似的なコンデンサの容量が大きい。このため、ユーザの手31が遠方領域11bに接触していない状態であっても、例えば遠方領域11bとユーザの手31との距離が10cm以下であれば、当該距離に応じて電極12の電圧が変動する。
【0035】
信号出力部23は、検出回路22の出力に応じた信号を出力する。上述したとおり、遠方領域11bに対するユーザの手31の接近状態または接触状態によって変化する。したがって、信号出力部23の出力を外部装置に入力するように構成されたシステムにおいて、ユーザは、遠方領域11bにユーザの手31を接近または接触させることで、外部装置に対する入力動作を行うことができる。
【0036】
信号出力部23は、例えば、検出回路22の出力が閾値以上であるか否かに応じてオンまたはオフの信号を出力する。この場合、スイッチ装置1を、二値化された信号を外部装置に入力するためのスイッチとして利用可能となる。
【0037】
信号出力部23における、検出回路22の出力についての閾値は、ユーザの手31が遠方領域11bから所定の距離に接近した状態における電極12の電圧であってよい。この場合、ユーザは、遠方領域11bから所定の距離にユーザの手31を接近させるか否かという、直感的に理解しやすい方法で、2値化された信号をスイッチ装置1により外部装置に入力できる。
【0038】
ここでいう所定の距離は、0であってもよい。所定の距離を0とした場合、検出回路22の出力についての閾値は、ユーザの手31が遠方領域11bに接触した状態における電極12の電圧となる。
【0039】
また、信号出力部23は、検出回路22の出力に応じて出力信号の値を異ならせてもよい。この場合、スイッチ装置1を、多値化された信号を外部装置に入力するためのスイッチとして利用可能となる。
【0040】
例えば、信号出力部23は、ユーザの手31と遠方領域11bとが非接触の状態において、ユーザの手31が遠方領域11bに接近する場合に、ユーザの手31と遠方領域11bとが接触するまでの距離の変化に応じた電極12の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせてよい。この場合、ユーザは、ユーザの手31と遠方領域11bとの距離を変動させることで、多値化された信号をスイッチ装置1により外部装置に入力できる。
【0041】
また、信号出力部23は、例えば、ユーザの手31と遠方領域11bとが接触している状態において、ユーザの手31と遠方領域11bとが接触している領域の面積の変化に応じた電極12の電圧の変化に応じて出力信号の値を異ならせてもよい。この場合、ユーザは、ユーザの手31を遠方領域11bに接触させる面積を変動させることで、多値化された信号をスイッチ装置1により外部装置に入力できる。
【0042】
また、上述したとおり、検出回路22の出力は、電極12の電圧を示す。信号出力部23は、検出回路22の出力に基づいて、電極12とユーザの手31との間で形成される擬似的なコンデンサの静電容量を算出し、当該静電容量に応じた信号を出力してもよい。このような静電容量に応じた信号も、検出回路22の出力に基づく信号であると言える。
【0043】
スイッチ装置1は、筐体20をさらに備えていてよい。その場合、プラズマ駆動回路21、検出回路22、および信号出力部23は、筐体20内に収容されていてよい。電極12は、筐体20から上方に突出していてよい。プラズマ管11は、電極12が凹部11c内に挿入されるように、筐体20上に配置されてよい。
【0044】
以上のとおり、スイッチ装置1においては、ユーザがプラズマ管11の遠方領域11bに、ユーザの手31などの導電体を接近または接触させることで、電極12の電圧が変化する。さらに、電極12の電圧に応じた信号を、信号出力部23が出力する。したがって、スイッチ装置1によれば、ユーザは、遠方領域11bにユーザの手31を接近または接触させることで、入力動作を行うことができる。
【0045】
また、スイッチ装置1においては、プラズマ管11の内部に生じるプラズマアーク15の挙動は、スイッチ装置1の設計者であっても予測不可能である。したがって、スイッチ装置1によれば、新鮮味のある演出を実現できる。
【0046】
(実施例1)
スイッチ装置1は、例えば遊技機に適用されてよい。遊技機には、遊技の状況に応じて、ユーザの期待が高まるような高揚感のある演出が成されるものが存在する。また、遊技機には、入賞と判定される確率が上昇したときにユーザの操作を受け付ける、または演出の表示を切り替えるための操作を受け付けるアクションスイッチが備えられているものが存在する。
【0047】
スイッチ装置1によれば、このような演出、および操作の受け付けの2つの機能を同時に実現できる。すなわち、実施例1に係る遊技機は、スイッチ装置1と、スイッチ装置1の信号出力部23から出力された信号が入力され、当該信号に応じた制御を行う制御装置と、を備える。このような遊技機における制御装置は、ユーザの期待が高まるタイミングでスイッチ装置1を発光させ、当該スイッチ装置1により高揚感のある演出を行うとともに、ユーザの操作を受け付けることができる。
【0048】
図4は、スイッチ装置1の第1の実施例を示す図である。
図4において、符号401は、遊技機100の概略を示す斜視図である。遊技機100は、ユーザの操作を受け付けるためのスイッチ200を備える。符号402は、スイッチ200の概略を示す斜視図である。スイッチ200は、スイッチ装置1によりユーザの入力を検出する。
【0049】
具体的には、遊技機100には、遊技に用いる遊技玉を貯留しておくための球受皿110が、ユーザから見て正面下方に設けられている。スイッチ200は、球受皿110の縁の中央部分に位置する。ただし、スイッチ200の位置はこれに限られず、ユーザが操作しやすい位置に設けられてよい。
【0050】
(実施例2)
スイッチ装置1は、例えばエレベータの操作スイッチ、または、室内灯などの照明のスイッチに適用されてもよい。この場合、スイッチ装置1において、高級感のある演出を実現できる。
【0051】
図5は、スイッチ装置1の第2の実施例を示す図である。
図5においては、視認性を考慮し、一部のプラズマアーク15にのみ符号を付している。
【0052】
図5において、符号501は、ユーザの手31が電極12の電圧に影響しない程度に遠方領域11bから離隔している状態のスイッチ装置1を示す。この状態では、プラズマ管11内では、弱いプラズマアーク15が近傍領域11aから複数の方向に向かって発散されている。プラズマアーク15が発散される方向は、刻々と変化する。
【0053】
図5において、符号502は、ユーザの手31が電極12の電圧に影響する程度に遠方領域11bに接近している状態のスイッチ装置1を示す。この状態では、プラズマ管11内では、近傍領域11aと、遠方領域11bにおけるユーザの手31に近い領域との間に、インピーダンスの小さい電路が生じて電流値が増加する。このため、プラズマアーク15は、主にユーザの手31に向かう方向に発散される。
【0054】
図5において、符号503は、ユーザの手31が遠方領域11bに著しく接近または接触している状態のスイッチ装置1を示す。
図5において、符号504は、ユーザの手31に加えてユーザの手32が遠方領域11bに接近または接触することで、遠方領域11bに接近または接触する導電体の面積が増加している状態のスイッチ装置1を示す。符号504において、ユーザの手31とユーザの手32とは、同一のユーザの手であってもよく、互いに異なるユーザの手であってもよい。符号503,504に示す状態では、プラズマ管11内で、近傍領域11aと、遠方領域11bにおけるユーザの手31,32に近い領域との間にプラズマアーク15が収束し、強力なプラズマアーク15が観測される。
【0055】
ユーザの手31,32の位置に応じたスイッチ装置1の変化は、プラズマ管11内だけでなく、上述したように、検出回路22の出力、および信号出力部23の出力にも表れる。このため、多値化された信号を入力するためのスイッチとしてスイッチ装置1を利用する場合、上記のエレベータまたは室内灯等のコントローラは、多値化された信号に基づいて、ユーザの手31,32の位置を推測できる。
【0056】
スイッチ装置1を、例えば室内灯のコントローラに対する入力装置として使用する場合、当該コントローラは、ユーザの手31,32が所定の位置に存在すると推測できる信号が一定時間継続して入力された場合に、当該信号の大きさに応じて、室内灯の照度を調整してよい。この場合、スイッチ装置1においては、信号を入力している期間のみ、上述したようにプラズマ管11内での放電の状態が変化する。したがって、ユーザの操作によりプラズマ管11内のプラズマアーク15に変化が生じ、さらに室内灯の照度がコントローラにより調整されるという演出が可能となる。
【0057】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 スイッチ装置(入力装置)
10 放電管
11 プラズマ管
11a 近傍領域
11b 遠方領域
11c 凹部
12 電極
21 プラズマ駆動回路
22 検出回路
23 信号出力部
100 遊技機